JP2018013046A - ランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランキンサイクルシステムの蒸発器に熱を供給する熱源の状態が変動した場合でも、作動流体用ポンプのポンプ回転数を迅速に調整して、適切な作動流体の流量で駆動できるランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法を提供する。
【解決手段】ランキンサイクルシステム10の作動流体用ポンプのポンプ回転数Npの制御に際して、初期値更新時間ごとに熱源Gの状態に対応した初期ポンプ回転数値Npsを算出して、この初期ポンプ回転数値Npsをポンプ回転数Npの初期値Nsにして、初期値更新時間の間、初期値更新時間よりも短いフィードバック制御用時間の時間間隔で、膨張機に流入する作動流体の過熱度Shが予め設定された目標過熱度になるように、ポンプ回転数Npをフィードバック制御する。
【選択図】図7
【解決手段】ランキンサイクルシステム10の作動流体用ポンプのポンプ回転数Npの制御に際して、初期値更新時間ごとに熱源Gの状態に対応した初期ポンプ回転数値Npsを算出して、この初期ポンプ回転数値Npsをポンプ回転数Npの初期値Nsにして、初期値更新時間の間、初期値更新時間よりも短いフィードバック制御用時間の時間間隔で、膨張機に流入する作動流体の過熱度Shが予め設定された目標過熱度になるように、ポンプ回転数Npをフィードバック制御する。
【選択図】図7
Description
本発明は、蒸発器の熱源の状態が変動しても適切な作動流体の流量で駆動するランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法に関する。
車両に搭載した内燃機関等の排熱を利用するランキンサイクルシステムとして、内燃機関の冷却水の入口温度、出口温度及び内燃機関の回転数に基づいて、作動流体の流量制御と、作動流体を外気により冷却するコンデンサに外気を送風するコンデンサファンの回転数制御を行う内燃機関の廃熱回収装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この内燃機関の廃熱回収装置では、車両走行時の廃熱状態に応じて作動流体の流量を制御することで、最適作動流体流量制御が可能になると共に、作動流体用ポンプを作動させる消費エネルギーを抑制でき、廃熱回収効率の向上が図れるとされている。そして、具体的には、エンジン回転数によって冷却水ポンプの回転数が変化して、エバポレータに流れ込む冷却水によってもたらす熱量の変化に対して、作動流体用ポンプの回転数を変えることで対応している。
一方、ランキンサイクルシステムの作動流体の流量の調整は、作動流体用ポンプのポンプ回転数で調整されているが、ランキンサイクルシステムで最適となる目標過熱度を設定して、ランキンサイクルシステムが確実に作動するように、膨張機の入口の作動流体の過熱度を監視し、過熱度が目標過熱度になるように作動流体用ポンプのポンプ回転数をフィードバック制御しているランキンサイクルシステムがある。
しかしながら、このようなランキンサイクルシステムでは、最初にポンプ回転数の初期値を入力した後は、そのままフィードバック制御を続けるだけであるため、エンジンの運転状態が非定常な状態に入り、熱源の状態が大きく変動したときに、その時の制御量であるポンプ回転数が変動中の初期値として適切でないとシステムによっては制御が不可能になったり、応答遅れが生じたりするおそれがあった。
本発明の目的は、ランキンサイクルシステムの蒸発器に熱を供給する熱源の状態が変動した場合でも、作動流体用ポンプのポンプ回転数を迅速に調整して、適切な作動流体の流量で駆動できるランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明のランキンサイクルシステムは、作動流体を貯蔵する作動流体用容器と、該作動流体用容器の作動流体を還流させる作動流体用ポンプと、外部の熱源からの熱を受けて作動流体を気化させる蒸発器と、気化した作動流体から駆動力を取り出す膨張機と、外部に熱を放出して作動流体を液化させる凝縮器とを有してなるランキンサイクルシステムにおいて、前記作動流体用ポンプのポンプ回転数の制御に際して、初期値更新時間ごとに前記熱源の状態に対応した初期ポンプ回転数値を算出して、この初期ポンプ回転数値をポンプ回転数の初期値にして、前記初期値更新時間の間、前記初期値更新時間よりも短いフィードバック制御用時間の時間間隔で、前記膨張機に流入する作動流体の過熱度が予め設定された目標過熱度になるように、ポンプ回転数をフィードバック制御するように構成された制御装置を備えていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明のランキンサイクルシステムの制御方法は、作動流体を貯蔵する作動流体用容器と、該作動流体用容器の作動流体を還流させる作動流体用ポンプと、外部の熱源からの熱を受けて作動流体を気化させる蒸発器と、気化した作動流体から駆動力を取り出す膨張機と、外部に熱を放出して作動流体を液化させる凝縮器とを有してなるランキンサイクルシステムの制御方法において、前記作動流体用ポンプのポンプ回転数の制御に際して、初期値更新時間ごとに前記熱源の状態に対応した初期ポンプ回転数値を算出して、この初期ポンプ回転数値をポンプ回転数の初期値にして、前記初期値更新時間の間、前記初期値更新時間よりも短いフィードバック制御用時間の時間間隔で、前記膨張機に流入する作動流体の過熱度が予め設定された目標過熱度になるように、ポンプ回転数をフィードバック制御することを特徴とする制御方法である。
本発明のランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法によれば、ランキンサイクルシステムの蒸発器に熱を供給する熱源の状態が変動した場合でも、作動流体用ポンプのポンプ回転数を迅速に調整して、適切な作動流体の流量でランキンサイクルシステムを駆動することができる。
以下、本発明に係る実施の形態のランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように ランキンサイクルシステム10は、車両に搭載されたディーゼルエンジン(図示しない)の排気ガスG等の排熱を利用するものであり、作動流体Fwを貯蔵する作動流体用容器11と、この作動流体用容器11の作動流体Fwを還流させる作動流体用ポンプ12と、外部の熱源からの熱を受けて作動流体Fwを気化させる蒸発器13と、気化した作動流体Fwから駆動力を取り出す膨張機14と、外部に熱を放出して作動流体Fwを液化させる凝縮器15とを有して構成され、これらの間を作動流体用流路21〜25で接続している。また、さらに、膨張機14を迂回するバイパス流路26が設けられ、このバイパス流路26には、流路を開閉する流路開閉弁16が設けられている。
このランキンシステム10では、作動流体用ポンプ12のポンプ回転数Npの制御も含めて、各機器の制御を行う制御装置30が設けられ、膨張機14に流入する作動流体Fwの温度Tmと圧力Pmを検出するための温度検出器31と圧力検出器32とが配設されている。また、蒸発器13及び凝縮器15の入口には、作動流体Fwの圧力Pを調整する、減圧弁や背圧弁などで構成される圧力調整手段33、34がそれぞれ設置されている。これらの圧力調整手段33、34は遠隔操作可能に構成される。
そして、この作動流体Fwには、水とエタノール、水とメタノール、又は水とエチレングリコールなどの二成分系の混合媒体を用いることが好ましいが、純水やエタノールのみやフッ素化合物などのフロン系の冷媒を用いてよい。この混合媒体としては、ここでは、水とエタノールのモル比が50%:50%である混合媒体を用いて説明する。
また、蒸発器13は、ボイラーなどで構成され、蒸発器13における熱源としては、車載のディーゼルエンジンの排気ガスG、特に、後処理装置(図示しない)を通過した後の排気ガスGを熱源としているが、EGRガス、過給器で圧縮された吸入空気、エンジン本体で吸熱後の冷却水、ラジエータで放熱後の冷却水などを熱源にしてもよい。
膨張機14は、タービンなどで構成されて、取り出したエネルギーの用途により、タービン軸14aが、エンジンを回転補助(アシスト)する場合は、エンジンのクランク軸が接続され、発電に用いる場合は、発電機(図示しない)が連結される。この発電した電力は、バッテリー(図示しない)に充電されて、エンジンを搭載している車両(図示しない)の電装部品(図示しない)等の電源とする。
凝縮器15は、復水器ともよばれ、空冷の場合は、冷却ファン(図示しない)が配置され、外気により冷却される。また、水冷の場合には、エンジンのラジエータやサブラジエータから出たエンジン用の冷却水やインタークーラー用の冷却水により冷却される。
このランキンサイクルシステム10では、作動流体用容器11に貯蔵されている作動流体を作動流体用ポンプ12により液体の状態(C1)で圧縮して循環させて(Win)、圧縮された液体の状態(C2)で、蒸発器13に送り、この蒸発器13で、排気ガスGからの熱を受けて(Qin)、作動流体を気化させて過熱蒸気とする。そして、この気化して定圧的に加熱された高圧の過熱蒸気の状態(C3)の作動流体を膨張機14で断熱膨張させて駆動力を取り出し(Wout)、この低圧となった気体の状態(C4)の作動流体を凝縮器15に送り、この凝縮器15で、外部に熱を放出して(Qout)作動流体を液化させ、これを作動流体用容器11に送っている。
この作動流体Fwの循環における状態の様子を図2の作動流体(混合媒体)のP−V(圧力―体積)線図と、図3に示す作動流体のT−s(温度―エントロピー)線図で示すように、状態C1〜状態C2の間は作動流体用ポンプ12による断熱圧縮で、状態C2〜状態C3の間は蒸発器13による等圧加熱(等圧受熱)で、状態C3〜状態C4の間は膨張機14による断熱膨張で、状態C4〜状態C1の間は凝縮器15による等圧冷却(等圧放熱)となる。
このランキンシステム10では、蒸発器13及び凝縮器15の入口における圧力調整手段33、34における調整後の出口圧力(調整圧力)として、作動流体Fwの飽和液線上及び飽和蒸気線上において、蒸発器13の熱源(排気ガス)Gの温度及び凝縮器15の冷却源(空気)Aの温度にそれぞれ対応する圧力を設定する。
この圧力設定としては、例えば、蒸発器13の入口に設置された圧力調整手段33の調整圧力として、気相線上において熱源(排気ガス)Gの温度(例えば、約180℃)に対応する圧力(例えば、約1600kPa)を設定する。これにより、蒸発器13内で作動流体Fwの蒸発不足の発生を抑制して、熱源Gと作動流体Fwとの間で確実な熱交換が実施されるようにする。
一方、凝縮器15の入口に設置された圧力調整手段34の調整圧力として、液相線上において冷却源(冷却ファンによる冷却風)Aの温度(例えば、約160℃)に対応する圧力(例えば、約1400kPa)を設定する。これにより、凝縮器15内で作動流体Fwの凝縮不足の発生を抑制して、冷却源Aと作動流体Fwとの間で確実な熱交換が実施されるようにする。
このように、予め設定され、制御装置30に記憶されている作動流体Fwの飽和液線及び飽和蒸気線のマップデータに基づいて、作動流体Fwの適切な温度及び圧力を設定して、ランキンサイクルシステム10における蒸発器13及び凝縮器15において確実な熱交換が実施されるようにする。これにより、高い効率で排熱の回生を行うことができる。
そして、本発明においては、作動流体用ポンプ12のポンプ回転数Npの制御で、ランキンサイクルシステム10の作動流量Fwを調整する。このポンプ回転数Npはランキンサイクルシステム10が確実に作動するように膨張機14の入口の蒸気状態の作動流体Fwの過熱度Shを監視(モニタ)し、希望する過熱度である制御目標の目標過熱度Shtになるように調整する。
この過熱度Shは、特定の圧力下で蒸気状態の作動流体Fwの温度が飽和温度から何度高いかを示すものであり、圧力検出器32で測定した測定圧力Pmと温度検出器31で検出した測定温度Tmを基に、例えば図4に示すような飽和水蒸気圧の図から測定圧力Pmにおける飽和温度Tvを求めて、測定温度Tmからこの飽和温度Tvを引き算することで、過熱度Shを求める。つまり、「Sh=Tm−Tv」となる。
この過熱度Shが高いと膨張機14におけるエネルギー回収が不十分となり、過熱度Shが低いと膨張機14の出口で作動流体Fwの一部が液化することにより、膨張機14に損傷が生じたりするので、適切な過熱度Shでランキンサイクルシステム10を運転することが重要となる。
そのため、このポンプ回転数Npの制御においては、ポンプ回転数Npを直接の目標にするのではなく、制御の目標として目標過熱度Shtを設定して、過熱度Shが目標過熱度Shtになるようにポンプ回転数Npをフィードバック制御している。
しかしながら、エンジンが過渡運転状態に入り、エンジンの運転状態が変化したりして、熱源Gの状態が大きく変動した場合には、その時のポンプ回転数Npが適切な値でないと制御が収束せずに不安定になったり、応答遅れが大きくなったりする可能性がある。
これに対応するために、本発明では、制御装置30は、作動流体用ポンプ12のポンプ回転数Npの制御に際して、初期値更新時間Δtsごとに熱源Gの状態に対応した初期ポンプ回転数値Npsを算出する。この初期ポンプ回転数値Npsをポンプ回転数Npの初期値にして、前記初期値更新時間Δtsの間、この前記初期値更新時間Δtsよりも短いフィードバック制御用時間Δtbの時間間隔で、膨張機14に流入する作動流体Fwの過熱度Shが予め設定された目標過熱度Shtになるように、ポンプ回転数Npをフィードバック制御するように構成される。
この初期ポンプ回転数値Npsは、熱源Gの変動の原因となっているエンジンの運転状態に基づいて設定する。例えば、予め実験などにより、エンジンの運転状態を表すエンジン回転数Neと負荷Qに基づいて適切な値となる初期ポンプ回転数値Nps(Ne,Q)を求めてマップデータMdnや関数などとして設定しておき、ポンプ回転数値Npの制御における、初期ポンプ回転数値Npsの設定時に、エンジン回転数Neと負荷Q(エンジン運転状態)を検出又は入力して、このエンジン回転数Neと負荷Qに対する初期ポンプ回転数値Npsを、マップデータMdnを参照したり、関数計算したりして求める。
また、この初期ポンプ回転数値Npsを更新する時間間隔である初期値更新時間Δtsは、エンジンの運転状態の変化が大きいほど変化させるのが好ましいので、エンジン回転数Neの変化量(あるいは、変化率、時間変分等)ΔNe又は負荷Qの変化量(あるいは、変化率、時間変分等)ΔQの絶対値の大きさにより、絶対値の大きさが大きくなるにしたがって、短くなるように初期値更新時間Δtsを変化させることが好ましい。そのため、初期値更新時間Δtsに関しても、エンジン回転数Neの変化量ΔNeと負荷Qの変化量ΔQに対して適切な値となる初期値更新時間Δts(ΔNe,ΔQ)を求めてマップデータMdtや関数などとして設定しておく。
さらには、この初期値更新時間Δtsの長短に従って、フィードバック制御用時間Δtbも変更する。なお、ランキンシステム10の構成や規模(容量)にもよるが、例えば、初期値更新時間Δtsは1秒〜数秒程度で、フィードバック制御用時間Δtbは、初期値更新時間Δtsの十分の1オーダー程度である。
次に、本発明の実施の形態のランキンサイクルシステムの制御方法について、図5に示す制御フロー、図6に示す制御系を示す図、及び、図7に示す説明図を参照しながら説明する。このランキンサイクルシステムの制御方法は、作動流体Fwを貯蔵する作動流体用容器11と、この作動流体用容器11の作動流体Fwを還流させる作動流体用ポンプ12と、外部の熱源Gからの熱を受けて作動流体Fwを気化させる蒸発器13と、気化した作動流体Fwから駆動力を取り出す膨張機14と、外部Aに熱を放出して作動流体Fwを液化させる凝縮器15とを有してなるランキンサイクルシステム10の制御方法である。
このランキンサイクルシステム10の制御方法では、エンジンが始動すると図5の制御フローが上級の制御フローから呼ばれてスタートし、エンジンが停止すると上級の制御フローにリターンして、上級の制御フローの終了と共に終了する。
この図5の制御フローがスタートすると、ステップS11で、初期値更新時間Δtsとフィードバック制御用時間Δtbとをリセットして、予め設定した初期値更新時間標準値Δts0と、フィードバック制御用時間標準値Δtb0に設定する。また、目標過熱度Sht、エンジン回転数Ne用の判定値ΔNec、負荷Q用の判定値ΔQcを入力する。
次のステップS12で、ランキンサイクルシステム10の膨張機14を作動するか否かをチェックする。このステップS12の判定で膨張機14を作動しない場合には(NO)、ステップS13に行き、バイパスバルブ16を開弁してあるいは既に開弁しているときには開弁状態を継続して、作動流体Fwが膨張機14に流入しないようにする。その後、予め設定された制御時間Δtを経過した後、ステップS12に戻る。一方、ステップS12で膨張機14を作動する場合には(YES)、ステップS14に行き、バイパスバルブ16を閉弁してあるいは既に閉弁しているときには閉弁状態を継続して、作動流体Fwを膨張機14に流入させる。
ステップS14の次のステップS15では、エンジン運転状態が非定常運転(過渡運転)であるか否かを判定する。この判定は、エンジンの運転の制御値からエンジン回転数Neの変動量ΔNeと負荷Qの変動量ΔQを算出し、このエンジン回転数Neの変動量ΔNeの絶対値が予め設定した判定値ΔNec以上になったか、あるいは、この負荷Qの変動量ΔQの絶対値が予め設定した判定値ΔQc以上になったかの判定で行うことができる。
このステップS15の判定で、エンジン運転状態が定常運転であると判定された場合には(NO)、ステップS16に行き、ポンプ回転数Npの初期値Nsを更新することなく、初期値更新時間Δtsとフィードバック制御用時間Δtbとを初期値更新時間標準値Δts0と、フィードバック制御用時間標準値Δtb0に設定する。その後、ステップS18のフィードバック制御に行く。
このステップS15の判定で、エンジン運転状態が非定常運転であると判定された場合には(YES)、ステップS17に行き、ポンプ回転数Npの初期値Nsを更新する。この更新される初期値Nsとしては、初期ポンプ回転数値Npsを用いる。この初期ポンプ回転数値Npsは、エンジンの運転の制御値からこの制御時点でのエンジン回転数Neと負荷Qを入手し、このエンジン回転数Neと負荷Qに対する初期ポンプ回転数値Npsを、マップデータMdnを参照したり、関数計算したりして求める。
さらに、初期値更新時間Δtsとフィードバック制御用時間Δtbを設定し直す。この初期値更新時間Δtsは、制御時のエンジン回転数Neの変動量ΔNeと負荷Qの変動量ΔQに対応した値をマップデータMdtなどを参照したり、関数計算したりして設定する。また、フィードバック制御用時間Δtbも、初期値更新時間Δtsの予め設定した比率などに更新する。この更新後、ステップS18のフィードバック制御に行く。
このステップS18のフィードバック制御では、初期値更新時間Δtsの間、フィードバック制御用時間Δtbごとに、膨張機14に流入する蒸気状態の作動流体Fwの過熱度Shを、温度検出器31で検出した測定温度Tmと圧力検出器32で検出した測定圧力Pmとから算出し、この算出された過熱度Shが目標過熱度Shtになるようにポンプ回転数Npを、PID制御などを用いてフィードバック制御する。そして、初期値更新時間Δtsを経過したのと、ステップS11に戻る。
この制御では、ステップS12からステップS13を経由してステップS12に戻るか、あるいは、ステップS12からステップS14,ステップS17を経由してステップS12に戻るかする制御を繰り返し行い、エンジン停止の信号を受けると、制御の途中で割り込みが生じて、制御はリターンに行き、上級の制御フローに戻る。そして、この制御は上級の制御フローの終了と共に終了する。
上記の制御により、作動流体用ポンプ12のポンプ回転数Npの制御に際して、初期値更新時間ΔTsごとに熱源Gの状態に対応した初期ポンプ回転数値Npsを算出して、この初期ポンプ回転数値Npsをポンプ回転数Npの初期値Nsにして、初期値更新時間ΔTsの間、初期値更新時間ΔTsよりも短いフィードバック制御用時間Δtbの時間間隔で、膨張機14に流入する作動流体Fwの過熱度Shが予め設定された目標過熱度Shtになるように、ポンプ回転数Npをフィードバック制御することができる。
従って、上記の構成の本発明に係る実施の形態のランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法によれば、ランキンサイクルシステム10の蒸発器13に熱を供給する熱源Gの状態が変動した場合でも、作動流体用ポンプ12のポンプ回転数Npを迅速に調整して、適切な作動流体Fwの流量でランキンサイクルシステム10を駆動することができる。
つまり、図7に示すようなこのランキンサイクルシステム10の制御では、膨張機14に流入する作動流体Fwの過熱度Shを目標過熱度Shtになるように作動流体用ポンプ12を運転する際に、高温の熱源(排気ガス)Gの変動の原因となっているエンジンの運転状態からランキンシステム10の正常作動に適切な初期ポンプ回転数値Npsを算出し、この初期ポンプ回転数値Npsで初期値Nsを更新していくことにより、非定常運転におけるポンプ回転数Npのフィードバック制御を迅速に収束させて作動流体Fwを適切な流量で供給して、確実かつ効率よくランキンサイクルを実施できるようになる。
一方、図8に示すような、比較例のランキンサイクルシステム10Xでは、最初にポンプ回転数Npの初期値Nsを入力した後は、そのままフィードバック制御を続けるだけであるため、エンジンの運転状態が非定常な状態に入り、熱源Gの状態が大きく変動したときに、その時の制御量であるポンプ回転数Npが変動中の初期値Nsとして適切でないとシステムによっては制御が不可能になったり、応答遅れが生じたりする可能性がある。
これに対して、本発明のラインキンサイクルシステム10において、エンジンの排気ガス等の熱源Gの排熱を回収する作動流体Fwの流量をコントロールするポンプ回転数Npに関して、予め実験等で求めて設定しておいた初期設定値NpsのマップデータMdnを用いることで、エンジン運転状態に応じたフィードフォワード制御を加えることができる。そのため、熱源Gの状態が変動した場合でも適切な作動流体Fwの流量を供給でき、車両搭載したランキンサイクルシステム10のように非定常での作動が要求される場合でも、適切にランキンサイクルシステム10を作動できる。つまり、ランキンサイクルシステム10の非定常運転の制御を確実に行えるようになる。
10、10X ランキンサイクルシステム
11 作動流体用容器
12 作動流体用ポンプ
13 蒸発器
14 膨張機
15 凝縮器
16 バイパスバルブ(流路開閉弁)
26 バイパス流路
30 制御装置
31 温度検出器
32 圧力検出器
33、34 圧力調整手段
A 空気(冷却源)
Fw 作動流体(作動媒体)
G 排気ガス(熱源)
Ne エンジン回転数
Np ポンプ回転数
Ns ポンプ回転数の初期値
Nps 初期ポンプ回転数値
Mdn マップデータ(初期ポンプ回転数値)
P 圧力
Pm 測定圧力
Q 負荷
Sh 動流体の過熱度
Sht 目標過熱度
Tm 測定温度
Tv 飽和温度
11 作動流体用容器
12 作動流体用ポンプ
13 蒸発器
14 膨張機
15 凝縮器
16 バイパスバルブ(流路開閉弁)
26 バイパス流路
30 制御装置
31 温度検出器
32 圧力検出器
33、34 圧力調整手段
A 空気(冷却源)
Fw 作動流体(作動媒体)
G 排気ガス(熱源)
Ne エンジン回転数
Np ポンプ回転数
Ns ポンプ回転数の初期値
Nps 初期ポンプ回転数値
Mdn マップデータ(初期ポンプ回転数値)
P 圧力
Pm 測定圧力
Q 負荷
Sh 動流体の過熱度
Sht 目標過熱度
Tm 測定温度
Tv 飽和温度
Claims (5)
- 作動流体を貯蔵する作動流体用容器と、該作動流体用容器の作動流体を還流させる作動流体用ポンプと、外部の熱源からの熱を受けて作動流体を気化させる蒸発器と、気化した作動流体から駆動力を取り出す膨張機と、外部に熱を放出して作動流体を液化させる凝縮器とを有してなるランキンサイクルシステムにおいて、
前記作動流体用ポンプのポンプ回転数の制御に際して、初期値更新時間ごとに前記熱源の状態に対応した初期ポンプ回転数値を算出して、この初期ポンプ回転数値をポンプ回転数の初期値にして、前記初期値更新時間の間、前記初期値更新時間よりも短いフィードバック制御用時間の時間間隔で、前記膨張機に流入する作動流体の過熱度が予め設定された目標過熱度になるように、ポンプ回転数をフィードバック制御するように構成された制御装置を備えていることを特徴とするランキンサイクルシステム。 - 前記熱源が内燃機関から発生する熱に起因する熱源であり、前記制御装置が、前記初期ポンプ回転数値を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のランキンサイクルシステム。
- 前記熱源が前記内燃機関の排気ガスであり、前記制御装置が、前記初期ポンプ回転数値を前記内燃機関のエンジン回転数と負荷に基づいて設定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のランキンサイクルシステム。
- 前記制御装置が、前記内燃機関のエンジン回転数の変動量の絶対値と負荷の変動量の絶対値のそれぞれ大きさに応じて前記初期値更新時間を変化させることを特徴とする請求項2に記載のランキンサイクルシステム。
- 作動流体を貯蔵する作動流体用容器と、該作動流体用容器の作動流体を還流させる作動流体用ポンプと、外部の熱源からの熱を受けて作動流体を気化させる蒸発器と、気化した作動流体から駆動力を取り出す膨張機と、外部に熱を放出して作動流体を液化させる凝縮器とを有してなるランキンサイクルシステムの制御方法において、
前記作動流体用ポンプのポンプ回転数の制御に際して、初期値更新時間ごとに前記熱源の状態に対応した初期ポンプ回転数値を算出して、この初期ポンプ回転数値をポンプ回転数の初期値にして、前記初期値更新時間の間、前記初期値更新時間よりも短いフィードバック制御用時間の時間間隔で、前記膨張機に流入する作動流体の過熱度が予め設定された目標過熱度になるように、ポンプ回転数をフィードバック制御することを特徴とするランキンサイクルシステムの制御方法。
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JP (1) | JP2018013046A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019157734A (ja) * | 2018-03-12 | 2019-09-19 | いすゞ自動車株式会社 | ランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法 |
JP2019157735A (ja) * | 2018-03-12 | 2019-09-19 | いすゞ自動車株式会社 | ランキンサイクルシステム、及び、ランキンサイクルシステムの制御方法 |
JP2019210862A (ja) * | 2018-06-05 | 2019-12-12 | 株式会社神戸製鋼所 | 発電方法 |
JP7201562B2 (ja) | 2019-09-27 | 2023-01-10 | 株式会社神戸製鋼所 | 発電装置及び発電装置の制御方法 |
-
2016
- 2016-07-19 JP JP2016141366A patent/JP2018013046A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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