JP2019039498A - 流体制御弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール部材の位置精度を確保しながら組付性の高いコンパクトな流体制御弁を提供する。【解決手段】駆動源Kにより駆動する回動軸5と、回動軸5に垂直な平面に沿って回動軸5と連動して回動する弁体6と、流体の流入口41および流出口42を有し、弁体6を収容するハウジング4と、を備え、弁体6は、回動軸5の一端に固定される固定部61と、流入口41および流出口42の何れか一方の開口を閉塞可能な閉塞部64を含む筒状部62と、固定部61と筒状部62との間に配置され、固定部61を基準として回動軸5とは反対方向に筒状部62を付勢する付勢部材63と、を有し、閉塞部64は、付勢部材63の付勢力により開口を閉塞したとき、開口の外周よりも外側に位置する外側領域64bに環状シール部材S3を有している。【選択図】図3
Description
本発明は、流体の流通を遮断可能な流体制御弁に関する。
従来、回動軸(文献では弁軸)と連動して回動するボール弁(文献ではプラグ)を、ハウジング(文献では弁本体)の流入口と流出口との間に収容した一方向の流通を制御する流体制御弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の流体制御弁は、ハウジングの流入口に、ボール弁に摺接するシール部材(文献ではシートリング)と、シール部材を保持する軸芯方向に移動可能な第一保持部材と、第一保持部材を下流側に付勢するばねと、第一保持部材およびばねを保持する第二保持部材とを配置している。この特許文献1には、シール部材や第一保持部材の配置位置を工夫することで、シール部材とボール弁との摺動による摩耗を低減する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1はボール弁で構成されており、ボール弁の内部に流路を形成する必要がある関係上、一方向の流通を制御する流体制御弁としては無駄に大型化してしまう。また、ハウジングの流入口にシール部材,第一保持部材,ばね,第二保持部材等を配置しているため、部品点数が多く組付けに手間を要するばかりか、シール部材の位置合わせが困難であり、シール部材等の摩耗を招くおそれがある。
そこで、シール部材の位置精度を確保しながら組付性の高いコンパクトな流体制御弁が望まれている。
流体制御弁の特徴構成は、駆動源により駆動する回動軸と、前記回動軸に垂直な平面に沿って前記回動軸と連動して回動する弁体と、流体の流入口および流出口を有し、前記弁体を収容するハウジングと、を備え、前記弁体は、前記回動軸の一端に固定される固定部と、前記流入口および前記流出口の何れか一方の開口を閉塞可能な閉塞部を含む筒状部と、前記固定部と前記筒状部との間に配置され、前記固定部を基準として前記回動軸とは反対方向に前記筒状部を付勢する付勢部材と、を有し、前記閉塞部は、前記付勢部材の付勢力により前記閉塞部が前記開口を閉塞したとき、前記開口の外周よりも外側に位置する外側領域に環状シール部材を有している点にある。
本構成では、回動軸の一端に固定された固定部と、流入口および流出口の何れか一方の開口を閉塞可能な閉塞部を含む筒状部とを有する弁体を備えており、該開口を開閉する回動弁としている。このため、従来のボール弁のように弁体の内部に流路を形成する必要がなく、コンパクトな流体制御弁とすることができる。
また、本構成では、弁体の筒状部の閉塞部のうち開口の外周よりも外側に位置する外側領域に環状シール部材を設け、筒状部を開口に向かって付勢する付勢部材により、開口を密封状態に閉塞可能となっている。つまり、流体制御弁を組付ける際、弁体の閉塞部の外側領域に予め環状シール部材を設置した状態で、弁体等をハウジングの内部に挿入すれば良い。その結果、環状シール部材の位置精度を損なうことがなく、組付性を高めることができる。しかも、流入口に環状シール部材を保持する複数の部材を配置する必要がないため、流入口の軸長もコンパクトにすることが可能となり、設計自由度を高めることができる。
このように、環状シール部材の位置精度を確保しながら組付性の高いコンパクトな流体制御弁を提供できた。
他の特徴構成は、前記閉塞部のうち前記環状シール部材よりも内側には、前記閉塞部が前記開口を閉塞したときに前記開口の側に突出する突出部を有しており、前記弁体が回動して前記閉塞部が前記開口を閉塞しないとき、前記突出部が前記ハウジングの内面に当接することにより前記環状シール部材が前記内面から離間している点にある。
本構成のように、弁体が回動したときに突出部がハウジングの内面に当接することによって環状シール部材とハウジングの内面との摺接を抑制することができる。よって、閉塞部に突出部を形成するといった簡便な構成により、環状シール部材の摺接摩耗を防止することができる。しかも、環状シール部材をハウジングの内面から離間させているので、環状シール部材とハウジングの内面との間に異物が存在する場合でも環状シール部材の離間時に排出され、異物による環状シール部材の摩耗も防止することができる。
他の特徴構成は、前記突出部は、前記閉塞部が前記開口を閉塞した状態から前記弁体が回動するに従って、前記内面に当接し始める当接開始端から前記閉塞部の中心に向かって突出量が大きくなるように構成されている点にある。
本構成のように、突出部を弁体が回動するに従って突出量が大きくなるように構成すれば、弁体の突出部がハウジングの内面に円滑に摺接すると共に、突出部とハウジングの内面との当接位置が変化するので、両部材の摩耗を低減することができる。
他の特徴構成は、前記固定部と前記筒状部との間には、シール材により隙間が閉塞された閉塞空間が形成されており、前記筒状部には、前記閉塞部から前記閉塞空間まで貫通した貫通路が形成されている点にある。
本構成のように、固定部と筒状部との間に閉塞空間を設け、この閉塞空間に流体が流入するように筒状部の閉塞部に貫通路を設ければ、筒状部の内部と外部との圧力差をほぼゼロにすることができる。その結果、閉塞部に作用する流体圧が付勢部材の付勢力を上回って筒状部が開口から離間してしまい、閉弁状態が解除されるといった不都合を防止することができる。
他の特徴構成は、前記筒状部は、前記固定部に対して相対回転不能に構成されている点にある。
本構成のように、筒状部を固定部に対して回転不能に構成すれば、開口を筒状部が閉塞しているときに筒状部が回転してしまい、環状シール部材がハウジングの内面に対して摺動することにより、環状シール部材が摩耗するといった不都合を防止することができる。
以下に、本発明に係る流体制御弁の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、流体制御弁の一例として、自動車用のエンジンEの冷却システムに用いられる流体制御弁Vとして説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
図1に示すように、エンジンEの冷却システムは、エンジンEとラジエータRとの間に冷却水(流体の一例)を循環させる第一循環路1と、エンジンEとヒータコアHとの間に冷却水を循環させる第二循環路2と、エンジンEに冷却水を供給するウォータポンプPとを備えている。
ラジエータRを経由した第一循環路1やヒータコアHを経由した第二循環路2は、サーモスタットバルブ3を介してウォータポンプPに接続されている。第一循環路1は、エンジンEで加熱された冷却水をラジエータRで冷却した後、サーモスタットバルブ3を介してエンジンEに還流させる。第二循環路2は、エンジンEとヒータコアHとの間に流体制御弁Vを配置し、この流体制御弁Vが開弁状態のとき、エンジンEで加熱された冷却水を、車室内の空気を暖めるヒータコアHに流入させる。このとき、ヒータコアHで熱交換されて冷却した冷却水は、サーモスタットバルブ3を介してエンジンEに還流される。
一方、冷却水が所定の温度より低い場合、流体制御弁Vを閉弁して、ヒータコアHの熱交換による冷却水の温度の低下を防止する。また、冷却水の温度が低い場合にはサーモスタットバルブ3も閉弁しているため、冷却水はラジエータRにも循環しない。このため、エンジンEの暖機運転時における冷却水の温度上昇を促進して、燃費の向上を図ることができる。
(基本構成)
図2〜図3に示すように、流体制御弁Vは、負圧アクチュエータK(駆動源の一例)と、ハウジング4と、ハウジング4に支持され、負圧アクチュエータKからの駆動力を受けて回動する回動軸5と、ハウジング4に収容され、回動軸5の一端に固定された弁体6と、を備えている。ハウジング4と弁体6とは樹脂材料で構成されており、回動軸5は金属材料で構成されている。
図2〜図3に示すように、流体制御弁Vは、負圧アクチュエータK(駆動源の一例)と、ハウジング4と、ハウジング4に支持され、負圧アクチュエータKからの駆動力を受けて回動する回動軸5と、ハウジング4に収容され、回動軸5の一端に固定された弁体6と、を備えている。ハウジング4と弁体6とは樹脂材料で構成されており、回動軸5は金属材料で構成されている。
負圧アクチュエータKは、負圧によってダイアフラム(不図示)を引張ることでロッド(不図示)を移動させ、ロッドに接続されたリンク機構(不図示)により回動軸5を回動させるように構成されている。なお、回動軸5を駆動させる駆動源として、モータを用いて回動軸5を回動させたり、電磁ソレノイドのプランジャに接続されたリンク機構によりによって回動軸5を回動させたりしても良く、特に限定されない。
ハウジング4は、冷却水を受け入れる流入口41と冷却水を排出する流出口42とを有している。流入口41には、径方向に突出する第一フランジ部41aが形成されており、この第一フランジ部41aが上述した第二循環路2においてエンジンE側に設けられたフランジ部2aと連結されている。流入口41は、回動軸5と垂直な平面領域に形成されている。
流出口42には、径方向に突出する第二フランジ部42aが形成されており、この第二フランジ部42aが上述した第二循環路2においてヒータコアH側に設けられたフランジ部(不図示)と連結されている。流出口42は、回動軸5方向に形成されている。つまり、流入口41の流路と流出口42の流路とは直交している。
また、ハウジング4には、回動軸5を支持する中空筒状の支持部43が、流入口41と流出口42との間に形成されている。この支持部43の内面には、径方向外側に窪んだ環状段部43aが形成されており、この環状段部43aと回動軸5との間には、第一シールS1および軸受43bが設けられている。回動軸5と垂直な平面領域に形成されているハウジング4の内面44は、所定の曲率を有する円弧領域44aと直線領域44bとで構成されている。
弁体6は、回動軸5に垂直な平面に沿って回動軸5と連動して回動する。この弁体6は、回動軸5の一端に固定される固定部61と、流入口41の開口を閉塞可能な閉塞部64を含む有底円筒状の筒状部62と、固定部61と筒状部62との間に配置され、固定部61を基準として回動軸5とは反対方向に筒状部62を付勢するコイルスプリング63(付勢部材の一例)と、を有している。
図6に示すように、固定部61は、回動軸5の一端が固定された基部61Aと、基部61Aの側面から筒状部62に向かって延出した有底円筒状の円筒部61Bと、を有している。基部61Aの中央部分には、回動軸5の一端が圧入される金属製の被圧入部材61Aaがインサート成形されている。円筒部61Bは、底面61Baの中央部分に、筒状部62に向かって突出する柱状部61Cが一体形成されている。この柱状部61Cには、外周面を窪ませた複数(本実施形態では2箇所)の凹部61Caが形成されている。また、円筒部61Bの端部には、径方向内側に窪ませた段部61Bbが形成されており、この段部61Bbに環状の第二シールS2(シール材の一例)が固定されている。
筒状部62は、円盤状の底部62Aと、底部62Aから固定部61に向かって外周側から延出した外周壁部62Bと、底部62Aから固定部61に向かって内周側から延出した内周壁部62Cと、を有している。つまり、外周壁部62Bおよび内周壁部62Cは、底部62Aのうち閉塞部64とは反対側の背面62Aaから環状に立設している。
底部62Aの背面62Aaのうち内周壁部62Cに隣接する部位には、環状段差部62Aa1が形成されている。また、底部62Aのうち、外周壁部62Bと環状段差部62Aa1との間には、周方向に沿って等間隔に複数(本実施形態では4箇所)の第一貫通孔部62Ab(貫通路の一例)が形成されている。また、底部62Aのうち、内周壁部62Cの内側にも、1つの第二貫通孔部62Cb(貫通路の一例)が形成されている。これら貫通孔部62Ab,62Cbは、底部62Aの閉塞部64から背面62Aaまで貫通している。
内周壁部62Cには、内周面から内側に突出する複数(本実施形態では2箇所)の凸部62Caが形成されている。これら凸部62Caが上述した固定部61の柱状部61Cの凹部61Caに係合することで、筒状部62は、固定部61に対して相対回転不能に構成されている。
筒状部62の閉塞部64は、流入口41の開口面積よりも小さい表面積を有する状態で突出する突出部64aを有している。この突出部64aは、外周から中心に向かうに連れて突出量が増大する円弧面で構成されている。また、筒状部62の閉塞部64には、突出部64aの径方向外側に位置する外側領域64bに環状の第三シールS3(環状シール部材の一例)が固定されている。第三シールS3の内周面は、流入口41の内周面と同一平面上に配置されている(図3参照)。これによって、流入口41からの冷却水により、第三シールS3がハウジング4の内面44から離間し難く、所望のシール機能を発揮することができる。なお、突出部64aを省略しても良い。
図3に示すように、コイルスプリング63は、一端が固定部61の円筒部61Bの底面61Baに当接し、他端が筒状部62の背面62Aaに形成された環状段差部62Aa1に当接している。このコイルスプリング63は、固定部61の柱状部61Cおよび筒状部62の内周壁部62Cの外周側、且つ、固定部61の円筒部61Bの内周側に配置されている。
上述した構成により、固定部61と筒状部62との間にコイルスプリング63を介在させた状態で、固定部61の円筒部61Bが筒状部62の外周壁部62Bに内挿され、固定部61の柱状部61Cが筒状部62の内周壁部62Cに内挿されることにより、弁体6が形成されている。この状態で、固定部61と筒状部62との間には、第二シールS2により隙間が閉塞された閉塞空間Cが形成されている。この閉塞空間Cは、筒状部62の外周壁部62Bと内周壁部62Cとの間の第一閉塞空間C1と、固定部61の柱状部61Cと筒状部62の内周壁部62Cとの間の第二閉塞空間C2とで構成されている。上述した第一貫通孔部62Abは、閉塞部64から第一閉塞空間C1まで貫通しており、第二貫通孔部62Cbは、閉塞部64から第二閉塞空間C2まで貫通している。
また、上述した第三シールS3は、コイルスプリング63の付勢力により筒状部62の閉塞部64が流入口41の開口を閉塞したとき、流入口41の開口の外周よりも外側の外側領域64bに位置している。さらに、上述した突出部64aは、コイルスプリング63の付勢力により筒状部62の閉塞部64が流入口41の開口を閉塞したとき、流入口41の開口の側に突出している。
(組付方法)
図3および図6〜図7を用いて、流体制御弁Vの組付方法について説明する。
図3および図6〜図7を用いて、流体制御弁Vの組付方法について説明する。
図6に示すように、固定部61の基部61Aにインサート成形された被圧入部材61Aaに回動軸5の一端を圧入し、円筒部61Bの段部61Bbに第二シールS2を嵌める。また、筒状部62の閉塞部64に形成された突出部64aの外周側に第三シールS3を嵌める。そして、回動軸5が固定された固定部61と筒状部62との間にスプリングを配置した状態で、固定部61の柱状部61Cに形成された凹部61Caと筒状部62の内周壁部62Cに形成された凸部62Caとを係合させて、図7に示す弁体ユニットVuを形成する。
次いで、図3に示すように、ハウジング4の環状段部43aに第一シールS1および軸受43bを配置し、弁体ユニットVuの筒状部62を固定部61に向かって押圧してコイルスプリング63を圧縮すると共に、回動軸5を第一シールS1および軸受43bの内側に位置決めした状態で、流出口42から弁体ユニットVuを挿入する。そして、回動軸5の他端を負圧アクチュエータKの出力軸(不図示)に係合させ、筒状部62の押圧を解除すると、突出部64aが流入口41の開口に向かって突出すると共に、第三シールS3が流入口41の開口の外周よりも外側の外側領域64bに位置することとなる。
このように、流体制御弁Vを組付ける際、弁体6の閉塞部64に第三シールS3を設置した状態で、弁体ユニットVuをハウジング4の内部に挿入すれば良く、第三シールS3の位置精度を損なうことなく組付性を高めることができる。しかも、流入口41に第三シールS3を保持する複数の部材を配置する必要がないため、流入口41の軸長もコンパクトにすることが可能となり、設計自由度を高めることができる。
(作動形態)
図2〜図5を用いて、流体制御弁Vの作動形態について説明する。
図2〜図5を用いて、流体制御弁Vの作動形態について説明する。
図2〜図3は、流体制御弁Vが閉弁した状態を示している。図3に示すように、筒状部62は、コイルスプリング63の付勢力により流入口41に向かって押付けられている。このとき、第三シールS3は、流入口41の開口の外周よりも外側の外側領域64bに配置されてハウジング4の内面44と当接しているので、冷却水の圧力が作用しない。また、筒状部62を固定部61に対して回転不能に構成しているので、流入口41の開口を筒状部62が閉塞しているときに筒状部62が回転してしまい、第三シールS3がハウジング4の内面44に対して摺動して摩耗するといった不都合がない。このため、第三シールS3の変形を防止して、所望のシール機能を発揮させることができる。
また、上述したように、固定部61と筒状部62との間に閉塞空間Cを設け、この閉塞空間Cに冷却水が流入するように筒状部62の底部62Aに貫通孔部62Ab,62Cbを設けている。このため、筒状部62の内部(閉塞空間C)と外部(流入口41)との圧力差をほぼゼロにすることができる。その結果、閉塞部64に作用する流体圧がコイルスプリング63の付勢力を上回って筒状部62が流入口41の開口から離間してしまい、閉弁状態が解除されるといった不都合を防止することができる。
流体制御弁Vを開弁させて流入口41と流出口42とを連通させるときには、図2から図4の状態となるように、負圧アクチュエータKの駆動力により回動軸5を介して弁体6を回動させる。このとき、弁体6の回動範囲は、回動軸5の中心を支点として流入口41から円弧領域44aに沿う所定の角度(図2から図4までの角度)に設定されている。このため、弁体6の回動範囲が小さく、流体制御弁Vをコンパクトにすることができる。なお、本実施形態では、弁体6の回動範囲以外にもハウジング4の内部空間を設けているが、弁体6の回動範囲以外のハウジング4の内部空間を省略して更にコンパクト化を図っても良い。
上述したように、突出部64aは、外周から中心に向かうに連れて突出量が増大する円弧面で構成されているので、弁体6が回動するに従って、ハウジング4の内面44(円弧領域44a)に当接し始める当接開始端から閉塞部64の中心に向かって突出量が大きくなる円弧状に形成されている。その結果、突出部64aがハウジング4の内面44に円滑に摺接するので、突出部64aおよびハウジング4の摩耗を低減することができる。また、弁体6が回動方向するに従って突出量を大きくすれば、弁体6の突出部64aとハウジング4の内面44との当接位置が変化するので、突出部64aの摩耗を確実に抑制することができる。しかも、閉塞空間Cに充填された冷却水がハウジング4の内面44に向かって排出されながら弁体6が回動するので、突出部64aとハウジング4の内面44との摺動抵抗が低減されて摩耗がさらに抑制される。なお、突出部64aは、当接開始端から中心に向かうに連れて突出量が増大する形状であれば、円弧面で構成せずに、傾斜面で構成しても良いし、階段状に形成しても良く特に限定されない。
図4〜図5に示すように、流体制御弁Vが開弁した状態では、突出部64aがハウジング4の内面44に当接することにより第三シールS3がハウジング4の内面44から離間している。つまり、弁体6が回動したときに突出部64aによって第三シールS3とハウジング4の内面44との摺接を抑制することができる。よって、閉塞部64に突出部64aを形成するといった簡便な構成により、第三シールS3の摺接摩耗を防止することができる。しかも、第三シールS3をハウジング4の内面44から離間させているので、第三シールS3とハウジング4の内面44との間に異物が存在する場合でも第三シールS3の離間時に排出され、異物による摩耗も防止することができる。
以下、別実施形態について説明する。基本構成は、上述した実施形態と同様であるため、異なる構成についてのみ図面を用いて説明する。なお、図面の理解を容易にするため、上述した実施形態と同じ部材名称及び符号を用いて説明する。
[別実施形態1]
図8に示すように、流体制御弁Vaに、流入口41A,41Bを複数(本実施形態では2箇所)設けても良い。この場合、第一流入口41Aと流出口42とを連通させる第1のパターンと、第二流入口41Bと流出口42とを連通させる第2のパターンと、全ての流入口41A,41Bと流出口42とを連通させる第3のパターンとに切換え可能である。第3のパターンの場合は、流入口41A,41Bの存在しないハウジング4の下部円弧領域44a1に弁体6が位置することとなる。本実施形態における流体制御弁Vaは、例えば、図1に示すサーモスタットバルブ3の位置に配置することが可能となる。なお、流入口41A,41Bや流出口42の数は適宜変更しても良い。
図8に示すように、流体制御弁Vaに、流入口41A,41Bを複数(本実施形態では2箇所)設けても良い。この場合、第一流入口41Aと流出口42とを連通させる第1のパターンと、第二流入口41Bと流出口42とを連通させる第2のパターンと、全ての流入口41A,41Bと流出口42とを連通させる第3のパターンとに切換え可能である。第3のパターンの場合は、流入口41A,41Bの存在しないハウジング4の下部円弧領域44a1に弁体6が位置することとなる。本実施形態における流体制御弁Vaは、例えば、図1に示すサーモスタットバルブ3の位置に配置することが可能となる。なお、流入口41A,41Bや流出口42の数は適宜変更しても良い。
[別実施形態2]
図9に示すように、本実施形態の流体制御弁Vbは、図3に示す流入口41を流出口420とし、図3に示す流出口42を流入口410とし、筒状部620の閉塞部640が流出口420の開口を閉塞している。本実施形態では、固定部610の円筒部610Bを筒状部620の外周壁部620Bに外挿し、円筒部610Bの段部610Bbに第二シールS20(シール材の一例)を配置している。これによって、閉塞部640が流出口420を閉塞したとき、第二シールS20が、流入口410から流入する冷却水の圧力によって弾性変形し、閉塞空間Cに流入口410からの冷却水が流入するのが防止される。
図9に示すように、本実施形態の流体制御弁Vbは、図3に示す流入口41を流出口420とし、図3に示す流出口42を流入口410とし、筒状部620の閉塞部640が流出口420の開口を閉塞している。本実施形態では、固定部610の円筒部610Bを筒状部620の外周壁部620Bに外挿し、円筒部610Bの段部610Bbに第二シールS20(シール材の一例)を配置している。これによって、閉塞部640が流出口420を閉塞したとき、第二シールS20が、流入口410から流入する冷却水の圧力によって弾性変形し、閉塞空間Cに流入口410からの冷却水が流入するのが防止される。
また、本実施形態では、第三シール部材S30の外周面が筒状部620の外周壁部620Bの外周面と同一平面上に配置されている。これによって、流入口410から流入する冷却水の圧力により、第三シール部材S30が弾性変形し難く、所望のシール機能を発揮することができる。
[その他の実施形態]
(1)筒状部62の閉塞部64に形成される突出部64aを、ハウジング4の内面44(円弧領域44a)に当接し始める当接開始端から閉塞部64の中心まで突出させた半円弧状に構成しても良い。この場合でも、図2に示すように一方向弁の場合、弁体6が回動して図5に示す状態となったとき、閉塞部64の中心がハウジング4の内面44に当接して第三シールS3がハウジング4の内面44から離間することとなる。
(1)筒状部62の閉塞部64に形成される突出部64aを、ハウジング4の内面44(円弧領域44a)に当接し始める当接開始端から閉塞部64の中心まで突出させた半円弧状に構成しても良い。この場合でも、図2に示すように一方向弁の場合、弁体6が回動して図5に示す状態となったとき、閉塞部64の中心がハウジング4の内面44に当接して第三シールS3がハウジング4の内面44から離間することとなる。
(2)上述した実施形態では、閉塞空間Cを筒状部62の外周壁部62Bと内周壁部62Cとの間の第一閉塞空間C1と、固定部61の柱状部61Cと筒状部62の内周壁部62Cとの間の第二閉塞空間C2とで構成した。これに代えて、第一閉塞空間C1のみで構成して、閉塞部64から第一閉塞空間C1まで貫通する第一貫通孔部62Abを設けて第二閉塞空間C2および第二貫通孔部62Cbを省略しても良いし、逆に第二閉塞空間C2および第二貫通孔部62Cbのみで構成して第一閉塞空間C1および第一貫通孔部62Abを省略しても良い。また、コイルスプリング63を流体圧よりも大きい付勢力に調整して、第一貫通孔部62Abや第二貫通孔部62Cbを省略しても良い。
(3)上述した実施形態における筒状部62、620、固定部61,610およびコイルスプリング63の形状や配置は特に限定されず、筒状部62、620の閉塞部64,640が流入口41,410および流出口42,420の何れか一方の開口を閉塞する形態であればどのようなものであっても良い。また、筒状部62、620を固定部61,610に対して相対回転可能な形態であっても良い。
(4)上述した実施形態における筒状部62、620、固定部61,610およびコイルスプリング63で構成される弁体6は、流入口41,410や流出口42,420の数に応じて複数設けても良い。例えば、複数の流入口41A,41Bを同時に閉塞するように所定の間隔を空けて2つの弁体6を設けても良い。
(5)流体制御弁Vは、自動車用のエンジンEの冷却システムに用いる場合に限定されず、エンジンオイルの循環システムに用いても良い。
本発明は、流体の流通を遮断可能な流体制御弁に利用可能である。
4 ハウジング
5 回動軸
6 弁体
41 流入口
42 流出口
44 内面
61 固定部
62 筒状部
62Ab 第一貫通孔部(貫通路)
62Cb 第二貫通孔部(貫通路)
63 コイルスプリング(付勢部材)
64 閉塞部
64a 突出部
S2 第二シール(シール材)
S3 第三シール(環状シール部材)
C 閉塞空間
K 負圧アクチュエータ(駆動源)
5 回動軸
6 弁体
41 流入口
42 流出口
44 内面
61 固定部
62 筒状部
62Ab 第一貫通孔部(貫通路)
62Cb 第二貫通孔部(貫通路)
63 コイルスプリング(付勢部材)
64 閉塞部
64a 突出部
S2 第二シール(シール材)
S3 第三シール(環状シール部材)
C 閉塞空間
K 負圧アクチュエータ(駆動源)
Claims (5)
- 駆動源により駆動する回動軸と、
前記回動軸に垂直な平面に沿って前記回動軸と連動して回動する弁体と、
流体の流入口および流出口を有し、前記弁体を収容するハウジングと、を備え、
前記弁体は、前記回動軸の一端に固定される固定部と、前記流入口および前記流出口の何れか一方の開口を閉塞可能な閉塞部を含む筒状部と、前記固定部と前記筒状部との間に配置され、前記固定部を基準として前記回動軸とは反対方向に前記筒状部を付勢する付勢部材と、を有し、
前記閉塞部は、前記付勢部材の付勢力により前記閉塞部が前記開口を閉塞したとき、前記開口の外周よりも外側に位置する外側領域に環状シール部材を有している流体制御弁。 - 前記閉塞部のうち前記環状シール部材よりも内側には、前記閉塞部が前記開口を閉塞したときに前記開口の側に突出する突出部を有しており、
前記弁体が回動して前記閉塞部が前記開口を閉塞しないとき、前記突出部が前記ハウジングの内面に当接することにより前記環状シール部材が前記内面から離間している請求項1に記載の流体制御弁。 - 前記突出部は、前記閉塞部が前記開口を閉塞した状態から前記弁体が回動するに従って、前記内面に当接し始める当接開始端から前記閉塞部の中心に向かって突出量が大きくなるように構成されている請求項2に記載の流体制御弁。
- 前記固定部と前記筒状部との間には、シール材により隙間が閉塞された閉塞空間が形成されており、
前記筒状部には、前記閉塞部から前記閉塞空間まで貫通した貫通路が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の流体制御弁。 - 前記筒状部は、前記固定部に対して相対回転不能に構成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の流体制御弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017161992A JP2019039498A (ja) | 2017-08-25 | 2017-08-25 | 流体制御弁 |
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JP2017161992A Pending JP2019039498A (ja) | 2017-08-25 | 2017-08-25 | 流体制御弁 |
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JP (1) | JP2019039498A (ja) |
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2017
- 2017-08-25 JP JP2017161992A patent/JP2019039498A/ja active Pending
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