JP2019044712A - 船外機およびエンジン始動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンを始動させるための作業負担を軽減しながら、確実でかつ迅速にエンジンを始動させることができる状態を維持可能であり、アシストすることができないバッテリー残量の場合でも、FIに関わるアクチュエータを動作させてエンジンを始動させることが可能な船外機およびエンジン始動装置を提供する。【解決手段】この船外機100は、エンジン1と、ロープリール部21と、回転電機30と、ECU40とを備える。そして、ECU40は、ロープリール部21が回転されることによりクランキング回転数範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30によりクランク軸14の回転をアシストするアシスト制御を行うとともに、回転電機30の力行回転数範囲Rdを拡大させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。【選択図】図6
Description
この発明は、ロープリール部を備える船外機、および、マニュアルスタータ部を備えるエンジン始動装置に関する。
従来、ロープリール部を備える船外機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、エンジンの始動用のロープが巻き付けられるロープ巻取部を含むロープリールを備える船外機が開示されている。この船外機には、ロープリールの回転力を蓄えてクランク軸に回転力を伝達する蓄力用ゼンマイが設けられている。そして、この船外機では、操作者によりロープが複数回引っ張られることにより、ロープリールが回転して、徐々に蓄力用ゼンマイに力が蓄えられる。そして、この船外機では、蓄力用ゼンマイに蓄えられた力がエンジンの圧縮行程の抵抗を超えると、クランク軸に接続されたピストンが上死点を越えてエンジンが始動するように構成されている。すなわち、この船外機では、エンジンを始動させる前に、予め蓄力用ゼンマイに力を蓄えるためにロープを引っ張る動作(予備動作)を行うことによって、エンジン始動時にロープを引っ張る際の荷重を低減するように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された船外機では、エンジンを始動させる前に、予め蓄力用ゼンマイに所定の力以上、力を蓄えるための予備動作が必要になる。このため、上記特許文献1に記載された船外機では、エンジンを始動させるための操作者の作業負担が増加する。また、上記特許文献1に記載された船外機では、予備動作を行うための荷重と、エンジンの始動時にロープを引っ張る際の荷重とを合わせた合計荷重は、蓄力用ゼンマイを巻回するための荷重が必要になる分、エンジンの圧縮行程の抵抗の荷重よりも大きくなるため、この点からも操作者の作業負担が増加する。
そこで、エンジンを始動させるための作業負担を軽減するために、蓄力用ゼンマイを設けずに、バッテリーの電力を用いてエンジンを始動させるモータを船外機に設けることが考えられる。ここで、船外機には、一般的に、エンジンの始動および駆動のために、バッテリーの電力を用いて動作する燃料噴射装置および点火装置が設けられる。このため、従来の船外機では、少なくとも燃料噴射装置および点火装置を動作させる分のバッテリーの残量を確保しておく必要がある。すなわち、従来の船外機(エンジン始動装置)では、バッテリーの残量がなくならないように注意し、確実でかつ迅速にエンジンを始動させることが可能な状態を維持させることが重要となる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、エンジンを始動させるための作業負担を軽減しながら、確実でかつ迅速にエンジンを始動させることができる状態を維持させることが可能であり、アシストすることができないバッテリー残量の場合でも、フューエルインジェクションに関わるアクチュエータを動作させてエンジンを始動させることが可能な船外機およびエンジン始動装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船外機は、クランク軸を有し、クランク軸がクランキング回転数以上に回転されることにより始動するエンジンと、ロープが巻回され、クランク軸に接続されたロープリール部と、クランク軸に接続された回転電機と、回転電機を制御する回転電機制御部とを備え、回転電機制御部は、ロープリール部が回転されることによりクランキング回転数が含まれる範囲であるクランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機によりクランク軸の回転をアシストするアシスト制御を行うとともに、回転電機の力行回転数範囲を拡大させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。なお、本願明細書では、「回転電機によりアシストする」とは、ロープが引っ張られることによりロープリール部が回転し、クランク軸が回転している状態で、回転電機によりクランク軸に回転力を印加することを意味するものとして記載している。また、「クランキング」とは、クランク軸を停止状態から回転させることを意味するものとして記載している。また、「クランキング回転数」とは、エンジンが初爆する可能性があるクランク軸の回転数の下限値を意味するものとして記載している。また、「初爆」とは、停止状態からクランク軸の回転が開始され、最初に燃料が燃焼されることを意味するものとして記載している。また、「力行回転数範囲」とは、バッテリーから回転電機に電力が供給されるクランク軸の回転数の範囲を意味するものとして記載している。
この第1の局面による船外機では、上記のように、回転電機制御部を、ロープリール部が回転されることによりクランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機によりクランク軸の回転をアシストするアシスト制御を行うように構成する。これにより、操作者がロープを引っ張ってロープリール部を回転させる際に、回転電機によりクランク軸の回転をアシストすることができるので、回転電機からのトルクがクランク軸に加わる分、エンジンの圧縮行程の抵抗を超えるために必要なロープの引っ張る力(荷重)を低減することができる。また、蓄力用ゼンマイを設ける場合と異なり、予め蓄力用ゼンマイを巻くための予備動作が必要ない分、操作者のエンジンの始動のための作業負担を軽減することができる。
ここで、一般的な船外機では、ロープを手引きすることでエンジンを始動させる場合には、ロープを引っ張る力は、操作者によっては比較的小さくなる場合がある。この場合、クランク軸の回転数が十分に大きくならずに、エンジンで初爆を生じさせるために十分なエンジンのシリンダ内の圧力が確保されない場合がある。このような場合には、操作者は、複数回ロープを引っ張ることが必要になる。これに対して、本発明では、回転電機によりクランク軸の回転をアシストすることにより、操作者のロープを引っ張る力が比較的小さい場合でも、クランク軸の回転数を大きくすることができる。その結果、クランク軸の回転数が大きいことにより、エンジンのシリンダ内の圧力を向上させることができるので、エンジンにおいて初爆が生じる可能性を向上させて、エンジンをより確実に始動させることができる。
また、上記のように、回転電機制御部を、クランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機の力行回転数範囲を拡大させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成する。これにより、クランキング回転数範囲内で、回転電機の誘起電圧値がバッテリーの出力電圧値を超えるように回転電機が設計されている場合、すなわち、クランキング回転数範囲の上限値が、力行回転数範囲の上限値よりも大きい場合でも、力行回転数範囲拡大制御により力行回転数範囲を拡大して、回転電機を力行動作させることができる。その結果、力行回転数範囲拡大制御を行わない場合には、クランキング回転数範囲内で、回転電機からバッテリーに電力を回生させることができるとともに、力行回転数範囲拡大制御を行った場合には、クランキング回転数範囲内で、誘起電圧値をバッテリーの出力電圧値よりも小さくして、アシスト制御を行うことができる。この結果、バッテリーからの電力の供給がない場合でも、操作者がロープを引っ張ることによりロープリール部を回転させて、クランク軸をクランキング回転数範囲内で回転させれば、回転電機から回生された電力を用いて、燃料噴射装置および点火装置を動作させて、エンジンを始動させることができる。したがって、エンジンを始動させるための作業負担を軽減しながら、確実でかつ迅速にエンジンを始動させることができる状態を維持させることができる。すなわち、アシストすることができないバッテリー残量の場合でも、フューエルインジェクションに関わるアクチュエータを動作させてエンジンを始動させることができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機は、回転電機制御部により力行回転数範囲拡大制御が行われていない状態において、誘起電圧値がバッテリーの出力電圧値以上となるクランク軸の回転数である発電回転数範囲が、クランキング回転数範囲とオーバーラップするように構成されており、回転電機制御部は、少なくともオーバーラップする回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、誘起電圧値を出力電圧値よりも低下させるように力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、アシスト制御を行うように構成されている。このように構成すれば、オーバーラップする回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、かつ、力行回転数範囲拡大制御が行われていない状態では、回転電機からバッテリーに電力を回生させることができるとともに、力行回転数範囲拡大制御を行った場合には、容易にアシスト制御を行うことができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機制御部は、バッテリーがアシスト可能な充電状態である場合に、アシスト制御を行うとともに、力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。このように構成すれば、バッテリーに電力が蓄電されており、バッテリーの電力を用いてアシストすることができる場合には、力行回転数範囲拡大制御により回転電機の力行回転数範囲を拡大させてクランク軸の回転をアシストすることができる。
この場合、好ましくは、バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、ロープリール部が回転されることによりクランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転された場合に、回転電機からの電力が回生されるように構成されている。このように構成すれば、バッテリーに電力が蓄電されておらず、アシスト制御を行うことができない場合には、ロープリール部を回転させることにより、クランク軸をクランキング回転数範囲内の回転数で回転させることによって、回生させて燃料噴射装置および点火装置を動作させる電力を供給することができると共に、バッテリーに充電を行うことができる。すなわち、ロープリール部を回転させることによって、回生された電力により、即燃料噴射装置等を動作させることができる。
上記バッテリーがアシスト可能な充電状態である場合にアシスト制御を行う船外機において、好ましくは、エンジンは、フューエルインジェクションに関わるアクチュエータを含み、アクチュエータの駆動を制御する駆動制御部をさらに備え、バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、ロープリール部が回転されることによりクランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転された場合に、回転電機からの電力が、アクチュエータおよび駆動制御部に供給されるように構成されている。このように構成すれば、バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合でも、回転電機からの電力により、アクチュエータおよび駆動制御部を駆動させて、エンジンを始動させることができる。
上記バッテリーがアシスト可能な充電状態である場合にアシスト制御を行う船外機において、好ましくは、回転電機制御部は、バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、ロープリール部が回転されることによりクランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転された場合に、回転電機からの電力により起動するように構成されている。このように構成すれば、バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合でも、ロープリール部を回転させることにより、回転電機制御部を起動させることができる。その結果、バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合でも、回転電機制御部を起動させて、適切に回転電機の動作を制御させることができる。
上記バッテリーがアシスト可能な充電状態である場合にアシスト制御を行う船外機において、好ましくは、回転電機制御部は、バッテリーがアシスト可能な充電状態である場合としてバッテリーから印加される電圧値が所定の電圧値以上の場合に、アシスト制御を行うとともに、力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。このように構成すれば、バッテリーから印加される電圧値と所定の電圧値とを比較することにより、容易にバッテリーがアシスト可能な充電状態であるか否かを判断することができるとともに、バッテリーに電力が十分蓄電されている場合に、アシスト制御を行うことができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機制御部は、アシスト制御を行っている場合に、クランキング回転数範囲内において、クランク軸の回転数が第1回転数未満の状態から、第1回転数以上の状態となったことに基づいて、力行回転数範囲拡大制御を開始するように構成されている。ここで、クランク軸の回転数が比較的小さい場合(第1回転数未満の場合)、回転電機に生じる誘起電圧値は比較的小さくなるため、力行回転数範囲拡大制御した場合に回転電機により発生されるトルクよりも、力行回転数範囲拡大制御しない場合に回転電機により発生されるトルクの方が大きくなる。この点に着目して、本発明では、クランク軸の回転数が第1回転数未満の状態から、第1回転数以上の状態となったことに基づいて、力行回転数範囲拡大制御を開始するので、クランク軸の回転数が第1回転数未満の状態では、力行回転数範囲拡大制御せずに回転電機を回転させてトルクを大きくするとともに、誘起電圧値が大きくなることに起因してトルクが小さくなる第1回転数以上の回転数の状態では、力行回転数範囲拡大制御して回転電機を回転させてトルクを大きくすることができる。その結果、クランク軸がいずれの回転数で回転されている場合でも、トルクを大きくすることができるので、効率良くクランク軸の回転をアシストすることができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機制御部は、アシスト制御を行う場合に、クランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機を進角制御することにより、回転電機の誘起電圧値を低下させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。このように構成すれば、回転電機に供給する電力の通電位相を変更することに応じて、回転電機の誘起電圧値を低下させることができるので、容易に力行回転数範囲を拡大することができる。
この場合、好ましくは、回転電機制御部は、アシスト制御を行う場合に、クランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機への通電位相を第1の位相角から第1の位相角よりも大きい第2の位相角に切り替える制御を行うことにより、誘起電圧値を低下させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。このように構成すれば、回転電機への通電位相を切り替えることにより、誘起電圧値が低下するので、回転電機への通電位相を、第1の位相角から第2の位相角に進めれば(切り替えれば)、容易に力行回転数範囲拡大制御を行うことができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機は、3相交流の電力が供給されることにより回転するように構成されており、回転電機制御部は、クランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機に電気角120度よりも大きい第1の通電期間を有する3相交流の電力を供給するとともに、アシスト制御を行うように構成されている。このように構成すれば、力行回転数範囲をさらに拡大させることができる。
この場合、好ましくは、回転電機制御部は、クランキング回転数範囲内の第2回転数未満の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機に電気角120度以下の第2の通電期間を有する3相交流の電力を供給するとともに、アシスト制御を行い、クランキング回転数範囲内の第2回転数以上の回転数でクランク軸が回転されている状態で、第1の通電期間を有する3相交流の電力を供給するとともに、アシスト制御を行うように構成されている。このように構成すれば、誘起電圧値が比較的小さい第2回転数未満の回転数でクランク軸が回転されている場合には、通電期間を電気角120度以下にしてより高効率なアシスト制御ができるとともに、誘起電圧値が比較的大きい第2回転数以上の回転数でクランク軸が回転されている場合には、通電期間を第1の通電期間に変更することにより、力行回転数範囲を拡大して、トルクの低下を抑制しながらアシスト制御することができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機制御部は、クランキング回転数範囲よりも大きい回転数でクランク軸が回転されている状態で、力行回転数範囲拡大制御を停止して、発電制御を行うように構成されている。このように構成すれば、エンジンが始動して、クランキング回転数範囲よりも大きい回転数でクランク軸が回転されている状態では、バッテリーの出力電圧値を一定にすることができるため、バッテリーを充電できると共に、燃料噴射装置や点火装置を含むエンジン補機類に適切に電力を供給することができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機の回転角を取得する回転角取得部をさらに備える。このように構成すれば、回転角取得部により、回転電機の通電制御に必要な回転角を検出すると共に、力行回転数範囲拡大制御、及び、アシスト制御にも流用することができる。この結果、操作者はアシスト開始と共に入力操作をすることが不要となるため、エンジン始動作業がより簡易的になる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機制御部は、クランク軸の回転数がロープリール部の回転数を超えた後に、継続して力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、回転電機にバッテリーから電力を供給して、クランク軸を回転させる制御を行うように構成されている。ここで、上記したように、一般的な船外機では、初回のエンジンの圧縮行程では、初爆を迎えることができず、エンジンが始動しない場合が多い。そこで、一般的な船外機では、ロープを比較的長く構成して、ロープを1回引く間に、エンジンの圧縮行程が複数回迎えられるように構成して、複数回迎えられるエンジンの圧縮行程のうちのいずれかで、初爆を生じさせるように構成されている。これに対して、本発明ではクランク軸の回転数がロープリール部の回転数を超えた後に、継続して力行回転数範囲拡大制御を行うとともにクランク軸を回転させる制御を行うので、操作者がエンジン始動できる程のクランキング動作ができなかった場合でも、回転電機により継続してクランク軸が回転されている間にエンジンを始動させることができる。これにより、ロープの長さを短くすることもできる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、エンジンは、燃料噴射装置および点火装置を含み、回転電機制御部は、クランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、燃料噴射装置による燃料の噴射の後で、かつ、点火装置による初回の点火の後まで少なくとも継続して、力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、回転電機にバッテリーから電力を供給する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、少なくともエンジン内で点火が行われる時点までは、回転電機によりクランク軸の回転がアシストされるので、より確実にエンジンを始動させることができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、回転電機は、クランク軸に直結されたロータと、クランク軸の径方向にロータと対向する位置に設けられたステータとを含む。このように構成すれば、回転電機とクランク軸との間にギア等を設ける場合のように、回転電機のロータとクランク軸とを直結させない場合と異なり、船外機の構成が複雑化するのを抑制することができる。また、上記のように構成することにより、一般的な船外機に設けられている既存の回転電機を、クランク軸の回転をアシストするための回転電機として用いることができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、船外機本体内に配置され、回転電機に電力を供給するとともに、回転電機から電力が回生されるバッテリーをさらに備える。このように構成すれば、船舶(船体)に設けられたバッテリーから回転電機に電力を供給する場合と異なり、船舶と船外機と間で電力をやり取りするための電力線を設ける必要がない。その結果、船舶と船外機とを接続するための構成を簡素化することができる。
この発明の第2の局面によるエンジン始動装置は、クランク軸がクランキング回転数以上に回転されることにより始動するエンジンのクランク軸に接続され、人力によりクランク軸を回転させるマニュアルスタータ部と、クランク軸に接続された回転電機と、回転電機を制御する回転電機制御部とを備え、回転電機制御部は、マニュアルスタータ部によりクランキング回転数が含まれる範囲であるクランキング回転数範囲内の回転数でクランク軸が回転されている状態で、回転電機によりクランク軸の回転をアシストするアシスト制御を行うとともに、回転電機の力行回転数範囲を拡大する力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。
この発明の第2の局面によるエンジン始動装置では、上記のように構成することにより、エンジンを始動させるための作業負担を軽減しながら、確実でかつ迅速にエンジンを始動させることができる状態を維持させることが可能なエンジン始動装置を提供することができる。また、アシストすることができないバッテリー残量の場合でも、フューエルインジェクションに関わるアクチュエータを動作させてエンジンを始動させることが可能なエンジン始動装置を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、エンジンを始動させるための作業負担を軽減しながら、確実でかつ迅速にエンジンを始動させることができる状態を維持させることができる。また、アシストすることができないバッテリー残量の場合でも、フューエルインジェクションに関わるアクチュエータを動作させてエンジンを始動させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[船外機の構成]
図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による船外機100の構成について説明する。なお、下記の説明において、「前方」または「前進方向」と記載した場合は、図1中の「FWD」の方向を意味し、「後方」または「後進方向」と記載した場合は、図1中の「BWD」の方向を意味する。なお、船外機100は、特許請求の範囲の「エンジン始動装置」の一例である。
図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による船外機100の構成について説明する。なお、下記の説明において、「前方」または「前進方向」と記載した場合は、図1中の「FWD」の方向を意味し、「後方」または「後進方向」と記載した場合は、図1中の「BWD」の方向を意味する。なお、船外機100は、特許請求の範囲の「エンジン始動装置」の一例である。
本実施形態による船外機100は、図1に示すように、船体101の後部に取り付けられている。船外機100は、エンジン1と、引き手2と、ティラーハンドル3と、ドライブ軸4と、ギア部5と、プロペラ軸6と、プロペラ7と、ブラケット8とを備える。船外機100は、ブラケット8により船体101に取り付けられている。
図1に示すように、船外機100は、カウリング9aと、カウリング9aの下方側に設けられるケース部9bとを備える。エンジン1は、カウリング9a内に収納されている。また、引き手2は、カウリング9aから前進方向側に突出するように、カウリング9aに配置されている。ティラーハンドル3は、引き手2の下方側(矢印Z2方向側)において、カウリング9aから前進方向側に突出するように、カウリング9aに配置されている。ドライブ軸4とギア部5とプロペラ軸6とは、ケース部9bの内部に配置されている。また、プロペラ7は、ケース部9b内の下方側に配置されている。ブラケット8は、ケース部9bの前進方向側に配置されている。なお、カウリング9aおよびケース部9bは、特許請求の範囲の「船外機本体」の一例である。
(エンジンの構成)
エンジン1は、ガソリンや軽油などの爆発燃焼により駆動される内燃機関により構成されている。例えば、エンジン1は、排気行程、吸気行程、圧縮行程、および、膨張行程を繰り返す4ストロークエンジンとして構成されている。
エンジン1は、ガソリンや軽油などの爆発燃焼により駆動される内燃機関により構成されている。例えば、エンジン1は、排気行程、吸気行程、圧縮行程、および、膨張行程を繰り返す4ストロークエンジンとして構成されている。
図2に示すように、エンジン1は、上下方向(Z方向)に並んだ複数のシリンダ11と、各シリンダ11内を水平方向に往復移動するピストン12と、ピストン12に接続されたコンロッド13と、コンロッド13に接続され、上下方向に延びるクランク軸14とが設けられている。ピストン12の水平方向の往復運動は、コンロッド13およびクランク軸14により回転運動に変換される。クランク軸14の下端部は、ドライブ軸4(図1参照)に接続されている。また、クランク軸14の上端部は、エンジン1の回転を安定させるためのフライホイールマグネトー15(以下、「FWM15」とする)に接続されている。なお、FWM15は、特許請求の範囲の「ロータ」の一例である。
図3に示すように、エンジン1は、エンジン補機類1aを含む。エンジン補機類1aには、フューエルインジェクション(FI)に関わるアクチュエータが設けられている。例えば、エンジン補機類1aには、燃料噴射装置16および点火装置17などが含まれる。そして、エンジン1では、後述するECU40の指令に基づいて、例えば、排気行程中において、燃料噴射装置16により燃料が噴射され、吸気行程中において、噴射された燃料と空気とが混合されたガスがシリンダ11に導入され、圧縮工程中において、導入された燃料が点火装置17により点火されて燃焼して、膨張行程において、シリンダ11内のピストン12が移動する(図9参照)。なお、燃料噴射装置16および点火装置17は、バッテリー50から供給される電力、または、回転電機30から回生される電力を用いて動作するように構成されている。なお、燃料噴射装置16および点火装置17は、特許請求の範囲の「フューエルインジェクションに関わるアクチュエータ」の一例である。また、FIに関わるアクチュエータには、例えば、フューエルポンプ、インジェクション、アイドル・スピード・コントロール(ISC)モータ等も含まれる。
(マニュアルスタータ部の構成)
図2に示すように、船外機100のカウリング9aの内部において、エンジン1のFWM15の上方に、エンジン1を手動で始動するためのマニュアルスタータ部20が配置されている。マニュアルスタータ部20は、クランク軸14に接続され、人力によりクランク軸14を回転させるように構成されている。マニュアルスタータ部20は、言い換えると、リコイルスタータ部であり、プルスタータ部である。
図2に示すように、船外機100のカウリング9aの内部において、エンジン1のFWM15の上方に、エンジン1を手動で始動するためのマニュアルスタータ部20が配置されている。マニュアルスタータ部20は、クランク軸14に接続され、人力によりクランク軸14を回転させるように構成されている。マニュアルスタータ部20は、言い換えると、リコイルスタータ部であり、プルスタータ部である。
具体的には、マニュアルスタータ部20は、クランク軸14の回転中心軸線C(以下、「軸線C」とする)を中心に回転可能なロープリール部21と、一端部がロープリール部21に接続されているとともに、他端部が引き手2に接続され、ロープリール部21に巻回されたロープ22とを含む。そして、引き手2が、操作者により引っ張られることによって、ロープリール部21は、軸線Cを中心に回転される。
図5に示すように、マニュアルスタータ部20には、軸線Cを中心に回転可能なカムプレート23が設けられている。カムプレート23には、回動軸23aを中心に回動可能な係合爪23bが設けられている。FWM15の上部(矢印Z1方向の部分)には、円筒状の突出部15bが設けられており、突出部15bの内側面には、複数の係合凹部15cが形成されている。そして、手動によるエンジン1の始動時には、係合爪23bが係合凹部15cに引っ掛かることにより、マニュアルスタータ部20(ロープリール部21)の回転力がFWM15に伝達されるように構成されている。そして、FWM15からクランク軸14に回転力が伝達されて、クランク軸14が回転することにより、コンロッド13を介して、ピストン12が水平移動する。
そして、マニュアルスタータ部20は、FWM15(クランク軸14)の回転数が、ロープリール部21の回転数を上回った場合、係合爪23bと係合凹部15cとの係合が解除されて、FWM15とロープリール部21との間でのトルクの伝達が停止されるように構成されている。例えば、ロープ22を引っ張る動作を停止した場合、または、エンジン1が始動してクランク軸14の回転数が増大した場合に、ロープリール部21からFWM15へのトルクの伝達が停止される。
図3に示すように、船外機100(カウリング9aまたはケース部9b)には、回転電機30と、制御部内蔵インバータ装置(ECU:Engine Control Unit)40(以下、「ECU40」とする)と、バッテリー50と、クランクセンサ14aとが設けられている。なお、ECU40は、特許請求の範囲の「回転電機制御部」および「駆動制御部」の一例である。
ここで、エンジン制御用クランク信号の要件として、クランク軸14(FWM15)の1回転につき1回、基準となる角度が検出できること、および、クランク角が判定できるように所定の角度分解能(例えば30度)があることが必要とされる。例えば、クランクセンサ14aは、回転電機30のロータ(FWM15)の外周に設けられた突起(図示せず)を検出するように構成されている。具体的には、ロータの外周に1つの突起が設けて、突起を検出したクランクセンサ14aからローレベル信号が出力されるように船外機100を構成する(図12参照)。すなわち、クランクセンサ14aは、FWM15の1回転につき1回、ローレベル信号を出力する。そして、後述する回転角センサ33は、クランク角を判定できる程度の所定の角度分解能(例えば30度)を有するので、クランクセンサ14aからの信号と、回転角センサ33からの信号とが組み合わされることにより、ECU40はエンジン1を制御することができる。また、クランクセンサ14aは、エンジン1に設けられている。
(回転電機の構成)
図2に示すように、本実施形態では、回転電機30は、複数の永久磁石31が配置されており、クランク軸14に直結されたFWM15と、クランク軸14の径方向に永久磁石31と対向する位置に設けられたステータ32(巻線)とを含む。永久磁石31は、例えば、FWM15の内周面に固定されている。また、図3に示すように、回転電機30には、回転角センサ33が設けられており、FWM15(永久磁石31)の回転角の変化を取得して、ECU40の制御回路42に伝達するように構成されている。回転角センサ33は、例えば、ホール素子を含み、所定の角度分解能(例えば30度)を有する。なお、回転角センサ33は、特許請求の範囲の「回転角取得部」の一例である。
図2に示すように、本実施形態では、回転電機30は、複数の永久磁石31が配置されており、クランク軸14に直結されたFWM15と、クランク軸14の径方向に永久磁石31と対向する位置に設けられたステータ32(巻線)とを含む。永久磁石31は、例えば、FWM15の内周面に固定されている。また、図3に示すように、回転電機30には、回転角センサ33が設けられており、FWM15(永久磁石31)の回転角の変化を取得して、ECU40の制御回路42に伝達するように構成されている。回転角センサ33は、例えば、ホール素子を含み、所定の角度分解能(例えば30度)を有する。なお、回転角センサ33は、特許請求の範囲の「回転角取得部」の一例である。
図6に示すように、回転電機30は、FWM15が回転されることにより生じる誘起電圧をバッテリー50に回生するジェネレータとしての機能を有するとともに、バッテリー50から電力が供給されることにより回転して、クランク軸14を回転させるモータとしての機能を有する。例えば、回転電機30は、3相交流(U相、V相、W相)の電力が供給されることにより回転するように構成されている。すなわち、回転電機30は、始動兼発電装置(ISG:Integrated Starter Generator)として構成されている。
具体的には、本実施形態では、回転電機30は、ECU40により回転電機30の力行回転数範囲Rdを拡大する力行回転数範囲拡大制御が行われていない状態において、誘起電圧値Viがバッテリー50の出力電圧値Vb以上となるクランク軸14の回転数Nである発電回転数範囲Rgが、クランキング回転数範囲Rcとオーバーラップするように構成されている。なお、クランク軸14の回転数Nは、言い換えると、エンジン回転数である。また、「力行回転数範囲拡大制御」についての詳細は、後述する。
詳細には、クランキング回転数範囲Rcとは、エンジン1をクランキングする際のクランク軸14の回転数Nの範囲である。すなわち、クランキング回転数範囲Rcは、エンジン1において初爆する可能性があるクランク軸14の回転数Nの範囲である初爆発生回転数範囲Reを含む。初爆発生回転数範囲Reは、例えば、下限値の回転数N1aから上限値の回転数N1bまでの範囲である。また、エンジン1のアイドリング動作時のクランク軸14の回転数Nであるアイドリング回転数Naは、回転数N1bよりも大きい数である。なお、「クランキング」とは、クランク軸14が停止状態から回転を開始させることを意味している。なお、初爆発生回転数範囲Reの下限値の回転数N1aは、特許請求の範囲の「クランキング回転数」の一例である。
そして、回転電機30では、回転数Nが大きくなる程、誘起電圧値Viが大きくなる。そして、回転電機30は、クランク軸14の回転数NがN2の状態において、バッテリー50の出力電圧値Vbと誘起電圧値Viとが略等しい値となるように構成されている。ここで、回転数N2は、回転数N1a以上で、かつ、回転数N1b以下の範囲である。
〈通電回生制御中の特性〉
そして、回転電機30は、後述する力行回転数範囲拡大制御を行っていない状態で、かつ、120度通電で第1の位相角(0度)により制御している状態(以下、「通電回生制御」という)において、クランク軸14の回転数NがN2よりも大きい場合(発電回転数範囲Rg)に、誘起電圧値Viがバッテリー50の出力電圧値Vbよりも大きくなり、バッテリー50に回転電機30からの電力が回生される。すなわち、回転電機30は、回転数N2以上で、かつ、回転数N1b以下の回転数の範囲で、クランキング回転数範囲Rcと発電回転数範囲Rgとがオーバーラップする特性を有するように構成されている。
そして、回転電機30は、後述する力行回転数範囲拡大制御を行っていない状態で、かつ、120度通電で第1の位相角(0度)により制御している状態(以下、「通電回生制御」という)において、クランク軸14の回転数NがN2よりも大きい場合(発電回転数範囲Rg)に、誘起電圧値Viがバッテリー50の出力電圧値Vbよりも大きくなり、バッテリー50に回転電機30からの電力が回生される。すなわち、回転電機30は、回転数N2以上で、かつ、回転数N1b以下の回転数の範囲で、クランキング回転数範囲Rcと発電回転数範囲Rgとがオーバーラップする特性を有するように構成されている。
〈全波整流状態における特性〉
また、回転電機30は、力行回転数範囲拡大制御を行っていない状態で、かつ、スイッチング素子41によりスイッチング動作を行わず、スイッチング素子41に付随されるボディーダイオードにより整流する状態(以下、「全波整流状態」という)において、クランク軸14の回転数NがN3よりも大きい場合(発電回転数範囲Rg)に、誘起電圧値Viがバッテリー50の出力電圧値Vbよりも大きくなり、バッテリー50に回転電機30からの電力が回生される。すなわち、回転電機30は、回転数N3以上で、かつ、回転数N1b以下の回転数の範囲で、クランキング回転数範囲Rcと発電回転数範囲Rgとがオーバーラップする特性を有するように構成されている。なお、例えば、回転数N3は、回転数N2よりも大きい。
また、回転電機30は、力行回転数範囲拡大制御を行っていない状態で、かつ、スイッチング素子41によりスイッチング動作を行わず、スイッチング素子41に付随されるボディーダイオードにより整流する状態(以下、「全波整流状態」という)において、クランク軸14の回転数NがN3よりも大きい場合(発電回転数範囲Rg)に、誘起電圧値Viがバッテリー50の出力電圧値Vbよりも大きくなり、バッテリー50に回転電機30からの電力が回生される。すなわち、回転電機30は、回転数N3以上で、かつ、回転数N1b以下の回転数の範囲で、クランキング回転数範囲Rcと発電回転数範囲Rgとがオーバーラップする特性を有するように構成されている。なお、例えば、回転数N3は、回転数N2よりも大きい。
(バッテリーおよび回転電機とECUとの接続に関する構成)
図7に示すように、船外機100には、ECU40とバッテリー50との間に設けられたメインスイッチ61と、メインスイッチ61とECU40との間に設けられたスタートスイッチ62とが設けられている。例えば、船外機100の運転を開始する際に、メインスイッチ61がオンにされて(導通されて)、ECU40の電源端子40aとバッテリー50とが接続される。また、メインスイッチ61がオンされた状態では、バッテリー50からエンジン1の補機等に電力が供給される。
図7に示すように、船外機100には、ECU40とバッテリー50との間に設けられたメインスイッチ61と、メインスイッチ61とECU40との間に設けられたスタートスイッチ62とが設けられている。例えば、船外機100の運転を開始する際に、メインスイッチ61がオンにされて(導通されて)、ECU40の電源端子40aとバッテリー50とが接続される。また、メインスイッチ61がオンされた状態では、バッテリー50からエンジン1の補機等に電力が供給される。
また、本実施形態では、船外機100は、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、ロープリール部21が回転されることによりクランキング回転数範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転された場合に、回転電機30からの電力が、燃料噴射装置16およびECU40に供給されるように構成されている。すなわち、ECU40は、通電回生制御が可能な充電状態であれば、通電回生制御により、回転電機30からの電力をエンジン補機類1aに供給する。また、船外機100が通電回生制御が可能な充電状態でなければ、ECU40が全波整流状態となり、回転電機30からの電力がエンジン補機類1aおよびECU40に供給される。例えば、船外機100では、回転電機30からの電力が、後述するスタートリレー64を介して、エンジン1内の燃料噴射装置16に供給されるように構成されている。
スタートスイッチ62は、オンされることにより、ECU40のスタート端子40bにスタートスイッチ信号が入力される。ECU40は、スタートスイッチ信号が入力された場合で、回転角センサ33からの回転角の変化を取得した場合に、アシスト制御(および力行回転数範囲拡大制御)を実行するように構成されている。
また、船外機100には、ECU40とバッテリー50との間に設けられたメインリレー63と、メインスイッチ61とECU40との間に設けられたスタートリレー64と、メインスイッチ61とECU40との間に設けられたスタートスイッチ62と、保護部品65とを含む。
また、ECU40には、メインリレー63の励磁コイル部を接地する状態と接地しない状態とを切り替えるスイッチ43aと、スタートリレー64の励磁コイル部を接地する状態と接地しない状態とを切り替えるスイッチ43bとが設けられている。スイッチ43aおよびスイッチ43bは、制御回路42の指令に基づいて動作するように構成されている。
(ECUの構成)
図7に示すように、ECU40は、複数のスイッチング素子41と、複数のスイッチング素子41の動作を制御する制御回路42とを含む。また、ECU40は、回転電機30と3相(U相、V相、および、W相)の電力線44により接続されているとともに、バッテリー50と、電力線45により接続されている。
図7に示すように、ECU40は、複数のスイッチング素子41と、複数のスイッチング素子41の動作を制御する制御回路42とを含む。また、ECU40は、回転電機30と3相(U相、V相、および、W相)の電力線44により接続されているとともに、バッテリー50と、電力線45により接続されている。
スイッチング素子41は、例えば、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)により構成されている。好ましくは、スイッチング素子41は、ボディーダイオード付きNチャンネルMOSFETである。そして、制御回路42は、複数のスイッチング素子41にゲート駆動信号を伝達することにより、スイッチング動作させる(3相それぞれの導通状態(オン)と、遮断状態(オフ)とを切り替える)制御を行うように構成されている。
〈制御回路の構成〉
制御回路42は、回転角センサ33からの回転角の情報を取得して、取得した回転角の情報に基づいて、スイッチング素子41の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御回路42は、取得した回転角に同期させて、U相、V相、および、W相の通電期間(例えば、120度通電または180度通電)を設定するとともに、回転電機30への通電位相を設定する進角制御を行うように構成されている。なお、スイッチング素子41を動作させない場合には、上記した全波整流状態となる。また、図3に示すように、制御回路42は、クランクセンサ14aからのクランク角の情報を取得して、取得したクランク角の情報に基づいて、燃料噴射装置16および点火装置17の動作を制御するように構成されている。なお、180度通電は、特許請求の範囲の「第1の通電期間」の一例である。また、120度通電は、特許請求の範囲の「第2の通電期間」の一例である。また、通電位相とは、誘起電圧の位相を基準とした誘起電圧の位相と通電電圧の位相との位相差である。
制御回路42は、回転角センサ33からの回転角の情報を取得して、取得した回転角の情報に基づいて、スイッチング素子41の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御回路42は、取得した回転角に同期させて、U相、V相、および、W相の通電期間(例えば、120度通電または180度通電)を設定するとともに、回転電機30への通電位相を設定する進角制御を行うように構成されている。なお、スイッチング素子41を動作させない場合には、上記した全波整流状態となる。また、図3に示すように、制御回路42は、クランクセンサ14aからのクランク角の情報を取得して、取得したクランク角の情報に基づいて、燃料噴射装置16および点火装置17の動作を制御するように構成されている。なお、180度通電は、特許請求の範囲の「第1の通電期間」の一例である。また、120度通電は、特許請求の範囲の「第2の通電期間」の一例である。また、通電位相とは、誘起電圧の位相を基準とした誘起電圧の位相と通電電圧の位相との位相差である。
詳細には、図8に示すように、制御回路42は、アシスト制御/発電制御切替判定部42a(以下、「切替判定部42a」とする)と、クランク角演算部42bと、モード判定部42cと、点火/燃料噴射制御部42dと、電気角演算部42eと、通電制御部42fと、エンジン停止制御部42gとを含む。
切替判定部42aは、回転角センサ33からの回転角の変化の情報、および、クランクセンサ14aからの情報を取得して、クランク軸14の回転数Nを取得するとともに、取得した回転数Nに基づいて、通電位相、または、通電方式を切り替えるように構成されている。切替判定部42aの指令は、通電制御部42fに入力される。
図9に示すように、本実施形態では、切替判定部42aは、クランク軸14が停止した状態から、クランク軸14が回転して、回転角センサ33の出力状態の変化を検出したことに基づいて、クランク軸14の回転を回転電機30によりアシストするアシスト制御を行うか否かを判定するように構成されている。なお、本実施形態では、「回転電機30によりアシストする」とは、操作者により、ロープ22が引っ張られることによりロープリール部21が回転して、クランク軸14が回転している状態で、回転電機30によりクランク軸14に回転力を入力することを意味するものとして記載している。また、「アシスト制御」についての詳細は、後述する。
具体的には、本実施形態では、切替判定部42aは、バッテリー50がアシスト可能な充電状態である場合に、ロープリール部21が回転されることによりクランキング回転数範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30によりクランク軸14の回転をアシストするアシスト制御を行うとともに、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合に、アシスト制御を行わないように構成されている。
ここで、本実施形態では、切替判定部42aは、バッテリー50がアシスト可能な充電状態である場合として、バッテリー50から印加される出力電圧値Vbが基準電圧値Vt以上の場合に、アシスト制御を行うように構成されている。例えば、図7に示すように、切替判定部42aは、バッテリー50からメインスイッチ61を介して電源端子40aに印加されるバッテリー50の出力電圧値Vbと基準電圧値Vtとの比較を行う。そして、切替判定部42aは、出力電圧値Vbが基準電圧値Vt以上の場合に、アシスト制御を開始するとともに、出力電圧値Vbが基準電圧値Vt未満の場合に、アシスト制御を行わないように構成されている。なお、基準電圧値Vtは、特許請求の範囲の「所定の電圧値」の一例である。
そして、図6に示すように、切替判定部42aは、アシスト制御を行っている場合で、クランク軸14の回転数Nが所定の切替回転数Nt未満の状態から、切替回転数Nt以上となった場合に、力行回転数範囲拡大制御を開始するように構成されている。切替回転数Ntは、例えば、力行回転数範囲拡大制御を行った場合に発生させるトルクの大きさが、力行回転数範囲拡大制御を行わない場合に発生させるトルクの大きさ以上となる回転数として設定されている。なお、切替回転数Ntは、特許請求の範囲の「第1回転数」および「第2回転数」の一例である。
すなわち、本実施形態では、切替判定部42aは、クランク軸14の回転数Nが、クランキング回転数範囲Rcと発電回転数範囲Rgとがオーバーラップする回転数範囲内の回転数である少なくとも回転数N2(回転数N3)以上回転数N1以下の回転数である状態で、誘起電圧値Viを出力電圧値Vbよりも低下させるように力行回転数範囲拡大制御(二点鎖線)を行うとともに、アシスト制御を行うように構成されている。
また、切替判定部42aは、操作者によるロープ22の手引きが継続されているか否かに関わらず、継続して力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、回転電機30にバッテリー50から電力を供給して、クランク軸14を回転させる制御を行うように構成されている。
すなわち、本実施形態では、切替判定部42aは、クランク軸14の回転数Nがロープリール部21の回転数を超えた後も、継続して力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、回転電機30にバッテリー50から電力を供給して、クランク軸14を回転させる制御を行うように構成されている。言い換えると、図4に示すように、切替判定部42aは、ロープ22が引っ張られて(ストロークされて)、ロープリール部21を介したクランク軸14に対するトルクの入力が停止した後も、継続して力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、回転電機30にバッテリー50から電力を供給して、クランク軸14を回転させる制御を行うように構成されている。
そして、本実施形態では、切替判定部42aは、クランキング回転数範囲Rcよりも大きい回転数N(例えば、アイドリング回転数Na)でクランク軸14が回転されている状態で、力行回転数範囲拡大制御を停止して、発電制御(図6の一点鎖線)を行うように構成されている。なお、発電制御の詳細は、後述する。
図8に示すように、クランク角演算部42bは、クランクセンサ14aおよび回転角センサ33からの情報を取得して、クランク角およびクランク軸14の回転速度(回転数)を演算して、演算したクランク角および速度を、モード判定部42cに伝達するように構成されている。
エンジン制御モード判定部42c(以下、「モード判定部42c」とする)は、クランク角演算部42bから取得した情報に基づいて、エンジン1に含まれる燃料噴射装置16や点火装置17の行うべき制御の状態を判別するように構成されている。そして、モード判定部42cは、エンジン制御モードを判定するとともに、判定したモードの情報を、点火/燃料噴射制御部42dに伝達するように構成されている。点火/燃料噴射制御部42dは、モードの情報等に基づいて、燃料噴射装置16の燃料噴射タイミングおよび点火装置17の点火タイミング等を決定するように構成されている。なお、点火/燃料噴射制御部42dは、特許請求の範囲の「駆動制御部」の一例である。
例えば、モード判定部42cは、回転角センサ33からの入力(エッジ入力)が状態が所定時間以上継続した場合には、エンジン制御モードを「エンジン停止モード」に設定するように構成されている。「エンジン停止モード」では、点火/燃料噴射制御部42dによりエンジン1を停止した状態に制御される。
点火/燃料噴射制御部42dは、「エンジン停止モード」において、回転角センサ33から回転角の変化(エッジ入力)を取得した場合に、クランク軸14の動作に非同期で、燃料噴射装置16により、燃料を噴射させる制御(第1噴射実施期間)を開始するように構成されている。また、点火/燃料噴射制御部42dは、クランクセンサ14aからエッジ入力を取得した場合に、点火装置17により、点火を行う期間である点火実施期間を開始するように構成されている。
また、モード判定部42cは、回転数Nが所定回転数Ni以上の場合には、エンジン制御モードを「初爆完了後モード」に設定するように構成されている。点火/燃料噴射制御部42dは、「初爆完了後モード」において、クランク軸14の動作に同期させて、燃料噴射装置16により、燃料を噴射させる制御(第2噴射実施期間)を開始するように構成されている。なお、所定回転数Niは、例えば、クランキング回転数範囲Rc以上の回転数でかつアイドリング回転数Na以下の回転数である。
電気角演算部42eは、回転角センサ33からの回転角の情報を取得して、通電制御のための電気角を演算するように構成されている。電気角演算部42eは、演算した電気角を通電制御部42fに伝達するように構成されている。
通電制御部42fは、切替判定部42aからの指令に基づいて、各スイッチング素子41の駆動電圧、通電方式、および、通電位相を制御するように構成されている。エンジン停止制御部42gは、停止操作(停止フラグまたは異常検出等)が入力された場合に、燃料噴射装置16および点火装置17の動作を停止させる(禁止させる)ように構成されている。また、エンジン停止制御部42gは、通電制御部42fに対して、通電する状態と、通電しない状態とを切り替える指令信号を伝達するように構成されている。
〈力行回転数範囲拡大制御およびアシスト制御〉
ここで、アシスト制御とは、ECU40により、バッテリー50から回転電機30に電力が供給されるように、スイッチング素子41の動作が制御される状態を意味するものとして記載している。言い換えると、アシスト制御は、エンジン1を始動させる際に、回転電機30を、図6に示す力行回転数範囲Rd内(力行動作の範囲)で、かつ、クランキング回転数範囲Rc内(点線領域内)でクランク軸14を回転させるように制御することを意味する。
ここで、アシスト制御とは、ECU40により、バッテリー50から回転電機30に電力が供給されるように、スイッチング素子41の動作が制御される状態を意味するものとして記載している。言い換えると、アシスト制御は、エンジン1を始動させる際に、回転電機30を、図6に示す力行回転数範囲Rd内(力行動作の範囲)で、かつ、クランキング回転数範囲Rc内(点線領域内)でクランク軸14を回転させるように制御することを意味する。
そして、ECU40は、回転数Nが回転数N2以上の状態でも、アシスト制御(力行動作)を行うために、力行回転数範囲Rdを拡大させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。具体的には、本実施形態では、制御回路42は、アシスト制御を行う場合に、クランキング回転数範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30を進角制御することにより、誘起電圧値Viを低下させることにより、力行回転数範囲Rdを拡大させるように構成されている。すなわち、本実施形態では、誘起電圧値Viを低下させる弱め界磁制御を行う手段として、進角制御を採用している。
詳細には、ECU40は、アシスト制御を行う場合に、クランキング回転数範囲Rc内の回転数でクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30の第1位相角から第1位相角よりも大きい第2位相角に通電位相を切り替える進角制御を行うことにより、誘起電圧値Viを低下させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている。第1位相角は、例えば、進角0度として設定される。また、第2位相角は、例えば、進角60度以上進角80度以下の所定の通電位相として設定される。また、ECU40は、回転数Nが切替回転数Nt未満の状態から切替回転数Nt以上となったことに基づいて、第1位相角から第2位相角に切り替えるように構成されている。
また、本実施形態では、ECU40は、クランキング回転数範囲Rc内の回転数でクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30に電気角120度の通電期間を有する3相交流の電力を供給している状態から、例えば、電気角180度の通電期間を有する3相交流の電力を供給する状態に切り替える制御を行うように構成されている。また、ECU40は、回転数Nが切替回転数Nt未満の状態から切替回転数Nt以上となったことに基づいて、電気角120度の通電期間から電気角180度の通電期間に切り替えるように構成されている。すなわち、ECU40は、回転数Nが切替回転数Nt未満の状態から切替回転数Nt以上となったことに基づいて、通電期間を電気角120度から電気角180度に変更するとともに、通電位相を第1位相角から第2位相角に変更するように構成されている。
〈発電制御〉
ECU40は、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行って、エンジン1を始動させた後に、回転数Nがクランキング回転数範囲Rcよりも大きい状態で、力行回転数範囲拡大制御を停止して、発電制御を行うように構成されている。発電制御とは、ECU40により通電位相を変化させることにより、バッテリー50の出力電圧値Vbを一定の状態にする制御である。なお、通電期間は、例えば、電気角180度である。
ECU40は、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行って、エンジン1を始動させた後に、回転数Nがクランキング回転数範囲Rcよりも大きい状態で、力行回転数範囲拡大制御を停止して、発電制御を行うように構成されている。発電制御とは、ECU40により通電位相を変化させることにより、バッテリー50の出力電圧値Vbを一定の状態にする制御である。なお、通電期間は、例えば、電気角180度である。
また、ECU40は、バッテリー50の出力電圧値Vbが基準電圧値Vt未満の場合には、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行わず、かつ、スイッチング素子41を動作させないことにより、回転数Nが回転数N2以上の状態で、全波整流状態にするように構成されている。これにより、回転電機30からの交流電力がスイッチング素子41に含まれるボディーダイオードで全波整流され、バッテリー50、ECU40、エンジン補機類1aにDC電力が供給される。
なお、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合に、エンジン1が始動される場合には、ECU40は、回転数Nが回転数N2以上の状態でクランク軸14が回転されることにより回転電機30により回生された電力により起動するように構成されている。
そして、船外機100は、回転電機30から燃料噴射装置16に電力が供給されて、燃料が噴射されるとともに、点火装置17に電力が供給されて、エンジン1が始動するように構成されている。
[エンジンの始動方法]
次に、図2、図7、および、図9〜図12を参照して、本実施形態による船外機100のエンジン1の始動方法について説明する。図10には、船外機100の制御回路42による回転電機制御処理を説明するためのフローチャートを示している。図11には、船外機100の制御回路42によるエンジン制御処理を説明するためのフローチャートを示している。また、図12には、バッテリー50がアシスト可能な充電状態であり、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行う場合の船外機100における各波形を示している。
次に、図2、図7、および、図9〜図12を参照して、本実施形態による船外機100のエンジン1の始動方法について説明する。図10には、船外機100の制御回路42による回転電機制御処理を説明するためのフローチャートを示している。図11には、船外機100の制御回路42によるエンジン制御処理を説明するためのフローチャートを示している。また、図12には、バッテリー50がアシスト可能な充電状態であり、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行う場合の船外機100における各波形を示している。
まず、図7に示すように、操作者により、メインスイッチ61およびスタートスイッチ62がオンにされる。そして、図2に示すように、操作者により、引き手2が引っ張られて、ロープリール部21に巻回されたロープ22が引き出される。これに伴って、ロープリール部21が回転される。そして、ロープリール部21が回転されることにより、カムプレート23等を介して、FWM15およびクランク軸14が回転される。FWM15が回転することにより、図12に示すように、回転角センサ33により回転角の変化が取得される。また、回転角の変化に基づいて回転数Nが取得される。
ここで、バッテリー50が蓄電された状態であれば、ECU40が起動された状態で、ロープリール部21の回転開始時点の回転角の変化が取得される。一方、バッテリー50が蓄電されていない状態で、ECU40を起動させる電力量未満である場合、もしくは、バッテリー50が接続されていない場合には、ECU40が停止した状態となる。この場合、ロープリール部21の回転が開始され、スイッチング素子41が動作されず、ECU40が全波整流状態となり、回転電機30から回生された電力により、バッテリー50、ECU40、エンジン補機類1aにDC電力が供給される。そして、回転電機30からの電力によりECU40が起動された状態になれば、以下の回転電機制御処理およびエンジン制御処理が実行される。
(回転電機制御処理)
そして、図10に示すように、ステップS1において、バッテリー50の残量がアシスト可能な状態か否かが判断される。すなわち、バッテリー50がアシスト可能な充電状態であるか否かが判断される。バッテリー50の残量がアシスト可能な状態の場合には、ステップS2に進み、バッテリー50の残量がアシスト可能な状態でない場合には、ステップS9に進む。
そして、図10に示すように、ステップS1において、バッテリー50の残量がアシスト可能な状態か否かが判断される。すなわち、バッテリー50がアシスト可能な充電状態であるか否かが判断される。バッテリー50の残量がアシスト可能な状態の場合には、ステップS2に進み、バッテリー50の残量がアシスト可能な状態でない場合には、ステップS9に進む。
ステップS2において、回転角センサ33のエッジ入力回数が1回以上か否かが判断される。回転角センサ33のエッジ入力回数が1回以上となるまで、この判断が繰り返され、回転角センサ33のエッジ入力回数が1回以上となった場合に、ステップS3に進む。
ステップS3において、アシスト制御が開始される。具体的には、電気角120度の通電期間および第1位相角で、スイッチング素子41が動作され、バッテリー50から回転電機30に電力が供給される。例えば、図12に示すように、バッテリー50から回転電機30に流れる出力電流値Ibが大きくなる。その後、ステップS4に進む。
ステップS4において、回転数Nが切替回転数Nt以上となったか否かが判断される。この判断は、回転数Nが切替回転数Nt以上になるまで繰り返される。そして、回転数Nが切替回転数Nt以上となった場合、ステップS5に進む。
ステップS5において、力行回転数範囲拡大制御が開始される。例えば、通電期間が電気角120度から電気角180度に変更されるとともに、通電位相が第1位相角(0度)から第2位相角(進角60度または進角80度)に進められる。その後、ステップS7に進む。
ステップS6において、エンジン制御モードが「初爆完了後モード」か否かが判断される。エンジン制御モードが「初爆完了後モード」となるまでこの判断は繰り返され、エンジン制御モードが「初爆完了後モード」となった場合に、ステップS7に進む。
ステップS7において、発電制御が開始される。すなわち、通電位相が変化されて出力電圧値Vbが一定値になるように回生電力の大きさが制御される。なお、この時、通電期間は電気角180度の状態である。その後、ステップS8に進む。
ステップS8において、エンジン制御モードが「エンジン停止モード」か否かが判断される。エンジン制御モードが「エンジン停止モード」となるまでこの判断は繰り返され、エンジン制御モードが「エンジン停止モード」となった場合に、ステップS1に戻る。
ステップS1においてバッテリー50の残量がアシスト可能な状態でない場合に進む、ステップS9において、エンジン制御モードが「初爆完了後モード」か否かが判断される。エンジン制御モードが「初爆完了後モード」でない場合には、ステップS1に戻り、エンジン制御モードが「初爆完了後モード」である場合は、ステップS7に進む。
(エンジン制御処理)
図11に示すように、ステップS21において、エンジン制御モードが「エンジン停止モード」にされる。その後、ステップS22に進む。
図11に示すように、ステップS21において、エンジン制御モードが「エンジン停止モード」にされる。その後、ステップS22に進む。
ステップS22において、クランクセンサ14aからの信号がローレベルかつ回転角センサ33のエッジ入力回数が1回以上か否かが判断される。すなわち、回転角センサ33から回転角の変化が検出されたか否かが判断される。ここで、バッテリー50がアシスト可能な充電状態であれば、ECU40が起動された状態で、ロープリール部21の回転開始時点の回転角の変化が取得される。一方、バッテリーレスの状態では、ECU40が停止した状態で、ロープリール部21の回転が開始され、回転電機30から回生された電力により、ECU40が起動した時の回転角の変化が取得される。そして、回転角センサ33のエッジ入力回数が1回以上である場合には、ステップS23に進み、回転角センサ33のエッジ入力回数が1回以上でない場合には、ステップS21に戻る。
ステップS23において、第1噴射実施期間が開始される。すなわち、回転角センサ33から回転角の変化を取得した場合(エッジ入力回数が1回以上である場合)に、クランク軸14の動作に非同期で、燃料噴射装置16により、燃料を噴射させる制御が開始される。その後、ステップS24に進む。
ステップS24において、クランクセンサ14aのエッジ入力回数が1回以上か否かが判断される。クランクセンサ14aのエッジ入力回数が1回以上となるまで、この判断が繰り返され、クランクセンサ14aのエッジ入力回数が1回以上となった場合に、ステップS25に進む。
ステップS25において、点火実施期間が開始される。その後、ステップS26に進む。
ステップS26において、回転数Nが所定回転数Ni以上か否かが判断される。回転数Nが所定回転数Ni以上となるまで、この判断が繰り返され、回転数Nが所定回転数Ni以上となった場合に、ステップS27に進む。すなわち、エンジン1において初爆が生じれば、エンジン1が始動して、回転数Nが増大して、ステップS27に進む。
ステップS27において、エンジン制御モードが「初爆完了後モード」にされる。その後、ステップS28に進む。そして、ステップS28において、第2点火実施期間が開始される。すなわち、クランク軸14の動作に同期させて、燃料噴射装置16により、燃料が噴射させる制御が開始される。その後、ステップS29に進む。
ステップS29において、回転角センサ33のエッジ入力がない状態が所定時間以上継続したか否かが判断される。回転角センサ33のエッジ入力がない状態が所定時間以上継続するまで、この判断は繰り返され、回転角センサ33のエッジ入力がない状態が所定時間以上継続した場合に、ステップS21に戻る。
[比較例との比較結果]
次に、図4および図13を参照して、本実施形態による船外機100と、比較例による船外機との比較結果について説明する。
次に、図4および図13を参照して、本実施形態による船外機100と、比較例による船外機との比較結果について説明する。
(荷重の比較)
図13に示すように、本実施形態による船外機100により、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行った場合のロープ22を引っ張る際に要した荷重と、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行わない比較例による船外機において、ロープを引っ張る際に要した荷重とを、それぞれ、測定した。具体的には、クランク角0度からロープを引っ張った際のクランク角(約800度まで)に対応する荷重の大きさを測定した。
図13に示すように、本実施形態による船外機100により、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行った場合のロープ22を引っ張る際に要した荷重と、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行わない比較例による船外機において、ロープを引っ張る際に要した荷重とを、それぞれ、測定した。具体的には、クランク角0度からロープを引っ張った際のクランク角(約800度まで)に対応する荷重の大きさを測定した。
図13に示すように、本実施形態による船外機100の荷重は、クランク角0度から800度のいずれの時点においても、比較例による船外機の荷重よりも小さい値となった。この結果から、本実施形態では、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行うことにより、操作者によってロープ22を引っ張る際の荷重が低減されていることが判明した。
(シリンダ内の圧力の比較)
図4に示すように、本実施形態による船外機100において、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行いながら、ロープ22を引っ張ることにより、エンジン1を始動させた際のシリンダ11内の圧力P1(筒内圧)と、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行わない比較例による船外機において、マニュアルスタートさせた際のシリンダ内の圧力P2とを、それぞれ、測定した。
図4に示すように、本実施形態による船外機100において、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行いながら、ロープ22を引っ張ることにより、エンジン1を始動させた際のシリンダ11内の圧力P1(筒内圧)と、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御を行わない比較例による船外機において、マニュアルスタートさせた際のシリンダ内の圧力P2とを、それぞれ、測定した。
比較例による船外機では、クランク角130度からロープが引かれ、最初の圧縮行程の位置(クランク角360度の近傍)では、シリンダ内の圧力P2が上昇せず、初爆可能圧力Ptを超えることはできなかった。したがって、比較例による船外機では、最初の圧縮行程の位置では、エンジンを始動させることができなかった。その後、ロープが継続して引かれることによって迎えた2回目の圧縮行程において、シリンダ内の圧力P2が上昇して、初爆可能圧力Ptを超えて、エンジンが始動した。
一方、本実施形態による船外機100では、クランク角130度からロープ22が引かれるとともに、アシスト制御および力行回転数範囲拡大制御により、クランク軸14が回転され、最初の圧縮行程の位置(クランク角360度の近傍)で、シリンダ11内の圧力P1が、初爆可能圧力Ptを超えて、初爆した。これにより、エンジン1が始動した。また、本実施形態では、初爆後も、エンジン1および回転電機30によりクランク軸14の回転が継続され、2回目以降の圧縮行程においても、シリンダ11内の圧力P1が初爆可能圧力Ptを超えた。
したがって、本実施形態による船外機100では、比較例による船外機と異なり、最初の圧縮行程において、初爆することが判明した。
[本実施形態の効果]
上記実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、ECU40を、ロープリール部21が回転されることによりクランキング回転数範囲Rc(以下、「範囲Rc」)内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30によりクランク軸14の回転をアシストするアシスト制御を行うように構成する。これにより、操作者がロープ22を引っ張ってロープリール部21を回転させる際に、回転電機30によりクランク軸14の回転をアシストすることができるので、回転電機30からのトルクがクランク軸14に加わる分、エンジン1の圧縮行程の抵抗を超えるために必要なロープ22の引っ張る力(荷重)を低減することができる。この効果は、上記比較結果により確認されている。また、蓄力用ゼンマイを設ける場合と異なり、予め蓄力用ゼンマイを巻くための予備動作が必要ない分、操作者のエンジン1の始動のための作業負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転電機30によりクランク軸14の回転をアシストすることにより、操作者のロープ22を引っ張る力が比較的小さい場合でも、クランク軸14の回転数Nを大きくすることができる。その結果、クランク軸14の回転数Nが大きいことにより、エンジン1のシリンダ11内の圧力を向上させることができるので、エンジン1において初爆が生じる可能性を向上させて、エンジン1をより確実に始動させることができる。
また、上記のように、ECU40を、範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30の力行回転数範囲Rdを拡大させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成する。これにより、範囲Rc内で、回転電機30の誘起電圧値Viがバッテリー50の出力電圧値Vbを超えるように回転電機30が設計されている場合、すなわち、クランキング回転数範囲Rcの上限値N1bが、力行回転数範囲Rdの上限値N2よりも大きい場合でも、力行回転数範囲拡大制御により力行回転数範囲Rdを拡大して、回転電機30を力行動作させることができる。その結果、力行回転数範囲拡大制御を行わない場合(通電回生制御を行う場合、または、全波整流状態の場合)には、範囲Rc内で、回転電機30からバッテリー50に電力を回生させることができるとともに、力行回転数範囲拡大制御を行った場合には、範囲Rc内で、誘起電圧値Viをバッテリー50の出力電圧値Vbよりも小さくして、アシスト制御を行うことができる。この結果、バッテリー50からの電力の供給がない場合でも、操作者がロープ22を引っ張ることによりロープリール部21を回転させて、クランク軸14を範囲Rc内で回転させれば、回転電機30から回生された電力を用いて、燃料噴射装置16および点火装置17を動作させて、エンジン1を始動させることができる。したがって、エンジン1を始動させるための作業負担を軽減しながら、確実でかつ迅速にエンジン1を始動させることができる状態を維持させることができる。すなわち、アシストすることができないバッテリー50の残量の場合でも、フューエルインジェクションに関わるアクチュエータを動作させてエンジン1を始動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転電機30を、ECU40により力行回転数範囲拡大制御が行われていない状態において、誘起電圧値Viがバッテリー50の出力電圧値Vb以上となるクランク軸14の回転数Nである発電回転数範囲Rgが、範囲Rcとオーバーラップするように構成する。また、ECU40を、少なくともオーバーラップする回転数範囲内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、誘起電圧値Viを出力電圧値Vbよりも低下させるように力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、アシスト制御を行うように構成する。これにより、オーバーラップする回転数範囲内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、かつ、力行回転数範囲拡大制御が行われていない状態では、回転電機30からバッテリー50に電力を回生させることができるとともに、力行回転数範囲拡大制御を行った場合には、容易にアシスト制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、バッテリー50がアシスト可能な充電状態である場合に、アシスト制御を行うとともに、力行回転数範囲拡大制御を行うように構成する。これにより、バッテリー50に電力が蓄電されており、バッテリー50の電力を用いることができる場合には、力行回転数範囲拡大制御により回転電機30の力行回転数範囲Rdを拡大させてクランク軸14の回転をアシストすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、ロープリール部21が回転されることにより範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転された場合に、回転電機30からの電力が回生されるように船外機100を構成する。これにより、バッテリー50に電力が蓄電されておらず、アシスト制御を行うことができない場合には、ロープリール部21を回転させることにより、クランク軸14を範囲Rc内の回転数Nで回転させることによって、回生させて燃料噴射装置16および点火装置17を動作させる電力を供給することができると共に、バッテリー50に充電を行うことができる。すなわち、ロープリール部21を回転させることによって、回生された電力により、即燃料噴射装置16等を動作させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、船外機100にFIに関わるアクチュエータを設けて、船外機100を、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、ロープリール部21が回転されることによりクランキング回転数範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転された場合に、回転電機30からの電力が、FIに関わるアクチュエータおよびECU40に供給されるように構成する。これにより、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合でも、例えば、ECU40が全波整流状態になることによる回転電機30からの電力により、FIに関わるアクチュエータおよびECU40を駆動させて、エンジン1を始動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、ロープリール部21が回転されることにより範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転された場合に、回転電機30からの電力により起動するように構成する。これにより、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合でも、ロープリール部21を回転させることにより、ECU40を起動させることができる。その結果、バッテリー50がアシスト可能な充電状態でない場合でも、ECU40を起動させて、適切に回転電機30の動作を制御させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、バッテリー50がアシスト可能な充電状態である場合としてバッテリー50から印加される出力電圧値Vbが基準電圧値Vt以上の場合に、アシスト制御を行うとともに、力行回転数範囲拡大制御を行うように構成する。これにより、バッテリー50から印加される出力電圧値Vbと基準電圧値Vtとを比較することにより、容易にバッテリー50がアシスト可能な充電状態であるか否かを判断することができるとともに、バッテリー50に電力が十分蓄電されている場合に、アシスト制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、アシスト制御を行っている場合に、範囲Rc内において、クランク軸14の回転数Nが切替回転数Nt未満の状態から、切替回転数Nt以上の状態となったことに基づいて、力行回転数範囲拡大制御を開始するように構成する。これにより、クランク軸14の回転数Nが切替回転数Nt未満の状態では、力行回転数範囲拡大制御せずに回転電機30を回転させてトルクを大きくするとともに、誘起電圧値Viが大きくなることに起因してトルクが小さくなる切替回転数Nt以上の回転数Nの状態では、力行回転数範囲拡大制御して回転電機30を回転させてトルクを大きくすることができる。その結果、クランク軸14がいずれの回転数Nで回転されている場合でも、トルクを大きくすることができるので、効率良くクランク軸14の回転をアシストすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、アシスト制御を行う場合に、範囲Rc内の回転数でクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30を進角制御することにより、誘起電圧値Viを低下させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成する。これにより、回転電機30に供給する電力の通電位相を変更することに応じて、回転電機30の誘起電圧値Viを低下させることができるので、容易に力行回転数範囲拡大制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、アシスト制御を行う場合に、範囲Rc内の回転数でクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30への通電位相が第1位相角から第1位相角よりも大きい第2位相角に切り替える制御を行うことにより、誘起電圧値Viを低下させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成する。これにより、回転電機30への通電位相を切り替えることにより、誘起電圧値Viが低下するので、回転電機30への通電位相を、第1位相角から第2位相角に進めれば(切り替えれば)、容易に力行回転数範囲拡大制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転電機30を、3相交流の電力が供給されることにより回転するように構成する。そして、ECU40を、範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30に電気角120度よりも大きい通電角180度の通電期間を有する3相交流の電力を供給するとともに、アシスト制御を行うように構成する。これにより、力行回転数範囲をさらに拡大させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、範囲Rc内の切替回転数Nt未満の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、回転電機30に電気角120度の通電期間を有する3相交流の電力を供給するとともに、アシスト制御を行い、範囲Rc内の切替回転数Nt以上の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、電気角180度の通電期間を有する3相交流の電力を供給するとともに、アシスト制御を行うように構成する。これにより、誘起電圧値Viが比較的小さい切替回転数Nt未満の回転数Nでクランク軸14が回転されている場合には、通電期間を電気角120度にしてより高効率なアシスト制御ができるとともに、誘起電圧値Viが比較的大きい切替回転数Nt以上の回転数Nでクランク軸14が回転されている場合には、通電期間を電気角180度の通電期間に変更することにより、力行回転数範囲Rdを拡大して、トルクの低下を抑制しながらアシスト制御することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、範囲Rcよりも大きい回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、力行回転数範囲拡大制御を停止して、発電制御を行うように構成する。これにより、エンジン1が始動して、範囲Rcよりも大きい回転数Nでクランク軸14が回転されている状態では、バッテリー50の出力電圧値Vbを一定にすることができるため、バッテリー50を充電できると共に、燃料噴射装置16や点火装置17を含むエンジン補機類1aに適切に電力を供給することができる。
また、本実施形態では、上記のように、船外機100に、回転電機30の回転角を取得する回転角センサ33を設ける。また、ECU40を、回転角センサ33を回転電機30の通電制御に必要な回転角を検出すると共に、力行回転数範囲拡大制御、及び、アシスト制御にも流用する。この結果、操作者はアシスト開始と共に入力操作をすることが不要となるため、エンジン1の始動作業がより簡易的になる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU40を、クランク軸14の回転数Nがロープリール部21の回転数を超えた後に、継続して力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、回転電機30にバッテリー50から電力を供給して、クランク軸14を回転させる制御を行うように構成する。これにより、操作者がエンジン始動できる程のクランキング動作ができなかった場合でも、回転電機30により継続してクランク軸14が回転されている間にエンジン1を始動させることができる。この結果、ロープ22の長さを短くすることもできる。
また、本実施形態では、上記のように、エンジン1に、燃料噴射装置16および点火装置17を設ける。また、ECU40を、範囲Rc内の回転数Nでクランク軸14が回転されている状態で、燃料噴射装置16による燃料の噴射の後で、かつ、点火装置17による初回の点火の後まで少なくとも継続して、力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、回転電機30にバッテリー50から電力を供給する制御を行うように構成する。これにより、少なくともエンジン1内で点火が行われる時点までは、回転電機30によりクランク軸14の回転がアシストされるので、より確実にエンジン1を始動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転電機30に、クランク軸14に直結されたFWM15と、クランク軸14の径方向に永久磁石31と対向する位置に設けられたステータ32とを設ける。これにより、回転電機とクランク軸との間にギア等を設ける場合のように、回転電機とクランク軸とを直結させない場合と異なり、船外機100の構成が複雑化するのを抑制することができる。また、上記のように構成することにより、一般的な船外機に設けられている既存の回転電機30を、クランク軸14の回転をアシストするための回転電機30として用いることができる。
また、本実施形態では、上記のように、船外機100内に、回転電機30に電力を供給するとともに、回転電機30から電力が回生されるバッテリー50を配置する。これにより、船舶(船体)に設けられたバッテリーから回転電機に電力を供給する場合と異なり、船舶と船外機100と間で電力をやり取りするための電力線を設ける必要がない。その結果、船舶と船外機100とを接続するための構成を簡素化することができる。
[変形例]
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
例えば、上記実施形態では、回転電機30を、クランク軸14と直結するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、フライホイールにギアを設けて、ギアを介して、クランク軸14に接続するように回転電機30を構成してもよい。
また、上記実施形態では、クランク軸14の回転数Nが切替回転数Nt以上となった場合に、力行回転数範囲拡大制御を行うようにECU40を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、アシスト制御を開始した時点(回転数Nが略0)から力行回転数範囲拡大制御を行うようにECU40を構成してもよい。
また、上記実施形態では、回転数Nが切替回転数Nt未満の状態から切替回転数Nt以上の状態になった時に、第1位相角から第2位相角に切り替えるとともに、通電期間を電気角120度から180度に切り替える例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転数Nが第1の切替回転数Nt1未満の状態から第1の切替回転数Nt1以上の状態になった時に、第1位相角から第2位相角に切り替えるとともに、回転数Nが第1の切替回転数Nt1とは異なる第2の切替回転数Nt2未満の状態から第2の切替回転数Nt2以上の状態になった時に、通電期間を電気角120度から180度に切り替えてもよい。
また、上記実施形態では、ECU40を回転角センサ33の回転角の変化に基づいて、アシスト制御を開始するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、船外機100の引き手2にアシスト制御開始用のスイッチ(レバー)等を設けて、操作者によりスイッチ(レバー)が操作されたことに基づいて、アシスト制御が開始されるようにECU40を構成してもよい。
また、上記実施形態では、力行回転数範囲拡大制御における第2位相角を、進角60度以上進角80度以下とし、力行回転数範囲拡大制御における通電期間を、電気角180度の通電期間とする例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、第2位相角を、進角60度未満を進角80度よりも大きくし、力行回転数範囲拡大制御における通電期間を、電気角120度より大きい電気角180度以外の通電期間として設定してもよい。
また、上記実施形態では、力行回転数範囲拡大制御において、第1位相角から第2位相角に一度に切り替える例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、力行回転数範囲拡大制御において、第1位相角から回転数Nの上昇に応じて徐々に通電位相を進めて第2位相角に切り替えてもよい。
また、上記実施形態では、船外機100にバッテリー50を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、船体101(船舶)側にバッテリーを配置してもよい。
また、上記実施形態では、船外機100にメインスイッチ61を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、図14に示す第1変形例の船外機200のように、バッテリー50とECU240の電源端子240aとが配線により、直接接続されていてもよい。この場合、ECU240の電源端子240aにバッテリー50から常時電力が供給される。これにより、第1変形例の船外機200では、メインスイッチ61が設けられていない分、構成が簡素化されている。
また、図15に示す第2変形例の船外機300のように、第1変形例の船外機200とは異なり、バッテリー50とECU340とは直接接続されていなくてもよい。この場合、ECU340には、スタートスイッチ62およびダイオード64aを介して電源端子340aに、バッテリー50からの電力が供給される。これにより、第2変形例の船外機300では、が設けられていない分、構成が簡素化されているとともに、常時電力が供給される構成ではないので、バッテリー50の暗電流を抑制して、バッテリー50の大型化を抑制することが可能になる。
また、上記実施形態では、ECU40に、制御回路42およびスイッチング素子41を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、制御回路42と、スイッチング素子41とが別個の機器として、船外機100内に配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、船外機100のエンジン1の始動を行うエンジン始動装置の例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、車両、自動二輪車、スノーモービル、または、船舶内に配置されたエンジンに本発明のエンジン始動装置を適用してもよい。
また、上記実施形態では、マニュアルスタータ部20に、ロープ22が巻回されたロープリール部21を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、マニュアルスタータ部に、クランク軸に接続されたキックレバーを設けて、マニュアルスタータ部をキックスタータとして構成してもよい。
また、上記実施形態では、図12に示すように、クランク角検出のために、FWM15の外周に1つの突起を設けて、クランクセンサ14aを、FWM15の1回転につき1回、ローレベル信号を出力するとともに、回転角センサ33の信号を用いるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、図16に示す第3変形例のように、FWM(ロータ)の外周に11個の突起を30度角度間隔に配置することにより、欠歯を検出するように構成してもよい。これにより、クランクセンサからの1つの波形のみにより、基準位置(欠歯の位置)および所定の角度分解能(30度)を検出することが可能となり、クランク角が検出することができる。
1 エンジン、9a カウリング(船外機本体)、9b ケース部(船外機本体)、14 クランク軸、15 フライホイールマグネトー(ロータ)、16 燃料噴射装置(FIに関するアクチュエータ)、17 点火装置(FIに関するアクチュエータ)、20 マニュアルスタータ部、21 ロープリール部、22 ロープ、30 回転電機、32 ステータ、33 回転角センサ(回転角取得部)、40 240 340 ECU(回転電機制御部、駆動制御部)、50 バッテリー、100 200 300 船外機
Claims (19)
- クランク軸を有し、前記クランク軸がクランキング回転数以上に回転されることにより始動するエンジンと、
ロープが巻回され、前記クランク軸に接続されたロープリール部と、
前記クランク軸に接続された回転電機と、
前記回転電機を制御する回転電機制御部とを備え、
前記回転電機制御部は、前記ロープリール部が回転されることにより前記クランキング回転数が含まれる範囲であるクランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記回転電機により前記クランク軸の回転をアシストするアシスト制御を行うとともに、前記回転電機の力行回転数範囲を拡大させる力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている、船外機。 - 前記回転電機は、前記回転電機制御部により前記力行回転数範囲拡大制御が行われていない状態において、誘起電圧値がバッテリーの出力電圧値以上となる前記クランク軸の回転数である発電回転数範囲が、前記クランキング回転数範囲とオーバーラップするように構成されており、
前記回転電機制御部は、少なくとも前記オーバーラップする回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記誘起電圧値を前記出力電圧値よりも低下させるように前記力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、前記アシスト制御を行うように構成されている、請求項1に記載の船外機。 - 前記回転電機制御部は、バッテリーがアシスト可能な充電状態である場合に、前記アシスト制御を行うとともに、前記力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の船外機。
- 前記バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、前記ロープリール部が回転されることにより前記クランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転された場合に、前記回転電機からの電力が回生されるように構成されている、請求項3に記載の船外機。
- 前記エンジンは、フューエルインジェクションに関わるアクチュエータを含み、
前記アクチュエータの駆動を制御する駆動制御部をさらに備え、
前記バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、前記ロープリール部が回転されることにより前記クランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転された場合に、前記回転電機からの電力が、前記アクチュエータおよび前記駆動制御部に供給されるように構成されている、請求項3または4に記載の船外機。 - 前記回転電機制御部は、前記バッテリーがアシスト可能な充電状態でない場合で、かつ、前記ロープリール部が回転されることにより前記クランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転された場合に、前記回転電機からの電力により起動するように構成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の船外機。
- 前記回転電機制御部は、前記バッテリーがアシスト可能な充電状態である場合として前記バッテリーから印加される電圧値が所定の電圧値以上の場合に、前記アシスト制御を行うとともに、前記力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の船外機。
- 前記回転電機制御部は、前記アシスト制御を行っている場合に、前記クランキング回転数範囲内において、前記クランク軸の回転数が第1回転数未満の状態から、前記第1回転数以上の状態となったことに基づいて、前記力行回転数範囲拡大制御を開始するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の船外機。
- 前記回転電機制御部は、前記アシスト制御を行う場合に、前記クランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記回転電機を進角制御することにより、前記回転電機の誘起電圧値を低下させる前記力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の船外機。
- 前記回転電機制御部は、前記アシスト制御を行う場合に、前記クランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記回転電機への通電位相を第1の位相角から前記第1の位相角よりも大きい第2の位相角に切り替える制御を行うことにより、前記誘起電圧値を低下させる前記力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている、請求項9に記載の船外機。
- 前記回転電機は、3相交流の電力が供給されることにより回転するように構成されており、
前記回転電機制御部は、前記クランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記回転電機に電気角120度よりも大きい第1の通電期間を有する前記3相交流の電力を供給するとともに、前記アシスト制御を行うように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の船外機。 - 前記回転電機制御部は、前記クランキング回転数範囲内の第2回転数未満の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記回転電機に電気角120度以下の第2の通電期間を有する前記3相交流の電力を供給するとともに、前記アシスト制御を行い、前記クランキング回転数範囲内の前記第2回転数以上の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記第1の通電期間を有する前記3相交流の電力を供給するとともに、前記アシスト制御を行うように構成されている、請求項11に記載の船外機。
- 前記回転電機制御部は、前記クランキング回転数範囲よりも大きい回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記力行回転数範囲拡大制御を停止して、発電制御を行うように構成されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の船外機。
- 前記回転電機の回転角を取得する回転角取得部をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載の船外機。
- 前記回転電機制御部は、前記クランク軸の回転数が前記ロープリール部の回転数を超えた後に、継続して前記力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、前記回転電機にバッテリーから電力を供給して、前記クランク軸を回転させる制御を行うように構成されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の船外機。
- 前記エンジンは、燃料噴射装置および点火装置を含み、
前記回転電機制御部は、前記クランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記燃料噴射装置による燃料の噴射の後で、かつ、前記点火装置による初回の点火の後まで少なくとも継続して、前記力行回転数範囲拡大制御を行うとともに、前記回転電機にバッテリーから電力を供給する制御を行うように構成されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の船外機。 - 前記回転電機は、前記クランク軸に直結されたロータと、前記クランク軸の径方向に前記ロータと対向する位置に設けられたステータとを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の船外機。
- 船外機本体内に配置され、前記回転電機に電力を供給するとともに、前記回転電機から電力が回生されるバッテリーをさらに備える、請求項1〜17のいずれか1項に記載の船外機。
- クランク軸がクランキング回転数以上に回転されることにより始動するエンジンの前記クランク軸に接続され、人力により前記クランク軸を回転させるマニュアルスタータ部と、
前記クランク軸に接続された回転電機と、
前記回転電機を制御する回転電機制御部とを備え、
前記回転電機制御部は、前記マニュアルスタータ部により前記クランキング回転数が含まれる範囲であるクランキング回転数範囲内の回転数で前記クランク軸が回転されている状態で、前記回転電機により前記クランク軸の回転をアシストするアシスト制御を行うとともに、前記回転電機の力行回転数範囲を拡大する力行回転数範囲拡大制御を行うように構成されている、エンジン始動装置。
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