JP2019044754A - 内燃機関の可変動作システム及びその制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変動作システム及びその制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低負荷領域での外部EGRガスの再導入による燃焼の不安定化を抑制して燃費性能を向上することができる新規な内燃機関の可変動作システム及びその制御装置を提供することにある。【解決手段】外部EGRシステムと、吸気側可変動弁機構、及び排気側可変動弁機構を備え、内燃機関が低負荷領域においては、外部EGRシステムによる外部EGRガスの流量を少なくすると共に、排気側可変動弁機構によって、排気バルブの閉時期を上死点前まで進角し、且つ吸気側可変動弁機構によって、吸気バルブの開時期を上死点後の所定位置まで遅角する。負のバルブオーバーラップ区間が形成されるので、排気行程末期から吸気行程初期にかけて高温の燃焼ガスを燃焼室内に封じ込め、且つピストンでこの燃焼ガスを加圧することによって昇温することができる。【選択図】図4

Description

本発明は内燃機関の可変動作システムに係り、少なくとも外部EGRシステムと排気バルブと吸気バルブのバルブタイミングを制御する可変動弁機構を備えた内燃機関の可変動作システム及びその制御装置に関するものである。
自動車の燃料消費量(燃費)や排気ガス有害成分に関する規制が強化されており、今後もますます厳しくなる傾向にある。特に燃料消費量については、排出される二酸化炭素が地球温暖化へ与える影響が大きいことから、更に低燃費化が求められている。
そして、この低燃費化を促進するため内燃機関の圧縮比を高くする傾向にある。しかしながら、圧縮比を高くすると内燃機関の出力が比較的大きい運転条件において、ノッキング等の異常燃焼が発生する可能性が増加する。このため、内燃機関に外部EGRシステムを設け、排気管から吸気管に排気ガスを再導入して異常燃焼を抑制しながら、点火時期を適切な値に進角することで燃費性能を向上させるようにしている。ここで、再導入される排気ガスを、以下では「外部EGRガス」と表記する。
このような外部EGRシステムを備えた内燃機関としては、「Honda R&D Technical Review, Vol.27, No.2,p.1−10」(非特許文献1)に記載されている。この非特許文献1には、外部EGRシステムによる高EGR運転領域(外部EGR率の高い運転領域)を、負荷が比較的大きい中負荷〜高負荷領域に設定しておき、この中負荷〜高負荷領域おいて多くの外部EGRガスを再導入して点火時期を進角することで、熱効率を高めて燃費性能を向上する技術が示されている。
このように、多くの外部EGRガスを再導入する高EGR率運転領域では、外部EGRガスにより混合気の燃焼温度を下げる(冷却効果)ことで冷却損失を低減し、またこの冷却効果により更にノッキングも抑制できるので、点火時期を積極的に進角できる。これによって、熱効率を高めることができ、結果として燃費性能の向上を図ることができるものである。
「Honda R&D Technical Review, Vol.27, No.2,p.1−10」
ところで、外部EGRシステムを作動させている状態下で負荷が低下していくと、上述した外部EGRガスによる冷却効果によって混合気の燃焼が不安定になったり、或いは吸気配管の形状によって気筒内に取り込まれる外部EGRガス流量が気筒間でばらついたりして燃焼が不安定なり、逆に燃費性能が悪化するという課題を生じる。
本発明の目的は、低負荷領域での外部EGRガスの再導入による燃焼の不安定化を抑制して燃費性能を向上することができる新規な内燃機関の可変動作システム及びその制御装置を提供することにある。
本発明の好ましい態様によれば、少なくとも、外部EGRシステムと、吸気バルブの開閉時期の位相を制御する吸気側可変動弁機構、及び排気バルブの開閉時期の位相を制御する排気側可変動弁機構を備え、内燃機関が低負荷領域においては、外部EGRシステムによる外部EGRガスの流量を少なくすると共に、排気側可変動弁機構によって、排気バルブの閉時期(EVC)を排気上死点(TDC)の前の所定位置まで進角し、且つ吸気側可変動弁機構によって、吸気バルブの開時期(IVO)を排気上死点(TDC)の後の所定位置まで遅角する。
本発明の好ましい態様によれば、低負荷領域において、排気バルブの閉時期(EVC)と吸気バルブの開時期(IVO)が重ならない「負のバルブオーバーラップ区間」が形成されるので、排気行程末期から吸気行程初期にかけて高温の燃焼ガス(高温の内部EGRガス)を燃焼室内に封じ込め、且つピストンでこの燃焼ガスを加圧することによって昇温することができる。これによって、低負荷領域での気筒間のばらつきによる燃焼の不安定化や、或いは外部EGRガスによる燃焼不安定化を抑制することができる。
本発明に係る内燃機関の可変動作システムの全体概略図である。 吸気側可変動弁機構と排気側可変動弁機構の外観構成を示す斜視図である。 低負荷領域の場合の「負のバルブオーバーラップ」を有する吸気バルブと排気バルブのバルブ特性を説明する説明図である。 中/高負荷領域の場合の「ゼロバルブオーバーラップ」を有する吸気バルブと排気バルブのバルブ特性を説明する説明図である。 最大負荷領域の場合の「正のバルブオーバーラップ」を有する吸気バルブと排気バルブのバルブ特性を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態になる内燃機関の可変動作システムで、始動時から高負荷領域までの排気バルブと吸気バルブのバルブオーバーラップ、及びEGR弁開度の変化状態を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態になる内燃機関の可変動作システムで、アイドルから高負荷領域までの気筒内のガス温度、及び気筒内のEGR率の変化状態を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態の低負荷領域でのバルブタイミング特性図とそのPV線図である。 本発明の第1の実施形態と比較のための第1の従来のバルブタイミング特性図とそのPV線図である。 本発明の第1の実施形態と比較のための第2の従来のバルブタイミング特性図とそのPV線図である。 本発明の第1の実施形態になる内燃機関の可変動作システムの停止時における制御を実行するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態になる内燃機関の可変動作システムで、始動時から高負荷領域までの制御を実行する制御フローの前半を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態になる内燃機関の可変動作システムで、始動時から高負荷領域までの制御を実行する制御フローの後半を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態になる内燃機関の可変動作システムでの冷機始動時の場合の「負のバルブオーバーラップ」を有する吸気バルブと排気バルブのバルブ特性を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態になる内燃機関の可変動作システムでの低負荷領域の場合の「負のバルブオーバーラップ」を有する吸気バルブと排気バルブのバルブ特性を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態になる内燃機関の可変動作システムでの中/高負荷領域の場合の「ゼロバルブオーバーラップ」を有する吸気バルブと排気バルブのバルブ特性を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の第1の実施形態になる内燃機関の可変動作システムについて説明するが、図1は本発明が適用される内燃機関の可変動作システムの全体の構成を示している。
まず、内燃機関の可変動作システムの基本構成を図1に基づいて説明すると、シリンダブロックSB内に形成されたシリンダボア内を、燃焼圧力などによって上下に摺動自在に設けられたピストン01と、シリンダヘッドSHの内部にそれぞれ形成された吸気ポートIP及び排気ポートEPと、シリンダヘッドSHに摺動自在に設けられて吸、排気ポートIP、EPの開口端を開閉する一気筒当たりそれぞれ一対の吸気バルブ4及び排気バルブ5とを備えている。
ピストン01は、クランクシャフトとコンロッド02を介して連結されていると共に、冠面03とシリンダヘッドSHの下面との間に燃焼室04を形成している。また、シリンダヘッドSHのほぼ中央には、点火栓05が設けられている。
吸気ポートIPはエアクリーナ50と接続されており、電制スロットルバルブ51を介して吸入空気が供給されている。電制スロットルバルブ51は、コントローラ(=制御手段)52によって制御されており、基本的にはアクセルペダルの踏込量に対応してその開度が制御されるものである。また、排気ポートEPは、排気ガス浄化触媒53を介してテールパイプから排気ガスを大気に放出している。
次に外部EGRシステムについて説明する。排気ガス浄化触媒53の下流と電制スロットルバルブ51の上流とは排気ガス再循環通路(以下、外部EGR通路と表記する)54によって接続されており、この外部EGR通路54の途中には、外部EGRガスを冷却するEGRクーラー55と、その下流に配置された外部EGRガスの流量を制御する外部EGR弁56が設けられている。外部EGR弁56は、電動モータで駆動される電制弁であり、コントローラ52からの制御信号によって外部EGRガス流量を調整するものである。
この外部EGR弁56は、バタフライ弁などが使用され、外部EGRガスの流量をほぼ「0」まで絞った最小開度位置から、多量の外部EGRガスを流す大開度位置まで制御できるようになっている。この大開度位置は最大流量が得られる開度位置でも良いが、これに限らず必要とされる要求流量に応じて開度を設定すれば良いものである。更に、外部EGR弁56は異常や故障が発生すると、駆動信号が遮断されて機械的に最小開度位置に設定されるフェールセーフ機能を備えている。
また、本実施例では、排気ガス浄化触媒53の後流で排気圧力及び排気温度が或る程度低下した部分から外部EGRガスを取り出す、いわゆる「LP−EGRシステム」(ロープレッシャEGRシステム)であり、外部EGRガスの温度は低めであるのに加え、外部EGR弁56の上流側にはEGRクーラー55が設けられているので、外部EGRガスの温度を低下させて、中負荷領域〜高負荷領域における耐ノック性を向上するようにしている。
更に、この内燃機関には、図1に示すように吸気バルブ4と排気バルブ5の開弁特性を制御する吸気側可変動弁機構、排気側可変動弁機構とが備えられている。吸気側には、吸気バルブ4のバルブリフトの中心位相角を制御する「位相角可変機構」である吸気側可変動弁機構(以下、吸気側VTC機構と表記する)1Aが設けられ、また、排気側には、排気バルブ5のバルブリフトの中心位相角を制御する「位相角可変機構」である排気側可変動弁機構(以下、排気側VTC機構と表記する)1Bが設けられている。
吸気側VTC機構1A、及び排気側VTC機構1Bは、位相制御用油圧アクチュエータ2A、2Bを備えており、油圧によって吸気バルブ4と排気バルブ5の開閉時期を制御する構成となっている。位相制御用油圧アクチュエータ2A、2Bへの油圧供給は、コントローラ52からの制御信号に基づき、図示しない油圧制御部によって制御されている。この位相制御用油圧アクチュエータ2A、2Bへの油圧制御によって、リフト特性の中心位相が遅角側、或いは進角側に制御される。
図2において、排気カム軸10には気筒あたり2個の排気カム11が設けられている。この排気カム11は、排気バルブ5を開閉するものである。また、排気カム軸10の一端には、スプロケット機構13と、これに固定された排気側VTC機構1Bが取り付けられており、排気カム軸10をスプロケット機構13に対して相対回転(位相変換)させて排気カム11の相対回転位置を制御している。
スプロケット機構13は、タイミングスプロケット15を備えており、図示しないタイミングベルトによってクランク軸によって回転されている。また、排気側VTC機構1Bは、ハウジング16と、このハウジング16の両端に固定されたフロントカバー17とリアカバー18によって形成された空間に油圧で駆動されるベーンが内蔵されている。タイミングスプロケット15とリアカバー18は相互に固定されており、またベーンは排気カム軸10に固定されている。
したがって、油圧によってベーンの回転位置を調整することによって、排気カム軸10がこれに対応して排気バルブの開閉位相を調整するようになっている。尚、ハウジング16内の油圧は排気電磁切換弁29によって制御され、排気電磁切換弁29はコントローラ52によって駆動されている。
同様に、吸気カム軸20には気筒あたり2個の吸気カム21が設けられている。この吸気カム21は、吸気バルブ4を開閉するものである。また、吸気カム軸20の一端には、スプロケット機構23と、これに固定された吸気側VTC機構1Aが取り付けられており、吸気カム軸20をスプロケット機構23に対して相対回転(位相変換)させて吸気カム21の相対回転位置を制御している。
スプロケット機構23は、タイミングスプロケット25を備えており、図示しないタイミングベルトによってクランク軸によって回転されている。また、吸気側VTC機構1Aは、ハウジング26と、このハウジング26の両端に固定されたフロントカバー27とリアカバー28によって形成された空間に油圧で駆動されるベーンが内蔵されている。タイミングスプロケット25とリアカバー28は相互に固定されており、またベーンは吸気カム軸20に固定されている。
したがって、油圧によってベーンの回転位置を調整することによって、吸気カム軸20がこれに対応して吸気バルブの開閉位相を調整するようになっている。尚、ハウジング26内の油圧は吸気電磁切換弁30によって制御され、吸気電磁切換弁30はコントローラ52によって駆動されている。
ここで、本実施形態の吸気側VTC機構1Aにおいては、油圧ポンプからの油圧供給が有る場合、及び制御信号が遮断されて油圧供給が無い場合の両方において、デフォルト位置である「最遅角位置」付近に制御される構成となっている。ここでデフォルト位置とは、機械的に安定する位置のことである。位相制御用油圧アクチュエータ2Aにおいては、ベーンを最遅角側に付勢するバイアススプリングが用いられており、ベーンに作動油圧が作用しなかった場合には、この「最遅角位置」付近に安定するようになっている。そして、この位相の状態で回転数が低下すると、油圧が低下していき、「最遅角位置」付近の位相でピンロックするようになっている。
そして、この「最遅角位置」が、後述する低負荷領域で設定される吸気バルブ4の開時期(IVOl)となる。
また、排気側VTC機構1Bにおいては、油圧ポンプからの油圧供給が有る場合、及び制御信号が遮断されて油圧供給が無い場合の両方において、デフォルト位置である「最進角位置」付近に制御される構成となっている。位相制御用油圧アクチュエータ2Bにおいては、ベーンを進角側に付勢するバイアススプリングが用いられており、ベーンに作動油圧が作用しなかった場合には、この「最進角位置」付近に安定するようになっている。そして、この位相の状態で回転数が低下すると、油圧が低下していき、「最進角位置」付近の位相でピンロックするようになっている。
そして、この「最進角位置」が、後述する低負荷領域で設定される排気バルブ5の閉時期(EVCl)となる。
図1に戻って、コントローラ(=制御手段)52は、現在の内燃機関の回転数Ne(rpm)をクランク角から検出するクランク角センサからの出力信号、エアーフローメータからの吸入空気量(負荷)の出力信号、その他、アクセル開度センサ、車速センサ、ギア位置センサ、機関本体の温度を検出する機関冷却水温センサ31、更には大気湿度センサからの出力信号などの各種情報信号から現在の機関状態を検出している。
そして、コントローラ52は、少なくとも吸気側VTC機構1Aに対して吸気VTC制御信号を出力し、排気側VTC機構1Bに対して排気VTC制御信号を出力し、更に外部EGR弁56に対して外部EGRガス制御信号を出力するものである。
ところで、外部EGRシステムを作動させている状態下で負荷が低下していくと、上述した外部EGRガスによる冷却効果によって混合気の燃焼が不安定になったり、吸気配管の形状によって気筒内に取り込まれる外部EGRガス流量が気筒間でばらついたりして燃焼が不安定なり、逆に燃費性能が悪化するという課題を生じる。
本実施形態では、このような課題に対して、内燃機関が低負荷領域においては、外部EGRシステムによる外部EGRガスの流量を少なくすると共に、排気側可変動弁機構によって、排気バルブの閉時期(EVC)を排気上死点(TDC)の前の所定位置まで進角し、且つ吸気側可変動弁機構によって、吸気バルブの開時期(IVO)を排気上死点(TDC)後の所定位置まで遅角するものである。これによって、混合気の燃焼の不安定化を招く外部EGRガスの再導入を遮断して、燃焼ガスの気筒内閉じ込めによる内部EGRを実行することによって混合気の燃焼を安定させることができるようになる。
次に、本実施形態のバルブタイミング特性とEGR特性について、図3A〜図3C、及び図4、図5を用いて説明する。図3Aは所定の低負荷領域でのバルブタイミング特性を示し、図3Bは所定の中負荷領域及び所定の高負荷領域でのバルブタイミング特性を示し、図3Cは所定の最大負荷領域でのバルブタイミング特性を示している。また、これに併せて、図4は夫々の負荷領域におけるバルブオーバーラップの状態と、外部EGR弁56の開度特性(=外部EGRガス流量)を示している。また、図5の下段は、夫々の負荷領域におけるEGR率を、内部EGRと外部EGRの配分も含めて示している。また、図5の上段は、筒内ガス温度、例えば、吸気下死点のおける筒内ガス温度を示している。
≪低負荷領域≫
図3Aに示す通り、吸気バルブ4の開時期(IVO)を排気上死点(TDC)後の所定角度(IT)だけ遅角して、開時期(IVOl)とし、排気バルブ5の閉時期(EVC)を排気上死点(TDC)前の所定角度(ET)だけ進角して、閉時期(EVCl)としている。尚、排気上死点(TDC)は、次行程の吸入上死点(TDC)と同義である。
また、吸気バルブ4の開時期(IVO)の遅角に伴い、吸気バルブ4の閉時期(IVC)も、吸気下死点(BDC)と圧縮上死点(TDC)の中間位置付近の閉時期(IVCl)に向けて遅角側に移行されている。更に、排気バルブ5の閉時期(EVC)の進角に伴い、排気バルブ5の開時期(EVO)も、膨張下死点(BDC)から大きく進角側に移行されている。
この結果、低負荷領域においては、排気バルブの閉時期(EVCl)と吸気バルブの開時期(IVOl)の間には、所定角度(IT)と所定角度(ET)を足し合わせた「IT+ET」の角度からなる大きな「負のバルブオーバーラップ区間」(以下、NVO区間と表記する)が設定されることになる。これによって、排気行程の末期から吸気行程の初期にかけて、高温の燃焼ガス(内部EGRガス)が筒内に封じ込められ、且つピストンで加圧されることになる。
ここで、所定角度(IT)と所定角度(ET)は略同じ角度に設定されている。尚、略同じ角度とは、排気側VTC機構1B、及び吸気側VTC機構1Aの組立後の機構的な誤差や設計上の公差等を含む概念であり、必ずしも同じ角度を意味するものではない。
したがって、低負荷領域において、NVO区間を形成することで排気行程の末期から吸気行程の初期にかけて、高温の燃焼ガス(内部EGRガス)を筒内に封じ込め、しかもピストンで加圧することによる「封じ込め内部EGR」により、排気上死点(TDC)で残留している筒内ガスの温度をさらに上昇させることができる。これによって、筒内に残留している内部EGRガスが充分に加熱され、不安定な燃焼が生じやすい低負荷域での燃焼を改善でき、燃費性能を向上することができるようになる。
図5には、負荷状態の変化に対する気筒内のEGR率と、気筒内のガス温度(例えば吸気下死点での温度)を示している。上述の説明にある通り、低負荷領域(アイドル〜負荷Lの領域)においては、NVO区間の形成によって「封じ込め内部EGR」が可能となり、高温の燃焼ガス(内部EGRガス)を筒内に封じ込め、しかもピストンで加圧することで、気筒内のEGR率(Ri〜Rl)が例えば20%程度に維持でき、しかもガス温度を高く維持できることが理解される。
ここで、吸気バルブ4と排気バルブ5とが同時に開く通常の「正のバルブオーバーラップ区間」(以下、PVO区間と表記する)による内部EGRを考えてみると、吸気系に一度掃き出したEGRガス(既燃排気ガス)を再吸入するので、その過程で温度の低い吸気系によりEGRガス温度が下がってしまうことに加え、吸気系のボリューム内でのEGRガスの混合が不均一になりやすい。このため、各気筒に吸気バルブ4を介して再導入されるEGRガスの流量に気筒間ばらつきが発生して、全体としてみると混合気の燃焼が不安定となっていた。
これに対して、本実施形態ではNVO区間を形成して「封じ込め内部EGR」を実行するので、上記再吸入によるEGRガス温度低下がなく高温に維持される。さらに、封じ込み内部EGRなので、内部EGR率はバルブタイミング(EVCl、IVOl)で決まるので、吸気系に起因するEGRガス量の気筒間ばらつきは原理的に発生しない。すなわち、PVO区間による内部EGRで生じていたEGRガス量の気筒間ばらつきを原理的回避することができ、燃焼の安定化や機関回転の安定化を実現でき、燃費性能を向上することができる。
ここで、図4に示す通り、外部EGR弁56は最小開度(θsml)、ここでは、ほぼ全閉の状態に制御されているので、外部EGRシステムによる低い温度の外部EGRガスは、例えば所定の少量の流量以下しか再導入されないか、或いは望ましくは再導入されないので、上述した「封じ込め内部EGR」の効果を充分に得ることができる。
また、吸気バルブ4の開時期(IVO)の遅角に伴い、吸気バルブ4の閉時期(IVC)も、吸気下死点(BDC)と圧縮上死点(TDC)の中間位置付近の閉時期(IVCl)に遅角されているので、アトキンソンサイクル効果によっても燃費性能を更に向上することができる。
尚、大きなNVO区間を形成したことや、吸気バルブ4の閉時期(IVC)を吸気下死点(BDC)と圧縮上死点(TDC)の中間位置付近まで遅角したことによる副作用として、気筒内に取り込まれる空気量(=混合気量)が低下することで、膨張行程において、気筒内の圧力が膨張下死点(BDC)に至る前に大気圧以下まで低下(負圧が発生)し、これによってピストンの下降動作に制動作用(膨張行程のポンプ損失)が働き燃費性能がその分だけ悪化してしまう恐れもある。
このような副作用に対して、本実施形態では排気バルブ5の開時期(EVOl)を進角側に設定しているので、気筒内の圧力が負圧になる前に排気バルブ5が開かれるので、上述した制動作用を抑制でき、これによって燃費性能の悪化を低減することができる。
ここで、本実施形態では、図3Aに示すように、吸気バルブ4の遅角側への所定角度(IT)と排気バルブ5の進角側への所定角度(ET)が、略同じ角度になるように設定されている。これによれば、NVO区間に発生するポンプ損失を低減できるようになる。その理由について図6A〜図6Cに示すPV線図を用いて説明する。
図6Aは、図3Aに示すバルブタイミング特性のPV線図を示し、図6Bは、比較対象としての参考例1(ET≒0<IT)でのPV線図を示し、図6Cは、同じく比較対象としての参考例2(ET>IT≒0)でのPV線図を示している。
図6Bの参考例1においては、排気バルブ5の閉時期(EVCl´)は排気上死点(TDC)に設定している。そして、排気上死点(TDC)からピストンが下がっていく過程で、吸気バルブの開時期(IVOl)までの区間(IT)は筒内負圧が発達する。そして、この筒内負圧はピストンの下降動作を抑制するように作用するので、PV線図に示すように吸入初期のポンプ損失(下向き三角領域)が発生する。
また、図6Cの参考例2においては、吸気バルブ5の開時期(IVOl´)は排気上死点(TDC)に設定している。そして、排気上死点(TDC)前の排気バルブが閉じる閉時期(EVCl)から排気上死点(TDC)に向けてピストンが上昇していく過程で、排気上死点(TDC)までの区間(ET)は気筒内に正圧が発達する。そして、この気筒内の正圧はピストンの上昇動作を抑制するように作用する。ここで、排気上死点(TDC)を越えると吸気バルブが開くので、この筒内の正圧ガスは吸気側に逆流してしまい、ピストンの下降動作を助長するためのエネルギとして回収することができない。その結果、PV線図に示すように、排気行程の末期のポンプ損失(上向き三角領域)が発生する。
このように、参考例1、2ともポンプ損失が大きくなるので低負荷での燃費性能の悪化を生じるようになるものである。
これに対して、本実施形態においては、図6AのPV線図に示すように、吸気行程の初期のポンプ損失、及び排気行程の末期のポンプ損失とも抑制することができる。
つまり、排気バルブの閉時期(EVCl)が排気上死点(TDC)前であり、排気バルブの閉時期(EVCl)から排気上死点(TDC)にかけて、高温燃焼ガス(高温EGRガス)が所定角度(ET)分だけ圧縮されて、その時点ではピストンの上昇動作を抑止しようと作用する。
一方、吸気バルブの開時期(IVOl)が排気上死点(TDC)から同じ角度で、所定角度(IT)分だけ遅れているので、排気上死点(TDC)を越えてピストンが下降動作に移ると、先に圧縮された高温燃焼ガスの圧力が開放されてピストンの下降動作を助長するエネルギとして回収されるようになる。その結果、図6Aに示すように、三角形の面積の発生が抑制され、排気上死点(TDC)前後のポンプ損失が抑制されるのである。
したがって、所定角度(ET)=所定角度(IT)の関係が最も好ましく、図6AのPV線図に示すように、排気行程の末期のポンプ損失と吸気行程の初期のポンプ損失の両方を除去できるようになる。このように、図6Aに示す本実施形態の低負荷状態でのバルブタイミング特性は、排気上死点(TDC)前後のポンプ損失を抑制するという観点でも、更に燃費性能を向上できるものである。
再び図4に戻って、以上は低負荷状態の説明であるが、内燃機関の停止状態から、クランキング、アイドル、及び低負荷Lに至るまでは、吸気バルブ4と排気バルブ5のバルブタイミング特性は同一の特性とされている。したがって、内燃機関の停止状態から低負荷Lに至るまでは、停止状態でのNVO区間(NVOs)、クランキングでのNVO区間(NVOc)、アイドルでのNVO区間(NVOi)、及び低負荷LでのNVO区間(NVOl)と、同一のNVO区間が形成されるものである。
またこれに併せて、内燃機関の停止状態から低負荷Lに至るまでは、停止状態での排気バルブの開閉時期(EVOs)、(EVCs)及び吸気バルブの開閉時期(IVOs)、(IVCs)、クランキングでの排気バルブの開閉時期(EVOc)、(EVCc)及び吸気バルブの開閉時期(IVOc)、(IVCc)、アイドルでの排気バルブの開閉時期(EVOi)、(EVCi)及び吸気バルブの開閉時期(IVOi)、(IVCi)、及び低負荷Lでの排気バルブの開閉時期(EVOl)、(EVCl)及び吸気バルブの開閉時期(IVOl)、(IVCl)も同一に設定されている。
同様に、外部EGR弁56の開度は、停止状態での開度(θs)、クランキングでの開度(θc)、アイドルでの開度(θi)、及び低負荷Lでの開度(θl)と、同一の最小開度(θsml)とされ、外部EGRシステムによる低い温度の外部EGRガスは再導入されないようになっている。
このように、吸気バルブ4と排気バルブ5のバルブタイミング特性、及び外部EGR弁56の開度特性を、内燃機関の停止状態から低負荷Lに至るまで同一とすることで、吸気側VTC機構1A、排気側VTC機構1B、及び外部EGR弁56の制御を簡素化することができる。更に、本実施例では、吸気側VTC機構1A、排気側VTC機構1B、外部EGR弁56の電気制御系が故障した際には各デフォルト位置で安定することになり、フェールセーフ制御も簡素化されるようになる。
≪遷移負荷領域(A)≫
負荷状態が変化して、負荷L(低負荷領域)を超え、しかも負荷M(中負荷領域)を超えない遷移負荷領域の場合は、検出された負荷に対応して、外部EGR弁56の開度が開度(θl)〜開度(θm)の範囲に設定され、また負荷が増大するにつれて外部EGRガス流量が増大するように設定されている。同様にNVO区間も検出された負荷に対応して、NVO区間(NVOl)〜「0」VO時期の範囲に設定され、更に負荷が増大するにつれてNVO区間が「0」VO時期に向かって減少するように設定されている。尚、「0」VO時期が「ゼロバルブオーバーラップ」を指し、吸気バルブ4の開時期(IVO)と排気バルブ5の閉時期(EVC)が同じであることを意味している。これについては、後述する。
したがって、低負荷領域域から中負荷領域に向かって負荷が増大していく際に、気筒内のガス温度が外部EGRガスにより急激に低下するのを抑えて、気筒内のガス温度を緩やかに低下させていくので、過渡性能を含めて燃焼状態を安定化することができる。
ここで、外部EGRの場合は、外部EGR通路54から外部EGR弁56を介してEGRガスが吸気系に戻されるため、吸気系容積内におけるEGRガスの混合の不均一が、過渡時に特に顕著となる。このため、各気筒においては吸気バルブ4を経由して気筒内に導入されるEGRガス流量の気筒間ばらつきが発生し易く、過渡性能が不安定になりがちである。
そこで、本実施形態では、負荷が増大するにつれてNVO区間が減少するもののある程度維持されるように設定しているので、上述した「封じ込め内部EGR」による燃焼ガス(内部EGRガス)もある程度残留しており、この残留している燃焼ガスは吸気系に戻されないので、EGRガス流量の気筒間ばらつきがその分抑制されるようになる。
このように、遷移負荷領域(A)においては、低負荷領域での封じ込め内部EGRの状態から外部EGRの状態に緩やかに遷移できるので、気筒内のガス温度が緩やかに低下し、且つ過渡的な気筒間のEGRガス流量のばらつきを抑制できるので、低負荷領域から中負荷に至る過程で生じやすい、過渡性能の不安定化を抑制できるようになる。また、図5の筒内EGR率(Ri〜Rm)は、「封じ込め内部EGR」分と「外部EGR」分の和を示すが、この値は20%程度に同等に維持されており、その面から中負荷領域に負荷増加移行する際の過渡性能を安定化できる。
一方、逆に、中負荷領域からに低負荷領域に負荷低減移行する際に、温度が低い外部EGRガスをしだいに減少させて、高温の封じ込めEGRガスの量をしだいに増加させるので、不安定な燃焼が起こりがちな低負荷領域に至った時点で、気筒内のガス温度(筒内EGRガスの平均温度)が既に高まっているので、不安定な燃焼を抑制できるようになる。
≪中/高負荷領域≫
図3Bに示す通り、低負荷領域と比較して、中負荷から所定の高負荷までの中/高負荷領域では、吸気バルブ4の開時期(IVO)を排気上死点(TDC)まで進角側に移行させて開時期(IVOm)とし、排気バルブ5の閉時期(EVC)を排気上死点(TDC)まで遅角して、閉時期(EVCm)としている。また、吸気バルブ4の開時期(IVO)の進角に伴い、吸気バルブ4の閉時期(IVC)も、吸気下死点(BDC)と圧縮上死点(TDC)の中間位置付近から吸気下死点(BDC)に向けて閉時期(IVCm)まで進角側に移行されている。更に、排気バルブ5の閉時期(EVC)の遅角に伴い、排気バルブ5の開時期(EVO)も、吸気下死点(BDC)側に向けて開時期(EVOm)まで遅角側に移行されている。
この結果、中/高負荷領域においては、排気バルブの閉時期(EVCm)と吸気バルブの開時期(IVOm)は、排気上死点(TDC)付近に互いに近接して設定されることで、NVO区間、及びPVO区間が殆ど存在しない、ゼロバルブオーバーラップバルブタイミング(以下、「0」VOバルブタイミングと表記する)を形成する。
このように、中/高負荷領域においては「0」VOmバルブタイミング〜「0」VOhバルブタイミングが形成されるので、NVO区間に起因する高温の燃焼ガスによる「封じ込め内部EGR」は殆ど機能しなくなる。また、PVO区間も殆ど形成されていないので、PVO区間に起因する通常の内部EGRも殆ど機能しなくなる。
尚、PVO区間に起因する内部EGRは「再導入内部EGR」というべきもので、PVO区間に燃焼ガスが吸気系に戻された後に冷やされて、その後再び筒内に導入されるものである。しかしながら、吸気系に戻された燃焼ガスは温度が低いものの外部EGRガスよりは温度が高いので、PVO区間に起因する内部EGRであっても、負荷増加とともに異常燃焼を誘引する恐れがある。異常燃焼を避けるためには点火時期を遅角すれば良いが、燃焼効率が低下して燃費性能を悪化させるという新たな課題が生じる。
これに対して、本実施形態ではNVO区間に起因する「封じ込め内部EGR」とPVO区間に起因する「再導入内部EGR」の両方が機能しにくいので、両内部EGRによる気筒内の温度上昇が抑制され、異常燃焼を抑制できるものである。
更に、図4にある通り負荷Mから負荷Hまでの中/高負荷領域では外部EGR弁56が最大開度(θlrg)に大きく開かれるので、所定の多量の外部EGRガスが気筒内に導入されるようになる。外部EGRガスは、両内部EGRガスより温度が低く、更にEGRクーラー55によって更に温度が低下されている。このため、外部EGRガスが導入された気筒内のガス温度は低くなり、EGRガスに基づく低温燃焼効果と相俟ってノッキングのような異常燃焼が発生し難くなる。このため、点火時期を進角させることができるので燃焼効率を高めることができ、中/高負荷領域での燃費性能を向上することができる。
また、図5にある通り、中/高負荷領域(負荷M〜負荷Hの領域)においては、「0」VOmバルブタイミング〜「0」VOhバルブタイミングの形成によって、NVO区間による「封じ込め内部EGR」やPVO区間による「再導入内部EGR」の両方が殆ど機能しなくなり、これに代えて低温の外部EGRガスを再導入しているので、図5に示すようにガス温度もTm〜Thと低くできることが理解される。
このように、負荷Mから負荷Hまでは外部EGRガスによってガス温度を低く抑えることができるので、ノッキングのような異常燃焼を避けながら点火時期を進角することができる。これによって、燃焼効率を高めることができ、中/高負荷領域での燃費性能を向上することができる。
なお、ここで、負荷Mから負荷Hにかけて、NVO区間による「封じ込め内部EGR」は機能しなくなるものの、図5に示すように、Rm´〜Rh´に示される「封じ込め内部EGRガス分」が僅かであるが残っている。これは、排気(吸気)上死点においてピストン冠面と燃焼室上壁との間の容積分は燃焼ガスが残り、次の吸気行程において、それが「封じ込め内部EGRガス分」として残るためである。
また、吸気バルブ4と排気バルブ5のバルブタイミング特性、及び外部EGR弁56の開度特性を、負荷Mから負荷Hに至るまで同一とすることで、吸気側VTC機構1A、排気側VTC機構1B、及び外部EGR弁56の制御を簡素化することができるのに加え、負荷Mから負荷Hに至るまで、トータルの筒内EGR率をRm〜Rhと同レベルに維持できているので、負荷がM〜Hの間で急変した場合であっても、過渡性能を安定化できるのである
≪遷移負荷領域(B)及び最大負荷≫
図3Cに示す通り、中/高負荷領域と比較して負荷がさらに大きい最大負荷MAXでは、吸気バルブ4の開時期(IVO)を排気上死点(TDC)より前に大きく進角側に移行させて開時期(IVOmax)とし、排気バルブ5の閉時期(EVC)を排気上死点(TDC)より後に遅角側に移行されて閉時期(EVCmax)としている。
また、吸気バルブ4の開時期(IVO)の進角に伴い、吸気バルブ4の閉時期(IVC)も、吸気下死点(BDC)付近まで進角して閉時期(IVCmax)まで移行されている。更に、排気バルブ5の閉時期(EVC)の遅角に伴い、排気バルブ5の開時期(EVO)も、膨張下死点(BDC)付近まで遅角して開時期(EVOmax)まで移行されている。
この結果、中/高負荷領域の所定の高負荷Hから最大負荷MAXまでの遷移負荷領域においては、排気バルブの閉時期(EVCmax)と吸気バルブの開時期(IVOmax)によって「0」VOhバルブタイミングに対して大きなPVO区間が形成されることになる。この場合、図4に示すように所定の高負荷Hから負荷MAXまでの負荷に対応して、PVO区間の角度がしだいに大きくなる方向に調整されることになる。また、図4、図5にある通り、外部EGR弁56の開度も、これに対応して開度(θh)〜開度(θmax≒最小開度相当)の範囲で制御され、最大負荷MAXで外部EGRガス流量はほぼ「0」となる。
上述したようなバルブタイミング特性によれば、最大負荷MAXに向けて機関トルクを充分に高めることが可能となる。すなわち、排気バルブ5の開時期(EVO)が吸気下死点(BDC)付近まで遅角されたので、排気脈動の負圧波が排気バルブに到来するタイミングが、PVO区間の近くまで遅れるようになる。
このため、負圧波によって開状態の排気バルブ5を介して筒内の高温燃焼ガスを吸い出し、そこに冷たい新気が開状態の吸気バルブ4を介して筒内に導入される、という掃気効果が得られる。これによって、最大負荷MAXでの吸気充填効率が高まるだけでなく、筒内を新気により冷却するので、耐ノッキング性も一層向上して機関トルクの絶対値を高めることができるようになる。すなわち、前述の「排気(吸気)上死点においてピストン冠面と燃焼室上壁との間の容積」に残った高温燃焼ガスをも吸い出され、もって、耐ノッキング性を著しく向上できるのである。
更に、ここで、PVO区間の中心が排気上死点(TDC)より進角しているので、排気脈動の負圧波がPVO区間と同期しやすくなり、掃気効果を大きくすることができる。つまり、排気脈動の負圧波が排気バルブ5に到来するタイミングを、PVO区間の中心に近づけることができる。
ここで、図5で示すように遷移負荷領域(B)、特に最大負荷MAXで筒内EGR率がほぼ「0」まで低下できているのは、排気上死点(TDC)におけるピストン冠面と燃焼室表面との間の燃焼ガスは、次の吸気行程で封じ込め内部EGRとして筒内に取り込まれるが、この燃焼ガスも上述の掃気効果により排気ポ−ト側に吸いだされるからである。
そして、そこに上述したように温度が低い新気ガスが導入され、その新気ガスは外部EGRガスより更に低温であるので、図5に示すように筒内ガス温度Tmaxはさらに新気温度並まで低下して、耐ノック性を高めることができる。また、この新気ガスの導入は充填効率が高くなることを意味しており、機関トルクも併せて高めることができる。
なお、ここで、筒内ガス温度Tmaxにおける添え字maxについても、最大温度という意味ではなく、最大負荷における温度という意味である。
また、図4に示すように最大負荷MAXでは、外部EGR弁56の開度をほぼ「0」に設定すると共に、最大のPVOmaxに設定している。そして、負荷Hから最大負荷MAXに至る間で、外部EGR弁56の開度や、PVO区間を緩やかに変化させることにより、過渡的な状態変化を避けることができる。更に、図4の破線で示すように、最大負荷MAXより少し低い負荷Pの時点で、外部EGR弁56の開度をほぼ「0」に設定すると共に、最大のPVOmaxに設定することもできる。これによれば、外気温の変化などで最大負荷が変化した(ばらついた)場合でも、上述の効果が得られるようにできる。
次に、上述した本実施形態になるバルブタイミング特性を実行するための制御フローについて説明する。尚、この制御フローはコントローラ52によって実行されるものである。図7には、内燃機関を停止する停止移行時に、排気側VTC機構1Bと吸気側VTC機構1Aを負のバルブオーバーラップ(NVOs)区間となるデフォルト位置に機械的に安定させる制御フローを示している。
≪ステップS10≫
まず、ステップS10においては、内燃機関を停止する機関停止情報や、内燃機関の運転条件情報を読み込む。内燃機機関を停止する機関停止情報としては、代表的にはキーオフ信号があり、また、内燃機関の運転条件情報を示す信号としては数多くあるが、本実施形態では、内燃機関の回転数情報、吸気量情報、水温情報、要求負荷情報(アクセル開度)等があり、更に吸気側VTC機構1Aや排気側VTC機構1Bの実位置情報等がある。このステップS10で各種情報を読み込むとステップS11に移行する。
≪ステップS11≫
ステップS11においては、機関停止移行条件かどうかを判断する。この判断は、例えば、キーオフ信号を監視しておけばよく、キーオフ信号が入力されないとリターンに抜けて次の起動タイミングを待つことになる。一方、キーオフ信号が入力されると、機関停止移行条件と判断してステップS12に移行する。
≪ステップS12≫
ステップS12においては、吸気側VTC機構1A、及び排気側VTC機構1Bにデフォルト位置に移行するように、変換制御信号を吸気側VTC機構1Aの吸気電磁切換弁30、及び排気側VTC機構1Bの排気電磁切換弁29に出力する。つまり、次回の始動に対応するために、図3Aの低負荷領域(=始動状態)のバルブタイミング特性になるように油圧を制御するものである。
したがって、排気バルブの閉時期(EVC)は、図3Aの低負荷領域の排気バルブの閉時期(EVCs)に設定され、また、吸気バルブ開時期(IVO)は、吸気バルブの開時期(IVOs)に設定されるものである。これによって、図4にある通り、負のバルブオーバーラップであるNVOs区間が設定されることになる。変換制御信号を排気側VTC機構1Bの排気電磁切換弁29、及び吸気側VTC機構1Aの吸気電磁切換弁30に出力すると、ステップS13に移行する。
≪ステップS13≫
ステップ13においては、吸気側VTC機構1A及び排気側VTC機構1Bの実位置情報から、排気側VTC機構1B及び吸気側VTC機構1Aがデフォルト位置に移行したか、つまり、排気バルブの閉時期(EVCs)に設定され、また、吸気バルブの開時期(IVOs)に設定されたかどうかが判断される。そして、排気バルブの閉時期(EVCs)、及び吸気バルブの開時期(IVOs)に設定されていないと判断されると再びステップS12に戻り、排気バルブの閉時期(EVCs)、及び吸気バルブの開時期(IVOs)に設定されたと判断されるとステップS14に移行する。
≪ステップS14≫
ステップS14においては、内燃機関を停止するため燃料噴射弁や点火装置への出力制御信号を停止する。これによって内燃機関の回転数Neが低下していき、これに伴って油圧ポンプの作動油の油圧が低下することになる。内燃機関が停止されると、排気側VTC機構1B及び吸気側VTC機構1Aは、以下の動作をその機構に基づいて実行する。この動作は、フローチャートでいう制御ステップではないが、便宜上制御ステップとして説明する。
≪ステップS15〜ステップS17≫
内燃機関の回転数Neの低下に伴い、油圧ポンプからの作動油の吐出圧も下がるので、排気側VTC機構1B、及び吸気側VTC機構1Aのベーン内に保持されていた締結ピンは、リタ−ンスプリングによりリアカバー方向に移動する。一方、排気側VTC機構1B、及び吸気側VTC機構1Aの進角室、遅角室には作動油が充満されており、回転数Neが下がってもベーン位置はそのまま維持されている。
そして、リタ−ンスプリングによって締結ピンが、リアカバー方向に更に移動して締結穴に締結することで、ベーンはハウジング(リアカバー)に固定され、排気バルブの閉時期(EVCs)、及び吸気バルブの開時期(IVOs)のデフォルト位置に最終的に設定される。ここで、締結ピンの先端はテ−パ形状に形成されており、ベーンの位相が多少ずれていても締結ピンを締結穴に係合させることができる。そして内燃機関は回転数Ne=0となって機関停止となるものである。
このようにして、内燃機関を停止する停止移行時に、排気側VTC機構1Bと吸気側VTC機構1Aを、負のバルブオーバーラップであるNVOs区間が得られる、排気バルブの閉時期(EVCs)と吸気バルブの開時期(IVOs)のデフォルト位置に機械的に安定させることができるようになるものである。
次に、この状態から内燃機関の運転を再開する場合の制御フローを図8A、及び図8Bに基づき説明する。この制御フローもコントローラ52によって実行されるものである。尚、内燃機関の停止状態から低負荷Lに至るまでは、排気バルブの開閉時期(EVO)、(EVC)及び吸気バルブの開閉時期(IVO)、(IVC)は同一に設定されているので、フローチャートでは夫々の運転状態に合わせてその表記を行なっている。例えば、クランキングでは、排気バルブの開閉時期を(EVOc)、(EVCc)とし、吸気バルブの開閉時期を(IVOc)、(IVCc)としている。
≪ステップS20≫
まず、ステップS20においては、内燃機関を始動する機関始動情報や、内燃機関の運転条件情報を読み込む。内燃機機関を始動する機関始動情報としては、代表的にはキーオン信号、或いはスタータ起動信号があり、また、内燃機関の運転条件情報を示す信号としては数多くあるが、本実施形態では、内燃機関の回転数情報、吸気量情報、水温情報、要求負荷情報(アクセル開度)等があり、更に排気側VTC機構1Bや吸気側VTC機構1Aの実位置情報等がある。このステップS20で各種情報を読み込むとステップS21に移行する。
≪ステップS21≫
ステップS21においては、機関始動条件かどうかを判断する。この判断は、例えば、スタータ起動信号を監視しておけばよく、スタータ起動信号が入力されないとリターンに抜けて次の起動タイミングを待つことになる。一方、スタータ起動信号が入力されると、機関始動条件と判断してステップS22に移行する。
≪ステップS22≫
ステップS22においては、スタータ起動信号を受けてスタータモータによる内燃機関のクランキングを開始する。そして、クランキングが開始されるや否やステップS23に移行する。
≪ステップS23≫
ステップS23においては、排気側VTC機構1B及び吸気側VTC機構1Aにデフォルト位置に移行するように、排気バルブの閉時期(EVCc)、吸気バルブの開時期(IVOc)の変換制御信号を排気側VTC機構1Bの排気電磁切換弁29、及び吸気側VTC機構1Aの吸気電磁切換弁30に出力する。
これは、油圧ポンプの作動油の油圧が上昇した時に、何らかの原因で締結ピンが締結穴から抜けて締結状態が解除されても、排気側VTC機構1B及び吸気側VTC機構1Aのベーンをデフォルト位置に維持しておくための制御である。これによって、NVO区間としてNVOc区間が形成されるものである。尚、図4にある通り、停止状態でのNVO区間(NVOs)、クランキングでのNVO区間(NVOc)、アイドルでのNVO区間(NVOi)、及び低負荷LでのNVO区間(NVOl)は、同一のNVO区間に形成されているものである。
そして、変換制御信号を排気側VTC機構1Bの排気電磁切換弁29、及び吸気側VTC機構1Aの吸気電磁切換弁30に出力すると、ステップS24に移行する。
≪ステップS24≫
ステップ24においては、排気側VTC機構1B及び吸気側VTC機構1Aの実位置情報から、排気側VTC機構1B及び吸気側VTC機構1Aがデフォルト位置に移行したか、つまり、排気バルブの閉時期(EVCc)に設定され、また、吸気バルブの開時期(IVOc)に設定されたかどうかが判断される。そして、排気バルブの閉時期(EVCc)、及び吸気バルブの開時期(IVOc)に設定されていないと判断されると、再びステップS23に戻り、排気バルブの閉時期(EVCc)、及び吸気バルブの開時期(IVOc)に設定されたと判断されるとステップS25に移行する。
≪ステップS25≫
ステップS25においては、スタータモータの回転に合せて内燃機関を始動するため燃料噴射弁や点火装置へ出力制御信号を供給する。これによって内燃機関の回転数Neが増加していき、これに伴って油圧ポンプの作動油の油圧が上昇することになる。燃料噴射弁や点火装置へ出力制御信号を供給するとステップS26に移行する。
≪ステップS26≫
ステップS26においては、内燃機関の機関温度(冷却水温度)を検出して所定温度T0を超えたかどうかを判断する。所定温度T0を超えていなければ冷機状態と判断してリターンに抜けて次の起動タイミングを待つ、或いは別の制御フローを実行することになる。一方、所定温度T0を超えていれば冷機状態から暖機完了したと判断して、再度運転条件情報を読み込むと共にステップS27に移行する。尚、ステップ27より以降は図8Bに示している。
≪ステップS27、ステップS28、ステップS29≫
ステップS27においては、スロットルバルブの開度、或いはアクセルペダルの開度から現在の負荷状態を検出し、現在の負荷が図4に示す負荷L以下の低負荷領域かどうかを判断する。低負荷領域と判断されると、ステップS28に移行して、外部EGR弁56の開度を最小開度(θsml)に変換制御する。
更に、ステップS29に移行して、排気側VTC機構1B、及び吸気側VTC機構1Aを駆動して、低負荷領域の排気バルブの閉時期(EVCl)、及び吸気バルブの開時期(IVOl)に制御して負のバルブオーバーラップであるNVOl区間を形成するものである。
ステップS29の処理を完了すると、リターンに抜けて次のコントローラ起動タイミングを待つことになる。一方、ステップS27で低負荷領域ではないと判断されるとステップS30に移行する。
≪ステップS30、ステップS31、ステップS32≫
ステップS30においては、スロットルバルブの開度、或いはアクセルペダルの開度から現在の負荷状態を検出し、現在の負荷が図4に示す負荷L〜負荷Mの範囲の遷移負荷領域(A)かどうかを判断する。遷移負荷領域(A)と判断されると、ステップS31に移行して、外部EGR弁56の開度を検出された負荷に対応して、開度(θl)〜(θm)の範囲で変換制御する。
更に、ステップS32に移行して、排気側VTC機構1B、及び吸気側VTC機構1Aによって、検出された負荷に対応して排気バルブの閉時期(EVC)、及び吸気バルブの開時期(IVO)を制御する。この場合は、負荷が増大するにしたがってNVO区間が小さくなる方向に制御されるようになる。
ステップS32の処理を完了すると、リターンに抜けて次の起動タイミングを待つことになる。一方、ステップS30で遷移負荷領域(A)ではないと判断されるとステップS33に移行する。
≪ステップS33、ステップS34、ステップS35≫
ステップS33においては、スロットルバルブの開度、或いはアクセルペダルの開度から現在の負荷状態を検出し、現在の負荷が図4に示す負荷M〜Hの中/高負荷領域かどうかを判断する。中/高負荷領域と判断されると、ステップS34に移行して、外部EGR弁56の開度を最大開度(θlrg)に変換制御する。
更に、ステップS35に移行して、排気側VTC機構1B、及び吸気側VTC機構1Aを駆動して、中/高負荷領域の排気バルブの閉時期(EVCm)、及び吸気バルブの開時期(IVOm)に制御して、ゼロバルブオーバーラップである「0」VO時期を形成ものである。
ステップS35の処理を完了すると、リターンに抜けて次の起動タイミングを待つことになる。一方、ステップS33で中/高負荷領域ではないと判断されるとステップS36に移行する。
≪ステップS36、ステップS37、ステップS38≫
ステップS36においては、スロットルバルブの開度、或いはアクセルペダルの開度から現在の負荷状態を検出し、現在の負荷が図4に示す負荷H〜負荷MAXの範囲の遷移負荷領域(B)かどうかを判断する。遷移負荷領域(B)と判断されると、ステップS37に移行して、外部EGR弁56の開度を検出された負荷に対応して、開度θh〜θmax(≒最小開度に相当)で変換制御する。
更に、ステップS38に移行して、排気側VTC機構1B、及び吸気側VTC機構1Aによって、検出された負荷に対応して排気バルブの閉時期(EVC)、及び吸気バルブの開時期(IVO)を制御する。この場合は、負荷が増大するにしたがって「0」VOバルブタイミングからPVO区間が大きくなる方向に制御されるようになる。
ステップS38の処理を完了すると、リターンに抜けて次の起動タイミングを待つことになる。一方、ステップS36で遷移負荷領域(B)ではないと判断されるとリターンに抜けて次の起動タイミングを待つことになる。
以上の通り、本実施形態によれば、内燃機関が低負荷領域においては、外部EGRシステムによる外部EGRガスの流量を少なくすると共に、排気側可変動弁機構によって、排気バルブの閉時期(EVC)を排気上死点(TDC)前まで進角し、且つ吸気側可変動弁機構によって、吸気バルブの開時期(IVO)を排気上死点(TDC)後の所定位置まで遅角する構成とした。
この構成によれば、低負荷領域において、排気バルブの閉時期(EVC)と吸気バルブの開時期(IVO)が重ならない「負のバルブオーバーラップ区間」が形成されるので、排気行程末期から吸気行程初期にかけて高温の燃焼ガス(高温の内部EGRガス)を燃焼室内に封じ込め、且つピストンでこの燃焼ガスを加圧することによって昇温することができる。これによって、低負荷領域での気筒間のばらつきによる燃焼の不安定化や、或いは外部EGRガスによる燃焼不安定化を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について、図9A〜図9Cを用いて説明する。第1の実施形態では、排気バルブと吸気バルブの作動角(開弁期間)が一定で、バルブリフトが不変の吸気側VTC機構1Aと排気側VTC機構1Bを使用した。これに対して、第2の実施形態では、吸気側に作動角と開閉時期を連続的に調整することが可能なバルブリフト可変動弁機構(以下、吸気側VEL機構と表記する)をさらに点で異なっている。このVEL機構は、特開2012−036864号公報などに記載されているので、詳細の構造や作動の説明は、ここでは割愛する。
図9Aは冷気始動時のバルブタイミング特性を示しており、吸気側VEL機構の制御によって吸気バルブ4の作動角が縮小された状態を示している。この場合、排気バルブの開時期(EVOc)と閉時期(EVCc)は図3Aと同じである。
一方、吸気バルブ4の開時期(IVOc)は図3Aと同じにして、吸気側VEL機構によって吸気バルブ4の閉時期(IVC)を、吸気下死点(BDC)付近の閉時期(IVCc´)に設定するために作動角を縮小している。これにより、冷機始動時における新気充填効率を高め、しかも機関摩擦力の大きな冷機始動時における燃焼トルクを高めて、耐ストール性を向上させることができる。尚、この冷機始動時には燃焼を悪化させる外部EGRガスの流量をほぼ「0」にして、燃焼を安定化させている。
図9Bは暖機が完了した後のアイドリング時(低負荷時)のバルブタイミング特性を示しており、この場合は吸気側VEL機構によって、吸気バルブ4の作動角が拡大されて図3Aに示すのと同じ作動角に変更されている。したがって、図9Aと図9Bを比較するとわかるように、「IVOc=IVOl」、「EVOc=EVOl」、「EVCc=EVCl」となり、吸気バルブの閉時期(IVC)だけが閉時期(IVCc´)から閉時期(IVCl)に変更されているものである。この場合は図3Aと同等のバルブタイミングなのでこれ以上の説明は省略する。
図9Cは中/高負荷領域のバルブタイミング特性を示しており、吸気側VEL機構の制御によって吸気バルブ4の作動角が更に拡大された状態を示している。この場合、排気バルブの開時期(EVOm)と閉時期(EVCm)は図3Bと同じである。
一方、吸気バルブの開時期(IVOm)は図3Bと同じにして、吸気側VEL機構によって閉時期(IVC)を、吸気下死点(BDC)と圧縮上死点(TDC)の中間位置付近の閉時期(IVCm´)に設定するために作動角を大きく拡大している。
したがって、中/高負荷領域においても、吸気弁閉時期遅延による、いわゆるアトキンソンサイクル効果でポンプ損失を低減でき、燃費性能を向上できるだけでなく、有効圧縮比を下げることができる。このため、外部EGRガスによる耐ノック性の向上に加え、吸気バルブの閉時期(IVC)を下死点(BDC)と上死点の中間位置付近の閉時期(IVCm´)まで遅角したことによる、有効圧縮比の低減による耐ノック性の向上効果も加わって更に耐ノック性を向上できるので、点火時期を進角することができて燃費性能を更に一層向上することができる。
以上説明した実施形態では、油圧式の位相可変機構(吸/排気VTC)を示したが、油圧に限らず電動の位相可変機構を使用することも可能である。また、外部EGR弁バタフライ弁を示したが、ポペット弁のようなものでも良く、また、EGRクーラーを併設した外部EGRシステムを示したが、EGRクーラーは設けなくても良いものである。
更に、外部EGRシステムとしては、排気ガス浄化触媒の下流からEGRガスを分流する、いわゆるLP−EGRシステム(ロープレッシャEGRシステム)の例を示したが、排気ガス浄化触媒の上流からターボチャージャの上流にEGRガスを導入するHP−EGRシステム(ハイプレッシャEGRシステム)でも良いものである。また、タ−ボチャージャを搭載した内燃機関にも適用可能である。
以上述べた通り、本発明は、少なくとも、外部EGRシステムと、吸気バルブの開閉時期の位相を制御する吸気側可変動弁機構、及び排気バルブの開閉時期の位相を制御する排気側可変動弁機構を備え、内燃機関が低負荷領域においては、外部EGRシステムによる外部EGRガスの流量を少なくすると共に、排気側可変動弁機構によって、排気バルブの閉時期(EVC)を排気上死点(TDC)前まで進角し、且つ吸気側可変動弁機構によって、吸気バルブの開時期(IVO)を排気上死点(TDC)後の所定位置まで遅角することを特徴としている。
これによれば、低負荷領域において、排気バルブの閉時期(EVC)と吸気バルブの開時期(IVO)が重ならない「負のバルブオーバーラップ区間」が形成されるので、排気行程末期から吸気行程初期にかけて高温の燃焼ガス(高温の内部EGRガス)を燃焼室内に封じ込め、且つピストンでこの燃焼ガスを加圧することによって昇温することができる。これによって、低負荷領域において、低温外部EGRガスによる燃焼不安定化を抑制することができ、また外部EGRによる気筒間のEGR量分配ばらつきによる燃焼の不安定化を抑制できる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、排気側にVEL機構を追加・併設することも可能である。こうすれば、冷機時のバルブタイミングを、図9Aに対して、排気弁作動角を排気側VEL機構により拡大して、同じ排気弁閉時期で排気弁開時期はさらに進角することができ、排気ガス温度を高めて、触媒を活性化させて排気エミッション低減効果も得ることができる。
あるいは、特開2002−276446号公報に示すような、機械圧縮比可変機構VCRを併設することも可能である。これによれば、暖機後低負荷時の図9Bにおいて、VCRにより機械圧縮比を高め、つまり圧縮上死点温度を高めて、さらに燃焼を改善して燃費をさらに向上することも可能となる。
01…ピストン、02…クランクシャフト、03…コンロッド、04…燃焼室、05…点火栓、1A…吸気側可変動弁機構、1B…排気側可変動弁機構、2A、2B…位相制御用油圧アクチュエータ、4…吸気バルブ、5…排気バルブ、51…電制スロットルバルブ、52…コントローラ、53…排気ガス浄化触媒、54…排気ガス再循環通路、55…EGRクーラー、56…外部EGR弁。

Claims (13)

  1. 少なくとも、内燃機関の吸気バルブの開閉時期を制御する吸気側可変動弁機構と、前記内燃機関の排気バルブの開閉時期を制御する排気側可変動弁機構と、排気ガス再循環通路に設けられた外部EGR弁を介して排気ガスを吸気系に再導入する外部EGRシステムと、前記吸気側可変動弁機構、前記排気側可変動弁機構、及び前記外部EGR弁を制御する制御手段を備え、
    低負荷領域においては、
    前記外部EGR弁は、再導入される排気ガスを所定の流量以下に設定し、
    前記吸気側可変動弁機構は、吸気バルブの開時期(IVO)を、排気上死点よりも所定角度だけ遅角側の開時期(IVO)に設定し、
    前記排気側可変動弁機構は、排気バルブの閉時期(EVC)を、排気上死点よりも所定角度だけ進角側の閉時期(EVC)に設定し、
    前記吸気側可変動弁機構と前記排気側可変動弁機構によって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とが重ならない、負のバルブオーバーラップ区間を形成する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システム。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動作システムにおいて、
    前記低負荷領域より負荷が大きい中負荷領域においては、
    前記外部EGR弁は、再導入される排気ガスを前記所定の流量より多く設定し、
    前記吸気側可変動弁機構は、前記吸気バルブの開時期(IVO)を、排気上死点付近の開時期(IVO)に設定し、
    前記排気側可変動弁機構は、前記排気バルブの閉時期(EVC)を、排気上死点付近の閉時期(EVC)に設定し、
    前記吸気側可変動弁機構と前記排気側可変動弁機構によって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とを排気上死点付近で近接させる
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システム。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の可変動作システムにおいて、
    前記低負荷領域から前記中負荷領域に移行する遷移負荷領域においては、
    前記外部EGR弁は、再導入される排気ガスの流量を負荷の増加に対応して増大するように設定し、
    前記吸気側可変動弁機構及び前記排気側可変動弁機構は、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とが排気上死点で近接する方向に前記負のバルブオーバーラップ区間を負荷の増加に対応して縮小させていく
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システム。
  4. 請求項2に記載の内燃機関の可変動作システムにおいて、
    前記外部EGR弁は、制御信号が遮断されると機械的に最小開度に設定され、
    前記吸気側可変動弁機構及び前記排気側可変動弁機構は、制御信号が遮断されると、前記負のバルブオーバーラップ区間を形成するように、前記排気バルブの閉時期(EVC)を排気上死点の前に設定し、前記吸気バルブの開時期(IVO)を排気上死点の後に設定する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システム。
  5. 請求項2に記載の内燃機関の可変動作システムにおいて、
    前記中負荷領域から所定の高負荷領域においては、
    前記外部EGR弁は、再導入される排気ガスを前記所定の流量より多い流量に維持し、
    前記吸気側可変動弁機構は、前記吸気バルブの開時期(IVO)を、排気上死点付近の開時期(IVO)に維持し、
    前記排気側可変動弁機構は、前記排気バルブの閉時期(EVC)を、排気上死点付近の閉時期(EVC)に維持して、
    前記吸気側可変動弁機構と前記排気側可変動弁機構によって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とを近接させた状態を維持する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システム。
  6. 請求項2又は請求項5に記載の内燃機関の可変動作システムにおいて、
    前記吸気側可変動弁機構及び前記排気側可変動弁機構は、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とを排気上死点付近で近接させた状態として、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)が排気上死点で一致するゼロバルブオーバーラップの状態に制御する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システム。
  7. 請求項2に記載の内燃機関の可変動作システムにおいて、
    前記所定の高負荷領域より負荷が大きい負荷領域においては、
    前記外部EGR弁は、再導入される排気ガスの流量を負荷の増加に対応して減少するように設定し、
    前記吸気側可変動弁機構は、負荷の増加に対応して前記吸気バルブの開時期(IVO)を排気上死点より前の開時期(IVO)に設定し、
    前記排気側可変動弁機構は、負荷の増加に対応して前記排気バルブの閉時期(EVC)を排気上死点より後の開時期(EVC)に設定し、
    前記吸気側可変動弁機構と前記排気側可変動弁機構によって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とが重なる、正のバルブオーバーラップ区間を形成すると共に、前記正のバルブオーバーラップ区間を負荷の増加に対応して拡大させていく
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システム。
  8. 少なくとも、内燃機関の吸気バルブの開閉時期を調整する吸気側可変動弁機構と、前記内燃機関の排気バルブの開閉時期を調整する排気側可変動弁機構と、排気ガス再循環通路に設けられ吸気系に再導入する排気ガスの流量を制御する外部EGR弁とを制御する制御手段を備えた内燃機関の可変動作システムの制御装置において、
    前記制御手段は、低負荷領域においては、
    再導入される排気ガスを所定の流量以下に設定するように前記外部EGR弁を制御する第1のEGR制御機能と、
    吸気バルブの開時期(IVO)を、排気上死点よりも所定角度だけ遅角側の開時期(IVO)に設定するように前記吸気側可変動弁機構を制御する第1のバルブ制御機能と、
    排気バルブの閉時期(EVC)を、排気上死点よりも所定角度だけ進角側の閉時期(EVC)に設定するように前記排気側可変動弁機構を制御する第2のバルブ制御機能とを有し、
    前記第1のバルブ制御機能と前記第2のバルブ制御機能を実行することによって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とが重ならない、負のバルブオーバーラップ区間を形成する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システムの制御装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の可変動作システムの制御装置において、
    前記制御手段は、前記低負荷領域より負荷が大きい中負荷領域においては、
    再導入される排気ガスを前記所定の流量よりも多い流量に設定するように前記外部EGR弁を制御する第2のEGR制御機能と、
    前記吸気バルブの開時期(IVO)を、排気上死点付近の開時期(IVO)に設定するように前記吸気側可変動弁機構を制御する第3のバルブ制御機能と、
    前記排気バルブの閉時期(EVC)を、排気上死点付近の閉時期(EVC)に設定するように前記排気側可変動弁機構を制御する第4のバルブ制御機能とを有し、
    前記第3のバルブ制御機能と前記第4のバルブ制御機能を実行することによって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とを排気上死点付近で近接させる
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システムの制御装置。
  10. 請求項9に記載の内燃機関の可変動作システムの制御装置において、
    前記制御手段は、前記低負荷領域から前記中負荷領域に移行する遷移負荷領域においては、
    再導入される排気ガスの流量を負荷の増加に対応して増大するように前記外部EGR弁を制御する第3のEGR制御機能と、
    前記吸気バルブの開時期(IVO)を、負荷の増加に対応して進角側に制御する第5のバルブ制御機能と、
    前記排気バルブの閉時期(EVC)を、負荷の増加に対応して遅角側に制御する第6のバルブ制御機能とを有し、
    前記第5のバルブ制御機能と前記第6のバルブ制御機能を実行することによって、排気上死点で前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とが近接する方向に前記負のバルブオーバーラップ区間を負荷の増加に対応して縮小させる
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システムの制御装置。
  11. 請求項9に記載の内燃機関の可変動作システムの制御装置において、
    前記制御手段は、前記中負荷領域から所定の高負荷領域においては、
    再導入される排気ガスを前記所定の流量より多い流量に維持するように前記外部EGR弁を制御する第4のEGR制御機能と、
    前記吸気バルブの開時期(IVO)を、排気上死点付近の開時期(IVO)に維持するように前記吸気側可変動弁機構を制御する第7のバルブ制御機能と、
    前記排気バルブの閉時期(EVC)を、排気上死点付近の閉時期(EVC)に維持するように前記排気側可変動弁機構を制御する第8のバルブ制御機能とを有し、
    前記第7のバルブ制御機能と前記第8のバルブ制御機能を実行することによって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とを近接させた状態を維持する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システムの制御装置。
  12. 請求項11に記載の内燃機関の可変動作システムの制御装置において、
    前記第7のバルブ制御機能と前記第8のバルブ制御機能は、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とを近接させた状態として、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)が排気上死点で一致するゼロバルブオーバーラップの状態に制御する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システムの制御装置。
  13. 請求項9に記載の内燃機関の可変動作システムの制御装置において、
    前記制御手段は、前記所定の高負荷領域より負荷が大きい負荷領域においては、
    再導入される排気ガスの流量を負荷の増加に対応して減少するように前記外部EGR弁を制御する第5のEGR制御機能と、
    負荷の増加に対応して、前記吸気バルブの開時期(IVO)を排気上死点より前の開時期(IVO)に設定するように前記吸気側可変動弁機構を制御する第9のバルブ制御機能と、
    負荷の増加に対応して、前記排気バルブの閉時期(EVC)を排気上死点より後の閉時期(EVC)に設定するように前記排気側可変動弁機構を制御する第10のバルブ制御機能とを有し、
    前記第9のバルブ制御機能と前記第10のバルブ制御機能を実行することによって、前記吸気バルブの開時期(IVO)と前記排気バルブの閉時期(EVC)とが重なる、正のバルブオーバーラップ区間を形成すると共に、前記正のバルブオーバーラップ区間を負荷の増加に対応して拡大する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動作システムの制御装置。
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