JP2019040670A - 蓄電装置及び蓄電装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1接合部及び第2接合部に発生する応力を低減できる蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を提供する。【解決手段】二次電池は、電極組立体と、電極組立体を収容したケースと、ケースに固定された負極端子と、電極組立体と負極端子との通電経路の一部を構成する板状の負極導電部材40と、通電経路の一部を構成し、ケースの内圧が設定圧力に達すると通電経路を遮断する電流遮断部とを備える。電流遮断部は、負極端子に接合された接点板と、負極導電部材40が固定され、負極導電部材40とともに負極端子を支持する支持部材54とを有する。負極導電部材40は、第1接合部43によって電極組立体が有する負極タブ群18aに接合された第1導電部材41と、第2接合部44によって接点板81に接合された第2導電部材42と、第1導電部材41の一部と第2導電部材42の一部とが重なる接続部45とを備える。接続部45は、支持部材54に固定されている。【選択図】図5
Description
本発明は、電流遮断部を備える蓄電装置及び蓄電装置の製造方法に関する。
従来から、電装品で使用される電力を蓄えるための蓄電装置として、リチウムイオン二次電池などの二次電池が、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両に搭載されている。二次電池は、ケースと、ケースに収容された電極組立体と、ケースの外部に突出する極性の異なる一対の電極端子と、を有する。電極組立体としては、シート状の正極電極と、シート状の負極電極とが間にセパレータを介在させた状態で積層されているものがある。
また、二次電池は、ケースの内圧の上昇に対応して電流を遮断する電流遮断部を備えたものがある。電流遮断部は、電極端子と電極組立体とを電気的に接続している通電経路上に設けられる。例えば、特許文献1に開示の電流遮断部は、電極端子に電気的に接続され、電流遮断部が作動していないとき、電極組立体側に凸をなす椀状の反転板と、電極組立体に接合された板状の導電部材とを備える。反転板と導電部材とは、導電部材の一部が反転板の中央に接合されることで接続されている。また、導電部材における電極組立体に近い面は、ケースの内部空間に露出し、ケースの内圧を受ける面であり、反転板との接合部分を囲む環状の溝を備える。このような電流遮断部では、ケースの内圧が所定の設定圧力に達すると、導電部材が溝を境に破断し、反転板は導電部材の接合部分とともに電極端子側に凸となって反転する。その結果、導電部材と反転板との通電が遮断され、電極組立体と電極端子との通電経路が遮断される。
ところで、電流遮断部を備えた二次電池の製造において、電極組立体と導電部材とを接合した後に接点板と導電部材とを接合する場合、接点板と導電部材とを接合する際に発生する導電部材の変位により、電極組立体と導電部材とを接合した第1接合部に応力が発生する。逆に、接点板と導電部材とを接合した後に電極組立体と導電部材とを接合する場合、電極組立体と導電部材とを接合する際に発生する導電部材の変位により、接点板と導電部材とを接合した第2接合部に応力が発生する。このような応力は、例えば、接合部の接合強度を低下させる虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、第1接合部及び第2接合部に発生する応力を低減できる蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するための蓄電装置は、異なる極性の電極が互いに絶縁された状態で積層され、かつ前記電極の一辺から突出した形状のタブが同じ極性同士で積層されたタブ群を有する電極組立体と、前記電極組立体を収容したケースと、前記ケースに固定された一対の電極端子と、前記電極組立体と一方の前記電極端子との通電経路の一部を構成する板状の導電部材と、前記通電経路の一部を構成し、前記ケースの内圧が設定圧力に達すると前記通電経路を遮断する電流遮断部と、を備え、前記電流遮断部は、前記一方の電極端子に接合された接点板と、前記導電部材が固定され、前記導電部材とともに前記一方の電極端子を支持する支持部材とを有する蓄電装置であって、前記導電部材は、第1接合部によって前記タブ群に接合された第1導電部材と、第2接合部によって前記接点板の底面に接合された第2導電部材と、前記第1導電部材の一部と前記第2導電部材の一部とが重なる接続部とを備え、前記接続部は、前記支持部材に固定されていることを要旨とする。
これによれば、タブ群と第1導電部材とが接合され、接点板と第2導電部材とが接合された後、接続部により第1導電部材と第2導電部材とを接続できる。第1接合部と接続部との距離、及び第2接合部と接続部との距離はそれぞれ、1枚の導電部材の一端にタブ群を接合し、他端に接点板を接合する場合の接合部同士の距離よりも短くなる。よって、第1導電部材と第2導電部材とを接続する際に第1接合部及び第2接合部に発生する応力を低減できる。また、支持部材に導電部材を固定する際に、接続部を形成し、支持部材に固定することで、接続部を固定するための別工程を必要としない。よって、蓄電装置の製造効率の低下を抑制できる。
また、上記蓄電装置について、前記接続部は、前記第1導電部材の貫通孔及び前記第2導電部材の貫通孔に挿通された前記支持部材のボスが熱かしめされることによって前記支持部材に固定されているのが好ましい。
例えば、スナップフィットによって接続部を固定する場合、第1導電部材及び第2導電部材の貫通孔、及び支持部材において貫通孔に挿通される部分に高い寸法精度が求められるが、熱かしめによって接続部を固定するため、第1導電部材の貫通孔及び第2導電部材の貫通孔に支持部材のボスが挿通されればよく、高い寸法精度を必要としない。よって、第1導電部材、第2導電部材、及び支持部材を容易に製造できる。
また、上記蓄電装置について、前記第1導電部材の一部と前記第2導電部材の一部とは、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の厚さ方向に重なり、前記第2導電部材は、前記第1導電部材よりも上側に配置されるのが好ましい。
これによれば、第1導電部材が接点板に干渉しないため、接点板の寸法の自由度が上がる。
上記問題点を解決するための蓄電装置の製造方法は、異なる極性の電極が互いに絶縁された状態で積層され、かつ前記電極の一辺から突出した形状のタブが同じ極性同士で積層されたタブ群を有する電極組立体と、前記電極組立体を収容したケースと、前記ケースに固定された一対の電極端子と、前記電極組立体と一方の前記電極端子との通電経路の一部を構成する板状の導電部材と、前記通電経路の一部を構成し、前記ケースの内圧が設定圧力に達すると前記通電経路を遮断する電流遮断部と、を備え、前記電流遮断部は、前記一方の電極端子に接合された接点板と、前記導電部材が固定され、前記導電部材とともに前記一方の電極端子を支持する支持部材とを有する蓄電装置の製造方法であって、前記導電部材は、第1導電部材と、前記第1導電部材と別体の第2導電部材とから構成され、前記タブ群に前記第1導電部材を接合して第1接合部を形成し、前記接点板の底面に前記第2導電部材を接合して第2接合部を形成する接合工程と、前記接合工程の後、前記第1導電部材の一部と前記第2導電部材の一部とを重ねて前記支持部材に固定し接続部を形成する接続工程と、を含むことを要旨とする。
上記問題点を解決するための蓄電装置の製造方法は、異なる極性の電極が互いに絶縁された状態で積層され、かつ前記電極の一辺から突出した形状のタブが同じ極性同士で積層されたタブ群を有する電極組立体と、前記電極組立体を収容したケースと、前記ケースに固定された一対の電極端子と、前記電極組立体と一方の前記電極端子との通電経路の一部を構成する板状の導電部材と、前記通電経路の一部を構成し、前記ケースの内圧が設定圧力に達すると前記通電経路を遮断する電流遮断部と、を備え、前記電流遮断部は、前記一方の電極端子に接合された接点板と、前記導電部材が固定され、前記導電部材とともに前記一方の電極端子を支持する支持部材とを有する蓄電装置の製造方法であって、前記導電部材は、第1導電部材と、前記第1導電部材と別体の第2導電部材とから構成され、前記タブ群に前記第1導電部材を接合して第1接合部を形成し、前記接点板の底面に前記第2導電部材を接合して第2接合部を形成する接合工程と、前記接合工程の後、前記第1導電部材の一部と前記第2導電部材の一部とを重ねて前記支持部材に固定し接続部を形成する接続工程と、を含むことを要旨とする。
これによれば、タブ群と第1導電部材とを接合し、接点板と第2導電部材とを接合した後、第1導電部材と第2導電部材とを接続する。このため、第1接合部と接続部との距離、及び第2接合部と接続部との距離はそれぞれ、1枚の導電部材の一端にタブ群を接合し、他端に接点板を接合する場合の接合部同士の距離よりも短くなる。よって、第1導電部材と第2導電部材とを接続する際に第1接合部及び第2接合部に発生する応力を低減できる。また、支持部材に導電部材を固定する際に、接続部を形成し、支持部材に固定できるため、接続部を固定するための別工程を必要としない。よって、蓄電装置の製造効率の低下を抑制できる。
本発明によれば、第1接合部及び第2接合部に発生する応力を低減できる。
以下、蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を、二次電池及び二次電池の製造方法に具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、角型のリチウムイオン二次電池である。二次電池10は、扁平な四角箱状のケース11を備える。ケース11は、開口部12aを有する四角箱状のケース本体12と、ケース本体12の開口部12aを塞いでいる矩形平板状の蓋13と、を有する。ケース本体12及び蓋13は、金属(例えばアルミニウム)製である。ケース本体12と蓋13とは、溶接されている。蓋13は、厚さ方向に貫通している2つの貫通孔13bを有する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、角型のリチウムイオン二次電池である。二次電池10は、扁平な四角箱状のケース11を備える。ケース11は、開口部12aを有する四角箱状のケース本体12と、ケース本体12の開口部12aを塞いでいる矩形平板状の蓋13と、を有する。ケース本体12及び蓋13は、金属(例えばアルミニウム)製である。ケース本体12と蓋13とは、溶接されている。蓋13は、厚さ方向に貫通している2つの貫通孔13bを有する。
二次電池10は、ケース11に収容された直方体状の電極組立体14と電解液(図示せず)とを備える。電極組立体14は、シート状の正極電極とシート状の負極電極とを間に樹脂製のセパレータを介在させた状態で交互に積層した層状構造を有する。
正極電極は、長方形状の正極金属箔(例えばアルミニウム箔)と、正極金属箔の両面に存在する正極活物質層とを有する。正極電極は、正極電極の一辺から突出しているタブとしての正極タブ17を有する。負極電極は、長方形状の負極金属箔(例えば銅箔)と、負極金属箔の両面に存在する負極活物質層とを有する。負極電極は、負極電極の一辺から突出しているタブとしての負極タブ18を有する。
電極組立体14は、各正極電極の正極タブ17が積層されたタブ群としての正極タブ群17aと、各負極電極の負極タブ18が積層されたタブ群としての負極タブ群18aとを有する。正極タブ群17a及び負極タブ群18aは、電極組立体14において蓋13に対向している端面14aに存在する。
二次電池10は、電極端子としての負極端子16と、負極端子16とは極性の異なる電極端子としての正極端子15とを有する。正極端子15及び負極端子16は、蓋13の貫通孔13bを貫通した状態で、ケース11の蓋13に固定されている。正極端子15及び負極端子16は、一部がケース11の内部に突出し、一部がケース11の外部に突出している。
二次電池10は、絶縁性の第1シール部材20を備える。第1シール部材20は、負極端子16が貫通した貫通孔13bに嵌合された筒部20aを備えるとともに、蓋13の内面に沿って配設された本体部20bを備える。また、二次電池10は、絶縁性の第2シール部材21を備える。第2シール部材21は、正極端子15が貫通した貫通孔13bに嵌合された筒部21aを備えるとともに、蓋13の内面に沿って配設された本体部21bを備える。
負極端子16は、外部ナット22と、内部ナット23と、ボルト24を備える。外部ナット22は、負極端子16とバスバー(図示せず)との接続に用いられる。内部ナット23は、第1シール部材20に取り付けられている。内部ナット23の一部は、貫通孔13bを通過している。ボルト24は、内部ナット23に締結されている。ボルト24と蓋13の間には、第3シール部材25が介在している。負極端子16は、第1シール部材20及び第3シール部材25によって蓋13から絶縁されている。
図1及び図2に示すように、内部ナット23は、負極導電部材40及び後述の電流遮断部80を介して負極タブ群18aと電気的に接続されている。負極導電部材40は、第1導電部材41と、第1導電部材41とは別体の第2導電部材42とから構成される。第1導電部材41は、細長板状である。第1導電部材41の長手方向は、蓋13の長手方向に延びる。第1導電部材41の一部は、負極タブ群18aに接合されている。第1導電部材41と負極タブ群18aとが接合された部分を第1接合部43とする。第1導電部材41は、長手方向において負極端子16側の部分を厚さ方向に貫通する貫通孔41aを有する。第2導電部材42は、細長板状である。第2導電部材42の長手方向は、蓋13の長手方向に延びる。第2導電部材42の一部は、電流遮断部80に接合されている。第2導電部材42と電流遮断部80との接合部を第2接合部44とする。第2導電部材42は、長手方向において負極端子16側の部分を厚さ方向に貫通する4つの貫通孔42d(図2では2つを図示)を有する。
第1導電部材41において第1接合部43から第2導電部材42に向けて延びる部分と、第2導電部材42において第2接合部44から第1導電部材41に向けて延びる部分とは、第1導電部材41及び第2導電部材42の厚さ方向に互いに重なり合っている。よって、負極端子16の軸方向から見たとき、第1導電部材41の一部と第2導電部材42の一部とは重なり合っている。第1導電部材41と第2導電部材42とが互いに重なり合った部分を接続部45とする。接続部45は、後述の支持部材54に固定されている。接続部45によって接続された第1導電部材41及び第2導電部材42は、電極組立体14と負極端子16の通電経路の一部を構成する。
正極端子15は、外部ナット32と、内部ナット33と、ボルト34を備える。外部ナット32は、正極端子15とバスバー(図示せず)との接続に用いられる。内部ナット33は、第2シール部材21に取り付けられている。内部ナット33の一部は、貫通孔13bを通過している。ボルト34は、内部ナット33に締結されている。ボルト34と蓋13の間には、第4シール部材35が介在している。正極端子15は、第2シール部材21及び第4シール部材35によって蓋13から絶縁されている。正極端子15の内部ナット33は、板状の正極導電部材50を介して、電極組立体14の正極タブ群17aと電気的に接続されている。正極導電部材50は、長手方向の一端が内部ナット33に接合され、長手方向の他端が正極タブ群17aに接合されている。したがって、正極導電部材50は、電極組立体14と正極端子15の通電経路を構成する。
次に、電流遮断部80について説明する。
電流遮断部80は、ケース11の内部に配置されており、ケース11の内圧が所定の設定圧力に達すると、電極組立体14と負極端子16との通電経路の電流を遮断する。ケース11の内圧は、二次電池10の過充電・過放電時など、電極組立体14や電解液で発生したガスによって上昇することがある。設定圧力は、ケース11の内圧の上昇によって、ケース11自体やケース本体12と蓋13の接合部に亀裂や破断などが生じる圧力よりも若干低い圧力に設定されている。電流遮断部80は、負極端子16の内部ナット23と第2導電部材42との通電経路上に位置する。上述したように、負極タブ群18aは、第1導電部材41を介して第2導電部材42に電気的に接続されるとともに、第2導電部材42は、電流遮断部80を介して負極端子16の内部ナット23に電気的に接続される。これにより、電極組立体14と負極端子16との間の通電経路が構成されている。
電流遮断部80は、ケース11の内部に配置されており、ケース11の内圧が所定の設定圧力に達すると、電極組立体14と負極端子16との通電経路の電流を遮断する。ケース11の内圧は、二次電池10の過充電・過放電時など、電極組立体14や電解液で発生したガスによって上昇することがある。設定圧力は、ケース11の内圧の上昇によって、ケース11自体やケース本体12と蓋13の接合部に亀裂や破断などが生じる圧力よりも若干低い圧力に設定されている。電流遮断部80は、負極端子16の内部ナット23と第2導電部材42との通電経路上に位置する。上述したように、負極タブ群18aは、第1導電部材41を介して第2導電部材42に電気的に接続されるとともに、第2導電部材42は、電流遮断部80を介して負極端子16の内部ナット23に電気的に接続される。これにより、電極組立体14と負極端子16との間の通電経路が構成されている。
電流遮断部80は、ケース11の内部に発生したガスによって作動すると、負極端子16の内部ナット23と第2導電部材42との電気的な接続を遮断する。つまり、電流遮断部80は、作動していないときには上記通電経路の一部を構成し、ケース11の内部に発生したガスの圧力を受けて作動したときに上記通電経路を遮断する。
図2に示すように、電流遮断部80は、接点板81を備える。接点板81は、第2導電部材42及び負極端子16の内部ナット23に接合され、電極組立体14と負極端子16との通電経路の一部を構成する。接点板81は、導電性の材料製である。電流遮断部80が作動していないとき、接点板81は、電極組立体14に向けて凸となる碗状である。そして、接点板81は、内部ナット23の雌ねじ孔23aを電極組立体14側から覆っている。接点板81の周縁部と、内部ナット23とは接合されている。接点板81の電極組立体14に向けて凸となった部分と第2導電部材42とは、溶接されて接合されている。上述の第2接合部44は、接点板81と第2導電部材42とが溶接されて接合された部分である。
第2導電部材42において、蓋13寄りの面であり、接点板81が接合された面を第1面42aとし、この第1面42aと平行な面であり、電極組立体14寄りの面を第2面42bとする。第2導電部材42は、第2面42bから蓋13に向けてすり鉢状に凹む凹部42cを備える。上述の第2接合部44は、凹部42cの底に位置する。第2導電部材42は、凹部42cの底となる部位に破断溝84を有する。破断溝84は第2接合部44を取り囲む環状である。
負極端子16の内部ナット23と第2導電部材42とは、接点板81を介して電気的に接続されている。接点板81は碗状であることから、接点板81が内部ナット23から凸となった分だけ、接点板81の周囲では内部ナット23と第2導電部材42との間に隙間がある。そして、電流遮断部80は、内部ナット23と第2導電部材42との隙間に配置された絶縁リング82を有する。絶縁リング82は、接点板81の外周部の下側に配置され、内部ナット23と第2導電部材42とを所定の間隔に保持する。また、絶縁リング82の外周側には、シールリング83が配置されている。
電流遮断部80は、筒状の支持部材54を備える。支持部材54は、熱可塑性樹脂(例えば、PPS等)製である。支持部材54の内側には、内部ナット23、接点板81、絶縁リング82、シールリング83が収容されている。支持部材54は、ボスとしてのカシメ用ボス54aを備え、カシメ用ボス54aは電極組立体14に向けて突出している。カシメ用ボス54aは、支持部材54における電極組立体14に対峙した面の四隅に存在する。4つのカシメ用ボス54aのうち1つのカシメ用ボス54aは、第1導電部材41の貫通孔41a及び第2導電部材42の貫通孔42dに挿通され、残り3つのカシメ用ボス54aは、第2導電部材42の貫通孔42dに挿通されている。第1導電部材41及び第2導電部材42は、カシメ用ボス54aが熱かしめされることによって支持部材54に固定されている。支持部材54において、蓋13に対峙した面は蓋13の内面に当接している。支持部材54は、蓋13寄りの内周縁に、内部ナット23に向けて突出する突出片54eを備える。突出片54eは、内部ナット23と当接している。内部ナット23、接点板81、絶縁リング82、シールリング83は、突出片54eと支持部材54に固定された第2導電部材42とで挟まれて支持されている。
上記構成の電流遮断部80を備えた二次電池10では、過充電・過放電時、電極組立体14でガスが発生するとケース11の内圧が上昇する。内圧が設定圧力に達すると、第2導電部材42における第2接合部44が破断されるとともに、接点板81が蓋13に向けて変形する。これにより、接点板81と第2導電部材42とが離間した状態になるため、第2導電部材42と負極端子16との電気的接続が物理的に遮断され、電極組立体14と負極端子16の間を流れる電流が遮断される。
次に、二次電池10の製造方法について説明する。
二次電池10の製造方法は、電極組立体14を製造する工程と、正極側の通電経路を形成する工程と、負極側の通電経路を形成する工程と、正極端子15及び負極端子16を蓋13に固定する工程と、蓋13をケース本体12に固定する工程とを備える。
二次電池10の製造方法は、電極組立体14を製造する工程と、正極側の通電経路を形成する工程と、負極側の通電経路を形成する工程と、正極端子15及び負極端子16を蓋13に固定する工程と、蓋13をケース本体12に固定する工程とを備える。
まず、電極組立体14の製造する工程では、シート状の正極電極とシート状の負極電極とを間にセパレータを介在させた状態で交互に積層して、電極組立体14を製造するとともに、正極タブ17を積層した正極タブ群17a、及び負極タブ18を積層した負極タブ群18aを製造する。正極側の通電経路を形成する工程では、正極タブ群17aと正極導電部材50とを超音波溶接して接合する。
負極側の通電経路を形成する工程は、第1接合工程として、負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合し、第1接合部43を形成する工程と、第2接合工程として、電流遮断部80と第2導電部材42とを接合し、第2接合部44を形成する接合工程とを備える。また、負極側の通電経路を形成する工程は、第1導電部材41の一部と第2導電部材42の一部とを重ねて接続部45を形成し、接続部45を支持部材54に固定する接続工程とを備える。
図3に示すように、第1接合工程では、負極タブ群18aと第1導電部材41とを超音波溶接して第1接合部43を形成する。負極タブ群18aに第1導電部材41を重ね合わせ、超音波溶接用の一対のホーン71で負極タブ群18a及び第1導電部材41を挟み込む。そして、一対のホーン71によって、負極タブ群18a及び第1導電部材41に超音波振動を付与し、負極タブ群18aと第1導電部材41とを溶接する。
図4に示すように、第2接合工程では、内部ナット23に接点板81の外周部をレーザ溶接して接合する。次に、接合された内部ナット23及び接点板81を支持部材54の内側に収容し、絶縁リング82及びシールリング83を支持部材54の内側に収容する。その後、内部ナット23の雌ねじ孔23aに挿入されたレーザ溶接器72により、第2導電部材42の第1面42a側からレーザを照射し、第1導電部材41と接点板81とを接合して第2接合部44を形成する。
接続工程では、まず、支持部材54の4つのカシメ用ボス54aのうち1つのカシメ用ボス54aを第1導電部材41の貫通孔41a及び第2導電部材42の貫通孔42dに貫通させる。これにより、第1導電部材41の一部と第2導電部材42の一部とが、第1導電部材41及び第2導電部材42の厚さ方向に重なる接続部45が形成される。本実施形態では、先に第2導電部材42の貫通孔42dにカシメ用ボス54aを挿通させ、その後で第1導電部材41の貫通孔41aに挿通させる。つまり、第1導電部材41と第2導電部材42とが重なる方向(厚さ方向)において、第2導電部材42は、第1導電部材41よりも上側に配置される。また、残り3つのカシメ用ボス54aを第2導電部材42の残り3つの貫通孔42dに挿通させる。
次に、図5に示すように、ヒータチップ(図示せず)によってカシメ用ボス54aに熱を加え、カシメ用ボス54aを熱変形させる。これにより、接続部45が支持部材54に固定され、電流遮断部80が完成する。
正極端子15及び負極端子16を蓋13に固定する工程では、各内部ナット23,33に対し、貫通孔13bを貫通させたボルト24,34を締結し、正極端子15及び負極端子16を蓋13に固定する。このとき、第1〜第4シール部材20,21,25,35で正極端子15及び負極端子16と蓋13とを絶縁する。最後に、蓋13をケース本体12に固定してケース11とし、二次電池10が完成する。
次に、本実施形態の効果を作用とともに記載する。
(1)接続部45を形成し、接続部45を支持部材54に固定する接続工程は、負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合し、第1接合部43を形成する第1接合工程、及び接点板81と第2導電部材42とを接合し、第2接合部44を形成する第2接合工程の後に行われる。第1接合部43と接続部45との距離、及び第2接合部44と接続部45との距離は、1枚の導電部材の一端に負極タブ群を接合し、他端に接点板を接合する場合の接合部同士の距離よりも短くなる。第1接合部43と接続部45との距離、及び第2接合部44と接続部45との距離が短くなるほど、接続部45を形成する際に第1接合部43及び第2接合部44に発生する応力が低減される。よって、第1接合部43及び第2接合部44に発生する応力を低減できる。また、支持部材54と第2導電部材42とで内部ナット23等を挟み支持するため、第2導電部材42を支持部材54に固定するが、その際に接続部45を形成し、支持部材54に固定することで、接続部45を固定するための別工程を必要としない。よって、二次電池10の製造効率の低下を抑制できる。
(1)接続部45を形成し、接続部45を支持部材54に固定する接続工程は、負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合し、第1接合部43を形成する第1接合工程、及び接点板81と第2導電部材42とを接合し、第2接合部44を形成する第2接合工程の後に行われる。第1接合部43と接続部45との距離、及び第2接合部44と接続部45との距離は、1枚の導電部材の一端に負極タブ群を接合し、他端に接点板を接合する場合の接合部同士の距離よりも短くなる。第1接合部43と接続部45との距離、及び第2接合部44と接続部45との距離が短くなるほど、接続部45を形成する際に第1接合部43及び第2接合部44に発生する応力が低減される。よって、第1接合部43及び第2接合部44に発生する応力を低減できる。また、支持部材54と第2導電部材42とで内部ナット23等を挟み支持するため、第2導電部材42を支持部材54に固定するが、その際に接続部45を形成し、支持部材54に固定することで、接続部45を固定するための別工程を必要としない。よって、二次電池10の製造効率の低下を抑制できる。
(2)接続部45は、第1導電部材41の貫通孔41a及び第2導電部材42の貫通孔42dに挿通された支持部材54のカシメ用ボス54aの熱カシメによって、支持部材54に固定されている。例えば、スナップフィットによって接続部45を固定する場合、第1導電部材41及び第2導電部材42の貫通孔41a,42d、及び支持部材54において貫通孔41a,42dに挿通される部分に高い寸法精度が求められる。一方、熱カシメによって接続部45を固定する場合、第1導電部材41の貫通孔41a及び第2導電部材42の貫通孔42dに支持部材54のカシメ用ボス54aが挿通されればよく、高い寸法精度を必要としない。よって、第1導電部材41、第2導電部材42、及び支持部材54を容易に製造できる。
(3)第1導電部材41の一部と第2導電部材42の一部とは、第1導電部材41及び第2導電部材42の厚さ方向に重なり合う。厚さ方向において、第2導電部材42は、第1導電部材41よりも上側に配置される。よって、第1導電部材41が接点板81に干渉せず、接点板81の寸法の自由度が上がる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合する工程と、電流遮断部80と第2導電部材42とを接合する工程の順序は問わない。つまり、電流遮断部80と第2導電部材42とを接合する工程を第1接合工程とし、負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合する工程を第2接合工程としてもよい。また、電流遮断部80と第2導電部材42とを接合する工程と、負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合する工程とを同時に行ってもよい。
○ 負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合する工程と、電流遮断部80と第2導電部材42とを接合する工程の順序は問わない。つまり、電流遮断部80と第2導電部材42とを接合する工程を第1接合工程とし、負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合する工程を第2接合工程としてもよい。また、電流遮断部80と第2導電部材42とを接合する工程と、負極タブ群18aと第1導電部材41とを接合する工程とを同時に行ってもよい。
○ 第1導電部材41と負極タブ群18aとの接合方法は、超音波溶接に限定されず、他の接合方法(例えば、レーザ溶接)であってもよい。
○ 接点板81と内部ナット23との接合方法は、レーザ溶接に限定されず、超音波溶接以外であれば他の方法(例えば、抵抗溶接)あってもよい。
○ 接点板81と内部ナット23との接合方法は、レーザ溶接に限定されず、超音波溶接以外であれば他の方法(例えば、抵抗溶接)あってもよい。
○ 第2導電部材42と接点板81との接合方法は、レーザ溶接に限定されず、超音波溶接以外であれば他の方法(例えば、抵抗溶接)であってもよい。
○ 接続部45の固定方法は、支持部材54のカシメ用ボス54aによる熱かしめに限定されない。例えば、スナップフィット構造によって、接続部45を支持部材54に固定してもよい。つまり、支持部材54は、カシメ用ボス54aの代わりに、第1導電部材41の貫通孔41aと第2導電部材42の貫通孔42dを貫通する際に弾性変形し、貫通後に弾性復帰する突出部を備えていてもよい。
○ 接続部45の固定方法は、支持部材54のカシメ用ボス54aによる熱かしめに限定されない。例えば、スナップフィット構造によって、接続部45を支持部材54に固定してもよい。つまり、支持部材54は、カシメ用ボス54aの代わりに、第1導電部材41の貫通孔41aと第2導電部材42の貫通孔42dを貫通する際に弾性変形し、貫通後に弾性復帰する突出部を備えていてもよい。
○ 上記実施形態では、第1導電部材41と第2導電部材42とを接続する際に、第2導電部材42が第1導電部材41よりも上側となるように配置していたが、第1導電部材41が第2導電部材42よりも上側となるように配置してもよい。
○ 上記実施形態では、接続部45は、第1導電部材41と第2導電部材42とが厚さ方向に重なり合って構成されていたが、接続部45の構成はこれに限定されない。例えば、正極電極、負極電極、及びセパレータの積層方向に第1導電部材41と第2導電部材42とを並設し、第1導電部材41の短手方向の一端面の一部と第2導電部材42の短手方向の一端面の一部とを重ね合わせて接続部45を構成してもよい。また、電極組立体14の端面14aに沿い、かつ積層方向と直交する方向に第1導電部材41と第2導電部材42とを並設し、第1導電部材41の長手方向の一端面と第2導電部材42の長手方向の一端面とを重ね合わせて接続部45を構成してもよい。
○ 正極端子15に電流遮断部80を設けてもよい。
○ 正極端子15及び負極端子16は、外部ナット、内部ナット、及びボルトを一体化した構造でなく、ボルト状のもの単体で構成されていてもよい。
○ 正極端子15及び負極端子16は、外部ナット、内部ナット、及びボルトを一体化した構造でなく、ボルト状のもの単体で構成されていてもよい。
○ 電流遮断部80の具体的な構成は変更してもよい。例えば、破断溝84は環状ではなく、第2接合部44の外側に間隔を空けて設けられた凹部であってもよい。また、第2導電部材42の凹部42cを電極組立体14側から覆う変形板を追加してもよい。この場合、変形板において電極組立体14に近い面がケース11の内圧を受圧する面となる。
○ 電極組立体14の具体的な構成は変更してもよい。例えば、正極電極、負極電極、セパレータの形状を変更してもよい。例えば、正面視正方形でもよいし、セパレータは正極電極を包む袋状でもよい。さらに、電極組立体14は、帯状の正極電極と帯状の負極電極とが間にセパレータを介在させた状態で捲回された捲回型の電極組立体であってもよい。
○ 実施形態は、例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用できる。
○ 二次電池10は、車載用に限らず、住宅などに用いる定置用でもよい。
○ 二次電池10は、車載用に限らず、住宅などに用いる定置用でもよい。
10…二次電池、11…ケース、12…ケース本体、13…蓋、14…電極組立体、15…端子としての正極端子、16…端子としての負極端子、17…タブとしての正極タブ、17a…タブ群としての正極タブ群、18…タブとしての負極タブ、18a…タブ群としての負極タブ群、41…第1導電部材、42…第2導電部材、41a,42d…貫通孔、43…第1接合部、44…第2接合部、45…接続部、54…支持部材、54a…ボスとしてのカシメ用ボス、80…電流遮断部、81…接点板。
Claims (4)
- 異なる極性の電極が互いに絶縁された状態で積層され、かつ前記電極の一辺から突出した形状のタブが同じ極性同士で積層されたタブ群を有する電極組立体と、
前記電極組立体を収容したケースと、
前記ケースに固定された一対の電極端子と、
前記電極組立体と一方の前記電極端子との通電経路の一部を構成する板状の導電部材と、
前記通電経路の一部を構成し、前記ケースの内圧が設定圧力に達すると前記通電経路を遮断する電流遮断部と、
を備え、
前記電流遮断部は、前記一方の電極端子に接合された接点板と、前記導電部材が固定され、前記導電部材とともに前記一方の電極端子を支持する支持部材とを有する蓄電装置であって、
前記導電部材は、第1接合部によって前記タブ群に接合された第1導電部材と、第2接合部によって前記接点板の底面に接合された第2導電部材と、前記第1導電部材の一部と前記第2導電部材の一部とが重なる接続部とを備え、
前記接続部は、前記支持部材に固定されていることを特徴とする蓄電装置。 - 前記接続部は、前記第1導電部材の貫通孔及び前記第2導電部材の貫通孔に挿通された前記支持部材のボスが熱かしめされることによって前記支持部材に固定されている請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記第1導電部材の一部と前記第2導電部材の一部とは、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の厚さ方向に重なり、前記第2導電部材は、前記第1導電部材よりも上側に配置される請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
- 異なる極性の電極が互いに絶縁された状態で積層され、かつ前記電極の一辺から突出した形状のタブが同じ極性同士で積層されたタブ群を有する電極組立体と、
前記電極組立体を収容したケースと、
前記ケースに固定された一対の電極端子と、
前記電極組立体と一方の前記電極端子との通電経路の一部を構成する板状の導電部材と、
前記通電経路の一部を構成し、前記ケースの内圧が設定圧力に達すると前記通電経路を遮断する電流遮断部と、
を備え、
前記電流遮断部は、前記一方の電極端子に接合された接点板と、前記導電部材が固定され、前記導電部材とともに前記一方の電極端子を支持する支持部材とを有する蓄電装置の製造方法であって、
前記導電部材は、第1導電部材と、前記第1導電部材と別体の第2導電部材とから構成され、
前記タブ群に前記第1導電部材を接合して第1接合部を形成し、前記接点板の底面に前記第2導電部材を接合して第2接合部を形成する接合工程と、
前記接合工程の後、前記第1導電部材の一部と前記第2導電部材の一部とを重ねて接続部を形成し、前記接続部を前記支持部材に固定する接続工程と、
を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017159430A JP2019040670A (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | 蓄電装置及び蓄電装置の製造方法 |
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JP2017159430A Pending JP2019040670A (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | 蓄電装置及び蓄電装置の製造方法 |
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-
2017
- 2017-08-22 JP JP2017159430A patent/JP2019040670A/ja active Pending
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