JP2019043883A - アルキルリチウム、化合物の製造方法、ポリマー、及びポリマーの製造方法 - Google Patents

アルキルリチウム、化合物の製造方法、ポリマー、及びポリマーの製造方法 Download PDF

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愛一郎 永木
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Mai Furusawa
真維 古澤
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Abstract

【課題】官能基又は脂環族基を有する新規なアルキルリチウムなどの提供。【解決手段】式(1)で表されるアルキルリチウム。(R1は、式(1−1)で表される基又は式(1−2);R2は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基;R3及びR4は、各々独立に、H、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基;Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が、式(1)におけるLi原子に結合している基)【選択図】図1

Description

本発明は、種々の有機化合物の合成に有用な、新規のアルキルリチウム、それを用いた化合物の製造方法、及びそれを用いたリビングアニオン重合によるポリマーの製造方法、並びに狭分子量分布のポリマーに関する。
sp炭素−リチウム結合を有する有機リチウム種(アルキルリチウム種)は、対応する他の有機金属種(マグネシウム、亜鉛など)と比較して反応性が高いため、様々な反応に利用される。なかでも、アルキルリチウム種は、その反応性の高さからリチオ化反応やアニオン重合などの様々な反応に利用されている活性種である。
例えば、アルキルリチウム種の合成に関しては、一級アルキルハライドと、tert−ブチルリチウムとを反応させ、一級アルキルリチウムを得る方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、例えば、アルキルハライドと、アルキルハライドに対して2当量のリチウム又はリチウムナフタレニドとを反応させ、アルキルリチウムを得る方法が提案されている(例えば、非特許文献2及び3参照)。
しかしながら、アルキルリチウム種の高い反応性ゆえに、選択的なアルキルリチウム種の発生と反応への利用は一般に難しいとされている。そのため、上記提案の方法でも、官能基のない特定のアルキルリチウムの合成にとどまっている。
他方、本発明者らの一部は、フローマイクロリアクターを用いることにより、求電子性官能基をもつアリールリチウム種やベンジルリチウム種の発生と反応を達成している(例えば、非特許文献4及び5参照)。
Bailey, W. F.; Punzalan, E. R. J. Org. Chem. 1990, 55, 5404. Zielger, K.; Colonius, H. Annalene, 1930, 479, 135. Barluenga, J.; Florez, J.; Yus, M. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1972, 752. Kim, H.; Nagaki, A.; Yoshida, J. Nat. Commun. 2011, 2, 264. Nagaki, A.; Tsuchihashi, Y.; Haraki, S.; Yoshida, J. Org. Biomol. Chem. 2015, 13, 7140.
非特許文献4及び5は、Wurtzカップリング反応を起こしやすい、ハロゲン化アリールやハロゲン化ベンジルを用いる際の、副反応としてのWurtzカップリング反応の抑制を目的の一つとしている。
官能基又は脂環族基を有するアルキルリチウムは、脂肪族基のみのアルキルリチウム、前記ハロゲン化アリール、及び前記ハロゲン化ベンジルよりも反応性が高く不安定である一方で、種々の有機化合物の合成に有用であるものの、非特許文献4及び5以外に、脂肪族基以外の有機リチウムの提案はなされておらず、官能基又は脂環族基を有する新規なアルキルリチウム、及びそれを用いた化合物の製造方法が求められているのが現状である。
ところで、片末端又は両末端に官能基又は脂環族基を有するポリマーは、両末端の官能基の反応性又は分子構造を利用して、新しい架橋ポリマー等の製造などに期待される。しかし、付加重合タイプのポリマーでは、末端に官能基又は脂環族基を有するポリマーを得る重合反応が限られることから、一般に分子量分布が広くなってしまう。そのため、末端に官能基又は脂環族基を有し、狭分子量分布である付加重合タイプのポリマー及びその製造方法が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、官能基又は脂環族基を有する新規なアルキルリチウム、及びそれを用いた化合物の製造方法、並びに狭分子量分布である付加重合タイプの新規ポリマー、及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のアルキルリチウムは、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(1)におけるLi原子に結合している基である。
本発明の化合物の製造方法は、
下記一般式(2)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて請求項1から3のいずれかに記載のアルキルリチウムを得るリチオ化工程と、
前記アルキルリチウムと、求電子剤とを反応させて下記一般式(3)で表される化合物を得る化合物生成工程とを含むことを特徴とする。
ただし、前記一般式(2)中、Xは、ハロゲン原子を表す。Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(2)におけるXに結合している基である。
ただし、前記一般式(3)中、Rは、前記一般式(2)中のRと同じ意味を表す。Eは、前記求電子剤の残基を表す。
本発明のポリマーは、
ビニル基含有化合物の付加重合体であるポリマーであって、
重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した分子量分布(Mw/Mn)が、2.0未満であり、
前記付加重合体の一方の末端が、下記一般式(11)で表される基であって、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合しており、
前記付加重合体の他方の末端が、求電子剤の残基であって、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合していることを特徴とする。
ただし、前記一般式(11)中、R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合している基である。
本発明のポリマーの製造方法は、
下記一般式(12)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて下記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを得るリチオ化工程と、
前記アルキルリチウム存在下で、ビニル基含有化合物のリビングアニオン重合を行い、リビングアニオン重合体を得る重合工程と、
前記リビングアニオン重合体と、求電子剤とを反応させ、ポリマーを得る工程と、を含むことを特徴とする。
ただし、前記一般式(12)中、Xは、ハロゲン原子を表す。R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(12)におけるXに結合している基である。
ただし、前記一般式(10)中、R11は、前記一般式(12)におけるR11と同じ意味を表す。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、官能基又は脂環族基を有する新規なアルキルリチウム、及びそれを用いた化合物の製造方法、並びに狭分子量分布である付加重合タイプの新規ポリマー、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の化合物の製造方法の一例に用いるフローマイクロリアクターの概略図である。 図2は、本発明のポリマーの製造方法の一例に用いるフローマイクロリアクターの概略図である。 図3は、実施例1−2の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図4は、実施例2−2において温度の効果を確認するための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図5は、実施例2−2において混合効率の効果を確認するための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図6は、実施例3において滞留時間の効果を確認するための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図7は、実施例4の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図8は、実施例5の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図9は、実施例6−2の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図10は、実施例6−2の反応の等高線図である(その1)。 図11は、実施例6−2の反応の等高線図である(その2)。 図12は、実施例6−3の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図13は、実施例7においてリチウム濃度の検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図14は、実施例7において流量とミキサーの検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図15は、実施例8の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図16は、実施例9において炭素鎖に関する検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図17は、実施例10の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図18は、参考例の反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図19は、実施例12においてリアクター(流通路R2)での滞留時間(tR2)とスチレン当量の検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図20は、実施例12において両官能性ポリマーの合成に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図21は、実施例13においてモノマーの検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図22は、実施例13においてTMEDAの有無の検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図23は、実施例13においてTMEDAの添加方法の検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図24は、実施例13において開始剤の濃度に関する検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図25は、実施例13において反応温度・溶媒の検討のための反応に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図26は、実施例13において開始末端に官能基をもつポリマーの合成に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図27は、実施例13において末端官能基化ポリマーの合成に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。 図28は、実施例13において合成した末端官能基化ポリマーのH NMR解析結果である。 図29は、実施例13において種々のアルキルリチウム基を用いた末端官能基化ポリマーの合成に用いたフローマイクロリアクターの概略図である。
(アルキルリチウム)
本発明のアルキルリチウムは、下記一般式(1)で表される。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
<一般式(1−1)>
ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
前記一般式(1−1)で表される基の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜500であってもよいし、50〜400であってもよいし、50〜300であってもよい。
<<保護基により保護されていてもよい官能基を有する基>>
前記保護基により保護されていてもよい官能基を有する基の官能基としては、反応性を有する基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲノ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基、シアノ基、トリアルキルシリル基、ビニル基などが挙げられる。
前記Rにおいて、前記官能基は、直接に−CR−と結合していてもよいし、炭化水素基を介して−CR−と結合していてもよい。前記炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数3〜6のシクロアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、炭素数2〜6のアルキニレン基、2価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
前記2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニル−ジイル基、ナフチレン基、フルオレン−ジイル基などが挙げられる。前記2価の芳香族炭化水素基は、芳香族環に炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい。
前記保護基としては、例えば、以下の保護基が挙げられる。
前記アミノ基の保護基としては、例えば、トシル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、アリル基、トリイソプロピルシリル基、ベンジル基、メトキシカルボニル基、p−メトキシベンジル基、p−メトキシフェニル基などが挙げられる。
前記水酸基の保護基としては、例えば、アラルキル基、トリアルキルシリル基、アルコキシアルキル基、アルカノイル基、アリールカルボニル基、トリフェニルメチル基(トリチル基)、パラメトキシフェニル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
前記水酸基の保護基におけるアリール環(ベンゼン環など)が置換基を有する場合には、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−アミノベンジル基などが挙げられる。
前記トリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などが挙げられる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基などが挙げられる。
前記アルカノイル基としては、例えば、アセチル基、トリフルオロアセチル基などが挙げられる。
前記アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、置換フェニルカルボニル基などが挙げられる。
前記カルボキシル基の保護基としては、例えば、アルキル基、トリアルキルシリル基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記トリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などが挙げられる。
<<R及びR>>
前記R及び前記Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
前記炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族基、芳香族基などが挙げられる。
前記脂肪族基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが挙げられる。
前記芳香族基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。
前記R及び前記Rにおける、前記保護基により保護されていてもよい官能基を有する基としては、例えば、前記Rにおける、前記保護基により保護されていてもよい官能基を有する基と同様である。
<一般式(1−2)>
ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(1)におけるLi原子に結合している基である。
前記一般式(1−2)で表される基の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜500であってもよいし、50〜400であってもよいし、50〜300であってもよいし、50〜200であってもよい。
前記脂肪族環状炭化水素基としては、単環構造であってもよいし、多環構造であってもよい。
前記脂肪族環状炭化水素基における脂肪族環状炭化水素としては、例えば、以下の構造が挙げられる。
前記脂肪族環状炭化水素基を有する基は、前記脂肪族環状炭化水素に置換基を有していてもよい。前記置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。
前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムを得る方法としては、例えば、下記化合物の製造方法におけるリチオ化工程が挙げられる。
(化合物の製造方法)
本発明の化合物の製造方法は、リチオ化工程と、化合物生成工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<リチオ化工程>
前記リチオ化工程は、下記一般式(2)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて本発明の前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムを得る工程である。
<<一般式(2)で表されるハロゲン化物>>
ただし、前記一般式(2)中、Xは、ハロゲン原子を表す。Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(2)におけるXに結合している基である。
前記一般式(2)中のXのハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
前記一般式(1−1)は、本発明の前記アルキルリチウムにおける前記一般式(1−1)と同様である。
前記一般式(1−2)の前記脂肪族環状炭化水素基を有する基は、本発明の前記アルキルリチウムにおける前記一般式(1−2)の前記脂肪族環状炭化水素基を有する基と同様である。
<<リチオ化剤>>
前記リチオ化剤は、リチウムを含有する。
前記リチオ化剤としては、前記一般式(2)で表されるハロゲン化物のハロゲン(X)をリチウムに置換することで、前記一般式(2)で表されるハロゲン化物を本発明の前記アルキルリチウムに転化できるかぎり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等のアルキルリチウム;フェニルリチウム、p−tert−ブチルフェニルリチウム、p−メトキシフェニルリチウム、p−フルオロフェニルリチウム、リチウムナフタレニド、リチウム−4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル等のアリールリチウム;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミド;リチウムパウダー等のリチウム金属などが挙げられる。
これらの中でも、リチウムナフタレニド、リチウム−4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニルが好ましい。
前記リチオ化工程における、前記一般式(2)で表されるハロゲン化物に対する、前記リチオ化剤の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0当量〜3.0当量が好ましく、1.5当量〜2.5当量がより好ましい。
前記リチオ化工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−90℃〜20℃が好ましく、−80℃〜0℃がより好ましく、−78℃〜−20℃が特に好ましい。
前記リチオ化工程における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リチオ化工程において、前記一般式(2)で表されるハロゲン化物、及び前記リチオ化剤は、例えば、それぞれ溶液状態で使用される。
例えば、前記リチオ化工程は、前記一般式(2)で表されるハロゲン化物を含有する溶液と、前記リチオ化剤を含有する溶液とを反応させることで行うことができる。
前記一般式(2)で表されるハロゲン化物を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記リチオ化剤を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記一般式(2)で表されるハロゲン化物を含有する溶液における前記一般式(2)で表されるハロゲン化物の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
前記リチオ化剤を含有する溶液における前記リチオ化剤の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
<化合物生成工程>
前記化合物生成工程は、前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムと、求電子剤とを反応させて下記一般式(3)で表される化合物を得る工程である。
<<求電子剤>>
前記求電子剤としては、前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムにおけるリチウムに結合する炭素原子に対して求電子的な反応を起こす化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、官能基を有する化合物などが挙げられる。
前記官能基としては、例えば、アルデヒド基、ハロゲン基、イソシアネート基、トリフルオロメタンスルホナート基(OTf基)などが挙げられる。
前記求電子剤としては、例えば、ベンズアルデヒド、ベンゾイルハライド、フェニルイソシアネート、アルキルトリフルオロメタンスルホナート、トリアルキルシリルトリフルオロメタンスルホナート、アルキルクロロホルメート、トリアルキルスズクロメートなどが挙げられる。
これらの求電子剤におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。
前記求電子剤の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、80〜500であってもよいし、80〜400であってもよいし、80〜300であってもよい。
<<一般式(3)で表される化合物>>
ただし、前記一般式(3)中、Rは、前記一般式(2)中のRと同じ意味を表す。Eは、前記求電子剤の残基を表す。
なお、前記化合物生成工程においては、前記求電子剤から脱離する原子又は基があってもよいし、脱離する原子又は基がなくてもよい。例えば、ベンズアルデヒドやフェニルイソシアネートを求電子剤として用いた場合には、前記求電子剤から脱離する原子又は基がない。一方、アルキルトリフルオロメタンスルホナートやアルキルクロロホルメートを求電子剤として用いた場合には、前記求電子剤からメタンスルホナート基や塩素原子が脱離する。
即ち、本発明においては、前記求電子剤が求電子反応をして転化してなる構造を、「求電子剤の残基」と称し、「求電子剤の残基」は、前記求電子剤から原子又は基が脱離して得られる基であってもよいし、前記求電子剤から原子又は基が脱離せずに得られる基であってもよい。
前記化合物生成工程における、前記求電子剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記リチオ化工程における前記一般式(2)で表されるハロゲン化物に対して、1.0当量〜10.0当量が好ましく、2.0当量〜5.0当量がより好ましい。
前記化合物生成工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−90℃〜20℃が好ましく、−80℃〜0℃がより好ましく、−78℃〜−20℃が特に好ましい。
前記化合物生成工程における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記化合物生成工程において、前記一般式(1)で表されるアルキルリチウム、及び前記求電子剤は、例えば、それぞれ溶液状態で使用される。
例えば、前記化合物生成工程は、前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムを含有する溶液と、前記求電子剤を含有する溶液とを反応させることで行うことができる。
前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムを含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記求電子剤を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムを含有する溶液における前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
前記求電子剤を含有する溶液における前記求電子剤の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
(ポリマー)
本発明のポリマーは、ビニル基含有化合物の付加重合体である。
前記ポリマーにおいて、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した分子量分布(Mw/Mn)は、2.0未満であり、1.0以上1.5以下が好ましい。
前記付加重合体の一方の末端は、下記一般式(11)で表される基である。前記付加重合体の一方の末端は、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合している。
前記付加重合体の他方の末端は、求電子剤の残基である。前記付加重合体の他方の末端は、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合している。
<<ビニル基含有化合物>>
前記ビニル基含有化合物としては、一つの重合性ビニル基を有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(21)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(21)中、R10は、水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R13は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。
前記置換基を有していてもよいフェニル基における置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、1級アミノ基、2級アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。
前記ビニル基含有化合物としては、例えば、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。
前記芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレンなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどが挙げられる。
<一般式(11)>
ただし、前記一般式(11)中、R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合している基である。
<<R12>>
前記R12としては、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記アルキルリチウムの前記一般式(1−1)で表される基における前記Rと同様である。
また、前記一般式(12−1)で表される基は、本発明の前記アルキルリチウムの前記一般式(1−1)で表される基であってもよい。
前記一般式(12−2)で表される基における、前記脂肪族環状炭化水素基を有する基としては、例えば、本発明の前記アルキルリチウムの前記一般式(1−2)で表される基における、前記脂肪族環状炭化水素基を有する基などが挙げられる。
<求電子剤の残基>
前記求電子剤の残基における求電子剤としては、例えば、本発明の前記化合物の製造方法における前記求電子剤などが挙げられる。
前記求電子剤が、前記ポリマーの成長末端に求電子的に反応する際には、前記求電子剤から脱離する原子又は基があってもよいし、脱離する原子又は基がなくてもよい。例えば、ベンズアルデヒドやフェニルイソシアネートを求電子剤として用いた場合には、前記求電子剤から脱離する原子又は基がない一方、アルキルトリフルオロメタンスルホナートやアルキルクロロホルメートを求電子剤として用いた場合には、前記求電子剤からメタンスルホナート基や塩素原子が脱離する。
前記付加重合体は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。前記共重合体としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などが挙げられる。
前記ポリマーは、例えば、下記一般式(20)で表される。
ただし、前記一般式(20)中、R11は、前記一般式(11)中のR11と同じ意味を表す。R10は、水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R13は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。Eは、前記求電子剤の残基を表す。nは、繰り返し数を表す。
前記一般式(20)における前記R13の具体例としては、前記一般式(21)におけるR13の具体例が挙げられる。
前記ポリマーの数平均分子量(Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜30,000がより好ましく、2,000〜10,000が特に好ましい。
前記数平均分子量(Mn)、及び前記重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めることができる。例えば、GPC測定は、Shodex LF−804 カラム(昭和電工株式会社製)を2本備えた、Shodex GPC−101(昭和電工株式会社製)を用い、40℃、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、RI(Refractive Index、示差屈折率)検出器により測定することで行われる。
(ポリマーの製造方法)
本発明のポリマーの製造方法は、リチオ化工程と、重合工程と、停止工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記ポリマーの製造方法は、本発明の前記ポリマーを製造する好適な方法である。
<リチオ化工程>
前記リチオ化工程は、下記一般式(12)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて下記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを得る工程である。
<<一般式(12)で表されるハロゲン化物>>
ただし、前記一般式(12)中、Xは、ハロゲン原子を表す。R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(12)におけるXに結合している基である。
前記一般式(12)中のXのハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
前記一般式(12−1)は、本発明の前記ポリマーにおける前記一般式(12−1)と同様である。
前記一般式(12−2)の前記脂肪族環状炭化水素基を有する基は、本発明の前記ポリマーにおける前記一般式(12−2)の前記脂肪族環状炭化水素基を有する基と同様である。
<<リチオ化剤>>
前記リチオ化剤は、本発明の前記化合物の製造方法における前記リチオ化剤と同様である。
<<一般式(10)で表されるアルキルリチウム>>
ただし、前記一般式(10)中、R11は、前記一般式(12)におけるR11と同じ意味を表す。
前記リチオ化工程における、前記一般式(12)で表されるハロゲン化物に対する、前記リチオ化剤の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0当量〜3.0当量が好ましく、1.5当量〜2.5当量がより好ましい。
前記リチオ化工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−90℃〜20℃が好ましく、−80℃〜0℃がより好ましく、−78℃〜−20℃が特に好ましい。
前記リチオ化工程における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リチオ化工程において、前記一般式(12)で表されるハロゲン化物、及び前記リチオ化剤は、例えば、それぞれ溶液状態で使用される。
例えば、前記リチオ化工程は、前記一般式(12)で表されるハロゲン化物を含有する溶液と、前記リチオ化剤を含有する溶液とを反応させることで行うことができる。
前記一般式(12)で表されるハロゲン化物を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記リチオ化剤を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記一般式(12)で表されるハロゲン化物を含有する溶液における前記一般式(2)で表されるハロゲン化物の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
前記リチオ化剤を含有する溶液における前記リチオ化剤の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
<重合工程>
前記重合工程は、前記アルキルリチウム存在下で、ビニル基含有化合物のリビングアニオン重合を行い、リビングアニオン重合体を得る工程である。
前記重合工程において、前記アルキルリチウムは、前記ビニル基含有化合物のアニオン重合開始剤として働く。
<<ビニル基含有化合物>>
前記ビニル基含有化合物は、本発明の前記ポリマーにおける前記ビニル基含有化合物と同様である。
前記重合工程における、前記ビニル基含有化合物の使用量としては、特に制限はなく、得たいポリマーの分子量に応じて、適宜選択することができ、例えば、前記リチオ化工程における前記一般式(12)で表されるハロゲン化物に対して、10当量〜50当量などが挙げられる。
前記重合工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−90℃〜20℃が好ましく、−80℃〜0℃がより好ましく、−78℃〜−20℃が特に好ましい。
前記重合工程における重合時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記重合工程において、前記一般式(10)で表されるアルキルリチウム、及び前記ビニル基含有化合物は、例えば、それぞれ溶液状態で使用される。
例えば、前記重合工程は、前記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを含有する溶液と、前記ビニル基含有化合物を含有する溶液とを反応させることで行うことができる。
前記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記ビニル基含有化合物を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを含有する溶液における前記一般式(10)で表されるアルキルリチウムの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
前記ビニル基含有化合物を含有する溶液における前記ビニル基含有化合物の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1M〜5.0Mなどが挙げられる。
<停止工程>
前記停止工程は、前記リビングアニオン重合体と、求電子剤とを反応させ、ポリマーを得る工程である。
前記停止工程では、前記リビングアニオン重合体の成長末端に求電子剤を反応させることで前記ポリマーを得る。
<<求電子剤>>
前記求電子剤は、本発明の前記化合物の製造方法における前記求電子剤と同様である。
前記停止工程における、前記求電子剤の使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、前記リチオ化工程における前記一般式(12)で表されるハロゲン化物に対して、2当量〜10当量などが挙げられる。
前記停止工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−90℃〜20℃が好ましく、−80℃〜0℃がより好ましく、−78℃〜−20℃が特に好ましい。
前記停止工程における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記停止工程において、前記リビングアニオン重合体(リビングポリマー)、及び前記求電子剤は、例えば、それぞれ溶液状態で使用される。
例えば、前記停止工程は、前記リビングアニオン重合体を含有する溶液と、前記求電子剤を含有する溶液とを反応させることで行うことができる。
前記リビングアニオン重合体を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記求電子剤を含有する溶液に使用される溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非極性溶媒などが挙げられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。前記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記リビングアニオン重合体を含有する溶液における前記リビングアニオン重合体の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
前記求電子剤を含有する溶液における前記求電子剤の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01M〜1.0Mなどが挙げられる。
得られる前記ポリマーにおいて、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した分子量分布(Mw/Mn)は、2.0未満が好ましく、1.0以上1.5以下がより好ましい。
得られる前記ポリマーの数平均分子量(Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜30,000がより好ましく、2,000〜10,000が特に好ましい。
(フローマイクロリアクターの利用)
前記化合物の製造方法、及び前記ポリマーの製造方法は、混合手段と、流通路とを少なくとも備え、更に必要に応じてその他の手段を備えるマイクロリアクター(以下、「フローマイクロリアクター」と称することがある。)を用いて行うことが好ましい。
前記化合物の製造方法は、2つ以上の混合手段と、4つ以上の流通路とを少なくとも備え、更に必要に応じてその他の手段を備えるマイクロリアクターを用いて行うことが好ましい。
前記ポリマーの製造方法は、3つ以上の混合手段と、6つ以上の流通路とを少なくとも備え、更に必要に応じてその他の手段を備えるマイクロリアクターを用いて行うことが好ましい。
前記混合手段は、2種以上の液体を混合可能である。
前記流通路は、液体を流通可能な管である。前記流通路は、少なくとも1つの前記混合手段と接続されている。
前記フローマイクロリアクターを用いることで、安定性の低い化合物について、生成から次の反応までの滞留時間を短時間にし、副反応を抑制することができる。
また、前記フローマイクロリアクターは、冷却効率が優れるため、発熱反応における発熱による副反応を抑制することができる。
<一体型のフローマイクロリアクター>
前記混合手段と前記流通路とは、一体型であってもよいし、別体型であってもよい。
前記一体型の場合の前記混合手段及び前記流通路としては、基板型のマイクロミキサーなどが挙げられる。
<<基板型のマイクロミキサー>>
前記基板型のマイクロミキサーは、内部又は表面に通路が形成された基板からなり、マイクロチャンネルと称される場合がある。
前記基板型のマイクロミキサーとしては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、国際公開第96/30113号パンフレットに記載される混合のための微細な流路を有するミキサー;文献「“マイクロリアクターズ”三章、W.Ehrfeld、V.Hessel、H.Lowe著、Wiley−VCH社刊」に記載されるミキサーなどが挙げられる。
前記基板型のマイクロミキサーは、前記混合手段及び前記流通路が、複数の液体を混合可能な微小な流路により構成されている。
前記基板型のマイクロミキサーには、前記流路以外に、前記流路に連通し、前記流路に複数の液体を導入する導入路が形成されていることが好ましい。即ち、前記導入路の数に応じて、前記流路の上流側が分岐した構成が好ましい。
前記導入路の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、混合を所望する複数の液体を別々の導入路から導入し、流路で合流させて混合することが好ましい。なお、1つの液体を予め流路に仕込んでおき、それ以外の液体を導入路により導入する構成としてもよい。
<別体型のフローマイクロリアクター>
前記別体型のフローマイクロリアクターは、混合手段と、流通路とが接続してなる。
<<混合手段>>
前記混合手段としては、2種以上の液体を混合可能なかぎり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、管継手型のマイクロミキサーなどが挙げられる。
<<<管継手型のマイクロミキサー>>>
前記管継手型のマイクロミキサーは、内部に形成された流路を備え、必要に応じて前記内部に形成された流路と、前記流通路とを接続する接続部材を備える。前記接続部材における接続方式としては、特に制限はなく、公知の接続方式の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ねじ込み式、ユニオン式、突合わせ溶接式、差込み溶接式、ソケット溶接式、フランジ式、食込み式、フレア式、メカニカル式などが挙げられる。
前記管継手型のマイクロミキサーの内部には、前記流路以外に、前記流路に連通し、前記流路に複数の液体を導入する導入路が形成されていることが好ましい。即ち、前記導入路の数に応じて、前記流路の上流側が分岐された構成が好ましい。前記導入路の数が2つである場合には、前記管継手型のマイクロミキサーとして、例えば、T字型やY字型を用いることができ、前記導入路の数が3つである場合には、例えば、十字型を用いることができる。なお、1つの液体を予め流路に仕込んでおき、それ以外の液体を導入路により導入する構成としてもよい。
前記管継手型のマイクロミキサーの材質としては、特に制限はなく、耐熱性、耐圧性、耐溶剤性、及び加工容易性などの要求に応じて、適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、チタン、銅、ニッケル、アルミニウム、シリコン、及びテフロン(登録商標)、PFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)などのフッ素樹脂、TFAA(トリフルオロアセトアミド)などが挙げられる。
前記管継手型のマイクロミキサーとしては、市販品を利用することができ、例えば、山武社製YM−1型ミキサー、YM−2型ミキサー;島津GLC社製ミキシングティー及びティー(T字コネクタ);東レエンジニアリング開発品マイクロ・ハイ・ミキサー;スウェージロック社製ユニオンティー、三幸精機工業株式会社製T字型マイクロミキサーなどが挙げられる。
前記混合手段内での2以上の原料物質の混合方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層流による混合、乱流による混合などが挙げられる。中でも、より効率的に反応制御や除熱を行える点で、層流による混合(静的混合)が好ましい。
なお、前記混合手段内の流路は微小であるため、混合手段に導入された複数の液体同士はおのずと層流支配の流れとなりやすく、流れに直交する方向に拡散して混合される。層流による混合において、さらに、流路内に分岐点及び合流点を設けることで、流れる液体の層流断面を分割するような構成とし、混合速度を高める構成としてもよい。
また、前記混合手段の流路において、乱流による混合(動的混合)を行う場合には、流量や流路の形状(接液部分の3次元形状や流路の屈曲などの形状、壁面の粗さ、など)を調整することによって、層流から乱流へと変化させることができる。前記乱流による混合は、前記層流による混合と比べて、混合効率がよく混合速度が速いという利点を有する。
ここで、前記混合手段内の前記流路の内径が小さい方が、分子の拡散距離を短くできるので、混合に要する時間を短縮させて混合効率を向上させることができる。さらに、前記流路の内径が小さい方が、体積に対する表面積の比が大きくなり、例えば、反応熱の除熱などの、液体の温度制御を容易に行うことができる。
一方で、前記流路の内径が小さ過ぎると、液体を流す時の圧力損失が増加するとともに、送液に使用するポンプとして特別な高耐圧のものが必要となるため、製造コストが高くなることがある。また、送液流量が制限されることにより、前記マイクロミキサーの構造も制限されることがある。
前記混合手段内の前記流路の内径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm〜4mmが好ましく、100μm〜3mmがより好ましく、250μm〜2mmが更に好ましく、500μm〜1mmが特に好ましい。
前記内径が50μm未満であると、圧力損失が増大することがある。前記内径が4mmを超えると、単位体積当たりの表面積が小さくなり、その結果、迅速な混合や反応熱の除熱が困難になることがある。一方、前記内径が前記特に好ましい範囲であると、より迅速に混合でき、より効率的に反応熱を除熱できる点で有利である。
より具体的には、前記混合手段の内部に形成される流路の内径としては、50μm〜1,000μmが好ましく、100μm〜800μmがより好ましく、250μm〜500μmが更に好ましい。
前記流路の断面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100μm〜16mmが好ましく、1,000μm〜4.0mmがより好ましく、10,000μm〜2.1mmが更に好ましく、190,000μm〜1mmが特に好ましい。
前記流路の断面形状としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、矩形、半円形、三角形などが挙げられる。
<<流通路>>
前記流通路は、少なくとも1つの前記混合手段と接続され、液体を流通可能な管であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その内径、外径、長さ、材質などの構成は、所望する反応に応じて適宜選択することができる。
前記流通路は、例えば、原料物質を混合手段に供給する際に使用される。
また、前記流通路は、例えば、前記混合手段によって混合された2種以上の物質の反応生成物を、次の混合手段に供給する際に使用される。なお、この際、前記流通路内では反応が継続して起きていてもよい。
前記流通路としては、市販品を利用することができ、例えば、ジーエルサイエンス株式会社製のステンレスチューブ(外径1/16インチ(1.58mm)、内径250μm、500μm及び1,000μmから選択可能、チューブ長さは使用者により調整可能)などが挙げられる。
前記流通路の材質としては、特に制限はなく、前記混合手段の材質として例示したものを、好適に利用することができる。
前記流通路の内径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm〜4mmが好ましく、100μm〜3mmがより好ましく、250μm〜2mmが更に好ましく、500μm〜1mmが特に好ましい。
より具体的には、前記流通路の内径としては、50μm〜1,000μmが好ましく、100μm〜800μmがより好ましく、250μm〜500μmが更に好ましい。
前記混合手段の下流に連結される前記流通路の内径としては、50μm〜4mmが好ましく、100μm〜2mmがより好ましく、500μm〜1mmが更に好ましい。
原材料を供給する流通路における液の流量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1.0ml/min〜20ml/minであってもよいし、2.0ml/min〜15ml/minであってもよいし、3.0ml/min〜10ml/minであってもよい。
反応液が流通する流通路における前記反応液の滞留時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.001sec〜10secなどが挙げられる。
<<その他の手段>>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、送液手段、温度調節手段などが挙げられる。
<<<送液手段>>>
前記送液手段としては、各種原料物質を、前記フローマイクロリアクターの前記流通路に供給できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポンプなどが挙げられる。
前記ポンプとしては、特に制限はなく、工業的に使用されうるものから適宜選択することができるが、送液時に脈動を生じないものが好ましく、例えば、プランジャーポンプ、ギアーポンプ、ロータリーポンプ、ダイヤフラムポンプなどが挙げられる。
<<<温度調節手段>>>
前記温度調節手段としては、前記フローマイクロリアクターの前記混合手段、及び前記流路の温度を調節できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記化合物の製造方法に好適に使用されるフローマイクロリアクター及びそれを用いた化合物の製造方法の一例を図を用いて説明する。
図1は、フローマイクロリアクターの一例を示す模式図である。
図1に示すフローマイクロリアクターは、2つの混合手段と、5つの流通路とを備える。
流通路P1は、混合手段M1に接続されている。
流通路P2は、混合手段M1に接続されている。
流通路P3は、混合手段M2に接続されている。
流通路R1は、混合手段M1、及び混合手段M2に接続されている。流通路R1は、反応部でもある。
流通路R2は、混合手段M2に接続されている。流通路R2は、反応部でもある。
流通路P1から混合手段M1に、前記一般式(2)で表されるハロゲン化物が供給される。流通路P2から混合手段M1に、前記リチオ化剤が供給される。そうすると、混合手段M1において、前記一般式(2)で表されるハロゲン化物と、前記リチオ化剤とが混合され、得られた液中では、反応(還元的リチオ化)が開始され、前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムが生成する。反応中の液は、例えば、反応しつつ、反応部でもある流通路R1を流れる。
流通路R1を流れる、前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムを含有する液は、混合手段M2に導入される。混合手段M2において、前記液は、流通路P3から供給された前記求電子剤と混合され、得られた液中では、前記一般式(1)で表されるアルキルリチウムに、前記求電子剤が求電子的に反応し、前記一般式(3)で表される化合物の生成を開始する。反応中の液は、例えば、反応しつつ、反応部でもある流通路R2を流れる。そして、流通路R2を流れる間に反応は完了するか、または、流通路R2を流れた液は、例えば、クエンチ液に投入され反応を完了する。クエンチ液としては、例えば、塩化アンモニウム水溶液などが挙げられる。
流通路P1、流通路P2、及び流通路P3には、温度調節手段が備えられており、それぞれの流通路を流れる液を所定の温度に冷却できる。
流通路P1、流通路P2、及び流通路P3の内径は、例えば、50μm〜4mmである。
流通路R1、及び流通路R2の内径は、例えば、50μm〜4mmである。
混合手段M1、及び混合手段M2内の流路の内径は、例えば、50μm〜4mmである。
流通路P1、流通路P2、及び流通路P3における液の流量は、例えば、1.0ml/min〜20ml/minである。
流通路R1における滞留時間は、例えば、0.001msec〜10secである。
流通路R2における滞留時間は、例えば、0.001msec〜10secである。
次に、前記ポリマーの製造方法に好適に使用されるフローマイクロリアクター及びそれを用いたポリマーの製造方法の一例を図を用いて説明する。
図2は、フローマイクロリアクターの一例を示す模式図である。
図2に示すフローマイクロリアクターは、3つの混合手段と、7つの流通路とを備える。
流通路P1は、混合手段M1に接続されている。
流通路P2は、混合手段M1に接続されている。
流通路P3は、混合手段M2に接続されている。
流通路P4は、混合手段M3に接続されている。
流通路R1は、混合手段M1、及び混合手段M2に接続されている。流通路R1は、反応部でもある。
流通路R2は、混合手段M2、及び混合手段M3に接続されている。流通路R2は、反応部でもある。
流通路R3は、混合手段M3に接続されている。流通路R3は、反応部でもある。
流通路P1から混合手段M1に、前記一般式(12)で表されるハロゲン化物が供給される。流通路P2から混合手段M1に、前記リチオ化剤が供給される。そうすると、混合手段M1において、前記一般式(12)で表されるハロゲン化物と、前記リチオ化剤とが混合され、得られた液中では、反応(還元的リチオ化)が開始され、前記一般式(10)で表されるアルキルリチウムが生成する。反応中の液は、反応しつつ、反応部でもある流通路R1を流れる。
流通路R1を流れる、前記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを含有する液は、混合手段M2に導入される。混合手段M2において、前記液は、流通路P3から供給された前記ビニル基含有化合物と混合され、得られた液中では、前記一般式(10)で表されるアルキルリチウムをアニオン重合開始剤として用いた、前記ビニル基含有化合物のリビングアニオン重合が開始され、リビングポリマーを生成する。
重合反応中の液は、例えば、重合しつつ、反応部でもある流通路R2を流れる。流通路R2を流れる、前記リビングポリマーを含有する液は、混合手段M3に導入される。混合手段M3において、前記液は、流通路P4から供給された前記求電子剤と混合され、得られた液中では、前記リビングポリマーの成長末端に、前記求電子剤が求電子的に反応し、本発明のポリマーが生成する。反応中の液は、例えば、反応しつつ、反応部でもある流通路R3を流れる。そして、流通路R3を流れる間に反応は完了するか、または、流通路R3を流れた液は、例えば、クエンチ液に投入され反応を完了する。クエンチ液としては、例えば、塩化アンモニウム水溶液、メタノールなどが挙げられる。
流通路P1、流通路P2、流通路P3、及び流通路P4には、温度調節手段が備えられており、それぞれの流通路を流れる液を所定の温度に冷却できる。
流通路P1、流通路P2、流通路P3、及び流通路P4の内径は、例えば、50μm〜4mmである。
流通路R1、流通路R2、及び流通路R3の内径は、例えば、50μm〜4mmである。
混合手段M1、混合手段M2、及び混合手段M3内の流路の内径は、例えば、50μm〜4mmである。
流通路P1、流通路P2、流通路P3、及び流通路P4における液の流量は、例えば、1.0ml/min〜20ml/minである。
流通路R1における滞留時間は、例えば、0.001msec〜10secである。
流通路R2における滞留時間は、例えば、0.001msec〜10secである。
流通路R3における滞留時間は、例えば、0.001msec〜10secである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<GC分析>
GC分析は、ヒューズドシリカキャピラリーカラム(column, Rtx−200;0.25mm×30m)を用いた水素炎イオン化型検出器を備えてSHIMADZU GC−2014 ガスクロマトグラフ(島津製作所製)を用いて行った。
H及び13CNMRスペクトル>
H及び13CNMRスペクトルは、MeSi又はCDClを用いたVarian MERCURYplus−400 (H 400MHz 及び 13C 100MHz)スペクトルメーターを用いて測定した。
<分子量及び分子量分布>
数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により決定した。
具体的には、Shodex LF−804 カラム(昭和電工株式会社製)を2本備えた、Shodex GPC−101(昭和電工株式会社製)を用い、40℃、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、RI(Refractive Index、示差屈折率)検出器により測定した。
キャリブレーションは、市販のスチレン重合体(TSK社製、standard polystyrene TOSOHの A−500(TS−505) Mw=500、A1000(TS−501) Mw=1,050、A−2500(TS−502) Mw=2,500、A−5000(TS−503) Mw=5,870、F−1(TS−203) Mw=9,830、F−2(TS−504) Mw=17,100、F−4(TS−202) Mw=37,200、F−10(TS−144) Mw=98,900、F−20(TS−140) Mw=189,000、F−40(TS−85) Mw=354,000、F−80(TS−201) Mw=707,000、F128(TS−206) Mw=1,110,000)を標準サンプルとして用いて行った。
<試薬>
THF(テトラヒドロフラン)、及びジエチルエーテルは、関東化学株式会社から乾燥溶媒として購入し、さらに精製することなく使用した。
その他の試薬は、常法により合成したもの又は市販品を用いた。市販品については、精製することなく用いた。
ただし、スチレンモノマーについては、使用前に蒸留した。
流通反応に用いた全ての溶液は、乾燥溶媒を用いてアルゴン雰囲気下で調製した。
<リチウムナフタレニド(LiNp)の調製>
リチウムナフタレニドの調製は、グローボックス内で行った。
リチウム(0.3054g,44.0mmol)を無水THF(200.0ml)(0.22M)に溶解させ溶液を得た。ナフタレン(6.767g,48.0mmol)をその溶液に添加し、得られた混合物を、その溶液が、反応が完了したことを示すダークグリーンになるまで2時間撹拌した。
以上により、リチウムナフタレニドを得た。
<バッチ反応>
<<手順A(ProcedureA)>>
LiNpのTHF溶液(THF中0.22M、3.0ml)に、ハロゲン化アルキルのTHF溶液(THF中0.10M、3.0ml)を、1分間で添加した。添加が完了した後、求電子剤のTHF溶液(THF中0.45M、3.0ml)を直ちに添加した。反応混合物を1分間撹拌し、MeOH(メタノール)(ニート、1.0ml)でクエンチし、飽和NHCl水溶液で洗浄した。
<<手順B(ProcedureB)>>
ハロゲン化アルキルのTHF溶液(THF中0.10M、3.0ml)に、LiNpのTHF溶液(THF中0.22M、3.0ml)を、T℃で、1分間で添加した。添加の完了後、求電子剤のTHF溶液(THF中0.45M、3.0ml)を直ちに添加した。反応混合物を1分間撹拌し、MeOH(ニート、1.0ml)でクエンチし、飽和NHCl水溶液で洗浄した。
<フローマイクロリアクター>
実施例で使用したフローマイクロリアクターは、以下のとおりである。
混合手段としては、三幸精機株式会社製のマイクロミキサーを用いた。詳細は、個々の実施例において記載した。
流通路としては、SUS316製の管を用いた。詳細は、個々の実施例において記載した。
フローマイクロリアクターを、冷却バスに浸漬させることにより温度を調節した。
反応成分の溶液は、リチウムナフタレニドの溶液を除いて、SHIMADZU LC−6AD、又はSHIMADZU LC−20AR プランジャーポンプを用いて各流通路に供給された。
リチウムナフタレニドの溶液は、シリンジを備えた古江サイエンス株式会社製JP−H microfeeder pumpsを用いて流通路に供給された。
(実施例1−1)
<1−ブロモアダマンタンの還元的リチオ化と、ベンズアルデヒドとの反応(バッチ)>
3級臭化アルキルからのアルキルリチウム種の発生は従来のハロゲンリチウム交換反応では難しいとされてきた。そこで1−ブロモアダマンタンを基質に用いて、還元的リチオ化によるリチウム種の発生と、ベンズアルデヒドとの反応を行うこととした。まずはバッチ型反応器を用いて行った。
手順A又は手順Bを用い、以下の反応を行った。求電子剤としてベンズアルデヒド(PhCHO)を用いた。有機相を、ガスクロマトグラフィーにより分析し、転化率を求めた。結果を表1に示した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
(実施例1−2)
<1−ブロモアダマンタンの還元的リチオ化と、ベンズアルデヒドとの反応(フロー)>
実施例1−1と同様の反応を図3に示すフローマイクロリアクターを用いて行った。その際反応温度を変化させて検討した。結果を表2に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ250cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量(ml/min)、滞留時間(tR1、tR2)を表す。
1−ブロモアダマンタンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
温度を−20℃以下、好ましくは−40℃以下に制御することで、リチウム種のプロトン化を抑えて良好な収率で目的物が得られた。
(実施例2−1)
<ベンジルオキシ基を有するハロゲン化アルキルの還元的リチオ化と、ベンズアルデヒドとの反応(フロー)>
1−ブロモ−3−ベンジルオキシプロパンの還元的リチオ化によるリチウム種と続く求電子剤との反応を、バッチ型反応器を用いて行った。この際反応温度とLiNpの加え方を変えて検討した。なお、ベンジルオキシ基は、水酸基を、保護基としてのベンジル基で保護した基でもある。
手順A又は手順Bを用い、以下の反応を行った。求電子剤としてベンズアルデヒド(PhCHO)を用いた。結果を表3に示した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
目的生成物である1とプロトン化された2に加えて、ベンジルリチウムとPhCHOが反応したと考えられる副生成物3が得られた。この結果から、望みのリチウム種の生成に加えて、ベンジルリチウムの生成が競争的に進行していることが分かった。極低温では3の副生はなかった、温度を上げていくと1の収率は減少していき、3の副生が増加することが分かった。
(実施例2−2)
<ベンジルオキシ基を有するハロゲン化アルキルの還元的リチオ化と、ベンズアルデヒドとの反応(フロー)>
<<温度の効果>>
図4に示すフローマイクロリアクターシステムを用いて、実施例2−1と同様の反応を、温度を変えて検討した。結果を表4に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ250cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量(ml/min)、滞留時間(t)を表す。
1−ブロモ−3−ベンジルオキシプロパンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
−40℃程度の低温でも3の生成はなく、目的生成物の収率も良好であった。一方でそれ以上昇温すると、生成物の選択性は低下していくことも分かった。
<<混合効率の効果>>
図5に示すフローマイクロリアクターシステムを用いて、実施例2−1と同様の反応を、ミキサーM1の内径とフローレートを変えることで混合効率を変化させながら検討した。結果を表5に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ250cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径(表5に記載のとおり)
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量(ml/min)、反応温度(−40℃)を表す。
1−ブロモ−3−ベンジルオキシプロパンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
表5において、内径250μm、及びトータルフローレート15ml/minの条件は、表4における−40℃の条件と同じである。
ミキサーM1での内径が大きく、フローレートが低い条件では、1の収率は中程度で、3がわずかながら副生することが分かった。そこで、フローレートを上げて、内径を小さくすることで目的物は良好な収率で得られた。一般にミキサーの内径が小さいほど、また流量が大きいほど混合時間が短くなることが知られている。この結果から、高速混合が選択性に重要であることが分かった。
(実施例3)
<ベンジルオキシ基を有するハロゲン化アルキルの還元的リチオ化と、MeSiOTfとの反応(フロー)>
<<滞留時間の効果>>
図6に示すフローマイクロリアクターシステムを用いて、図6に示す反応を、リアクター(流通路R1)の滞留時間を変化させながら検討した。結果を表6に示した。
なお、図6中、MeSiOTfは、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを表す。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ(表6に記載の通り)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量(ml/min)、反応温度(0℃)を表す。
1−ブロモ−3−ベンジルオキシプロパンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
MeSiOTfは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
高温条件での検討を行った。すると、滞留時間の増加に伴い4の収率が減少し、5の副生が増加していく傾向が見られた。このことから、いったん生じた目的のリチウム種がなんらかのパスでベンジルリチウムへと分解することが示唆された。
一方で、求電子剤をPhCOCl(ベンゾイルクロライド)としたときには、以下のスキーム中の6のような副生物が見られた。このことから、目的のC−Br結合の還元とベンジル位のC−O結合の還元が競争していることも示唆された。
(実施例4)
<官能基を有する種々のハロゲン化アルキルの還元的リチオ化>
図7に示すフローマイクロリアクターを用いて、官能基を有する種々のハロゲン化アルキルの還元的リチオ化と、続く求電子剤との反応を行った。結果を表7に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ250cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1: T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(tR1)を表す。
基質(ハロゲン化物)は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
求電子剤は、THF溶液(0.45M)にして使用した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
b)単離収率である。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
(実施例5)
<フローマイクロリアクターを用いたケトン基を有する臭化アルキルの還元的リチオ化と、ベンズアルデヒドとの反応>
求電子性官能基としてケトン基を有する基質を用い、図8に示すフローマイクロリアクターを用いて、温度とリアクター(流通路R1)における滞留時間とを変化させて検討を行った。結果を表8−1及び表8−2に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径、及び長さ(表8−2に記載の通り)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(tR2)を表す。
1−ブロモ−4−(4−ベンゾイルフェニル)ブタンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
低温・短い滞留時間ではコンバージョンが小さかったが、高温・長い滞留時間ではコンバージョンは改善し、低収率ではあるが目的生成物が得られた。一方でマテリアルバランスが合わない理由としては、発生させたリチウム種がケトン基を攻撃して分解したことに起因すると考えられる。
(実施例6−1)
<エポキシ基を有する臭化アルキルの還元的リチオ化と、BuSnClとの反応(バッチ)>
エポキシ基はリチウム種の求核攻撃を受けるため、エポキシ基を有するアルキルリチウム種は不安定であると予想される。そこで、1−ブロモ−3−(オキシラン−2−イル)プロパンを基質として選び、まずはバッチ型反応器を用いた還元的リチオ化とBuSnCl(トリブチル錫クロライド)との反応を検討した。すると、目的生成物の収率は低収率(34%)に留まることが分かった。副生成物については、GCや、H NMR分析で目立ったピークを観測できなかったことから、低沸点もしくは水溶性の副生物へと分解したこと、あるいはエポキシドの開環重合によってポリマー化とともに分解したことなどが考えられる。
(実施例6−2)
<エポキシ基を有する臭化アルキルの還元的リチオ化と、BuSnClとの反応(フロー)>
実施例6−1と同様の反応を、図9に示すフローマイクロリアクターを用いて行った。この際反応温度とリアクター(流通路R1)の滞留時間を変化させて詳細な検討を行うことで、温度−滞留時間マップを作製した。結果を図10及び図11に示した。基質としては、1−ブロモ−3−(オキシラン−2−イル)プロパン(図10)のほかに、1−ブロモ−4−(オキシラン−2−イル)ブタン(図11)も用いた。
グラフはいずれも、リアクター(流通路R1)における滞留時間の対数を横軸、温度を縦軸にとり収率を等高線図であらわしたマップである。いずれの基質でも、温度を高く、また滞留時間を長くしていくにつれて収率が低下していく傾向が見られた。一方で、滞留時間を短くしすぎても原料が消費し切らないために収率が減少することが分かった。そこで、温度と滞留時間を適切に制御することによって、良好な収率で目的生成物が得られることが分かった。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表9に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(tR2)を表す。
基質(ハロゲン化物)は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
BuSnClは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
(実施例6−3)
<フローマイクロリアクターを用いたエポキシ基を有する種々の臭化アルキルの還元的リチオ化と求電子剤との反応>
図12に示すフローマイクロリアクターを用いて、エポキシ基を有する種々の臭化アルキルの還元的リチオ化と、求電子剤との反応を行った。結果を表10−1及び表10−2に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表10−2に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(tR2)を表す。
基質(ハロゲン化物)は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
求電子剤は、THF溶液(0.45M)にして使用した。
a)転化率、及び収率は、内部標準を用いたGC分析により決定した。
b)単離収率である。
c)内部標準を用いたH NMRにより決定した。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
求電子剤についてのスコープとしては、BuSnCl以外にもPhNCO,ClCOOBn,ClCOOMにも適用できることが分かった。ただ、クロロギ酸エステルでトラップした際はNMRと比較して単離収率が大きく減少していることから、生成物がカラムに不安定であることが示唆された。また、炭素鎖長がさらに長い基質に対しても良好な収率で目的生成物が得られた。二つのエポキシ基を有する2級の臭化アルキルに対してもNMR収率では良好な収率であったが、おそらく生成物が不安定であるために単離収率では大きく収率が低下した。
(実施例7)
<アルケニル基をもつアルキルリチウム種の発生と反応>
<<リチウム濃度の検討>>
アルケニル基をもつアルキルリチウム種については、アルケニル基が還元されてしまうためか、収率が55%にとどまっていた。そこで、Lithiumの濃度を0.26M→0.22Mとし、また、V字ミキサーを用いることで、選択的にアルケニル基をもつリチウム種を発生させることが可能ではないかと考え、検討を行った。
図13に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表11に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径(500μm(表11に記載の場合)又は1,000μm)、長さ(表11に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(12sec)を表す。
5−ブロモ−1−ペンテンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
収率が大きく向上した。反応温度と滞留時間についても検討を行ったが大きな差異は見られなかった。以上のことから、オレフィンを有するアルキルLiは、発生における還元の選択性が極めて重要である一方、発生したリチウム種は比較的安定であることが示唆された。
<<流量とミキサーの検討>>
続いて、発生における還元の選択性について検討するため、流量とミキサーM1の種類を変化させて検討を行った。
図14に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表12に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ250cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:マイクロミキサー(表12に記載のとおり)
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、滞留時間(<0.79sec)を表す。
5−ブロモ−1−ペンテンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
V250:V型マイクロミキサー、内径250μm
V500:V型マイクロミキサー、内径500μm
T1000:T型マイクロミキサー、内径1,000μm
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
混合効率が下がるにつれて、収率が低下していく様子が確認できた。GC分析の結果、目的物のピーク(Rt=19.6 min)の手前に副生成物のピーク(Rt=18.5 min)が見られた。
更に、PhCHOを求電子剤として反応を実施した。結果は以下の通りである。
(実施例8)
<クロロ基,ブロモ基をもつアルキルリチウム種の発生と反応>
ハロゲンを2つもつ基質において、LiNpの当量制御が重要であると考え、検討を行った。
図15に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表14に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表14に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(12sec)を表す。
1−ブロモ−5−クロロブタンは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
<<1,4−ジクロロブタンを原料とした場合>>
原料としてBr体を用いた場合、Brの隣の炭素からのプロトンの引き抜きが懸念されるため、原料としてCl体を用いることでこの副反応を制御できるのではないかと考え、検討を行った。なお、求電子剤はベンズアルデヒドを用いた。結果を表15に示した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
結果としては、1−ブロモ−4−クロロブタンを原料とした場合と同程度の収率にとどまった。しかしながら、Clをリチオ化してアルキルリチウム種を発生させる関係上、原料のconversionが遅く、適切な反応温度・滞留時間で反応を実施しなければ収率が低下することが分かった。
(実施例9)
<シアノ基をもつアルキルリチウム種の発生と反応>
<<炭素鎖長に関する検討>>
生成が困難と考えられる、求電子性官能基をもつアルキルリチウム種として、シアノ基をもつアルキルリチウム種についても検討を行った。
図16に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表16に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表16の下欄、又は表17に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(12sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
entryKH5−26−1:
流通路R1(反応部)の内径250μm、長さ3.5cm
entryKH5−25−6:
流通路R1(反応部)の内径250μm、長さ3.5cm
n=3の場合、比較的良好な収率で目的物が得られたのに対して、n=6の場合は、転位した化合物と転位していない化合物の両方が見られ、NMR分析からそれぞれ20%程度の収率であるこが分かった。
さらに、テーブルには載せていないが、n=2の場合も検討した(KH5−15)。GC分析から、収率は20%以下ぐらいだと予想されるが、正確な収率は不明。
以上のように、シアノ基をもつアルキルリチウム種は、炭素鎖長によって、官能基の壊れやすさや、転位の起こりやすさが大きく異なることが明らかとなった。そこで、最もよい収率で目的物を与えた、n=3の基質において、滞留時間と温度の効果を調べた。結果を表17に示した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
反応温度−80℃における収率の変化に着目すると、滞留時間を長くするにつれ71%→57%→46%→22%と収率が低下していく様子が確認できた。なお、滞留時間3.4ミリ秒の条件では、流量をこれまでの検討の倍の値に設定している。流量を2倍にすることにより、短い滞留時間を実現できた他、混合性能が上昇するためか、原料のconversionが速くなった。
続いて、この反応(以下の反応)について、バッチ型反応器を用いて検討を行った。結果を表18に示した。
フローと比べて収率は大幅に低下することが分かった。シアノ基が還元されてリチウム種の発生効率が低下している可能性や、目的物が過剰還元されて収率が低下している可能性がある。
マイクロリアクターを用いて、最適条件である、反応温度−80℃、滞留時間3.4ミリ秒の条件でMeOTfを求電子剤として反応を実施した。結果を表19に示した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
MeOTfとPhCHOの反応性の違いからか、収率に大きな差異が見られた。
<<ヨウ素体を用いた検討>>
原料をブロモ体からヨウ素体へと変更することで、より素早く還元的リチオ化を実施でき、収率が向上できると予想し、実験を行った。
図16に示すフローマイクロリアクターを用いた。ただし、原料は、表19に示す原料である。また、表19に示すように、種々の条件を変更している。結果を表19に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表19に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(12sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
反応温度−80℃,滞留時間6.9ミリ秒の条件でconversionを比較したところ、ブロモ体を原料とした場合はconversion=96%,ヨウ素体を原料とした場合はconversion=54%だったため、還元的リチオ化の速度は、ブロモ体の方が速いことが示唆された。
(実施例10)
<アルコキシカルボニル基をもつアルキルリチウム種の発生と反応>
シアノ基をもつリチウム種とt−ブトキシカルボニル基をもつリチウム種は、ほぼ同程度の安定性であると予想される。そこで、t−ブトキシカルボニル基をもつ基質についても検討を行った。
図17に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表20に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表20及び表21に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(12sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
PhCHOは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
発生したリチウムアルコキサイドが分子内でエステルを攻撃することで環化が進行すると予想し、HCl,NHClの2種類のクエンチ剤を用いて検討を行ったが、いずれの場合も環化体は全く見られなかった。
求電子剤としてクロロギ酸メチルを用いて、非対称エステルの合成を行った。結果を表21に示した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
滞留時間によって収率が大きく変化する一方、conversionはほぼ変化しないことが分かった。このことから、アルコキシカルボニル基の還元にLiNpが消費されて、full conversionに達しないことが示唆される。
(実施例12)
<還元的リチオ化によって発生したアルキルリチウム種を開始剤としたスチレンのアニオン重合>
発生させたアルキルリチウム種の有用性を示すため、スチレンのアニオン重合への利用を検討した。
下記スキームに示すように、発生させた官能基を有するアルキルリチウム種をスチレンのアニオン重合の開始剤に用いるとともに、ポリマーの活性末端を適切な求電子剤でトラップできれば、両末端が官能基化されたポリマーを合成することができると期待される。
<参考例:官能基を有さない臭化アルキルの還元的リチオ化によって発生したアルキルリチウム種の利用>
図18に示すフローマイクロリアクターを用いて、1−ブロモ−4−フェニルブタンの還元的リチオ化によって発生させたアルキルリチウム種を開始剤としたスチレン重合を試みた。その際、LiNpの当量が分子量分布に与える影響を調べた。結果を表22に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ50cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ125cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、反応温度(0℃)を表す。
基質は、THF溶液(0.1M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
スチレンは、THF溶液(2.0M)にして使用した。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
R2は、流通路R2(反応部)における滞留時間を表す。
GPCによる解析の結果、LiNpの当量が2.0以上のときはいずれも二つのピークが観測された。これは、下のスキームのように残ったLiNpによって、目的のポリマーの約2倍の分子量を持つポリマーが副生しているためと考えられる。LiNp当量を減少させるにつれて余ったLiNpとスチレンがより共存しにくくなり、それにつれてGPC上で前に見られるピーク(副生物)が小さくなり後ろに見られるピーク(目的物)が大きくなっていく挙動が見られたことからも、この副反応が示唆される。
<ベンジルオキシ基を有する臭化アルキルの還元的リチオ化で発生したアルキルリチウム種の利用>
<<リアクター(流通路R2)での滞留時間(tR2)とスチレン当量の検討>>
1−ブロモ−3−ベンジルオキシプロパンの還元的リチオ化によって発生させたベンジルオキシ基を有するアルキルリチウム種を開始剤とすることを考えた。まずは、求電子剤としてMeOH(メタノール)を用い、重合反応を行うリアクター(流通路R2)の滞留時間とスチレン当量、反応温度を変化させて検討した。
図19に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表23に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P4:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ200cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ400cm
流通路R3(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M3:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(tR1)、反応温度(−30℃)を表す。
基質は、THF溶液(0.1M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.22M)にして使用した。
スチレンは、THF溶液(2.0M)にして使用した。
メタノールは、THF溶液(0.45M)にして使用した。
R2は、流通路R2(反応部)における滞留時間を表す。
entry1を除けばスチレンはほぼ完全に消費し、分子量分布の制御させたポリマーを得ることができた。一方で、分子量が理論値の5〜10倍とかなり長いポリマーが生成することが分かった。また、entry4に対してGPCを用いて単離したところ、定量的にポリマーが得られた。
<<両官能性ポリマーの合成>>
ベンジルオキシ基を有するアルキルリチウム種を開始剤として用いつつ、求電子剤としてMeSiCl(トリメチルシリルクロライド)を用いることで、両官能性ポリマーの合成を試みた。
図20に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表24に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ250cm
流通路P4:内径1,000μm、長さ250cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表24に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径及び長さ(表24に記載のとおり)
流通路R3(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:T型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M3:T型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、反応温度(−30℃)を表す。
基質は、THF溶液(0.05M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.11M)にして使用した。
スチレンは、THF溶液(2.0M)にして使用した。
MeSiClは、THF溶液(1.0M)にして使用した。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
R2は、流通路R2(反応部)における滞留時間を表す。
分子量分布が制御させたポリマーを得ることができた。一方で、どの条件でも分子量は理論値よりも大きくなったが、リアクター(流通路R1)の滞留時間を伸ばしていくにつれて小さくなっていく傾向が見られた。この原因については現在検討中である。また、entry3に対してGPCを用いて単離したところ、定量的にポリマーが得られた。さらに得られたポリマーをH NMRで解析したところ、末端にベンジルオキシ基が導入できていることが分かった。
(実施例13)
<官能基をもつアルキルリチウム種を重合開始剤とした両末端官能基化ポリマーの合成>
<<重合条件に関する検討>>
<<<モノマーの検討>>>
BnO基(ベンジルオキシ基)をもつアルキルリチウム種を重合開始剤として利用し、スチレンのリビングアニオン重合を行った場合、分子量が理論値よりも大きくなるという問題点があった。そこで、モノマーを変えることでその問題を解決できるのではないかと考え、検討を行った。
図21に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表25に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(0.11sec、25sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.05M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
モノマーは、THF溶液(2.0M)にして使用した。
電子求引基を導入することで、カルボリチオ化が速くなり、開始効率が向上するのではないかと予想したが、4−フルオロスチレン及び4−クロロスチレンでは、むしろ結果は悪くなった。発生効率が低下している原因は、ハロゲンの隣のプロトンの引き抜き、及びベンジル位のプロトンの引き抜きなのではないかと考えられる。また、4−メトキシスチレンの結果は無置換のスチレンと同程度であった。これらの結果から、以降の検討では主に無置換のスチレンを用いることにした。
<<<TMEDAの有無に関する検討>>>
リビングアニオン重合の開始剤としてn−BuLiを用いた場合、会合状態が解かれたものから重合が開始すると言われており、会合を解くためにTMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)を添加する場合が多い。今回の実験で重合開始剤に用いているアルキルリチウム種も1級のアルキルリチウム種であるため、会合状態が反応に影響している可能性がある。そこで、TMEDAを添加することで、得られるポリマーの分子量および分子量分布がどのように変化するか検討した。
図22に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表26に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(0.11sec、25sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.05M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
モノマー、及びTMDEAは、THF溶液(それぞれ2.0M、0.11M)にして使用した。
TMEDAを添加した場合と添加していない場合で、結果にあまり差異は見られなかった。TMEDAの添加方法に問題がある可能性も考慮し、図23に示すフローシステムでも検討した。結果を表27に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P4:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R3(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M3:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(0.11sec)、反応温度(−30℃)を表す。
基質は、THF溶液(0.05M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.10M)にして使用した。
TMDEAは、THE溶液(0.10M)にして使用した。
モノマーは、THF溶液(2.0M)にして使用した。
この場合でも、TMEDAの添加による差異は見られなかった。この結果から−30℃でTHFを溶媒として用いた場合は、発生したリチウム種は会合状態をとっていない、あるいは、会合状態は反応に影響しないということが示唆された。
<<<開始剤の濃度に関する検討>>>
これまでの検討では、ポリマーの詰まりやすさから、開始剤の濃度が0.05Mと比較的低い条件を用いていた。しかしながらこの条件では、例えば発生したアルキルリチウム種が溶媒からプロトンを引き抜いて失活する量などが相対的に多くなると考えられるため、開始剤の濃度を変化させて検討した。
図24に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表28に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(0.11sec、25sec)を表す。
基質は、THF溶液にして使用した。
LiNpは、基質の2倍濃度のTHF溶液にして使用した。
モノマー、THF溶液(2.0M)にして使用した。
開始剤の濃度を0.05Mから0.10Mに変えることで、数平均分子量が4400から3500となり、理論値に近づくことが明らかとなった。
また、スチレンに含まれる不純物〔TBC(4−tertブチルカテコール)など〕によって重合の開始効率が低下していると仮定した場合、スチレンの当量を増やすと数平均分子量と理論分子量の差が広がると考えられる。検討の結果、その傾向は見られなかったので、以降、スチレンの当量は20当量とした。なお、KH4−87−7については溶液残量の都合上−40℃でのみ実験したが、0℃で実験すれば分子量は改善すると期待される。
<<<反応温度・溶媒の検討>>>
溶媒が分子量に与える影響について検討した。なお、アルキルリチウム種の発生条件はあまり変えたくなかったので、スチレンの溶媒のみを変化させて検討した。
図25に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表29に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(0.11sec、25sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.20M)にして使用した。
モノマーは、表29に記載の溶媒溶液(2.0M)にして使用した。
スチレン溶媒としてTHFとDME(1,2−ジメトキシエタン)を用いた場合は、結果に有意な差は見られなかった。一方で、スチレンの溶媒としてヘキサンを用いた場合は、数平均分子量が理論値に近づくことが分かった。さらに、反応温度を変化させることで、得られるポリマーの分子量に大きな差異があることも分かった。アルケニル基をもつアルキルリチウム種を開始剤としてポリマーを合成した場合は、20℃と0℃の結果に差異は見られなかったので、基質によって反応温度の最適化が必要であることも示唆された。
<<開始末端に官能基をもつポリマーの合成>>
上記種々の実施例で発生させたアルキルリチウム種が、アニオン重合の開始剤として利用できるか検討した。
図26に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表30に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径及び長さ(表30に記載のとおり)
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(21sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.20M)にして使用した。
モノマーは、ヘキサン溶液(2.0M)にして使用した。
は流通路R1(反応部)の長さ(cm)を表し、Lの括弧内の数値は、内径を表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
上記のテーブルに示すように、様々な官能基をもつポリマーを開始末端にもつポリマーを合成することができた。用いる開始剤と反応温度によって、開始効率が変わり、数平均分子量が大きく異なるポリマーが得られた。
<<末端官能基化ポリマーの合成>>
官能基をもつアルキルリチウム種をアニオン重合の開始剤として利用し、リビング生長末端を求電子剤により官能基化することで、両末端官能基化ポリマーを合成できると考え、以下検討を行った。
まず、アルケニル基を有するアルキルリチウム種をアニオン重合の開始剤として利用し、トリメチルシリルクロライドを用いてリビング生長末端を官能基化した。
図27に示すフローマイクロリアクターを用いた。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P4:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R3(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M3:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(0.11sec、10sec、25sec)、反応温度(20℃)を表す。
基質は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.20M)にして使用した。
モノマーは、ヘキサン溶液(2.0M)にして使用した。
MeSiClは、THF溶液(2.0M)にして使用した。
その結果、数平均分子量が3300,分子量分布が1.05のポリマーが96%の収率で得られた。得られたポリマーをGPCを用いて単離し、H NMRにより解析を行ったところ、ポリスチレン主鎖に由来するプロトンの他に、末端の官能基に由来するプロトンのシグナルが観測された(図28)。また、その積分値からほぼ定量的に両末端が官能基化されていることが示唆された。
<<種々のアルキルリチウム基を用いた末端官能基化ポリマーの合成>>
次に、上記実施例などで発生させた様々なアルキルリチウム種が、アニオン重合の開始剤として利用できるか検討した。
図29に示すフローマイクロリアクターを用いた。結果を表31に示した。
フローマイクロリアクターの混合手段、流通路の詳細は、以下のとおりである。
流通路P1:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P2:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P3:内径1,000μm、長さ300cm
流通路P4:内径1,000μm、長さ300cm
流通路R1(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R2(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
流通路R3(反応部):内径1,000μm、長さ100cm
混合手段M1:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M2:V型マイクロミキサー、内径250μm
混合手段M3:V型マイクロミキサー、内径250μm
図中の数値は、流量、滞留時間(16sec)を表す。
基質は、THF溶液(0.10M)にして使用した。
LiNpは、THF溶液(0.20M)にして使用した。
モノマーは、ヘキサン溶液(2.0M)にして使用した。
求電子剤は、THF溶液(2.0M)にして使用した。
PrO−Bpinは、イソプロポキシ(ピナコール)ボランを表す。
R1は、流通路R1(反応部)における滞留時間を表す。
R2は、流通路R2(反応部)における滞留時間を表す。
アルケニル基、ベンジルオキシ基、トリメチルシリル基のいずれの官能基をもつ場合も、発生したアルキルリチウム種が開始剤として利用でき、良好な収率で分子量分布の制御されたポリマーが得られた。また、停止末端に、アミド、エポキシ、シリルクロライド、ビニル、ピナコールボランを導入することがでた。
以上の検討から、続く反応への利用が期待される様々な官能基を両末端にもつポリマーを合成できることが明らかとなった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表されることを特徴とするアルキルリチウムである。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(1)におけるLi原子に結合している基である。
<2> 前記Rにおける官能基が、ハロゲノ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基、シアノ基、トリアルキルシリル基、及びビニル基のいずれかであり、
前記R及びRにおける官能基が、ハロゲノ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基、シアノ基、トリアルキルシリル基、及びビニル基のいずれかである、前記<1>に記載のアルキルリチウムである。
<3> 前記脂肪族環状炭化水素基が、多環構造の脂肪族環状炭化水素基である前記<1>に記載のアルキルリチウムである。
<4> 下記一般式(2)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて前記<1>から<3>のいずれかに記載のアルキルリチウムを得るリチオ化工程と、
前記アルキルリチウムと、求電子剤とを反応させて下記一般式(3)で表される化合物を得る化合物生成工程とを含むことを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記一般式(2)中、Xは、ハロゲン原子を表す。Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(2)におけるXに結合している基である。
ただし、前記一般式(3)中、Rは、前記一般式(2)中のRと同じ意味を表す。Eは、前記求電子剤の残基を表す。
<5> 前記リチオ化剤が、リチウムナフタレニドである前記<4>に記載の化合物の製造方法である。
<6> 2種以上の液体を混合可能な混合手段を2つ以上と、少なくとも1つの前記混合手段と接続され、液体を流通可能な管である流通路を4つ以上とを備えるマイクロリアクターを用いて行われる前記<4>から<5>のいずれかに記載の化合物の製造方法である。
<7> ビニル基含有化合物の付加重合体であるポリマーであって、
重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した分子量分布(Mw/Mn)が、2.0未満であり、
前記付加重合体の一方の末端が、下記一般式(11)で表される基であって、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合しており、
前記付加重合体の他方の末端が、求電子剤の残基であって、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合していることを特徴とするポリマーである。
ただし、前記一般式(11)中、R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合している基である。
<8> 前記付加重合体が、単独重合体である前記<7>に記載のポリマーである。
<9> 下記一般式(20)で表される前記<7>から<8>のいずれかに記載のポリマーである。
ただし、前記一般式(20)中、R11は、前記一般式(11)中のR11と同じ意味を表す。R10は、水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R13は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。Eは、前記求電子剤の残基を表す。nは、繰り返し数を表す。
<10> 前記数平均分子量(Mn)が、1,000〜100,000である前記<7>から<9>のいずれかに記載のポリマーである。
<11> 下記一般式(12)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて下記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを得るリチオ化工程と、
前記アルキルリチウム存在下で、ビニル基含有化合物のリビングアニオン重合を行い、リビングアニオン重合体を得る重合工程と、
前記リビングアニオン重合体と、求電子剤とを反応させ、ポリマーを得る工程と、を含むことを特徴とするポリマーの製造方法である。
ただし、前記一般式(12)中、Xは、ハロゲン原子を表す。R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(12)におけるXに結合している基である。
ただし、前記一般式(10)中、R11は、前記一般式(12)におけるR11と同じ意味を表す。
<12> 前記ポリマーの、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した分子量分布(Mw/Mn)が、2.0未満である、前記<11>に記載のポリマーの製造方法である。
<13> 前記リチオ化剤が、リチウムナフタレニドである前記<11>から<12>のいずれかに記載のポリマーの製造方法である。
<14> 2種以上の液体を混合可能な混合手段を3つ以上と、少なくとも1つの前記混合手段と接続され、液体を流通可能な管である流通路を6つ以上とを備えるマイクロリアクターを用いて行われる前記<11>から<13>のいずれかに記載のポリマーの製造方法である。
P1 流通路
P2 流通路
P3 流通路
P4 流通路
R1 流通路
R2 流通路
R3 流通路
M1 混合手段
M2 混合手段
M3 混合手段

Claims (14)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とするアルキルリチウム。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
    ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
    ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(1)におけるLi原子に結合している基である。
  2. 前記Rにおける官能基が、ハロゲノ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基、シアノ基、トリアルキルシリル基、及びビニル基のいずれかであり、
    前記R及びRにおける官能基が、ハロゲノ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基、シアノ基、トリアルキルシリル基、及びビニル基のいずれかである、請求項1に記載のアルキルリチウム。
  3. 前記脂肪族環状炭化水素基が、多環構造の脂肪族環状炭化水素基である請求項1に記載のアルキルリチウム。
  4. 下記一般式(2)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて請求項1から3のいずれかに記載のアルキルリチウムを得るリチオ化工程と、
    前記アルキルリチウムと、求電子剤とを反応させて下記一般式(3)で表される化合物を得る化合物生成工程とを含むことを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記一般式(2)中、Xは、ハロゲン原子を表す。Rは、下記一般式(1−1)で表される基、及び下記一般式(1−2)で表される基のいずれかを表す。
    ただし、前記一般式(1−1)中、Rは、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、及び保護基により保護されていてもよい官能基を有する基のいずれかを表す。
    ただし、前記一般式(1−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(2)におけるXに結合している基である。
    ただし、前記一般式(3)中、Rは、前記一般式(2)中のRと同じ意味を表す。Eは、前記求電子剤の残基を表す。
  5. 前記リチオ化剤が、リチウムナフタレニドである請求項4に記載の化合物の製造方法。
  6. 2種以上の液体を混合可能な混合手段を2つ以上と、少なくとも1つの前記混合手段と接続され、液体を流通可能な管である流通路を4つ以上とを備えるマイクロリアクターを用いて行われる請求項4から5のいずれかに記載の化合物の製造方法。
  7. ビニル基含有化合物の付加重合体であるポリマーであって、
    重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した分子量分布(Mw/Mn)が、2.0未満であり、
    前記付加重合体の一方の末端が、下記一般式(11)で表される基であって、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合しており、
    前記付加重合体の他方の末端が、求電子剤の残基であって、前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合していることを特徴とするポリマー。
    ただし、前記一般式(11)中、R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
    ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
    ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記ビニル基含有化合物のビニル基に由来する炭素原子に結合している基である。
  8. 前記付加重合体が、単独重合体である請求項7に記載のポリマー。
  9. 下記一般式(20)で表される請求項7から8のいずれかに記載のポリマー。
    ただし、前記一般式(20)中、R11は、前記一般式(11)中のR11と同じ意味を表す。R10は、水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R13は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。Eは、前記求電子剤の残基を表す。nは、繰り返し数を表す。
  10. 前記数平均分子量(Mn)が、1,000〜100,000である請求項7から9のいずれかに記載のポリマー。
  11. 下記一般式(12)で表されるハロゲン化物と、リチオ化剤とを反応させて下記一般式(10)で表されるアルキルリチウムを得るリチオ化工程と、
    前記アルキルリチウム存在下で、ビニル基含有化合物のリビングアニオン重合を行い、リビングアニオン重合体を得る重合工程と、
    前記リビングアニオン重合体と、求電子剤とを反応させ、ポリマーを得る工程と、を含むことを特徴とするポリマーの製造方法。
    ただし、前記一般式(12)中、Xは、ハロゲン原子を表す。R11は、下記一般式(12−1)で表される基、及び下記一般式(12−2)で表される基のいずれかを表す。
    ただし、前記一般式(12−1)中、R12は、保護基により保護されていてもよい官能基を有する基を表す。
    ただし、前記一般式(12−2)中、Rringは、脂肪族環状炭化水素基を有する基であって、前記脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子が前記一般式(12)におけるXに結合している基である。
    ただし、前記一般式(10)中、R11は、前記一般式(12)におけるR11と同じ意味を表す。
  12. 前記ポリマーの、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した分子量分布(Mw/Mn)が、2.0未満である、請求項11に記載のポリマーの製造方法。
  13. 前記リチオ化剤が、リチウムナフタレニドである請求項11から12のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
  14. 2種以上の液体を混合可能な混合手段を3つ以上と、少なくとも1つの前記混合手段と接続され、液体を流通可能な管である流通路を6つ以上とを備えるマイクロリアクターを用いて行われる請求項11から13のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
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