JP2019039371A - 廃熱回収装置 - Google Patents

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正純 川端
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Abstract

【課題】膨張機をより効率的に作動させることで、廃熱回収効率を効果的に向上することができる廃熱回収装置を提供する。【解決手段】廃熱回収装置100は、ランキンサイクル装置1を備え、膨張機23から凝縮器24へ作動媒体Mを流通させる流路14と、凝縮器24から蒸発器22へ作動媒体Mを流通させる流路12と、流路12上に設けられ流路12を流れる作動媒体Mを蒸発器22側へ送出するポンプ21と、流路14上に設けられ流路12におけるポンプ21の下流側を流れる作動媒体Mの一部が流路15を介して流通されることで流路14を流れる作動媒体Mを凝縮器24側へ導くエジェクタ30と、流路15上に設けられエジェクタ30に流通される作動媒体Mのエジェクタ流量を調整する流量調整バルブ40と、作動媒体Mの温度及び圧力に基づいて算出した膨張機23の出力に基づいて流量調整バルブ40を制御するECU50と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、廃熱回収装置に関し、特にランキンサイクル装置を備える廃熱回収装置に関する。
従来、ランキンサイクル装置を備える廃熱回収装置に関する技術として、例えば特許文献1に記載された廃熱利用装置が知られている。特許文献1に記載された廃熱利用装置は、蒸発器、膨張機、凝縮器、及びポンプを含む閉回路と、ポンプと蒸発器との間の作動媒体を回収する回収弁及び膨張機と凝縮器との間に作動媒体を供給する供給弁を含むバイパス路と、閉回路を循環する作動媒体量を制御する制御手段と、を有するランキンサイクル回路を備えている。
特開2008−231981号公報
上記従来の廃熱利用装置では、閉回路を循環する作動媒体量を制御することで、廃熱回収効率の低下が抑制されている。しかしながら、上記従来技術は、作動媒体から仕事としてエネルギーを回収する膨張機の出力を積極的に向上させてはいないという点で、廃熱回収効率を更に向上させる余地が残されている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、膨張機をより効率的に作動させることで、廃熱回収効率を効果的に向上することができる廃熱回収装置を提供することを課題とする。
本発明に係る廃熱回収装置は、作動媒体が循環されるランキンサイクル装置を備える廃熱回収装置であって、膨張機から凝縮器へ作動媒体を流通させる第1流路と、凝縮器から蒸発器へ作動媒体を流通させる第2流路と、第2流路上に設けられ、第2流路を流れる作動媒体を蒸発器側へ送出するポンプと、第1流路上に設けられ、ポンプの下流側を流れる作動媒体の一部が第3流路を介して流通されることにより、第1流路を流れる作動媒体を凝縮器側へ導くエジェクタと、第3流路上に設けられ、エジェクタに流通される作動媒体のエジェクタ流量を調整するバルブと、作動媒体の温度及び圧力に基づいて膨張機の出力を算出すると共に、出力に基づいてバルブを制御する制御部と、を備える。
この廃熱回収装置では、バルブが制御されることで、エジェクタに流通される作動媒体のエジェクタ流量が変化する。エジェクタ流量が変化すると、エジェクタによって作動媒体が導かれるのに応じて、第1流路において膨張機とエジェクタとの間を流れる作動媒体の圧力が変化する。その結果、膨張機の膨張比が変化すると共に、膨張比に応じて膨張機の出力が変化する。つまり、バルブを制御してエジェクタ流量を調整することで、膨張機の出力の向上を図ることができる。よって、この廃熱回収装置によれば、膨張機をより効率的に作動させることが可能となり、廃熱回収効率を効果的に向上することができる。
本発明に係る廃熱回収装置では、制御部は、膨張機の上流側を流れる作動媒体の温度及び圧力、並びに膨張機の下流側を流れる作動媒体の温度及び圧力に基づいて、膨張機の理論出力を算出し、膨張機の上流側を流れる作動媒体の圧力、膨張機の下流側を流れる作動媒体の圧力、及び、膨張機に流通される作動媒体の流量に基づいて、膨張機の効率を算出し、理論出力に効率を反映させた膨張機の実出力を膨張機の出力として算出してもよい。この場合、膨張機の実出力に応じてエジェクタ流量を調整することで、膨張機の効率に応じて廃熱回収効率の向上を図ることが可能となる。
本発明に係る廃熱回収装置では、制御部は、ポンプが送出する作動媒体の流量に基づいてポンプの損失を算出し、出力と損失との差に基づいてランキンサイクル装置の正味出力を算出し、エジェクタ流量の時間変化及び正味出力の時間変化に基づいて、正味出力が極大値に近付くようにバルブを制御してもよい。ポンプの損失は、ポンプが送出する作動媒体の流量の例えば3乗に比例して増加する。そのため、エジェクタ流量を変化させた場合、一般的に、ポンプの損失を加味した正味出力には、あるエジェクタ流量において極大値が存在する。そこで、エジェクタ流量の時間変化及び正味出力の時間変化に基づいてバルブを制御することで、極大値に近付くように正味出力の増加を図ることができる。その結果、廃熱回収効率を一層効果的に向上することができる。
本発明に係る廃熱回収装置では、制御部は、蒸発器において作動媒体に入熱される入熱量に基づいて、蒸発器に流通される作動媒体の目標流量を算出し、蒸発器に流通される作動媒体の実流量が目標流量となるようにポンプを制御してもよい。この場合、例えば作動媒体への入熱量が過大となることで作動媒体が過熱により分解されることを回避しつつ、作動媒体を蒸発器において確実に気化させることができる。よって、廃熱回収装置を連続的に作動させることができる。
本発明によれば、膨張機をより効率的に作動させることで、廃熱回収効率を効果的に向上することができる廃熱回収装置を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る廃熱回収装置の概略構成図である。 図2は、図1のエジェクタの概略断面図である。 図3は、図1の作動媒体の状態変化が示されたモリエル線図である。 図4は、従来の作動媒体の状態変化が示されたモリエル線図である。 図5は、ECUによる制御の処理を示すフローチャートである。 図6は、エジェクタ流量の第1調整の処理を示すフローチャートである。 図7は、システム出力の算出の処理を示すフローチャートである。 図8の(a)は、図1の膨張機の出力を示す図である。図8の(b)は、図1のポンプの損失を示す図である。 図9は、エジェクタ流量の第2調整の処理を示すフローチャートである。 図10は、ポンプ制御の全体の処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[廃熱回収装置の構成]
本実施形態に係る廃熱回収装置100は、図1に示されるランキンサイクル装置1を備えている。廃熱回収装置100は、例えば車両に搭載され、燃費向上を図るために用いられる。搭載される車両としては、例えばトラックやバス等の商用車が挙げられる。車両としては、特に限定されるものではなく、大型車両や中型車両、普通乗用車、小型車両又は軽車両等のいずれであってもよい。
ランキンサイクル装置1は、車両のエンジンEの廃熱を入熱とし、当該廃熱の熱エネルギーを動力に変換して出力する。ランキンサイクル装置1は、流路11を備え、当該流路11上に、ポンプ21と、蒸発器22と、膨張機23と、凝縮器24と、エジェクタ(イジェクタ)30と、流量調整バルブ40と、を有している。流路11には、作動媒体Mが循環される。作動媒体Mとしては、種々のものを用いることができ、ここでは、低沸点媒体であるR134aが用いられている。
ポンプ21は、蒸発器22と凝縮器24との間に設けられ、凝縮器24から流入した作動媒体Mを蒸発器22側へ圧送する。蒸発器22は、ポンプ21の下流側に設けられ、ポンプ21で圧縮された作動媒体Mを加熱して蒸発させる。蒸発器22は、エンジン冷却水Cを高温側熱源として利用して作動媒体Mを加熱する。
蒸発器22は、熱媒L1が流れる流路26と、流路26上に設けられエンジン冷却水Cと熱媒L1との間で熱交換させる熱交換器27と、を有している。蒸発器22では、熱交換器27で吸熱して加熱された熱媒L1と蒸発器22内を流れる作動媒体Mとの間の熱交換により、作動媒体Mが加熱される。なお、蒸発器22は、流路26及び熱交換器27を有さず、エンジン冷却水Cと作動媒体Mとの間で直接的に熱交換を行なって作動媒体Mを加熱する構成であってもよい。また、蒸発器22は、エンジンの排気ガス、又はEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガス等の廃熱を熱源として利用するものであってもよい。
膨張機23は、蒸発器22の下流側に設けられている。膨張機23は、作動媒体Mが膨張することにより回転され、作動媒体Mから仕事としてエネルギーを回収すると共に、回収した仕事を出力する。膨張機23としては、例えばタービン等が用いられる。膨張機23は、機械出力を出力してもよいし、発電機が接続されて電気出力を出力してもよい。
凝縮器24は、膨張機23の下流側に設けられ、作動媒体Mを冷却して凝縮させる。凝縮器24は、例えば車両が走行する際の走行風Wを低温側熱源として利用して作動媒体Mを冷却する。凝縮器24は、熱媒L2が流れる流路28と、流路28上に設けられ、走行風Wと熱媒L2との間で熱交換させる熱交換器(サブラジエータ)29と、を有している。凝縮器24では、熱交換器29で放熱して冷却された熱媒L2と凝縮器24内を流れる作動媒体Mとの間の熱交換により、作動媒体Mが冷却される。なお、凝縮器24は、流路28及び熱交換器29を有さず、走行風Wと作動媒体Mとの間で直接的に熱交換を行なって作動媒体Mを冷却する構成であってもよい。
流路11は、配管等により構成されている。流路11は、凝縮器24及び蒸発器22に接続された流路12(第2流路)と、蒸発器22及び膨張機23に接続された流路13と、膨張機23及び凝縮器24に接続された流路14(第1流路)と、流路12及びエジェクタ30に接続された流路15(第3流路)と、を含んで構成されている。流路14は、エジェクタ30よりも上流側の上流部14aと、エジェクタ30よりも下流側の下流部14bとにより構成されている。流路15は、流量調整バルブ40よりも上流側の上流部15aと、流量調整バルブ40よりも下流側の下流部15bとにより構成されている。
流路12は、凝縮器24から蒸発器22へ液相の作動媒体Mを流通させる。この流路12上には、上記ポンプ21が設けられている。ポンプ21は、流路12を流れる液相の作動媒体Mを蒸発器22側へ送出する。流路13は、蒸発器22から膨張機23へ気相の作動媒体Mを流通させる。流路14は、膨張機23から凝縮器24へ気相の作動媒体Mを流通させる。流路15は、流路12におけるポンプ21の下流側を流れる液相の作動媒体Mの一部を流通させる。
流路14上には、エジェクタ30が設けられている。エジェクタ30は、下流部15bから作動媒体Mが流通されることにより、上流部14aを流れる作動媒体Mを凝縮器24側へ導く。
一例として、エジェクタ30は、図2に示されるように、高圧側流路31と、高圧側流路31の周囲を囲うように設けられた断面環状の低圧側流路32と、高圧側流路31の下流側及び低圧側流路32の下流側が合流する合流部33と、合流部33よりも大きい断面積を有する拡大部34と、を有している。
高圧側流路31は、上流側の端部において下流部15bに接続され、下流側において徐々に先細り形状となって合流部33の内側に開口している。低圧側流路32は、上流側の端部において上流部14aに接続され、下流側において徐々に先細り形状となって合流部33の上流側と連続するように構成されている。合流部33は、拡大部34の上流側と連続するように構成され、拡大部34は、下流側の端部において下流部14bに接続されている。
エジェクタ30には、ポンプ21によって送出される液相の作動媒体Mが、下流部15bを介して高圧側流路31に流通される。エジェクタ30には、蒸発器22によって加熱され且つ膨張機23によって圧力が低下された気相の作動媒体Mが、上流部14aを介して低圧側流路32に流通される。よって、高圧側流路31からの作動媒体Mは、低圧側流路32からの作動媒体Mよりも高圧とされている。低圧側流路32からの作動媒体Mは、高圧側流路31からの作動媒体Mよりも高温とされている。そのため、作動媒体Mが高圧側流路31から合流部33に流れ込む際、高圧側流路31からの作動媒体Mが低圧側流路32からの作動媒体Mによって加熱される。合流部33において合流した作動媒体Mは、拡大部34において減速されて圧力が増加する。
エジェクタ30は、下流部15bから高圧側流路31に流れる作動媒体Mとの圧力差によって、上流部14aを流れる作動媒体Mをエジェクタ30側へ導く。これにより、上流部14aにおける作動媒体Mの圧力が低下し、膨張機23の膨張比(後述)が変化する。エジェクタ30によれば、ポンプ21とは別のポンプ等の動力を用いることなく、下流部15bから高圧側流路31に流れる作動媒体M(すなわち、エジェクタ30に流通される作動媒体Mの流量であるエジェクタ流量)の流量に応じて、膨張機23の膨張比を変化させることができる。
流路15上には、流量調整バルブ40が設けられている。流量調整バルブ40は、エジェクタ流量を調整する。また、流量調整バルブ40では、例えば上流部15aの液相の作動媒体Mが減圧されると共に、エジェクタ30側に流れる液相の作動媒体Mの流量が減少される。
[廃熱回収装置の動作]
以上のように構成されたランキンサイクル装置1では、流量調整バルブ40が制御されることで、エジェクタ30に流通される作動媒体Mのエジェクタ流量が変化する。エジェクタ流量が変化すると、エジェクタ30によって作動媒体Mが導かれるのに応じて、流路14において膨張機23とエジェクタ30との間(つまり上流部14a)を流れる作動媒体Mの圧力が低下する。その結果、膨張機23の膨張比が増加すると共に、膨張比に応じて膨張機23の出力が増加する。
具体的には、図3に示されるように、膨張機23の出力が増加する。図3は、図1の作動媒体Mの状態変化が示されたモリエル線図である。図3では、横軸に作動媒体Mのエンタルピーが示され、縦軸に作動媒体Mの圧力が示されている。図3には、ランキンサイクル装置1の流路11上の各位置における作動媒体Mの状態として、状態M〜状態Mが示されている。
ランキンサイクル装置1では、ポンプ21の位置において、作動媒体Mの状態が状態Mとなっている。作動媒体Mがポンプ21で送出されると作動媒体Mの圧力が増加し、蒸発器22の入口において作動媒体Mの状態が状態Mとなる。作動媒体Mが蒸発器22で加熱されると作動媒体Mのエンタルピーが増加し、蒸発器22の出口において作動媒体Mの状態が状態Mとなる。作動媒体Mが膨張機23で膨張されると作動媒体Mの圧力及びエンタルピーが減少し、膨張機23の出口において作動媒体Mの状態が状態Mとなる。膨張機23で膨張された作動媒体Mがエジェクタ30の高圧側流路31を流通してきた作動媒体Mと合流すると、作動媒体Mの圧力及びエンタルピーが増加し、凝縮器24の入口において作動媒体Mの状態が状態Mとなる。作動媒体Mが凝縮器24で冷却されると作動媒体Mのエンタルピーが減少し、凝縮器24の出口において作動媒体Mの状態が状態Mとなる。
また、ランキンサイクル装置1では、作動媒体Mがポンプ21で送出された作動媒体Mの一部が下流部15bに流入し、流量調整バルブ40の入口において作動媒体Mの状態が状態Mとなる。作動媒体Mが流量調整バルブ40で減圧されると作動媒体Mの圧力及びエンタルピーが減少し、流量調整バルブ40の出口において作動媒体Mの状態が状態Mとなる。作動媒体Mがエジェクタ30の高圧側流路31を介して合流部33に流入すると、低圧側流路32から作動媒体Mと合流することで加熱されて作動媒体Mのエンタルピーが増加し、作動媒体Mの状態が状態Mとなる。作動媒体Mが合流部33から拡大部34に流入すると、作動媒体Mが減速されて圧力及びエンタルピーが増加し、作動媒体Mの状態が状態Mとなる。
図3のモリエル線図においては、状態Mと状態Mとのエンタルピーの差Hは、蒸発器22における入熱量に相当する。状態Mと状態Mとのエンタルピーの差Hは、凝縮器24における放熱量に相当する。状態Mと状態Mとのエンタルピーの差Hは、上記入熱量と放熱量との差に相当し、ランキンサイクル装置1の出力(いわゆるシステム出力)に相当する。
ここで、例えば図4には、流路15及びエジェクタ30を備えていない従来のランキンサイクル装置の作動媒体Mの状態として、状態M101〜状態M104が示されている。状態M101〜状態M103は、状態M〜状態Mと同様の状態である。入熱量に相当するエンタルピーの差H101は、例えばエンタルピーの差Hと等しい。
図3及び図4に示されるように、エジェクタ30を備えていない従来のランキンサイクル装置の場合、作動媒体Mは、膨張機23の下流側において凝縮器24の入口と同じ圧力を有する状態M104となっている。この点、本実施形態では、膨張機23の下流側の上流部14aを流れる作動媒体Mの圧力がエジェクタ30によって減少されるため、膨張機23の膨張比が大きくなる。これにより、ランキンサイクル装置1の出力に相当するエンタルピーの差Hが、従来のランキンサイクル装置の出力に相当するエンタルピーの差H103よりも大きくなる。その結果、システム出力を増加させることができる。本実施形態では、更に流量調整バルブ40を制御してエジェクタ流量を調整することで、膨張機23の膨張比を調整することができる。つまり、流量調整バルブ40を制御してエジェクタ流量を調整することで、膨張機23の出力の向上を図ることができる。
ランキンサイクル装置1は、エジェクタ流量を調整するために流量調整バルブ40を制御する構成として、ECU[Electronic Control Unit](制御部)50、第1流量センサ51、第2流量センサ52、第1温度センサ53、第2温度センサ54、第1圧力センサ55、及び第2圧力センサ56を備えている。
ECU50は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。ECU50では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU50は、各種パラメータ及びマップを記憶する記憶部(図示省略)を有している。
ECU50は、ポンプ21、流量調整バルブ40、上記各センサ51〜56及びエンジンEに電気的に接続されている。ECU50は、上記各センサ51〜56によって取得された作動媒体Mの温度及び圧力に基づいて膨張機23の出力を算出すると共に、当該出力に基づいて流量調整バルブ40を制御する。
第1流量センサ51は、流路13上に設けられ、作動媒体Mの流量(媒体流量)Qを測定する。媒体流量Qは、蒸発器22及び膨張機23に流通される作動媒体Mの流量(例えば質量流量)である。第1温度センサ53は、流路13上に設けられ、作動媒体Mの温度Tを測定する。温度Tは、膨張機23の上流側の流路13を流れる作動媒体Mの温度である。第1圧力センサ55は、流路13上に設けられ、作動媒体Mの圧力Pを測定する。圧力Pは、膨張機23の上流側の流路13を流れる作動媒体Mの圧力である。
第2流量センサ52は、流路15上に設けられ、作動媒体Mの流量(エジェクタ流量)Qを測定する。エジェクタ流量Qは、流量調整バルブ40によって調整された流量であり、エジェクタ30に流通される作動媒体Mの流量(例えば質量流量)である。第2温度センサ54は、上流部14a上に設けられ、作動媒体Mの温度Tを測定する。温度Tは、膨張機23の下流側の上流部14aを流れる作動媒体Mの温度である。第2圧力センサ56は、上流部14a上に設けられ、作動媒体Mの圧力Pを測定する。圧力Pは、膨張機23の下流側の上流部14aを流れる作動媒体Mの圧力である。
[ECUによる制御処理]
ECU50は、膨張機23の出力の向上を図るための流量調整バルブ40の制御と、ランキンサイクル装置1の連続運転を図るためのポンプ21の制御とを実行する。ECU50が実施する流量調整バルブ40の制御の処理の一例について、図5〜図9を参照しつつ説明する。
[流量調整バルブの制御]
流量調整バルブ40の制御では、ECU50は、所定の制御実施条件の下、膨張機23の出力の向上を図るために、流量調整バルブ40を制御することでエジェクタ流量Qを調整する。図5に示されるように、流量調整バルブ40の制御には、エジェクタ流量Qの第1調整の処理(ステップS10)、システム出力Wの算出の処理(ステップS20)、及び、エジェクタ流量Qの第2調整の処理(ステップS30)が含まれる。
[エジェクタ流量の第1調整の処理]
エジェクタ流量Qの第1調整の処理では、ECU50は、膨張機23の出力の向上を図るために好適な範囲にエジェクタ流量Qが維持されるように、流量調整バルブ40を制御する。ECU50は、例えばエジェクタ流量Qが制御下限Q2minと制御上限Q2maxとの間の流量となるように、流量調整バルブ40を制御する。具体的には、図6に示されるように、エジェクタ流量Qの第1調整の処理には、一例としてステップS11〜ステップS17の処理が含まれる。
制御上限Q2maxは、例えば膨張機23の出力の極大値を与えるエジェクタ流量Qが含まれる流量範囲の上限を規定する上限値である。制御下限Q2minは、例えば膨張機23の出力の極大値を与えるエジェクタ流量Qが含まれる流量範囲の下限を規定する下限値である。膨張機23の出力の極大値の数は、当該流量範囲において1つであってもよいし、複数であってもよい。流量範囲は、膨張機23の出力の極大値を与えるエジェクタ流量Qを含むように例えば実験又はシミュレーション等によって制御下限Q2min及び制御上限Q2maxを予め設定することにより、規定されている。制御下限Q2min及び制御上限Q2maxは、例えばエンジンEの回転数及び燃料噴射量に応じたマップとしてECU50の記憶部に予め記憶されていてもよい。
まず、ECU50は、周知の方法により、エンジンEの回転数及び燃料噴射量を取得する(ステップS11)。ECU50は、第2流量センサ52の出力に基づいて、エジェクタ流量Qを取得する(ステップS12)。ECU50は、エンジンEの回転数及び燃料噴射量に基づいて、制御下限Q2min及び制御上限Q2maxを読み込む(ステップS13)。
続いて、ECU50は、取得したエジェクタ流量Qが制御下限Q2minよりも大きいか否かを判定する(ステップS14)。ECU50は、ステップS14においてエジェクタ流量Qが制御下限Q2min以下であると判定した場合、流量調整バルブ40の開度を増加させる(ステップS15)。これにより、エジェクタ流量Qが増加する。その後、ECU50は、再びステップS11の処理を実行する。
ECU50は、ステップS14においてエジェクタ流量Qが制御下限Q2minよりも大きいと判定した場合、エジェクタ流量Qが制御上限Q2maxよりも小さいか否かを判定する(ステップS16)。ECU50は、ステップS16においてエジェクタ流量Qが制御上限Q2max以上であると判定した場合、流量調整バルブ40の開度を低減させる(ステップS17)。これにより、エジェクタ流量Qが減少する。その後、ECU50は、再びステップS11の処理を実行する。
ECU50は、ステップS16においてエジェクタ流量Qが制御上限Q2maxよりも小さいと判定した場合、取得したエジェクタ流量Qが、膨張機23の出力の極大値を与えるエジェクタ流量Qを含む流量範囲に含まれているとして、エジェクタ流量Qの第1調整の処理を終了する。
[システム出力の算出の処理]
システム出力Wの算出の処理では、ECU50は、温度T、温度T、圧力P、圧力P、媒体流量Q及びエジェクタ流量Qに基づいて、膨張機出力W、実膨張機出力W'、及びシステム出力WをECU50が算出する。具体的には、図7に示されるように、システム出力Wの算出の処理には、一例としてステップS21〜ステップS29の処理が含まれる。
具体的には、ECU50は、上記各センサ53〜56の出力に基づいて、膨張機23の出入口における作動媒体Mの温度及び圧力として、温度T、圧力P、温度T、及び圧力Pを取得する(ステップS21)。ECU50は、上記第1流量センサ51及び第2流量センサ52の出力に基づいて、媒体流量Q及びエジェクタ流量Qを取得する(ステップS22)。ECU50は、下記式(1)に示されるように、作動媒体Mの定圧比熱c、作動媒体Mの比熱比κ、温度T、圧力P、及び圧力Pに基づいて、膨張機23の理論出力である膨張機出力Wを膨張機23の出力として算出する(ステップS23)。
Figure 2019039371
膨張機出力Wは、図8の(a)に示されるように、例えばエジェクタ流量Qに対して単調に増加する傾向を有する。
続いて、ECU50は、下記式(2)に示されるように、圧力P、媒体流量Q、温度T、及び作動媒体Mの密度ρに基づいて、膨張機23における作動媒体Mの修正流量G’を算出する(ステップS24)。
Figure 2019039371
修正流量G’は、標準状態(例えば、圧力が1atm、温度が25℃の状態)に換算した膨張機23の入口における作動媒体Mの流量である。密度ρは、膨張機23の上流側の流路13を流れる作動媒体Mの密度である。
続いて、ECU50は、下記式(3)に示されるように、圧力P及び圧力Pに基づいて、膨張機23の前後における膨張比πを算出する(ステップS25)。
Figure 2019039371
続いて、ECU50は、修正流量G’及び膨張比πに基づいて、膨張機効率ηを取得する(ステップS26)。すなわち、ECU50は、圧力P、圧力P、及び媒体流量Qに基づいて、膨張機23の効率である膨張機効率ηを算出する。
膨張機効率ηは、例えばエジェクタ流量Qに対して増加する傾向を有するが、あるエジェクタ流量Qにおいて最大値となり、当該エジェクタ流量Q以上に対しては減少する傾向を有する。膨張機効率ηは、修正流量G’の値及び膨張比πの値に応じて膨張機効率ηの値が対応付けられたマップとしてECU50の記憶部に予め記憶されていてもよい。ステップS26では、ECU50は、予め記憶されたマップに基づいて膨張機効率ηを取得する。
続いて、ECU50は、下記式(4)に示されるように、膨張機出力Wに膨張機効率ηを反映させた膨張機23の実出力である実膨張機出力W’を膨張機23の出力として算出する(ステップS27)。
Figure 2019039371
実膨張機出力W’は、図8の(a)に示されるように、例えばエジェクタ流量Qに対して増加する傾向を有するが、膨張機効率ηが最大となるエジェクタ流量Qにおいて最大値となり、当該エジェクタ流量Q以上に対しては減少する傾向を有する。
続いて、ECU50は、下記式(5)に示されるように、流量Q及び流量Qの和、並びに圧力Pに基づいて、ポンプ21の損失であるポンプ駆動力Wを算出する(ステップS28)。流量Q及び流量Qの和は、ポンプ21が送出する作動媒体Mの流量である。
Figure 2019039371
ポンプ駆動力Wは、図8の(b)に示されるように、ポンプの相似則に従って、ポンプ21が送出する作動媒体Mの流量の例えば3乗に比例に対して増加する傾向を有する。
続いて、ECU50は、下記式(6)に示されるように、実膨張機出力W’tとポンプ駆動力Wとの差に基づいて、ランキンサイクル装置1の正味出力であるシステム出力Wを算出する(ステップS29)。
Figure 2019039371
このシステム出力Wには、ポンプ駆動力Wが加味されている。そのため、システム出力Wは、図8の(a)に示されるように、例えばエジェクタ流量Qに対して増加する傾向を有するが、あるエジェクタ流量Qにおいて最大値(極大値)となり、当該エジェクタ流量Q以上に対しては減少する傾向を有する。ステップS29においてシステム出力Wを算出した後、ECU50は、システム出力Wの算出の処理を終了する。
[エジェクタ流量の第2調整の処理]
エジェクタ流量Qの第2調整の処理では、ECU50は、算出したシステム出力Wに基づいて、システム出力Wが極大値となるような流量にエジェクタ流量Qを調整(探索)するように、ECU50が流量調整バルブ40を制御する。ECU50は、例えば、エジェクタ流量Qの時間変化及びシステム出力Wの時間変化に基づいて、システム出力Wが極大値に近付くように流量調整バルブ40を制御する。具体的には、図9に示されるように、エジェクタ流量Qの第2調整の処理には、一例としてステップS31〜ステップS39の処理が含まれる。
エジェクタ流量Qの第2調整では、システム出力Wの時間変化について不感帯Wsminが設定されている。まず、ECU50は、下記式(7)に示されるように、システム出力Wの時間変化の絶対値が不感帯Wsminよりも大きいか否かを判定する(ステップS31)。不感帯Wsminは、予め設定された所定の閾値であり、例えばECU50の記憶部に予め記憶されている。
Figure 2019039371
ステップS31においてシステム出力Wの時間変化の絶対値が不感帯Wsminよりも大きいと判定された場合、ECU50は、下記式(8)に示されるように、エジェクタ流量Qが増加するように時間変化しているか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32においてエジェクタ流量Qが増加するように時間変化していると判定された場合、ECU50は、下記式(9)に示されるように、システム出力Wが増加するように時間変化しているか否かを判定する(ステップS33)。
Figure 2019039371

Figure 2019039371
ステップS33においてシステム出力Wが増加するように時間変化していると判定された場合、ECU50は、流量調整バルブ40の開度を増加させる(ステップS34)。これにより、システム出力Wが更に増加するように、エジェクタ流量Qが更に増加する。一方、ステップS33においてシステム出力Wが減少するように時間変化していると判定された場合、ECU50は、流量調整バルブ40の開度を低減させる(ステップS35)。これにより、システム出力Wが減少するのを抑制するように、エジェクタ流量Qが減少する。
他方、ステップS32においてエジェクタ流量Qが減少するように又は変化しないように時間変化していると判定された場合、ECU50は、上記式(9)に示されるように、システム出力Wが増加するように時間変化しているか否かを判定する(ステップS36)。
ステップS36においてシステム出力Wが増加するように時間変化していると判定された場合、ECU50は、流量調整バルブ40の開度を低減させる(ステップS37)。これにより、システム出力Wが更に増加するように、エジェクタ流量Qが減少する。一方、ステップS36においてシステム出力Wが減少するように時間変化していると判定された場合、ECU50は、流量調整バルブ40の開度を増加させる(ステップS38)。これにより、システム出力Wが減少するのを抑制するように、エジェクタ流量Qが増加する。
また他方、ステップS31においてシステム出力Wの時間変化の絶対値が不感帯Wsmin以下であると判定された場合、ECU50は、流量調整バルブ40の開度を保持するように、流量調整バルブ40を制御する(ステップS39)。ステップS39では、エジェクタ流量Qを調整した結果システム出力Wが増加して概ね極大値に至ったとして、ECU50は、流量調整バルブ40の開度を保持することで当該エジェクタ流量Qを保持する。
なお、ステップS34,S35,S37,S38,及びS39の後において、ECU50は、エジェクタ流量の第2調整の処理を終了する。これにより、ECU50は、当該演算周期における流量調整バルブ40の制御を終了し、次回の演算周期において、所定の制御実施条件の下、改めて流量調整バルブ40の制御を開始する。
[ポンプの制御]
次に、ランキンサイクル装置1の連続運転を図るための、ECU50が実施するポンプ21の制御の処理の一例について、図10を参照しつつ説明する。なお、ポンプ21の制御は、例えば、上記流量調整バルブ40の制御とは並行するように、互いに独立してECU50により実行される。
ポンプ21の制御では、ECU50は、所定の制御実施条件の下、ポンプ21の回転数を制御することで、図3に示されるモリエル線図における状態M〜状態Mで示されるサイクルを辿る作動媒体Mの状態変化が継続されるように媒体流量Qを調整する。ECU50は、例えば、蒸発器22において作動媒体Mに入熱される入熱量に基づいて、蒸発器22に流通される作動媒体Mの目標流量Q1tを算出し、蒸発器22に流通される作動媒体Mの実流量である媒体流量Qが目標流量Q1tとなるように、ポンプ21を制御する。具体的には、図10に示されるように、ポンプ21の制御の処理には、一例としてステップS41〜ステップS47の処理が含まれる。
まず、ECU50は、周知の方法により、エンジンEの回転数及び燃料噴射量を取得する(ステップS41)。ECU50は、第1流量センサ51の出力に基づいて、媒体流量Qを取得する(ステップS42)。ECU50は、エンジンEの回転数及び燃料噴射量に基づいて、エンジンEのエンジン廃熱量Hを推定する(ステップS43)。
エンジン廃熱量Hは、エンジンEの回転数及び燃料噴射量(すなわちエンジンEの負荷)に応じた、例えばエンジンEの排気ガス等が有する廃熱量である。エンジン廃熱量Hは、例えばエンジンEの回転数及び燃料噴射量に応じたマップとしてECU50の記憶部に予め記憶されていてもよい。
続いて、ECU50は、下記式(10)に示されるように、エンジン廃熱量Hと、Δhと、ρと、に基づいて、目標流量Q1tを算出する(ステップS44)。Δhは、エンタルピーの差H(図3参照)と等しいエンタルピー差である。ρは、温度T及び圧力Pに基づいて算出される作動媒体Mの密度である。
Figure 2019039371
目標流量Q1tは、エンジン廃熱量Hを過不足なく回収可能な作動媒体Mの流量の目標値である。エンジン廃熱量Hを過不足なく回収可能とは、例えばエジェクタ流量Qが変化することで蒸発器22側に流れる作動媒体Mの流量が変化した場合でも、エンジン廃熱量Hを吸熱することが可能であって、エンジン廃熱量Hに対応するエンタルピーの差H(図3参照)だけエンタルピーが増加することによって作動媒体Mが液相から気相へと状態変化を起こすことが可能であることを意味する。
続いて、ECU50は、取得した媒体流量Qが目標流量Q1tよりも小さいか否かを判定する(ステップS45)。ECU50は、ステップS45において媒体流量Qが目標流量Q1tよりも小さいと判定した場合、ポンプ21の回転数を増加させる(ステップS46)。これにより、媒体流量Qが増加する。一方、ECU50は、ステップS45において媒体流量Qが目標流量Q1t以上であると判定した場合、ポンプ21の回転数を低減させる(ステップS47)。これにより、媒体流量Qが減少する。
ステップS46及びS47の後において、ECU50は、ポンプ21の制御の処理を終了する。これにより、ECU50は、当該演算周期におけるポンプ21の制御を終了し、次回の演算周期において、所定の制御実施条件の下、改めてポンプ21の制御を開始する。
[作用及び効果]
以上説明したように、廃熱回収装置100では、流量調整バルブ40が制御されることで、エジェクタ30に流通される作動媒体Mのエジェクタ流量Qが変化する。エジェクタ流量Qが変化すると、エジェクタ30によって作動媒体Mが導かれるのに応じて、流路14において膨張機23とエジェクタ30との間(上流部14a)を流れる作動媒体Mの圧力Pが低下する。その結果、膨張機23の膨張比πが増加すると共に、膨張比πに応じて膨張機23の出力が増加する。つまり、流量調整バルブ40を制御してエジェクタ流量Qを調整することで、膨張機23の出力の向上を図ることができる。よって、この廃熱回収装置100によれば、膨張機23をより効率的に作動させることが可能となり、廃熱回収効率を効果的に向上することができる。
廃熱回収装置100では、ECU50は、膨張機23の上流側を流れる作動媒体Mの温度T及び圧力P、並びに膨張機23の下流側を流れる作動媒体Mの温度T及び圧力Pに基づいて、膨張機23の理論出力である膨張機出力Wを算出する。ECU50は、圧力P、圧力P及び膨張機23に流通される作動媒体Mの流量(媒体流量Q)に基づいて、膨張機効率ηを算出する。ECU50は、膨張機出力Wに膨張機効率ηを反映させた膨張機23の実出力である実膨張機出力W'を膨張機23の出力として算出する。これにより、実膨張機出力W'に応じてエジェクタ流量Qを調整することで、膨張機効率ηに応じて廃熱回収効率の向上を図ることが可能となる。
廃熱回収装置100では、ECU50は、ポンプ21が送出する作動媒体Mの流量(媒体流量Q及びエジェクタ流量Qの和)に基づいてポンプ21の損失であるポンプ駆動力Wを算出する。ECU50は、実膨張機出力W'とポンプ駆動力Wとの差に基づいてランキンサイクル装置1の正味出力であるシステム出力Wを算出する。エジェクタ流量Qの時間変化及びシステム出力Wの時間変化に基づいて、システム出力Wが極大値に近付くように流量調整バルブ40を制御する。ポンプ駆動力Wは、ポンプ21が送出する作動媒体Mの流量の例えば3乗に比例して増加する。そのため、エジェクタ流量Qを変化させた場合、一般的に、ポンプ駆動力Wを加味したシステム出力Wには、あるエジェクタ流量Qにおいて極大値が存在する。そこで、エジェクタ流量Qの時間変化及びシステム出力Wの時間変化に基づいて流量調整バルブ40を制御することで、極大値に近付くようにシステム出力Wの増加を図ることができる。その結果、廃熱回収効率を一層効果的に向上することができる。
廃熱回収装置100では、ECU50は、蒸発器22において作動媒体Mに入熱される入熱量であるエンジン廃熱量Hに基づいて、蒸発器22に流通される作動媒体Mの目標流量Q1tを算出し、蒸発器22に流通される作動媒体Mの実流量である媒体流量Qが目標流量Q1tとなるようにポンプ21を制御する。これにより、例えば作動媒体Mへの入熱量が過大となることで作動媒体Mが過熱により分解されることを回避しつつ、作動媒体Mを蒸発器22において確実に気化させることができる。よって、廃熱回収装置100を連続的に作動させることができる。
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、第1流量センサ51及び第2流量センサ52は、作動媒体Mの質量流量を測定するセンサであったが、体積流量を測定するセンサであってもよい。この場合、ECU50は、測定した体積流量に基づいて作動媒体Mの質量流量を算出することで、上記実施形態と同様の処理を実行することができる。
上記実施形態では、膨張機23の入口における作動媒体Mの温度及び圧力(温度T及び圧力P)を、第1温度センサ53及び第1圧力センサ55を用いて測定したが、例えば、第1温度センサ53の出力に基づいて圧力Pを推定してもよいし、第1圧力センサ55の出力に基づいて温度Tを推定してもよい。
上記実施形態では、膨張機23の出口における作動媒体Mの温度及び圧力(温度T及び圧力P)を、第2温度センサ54及び第2圧力センサ56を用いて測定したが、例えば、第2温度センサ54の出力に基づいて圧力Pを推定してもよいし、第2圧力センサ56の出力に基づいて温度Tを推定してもよい。
上記実施形態では、ECU50は、膨張機効率η及びポンプ駆動力Wを加味したシステム出力Wに基づいて流量調整バルブ40を制御したが、エジェクタ流量Qに対して極大値を有するものであれば、膨張機効率η及びポンプ駆動力Wの少なくとも一方を加味しないランキンサイクル装置1の出力に基づいて流量調整バルブ40を制御してもよい。
上記実施形態では、膨張機効率η及びエンジン廃熱量Hは、マップとしてECU50の記憶部に予め記憶されていたが、ECU50によって所定の演算式により算出されるものであってもよい。
例えば、上記実施形態では、エンジンEを高温熱源として蒸発器22において作動媒体Mが加熱されたが、高温熱源はエンジンEに限定されない。走行風Wを低温熱源として凝縮器24において作動媒体Mが冷却されたが、低温熱源は走行風Wに限定されない。
上記実施形態では、流路15の上流部15aは、流路12におけるポンプ21の下流側に接続されていたが、流路13における蒸発器22の下流側に接続されていてもよい。
1…ランキンサイクル装置、12…流路(第2流路)、14…流路(第1流路)、15…流路(第3流路)、21…ポンプ、22…蒸発器、23…膨張機、24…凝縮器、30…エジェクタ、40…流量調整バルブ(バルブ)、50…ECU(制御部)、100…廃熱回収装置、E…エンジン、H…エンジン廃熱量(入熱量)、M…作動媒体、P,P…圧力、Q…媒体流量(作動媒体の流量、実流量)、Q1t…目標流量、Q…エジェクタ流量、T,T…温度、W…ポンプ駆動力(ポンプの損失)、W…膨張機出力(出力、理論出力)、W’…実膨張機出力(出力、実出力)、W…システム出力(出力、正味出力)、Wsmin…不感帯(閾値)、η…膨張機効率(効率)。

Claims (4)

  1. 作動媒体が循環されるランキンサイクル装置を備える廃熱回収装置であって、
    膨張機から凝縮器へ作動媒体を流通させる第1流路と、
    前記凝縮器から蒸発器へ前記作動媒体を流通させる第2流路と、
    前記第2流路上に設けられ、前記第2流路を流れる前記作動媒体を前記蒸発器側へ送出するポンプと、
    前記第1流路上に設けられ、前記ポンプの下流側を流れる前記作動媒体の一部が第3流路を介して流通されることにより、前記第1流路を流れる前記作動媒体を前記凝縮器側へ導くエジェクタと、
    前記第3流路上に設けられ、前記エジェクタに流通される前記作動媒体のエジェクタ流量を調整するバルブと、
    前記作動媒体の温度及び圧力に基づいて前記膨張機の出力を算出すると共に、前記出力に基づいて前記バルブを制御する制御部と、を備える、廃熱回収装置。
  2. 前記制御部は、
    前記膨張機の上流側を流れる前記作動媒体の温度及び圧力、並びに前記膨張機の下流側を流れる前記作動媒体の温度及び圧力に基づいて、前記膨張機の理論出力を算出し、
    前記膨張機の上流側を流れる前記作動媒体の圧力、前記膨張機の下流側を流れる前記作動媒体の圧力、及び、前記膨張機に流通される前記作動媒体の流量に基づいて、前記膨張機の効率を算出し、
    前記理論出力に前記効率を反映させた前記膨張機の実出力を前記膨張機の出力として算出する、請求項1記載の廃熱回収装置。
  3. 前記制御部は、
    前記ポンプが送出する前記作動媒体の流量に基づいて前記ポンプの損失を算出し、
    前記出力と前記損失との差に基づいて前記ランキンサイクル装置の正味出力を算出し、
    前記エジェクタ流量の時間変化及び前記正味出力の時間変化に基づいて、前記正味出力が極大値に近付くように前記バルブを制御する、請求項1又は2記載の廃熱回収装置。
  4. 前記制御部は、
    前記蒸発器において前記作動媒体に入熱される入熱量に基づいて、前記蒸発器に流通される前記作動媒体の目標流量を算出し、
    前記蒸発器に流通される前記作動媒体の実流量が前記目標流量となるように前記ポンプを制御する、請求項1〜3の何れか一項記載の廃熱回収装置。
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