JP2019042608A - 改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置 - Google Patents

改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019042608A
JP2019042608A JP2017164518A JP2017164518A JP2019042608A JP 2019042608 A JP2019042608 A JP 2019042608A JP 2017164518 A JP2017164518 A JP 2017164518A JP 2017164518 A JP2017164518 A JP 2017164518A JP 2019042608 A JP2019042608 A JP 2019042608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fly ash
self
heating
environment
preheating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017164518A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6948190B2 (ja
Inventor
慶展 辰巳
Yoshinori Tatsumi
慶展 辰巳
淳一 寺崎
Junichi Terasaki
淳一 寺崎
佐藤 貴之
Takayuki Sato
貴之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd, Taiheiyo Cement Corp filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2017164518A priority Critical patent/JP6948190B2/ja
Publication of JP2019042608A publication Critical patent/JP2019042608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6948190B2 publication Critical patent/JP6948190B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/12Heat utilisation in combustion or incineration of waste
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

【課題】フライアッシュを安定的に且つ効率的に改質することができる改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置の提供。【解決手段】フライアッシュF1を、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境で予熱する予熱工程と、前記予熱工程を経たフライアッシュF3を、外熱式ロータリーキルン4に燃焼ガスA2と共に供給し、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境で加熱する加熱工程とを備えた改質フライアッシュF4の製造方法であって、供給されたフライアッシュF1を、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境で予熱する予熱装置3と、前記予熱装置3により予熱されて供給されたフライアッシュF3を、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境で加熱する外熱式ロータリーキルン4とを備えたフライアッシュ改質装置1とする。【選択図】図1

Description

本発明は、微粉炭燃焼ボイラ等から排出される未燃カーボンを含むフライアッシュから、未燃カーボンを除去して得られる改質フライアッシュの製造方法、及び、供給されたフライアッシュから未燃カーボンを除去するためのフライアッシュ改質装置に関する。
石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラ等から発生する石炭灰(フライアッシュ)は、コンクリートの混和材料等として使用されている。しかしながら、コンクリートの混和材料等に有効活用されるフライアッシュの量は、発生量全体の1%程度に過ぎない。この理由の一つとして、フライアッシュに含まれる未燃カーボンの問題が考えられる。
未燃カーボンを多く含むフライアッシュをコンクリートの混和材料として使用すると、その未燃カーボンがコンクリートの製造時に添加される各種混和剤類を吸着してしまい、混和剤類の添加量が増加してしまう。また、未燃カーボンを多く含むフライアッシュが使用されたコンクリート硬化体では、硬化体表面に未燃カーボンが浮き出し、美観が損なわれてしまう。
そこで、例えば、特許文献1には、外熱式ロータリーキルンにフライアッシュを供給し、供給したフライアッシュをロータリーキルンの加熱部から加えられる熱及び燃焼ガスによって加熱して、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを燃焼させて除去する方法が知られている。
特開2005−207627号公報
上記特許文献1のように外熱式ロータリーキルンを用いる方法によれば、フライアッシュが間接的に緩やかに加温されるために、過焼成によるフライアッシュ粒子同士の融着によってフライアッシュが粗粒化するのを抑制しながら、フライアッシュ中の未燃カーボンが燃焼(自燃)する適度な温度にフライアッシュを加熱することができる。
しかしながら、未燃カーボンが燃焼を開始する温度までフライアッシュを加熱するのに時間を要するため、フライアッシュを安定的に且つ効率的に改質することができないという課題があった。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、フライアッシュを安定的に且つ効率的に改質することができる、外熱式ロータリーキルンを用いた改質フライアッシュの製造方法、及び、外熱式ロータリーキルンを用いたフライアッシュ改質装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、予熱したフライアッシュを外熱式ロータリーキルンに供給することによって、未燃カーボンが充分に燃焼して除去された、良質な改質フライアッシュを安定的に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の改質フライアッシュの製造方法は、フライアッシュを、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境で予熱する予熱工程と、前記予熱工程を経たフライアッシュを、外熱式ロータリーキルンに燃焼ガスと共に供給し、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境で加熱する加熱工程とを備えていることを特徴とする。
本発明の改質フライアッシュの製造方法によれば、フライアッシュを、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境で予熱する予熱工程と、前記予熱工程を経たフライアッシュを、外熱式ロータリーキルンに燃焼ガスと共に供給し、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境で加熱する加熱工程とを備えているので、フライアッシュが外熱式ロータリーキルンに供給された直後から、速やかに未燃カーボンの燃焼が開始する。加えて、外熱式ロータリーキルンの間接的な加熱状態の中で未燃カーボンの燃焼が安定的に継続するので、未燃カーボンが充分に除去された良質な改質フライアッシュを効率よく得ることができる。
また、本発明の改質フライアッシュの製造方法においては、前記加熱工程で前記外熱式ロータリーキルンに供給する前記燃焼ガスの供給量及び該燃焼ガスの酸素濃度のうち少なくとも一方は、前記予熱工程を経たフライアッシュに含まれる未燃カーボンの前記外熱式ロータリーキルンへの供給量に基づいて決定されることが好ましい。これによれば、フライアッシュに含まれる未燃カーボンをより安定的に燃焼させることができる。
また、本発明の改質フライアッシュの製造方法においては、前記加熱工程で前記外熱式ロータリーキルンに供給する前記燃焼ガスの供給量及び該燃焼ガスの酸素濃度のうち少なくとも一方は、前記予熱工程を経たフライアッシュに含まれる未燃カーボンの前記外熱式ロータリーキルンへの供給量をCmol/分とし、前記加熱工程で前記外熱式ロータリーキルンに供給する前記燃焼ガスの酸素量をOmol/分とした場合に、O/Cモル比が1以上7以下となるように決定されることが好ましい。これによれば、未燃カーボンとその燃焼に必要な酸素の量比を適切な範囲とすることができ、例えば外熱式ロータリーキルンに供給するフライアッシュの未燃カーボン含有率が変動しても、その未燃カーボンを安定的に燃焼させることができる。
また、本発明の改質フライアッシュの製造方法においては、前記予熱工程を行う前記非自燃環境の温度が、前記予熱工程に供されるフライアッシュに含まれる未燃カーボンの含有率に基づいて決定されることが好ましい。これによれば、フライアッシュの予熱温度を適切な範囲とすることができ、例えば外熱式ロータリーキルンに供給するフライアッシュの未燃カーボン含有率が高いときは、フライアッシュの予熱温度を下げるなどして、続く加熱工程において、フライアッシュ粒子同士の融着が生じるほどに加熱が過剰になることを防ぐことができる。
また、本発明の改質フライアッシュの製造方法においては、前記予熱工程を行う前記非自燃環境は、その最高温度が、前記加熱工程を行う前記自燃環境の最高温度より低く、その最低温度が、前記加熱工程を行う前記自燃環境の最低温度より低い該環境であることが好ましい。
また、本発明の改質フライアッシュの製造方法においては、前記予熱工程を行う前記非自燃環境は、前記フライアッシュを450℃〜650℃に加熱するための該環境であり、前記加熱工程を行う前記自燃環境は、前記予熱工程を経たフライアッシュを600℃〜900℃に加熱するための該環境であることが好ましい。
一方、上記目的を達成するために、本発明のフライアッシュ改質装置は、供給されたフライアッシュを予熱する予熱装置と、前記予熱装置において、前記供給されたフライアッシュを該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境に置くための第1加熱手段と、前記予熱装置により予熱されて供給されたフライアッシュを加熱する外熱式ロータリーキルンと、前記外熱式ロータリーキルンにおいて、前記予熱されて供給されたフライアッシュを該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境に置くための第2加熱手段とを備えていることを特徴とする。
本発明のフライアッシュ改質装置によれば、フライアッシュを、第1加熱手段を介して、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境で予熱するための予熱装置と、前記予熱装置により予熱されて供給されたフライアッシュを、第2加熱手段を介して、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境で加熱するための外熱式ロータリーキルンとを備えているので、これを使用したフライアッシュの改質処理においては、フライアッシュが外熱式ロータリーキルンに供給された直後から、速やかに未燃カーボンの燃焼が開始する。加えて、外熱式ロータリーキルンの間接的な加熱状態の中で未燃カーボンの燃焼が安定的に継続するので、未燃カーボンが充分に除去された良質な改質フライアッシュを効率よく得ることができる。
また、本発明のフライアッシュ改質装置においては、前記装置は更に制御手段を備え、前記制御手段は、前記第1加熱手段を介して前記非自燃環境を制御し、且つ、前記第2加熱手段を介して前記自燃環境を制御するものであることが好ましい。これによれば、その制御手段が非自燃環境と自燃環境とを適切に区画して、フライアッシュに含まれる未燃カーボンをより安定的に燃焼させることができる。
また、本発明のフライアッシュ改質装置においては、前記制御装置は、前記予熱装置に供給されるフライアッシュに含まれる未燃カーボンの含有率に基づき、前記第1加熱手段を介して前記非自燃環境の温度を制御するものであることが好ましい。これによれば、フライアッシュの予熱温度を適切な範囲とすることができ、例えば外熱式ロータリーキルンに供給するフライアッシュの未燃カーボン含有率が高いときは、フライアッシュの予熱温度を下げるなどして、続く加熱工程において、フライアッシュ粒子同士の融着が生じるほどに加熱が過剰になることを防ぐことができる。
また、本発明のフライアッシュ改質装置においては、前記予熱装置における前記非自燃環境は、その最高温度が、前記加熱装置における前記自燃環境の最高温度より低く、その最低温度が、前記加熱装置における前記自燃環境の最低温度より低い該環境であることが好ましい。
また、本発明のフライアッシュ改質装置においては、前記予熱装置における前記非自燃環境は、前記供給されたフライアッシュを450℃〜650℃に加熱するための該環境であり、前記加熱装置における前記自燃環境は、前記予熱されて供給されたフライアッシュを600℃〜900℃に加熱するための該環境であることが好ましい。
また、本発明のフライアッシュ改質装置においては、前記予熱装置は、1基以上のサイクロンから構成されていることが好ましい。これによれば、多量のフライアッシュを安定的に予熱することができ、加えて、これを連続的に前記加熱装置に供給することができる。
本発明に係るフライアッシュ改質装置の一実施形態を示す概略構成説明図である。 図1に示す改質装置で行われる処理を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係るフライアッシュ改質装置及び改質フライアッシュの製造方法について説明する。
図1には、本発明に係るフライアッシュ改質装置の一実施形態が示される。図1において、実線の矢印はフライアッシュの流れ、一点鎖線の矢印は制御信号の流れ、破線の矢印はガスの流れをそれぞれ示している。
図1に示すように、フライアッシュ改質装置1(以下、「改質装置1」という。)は、供給された未処理フライアッシュF1を予熱する予熱装置3と、供給された予熱フライアッシュF3を加熱する外熱式ロータリーキルン4とを備えている。なお、この実施形態では、予熱装置3の排気側に固気分離装置6を設置し、排気ファン7によって予熱装置3からの排ガスGが固気分離装置6に導入されるようにし、予熱装置3からの排ガスG中に含まれるフライアッシュを分離して、回収フライアッシュF2を得るようにしている。そして、灰供給装置2において、上記未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2との混合灰としたうえ、予熱装置3へ供給するようにしている。これにより、フライアッシュが大気環境中に放出されることを防ぐことができる。
外熱式ロータリーキルン4は、傾斜した大略円筒形状の装置として構成されている。すなわち、フライアッシュ供給部4aと、フライアッシュ排出部4dと、フライアッシュ供給部4a及びフライアッシュ排出部4dの間に回転自在に配置されている円筒形状の内筒部4bと、内筒部4bが挿通され、その内筒部4bよりも大外径である円筒形状の加熱部4cとを有し、内筒部4bがフライアッシュ供給部4aからフライアッシュ排出部4dに向かって0.5〜5.0%で下方に向かって傾斜している。外熱式ロータリーキルン4の加熱部4cには、内筒部4bを外部から加熱するようにバーナーBが配置されている。そして、外熱式ロータリーキルン4のフライアッシュ供給部4aに供給された予熱フライアッシュF3は、内筒部4bの回転に伴って、フライアッシュ供給部4aからフライアッシュ排出部4dへと移動し、その移動にわたる所定時間、加熱処理を受けた後に、改質フライアッシュF4となってフライアッシュ排出部4dから排出されるようになっている。
また、図1に示す実施形態では、改質装置1は、比較的に酸素を多く含む燃焼用ガスA1を加温して燃焼ガスA2とし、これをバーナーB及び外熱式ロータリーキルン4の内筒部4b内に導入するようにしている。また、燃焼用ガスA1の温度を上げるために熱交換器5を備え、この熱交換器5において、外熱式ロータリーキルン4の加熱部4cから排出される高温排ガスHG1との間に熱交換を生じさせて、燃焼用ガスA1が加温されてなる、高温の燃焼ガスA2となすようにしている。一方、高温排ガスHG1は、熱交換によって温度が低下し、図示しない排気ファンにより排ガスGとなって熱交換器5から排出される。内筒部4b内への燃焼ガスA2の導入は、フライアッシュの移動方向に対して向流となるようにフライアッシュ排出部4d側から導入してもよいし、フライアッシュの移動方向に対して並流となるようにフライアッシュ供給部4a側から導入してもよい。図1に示す実施形態では、フライアッシュ排出部4d側から燃焼ガスA2を導入している。
このような外熱式ロータリーキルンの構成によれば、その内筒部内の気相温度を外部からバーナー等の火力により間接的に上昇させるようにしているので、過焼成によりフライアッシュが融着を起こして粗粒化することを防ぎつつ、フライアッシュに含まれる未燃カーボンの燃焼を安定的に継続するのに、都合がよい。
一方、予熱装置3の構成としては、外熱式ロータリーキルン4に供給されるフライアッシュが予熱されるならば、その構成に特に制限はないが、多量のフライアッシュを安定的に予熱し、これを連続的に外熱式ロータリーキルン4に供給することができる観点からは、例えば、1基以上のサイクロンから構成されるようにすることが好ましい。サイクロンの基数(段数)には、特に制限は無い。
図1に示す実施形態では、2段のサイクロン3a、3bが設けられており、外熱式ロータリーキルン4の加熱部4cから排出される高温排ガスHG1、及び内筒部4bから排出される燃焼ガスA2が(以後、予熱装置3を流れる、外熱式ロータリーキルン4の加熱部4cから排出される高温排ガスHG1と内筒部4bから排出される燃焼ガスA2とが混合されたガスを「高温排ガスHG2」と総称する。)、下段側のサイクロン3bのガス導入部からサイクロン3b内に導入され、サイクロン3b内で旋回流を形成しながらフライアッシュと熱交換した後に、サイクロン3bの上部ガス排出口から排出されるようにしている。また、サイクロン3bから排出された高温排ガスHG2は、上段側のサイクロン3aのガス導入部からサイクロン3a内に導入され、サイクロン3a内でもサイクロン3b同様に旋回流を形成しながらフライアッシュと熱交換した後に、サイクロン3aの上部ガス排出口から排出されるようにしている。一方、フライアッシュ(この実施形態では処理前の未処理フライアッシュF1と固気分離装置6で回収した回収フライアッシュF2との混合灰)は、先ず初めに上段側のサイクロン3aに導入され、サイクロン3a内の高温排ガスHG2で加熱された後に、サイクロン3aの下部フライアッシュ排出口から連続的に下段側のサイクロン3bに導入されて、サイクロン3a内の高温排ガスよりも温度の高いサイクロン3b内の高温排ガスHG2でさらに加熱された後に、予熱フライアッシュF3となって外熱式ロータリーキルン4のフライアッシュ供給部4aに供給されるようになっている。
なお、予熱フライアッシュF3の外熱式ロータリーキルン4への導入位置は、図1に示す実施形態においては、内筒部4bのフライアッシュ供給側の端部であるが、そのフライアッシュ供給部4aに連通して内筒部4bの内部に延伸・挿入される供給管等の構造の付加により、内筒部4bの中央部側に任意にスライドさせることも可能である。これによれば、予熱フライアッシュF3がフライアッシュ供給部4aからフライアッシュ排出部4dへと移動するに伴って加熱処理される時間を調整することができる。
図1に示すように、改質装置1は、さらに、各種測定装置による測定に基づいて各種制御を行うための制御装置11を備えていてもよい。
具体的には、例えば、この実施形態においては、内筒部4bの内部には、内筒部4bを加熱する複数のバーナーBにより各出力を調整可能な領域ごとに、第1温度計T1が設けられている。第1温度計T1は、内筒部4bの内部におけるフライアッシュの温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置11に送信する。また、内筒部4bの長軸方向の中央部には、内筒部4bの外側表面近傍に、第2温度計T2が設置されている。この実施形態においてはこの付近が内筒部4bの最も高温となる部位となっており、第2温度計T2は、内筒部4bの最も高温となる部位の温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置11に送信する。なお、第1温度計T1や第2温度計T2としては、例えば、熱電対を用いればよい。
内筒部4bを加熱するバーナーB(複数)の出力は、制御装置11によって制御される。具体的には、第1温度計T1や第2温度計T2の測定結果に基づいて、制御装置11がバーナーB夫々の出力を調整して、内筒部4bでの加熱状態を最適化する。
また、ガス配管に設けられた第3温度計T3は、サイクロン3a,3bに導入または排出される高温排ガスHG2の温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置11に送信する。さらに、搬送経路に設けられた第4温度計T4は、サイクロン3a,3bから排出されるフライアッシュの温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置11に送信する。なお、第3温度計T3や第4温度計T4としては、上記第1温度計T1及び上記第2温度計T2と同様に、例えば、熱電対を用いればよい。
また、制御装置11は、予熱フライアッシュF3の温度が所定の温度となるように、サイクロン3bに導入する高温排ガスHG2の温度を、冷却用空気CAの混入量を調整して最適化したり、予熱装置3でのフライアッシュの処理量を調整して最適化するために、灰供給装置2にフライアッシュ供給量に関する情報を送信することができるようになっている。
一方、灰供給装置2と予熱装置3との間には、予熱装置3に供給する未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰の未燃カーボン含有率を測定するためのフライアッシュ測定装置M1が設置されている。フライアッシュ測定装置M1は、予熱装置3に供給されるフライアッシュの未燃カーボン量を測定し、その未燃カーボン量に関する情報を制御装置11に送信する。
また、外熱式ロータリーキルン4のフライアッシュ排出部4dから排出される改質フライアッシュF4の未燃カーボン含有率を測定するために、フライアッシュ排出部4dから排出される改質フライアッシュF4の排出経路にはフライアッシュ測定装置M2が設置されている。フライアッシュ測定装置M2は、製造された改質フライアッシュF4の未燃カーボン量を測定し、その未燃カーボン量に関する情報を制御装置11に送信する。
フライアッシュ測定装置M1及びフライアッシュ測定装置M2としては、例えば、強熱減量値から間接的に未燃カーボン含有率を求めることができる熱天秤分析装置、又は、特開平11−258155号公報に開示されている青色発光体を光源とした反射光量測定装置等のオンライン対応装置などを用いればよい。
さらに、この実施形態においては、外熱式ロータリーキルン4に導入される燃焼ガスA2の導入経路には、燃焼ガス測定装置M3が設置されている。燃焼ガス測定装置M3は、外熱式ロータリーキルン4の内筒部4b内に供給される燃焼ガスA2の流量(供給量)及び酸素濃度を測定し、その流量および酸素濃度に関する情報を制御装置11に送信する。
燃焼ガス測定装置M3としては、例えば、熱式、コリオリ式、渦式、超音波式等の通常の気体用の流量計、及び、磁気式(磁気風方式及び磁気力方式)又は酸素の電気化学的酸化還元反応を利用する電気化学式(ジルコニア方式及び電極方式)の酸素濃度測定装置を併設した装置などを用いればよい。
灰供給装置2から予熱装置3へ供給される混合灰の量は、制御装置11によって制御することができる。具体的には、例えば、フライアッシュ測定装置M1や燃焼ガス測定装置M3の測定結果に基づいて、燃焼ガスの酸素濃度と混合灰の未燃カーボン量の割合が所定の値となるように、制御装置11が、灰供給装置2から供給されるフライアッシュの供給量を決定するようにしてもよい。
上述したように、改質装置1は、予熱装置3から排出する高温排ガスHG2を処理する構成として、さらに、高温排ガスHG2中に含まれるフライアッシュを分離する固気分離装置6を備えていてもよい。固気分離装置6としては、例えば、バグフィルタ等を用いればよい。固気分離装置6で回収された回収フライアッシュF2は、灰供給装置2に搬送されて、処理前の未処理フライアッシュF1と混合され、混合灰を形成する。
ここで、予熱装置3から排出する高温排ガスHG2を排気するための排気ファン7は、固気分離装置6からの回収フライアッシュF2が除去された排ガスGの排気量を調整する。すなわち、排気ファン7は、固気分離装置6へ流入する高温排ガスHG2、ひいては、予熱装置3の内部を流れる高温排ガスHG2の流量、さらには、外熱式ロータリーキルン4の内筒部4bの内部を流れる燃焼ガスA2の流量を調整している。排気ファン7へ供給される動力(すなわち、排気ファン7による排気量)は、制御装置11によって制御されるようにしてもよい。
図1に示すように、改質装置1は、さらに、予熱装置3から排出する高温排ガスHG2中の水銀を回収する水銀回収装置8を備えてもよい。水銀回収装置8としては、例えば、吸着剤により水銀を吸着除去するガス吸着装置を用いればよい。具体的には、カートリッジ式固定相吸着装置、連続クロスフロー式移層吸着装置等を用いればよい。吸着剤としては、硫黄若しくは金属硫化物、活性炭若しくは又は活性炭を担持した吸着媒体、又は、水銀と反応する金属若しくは水銀を担持した吸着媒体等を用いればよい。水銀回収装置で使用される活性炭としては、特に、水銀吸着用として調整された硫黄添着処理が施されている活性炭を用いることが好ましい。かかる水銀回収装置8を備える場合、最上段のサイクロン3aから排出される高温排ガスHG2の温度は、水銀の沸点(360℃)以上である必要があり、380〜420℃が好ましい。
なお、水銀回収装置8を備えた場合、水銀回収後の高温の高温排ガスHG2を固気分離装置6に直接送気すると、固気分離装置6のろ布等が損傷するため、必要に応じて高温排ガスHG2に冷却ガスCAを混入することが好ましい。
次に、図1及び図2を参照して、改質装置1で行われる処理について説明する。なお、図2は、改質装置1で行われる処理を示すフローチャートである。
まず、外熱式ロータリーキルン4の内筒部4bを回転させ、加熱部4cに配置されたバーナーBの出力を調整して、内筒部4bを外部から加熱し、内筒部4bの内部を600℃〜900℃に加熱する(図2/STEP01)。このとき、制御装置11は、外熱式ロータリーキルン4の内筒部4bの内部の温度が600℃〜900℃を維持するように、例えば、外熱式ロータリーキルン4の加熱部4cに配置されたバーナーB夫々の出力を調整するなどにより、制御する。
次に、外熱式ロータリーキルン4からの高温排ガスHG2を予熱装置3に送気して、下段側のサイクロン3bのガス導入部から導入して、サイクロン3b内で高温排ガスHG2による旋回流を形成させる。そして、下段側のサイクロン3bから排出した高温排ガスHG2は、つづけて、上段側のサイクロン3aのガス導入部から導入して、サイクロン3a内でも同様に高温排ガスHG2による旋回流を形成させる(図2/STEP02)。このとき、制御装置11は、予熱装置3に送られる高温排ガスHG2の温度が、600℃〜800℃を維持するように、例えば、高温排ガスHG2に温度調整用の冷却ガスCAを混入するなどにより、制御する。
また、灰供給装置2は、処理前のフライアッシュ(この実施形態では処理前の未処理フライアッシュF1と固気分離装置6で回収した回収フライアッシュF2との混合灰)を、予熱装置3の上段側のサイクロン3aに連続的に供給する(図2/STEP03)。この際、予熱装置3に供給されるフライアッシュ(すなわち、未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰)の未燃カーボン量が、フライアッシュ測定装置M1によって測定され、その測定値が制御装置11に送信される。
予熱装置3から排出される予熱されたフライアッシュF3の排出量が安定したところで、予熱装置に送気される高温排ガスHG2の温度が第3温度計T3で測定される。また、予熱装置3のサイクロン3a、3bのそれぞれの下部フライアッシュ排出口から排出されるフライアッシュの温度が第4温度計T4で測定される。そして、それらの測定値が制御装置11に送信される。
制御装置11は、予熱装置3から排出される予熱フライアッシュF3の温度が、450〜650℃となるように、予熱装置3に送られる高温排ガスHG2の温度を調整するなどにより、制御する。この場合、この予熱フライアッシュF3の温度は、フライアッシュ測定装置M1によって測定されたフライアッシュ(すなわち、未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰)の未燃カーボンの含有率に応じて調整するのが好ましい。含有する未燃カーボン量が多い場合には、かかる未燃カーボンの燃焼による熱量によって外熱式ロータリーキルン内のフライアッシュの加熱が過剰になり、フライアッシュ粒子同士の融着が生じる程の高温状態になる。したがって、特に、フライアッシュ中の未燃カーボンの含有量が多い場合には、フライアッシュの予熱温度を下げることによって外熱式ロータリーキルン内の温度が過剰に高温になることを抑制する必要がある。具体的には、上記フライアッシュの未燃カーボンの含有率が2〜4質量%の場合には550℃〜650℃、5〜7質量%の場合には500℃〜600℃、8〜10質量%の場合には450℃〜550℃であるのが好ましい。一方、外熱式ロータリーキルンに供給されるフライアッシュの予熱温度が、450℃未満の場合には、未燃カーボンが燃焼を開始する箇所が外熱式ロータリーキルンの内部側に移動してしまうために、未燃カーボンが燃焼して焼失するのに必要な時間を与えることができず、良質な改質フライアッシュを得ることができない場合がある。
この予熱装置3によるフライアッシュの加熱処理が、本発明における予熱工程をなしている(図2/STEP04)。すなわち、この予熱工程で、フライアッシュは、含有する未燃カーボンが燃焼(自燃)を生じさせる前段階の温度まで、予熱される。なお、予熱装置3に導入される、外熱式ロータリーキルン4から排出される高温排ガスHG1は、外熱式ロータリーキルン4の加熱部4cに配置されているバーナーBの燃焼作用により、酸素が低減している。また、同様に予熱装置3に導入される、内筒部4bから排出される燃焼ガスA2も、フライアッシュ中の未燃カーボンの燃焼作用によって酸素が低減している。よって、予熱装置3のサイクロン3a、3b内の環境をフライアッシュの未燃カーボンが燃焼(自燃)しない程度の環境にするのに好都合である。例えば、その非自燃環境においては、雰囲気酸素濃度が9体積%以下であることが好ましく、5体積%以下であることがより好ましい。また、この実施形態においては、上記予熱装置3のサイクロン3a、3b内に導入される高温排ガスHG2が、本発明における「前記供給されたフライアッシュを該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境に置くための第1加熱手段」を構成していると言える。その温度帯としては、上述したとおり、最低温度を600℃とし、最高温度を800℃として、600℃〜800℃を維持するようにすることが好ましい。
次に、予熱装置3から排出された予熱フライアッシュF3を、外熱式ロータリーキルン4に連続的に供給する(図2/STEP05)。
外熱式ロータリーキルン4において加熱されるフライアッシュ温度が、第1温度計T1で測定され、その測定値が制御装置11に送信される。さらに、外熱式ロータリーキルン4から排出される改質フライアッシュF4の未燃カーボン量が、フライアッシュ測定装置M2によって測定され、その測定値が制御装置11に送信される。
制御装置11は、改質フライアッシュF4の未燃カーボン量が所定値以下となるように、外熱式ロータリーキルン4のバーナーBの出力を適宜調整することができるが、フライアッシュ測定装置M2による改質フライアッシュF4の未燃カーボン含有率のみを指標にバーナーBの出力を調整した場合、過焼成傾向になり易く、フライアッシュ粒子どうしの融着が生じてしまうおそれがある。したがって、バーナーの出力の調整は、第1温度計T1による内筒部4b内のフライアッシュの温度、及び、第2温度計T2による内筒部4bの加熱温度が、フライアッシュ測定装置M2による未燃カーボン量測定値が目標を満足する中で、低目の温度を維持するようにする必要がある。特に、未燃カーボン含有率が多いフライアッシュを改質する場合には、当該未燃カーボンの燃焼熱による加熱も加わるために、フライアッシュが所定の温度よりも高温の環境下に存する場合が生じるので、第1温度計T1による内筒部4b内のフライアッシュの温度監視及び制御が重要になる。具体的には、内筒部4b内でもフライアッシュ供給部4a側の温度監視及び制御が重要であり、フライアッシュの未燃カーボン含有率が2〜4質量%の場合には、内筒部4b内でフライアッシュ供給部4aに最も近い位置に設置される第1温度計T1によるフライアッシュの温度が800℃以下、5〜7質量%の場合には775℃以下、8〜10質量%の場合には750℃以下であるのが好ましい。また、フライアッシュの未燃カーボン含有率に係わらず、内筒部4bの最も高温となる部位の温度は900℃以下であるのが好ましい。
また、制御装置11は、フライアッシュ測定装置M1の測定結果(すなわち、未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰の未燃カーボン含有率)、及び、燃焼ガス測定装置M3の測定結果(すなわち、燃焼ガスA2の流量及び酸素濃度)に基づいて、排気ファン7の駆動を制御して、外熱式ロータリーキルン4の内筒部4bへの燃焼ガスA2の供給量を制御するか、灰供給装置2を制御して、未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰の供給量を制御することができる。
具体的には、先ず、制御装置11は、外熱式ロータリーキルン4の内筒部4bに供給される燃焼ガスA2の供給量及び酸素(O)濃度に基づいて、単位時間あたりに内筒部4bに供給される酸素(O)量(mol/分)を算出する。
次に、制御装置11は、内筒部4bに供給される予熱フライアッシュF3の未燃カーボン含有率(すなわち、未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰の未燃カーボン含有率)と供給量に基づいて、単位時間あたりに内筒部4bに供給される未燃カーボン(C)量(mol/分)を算出する。
そして、かかる酸素量と未燃カーボン量のモル比O/Cが1以上7以下となるように、制御装置11は、灰供給装置2を制御して内筒部4bに供給される予熱フライアッシュF3(すなわち、未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰)の供給量を調整する。また、燃焼ガスA2の供給量または酸素(O)濃度を調整してもよい。なお、改質フライアッシュF4の製造量の安定化のためには、灰供給装置2によるフライアッシュF1とF2の混合灰の供給量の制御を優先することが好ましい。
ここで、O/Cモル比の上げ操作が必要な場合において、予熱フライアッシュF3の供給量を下げることができない場合には、燃焼ガスA2の供給量または酸素(O)濃度の上げ操作が必要となるが、燃焼ガスA2の供給量の上げ操作は内筒部4b内の燃焼ガスの流速の増加に直結し、外熱式ロータリーキルンの内筒部4b内及び予熱装置3のサイクロン3a、3b内の熱バランスを変動させることになり、生産効率が大きく低下する。
この生産効率の低下を抑制するためには、燃焼ガスA2の供給量を大きく変動させなくてもO/Cモル比の上げ操作が可能なように、通常に使用する燃焼用ガスA1よりも酸素濃度の高い燃焼用ガスを準備しておき、適宜、使用できるようにしておくことが好ましい。
なお、上記のO/Cモル比は、未処理フライアッシュF1と回収フライアッシュF2の混合灰の未燃カーボン含有率、改質フライアッシュF4に望まれる未燃カーボン含有率等に基づいて、1以上7以下以外の値を選択してもよい。
この外熱式ロータリーキルン4によるフライアッシュの加熱処理が、本発明における加熱工程をなしている(図2/STEP06)。すなわち、この加熱工程で、フライアッシュは、含有する未燃カーボンが充分に焼失して改質フライアッシュとなる。なお、外熱式ロータリーキルン4に導入される燃焼ガスA2の酸素濃度を比較的高く調整することで、外熱式ロータリーキルン4の内筒部4b内の環境をフライアッシュの未燃カーボンが燃焼(自燃)する環境にすることができることは、勿論である。例えば、その自燃環境においては、雰囲気酸素濃度が15体積%以上であることが好ましく、18体積%以上であることがより好ましい。また、この実施形態においては、上記外熱式ロータリーキルン4の内筒部4b内に導入され、上記熱交換器5での熱交換や上記バーナーBによる外部からの間接的な火力により加温されてなる燃焼ガスA2が、本発明における「前記予熱されて供給されたフライアッシュを該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境に置くための第2加熱手段」を構成していると言える。その温度帯としては、上述したとおり、最低温度を600℃とし、最高温度を900℃として、600℃〜900℃を維持することが好ましい。
一方、上述したように、この実施形態では、予熱装置3の排気側に固気分離装置6を設置し、排気ファン7によって予熱装置3からの高温排ガスHG2が固気分離装置6に導入されるようにしている(図2/STEP07)。また、予熱装置3からの高温排ガスHG2中に含まれるフライアッシュを分離、回収し、その回収フライアッシュF2を灰供給装置2に供給するようにしている(図2/STEP08)。そして、灰供給装置2が、供給された回収フライアッシュF2を、未処理フライアッシュF1と混合して、予熱装置3に供給するようにしている(図2/STEP03)。
以上に説明したような、本発明に係る改質フライアッシュの製造方法によれば、未燃カーボン含有率が低い改質フライアッシュを、安定的に且つ効率的に得ることができる。なお、通常、コンクリートの混和材用等として用いる改質フライアッシュの未燃カーボン含有率としては、0.5質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以下であることがより好ましい。
最後に、改質装置1で行われた処理に係る試験結果について説明する。
試験装置としては、上記の改質装置1を用いた。表1には、改質装置1の外熱式ロータリーキルン4の内筒部4b及び加熱部4cの詳細を示す。
試験条件(共通)は、表2に示すとおりとした。
この改質装置1において、(1)予熱装置3を使用した場合(ただし、内筒部4b内でのフライアッシュF3と燃焼ガスA2は向流)(実施例1)。)、(2)予熱装置3を使用せずに、内筒部4b内でのフライアッシュF3と燃焼ガスA2は向流の場合(比較例1)、(3)予熱装置3を使用せずに、内筒部4b内でのフライアッシュF3と燃焼ガスA2は並流の場合(比較例2)、の3条件を比較した。
内筒部4b内のフライアッシュの温度分布の測定値と、改質フライアッシュF4の未燃カーボン含有率の結果を、表3に示す。
表3に示されるように、実施例1では、内筒部4b内のフライアッシュには、内筒部4bの長軸方向にわたって対称的な温度分布が形成されたのに対し、比較例1,2では、排出部側がより高温の温度分布が形成された。この比較例の温度分布は、フライアッシュに含まれる未燃カーボンの燃焼が加熱工程の後半において活発化していることを示すものであり、未燃カーボンの燃焼が開始してから焼失するまでの充分な時間を加熱工程内で確保することができなかったために、改質フライアッシュの未燃カーボン含有率が充分に低減しなかったものと考えられた。一方、実施例1では、予熱工程を経ることによって、フライアッシュが内筒部4b内に供給されると速やかに未燃カーボンの燃焼が開始するために、加熱工程内の限られた時間であっても、充分に未燃カーボン含有率を低減することができたものと考えられた。
1…改質装置、2…灰供給装置、3…予熱装置、3a,3b…サイクロン、4…外熱式ロータリーキルン、4a…フライアッシュ供給部、4b…内筒部、4c…加熱部、4d…フライアッシュ排出部、5…熱交換器、6…固気分離装置、7…排気ファン、8…水銀回収装置、11…制御装置、A1…燃焼用ガス、A2…燃焼ガス、B…バーナー、CA…冷却用空気、G…排ガス、HG1,HG2…高温排ガス、F1…未処理フライアッシュ、F2…回収フライアッシュ、F3…予熱フライアッシュ、F4…改質フライアッシュ、M1,M2…フライアッシュ測定装置、M3…燃焼ガス測定装置、T1…第1温度計、T2…第2温度計、T3…第3温度計、T4…第4温度計。

Claims (12)

  1. フライアッシュを、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境で予熱する予熱工程と、
    前記予熱工程を経たフライアッシュを、外熱式ロータリーキルンに燃焼ガスと共に供給し、該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境で加熱する加熱工程とを備えていることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。
  2. 請求項1に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
    前記加熱工程で前記外熱式ロータリーキルンに供給する前記燃焼ガスの供給量及び該燃焼ガスの酸素濃度のうち少なくとも一方は、前記予熱工程を経たフライアッシュに含まれる未燃カーボンの前記外熱式ロータリーキルンへの供給量に基づいて決定されることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。
  3. 請求項2に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
    前記加熱工程で前記外熱式ロータリーキルンに供給する前記燃焼ガスの供給量及び該燃焼ガスの酸素濃度のうち少なくとも一方は、前記予熱工程を経たフライアッシュに含まれる未燃カーボンの前記外熱式ロータリーキルンへの供給量をCmol/分とし、前記加熱工程で前記外熱式ロータリーキルンに供給する前記燃焼ガスの酸素量をOmol/分とした場合に、O/Cモル比が1以上7以下となるように決定されることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
    前記予熱工程を行う前記非自燃環境の温度が、前記予熱工程に供されるフライアッシュに含まれる未燃カーボンの含有率に基づいて決定されることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
    前記予熱工程を行う前記非自燃環境は、その最高温度が、前記加熱工程を行う前記自燃環境の最高温度より低く、その最低温度が、前記加熱工程を行う前記自燃環境の最低温度より低い該環境であることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
    前記予熱工程を行う前記非自燃環境は、前記フライアッシュを450℃〜650℃に加熱するための該環境であり、前記加熱工程を行う前記自燃環境は、前記予熱工程を経たフライアッシュを600℃〜900℃に加熱するための該環境であることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。
  7. 供給されたフライアッシュを予熱する予熱装置と、
    前記予熱装置において、前記供給されたフライアッシュを該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃しない非自燃環境に置くための第1加熱手段と、
    前記予熱装置により予熱されて供給されたフライアッシュを加熱する外熱式ロータリーキルンと、
    前記外熱式ロータリーキルンにおいて、前記予熱されて供給されたフライアッシュを該フライアッシュに含まれる未燃カーボンが自燃する自燃環境に置くための第2加熱手段と、を備えていることを特徴とするフライアッシュ改質装置。
  8. 請求項7に記載のフライアッシュ改質装置において、
    前記装置は更に制御手段を備え、前記制御手段は、前記第1加熱手段を介して前記非自燃環境を制御し、且つ、前記第2加熱手段を介して前記自燃環境を制御するものであることを特徴とするフライアッシュ改質装置。
  9. 請求項8に記載のフライアッシュ改質装置において、
    前記制御装置は、前記予熱装置に供給されるフライアッシュに含まれる未燃カーボンの含有率に基づき、前記第1加熱手段を介して前記非自燃環境の温度を制御するものであることを特徴とするフライアッシュ改質装置。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載のフライアッシュ改質装置において、
    前記予熱装置における前記非自燃環境は、その最高温度が、前記加熱装置における前記自燃環境の最高温度より低く、その最低温度が、前記加熱装置における前記自燃環境の最低温度より低い該環境であることを特徴とするフライアッシュ改質装置。
  11. 請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載のフライアッシュ改質装置において、
    前記予熱装置における前記非自燃環境は、前記供給されたフライアッシュを450℃〜650℃に加熱するための該環境であり、前記加熱装置における前記自燃環境は、前記予熱されて供給されたフライアッシュを600℃〜900℃に加熱するための該環境であることを特徴とするフライアッシュ改質装置。
  12. 請求項7〜請求項11のいずれか1項に記載のフライアッシュ改質装置において、
    前記予熱装置は、1基以上のサイクロンから構成されていることを特徴とするフライアッシュ改質装置。
JP2017164518A 2017-08-29 2017-08-29 改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置 Active JP6948190B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164518A JP6948190B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164518A JP6948190B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019042608A true JP2019042608A (ja) 2019-03-22
JP6948190B2 JP6948190B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=65815922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017164518A Active JP6948190B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6948190B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7402730B2 (ja) 2020-03-31 2023-12-21 Ube三菱セメント株式会社 石炭灰の改質方法及び改質装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06134435A (ja) * 1992-10-20 1994-05-17 Nippon Cement Co Ltd フライアッシュ中に含まれる炭素の除去方法
JPH1045444A (ja) * 1996-07-30 1998-02-17 Nippon Cement Co Ltd 石炭灰の処理方法
JP2017029942A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 太平洋セメント株式会社 フライアッシュの改質方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06134435A (ja) * 1992-10-20 1994-05-17 Nippon Cement Co Ltd フライアッシュ中に含まれる炭素の除去方法
JPH1045444A (ja) * 1996-07-30 1998-02-17 Nippon Cement Co Ltd 石炭灰の処理方法
JP2017029942A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 太平洋セメント株式会社 フライアッシュの改質方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7402730B2 (ja) 2020-03-31 2023-12-21 Ube三菱セメント株式会社 石炭灰の改質方法及び改質装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6948190B2 (ja) 2021-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5138028B2 (ja) 酸素燃焼ボイラの酸素供給制御方法及び装置
AU2008352209B2 (en) Method and apparatus of controlling exhaust gas in oxyfuel combustion boiler
RU2511819C2 (ru) Способ уменьшения выбросов оксидов азота при кислородотопливном сгорании
JP6366679B2 (ja) セメント製造プラントの運転方法
JP2009257751A (ja) 酸素燃焼石炭燃料ボイラ及び空気燃焼と酸素燃焼との間の移行方法
JPS586683B2 (ja) ガスチヨウセイホウホウ オヨビ ソウチ
JP2017029942A (ja) フライアッシュの改質方法
JP3927875B2 (ja) 高硫黄含有コークスを使用してセメントクリンカーを製造する方法
JP2018054212A (ja) フライアッシュ加熱装置、及び、それを用いたフライアッシュの改質方法
JP5297066B2 (ja) 汚泥炭化処理設備における熱分解ガス処理方法及び装置
JP5615818B2 (ja) セメント・プラントおよびセメント・プラントを運転する方法
US20190047911A1 (en) Plant for production of cement with reduced emission of pollutant gasses
JP2019042608A (ja) 改質フライアッシュの製造方法及びフライアッシュ改質装置
JP7042608B2 (ja) 改質フライアッシュの製造方法、及び、改質フライアッシュの製造装置
JP2017148762A (ja) フライアッシュの改質方法及び改質装置
WO2012114645A1 (ja) 微粉炭を用いた燃焼設備における排ガス中のNOx濃度の制御方法
JP2008196717A (ja) 回転炉床式還元炉及びその操業方法
JP2005272297A (ja) セメントクリンカの製造方法
JP2007322123A (ja) 粉砕乾燥装置及び微粉燃料燃焼装置
KR102029315B1 (ko) 철-옥사이드 함유 공급 원료를 환원시키기 위한 방법 및 디바이스
TWI576313B (zh) 從廢氣中隔離二氧化碳的方法及裝置
JP6634875B2 (ja) 廃石膏の改質装置及びその運転方法
WO2015025588A1 (ja) 石炭乾留装置
CZ287379B6 (en) Dry desulfurizing process of waste gases
JP2021165211A (ja) セメント焼成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170906

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6948190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150