JP2019045853A - クラッドモード光除去構造、クラッドモード光処理構造、及びレーザ装置 - Google Patents

クラッドモード光除去構造、クラッドモード光処理構造、及びレーザ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高屈折率樹脂や光ファイバ等の信頼性が低下しにくいクラッドモード光除去構造を提供する。
【解決手段】クラッドモード光除去構造1は、被覆13の一部が除去されてクラッド12が露出したクラッド露出部14を含む光ファイバ10と、クラッド12の屈折率以上の屈折率を有する高屈折率樹脂30と、光ファイバ10の一部と高屈折率樹脂30とを保持する保持部材20と、高屈折率樹脂30を通って照射されたクラッドモード光Lを熱に変換する蓋部材40と、蓋部材40よりも熱伝導度が低い空間50とを備える。高屈折率樹脂30は、クラッド露出部14を覆うように設けられる。蓋部材40は、高屈折率樹脂30に対向する対向部41と、対向部41から保持部材20側に突出する突出部42A,42Bとを含む。空間50は、蓋部材40と高屈折率樹脂30との間に位置し、高屈折率樹脂30の少なくとも一部に接する。突出部42A,42Bと保持部材20との間には突出部42A,42Bよりも熱伝導度が低い樹脂70が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、クラッドモード光除去構造、クラッドモード光処理構造、及びレーザ装置に係り、特にファイバレーザなどのレーザ装置における光ファイバのクラッドを伝搬するクラッドモード光を除去するクラッドモード光除去構造に関するものである。
近年、10kWを超える高い出力を得ることが可能な高出力ファイバレーザが実用化されている。しかしながら、このような高出力ファイバレーザ中に存在する融着部や出力コンバイナなどにおいては、光ファイバのコアに結合することなく光ファイバのクラッドに沿って伝搬するクラッドモード光が生じる。このクラッドモード光は、高出力ファイバレーザのシステムの出力によっては数100Wに達することがあり、この場合、システムの動作が不安定になったり、システムの信頼性が低下したりする可能性がある。
したがって、このようなクラッドモード光は効果的に除去されて安全に処理される必要があるが、このようなクラッドモード光を処理するための構造として、例えば特許文献1に開示されるような構造が知られている。この構造1500においては、図1A及び図1Bに示すように、保持部材1520に形成された溝1521の内部に、光ファイバ1510の一部が収容されている。光ファイバ1510の被覆1511は、周方向の一部に渡って除去されており、これにより、クラッド1512が露出したクラッド露出部1513が、光ファイバ1510の軸方向に沿って形成されている。保持部材1520の溝1521には、クラッド1512の屈折率以上の屈折率を有する高屈折率樹脂1540が充填されている。このような高屈折率樹脂1540の上面(主面)1541と保持部材1520の上面1522とは、蓋体1530の下面1531に接触した状態で蓋体1530によって覆われている。
このような構成によれば、クラッド露出部1513においてクラッドモード光が高屈折率樹脂1540に放射され、さらにこのクラッドモード光が蓋体1530に照射され、蓋体1530に吸収されて熱に変換される。すなわち、クラッドモード光が熱に変換され、クラッドモード光から変換された熱が効果的に除去される。
しかしながら、蓋体1530の下面1531と高屈折率樹脂1540の上面1541とが互いに接触しているため、高屈折率樹脂1540を透過した光が蓋体1530に照射されて熱に変換された後、この熱が容易に高屈折率樹脂1540や光ファイバ1510に伝わってしまう。このため、このような従来の構造では、高屈折率樹脂や光ファイバ等の信頼性が低下し易いという問題があった。
特許第6010565号明細書
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、高屈折率樹脂や光ファイバ等の信頼性が低下しにくいクラッドモード光除去構造、クラッドモード光処理構造、及びレーザ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、高屈折率樹脂や光ファイバ等の信頼性が低下しにくいクラッドモード光除去構造が提供される。このクラッドモード光除去構造は、クラッド内を伝搬するクラッドモード光を除去するものである。このクラッドモード光除去構造は、被覆の少なくとも一部が除去されて上記クラッドが露出したクラッド露出部を含む光ファイバと、上記クラッドの屈折率以上の屈折率を有し、少なくとも上記クラッド露出部の一部を覆うように設けられた高屈折率樹脂と、上記光ファイバの一部と上記高屈折率樹脂とを保持する保持部材と、上記高屈折率樹脂を通って照射された上記クラッドモード光を熱に変換する熱変換部と、上記熱変換部よりも熱伝導度が低い熱伝導抑制部とを備えている。上記熱変換部は、上記高屈折率樹脂の少なくとも一部に対向する対向部と、上記対向部から上記保持部材側に突出する少なくとも1つの突出部とを含んでいる。また、上記熱伝導抑制部は、上記熱変換部と上記高屈折率樹脂との間に位置し、かつ上記高屈折率樹脂の少なくとも一部に接する。また、上記突出部と上記保持部材との間の少なくとも一部に、上記突出部よりも熱伝導度が低い熱伝導抑制領域を含んでいる。
このような構成によれば、光ファイバのクラッドを伝搬してきたクラッドモード光がクラッド露出部に至ると、クラッド露出部が高屈折率樹脂に覆われているため、クラッド露出部からクラッドモード光が漏れ出し、最終的に熱変換部によって吸収されて熱に変換される。その結果、クラッドモード光が効果的に除去される。
また、熱変換部と高屈折率樹脂との間には、高屈折率樹脂の少なくとも一部と接する熱伝導抑制部が形成されていることにより、高屈折率樹脂の少なくとも一部と熱変換部とは熱絶縁されることとなる。このため、熱変換部がクラッドモード光によって発熱した場合でも、この熱が高屈折率樹脂や光ファイバに伝わってこれらの温度が上昇することが抑制される。
このように、本発明によれば、クラッドモード光を効果的に除去しつつ高屈折率樹脂や光ファイバの温度上昇を抑制することができるため、高屈折率樹脂や光ファイバ等の信頼性が低下しにくいクラッドモード光除去構造を提供することができる。
ここで、上記熱変換部の上記対向部は、該対向部と上記高屈折率樹脂とが対向する対向方向において上記クラッド露出部の少なくとも一部に対向するクラッド対向部を含み、上記クラッド露出部は、上記熱伝導抑制部の少なくとも一部と対向することが好ましい。このような構成により、クラッド露出部から漏れ出したクラッドモード光をより確実に熱に変換して除去することができる。
この場合において、上記対向方向における上記クラッド対向部の厚さは、上記対向方向における上記熱変換部の最大厚さの半分以下であることが好ましい。また、上記熱変換部の上記クラッド対向部は、上記光ファイバの中心に対向するファイバ中心対向部を含んでもよい。この場合において、上記クラッド露出部が上記クラッド対向部に正対し、かつ、上記ファイバ中心対向部から上記突出部に向かって段階的に又は連続的に、上記熱変換部の上記対向方向における厚さが増加することが好ましい。このような構成により、光パワー密度が最大となるクラッド対向部を高屈折率樹脂から離間させることができるため、高屈折率樹脂や光ファイバの温度上昇を効果的に抑制することができる。
ところで、保持部材に対する熱変換部の位置決めを容易にするために、上記保持部材が、前記熱変換部の前記突出部が係合可能な突出部受けを含むようにクラッドモード光除去構造を構成してもよい。また、上記保持部材が上記熱変換部の上記突出部に向かって突出する凸部を含み、かつ上記突出部には上記凸部が係合可能な凹部が形成されているようにクラッドモード光除去構造を構成してもよい。
また、上記保持部材には、上記光ファイバの一部と上記高屈折率樹脂とを収容する溝が形成されていてもよく、上記保持部材の上記溝の内面の少なくとも一部には、上記クラッド露出部から上記高屈折率樹脂に漏れ出た上記クラッドモード光を上記熱変換部に向けて反射する反射部が形成されていてもよい。このような構成によれば、クラッド露出部から高屈折率樹脂に漏れ出たクラッドモード光が、保持部材の溝の内面に形成された反射部で反射して熱変換部に向かうので、クラッド露出部から高屈折率樹脂に漏れ出たクラッドモード光が保持部材に吸収されることを抑制することができる。したがって、クラッドモード光による保持部材の温度上昇を抑えることができ、クラッドモード光除去構造の信頼性を向上することができる。
上記保持部材の上記溝の断面形状は、V字状、台形状、多角形状であってもよい。また、上記保持部材の上記溝の断面形状は、半円よりも短い円弧により形成されていてもよい。このように保持部材の溝の断面形状を円弧により形成することで、溝の中に高屈折率樹脂をより効率的に充填することが可能となり、使用する高屈折率樹脂の量を減らすことができる。このため、クラッドモード光が高屈折率樹脂に吸収されて発生する熱を減らすことができる。この場合において、上記光ファイバの中心を上記円弧の中心よりも上記円弧側に位置させてもよい。これにより、反射部で反射するクラッドモード光を円弧の中心に向けることができ、クラッドモード光を効果的に熱変換部に照射することができる。
また、上記保持部材の上記溝の断面形状は、楕円の一部により形成されていてもよい。このように保持部材の溝の断面形状を楕円の一部により形成することで、溝の中に高屈折率樹脂をより効率的に充填することが可能となり、使用する高屈折率樹脂の量を減らすことができる。このため、クラッドモード光が高屈折率樹脂に吸収されて発生する熱を減らすことができる。この場合において、上記光ファイバの中心を上記楕円の焦点の位置に配置してもよい。これにより、反射部で反射するクラッドモード光を楕円の他方の焦点に向けることができ、クラッドモード光を効果的に熱変換部に照射することができる。
上記保持部材の上記溝の断面形状は、上記熱変換部の上記対向部と上記高屈折率樹脂とが対向する対向方向に沿って延びる直線に対して線対称であることが好ましい。このような構成によれば、クラッドモード光を上記直線の両側で均等に反射することができる。さらに、クラッド露出部から高屈折率樹脂に漏れ出たクラッドモード光を上記直線の両側の反射部に均等に入射させるために、上記光ファイバの中心を上記線上に位置させることが好ましい。
本発明の第2の態様によれば、高屈折率樹脂や光ファイバ等の信頼性が低下しにくいクラッドモード光処理構造が提供される。このクラッドモード光処理構造は、上述のクラッドモード光除去構造と、上記保持部材のうち上記対向面と対向する面の反対側に位置する面に接続される冷却部とを備えている。また、上記クラッドモード光処理構造における上記熱変換部の上記突出部は上記冷却部に接続されている。
このような構成によれば、熱変換部が冷却部に接続されていることにより、熱変換部が効果的に冷却されるため、熱変換部の熱が保持部材に伝わって高屈折率樹脂や光ファイバの温度が上昇してしまうことがさらに効果的に抑制される。また、熱変換部の温度を効果的に下げることができるため、安全性を確保することもできる。
ここで、上記保持部材と上記熱変換部の上記突出部との間にまで上記熱伝導抑制部が延びるようにクラッドモード光処理構造を構成してもよい。このような構成により、高屈折率樹脂や光ファイバの温度が上昇してしまうことがより一層効果的に抑制される。
本発明の第3の態様によれば、高出力のレーザビームを出射することのできる信頼性の高いレーザ装置が提供される。このレーザ装置は、レーザ光源と、上記レーザ光源に接続された光ファイバと、上述したクラッドモード光除去構造とを備えている。上記クラッドモード光除去構造は、上記レーザ光源に接続された上記光ファイバのクラッド内を伝搬するクラッドモード光を除去するように構成されている。
本発明によれば、クラッドモード光から変換された熱による高屈折率樹脂や光ファイバの温度上昇が効果的に抑制されるため、高屈折率樹脂や光ファイバ等の信頼性が低下しにくいクラッドモード光除去構造を提供できる。
図1Aは、従来のクラッドモード光除去構造を示す横断面図である。 図1Bは、従来のクラッドモード光除去構造を示す縦断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態におけるクラッドモード光除去構造及びクラッドモード光処理構造を模式的に示す断面図である。 図3は、図2に示すクラッドモード光除去構造及びクラッドモード光処理構造の変形例を模式的に示す断面図である。 図4は、図2に示すクラッドモード光除去構造及びクラッドモード光処理構造の他の変形例を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の第2の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の第3の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の第4の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の第5の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の第6の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図10は、図9に示すクラッドモード光除去構造の変形例を模式的に示す断面図である。 図11は、本発明の第7の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図12は、本発明の第8の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図13は、本発明の第9の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図14は、図13に示すクラッドモード光除去構造の変形例を模式的に示す断面図である。 図15は、本発明の第10の実施形態におけるクラッドモード光除去構造を模式的に示す断面図である。 図16は、本発明の第11の実施形態におけるクラッドモード光処理構造を模式的に示す断面図である。 図17は、本発明の第12の実施形態におけるクラッドモード光処理構造を模式的に示す断面図である。 図18は、本発明の第13の実施形態におけるクラッドモード光処理構造を模式的に示す断面図である。 図19は、図18に示すクラッドモード光処理構造の一変形例を模式的に示す断面図である。 図20は、図18に示すクラッドモード光処理構造の他の変形例を模式的に示す断面図である。 図21は、図18に示すクラッドモード光処理構造のさらに他の変形例を模式的に示す断面図である。 図22は、本発明の第14の実施形態におけるクラッドモード光処理構造を模式的に示す断面図である。 図23は、図22に示すクラッドモード光処構造の一変形例を模式的に示す断面図である。 図24は、図22に示すクラッドモード光処構造の他の変形例を模式的に示す断面図である。 図20は、図22に示すクラッドモード光処構造のさらに他の変形例を模式的に示す断面図である。 図26は、本発明に係るクラッドモード光除去構造又はクラッドモード光処理構造を適用可能なファイバレーザの一例を示す模式図である。 図27は、本発明に係るクラッドモード光除去構造又はクラッドモード光処理構造を適用可能なファイバレーザの他の例を示す模式図である。 図28は、図27に示すファイバレーザにおける増幅用光ファイバを模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図2から図28を参照して詳細に説明する。なお、図2から図28において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図2から図28においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
図2は本発明の第1の実施形態におけるクラッドモード光処理構造2を模式的に示す断面図である。図2に示すように、クラッドモード光処理構造2は、クラッドモード光除去構造1と、このクラッドモード光除去構造1に接続された水冷板60(冷却部)とを備えている。クラッドモード光除去構造1は、略直方体状に形成された保持部材20と、保持部材20の+Z方向側の面(上面22)に載置された蓋部材40とを備えている。本実施形態において、保持部材20と蓋部材40とは、黒アルマイト処理が施されたアルミニウムから形成されている。
図2に示すように、保持部材20の上面における中央部には、溝21が形成されている。この溝21は、図2の紙面表側から裏側に向かう方向(光ファイバ10の軸方向)に沿って形成されており、この溝21内に光ファイバ10が収容されている。この光ファイバ10の被覆13は、被覆13の少なくとも一部(好ましくは、被覆13の全周のうち図2の上側における略半周分)が除去されており、これにより、クラッド12が+Z方向側に露出したクラッド露出部14が形成される。このクラッド露出部14は、光ファイバ10の軸方向に沿って所定の長さにわたって形成されており、光ファイバ10の中心を通り+Z方向に延びる直線Qに対して線対称に形成されている。また、上述した光ファイバ10の被覆13は、この被覆13の全周が除去されていてもよい。
図2に示すように、保持部材20の溝21内には、クラッド12の屈折率以上の屈折率を有する高屈折率樹脂30が充填されている。そして、この高屈折率樹脂30によって光ファイバ10が覆われるとともに、光ファイバ10が溝21内に保持された状態になっている。換言すれば、クラッド露出部14が高屈折率樹脂30によって覆われた状態になっている。
図2に示すように、保持部材20の上面22には蓋部材40が載置されている。この蓋部材40は、光ファイバ10の軸方向に沿って保持部材20と平行に延びる対向部41と、対向部41から−Z方向に延びる1対の突出部42A,42Bとを含んでいる。対向部41は、上面22及び高屈折率樹脂30の主面31に対向する主部44と、突出部42Aが接続する+X方向側端部45Aと、突出部42Bが接続する−X方向側端部45Bとを有している。そして、主部44は、光ファイバ10のクラッド露出部14に対向するクラッド対向部46を含んでいる。また、クラッド露出部14は、空間50(後述する熱伝導抑制部)の少なくとも一部と対向している。突出部42A,42Bの底面と上面22との間には樹脂70(好ましくは、蓋部材40(突出部42A,42B)よりも熱伝導度が低いが熱伝導性に優れた樹脂)が設けられており、この樹脂70を介して蓋部材40が保持部材20に対して固定されている。
なお、このような樹脂70の代わりにネジ止め等によって蓋部材40を保持部材20に対して固定してもよい。この場合、蓋部材40と保持部材20とは一体的に形成されていないため、蓋部材40と保持部材20との間に、蓋部材40(突出部42A,42B)よりも熱伝導度が低い薄厚の空間が存在することになる。
ここで、上述した樹脂70及び上述した薄厚の空間が本発明における「熱伝導抑制領域」の一例に相当する。また、この熱伝導抑制領域は、少なくとも突出部42A又は突出部42Bよりも熱伝導度が低ければよく、上述した樹脂70や薄厚の空間のような構成に限定されない。また、熱伝導抑制領域は、突出部42Aと保持部材20との間又は突出部42Bと保持部材20との間の少なくとも一部に形成されていればよいが、突出部42Aと保持部材20との間及び突出部42Bと保持部材20との間の両方に形成されていることが好ましい。なお、本発明において「対向」とは、クラッド露出部がクラッド対向部に正対している場合と、クラッド露出部が上記正対している状態から傾くことによりクラッド露出部の一部のみがクラッド対向部に対向している場合との両方を含むものとする。
また、図2に示すように、保持部材20のうち上面22の反対側に位置する面には、樹脂80(好ましくは、熱伝導性に優れた樹脂)を介して水冷板60が取り付けられている。なお、ネジ止めなどによってこの水冷板60を保持部材20に取り付けてもよい。
図2に示すように、蓋部材40と高屈折率樹脂30との間には、保持部材20の上面22と、高屈折率樹脂30の主面31と、蓋部材40の内面43(すなわち、主部44の内面、突出部42Aの内面、突出部42Bの内面)とによって空間50が規定される。このように、クラッドモード光除去構造1は、光ファイバ10のクラッド露出部14の上方(+Z方向側)に高屈折率樹脂30が存在し、この高屈折率樹脂30の上方に空間50(空気)が存在し、この空間50の上方に蓋部材40の対向部41の主部44が存在する構成を有している。すなわち、クラッドモード光除去構造1は、上面22及び高屈折率樹脂30の主面31と、蓋部材40の対向部41(主部44)とが、Z方向(ここでは、対向部41と高屈折率樹脂30とが対向する対向方向を指す。以下、対向方向とも称する。)において対向する構造を有している。なお、本明細書における「対向」には、対向するものの間に他の部材等が介在している場合が含まれるものとする。
次に、このようなクラッドモード光除去構造1の作用及び効果について説明する。クラッド12を伝搬してきたクラッドモード光が、クラッド露出部14におけるクラッド12と高屈折率樹脂30との界面に至ると、高屈折率樹脂30の屈折率はクラッド12の屈折率以上であるため、このクラッドモード光はクラッド露出部14から高屈折率樹脂30に入射することになる。なお、本発明における「クラッド」とは、光ファイバが複数のクラッドを有する場合には、最外層のクラッドを意味するものとする。
そして、図2に示すように、高屈折率樹脂30に入射したクラッドモード光Lは、高屈折率樹脂30を通って空間50に照射され、さらに、空間50を通って空間50の上方に位置する蓋部材40の対向部41(主部44)に至る。ここで、上述のように、蓋部材40には黒アルマイト処理が施されているため、クラッドモード光Lは蓋部材40によって吸収されて熱に変換される。このように、蓋部材40は、クラッドモード光Lを熱に変換してクラッドモード光Lを出射光学系から除去する熱変換部として作用する。
また、蓋部材40の対向部41と高屈折率樹脂30の主面31との間には、蓋部材40に比べて熱伝導度が低い空間50(空気)が存在しているため、蓋部材40と高屈折率樹脂30とは実質的に熱絶縁された状態になっている。したがって、蓋部材40の熱が、直接、高屈折率樹脂30や光ファイバ10に伝わってしまうことが抑制される。すなわち、空間50は、蓋部材40の熱が高屈折率樹脂30や光ファイバ10に伝達することを抑制する熱伝導抑制部として作用する。したがって、蓋部材40の熱によって高屈折率樹脂30や光ファイバ10が高温となることが抑制され、その結果、出射光学系の信頼性が低下してしまうことが抑制される。
ところで、このような空間50(熱伝導抑制部)を形成するために、上面22から蓋部材40に向かって突出する突部を一体的に形成される様に保持部材20に設けることも考えられる。しかしながら、この場合、空間50に照射されたクラッドモード光Lがこの突部に入射してしまい、保持部材20の温度が上昇する結果、この保持部材20の溝21に保持されている高屈折率樹脂30や光ファイバ10が高温になり易くなる。また、突部に入射したクラッドモード光Lが上述した突部及びこの突部周辺で熱に変換された後、上述した様に一体的に形成されている分だけ、この熱が保持部材20に直接伝わりやすくなる。したがって、このような保持部材20の突部の数を減らすか、あるいは突部を設ける場合にはこの突部にクラッドモード光Lが入射し難いようにクラッドモード光除去構造を構成することが好ましい。
この点に関し、本実施形態のクラッドモード光除去構造1によれば、蓋部材40が突出部42A,42Bを備えているため、保持部材20に突部を設けることなく空間50を形成することができる。したがって、保持部材20にクラッドモード光Lが入射することが抑制され、その結果、高屈折率樹脂30や光ファイバ10の温度が上昇してしまうことが効果的に抑制される。また、突出部42A又は突出部42Bは、保持部材20と一体的に形成されておらず、突出部42Aと保持部材20との間又は突出部42Bと保持部材20との間の少なくとも一部に熱伝導抑制領域が存在している。したがって、空間50に照射されたクラッドモード光Lがこの突出部42A又は突出部42Bに入射しても、突出部42A又は突出部42Bに入射した光Lが熱に変換された後、この熱の少なくとも一部は、突出部42A又は突出部42Bよりも熱伝導度が低い熱伝導抑制領域を介して、保持部材20に伝わることになる。したがって、突出部42A又は突出部42Bと保持部材20とが一体的に形成された構成と比べて、熱伝導抑制領域が存在している分だけ、突出部42A又は突出部42Bから保持部材20に熱が直接伝わることが抑制され、その結果、高屈折率樹脂30や光ファイバ10の温度が上昇してしまうことが効果的に抑制される。
以上のように、クラッドモード光除去構造1によれば、クラッドモード光が熱に変換されて出射光学系から効果的に除去される。また、クラッドモード光から変換された熱によって高屈折率樹脂30や光ファイバ10が高温になることが効果的に抑制される。
また、本実施形態によれば、クラッドモード光除去構造1に水冷板60が取り付けられてクラッドモード光処理構造2が構成されているため、保持部材20や蓋部材40を水冷板60によって効果的に冷却することができる。したがって、高屈折率樹脂30や光ファイバ10の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
なお、高屈折率樹脂30や蓋部材40の光ファイバ10の軸方向における長さは適宜変更することができるが、光ファイバ10の軸方向におけるクラッド露出部14の全長にわたって高屈折率樹脂30及び蓋部材40を設けることで、クラッド露出部14から照射されたクラッドモード光がクラッド露出部14の上記全長にわたって除去されるため、クラッドモード光の除去(処理)効果が高まる。
また、光ファイバ10の軸方向における空間50(熱伝導抑制部)の長さも適宜変更することができるが、熱伝導抑制効果を高めるために、光ファイバ10の軸方向における保持部材20の全長にわたって形成されることが好ましい。
また、図2では、クラッドモード光Lが+Z方向側に照射されるようにクラッドモード光除去構造を構成した例が示されているが、クラッドモード光除去構造を設置する向きは適宜変更することができる。例えば、図3に示すように、クラッドモード光Lが−Z方向側に照射されるようにクラッドモード光除去構造を構成してもよいし、あるいは、図4に示すように、クラッドモード光Lが+X方向側に照射されるようにクラッドモード光除去構造を構成してもよい。また、図3に示す例において、クラッドモード光処理構造を構成するために蓋部材40の−Z方向側の面に水冷板60を取り付けてもよい。また、図4に示す例において、クラッドモード光処理構造を構成するために保持部材20の側面及び蓋部材40の側面に水冷板60を取り付けてもよい。
ところで、図2に示すように、クラッドモード光Lは高屈折率樹脂30の主面31から上方(+Z方向)に向かって照射されるため、クラッドモード光Lの大部分は蓋部材40の対向部41(主部44)に入射する。そのため、主部44に照射される光のパワー密度を下げ、かつ、蓋部材40からの熱を高屈折率樹脂30に到達し難くするために、空間50(熱伝導抑制部)を上記対向方向において厚くすることが好ましい。例えば、主部44の上記対向方向における厚さを蓋部材40の最大厚さ(図2の例では、+X方向側端部45Aと突出部42Aとを合わせた上記対向方向における厚さ、及び−X方向側端部45Bと突出部42Bとを合わせた上記対向方向における厚さ)の半分以下又は半分未満にすることで、上記対向方向における空間50の厚さを厚くしてもよい。
また、クラッド対向部46が高温になることをより効果的に抑制するために、図5に示すクラッドモード光除去構造101(第2の実施形態)を構成してもよい。このクラッドモード光除去構造101の蓋部材140は、クラッド対向部146においてZ方向の厚さが最も薄くなるように、かつ、クラッド対向部146から+X方向及び−X方向に向かうに従ってZ方向の厚さが段階的に厚くなるように形成されている。これにより、クラッド対向部146の直下に位置する部分の厚さが最大厚さとなる空間150(熱伝導抑制部)が、蓋部材140と高屈折率樹脂30との間に形成される。そして、この空間150を挟んで+X方向側に突出部142Aが、−X方向側に突出部142Bが、それぞれ位置している。
このように、本実施形態によれば、高屈折率樹脂30の主面31からクラッド対向部146までのZ方向における長さを他の部分に比べて長くすることができるため、クラッド対向部146に入射するクラッドモード光のパワー密度を小さくすることができる。そのため、クラッド対向部146が高温になることがより効果的に抑制される。
ところで、再び図2を参照すると、クラッドモード光除去構造1の空間50は断面視において長方形に形成されているため、クラッド対向部46から+X方向側又は−X方向側に離れるに従って、クラッド露出部14から蓋部材40までの距離が長くなる。すなわち、クラッドモード光除去構造1によれば、蓋部材40の端部に近くなればなる程、照射される光のパワー密度が小さくなっていくため、蓋部材40の温度分布が一様にならないという問題がある。このような問題に対応するために、以下の第3ないし第5の実施形態を構成してもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態におけるクラッドモード光除去構造201を模式的に示す断面図である。図6に示すように、このクラッドモード光除去構造201の蓋部材240は、クラッド対向部246におけるZ方向の厚さが最も薄くなるように、かつ、クラッド対向部246から+X方向及び−X方向に向かうに従ってZ方向の厚さが次第に(連続的に)厚くなるように形成されている。これにより、クラッド対向部246の直下に位置する部分の厚さが最大厚さとなり、かつ+Z方向に凸となる略台形の空間250(熱伝導抑制部)が、蓋部材240と高屈折率樹脂30との間に形成される。そして、この空間250を挟んで+X方向側に突出部242Aが、−X方向側に突出部242Bが、それぞれ位置している。
このように、本実施形態における空間250は、クラッド対向部246の直下に位置する部分が最も厚くなるように形成されていることにより、クラッド対向部246に入射するクラッドモード光のパワー密度が小さくなるため、クラッド対向部246が高温になることが効果的に抑制される。また、空間250は、クラッドモード光除去構造1の空間50と異なり、+X方向又は−X方向に向かって末広がりに形成されていることにより、高屈折率樹脂30の主面31から蓋部材240までの距離が+X方向又は−X方向に向かうに従って次第に短くなっている。したがって、クラッドモード光のパワー密度が蓋部材240の内面243のどの位置であっても略等しくなりやすくなり、その結果、蓋部材240の温度のばらつきが抑制される。
図7は、本発明の第4の実施形態におけるクラッドモード光除去構造301を模式的に示す断面図である。このクラッドモード光除去構造301の蓋部材340は、クラッド対向部346のうち直線Qが通る部分346A(ファイバ中心対向部)におけるZ方向の厚さが最も薄くなるように、かつ、ファイバ中心対向部346Aから+X方向及び−X方向に向かうに従ってZ方向の厚さが次第に厚くなるように形成されている。換言すれば、蓋部材340と高屈折率樹脂30との間には、ファイバ中心対向部346Aの直下に位置する部分が最も厚くなっている略三角形の空間350(熱伝導抑制部)が形成される。そして、この空間350を挟んで+X方向側に突出部342Aが、−X方向側に突出部342Bが、それぞれ位置している
このように、本実施形態における空間350は、ファイバ中心対向部346Aの直下に位置する部分が最も厚くなるように形成されていることにより、ファイバ中心対向部346Aに入射するクラッドモード光のパワー密度が小さくなるため、ファイバ中心対向部346Aが高温になることが効果的に抑制される。また、空間350は、+X方向又は−X方向に向かって末広がりに形成されていることにより、高屈折率樹脂30の主面31から蓋部材340までの距離が+X方向又は−X方向に向かうに従って次第に短くなっている。したがって、クラッドモード光のパワー密度が蓋部材340の内面343のどの位置であっても略等しくなりやすくなり、その結果、蓋部材340の温度のばらつきが抑制される。
図8は、本発明の第5の実施形態におけるクラッドモード光除去構造401を模式的に示す断面図である。このクラッドモード光除去構造401の蓋部材440は、クラッド対向部446のうち直線Qが通る部分446A(ファイバ中心対向部)におけるZ方向の厚さが最も薄くなるように、かつ、ファイバ中心対向部446Aから+X方向及び−X方向に向かうに従ってZ方向の厚さが次第に厚くなるように形成されている。換言すれば、蓋部材440と高屈折率樹脂30との間には、ファイバ中心対向部446Aの直下に位置する部分が最も厚くなっている略半円の空間450(熱伝導抑制部)が形成される。そして、この空間450を挟んで+X方向側に突出部442Aが、−X方向側に突出部442Bが、それぞれ位置している。
このように、本実施形態における空間450は、ファイバ中心対向部446Aの直下に位置する部分が最も厚くなるように形成されていることにより、ファイバ中心対向部446Aに入射するクラッドモード光のパワー密度が小さくなるため、ファイバ中心対向部446Aが高温になることが効果的に抑制される。また、空間450は、+X方向又は−X方向に向かって末広がりに形成されていることにより、高屈折率樹脂30の主面31から蓋部材440までの距離が+X方向又は−X方向に向かうに従って次第に短くなっている。したがって、クラッドモード光のパワー密度が蓋部材440の内面443のどの位置であっても略等しくなりやすくなり、その結果、蓋部材440の温度のばらつきが抑制される。
ところで、保持部材に対する蓋部材の位置決めを容易にするために、以下のような位置決め構造を備えるクラッドモード光除去構造を構成してもよい。例えば、図9に示すクラッドモード光除去構造501(第6の実施形態)を構成してもよい。このクラッドモード光除去構造501は、上面22の+X方向側の端部から蓋部材40の突出部42Aに向かって突出する凸部520Aと、−X方向側の端部から蓋部材40の突出部42Bに向かって突出する凸部520Bとを含んでいる。また、クラッドモード光除去構造501は、突出部42Aの中央から+X方向側の部分に形成された凹部542Aと、突出部42Bの中央から−X方向側の部分に形成された凹部542Bとを含んでいる。これら凹部542A,542Bは、それぞれ対応する凸部520A,520Bが係合できる形状及び寸法に形成されている。このような構成により、凸部520Aが凹部542Aに係合し、かつ、凸部520Bが凹部542Bに係合するため、蓋部材40が保持部材20に対して容易に位置決めされる。
ところで、このクラッドモード光除去構造501では、保持部材20に凸部520A,520Bが設けられることになるが、凸部520Aの−X方向側には蓋部材40の突出部42Aが、凸部520Bの+X方向側には蓋部材40の突出部42Bがそれぞれ存在しているため、クラッドモード光Lが保持部材20の凸部520A,520Bに入射してしまうことが抑制される。
なお、図9では、クラッドモード光除去構造501の+X方向側の端部及び−X方向側の端部において凸部520と凹部542とが係合する例が示されているが、図10に示すように、クラッドモード光除去構造501の+X方向側の端部からやや−X方向側にずれた位置に凸部520Aと凹部542Aとを形成し、−X方向側の端部からやや+X方向側にずれた位置に凸部520Bと凹部542Bとを形成してもよい。このような構成によっても、図9に示す例と同様の効果を得ることができる。
また、保持部材に対する蓋部材の位置決めを容易にするために、図11に示すクラッドモード光除去構造601(第7の実施形態)を構成してもよい。このクラッドモード光除去構造601では、上面22の+X方向側の端部に突出部受け620Aが形成されており、−X方向側の端部に突出部受け620Bが形成されている。これら突出部受け620A,620Bは、それぞれ対応する蓋部材40の突出部42A,42Bが係合できる形状及び寸法に形成されている。したがって、蓋部材40が保持部材20に対して容易に位置決めされる。
また、蓋部材の保持部材に対する位置決めを容易にするために、図12に示すクラッドモード光除去構造701(第8の実施形態)を構成してもよい。このクラッドモード光除去構造701は、上面22の+X方向側の端部からやや−X方向側にずれた位置から蓋部材40の突出部42Aに向かって突出する凸部720Aと、−X方向側の端部からやや+X方向側にずれた位置から突出部42Bに向かって突出する凸部720Bとを含んでいる。また、クラッドモード光除去構造701は、突出部42Aの中央から−X方向側の部分に形成された凹部742Aと、突出部42Bの中央から+X方向側の部分に形成された凹部742Bとを含んでいる。これら凹部742A,742Bは、それぞれ対応する凸部720A,720Bが係合できる形状及び寸法に形成されている。このような構成により、凸部720Aが凹部742Aに係合し、かつ、凸部720Bが凹部742Bに係合するため、蓋部材40が保持部材20に対して容易に位置決めされる。
このクラッドモード光除去構造701においては、凸部720A,720Bのそれぞれが、空間50に接しているが、図12からは、凸部720A,720Bが蓋部材40の対向部41まで延びている場合と比較して、凸部720A,720Bの+Z方向の長さがおよそ半分程度しかないことがわかる。そのため、本実施形態においても、クラッドモード光Lが凸部720A,720Bに入射することが抑制される。
なお、上述の第6ないし第8の実施形態における位置決め構造のうち2つ以上の構造を1つのクラッドモード光除去構造やクラッドモード光処理構造に併用してもよい。
さて、上述の第1ないし第8の実施形態においては、蓋部材が2つの突出部を含んでいる例を説明したが、突出部の数は少なくとも1つ以上であればよくて特に2つに限定されるものではなく、また、突出部の形状も特に限定されるものではない。例えば、図13に示すように、本発明の第9の実施形態におけるクラッドモード光除去構造801を構成してもよい。このクラッドモード光除去構造801は、単一の突出部42Aを含み略L字状の外形を有する蓋部材840と、−X方向側の端部から+Z方向に突出する凸部822を有する保持部材820とを備えている。この凸部822は、蓋部材840の対向部841のうち−X方向側の端部843に接続されている。これにより、保持部材820と蓋部材840との間に空間850が形成される。このような構成によれば、保持部材820には単一の凸部822しか形成されていないことにより、保持部材820の凸部が+X方向側にも形成されている場合に比べて、保持部材820に入射するクラッドモード光Lの量が減少するため、高屈折率樹脂30や光ファイバ10が高温になってしまうことが抑制される。なお、本発明の第9の実施形態における蓋部材840の対向部841は、−X方向側の端部843まで延びて構成されている。
ところで、上述の第1ないし第9の実施形態においては、+X方向側の端部又は−X方向側の端部から突出部が延びている蓋部材の例を説明したが、蓋部材の形状はこれらに限定されない。例えば、図14に示すように、蓋部材840の端部を突出部42Aの位置からさらに+X方向側に延ばし、蓋部材840を全体として略T字型の外形にしてもよい。
また、上述の第1ないし第9の実施形態においては、空間(熱伝導抑制部)が高屈折率樹脂30の主面31と全面的に接している例を説明したが、例えば、本発明の第10の実施形態におけるクラッドモード光除去構造901を構成してもよい。図15に示すように、このクラッドモード光除去構造901において、蓋部材940の突出部942A,942Bは、高屈折率樹脂30の主面31の外縁よりも内側に張り出すように形成されている。すなわち、保持部材20と蓋部材940との間に形成される空間950(熱伝導抑制部)が、高屈折率樹脂30の主面31の一部に接するように形成されている。換言すれば、高屈折率樹脂30は、その一部が蓋部材940に接しているものの、他の部分は蓋部材940に接していないため、蓋部材940の熱が高屈折率樹脂30に伝わることが抑制される。
また、上述の第1ないし第10の実施形態においては、蓋部材の対向部がクラッド対向部を有している例を説明したが、必ずしも蓋部材の対向部がクラッド露出部と対向する位置まで延びている必要はなく、保持部材20の上面22の少なくとも一部まで延びていればよい。
次に、本発明の第11の実施形態におけるクラッドモード光処理構造1002について説明する。図16は、このようなクラッドモード光処理構造1002を示す断面図である。図16に示すように、クラッドモード光処理構造1002は、クラッドモード光除去構造1001と、クラッドモード光除去構造1001が接続された水冷板60とを備えている。クラッドモード光除去構造1001は、保持部材20と、保持部材20との間で空間1050を形成する蓋部材1040とを含んでいる。保持部材20のうち上面22と反対側の面23と、水冷板60の上面61との間には樹脂(好ましくは、熱伝導性に優れた樹脂)が設けられており、この樹脂を介して保持部材20が水冷板60に対して固定されている。なお、樹脂の代わりにネジ止め等により保持部材20を水冷板60に固定してもよい。
本実施形態において、蓋部材1040は、黒アルマイト処理が施されたアルミニウムから形成されている。図16に示すように、この蓋部材1040は、保持部材20の上面22と高屈折率樹脂30の主面31とに対向する対向部1041と、対向部1041の+X方向側の端部から−Z方向に延びる突出部1042Aと、対向部1041の−X方向側の端部から−Z方向に延びる突出部1042Bとを含んでいる。突出部1042Aの−X方向側の側面1044Aは、その略下半分において保持部材20の+X方向側の側面25Aと接触している。同様に、突出部1042Bの+X方向側の側面1044Bは、その略下半分において保持部材20の−X方向側の側面25Bと接触している。また、突出部1042Aの底面1043A及び突出部1042Bの底面1043Bと、水冷板60の上面61との間には樹脂1044(好ましくは、熱伝導性に優れた樹脂)が設けられており、この樹脂1044を介して蓋部材1040が水冷板60に対して固定されている。なお、樹脂1044の代わりにネジ止め等により蓋部材1040を水冷板60に固定してもよい。
このような構成により、保持部材20の上面22及び高屈折率樹脂30の主面31と、突出部1042Aの側面1044Aと、対向部1041の内面1041Aと、突出部1042Bの側面1044Bとによって規定される空間1050(熱伝導抑制部)が、蓋部材1040と保持部材20との間に形成され、これにより、蓋部材1040と高屈折率樹脂30とが、実質的に熱絶縁された状態となる。したがって、光ファイバ10のクラッド露出部14から高屈折率樹脂30及び空間1050に放射されたクラッドモード光が蓋部材1040において熱に変換された後、この熱が高屈折率樹脂30に伝わってしまうことが効果的に抑制される。
また、本実施形態におけるクラッドモード光処理構造1002によれば、蓋部材1040の突出部1042A,1042Bが水冷板60に接続されているため、蓋部材1040の熱が直接水冷板60に伝わり、蓋部材1040が効果的に冷却される。このように、本実施形態によれば、クラッドモード光が効果的に除去され、また、クラッドモード光から変換された熱が効果的に処理される。そして、上述の熱が効果的に処理されることにより蓋部材1040や保持部材20が高温になることが抑制されるため、安全性を確保することもできる。
次に、本発明の第12の実施形態におけるクラッドモード光処理構造1102について説明する。図17に示すように、クラッドモード光処理構造1102は、クラッドモード光除去構造1101と、クラッドモード光除去構造1101が接続された水冷板60とを備えている。クラッドモード光除去構造1101は、水冷板60に接続されている保持部材20と、同様に水冷板60に接続されている蓋部材1140とを含んでいる。この蓋部材1140は、対向部1041の+X方向側の端部から−Z方向に延びる突出部1142Aと、対向部1041の−X方向側の端部から−Z方向に延びる突出部1142Bとを有している。上述のクラッドモード光処理構造1002と異なり、突出部1142Aの−X方向側の側面1144Aと、保持部材20の+X方向側の側面25Aとは離間している。同様に、突出部1142Bの+X方向側の側面1144Bと、保持部材20の−X方向側の側面25Bとは離間している。このように、クラッドモード光処理構造1102の空間1150(熱伝導抑制部)は、対向部1041の内面1041Aと保持部材20の上面22との間だけでなく、突出部1142A,1142Bと保持部材20との間にも形成されている。
このような構成によれば、蓋部材1140の熱が突出部1142A,1142Bを介して保持部材20に直接伝わることが抑制されるため、高屈折率樹脂30や光ファイバ10の温度上昇が極めて効果的に抑制される。
上述した第1ないし第12の実施形態における保持部材20は、黒アルマイト処理が施されたアルミニウムから形成されているため、クラッド露出部14から高屈折率樹脂30に漏れ出たクラッドモード光の一部は、保持部材20の溝21の内面で吸収され、保持部材20の温度が上昇する。この保持部材20の温度上昇は、蓋部材と比較すると小さいものであるが、近年のレーザ光の高出力化に伴って無視できないものとなり得る。このような保持部材20の熱が高屈折率樹脂30や光ファイバ10に伝わると、これらの部材の信頼性が低下し得る。このため、以下の第13及び第14の実施形態においては、クラッド露出部14から高屈折率樹脂30に漏れ出たクラッドモード光が保持部材1220に吸収されにくい構造として、保持部材1220の温度上昇を抑制している。
図18は、本発明の第13の実施形態におけるクラッドモード光処理構造1202を模式的に示す断面図である。図18に示すように、クラッドモード光処理構造1202は、略直方体状に形成された保持部材1220を含むクラッドモード光除去構造1201を備えている。この保持部材1220は、全面に金めっき処理が施されたアルミニウムから形成されている。
図18に示すように、保持部材1220の上面における中央部には、V字状の断面形状を有する溝1221が形成されている。この溝1221は、図18の紙面表側から裏側に向かう方向(光ファイバ10の軸方向)に沿って形成されており、この溝1221内に光ファイバ10のクラッド露出部14が収容されている。この溝1221の内部には上述した高屈折率樹脂30が充填されている。図18に示すように、保持部材1220の溝1221の断面形状は、光ファイバ10の中心を通りZ方向に延びる直線Qに対して線対称となっている。
溝1221の内面には、上述した金めっき処理により光の反射率が高い金めっき層1222が形成されており、この金めっき層1222は、クラッド露出部14から高屈折率樹脂30に漏れ出たクラッドモード光を蓋部材40に向けて反射する反射部として機能する。なお、本実施形態では、金めっき層1222が保持部材1220の全面に形成されているが、溝1221の内面の少なくとも一部にこのような金めっき層1222が形成されていればよい。
このような構成によれば、クラッド露出部14から高屈折率樹脂30に漏れ出て金めっき層1222に入射したクラッドモード光が、金めっき層1222で反射して蓋部材40に向かうので、クラッド露出部14から高屈折率樹脂30に漏れ出たクラッドモード光が保持部材1220に吸収されることを抑制することができる。したがって、クラッドモード光による保持部材1220の温度上昇を抑えることができ、クラッドモード光除去構造1201の信頼性を向上することができる。
本実施形態では、保持部材1220の溝1221の断面形状がZ方向に延びる直線Qに対して線対称となっているので、クラッドモード光を直線Qの両側で均等に反射することができる。さらに、本実施形態では、光ファイバ10の中心がこの直線Q上に位置しているため、クラッド露出部14から高屈折率樹脂30に漏れ出たクラッドモード光を直線Qの両側の金めっき層1222に均等に入射させることができる。
保持部材1220の溝1221の断面形状は上述したV字状に限られるものではない。例えば、保持部材1220の溝1221の断面形状は、図19に示すような台形状であってもよく、あるいは他の多角形の形状であってもよい。また、図20に示すように、保持部材1220の溝1221の断面形状を半円よりも短い円弧によって形成してもよい。このように保持部材1220の溝1221の断面形状を円弧により形成することで、溝1221の中に高屈折率樹脂30をより効率的に充填することが可能となり、使用する高屈折率樹脂30の量を減らすことができる。このため、クラッドモード光が高屈折率樹脂30に吸収されて発生する熱を減らすことができる。この場合において、光ファイバ10の中心を円弧の中心よりも円弧側(図20において−Z方向側)に位置させることで、金めっき層1222で反射するクラッドモード光を光ファイバの+Z方向側に位置する円弧の中心に向けることができ、クラッドモード光が効果的に蓋部材40に照射される。
また、図21に示すように、保持部材1220の溝1221の断面形状を楕円の一部により形成してもよい。このように保持部材1220の溝1221の断面形状を楕円の一部により形成することで、溝1221の中に高屈折率樹脂30をより効率的に充填することが可能となり、使用する高屈折率樹脂30の量を減らすことができる。このため、クラッドモード光が高屈折率樹脂30に吸収されて発生する熱を減らすことができる。この場合において、光ファイバ10の中心を楕円の焦点の位置に配置することで、金めっき層1222で反射するクラッドモード光を光ファイバの+Z方向側に位置する楕円の他方の焦点に向けることができ、クラッドモード光が効果的に蓋部材40に照射される。
図22は、本発明の第14の実施形態におけるクラッドモード光処理構造1302を模式的に示す断面図である。このクラッドモード光処理構造1302は、上述した第12の実施形態における保持部材20(図17)に代えて第13の実施形態の保持部材1220を適用したものである。このように、上述した第13の実施形態における保持部材1220を上述した第1ないし第12の実施形態に適用することができる。また、図19から図21に示す保持部材1220も第1ないし第12の実施形態に適用することができる。図23、図24、及び図25は、それぞれ上述した図19、図20、及び図21に対応するものである。
上述した第13及び第14の実施形態においては、クラッド露出部14から高屈折率樹脂30に漏れ出たクラッドモード光を蓋部材40に向けて反射する反射部として金めっき層1222を用いた例を説明したが、これに限られるわけではない。なお、このような反射部は、85%以上の反射率を有していることが好ましい。
上述した第1ないし第14の実施形態においては、熱伝導抑制部が空間(空気)として形成された例を説明したが、熱伝導抑制部は必ずしも空間(空気)に限定されない。例えば、上記熱伝導抑制部を窒素(N2)やアルゴン(Ar)などの気体から形成してもよい(すなわち、上記空間に窒素やアルゴンを充填してもよい)。あるいは、高屈折率樹脂と蓋部材との間に光透過性を有する低熱伝導部材を介在させることで、熱伝導抑制部を構成してもよい。このような低熱伝導部材として、例えば、光透過性を有しかつ熱伝導の低い石英を用いることができる。あるいは、高屈折率樹脂30と蓋部材との界面に低熱伝導処理を施してもよい。このような低熱伝導処理は、例えば、高屈折率樹脂と蓋部材との界面に液状化した石英ガラスを塗布することによって行うことができる。また、このような低熱伝導部の形状及び数は特に限定されるものではない。
また、上述した第1ないし第14の実施形態においては、光ファイバのクラッド露出部が蓋部材の対向部と正対している例(すなわち、クラッド露出部が上記直線Qに対して線対称に形成されている例)を説明したが、クラッドモード光の少なくとも一部がクラッド露出部から対向部又は蓋部材40の内面に到達できるのであれば、必ずしもクラッド露出部が対向部に正対している必要はない。すなわち、クラッド露出部の一部が対向部に対向するように、クラッド露出部が直線Qに対して+X方向側又は−X方向側に傾いていてもよい。
また、上述した第1ないし第12の実施形態においては、蓋部材及び保持部材を黒アルマイト処理が施されたアルミニウムで形成した例を説明したが、一定の熱伝導性を有するのであれば、蓋部材及び保持部材の材料を任意に選択してもよい。例えば、蓋部材や保持部材を銅で形成してもよい。
また、上述した第1ないし第14の実施形態においては、高屈折率樹脂を保持部材の溝全体に充填した例を説明したが、必ずしも溝全体に充填する必要はなく、クラッド露出部の少なくとも一部を覆うように設けられていればよい。
このようなクラッドモード光除去構造又はクラッドモード光処理構造は、ファイバレーザなどのレーザ装置においてクラッドモード光を除去したい箇所に適用することができる。図26は、本発明に係るクラッドモード光除去構造又はクラッドモード光処理構造を適用可能なレーザ装置の一例を示す模式図である。
図26に示すレーザ装置2101は、ファイバレーザとして構成されており、レーザ光源としての光ファイバ増幅器2102とレーザ出射部2160とを備えている。光ファイバ増幅器2102は、光共振器2110と、光共振器2110の前方から光共振器2110に励起光を導入する複数の前方励起光源2120Aと、これらの前方励起光源2120Aが接続された前方インラインコンバイナ2122Aと、光共振器2110の後方から光共振器2110に励起光を導入する複数の後方励起光源2120Bと、これらの後方励起光源2120Bが接続された後方インラインコンバイナ2122Bとを備えている。光共振器2110は、イットリウム(Yb)やエルビウム(Er)などの希土類イオンが添加されたコアを有する増幅用光ファイバ2112と、増幅用光ファイバ2112及び前方インラインコンバイナ2122Aと接続される高反射ファイバブラッググレーディング(High Reflectivity Fiber Bragg Grating(HR−FBG))2114と、増幅用光ファイバ2112及び後方インラインコンバイナ2122Bと接続される低反射ファイバブラッググレーディング(Output Coupler Fiber Bragg Grating(OC−FBG))2116とから構成されている。例えば、増幅用光ファイバ2112は、コアの周囲に形成された内側クラッドと、内側クラッドの周囲に形成された外側クラッドとを有するダブルクラッドファイバによって構成される。
また、図26に示すように、光ファイバ増幅器2102は、後方インラインコンバイナ2122Bから延びる第1のデリバリファイバ2130と、この第1のデリバリファイバ2130と融着接続部2140で融着接続される第2のデリバリファイバ2150とをさらに有している。この第2のデリバリファイバ2150の下流側の端部には増幅用光ファイバ2112からのレーザ発振光を例えば被処理物に向けて出射するレーザ出射部2160が設けられている。
前方励起光源2120A及び後方励起光源2120Bとしては、例えば、波長915nmの高出力マルチモード半導体レーザ(LD)を用いることができる。前方インラインコンバイナ2122A及び後方インラインコンバイナ2122Bは、それぞれ前方励起光源2120A及び後方励起光源2120Bから出力される励起光を結合して上述した増幅用光ファイバ2112の内側クラッドに導入するものである。これにより、増幅用光ファイバ2112の内側クラッドの内部を励起光が伝搬する。
HR−FBG2114は、周期的に光ファイバの屈折率を変化させて形成されるもので、所定の波長帯の光を100%に近い反射率で反射するものである。OC−FBG2116は、HR−FBG2114と同様に、周期的に光ファイバの屈折率を変化させて形成されるもので、HR−FBG2114で反射される波長帯の光の一部(例えば10%)を通過させ、残りを反射するものである。このように、HR−FBG2114と増幅用光ファイバ2112とOC−FBG2116とによって、HR−FBG2114とOC−FBG2116との間で特定の波長帯の光を再帰的に増幅してレーザ発振を生じさせる光共振器2110が構成される。
このような構成のレーザ装置2101において、上述したクラッドモード光除去構造やクラッドモード光処理構造(例えば、本発明の第12の実施形態におけるクラッドモード光処理構造1102)を、例えば、光ファイバ増幅器2102において第1のデリバリファイバ2130と第2のデリバリファイバ2150とを融着接続する融着接続部2140に適用することができる。このように、融着接続部2140にクラッドモード光処理構造1102を適用することで、増幅用光ファイバ2112にて吸収されずに第1のデリバリファイバ2130のクラッドを伝搬する励起光や増幅用光ファイバ2112のコアから漏れ出たレーザ光などのクラッドモード光が熱に変換される。そして、クラッドモード光から変換された熱が効果的に処理される。また、このクラッドモード光処理構造1102によれば、クラッドモード光から生じた熱によってクラッドモード光処理構造1102内の高屈折率樹脂や光ファイバの温度上昇が効果的に抑制されることにより、クラッドモード光処理構造1102における高屈折率樹脂や光ファイバの信頼性が損なわれることが防止されるため、レーザ装置の信頼性を確保しつつ高出力化を実現することが可能となる。また、クラッド露出部14の全長にわたって図17に示す構造を構成することで、より効果的にクラッドモード光を除去しかつ熱を処理することが可能となるので、クラッドモード光を処理し熱を処理するためのスペースを少なくすることができる。そのため、システムの小型化を実現することが可能となる。
なお、本発明に係るクラッドモード光除去構造やクラッドモード光処理構造は、融着接続部2140に限られず、クラッドモード光を除去したい任意の箇所に設けてよいことは言うまでもない。例えば、光ファイバ増幅器2102の前方インラインコンバイナ2122Aや後方インラインコンバイナ2122Bに適用してもよい。
また、図26に示す例では、HR−FBG2114側とOC−FBG2116側の双方に励起光源2120A,2120Bとコンバイナ2122A,2122Bが設けられており、双方向励起型のファイバレーザとなっているが、HR−FBG2114側とOC−FBG2116側のいずれか一方にのみ励起光源とコンバイナを設置することとしてもよい。また、光共振器2110内でレーザ発振させるための反射手段としてFBGに代えてミラーを用いることもできる。
図27は、本発明に係るクラッドモード光除去構造を適用可能なレーザ装置の他の例を示す模式図である。図27に示すレーザ装置3201は、ファイバレーザとして構成されており、レーザ光源としての光ファイバ増幅器3202とレーザ出射部3260とを備えている。光ファイバ増幅器3202は、信号光を発生させる信号光発生器3210と、励起光を発生させる複数の励起光源3220と、信号光発生器3210からの信号光と励起光源3220からの励起光とを結合して出力する光カプラ3222と、光カプラ3222の出力端3224に端部が接続された増幅用光ファイバ3212と、増幅用光ファイバ3212と融着接続部3240で融着接続されるデリバリファイバ3250を備えている。デリバリファイバ3250の下流側の端部には、増幅用光ファイバ3212からのレーザ発振光を例えば被処理物に向けて出射するレーザ出射部3260が設けられている。
図28は、増幅用光ファイバ3212を模式的に示す断面図である。図28に示すように、増幅用光ファイバ3212は、信号光発生器3210により生成された信号光を伝搬するコア3214と、コア3214の周囲に形成された内側クラッド3216と、内側クラッド3216の周囲に形成された外側クラッド3218とを有するダブルクラッドファイバによって構成される。コア3214は、例えばYbなどの希土類元素が添加されたSiO2からなり、信号光を伝搬する信号光導波路となっている。内側クラッド3216は、コア3214の屈折率よりも低い屈折率の材料(例えばSiO2)からなる。外側クラッド3218は、内側クラッド3216の屈折率よりも低い屈折率の樹脂(例えば低屈折率ポリマー)からなる。これにより、内側クラッド3216は励起光を伝搬する励起光導波路となる。
信号光発生器3210からの信号光は、増幅用光ファイバ3212のコア3214の内部を伝搬し、励起光源3220からの励起光は増幅用光ファイバ3212の内側クラッド3216及びコア3214の内部を伝搬する。励起光がコア3214を伝搬する際に、コア3214に添加された希土類元素イオンが励起光を吸収して励起され、誘導放出によってコア3214中を伝搬する信号光が増幅される。
このような構成のレーザ装置3201において、例えばクラッドモード光処理構造1102を、例えば増幅用光ファイバ3212とデリバリファイバ3250とを融着接続する融着接続部3240に適用することができる。このように、光ファイバ増幅器3202の融着接続部3240にクラッドモード光処理構造1102を適用することで、増幅用光ファイバ3212にて吸収されなかった励起光や増幅用光ファイバ3212のコアから漏れ出たレーザ光などのクラッドモード光を効果的に熱に変換して除去することができ、かつ、この熱を効果的に処理することができる。
なお、本発明に係るクラッドモード光除去構造やクラッドモード光処理構造は、融着接続部3240に限られず、クラッドモード光を除去したい任意の箇所に設けることができることは言うまでもない。例えば、信号光発生器3210からの信号光と励起光源3220からの励起光とを結合して出力する光カプラ3222に適用してもよい。
また、上述の実施形態では本発明に係るクラッドモード光除去構造やクラッドモード光処理構造をファイバレーザに適用した例を説明したが、ファイバレーザに限られず、半導体レーザなど、レーザ光源を有するレーザ装置に本発明を適用できることは言うまでもない。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 クラッドモード光除去構造
2 クラッドモード光処理構造
10 光ファイバ
12 クラッド
13 被覆
14 クラッド露出部
20 保持部材
21 溝
22 上面
25A 側面
25B 側面
30 高屈折率樹脂
31 主面
40 蓋部材(熱変換部)
41 対向部
42A,142A,242A,342A,442A 突出部
42B,142B,242B,342B,442B 突出部
43 内面
44 主部
45A +X方向側端部
45B −X方向側端部
46 クラッド対向部
50 空間(熱伝導抑制部)
60 水冷板(冷却部)
70 樹脂(熱伝導抑制領域)
101,201,301,401,501,601,701,801,901,1001,1101 クラッドモード光除去構造
140,240,340,440,840,940,1040,1140 蓋部材(熱変換部)
146,246,346,446 クラッド対向部
150,250,350,450,850,950,1050,1150 空間(熱伝導抑制部)
243,343,443 内面
346A,446A ファイバ中心対向部
520A,520B,720A,720B 凸部
542A,542B,742A,742B 凹部
620A,620B 突出部受け
820 保持部材
822 凸部
841,1041 対向部
843 端部
942A,942B,1042A,1042B,1142A,1142B 突出部
1002,1102 クラッドモード光処理構造
1041A 内面
1043A,1043B 底面
1044A,1044B,1144A,1144B 側面
2101 レーザ装置
2102 光ファイバ増幅器
2110 光共振器
2112 増幅用光ファイバ
2114 HR-FBG
2116 OC-FBG
2120A 前方励起光源
2120B 後方励起光源
2122A 前方インラインコンバイナ
2122B 後方インラインコンバイナ
2130 第1のデリバリファイバ
2140 融着接続部
2150 第2のデリバリファイバ
2160 レーザ出射部
3201 レーザ装置
3202 光ファイバ増幅器
3210 信号光発生器
3212 増幅用光ファイバ
3214 コア
3216 内側クラッド
3218 外側クラッド
3220 励起光源
3222 光カプラ
3224 出力端
3240 融着接続部
3250 デリバリファイバ
3260 レーザ出射部

Claims (19)

  1. クラッド内を伝搬するクラッドモード光を除去するクラッドモード光除去構造であって、
    被覆の少なくとも一部が除去されて前記クラッドが露出したクラッド露出部を含む光ファイバと、
    前記クラッドの屈折率以上の屈折率を有し、少なくとも前記クラッド露出部の一部を覆うように設けられた高屈折率樹脂と、
    前記光ファイバの一部と前記高屈折率樹脂とを保持する保持部材と、
    前記高屈折率樹脂の少なくとも一部に対向する対向部と、前記対向部から前記保持部材側に突出する少なくとも1つの突出部とを含み、前記高屈折率樹脂を通って照射された前記クラッドモード光を熱に変換する熱変換部と、
    前記熱変換部よりも熱伝導度が低い熱伝導抑制部であって、前記熱変換部と前記高屈折率樹脂との間に位置し、かつ前記高屈折率樹脂の少なくとも一部に接する熱伝導抑制部とを備え、
    前記突出部と前記保持部材との間の少なくとも一部に、前記突出部よりも熱伝導度が低い熱伝導抑制領域を含む、クラッドモード光除去構造。
  2. 前記熱変換部の前記対向部は、該対向部と前記高屈折率樹脂とが対向する対向方向において前記クラッド露出部の少なくとも一部に対向するクラッド対向部を含み、前記クラッド露出部は、前記熱伝導抑制部の少なくとも一部と対向する、請求項1に記載のクラッドモード光除去構造。
  3. 前記対向方向における前記クラッド対向部の厚さは、前記対向方向における前記熱変換部の最大厚さの半分以下である、請求項2に記載のクラッドモード光除去構造。
  4. 前記熱変換部の前記クラッド対向部は、前記光ファイバの中心に対向するファイバ中心対向部を含み、
    前記クラッド露出部が前記クラッド対向部に正対し、かつ、
    前記ファイバ中心対向部から前記突出部に向かって段階的に又は連続的に、前記熱変換部の前記対向方向における厚さが増加する、
    請求項2又は3に記載のクラッドモード光除去構造。
  5. 前記保持部材は、前記熱変換部の前記突出部が係合可能な突出部受けを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のクラッドモード光除去構造。
  6. 前記保持部材は、前記熱変換部の前記突出部に向かって突出する凸部を含み、
    前記突出部には、前記凸部が係合可能な凹部が形成されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のクラッドモード光除去構造。
  7. 前記保持部材には、前記光ファイバの一部と前記高屈折率樹脂とを収容する溝が形成され、
    前記保持部材の前記溝の内面の少なくとも一部には、前記クラッド露出部から前記高屈折率樹脂に漏れ出た前記クラッドモード光を前記熱変換部に向けて反射する反射部が形成されている、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のクラッドモード光除去構造。
  8. 前記保持部材の前記溝の断面形状はV字状である、請求項7に記載のクラッドモード光除去構造。
  9. 前記保持部材の前記溝の断面形状は台形状である、請求項7に記載のクラッドモード光除去構造。
  10. 前記保持部材の前記溝の断面形状は多角形状である、請求項7に記載のクラッドモード光除去構造。
  11. 前記保持部材の前記溝の断面形状は、半円よりも短い円弧により形成される、請求項7に記載のクラッドモード光除去構造。
  12. 前記光ファイバの中心は、前記円弧の中心よりも前記円弧側に位置している、請求項11に記載のクラッドモード光除去構造。
  13. 前記保持部材の前記溝の断面形状は、楕円の一部により形成される、請求項7に記載のクラッドモード光除去構造。
  14. 前記光ファイバの中心は、前記楕円の焦点の位置にある、請求項13に記載のクラッドモード光除去構造。
  15. 前記保持部材の前記溝の断面形状は、前記熱変換部の前記対向部と前記高屈折率樹脂とが対向する対向方向に沿って延びる直線に対して線対称である、請求項7から14のいずれか一項に記載のクラッドモード光除去構造。
  16. 前記光ファイバの中心は前記線上に位置する、請求項15に記載のクラッドモード光除去構造。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載のクラッドモード光除去構造と、
    前記保持部材のうち前記対向部と対向する面の反対側に位置する面に接続される冷却部と
    を備え、
    前記クラッドモード光除去構造における前記熱変換部の前記突出部が前記冷却部に接続されている、クラッドモード光処理構造。
  18. 前記保持部材と前記熱変換部の前記突出部との間にまで上記熱伝導抑制部が延びる、請求項17に記載のクラッドモード光処理構造。
  19. レーザ光源と、
    前記レーザ光源に接続された光ファイバと、
    請求項1から16のいずれか一項に記載のクラッドモード光除去構造と
    を備え、
    前記クラッドモード光除去構造は、前記レーザ光源に接続された前記光ファイバのクラッド内を伝搬するクラッドモード光を除去するように構成される、
    レーザ装置。
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