JP2019044895A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外側部材の外周面に金属環を嵌め込んで密封装置を装着する構造を採用したとしても、金属環に変形が生じないようにすること。【解決手段】ハブベアリングの外輪側の外側部材61と内輪側の内側部材71との間の隙間Gを密封する密封装置101の金属環111は、外側部材61の外周面63に嵌合する筒状部116とシール基体117とを備え、シール基体117にシール部材131を加硫接着している。金属環111は、筒状部116を周方向に分割することによって得られた複数個のクランパ114を有しており、外側部材61の外周面63に設けたクランプ溝65にクランプ爪114bを弾発的に嵌め込むことによって、外側部材61に密封装置101を固定する。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用又はトラック用のハブベアリング、産業用ベアリングなどに適用することができる密封装置に関する。
この種の装置の従来の一例として、特許文献1には、図11に示すような密封装置1が記載されている。この装置は自動車用のハブベアリングに使用される密封装置1で、図11中、符号「2」は自動車の懸架装置に固定されるベアリング外輪側の外側部材、符号「3」は車輪が取り付けられるベアリング内輪側の内側部材をそれぞれ示している(文献1の段落[0013][0014]参照)。
密封装置1は、文献1が「芯金21」と呼んでいる金属環4にシール部材5を設けたもので、外側部材2に金属環4を嵌め込むことによってハブベアリングに固定されている。シール部材5は複数個のシールリップ5a〜5c(「5a,5b」はラジアルリップ、「5c」はアキシャルリップ)を備え、これらのシールリップ5a〜5cを内側部材3のフランジ6に密接させている。
密封装置1のシール部材5は、シールリップ5a〜5cとは別に、ラビリンスリップ7も有している。このラビリンスリップ7は、文献1で「遮蔽部27」と呼ばれているもので、内側部材3のフランジ6と非接触状態で対面している。
こうして密封装置1は、シール部材5に設けたシールリップ5a〜5cによって外側部材2と内側部材3との間の隙間Gを密封し、ラビリンスリップ7によって外部からの異物の侵入を防止するようにしている。
特開2007−177814号公報
特許文献1に記載されている密封装置1は、外側部材2の外周面2aに金属環4を嵌め込むことによって、ハブベアリングに固定されている。この種の密封装置は、金属環の外周面(文献1の「外側面24b」)の面積を増大させることができるし(文献1の段落[0020]参照)、外側部材と内側部材との間の隙間(図11中の「隙間G」参照)空間を広く活用することも可能である。
その一方で、外側部材の外周面に金属環を嵌め込むに際して、金属環が塑性変形してしまい、先端側ほど開いた拡開形状に変形しやすくなるという問題がある。このような変形が金属環に生ずると、密封装置全体にがたつきが生じ、最悪の場合には離脱の可能性もあるため、何らかの改善が求められる。
本発明の課題は、外側部材の外周面に金属環を嵌め込んで密封装置を装着する構造を採用したとしても、金属環に変形が生じないようにすることである。
本発明の密封装置は、ベアリングの外輪側の外側部材の外周面に嵌合する筒状部とこの筒状部から内周側に向けて屈曲するシール基体とを有する金属環と、前記金属環のシール基体に加硫接着され、前記ベアリングの内輪側の内側部材に密接し、この内側部材と前記外側部材との間の隙間を密封するシール部材と、前記金属環の筒状部を周方向に分割することによって設けられ、前記外側部材の外周面の環状軌跡上に設けられたクランプ溝にクランプ爪を弾発的に嵌り込ませることによって前記外側部材に前記金属環を固定する複数個のクランパと、を備えることによって上記課題を解決する。
本発明によれば、外側部材の外周面に嵌め込むためにクランパが押し広げられたとしても、クランパは周方向に分割されているので塑性変形が生じにくく、したがって金属環に変形が生ずることを防止することができる。
本実施の形態の密封装置が適用されるハブベアリングの一例を示す縦断側面図。 第1の実施の形態として、外側部材に連結されている密封装置の上半分部分を示す縦断側面図。 金属環の一部の斜視図。 金属環と外側部材との連結構造を示す斜視図。 第1の実施の形態の別の一例として、外側部材に連結されている密封装置の上半分部分を示す縦断側面図。 第2の実施の形態として、外側部材に連結されている密封装置の上半分部分を示す縦断側面図。 密封装置の上半分部分を示す縦断側面図。 金属環の一部分を断面にして示す斜視図。 第2の実施の形態の別の一例として、外側部材に連結されている密封装置の上半分部分を示す縦断側面図。 密封装置の一部分を断面にして示す斜視図。 従来の密封装置の一例を示す縦断側面図。
実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態の密封装置101は、自動車用のハブベアリング51への適用例である。そこでまず、ハブベアリング51について簡単に説明する。
[ハブベアリング]
図1に示すように、ベアリングの一形態であるハブベアリング51は、外輪側となる外側部材61と内輪側となる内側部材71とを備え、これらの外側部材61と内側部材71との間に、環状に配列された複数個のベアリングボール52の列を設けている。これによって外側部材61と内側部材71とは、軸Xで示す同軸上を互いに相対回転自在とされている。
実際の使用態様では、外側部材61は自動車の懸架装置(図示せず)に固定され、内側部材71には自動車の車輪(図示せず)が取り付けられる。そこで外側部材61には取付部62が設けられ、この取付部62を利用して懸架装置への取り付け固定が可能になっている。また内側部材71には軸Xと直交する方向に延出するフランジ72が設けられ、このフランジ72に複数本のハブボルト73が等間隔で配列されている。自動車の車輪は、これらのハブボルト73を利用してフランジ72に固定される。
複数個のベアリングボール52の列は、軸X方向に並べて二列設けられている。説明の便宜上、図1中の左側に位置する列を内部ボール列52a、右側に位置する列を外部ボール列52bと呼ぶ。
内側部材71は、二つの部材を組み合わせている。一つは内輪74、もう一つはハブ輪75である。内輪74は、内部ボール列52aを介して外側部材61と互いに回転自在に連結され、ハブ輪75は、外部ボール列52bを介して外側部材61と互いに回転自在に連結されている。フランジ72が設けられているのは、ハブ輪75の方である。これらの内輪74とハブ輪75とは、内輪74の内周面において嵌合し、連結されている。
外側部材61と内側部材71との間には、ベアリングボール52を収納するための軸受空間BSが設けられている。軸受空間BSには、図示しないグリースが充填されている。
ハブベアリング51は、軸受空間BSからのグリースの漏れ出しを防止するために、密封個所SPを二カ所用意している。一か所はベアリングボール52の内部ボール列52aに面した個所SP1、もう一か所は、外部ボール列52bに面した個所SP2である。本実施の形態の密封装置101は、密封個所SP2を密封するために用いられる。
密封個所SP2では、外側部材61の外周面63に連なる縁部64がフランジ72の方向に向けて延び、その内周側とハブ輪75の外周側との間で環状空間をなしている。この環状空間には、外部ボール列52bをなすベアリングボール52の軸受空間BSが面している。より詳細には、ハブ輪75の外面側は、軸受空間BSに連絡する円筒面76と、この円筒面76から曲面状に屈曲する曲周面77と、この曲周面77を介して円筒面76から立ち上がるフランジ面78とによって形成されている。外側部材61の縁部64はフランジ面78に隙間Gを開けて対面し、これによって密封個所SP2に環状空間が形成される。
フランジ面78は、段部79を介してフランジ72に連絡している。段部79は曲面状に屈曲した形状をなしており、ハブボルト73を挿入させる側のフランジ72の一面72aとフランジ面78との間に段差を生じさせる。フランジ面78を主体にして見ると、フランジ72の一面72aは、段部79によってフランジ面78からオフセットしていると解釈することができる。
このように構成された密封個所SP2は、外周面63の一部に環状のクランプ溝65を設けている。以下、密封個所SP2に装着されて使用される密封装置101の実施の形態を説明する。ここでは二つの実施の形態を紹介する。
[第1の実施の形態]
密封装置101の第1の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
密封装置101は、外側部材61の外周面63に嵌め込まれて固定される金属環111と、この金属環111に加硫接着されたゴム状弾性材料EM(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなるシール部材131とを主体に構成されている。シール部材131は、内側部材71の一部であるハブ輪75に密接し、密封個所SP2の隙間Gを密封している。
図2及び図3に示すように、金属環111は、中央部分に開口部112を有する円板状をした金属製の基材113を材料としており、これをプレス加工することによって形成されている。
つまり基材113の外周縁は複数個所で直角に折り曲げられ、これによって複数個のクランパ114が形成されている。またクランパ114よりもやや内周側の位置で基材113は鈍角に折り曲げられている。さらに基材113の内周側の部分は同心円上の複数個所で折り曲げられ、三段の段部115となっている。
複数個のクランパ114は、基材113から直角に屈曲されたクランプ片114aと、個々のクランプ片114aからさらに直角に屈曲されたクランプ爪114bとからなっている。外側部材61の外周面63とクランパ114とは、次に示すような寸法関係に設定されている。
(1)複数個のクランプ片114aの内面を通る仮想的な円周(以下「クランプ円周」とも略称する)の直径は、外側部材61の外周面63の直径と等しい。
(2)複数個のクランプ爪114bの内面を通る仮想的な円周(以下「クランプ爪円周」とも略称する)の直径は、クランプ円周の直径よりも小さい。したがってクランプ爪円周の直径は、外側部材61の外周面63の直径よりも小さい。
(3)クランプ片114aの内面の軸X方向長さは、外側部材61の縁部64の端面66からクランプ溝65に至るまでの長さよりも僅かに長い。僅かに長い分は、金属環111に加硫接着される後述する背面シール136の厚み、正確には装着時に押しつぶされた背面シール136の厚みの分である。
(4)クランパ114のクランプ爪114bは、外側部材61の外周面63に形成されたクランプ溝65に嵌り合う。
したがって複数個のクランパ114は、外側部材61の外周面63に嵌合する筒状部116となる。このとき筒状部116は、クランパ114という形態で周方向に分割されて設けられ、クランプ溝65にクランプ爪114bを弾発的に嵌り込ませることによって外側部材61に嵌合した状態で固定される。
クランプ溝65にクランプ爪114bを弾発的に嵌り込ませるということは、クランプ片114aを弾性変形させながらクランプ溝65にクランプ爪114bを嵌り込ませ、クランプ爪114bがクランプ溝65に嵌り込んだ後には、弾性復元力によってクランプ片114aが元の形状に復帰することを意味している。したがって「弾発的に」という概念の一態様には、クランプ片114aがばね性をもって復元可能に弾性変形する態様が含まれることになる。
三段の段部115は、後述するシール部材131が備える三つのリップ、つまり外周側サイドリップ132、内周側サイドリップ133、そしてラジアルリップ134を形状保持する。
したがって基材113のうち、複数個のクランパ114によって形成される筒状部116から内周側に向けて屈曲する部分は、シール部材131のためのシール基体117となる。
さらに基材113の外周縁のうち、折り曲げ加工されていない部分は、後述するラビリンスリップ135を生成するゴム状弾性材料EMを加硫接着するための支持片118となっている。
図2及び図4に示すように、金属環111にはゴム状弾性材料EMが加硫接着されている。加硫接着の場所は、クランパ114が折り曲げ形成されている側の一面Aとは反対側の一面Bの全面と、その裏面側となる一面Aのうち、外側部材61の縁部64の端面66に接触する円環領域と、金属環111の開口部112の端縁部分とである。
金属環111に設けられているシール基体117のうち、屈曲形成された三段の段部115の位置には、シール部材としての外周側サイドリップ132、内周側サイドリップ133、及びラジアルリップ134が形成されている。
外周側サイドリップ132は、三つのリップ132,133,134のうち最も外周側に配置され、外周側に向けて延出する形状を有している。このような外周側サイドリップ132は、ハブ輪75に設けられた密封個所SP2においてフランジ面78に密接する。このときの締め代は、図2に示すとおりである。
内周側サイドリップ133は、三つのリップ132,133,134の中間部分に配置され、ほぼ水平姿勢を維持する形状を有している。このような内周側サイドリップ133は、ハブ輪75に設けられた密封個所SP2において曲周面77に密接する。このときの締め代は、図2に示すとおりである。
ラジアルリップ134は、三つのリップ132,133,134のうち最も内周側に配置され、内周側に向けて延出する形状を有している。このようなラジアルリップ134は、ハブ輪75に設けられた密封個所SP2において円筒面76に密接する。このときの締め代は、図2に示すとおりである。
ゴム状弾性材料EMは、金属環111に設けられている支持片118にまで回り込んで加硫接着され、この位置にラビリンスリップ135を形成している。ラビリンスリップ135は、金属環111の外周側に向けて延出する形状を有している。前述したリップ132,133,134とは異なり、ラビリンスリップ135はハブ輪75と非接触状態を維持している。
より詳しくは、ラビリンスリップ135は、段部79の近傍でフランジ72の一面72aに対面している。つまりラビリンスリップ135は、フランジ面78を含む仮想的な平面には干渉するのに対して、段部79によってフランジ面78からオフセットしているフランジ72の一面72aには干渉しない。これによってラビリンスリップ135は、ハブ輪75と非接触状態を保ちながら、ハブ輪75との間の隙間を複雑化し、軸受空間BSに対する外部からの異物の侵入抑止効果を高めている。
前述したとおり、ゴム状弾性材料EMは、クランパ114が折り曲げ形成されている側の一面Aのうち、外側部材61の縁部64の端面66に接触する円環領域にも加硫接着されている。この部分に加硫接着されているゴム状弾性材料EMは、縁部64の端面66に対する金属環111の密接力を高める背面シール136となる。
このような構成において、ハブベアリング51に密封装置101を装着するには、ハブベアリング51を組み立てる過程で、外側部材61の外周面63に密封装置101の金属環111を嵌め込む。このとき「クランプ爪円周」の直径は外周面63の直径よりも小さいため、クランパ114は、クランプ片114aを弾性変形させながら外周面63に対する嵌合を深めていく。そして外周面63に設けられたクランプ溝65にクランプ爪114bが嵌り込む位置にまで達すると、クランプ片114aは元の形状に復帰し、クランプ溝65にクランプ爪114bが嵌り込む。これによって密封装置101は、外側部材61に確実に固定される。
このような密封装置101の装着過程では、外側部材61の外周面63に嵌合する金属環111が押し拡げられ、往々にして塑性変形が生じやすい。これに対して本実施の形態では、外周面63に嵌合する金属環111の部分はクランパ114として周方向に分割されているので、塑性変形が生じにくい。したがって金属環111に変形が生じることによって密封装置101全体にがたつきが生じたり、最悪の場合に離脱してしまったりするという不都合を防止することができる。
また外側部材61の外周面63に嵌合する金属環111の部分をクランパ114として周方向に分割し、塑性変形を生じにくくしたので、クランパ114をより大きく変形させることが可能である。そこでクランプ溝65とクランプ爪114bとの嵌合構造を採用することができ、これによって密封装置101をより強固に外側部材61に固定することが可能となる。
本実施の形態によれば、筒状部116は、クランパ114のみによって形成されているので、金属環111をより塑性変形させにくくすることができる。
本実施の形態によれば、クランパ114は、外周方向に延びる金属環111の外周縁の一部が折り返されて形成されているので、例えばプレス加工のみによってクランパ114を形成することができ、その製造の容易化を図ることができる。
このときクランパ114として折り返されていない部分は、金属環111の外周縁としてそのまま残すことができるので、例えばラビリンスリップ135を容易に製造することができる。
図5に、第1の実施の形態の別の一例を示す。
本例は、内側部材71の一部として、スリンガ80を設けた一例である。スリンガ80は、ハブ輪75に形成された円筒面76と曲周面77とフランジ面78とに沿ってこれらの各面76、77及び78に固定された断面湾曲形状をした環状の薄板部材である。したがって円筒面76と曲周面77とフランジ面78とに沿って円筒面76a、曲周面77a及びフランジ面78aを内周側に備え、これらの各面76a、77a及び78aにシール部材131を密接させている。つまりシール部材131のうち外周側サイドリップ132はフランジ面78aに密接し、内周側サイドリップ133は曲周面77aに密接し、ラジアルリップ134は円筒面76aに密接している。
このような構成において、本例によれば、内側部材71の一部としてハブ輪75にスリンガ80を設けたので、シール部材131の密接に適した材料を採用することで、良好なシール状態を実現することが可能となる。
[第2の実施の形態]
密封装置101の第2の実施の形態を図1、図6ないし図10に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
図6ないし図8に示すように、本実施の形態は、金属環111をなす基材113の外周縁をプレス加工してクランパ114を形成するのではなく、外側部材61の外周面63に嵌合する形態に筒状部116を予め形成している。
筒状部116は連続した円環状をなすものではなく、軸X方向に沿って延びる複数個のスリット121を周方向に等間隔に配列し、これによってクランパ114を形成している。クランパ114がクランプ片114aとクランプ爪114bとを有する点については、第1の実施の形態と同様である。
ただし本実施の形態は、基材113の外周縁をプレス加工してクランパ114を形成しているわけではないので、支持片118として基材113の外周縁に残された部分は出現しない。したがって本実施の形態の密封装置101は、ラビリンスリップ135を有していない。
このような構成において、本実施の形態では、筒状部116に複数個のスリット121が周方向に配列されているので、外側部材61の外周面63に嵌合する金属環111の部分をクランパ114として周方向に分割することができ、クランパ114に塑性変形を生じにくくすることができる。したがって金属環111に変形が生じることによって密封装置101全体にがたつきが生じたり、最悪の場合に離脱してしまったりするという不都合を防止することができる。
図9及び図10に、第2の実施の形態の別の一例を示す。
本例は、クランパ114の外周面全体、つまりクランプ片114aからクランプ爪114bの先端部に至るまでゴム状弾性材料EMを加硫接着させた一例である。ゴム状弾性材料EMは、スリット121の内部にも充填されており、クランプ片114aからクランプ爪114bに至る領域の外周面全周を全面的に覆っている。これによってクランプ溝65にクランプ爪114bが弾性的に嵌合し、しかもクランプ溝65の全周にわたってゴム状弾性材料EMが嵌り込むため、この部分にシール性を持たせることが可能となる。
そこで本例では、背面シール136を省略している。外側部材61の縁部64においては、外周面63及び端面66のいずれに対しても密封装置101の金属環111は直接接触する。
このような構成において、本例では、クランプ爪114bの先端部に至るまでゴム状弾性材料EMが加硫接着されており、しかもスリット121の内部にまでゴム状弾性材料EMが充填されている。このため金属環111の外周部分の端部は、ゴム状弾性材料EMによって円環形状に形成され、その一部にクランプ爪114bが封入されたような形態をなす。そこでクランプ爪114bをクランプ溝65に嵌合させると、ゴム状弾性材料EMによる円環形状の部分は、クランプ溝65の全周にわたって弾性的に嵌合する。これによってクランプ溝65の領域でのシール性が維持され、外側部材61の縁部64と密封装置101の金属環111との間の嵌合面に対して、泥水やダストなどの異物の侵入を遮断することが可能となる。
またゴム状弾性材料EMがクランプ溝65の内部でシール機能を発揮する結果、本実施の形態では、外側部材61の縁部64の端面66に密接する背面シール136を省略し、外周面63及び端面66のいずれに対しても密封装置101の金属環111を直接接触させることが可能となる。これによって外側部材61の縁部64と密封装置101の金属環111とが硬質な金属同士の接合になるので、外側部材61に対する密封装置101の組み付け精度を向上させることができ、内側部材71に対する個々のリップ132,133,134の締め代を安定させることが可能となる。
さらにスリット121に充填されているのは弾性変形可能な伸縮性を有するゴム状弾性材料EMであるため、これをスリット121に充填したとしても、クランパ114の弾発的な変形を阻害することがない。このためハブベアリング51に密封装置101を装着するに際して、外側部材61の外周面63に密封装置101の金属環111を嵌め込む作業の円滑性を維持することができる。
[変形例]
実施に際しては、各種の変更や変形が可能である。
例えばシール部材131として、本実施の形態では外周側サイドリップ132と内周側サイドリップ133とラジアルリップ134とを有する一例を示したが、実施に際してはこれに限定されない。リップの数や種類などは、適宜選択することが可能である。
また第1の実施の形態では、支持片118に加硫接着したゴム状弾性材料EMによってラビリンスリップ135を形成した一例を示したが、ラビリンスリップ135の有無、形成位置、形状なども適宜選択することが可能である。
また上記実施の形態ではいずれも、外側部材61の外周面63の全周にわたってクランプ溝65を設けた一例を示したが、実施に際してはこれに限定されない。クランプ溝65は、外周面63の環状軌跡上において、クランパ114のクランプ爪114bを嵌合させ得る位置に設けられていればよく、連続的である必要はない。
さらに第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の別の一例として図5に例示したスリンガ80を内側部材71の一部として設けるようにしても良い。
その他、あらゆる実施の形態が許容される。
51 ハブベアリング(ベアリング)
52 ベアリングボール
52a 内部ボール列
52b 外部ボール列
61 外側部材
62 取付部
63 外周面
64 縁部
65 クランプ溝
66 端面
71 内側部材
72 フランジ
72a フランジの一面
72b フランジの一面
73 ハブボルト
74 内輪
75 ハブ輪
76 円筒面
76a 円筒面
77 曲周面
77a 曲周面
78 フランジ面
78a フランジ面
79 段部
80 スリンガ
101 密封装置
111 金属環
112 開口部
113 基材
114 クランパ
114a クランプ片
114b クランプ爪
115 段部
116 筒状部
117 シール基体
118 支持片
121 スリット
131 シール部材
132 外周側サイドリップ
133 内周側サイドリップ
134 ラジアルリップ
135 ラビリンスリップ
136 背面シール
A 金属環の一面
B 金属環の一面
G 隙間
SP 密封個所
SP1 密封個所
SP2 密封個所
X 軸

Claims (5)

  1. ベアリングの外輪側の外側部材の外周面に嵌合する筒状部とこの筒状部から内周側に向けて屈曲するシール基体とを有する金属環と、
    前記金属環のシール基体に加硫接着され、前記ベアリングの内輪側の内側部材に密接し、この内側部材と前記外側部材との間の隙間を密封するシール部材と、
    前記金属環の筒状部を周方向に分割することによって設けられ、前記外側部材の外周面の環状軌跡上に設けられたクランプ溝にクランプ爪を弾発的に嵌り込ませることによって前記外側部材に前記金属環を固定する複数個のクランパと、
    を備えることを特徴とする密封装置。
  2. 前記筒状部は、前記クランパのみによって形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記クランパは、外周方向に延びる金属環の外周縁の一部が折り返されて形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  4. 前記クランパとして折り返されていない前記金属環の外周縁には、前記内側部材に対して非接触状態を保つラビリンスリップが加硫接着されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の密封装置。
  5. 前記クランパは、前記金属環の筒状部に軸方向に沿って設けられた複数個のスリットによって周方向に分割されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
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