JP2019039492A - プレスベアリング - Google Patents
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Abstract
【課題】部品加工が簡単で安定した精度を得ることができ、簡単な組立で組立作業性も向上でき、製造の生産性を向上したプレスベアリングを提供する。
【解決手段】プレスベアリングに於いて、外輪20と内輪10は、その軸線に対して同一径の円筒部分とそれに連なり半径方向に延びる壁部分とから成る回転体形状であって、外輪の壁部分の径の値は、外輪の円筒部分の径の値より転がり体の半径の値以上小さい値に設定すると共に、内輪の壁面部分の径の値を内輪の円筒部分の径の値より転がり体の半径の値以上大きな値に設定し、さらに、内輪の円筒部分の軸方向の長さは外輪の円筒部分の軸方向の長さより長く、転がり体11と転がり体配置手段30を挟んで、内輪に外輪を保持する固定部材を内輪の円筒部分に配置した。
【選択図】図1
【解決手段】プレスベアリングに於いて、外輪20と内輪10は、その軸線に対して同一径の円筒部分とそれに連なり半径方向に延びる壁部分とから成る回転体形状であって、外輪の壁部分の径の値は、外輪の円筒部分の径の値より転がり体の半径の値以上小さい値に設定すると共に、内輪の壁面部分の径の値を内輪の円筒部分の径の値より転がり体の半径の値以上大きな値に設定し、さらに、内輪の円筒部分の軸方向の長さは外輪の円筒部分の軸方向の長さより長く、転がり体11と転がり体配置手段30を挟んで、内輪に外輪を保持する固定部材を内輪の円筒部分に配置した。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、各種精密機器やOA機器等に用いられるベアリングにおいて、内輪、外輪が鋼板をプレス加工等で成形されたプレスベアリングに関する。
従来、日本工業規格において分類されるミニアチュア軸受や小径軸受(以下、「小形ベアリング」と記す)は、必要な寸法精度が得られ易い切削加工によって製造されていた。しかしながら、切削加工では製造コストのより一層の低減が図れなかった。
これに対して、特許文献1には、外輪20を単一の部材からなるプレス加工品により形成することで廉価な小形ベアリングが提案されている。すなわち、外輪20には、各ボール11に対してベアリングの半径方向外方から接触し、かつベアリングの軸方向の一方にボールが移動することを防止するため内方へ突出した突部21を有する接触部22と、軸方向の他の一方から半径方向内方へ向かい、内輪10の外周との間に小間隙23を残して終わる内方端部24とを設ける構成を示されている。
特許文献1の小型ベアリングでは、内輪・外輪には、ボールを保持する形状や、お互い接合する部分の形状を有しているため、製造にあたって加工が複雑(加工工程が多い)になっていた。さらに、外輪加工がボールを内輪と外輪の間に組み込んだ後にも、外輪を加工するなどの追加工が必要であった。
このように、内輪・外輪の形状が複雑になると、加工時間の増加のみならず、工具の摩耗により寸法が変化するため寸法精度の安定性に欠けこれを満足するために製造工程の寸法管理にも手間が掛かっていた。
この課題に対して、内輪と外輪の形状を単純な円筒形状にした例では、ベアリングのスラスト方向に負荷が加わった時、内輪と外輪のスラスト方向のずれを規制する手段が、「転がり体であるボール」ではない他の手段、たとえば、内外輪の位置決め止め輪や転がり体配置手段(リテーナ)などとなっている。この状態では、当接している面で、滑りの摩擦が生じ、ベアリング本体の転がり体のころがり摩擦に比べ、摩擦係数が大きく、ベアリング耐久寿命という点で課題になる場合がある。
さらに、従来、比較的に高速で回転する回転体を支持する場合には、高精度で切削加工された外輪により構成されたボールベアリングを用いる。また、比較的に低速で回転する回転体を支持する場合には、高精度を必要としない低摩擦物質で形成される滑り軸受が用いられる。前記ボールベアリングでは軸の保持精度が高く回転抵抗も極めて低いため耐久性に優れるが、これら性能を維持するための製造工数が多くなることに伴い製造価格も高くなる。一方、前記滑り軸受は軸との摩擦接触による回転抵抗が大となり耐久性は低いが、高精度の加工は不要で製造工数が少なく価格も低い。
つまり、ボールベアリング程精度並び高速回転での耐久性を必要とせず、滑り軸受のように比較的低速の回転での耐久性が必要でかつ部品加工が簡単で、製造工程の寸法管理にも手間がいらず、かつ、スラスト方向の負荷に対しても、負荷を受ける部分を有するような摺動軸受部品であるベアリングが求められている。
上記の課題を解決するために、本発明に係るプレスベアリングは、
内輪(10)と外輪(20)とその間に配備された転がり体(11)と転がり体(11)を保持する転がり体配置手段(30)によって成るプレスベアリングに於いて、外輪(20)と内輪(10)は、その軸線に対して同一径の円筒部分{外輪軌道面(201)、内輪軌道面(101)}とそれに連なり半径方向に延びる壁部分{外輪環状部(203)、内輪環状部(103)}とから成る回転体形状であって、外輪(20)の壁部分{外輪環状部(203)}の径の値は、外輪(20)の円筒部分{外輪軌道面(201)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上小さい値に設定すると共に、内輪(10)の壁部分{内輪環状部(103)}の径の値を内輪(10)の円筒部分{内輪軌道面(101)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上大きな値に設定し、さらに、内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}の軸方向の長さは外輪(20)の前記円筒部分{外輪軌道面(201)}の軸方向の長さより長く、転がり体(11)と転がり体配置手段(30)を挟んで、内輪(10)に外輪(20)を保持する固定部材{止め輪(40)}を内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}に配置したことを特徴とする。
内輪(10)と外輪(20)とその間に配備された転がり体(11)と転がり体(11)を保持する転がり体配置手段(30)によって成るプレスベアリングに於いて、外輪(20)と内輪(10)は、その軸線に対して同一径の円筒部分{外輪軌道面(201)、内輪軌道面(101)}とそれに連なり半径方向に延びる壁部分{外輪環状部(203)、内輪環状部(103)}とから成る回転体形状であって、外輪(20)の壁部分{外輪環状部(203)}の径の値は、外輪(20)の円筒部分{外輪軌道面(201)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上小さい値に設定すると共に、内輪(10)の壁部分{内輪環状部(103)}の径の値を内輪(10)の円筒部分{内輪軌道面(101)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上大きな値に設定し、さらに、内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}の軸方向の長さは外輪(20)の前記円筒部分{外輪軌道面(201)}の軸方向の長さより長く、転がり体(11)と転がり体配置手段(30)を挟んで、内輪(10)に外輪(20)を保持する固定部材{止め輪(40)}を内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}に配置したことを特徴とする。
さらに、本発明に係るプレスベアリングは、
前記転がり体(11)は、外輪(20)の円筒部分{外輪軌道面(201)}と内輪(10)の円筒部分{内輪軌道面(101)}の間と、内輪(10)の壁部分{壁面(104)}と外輪(20)の壁部分{壁面(204)}との間に、挟持されることを特徴とする。
前記転がり体(11)は、外輪(20)の円筒部分{外輪軌道面(201)}と内輪(10)の円筒部分{内輪軌道面(101)}の間と、内輪(10)の壁部分{壁面(104)}と外輪(20)の壁部分{壁面(204)}との間に、挟持されることを特徴とする。
さらに、本発明に係るプレスベアリングは、
前記転がり体配置手段(30)の両端部に、内輪(10)の外周面{内輪軌道面(101)}と外輪(20)の内周面{外輪軌道面(201)}の周面を受ける案内手段{案内面(31a)、案内面(31b)、案内面(32a)、案内面(32b)}を設け、転がり体配置手段(30)のラジアル方向の姿勢規制手段とすると共に、各端部において、前記案内手段の少なくとも一つは、転がり体配置手段(30)から延設された可撓性を有する壁形状{壁部(50a)、壁部(50b)}であって、転がり体配置手段(30)と一体で成形された構成であることを特徴とする。
前記転がり体配置手段(30)の両端部に、内輪(10)の外周面{内輪軌道面(101)}と外輪(20)の内周面{外輪軌道面(201)}の周面を受ける案内手段{案内面(31a)、案内面(31b)、案内面(32a)、案内面(32b)}を設け、転がり体配置手段(30)のラジアル方向の姿勢規制手段とすると共に、各端部において、前記案内手段の少なくとも一つは、転がり体配置手段(30)から延設された可撓性を有する壁形状{壁部(50a)、壁部(50b)}であって、転がり体配置手段(30)と一体で成形された構成であることを特徴とする。
さらに、本発明に係るプレスベアリングは、
前記内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}に配置した固定部材{止め輪(41)}と外輪(20)の円筒端面(205)との間に補助リング71を、内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}上に配置したことを特徴とする。
前記内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}に配置した固定部材{止め輪(41)}と外輪(20)の円筒端面(205)との間に補助リング71を、内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}上に配置したことを特徴とする。
本発明によれば、内輪(10)と外輪(20)とその間に配備された転がり体(11)と転がり体(11)を保持する転がり体配置手段(30)によって成るプレスベアリングに於いて、外輪(20)と内輪(10)の形状を、その軸線に対して同一径の円筒部分{外輪軌道面(201)、内輪軌道面(101)}とそれに連なり半径方向に延びる壁部分{外輪環状部(203)、内輪環状部(103)}とから成る回転体形状とし、外輪(20)の壁部分{外輪環状部(203)}の径の値を、外輪(20)の円筒部分{外輪軌道面(201)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上小さい値に設定すると共に、内輪(10)の壁部分{内輪環状部(103)}の径の値を、内輪(10)の円筒部分{内輪軌道面(101)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上大きな値に設定し、さらに、内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}の軸方向の長さを、外輪(20)の前記円筒部分{外輪軌道面(201)}の軸方向の長さより長くして、転がり体(11)と転がり体配置手段(30)を挟んで、内輪(10)に外輪(20)を保持する固定部材{止め輪(40)}を内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}に配置したことで、以下の効果を有するプレスベアリングを提供することが可能になった。
内輪10と外輪20は、鋼板から絞り加工にて形状の形成が可能で、プレスの順送加工によって、プレス金型の精度による安定した寸法の部品として大量に生産することができる。
転がり体配置手段30も、金型を使用した射出成形で形状の形成が可能で、金型の精度よる安定した寸法の部品として大量に生産することができる。
従って、部品加工が簡単で、安定した精度を得ることができ、製造工程の寸法管理にも手間がいらないなど、部品製造の生産性を向上させることができる。
スラスト方向に負荷が加わった場合でも、転がり体11は、外輪20と内輪10の壁の面にて挟持されて、摺動の形態も、ラジアル方向と同じように、「ころがり摺動」になるので、摩擦係数が低くなり、ベアリング耐久寿命が向上する。
また、本発明に係るプレスベアリングは、外輪20、内輪10、転がり体11、転がり体配置手段30、のみで構成されるため、このように、少ない部品点数のため、組み立て工程は、内輪10に転がり体配置手段30、次に、転がり体11を、そして、外輪20、最後に、止め輪40を順に組み付ける手順で、後で、かしめるような工程も無く、簡単な組立となり、組立工数を低減し、組立作業性の向上ができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は内輪10と外輪20及びそれらの間に所定の間隔で組み込まれた転がり体11及び、転がり体配置手段30と止め輪40から構成されている本発明のボール型の小型プレスベアリング1を斜め方向から見た外観図で、図1(b)は前記小型プレスベアリング1を軸方向から見た時の断面図である。図1(c)は前記小型プレスベアリング1を軸と直行する方向から見た側面の断面図である。図1(d)は、図1(c) のE部の拡大図である。
また、図2(a)と図2(b)は、本発明のボール型の小型プレスベアリング1の構成部品である転がり体配置手段30を、斜め方向から見た外観図と軸方向から見た正面図で、同図のA−A断面図〜B−B断面図は、それぞれ、断面A−A〜断面B−Bの矢視方向からみた断面図である。図3(a)と図3(b)と図3(c)は、本発明のボール型の小型プレスベアリング1の構成部品である内輪10を、斜め方向から見た外観図と軸方向から見た正面図と断面A−Aの矢視方向からみた断面図である。図4(a)と図4(b)と図4(c)も同様に、本発明のボール型の小型プレスベアリング1の構成部品である外輪20を、斜め方向から見た外観図と軸方向から見た正面図と断面A−Aの矢視方向から見た断面図である。
また、図2(a)と図2(b)は、本発明のボール型の小型プレスベアリング1の構成部品である転がり体配置手段30を、斜め方向から見た外観図と軸方向から見た正面図で、同図のA−A断面図〜B−B断面図は、それぞれ、断面A−A〜断面B−Bの矢視方向からみた断面図である。図3(a)と図3(b)と図3(c)は、本発明のボール型の小型プレスベアリング1の構成部品である内輪10を、斜め方向から見た外観図と軸方向から見た正面図と断面A−Aの矢視方向からみた断面図である。図4(a)と図4(b)と図4(c)も同様に、本発明のボール型の小型プレスベアリング1の構成部品である外輪20を、斜め方向から見た外観図と軸方向から見た正面図と断面A−Aの矢視方向から見た断面図である。
図1(c)・図1(d)・図3(a)・(b)・(c)において、内輪10は円筒状に形成され、その内周面102は、ストレートの周面形状で、本発明のボール型の小型プレスベアリング1が取付けられる回転軸の外周面に、嵌合する径に設定され、また、外周側の面は、ベアリングの転がり体11が当接する内輪軌道面101と、それに連なり内輪軌道面101に対して径方向外側に曲げられた内輪環状部103の壁面104が形成されている。これらの内輪10の形状は、円板を絞り加工して形成される。
一方、図1(c)・図1(d)・図4(a)・(b)・(c)において、外輪20も円筒状に形成され、その外周面202は、ストレートの周面形状で、本発明のボール型の小型プレスベアリング1が取付けられるハウジング側穴形状の内周面に嵌合する径に設定され、また、内周側の面は、ベアリングの転がり体11が当接する外輪軌道面201と、それに連なり、外輪軌道面201に対して径方向内側に曲げられた外輪環状部203の壁面204が形成されている。この外輪20の形状も、円板を絞り加工して形成される。
ここで、内輪環状部103の径(壁面104の高さ)と外輪環状部203の径(壁面104の高さ)は、転がり体11の中心を面で当接させるため、以下のように設定する。
[外輪20の外輪軌道面直径]<[外輪環状部203の直径]−D
[内輪10の内輪軌道面直径]>[内輪環状部103の直径]+D
Dは転がり体11の直径
さらに、外輪20の外輪軌道面201の直径と内輪10の内輪軌道面101の直径の関係は、以下のように設定する。
[外輪20の外輪軌道面直径]−[内輪10の内輪軌道面直径]
=転がり体の直径×2+ラジアル内部すきま
なお、ラジアル内部すきまは、JIS B 1520:1995にて規定され、本実施例では、プレスベアリングの内径10mm以下場合を想定しており、同表からすきま区分の『普通のラジアルすきま』:CNを使用し、転がり体が玉の場合:最小2μm〜最大13μm
転がり体が円筒の場合:最小20μm〜最大45μm
の各値を使用して、それぞれの径を決める。
[外輪20の外輪軌道面直径]<[外輪環状部203の直径]−D
[内輪10の内輪軌道面直径]>[内輪環状部103の直径]+D
Dは転がり体11の直径
さらに、外輪20の外輪軌道面201の直径と内輪10の内輪軌道面101の直径の関係は、以下のように設定する。
[外輪20の外輪軌道面直径]−[内輪10の内輪軌道面直径]
=転がり体の直径×2+ラジアル内部すきま
なお、ラジアル内部すきまは、JIS B 1520:1995にて規定され、本実施例では、プレスベアリングの内径10mm以下場合を想定しており、同表からすきま区分の『普通のラジアルすきま』:CNを使用し、転がり体が玉の場合:最小2μm〜最大13μm
転がり体が円筒の場合:最小20μm〜最大45μm
の各値を使用して、それぞれの径を決める。
次に、内輪10と外輪20の軸方向の関係を説明する。
図1(d)のように、本発明のボール型の小型プレスベアリング1では、内輪10の内輪軌道面101の端部に止められている止め輪40が存在しているが、その位置関係は、以下のように設定されている。
内輪10のスラスト方向に負荷荷重Fが加わった時、内輪10の内輪環状部103の壁面104と外輪20の外輪環状部203の壁面204との間で、転がり体11が挟持され、外輪20の端部と止め輪40間に隙間δが形成されるように、止め輪40を固定する。そして、ここでは、隙間δは、嵌合隙間と違い余裕を持って設定できるので、たとえば、0.1mm〜MAX 0.5mm(程度)に設定する。
次に、本発明の転がり体配置手段30の形状と構成について、図2を用いて説明する。
図2(a)・(b)と同図のA−A断面図とB−B断面図にて、転がり体配置手段30には、転がり体11を等間隔に保持するための円形開口部25が、(転がり体配置手段30の)周方向に等間隔で6ヶ所形成されている。
そして、転がり体配置手段30の一方の側の外周部には、外輪20の円筒の外輪環状部203(図1(d)参照)の周面を受ける案内面31aと、他方の側の外周部には、外輪20の円筒の外輪軌道面201(図1(d)参照)の周面を受ける案内面31bが形成されている。
さらに、転がり体配置手段30の一方の側の内周部にも、内輪10の円筒の内輪軌道面101(図1(d)参照)の周面を受ける案内面32aと、転がり体配置手段30の他方の側の内周部に内輪10の円筒の内輪環状部103(図1(d)参照)の周面を受ける案内面32bが形成されている。
このように、転がり体配置手段30には、転がり体11を等間隔に保持するための円形開口部25、外輪20の円筒の内周面を受ける案内面31aおよび案内面31b、内輪10の円筒の外周面を受ける案内面32aおよび案内面32bの各形状が一体的に形成されている。
また、転がり体配置手段30の材質としては、ポリオキシメチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等、使用条件に応じた耐久性等の物性を有する合成樹脂を使用し、このように、金型で成形可能な部品にして、成形型による安定した精度で大量生産可能にすることができる。
そして、図1(a)〜図1(d)に示したように、本発明の小型プレスベアリング1の各構成部品の径方向の相対位置は、外輪20と内輪10の間に、転がり体配置手段30によって等間隔に保持された転がり体11を挟むことによって位置が定まる。
また、軸方向の相対位置に関しても、図1(a)〜 図1(d)のようにスラスト方向に負荷荷重Fが作用した場合には、外輪20と内輪10は、転がり体11が当接した状態になって、位置が定まる。つまり、スラスト方向においても、転がり体11は、内輪10の壁面104と外輪20の壁面204との面の間で挟持され、ラジアル方向と同じように、面との「ころがり摺動」になっている。
そして、前記負荷荷重Fが作用しない場合には、内輪10は、外輪20に対して前記とは逆に動いて、外輪20・転がり体11から離れようとするが、隙間δ移動すると、内輪10に止められた止め輪40の側面に外輪20の端面205が当接するため、それ以上の移動は規制され、ベアリングがバラバラになる事は無い。
さらに、転がり体配置手段30は、内輪10の円筒の外周面の内輪軌道面101と内輪環状部103に対して、案内面32aと32bとで支えられると共に、
外輪20の内周面の外輪環状部203と外輪軌道面201に対しても、案内面31aと31bにて案内されている。
外輪20の内周面の外輪環状部203と外輪軌道面201に対しても、案内面31aと31bにて案内されている。
従って、転がり体配置手段30の中心軸の姿勢位置は、内輪10や外輪20の軸線に対して傾かない状態に、姿勢が保たれるので、この転がり体配置手段30に保持されている転がり体11も、内輪10や外輪20に対して、安定した位置状態で回転するようになっている。
ここで、本発明の小型プレスベアリング1の組立手順について図5にて説明する。
まず、内輪10に対して、内輪10の円筒の内輪軌道面101の周面に転がり体配置手段30の案内面32aを沿わせながら、転がり体配置手段30を組み込む、その際、内輪10の壁面104が、転がり体配置手段30の円形開口部25から見える位置まで、転がり体配置手段30を押し入れる。
次に、転がり体配置手段30の円形開口部25に、転がり体11を組み入れる。
さらに、外輪20を、この組み上がった「内輪10+転がり体配置手段30+転がり体11」の部品に対して、外輪20の外輪軌道面201の周面を沿わせながら、外輪20の壁面204が転がり体11に突き当たるまで押し入れる。
最後に、外輪20の端部205と止め輪40間に隙間δが形成されるように、
止め輪40と外輪20の間に、スペーサを入れ、隙間δを確保して、止め輪40を、内輪10の円筒の内輪軌道面101の周面に、固定する。
止め輪40と外輪20の間に、スペーサを入れ、隙間δを確保して、止め輪40を、内輪10の円筒の内輪軌道面101の周面に、固定する。
このように、組み立て工程は、内輪10に転がり体配置手段30、次に、転がり体11を、そして、外輪20、最後に、止め輪40を順に組み付ける手順で、簡単な組立となっている。
以上、説明したように、内輪10、外輪20は、その形状を単純な円筒状の形状になっているので、鋼板から絞り加工にて形状の形成が可能で、プレス金型を使用したプレスの順送加工によって、安定した精度・寸法の部品を大量に生産することができる。転がり体配置手段30についても、樹脂成形可能な形状をしており、金型を使用した射出成形可能となり、安定した精度で大量生産可能となっている。そして、スラスト方向に負荷が加わった場合でも、転がり体11は、外輪20と内輪10の壁の面にて挟持されて、摺動の形態も、ラジアル方向と同じように、「ころがり摺動」になるので、摩擦係数が低くなり、ベアリング耐久寿命が向上する。
図6(a)は本発明の第2実施例の小型プレスベアリング2を斜め方向から見た外観図で、図6(b)は第2実施例の小型プレスベアリング2を軸方向から見た時の断面図である。図6(c)は第2実施例の小型プレスベアリング2を軸と直行する方向から見た側面の断面図で、図6(d)は、図6(c) のF部の拡大図である。また、図7(a)と図7(b)は、第2実施例のボール型の小型プレスベアリング2の構成部品である転がり体配置手段50を、斜め方向から見た外観図と軸方向から見た正面図で、同図のA−A断面図〜B−B断面図は、それぞれ、断面A−A〜断面B−Bの矢視方向からみた断面図で、図7(c)は、A−A断面図のG部の拡大図である。
なお、実施例1と同じ機能の部品は、同じ符号を付けている。
41は、内輪10の内輪軌道面101の端部に止められている固定部材で、外輪20を所定位置に保つための部材で、実施例1の止め輪40の歯付き止め輪に変わって、グリップ止め輪を使用した例を示している。
本実施例の特徴は、転がり体配置手段50の形状に有り、次に、この形状について説明する。
転がり体配置手段50は、基台となるベース部50cとベース部50cに付加された部分の壁部50a・50bとで構成されている。
転がり体配置手段50のベース部50cには、転がり体11を保持するための円形開口部25が、第1実施例と同じように、その周上に等間隔で6ヶ所形成されている。
さらに、ベース部50cの一方の側の内周部には、内輪10の円筒の内輪軌道面101(図6(d)参照)の周面を受ける案内面52aと、そして、ベース部50cの他方の側の内周部には、内輪10の円筒の内輪環状部103((図6(d)参照)の周面を受ける案内面52bが形成されている。
そして、転がり体配置手段50のベース部50cの一方の側の外周部には壁部50aが、他方の側の外周部には壁部50bがそれぞれ設けられ、壁部50aの外周の周面は、外輪20の円筒の外輪環状部203(図6(d)参照)の周面を受ける案内面51aで、壁部50bの外周の周面は、外輪20の円筒の外輪軌道面201(図6(d)参照)の周面を受ける案内面51bとなっている。
この壁部50aと壁部50bの形状は、可撓性を有する部材で、ベース部50cの上に張付けられている。たとえば、転がり体配置手段50は、ベース部50cは金属の薄板でプレス加工され、その後、熱可塑性のエラストマーなどの部材で壁部50aと壁部50bの環状形状を、アウトサー成形にて、形状を形づくることができる。
このように、本発明の第1実施例との違いは、外輪20の内周面と当接する部位に、可撓性を有する材質の部位を、転がり体配置手段50に配置したことで、これにより、転がり体配置手段50の端部フランジ部(壁部50aと案内面51aおよび壁部50bと案内面51b)がシール部を形成し、ベアリングの外部から転がり体11の摺動部分内に侵入しようするごみ、水分、異物を除くことができ、内部の転がり体11の潤滑状態は良好に保たれ、良好な動作と耐久性が保証される。
つまり、本発明の第1実施例の効果と、さらに、異物の侵入を防ぐことにより、転がり体11の摺動に対して、潤滑性向上と、耐久性が付与され、より耐久寿命が増すことになる。
図8(a)は本発明の第3実施例の小型プレスベアリング3を斜め方向から見た外観図で、図8(b)は第3実施例の小型プレスベアリング3を軸方向から見た時の断面図である。図8(c)は第3実施例の小型プレスベアリング3を軸と直行する方向から見た側面の断面図である。
ここで、本発明の第1実施例および第2実施例との違いは、外輪20を所定位置に保つための部材で、内輪10の内輪軌道面101の端部に止められている固定部材41と外輪20の端部205との間に、補助リング71を配置したことである。
なお、補助リング71の材質としては、外輪20や固定部材41や転がり体配置手段30に対して、摩擦係数が低くかつ摩耗が少ない摺動性の良い素材たとえば、摺動POMや銅合金などが選択され使用されている。
補助リング71によって、外輪20の円筒端面の端部205や転がり体配置手段30の端部の面と固定部材41の面が、直接接触することが無く、代わりに、摺動性が良い素材の部材が接触するので、係止部21の摩耗が低減して、耐久性が向上する。
また、図8(a)・(b)・(c)に示すように、本発明の第3実施例の小型プレスベアリング3において、補助リング71の代わりに、転がり体配置手段80に爪形状82を形成し、この爪形状82の先端面を固定部材41に当接させるようにしても、前述と同様の効果を得ることができる。
10 内輪、11 転がり体、20 外輪、25 円形開口部、
30 転がり体配置手段、31a 案内面、31b 案内面、32a 案内面、
32b 案内面、40 止め輪、101 内輪軌道面、102 内周面、
103 内輪環状部、104 壁面、201 外輪軌道面、202 外周面、
203 外輪環状部、204 壁面
30 転がり体配置手段、31a 案内面、31b 案内面、32a 案内面、
32b 案内面、40 止め輪、101 内輪軌道面、102 内周面、
103 内輪環状部、104 壁面、201 外輪軌道面、202 外周面、
203 外輪環状部、204 壁面
Claims (4)
- 内輪(10)と外輪(20)とその間に配備された転がり体(11)と転がり体(11)を保持する転がり体配置手段(30)によって成るプレスベアリングに於いて、外輪(20)と内輪(10)は、その軸線に対して同一径の円筒部分{外輪軌道面(201)、内輪軌道面(101)}とそれに連なり半径方向に延びる壁部分{外輪環状部(203)、内輪環状部(103)}とから成る回転体形状であって、外輪(20)の壁部分{外輪環状部(203)}の径の値は、外輪(20)の円筒部分{外輪軌道面(201)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上小さい値に設定すると共に、内輪(10)の壁部分{内輪環状部(103)}の径の値を内輪(10)の円筒部分{内輪軌道面(101)}の径の値より転がり体(11)の半径の値以上大きな値に設定し、さらに、内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}の軸方向の長さは外輪(20)の前記円筒部分{外輪軌道面(201)}の軸方向の長さより長く、転がり体(11)と転がり体配置手段(30)を挟んで、内輪(10)に外輪(20)を保持する固定部材{止め輪(40)}を内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}に配置したことを特徴とするプレスベアリング(1)。
- 前記転がり体(11)は、外輪(20)の円筒部分{外輪軌道面(201)}と内輪(10)の円筒部分{内輪軌道面(101)}の間と、内輪(10)の壁部分{壁面(104)}と外輪(20)の壁部分{壁面(204)}との間に、挟持されることを特徴とする請求項1に記載のプレスベアリング(1)。
- 前記転がり体配置手段(30)の両端部に、内輪(10)の外周面{内輪軌道面(101)}と外輪(20)の内周面{外輪軌道面(201)}の周面を受ける案内手段{案内面(31a)、案内面(31b)、案内面(32a)、案内面(32b)}を設け、転がり体配置手段(30)のラジアル方向の姿勢規制手段とすると共に、各端部において、前記案内手段の少なくとも一つは、転がり体配置手段(30)から延設された可撓性を有する壁形状{壁部(50a)、壁部(50b)}であって、転がり体配置手段(30)と一体で成形された構成を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレスベアリング(2)。
- 前記内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}に配置した固定部材{止め輪(41)}と外輪(20)の円筒端面(205)との間に補助リング71を、内輪(10)の前記円筒部分{内輪軌道面(101)}上に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のプレスベアリング(3)。
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JP2017161725A JP2019039492A (ja) | 2017-08-25 | 2017-08-25 | プレスベアリング |
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JP2017161725A Pending JP2019039492A (ja) | 2017-08-25 | 2017-08-25 | プレスベアリング |
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2017
- 2017-08-25 JP JP2017161725A patent/JP2019039492A/ja active Pending
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