JP2019045234A - 測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズの影響を抑えて油膜の厚さを正確に求めることを可能とする。【解決手段】誘起蛍光法により油膜41の厚さを求める測定方法は、撮影ステップ、取得ステップ、補正ステップ、及び測定ステップを含む。撮影ステップでは、画像センサ14を有する撮影装置12によって油膜41を撮影する。取得ステップでは、得られた画像情報から、各位置の輝度に関する輝度情報を、RGBの色成分毎に取得する。補正ステップでは、画像センサ14の分光特性により示されるRGBの色成分のうち、蛍光物質42の励起光の波長に近い色成分について取得した輝度情報を、基礎輝度情報とし、励起光の波長に遠い色成分について取得した輝度情報を、補正用情報とし、補正用情報を用いて基礎輝度情報を補正する。測定ステップは、補正した基礎輝度情報を、油膜厚さと蛍光物質42の光励起による輝度に関する輝度情報との相関により換算して油膜厚さを求める。【選択図】 図1

Description

本発明は、潤滑油の厚さを求める測定方法に関する。
例えば二つの部材が滑り接触する場合、潤滑油が用いられる。これにより二部材の接触面間に油膜が形成され、焼き付き等の損傷を防ぐことが可能となる。二部材間の油膜の厚さやその周囲の油膜を適切な値とすることにより好ましい潤滑状態が得られることから、潤滑油の研究では、油膜の厚さを測定する取り組みが行われている。
その測定方法として、例えば特許文献1に記載されているように、蛍光物質を分散させた潤滑油を二部材間に塗布し、レーザ光を照射することで蛍光物質から発せられる蛍光の輝度を測定する方法がある(レーザ誘起蛍光法)。これは、油膜が厚くなるにしたがって、蛍光物質の量が増大することから、油膜厚さに比例して蛍光(光励起)による輝度が高くなることを利用した測定方法である。なお、一つの部材(対象物)が他の部材と接触して前記のように油膜を形成する機械要素として、例えば密封装置(シール)がある。
特開平06−174431号公報
前記測定方法の場合、予めテストゲージを用いて、蛍光物質を含む潤滑油の厚さと、その蛍光物質による輝度(輝度値)との相関が求められる。例えば図9(A)に示すように、蛍光物質を含む潤滑油93を平面91と透明な平板92とによって挟んだ状態とし、この平板92の端部を、規定厚さのブロックゲージ94に載せることで、平面91と平板92との間の水平方向の各位置Pnにおける隙間の値Dnが演算によって求められる。そして、レーザ光を照射し、平板92上のカメラ(図示せず)により、水平方向の各位置Pnにおける輝度を測定する(図7(B)参照)。これにより、油膜の厚さと輝度との相関を得ることができる。
そして、測定の対象となる対象物に蛍光物質を含む潤滑油を塗布し、レーザ光を照射し、対象物に形成された油膜の輝度の分布を示す画像を取得する。取得した画像情報における輝度から、前記相関に基づいて対象物の油膜の厚さを求めることができる。
油膜が形成された対象物に所定波長のレーザ光を照射することで、蛍光物質は特有の蛍光波長の光を発するが、前記対象物が例えばゴムや樹脂等の有機材料であると、蛍光波長よりも長い波長及び短い波長の光も発する波長シフトが生じたり(ストークス散乱、反ストークス散乱)、また、有機材料が微弱な蛍光特性を有することがある。この場合、前記のような波長シフト等による光がノイズとなって前記画像情報が取得されてしまい、前記相関に基づいて対象物の油膜の厚さを求めても、不正確となる場合がある。
そこで、本発明は、前記のようなノイズの影響を抑えて油膜の厚さを正確に求めることを可能とする測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、潤滑油に含ませた蛍光物質を光励起させて行なう誘起蛍光法により、対象物に形成されている油膜の厚さを求める測定方法であって、前記油膜に光を照射すると共に、画像センサを有する撮影装置によって当該油膜を撮影する撮影ステップと、前記撮影装置により得られた画像情報から、各位置の輝度に関する輝度情報を、RGBの色成分毎に取得する取得ステップと、前記画像センサの分光特性により示されるRGBの色成分のうち、前記蛍光物質の励起光の波長に近い色成分について前記取得ステップで取得した前記輝度情報を、基礎輝度情報とし、当該励起光の波長に遠い色成分について前記取得ステップで取得した前記輝度情報を、補正用情報とし、当該補正用情報を用いて当該基礎輝度情報を補正する補正ステップと、補正した前記基礎輝度情報を、油膜厚さと前記蛍光物質の光励起による輝度に関する輝度情報との相関により換算して油膜厚さを求める測定ステップと、を含む。
この測定方法によれば、対象物が例えば樹脂やゴム等の有機材料からなるものであって、その表面の油膜に含まれる蛍光物質の本来の蛍光(光励起による発光)の他に、照射光の散乱時の波長シフトによる光や有機材料による微弱な蛍光が、ノイズとなって画像情報に含まれていても、その画像情報から、各位置の輝度情報をRGBの色成分毎に分けて取得する。そして、画像センサの分光特性により示されるRGBの色成分のうち、蛍光物質の励起光の波長(つまり、本来の蛍光波長)に近い色成分について取得した前記輝度情報を、基礎輝度情報とする。これに対して、蛍光物質の励起光の波長に遠い色成分について取得した前記輝度情報には、前記ノイズが多く含まれると考えられ、このようなノイズを多く含むと考えられる輝度情報を、補正用情報とする。そして、この補正用情報を用いて基礎輝度情報を補正することで前記ノイズを低減することができ、これにより、前記相関に基づいて油膜厚さを正確に求めることが可能となる。
前記撮影装置を高速度カメラとすることも可能であるが、前記撮影装置はカラーデジタルカメラであり、前記画像情報は、露光時間が100ミリ秒以上である静止画像による情報であるのが好ましい。これにより、高解像度の画像情報を取得することができ、油膜厚さの計測の分解能を高めることが可能となる。
また、前記補正の処理として、前記基礎輝度情報の輝度値から前記補正用情報の輝度値を減算すればよい。この補正により、ノイズ成分を低減できる。なお、基礎輝度情報の輝度値及び補正用情報の輝度値は、正規化した値であってもよい。
また、前記対象物の前記油膜の付着面の凹凸形状を測定し、当該凹凸形状に含まれる凹部の深さと、当該凹部に存在する前記潤滑油中の前記蛍光物質による蛍光の輝度とに基づいて、前記相関を求める予備ステップを、更に含むこともできる。この場合、現物(測定の対象とする対象物)を用いて前記相関を求める方法となる。これにより、対象物とは別のテスト片を用いて前記相関を求める必要がなくなる。
本発明によれば、例えば、照射光の散乱時の波長シフトによる光や有機材料による微弱な蛍光が、ノイズとなって画像情報に含まれていても、油膜厚さを正確に求めることが可能となる。
本発明の測定方法を実施するための測定装置の一例を示す構成図である。 クマリン6からなる蛍光物質の発光(レーザによる励起光)の強度分布を示す説明図である。 測定方法を示すフロー図である。 取得した画像情報に基づく二次元画像のイメージ図である。 取得した画像情報に基づく二次元画像の各位置の輝度に関する情報を示す説明図である。 撮影装置が備えている画像センサのRGBの分光特性を示す説明図である。 図6に示す分光特性と、図2に示す使用した蛍光物質の蛍光特性とを、横軸の波長を揃えて並べた説明図である。 補正が実行されることで得られた輝度値のグラフである。 従来の測定方法を説明する図である。
〔測定装置の概略について〕
本発明の測定方法は、対象物に形成されている油膜の厚さを求める方法であり、その油膜を形成する潤滑油に含ませた蛍光物質を光励起させて行なう誘起蛍光法に基づく。図1は、本発明の測定方法を実施するための測定装置10の一例を示す構成図である。
図1に示す測定装置10では、測定の対象物をゴム製のシール部材50としている。図1では、シール部材50及びその周囲を断面として示している。シール部材50は環状であり、接触部51を有している。接触部51は、環状の本体部53から一方(図例では上方)に突出して設けられている部分であり、環状である。接触部51の先端が円板状である平板部材55と全周にわたって接触する。接触部51と平板部材55との間に潤滑油40が介在し、接触部51と平板部材55との接触面間に潤滑油40による油膜41が形成される。本実施形態では、接触部51の内周側に潤滑油40が多く設けられており、外周側には潤滑油40は設けられていない。平板部材55は、光を透過させる透明材料(ガラス又は樹脂)によって構成されている。シール部材50と平板部材55とは、環状であるシール部材50の中心軸C回りに相対回転可能である。
潤滑油40は、オイル又はグリースである。潤滑油40には蛍光物質42が添加されていて、蛍光物質42は潤滑油40中に分散して存在している。蛍光物質42は、所定波長の光によって特定の励起波長の蛍光を発する。蛍光物質42としては、蛍光染料や蛍光粒子とすることができ、ローダミンBやクマリン等を採用することが可能である。本実施形態で使用される蛍光物質42はクマリン6である。
図1に示す測定装置10により後述する測定方法が実行され、シール部材50(接触部51)に形成されている油膜41の厚さが求められる。測定装置10は、照射装置11、撮影装置12、及び演算装置13を備えている。
照射装置11は、平板部材55を挟んでシール部材50と反対側(図例では平板部材55の上方)に設置されており、シール部材50の接触部51の一部に向けて、所定波長の光を照射する。本実施形態の照射装置11は所定波長のレーザ光(半導体レーザ)を照射する。なお、照射装置11はLEDにより構成されていてもよい。潤滑油40に含まれる蛍光物質42は、照射装置11からの照射光を受けて発光する。図2は、クマリン6からなる蛍光物質42の発光(レーザによる励起光)の強度分布を示す説明図であり、横軸が発光波長であり、縦軸が発光強度である。
図1において、本実施形態の撮影装置12は、カラーデジタルカメラ(カラーデジタルスチルカメラともいう。)により構成されている。撮影装置12は、照射装置11と同じ側、つまり、平板部材55を挟んでシール部材50と反対側に設置されている。撮影装置12は、透明である平板部材55を通じて、照射装置11による光の照射領域を撮影し、照射領域に含まれる範囲の二次元画像の情報を生成する。撮影装置(カメラ)12と平板部材55との間には、レーザ波長をカットするフィルタ19が設けられている。
前記二次元画像の情報を生成するために、撮影装置12は、画像センサ14(イメージセンサ)を備えている。画像センサ14は、平面上に配置された多数の受光素子を有しており、各受光素子はそれぞれが受光した光の輝度に応じたレベルの信号を出力する。特に、画像センサ14は、R(赤)、G(緑)、B(青)の色成分毎に分けて、受光した光の輝度に応じたレベルの信号を出力する。本実施形態で扱われる撮影画像(二次元画像)の情報はJPEG方式であり、8ビットで処理され、R(赤)、G(緑)、B(青)の色成分それぞれについて、256段階(0〜255)のレベルの信号が出力される。なお、画像のフォーマットは、JPEG方式以外であってもよく、例えばRAW方式であってもよい。画像センサ14から出力される信号は、撮影画像中の各位置における輝度値を示す。よって、撮影装置12により、撮影画像中の各位置におけるRGBの色成分毎の輝度に関する情報が生成される。なお、撮影画像は、8ビット以外に、12ビットや14ビット等としてもよい。
以上より、撮影装置12は、取得した撮影画像(二次元画像)の各位置におけるGRBの色成分毎の輝度に関する情報を、画像情報(デジタル画像情報)として生成する。なお、本実施形態の「輝度に関する情報」は輝度値である。この画像情報は撮影装置12から演算装置13へ転送され、演算装置13がこの画像情報に基づいて各種処理を実行する。
演算装置13は、コンピュータにより構成されており、各種情報(データ)を記憶する記憶部16、CPUにより構成されている演算処理部17、及び、各種情報を出力する出力部18(例えば情報を画像として出力するディスプレイ)を備えている。演算装置13は、撮影装置12からの画像情報を取得し、この画像情報について所定の処理を実行する。演算装置13が行う具体的な処理については、後に説明する。
〔測定方法〕
前記のように構成された測定装置10によって行われる油膜41の厚さを求める方法について説明する。図3は、測定方法を示すフロー図である。この測定方法には、撮影ステップS1、取得ステップS2、補正ステップS3、及び測定ステップS4が含まれる。本実施形態の測定方法には、更に、予備ステップS11が含まれる。
〔撮影ステップS1〕
撮影ステップS1では、シール部材50(図1参照)に形成されている油膜41に対して照射装置11が光を照射すると共に、この油膜41を撮影装置12が撮影する。前記のとおり、撮影装置12は、撮影によって取得した二次元画像の各位置におけるGRBの色成分毎の輝度値を含む情報を、画像情報(デジタル画像情報)として生成する。画像情報は出力され、演算装置13が取得する。
〔取得ステップS2〕
演算装置13は、前記画像情報を記憶部16に記憶する。この画像情報には、各位置におけるGRBの色成分毎の輝度値が含まれている。そこで、取得ステップS2では、取得した画像情報に基づく二次元画像の各位置の輝度に関する輝度情報を、色成分毎に取得し、記憶部16に記憶する。なお、取得ステップS2、その後の補正ステップS3及び測定ステップS4は、演算装置13に予め設定されているコンピュータプログラムにしたがって実行されるものであり、演算装置13の演算処理部17の機能により実行される。
取得ステップS2で行われる処理について具体的に説明する。図4(A)(B)は、取得した画像情報に基づく二次元画像のイメージ図である。取得ステップS2では、撮影装置12により得られた画像情報から、各位置の輝度に関する輝度情報がRGBの色成分毎に取得される。そこで、この輝度情報に基づいてR(赤)の色成分について画像化したイメージ図が図4(A)であり、G(緑)の色成分について画像化したイメージ図が図4(B)である。図4(A)(B)それぞれにおいて、説明のために、輝度値が高い領域ほど細かいクロスハッチ(濃い色)が付されており、輝度値が低い領域は白抜きで示されている。このように、輝度の分布を示す画像情報がRGBの色成分毎に取得される。
図4(A)(B)それぞれにおいて上下方向の中央にある輝度値が低い領域は、シール部材50(図1参照)の接触部51の先端と平板部材55との接触領域である。この領域には薄い油膜41が形成されており、蛍光物質42は比較的少なく、輝度値が低くなっている。ただし、この領域において(図4(B)参照)局部的に蛍光物質42がその周囲と比べて多く、輝度が高くなっている部分Qが複数存在している。これは、シール部材50(図1参照)の接触部51の表面(平板部材55との接触面)に凹部が形成されており、この凹部に蛍光物質42を含む潤滑油40が、その周囲よりも多く存在しているためである。つまり、局部的に輝度が高くなっている部分Qは、接触部51の表面の凹部を示している。この凹部は例えば数十マイクロメートルである。図4(A)(B)それぞれにおいて上下方向の下側にある輝度値が高い領域は、シール部材50と平板部材55との間に潤滑油40が多く存在しており、蛍光物質42が多い。
図5は、取得した画像情報に基づく二次元画像の各位置の輝度に関する情報を示す説明図であり、R(赤)の色成分の輝度値及びG(緑)の色成分の輝度値を示している。図5の縦軸が輝度値であり、横軸が位置である。G(緑)の色成分の輝度値のグラフを実線で示し、R(赤)の色成分の輝度値のグラフを破線で示している。図5では、B(青)の色成分の輝度値については省略している。図5の横軸に示す各位置は、前記二次元画像の内の一部であり、図4(A)(B)それぞれに示す二点鎖線に沿った範囲Kにおける位置である。図5では、縦軸の輝度値を、正規化した値としている。
図5において、二箇所の位置P1,P2で、その前後と比較して輝度値が高くなっている。これらの位置P1,P2は、図4(B)に示す前記範囲Kにおいて、二点鎖線に沿った二箇所で局部的に輝度が高くなっている部分Q(表面の凹部)に対応する。
以上のように、図5に示すような各位置の輝度に関する色成分毎の輝度情報が、演算処理部17の機能によって取得され、記憶部16に記憶される。このように取得ステップS2では、撮影装置12により得られた画像情報から、各位置の輝度に関する輝度情報が、RGBの色成分毎に取得される。
〔補正ステップS3〕
ここで、図6は、本実施形態で使用される撮影装置12(カラーデジタルカメラ)が備えている画像センサ14のRGBの分光特性を示す説明図である。つまり、使用した撮影装置12(カラーデジタルカメラ)の画像センサ14は、図6に示すRGBの分光特性を備えている。図6の縦軸は分光感度であり、横軸は波長を示している。RGBそれぞれについて分光感度のピークは異なる波長で生じる。なお、使用される画像センサ14の種類により分光特性は変わる。
図7は、図6に示す前記分光特性と、図2に示す使用した蛍光物質42(クマリン6)の蛍光特性とを、横軸の波長を揃えて並べた説明図である。補正ステップS3では、第一処理として、取得ステップS2でRGBの色成分毎に取得した輝度情報を「基礎輝度情報」と「補正用情報」とに区別する(分離する)。本実施形態では、G(緑)の色成分の輝度情報が「基礎輝度情報」と設定され、R(赤)の色成分の輝度情報が「補正用情報」と設定される。そして、後にも説明するが、第二処理として「補正用情報」を用いて「基礎輝度情報」を補正する。
前記のように「補正用情報」と「基礎輝度情報」との区別を行なう基準は、次のとおりである。すなわち、画像センサ14の分光特性により示されるRGBの色成分のうち、蛍光物質42の励起光の波長に近い色成分について取得ステップS2で取得した輝度情報を「基礎輝度情報」とする。これに対して、画像センサ14の分光特性により示されるRGBの色成分のうち、蛍光物質42の励起光の波長に遠い色成分について取得ステップS2で取得した輝度情報を「補正用情報」とする。
この区別の基準を用いて行なう第一処理について、更に具体的に説明する。図7において、蛍光物質42(クマリン6)の励起光による発光分布(図7の下)と、画像センサ14が備えている分光特性により示されるRGBそれぞれの分光感度の分布(図7の上)とを比較し、RGBそれぞれの分光感度の分布(図7の上)の中から、励起光による発光分布(図7の下)に最も近い色成分について、取得ステップS2で取得した輝度情報を「基礎輝度情報」とする。なお、前記のとおり比較した際の「近い(遠い)」は、それぞれの分布のピークとなる波長の対比、つまり、ピークとなる波長の差の大小に基づいてもよいが、本実施形態では、それぞれの分布の積分値に基づく。図7に示す本実施形態では、励起光による発光分布(図7の下)は、画像センサ14の分光特性(図7の上)により示されるG(緑)の分光感度の分布に最も近いことから、G(緑)の色成分について取得ステップS2で取得した輝度情報を「基礎輝度情報」とする。
同様に、励起光による発光分布(図7の下)と、画像センサ14の分光特性により示されるRGBそれぞれの分光感度の分布(図7の上)とを比較し、RGBそれぞれの分光感度の分布(図7の上)の中から、励起光による発光分布(図7の下)に最も遠い色成分について、取得ステップS2で取得した輝度情報を「補正用情報」とする。図7に示す本実施形態では、励起光による発光分布(図6の下)は、R(赤)の分光感度の分布に最も遠いことから、R(赤)の色成分について取得ステップS2で取得した輝度情報を「補正輝度情報」とする。なお、前記のとおり比較した際の「遠い」は、蛍光物質42の励起光の発光分布と、R(赤)の分光感度の分布との重なりが(他の色成分と比較して)小さいことと、同じ意味になる。
このように、蛍光物質42の励起光による発光分布(図7の下)と、画像センサ14の分光特性により示されるR(赤)についての感度分布(図7の上)とは、波長について遠い関係(離れた関係)にある。このため、図4(B)に示すG(緑)の色成分の輝度情報により画像化したイメージ図と比較して、図4(A)に示すように、取得ステップS2で取得したR(赤)の色成分の輝度情報により画像化したイメージ図では、蛍光物質42を含む潤滑油が多く存在することで局部的に輝度が高くなっている部分Qが、現れない。そして、図5に示すように、G(緑)の色成分による輝度情報のグラフでは、二箇所の位置P1,P2で、その周囲と比較して輝度が高くなっているが、R(赤)の色成分による輝度情報のグラフでは、二箇所の位置P1,P2であっても、その周囲と比較して輝度は大きく変化していない。
補正ステップS3の前記第二処理について説明する。第二処理では、G(緑)の色成分の輝度情報である「基礎輝度情報」が、R(赤)の色成分の輝度情報である「補正用情報」により補正される。
ここで、前記のとおり、蛍光物質42の励起光による発光分布(図7の下)と、画像センサ14の分光特性により示されるR(赤)についての感度分布(図7の上)とは、波長について遠い関係(離れた関係)にある。このため、R(赤)の色成分の輝度情報には、蛍光物質42の励起光による発光の成分が(ほとんで)含まれない。つまり、R(赤)の色成分の輝度情報(輝度値)のほとんどは、蛍光物質42の励起光による発光以外の輝度に基づく。図4(A)に示すイメージ図(R(赤)の色成分による画像)では、蛍光物質42の蛍光の成分は(ほとんど)含まれていない。これに対して、図4(B)に示すイメージ図(G(緑)の色成分による画像)では、蛍光物質42の蛍光の成分を含むと共に、その蛍光以外の成分も含まれている。
このため、本実施形態では、R(赤)の色成分の輝度は、蛍光物質42の励起光による発光にとって、不要な成分(ノイズ)であるとみなされる。
そこで、第二処理では、補正の処理として、G(緑)の色成分の輝度情報である「基礎輝度情報」の輝度値から、R(赤)の色成分の輝度情報である「補正用情報」の輝度値を減算する。図8は、この補正が実行されることで得られた輝度値のグラフである。図8において、太い実線が、補正後の輝度値を示すグラフであり、各位置において、G(緑)の色成分の輝度情報が示す輝度値から、R(赤)の色成分の輝度情報が示す輝度値を減算した値が示されている。
このように、ノイズを多く含むと考えられるR(赤)の色成分の輝度情報を「補正用情報」とし、この「補正用情報」を用いてG(緑)の色成分の輝度情報である「基礎輝度情報」を補正することで前記ノイズを低減することができる。
〔測定ステップS4〕
測定ステップS4では、補正ステップS3の第二処理によって補正した「基礎輝度情報」を、油膜厚さと蛍光物質42の光励起による輝度に関する情報(本実施形態では輝度値)との相関により換算して油膜厚さを求める。前記相関は、従来用いられる方法(図9参照)により求められてもよいが、本実施形態では、後に説明する予備ステップS11において、測定の対象としているシール部材50を用いて求めた相関に基づく。
補正した「基礎輝度情報」は、図8における各位置における輝度値を示す。輝度値は、蛍光物質42を含む潤滑油40による油膜41の厚さと相関があることから、各位置における輝度値に基づいて、この相関により、各位置における油膜41の厚さが求められる。
〔予備ステップS11〕
予備ステップS11は、ステップS1〜S4とは別に独立して行われる(図3参照)。予備ステップS11では、シール部材50(接触部51)の表面に形成される油膜の付着面の凹凸形状(三次元形状)を測定する。この測定は、例えば三次元形状測定器により凹部の深さを精密に測定することで行われる。そして、深さを測定した特定の凹部に、蛍光物質42を含む潤滑油40を存在させ、この凹部を、前記撮影装置12により撮影し、その輝度値(輝度に応じたレベルの信号)を求める。測定した凹部の深さは、その凹部に存在する潤滑油40の厚さと一致することから、潤滑油40の厚さと輝度値との関係(前記相関)が得られる。
このように、シール部材50(接触部51)の油膜41の付着面の凹凸形状を測定し、この凹凸形状に含まれる凹部の深さと、この凹部に存在する潤滑油40中の蛍光物質42による蛍光の輝度とに基づいて、前記相関を求めてもよい。この場合、従来(図9参照)のように、対象物(シール部材50)とは別のテスト片を用いて相関を求める必要がなくなる。
〔測定方法に関して〕
以上より、本実施形態では、油膜41が形成される対象物がシール部材50であり、このシール部材50はゴム等の有機材料により構成されている。このため、撮影ステップS1では、その表面の油膜41に含まれる蛍光物質42の本来の蛍光(光励起による発光)の他に、照射光の散乱時の波長シフトによる光や有機材料による微弱な蛍光が、ノイズとなって、撮影装置12により取得される画像情報に含まれる。
しかし、前記のような測定装置10を用いた測定方法によれば、撮影装置12によって取得した画像情報から(撮影ステップS1)、各位置の輝度情報をRGBの色成分毎に分けて取得する(取得ステップS2)。そして、使用する撮影装置12の画像センサ14の分光特性により示されるRGBの色成分のうち、蛍光物質42の励起光の波長(つまり、本来の蛍光波長)に近い色成分(本実施形態では、Gの色成分)について取得した輝度情報を「基礎輝度情報」とする。これに対して、蛍光物質42の励起光の波長に遠い色成分に(本実施形態では、Rの色成分)ついて取得した輝度情報には、前記のようなノイズが多く含まれると考えられ、このようなノイズを多く含むと考えられる輝度情報を「補正用情報」とする。そして、この「補正用情報」を用いて「基礎輝度情報」を補正することで前記ノイズを低減することができる。
本実施形態では、補正の処理として、「基礎輝度情報」の輝度値から「補正用情報」の輝度値を減算する。これにより、前記相関を用いて油膜厚さを正確に求めることが可能となる。この結果、シール部材50の潤滑状態を精度良く知ることができ、シール部材50及びこのシール部材50を含む機器の信頼性を高めたり、寿命を延ばしたりすることが可能となる。
撮影装置12を高速度カメラとすることも可能であるが、本実施形態では、撮影装置12はカラーデジタルカメラであり、処理する信号をカラー信号としている。そして、このカラーデジタルカメラにより取得する画像情報は、露光時間が100ミリ秒以上である静止画像による情報とするのが好ましい。これにより、高解像度の画像情報を取得することができ、油膜厚さの計測の分解能を高めることが可能となる。なお、前記露光時間の上限は、測定の対象物によって異なる。
撮影装置12として、前記のようなカラーデジタルカメラ以外に、モノクロカメラを使用してもよい。ただし、この場合、3台のモノクロカメラが必要となり、また、これらモノクロカメラにRGBの光学フィルタがそれぞれ設置される。これにより、これらモノクロカメラから、RGBそれぞれの色成分の信号が取得され、前記実施形態と同様の処理が行われる。なお、前記実施形態のように、B(青)の色成分の信号を用いないことが予めわかっている場合、B(青)の光学フィルタが取り付けられるモノクロカメラは不要であり、2台のモノクロカメラで済む。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の測定方法は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
前記実施形態では、油膜41が形成される対象物をシール部材50としたが、対象物はシール部材50以外の機械要素であってもよい。また、シール部材50とする場合であっても、その形状は、図示した形状以外であってもよい。
また、使用する蛍光物質を他の物質とすることができる。
10:測定装置 11:照射装置 12:撮影装置
13:演算装置 14:画像センサ 40:潤滑油
41:油膜 42:蛍光物質 50:シール部材(対象物)

Claims (4)

  1. 潤滑油に含ませた蛍光物質を光励起させて行なう誘起蛍光法により、対象物に形成されている油膜の厚さを求める測定方法であって、
    前記油膜に光を照射すると共に、画像センサを有する撮影装置によって当該油膜を撮影する撮影ステップと、
    前記撮影装置により得られた画像情報から、各位置の輝度に関する輝度情報を、RGBの色成分毎に取得する取得ステップと、
    前記画像センサの分光特性により示されるRGBの色成分のうち、前記蛍光物質の励起光の波長に近い色成分について前記取得ステップで取得した前記輝度情報を、基礎輝度情報とし、当該励起光の波長に遠い色成分について前記取得ステップで取得した前記輝度情報を、補正用情報とし、当該補正用情報を用いて当該基礎輝度情報を補正する補正ステップと、
    補正した前記基礎輝度情報を、油膜厚さと前記蛍光物質の光励起による輝度に関する輝度情報との相関により換算して油膜厚さを求める測定ステップと、
    を含む、測定方法。
  2. 前記撮影装置はカラーデジタルカメラであり、
    前記画像情報は、露光時間が100ミリ秒以上である静止画像による情報である、請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記補正の処理として、前記基礎輝度情報の輝度値から前記補正用情報の輝度値を減算する、請求項1又は2に記載の測定方法。
  4. 前記対象物の前記油膜の付着面の凹凸形状を測定し、当該凹凸形状に含まれる凹部の深さと、当該凹部に存在する前記潤滑油中の前記蛍光物質による蛍光の輝度とに基づいて、前記相関を求める予備ステップを、更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定方法。
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