JP2019044915A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪を介して大きくかつ衝撃的な外力が掛かった場合であっても、内方部材の突き合せ側が変形せず内側転走面の真円度が劣化しない車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】内周に二つの外側転走面2c・2dが形成された外方部材2と、外周に一つの内側転走面3cが形成された第一内方部材31と、外周に一つの内側転走面3dが形成された第二内方部材32と、外方部材2と第一内方部材31の各転走面間2c・3cに介装される複数の転動体(円錐ころ41)と、外方部材2と第二内方部材32の各転走面間2d・3dに介装される複数の転動体(41)と、を備え、第一内方部材31と第二内方部材32を互いに突き合せた車輪用軸受装置1において、第一内方部材31における突き合せ側外周と第二内方部材32における突き合せ側外周に第一内方部材31及び第二内方部材32の変形を抑えるための円環部材61・62が外嵌されている、とした。【選択図】図4

Description

本発明は、車輪用軸受装置に関する。
従来より、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている(特許文献1参照)。かかる車輪用軸受装置は、内周に外側転走面が形成された外方部材と、外周に内側転走面が形成された内方部材と、外方部材と内方部材の各転走面間に介装される複数の転動体と、で転がり軸受構造を構成している。
ところで、かかる車輪用軸受装置は、いわゆる背面組み合せ形の複列円錐ころ軸受であり、一対の内方部材を互いに突き合せて一の内方部材として構成している(図8参照)。これらの内方部材は、突き合せ側の外径が小さいため、突き合せ側の剛性が反突き合せ側の剛性よりも低くならざるを得ない(図8における※印部が各内方部材の突き合せ側を指す)。そのため、車輪を介して大きくかつ衝撃的な外力が掛かると、内方部材の突き合せ側が変形して内側転走面の真円度が劣化してしまうという問題があった。ひいては、転動疲労寿命が低下してしまうという問題があった。また、このような問題を回避すべく突き合せ側の外径を大きくすれば、内方部材に円錐ころ等を組み込む作業が困難になり、生産性の悪化につながってしまう。加えて、特許文献2および特許文献3に開示した車輪用軸受装置のように、内方部材の突き合せ側外周にシール部材を外嵌させたものが存在しているが、当然に内方部材の変形を抑えるような機能を発揮しえるものではない。そこで、車輪を介して大きくかつ衝撃的な外力が掛かった場合であっても、内方部材の突き合せ側が変形せず内側転走面の真円度が劣化しない車輪用軸受装置が求められていたのである。
特許第5595747号公報 特許第4187365号公報 特開2015−16778号公報
車輪を介して大きくかつ衝撃的な外力が掛かった場合であっても、内方部材の突き合せ側が変形せず内側転走面の真円度が劣化しない車輪用軸受装置を提供する。
第一の発明は、
内周に二つの外側転走面が形成された外方部材と、
外周に一つの内側転走面が形成された第一内方部材と、
外周に一つの内側転走面が形成された第二内方部材と、
前記外方部材と前記第一内方部材の各転走面間に介装される複数の転動体と、
前記外方部材と前記第二内方部材の各転走面間に介装される複数の転動体と、を備え、
前記第一内方部材と前記第二内方部材を互いに突き合せた車輪用軸受装置において、
前記第一内方部材における突き合せ側外周と前記第二内方部材における突き合せ側外周に前記第一内方部材及び前記第二内方部材の変形を抑えるための円環部材が外嵌されている、ものである。
第二の発明は、第一の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記第一内方部材における突き合せ側に小径段部が形成され、
前記第二内方部材における突き合せ側に小径段部が形成され、
それぞれの前記小径段部に前記円環部材が係止されている、ものである。
第三の発明は、第一又は第二の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記第一内方部材と前記円環部材が同じ材質で形成されており、
前記第一内方部材における反突き合せ側の外径に対して前記円環部材の外径が等しい又は略等しい、ものである。
第四の発明は、第一又は第二の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記第二内方部材と前記円環部材が同じ材質で形成されており、
前記第二内方部材における反突き合せ側の外径に対して前記円環部材の外径が等しい又は略等しい、ものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第一の発明に係る車輪用軸受装置は、第一内方部材における突き合せ側外周と第二内方部材における突き合せ側外周に第一内方部材及び第二内方部材の変形を抑えるための円環部材が外嵌されている。かかる車輪用軸受装置によれば、円環部材が各内方部材の突き合せ側を拘束することにより、各内方部材の変形を抑える機能を発揮する。従って、車輪を介して大きくかつ衝撃的な外力が掛かった場合であっても、各内方部材の突き合せ側が変形せず内側転走面の真円度が劣化しない。
第二の発明に係る車輪用軸受装置は、第一内方部材における突き合せ側に小径段部が形成され、第二内方部材における突き合せ側に小径段部が形成され、それぞれの小径段部に円環部材が係止されている。かかる車輪用軸受装置によれば、円環部材がそれぞれ反突き合せ側へズレないので、円環部材と転動体等(転動体および転動体の保持器)が干渉するのを防ぐことができる。
第三の発明に係る車輪用軸受装置は、第一内方部材と円環部材が同じ材質で形成されており、第一内方部材における反突き合せ側の外径に対して円環部材の外径が等しい又は略等しい。かかる車輪用軸受装置によれば、少なくとも突き合せ側の剛性が反突き合せ側の剛性とほぼ等しくなるので、突き合せ側に応力が集中せずにより変形を抑えることができる。また、時効変形量や熱変形量の差異による剛性の変化を抑えることができる。
第四の発明に係る車輪用軸受装置は、第二内方部材と円環部材が同じ材質で形成されており、第二内方部材における反突き合せ側の外径に対して円環部材の外径が等しい又は略等しい。かかる車輪用軸受装置によれば、少なくとも突き合せ側の剛性が反突き合せ側の剛性とほぼ等しくなるので、突き合せ側に応力が集中せずにより変形を抑えることができる。また、時効変形量や熱変形量の差異による剛性の変化を抑えることができる。
車輪用軸受装置を示す断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す断面図。 第一実施形態に係る車輪用軸受装置の要部構造を示す断面図。 第二実施形態に係る車輪用軸受装置の要部構造を示す断面図。 第三実施形態に係る車輪用軸受装置の要部構造を示す断面図。 他の実施形態に係る車輪用軸受装置の要部構造を示す断面図。 従来の車輪用軸受装置を示す断面図。
まず、本発明に係る車輪用軸受装置1について説明する。図1は、車輪用軸受装置1を示す断面図である。図2および図3は、車輪用軸受装置1の一部構造を示す断面図である。
車輪用軸受装置1は、車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2と、内方部材3と、二つの転動体列4と、を備える。なお、本明細書において、「インナー側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、「アウター側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。
外方部材2は、転がり軸受構造の外輪部分を構成するものである。外方部材2のインナー側端部における内周には、嵌合面2aが形成されている。また、外方部材2のアウター側端部における内周には、嵌合面2bが形成されている。更に、嵌合面2aと嵌合面2bに隣接する内周には、二つの外側転走面2c・2dが形成されている。外側転走面2cは、後述する内側転走面3cに対向する。外側転走面2dは、後述する内側転走面3dに対向する。なお、外方部材2は、ハブ輪25の内側に嵌められた状態でフランジ26によって固定される。そして、このフランジ26とともに駆動軸27によって回転される。
内方部材3は、転がり軸受構造の内輪部分を構成するものである。内方部材3は、第一内方部材31と第二内方部材32を互いに突き合せて構成されている。
第一内方部材31のインナー側端部における外周には、嵌合面3aが形成されている。更に、嵌合面3aに隣接する外周には、内側転走面3cが形成されている。内側転走面3cは、第一内方部材31が外方部材2の内側に配置された状態で、前述した外側転走面2cに対向する。なお、図2に示すように、第一内方部材31には、後述する円錐ころ41の小径側端面41aに接する鍔部からアウター側へ延びる小径段部3eが形成されている。小径段部3eは、第一内方部材31のアウター側端部における外径が小さくなった部分を指し、回転軸Aを中心とする円筒形状となっている。小径段部3eの内周には、環状溝3gが形成されている。
第二内方部材32のアウター側端部における外周には、嵌合面3bが形成されている。更に、嵌合面3bに隣接する外周には、内側転走面3dが形成されている。内側転走面3dは、第二内方部材32が外方部材2の内側に配置された状態で、前述した外側転走面2dに対向する。なお、図3に示すように、第二内方部材32には、後述する円錐ころ41の小径側端面41aに接する鍔部からインナー側へ延びる小径段部3fが形成されている。小径段部3fは、第二内方部材32のインナー側端部における外径が小さくなった部分を指し、回転軸Aを中心とする円筒形状となっている。小径段部3fの内周には、環状溝3hが形成されている。
転動体列4は、転がり軸受構造の転動部分を構成するものである。インナー側の転動体列4は、複数の円錐ころ41と一つの保持器42で構成されている。同様に、アウター側の転動体列4も、複数の円錐ころ41と一つの保持器42で構成されている。即ち、本実施形態に係る車輪用軸受装置1は、転動体列4に円錐ころ41を使用した複列円錐ころ軸受を構成している。
円錐ころ41は、それぞれが保持器42によって円形にかつ等間隔にならべられている。そして、インナー側の転動体列4を構成している円錐ころ41は、外方部材2の外側転走面2cと内方部材3(第一内方部材31)の内側転走面3cの間に転動自在に介装され、アウター側の転動体列4を構成している円錐ころ41は、外方部材2の外側転走面2dと内方部材3(第二内方部材32)の内側転走面3dの間に転動自在に介装されている。
保持器42は、小径円環部42aと大径円環部42bを複数の柱部42cでつないだテーパ形状の格子体となっている。小径円環部42aは、円錐ころ41の小径側端面41aに沿うので、円錐ころ41の軸方向一側への偏動(ズレ)を制限する。また、大径円環部42bは、円錐ころ41の大径側端面41bに沿うので、円錐ころ41の軸方向他側への偏動(ズレ)を制限する。そして、柱部42cは、互いに隣り合う円錐ころ41と円錐ころ41の間を通り、これらの外周面41cに沿うので、円錐ころ41の周方向両側への偏動(ズレ)を制限する。
ところで、本車輪用軸受装置1は、外方部材2と内方部材3(第一内方部材31および第二内方部材32)の間に形成される環状空間Sを密封すべく一対のシール部材5を備えている。インナー側のシール部材5は、一つのスリンガ51と一つのシールリング52で構成されている。同様に、アウター側のシール部材5も、一つのスリンガ51と一つのシールリング52で構成されている。但し、シール部材5は、様々な仕様が存在しており、本明細書に開示された仕様に限定するものではない。
スリンガ51は、鋼板をプレス加工によって切り出し、かつ折り曲げて円環形状に形成されている。インナー側のシール部材5を構成しているスリンガ51は、内方部材3(第一内方部材31)の嵌合面3aに外嵌され、アウター側のシール部材5を構成しているスリンガ51は、内方部材3(第二内方部材32)の嵌合面3bに外嵌されている。なお、スリンガ51は、軸方向断面が垂直に折り曲げられた形状となっている。これにより、スリンガ51には、円筒状の嵌合部51aと、その端部から外方部材2に向かって延びる円板状の側板部51bと、が形成されている。
シールリング52は、芯金53と弾性部材54で構成されている。芯金53は、鋼板をプレス加工によって切り出し、かつ折り曲げて円環形状に形成されている。インナー側のシール部材5を構成している芯金53は、外方部材2の嵌合面2aに内嵌され、アウター側のシール部材5を構成している芯金53は、外方部材2の嵌合面2bに内嵌されている。なお、芯金53は、軸方向断面が垂直に折り曲げられた形状となっている。これにより、芯金53は、円筒状の嵌合部53aと、その端部から内方部材3(第一内方部材31および第二内方部材32)に向かって延びる円板状の側板部53bと、が形成されている。加えて、弾性部材54には、二つのサイドリップ54a・54bが形成されており、それぞれの先端縁が対向するスリンガ51の側板部51bに接触している。更に、弾性部材54には、一つのグリースリップ54cが形成されており、その先端縁が対向するスリンガ51の嵌合部51aに接触又は近接している。
次に、内方部材3についてより詳細に説明する。即ち、第一内方部材31と第二内方部材32についてより詳細に説明する。
上述したように、第一内方部材31には、アウター側へ延びる小径段部3eが形成されている(図2参照)。また、上述したように、第二内方部材32には、インナー側へ延びる小径段部3fが形成されている(図3参照)。そして、第一内方部材31と第二内方部材32は、互いの小径段部3e・3fの端面が当接した状態となっている。このため、第一内方部材31においては、小径段部3eが形成されたアウター側を「突き合せ側」と定義し、その反対側(インナー側)を「反突き合せ側」と定義することができる。また、第二内方部材32においては、小径段部3fが形成されたインナー側を「突き合せ側」と定義し、その反対側(アウター側)を「反突き合せ側」と定義することができる。
加えて、第一内方部材31と第二内方部材32は、連結環33によって互いに連結されている。連結環33は、鋼板をプレス加工によって切り出し、かつ折り曲げて円環形状に形成されている。連結環33は、軸方向断面における両端に爪33a・33bを有しており、一方の爪33aが第一内方部材31の環状溝3gに引っ掛かり、他方の爪33bが第二内方部材31の環状溝3hに引っ掛かる。こうして、第一内方部材31と第二内方部材32が互いに連結されるのである。但し、連結環33の有無について限定するものではない。なお、図1に示すように、内方部材3は、支持軸35の外側に嵌められた状態でナット36によって固定される。このとき、ナット36の締付力によって適宜に予圧が掛けられる。
以下に、本車輪用軸受装置1の特徴点について説明する。図4から図7は、各実施形態に係る車輪用軸受装置1の要部構造を示す断面図である。
図4に示すように、第一実施形態に係る車輪用軸受装置1は、二つの円環部材61・62を備えている。円環部材61は、第一内方部材31の小径段部3eに外嵌されている。つまり、円環部材61は、第一内方部材31の突き合せ側外周に外嵌されている。また、円環部材62は、第二内方部材32の小径段部3fに外嵌されている。つまり、円環部材62は、第二内方部材32の突き合せ側外周に外嵌されている。このようにしたのは、外径が小さく剛性が低くならざるを得ない第一内方部材31の突き合せ側および第二内方部材31の突き合せ側を拘束して変形を抑えるためである。なお、円環部材61は、軸方向断面が略矩形状となっており、その肉厚が小径段部3eの径方向肉厚よりも厚いが保持器42の小径円環部42aよりも外径が小さくなるように設計されている。同じく、円環部材62も、軸方向断面が略矩形状となっており、その肉厚が小径段部3fの径方向肉厚よりも厚いが保持器42の小径円環部42aよりも外径が小さくなるように設計されている。円環部材61・62は、外方部材2と内方部材3(第一内方部材31および第二内方部材32)の間に形成される環状空間Sに収まるので、外方部材2等の大型化等を避けることができる。また、第一内方部材31に対して円環部材61を別部品としたことで、第一内方部材31に円錐ころ41等を組み込む作業が容易となるし、第二内方部材32に対して円環部材62を別部品としたことで、第二内方部材32に円錐ころ41等を組み込む作業が容易となる。
加えて、円環部材61は、その軸方向断面におけるインナー側内縁部6aが小径段部3eの端面(外径差による段差面)3iによって係止されている。つまり、その軸方向断面におけるインナー側内縁部6aが小径段部3eの端面(外径差による段差面)3iに当接しており、インナー側へ移動しないようになっている。また、円環部材62は、その軸方向断面におけるアウター側内縁部6bが小径段部3fの端面(外径差による段差面)3jによって係止されている。つまり、その軸方向断面におけるアウター側内縁部6bが小径段部3fの端面(外径差による段差面)3jに当接しており、アウター側へ移動しないようになっている。このようにしたのは、円環部材61・62がそれぞれ反突き合せ側へズレるのを防ぐためである。
加えて、円環部材61は、第一内方部材31と同じ材質あるいは特性が近似した材質で構成され、その外径D1が第一内方部材31の反突き合せ側の外径(嵌合面3aの直径)Daに対して等しい又は略等しくなっている。また、円環部材62は、第二内方部材32と同じ材質あるいは特性が近似した材質で構成され、その外径D2が第二内方部材32の反突き合せ側の外径(嵌合面3bの直径)Dbに対して等しい又は略等しくなっている。このようにしたのは、少なくとも突き合せ側の剛性が反突き合せ側の剛性とほぼ等しくなるように考慮したものである。また、時効変形量や熱変形量の差異による剛性の変化を抑えるためである。
このように、本車輪用軸受装置1は、第一内方部材31における突き合せ側外周と第二内方部材32における突き合せ側外周に第一内方部材31及び第二内方部材32の変形を抑えるための円環部材61・62が外嵌されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、円環部材61・62が各内方部材31・32の突き合せ側を拘束することにより、各内方部材31・32の変形を抑える機能を発揮する。従って、車輪を介して大きくかつ衝撃的な外力が掛かった場合であっても、各内方部材31・32の突き合せ側が変形せず内側転走面3c・3dの真円度が劣化しない。
また、本車輪用軸受装置1は、第一内方部材31における突き合せ側に小径段部3eが形成され、第二内方部材32における突き合せ側に小径段部3fが形成され、それぞれの小径段部3e・3fに円環部材61・62が係止されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、円環部材61・62がそれぞれ反突き合せ側へズレないので、円環部材61・62と円錐ころ41等(円錐ころ41および保持器42)が干渉するのを防ぐことができる。
更に、本車輪用軸受装置1は、第一内方部材31と円環部材61が同じ材質で形成されており、第一内方部材31における反突き合せ側の外径Daに対して円環部材61の外径D1が等しい又は略等しい。かかる車輪用軸受装置1によれば、少なくとも突き合せ側の剛性が反突き合せ側の剛性とほぼ等しくなるので、突き合せ側に応力が集中せずにより変形を抑えることができる。また、時効変形量や熱変形量の差異による剛性の変化を抑えることができる。
更に、本車輪用軸受装置1は、第二内方部材32と円環部材62が同じ材質で形成されており、第二内方部材32における反突き合せ側の外径Dbに対して円環部材62の外径D2が等しい又は略等しい。かかる車輪用軸受装置1によれば、少なくとも突き合せ側の剛性が反突き合せ側の剛性とほぼ等しくなるので、突き合せ側に応力が集中せずにより変形を抑えることができる。また、時効変形量や熱変形量の差異による剛性の変化を抑えることができる。
図5に示すように、第二実施形態に係る車輪用軸受装置1も、二つの円環部材71・72を備えている。そして、円環部材71は、第一内方部材31の突き合せ側外周に外嵌され、円環部材72は、第二内方部材32の突き合せ側外周に外嵌されている。但し、円環部材71は、その軸方向断面におけるインナー側外縁部7cに切欠き7pが形成されている点で上述した円環部材61と相違する。また、円環部材72は、その軸方向断面におけるアウター側外縁部7dに切欠き7qが形成されている点で上述した円環部材62と相違する。このようにしたのは、円環部材71・72と保持器42(詳細には小径円環部42a)の隙間を広げて干渉を防ぐためである。また、各切欠き7p・7qが突き合せ側へ押し出されたグリースを案内して滞留を防ぐので(矢印F参照)、回転抵抗の低減にも効果を奏する。
図6に示すように、第三実施形態に係る車輪用軸受装置1も、二つの円環部材81・82を備えている。そして、円環部材81は、第一内方部材31の突き合せ側外周に外嵌され、円環部材82は、第二内方部材32の突き合せ側外周に外嵌されている。但し、円環部材81は、その軸方向断面におけるアウター側内縁部8eに弾性部材81Eが加硫接着されている点で上述した円環部材61および円環部材71と相違する。また、円環部材82は、その軸方向断面におけるインナー側内縁部8fに弾性部材82Eが加硫接着されている点で上述した円環部材62および円環部材72と相違する。このようにしたのは、グリースが二つの円環部材81・82の隙間を通り、更に第一内方部材31と第二内方部材32の隙間を通って外部に漏出するのを防ぐためである。
ところで、第一実施形態に係る車輪用軸受装置1は、二つの円環部材61・62を備えており、それぞれが第一内方部材31の突き合せ側外周と第二内方部材32の突き合せ側外周に外嵌されている。しかし、図7の(A)に示すように、一つの円環部材90を備えており、その一端が第一内方部材31の突き合せ側外周に外嵌され、その他端が第二内方部材32の突き合せ側外周に外嵌されるとしてもよい。このような構成であったとしても、第一実施形態に係る車輪用軸受装置1と同様の効果を奏するものと考えられる。また、図7の(B)に示すように、インナー側外縁部9cに切欠き9pを形成し、アウター側外縁部9dに切欠き9qを形成すれば、第二実施形態に係る車輪用軸受装置1と同様の効果を奏するものと考えられる。更に、図7の(C)に示すように、インナー側内縁部9aに弾性部材90Eを加硫接着し、アウター側内縁部9bにも弾性部材90Eを加硫接着すれば、第三実施形態に係る車輪用軸受装置1と同様の効果を奏するものと考えられる。
本明細書に開示した車輪用軸受装置1は、ハブ輪25に嵌められる外方部材2と、第一内方部材31と第二内方部材32を互いに突き合せて構成される一の内方部材3と、を有している外方部材回転仕様の第1世代構造であるが、これに限定するものではない。例えば、ハウジングに嵌められる外方部材と、第一内方部材と第二内方部材を互いに突き合せて構成される一の内方部材と、を有している内方部材回転仕様の第1世代構造であってもよい。また、ハブ輪として形成された外方部材と、第一内方部材と第二内方部材を互いに突き合せて構成される一の内方部材と、を有している外方部材回転仕様の第2世代構造であってもよい。更に、車体取付フランジが形成された外方部材と、第一内方部材と第二内方部材を互いに突き合せて構成される一の内方部材と、を有している内方部材回転仕様の第2世代構造であってもよい。
最後に、本願における発明は、各実施形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2c 外側転走面
2d 外側転走面
3 内方部材
31 第一内方部材
32 第二内方部材
3c 内側転走面
3d 内側転走面
3e 小径段部
3f 小径段部
4 転動体列
41 円錐ころ(転動体)
42 保持器
5 シール部材
51 スリンガ
52 シールリング
61 円環部材
62 円環部材
D1 円環部材の外径
D2 円環部材の外径
Da 第一内方部材における反突き合せ側の外径
Db 第二内方部材における反突き合せ側の外径

Claims (4)

  1. 内周に二つの外側転走面が形成された外方部材と、
    外周に一つの内側転走面が形成された第一内方部材と、
    外周に一つの内側転走面が形成された第二内方部材と、
    前記外方部材と前記第一内方部材の各転走面間に介装される複数の転動体と、
    前記外方部材と前記第二内方部材の各転走面間に介装される複数の転動体と、を備え、
    前記第一内方部材と前記第二内方部材を互いに突き合せた車輪用軸受装置において、
    前記第一内方部材における突き合せ側外周と前記第二内方部材における突き合せ側外周に前記第一内方部材及び前記第二内方部材の変形を抑えるための円環部材が外嵌されている、ことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記第一内方部材における突き合せ側に小径段部が形成され、
    前記第二内方部材における突き合せ側に小径段部が形成され、
    それぞれの前記小径段部に前記円環部材が係止されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記第一内方部材と前記円環部材が同じ材質で形成されており、
    前記第一内方部材における反突き合せ側の外径に対して前記円環部材の外径が等しい又は略等しい、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記第二内方部材と前記円環部材が同じ材質で形成されており、
    前記第二内方部材における反突き合せ側の外径に対して前記円環部材の外径が等しい又は略等しい、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
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