JP2019042294A - 放射線撮像装置、その制御方法、及び、放射線撮像システム - Google Patents
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Abstract
【課題】被写体の注目部位に対応したAECを実現可能とする。
【解決手段】放射線に応じて電気信号を生成する複数のセンサを含むセンサ部と、前記複数のセンサの電気信号を読み出す読出部と、プロセッサと、を備える放射線撮像装置であって、前記プロセッサは、ある被写体についての第1の撮像において、前記センサ部から前記被写体を透過した放射線に応じた電気信号を前記読出部により読み出す第1動作と、前記第1動作で読み出された電気信号に基づいて、前記複数のセンサのうち前記被写体の注目部位に対応する一部のセンサを選択する第2動作と、前記第1の撮像後の前記被写体についての第2の撮像において、放射線の照射中に、前記第2動作で選択された前記一部のセンサからの電気信号に基づいて該照射の終了を要求する第3動作と、を行う。
【選択図】図1
【解決手段】放射線に応じて電気信号を生成する複数のセンサを含むセンサ部と、前記複数のセンサの電気信号を読み出す読出部と、プロセッサと、を備える放射線撮像装置であって、前記プロセッサは、ある被写体についての第1の撮像において、前記センサ部から前記被写体を透過した放射線に応じた電気信号を前記読出部により読み出す第1動作と、前記第1動作で読み出された電気信号に基づいて、前記複数のセンサのうち前記被写体の注目部位に対応する一部のセンサを選択する第2動作と、前記第1の撮像後の前記被写体についての第2の撮像において、放射線の照射中に、前記第2動作で選択された前記一部のセンサからの電気信号に基づいて該照射の終了を要求する第3動作と、を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、放射線撮像装置、その制御方法、及び、放射線撮像システムに関する。
放射線撮像装置は、例えば、放射線を検出可能な複数のセンサが配されたセンサ部と、各センサから信号を読み出す読出部とを備え、読出部により読み出された信号に基づいて画像データが生成される。放射線撮像装置のなかには、放射線の照射中に、複数のセンサの一部を選択し、該選択された一部のセンサからの信号読出を繰り返し行い、その信号の累積加算値が基準値に達したことに応答して放射線の照射を終了させるものがある(特許文献1参照)。このような制御は、AEC(自動露出制御)と称される。AECにより放射線の照射が終了された後、放射線撮像装置は、各センサから読出部により信号を読み出して画像データを生成する。
しかしながら、特許文献1では、複数のセンサの一部を選択することが困難な場合がある。例えば、強度が比較的強く且つ照射時間が比較的短い放射線を用いた撮影では、信号読出を複数回行うことができず、複数のセンサのうちの選択するべき一部を特定できない可能性がある。そのため、AECを行うにあたって最適な一部のセンサを選択することができず、結果として、AECの精度が低下する可能性がある。
本発明は、複数のセンサからAECに使用する一部のセンサを適切に選択することを可能にすることを目的とする。
本発明の一つの側面は放射線撮像装置にかかり、前記放射線撮像装置は、放射線に応じて電気信号を生成する複数のセンサを含むセンサ部と、前記複数のセンサの電気信号を読み出す読出部と、プロセッサと、を備える放射線撮像装置であって、前記プロセッサは、ある被写体についての第1の撮像において、前記センサ部から前記被写体を透過した放射線に応じた電気信号を前記読出部により読み出す第1動作と、前記第1動作で読み出された電気信号に基づいて、前記複数のセンサのうち前記被写体の注目部位に対応する一部のセンサを選択する第2動作と、前記第1の撮像後の前記被写体についての第2の撮像において、放射線の照射中に、前記第2動作で選択された前記一部のセンサからの電気信号に基づいて該照射の終了を要求する第3動作と、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、AECに使用する一部のセンサを適切に選択可能となり、被写体の注目部位に対応したAECを実現することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。各図は、構造ないし構成を説明する目的で記載されたものに過ぎず、図示された各部材の寸法は必ずしも現実のものを反映するものではない。また、各図において、同一の部材または同一の構成要素には同一の参照番号を付しており、以下、重複する内容については説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る放射線撮像装置1の構成例を示すブロック図である。放射線撮像装置1は、センサ部11、駆動部12、読出部13、プロセッサ14、及び、電力供給部15を備える。センサ部11は、放射線を検出可能な複数のセンサS(S1、S1’及びS2)を含む。ここでは3種類のセンサS1、S1’及びS2を例示するが、以下において、これらを特に区別しない場合には単に「センサS」と示す。
図1は、第1実施形態に係る放射線撮像装置1の構成例を示すブロック図である。放射線撮像装置1は、センサ部11、駆動部12、読出部13、プロセッサ14、及び、電力供給部15を備える。センサ部11は、放射線を検出可能な複数のセンサS(S1、S1’及びS2)を含む。ここでは3種類のセンサS1、S1’及びS2を例示するが、以下において、これらを特に区別しない場合には単に「センサS」と示す。
センサ部11は、複数の行および複数の列を形成するように構成される。本実施形態では、説明の容易化のため、4行×6列の構造とする。なお、図中の横方向を行方向とし、縦方向を列方向とする。
例えば、第1行かつ第1列の位置には、センサS1が配される。センサS1は、検出素子Eおよびスイッチ素子Wを含む。本実施形態では、放射線の検出方式として、放射線を光に変換して該光を電気信号に変換する方式、いわゆる間接変換型を採用するものとする。この場合、検出素子Eには、例えばPIN型ダイオード等の光電変換素子が用いられ、センサS1は、検出素子Eの上方において不図示のシンチレータを更に含む。スイッチ素子Wには、例えば薄膜トランジスタ(TFT)が用いられる。なお、他の実施形態として、放射線の検出方式として、放射線を直接的に電気信号に変換する方式、いわゆる直接変換型が採用されてもよい。
また、例えば、第2行かつ第2列の位置には、センサS1’及びS2が並設される。センサS1’及びS2は、いずれも、センサS1同様の回路構成を有する(即ち、検出素子Eおよびスイッチ素子Wを含む。)。詳細については後述とするが、本実施形態では、センサS2はAEC(自動露出制御(Auto Exposure Control))用センサとして駆動ないし制御され、センサS1及びS1’は共に撮像用センサとして駆動ないし制御される。即ち、センサS2は、センサS1及びS1’とは、撮像を行う際の用途あるいは機能の面で異なる。
本実施形態では、センサ部11における第2行かつ第5列、第3行かつ第2列、及び、第3行かつ第5列のそれぞれの位置に、センサS1’及びS2が並設され、それ以外の位置にはセンサS1が配されるものとする。センサS1’及びS2の位置、並びに、センサS1の位置は、この例に限られるものではない。
駆動部12は、クロック信号等の基準信号に基づいて、センサ部11の複数のセンサSを行単位で駆動する。駆動部12には、例えばシフトレジスタ等を含んで構成された垂直走査回路が用いられる。本実施形態では、駆動部12は、各行のセンサSに駆動線(信号線)G1〜G4及びD2〜D3を介して駆動信号を出力することで、各センサSを駆動する。例えば、駆動部12は、第1〜第4行のセンサS1及びS1’にそれぞれ駆動線G1〜G4により駆動信号を供給して、該センサS1及びS1’を駆動する。また、例えば、駆動部12は、第2〜第3行のセンサS2にそれぞれ駆動線D2〜D3により駆動信号を供給して、該センサS2を駆動する。
読出部13は、センサ部11の複数のセンサSのそれぞれから出力された信号を、対応の列信号線LC1〜LC6並びに列信号線J2及びJ5を介して読み出す。列信号線LC1〜LC6は、それぞれ、第1〜第6列に配されたセンサS1(及びS1’)に接続される。列信号線J2及びJ5は、それぞれ、第2及び第5列に配されたセンサS2に接続される。読出部13は、信号増幅部131、サンプリング部132、転送部133、及び、出力部134を含む。
信号増幅部131は、上記列信号線LC1等を介して受け取ったセンサSの信号を所定のゲインで増幅可能であり、センサS1’及びS2が配された列には2つずつ配され、そうでない列には1つずつ配される。即ち、本実施形態では、第2列および第5列のそれぞれには、2つの信号増幅部131が配され、それ以外の列には1つの信号増幅部131が配される。信号増幅部131には、公知の信号増幅回路が用いられればよく、信号増幅部131は、演算増幅器や帰還容量等を用いて構成されればよい。
サンプリング部132は、各信号増幅部131の後段に配され、信号増幅部131により増幅された信号をサンプリングする。サンプリング部132には、公知のサンプルホールド回路が用いられればよく、サンプリング部132は、スイッチ素子やキャパシタ等を用いて構成されればよい。
転送部133は、サンプリング部132によりサンプリングされた信号を、列ごとに順に転送する(水平転送)。転送部133には、公知のマルチプレクサが用いられればよく、転送部133は、複数のスイッチ素子を用いて構成されればよい。
出力部134は、例えば、アナログデジタルコンバータ、出力バッファ等を含み、転送部133により転送された各信号をアナログデジタル変換(AD変換)し、それらの信号の群を合成して画像データとしてプロセッサ14に出力する。
プロセッサ14は、読出部13から受け取った画像データを処理し、不図示のディスプレイ等に画像(放射線画像)を表示させる。これにより、医師等のユーザは、患者等の被写体の例えば患部等の注目部位の様子を観察することができる。プロセッサ14は、必要に応じて、読出部13から受け取った画像データに対して補正処理を行うこともできる。また、詳細については後述とするが、プロセッサ14は、或る撮像により得られた画像データに基づいて、更に他の撮像を行う際のセンサ部11の駆動ないし制御の方法を変更することができる。
本実施形態では、読出部13が画像データを生成するものとするが、他の実施形態として、該画像データの生成はプロセッサ14により行われてもよい。また、本明細書では、説明の容易化のため、読出部13の出力部134によりAD変換された信号(画素値等とも称される電気信号)の群から成る1枚分の放射線画像を示す情報を「画像データ」とするが、画像データの態様はこれに限られるものではない。
プロセッサ14は、装置1内の各要素の操作を制御するコントローラとしても機能する。本実施形態では、以下で説明される各要素の制御主体をプロセッサ14とする。ここでは、プロセッサ14を単一の要素として示すが、複数の要素で構成されてもよく、例えば、プロセッサ14の一部の機能は、独立した他のデバイス、モジュール、又は、ユニットにより実現されてもよい。
プロセッサ14は、本実施形態ではASIC(特定用途向け集積回路)で構成されるものとするが、プロセッサ14の機能は、PLD(プログラマブルロジックデバイス)等の他の半導体集積回路で実現されてもよい。或いは、プロセッサ14の機能は、CPU(中央演算装置)及びメモリで実現されてもよい。即ち、本明細書で説明されるプロセッサ14の機能は、ハードウェア及びソフトウェアの何れによっても実現可能である。
電力供給部15は、上述の各要素に電力を供給する。図中には、各センサSに定電圧を供給するバイアス線VSのみを図示しているが、電力供給部15は、他の要素にも対応の電圧を供給可能である。
図2(a)は、センサ部11における第1〜第2行かつ第2〜第3列の領域のレイアウトを示す上面模式図である。前述のとおり、第1行かつ第2列、第1行かつ第3列、及び、第2行かつ第3列のぞれぞれの位置にはセンサS1が配され、また、第2行かつ第2列の位置にはセンサS1’及びS2が並設される。センサS1’は、センサS1同様の構造を有するが、第2行かつ第2列の位置にセンサS2と並設されるため、列方向のサイズがセンサS1に比べて小さくなっている。なお、センサS1’及びS2は、本実施形態では、列方向で隣り合うものとするが、行方向で隣り合うよう設けられてもよい。
図2(b)は、線X1−X2での断面構造、即ちセンサS1の断面構造を示す(なお、センサS1’については、列方向のサイズが異なることを除いてセンサS1同様の構造であるため、ここでは説明を省略する。)。図2(c)は、線Y1−Y2での断面構造、即ちセンサS2の断面構造を示す。これらのセンサSは、ガラス等の絶縁部材で構成された絶縁基板210上に、上述の各要素を形成する部材または層もしくは膜(例えば、アモルファスシリコン等の半導体部材や、酸化シリコン等の絶縁膜)が積層されて成る。
例えば、センサS1に着目すると(図2(a)および図2(b)を参照すると)、基板210上には、薄膜トランジスタであるスイッチ素子Wのゲート端子と一体に形成された駆動線G1が配されている。基板210上には、上記ゲート端子(駆動線G1)を覆うように、更に絶縁膜220が配されている。上記ゲート端子の上には、スイッチ素子Wのチャネルを形成する半導体部材が絶縁膜220を介して配され、この半導体部材の両端には、それぞれドレイン端子およびソース端子を形成する電極が配されている。
上記ドレイン端子は、列信号線LC3と一体に形成され、言い換えると、列信号線LC3は、上記ドレイン端子を形成するようにスイッチ素子W側まで延在している。一方、上記ソース端子は、その上方に保護膜230および層間絶縁膜240を介して配された検出素子Eに、接続される。検出素子Eは、PIN接合を形成する半導体部材250、並びに、その下面側および上面側にそれぞれ配された下側電極260及び上側電極261を含み、上記ソース端子は、コンタクトホールを介して下側電極260と接触している。
また、検出素子Eの上には、保護膜231及び層間絶縁膜241を介してバイアス線VSが配されており、バイアス線VSは、コンタクトホールを介して上側電極261と接触している。更に、層間絶縁膜241およびバイアス線VSを覆うように保護膜232が配されている。
なお、以上では、センサS1に着目して(図2(a)および図2(b)を参照しながら)センサ構造を説明したが、センサS2(図2(a)および図2(c)参照)についても同様である。
図3は、放射線撮像装置1の制御方法を説明するためのタイミングチャートである。図中の横軸は時間軸を示す。図中の縦軸には、各駆動線G1等の電位V_G1等と、放射線量(放射線の照射強度)とを示す。電位V_G1、V_G2、V_G3及びV_G4は、それぞれ、駆動線G1、G2、G3及びG4の電位を示し、また、電位V_D2及びV_D3は、それぞれ、駆動線D2及びD3の電位を示す。
例えば、電位V_G1がハイレベル(Hレベル)の間、第1行の各センサSは駆動状態となる(即ち、第1行の各センサSのスイッチ素子Wが導通状態となる。)。これにより、該センサSの検出素子Eで生じた電荷量に応じた信号が、対応の列信号線LC1等を介して読出部13に出力される。一方、例えば、電位V_G1がローレベル(Lレベル)の間、第1行の各センサSは非駆動状態となり(即ち、第1行の各センサSのスイッチ素子Wが非導通状態となり)、該センサSの検出素子Eで発生した電荷は蓄積される。
放射線量のHレベルは、放射線が照射されている状態であることを示す。ここでは説明の容易化のため、放射線の照射強度は一定であるものとする(ノイズ等の外的要因に伴う変動を考慮しない。)。また、放射線量のLレベルは、放射線が照射されていない状態であることを示す。
本実施形態では、一例として、動画モードでの撮像を行った後に、静止画モードでの撮像を行う場合の態様を述べる。図中には、各期間T1〜T4での装置1の動作状態として、それぞれ「画像取得(動画モード)」、「モードチェンジ」、「AEC」及び「画像取得(静止画モード)」を示す。詳細については後述とするが、本実施形態のAECでは、所定のセンサS2を周期的に駆動してセンサS2の信号を累積加算し、その累積加算値が基準値に達したことに応じて放射線の照射を終了させる制御を行う。
先ず、期間T1では、駆動線G1〜G4にHレベルのパルスを順に提供する一連の動作が繰り返し行われる。駆動線G1〜G4にHレベルのパルスを順に提供することで、1枚分(1回分)の画像データが得られる。この一連の動作を所定周期で繰り返すことで複数枚の画像データが得られ、これらを用いて動画データを生成することができる。
本実施形態では、上記一連の動作において、駆動線D2及びD3にもHレベルのパルスが供給される。これにより読み出されるセンサS2の信号は、破棄されてもよいし、例えば、センサS1’の信号に加算され、或いは、センサS1’の信号の補正に用いられてもよい。他の実施形態として、センサS2の信号を用いない場合(例えば、センサS1及びS1’の信号のみを用いて画像データを取得する場合)には、駆動線D2及びD3にはHレベルのパルスは供給されなくてもよい。また、図2(a)を参照しながら述べたように、センサS1’はセンサS1よりもサイズが小さいため、センサS1’の信号については、読出部13での信号増幅率が調整されてもよい。
期間T2では、動画モードでの撮像を中断し、動作モードを動画モードから静止画モードに移行する準備が行われる。このことは、例えば、モード切替の要求を示す信号が入力されたことに応答して行われればよい。期間T2では、センサ部11のリセット処理を周期的に行う(駆動線G1等の全てに所定周期でHレベルのパルスを提供する)と共に、装置1内の各要素の制御用パラメータを動画モード対応のものから静止画モード対応のものに変更する。
期間T3では、静止画モードでの撮像のための放射線の照射が開始されたことに応答して、AECを行う。前述のとおり、本実施形態のAECでは、所定のセンサS2を周期的に駆動してセンサS2の信号を累積加算し、その累積加算値が基準値に達したことに応じて放射線の照射を終了させる。
ここでいう所定のセンサS2とは、センサS2の全部(本実施形態では、第2行かつ第2列、第2行かつ第5列、第3行かつ第2列、及び、第3行かつ第5列の計4つ)や任意の一部のセンサS2ではなく、それらの中から選択された一部のセンサS2である。本実施形態では、期間T1で得られた画像データ(動画モードでの撮像結果)に基づいて、第2行および第3行のうち、第2行のセンサS2が選択されるものとする。よって、期間T3では、図中に示されるように、駆動線D2にはHレベルのパルスが周期的に提供され、一方、駆動線D3にはHレベルのパルスは提供されない。
第2行のセンサS2から周期的に読み出された信号の累積加算値が基準値に達した場合、放射線が十分に且つ適切に照射された(放射線の累積照射量が適正量または適正範囲内となった)ものと判定される。よって、そのタイミングで、放射線の照射を終了させるための照射終了要求を示す信号が出力され、これによりAECの完了となる。
本実施形態では、上記所定のセンサS2の信号の累積加算値に基づいてAECを行うものとするが、AECは、この態様に限られるものではなく、該センサS2から読み出された信号に基づくものであればよい。例えば、AECは、代替的に上記信号の累積減算値に基づいて行われてもよいし、付随的に所定の係数を用いて行われてもよい。
本実施形態では、駆動線D2にHレベルのパルスが周期的に提供されるため、第2行かつ第2列のセンサS2および第2行かつ第5列のセンサS2の双方から信号が読み出され、即ち、2つの信号が読み出される。但し、上記AECには、これら2つの信号の双方が用いられる必要はなく、詳細については後述するが、被写体の注目部位に対応する少なくとも一方が用いられればよい。
期間T4では、期間T1で述べた一連の動作、即ち駆動線G1〜G4にHレベルのパルスを順に提供する。これにより、1枚分の画像データが静止画データとして得られる。本実施形態では、この一連の動作において、駆動線D2及びD3にもHレベルのパルスが供給される。これにより読み出されるセンサS2の信号は、破棄されてもよいし、例えば、センサS1’の信号に加算され、或いは、センサS1’の信号の補正に用いられてもよい。他の実施形態として、センサS2の信号を用いない場合(例えば、センサS1及びS1’の信号のみを用いて画像データを取得する場合)には、駆動線D2及びD3にはHレベルのパルスは供給されなくてもよい。
以上の動作をまとめると、本実施形態では、期間T1で、1回目の撮像として動画モードでの撮像を行い、動画データを取得する。その後、期間T2で静止画モードに移行し、放射線の照射が開始されたことに応答して、期間T3〜T4で2回目の撮像として静止画モードでの撮像を行う。期間T3ではAECを行い、このAECにより放射線の照射が終了された後、期間T4で静止画データを取得する。
本実施形態では、1回目の撮像(動画モードでの撮像)の直後に2回目の撮像(静止画モードでの撮像)を行い、即ち、同一の被写体の同一の注目部位について2回の撮像を行う。ここで、本実施形態によれば、2回目の撮像を行うのに際して、1回目の撮像結果である動画データを参照してAECを行う。即ち、1回目の撮像結果に基づいて、センサ部11のセンサS2の全部(本実施形態では4つ)の中から、被写体の注目部位に対応する一部を選択する。そして、その後の2回目の撮像では、該選択されたセンサS2の信号に基づいてAECを行う。そのため、2回目の撮像は、1回目の撮像での注目部位にフォーカスした形で行われる。これにより、2回目の撮像では、高品質な放射線画像を示す画像データを取得可能となり、医師等のユーザは、この放射線画像を参照することで注目部位を適切に観察することができる。
センサS2の選択は、図3の例では、期間T1の間に動画モードでの撮影と共に行われてもよいが、期間T2内に行われてもよく、少なくとも期間T3の開始のタイミングまでに行われればよい。
一般に、放射線画像は注目部位が鮮明に表示されていることが好ましい。そのため、1回分の撮像において照射されるべき放射線量(該撮像に際して照射されるべき累積照射量)は、放射線画像に注目部位が鮮明に表示される適正量または適正範囲内となることが求められる。放射線の累積照射量が許容範囲外になると、放射線画像には注目部位が鮮明に表示されない。また、任意のセンサS2の信号に基づいてAECを行っても、注目部位以外の部位が鮮明に表示されるのでは、ユーザにとって意味のない放射線画像になってしまう。
一方、前述のとおり、特許文献1(特開2016−15721号公報)の方式では、撮像に用いられる放射線が比較的強い(大きい)強度かつ比較的短い照射時間の場合、AECの期間(本実施形態の期間T3相当)内に複数のセンサS2から適切なものをAEC用センサとして選択することが難しいことがある。
これに対して、本実施形態によれば、1回目の撮像結果に基づいてAEC用センサS2を選択し、その信号を用いて2回目の撮像のAECを行うことで、2回目の撮像を1回目の撮像での注目部位にフォーカスした形で行う。そして、上記AECによれば、2回目の撮像では、注目部位を鮮明に表示可能な画像データを取得可能となる。被写体が人体の場合、注目部位の例としては、心臓や肺等の臓器、骨、筋肉、血管等が挙げられるが、体内組織の何れの部位でもよい。また、注目部位は、ユーザにとって比較的関心の高い部位であればよく、関心部位、或いは、観察対象部位や検査対象部位等と表現されてもよい。
以上、本実施形態によれば、1回目の撮像結果に基づいて選択された一部のセンサS2の信号を用いて2回目の撮像のAECを行う。そのため、2回目の撮像で用いられる放射線が比較的強い強度かつ比較的短い照射時間の場合であってもAECを適切に実現可能となり、また、それにより得られる放射線画像を高品質にすることができる。このことは、3回目以降の撮像を行う場合にも適用可能である。
本実施形態では、1回目の撮像を動画モードの撮像としたが、1回目の撮像は、静止画モードでもよいし、その他の如何なる動作モード(例えば、画像の品質を変更した撮像モードや、試し撮り等の試験的な撮像モード)であってもよい。また、本実施形態では、2回目の撮像を静止画モードの撮像としたが、AECを伴う撮像であれば如何なる動作モードの撮像であってもよい。
また、本実施形態では、1回目の撮像と2回目の撮像とを連続で行う態様を例示したが、これらは、共に同一の被写体の好適には同一の注目部位にフォーカスした目的で行われればよく、これらの間には、比較的短い待機時間が挿入されてもよい。この待機時間の例としては、準備時間、休憩時間、経過観察時間等が挙げられ、注目部位に応じて、1分〜48時間程度(或いはそれ以上)で設定されうる。その場合、過去の撮像結果(過去の撮像で得られた画像データの群)は撮像履歴として所定のデータベースに格納ないし保持されるとよく、このデータベースを参照することで、AEC用センサS2を適切に選択可能である。
図4は、放射線撮像装置1の制御方法を説明するためのフローチャートである。本方法によれば、撮像の実行決定に応じて、過去の撮像結果を参照し、AEC用センサS2を選択する。そして、撮像の開始後、このセンサS2の信号に基づいてAECを行うことで、放射線の累積照射量を適正値または適正範囲内にし、適切な画像データを取得可能にする。
先ず、ステップS1000(以下、「S1000」と示す。他のステップについても同様とする。)では、撮像の開始を示す撮像開始信号を受信する。これに応じて、S1010では、過去の撮像結果が格納されたデータベースを参照する。データベースの参照は、装置1内の記憶部(例えばハードディスクドライブ等)にアクセスすることで実現されてもよいし、装置1外のサーバーにアクセスすることで実現されてもよい。
S1020では、S1010で参照したデータベースに、条件を満たす画像データが存在するか否かを判定する。この条件としては、S1000で開始要求のあった撮像(以下、「実行予定の撮像」と示す。)の被写体と同一の被写体を撮像して得られた画像データであること、が挙げられる。この条件を満たす画像データがデータベースに存在した場合にはS1030に進み、そうでない場合にはS1050に進む。
上記判定、即ち、実行予定の撮像の被写体と同一の被写体を撮像して得られた画像データがデータベースに存在するか否かの判定は、データベース上の各画像データに付されうる識別子等の属性情報に基づいて行われるとよい。他の実施形態として、この判定は、データベース上の各画像データそのものについてのパターンマッチングにより行われてもよい。
S1030では、S1020で条件を満たすと判定された画像データを参照する。条件を満たす画像データが2以上存在した場合には、例えば、それらのうち最新のものが参照されるとよい。その後、該参照された画像データに基づいて、注目部位の解析、及び、センサ部11における該注目部位に対応する位置の特定を行う。
ここで、実行予定の撮像において注目部位が何れであるかを示す注目部位情報が、S1000の撮像開始信号の受信の際/その前に入力されるとよいが、注目部位情報の取得方法は、この態様に限られるものではない。一例として、2回以上の撮像を連続で行う場合には、直前の撮像での注目部位情報が流用されればよい。例えば、実行予定の撮像が上記参照された画像データの撮像の後に連続で行われる場合(図3参照)、実行予定の撮像では、上記参照された画像データの撮像での注目部位情報がそのまま用いられればよい。これにより、センサ部11における注目部位に対応する位置を適切に特定することができる。なお、注目部位情報は、画像データに属性情報として付されてもよく、これを参照することで注目部位情報を受け取ることも可能である。
他の実施形態として、実行予定の撮像での注目部位が、過去の撮像での注目部位と異なる場合には、注目部位情報はS1000又はその前で入力されるとよい。一例として、過去の撮像で得られた放射線画像には2以上の部位が示されており、該過去の撮像では、それらのうちの1つの部位を注目部位としていたが、他の部位を注目部位とした撮像を新たに行う場合が挙げられる。このような場合でも、センサ部11上の対応の位置を特定することが可能である。
S1040では、S1030で特定された位置に対応するセンサS2、即ち、注目部位に対応するセンサS2を、実行予定の撮像のAECで駆動するセンサ、即ちAEC用センサとして選択する。センサ部11上の注目部位に対応する位置にセンサS2が設けられていない場合には、例えば、その位置の近傍のセンサS2が選択されればよい。よって、ここでいう注目部位に対応するセンサS2とは、センサ部11上の注目部位に対応する位置のセンサS2だけでなく、その位置の近傍のセンサS2をも含む。なお、ここで選択されるセンサS2の数量は、1でなくてもよく、2以上であってもよい。
図3の例では、第2行の2つのセンサS2(即ち、第2行かつ第2列のセンサS2、及び、第2行かつ第5列のセンサS2)が駆動線D2を用いて駆動される。しかし、AECにおいて実際に用いられるのは、それら2つのセンサS2から出力される2つの信号のうち、注目部位に対応する一方でもよい。このことは、読出部13(具体的には、信号増幅部131、サンプリング部132、転送部133、及び/又は、出力部134)を、該2つの信号の一方のみがプロセッサ14に出力されるように制御することで実現可能である。この場合、該2つの信号の他方は読出部13において破棄される形となる。なお、S1040で2以上のセンサS2が選択された場合には、それらの信号を加重平均した結果が用いられればよい。
S1050では、S1020で条件を満たす画像データが存在しなかったため、過去の撮像結果を参照することなく、何れかのセンサS2をAEC用センサとして選択する。本実施形態において計4つのセンサS2のうち、何れのセンサS2が選択されてもよいが、他の実施形態として、何れかのセンサS2がユーザにより直接的に選択されてもよいし、一部のセンサS2が固定的に選択されてもよい。或いは、他の実施形態として、一部のセンサS2がAEC用センサとして選択されるのではなく、計4つのセンサS2の全部がAEC用センサとして駆動されることとしてもよい。
S1060では、放射線の照射を開始する。このことは、放射線の照射開始の要求または許可を示す照射開始信号を、放射線を発生する放射線源に対して出力することで行われる。放射線の照射の開始に伴い、AECを開始する。
S1070では、AEC用センサS2、即ちS1040又はS1050で選択されたセンサS2の信号が所定条件を満たしたか否かを判定する。本実施形態では、センサS2の信号の累積加算値が基準値に達したか否かを判定し、該累積加算値が基準値に達していればS1080に進み、そうでなければS1070に戻る。この基準値は、注目部位情報に基づいて設定されてもよいが、放射線の透過率に影響する可能性のある関連情報、例えば被写体の体脂肪率等に基づいて変更されてもよい。
S1080では、上記選択されたセンサS2の信号の累積加算値が基準値に達したことに応答して、放射線の累積照射量が適正値に達し又は適正範囲内となったものとして、放射線の照射を終了させる。このことは、放射線の照射終了の要求を示す信号を、放射線を発生する放射線源に対して出力することで行われる。これによりAECの完了となる。
S1090では、センサS1及びS1’から信号を読み出して画像データを取得する。この画像データは、S1100においてデータベースに格納され、その後、更に撮像が行われる場合にはS1010において参照対象となりうる。
以上のような制御によれば、過去の撮像結果に基づいて選択された一部のセンサS2の信号を用いて適切なAECを実現可能となり、そして、放射線の照射が終了された後、注目部位を鮮明に表示可能な画像データを取得することができる。
AECの態様は上述の例に限られるものではなく、多様な変形が可能である。例えば、S1010では、過去の撮像結果を格納するデータベースを参照するが、必要以上に古い画像データが参照されることのないよう、取得されてから所定期間が経過した画像データは、削除され、或いは、他のデータベースに隔離されてもよい。即ち、データベース上の画像データのうち、それを取得したタイミングからS1000の撮像開始信号を受けたタイミングまでの期間が所定期間内のものを参照可能とし、そうでないものを参照不可とすればよい。
他の実施形態として、S1000〜S1010の代わりに、或る撮像で得られた撮像結果を、次の撮像を更に行う場合に常に参照可能(常に直前の撮像結果を参照可能)としてもよい。例えば、直前の撮像で得られた画像データ、或いは、その撮像での注目部位情報は、装置1内の記憶部(例えばDRAM等)に一時的に保持され、次の撮像を行う場合に参照される。このことは、比較的簡素な構成で実現可能であり、例えばエネルギーサブトラクション法に基づく撮像等、複数回の撮像を連続で行うことが予め確定している場合には、2回目以降の撮像において有利である。
また、S1020では、画像データの判定の条件を、同一の被写体を撮像して得られた画像データであることとしたが、付随的/代替的に、その被写体の注目部位情報を含む画像データであること、としてもよい。S1010で参照された画像データの何れの画素が注目部位に対応するかは、例えば、注目部位情報を用いたパターンマッチングを行うことにより、特定可能である。そのため、予め注目部位情報が与えられることで、より短時間で、より適切な画像データを参照可能となり、より適切なAEC用センサS2を選択可能となる。
また、S1030では、センサ部11における注目部位に対応する位置の特定を行うのに際して、被写体の情報が参照されてもよい。予め被写体の情報が与えられることで、それを用いたパターンマッチングにより、上記位置の特定の高速化および高精度化が可能となる。例えば、上記入力された被写体の体格情報と、S1030で参照された画像データが有する体格情報とを対比(パターンマッチング)することで、上記位置を適切に特定可能である。例えば、肩、腕、首、腰等、人体における幾つかの部位を識別し、それらの相対位置に基づいて、センサ部11における注目部位に対応する上記位置を特定することができる。このことは、例えば公知のヒストグラムマッチングによっても実現可能である。被写体の情報の例としては、被写体の体格情報(身長等)が挙げられるが、例えば、撮像時の被写体の姿勢、撮像の角度等、撮像時の被写体の態様を示す情報も参照可能である。
本実施形態では、説明の容易化のため、センサ部11を4行×6列の構成としたが、実際には、より多くの行数および列数となっており、例えば17インチのセンサ部11の場合、約2800行×2800列で構成されうる。センサS2は、このようなセンサ部11における2以上の領域に、各領域が1以上のセンサS2を含むように、分散配置される。AEC用センサとして一部のセンサS2を選択する際には(S1040)、一領域に含まれるセンサS2が選択されればよい。
以上、本実施形態では、プロセッサ14は、1回目の撮像(期間T1)で、ある被写体についての画像データをセンサ部11から読出部13により取得する。この被写体について更に2回目の撮像(期間T4)を行う場合、プロセッサ14は、1回目の撮像(期間T1)で得られた画像データに基づいて、この被写体の注目部位に対応する一部のセンサS2を選択する。そして、2回目の撮像(期間T4)についての放射線の照射が開始された後、プロセッサ14は、該選択された一部のセンサS2からの信号に基づいてAECを行う。即ち、プロセッサ14は、2回目の撮像(期間T4)でのAECを、1回目の撮像(期間T1)で得られた画像データ、即ち過去の撮像結果を参照して選択したセンサS2の信号に基づいて行う。
前述のとおり、2回目の撮像(期間T4)は、1回目の撮像(期間T1)と同一の被写体(より好適には同一の注目部位)にフォーカスして行われればよく、必ずしも、1回目の撮像(期間T1)の直後に連続して行われなくてもよい。例えば、1回目の撮像(期間T1)と2回目の撮像(期間T4)との間には比較的短い待機時間が挿入されてもよい。
また、前述のとおり、本実施形態では理解の容易化のため、読出部13の出力部134によりAD変換された信号(画素値等とも称される電気信号)の群から成る1枚分の放射線画像を示す情報を「画像データ」として説明したが、この態様に限られない。例えば、画像データは、該AD変換された信号の群そのものであってもよいし、或いは、これらに対して所定の信号処理を行うことで得られる中間段階の電子情報であってもよい。
よって、本実施形態の内容は次のようにまとめることができる。先ず、ある被写体についての第1の撮像(期間T1の撮像に対応)で、その被写体の撮像結果を示す電気信号をセンサ部11から読出部13により読み出す。この被写体について更に第2の撮像(期間T4の撮像に対応)を行う場合、プロセッサ14は、上記読み出された電気信号に基づいて、この被写体の注目部位に対応する一部のセンサS2をAEC用センサとして選択する。プロセッサ14は、第2の撮像についての放射線の照射が開始された後、該照射中に、上記選択されたAEC用センサS2からの電気信号に基づいてAECを行う。
本実施形態によれば、第2の撮像の際には、被写体の注目部位に対応するAEC用センサS2が適切に選択される。それにより、被写体の注目部位に対応したAECを適切に行うことができる。このことは、第2の撮像で用いられる放射線が比較的強い強度かつ比較的短い照射時間の場合であっても、容易に実現可能である。また、これに伴って、第2の撮像で得られる放射線画像を高品質にすることもできる。
(第2実施形態)
前述の第1実施形態では、センサ部11において複数の種類のセンサS1、S1’及びS2が混在する態様であったが、そうでなくてもよい。第2実施形態は、主に、1種類のセンサS1を用いた構成である、という点で第1実施形態と異なる。即ち、センサS1は、第1実施形態では撮像用センサとして駆動されたが、本実施形態では、AEC用センサとしても駆動可能である。本実施形態によっても、第1実施形態同様の効果を実現可能である。
前述の第1実施形態では、センサ部11において複数の種類のセンサS1、S1’及びS2が混在する態様であったが、そうでなくてもよい。第2実施形態は、主に、1種類のセンサS1を用いた構成である、という点で第1実施形態と異なる。即ち、センサS1は、第1実施形態では撮像用センサとして駆動されたが、本実施形態では、AEC用センサとしても駆動可能である。本実施形態によっても、第1実施形態同様の効果を実現可能である。
図5は、本実施形態に係る放射線撮像装置2の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、センサ部11に配列されたセンサSは何れもセンサS1である。また、本実施形態では、駆動線D2及びD3、列信号線J2及びJ5、並びに、列信号線J2及びJ5に対応する信号増幅部131及びサンプリング部132は、配されない。これらのことを除いて、放射線撮像装置2は第1実施形態(図1参照)同様の構成となっている。
図6は、放射線撮像装置2の制御方法を示すタイミングチャートである。第1実施形態では駆動線D2又はD3を用いて一部のセンサS2をAECセンサとして駆動可能であったが、本実施形態では、駆動線G1〜G4の何れか(ここではG4とする。)を用いて一部のセンサS1をAECセンサとして駆動する。
期間T1〜T2については第1実施形態同様であるため説明を省略する。期間T3のAECでは、駆動線G4を用いて第4行のセンサS1を周期的に駆動する。AECでは、第4行には第1〜第6列までの計6つのセンサS1が配されているが、これらの全部の信号が用いられる必要はなく、第1実施形態同様(S1040参照)、これらのうち注目部位に対応する一部が用いられればよい。
上記センサS1の信号の累積加算値が基準値に達したことに応答して放射線の照射を終了させ、その後、第1実施形態同様、期間T4では画像データを読み出す。ここで、本実施形態では、期間T3のAECで第4行のセンサS1が駆動されたことで、相当量の信号成分が失われている。そのため、第4行のセンサS1の信号については、読出部13での信号増幅率が調整されてもよいし、或いは、プロセッサ14において所定の補正処理ないし補完処理が行われてもよい。
本実施形態では、1種類のセンサS1でセンサ部11を構成した態様を例示したが、センサ部11の構成はこれに限られるものではない。例えば、センサS1及びS2でセンサ部11を構成してもよい(センサS2をセンサS1’と並設させない。)。この場合、画像データのうち、センサS2の位置に対応する画素は、その周辺の画素で補完されてもよいし、センサS2の信号を用いて補正されてもよい。
(適用例)
図7に例示されるように、上述の実施形態で述べた放射線撮像装置1又は2は、いわゆるレントゲン撮影を行うための放射線撮像システムに適用されうる。放射線には、典型的にはX線が用いられるが、アルファ線、ベータ線等が用いられてもよい。X線チューブ610(放射線源)が発生したX線611は、患者等の被検者620の胸部621を透過し、放射線撮像装置630に入射する。装置630に入射したX線611には患者620の体内の情報が含まれており、装置630によりX線611に応じた電気的情報が得られる。この電気的情報は、デジタル信号に変換された後、例えばプロセッサ640によって所定の信号処理が為される。
図7に例示されるように、上述の実施形態で述べた放射線撮像装置1又は2は、いわゆるレントゲン撮影を行うための放射線撮像システムに適用されうる。放射線には、典型的にはX線が用いられるが、アルファ線、ベータ線等が用いられてもよい。X線チューブ610(放射線源)が発生したX線611は、患者等の被検者620の胸部621を透過し、放射線撮像装置630に入射する。装置630に入射したX線611には患者620の体内の情報が含まれており、装置630によりX線611に応じた電気的情報が得られる。この電気的情報は、デジタル信号に変換された後、例えばプロセッサ640によって所定の信号処理が為される。
医師等のユーザは、この電気的情報に応じた放射線画像を、例えばコントロールルームのディスプレイ650(表示部)で観察することができる。ユーザは、放射線画像又はそのデータを、所定の通信手段660により遠隔地へ転送することができ、この放射線画像を、他の場所であるドクタールームのディスプレイ651で観察することもできる。また、ユーザは、この放射線画像又はそのデータを所定の記録媒体に記録することもでき、例えば、プロセッサ670によってフィルム671に記録することもできる。
(プログラム)
本発明は、上記実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理により実現されてもよい。例えば、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によって実現されてもよい。
本発明は、上記実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理により実現されてもよい。例えば、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によって実現されてもよい。
(その他)
以上、いくつかの好適な態様を例示したが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その一部が変更されてもよい。例えば、或る実施形態の内容に、他の実施形態の内容の一部が組み合わされてもよいし、これと共に/これに代替して、必要に応じて公知の要素が追加され又は削除されてもよい。
以上、いくつかの好適な態様を例示したが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その一部が変更されてもよい。例えば、或る実施形態の内容に、他の実施形態の内容の一部が組み合わされてもよいし、これと共に/これに代替して、必要に応じて公知の要素が追加され又は削除されてもよい。
例えば、センサSの信号読出として、本明細書ではプログレッシブ方式の態様を例示したが(図3及び図6の期間T1及びT4参照)、インタレース方式が用いられてもよい。また、例えば、AECにおけるセンサS2の駆動周期を一定としたが(期間T3参照)、この駆動周期は時間経過と共に変更されてもよい。その他、センサSの信号読出では相関二重サンプリングを行ってもよいし、また、該信号読出で得られた画像データに対して、放射線非照射時の画像データを補正用データとして用いて補正処理を行ってもよい。
また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。
1:放射線撮像装置、11:センサ部、13:読出部、14:プロセッサ。
Claims (12)
- 放射線に応じて電気信号を生成する複数のセンサを含むセンサ部と、
前記複数のセンサの電気信号を読み出す読出部と、
プロセッサと、を備える放射線撮像装置であって、
前記プロセッサは、
ある被写体についての第1の撮像において、前記センサ部から前記被写体を透過した放射線に応じた電気信号を前記読出部により読み出す第1動作と、
前記第1動作で読み出された電気信号に基づいて、前記複数のセンサのうち前記被写体の注目部位に対応する一部のセンサを選択する第2動作と、
前記第1の撮像後の前記被写体についての第2の撮像において、放射線の照射中に、前記第2動作で選択された前記一部のセンサからの電気信号に基づいて該照射の終了を要求する第3動作と、
を行う
ことを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記プロセッサは、前記第1の撮像の終了後、所定期間が経過する前に前記第2の撮像を開始する場合に、前記第2動作及び前記第3動作を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。 - 前記プロセッサは、前記第2動作では、前記第2の撮像の開始を示す信号を受けたことに応じて、前記第1動作で読み出された電気信号として前記被写体についての過去の撮像結果を参照して前記一部のセンサを選択し、
前記プロセッサは、前記過去の撮像結果として、それを取得したタイミングから前記第2の撮像の開始を示す前記信号を受けたタイミングまでの時間が前記所定期間内となるものを参照する
ことを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。 - 動作モードとして、静止画モードと動画モードとを含み、
前記プロセッサは、前記第2の撮像を前記静止画モードで行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記プロセッサは、前記第1の撮像を前記静止画モード又は前記動画モードで行う
ことを特徴とする請求項4に記載の放射線撮像装置。 - 前記プロセッサは、
前記被写体の情報を前記第2動作の前に受け取り、
前記第2動作では、前記被写体の情報と、前記第1動作で読み出された電気信号とに基づいて、前記一部のセンサを選択する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記被写体は人体であり、
前記被写体の情報は、前記被写体の体内組織における前記注目部位を示す情報を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。 - 前記被写体の情報は、前記被写体の体格情報を更に含む
ことを特徴とする請求項7に記載の放射線撮像装置。 - 前記プロセッサは、前記第2動作では、前記被写体の体格情報と、前記第1動作で読み出された電気信号が示す体格情報とを対比させ、該対比の結果に基づいて前記一部のセンサを選択する
ことを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。 - 前記複数のセンサは、各々が撮像用センサである複数の第1センサと、前記第2動作において前記一部のセンサとして選択可能な複数の第2センサと、を含み、
前記複数の第2センサは、前記センサ部における互いに異なる2以上の領域に配置されており、
前記プロセッサは、前記第2動作では、前記第1動作で読み出された電気信号に基づいて、前記2以上の領域の1つに配置された前記第2センサを前記一部のセンサとして選択する
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の放射線撮像装置。 - 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
放射線を発生する放射線源と、を具備する
ことを特徴とする放射線撮像システム。 - 放射線に応じて電気信号を生成する複数のセンサを含むセンサ部と、前記複数のセンサの電気信号を読み出す読出部と、を備える放射線撮像装置の制御方法であって、
ある被写体についての第1の撮像において、前記センサ部から前記被写体を透過した放射線に応じた電気信号を前記読出部により読み出す第1工程と、
前記第1工程で読み出された電気信号に基づいて、前記複数のセンサのうち前記被写体の注目部位に対応する一部のセンサを選択する第2工程と、
前記第1の撮像後の前記被写体についての第2の撮像において、放射線の照射中に、前記第2工程で選択された前記一部のセンサからの電気信号に基づいて該照射の終了を要求する第3工程と、を含む
ことを特徴とする放射線撮像装置の制御方法。
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JP2017170603A JP2019042294A (ja) | 2017-09-05 | 2017-09-05 | 放射線撮像装置、その制御方法、及び、放射線撮像システム |
PCT/JP2018/022710 WO2019049456A1 (ja) | 2017-09-05 | 2018-06-14 | 放射線撮像装置、その制御方法、及び、放射線撮像システム |
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