JP2019044121A - 撥水撥油性塗膜形成用複合粒子及びその製造方法並びに該複合粒子を用いた撥水撥油性塗膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面張力の高い水に対する撥水性を保持しつつ、表面張力の低いサラダ油、シリコーンオイル等に対する撥油性のある複合粒子及び塗膜の形成方法を提供する。【解決手段】平均一次粒子径が5〜100nmである無機粒子の表面にフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む被覆層が形成された樹脂被覆粒子が複数凝集して構成され、フッ素含有量が1.5〜7.5質量%であり、かつ体積基準の平均粒径(D50)が1〜100μmである撥水撥油性塗膜形成用複合粒子である。この複合粒子を溶媒に、溶媒100質量%に対して複合粒子を10〜20質量%の割合で、分散させて分散液を調製し、この分散液を基材表面に塗布して撥水撥油性塗膜を形成する方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、表面張力の高い水に対する撥水性を保持しつつ、表面張力の低いサラダ油、シリコーンオイル等に対して撥油性のある塗膜を形成するための複合粒子及びその製造方法並びにこの複合粒子を用いた撥水性と撥油性(以下、撥水撥油性ということもある。)のある塗膜を形成する方法に関するものである。
従来、この種の塗膜として、撥水性及び撥油性を付与するために材料の表面に形成される塗膜が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この塗膜は、金属酸化物複合粒子を含有し、この金属酸化物複合粒子は、金属酸化物粒子と、その表面に形成されたポリフルオロアルキルメタクリレート樹脂を含む被覆層とを含み、金属酸化物複合粒子のフッ素含有量(重量%)を金属酸化物粒子の表面積(m2/g)で除した値が0.025〜0.180である、ことを特徴とする。この塗膜は、金属酸化物複合粒子の炭素含有量(重量%)を金属酸化物粒子の表面積(m2/g)で除した値が0.05〜0.400であることが好ましく、また金属酸化物粒子の平均一次粒子径が5〜50nmであることが好ましく、更に金属酸化物粒子が酸化ケイ素粒子、酸化アルミニウム粒子及び酸化チタン粒子の少なくとも1種であることが好ましい特徴がある。特許文献1に示される塗膜によれば、水との接触角が142度以上、オリーブオイルとの接触角が138度以上であって、優れた撥水性及び撥油性をより確実に得ることができる。
特許第5242841号公報(請求項1〜請求項4、段落[0012]、段落[0103]の表2)
しかしながら、特許文献1に記載された塗膜は、オリーブオイルに対しては撥油性を示すものの、オリーブオイルよりも表面張力の低いサラダ油やシリコーンオイルに対しては、十分な撥油性を示すことができなかった。
本発明の目的は、表面張力の高い水に対する撥水性を保持しつつ、表面張力の低いサラダ油、シリコーンオイル等に対する撥油性のある撥水撥油性塗膜形成用複合粒子及びその製造方法並びにこの複合粒子を用いた撥水撥油性塗膜の形成方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、平均一次粒子径が5〜100nmである無機粒子の表面にフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む被覆層が形成された樹脂被覆粒子が複数凝集して構成され、フッ素含有量が1.5〜7.5質量%であり、かつ体積基準の平均粒径(D50)が1〜100μmである撥水撥油性塗膜形成用複合粒子である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、前記複合粒子の炭素含有量が2.0〜10.0質量%である複合粒子である。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、前記無機粒子が酸化物、水酸化物、フッ化物、窒化物及び複合酸化物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の粒子である複合粒子である。
本発明の第4の観点は、第3の観点に基づく発明であって、前記無機粒子が乾式粒子である複合粒子である。
本発明の第5の観点は、平均一次粒子径が5〜100nmである無機粒子を反応槽に入れ、前記反応槽内で前記無機粒子を不活性ガス雰囲気下で撹拌しながらフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む液を、噴霧量が前記無機粒子100質量部に対して前記樹脂成分が7.5〜25.0質量部になるように、噴霧しながら150〜220℃の温度で30〜120分間熱処理して、前記無機粒子の表面をフルオロアルキルアクリレート樹脂層又はフルオロアクリレート樹脂層で被覆することにより樹脂被覆粒子を形成するとともに前記樹脂被覆粒子を凝集して、第1ないし第4のいずれかの観点の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子を製造する方法である。
本発明の第6の観点は、第1ないし第4のいずれかの観点の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子或いは第5の観点の方法で製造された撥水撥油性塗膜形成用複合粒子を溶媒に、溶媒100質量%に対して前記複合粒子を10〜20質量%の割合で、分散させて分散液を調製し、前記分散液を基材表面に塗布して撥水撥油性塗膜を形成する方法である。
本発明の第7の観点は、第6の観点に基づく発明であって、前記形成された撥水撥油性塗膜に対する、水の接触角が25℃で110度以上、サラダ油の接触角が25℃で120度以上、シリコーンオイルの接触角が25℃で60度以上である撥水撥油性塗膜の形成方法である。
本発明の第1の観点に基づく発明では、平均一次粒子径が5〜100nmの無機粒子がフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む被覆層で被覆されて樹脂被覆粒子が形成される。無機粒子の平均一次粒子径が5〜100nmであることにより樹脂被覆粒子が凝集した単一の複合粒子の表面に、図1(a)に示すように数nm〜数十nm間隔の凹凸構造(近似的なフラクタル構造)が形成される。また平均粒径(D50)が1〜100μmの単一の複合粒子が一列に並んだ状態では、図1(b)に示すように、複合粒子間には数十μm間隔の凹凸構造(近似的なフラクタル構造)が形成される。こうした階層的な凹凸構造が物理的に複合粒子に撥水撥油性を発現させる。一方、無機粒子が特許文献1に示されるポリフルオロアルキルメタクリレート樹脂と異なるフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂で被覆されるため、化学的に複合粒子に撥水撥油性を発現させる。
本発明のフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂では、アクリレートが特許文献1のメタクリレートのメチル基と比べて、(1) 遊離基(フリーラジカル)の発生が促進されるとともに、(2) 化学構造式における結合部の回転が容易で分子運動性が高くなる。これらの効果から、表面張力を低下させる能力の高いフルオロアルキル基(以下、Rf基ともいう。)がより微細な無機粒子の表面に高い密着力で結合し、無機粒子を被覆する被覆層を形成する。複合粒子のフッ素含有量を所定の範囲にすることもあって、結果として複合粒子を含む分散液で形成した塗膜は、表面張力がオリーブオイルよりも低いサラダ油、シリコーンオイル等の液体を弾くことができる。また複合粒子の平均粒径(D50)を所定の範囲にすることにより、上記物理的な効果に加えて、複合粒子を含む分散液で形成した塗膜は、所望の厚さで均一になり、優れた撥水撥油性を発現する。
本発明の第2の観点に基づく発明では、複合粒子の炭素含有量を所定の範囲にすることにより、複合粒子を含む分散液で形成した塗膜は、より優れた撥水撥油性を発揮する。
本発明の第3の観点に基づく発明では、無機粒子として、シリカを初めとした酸化物粒子以外に、水酸化物、フッ化物、窒化物、複合酸化物等の粒子を用いた場合でも、複合粒子を含む分散液で形成した塗膜は、優れた撥水撥油性を発揮する。
本発明の第4の観点に基づく発明では、無機粒子が乾式粒子である場合には、乾式粒子が凝集した複合粒子において、より優れた撥水撥油性を発揮する。
本発明の第5の観点に基づく発明では、無機粒子を不活性ガス雰囲気中で撹拌しながら、フルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む液を、無機粒子100質量部に対して樹脂成分が所定の噴霧量になるように、噴霧しながら熱処理することにより、無機粒子の表面が所定の厚さでフルオロアルキルアクリレート樹脂層又はフルオロアクリレート樹脂層で均一に被覆され、樹脂被覆粒子が形成される。また撹拌により樹脂被覆粒子が凝集して複合粒子を製造することができる。
本発明の第6の観点に基づく発明では、本発明の複合粒子を所定の割合で溶媒に分散させて分散液を調製し、この分散液を基材表面に塗布することにより撥水撥油性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明の第7の観点に基づく発明では、形成された塗膜に対する、水の接触角が25℃で110度以上、サラダ油の接触角が25℃で120度以上、シリコーンオイルの接触角が25℃で60度以上であるため、表面張力の低い油(オイル)に対しても優れた撥水撥油性を発揮する。
本発明の実施形態の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子の模式図である。図1(a)は単一の複合粒子の模式図であり、図1(b)は複数の複合粒子が一列に並んだ状態の模式図であり、図1(c)は一列に並んだ複数の複合粒子の階層的な凹凸構造を示す模式図である。 実施例6の複合粒子を用いた塗膜表面におけるシリコーンオイルの撥油性を接触角で示す写真図である。 比較例2の複合粒子を用いた塗膜表面におけるシリコーンオイルの撥油性を接触角で示す写真図である。 実施例3の複合粒子をSEMにて観察した倍率3,000倍の写真図である。 比較例10のフルオロアルキルアクリレート樹脂のみからなる粒子のSEMにて観察した倍率3,000倍の写真図である。 実施例1〜8の複合粒子を用いた塗膜表面における水の撥水性、サラダ油及びシリコーンオイルの各撥油性を接触角で示す写真図である。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
〔無機粒子〕
本発明の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子を構成する無機粒子は、平均一次粒子径が5〜100nm、好ましくは10〜50nm、より好ましくは12〜30nmである。平均一次粒子径が下限値の5nm未満では、後述するように、無機粒子から複合粒子を作製したときに、複合粒子の表面が凹凸構造(近似的なフラクタル構造)にならず、複合粒子表面が撥水撥油性にならない不具合があり、上限値の100nmを超えると、隣り合う複合粒子間の空間距離が大きくなり過ぎてしまい、複合粒子による近似的フラクタル構造を取りにくくなり、撥水撥油性を発揮し難い不具合が発生する。無機粒子の平均一次粒子径は、一般的な走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子株式会社製 型式名:JSM-7001F等)を用いて50,000倍で無機粒子を撮影した後、その写真図中の無機粒子について、無作為に50個以上の粒子径を測定してその平均を求めた値である。この無機粒子は凝集粒子であることが近似的フラクタル構造を形成するので、好ましい。
この無機粒子を例示すれば、酸化物、水酸化物、フッ化物、窒化物及び複合酸化物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の粒子である。具体的には、こうした粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、天然スメクタイト、合成スメクタイト、バーミキュライト、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカとチタニアの複合酸化物等が例示される。また無機粒子は乾式粒子であることが好ましい。乾式粒子とは気相法で製造された粒子である。この中でも、乾式シリカ粒子、乾式チタニア粒子、乾式アルミナ粒子が好ましい。乾式シリカ粒子としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されるシリカであって、四塩化ケイ素等のケイ素化合物や金属ケイ素を火炎中、例えば酸水素火炎中で燃焼して製造される(噴霧火炎法で製造される)ヒュームドシリカが、溶媒を使用せず、乾燥時に凝集粒子を生成しないため、好ましい。
〔フルオロ(アルキル)アクリレート樹脂を含む被覆層〕
本発明の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子を構成する無機粒子の表面に形成される被覆層は、フルオロ(アルキル)アクリレート樹脂、即ちフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む。本発明の特徴ある点は、特許文献1に示されるポリフルオロアルキルメタクリレート樹脂と異なるフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を被覆層とすることにある。特許文献1の「メタクリレート」を本発明の「アクリレート」にすることにより、前述したように、(1) 遊離基(フリーラジカル)の発生が促進されるとともに、(2) 化学構造式における結合部の回転が容易で分子運動性が高くなる。これらの効果から、表面張力を低下させる能力の高いRf基がより微細な無機粒子の表面に高い密着力で結合し、無機粒子を被覆する被覆層を形成する。無機粒子とこの被覆層を有する樹脂被覆粒子が凝集した複合粒子を含む分散液で形成した塗膜は、表面張力がオリーブオイルよりも低いサラダ油、シリコーンオイル等の液体を弾くことができる。特許文献1に示されるポリフルオロアルキルメタクリレート樹脂を被覆層とする複合粒子を含む分散液で、また本発明の(ポリ)フルオロアルキルアクリレート樹脂を被覆層とする複合粒子を含む分散液で、それぞれガラス板に塗布したときのガラス板上の塗膜と各液滴との接触角の比較を次の表1に示す。
フルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂としては、エチル2−フルオロアクリレート、フェニル2−フルオロアクリレート、3−フルオロプロピルアクリレート、2.2−ジフルオロエチルアクリレート、メチル3.3−ジフルオロアクリレート、2−フルオロエチルアクリレート、メチル2−フルオロアクリレート、1H,1H−パーフルオロノニルアクリレート、メチル2,3,3−トリフルオロアクリレート、ペンタフルオロベンジルアクリレート、ペンタフルオロフェニルアクリレート、tert−ブチル2−フルオロアクリレート、メチル2−フルオロアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、メチル3−(4−フルオロフェニル)アクリレート、3−(トリフルオロメチル)ベンジルアクリレート、1H,1H−パーフルオロオクチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、ヘプタフルオロイソプロピルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、ヘキサフルオロビスフェノール A ジアクリレート、1H,1H−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル−2−フルオロアクリレート、メチル3−(2,4−ジフルオロフェニル)アクリレート、エチル(2E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリレート、2,2,2−トリクロロエチル−2−フルオロアクリレート、1H,1H−ペンタフルオロブチル−2−フルオロアクリレート、メチル2−(トリフルオロメチル)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、tert−ブチル2−(トリフルオロメチル)アクリレート、(E)−メチル3−(2,5−ジフルオロフェニル)アクリレート、(E)−メチル3−(3,5−ジフルオロフェニル)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロフェニルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート等が挙げられる。またフルオロアルキルアクリレート又はフルオロアクリレートの市販品として、例えば、製品名「CHEMINOX FAAC−4」、「CHEMINOX FAAC−6」(以上、ユニマテック社製)、製品名「TG−8111」、「TG−8731」、「GMW−605」(以上、ダイキン工業社製)、製品名「CB71445188」、「CB51457934」、「CB3449325」(以上、Maya High Purity Chemicals社製)、「AB279005」、「AB358507」、「AB358573」、「AB103903」(以上、Abcr GmbH&Co.,KG製)、「474487」、「474347」、「474355」、「474428」、「470961」、「474452」、「474401」、「443751」(以上、Sigma−Aldrich社製)、「ADE000791」、「ADE000110」、「ADE001060」、「553867」、「698385」(以上、Sigma−RBI社製)等が挙げられる。なお、本発明のフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂のフルオロアルキルアクリレート又はフルオロアクリレートはモノマーに限らず、ポリマーをも含む。
〔撥水撥油性塗膜形成用複合粒子〕
図1(a)に示すように、本発明の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子10は、無機粒子11の表面にフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む被覆層12が形成された樹脂被覆粒子13が複数凝集して構成される。複合粒子の体積基準の平均粒径(D50)は1〜100μm、好ましくは5〜20μmである。複合粒子の体積基準の平均粒径(D50)は一般的なレーザー回折/散乱式による粒子径分布測定装置(例えば、堀場製作所社製LAシリーズ(型番:LA-920)等)により測定する。上述した無機粒子の平均一次粒子径が5〜100nmであることにより、図1(a)に示すように、複合粒子の表面には数nm〜数十nmの凹凸構造(近似的なフラクタル構造)が形成される。更に複合粒子の平均粒径(D50)が1〜100μmであることにより、図1(b)に示すように、複数の複合粒子10、10,…、が一列に並んだ状態で、複合粒子間に数十μmの空間を形成し、図1(c)に示すように、並んだ複数の複合粒子表面の凹凸構造が階層的になり、これらの複合粒子表面が撥水撥油性を呈するようになる。複合粒子の平均粒径 (D50)が1μm未満又は100μmを超えると、複合粒子表面に凹凸構造(近似的なフラクタル構造)が形成されなくなる。
また複合粒子におけるフッ素含有量は、複合粒子100質量%に対して1.5〜7.5質量%、好ましくは3.0〜7.5質量%、より好ましくは3.0〜6.0質量%である。また複合粒子における炭素含有量は、複合粒子100質量%に対して2.0〜10.0質量%、好ましくは4.0〜8.0質量%、より好ましくは3.5〜6.0質量%である。フッ素含有量が1.5質量%未満では、所望の撥水撥油性が得られない。また炭素含有量が2.0質量%未満では、複合粒子表面に十分なフッ素樹脂成分がコーティングされにくく、撥水撥油機能が発揮されにくい。更にフッ素含有量の上限値を7.5質量%とするのは、7.5質量%を超えても複合粒子の撥水撥油機能は不変であり、過剰のフッ素樹脂の使用を回避するためである。また炭素含有量が10.0質量%を超えると、複合粒子粉体に含まれる炭素含有量が多すぎることに起因して粉塵爆発のおそれがある。本発明では、優れた撥水撥油性を達成するためにフッ素含有量を所定の範囲内に設定し、更により優れた撥水撥油性を実現するためには炭素含有量も所定の範囲内に設定することが好ましい。これらの所定の範囲は、無機粒子の表面を被覆するフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂の多寡に依存する。
本発明の複合粒子中のフッ素含有量は、複合粒子の検体を1000℃の電気炉で焼成し、生成するガスを水蒸気蒸留で回収し、その回収液をイオンクロマトグラフにてフッ素イオンとして検出し、定量することにより求められる。また本発明の複合粒子中の炭素含有量は、複合粒子を有機溶剤で抽出した炭素成分である。具体的には、一般的な炭素分析装置(例えば、SUMIGRAPH NC-22 (株)住化分析センター製等)を用いてこの炭素含有量は次のように測定する。秤量を完了した標準試料及び測定試料の入ったボードを装置にセットし、測定を開始する。測定データ処理プログラムにて最終結果まで自動計算される。そのときに自動計算された炭素量を評価する。炭素量を測定する際には、事前に表面処理された試料をソックスレー抽出を行った試料で測定を行う。ソックスレー抽出は、抽出に用いる溶媒を加熱する毎に蒸留し、試料を入れた部分で受け取り、蒸留された溶媒の量が増えるにつれて、サイホンの原理により必要量以上に溜まった溶媒は全て蒸留前のフラスコに戻るが、その間に試料からの抽出する操作である。
〔撥水撥油性塗膜形成用複合粒子の製造方法〕
本発明の撥水撥油性塗膜形成用の複合粒子は、上述した無機粒子を反応槽に入れ、この反応槽内で無機粒子を窒素ガス、アルゴンガスのような不活性ガス(非酸化性)雰囲気下で撹拌しながらフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む液を、噴霧量が無機粒子100質量部に対して樹脂成分が7.5〜25.0質量部、好ましくは10.0〜15.0質量部になるように、噴霧しながら150〜220℃、好ましくは180〜200℃の温度で30〜120分間、好ましくは60〜90分間熱処理して、無機粒子の表面をフルオロアルキルアクリレート樹脂層又はフルオロアクリレート樹脂層で被覆することにより樹脂被覆粒子を形成するとともに樹脂被覆粒子を凝集して、製造する。或いは上記フルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂と無機粒子を混合し、溶媒を乾燥させることによって製造する。好ましくは、流動させながら、150〜220℃、好ましくは180〜200℃の温度で乾燥させることによって製造する。
フルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む液は、樹脂を含む液100質量%に対して液成分を10〜25質量%含む。液成分としては水が好適に用いられる。液成分が下限値未満では、樹脂を含む液の濃度が高すぎて、無機粒子の表面に均一に樹脂層が形成されにくく、上限値を超えると、樹脂を含む液の濃度が低すぎて、噴霧量を増大する必要がある。上記熱処理の温度と時間は、液成分の含有割合に応じて決められるが、熱処理温度が180℃未満又は熱処理時間が30分未満では、無機粒子の表面に樹脂層が殆ど形成されず、また熱処理温度が220℃を超えるか、熱処理時間が120分を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎ、いずれの場合でも、撥水撥油性のある複合粒子が得られない。
フルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む液の噴霧を、噴霧量が無機粒子100質量部に対して樹脂成分が7.5〜25.0質量部になるように行うのは、噴霧量が7.5質量部未満では、被覆層の厚さが不十分になり、被覆層中のフッ素含有量、炭素含有量が少なく、撥水撥油性を発揮しなくなる。また噴霧量が25.0質量部を超えると、複合粒子表面に覆われたフッ素樹脂成分が過多になり、微粒子によって形成されたフラクタルな構造が樹脂によって相殺(表面がより平滑になって、薄まって)しまい、高い撥油性を発揮しないおそれがある。
無機粒子を撹拌しながら上記樹脂を含む液を噴霧し加熱処理すると、樹脂を含む液中の液成分が蒸発し、無機粒子の表面にポリフルオロアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む被覆層が形成される。また、例えば、必要に応じて、更に噴霧工程及び熱処理工程からなる一連の工程を1回又は2回以上繰り返し行ってもよい。これにより被覆量の厚さが制御され、フッ素含有量、炭素含有量を所望の範囲に調整することができる。
〔撥水撥油性塗膜の形成方法〕
本発明の撥水撥油性塗膜は、上述した複合粒子を溶媒に、溶媒100質量%に対して前記複合粒子10〜20質量%の割合で、分散させて分散液を調製し、この分散液を基材表面に塗布することにより、形成される。この分散液には、接着剤(ヒートシール剤等)、着色剤、分散剤、沈降防止剤、粘度調整剤、印刷保護剤等を含ませてもよい。上記溶媒としては、接着剤等を含まない場合には、水又はアルコールが例示される。アルコールとしては、炭素数が1〜4である1種又は2種以上のアルコールが好ましい。接着剤等を含む場合には、溶媒として、アルコール(エタノール)、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、IPA、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ペンタメチレングリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコール等の有機溶剤が用いられる。
接着剤としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等の接着剤(特にヒートシール剤)等を挙げることができる。ヒートシール剤としては、より具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他の熱接着性樹脂のほか、これらのブレンド樹脂、これらを構成するモノマーの組合せを含む共重合体、変性樹脂等をヒートシール剤として用いることができる。
また基材としては、撥水撥油処理を必要とする金属材、プラスチック材、セラミック材、ガラス材、表面加工した木材、加工紙等が挙げられる。基材表面に塗布した分散液を塗布した後、溶媒が水又はアルコールである場合、室温で放置して自然乾燥することにより、基材表面に撥水撥油性塗膜を形成する。分散液に接着成分としてヒートシール剤が含まれる場合、基材表面上の塗膜を150〜250℃程度の範囲内で熱処理することによって、ヒートシール剤を溶融させて塗膜を材料表面に強固に固定することができる。
上記基材表面に上記分散液を塗布し、自然乾燥するか、又は所定の温度で乾燥した後、加熱処理して基材表面に塗膜を形成することができる。分散液を基材表面に塗布する方法としては、バーコート法、ダイコート法、スピンコート法又はスプレー法、ドクターブレード法等が例示される。塗膜の厚さは、0.5〜30μmの範囲内で決められる。特に、包装材料としてヒートシール時にヒートシール層中に塗膜が埋め込まれる構成とする場合は、1〜8μm程度とすることが好ましい。
〔撥水撥油性塗膜の性状〕
本発明の撥水撥油性塗膜は、塗膜表面が複合粒子による凹凸構造(近似的なフラクタル構造)を有していることが好ましい。より具体的には、複数の複合粒子が連なることによって形成された空隙と粒子本体により形成される表面を有することが望ましい。これにより、複合粒子が所定の被覆層を有すると相まって、より優れた撥水性と撥油性を発揮することが可能となる。即ち、凹凸構造の表面が前記被覆層により実質的に構成される結果、より優れた撥水性と撥油性を発揮することができる。この場合、凹凸構造の形成に寄与する粒子としては、本発明の効果を妨げない範囲において、複合粒子以外の微粒子を含んでもよい。なお、塗膜表面の凹凸構造は、走査型電子顕微鏡で観察することができる。後記の実施例3を代表例として図4に示す。
上記方法で形成された塗膜の撥水撥油性は、塗膜に対する、25℃における水、サラダ油、シリコーンオイルの接触角で示される。本発明の塗膜の撥水撥油性は、水の接触角が25℃で110度以上、サラダ油の接触角が25℃で120度以上、シリコーンオイルの接触角が25℃で60度以上である。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
〔20種類の樹脂〕
本発明の実施例1〜15及び比較例1〜12に用いられる合計20種類の樹脂を以下の表2及び表3に示す。表2には、14種類の(ポリ)フルオロ(アルキル)アクリレート樹脂(No.1〜No.14)を、表3には、6種類の(ポリ)フルオロアルキルメタクリレート樹脂(No.21〜No.26)をそれぞれ示す。
<実施例1>
無機粒子として、前述の例示した走査型電子顕微鏡を用いて求めた平均一次粒子径(以下、平均一次粒子径の測定方法については同じ。)が80〜100nmの乾式シリカであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製:試作品)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して、表2に示されるNo.1のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液37.5g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、200℃で30分間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂被覆粒子が凝集した複合粒子を作製した。上記樹脂成分の噴霧量は上記シリカ粒子100質量部に対して7.5質量部であった。実施例2以降の樹脂成分の噴霧量は表4に示される。
<実施例2>
無機粒子として、平均一次粒子径が40nmの乾式シリカであるヒュームドシリカ(商品名:AEROSIL OX 50、日本アエロジル社製)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.2のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液50g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、150℃で60分間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂被覆粒子が凝集した複合粒子を作製した。
<実施例3>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.3のポリフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液60g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。実施例3の複合粒子をSEMにて観察した倍率3,000倍の写真図を図4に示す。
<実施例4>
無機粒子として、平均一次粒子径が12nmの乾式シリカであるヒュームドシリカ(商品名:AEROSIL 200、日本アエロジル社製)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.4のポリフルオロアルキルアクリレート樹脂とNo.6のポリフルオロアクリレート樹脂(No.4:No.6の質量比=2:1)の混合樹脂の水分散液75g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例5>
無機粒子として、平均一次粒子径が5nmの乾式シリカであるヒュームドシリカ(商品名:AEROSIL 380 S、日本アエロジル社製)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.5のポリフルオロアルキルアクリレート樹脂とNo.7のフルオロアルキルアクリレート樹脂(No.5:No.7の質量比=2:1)の混合樹脂の水分散液100g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例6>
無機粒子として、平均一次粒子径が30nmの乾式シリカであるヒュームドシリカ(商品名:AEROSIL 50、日本アエロジル社製)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.6のポリフルオロアクリレート樹脂とNo.9のフルオロアルキルアクリレート樹脂(No.6:No.9の質量比=1:1)の混合樹脂の水分散液125g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例7>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.4のポリフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液60g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例8>
無機粒子として、平均一次粒子径が20nmの乾式アルミナ(商品名:AEROXIDE Alu 65、日本アエロジル社製)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのアルミナ粒子100gに対して表2に示されるNo.9のフルオロアクリレート樹脂とNo.12のフルオロアルキルアクリレート樹脂(No.9:No.12の質量比=1:1)の混合樹脂の水分散液60g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例9>
無機粒子として、平均一次粒子径が20nmの乾式チタニア(商品名:AEROXIDE P 25、日本アエロジル社製)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのチタニア粒子100gに対して表2に示されるNo.11のフルオロアルキルアクリレート樹脂とNo.14のフルオロアルキルアクリレート樹脂(No.11:No.14の質量比=1:1)の混合樹脂の水分散液60g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例10>
無機粒子として、平均一次粒子径が100nmのゾルゲル法で作られた湿式シリカ(日本アエロジル社製:試作品)を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのゾルゲルシリカ粒子100gに対して、表2に示されるNo.5のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液30g(液成分濃度:25質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例11>
無機粒子として、平均一次粒子径が30nmの水酸化アルミニウムを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこの水酸化アルミニウム粒子100gに対して、表2に示される No.6のポリフルオロアクリレート樹脂とNo.9のフルオロアルキルアクリレート樹脂(No.6:No.9の質量比=1:1)の混合樹脂の水分散液125gを噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例12>
無機粒子として、平均一次粒子径が15〜40nmのフッ化カルシウムを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのフッ化カルシウム粒子100gに対して、表2に示されるNo.9のフルオロアクリレート樹脂とNo.12のフルオロアルキルアクリレート樹脂(No.9:No.12の質量比=1:1)の混合樹脂の水分散液60gを噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例13>
無機粒子として、平均一次粒子径が5nmのフッ化マグネシウムを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのフッ化マグネシウム粒子100gに対して、表2に示されるNo.5のポリフルオロアルキルアクリレート樹脂とNo.7のフルオロアルキルアクリレート樹脂(No.5:No.7の質量比=2:1)の混合樹脂の水分散液100gを噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例14>
無機粒子として、平均一次粒子径が100nmの窒化ホウ素粒子を用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこの窒化ホウ素粒子100gに対して、表2に示されるNo.1のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液37.5g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<実施例15>
無機粒子として、平均一次粒子径が20〜30nmのシリカとチタニアの複合酸化物(日本アエロジル社製:試作品) 用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ/チタニア複合酸化物粒子100gに対して、表2に示されるNo.2のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液50g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例2と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例1>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して実施例1と同一の表2に示されるNo.1のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液37.5g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例2>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して特許文献1に示されるのと同じ表3に示されるNo.22のフルオロアルキルメタクリレートの水分散液37.5g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例3>
無機粒子として、実施例2と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して特許文献1に示されるのと同じ表3に示されるNo.23のポリフルオロアルキルメタクリレートの水分散液50g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例4>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して特許文献1に示されるのと同じ表3に示されるNo.21のフルオロアルキルメタクリレート樹脂とNo.24のポリフルオロアルキルメタクリレート樹脂(No.21:No.24の質量比=1:1)の混合樹脂の水分散液60g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例5>
無機粒子として、実施例4と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して特許文献1に示されるのと同じ表3に示されるNo.22のフルオロアルキルメタクリレート樹脂とNo.26のフルオロアルキルメタクリレート樹脂(No.22:No.26の質量比=2:1)の混合樹脂の水分散液75g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例6>
無機粒子として、実施例5と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して特許文献1に示されるのと同じ表3に示されるNo.23のポリフルオロアルキルメタクリレート樹脂とNo.25のフルオロアルキルメタクリレート樹脂(No.23:No.25の質量比=2:1)の混合樹脂の水分散液100g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例7>
無機粒子として、実施例6と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して特許文献1に示されるのと同じ表3に示されるNo.24のポリフルオロアルキルメタクリレート樹脂とNo.25のフルオロアルキルメタクリレート樹脂(No.24:No.25の質量比=2:1)の混合樹脂の水分散液125g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、以下、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。
<比較例8>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.9のフルオロアクリレート樹脂の水分散液60g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、300℃で30分間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂被覆粒子が凝集した複合粒子を作製した。
<比較例9>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.13のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液60g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、120℃で30分間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂被覆粒子が凝集した複合粒子を作製した。
<比較例10>
無機粒子を用いることなく、表2に示されるNo.2のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液100g(液成分濃度:20質量%)を、以下、実施例1と同様にして、樹脂粒子を作製した。フルオロアルキルアクリレート樹脂のみからなる粒子のSEMにて観察した倍率3,000倍の写真図を図5に示す。
<比較例11>
無機粒子として、実施例1と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.11のフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液37.5g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、200℃で180分間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂被覆粒子が凝集した複合粒子を作製した。
<比較例12>
無機粒子として、実施例4と同一の乾式シリカを用いて、これを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらこのシリカ粒子100gに対して表2に示されるNo.3のポリフルオロアルキルアクリレート樹脂の水分散液150g(液成分濃度:20質量%)を噴霧し、200℃で180分間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂被覆粒子が凝集した複合粒子を作製した。
実施例1〜15及び比較例1〜12における無機粒子の種類と平均一次粒子径、被覆層の樹脂の種類と樹脂液噴霧量の割合を以下の表4に示す。
実施例1〜15及び比較例1〜9、11、12で得られた乾式シリカ、乾式アルミナ、乾式チタニア、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、窒化ホウ素、シリカとチタニアの複合酸化物の無機粒子から作られた26種類の複合粒子及び比較例10の樹脂粒子のフッ素含有量、炭素含有量及び体積基準の平均粒径(D50)を前述の例示した方法で測定した。また27種類の複合粒子及び樹脂粒子をそれぞれエタノール100質量%に対して7質量%の割合で添加し、均一に分散させて分散液を調製し、この分散液をガラス板の表面にバーコーターにより塗布し、105℃のオーブン中に20秒間加熱し、厚さ60μmの27種類の塗膜を形成した。そして、27種類の塗膜に対する水の接触角、サラダ油の接触角、シリコーンオイルの接触角を、市販の測定装置(協和界面科学社製 接触角計、「Drop Master DM-301」)を用いて測定した。具体的には、シリンジに25℃のイオン交換水と、サラダ油と、2種類の異なる粘度(300cs、100cs)を有するシリコーンオイルを準備し、静止状態で水、サラダ油、シリコーンオイルが膜表面に触れた後の接触角を測定した。
フッ素含有量、炭素含有量及び体積基準の平均粒径(D50)の測定結果を前記の表4に、水、サラダ油、シリコーンオイルの測定結果を以下の表5にそれぞれ示す。また実施例6及び比較例2の塗膜表面におけるシリコーンオイルの撥油性を示す写真図を図2及び図3にそれぞれ示す。更に実施例1〜8の水、サラダ油、100csのシリコーンオイルの各接触角の写真図を図6に示す。
図4及び図5から明らかなように、実施例3の複合粒子は無機粒子がいくつか集まって形成されているため、複合粒子表面に微細な凹凸によるフラクタルな表面を有する形態であるのに対して、比較例10の樹脂粒子は樹脂のみで形成されているため、表面は平滑でフラクタルな表面を有しない形態であった。
表4及び表5から明らかなように、比較例1では、樹脂成分の噴霧量が5.0質量部であったため、フッ素含有量、炭素含有量が少なくなり、水及びシリコーンオイルの各接触角が低かった。
比較例2〜7では、被覆層が特許文献1に示される(ポリ)フルオロ(アルキル)メタクリレート樹脂で形成されるため、いかなる条件で複合粒子を形成しても、シリコーンオイルは弾かず撥油性は低かった。比較例2の複合粒子のシリコーンオイルに対する撥油性を図3に示す。
比較例8では、樹脂を含む液を噴霧後、300℃の高温で熱処理したため、樹脂が熱分解して、撥水撥油性が得られなかった。
比較例9では、樹脂を含む液を噴霧後、120℃の低温で熱処理したため、樹脂成分の乾燥が十分にされず、水分が複合粒子中に残存している状態であったため、撥水撥油性が得られなかった。
比較例10では、樹脂粒子が樹脂のみで形成され、表面は平滑でフラクタルな表面を有しない形態であったため、サラダ油及びシリコーンオイルに対する接触角は75〜77度程度あったが、水に対する接触角は0度であった。
比較例11では、樹脂を含む液を噴霧後、200℃で180分間の長時間熱処理したため、フッ素樹脂(No.11)成分の一部が長時間の熱安定性に乏しく分解して、水とサラダ油に対する接触角はそれぞれ150度、143度であったが、シリコーンオイルに対する接触角は45度程度で低く、撥油性が得られなかった。
比較例12では、樹脂を含む液を多量に噴霧後熱処理したため、複合粒子表面に覆われたフッ素樹脂成分が過多になり、微粒子によって形成されたフラクタルな構造が表面に覆われる樹脂によって相殺(表面がより平滑になって、構造効果が薄まって)されてしまい、サラダ油に対する接触角は144度であったが、水とシリコーンオイルに対する接触角はそれぞれ100度、40度で低く、高い撥水性、撥油性が得られなかった。
これに対して、実施例1〜15では、本発明の第5の観点に記載された要件で製造された複合粒子は、無機粒子の種類によらず樹脂液噴霧量が所定量であれば、無機粒子の表面が(ポリ)フルオロ(アルキル)メタクリレート樹脂を含む所定の厚さの被覆層で形成されるため、水及びサラダ油に対する接触角が大きいことは勿論のこと、シリコーンオイルに対しても接触角が大きく、撥水撥油性を示すことが分かった。特に表4、表5及び図2の実施例6から明らかなように、(ポリ)フルオロ(アルキル)アクリレート樹脂量に応じて、ガラス塗膜とシリコーンオイルとの接触角が大きくなるというシリコーンオイルの撥油性効果が高くなることが分かった。
本発明の撥水撥油性塗膜は、電子材料、建築、輸送機器、事務用品、日用品、台所用品、トイレタリー用品、医療用品等の撥水撥油性を要求される分野で利用される。

Claims (7)

  1. 平均一次粒子径が5〜100nmである無機粒子の表面にフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む被覆層が形成された樹脂被覆粒子が複数凝集して構成され、フッ素含有量が1.5〜7.5質量%であり、かつ体積基準の平均粒径(D50)が1〜100μmである撥水撥油性塗膜形成用複合粒子。
  2. 前記複合粒子の炭素含有量が2.0〜10.0質量%である請求項1記載の複合粒子。
  3. 前記無機粒子が酸化物、水酸化物、フッ化物、窒化物及び複合酸化物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の粒子である請求項1又は2記載の複合粒子。
  4. 無機粒子が乾式粒子である請求項3記載の複合粒子。
  5. 平均一次粒子径が5〜100nmである無機粒子を反応槽に入れ、前記反応槽内で前記無機粒子を不活性ガス雰囲気下で撹拌しながらフルオロアルキルアクリレート樹脂又はフルオロアクリレート樹脂を含む液を、噴霧量が前記無機粒子100質量部に対して前記樹脂成分が7.5〜25.0質量部になるように、噴霧しながら150〜220℃の温度で30〜120分間熱処理して、前記無機粒子の表面をフルオロアルキルアクリレート樹脂層又はフルオロアクリレート樹脂層で被覆することにより樹脂被覆粒子を形成するとともに前記樹脂被覆粒子を凝集して、請求項1ないし4いずれか1項に記載の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子を製造する方法。
  6. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の撥水撥油性塗膜形成用複合粒子或いは請求項5に記載の方法で製造された撥水撥油性塗膜形成用複合粒子を溶媒に、溶媒100質量%に対して前記複合粒子10〜20質量%の割合で、分散させて分散液を調製し、前記分散液を基材表面に塗布して撥水撥油性塗膜を形成する方法。
  7. 前記形成された撥水撥油性塗膜に対する、水の接触角が25℃で110度以上、サラダ油の接触角が25℃で120度以上、シリコーンオイルの接触角が25℃で60度以上である請求項6記載の撥水撥油性塗膜の形成方法。
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