JP2019046565A - 電気化学デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】電極間におけるイオンの輸送量を増加させることができる、あるいは電気化学反応を促進することができる電気化学デバイスを提供すること。【解決手段】電気化学デバイス101は、容器102と、容器102内に収容された電解液106と、電解液106中に配置された正極104と、電解液106中において正極104に対向して配置された負極103と、正極104と負極103との間に存在する電解液106を正極104および負極103のいずれか一方から正極104および負極103のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させる電解液対流部110と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、電池や電気分解装置等の電気化学デバイスに関する。
近年、例えばリチウムイオン二次電池などのような二次電池は、種々の分野において使用されている。このような二次電池に対しては、充電時間の短縮化(急速充電)などが望まれている。すなわち、電気化学反応の促進が、二次電池に対して望まれている。電気化学反応の促進は、二次電池だけには限定されず、電気分解装置を含む電気化学デバイスに対して望まれている。
特許文献1には、陽極電極と陰極電極とを有する電解液体処理装置が開示されている。特許文献1に記載された装置は、陽極電極と陰極電極との間の電解反応主領域に対して処理液を強制的に攪拌しながら吐出通過させ、電解反応主領域において液体攪拌を行うことができる。
特許文献1に記載された電解液体処理装置では、図2に示すように、陽極電極の表面および陰極電極の表面は、電解処理槽内において互いに対向している。処理液吐出口から電解処理槽内に導入される処理液は、攪拌されながら、電解反応主領域において陽極電極の表面および陰極電極の表面に沿って流れる。
しかし、特許文献1に記載された電解液体処理装置では、処理液は、互いに対向する陽極電極の表面および陰極電極の表面に平行な方向に流れる。そのため、特許文献1に記載された電解液体処理装置では、陽極電極と陰極電極との間においてイオンの輸送量を増加させ、電気化学反応を促進するという点において改善の余地がある。
本発明は、このような問題を解決するものであり、電極間におけるイオンの輸送量を増加させることができる、あるいは電気化学反応を促進することができる電気化学デバイスを提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、容器と、前記容器内に収容された電解液と、前記電解液中に配置された正極と、前記電解液中において前記正極に対向して配置された負極と、前記正極と前記負極との間に存在する前記電解液を前記正極および前記負極いずれか一方から前記正極および前記負極のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させる電解液対流部と、を備えたことを特徴とする電気化学デバイスにより解決される。
前記構成によれば、電解液対流部は、正極と負極との間に存在する電解液を正極および負極のいずれか一方から正極および負極のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させる。そのため、正極と負極との間に存在する電解液は、正極および負極のいずれか一方から正極および負極のいずれか他方に向かうイオンの輸送方向に平行な方向に流れる。言い換えれば、正極と負極との間に存在する電解液は、互いに対向する正極の面および負極の面に平行な方向ではなく、互いに対向する正極の面および負極の面に対して交差する方向に流れる。このため、正極と負極との間におけるイオンの輸送形態に関して、電解液対流部を用いた人工的で強制的な電解液の対流が、イオンの濃度勾配による拡散と、正極と負極との間の電位差による電気泳動と、に対して加わる。これにより、正極と負極との間におけるイオンの輸送量を増加させることができるとともに、電気化学反応を促進することができる。
好ましくは、前記正極および前記負極のそれぞれは、多孔質材料により形成された基材と、前記基材に付着された電極材料と、を有することを特徴とする。
前記構成によれば、正極および負極のそれぞれの電極材料は、多孔質材料により形成された基材に付着されている。そのため、電解液対流部が正極および負極いずれか一方から正極および負極のいずれか他方に向かう方向に電解液を強制的に対流させると、電解液は、各電極の基材の内部(多孔質材料の空隙)に流入する。そのため、電解液は、正極および負極のいずれか一方から正極および負極のいずれか他方に向かう方向に流れ、各電極の基材の内部を通過することができる。これにより、正極と負極との間における電解液の対流が正極および負極により阻害されることを回避することができる。そのため、正極と負極との間に存在する電解液は、正極および負極のいずれか一方から正極および負極のいずれか他方に向かう方向に円滑に流れる。これにより、正極と負極との間におけるイオンの輸送量を増加させることができるとともに、電気化学反応を促進することができる。
好ましくは、前記正極および前記負極のそれぞれは、前記基材に付着され前記基材と前記電極材料との間の導電性を補助する導電助剤と、前記基材に対して前記電極材料および前記導電助剤を結着させる粘結材と、をさらに有することを特徴とする。
前記構成によれば、正極および負極のそれぞれの基材が多孔質材料により形成されていても、導電助剤が基材(多孔質材料)と電極材料との間の導電性を確保することができる。また、粘結材は、電極材料および導電助剤が電解液の対流により基材からはがれることを抑えることができる。
好ましくは、前記電解液対流部は、前記容器の外部に設けられ前記容器の一方側から前記容器の他方側に接続された配管と、前記配管に設けられ前記配管を流れる前記電解液を循環させることにより前記正極と前記負極との間に存在する前記電解液を前記正極および前記負極のいずれか一方から前記正極および前記負極のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させる駆動部と、を有することを特徴とする。
前記構成によれば、電解対流部は、配管と、駆動部と、を有する。配管は、容器の外部に設けられ、容器の一方側から容器の他方側に接続されている。駆動部は、配管に設けられ、配管を流れる電解液を循環させることにより、正極と負極との間に存在する電解液を正極および負極のいずれか一方から正極および負極のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させる。これにより、駆動部は、配管を通じて、正極および負極のいずれか一方から正極および負極のいずれか他方に向かう方向に電解液を輸送して正極と負極との間で循環させながら対流させ、電解液の流れを形成することができる。そのため、比較的簡単な構成により、電解液を強制的に対流させ、正極と負極との間におけるイオンの輸送量を増加させることができるとともに、電気化学反応を促進することができる。
以上説明したように、本発明によれば、電極間におけるイオンの輸送量を増加させることができる、あるいは電気化学反応を促進することができる電気化学デバイスを提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電気化学デバイスを表す断面図である。
図2は、本実施形態に係る電気化学デバイスの構造を示す模式図である。
図3は、本実施形態の正極および負極の構造および製造方法を説明する図である。
図2は、本実施形態に係る電気化学デバイスの構造を示す模式図である。
図3は、本実施形態の正極および負極の構造および製造方法を説明する図である。
図1と図2に表した電気化学デバイス101は、繰り返して充電可能な二次電池である。二次電池の例としては、例えばリチウムイオン二次電池などが挙げられる。本実施形態の説明では、電気化学デバイス101がリチウムイオン二次電池である場合を例に挙げる。また、本実施形態に係る電気化学デバイス101の作用の説明では、図2を参照して電気化学デバイス101の充電を例に挙げる。なお、本実施形態で説明する電気化学デバイス101の作用および効果は、電気化学デバイス101の放電においても適用可能である。この場合には、電解液106が流れる方向は、電気化学デバイス101の充電の場合に電解液106が流れる方向とは逆になる。また、本実施形態に係る電気化学デバイスは、二次電池には限定されず、例えば電気分解装置であってもよい。この場合であっても、本実施形態で説明する電気化学デバイスの作用および効果は、電気分解装置において同様に得られる。
図1および図2に示すように、電気化学デバイス101は、容器102と、多孔質の負極103と、多孔質の正極104と、多孔質のセパレータ130と、負極端子121と、正極端子122と、電解液対流部110と、を有する。但し、電気化学デバイス101は、必ずしもセパレータ130を有していなくともよい。
図2に示すように、容器102は、電解液対流部110に接続され、電解液106を収容している。電解液106に含まれる電解質としては、例えばLiPF6、LiBF4、LiClO4などのリチウム塩が挙げられる。電解液対流部110は、第1配管111と、第2配管112と、駆動部としてのポンプ115と、を有する。第1配管111および第2配管112は、本発明の「配管」に相当する。また、ポンプ115は、本発明の「駆動部」に相当する。
第1配管111の一端部は、容器102の第1側面部102Aの流出用孔102Cに接続されている。第1配管111の他端部は、ポンプ115の流入側に接続されている。第2配管112の一端部は、容器102の第2側面部102Bの流入用孔102Dに接続されている。第2配管112の他端部は、ポンプ115の流出側に接続されている。容器102の第1側面部102Aは、負極103に対面している。容器102の第2側面部102Bは、正極104に対面している。
負極103は、電解液106中において正極104に対向して配置されている。具体的には、負極103の面(第1面)107は、正極104の面(第2面)108に対向している。負極103の面107は、本発明の「第1面」に相当する。正極104の面108は、本発明の「第2面」に相当する。図3(a)に表したように、負極103は、多孔質材料により形成された基材20と、基材20に付着された電極材料22と、を有する。基材20の材料としては、例えば導電性を有する多孔質のカーボンなどが挙げられる。これによれば、基材20が多孔質材料により形成されていても、負極103の導電性がより確実に確保される。但し、基材20の材料は、カーボンだけには限定されない。電極材料22としては、例えば黒鉛(LiC6)などが挙げられる。
図3(a)に表したように、負極103を製造する場合には、例えば多孔質の基材20と、製造容器21と、を用意する。製造容器21は、例えば、電極材料22と、導電助剤23と、粘結材24、溶媒25と、を収容している。導電助剤23は、例えばカーボンの粒子を含み、基材20の表面(多孔質材料の表面)と電極材料22との間の導電性を補助する。粘結材24は、電極材料22同士をつないだり、導電助剤23同士をつないだり、電極材料22と導電助剤23とをつないだり、基材20に対して電極材料22および導電助剤23を結着させたりする。溶媒25は、電極材料22、導電助剤23および粘結材24を含んで混合している。そのため、電極材料22と、導電助剤23と、粘結材24、溶媒25と、の混合物は、製造容器21の内部において例えばペースト状として存在する。
図3(a)に表したように、電極材料22と、導電助剤23と、粘結材24、溶媒25と、の混合物に基材20を浸漬させると、電極材料22が基材20の表面に付着する。あるいは、基材20が多孔質材料により形成されているため、電極材料22は、基材20の表面に付着するとともに、基材20の空隙(多孔質材料の空隙)に入り込む。その後、電極材料22が付着した基材20を製造容器21から取り出して乾燥させる。これにより、多孔質の負極103が製造される。
正極104は、電解液106中において負極103に対向して配置されている。具体的には、正極104の面108は、負極103の面107に対向している。図3(b)に表したように、正極104は、多孔質材料により形成された基材30と、基材30に付着された電極材料32と、を有する。基材30の材料としては、例えば導電性を有する多孔質のカーボンなどが挙げられる。これによれば、基材30が多孔質材料により形成されていても、正極104の導電性がより確実に確保される。但し、基材30の材料は、カーボンだけには限定されない。電極材料32としては、例えばマンガン酸リチウム(LiMn2O4)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、およびリン酸鉄リチウム(LiFePO4)などが挙げられる。
図3(b)に表したように、正極104を製造する場合には、例えば多孔質の基材30と、製造容器31と、を用意する。製造容器31は、例えば、電極材料32と、導電助剤33と、粘結材34、溶媒35と、を収容している。導電助剤33は、例えばカーボンの粒子を含み、基材30の表面(多孔質材料の表面)と電極材料32との間の導電性を補助する。粘結材34は、電極材料32同士をつないだり、導電助剤33同士をつないだり、電極材料32と導電助剤33とをつないだり、基材30に対して電極材料32および導電助剤33を結着させたりする。溶媒35は、電極材料32、導電助剤33および粘結材34を含んで混合している。そのため、電極材料32と、導電助剤33と、粘結材34、溶媒35と、の混合物は、製造容器31の内部において例えばペースト状として存在する。
図3(b)に表したように、電極材料32と、導電助剤33と、粘結材34、溶媒35と、の混合物に基材30を浸漬させると、電極材料32が基材30の表面に付着する。あるいは、基材30が多孔質材料により形成されているため、電極材料32は、基材30の表面に付着するとともに、基材30の空隙(多孔質材料の空隙)に入り込む。その後、電極材料32が付着した基材30を製造容器31から取り出して乾燥させる。これにより、多孔質の正極104が製造される。
セパレータ130は、例えば細孔を有する膜である。セパレータ130の材料としては、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などが挙げられる。また、セパレータ130の厚さは、例えば約20μm以上、30μm以下程度である。
ポンプ115が作動すると、容器102内の電解液106は、容器102の第1側面部102Aの流出用孔102Cから容器102の外に流出して、第1配管111を通り、ポンプ115に導かれる。ポンプ115により送り出された電解液106は、第2配管112を通り、容器102の第2側面部102Bの流入用孔102Dから容器102内に流入する。
このため、ポンプ115は、容器102内において、正極104の面108と負極103の面107に対して交差する方向(イオンの輸送方向X)に電解液106を強制的に対流させて、循環させることができる。すなわち、ポンプ115は、正極104と負極103との間に存在する電解液106を正極104から負極103に向かう方向(イオンの輸送方向X)に強制的に対流させる。
正極104と負極103との間に電圧が印加されると、正極104は、リチウムイオンを生成し、負極103は、リチウムイオンを消費する。前述したように、ポンプ115が作動すると、容器102内において電解液106の強制的な対流が、正極104から負極103に向かう方向に生じる。つまり、正極104と負極103との間に存在する電解液106が、正極104から負極103に向かって流れる。
これにより、イオンの輸送方向Xに沿って正極104から負極103へ向かうリチウムイオンの輸送形態としては、リチウムイオンの濃度勾配による拡散と、正極104と負極103との間の電位差による電気泳動と、ポンプ115による人工的で強制的な電解液106の対流と、が挙げられる。すなわち、本実施形態では、ポンプ115による人工的で強制的な電解液106の対流が、リチウムイオンの濃度勾配による拡散と、正極104と負極103との間の電位差による電気泳動と、に対して加わっている。
本実施形態に係る電気化学デバイス101によれば、電解液対流部110は、正極104と負極103との間に存在する電解液106を正極104から負極103に向かう方向に強制的に対流させる。そのため、正極104と負極103との間に存在する電解液106は、正極104から負極103に向かうイオンの輸送方向Xに平行な方向に流れる。言い換えれば、正極104と負極103との間に存在する電解液106は、互いに対向する正極104の面108および負極103の面107に平行な方向ではなく、互いに対向する正極104の面108および負極103の面107に対して交差する方向に流れる。このため、正極104と負極103との間におけるイオンの輸送形態に関して、電解液対流部110を用いた人工的で強制的な電解液106の対流が、イオンの濃度勾配による拡散と、正極104と負極103との間の電位差による電気泳動と、に対して加わる。これにより、正極104と負極103との間におけるリチウムイオンの輸送量を増加させることができるとともに、電気化学反応を促進することができる。
そのため、本実施形態に係る電気化学デバイス101は、大電流を流すことができる。これにより、充電時間の短縮化(急速充電)を実現することができる。また、本実施形態に係る電気化学デバイス101は、電解液106の強制的な対流を制御することにより、例えば太陽電池や風力発電のように変動する電気量に対しても、電池として電気を蓄えることができる。
また、負極103の電極材料22は、多孔質材料により形成された基材20に付着されている。正極104の電極材料32は、多孔質材料により形成された基材30に付着されている。そのため、電解液対流部110が正極104から負極103に向かう方向に電解液106を強制的に対流させると、電解液106は、負極103の基材20および正極104の基材30の内部(多孔質材料の空隙)に流入する。そのため、電解液106は、正極104から負極103に向かう方向に流れ、負極103の基材20および正極104の基材30の内部を通過することができる。これにより、正極104と負極103との間における電解液106の対流が正極104および負極103により阻害されることを回避することができる。そのため、正極104と負極103との間に存在する電解液106は、正極104から負極103に向かう方向に円滑に流れる。これにより、正極104と負極103との間におけるリチウムイオンの輸送量を増加させることができるとともに、電気化学反応を促進することができる。
また、正極104は、基材30に付着された導電助剤33を有する。そのため、正極104の基材30が多孔質材料により形成されていても、導電助剤33が正極104の基材30の表面(多孔質材料の表面)と電極材料32との間の導電性を確保することができる。また、負極103は、基材20に付着された導電助剤23を有する。そのため、負極103の基材20が多孔質材料により形成されていても、導電助剤23が負極103の基材20の表面(多孔質材料の表面)と電極材料22との間の導電性を確保することができる。
図4は、本発明者が行った検討の結果の一例を表すグラフである。
図4に表したグラフの横軸は、電流密度を示す。図4に表したグラフの縦軸は、セル電圧を示す。電気密度は、単位面積あたりを流れる電流値を示している。電気密度が大きいほど、電極間を輸送されるイオンの輸送量が多い。
図4に表したグラフの横軸は、電流密度を示す。図4に表したグラフの縦軸は、セル電圧を示す。電気密度は、単位面積あたりを流れる電流値を示している。電気密度が大きいほど、電極間を輸送されるイオンの輸送量が多い。
図4では、本実施形態に係る電気化学デバイス101により得られた特性線L1と、比較例に係る電気化学デバイスにより得られた特性線L2と、を示している。すなわち、特性線L1は、正極104と負極103との間に存在する電解液106が正極104から負極103に向かう方向に強制的に対流する場合の特性線である。特性線L2は、電解液106の強制的な対流がない場合の特性線である。特性線L2によれば、電流密度が一定の値になると、セル電圧が上昇する一方で、電流密度は増加しない。つまり、セル電圧が上昇しても電流密度が一定の値で増加せずに飽和している。
これに対して、特性線L1によれば、電解液106の強制的な対流があるため、電流密度は、一定の値で飽和することはなく、セル電圧のわずかな上昇により大きく増加する。すなわち、特性線L1によれば、本実施形態に係る電気化学デバイス101では、セル電圧をわずかに上昇させるだけで、電流密度が増加することにより、リチウムイオンの輸送量が飛躍的に増加する。このように、正極104と負極103との間におけるリチウムイオンの輸送形態に関して、人工的で強制的な電解液106の対流が、イオンの濃度勾配による拡散と、正極104と負極103との間の電位差による電気泳動と、に対して加わると、リチウムイオンの輸送量が飛躍的に増加する。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
本実施形態では、電気化学デバイス101がリチウムイオン二次電池である場合を例に挙げて説明した。但し、本実施形態で説明した電気化学デバイスは、リチウムイオン二次電池には限定されず、例えば電気分解装置であってもよい。この場合であっても、本実施形態で説明した電気化学デバイスの作用および効果は、電気分解装置において同様に得られる。また、本実施形態に係る電気化学デバイス101の作用の説明では、電気化学デバイス101の充電を例に挙げた。但し、電気化学デバイス101の作用および効果は、電気化学デバイス101の放電においても適用可能である。この場合には、電解液106は、負極103から正極104に向かう方向に流れる。また、本実施形態の説明では、本発明の駆動部としてポンプ115を例に挙げた。但し、本発明の駆動部は、正極104と負極103との間に存在する電解液106を正極104および負極103のいずれか一方から正極104および負極103のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させることができる限りにおいて、ポンプ115には限定されず、例えば電解液106に振動を与える装置であってもよい。
20・・・基材、 21・・・製造容器、 22・・・電極材料、 23・・・導電助剤、 24・・・粘結材、 25・・・溶媒、 30・・・基材、 31・・・製造容器、 32・・・電極材料、 33・・・導電助剤、 34・・・粘結材、 35・・・溶媒、 101・・・電気化学デバイス、 102・・・容器、 102A・・・第1側面部、 102B・・・第2側面部、 102C・・・流出用孔、 102D・・・流入用孔、 103・・・負極、 104・・・正極、 106・・・電解液、 107、108・・・面、 110・・・電解液対流部、 111・・・第1配管、 112・・・第2配管、 115・・・ポンプ、 121・・・負極端子、 122・・・正極端子、 130・・・セパレータ
Claims (4)
- 容器と、
前記容器内に収容された電解液と、
前記電解液中に配置された正極と、
前記電解液中において前記正極に対向して配置された負極と、
前記正極と前記負極との間に存在する前記電解液を前記正極および前記負極のいずれか一方から前記正極および前記負極のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させる電解液対流部と、
を備えたことを特徴とする電気化学デバイス。 - 前記正極および前記負極のそれぞれは、
多孔質材料により形成された基材と、
前記基材に付着された電極材料と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学デバイス。 - 前記正極および前記負極のそれぞれは、
前記基材に付着され前記基材と前記電極材料との間の導電性を補助する導電助剤と、
前記基材に対して前記電極材料および前記導電助剤を結着させる粘結材と、
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の電気化学デバイス。 - 前記電解液対流部は、
前記容器の外部に設けられ前記容器の一方側から前記容器の他方側に接続された配管と、
前記配管に設けられ前記配管を流れる前記電解液を循環させることにより前記正極と前記負極との間に存在する前記電解液を前記正極および前記負極のいずれか一方から前記正極および前記負極のいずれか他方に向かう方向に強制的に対流させる駆動部と、
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017165369A JP2019046565A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | 電気化学デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017165369A JP2019046565A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | 電気化学デバイス |
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JP2019046565A true JP2019046565A (ja) | 2019-03-22 |
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JP2017165369A Pending JP2019046565A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | 電気化学デバイス |
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JP (1) | JP2019046565A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210117750A (ko) * | 2020-03-20 | 2021-09-29 | 한국과학기술원 | 자기유체역학적 대류를 이용한 아연-브롬 전지 시스템 |
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2017
- 2017-08-30 JP JP2017165369A patent/JP2019046565A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20210117750A (ko) * | 2020-03-20 | 2021-09-29 | 한국과학기술원 | 자기유체역학적 대류를 이용한 아연-브롬 전지 시스템 |
KR102362484B1 (ko) | 2020-03-20 | 2022-02-15 | 한국과학기술원 | 자기유체역학적 대류를 이용한 아연-브롬 전지 시스템 |
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