JP2019038541A - 車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】自車両が先行車両に過度に近づくことを防止することができる車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムを提供することを目的の一つとする。【解決手段】車両制御装置は、下り勾配を車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように車両の走行を制御する勾配走行制御部および車両の周辺状況を認識する周辺状況認識部により認識された先行車両に追従するように車両の走行を制御する追従走行制御部の作動をオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付ける受付部と、を備え、受付部により、勾配走行制御部および追従走行制御部の作動についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を車両が走行している場合、先行車両の認識の有無に関わらず勾配走行制御部の作動よりも追従走行制御部の作動を優先し、追従走行制御部が車両の走行を制御する車両制御装置である。【選択図】図1
Description
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムに関する。
近年、運転者の運転を支援する技術が開発されている。例えば、車の加速に対して車輪のスリップの影響を低下させるように車両を制御するオフロード速度制御や、下り勾配時に車両の惰性速度を抑制するヒルディセントコントロール(HDC;Hill Descent Control)制御、低速域で先行車両に自動追従(LSF;Low Speed Following)制御などが、運転を支援する技術として知られている。これに関連し、オフロード速度制御およびHDC制御が搭載された車両において、オフロード速度制御より、HDC制御を優先する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1では、LSF制御およびHDC制御が搭載された車両については開示されていない。このため、LSF制御およびHDC制御が搭載された車両において、自車両が先行車両に過度に近づいてしまう可能性があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、自車両が先行車両に過度に近づくことを防止することができる車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムを提供することを目的の一つとする。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、自車両が先行車両に過度に近づくことを防止することができる車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムを提供することを目的の一つとする。
請求項1記載の発明は、車両の周辺状況を認識する周辺状況認識部(22)と、下り勾配を前記車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように前記車両の走行を制御する勾配走行制御部(26)と、前記周辺状況認識部により認識された先行車両に追従するように前記車両の走行を制御する追従走行制御部(28)と、前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動をオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付ける受付部(30、32)と、を備え、前記受付部により、前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御する車両制御装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両制御装置であって、前記受付部は、前記勾配走行制御部の作動と前記追従走行制御部の作動とを、それぞれオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付け、前記受付部により、前記勾配走行制御部の作動と前記追従走行制御部の作動との双方についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の車両制御装置であって、前記追従走行制御部の作動を優先する場合、前記追従走行制御部の作動を優先することを示す情報を情報出力部に出力させる制御部を、更に備えるものである。
請求項4記載の発明は、車載コンピュータが、下り勾配を車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように前記車両の走行を制御する勾配走行制御部および前記車両の周辺状況を認識する周辺状況認識部により認識された先行車両に追従するように前記車両の走行を制御する追従走行制御部の作動をオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付け、前記受け付けた指示により、前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御する車両制御方法である。
請求項5記載の発明は、車載コンピュータに、下り勾配を車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように前記車両の走行を制御する勾配走行制御部および前記車両の周辺状況を認識する周辺状況認識部により認識された先行車両に追従するように前記車両の走行を制御する追従走行制御部の作動をオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付けさせ、前記受け付けた指示により、前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御させる車両制御プログラムである。
請求項1、2、4または5記載の発明によれば、前記勾配走行制御部と前記追従走行制御部との両方がオン状態の指示が受け付けられている場合は、前記追従走行制御部の作動を優先することにより、自車両が先行車両に過度に近づくことを防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、追従走行制御部の作動を優先する場合、追従走行制御部の作動を優先することを示す情報が出力されることにより、車両の乗員に優先する制御の内容を通知することができる。
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムの実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、車両制御システム1の機能構成の一例を示す図である。車両制御システム1は、例えば、レーダ装置10、カメラ12、車速センサ14、加速度センサ16、HDC起動スイッチ18A、LSF起動スイッチ18B、車両制御装置20、走行駆動装置40、ブレーキ装置42、および情報出力部44を備える。
図1は、車両制御システム1の機能構成の一例を示す図である。車両制御システム1は、例えば、レーダ装置10、カメラ12、車速センサ14、加速度センサ16、HDC起動スイッチ18A、LSF起動スイッチ18B、車両制御装置20、走行駆動装置40、ブレーキ装置42、および情報出力部44を備える。
レーダ装置10は、例えば、車両制御システム1が搭載された車両(以下、自車両)のバンパーや、フロントグリル等の周辺に設けられる。レーダ装置10は、例えば、自車両の前方にミリ波を放射し、放射したミリ波が物体に当たって反射した反射波を受信する。以下、物体は、先行車両であるものとして説明する。先行車両とは、自車両と同じ車線において自車両の直前を走行する車両または自車両の直前に停車している車両であって、自車両から所定距離以内に存在する車両である。レーダ装置10は、受信した反射波を解析することにより、先行車両の位置を特定する。先行車両の位置は、例えば自車両から先行車両までの距離を少なくとも含み、その他、自車両に対する先行車両の方位や横位置等を含んでもよい。レーダ装置10は、例えばFM−CW(Frequency−Modulated Continuous Wave)方式によって先行車両の位置を検出し、検出結果を車両制御装置20に出力する。
カメラ12は、CCD(Charge Couple Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ12は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ12は、例えば、周期的に繰り返し自車両の前方を撮像する。カメラ12は、撮像した画像を車両制御装置20に出力する。カメラ12は、1台に限らず、自車両に複数設けられてもよいし、複数のカメラを含むステレオカメラであってもよい。
車速センサ14は、自車両の各車輪に取り付けられ車輪の回転速度を検出する車輪速センサと、車輪速センサにより検出された検出値を統合して車速信号を生成するコントローラとを含む。車速センサ14は、自車両の走行速度を検出し、検出した走行速度を示す車速信号を車両制御装置20に出力する。
加速度センサ16は、例えば、三軸式の加速度センサである。加速度センサ16は、検出した加速度を車両制御装置20に出力する。また、加速度センサ16は、二軸式の加速度センサであってもよい。
HDC起動スイッチ18Aは、例えば、運転席周辺に設けられた専用の機械式スイッチである。また、HDC起動スイッチ18Aは、GUI(Graphical User Interface)スイッチなどであってもよい。HDC起動スイッチ18Aは、HDC制御をオン状態にするか、オフ状態にするかの指示を車両乗員から受け付け、受け付けた指示を示す情報を車両制御装置20に出力する。例えば、HDC起動スイッチ18Aは、HDC制御をオン状態にすることが指示された場合、HDC制御をオン状態にするHDCオン信号を車両制御装置20に出力する。
LSF起動スイッチ18Bは、例えば、運転席周辺に設けられた専用の機械式スイッチである。また、LSF起動スイッチ18Bは、GUIスイッチなどであってもよい。LSF起動スイッチ18Bは、LSF制御をオン状態にするか、オフ状態にするかの指示を車両乗員から受け、受け付けた指示を示す情報を車両制御装置20に出力する。例えば、LSF起動スイッチ18Bは、LSF制御をオン状態にすることが指示された場合、LSF制御をオン状態にするLSFオン信号を車両制御装置20に出力する。
車両制御装置20は、例えば、周辺状況認識部22、勾配導出部24、勾配走行制御部26、追従走行制御部28、および統合制御部30を備える。周辺状況認識部22、勾配導出部24、勾配走行制御部26、追従走行制御部28、および統合制御部30のうち、一部または全部は、プロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。また、車両制御装置20に含まれる各機能部は、複数のコンピュータ装置によって分散化されたものであってもよい。
周辺状況認識部22は、レーダ装置10の検出結果を取得し、取得した結果に基づいて、先行車両の位置や速度等を認識する。また、周辺状況認識部22は、カメラ12により撮像された画像を取得し、取得した画像を解析することにより、先行車両の位置や速度等を認識してもよい。更に、周辺状況認識部22は、レーダ装置10によって特定された先行車両の位置のうち自車両からの距離を重視すると共に、カメラ12により撮像された画像解析によって特定された位置のうち方位または横位置を重視する傾向で、これらの位置を統合し、物体の位置を認識してもよい。
また、レーダ装置10に代えて(または、加えて)レーザレーダ、超音波センサ等のセンサを備えてもよい。また、周辺状況認識部22は、車車間通信や、道路を走行する車両を検出するセンサから取得した情報に基づいて、先行車両の位置や速度等を検出してもよい。この場合、自車両は、他の車両や、道路を走行する車両を検出するセンサ等と通信する通信部を備える。
勾配導出部24は、自車両が存在する場所の勾配を導出する。例えば、勾配導出部24は、加速度センサ16により出力された加速度から、車速センサ14により検出される車速を微分して得られる進行方向の加速度等を差し引いて求められる、静止状態の加速度に基づいて、路面の勾配を導出する。
勾配走行制御部26は、下り勾配を自車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように自車両の走行を制御する。以下、このような制御をHDC(Hill Descent Control)制御と称する。HDC制御とは、下り勾配を自車両が走行する場合にブレーキ装置42を制御することにより、運転者がアクセルペダルおよびブレーキペダルを操作していないときの車速を維持する制御である。例えば、勾配走行制御部26によって車両が制御されるときの車速は、アクセルペダルまたはブレーキペダルが運転者によって操作されることにより変更される。例えば、運転者が、アクセルペダルを操作して車速を上昇させた後、アクセルペダルの操作をやめると、その時点の車速で自車両は定速走行する。
追従走行制御部28は、周辺状況認識部22により認識された先行車両に追従するように自車両の走行を制御する。以下、このような制御をLSF(Low Speed Following)制御と称する。LSF制御とは、自車両と先行車両との車間距離を一定に維持しながら走行すると共に、先行車両が低速走行または停止状態となったときには自車両を運転者の操作に依らずに自動的に停止させる制御である。追従走行制御部28は、周辺状況認識部22の認識結果に基づいて、走行駆動装置40またはブレーキ装置42のうち一方または双方を制御する。
統合制御部30は、受付部32を含む。受付部32は、勾配走行制御部26と追従走行制御部28とを、それぞれオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付ける。受付部32は、HDC起動スイッチ18AまたはLSF起動スイッチ18Bの少なくとも一方から入力された信号を取得することで、運転者によって実行された入力操作に応じた指示を受け付ける。特許請求の範囲における「受付部」は、受付部32を指すものであってもよいし、HDC起動スイッチ18AおよびLSF起動スイッチ18Bを指すものであってもよい。
統合制御部30は、受付部32に対し、HDCオン信号が入力されており、LSFオン信号が入力されていない場合、HDC制御をオン状態にする。統合制御部30は、受付部32に対し、LSFオン信号が入力されており、HDCオン信号が入力されていない場合、LSF制御をオン状態にする。統合制御部30は、受付部32に対し、HDCオン信号とLSFオン信号の双方が入力されている場合、LSF制御をオン状態にし、HDC制御をオフ状態にする。
走行駆動装置40は、例えば、エンジンや、走行用モータなどの駆動源である。走行駆動装置40は、車両制御装置20により出力された制御量に応じて、自車両が走行するためのトルクを駆動輪に出力する。
ブレーキ装置42は、例えば、電動モータを備える。電動モータは、例えば、車両制御装置20により出力される制御量に応じて、制動操作に応じたブレーキトルクを各車輪に出力させる。
情報出力部44は、車両乗員によって視認可能な位置に設けられた表示部や、スピーカ等である。表示部は、情報を画像として表示する。表示部は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electroluminescence)表示装置等を含む。スピーカは、情報を音声として出力する。
図2は、統合制御部30により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定周期で繰り返し実行される。まず、統合制御部30は、LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けているか否かを判定する(ステップS100)。
LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けている場合、統合制御部30は、LSF制御をオン状態にし、LSF制御に基づいて走行駆動装置40またはブレーキ装置42を制御する。(ステップS102)。LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けていない場合、統合制御部30は、HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けているか否かを判定する(ステップS104)。
HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けている場合、統合制御部30は、HDC制御をオン状態にし、HDC制御に基づいてブレーキ装置42を制御する(ステップS106)。HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けていない場合、自車両は、アクセルペダルや、ブレーキペダル等に対して車両乗員によって行われる操作に基づいて制御される。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
なお、統合制御部30は、例えば、HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けたにも関わらず、LSF制御を優先するためHDC制御を実行しない場合、その旨(LSF制御優先のためHDC制御を実行しないこと)を示す情報を情報出力部44に出力させてよい。
ここで、例えば、LSF制御よりHDC制御を優先する場合を考える。この場合、HDC制御は、先行車両を考慮しない制御であるため、自車両は先行車両に近づいても減速せず、過度に自車両が先行車両に近づいたり、自車両が先行車両に接触したりする場合がある。
これに対して、本実施形態の車両制御システム1は、HDC制御よりLSF制御を優先する。この場合、LSF制御は、先行車両を考慮する制御であり、自車両は先行車両に対して追従するように走行するため、自車両は、先行車両に対して所定の車間距離を維持して走行する。このため、過度に自車両が先行車両に近づいたり、自車両が先行車両に接触したりすることを防止することができる。もとより、先行車両は、下り勾配であれば、それを考慮して走行している筈であり、先行車両に追従することによって、実質的に下り勾配を意識した走行をすることができる。
以上説明した第1の実施形態の車両制御システム1によれば、勾配走行制御部26と追従走行制御部28との双方についてオン状態とする指示が受け付けられている場合、追従走行制御部28の作動を優先することにより、自車両が先行車両に過度に近づくことを防止することができる。
なお、上述した実施形態では、統合制御部30が、取得したオン信号に基づいて、LSF制御とHDC制御とのいずれか一方をオン状態にするものとして説明したが、例えば、勾配走行制御部26および追従走行制御部28は、常時オン状態が維持され、統合制御部30が、取得したオン信号に基づいて、勾配走行制御部26と追従走行制御部28とのいずれか一方から出力された制御指示を、選択的に走行駆動装置40またはブレーキ装置42の少なくとも一方に出力するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、統合制御部30が、LSFオン信号の入力を監視し、LSF制御とHDC制御とのいずれか一方をオン状態にするものとして説明したが、例えば、勾配走行制御部26が、LSFオン信号の入力を監視し、LSFオン信号が入力された場合に自発的に動作を停止するようにしてもよい。また、勾配走行制御部26が、追従走行制御部28の作動状態を監視し、追従走行制御部28がLSF制御を開始したタイミングで自発的に動作を停止するようにしてもよい。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、先行車両の存在に関わらずLSF制御を優先するものとした。これに対して、第2の実施形態では、先行車両が存在しない場合は、統合制御部30は、勾配走行制御部26の制御を優先する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
以下、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、先行車両の存在に関わらずLSF制御を優先するものとした。これに対して、第2の実施形態では、先行車両が存在しない場合は、統合制御部30は、勾配走行制御部26の制御を優先する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
第2の実施形態の追従走行制御部28は、先行車両が存在しない場合、所定速度を維持するように自車両の走行を制御する。追従走行制御部28は、所定速度を維持させるための制御量を走行駆動装置40またはブレーキ装置42に出力する。
統合制御部30は、先行車両が存在する場合、第1の実施形態と同様にLSF制御を優先する。一方、統合制御部30は、先行車両が存在しない場合、HDC制御を優先する。
図3は、第2の実施形態の統合制御部30により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定周期で繰り返し実行される。まず、統合制御部30は、先行車両が存在するか否かを判定する(ステップS200)。先行車両が存在する場合、統合制御部30は、先行車両存在時の処理(図2のフローチャートのステップS100からステップS106までの処理)を実行する(ステップS202)。
先行車両が存在しない場合、統合制御部30は、HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けているか否かを判定する(ステップS204)。HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けている場合、統合制御部30は、HDC制御をオン状態にし、HDC制御に基づいてブレーキ装置42を制御する(ステップS206)。HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けていない場合、統合制御部30は、LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けているか否かを判定する(ステップS208)。LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けている場合、統合制御部30は、LSF制御をオン状態にし、LSF制御に基づいて、自車両が所定速度で走行するように走行駆動装置40またはブレーキ装置42を制御する(ステップS210)。LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けていない場合、自車両は、アクセルペダルや、ブレーキペダル等に対して車両乗員によって行われる操作に基づいて制御される。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
本実施形態の車両制御システム1は、先行車両が存在する場合には、HDC制御よりLSF制御を優先し、先行車両が存在しない場合には、LSF制御よりHDC制御を優先する。これにより、先行車両が存在しない場合、自車両は、下り勾配に起因する加速を抑制するように自車両の走行を制御する。この結果、車両制御システム1は、下り勾配を意識した走行をすることができる。
以上説明した第2の実施形態の車両制御システム1によれば、先行車両が存在しない場合、勾配走行制御部26の作動を優先することにより、下り勾配を意識した走行をすることができる。
<第2の実施形態の変形例>
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態では、先行車両が存在しない場合、統合制御部30は、自車両の速度に関わらずHDC制御を優先するものとした。これに対して、統合制御部30は、先行車両が存在しない場合、自車両の速度がHDC制御の上限速度以下の場合に、HDC制御を優先する。ここでは、第2の実施形態との相違点を中心に説明し、第2の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態では、先行車両が存在しない場合、統合制御部30は、自車両の速度に関わらずHDC制御を優先するものとした。これに対して、統合制御部30は、先行車両が存在しない場合、自車両の速度がHDC制御の上限速度以下の場合に、HDC制御を優先する。ここでは、第2の実施形態との相違点を中心に説明し、第2の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
この第2の実施形態の変形例の前提として、HDC制御は、上限速度V1以下で実行される。第2の実施形態では、LSF制御およびHDC制御の双方についてオン状態とする指示が受け付けられている場合において先行車両が居なくなった場合、LSF制御からHDC制御に切り替わる場合があった。しかしながら、上記の前提の下では、自車両の速度がHDC制御の上限速度V1を超えた状態で先行車両が居なくなった場合、そもそもHDC制御を実施することができない。このため、この第2の実施形態の変形例では、LSF制御およびHDC制御の双方についてオン状態とする指示が受け付けられている場合において先行車両が居なくなった場合、自車両の速度が上限速度V1を超える場合には、HDC制御を優先せず、LSF制御を実行する。換言すると、統合制御部30は、LSF制御およびHDC制御の双方についてオン状態とする指示が受け付けられている場合において先行車両が居なくなった場合、それまでの自車両の速度が上限速度V1以下である場合に、HDC制御を優先する。これによって、そもそもHDC制御を実施できない速度でHDC制御に切り替えようとするのを防止することで、制御にハンチングなどが生じるのを防止することができる。
図4は、第2の実施形態の変形例における車両制御装置20に実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、統合制御部30は、先行車両が存在するか否かを判定する(ステップS300)。先行車両が存在する場合、統合制御部30は、先行車両存在時の処理(図2のフローチャートのステップS100からステップS106までの処理)を実行する(ステップS302)。
先行車両が存在しない場合、統合制御部30は、HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けているか否かを判定する(ステップS304)。HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けていない場合、ステップS310の処理に進む。HDC起動スイッチ18AからHDCオン信号を受け付けている場合、統合制御部30は、自車両の速度がHDC制御の上限速度V1を超えるか否かを判定する(ステップS306)。自車両の速度が上限速度V1以下である場合、統合制御部30は、HDC制御をオン状態にし、HDC制御に基づいてブレーキ装置42を制御する(ステップS308)。
自車両の速度が上限速度V1を超える場合、統合制御部30は、LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けているか否かを判定する(ステップS310)。LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けている場合、統合制御部30は、LSF制御をオン状態にし、LSF制御に基づいて、自車両が上限速度V1を超える所定速度で走行するように走行駆動装置40またはブレーキ装置42を制御する(ステップS312)。LSF起動スイッチ18BからLSFオン信号を受け付けていない場合、自車両は、アクセルペダルや、ブレーキペダル等に対して車両乗員によって行われる操作に基づいて制御される。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
以上説明した第2の実施形態の変形例における車両制御システム1によれば、自車両の速度がHDC制御の上限速度以下の場合に、HDC制御を優先することにより、そもそもHDC制御を実施できない速度でHDC制御に切り替えようとするのを防止することで、制御にハンチングなどが生じるのを防止することができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について説明する。第1の実施形態では、LSF制御およびHDC制御を実行する車両制御装置20が車両に搭載され、運転者の運転を支援するものとして説明した。これに対して、第3の実施形態の車両制御システム1Aは、自動運転制御装置50が搭載され、車両制御システム1Aが、自車両の速度制御または操舵制御の少なくとも一方を自動的に行う自動運転を実施する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
以下、第3の実施形態について説明する。第1の実施形態では、LSF制御およびHDC制御を実行する車両制御装置20が車両に搭載され、運転者の運転を支援するものとして説明した。これに対して、第3の実施形態の車両制御システム1Aは、自動運転制御装置50が搭載され、車両制御システム1Aが、自車両の速度制御または操舵制御の少なくとも一方を自動的に行う自動運転を実施する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
図5は、第3の実施形態の車両制御システム1Aの機能構成の一例を示す図である。車両制御システム1Aは、レーダ装置10、カメラ12、車速センサ14、加速度センサ16、HDC起動スイッチ18A、LSF起動スイッチ18B、走行駆動装置40、ブレーキ装置42、および情報出力部44に加え、更に自動運転制御装置50、および自動運転切替スイッチ80を備える。自動運転制御装置50は、例えば、記憶部52、目標車線決定部54、および自動運転制御部60を含む。記憶部52には、例えば、高精度地図情報、目標車線情報、行動計画情報などの情報が格納される。記憶部52は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。車両制御システム1Aに含まれるプロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部52に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。
目標車線決定部54は、例えば、MPU(Micro-Processing Unit)などにより実現される。目標車線決定部54は、ナビゲーション装置から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、高精度地図情報を参照してブロックごとに目標車線を決定する。目標車線決定部54は、例えば、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。目標車線決定部54は、例えば、経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、自車両が、分岐先に進行するための合理的な走行経路を走行できるように、目標車線を決定する。目標車線決定部54により決定された目標車線は、目標車線情報として記憶部52に記憶される。
自動運転制御部60は、例えば、認識部62と、行動計画生成部64と、軌道生成部66と、走行制御部68、切替制御部70とを備える。
認識部62は、走行車線に対する自車両の相対位置を認識し、認識した相対位置を目標車線決定部54に提供する。また、認識部62は、レーダ装置10およびカメラ12から入力される情報に基づいて、自車両の周辺に存在する周辺車両の位置や、速度、加速度等を認識する。
行動計画生成部64は、自動運転のスタート地点、および/または自動運転の目的地を設定する。行動計画生成部64は、そのスタート地点と自動運転の目的地との間の区間において、行動計画を生成する。行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、自車両を減速させる減速イベントや、自車両を加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように自車両を走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、先行車両を追従するイベント等が含まれる。行動計画生成部64によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報として記憶部52に格納される。
軌道生成部66は、定速走行、追従走行、低速追従走行、減速走行、カーブ走行、障害物回避走行、車線変更走行、合流走行、分岐走行などのうちいずれかの走行態様を決定し、決定した走行態様に基づいて、軌道の候補を生成する。軌道生成部66は、例えば、将来の所定時間ごとに、自車両の基準位置(例えば重心や後輪軸中心)が到達すべき目標位置(軌道点)の集まりとして軌道を生成する。軌道生成部66は、前述した第1または第2の実施形態の車両制御装置20と同様の機能を包含している。すなわち、認識部62により下り坂であることが認識されている場合、軌道生成の一機能として、HDC制御、LSF制御を統合制御部30の機能によって切り替えて実行する。この場合、認識部62が存在するため、周辺状況認識部22は省略されてよい。
走行制御部68は、軌道生成部66によって生成された軌道を、予定の時刻通りに自車両が通過するように、走行駆動装置40またはブレーキ装置42を制御する。切替制御部70は、自動運転切替スイッチ80から入力される信号に基づいて自動運転モードと手動運転モードとを相互に切り替える。
以上説明した第3の実施形態の車両制御システム1Aによれば、第1の実施形態の効果を奏すると共に、自動運転モードが設定されている場合には、自車両は自律して走行するため、利用者の利便性がより向上する。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1、1A‥車両制御システム、10‥レーダ装置、12‥カメラ、14‥車速センサ、16‥加速度センサ、18A‥HDC起動スイッチ、18B…LSF起動スイッチ、20‥車両制御装置、22‥周辺状況認識部、24‥勾配導出部、26‥勾配走行制御部、28‥追従走行制御部、30‥統合制御部、32…受付部、40‥走行駆動装置、42…ブレーキ装置
Claims (5)
- 車両の周辺状況を認識する周辺状況認識部と、
下り勾配を前記車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように前記車両の走行を制御する勾配走行制御部と、
前記周辺状況認識部により認識された先行車両に追従するように前記車両の走行を制御する追従走行制御部と、
前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動をオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付ける受付部と、を備え、
前記受付部により、前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御する、
車両制御装置。 - 前記受付部は、前記勾配走行制御部の作動と前記追従走行制御部の作動とを、それぞれオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付け、
前記受付部により、前記勾配走行制御部の作動と前記追従走行制御部の作動との双方についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御する、
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記追従走行制御部の作動を優先する場合、前記追従走行制御部の作動を優先することを示す情報を情報出力部に出力させる制御部を、更に備える、
請求項1または2に記載の車両制御装置。 - 車載コンピュータが、
下り勾配を車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように前記車両の走行を制御する勾配走行制御部および前記車両の周辺状況を認識する周辺状況認識部により認識された先行車両に追従するように前記車両の走行を制御する追従走行制御部の作動をオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付け、
前記受け付けた指示により、前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御する、
車両制御方法。 - 車載コンピュータに、
下り勾配を車両が走行する場合に、下り勾配に起因する加速を抑制するように前記車両の走行を制御する勾配走行制御部および前記車両の周辺状況を認識する周辺状況認識部により認識された先行車両に追従するように前記車両の走行を制御する追従走行制御部の作動をオン状態またはオフ状態に切り替える指示を受け付けさせ、
前記受け付けた指示により、前記勾配走行制御部および前記追従走行制御部の作動についてオン状態とする指示が受け付けられ、且つ下り勾配を前記車両が走行している場合、前記先行車両の認識の有無に関わらず前記勾配走行制御部の作動よりも前記追従走行制御部の作動を優先し、前記追従走行制御部が前記車両の走行を制御させる、
車両制御プログラム。
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-
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