JP2019041493A - ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】移動経路形成部材が形成する移動経路に沿って移動する移動体につながるケーブルの垂れ下がりを抑制するロボットを提供する。【解決手段】ロボットのケーブル配線構造は、移動経路形成部材51が形成する移動経路に沿って往復移動する移動体52と、第1ケーブル53および第2ケーブル54と、を備える。第1ケーブルは、移動経路形成部材の一端部と中間部で折り返されるとともに、その折り返し部分を経由して移動経路形成部材の一端部に至るまでの配線長が固定される。第2ケーブルは、移動経路形成部材の他端部と中間部で折り返されるとともに、その折り返し部分を経由して移動経路形成部材の他端部に至るまでの配線長が固定される。移動経路形成部材の中間部に存在する第1ケーブルおよび第2ケーブルの各折り返し部分は、移動体の移動に伴う第1ケーブルおよび第2ケーブルの移動により、移動体の移動方向と反対方向に移動する。【選択図】図15

Description

本発明は、ロボットに関する。
移動用の駆動部を搭載する移動体と、移動体を往復移動させるための移動経路を形成する移動経路形成部材とを備えるロボットには、駆動部に対して電力を供給したり動作制御のための信号を供給したりするために、ケーブルが使用される。その場合、駆動部にケーブルを接続して移動体を移動させると、移動体と一緒に駆動部が移動するため、移動体の動きにケーブルを追従させる必要がある。
移動体の動きにケーブルを追従させる手段として、たとえばカールコードなどに代表される伸縮自在なコードを用いることが考えられる。ただし、この種のコードでは、移動体の動きに追従可能なケーブルの長さに限界がある。このため、移動体の移動距離を長く確保することが難しいという難点がある。
特許文献1には、固定レールおよび可動レールに沿って移動するホイストに対し、固定レールに沿って移動可能な複数の吊り金具で支持したケーブルを通して給電する方法が記載されている。
特開平9−255279号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、ホイストの移動にケーブルを追従させるために、各々の吊り金具からケーブルが垂れ下がっている。このため、たとえばホイストの移動中などにケーブルが大きく垂れ下がり、垂れ下がったケーブルに他の物体が引っ掛かるおそれがある。
本発明の目的は、移動経路形成部材が形成する移動経路に沿って移動体を移動させる場合に、移動体につながるケーブルの垂れ下がりを抑制することができる技術を提供することにある。
本発明の一態様は、
移動経路を形成する移動経路形成部材と、
前記移動経路に沿って往復移動する移動体と、
前記移動体から一方と他方に配線される第1ケーブルおよび第2ケーブルと、を備え、
前記第1ケーブルは、前記移動経路形成部材の一端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の一端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の一端部に至るまでの配線長が固定され、
前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の他端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の他端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の他端部に至るまでの配線長が固定され、
前記移動経路形成部材の中間部に存在する前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの各折り返し部分は、前記移動体の移動に伴う前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの移動により、前記移動体の移動方向と反対方向に移動するように構成されている、ロボットである。
本発明によれば、移動経路形成部材が形成する移動経路に沿って移動体を移動させる場合に、移動体につながるケーブルの垂れ下がりを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る自走式電線点検装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る自走式電線点検装置の構成を示す平面図である。 図2に示す自走式電線点検装置をE1方向から見たときの側面図である。 図2に示す自走式電線点検装置をE2方向から見たときの側面図である。 支持機構の構成を示す斜視図である。 昇降回転駆動部の構成を示す概略図である。 アーム支持部の構成を示す斜視図である。 本体部に接続されるバランスウェイトの構成を示す斜視図である。 フック機構の構成を示す斜視図である。 アームの端部に接続されるバランスウェイトの構成を示す斜視図である。 2つのフック機構を架空地線に引っ掛けたときの自走式電線点検装置の状態を示す斜視図である。 2つのフック機構を架空地線に引っ掛けたときの自走式電線点検装置の状態を示す平面図である。 図12に示す自走式電線点検装置をE3方向から見たときの側面図である。 図12に示す自走式電線点検装置をE4方向から見たときの側面図である。 本発明の第1実施形態に係るロボットのケーブル配線構造を示す概略平面図である。 図15における第1ケーブルと第2ケーブルの交差部分を拡大した図である。 本発明の第1実施形態に係るロボットのケーブル配線構造において、移動体を移動させたときの状態を示す概略平面図(その1)である。 本発明の第1実施形態に係るロボットのケーブル配線構造において、移動体を移動させたときの状態を示す概略平面図(その2)である。 本発明の第2実施形態に係るロボットのケーブル配線構造の主要部を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るロボットのケーブル配線構造の主要部を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係るロボットのケーブル配線構造の他の例を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係るロボットのケーブル配線構造の主要部を示すもので、(A)は移動経路形成部材の一端部を拡大した図、(B)は移動経路形成部材の他端部を拡大した図である。
まず、本発明の実施形態の内容を列挙する。
(1)移動経路を形成する移動経路形成部材と、
前記移動経路に沿って往復移動する移動体と、
前記移動体から一方と他方に配線される第1ケーブルおよび第2ケーブルと、を備え、
前記第1ケーブルは、前記移動経路形成部材の一端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の一端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の一端部に至るまでの配線長が固定され、
前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の他端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の他端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の他端部に至るまでの配線長が固定され、
前記移動経路形成部材の中間部に存在する前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの各折り返し部分は、前記移動体の移動に伴う前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの移動により、前記移動体の移動方向と反対方向に移動するように構成されている、ロボット。
この構成によれば、移動経路形成部材が形成する移動経路に沿って移動体を移動させる場合に、第1ケーブルと第2ケーブルの配線長を一定に維持しながら、移動体の動きに各々のケーブルを追従させることができる。したがって、移動体につながるケーブルの垂れ下がりを抑制することができる。
(2)前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の中間部で互いに交差するように折り返されている、
上記(1)に記載のロボット。
この構成によれば、移動経路形成部材の中間部でケーブルどうしを交差させるだけで、上記中間部に存在する第1ケーブルおよび第2ケーブルの各折り返し部分を、移動体の移動に連動させて移動体と反対方向に移動させることができる。
(3)前記移動経路形成部材の中間部に、前記移動経路に沿って移動自在に設けられたスライダと、
前記スライダに回転自在に取り付けられた一対の滑車と、を備え、
前記一対の滑車のうち一方の滑車に前記第1ケーブルが巻かれて折り返されるとともに、他方の滑車に前記第2ケーブルが巻かれて折り返されている、
上記(1)に記載のロボット。
これにより、移動体を移動したときの動作を円滑することができる。また、ケーブルどうしの擦れを回避し、ケーブルのダメージを軽減することができる。
(4)前記移動経路形成部材の中間部に、前記移動経路に沿って移動自在に設けられたスライダと、
前記スライダに回転自在に取り付けられるとともに、外周部に2つの周溝が形成された滑車と、を備え、
前記2つの周溝のち一方の周溝に前記第1ケーブルが巻かれて折り返されるとともに、他方の周溝に前記第2ケーブルが巻かれて折り返されている、
上記(1)に記載のロボット。
これにより、移動体を移動したときの動作を円滑することができる。また、ケーブルの擦れによるダメージを軽減することができる。
(5)前記第1ケーブルと前記第2ケーブルの各々は、前記移動経路形成部材の長さの1.5倍相当の配線長で前記移動経路形成部材に配線されている、
上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のロボット。
これにより、移動経路形成部材の長さ方向で移動体の移動可能範囲を長く確保することができる。
(6)前記移動経路形成部材の一端部に設けられた第1定滑車と、
前記移動経路形成部材の他端部に設けられた第2定滑車と、をさらに備え、
前記第1ケーブルは、前記移動経路形成部材の一端部で前記第1定滑車に巻かれて折り返され、
前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の他端部で前記第2定滑車に巻かれて折り返されている、
上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のロボット。
これにより、移動体を移動したときの動作を円滑することができる。また、ケーブルの擦れによるダメージを軽減することができる。
以下、本発明を適用可能なロボットの一例となる自走式電線点検ロボットについて説明し、その後、本発明の実施形態に係るロボットについて説明する。
<自走式電線点検ロボットの構成>
図1は、自走式電線点検ロボットの構成を示す斜視図であり、図2は、自走式電線点検ロボットの構成を示す平面図である。また、図3は、図2に示す自走式電線点検ロボットをE1方向から見たときの側面図であり、図4は、図2に示す自走式電線点検ロボットをE2方向から見たときの側面図である。
なお、図1〜図4は、水平角180度で鉄塔120に支持された架空地線140に沿って自走式電線点検ロボット100が走行するときの姿勢を示している。架空地線140の水平角は、鉄塔120を上から見たときに、鉄塔120から一方向に延在する架空地線140と他方向に延在する架空地線140とのなす角度をいう。
図示した自走式電線点検ロボット100は、鉄塔120間に架線された架空地線140に沿って走行しながら電線(送電線、電力線など)の点検を行う。自走式電線点検ロボット100は、鉄塔120を乗り越える機能を有するもので、架空地線140上を走行可能な走行部1と、走行部1から垂下するように設けられた本体部2と、本体部2に対して相対移動可能に連結されたアーム3と、アーム3の両端部に設けられたフック機構4と、重心制御機構5と、を備える。
鉄塔120には、レール121が付設されている。レール121には、図示しない安全器が取り付けられる。安全器は、作業員が鉄塔120に昇ったり降りたりするときに、作業員が装着する安全帯をつないでおくための機器である。
架空地線140は、複数の鉄塔120を順に経由するように、それらの鉄塔120間にカテナリ方式等で架線される。その場合、架線方向で隣り合う2つの鉄塔120間は「径間」と呼ばれ、この径間を一方の鉄塔120から他方の鉄塔120に向かって自走式電線点検ロボット100が走行する。ここで、自走式電線点検ロボット100が鉄塔120を乗り越えるとは、鉄塔120を境に2つの径間が存在する場合に、一方の径間に架線されている架空地線140から、次の径間に架線されている架空地線140に自走式電線点検ロボット100が乗り移ることを意味する。架空地線140の直径は、たとえば、10mm以上15mm以下である。架空地線140は、図例のような1条タイプで、鉄塔120の頂部に耐張方式または懸垂方式に取り付けられる。ただし、鉄塔に2条タイプで架線された架空地線に沿って走行しながら電線の点検を行う場合にも適用可能である。
(方向の定義)
自走式電線点検ロボット100の各部の相対的な位置関係や動作の向き、方向性などを明確にするために、次のように方向を定義する。まず、隣り合う2つの鉄塔120間に架線された架空地線140上を電線を点検しながら自走式電線点検ロボット100が走行する場合、自走式電線点検ロボット100の姿勢は、理想的には傾きのない水平姿勢に維持される。その場合、水平姿勢に維持される自走式電線点検ロボット100の高さ方向を上下方向とし、自走式電線点検ロボット100の走行方向の下流側を前方(前側)、上流側を後方(後ろ側)とする。また、架空地線140に自走式電線点検ロボット100を設置したときに、重力が働く方向(鉛直方向)に平行な方向を垂直方向とし、それと直交する方向を水平方向とする。また、水平姿勢を維持しながら架空地線140に沿って走行するときの自走式電線点検ロボット100の向きを基準に、自走式電線点検ロボット100の前後方向および左右方向を規定する。このため、上記図1において、自走式電線点検ロボット100が矢印Mの方向に走行するものとすると、矢印Mの指す方向が前方、それと反対の方向が後方、矢印Mの方向に向かって左側が左方、右側が右方となる。
(走行部1)
走行部1は、クローラ型の駆動機構を備える。クローラ型の駆動機構は、一定のピッチで周長方向に並ぶ複数のコマ6を有する。各々のコマ6は、たとえばゴムを用いて構成されるとともに、架空地線140に係合するV字形の溝を有する。また、走行部1は、駆動源となる走行用モータ(不図示)と、走行用モータの駆動にしたがって回転する一対の車輪(歯付き車)8と、一対の車輪8を支えるフレーム9と、を備える。一対の車輪8は、走行用モータ(不図示)の駆動により、互いに同期して回転する。一対の車輪8にはチェーン(不図示)が架け渡され、このチェーンにコマ単位で複数のコマ6が取り付けられている。
(本体部2)
本体部2は、走行部1の下方に配置されている。本体部2は、走行部1から垂下するように、支持機構15によって支持されている。支持機構15は、図5に示すように、傾き制御機構部16と、シャフト17と、を備える。
傾き制御機構部16は、円弧状のガイドレール18と、ガイドレール18に取り付けられた揺動部19とを有し、揺動部19がガイドレール18に沿って揺動することにより、本体部2とアーム3の傾きを制御可能になっている。ここで記述する「傾き」とは、ガイドレール18の円弧の中心を通る水平軸H(図5)を中心とした、本体部2とアーム3の前後方向の傾きをいう。
ガイドレール18は、略U字形に配置されている。ガイドレール18の両端部(上端部)は、走行部1に連結されている。ガイドレール18の外側の面にはラック18a(図5)が形成されている。揺動部19は、ガイドレール18に移動可能に取り付けられている。揺動部19には、ガイドレール18のラック18aに噛み合うピニオン(不図示)と、このピニオンを回転させるモータ12が設けられている。モータ12によってピニオンを回転させると、ピニオンの回転方向および回転量に応じて揺動部19がガイドレール18に沿って揺動(移動)する。揺動部19が揺動すると、走行部1に対するシャフト17の傾きが変化し、これに応じて本体部2とアーム3の傾きも変化する。したがって、傾き制御機構部16により、本体部2とアーム3の傾きを制御(調整)することができる。
本体部2とアーム3は、本体部2のアーム支持部21で連結されているため、本体部2が前傾するとアーム3も前傾し、本体部2が後傾するとアーム3も後傾する。本体部2の前傾とは、本体部2の前後方向において、前側(アーム支持部21側)が後ろ側よりも低い位置となるように傾くことをいい、本体部2の後傾とは、本体部2の前側(アーム支持部21側)が後ろ側よりも高い位置となるように傾くことをいう。このため、本体部2を前傾させた場合は、フック機構4の位置が相対的に低くなり、本体部2を後傾させた場合は、フック機構4の位置が相対的に高くなる。
このように、傾き制御機構部16によって本体部2とアーム3の傾きを制御することにより、フック機構4のフック32を架空地線140よりも低く配置したり高く配置したりすることが可能となる。
シャフト17は、本体部2に対して垂直に立てて配置されるとともに、シャフト連結部20を介して揺動部19に連結されている。シャフト17の位置は、走行部1の2つの車輪8に自走式電線点検ロボット100の自重が均等に加わるように、2つの車輪8間の中心位置の直下に設定されている。シャフト17の外周面には、ボールネジ溝とボールスプライン溝が形成されている。シャフト17は、本体部2を上下に貫通するように配置されている。
本体部2の内部には、図示しない制御部と電線点検部が設けられている。制御部は、所定の制御用プログラムに基づいて自走式電線点検ロボット100の動作を統括的に制御する。電線点検部は、架空地線140よりも下方で鉄塔120に架線される送電線などの電線の点検や、点検用データの取得などを行う。電線点検部が行う点検項目には、たとえば、電線の外観、電線と樹木との離隔距離、電線接続管の発熱などが含まれる。また、これ以外にも、鉄塔120の外観をカメラ等で撮影して点検することも可能である。点検の結果は、本体部2に内蔵する記録装置に電子データとして記録してもよいし、無線通信手段を介した電子データの送受信により外部の装置にデータを取り込んで処理してもよい。
さらに、本体部2の内部には、図6に示すように、昇降回転駆動部14が設けられている。昇降回転駆動部14は、本体部2に対して走行部1をシャフト17の中心軸方向に昇降させる動作と、シャフト17の中心軸まわりに本体部2を回転させる動作を行う。昇降回転駆動部14は、シャフト17のボールネジ溝に嵌合するボールネジナット14aと、シャフト17のボールスプライン溝に嵌合するボールスプラインナット14bと、ボールネジナット14aを回転させるモータ14cと、ボールスプラインナット14bを回転させるモータ14dと、モータ14cの駆動力をボールネジナット14aに伝達する駆動力伝達機構(不図示)と、モータ14dの駆動力をボールスプラインナット14bに伝達する駆動力伝達機構(不図示)と、を備える。駆動力伝達機構は、歯車、ベルト等を用いて構成することができる。
上記構成の昇降回転駆動部14において、モータ14cを駆動すると、その駆動力が駆動力伝達機構を介してボールネジナット14aに伝達される。また、モータ14dを駆動すると、その駆動力が駆動力伝達機構を介してボールスプラインナット14bに伝達される。このため、ボールネジナット14aは、モータ14cの駆動にしたがって回転し、ボールスプラインナット14bは、モータ14dの駆動にしたがって回転する。
ここで、各々のモータ14c,14dの駆動を制御することにより、ボールスプラインナット14bを停止させたままボールネジナット14aだけを回転させると、シャフト17の中心軸方向で本体部2とシャフト17の相対位置が変化する。これにより、シャフト17の中心軸方向において走行部1と本体部2の間の離間距離が変化するため、本体部2の位置を基準に走行部1を相対的に昇降させることができる。
一方、ボールネジナット14aとボールスプラインナット14bを同じ方向に同じ速度で回転させると、本体部2は、シャフト17の中心軸方向に移動することなく、シャフト17の中心軸まわりに回転動作する。これにより、走行部1に対して本体部2の向きが変化する。このため、各々のモータ14c,14dの駆動を制御することにより、本体部2の向きを調整することができる。
本体部2の前部には、アーム支持部21が設けられている。本体部2の前部とは、自走式電線点検ロボット100が架空地線140上を走行するときに前方に位置する部分をいう。アーム支持部21は、アーム3を移動可能に支持し、傾き制御機構部16やシャフト17よりも前方に位置している。
アーム支持部21には、アーム3を移動自在に支持するアーム支持機構(不図示)と、本体部2に対してアーム3を相対移動させるための駆動源となる2つのモータ25a,25bと、各々のモータ25a,25bに対応する2つのピニオン(不図示)と、が設けられている。2つのモータ25a,25bは、図7に示すように、アーム3の円弧方向に隣り合わせに並んで配置されている。図7では、アーム3の一部のみを表示している。2つのピニオンは、それぞれに対応するモータ25a,25bの駆動により、互いに同期して回転する。各々のピニオンは、アーム3の外側面に形成されたラック28と噛み合うことにより、ラック・アンド・ピニオンを構成する。このため、モータ25a,25bの駆動により2つのピニオンを回転させると、各々のピニオンの回転方向および回転量に応じて本体部2とアーム3の相対位置が変化する。
なお、ここではモータ25a,25bとピニオンを2つずつ用いているが、モータとピニオンを1つずつ用いてもよい。また、1つのモータで2つのピニオンを回転させる構成を採用してもよい。
本体部2の後部には、可動式のバランスウェイト22が連結されている。可動式とは、動かすことができるという意味である。バランスウェイト22は、架空地線140上で自走式電線点検ロボット100を走行させるときに、自走式電線点検ロボット100の姿勢を水平に維持することを主たる目的として本体部2の後部に連結されている。本体部2の後部とは、自走式電線点検ロボット100が架空地線140上を走行するときに後方に位置する部分をいう。
バランスウェイト22は、図8に示すように、所定の長さを有する連結棒23と、連結棒23の先端部に設けられた錘部24と、連結棒23を動作させる駆動部27と、を有する。連結棒23は、真っ直ぐの棒状に形成されている。駆動部27にはモータ26が設けられている。連結棒23の基端部は、本体部2の後部側の下面に、モータ26を駆動源として回転可能に連結されている。このため、バランスウェイト22の向きは、連結棒23の回転動作によって変更可能となっている。
バランスウェイト22は、動作の中心となる支軸(不図示)を含み、この支軸を中心に水平方向に回転動作可能に支持されている。バランスウェイト22の向きは、自走式電線点検ロボット100が架空地線140上を走行するとき(以下、単に「走行時」ともいう。)と、自走式電線点検ロボット100が鉄塔120を乗り越えるとき(以下、単に「乗り越え時」ともいう。)で、異なる。具体的には、走行時は、連結棒23を架空地線140に沿って本体部2の後方に伸ばす向きとなり、乗り越え時は、所定のタイミングで連結棒23をアーム3側に折り畳む向きとなる。
(アーム3)
アーム3は、架空地線140を支持する鉄塔120を迂回(回避)するように本体部2を移動させるための迂回路を形成する。アーム3は、たとえば、FRP(Fiber−Reinforced Plastics)などの樹脂により、一定の曲率で円弧型(半円型)に形成されている。アーム3の曲率半径は、鉄塔120やレール121との接触を避けて本体部2を移動させるのに必要な寸法に設定される。
アーム3は、アーム支持部21で本体部2の前部に連結されている。アーム3の外側面にはラック28が形成されている。ラック28は、アーム3の長さ方向の一端から他端にわたって連続的に形成されている。アーム3の長さ方向とは、アーム3の円弧に沿う方向をいう。アーム支持部21において、モータ25a,25bを駆動すると、アーム3の一端部はアーム支持部21から遠ざかる方向に移動し、アーム3の他端部はアーム支持部21に近づく方向に移動する。
(フック機構4)
フック機構4は、アーム3を架空地線140に懸垂させるためにアーム3の両端部に設けられている。アーム3の両端部とは、アーム3の長さ方向の両端部を意味する。
フック機構4は、図9に示すように、ブラケット31と、フック32と、を有する。ブラケット31は、逆さL字形に形成されている。ブラケット31は、アーム3の端部から立ち上がる立ち上がり部31aと、立ち上がり部31aの上端から水平方向に伸びる水平部31bとを一体に有する。水平部31bは、図2に示すように、アーム3の円弧の接線方向と平行な向きで、アーム3側に伸びている。これにより、フック機構4のフック32を架空地線140に引っ掛けたときに、フック機構4が逆手懸垂形式で架空地線140に支持されるようになる。
フック32は、ブラケット31の水平部31bの先端に設けられている。フック32には、逆さU字形の溝が形成されている。フック32は、アーム3を架空地線140に懸垂させるときに、架空地線140に引っ掛けられる部分となる。図2に示すように、2つのフック32を結ぶ仮想直線の中点P1は、アーム3の円弧の中心P2に対して、アーム3の中央部側にずれている。このため、2つのフック32を架空地線140に引っ掛ける場合は、2つのフック32を結ぶ仮想直線上に架空地線140が配置されるよう、アーム3の円弧の中心P2を架空地線140からずらして配置する必要がある。アーム3の中央部とは、アーム3の長さ方向の中点部分を意味する。
フック32には、把持爪34(図9)が設けられている。把持爪34は、フック32の溝に対して進退移動可能に設けられている。把持爪34の進退移動は、モータ33の駆動により行われる。モータ33の駆動力は、たとえば歯車等を介して把持爪34に伝達される。架空地線140にフック32を引っ掛けて把持爪34を進出させた場合は、フック32に嵌まり込んだ架空地線140が、フック32の溝内で把持爪34によって把持される。また、その状態から把持爪34を後退させた場合は、把持爪34による架空地線140の把持が解除される。
(重心制御機構5)
重心制御機構5は、自走式電線点検ロボット100の重心の位置を制御するための機構である。重心制御機構5は、上述した可動式のバランスウェイト22と、アーム3の両端部に接続された可動式のバランスウェイト35と、を用いて構成されている。バランスウェイト35は、主に、アーム3に沿って本体部2を移動させるときのバランスを調整する目的でアーム3の両端部に接続されている。バランスウェイト35は、アーム3の一端部と他端部に1つずつ接続されている。以降の説明では、アーム3の一端部に接続されたバランスウェイト35に符号35aを付し、アーム3の他端部に接続されたバランスウェイト35に符号35bを付すこととする。図10にバランスウェイト35bの斜視図を示す。
バランスウェイト35a,35bは、それぞれ動作の中心となる支軸(不図示)を含み、この支軸を中心に水平方向に回転動作可能に支持されている。バランスウェイト35aは、アーム3の端部に連結された連結棒36aと、連結棒36aの先端部に設けられた錘部37aと、連結棒36aを動作させる駆動部38aと、を有する。同様に、バランスウェイト35bは、アーム3の端部に連結された連結棒36bと、連結棒36bの先端部に設けられた錘部37bと、連結棒36bを動作させる駆動部38bと、を有する。バランスウェイト35a,35bは、図3に示すように、本体部2に接続されたバランスウェイト22とほぼ同じ高さに配置され、これによって各々のバランスウェイト22,35a,35bが同一平面内を移動する構成になっている。これにより、自走式電線点検ロボット100の高さ寸法を低く抑えることができるとともに、バランスウェイト22,35a,35bの動作によるバランス調整機能の向上を図ることができる。なお、「同一平面内の移動」とは、各々のバランスウェイト22,35a,35bが上下方向において少なくとも一部重なり合う位置関係で移動することをいう。バランスウェイト35aとバランスウェイト35bの基本的な構成は共通であるため、ここではバランスウェイト35aの構成について詳細に説明し、バランスウェイト35bについての詳細な説明は省略する。
連結棒36aは、アーム3の端部の下面側に連結されている。連結棒36aは、アーム3と連結棒36aを上下に位置をずらして重ねたときに、アーム3の円弧形状に沿うように湾曲している。連結棒36aの基端部には、駆動部38aが設けられている。連結棒36aの基端部は、アーム3の端部の下面側に、駆動部38aを介して連結されている。
錘部37aは、連結棒36aの先端部に取り付けられている。錘部37aは、好ましくは、駆動部38aを駆動するためのバッテリーを用いて構成するとよい。この構成を採用すれば、バッテリーの重さを利用して重量バランスを調整することができる。また、バッテリーを別の場所に設ける場合は、バッテリーとは別に錘部37aを設ける必要があるため、装置全体の重量が相対的に重くなるが、錘部37aにバッテリーを用いる場合は、装置全体の重量が相対的に軽くなる。このため、装置の軽量化を図ることができる。なお、本体部2に接続されたバランスウェイト22においても、上記同様の効果を得るために、駆動部27を駆動するためのバッテリーを用いて錘部24を構成することが好ましい。
駆動部38aは、アーム3の端部で上記支軸を中心に連結棒36aを回転させることにより、錘部37aの位置を変化させる。駆動部38aには、駆動源となるモータ39aや図示しない駆動力伝達機構が設けられている。そして、駆動部38aの駆動によって連結棒36aを回転させることにより、上記支軸を中心に錘部37aの位置が変化する構成になっている。
なお、バッテリーを用いて錘部37aを構成する場合は、錘部37aと駆動部38aの間を配線でつなぐ必要がある。その場合は、連結棒36aを中空構造として、連結棒36aの内部に配線を通すようにするとよい。
上記構成からなるバランスウェイト35aにおいて、駆動部38aの駆動により連結棒36aを回転させると、錘部37aの位置は、連結棒36aの回転に応じて変化する。これにより、連結棒36aの回転角度に応じて錘部37aの位置を変化させ、自走式電線点検ロボット100の重量バランスを調整することができる。また、仮に、連結棒36aを真っ直ぐの棒状に形成すると、錘部37aをアーム3の近くに配置したときに、連結棒36aの直線部分がアーム3の内側に入り込んで鉄塔120に近づくおそれがあるが、連結棒36aをアーム3に沿うように湾曲させておけば、上述のように錘部37aをアーム3の近くに配置したときでも連結棒36aがアーム3の内側に入り込まない。このため、鉄塔120から離した位置に連結棒36aを配置することができる。
<自走式電線点検ロボットの動作>
次に、自走式電線点検ロボット100の動作について説明する。
自走式電線点検ロボット100は、架空地線140に沿って走行(自走)する動作(以下、「走行動作」という。)と、鉄塔120を乗り越える動作(以下、「乗り越え動作」という。)を順に繰り返しながら、各径間を移動して電線の点検を行う。
(走行動作)
走行動作において、自走式電線点検ロボット100は、上記図1〜図4に示すように、架空地線140に走行部1を乗せて装置全体を水平姿勢に維持し、その状態で走行部1を回転駆動することにより、架空地線140に沿って走行する。自走式電線点検ロボット100は、架空地線140を走行中に電線の点検を行う。このとき、本体部2はアーム3の中央部に位置する。アーム3は架空地線140を中心に左右対称に配置される。また、アーム3の両端部はいずれも前方を向いて配置され、アーム3の中央部は後方を向いて配置される。
一方、本体部2に接続されたバランスウェイト22は、錘部24が架空地線140の直下に位置するように、連結棒23を本体部2の後方に真っ直ぐに伸ばした状態に配置される。また、アーム3の両端部に接続されたバランスウェイト35a,35bは、それぞれに対応する錘部37a,37bが本体部2の両サイドに位置するように、連結棒36a,36bを後ろ側(アーム3側)に折り畳んだ状態に配置される。
これにより、自走式電線点検ロボット100が架空地線140に沿って走行するときは、自走式電線点検ロボット100の重心が鉛直方向の上方から見て走行部1(好ましくは、2つの車輪8の間)に位置するように制御される。走行時の自走式電線点検ロボット100の姿勢が理想的な水平姿勢にあるときは、アーム3の両端部と中央部が上下方向で同じ高さに配置されるとともに、本体部2とこれに接続されたバランスウェイト22がそれぞれ水平に配置される。
走行動作では、走行部1の回転駆動部分にエンコーダ(不図示)を装着しておき、走行部1の回転駆動量(たとえば、車輪8の回転量など)をエンコーダを用いて計測することにより、自走式電線点検ロボット100の走行距離と径間での位置を把握することができる。
(乗り越え動作)
次に、自走式電線点検ロボット100が鉄塔120を乗り越えるときの一連の動作について説明する。
自走式電線点検装置100が鉄塔120を乗り越えるためには、鉄塔120を避けてアーム3を送り出すとともに、アーム3の両端部にある2つのフック機構4を架空地線140に引っ掛ける必要がある。図11は、2つのフック機構4を架空地線140に引っ掛けたときの自走式電線点検装置100の状態を示す斜視図であり、図12はその平面図である。また、図13は、図12に示す自走式電線点検装置100をE3方向から見たときの側面図であり、図14は、図12に示す自走式電線点検装置100をE4方向から見たときの側面図である。
まず、自走式電線点検ロボット100は、鉄塔120の手前で減速して停止する。
次に、自走式電線点検ロボット100は、鉄塔120の周囲に迂回路を形成すべく、アーム3の一端部を前方に送り出す。アーム3の送り出しは、アーム支持部21に設けられた2つのモータ25a,25bを駆動することにより行う。
次に、自走式電線点検ロボット100は、2つのフック32を架空地線140に引っ掛ける。具体的には、本体部2に近い側のフック32を架空地線140に引っ掛けた後、本体部2から遠い側のフック32を架空地線140に引っ掛ける。あるいは、本体部2から遠い側のフック32を先に架空地線140に引っ掛けた後、本体部2に近い側のフック32を架空地線140に引っ掛ける。このとき、フック32に設けられた把持爪34を進出させて、架空地線140を把持する。
次に、自走式電線点検ロボット100は、昇降回転駆動部14の駆動により走行部1を上昇させた後、アーム3に沿って本体部2を移動させる。これにより、本体部2は、走行部1と共に、鉄塔120を迂回するように移動する。
次に、自走式電線点検ロボット100は、昇降回転駆動部14の駆動により、走行部1と本体部2の相対的な向きを調整することにより、架空地線140の直上に走行部1を配置する。このとき、走行部1の向きを架空地線140に沿わせる。
次に、自走式電線点検ロボット100は、昇降回転駆動部14の駆動により走行部1を下降させることにより、架空地線140上に走行部1を着地させる。
次に、自走式電線点検ロボット100は、把持爪34による架空地線140の把持状態を解除し、2つのフック32を架空地線140から外す。
次に、自走式電線点検ロボット100は、モータ25a,25bの駆動によってアーム3を引き戻すことにより、アーム3の中央部を本体部2まで変位させる。
次に、自走式電線点検ロボット100は、鉄塔120から遠ざかる方向に所定量だけ走行した後、アーム3の両端部が前方を向くように、本体部2の向きを変える。これにより、一連の乗り越え動作が完了となる。
上記乗り越え動作において、たとえば、本体部2に設けられた制御部からの制御指令により、バランスウェイト35a,35bのモータ39a,39bを駆動するには、本体部2とアーム3の一端部との間、および、本体部2とアーム3の他端部との間に、それぞれ制御信号伝達用のケーブルを配線する必要がある。その場合、アーム3に沿った本体部2の移動を許容するために、たとえば、ケーブルの配線長を十分に長く確保すると、ケーブルの一部が自重等によって垂れ下がり、乗り越え動作に支障をきたすおそれがある。そこで本発明の実施形態に係るロボットにおいては、以下のようなケーブル配線構造を採用している。
<第1実施形態>
図15は本発明の第1実施形態に係るロボットのケーブル配線構造を示す概略平面図である。
図示したロボットのケーブル配線構造は、移動経路を形成する移動経路形成部材51と、移動経路に沿って往復移動する移動体52と、移動体52から一方と他方に配線される第1ケーブル53(図中、一点鎖線で示す)および第2ケーブル54(図中、二点鎖線で示す)と、を備える。上記自走式電線点検ロボット100では、アーム3が本体部2を移動させるための迂回路を形成する。このため、自走式電線点検ロボット100に適用する場合は、アーム3が移動経路形成部材51に相当し、本体部2が移動体52に相当する。
移動経路形成部材51は、平面視で円弧型(半円型)に形成されている。このため、移動経路形成部材51が形成する移動経路も円弧型になっている。ここで記述する「円弧型」は、真円に沿う円弧を想定しているが、これに限らず、たとえば楕円に沿う円弧であってもよい。
移動経路形成部材51は、その内部に中空部61を有する。中空部61は、移動経路形成部材51の長さ方向の一端部から他端部にわたって形成されている。つまり、移動経路形成部材51は、一端部と他端部をそれぞれ開口した中空構造になっており、中空部61は、移動経路に沿う円弧型の中空路を形成している。
移動体52は、移動経路形成部材51が形成する移動経路に沿って往復移動する。移動体52は、移動経路形成部材51の外側、具体的には円弧型の移動経路形成部材51の外周側(円弧の曲率半径が大きい側)に配置されている。
第1ケーブル53と第2ケーブル54は、たとえば、給電用あるいは動作制御用などのケーブルとして移動経路形成部材51に配線される。第1ケーブル53のケーブル端や第2ケーブル54のケーブル端は、たとえば、図示しない電源装置や制御回路などに接続される。上記自走式電線点検ロボット100に適用する場合は、第1ケーブル53と第2ケーブル54の各ケーブル端が、たとえば、点検用のカメラや動作制御回路などに接続される。
第1ケーブル53と第2ケーブル54は、移動体52から一方と他方に配線されている。移動体52は、ケーブル配線用の基点を有する。ここで記述する「基点」とは、移動体52において第1ケーブル53と第2ケーブル54を固定的に支持する箇所をいう。ケーブルの支持方式としては、たとえば、ネジ止め方式、クランプ方式などを採用することができる。
第1ケーブル53の基点と第2ケーブル54の基点は、同じ位置にあってもよいし、異なる位置にあってもよい。また、第1ケーブル53と第2ケーブル54は、それぞれ対応する基点の位置を超えて移動体52の内部、さらには移動体52の外部へと延長されていてもよい。本実施形態では、一例として、第1ケーブル53と第2ケーブル54がほぼ同じ位置を基点Kとし、この基点Kから一方と他方に配線されるものとする。
第1ケーブル53は、基点Kから移動経路形成部材51の一端部に向けて配線されるとともに、移動経路形成部材51の一端部と中間部でそれぞれ折り返されて、移動経路形成部材51の一端部へと配線されている。第2ケーブル54は、基点Kから移動経路形成部材51の他端部に向けて配線されるとともに、移動経路形成部材51の他端部と中間部でそれぞれ折り返されて、移動経路形成部材51の他端部へと配線されている。移動経路形成部材51の中間部とは、移動経路形成部材51の両端部(一端部および他端部)を除く中間部分をいう。
以降の説明では、移動経路形成部材51の一端部における第1ケーブル53の折り返し部分を「折り返し部P1」、移動経路形成部材51の中間部における第1ケーブル53の折り返し部分を「折り返し部P2」とする。また、移動経路形成部材51の他端部における第2ケーブル54の折り返し部分を「折り返し部P3」、移動経路形成部材51の中間部における第2ケーブル54の折り返し部分を「折り返し部P4」とする。
第1ケーブル53は、移動体52の基点Kから移動経路形成部材51の一端部までの区間では移動経路形成部材51の外面に沿って配線されている。また、第1ケーブル53は、移動経路形成部材51一端部の折り返し部P1で折り返されて移動経路形成部材51の中空部61へと導入され、そのまま移動経路に沿うように中空部61内に配線されている。さらに、第1ケーブル53は、中空部61内の折り返し部P2で折り返されて移動経路形成部材51の一端部へと配線されている。
第2ケーブル54は、移動体52の基点Kから移動経路形成部材51の他端部までの区間では移動経路形成部材51の外面に沿って配線されている。また、第2ケーブル54は、移動経路形成部材51他端部の折り返し部P3で折り返されて移動経路形成部材51の中空部61へと導入され、そのまま移動経路に沿うように中空部61内に配線されている。さらに、第2ケーブル54は、中空部61内の折り返し部P4で折り返されて移動経路形成部材51の他端部へと配線されている。
移動経路形成部材51の中空部61内では、第1ケーブル53と第2ケーブル54が、移動経路形成部材51の中間部で互いに交差するように折り返されている。第1ケーブル53と第2ケーブル54の交差部分では、図16に示すように、これらのケーブル53,54どうしが引っ掛かっている。このため、第1ケーブル53の折り返し部P2と第2ケーブル54の折り返し部P4は、移動経路形成部材51の長さ方向(本実施形態形態では円弧長方向)において実質的に同じ位置に存在する。
第1ケーブル53と第2ケーブル54は、互いに同一の配線長で移動経路形成部材51に配線(引き回し)されている。第1ケーブル53の配線長は、移動体52の基点Kから折り返し部P1と折り返し部P2を順に経由して移動経路形成部材51の一端部に至る配線経路上のケーブル配線長を意味する。第2ケーブル54の配線長は、移動体52の基点Kから折り返し部P3と折り返し部P4を順に経由して移動経路形成部材51の他端部に至る配線経路上のケーブル配線長を意味する。
上記第1ケーブル53の配線長は固定され、上記第2ケーブル54の配線長も固定されている。「ケーブルの配線長が固定されている」とは、上記配線経路に沿ったケーブルの配線長が実質的に変わらないことを意味する。ケーブルの配線長は、たとえば、上記配線経路の一端と他端でケーブルを固定的に支持することにより固定可能である。
第1ケーブル53と第2ケーブル54の各々は、移動経路に沿う移動体52の移動可能範囲を広く確保するために、移動移動経路形成部材51の長さの1.5倍相当の配線長で移動経路形成部材51に配線されている。ここで記述する「1.5倍相当の配線長」は、ケーブルの折り返しに要する分の配線長を含む。
上記ケーブル配線構造においては、移動経路形成部材51が形成する移動経路に沿って移動体52を移動させた場合に、第1ケーブル53の折り返し部P2と第2ケーブル54の折り返し部P4が、移動体52の移動に伴う第1ケーブル53と第2ケーブル54の移動により、移動体52の移動方向と反対方向に移動する構成になっている。以下、具体的に説明する。
まず、上記図15に示すように移動経路形成部材51の長さ方向の中点部分(以下、「中央部」という。)に移動体52が位置している状態から、図17に示すように移動体52を移動経路形成部材51の一端部側に移動させると、これに連動して第1ケーブル53と第2ケーブル54が移動する。このとき、第1ケーブル53の一部は図中破線矢印で示すように移動経路形成部材51の外面から中空部61内へと送り込まれる。また、第2ケーブル54の一部は図中破線矢印で示すように中空部61から移動経路形成部材51の外面へと引き出される。第2ケーブル54の引き出し量は、第1ケーブル53の送り込み量と同じになる。また、中空部61内の折り返し部P2,P4に対して、第1ケーブル53は送り出し側のケーブル、第2ケーブル54は引き込み側のケーブルとして機能する。このため、折り返し部P2,P4は第2ケーブル54によって移動経路形成部材51の他端部側に引き込まれる。その結果、第1ケーブル53と第2ケーブル54の各折り返し部P2,P4が、移動経路形成部材51の他端部側、すなわち移動体52の移動方向と反対方向に移動する。
また、図17の状態から図18のように移動体52を移動経路形成部材51の一端部まで移動させると、これに連動して第1ケーブル53と第2ケーブル54の各折り返し部P2,P4は、移動経路形成部材51の他端部側へと更に移動する。
一方、上記図15のように移動経路形成部材51の中央部に位置する移動体52を、移動経路形成部材51の他端部側に移動させると、これに連動して第1ケーブル53と第2ケーブル54の各折り返し部P2,P4は、移動経路形成部材51の一端部側、すなわち移動体52の移動方向と反対方向に移動する。
このように移動経路形成部材51の移動経路に沿って移動体52を一方または他方に移動させる場合、第1ケーブル53と第2ケーブル54は移動体52の動きに追従して移動するものの、第1ケーブル53と第2ケーブル54の配線長は、移動前、移動中、移動後のいずれにおいても一定に維持される。つまり、移動経路上で移動体52をどのように移動させても、第1ケーブル53と第2ケーブル54の配線長は変わらない。よって、第1ケーブル53と第2ケーブル54の垂れ下がりが抑制される。
また、移動経路形成部材51の円弧に沿う方向において、移動体52の移動距離をL1とし、折り返し部P2,P4の移動距離をL2とすると、移動距離L2は移動距離L1の半分となる。同様に、移動経路形成部材51の円弧に沿う方向において、移動体52の移動角度をθ1とし、折り返し部P2,P4の移動角度をθ2とすると、移動角度θ2は移動角度θ1の半分になる。したがって、移動経路形成部材51の一端部から他端部まで移動体52を移動させても、折り返し部P2,P4を中空部61内に収容した状態を維持することができる。
また、第1ケーブル53と第2ケーブル54の配線長を、移動経路形成部材51の長さの1.5倍相当に設定した場合は、移動体52の移動に第1ケーブル53と第2ケーブル54を追従させながら、移動経路形成部材51の一端部から他端部まで移動体52を移動させることができる。
<第2実施形態>
図19は本発明の第2実施形態に係るロボットのケーブル配線構造の主要部を示す斜視図であり、図20はその平面図である。
本第2実施形態においては、移動経路形成部材51の中間部における第1ケーブル53および第2ケーブル54の折り返し構造が異なる。本第2実施形態では、移動経路形成部材51の中間部にスライダ65を設けるとともに、スライダ65に一対の滑車66,67を取り付けた構成を採用している。
スライダ65は、移動経路形成部材51の中空部61に、移動経路に沿って移動自在に設けられている。ここで、スライダ65と移動体52は、いずれも移動経路形成部材51が形成する移動経路に沿って移動するものであるが、移動体52は移動経路形成部材51の外側に配置され、スライダ65は移動経路形成部材51の中空部61内に配置されているため、両者が干渉することはない。一対の滑車66,67は、スライダ65に回転自在に取り付けられている。一対の滑車66,67は、スライダ65に設けられた共通の回転軸68を中心に回転自在に取り付けられることにより、互いに同軸上に配置されている。
第1ケーブル53は、移動経路形成部材51の中空部61で一方の滑車66に巻かれて折り返されている。滑車66の外周部には凹状の溝が形成されている。第1ケーブル53は、滑車66外周部の溝の部分に180°の巻き付き角度で巻かれることにより、折り返し部P2を形成している。
第2ケーブル54は、移動経路形成部材51の中空部61で他方の滑車67に巻かれて折り返されている。滑車67の外周部には、湾曲した凹状の溝が形成されている。第2ケーブル54は、滑車67外周部の溝の部分に180°の巻き付き角度で巻かれることにより、折り返し部P4を形成している。
このように本第2実施形態では、スライダ65に取り付けられた一対の滑車66,67を用いて、第1ケーブル53の折り返し部P2と第2ケーブル54の折り返し部P4を形成している。このため、移動経路形成部材51の移動経路に沿って移動体52を一方または他方に移動させると、これに連動してスライダ65が移動体52と反対方向に移動する。その際、滑車66は第1ケーブル53の移動に従って回転し、滑車67は第2ケーブル54の移動に従って回転する。このため、移動体52を移動したときの動作が円滑になる。
また、上記第1実施形態のようにケーブル53,54を互いに交差させた場合は、折り返し部P2,P4でケーブル53,54どうしが擦れることがある。これに対し、本第2実施形態のように一対の滑車66,67に用いて、ケーブル53,54の折り返し部P2,P4を形成した場合は、ケーブル53,54どうしが擦れることがない。
なお、上記第2実施形態では、ケーブル53,54を別々の滑車66,67に巻いて折り返すようにしたが、これ以外にも、スライダ65に1つの滑車を設け、この滑車にケーブル53,54を巻いて折り返す構成を採用してもよい。その場合の好ましい例として、図21に示すように、スライダ65に回転自在に取り付けられる滑車69の外周部に2つの周溝69a,69bを形成し、一方の周溝69aに第1ケーブル53を巻いて折り返し、他方の周溝69bに第2ケーブル54を巻いて折り返す構成を採用するとよい。周溝69a,69bは、それぞれ滑車69の円周方向に連続する溝であって、滑車69の回転軸70の方向で隣り合わせに形成されている。このような構成を採用した場合は、ケーブル53,54の折り返し部P2,P4が別々の周溝69a,69bによって形成されるため、ケーブル53,54どうしが擦れることがない。
また、上記第2実施形態では、滑車66,67を互いに同軸上に配置するとしたが、これに限らず、滑車66,67を別々の回転軸で支持する構成としてもよい。また、第1ケーブル53の折り返し部P2と第2ケーブル54の折り返し部P4は、移動経路形成部材51の長さ方向で同じ位置に形成される必要はなく、移動経路形成部材51の長さ方向に距離を隔てて形成されていてもよい。
<第3実施形態>
図22は本発明の第3実施形態に係るロボットのケーブル配線構造の主要部を示すもので、(A)は移動経路形成部材の一端部を拡大した図、(B)は移動経路形成部材の他端部を拡大した図である。
図示したロボットのケーブル配線構造では、移動経路形成部材51の一端部に第1定滑車71を設けるとともに、移動経路形成部材51の他端部に第2定滑車72を設けた構成を採用している。定滑車とは、滑車を回転自在に支持する回転軸の位置が動かないように固定された滑車である。
第1定滑車71は、回転軸73に回転自在に支持され、第2定滑車72は、回転軸74に回転自在に支持されている。第1ケーブル53は、移動経路形成部材51の一端部で第1定滑車71に巻かれて折り返され、そこに折り返し部P1が形成されている。第2ケーブル54は、移動経路形成部材51の他端部で第2定滑車72に巻かれて折り返され、そこに折り返し部P3が形成されている。
このように第3実施形態のケーブル配線構造では、移動経路形成部材51の一端部に第1定滑車71を用いて折り返し部P1を形成するとともに、移動経路形成部材51の他端部に第2定滑車72を用いて折り返し部P3を形成している。このため、移動経路形成部材51の移動経路に沿って移動体52を移動させると、第1定滑車71は第1ケーブル53の移動に従って回転し、第2定滑車72は第2ケーブル54の移動に従って回転する。このため、移動体52を移動したときの動作が円滑になる。
また、上記第1実施形態のように移動経路形成部材51の一端部と他端部でそれぞれケーブル53,54を単に折り返した構造にすると、移動経路形成部材51の一端部と他端部でそれぞれケーブル53,54が移動経路形成部材51に擦れながら移動する。これに対し、本第3実施形態のように定滑車71,72を用いてケーブル53,54の折り返し部P1,P3を形成した場合は、移動経路形成部材51の一端部と他端部でそれぞれケーブル53,54が移動経路形成部材51に擦れることがない。このため、ケーブル53,54のダメージを軽減することができる。
<実施形態の効果>
以上説明した上記実施形態のロボットによれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)移動体52から一方と他方に配線される第1ケーブル53および第2ケーブル54のうち、第1ケーブル53を移動経路形成部材51の一端部と中間部で折り返して移動経路形成部材51の一端部へと配線する一方、第2ケーブル54を移動経路形成部材51の他端部と中間部で折り返して移動経路形成部材51の他端部へと配線している。そして、移動経路形成部材51の中間部に存在する第1ケーブル53と第2ケーブル54の各折り返し部P2,P4を、移動体52の移動に伴う第1ケーブル53と第2ケーブル54の移動により、移動体52の移動方向と反対方向に移動可能としている。これにより、移動経路形成部材51が形成する移動経路に沿って移動体52を移動させる場合に、各々のケーブル53,54の配線長を一定に維持しながら、移動体52の動きに各々のケーブル53,54を追従させることができる。したがって、移動体52につながるケーブル53,54の垂れ下がりを抑制することができる。
(b)第1ケーブル53と第2ケーブル54を、移動経路形成部材51の中間部で互いに交差するように折り返している。これにより、移動体52の移動に連動させて第1ケーブル53と第2ケーブル54の折り返し部P2,P4を移動体52と反対方向に移動させることができる。
(c)移動経路形成部材51の中間部にスライダ65を設けるとともに、スライダ65に一対の滑車66,67を取り付けている。そして、一方の滑車66に第1ケーブル53を巻いて折り返すとともに、他方の滑車67に第2ケーブル54を巻いて折り返している。これにより、移動経路形成部材51の移動経路に沿って移動体52を移動させた場合に、スライダ65が移動体52と反対方向に移動する。また、滑車66は第1ケーブル53の移動に従って回転し、滑車67は第2ケーブル54の移動に従って回転する。このため、移動体52を移動したときの動作を円滑することができる。また、第1ケーブル53は滑車66に巻かれて折り返し部P2を形成し、第2ケーブル54は滑車67に巻かれて折り返し部P4を形成する。このため、ケーブル53,54どうしが擦れることがない。よって、ケーブル53,54のダメージを軽減することができる。
(d)移動経路形成部材51の中間部にスライダ65を設けるとともに、スライダ65に滑車69を取り付けている。そして、滑車69の外周部に2つの周溝69a,69bを形成し、一方の周溝69aに第1ケーブル53を巻いて折り返す一方、他方の周溝69bに第2ケーブル54を巻いて折り返している。これにより、第1ケーブル53の折り返し部P2と第2ケーブル54の折り返し部P4を別々の周溝69a,69bによって形成することができる。このため、ケーブル53,54どうしが擦れることがない。よって、ケーブル53,54のダメージを軽減することができる。
(e)第1ケーブル53と第2ケーブル54の各々を、移動経路形成部材51の長さの1.5倍相当の配線長で移動経路形成部材51に配線している。これにより、移動体52の移動に第1ケーブル53と第2ケーブル54を追従させながら、移動経路形成部材51の一端部から他端部まで移動体52を移動させることができる。このため、移動経路形成部材51の長さ方向で移動体52の移動可能範囲を長く確保することが可能となる。
(f)移動経路形成部材51の一端部に第1定滑車71を設け、これに第1ケーブル53を巻いて折り返す一方、移動経路形成部材51の他端部に第2定滑車72を設け、これに第2ケーブル54を巻いて折り返している。これにより、第1ケーブル53の移動に従って第1定滑車71が回転するとともに、第2ケーブル54の移動に従って第2定滑車72が回転する。このため、移動体52を移動したときの動作を円滑にすることができる。また、移動経路形成部材51の一端部で第1ケーブル53が移動経路形成部材51に擦れたり、移動経路形成部材51の他端部で第2ケーブル54が移動経路形成部材51に擦れたりすることがない。このため、ケーブル53,54のダメージを軽減することができる。
以上述べた効果は、上記自走式電線点検ロボット100に適用した場合にも同様に得られる。また、自走式電線点検ロボット100に適用した場合は、鉄塔の乗り越え動作に干渉しない好適なケーブル配線構造を実現することができる。
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施形態においては、移動経路形成部材51を円弧型としたが、移動経路形成部材51の形状は、たとえば直線形状や波形など、他の形状であってもよい。
また、上記実施形態においては、第1ケーブル53と第2ケーブル54を互いの同一の配線長で移動経路形成部材51に配線するとしたが、これに限らず、異なる配線長で配線することも可能である。
また、上記第2実施形態においては、ケーブル53,54のダメージを軽減するために滑車(66,67,69)を用いて折り返し部P2,P4を形成したが、これに限らず、たとえば、断面円形のピンを垂直に立ててスライダ65に設け、第1ケーブル53と第2ケーブル54をそれぞれピンに巻いて折り返すようにしてもよい。この場合は、滑車(66,67,69)を用いる場合よりも安価にケーブル53,54のダメージを軽減することができる。ただし、滑車(66,67,69)を用いて折り返し部P2,P4を形成したほうが、ケーブル53,54のダメージ軽減効果は大きい。
また、上記第3実施形態においては、移動経路形成部材51の一端部と他端部でそれぞれ定滑車71,72を用いて折り返し部P1,P3を形成したが、たとえば、移動経路形成部材51の一端部と他端部に、それぞれケーブル53,54の折り返し形状に沿う丸みを形成してもよい。この場合は、定滑車71,72を用いる場合よりも安価にケーブル53,54のダメージを軽減することができる。ただし、定滑車71,72を用いて折り返し部P1,P3を形成したほうが、ケーブル53,54のダメージ軽減効果は大きい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
移動経路を形成する移動経路形成部材と、
前記移動経路に沿って往復移動する移動体と、
前記移動体から一方と他方に配線される第1ケーブルおよび第2ケーブルと、を備え、
前記第1ケーブルは、前記移動経路形成部材の一端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の一端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の一端部に至るまでの配線長が固定され、
前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の他端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の他端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の他端部に至るまでの配線長が固定され、
前記移動経路形成部材の中間部に存在する前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの各折り返し部分は、前記移動体の移動に伴う前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの移動により、前記移動体の移動方向と反対方向に移動するように構成されている、ロボット。
(付記2)
前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の中間部で互いに交差するように折り返されている、
付記1に記載のロボット。
(付記3)
前記移動経路形成部材の中間部に、前記移動経路に沿って移動自在に設けられたスライダと、
前記スライダに回転自在に取り付けられた一対の滑車と、を備え、
前記一対の滑車のうち一方の滑車に前記第1ケーブルが巻かれて折り返されるとともに、他方の滑車に前記第2ケーブルが巻かれて折り返されている、
付記1に記載のロボット。
(付記4)
前記一対の滑車は、互いに同軸上に配置されている、
付記3に記載のロボット。
(付記5)
前記移動経路形成部材の中間部に、前記移動経路に沿って移動自在に設けられたスライダと、
前記スライダに回転自在に取り付けられるとともに、外周部に2つの周溝が形成された滑車と、を備え、
前記2つの周溝のち一方の周溝に前記第1ケーブルが巻かれて折り返されるとともに、他方の周溝に前記第2ケーブルが巻かれて折り返されている、
付記1に記載のロボット。
(付記6)
前記第1ケーブルと前記第2ケーブルの各々は、前記移動経路形成部材の長さの1.5倍相当の配線長で前記移動経路形成部材に配線されている、
付記1〜5のいずれか1つに記載のロボット。
(付記7)
前記第1ケーブルと前記第2ケーブルは、互いに同一の配線長で前記移動経路形成部材に配線されている、
付記1〜6のいずれか1つに記載のロボット。
(付記8)
前記移動経路形成部材の一端部に設けられた第1定滑車と、
前記移動経路形成部材の他端部に設けられた第2定滑車と、をさらに備え、
前記第1ケーブルは、前記移動経路形成部材の一端部で前記第1定滑車に巻かれて折り返され、
前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の他端部で前記第2定滑車に巻かれて折り返されている、
付記1〜7のいずれか1つに記載のロボット。
(付記9)
前記移動経路形成部材は、中空部を有し、
前記移動体は、前記移動経路形成部材の外側に配置され、
前記第1ケーブルは、前記移動体から前記移動経路形成部材の外面に沿って前記移動経路形成部材の一端部へと配線されるとともに、前記移動経路形成部材の一端部で折り返されて前記中空部内に配線され、かつ、前記中空部内の前記移動経路形成部材の中間部で折り返されて前記移動経路形成部材の一端部へと配線され、
前記第2ケーブルは、前記移動体から前記移動経路形成部材の外面に沿って前記移動経路形成部材の他端部へと配線されるとともに、前記移動経路形成部材の他端部で折り返されて前記中空部内に配線され、かつ、前記中空部内の前記移動経路形成部材の中間部で折り返されて前記移動経路形成部材の他端部へと配線されている、
付記1〜8のいずれか1つに記載のロボット。
(付記10)
前記移動経路形成部材が円弧型である、
付記1〜9のいずれか1つに記載のロボット。
1…走行部
2…本体部
3…アーム
4…フック機構
5…重心制御機構
6…コマ
8…車輪
9…フレーム
12…モータ
14…昇降回転駆動部
15…支持機構
16…傾き制御機構部
17…シャフト
18…ガイドレール
18a…ラック
19…揺動部
20…シャフト連結部
21…アーム支持部
22…バランスウェイト
23…連結棒
24…錘部
25a,25b…モータ
26…モータ
28…ラック
31…ブラケット
31a…立ち上がり部
31b…水平部
32…フック
33…モータ
34…把持爪
35(35a,35b)…バランスウェイト
36(36a,36b)…連結棒
37(37a,37b)…錘部
38(38a,38b)…駆動部
51…移動経路形成部材
52…移動体
53…第1ケーブル
54…第2ケーブル
61…中空部
65…スライダ
66,67,69…滑車
68,70,73,74…回転軸
71,72…定滑車
100…自走式電線点検装置
120…鉄塔
121…レール
140…架空地線
P1,P2,P3,P4…折り返し部

Claims (6)

  1. 移動経路を形成する移動経路形成部材と、
    前記移動経路に沿って往復移動する移動体と、
    前記移動体から一方と他方に配線される第1ケーブルおよび第2ケーブルと、を備え、
    前記第1ケーブルは、前記移動経路形成部材の一端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の一端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の一端部に至るまでの配線長が固定され、
    前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の他端部と中間部でそれぞれ折り返されて、前記移動経路形成部材の他端部へと配線されるとともに、前記移動体から折り返し部分を経由して前記移動経路形成部材の他端部に至るまでの配線長が固定され、
    前記移動経路形成部材の中間部に存在する前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの各折り返し部分は、前記移動体の移動に伴う前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルの移動により、前記移動体の移動方向と反対方向に移動するように構成されている、ロボット。
  2. 前記第1ケーブルおよび前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の中間部で互いに交差するように折り返されている、
    請求項1に記載のロボット。
  3. 前記移動経路形成部材の中間部に、前記移動経路に沿って移動自在に設けられたスライダと、
    前記スライダに回転自在に取り付けられた一対の滑車と、を備え、
    前記一対の滑車のうち一方の滑車に前記第1ケーブルが巻かれて折り返されるとともに、他方の滑車に前記第2ケーブルが巻かれて折り返されている、
    請求項1に記載のロボット。
  4. 前記移動経路形成部材の中間部に、前記移動経路に沿って移動自在に設けられたスライダと、
    前記スライダに回転自在に取り付けられるとともに、外周部に2つの周溝が形成された滑車と、を備え、
    前記2つの周溝のち一方の周溝に前記第1ケーブルが巻かれて折り返されるとともに、他方の周溝に前記第2ケーブルが巻かれて折り返されている、
    請求項1に記載のロボット。
  5. 前記第1ケーブルと前記第2ケーブルの各々は、前記移動経路形成部材の長さの1.5倍相当の配線長で前記移動経路形成部材に配線されている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のロボット。
  6. 前記移動経路形成部材の一端部に設けられた第1定滑車と、
    前記移動経路形成部材の他端部に設けられた第2定滑車と、をさらに備え、
    前記第1ケーブルは、前記移動経路形成部材の一端部で前記第1定滑車に巻かれて折り返され、
    前記第2ケーブルは、前記移動経路形成部材の他端部で前記第2定滑車に巻かれて折り返されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のロボット。
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