JP2019043095A - インクジェット記録装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録装置において、インクの濃度測定時に異常が発生した場合でも、容易に故障箇所の把握が可能とする。【解決手段】インクジェット記録装置であって、インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するタンクと、前記タンクに貯留されたインクの濃度を測定するための濃度測定部と、前記タンクに貯留されたインクの濃度を希釈するための希釈液を供給する供給部と、前記供給部から前記希釈液を前記タンクに供給するか前記濃度測定部に供給するかを切り替える切り替え手段と、前記濃度測定部の測定結果に基づき、障害の発生を判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記濃度測定部にて測定したインクの濃度が所定の範囲外である場合、前記切り替え手段により前記供給部から前記濃度測定部に前記希釈液を供給するように切り替えて前記濃度測定部による前記希釈液の測定を行わせ、当該希釈液の測定の結果に応じて、障害の発生を判定する。【選択図】図11

Description

本発明は、インクジェット記録装置およびその制御方法に関する。
特許文献1には、タンク内に貯留された現像液に、ある一定の割合にて希釈液を混合させ、透過光量が測定できる範囲内の濃度にまで希釈したトナー濃度検出用現像液を生成し、透明セル部において、透過光量を測定する方法が開示されている。
特開平11−198398号公報
特許文献1の測定方法では、濃度検出において想定外の値を検出した場合に、濃度センサ等の故障か、インク自体の濃度に異常があるか否かを判定できない。このとき、異常に関する問題を特定するために時間がかかり、結果として装置全体の復旧に時間がかかってしまう。
そこで、本発明では、インクの濃度測定時に異常が発生した場合でも、容易に故障箇所の把握が可能な構成を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、インクジェット記録装置であって、インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するタンクと、前記タンクに貯留されたインクの濃度を測定するための濃度測定部と、前記タンクに貯留されたインクの濃度を希釈するための希釈液を供給する供給部と、前記供給部から前記希釈液を前記タンクに供給するか前記濃度測定部に供給するかを切り替える切り替え手段と、前記濃度測定部の測定結果に基づき、障害の発生を判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記濃度測定部にて測定したインクの濃度が所定の範囲外である場合、前記切り替え手段により前記供給部から前記濃度測定部に前記希釈液を供給するように切り替えて前記濃度測定部による前記希釈液の測定を行わせ、当該希釈液の測定の結果に応じて、障害の発生を判定する。
本発明により、インクの濃度測定時に異常が発生した場合でも、容易に故障箇所の把握が可能となる。
記録システムの概要図である。 記録ユニットの斜視図である。 図1の記録システムの制御系のブロック図である。 図1の記録システムの制御系のブロック図である。 記録ヘッドの構成例を示す斜視図である。 記録ヘッドをインクが循環する機構を説明するための図である。 記録ヘッドとバッファタンクとの間のインク循環機構を示す図である。 記録ヘッド内のインクの循環方向を説明する図である。 本発明に係るタンク周辺のインクの流路の概略構成を示す図である。 本発明に係る濃度測定部の構成例を示す図である。 本発明に係る濃度測定の処理のフローチャートである。 本発明に係る希釈水供給用のポンプの交換における復旧判定処理のフローチャートである。 本発明に係る希釈水供給用のポンプもしくは電磁弁の交換における復旧判定処理のフローチャートである。 本発明に係るインクの濃度と閾値との関係を説明するための図である。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写ドラム(転写胴)41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写ドラム41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写ドラム41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写ドラム41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写ドラム41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写ドラム41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写ドラム41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写ドラム41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写ドラム41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
転写ドラム41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力を分配することができる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写ドラム41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写ドラム41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図3および図4は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、処理部131が実行するプログラムや、データを格納し、また、処理部131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図3において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信I/F135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図4に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、転写ユニット4の駆動制御や、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
次に以上のような構成の記録システムにおいて、記録ヘッド30とインクタンクとの間のインク循環機構について説明する。
<インク循環機構の詳細説明>
[記録ヘッドの詳細な構成]
図5は記録ヘッド30の構成を示す斜視図である。
図5(a)は、記録ヘッド30を斜め下方より眺めた斜視図であり、図5(b)は記録ヘッド30を斜め上方より眺めた斜視図である。
記録ヘッド30は1つの素子基板10で1色のインクを吐出可能な素子基板10を直線上に15個配列(インラインに配置)し、記録媒体の幅に相当する記録幅を備えたフルライン記録ヘッドである。
図5(a)に示すように、記録ヘッド30の両端部に設けられた接続部111は、記録装置のインク供給機構と接続される。これにより、インクがインク供給機構から記録ヘッド30に供給され、また記録ヘッド30内を通ったインクがインク供給機構へと回収されるようになっている。このように、インクはインク供給機構の経路と記録ヘッド30の経路を介して循環可能である。
図5(b)に示すように、記録ヘッド30には、各素子基板10とフレキシブル配線基板40と電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91と電力供給端子92を備える。信号入力端子91及び電力供給端子92は記録装置の記録制御部15Aと電気的に接続され、それぞれ、駆動信号及び吐出に必要な電力を素子基板10に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号入力端子91及び電力供給端子92の数を素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、記録ユニット3に対して記録ヘッド30を取り付ける時又は記録ヘッド30の交換時に取り外しが必要な電気接続部の数が少なくて済む。
[記録ヘッドのインク循環流路]
図6は、記録ヘッド30をインクが循環する機構を説明する図である。
図6(a)は、液体吐出ユニット300、液体供給ユニット220及び負圧制御ユニット230を備える記録ヘッド30の側面図である。図6(b)は、液体の流れを示す概略図である。図6(c)は、図6(a)のG−G線部における断面を示す斜視図である。
図6(a)に示されているように、負圧制御ユニット230が液体供給ユニット220の下方に一体化して形成されている。また、液体供給ユニット220には、流路部材60が、さらにその下方には別の流路部材50が取り付けられている。これら2つの流路部材50、60は液体吐出ユニット300の一部を構成する。さらに、図6(b)に示すように、液体供給ユニット220内には接続部111とフィルタ221が設けられる。このような構成によって負圧制御ユニット230と素子基板10との高さ方向の距離が短くなっている。
また、負圧制御ユニット230とインク吐出口の形成面とにおける水頭差が相対的に小さくなるので、図1、図2に示すような記録ヘッド30の傾斜角度が記録ヘッドごとに異なるような記録ユニット3へ好適に対応できる。これは、水等差を小さくできるため、複数の記録ヘッド30を異なる傾斜角で用いても、各素子基板のインク吐出口に加わる負圧差を低減できるためである。また、負圧制御ユニット230から素子基板10までの距離が小さくなることで、その間の流抵抗が小さくなり、液体(インク)の流量変化による圧損差も小さくなり安定な負圧制御が行える点でも好ましい。
さらに、図6(b)は、記録ヘッド30内部での実際のインクの流れを示している。長尺状の流路部材60内には、記録ヘッド30の長手方向に伸びる一組の共通流路(共通供給流路)211と共通流路(共通回収流路)212とが設けられている。共通流路211と共通流路212は互いに対向する方向に液体(インク)が流れるように構成されており、夫々の流路の上流側にはフィルタ221が設けられ、接続部111等から侵入する異物をトラップする。
このように、共通流路211と共通流路212は互いに対向する方向に液体を流すことで、記録ヘッド30内の長手方向における温度勾配が軽減されるので好ましい。
共通流路211と共通流路212の下流側には、それぞれ負圧制御ユニット230が接続される。また、共通流路211の途中には複数の個別流路(個別供給流路)213aへの分岐部があり、共通流路212の途中には複数の個別流路(個別回収流路)213bへの分岐部がある。個別流路213aと個別流路213bは複数の流路部材50内に形成されており、夫々の個別流路は、素子基板10の裏面に設けられた開口部(不図示)と連通している。
図6(b)に、HとLで示した負圧制御ユニット230は、高圧側(H)の負圧制御ユニットと、低圧側(L)の負圧制御ユニットである。それぞれの負圧制御ユニット230は、相対的に高(H)、低(L)の負圧で、負圧制御ユニット230よりも上流側の圧力を制御するように設定された背圧型圧力調整機構である。共通流路211は負圧制御ユニット230(高圧側)と接続され、共通流路212は負圧制御ユニット230(低圧側)と接続され、これにより共通流路211と共通流路212の間には差圧が発生する。その差圧によって、液体が共通流路211から個別流路213a、素子基板10内の各インク吐出口(不図示)、個別流路213bを順に通過して共通流路212へと流れる。
また、図6(a)に示した構成から分かるように、記録ヘッド30は複数のユニットや部材からなるモジュール構成である。さて、図6(c)に示すように、個々のモジュールは、流路部材50、素子基板10、フレキシブル配線基板40から構成されている。この実施形態では、素子基板10が直接、流路部材50に接続される。流路部材60に設けられた共通流路211は、その上面に形成される連通口61Aから、流路部材50の下面に形成される個別連通口53を介して、個別流路213aに供給される。その後、液体は、素子基板10の圧力室(不図示)を経由して個別流路213b、個別連通口53、連通口61Aを順に経由して共通流路212へと回収される。
ここで、流路部材50の下面(流路部材60側の面)にある個別連通口53は流路部材50の上面に形成される連通口61Aに対して十分大きな開口部を有する。この構成により 、各モジュールを流路部材60上にマウントする際に位置がずれても、2つの流路部材50、60の間で確実に連通が行われるので、ヘッド製造時の歩留まりが向上しコストダウンが図られる。
[記録ヘッドとバッファタンクとの間のインク循環機構]
図7は、記録ヘッド30とバッファタンクとの間のインク循環機構を示す図である。なお、図7において、既に図6を参照して説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号や参照記号を付し、その説明は省略する。なお、このインク循環機構をインク供給装置ということもある。
図7に示されるように、本実施形態におけるインク供給機構には5つのポンプ61〜65が用いられる。インクを貯留する貯留部TKは、この実施形態では、2つのタンク(メインタンクTK1、バッファタンクTK2)から構成され、バッファタンクTK2が記録ヘッド30と接続され、バッファタンクTK2と記録ヘッド30との間でインクが循環する。一方、メインタンクTK1とバッファタンクTK2の間の流路にはポンプ61が備えられ、ポンプ61によりメインタンクTK1よりバッファタンクTK2に適宜、インクが補充される。なお、メインタンクTK1とバッファタンクTK2との容量については特に限定するものではなく、大きさの関係性も特に限定するものではない。
図1で言及した流路6aは、図7に示されているように、メインタンクTK1とバッファタンクTK2の間の流路71と、バッファタンクTK2と記録ヘッド30の間では4つの流路72〜75とから構成される。そして、流路72〜75にはポンプ62〜65がそれぞれ備えられる。
インク循環機構は、4つのポンプ62〜65の駆動を制御することでインク循環方向を切り替えることができる。
図8は記録ヘッド内のインクの循環を説明する図である。インクを循環させる場合、上述のようにポンプ62とポンプ65を駆動し、ポンプ63とポンプ64を停止する。この場合、流路74側の負圧制御ユニット230として動作する減圧弁は閉じられ、流路75側の負圧制御ユニット230として動作する減圧弁は開けられている。従って、図8に示すように、インクは流路72を経てフィルタ221を通過して共通流路211に達し、個別流路213aを経て、素子基板10の各ノズルに供給され、個別流路213bを経て共通流路212から流路75に戻る。
同様に、ポンプ63とポンプ64を駆動し、ポンプ62とポンプ65を停止する。この場合、流路75側の負圧制御ユニット230として動作する減圧弁は閉じられ、流路74側の負圧制御ユニット230として動作する減圧弁は開けられている。その結果、インクは流路73を経てフィルタ221を通過して共通流路212に達し、個別流路213bを経て、素子基板10の各ノズルに入り、個別流路213aを経て共通流路211から流路74に戻る。
このように、記録ヘッド30内でのインクの循環が行われる。なお、上記において、2つの方向にインクが循環する構成の記録ヘッドの例を示したが、これに限定するものではなく、一方向のみ循環可能な記録ヘッドを用いてもよい。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
[タンク周辺の構成例]
図9は、本実施形態に係るインクジェット記録装置に設けられる、タンク周辺のインクの流路の全体概念を説明するための図である。
記録ヘッド30は、インクを吐出して画像形成を行う記録ヘッドである。画像形成に用いられるインクは、タンク901から供給される。また、記録ヘッド30とタンク901とは、インクが循環するように構成されている。上述したように、タンク901は、図7に示すバッファタンクTK2に対応する。
タンク901は、画像形成に用いられるインクが貯留された貯留部である。なお、タンク901内部には、インクを撹拌するための撹拌部(不図示)やインクの貯留量(残量)を検知するための検知部(不図示)などを備えてもよい。
タンク901の周辺には、タンク901に対してインクを供給するためのインク供給タンク902、タンク901に対して希釈水を供給するための希釈水供給タンク903、ポンプ904、905、及びバルブ906、908が設けられる。ポンプ904は、図7に示したポンプ61に対応する。また、濃度測定部907が設けられ、そのインクの流路における下流にはバルブ910、ポンプ909、排インクタンク911が設けられる。
また、タンク901は、記録ヘッド30との間にインクの流路が設けられており、その流路上には、タンク901と記録ヘッド30との間でインクを循環させるためのポンプ912、913が設けられる。ここでは説明を簡略化するために2つのポンプ912、913を示しているが、これらは、図7に示したポンプ62〜65に対応している。記録ヘッド30とタンク901とのインクの循環については、図6〜図8に示した通りである。
インク供給タンク902は、タンク901に貯留されたインクの量が減少した場合や、タンク901内のインクの濃度が低下した場合などに、タンク901に供給されるインクが貯留された供給部である。インク供給タンク902からタンク901へのインクの供給は、制御部(不図示)からの指示に基づいて行われてもよいし、インク供給タンク902が交換された際に行われてもよい。制御部(不図示)によりポンプ904が駆動されることでインク供給タンク902からタンク901に対してインクが供給される。また、インク供給タンク902内部には、インクを撹拌するための撹拌部(不図示)やインクの貯留量を検知するための検知部(不図示)などを備えてもよい。インク供給タンク902内のインクは、適時ユーザ等により補給される。
希釈水供給タンク903は、タンク901内のインクの濃度が上昇した場合などに、タンク901内のインクの濃度を調節するための希釈水が貯留された供給部である。希釈水としては、例えば、純水などが用いられるが、他の希釈液を用いてもよい。タンク901内のインクの濃度は、外的環境や画像形成動作等により変動するため、希釈水を供給することで、適切な濃度に維持される。希釈水供給タンク903からタンク901への希釈水の供給は、制御部(不図示)からの指示に基づいて行われてもよい。制御部(不図示)によりポンプ905が駆動されることで希釈水供給タンク903からタンク901に対して希釈水が供給される。また、希釈水供給タンク903内部には、希釈水の貯留量を検知するための検知部(不図示)などを備えてもよい。希釈水供給タンク903内の希釈水は、適時ユーザ等により補給される。
更に、本実施形態において、希釈水供給タンク903は、タンク901を介さずに濃度測定部907へ希釈水を供給できるように構成されている。供給する際の動作はフローチャートと併せて説明する。
排インクタンク911は、濃度測定部907にて測定が行われたインクのうち、適切な濃度でないインクなど不要となったインクが排出される部位である。なお、排インクタンク911内に貯留されたインクは、ユーザ等により適時破棄されるものとする。
濃度測定部907は、タンク901内部のインクの濃度を検知するための部位である。濃度測定部907内に構成された流路を通ったインクは、タンク901もしくは排インクタンク911へと流される。
バルブ906、908、910は、希釈水もしくはインクの流路を切り替える際に用いられる。各バルブには、例えば、電磁弁が用いられる。切り替えに関しては、フローチャートと併せて説明する。
ポンプ905、909は、各タンク内から希釈水もしくはインクを流動させるために用いられる。各ポンプの制御については、フローチャートと併せて説明する。
なお、図9では、説明を簡略化するために1色分の構成要素を示しているが、記録装置が対応するインクの色数(種類数)に応じて、図9に示す組の構成要素が設けられるものとする。
[濃度測定部]
図10は、本実施形態に係る濃度測定部の概略構成を示す図である。濃度測定部は、図1に示した貯留部TKの数に対応して複数が設けられる。
セル部1001は、濃度を測定するインクを通過させるための流路が形成された、透明部材にて構成された部位である。ここでは図の下側から上側に向かってインクが流れるような例を示している。セル部1001は、例えば、石英などにより構成される。発光素子1002は、光を照射する光源である。発光素子1002は、測定部1004からの指示に基づき、所定の光量にて光を照射する。発光素子1002は、例えば、LEDなどで構成される。受光素子1003は、セル部1001を介して透過してきた光を受光する受光素子であり、セル部1001を挟んで発光素子1002に対向する位置に配置される。受光素子1003にて受光した光量の情報(信号)は、測定部1004へと渡される。受光素子1003は、例えば、フォトダイオードなどで構成される。
セル部1001において、発光素子1002からの光が入射光として、インクが流れる所定の位置へ照射される。そして、その所定の位置を透過した透過光が受光素子1003へと到達するように構成される。セル部1001のインクが流れる流路において、所定の位置は、他の部分と比較して狭くなるように狭部が構成されている。ここで、セル部1001における所定の位置(狭部)の幅L1(光路長)と、それ以外の位置の幅L2との関係は、インクの色や成分に応じて規定されているものとする。例えば、幅L1は、20μm程度にて構成することができる。なお、濃度測定時における発光素子1002による照射光の光量についても、幅L1やインクの色(透過度)との関係から規定される。ここでの、幅L1、L2は、インクが通過する流路における径を指すが、その断面は円形に限定するものではなく、他の形状であってもよい。
測定部1004は、タンク901内のインクの濃度を測定する際に、発光素子1002を制御し、所定の光量にて発光させる制御部として機能する。また、測定部1004は、発光素子1002にて照射した光に対応して、受光素子1003にて受光した光量を取得し、その値に基づき、インクの濃度を導出する導出部としても機能する。なお、発光素子1002による発光量、受光素子1003による受光量、およびインクの濃度は、予め対応づけてその情報が保持されているものとする。ここでの対応関係は、インクの色毎に、例えば、ルックアップテーブルなどにより規定されているものとする。測定部1004による測定結果に基づき、例えば、タンク901内のインクの濃度調整が行われる。
[処理フロー]
(濃度測定処理)
図11は、本実施形態に係るインクの濃度測定に係る制御のフローチャートを示す。本処理は、記録装置が備える制御部(例えば、メインコントローラ13A)が、記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。本処理フローは、所定のタイミングや時間間隔で実施してもよい。また、画像形成中に行われてもよい。
S1101にて、制御部は、各バルブおよびポンプを制御することにより、タンク901内のインクを濃度測定部907へ供給させる。
S1102にて、制御部は、供給されたインクを濃度測定部907に測定させ、その測定データを取得する。
S1103にて、制御部は、S1102にて取得した測定データが印刷可能範囲内の濃度か否かを判定する。ここでの印刷可能範囲内と後述する各閾値との関係については、図14を用いて後述する。また、各閾値の情報は、インクの種類や特性に応じて予め規定され、記憶部等に保持されているものとする。印刷可能範囲内である場合(S1103にてNO)S1107へ進み、印刷可能範囲外である場合(S1103にてYES)S1104へ進む。
S1104にて、制御部は、S1102にて取得した測定データが目標値より高いか否かを判定する。ここでの目標値は、印刷可能範囲内であって、そのインクによる画像形成に最も適しているとする濃度を意味する。上述したようにタンク901内に貯留されたインクの濃度は外的要因などによりその都度変動しているため、印刷可能範囲内の濃度のインクを更に適切な濃度へ近づけるように制御している。また、適切なインクの濃度を維持するために、濃度が印刷可能範囲のしきい値に極力近づかないようにすることも本制御の目的である。目標値については、インクの種類に応じて予め規定され、記憶部に保持されているものとする。
S1105にて、制御部は、バルブ906、ポンプ905を制御し、タンク901内に希釈水を供給する。ここで供給する希釈水の量は、予め規定された定量もしくは単位時間当たりの量が供給されてもよいし、タンク901内のインクの残量や濃度測定部907にて測定した測定データ(測定値)、目標値との差異などに応じて決定してもよい。また、インクの種類に応じて変動してもよい。本処理により、濃度が目標値を上回っているタンク901内のインクに対し希釈水を供給しては薄めることで、濃度を目標値に近づけている。その後、S1102へ戻り、処理を繰り返す。
S1106にて、制御部は、バルブ906、ポンプ905を制御し、タンク901内に希釈水を供給する動作を停止する。希釈水の供給を停止した場合には、希釈水の蒸発等により、タンク901内のインクの濃度は濃くなっていく。なお、希釈水の供給を停止すると同時に、インク供給タンク902からタンク901に対してインクを供給するようにしてもよい。この場合に供給するインクの量は、予め規定された定量もしくは単位時間当たりの量が供給されてもよいし、タンク901内のインクの残量や濃度測定部907にて測定した測定データ、目標値との差異などに応じて決定してもよい。また、インクの種類に応じて変動してもよい。本処理により、濃度が目標値を下回っているタンク901に対しインクを補給しては濃度を高めることで、濃度を目標値に近づけている。その後、S1102へ戻り、処理を繰り返す。
S1107にて、制御部は、バルブ906、ポンプ905を制御し、タンク901内に希釈水を供給する動作を停止する。
S1108にて、制御部は、バルブ906を制御し、希釈水供給タンク903から、タンク901側ではなく、濃度測定部907へ希釈水が供給されるように流路を制御する。
S1109にて、制御部は、バルブ908、910を制御し、タンク901から濃度測定部907へインクが流れず、希釈水供給タンク903からの希釈水が濃度測定部907へ流れるように流路を制御する。また、濃度測定部907を通った純水もしくはインクがタンク901へ循環しないように排インクタンク911側へ流路が制御される。
S1110にて、制御部は、ポンプ905、909を制御し、希釈水供給タンク903から希釈水を濃度測定部907へ供給させる。ここでの希釈水は、少なくとも図10に示したセル部1001の狭部を希釈水が満たす程度の量が供給される。
S1111にて、制御部は、濃度測定部907により濃度の測定を行う。ここでの測定では、通常のインクの濃度測定とは照射光量や判定基準を変更する。
S1112にて、制御部は、S1111にて取得した測定データが希釈水に対して規定された閾値の範囲内であるか否かを判定する。ここでの閾値は、予め規定され、記憶部等に保持されているものとする。閾値の範囲内である場合は(S1112にてYES)S1113へ進み、閾値の範囲外である場合は(S1112にてNO)S1116へ進む。
S1113にて、制御部は、S1102にて取得した直近の測定データが、閾値1以下であるか否かを判定する。閾値1以下である場合は(S1113にてYES)S1114へ進み、閾値1より大きい場合は(S1113にてNO)S1115へ進む。
S1114にて、制御部は、タンク901内に貯留したインクの濃度が薄い(印刷可能範囲を下回っている)旨のエラーを通知する。さらに、制御部は、希釈水を供給するためのポンプに障害(故障)が発生している可能性があるため、これの交換もしくは確認の要求を通知する。ここでのポンプとは、例えば、図9に示すポンプ905に相当する。ここでの通知方法は、記録装置が備える表示部(不図示)にて表示してもよいし、例えば、メール等にて通知するような構成であってもよい。その後、本処理フローを終了する。
S1115にて、制御部は、タンク901内に貯留したインクの濃度が濃い(印刷可能範囲を上回っている)旨のエラーを通知する。更に、制御部は、希釈水を供給するためのポンプもしくはバルブに障害(故障)が発生している可能性があるため、これの交換もしくは確認の要求を通知する。ここでのポンプやバルブとは、例えば、図9に示すポンプ905やバルブ906、908に相当する。バルブの故障としては、内部の電磁弁が故障している場合などが該当する。その後、本処理フローを終了する。
S1116にて、制御部は、濃度測定部907に障害(故障)が発生していると判定し、その旨のエラーを通知する。併せて、制御部は、これの交換もしくは確認の要求を通知する。そして、本処理フローを終了する。
(復旧判定処理)
図12、図13は、本実施形態に係る復旧判定の処理に係る制御のフローチャートを示す。図11において、エラーが通知された後に、正常に復旧できる否かを判定するための処理である。図12、図13の処理は、記録装置が備える制御部(例えば、メインコントローラ13A)が、記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、図12、図13の処理は、図11にてエラーが通知された後、一定時間後に開始されてもよいし、ユーザから、復旧作業が完了した旨の指示を受けた際に開始されてもよい。
まず、図12の処理について説明する。図12は、図11のS1114の処理にてエラーが通知された後に復旧判定として実行される処理である。
S1201にて、制御部は、各バルブを制御し、タンク901と濃度測定部907とにおいてインクが循環するように流路を切り替える。
S1202にて、制御部は、各バルブおよびポンプを制御することにより、タンク901内のインクを濃度測定部907へ供給させる。
S1203にて、制御部は、供給されたインクを濃度測定部907に測定させ、その測定データを取得する。
S1204にて、制御部は、S1203にて取得した測定データが閾値2より高いか否かを判定する。閾値2より高い場合は(S1204にてYES)S1205へ進む。閾値2以下である場合は(S1204にてNO)S1206へ進む。ここでの閾値2は、インクを循環させることでその濃度が濃縮され、比較的早期に印刷可能範囲へと変化可能な値が設定される。
S1205にて、制御部は、ポンプ909を制御し、インクを循環させる。このとき、タンク901内に設けられた撹拌部(不図示)等を併用してもよい。その後、S1208へ進む。
S1206にて、制御部は、バルブ910、ポンプ909を制御し、インクを排インクタンク911に排出させる。ここで排出するインクは、タンク901内のインクの残量に応じて、タンク901内のインク全てを破棄するようにしてもよいし、濃度測定部907に接続された循環用の流路内に存在するインクのみを破棄するようにしてもよい。
S1207にて、制御部は、各ポンプやバルブを制御し、インク供給タンク902からタンク901へインクを供給させる。このとき、供給するインクの量は、一定量であってもよいし、S1203にて取得した測定データと閾値2との差分から決定する量であってもよい。また、タンク901におけるインクの残量に応じて決定してもよい。その後、S1208へ進む。
S1208にて、制御部は、各バルブおよびポンプを制御することにより、タンク901内のインクを濃度測定部907へ供給させる。
S1209にて、制御部は、供給されたインクを濃度測定部907に測定させ、その測定データを取得する。
S1210にて、制御部は、S1209にて取得した測定データが印刷可能範囲内であるか否かを判定する。印刷可能範囲外である場合は(S1210にてNO)S1204へ戻り、処理を繰り返す。印刷可能範囲内である場合は(S1210にてYES)本処理フローを終了する。この時、正常に復旧が完了したとして、通常の動作を実行・継続させる。
次に、図13の処理について説明する。図13は、図11のS1115の処理にてエラーが通知された後に復旧判定として実行される処理である。
S1301にて、制御部は、各バルブを制御し、タンク901と濃度測定部907とにおいてインクが循環するように流路を切り替える。
S1302にて、制御部は、各バルブおよびポンプを制御することにより、タンク901内のインクを濃度測定部907へ供給させる。
S1303にて、制御部は、供給されたインクを濃度測定部907に測定させ、その測定データを取得する。
S1304にて、制御部は、S1303にて取得した測定データが閾値3より低いか否かを判定する。閾値3より低い場合は(S1304にてYES)S1305へ進む。閾値3以上である場合は(S1304にてNO)S1306へ進む。ここでの閾値3は、インクを希釈させることでその濃度が低下し、比較的早期に印刷可能範囲へと変化可能な値が設定される。
S1305にて、制御部は、ポンプ909を制御し、インクを循環させる。このとき、タンク901内に設けられた撹拌部(不図示)等を併用してもよい。その後、S1307へ進む。
S1306にて、制御部は、バルブ910、ポンプ909を制御し、インクを排インクタンク911に排出する。ここで排出するインクは、タンク901内のインクの残量に応じて、タンク901内のインク全てを破棄するようにしてもよいし、濃度測定部907に接続された循環用の流路内に存在するインクのみを破棄するようにしてもよい。その後、S1307へ進む。
S1307にて、制御部は、各ポンプやバルブを制御し、希釈水供給タンク903からタンク901へ希釈水を供給させる。このとき、供給する希釈水の量は、一定量であってもよいし、S1303にて取得した測定データと閾値3との差分から決定する量であってもよい。また、タンク901におけるインクの残量に応じて決定してもよい。
S1308にて、制御部は、各バルブおよびポンプを制御することにより、タンク901内のインクを濃度測定部907へ供給させる。
S1309にて、制御部は、供給されたインクを濃度測定部907に測定させ、その測定データを取得する。
S1310にて、制御部は、S1309にて取得した測定データが印刷可能範囲内であるか否かを判定する。印刷可能範囲外である場合は(S1310にてNO)S1307へ戻り、処理を繰り返す。印刷可能範囲内である場合は(S1310にてYES)本処理フローを終了する。この時、正常に復旧が完了したとして、通常の動作を実行・継続させる。
(インクの濃度と制御に係る値の関係)
図14は、本実施形態に係る各処理にて用いる設定値とインクの濃度との関係を説明するための図である。図14において縦軸はインクの濃度を示し、上に行くほど濃度が高いことを示す。インクが取り得る濃度において、画像形成に利用可能な濃度の範囲として印刷可能範囲が規定される。この範囲以上であれば、濃度が濃すぎることとなり、画像形成には適しないものとなる。また、印刷可能範囲を下回った場合は、濃度が薄すぎることとなり、画像形成には適さないものとなる。
印刷可能範囲において、最も画像形成に適する濃度として目標値が設定され、この濃度に極力維持されるように制御される。目標値を0%とした場合に、その上下5%(±5%)の変動幅の範囲を印刷可能範囲とする。また、本発明において、印刷可能範囲の下限(−5%)を閾値1として設定する。さらに、目標値に対し、−15%の値を閾値2とし、+15%の値を閾値3として設定する。
なお、上記の設定値は一例であり、他の値を用いてもよい。また、インクの種類に応じて異なる値を用いてもよい。
以上、本実施形態により、濃度センサ等の故障か、現像液自体の濃度に異常があるかの伐分を容易にし、安定性の高い濃度測定を可能にすることができる。また、ユーザに対し、インクの状態及び障害の箇所を特定して通知することが可能となる。
<他の実施形態>
上記の実施形態では、タンクに供給する希釈水が貯留されたタンクと障害時に濃度測定部にて参照する希釈水が同じタンク(希釈水供給タンク)から供給されていた。しかし、この構成に限定するものではなく、複数の希釈水供給タンクを設け、それぞれが異なるタンクから供給されるようにしてもよい。
また、障害時に濃度測定部にて測定を行う液体は、希釈水に限定するものではなく他の基準となる媒体であってもよい。
また、上記の図では、説明を簡略化するために、1の流路において、1のバルブもしくはポンプを設けた例を示したが、これに限定するものではなく、複数のバルブもしくはポンプを設けてもよい。
上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、一つの記録ヘッド30を有してもよい。記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30を着脱自在に搭載するキャリッジをY方向に移動させながら記録ヘッド30からインクを吐出してインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。
上記実施形態では、転写体2を転写ドラム41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
30…記録ヘッド、901…タンク、902…インク供給タンク、903…希釈水供給タンク、911…排インクタンク、907…濃度測定部、906、908、910…バルブ、904、905、909…ポンプ

Claims (12)

  1. インクジェット記録装置であって、
    インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するタンクと、
    前記タンクに貯留されたインクの濃度を測定するための濃度測定部と、
    前記タンクに貯留されたインクの濃度を希釈するための希釈液を供給する供給部と、
    前記供給部から前記希釈液を前記タンクに供給するか前記濃度測定部に供給するかを切り替える切り替え手段と、
    前記濃度測定部の測定結果に基づき、障害の発生を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記判定手段は、前記濃度測定部にて測定したインクの濃度が所定の範囲外である場合、前記切り替え手段により前記供給部から前記濃度測定部に前記希釈液を供給するように切り替えて前記濃度測定部による前記希釈液の測定を行わせ、当該希釈液の測定の結果に応じて、障害の発生を判定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記判定手段は、前記希釈液の測定の結果に応じて、前記濃度測定部もしくは前記切り替え手段のいずれかにおける障害であることを特定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記判定手段は、前記希釈液の測定値が、前記希釈液に対応して規定された所定の閾値の範囲に含まれる場合、前記切り替え手段の障害であると判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記判定手段は、前記希釈液の測定値が、前記希釈液に対応して規定された所定の閾値の範囲外である場合、前記濃度測定部の障害であると判定することを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記切り替え手段は、前記インクおよび前記希釈液の流路に備えられたポンプもしくはバルブを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記希釈液は、純水であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記タンクにインクを供給する第2の供給部を備え、
    前記濃度測定部の測定の結果に基づいて、前記タンクに対し、前記第2の供給部によるインクの供給もしくは前記供給部からの前記希釈液の供給が行われることで、前記タンク内のインクの濃度が調整されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. インクを排出する排インクタンクを備え、
    前記切り替え手段は、前記希釈液の測定を行う際に、当該希釈液が前記排インクタンクへ排出されるように切り替えを行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記判定手段による判定の結果を通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記通知手段は、障害が発生した際に、前記タンク内のインクの濃度に関する情報を通知することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記濃度測定部は、
    透明部材で構成され、インクの流路が形成されたセル部と、
    前記セル部を通過するインクに対して光を照射する発光素子と、
    前記セル部を介して透過した光を受光する受光素子と、
    前記発光素子にて照射した光量と、前記受光素子にて受光した光量とに基づいて、前記インクの濃度を導出する導出部と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  12. インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するタンクと、
    前記タンクに貯留されたインクの濃度を測定するための濃度測定部と、
    前記タンクに貯留されたインクの濃度を希釈するための希釈液を供給する供給部と、
    前記供給部から前記希釈液を前記タンクに供給するか前記濃度測定部に供給するかを切り替える切り替え手段と、
    を備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記濃度測定部にて測定したインクの濃度が所定の範囲外である場合、前記切り替え手段により前記供給部から前記濃度測定部に前記希釈液を供給するように切り替えて前記濃度測定部による前記希釈液の測定を行わせ、当該希釈液の測定の結果に応じて、障害の発生を判定することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021094755A (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド

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