JP2019037973A - 脱硫装置、水素製造装置、脱硫方法及び水素製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、単位時間当たりの炭化水素原燃料の流量が変動する場合であっても、安定して脱硫を行える技術を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る脱硫装置10は、原燃料ガスG1が処理され、原燃料ガスG1に含まれる硫黄分を脱硫する、主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤又は主成分として銅、亜鉛、ニッケル及びアルミニウムを含む脱硫剤が充填されている脱硫器1と、原燃料ガスG1に水素を添加するリサイクルポンプ4と、脱硫器1において脱硫処理される原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が多いほど、リサイクルポンプ4から原燃料ガスG1に添加する水素の量を多く制御する制御器5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素原燃料の脱硫装置、その脱硫装置を含む水素製造装置、炭化水素原燃料の脱硫方法及びその脱硫方法を含む水素製造方法に関する。
水蒸気改質プロセスは、炭化水素を水蒸気と反応させて、水素主成分ガスを得るプロセスであり、工業用の水素製造や燃料電池の燃料改質に用いられている。
水蒸気改質プロセスの原燃料として、天然ガス、液化石油ガス(LPG)やこれらを原料とする都市ガスのような軽質炭化水素を主成分とする原燃料がある。これらの原燃料は、炭素析出を引き起こしやすい重質炭化水素をほとんど含まず、硫黄分も少ないので、原燃料として特に好適である。しかし、天然ガス、液化石油ガス(LPG)にも、通常は微量の硫黄化合物が含まれる。また、実質的に硫黄分を含まない液化天然ガス(LNG)を主原料として製造される都市ガスであっても、輸送時の安全性確保のため、微量の付臭剤が添加されている。
付臭剤として一般的に用いられているのは、ターシャリーブチルメルカプタン(TBM)、テトラヒドロチオフェン(THT)、ジメチルサルファイド(DMS)等の有機硫黄化合物である。
水蒸気改質反応では、耐熱性の無機酸化物にNiやRuを担持させた触媒が用いられるが、これらの触媒は硫黄分により被毒され、その活性を急速に失うことが知られている。したがって、水蒸気改質反応に供する原料は、その硫黄分を可能な限り低減しておく脱硫処理が欠かせない。
炭化水素を水蒸気改質するに先立って行われている代表的な脱硫方法として、水素化脱硫(水添脱硫)法、吸着脱硫法、超高次脱硫法などが知られている。
水素化脱硫は、Co−Mo系あるいはNi−Mo系触媒を用いて炭化水素原料中の有機硫黄化合物を水素と反応させて水素化分解した後、生成した硫化水素を酸化亜鉛に吸着させて除去する方法である(非特許文献1、2)。水素化脱硫は、石油精製における燃料油の脱硫プロセスとしても用いられるなど、幅広く実用に供されている。しかし、硫化水素の酸化亜鉛への吸着が平衡反応となることもあり、微量の硫黄分の残存が避けられない。また、数十ppbの硫黄分が水蒸気改質触媒にリークするとされている(非特許文献2)。
吸着脱硫法は、Ag、Cuなどの遷移金属を含むゼオライトにより硫黄化合物を常温で吸着除去するものである(特許文献1、非特許文献3)。
吸着脱硫法は、常温で脱硫が行えることが利点である。また、水素の添加が不要である点が利点である。しかし、単位体積当たりの脱硫能力が小さく、多量の脱硫剤を要するという課題がある。また、ガス中に水分が含まれると吸着性能がさらに低下するという課題がある。さらに、比較的水分に強いAgは特に高価であるなどの課題がある。
超高次脱硫法は、炭化水素原料を水素の共存下、100℃から400℃程度の温度範囲で、銅−亜鉛系の脱硫剤に接触させることにより、原料中の硫黄分を除去するものである(特許文献2、3)。
この方法では、処理後の硫黄分の濃度は1ppb以下に低減できるため、水蒸気改質触媒の被毒を長期にわたって防ぐことができる。しかし、水素化脱硫と同様に300℃以下で十分な脱硫性能を得るには、多量の脱硫剤を要する点は課題といえる。
この点に鑑み、特許文献4に開示されている脱硫剤は、次のように製造される。まず、銅化合物および亜鉛化合物を含む混合水溶液とアルカリ物質水溶液とを混合して沈澱を生じさせ、得られた沈澱を焼成する。次に、得られた焼成物のスラリーを用いて酸化銅−酸化亜鉛混合物成型体を得た後、この成型物に鉄またはニッケルの元素を含浸させ、さらに焼成する。その後、得られた酸化物焼成体を水素還元して特許文献4の脱硫剤が得られる。この脱硫剤は、低温でも高い脱硫性能を示すが、燃料電池のように、搭載容量が制約され、かつ交換が制約されるような場合などでは、脱硫性能のさらなる向上が求められている。
この脱硫剤を用いる脱硫方法では、水素を添加した硫黄を含む炭化水素を、100〜400℃程度の温度範囲で、前記脱硫剤に接触させることにより脱硫を行う。そして、都市ガスやLPガスなどの炭化水素中の硫黄含有量は、通常ppmオーダーの量であるため、この炭化水素に添加する水素量は、原料炭化水素に対してモル比で少なくとも0.0005以上、好ましくは0.001以上とすることが開示されている。また、水蒸気改質の前処理として脱硫を行う場合には、水蒸気改質反応によってできた水素を一部リサイクルすることもできると開示されている(特許文献4の段落0049〜0051)。
Co−MoやNi−Mo系の水素化脱硫触媒を用いる石油の水素化脱硫では、水素添加量により脱硫率が変わることが知られている。非特許文献4によれば、「カフヂ常圧蒸留残渣油ではH/oilの容積比500l/lまでは容積比の増加と共に脱硫率が向上するが500〜1,000でほぼ一定の脱硫率を示す」とされている。ただし、石油の水素化脱硫で用いられるCo−MoやNi−Mo系触媒の活性相は硫化物であり、前記のニッケル−銅−亜鉛系脱硫剤とは作用機構も異なる。また、脱硫反応に供される石油中の硫黄化合物の濃度は通常数百ppm〜%のオーダーで極めて高い。そのため、前記ニッケル−銅−亜鉛系脱硫剤の脱硫性能に及ぼす水素添加量の影響は、この知見からは予測できない。
また、非特許文献1によれば、「石油の水素化脱硫に最も広く用いられている触媒は、コバルト、ニッケル、モリブデン、アルミナ系の触媒で、その有効成物は硫化物として作用する。したがってイオウ分の少ない水素と長時間接触すれば触媒は還元されて活性を失う」とも指摘されている。
特許文献5は、銅−亜鉛系の脱硫剤を用いた13A都市ガスの脱硫における、水素濃度と脱硫性能との関係について開示している。それによれば、水素を添加しない場合には、脱硫ガスの硫黄含有量が1200時間で0.1ppmに達したと記載されている。一方で、水素濃度が0.1%,1%,7%,10%の場合は、いずれも2400時間の運転にわたり脱硫ガスの硫黄含有量が0.1ppb以下に抑制できたと記載されている。しかしこの記載からは、水素濃度を0.1%以上で変化させた場合に脱硫ガスの硫黄含有量が0.1ppb以下の特定の範囲内となったことは分かるものの、水素濃度が0.1%以上における、水素濃度と脱硫性能との相関は明らかではない。
燃料電池用の脱硫剤としてニッケル−亜鉛系の脱硫剤を用いる場合に、水素を用いなくても脱硫できることが知られている(特許文献6)。銅−亜鉛−アルミニウム−ニッケル系の脱硫剤において、「添加する水素量は、被処理物中に含まれている硫黄化合物の種類と量に応じて適宜設定できる。例えば、被処理物中の硫黄含有量がppmオーダーの量である場合には、被処理物に対する水素ガスのモル比が、0.0005以上であることが好ましく、0.001以上であることがより好ましい」としている文献もある(特許文献7)。
以上のように、従来の知見からは、ニッケル-銅-亜鉛系脱硫剤を用いる燃料電池用の水素製造プロセスにおいては、脱硫反応時に添加する水素濃度は、被処理物に対する水素ガスのモル比が、0.0005以上、より好ましくは0.001以上の範囲で、適宜定めればよいというのが一般的な認識と言える。通常、水素の添加には一定のコストがかかるため、脱硫性能に優位の差異がなければ、積極的に水素の添加量を増加する理由はない。
加えて、燃料電池用の水素製造プロセスでは、水蒸気改質の前処理として脱硫を行うため、水蒸気改質反応によってできた水素を一部リサイクルすることが一般的である。しかし、水蒸気改質で生成されたガス中には、水素だけでなく一酸化炭素及び二酸化炭素等も含まれる。これらの一酸化炭素及び二酸化炭素等のガスは、条件によっては、ニッケル−銅−亜鉛系脱硫剤上で水素と反応してメタンを生成することがある。この反応は大きな発熱を伴う反応であるため、リサイクルガスを必要以上に添加することはむしろ好ましくない副作用を生じる可能性がある。
さらに、燃料電池用脱硫剤に関しては、別の課題もある。燃料電池は常に定格負荷で運転されるわけではなく、電力負荷に応じて運転を行うため、脱硫器を流れる被処理ガスの流量は負荷に応じて増減することになる。
ニッケル−銅−亜鉛系脱硫剤における脱硫メカニズムは必ずしも明らかではないが、次のような脱硫メカニズムであると推測される。まず、被処理ガス中の有機硫黄化合物が脱硫剤上で硫化水素に分解される。次に、生成された硫化水素が脱硫剤と反応して硫化物として安定化されるものと推測される。被処理ガスの流量が一定であれば、脱硫剤充填塔における反応挙動は以下のようになると推測される。まず、運転時間の初期では、脱硫剤充填塔の最上流から一定の範囲(反応帯)で脱硫反応が完結し、反応帯の後ろは脱硫反応が完結したガスが流れるため、被処理ガスは脱硫されて清浄な状態に保たれていると考えられる。そして、運転時間が経過するとともに、上流側から脱硫機能が低下していき、反応帯が徐々に下流に移動すると考えられる。反応帯の最下流側が、充填塔の最下流側まで到達した時点で、硫黄化合物の残存するガスが脱硫器から流出するようになり、これが脱硫剤の寿命となる。
ここで、被処理ガスの流量が変動する場合、流量に応じて反応帯の位置は変動すると考えられる。すなわち、流量が多い場合には、流速が高まるため、脱硫反応に要する時間が一定であれば、反応帯の位置が充填塔の下流側に移動する。逆に、流量が少ない場合には、流速が低下するため、脱硫反応に要する時間が一定であれば、反応帯の位置が充填塔の上流側に移動する。このように、被処理ガスの流量が変動すると反応帯の位置が上流側と下流側との間で変動し、脱硫剤層中の硫黄吸着量分布が乱れることから、被処理ガスの流量が一定の条件で使用する場合よりも寿命が短くなることも懸念される。
特開2001−286753号公報 特開平1−123627号公報 特開平1−123628号公報 特開平11−61154号公報 特開2001−200278号公報 特開2016−145324号公報 特開2017−48069号公報
斯波、「触媒」、1巻1号、49ページ(1959年) 松久、「触媒」、48巻5号、326ページ(2006年) S.Satokawa,Y.Kobayashi,H.Fujiki,Applied Catalysis B:Environmental、56巻51ページ(2005年) 栗田、「触媒」、11巻2号、1ページ(1969年)
以上のように、たとえば燃料電池のように、単位時間当たりの原燃料ガスの流量が変動する場合において、安定して脱硫を行える技術は未だ提案されていない。
そこで、本発明は、単位時間当たりの炭化水素原燃料の流量が変動する場合であっても、安定して脱硫を行える技術を提供することを目的とする。
本発明に係る脱硫装置の特徴構成は、
炭化水素原燃料が処理され、前記炭化水素原燃料に含まれる硫黄分を脱硫する、主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤が充填されている脱硫器と、
前記炭化水素原燃料に水素を添加する水素添加器と、
前記脱硫器において脱硫処理される前記炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が多いほど、前記水素添加器から前記炭化水素原燃料に添加する水素の量を多く制御する制御手段と、
を備えている点にある。
上記特徴構成では、炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が多いほど、炭化水素原燃料に添加する水素の量を多く制御する。これにより、炭化水素原燃料における脱硫反応を促進することができる。よって、炭化水素原燃料の処理量が多い場合でも、脱硫器の下流側にまで反応帯が移動するのを抑制し、脱硫器内で脱硫剤と炭化水素原燃料とを十分に反応させて炭化水素原燃料の脱硫を高めることができる。
一方、脱硫器における炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が、前記の処理量が多い場合と比較して少ない場合には、炭化水素原燃料に添加する水素の量を少なく制御する。このように少ない量の水素の添加であっても、炭化水素原燃料の処理量が少ないため脱硫反応が十分に行われる。よって、脱硫器の下流側にまで反応帯は移動せず、脱硫器内で脱硫剤と炭化水素原燃料とを十分に反応させて、炭化水素原燃料の脱硫を高めることができる。また、炭化水素原燃料の処理量が少ない場合には、添加する水素の量が少なくて済むため、コストを削減できるとともに、炭化水素原燃料の処理量が多い場合に備えて水素量を確保できる。
以上の通り、脱硫器における炭化水素原燃料の処理量に応じて添加する水素の量を増減させることで、適切な量の脱硫剤を用いながら、反応帯が脱硫器の下流側にまで移動するのを抑制して、脱硫性能を十分に確保できる。つまり、炭化水素原燃料の処理量の大小によらず、脱硫反応の反応帯を脱硫器の上流側にできるだけ維持し、下流側にまで移動するのを抑制できる。また、このことは、炭化水素原燃料の処理量の大小によって、脱硫器における反応帯の位置が上流側と下流側との間で大きく変動することを抑制できることを意味する。つまり、炭化水素原燃料の処理量が異なっていても、その処理量に応じて添加する水素の量を制御するため、脱硫器の使用開始からの時期が同程度の場合には、炭化水素原燃料の処理量の大小に関わらず、反応帯の位置は脱硫器内の同程度の位置に安定している。
そして、反応帯が、炭化水素原燃料の脱硫器への投入開始から徐々に上流側から下流側に移動し、最終的に最下流位置に移動すると、脱硫剤が破過時間を迎える。このように炭化水素原燃料の投入開始から反応帯の位置が安定的に上流側から下流側に移動するため、脱硫剤の脱硫反応位置が点在していない。つまり、脱硫剤層中の硫黄吸着量分布が乱れていない。よって、脱硫剤の脱硫反応のムラを抑制し、安定した脱硫性能を発揮させることができる。これにより、適切な量の水素の添加により、脱硫剤の脱硫性能を長時間に亘って維持できるため、脱硫装置を長期に亘って安定して運転可能である。
本発明に係る脱硫装置の更なる特徴構成は、
前記制御手段は、単位時間当たりにおける、前記炭化水素原燃料に対する前記水素の体積比(水素/炭化水素原燃料)を、0.1%以上の変動範囲において、前記炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量に応じて変動させる点にある。
炭化水素原燃料に対する水素の体積比の変動範囲を0.1%以上とすることで、破過時間を長く確保できる。なお、炭化水素原燃料に対する水素の体積比が0.1%未満の場合には、0.1%以上の場合と比較して、破過時間が短い。
本発明に係る脱硫装置の更なる特徴構成は、
前記制御手段は、単位時間当たりにおける、前記炭化水素原燃料に対する前記水素の体積比(水素/炭化水素原燃料)を、0.1%以上11%以下の変動範囲において、前記炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量に応じて変動させる点にある。
炭化水素原燃料に対する水素の体積比を上げていき、11%を超えた場合には、破過時間の延びが顕著に減少する。つまり、水素の添加を増加させても破過時間が大きく延びない。そこで、炭化水素原燃料に対する水素の体積比の変動範囲を0.1%以上11%以下とすることで、水素の添加量を適切な量に抑えつつ、破過時間を長く確保できる。なお、炭化水素原燃料に対する水素の体積比が0.1%未満の場合には、0.1%以上の場合と比較して、破過時間が短い。
本発明に係る脱硫装置の更なる特徴構成は、
前記炭化水素原燃料は、軽質炭化水素原燃料である点にある。
軽質炭化水素原燃料は、炭素析出を引き起こしやすい重質炭化水素をほとんど含まず、硫黄分も少ない。よって、少量の脱硫剤により軽質炭化水素原燃料の脱硫を行うことができる。
本発明に係る脱硫装置の更なる特徴構成は、
前記炭化水素原燃料の処理量を測定する流量計をさらに備える点にある。
流量計により炭化水素原燃料の処理量を測定し、水素の添加量を調整可能である。
本発明に係る水素製造装置の特徴構成は、
上記の脱硫器を備える脱硫装置と、
前記脱硫器で脱硫された前記炭化水素原燃料を水蒸気と反応させて水蒸気改質反応により水素を生成する改質器と、
を備える点にある。
上記特徴構成による水素製造装置は、上述の通り、適切な量の水素の添加により、脱硫剤の脱硫性能を長時間に亘って維持できる。炭化水素原燃料の脱硫性能が向上するため、改質器での水蒸気改質触媒の硫黄被毒を抑制できる。よって、水素製造装置を長期に亘って安定して運転可能である。
本発明に係る水素製造装置の更なる特徴構成は、
前記改質器で生成された水素の少なくとも一部を前記水素添加器に導入し、前記脱硫器の上流側において、前記炭化水素原燃料に、前記水素添加器からの水素を合流させる返送路をさらに備える点にある。
上記特徴構成によれば、改質器で生成された水素の少なくとも一部は水素添加器に導入される。よって、脱硫反応において添加する水素を、改質器で生成された水素をリサイクルして賄えるため、別途に新たな水素を添加する場合よりもコストを削減できる。
なお、改質器で生成した水素の一部をリサイクルする場合、このリサイクルガスには、特別の水素精製手段を用いない限り、通常は水素に加えて一酸化炭素および二酸化炭素等も含まれる。脱硫剤として、例えばニッケル系脱硫剤を用いた場合、メタン化反応に対する活性が高いため、脱硫器への炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が少ない場合には、メタン化反応が進行しやすい。これは、炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が少ない場合は、脱硫器内での炭化水素原燃料の流速が遅く、メタン化反応が進行する時間が確保されているためである。このメタン化反応は、大きな発熱を伴う反応であるため、水素、一酸化炭素および二酸化炭素等を含むリサイクルガスの量が多い場合には、メタン化反応が促進されて著しい温度上昇が発生して、脱硫剤の脱硫性能を著しく劣化させるおそれがある。上記特徴構成によれば、脱硫器における炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が、多い場合に比べて相対的に少ない場合には、水素だけでなく一酸化炭素および二酸化炭素を含むリサイクルガスの添加量が相対的に低く制御される。そのため、メタン化反応に伴う温度上昇を抑制でき、脱硫剤の脱硫性能の低下を抑制できる。
また、脱硫器の上流側において、炭化水素原燃料と水素とが合流するため、炭化水素原燃料と水素とが十分に混合した状態で脱硫器に導入できる。よって、脱硫器内において、炭化水素原燃料の脱硫反応をより促進でき、脱硫効果を高めることができる。
本発明に係る脱硫方法の特徴構成は、
主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤が充填されている脱硫器に、炭化水素原燃料及び水素を投入し、前記炭化水素原燃料に含まれる硫黄分を脱硫するステップと、
前記脱硫器において脱硫処理される炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が多いほど、前記炭化水素原燃料に添加する水素の量を多く制御するステップと、
を備える点にある。
上記特徴構成によれば、前述と同様に、適切な量の水素の添加により、脱硫剤の脱硫性能を長時間に亘って維持できるため、脱硫装置を長期に亘って安定して運転可能である。
本発明に係る水素製造方法の特徴構成は、
主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤が充填されている脱硫器に、炭化水素原燃料及び水素を投入し、前記炭化水素原燃料に含まれる硫黄分を脱硫するステップと、
前記脱硫器において脱硫処理される炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が多いほど、前記炭化水素原燃料に添加する水素の量を多く制御するステップと、
前記脱硫器で脱硫された前記炭化水素原燃料を水蒸気と反応させて水蒸気改質反応により水素を生成するステップと、
を備える点にある。
上記特徴構成によれば、前述と同様に、適切な量の水素の添加により、脱硫剤の脱硫性能を長時間に亘って維持できるため、水素製造装置を長期に亘って安定して運転可能である。
実施形態に係る水素製造装置の概略構成図である。 実施形態に係る水素製造装置の水素製造方法における、原燃料ガス処理量と原燃料ガスに対する水素添加量との関係の一例である。 本試験例における、原燃料ガスG1に対する水素の体積比(%)と、20ppb破過時間との関係である。 実施例1及び比較例1における、原燃料ガスG1流量に対する水素流量との関係である。 実施例2及び比較例2における、原燃料ガスG1流量に対する水素流量との関係である。
〔実施形態〕
以下に、本発明の実施形態にかかる脱硫装置、水素製造装置、脱硫方法及び水素製造方法を説明する。
(1)水素製造装置の構成
まず、本発明の実施形態にかかる水素製造装置の構成例を、図1に基づいて説明する。図1は、実施形態に係る水素製造装置の概略構成図である。水素製造装置100は、供給された原燃料ガス(炭化水素原燃料)G1を脱硫し、さらに水蒸気改質して、水素を含有する改質燃料ガスG3を得る反応システムである。水素製造装置100は、主として、原燃料ガスG1を脱硫する脱硫器1と、脱硫器1を経た脱硫剤出口ガスG2の水蒸気改質を行う改質器2と、脱硫器1に投入される原燃料ガスG1の量を測定する流量計3と、改質器2で生成された水素を脱硫器1の上流側に送るリサイクルポンプ(水素添加器)4と、リサイクルポンプ4により供給する水素の量を制御する制御器(制御手段)5と、を備えている。脱硫器1には脱硫剤が封入されている。また、改質器2には、改質触媒が封入されている。
また、脱硫器1、リサイクルポンプ4、流量計3及び制御器5は、原燃料ガスG1に適切な量の水素を添加し、原燃料ガスG1の脱硫を行う脱硫装置10を構成している。
次に各部について説明する。
脱硫器1の入口には、供給路11が接続されており、供給路11を介して、原燃料ガスG1が脱硫器1に供給される。また、供給路11には、後述の第2返送路14bが接続されており、後述のリサイクルポンプ(水素供給器)4から水素を含むリサイクルガスが供給される。つまり、水素は、脱硫器1の上流側の原燃料ガスG1に添加される。よって、供給路11において、原燃料ガスG1と、水素を含むリサイクルガスとが混合され、混合された原燃料ガスG1と水素を含むリサイクルガスとが脱硫器1に供給される。そして、脱硫器1に封入された後述の脱硫剤によって、原燃料ガスG1が脱硫されて、脱硫剤出口ガスG2として排出される。
脱硫器1の出口には改質器流路12が接続されており、改質器流路12を介して、脱硫器1と、その下流の改質器2とが接続されている。よって、脱硫器1から排出された脱硫剤出口ガスG2は、脱硫器1から改質器流路12を介して改質器2に供給される。また、改質器流路12には、水蒸気供給路15が接続されており、水としての水蒸気Sが改質器流路12に供給される。したがって、改質器2には、脱硫剤出口ガスG2と、水蒸気Sとが供給される。改質器2は、脱硫剤出口ガスG2を、水蒸気Sを用いて水蒸気改質して改質燃料ガスG3を生成する。改質燃料ガスG3は、改質器2の下流側に接続された改質ガス流路13を介して、例えば燃料電池や水素精製装置などの次工程(図示せず)へ供される。
改質ガス流路13からは、リサイクルポンプ4に接続される第1返送路14aが分岐している。これにより、改質燃料ガスG3の一部は、リサイクルガスG4として、改質ガス流路13から第1返送路14aを介してリサイクルポンプ4に返送される。さらに制御器5によりリサイクルポンプ4が制御されて、水素を含むリサイクルガスがリサイクルポンプ4から第2返送路14bを介して供給路11に供給される。このリサイクルガスG4は、水素を主成分とするガスである。よって、水素製造装置100の外部から水素を新たに供給することなく、水素を主成分とするリサイクルガスG4を供給路11に供給し、混合された原燃料ガスG1と水素とを脱硫器1に供給できる。
また、供給路11には、流量計3が備えられている。流量計3およびリサイクルポンプ4は、制御器5に接続されている。制御器5は、流量計3の示す原燃料ガスG1の流量に応じて、リサイクルポンプ4を制御し、原燃料ガスG1に添加する水素の量を制御する。具体的には、制御器5は、脱硫器1における原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が多い場合に、原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が少ない場合と比較して、原燃料ガスG1に対する水素(リサイクルガスG4に含まれる水素)の比率が高くなるようリサイクルポンプ4の運転状態を制御する。つまり、制御器5は、脱硫器1における原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が多いほど、原燃料ガスG1に添加する水素の量を多く制御する。
なお、ここで、処理量は、脱硫器1に投入される原燃料ガスG1の量を測定する流量計3により測定されている。よって、後述の通り、制御器5は、この流量計測結果に基づいて、原燃料ガスG1に対して添加すべき水素の比率を計算し、算出した水素の比率に基づいてリサイクルポンプ4の出力を制御し、添加する水素の量を調整する。
また、脱硫器1へは、脱硫器1での脱硫の処理能力を考慮して原燃料ガスG1が投入されており、脱硫器1での処理量と、脱硫器1への投入量とは概ね同一である。
(2)原燃料ガスG1
水素製造装置100に導入される原燃料ガスG1は、例えば天然ガス、液化石油ガス(LPG)、天然ガス及び液化石油ガス等を原料とする都市ガスのような軽質炭化水素を主成分とする原燃料ガスG1である。
軽質炭化水素を主成分とする原燃料ガスG1は、炭素析出を引き起こしやすい重質炭化水素をほとんど含まないため、硫黄の含有量が少なく、原燃料として好適である。よって、少量の脱硫剤により軽質炭化水素原燃料の脱硫を行うことができる。
(3)脱硫剤
脱硫器1に封入される脱硫剤は、銅、亜鉛およびニッケルを主成分とする脱硫剤である。
この脱硫剤は、例えば、次のように製造される。まず、銅化合物、亜鉛化合物を含む混合物とアルカリ物質の水溶液とを混合して沈殿を生じさせる。次に、得られた沈殿を焼成し、酸化銅−酸化亜鉛混合物成型体を得た後、この成型物にニッケルを含浸させ、さらに焼成する。焼成により得られた酸化物焼成体を水素還元して前記脱硫剤が製造される。
また、前記脱硫剤は次のように製造することもできる。まず、混合工程において、銅化合物および亜鉛化合物を含む第一粉末と、ニッケル化合物を含む第二粉末と、を混合して混合粉末を得る。次に、成形工程において、前記混合粉末を混練し、成形して成形物を得る。続いて、焼成工程において、前記成形物を焼成して、脱硫剤前駆体を得る。最後に、還元工程において、前記脱硫剤前駆体を水素還元して、前記脱硫剤を得る。
脱硫剤中のニッケル、銅、亜鉛の含有量は、焼成後かつ水素還元前の脱硫剤に対する質量比(脱硫剤中の含有率)で、Niとして約1.0質量%から約10質量%、CuOとして約10質量%から約50質量%、ZnOとして約30質量%から約70質量%である。
ニッケルは、有機硫黄化合物の分解において高い触媒作用を持つ。そのため、脱硫剤中のニッケルの含有量が少ないと、脱硫性能が得られない。上記のように、脱硫剤中にNiが約1.0質量%から約10質量%含有されているため、脱硫剤表面に適度な量のニッケルを付着及び存在させ、脱硫に関与しない脱硫剤内部のニッケル量を減らして効率的な脱硫を行うことができる。
銅は、有機硫黄化合物の分解において触媒作用を持つ。また、銅は、前述の触媒作用と共に、硫黄と反応してCuS,CuSなどの化合物となり、硫黄の固定にも寄与する。そのため、脱硫剤中の銅の含有量が少なすぎると脱硫性能が得られない。よって、脱硫剤中の含有量として、CuOが約10質量%から約50質量%含まれているのが好ましい。
ZnOは硫黄をZnSとして固定するための必須成分である。脱硫剤中のZnOの含有量が、少なすぎると脱硫容量が少なくなる。よって、脱硫剤中の含有量として、ZnOが約30質量%から約70質量%含まれているのが好ましい。
上述のように銅及びニッケルが、微粒子としてZnO粒子表面上に極めて均一に混合及び分散しているので、銅及びニッケルとZnOとの化学的な相互作用により、脱硫剤は高活性状態になっている。これにより、ニッケル単独では生じやすいメタン化反応及び炭素析出などの副反応が抑制され、長期にわたり高活性な脱硫性能を維持できる。
脱硫剤は、主成分であるニッケル、銅および亜鉛に加えて、さらにAl、SiO、TiOなどの成分を含んでいてもよい。これらの成分は直接脱硫反応に寄与することはないが、脱硫剤の比表面積の増大と強度に寄与する。そのため、多すぎると脱硫性能が低下するが、少なすぎても比表面積および強度の増大の効果が不足する。例えば、Alを用いる場合は、脱硫剤中の含有量として、Alが約5質量%から約20質量%含まれているのが好ましい。
Alを添加する場合は、例えば次の方法で脱硫剤を製造することができる。まず、銅化合物、亜鉛化合物およびアルミニウム化合物を含む混合物とアルカリ物質の水溶液とを混合して沈殿を生じさせる。次に、得られた沈殿を焼成し、酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウム混合物成型体を得た後、この成型物にニッケルを含浸させ、さらに焼成する。焼成により得られた酸化物焼成体を水素還元して前記脱硫剤が製造される。このように、銅−亜鉛を共沈させる際にアルミニウムを共存させると、銅−亜鉛−アルミニウムの3成分が高度に分散するので、少量のアルミニウムの添加で、比表面積および強度が増加するため、脱硫性能を損なうことなく高い強度が得られるため好ましい。
以上の脱硫剤は、炭化水素原燃料である原燃料ガスG1の脱硫性能に極めて優れており、少量の使用により高度に脱硫された炭化水素原燃料を長時間にわたり安定して容易に得ることができる
なお、水素製造装置100では、運転前に、脱硫剤が水素含有ガスによって還元されてから用いられる。還元された脱硫剤では、通常ニッケルおよび銅は金属状態となるが、亜鉛およびアルミニウムは、還元後も酸化物の状態を保つと考えられる。
(4)改質触媒
改質器2に封入される水蒸気改質触媒は、NiあるいはRuを耐熱性の無機酸化物に担持した触媒である。耐熱性の無機酸化物としては、アルミナやジルコニア等が好適に用いられる。Niを用いる場合、水蒸気改質触媒に担持されているNiの担持量は質量比で約1〜約60%、好ましくは約10〜約30%程度である。Ruを用いる場合、水蒸気改質触媒に担持されているRuの担持量は質量比で約0.1〜約10%、好ましくは約0.5〜約4%程度である。
(5)水素製造方法
次に、本実施形態に係る水素製造装置100における水素製造方法について説明する。
供給路11から原燃料ガスG1が供給されると、流量計3は、水素製造装置100に送入される原燃料ガスG1の流量を計測する。制御器5は、この流量計測結果に基づいて、原燃料ガスG1に対して添加すべき水素の比率を計算し、算出した水素の比率に基づいてリサイクルポンプ4の出力を制御する。このとき、制御器5は、原燃料ガスG1の流量(脱硫器1での原燃料ガスG1の処理量に相当)が増加すると、原燃料ガスG1に対する水素の添加割合を増加する。
具体的には、例えば、原燃料ガスG1に対する水素の添加割合を図2に示すように制御する。図2は、実施形態に係る水素製造装置の水素製造方法における、原燃料ガス処理量と原燃料ガスに対する水素添加量との関係の一例である。図2に示すように、例えば、原燃料ガスG1の流量(GHSV)が約1000h−1である場合に、原燃料ガスG1に対して約1%(体積基準)の水素を添加する。この時の原燃料ガスG1の流量(GHSV)は、脱硫剤単位体積あたり、かつ1時間当たりの0℃、1気圧の標準状態に換算して算出される。そして、原燃料ガスG1の流量が増加してGHSVが約1500h−1となった場合には、原燃料ガスG1に対して約2%(体積基準)の水素を添加する。また、GHSVが約2000h−1である場合には、原燃料ガスG1に対して約4%(体積基準)の水素を添加する。これにより、制御器5は、GHSVの増加に応じて、原燃料ガスG1に対する水素の添加割合を増加するように制御する。
逆に、制御器5は、GHSVの減少に応じて、原燃料ガスG1に対する水素の添加割合を減少するように制御する。例えば、制御器5は、GHSVが約500h−1となった場合には、原燃料に対する水素の添加割合を約0.5%まで減少させる。
上記のGHSVと水素の添加比率は、要求される脱硫剤の寿命により任意に変更可能である。脱硫剤の交換周期を10倍程度としたい場合は、例えば、GHSVが約50h−1,約100h−1,約150h−1,約200h−1の時に、原燃料ガスG1に対する水素の添加割合をそれぞれ約0.5%、約1%、約2%、約4%としてもよい。
原燃料ガスG1に対する水素の添加割合(体積基準)の変動範囲は、約0.1〜約100%、より好ましくは約0.1〜約11%、さらに好ましくは約0.2〜約4%、さらに好ましくは約1〜約4%、さらに好ましくは約2〜約4%程度とする。原燃料ガスG1に対する水素の添加割合が少なすぎ、例えば0.1%を下回ると、脱硫性能が不十分となる可能性がある。
一方、原燃料ガスG1に対する水素の添加割合が多すぎると、結果的に脱硫剤上での原燃料ガスG1の滞留時間が短くなるため、脱硫性能が低下する恐れがある。さらに、第1及び第2返送路14(14a、14b)からリサイクルポンプ4を介して大量の水素のリサイクルすることは経済的にも不利となる場合がある。
本実施形態に係る水素製造装置100における水素製造方法においては、原燃料ガスG1である軽質炭化水素原燃料に水素を添加した後、150℃以上350℃以下の温度で脱硫器1に導入する。脱硫器1では、軽質炭化水素原燃料に含まれる有機硫黄化合物が分解除去されることで、軽質炭化水素原燃料の脱硫が行われる。この脱硫反応は、一般に軽質炭化水素原燃料に含まれる有機硫黄化合物の濃度が低いため、大きな発熱も吸熱も伴わない。従って、原燃料ガスG1である軽質炭化水素原燃料あるいは水素を添加した軽質炭化水素原燃料を、予熱器(図示せず)において150℃以上350℃以下の温度で予熱してから、断熱された脱硫器1に導入してもよい。あるいは、脱硫器1を加熱手段(図示せず)により外部から加熱し、脱硫器1内の脱硫剤の温度が150℃以上350℃以下の温度に保たれるようにしてもよい。
また、本実施形態に係る水素製造装置100における水素製造方法においては、前記のようにして脱硫器1で脱硫された軽質炭化水素原燃料に水蒸気を添加した後、水蒸気改質触媒を充填した改質器2に導入する。これにより、改質器2において、軽質炭化水素原燃料を水蒸気と反応させて水素を得る。改質器2における水蒸気改質反応は、大きな吸熱を伴う。従って、改質器2は加熱手段(図示せず)で外部から加熱し、改質器2内の水蒸気改質触媒の温度が600℃以上850℃以下の温度に保たれるようにするのがよい。ただし、必要に応じて水蒸気に加えて、少量の酸素含有ガスを添加して、部分酸化反応を併発させることもできる。
上記のような装置及び方法を採用することで、次のような効果がある。
従来は、原燃料ガスG1中の硫黄を脱硫剤で脱硫処理する場合において、原燃料ガスG1中の硫黄含有量が約ppmオーダーの量であるので、水素は、原燃料ガスG1に対してモル比で約1/10000〜1/1000のオーダーで添加すればよいとされていた。しかし、発明者らは、原燃料ガスG1中の硫黄を脱硫剤で脱硫処理する場合において、原燃料ガスG1の硫黄が約ppmオーダーの量であっても、水素添加量を前述のオーダーよりも増加させた場合に脱硫剤の破過時間が顕著に延長されるという新規の知見を発見した。そして、この新規な知見に基づいて本実施形態を完成した。
ここで、通常、脱硫器1における原燃料ガスG1の処理量が多い場合には、脱硫器1内を通過する原燃料ガスG1が多くなり、脱硫剤と原燃料ガスG1とが接触して脱硫反応が生じる反応帯の範囲が広がる。そして、脱硫器1の下流側にまで反応帯が広がって位置してしまうと、原燃料ガスG1が脱硫器1で脱硫されずに排出され、原燃料ガスG1からの脱硫が十分に行われない傾向にある。そこで、本実施形態では、原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が多いほど、原燃料ガスG1に添加する水素の量を多く制御する。これにより、原燃料ガスG1における脱硫反応を促進することができる。よって、原燃料ガスG1の処理量が多い場合でも、脱硫器1の下流側にまで反応帯が移動するのを抑制し、脱硫器1内で脱硫剤と原燃料ガスG1とを十分に反応させて原燃料ガスG1の脱硫を高めることができる。
一方、脱硫器1における原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が、前記の処理量が多い場合と比較して少ない場合には、原燃料ガスG1に添加する水素の量を少なく制御する。このように少ない量の水素の添加であっても、原燃料ガスG1の処理量が少ないため脱硫反応が十分に行われる。よって、脱硫器1の下流側にまで反応帯は移動せず、脱硫器1内で脱硫剤と原燃料ガスG1とを十分に反応させて、原燃料ガスG1の脱硫を高めることができる。また、原燃料ガスG1の処理量が少ない場合には、添加する水素の量が少なくて済むため、コストを削減できるとともに、原燃料ガスG1の処理量が多い場合に備えて水素量を確保できる。
以上の通り、脱硫器1における原燃料ガスG1の処理量に応じて添加する水素の量を増減させることで、適切な量の脱硫剤を用いながら、反応帯が脱硫器1の下流側にまで移動するのを抑制して、脱硫性能を十分に確保できる。つまり、原燃料ガスG1の処理量の大小によらず、脱硫反応の反応帯を脱硫器1の上流側にできるだけ維持し、下流側にまで移動するのを抑制できる。また、このことは、原燃料ガスG1の処理量の大小によって、脱硫器1における反応帯の位置が上流側と下流側との間で大きく変動することを抑制できることを意味する。つまり、原燃料ガスG1の処理量が異なっていても、その処理量に応じて添加する水素の量を制御するため、脱硫器1の使用開始からの時期が同程度の場合には、原燃料ガスG1の処理量の大小に関わらず、反応帯の位置は脱硫器1内の同程度の位置に安定している。
そして、反応帯が、原燃料ガスG1の脱硫器1への投入開始から徐々に上流側から下流側に移動し、最終的に最下流位置に移動すると、脱硫剤が破過時間を迎える。このように原燃料ガスG1の投入開始から反応帯の位置が安定的に上流側から下流側に移動するため、脱硫剤の脱硫反応位置が点在していない。つまり、脱硫剤層中の硫黄吸着量分布が乱れていない。よって、脱硫剤の脱硫反応のムラを抑制し、安定した脱硫性能を発揮させることができる。これにより、適切な量の水素の添加により、脱硫剤の脱硫性能を長時間に亘って維持できるため、脱硫装置10を長期に亘って安定して運転可能である。
また、主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤又は主成分として銅、亜鉛、ニッケル及びアルミニウム含む脱硫剤は、原燃料ガスG1の脱硫性能に極めて優れており、少量の使用により高度に脱硫された原燃料ガスG1を長時間にわたり安定して容易に得ることができる。
また、上述の通り、適切な量の水素の添加により、脱硫剤の脱硫性能を長時間に亘って維持できる。原燃料ガスG1の脱硫性能が向上するため、改質器2での水蒸気改質触媒の硫黄被毒を抑制できる。よって、水素製造装置100を長期に亘って安定して運転可能である。
また、本実施形態によれば、改質器2で生成された水素の少なくとも一部はリサイクルポンプ4に導入される。よって、脱硫反応において添加する水素を、改質器2で生成された水素をリサイクルして賄えるため、別途に新たな水素を添加する場合よりもコストを削減できる。
なお、改質器2で生成した水素の一部をリサイクルする場合、このリサイクルガスには、特別の水素精製手段を用いない限り、通常は水素に加えて一酸化炭素および二酸化炭素等も含まれる。脱硫剤として、例えばニッケル系脱硫剤を用いた場合、メタン化反応に対する活性が高いため、脱硫器1への原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が少ない場合には、メタン化反応が進行しやすい。これは、原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が少ない場合は、脱硫器1内での原燃料ガスG1の流速が遅く、メタン化反応が進行する時間が確保されているためである。このメタン化反応は、大きな発熱を伴う反応であるため、水素、一酸化炭素および二酸化炭素等を含むリサイクルガスの量が多い場合には、メタン化反応が促進されて著しい温度上昇が発生して、脱硫剤の脱硫性能を著しく劣化させるおそれがある。本実施形態によれば、脱硫器1における原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が、多い場合に比べて相対的に少ない場合には、水素だけでなく一酸化炭素および二酸化炭素を含むリサイクルガスの添加量が相対的に低く制御される。そのため、メタン化反応に伴う温度上昇を抑制でき、脱硫剤の脱硫性能の低下を抑制できる。
また、脱硫器1の上流側において、原燃料ガスG1と第2返送路14bを介して供給される水素とが合流するため、原燃料ガスG1と水素とが十分に混合した状態で脱硫器1に導入できる。よって、脱硫器1内において、原燃料ガスG1の脱硫反応をより促進でき、脱硫効果を高めることができる。
(試験例1)
特許文献4に記載の方法に従い、酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウム混合物成型体にニッケルを含浸させた直径1/8インチ×長さ1/8インチの酸化物成型体(還元前の酸化状態にある脱硫剤)を得た。この還元前の脱硫剤は、Ni6.5%、Cu35%、Zn25%、Al2.9%(いずれも酸化状態にある脱硫剤中の金属換算の質量%)を含んでいた。
この還元前の脱硫剤を、ステンレス製反応管(内径26mm)に100g(68mL)充填し、脱硫器1を構成した。そして、270℃に保持した恒温器の中に、脱硫器1であるステンレス製反応管の全体を入れ、窒素ガスに2%の水素(体積基準)を混合した還元ガスを毎時300リットル(0℃、1気圧の標準状態における体積)で流通し、5時間還元処理を行った。
還元処理後、恒温器の温度を270℃に保ったまま、13A都市ガスを原燃料ガスG1として毎時660リットル(0℃、1気圧の標準状態における体積)で脱硫器1に流通した。なお、この13A都市ガスは、付臭剤(硫黄化合物)として、DMSを約3.1ppm、TBMを約2.4ppm含有している。このとき、原燃料ガスG1には水素を添加していない。
そして、脱硫剤出口ガスG2中のDMS、TBMおよび硫化水素濃度をガスクロマトグラフで分析した。
脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度は当初5時間までは検出されず、7時間後に41ppbとなった。脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度が20ppbを超えるまでの時間(20ppb破過時間)はこの条件では約6時間となった。なお、7時間後まで脱硫剤出口ガスG2中にTBMおよび硫化水素は検出されなかった。TBMは脱硫剤によって分解され、硫化水素は脱硫剤に吸収されたと考えられる。
(試験例2)
原燃料ガスG1である13A都市ガスを毎時660リットルとし、これに水素を0.264リットル(0℃、1気圧の標準状態における体積)添加して脱硫剤が封入された脱硫器1に通じた他は試験例1と同様にして脱硫性能を評価した。原燃料ガスG1に対する水素の体積比は0.04%である。
脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度は当初19時間までは検出されず、22時間後に24ppbとなった。脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度が20ppbを超えるまでの時間(20ppb破過時間)はこの条件では約21時間となった。なお、21時間後まで脱硫剤出口ガスG2中にTBMおよび硫化水素は検出されなかった。TBMは脱硫剤によって分解され、硫化水素は脱硫剤に吸収されたと考えられる。
(試験例3〜8)
原燃料ガスG1である13A都市ガスを毎時660リットルとし、原燃料ガスG1に対する水素の体積比を変えた他は試験例2と同様にして、脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度が20ppbを超えるまでの時間を取得した。試験例3〜8では、原燃料ガスG1に対する水素の体積比を、それぞれ0.1%、0.5%、1.0%、2.0%、4.2%、11%とした。
脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度が20ppb破過時間は、試験例3〜8それぞれについて、58時間、81時間、96時間、125時間、167時間、188時間となった。
(試験例1〜8の考察)
試験例1の結果の通り、原燃料ガスG1に水素を添加しない場合は20ppb破過時間は約6時間であった。また、試験例2の結果の通り、原燃料ガスG1に体積比で0.04%の水素を添加すると20ppb破過時間は約21時間であった。
そして、試験例3〜8では、原燃料ガスG1に対する水素の体積比を、それぞれ0.1%、0.5%、1.0%、2.0%、4.2%、11%とすると、20ppb破過時間はそれぞれ58時間、81時間、96時間、125時間、167時間、188時間となった。
これら試験例1〜8の結果を、横軸を原燃料ガスG1に対する水素の体積比(%)とし、縦軸を20ppb破過時間(h)として図3に示した。試験例1,2によると、水素の体積が0%及び0.04%など0.1%未満では、20ppb破過時間は約21時間以下であり、短かった。一方、試験例3〜8を考察すると、原燃料ガスG1に対して添加する水素の体積比を、0.1%以上とすると、20ppb破過時間は58時間以上となった。そして、原燃料ガスG1に対して添加する水素の体積比を、0.1%(モル比0.001)から4.2%に上昇させると、20ppb破過時間は、58時間から167時間となり約2.9倍延びた。また、原燃料ガスG1に対する水素の体積比を、0.1%から11%に上昇させると、20ppb破過時間は、58時間から188時間となり約3.2倍延びた。
以上より、試験例1〜8の結果から、原燃料ガスG1に添加する水素の濃度を高めることで脱硫剤の寿命を大幅に延ばすことができると分かった。また、原燃料ガスG1に対する水素の体積比が11%を超えると、20ppb破過時間の延びが大きくない。そこで、原燃料ガスG1に対する水素の体積比の変動範囲を0.1%以上11%以下とすることで、水素の添加量を適切な量に抑えつつ、破過時間を長く確保できることが分かった。さらに好ましくは、原燃料ガスG1に対する水素の体積比の変動範囲を1.0%以上4.0%以下とし、この範囲において水素の体積比を制御する。この場合、水素の体積比を微増させるだけで、20ppb破過時間を顕著に延ばすことができる。
この試験例1〜8からは、原燃料ガスG1中の硫黄を脱硫剤で脱硫処理する場合において、原燃料ガスG1の硫黄が約ppmオーダーの量であっても、水素添加量を増加させると、脱硫剤の破過時間が顕著に延びるという新規の知見が発見された。つまり、この新規の知見からは、水素添加量の増加により脱硫反応を促進し、脱硫器の破過時間を延ばすことができることが分かった。
そして、本発明者らは、前述の水素添加量を増加させると、脱硫剤の破過時間が顕著に延びるという新規の知見と、脱硫器1における原燃料ガスG1の処理量の増加により脱硫反応箇所である反応帯が広がり、脱硫器1の下流側に移動するという知見とに基づいて、原燃料ガスG1の処理量の増加に応じて水素添加量を増加させ、原燃料ガスG1の脱硫反応を促進させて、反応帯の下流側への移動を抑制することとした。逆に、脱硫器1における原燃料ガスG1の処理量が少ない場合は、脱硫器1において十分に脱硫反応が生じるため、水素添加量を減らすこととした。つまり、脱硫器1において処理される原燃料ガスG1の単位時間当たりの処理量が多いほど、原燃料ガスG1に添加する水素の量を多くするとの新たな知見を見出した。
(実施例1)
試験例1と同様にして脱硫剤を得て、脱硫器1を構成した。そして、恒温器の温度を250℃にした他は試験例1と同様にして脱硫剤の還元処理を行った。
還元処理後、恒温器の温度を250℃に保ったまま、原燃料ガスG1としての13A都市ガスを毎時440リットル(0℃、1気圧の標準状態における体積)とし、これに水素を9リットル(0℃、1気圧の標準状態における体積)添加して、脱硫剤が封入された脱硫器1に流通した。原燃料ガスG1、および水素を含む全流通ガスに対する水素の体積比は2%である。
原燃料ガスG1(13A都市ガス)を導入してから60.5時間後、13A都市ガスの流量を毎時660リットルに変更し、全流通ガスに対する水素の体積比が4%となるよう、水素添加量を変更した。
さらに4時間後、13A都市ガスの流量を毎時330リットルに変更し、全流通ガスに対する水素の体積比が1.2%となるよう、水素添加量を変更し、さらに20時間流通を続けた。
以降は、13A都市ガスの流量が毎時660リットルで、全流通ガスに対する水素の体積比が4%での条件での4時間のガス流通と、13A都市ガスの流量が毎時330リットルで、全流通ガスに対する水素の体積比が1.2%での条件での20時間のガス流通を交互に繰り返し行った。
実施例1での原燃料ガスG1の流量及び水素添加量(水素流量)の経時変化を図4に示す。
脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度は、原燃料ガスG1の流通開始から107時間経過時までは検出されず、109時間後に15.6ppb、111時間後に17.7ppbとなった。その後、113時間後から131時間後までは脱硫剤出口ガスG2中からDMSは検出されず、133時間後に27.5ppb、135時間後に30ppbとなった。その後、137時間後から155時間後まではDMSが検出されず、157時間後には40.4ppb、159時間後には44.7ppbとなった。
なお、脱硫剤出口ガスG2からDMSが検出された時間においては、すべて、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時660リットル)であった。
(比較例1)
原燃料ガスG1に対する水素の体積比が常に2%になるように固定した他は、実施例1と同様にして、原燃料ガスの流量を変動させて脱硫剤の脱硫性能を評価した。
比較例1での原燃料ガスG1の流量及び水素添加量(水素流量)の経時変化を実施例1とともに図4に示す。
このときも、原燃料ガスG1の流量が毎時660リットル(原燃料ガスG1の流量が大きい場合)のときにだけ脱硫剤出口ガスG2からDMSが検出された。脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度は、原燃料ガスG1流通開始から88時間、110時間、112時間、134時間、136時間、158時間、160時間経過後でそれぞれ、14.1ppb、17.4ppb、20.4ppb、29.6ppb、34.1ppb、44.9ppb、50.3ppbであった。
(実施例1、比較例1の考察)
脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度について、全体的に実施例1の値の方が比較例1の値よりも低い。このことから、本発明で見出した、原燃料ガスの流量が多いほど、原燃料ガスに添加する水素の体積比が大きくなるよう水素の添加量を変動させるという運転方法によって、脱硫剤の脱硫性能が向上することは明らかである。
以上の結果から、前述の通り、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時660リットル)に、脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度が検出され、脱硫器1の下流側から硫黄分が流出しているのが分かる。そして、DMS濃度が検出されている時間及び濃度を実施例1及び比較例1で比較すると、実施例1の方が比較例1よりもDMS濃度が検出され始めた時間が遅く、さらに同程度の時間で比較した場合においてDMS濃度が低いことが分かる。このことから、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時660リットル)に脱硫器1の下流側から硫黄分が流出するものの、実施例1の方が比較例1よりも、脱硫器1の下流側から硫黄分が流出しにくいことが分かる。よって、実施例1の運転方法により、脱硫剤の脱硫性能が向上することが明らかである。
(実施例2)
試験例1と同様にして脱硫剤を得て、脱硫器1を構成した。そして、恒温器の温度を250℃にした他は試験例1と同様にして脱硫剤の還元処理を行った。
還元処理後、恒温器の温度を250℃に保ったまま、原燃料ガスG1としての13A都市ガスを毎時400リットル(0℃、1気圧の標準状態における体積)とし、これに水素を4リットル(0℃、1気圧の標準状態における体積)添加して、脱硫剤が封入された脱硫器1に流通した。原燃料ガスG1、および水素を含む全流通ガスに対する水素の体積比は1%である。
原燃料ガスG1(13A都市ガス)を導入してから63時間後、13A都市ガスの流量を毎時600リットルに変更し、全流通ガスに対する水素の体積比が4%となるよう、水素添加量を変更した。
さらに9時間後、13A都市ガスの流量を毎時300リットルに変更し、全流通ガスに対する水素の体積比が1%となるよう、水素添加量を変更し、さらに15時間流通を続けた。
その後、13A都市ガスの流量が毎時600リットルで、全流通ガスに対する水素の体積比が4%での条件での9時間のガス流通と、13A都市ガスの流量が毎時300リットルで、全流通ガスに対する水素の体積比が1%での条件での15時間のガス流通を行ったあと、13A都市ガスの流量を毎時400リットルに変更し、全流通ガスに対する水素の体積比が1%となるよう水素添加量を変更した。
実施例2での原燃料ガスG1の流量及び水素添加量(水素流量)の経時変化を図5に示す。
脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度は、原燃料ガスG1の流通開始から67.5時間経過時までは検出されず、68.5時間後に20.2ppb、69.5時間後に21.8ppb、71.5時間後には21.5ppbとなった。72.5時間後から86.5時間後までは脱硫剤出口ガスG2中からDMSは検出されず、87.5時間後に33.4ppb、95.5時間後に37.4ppbとなった。
その後、96.5時間後から110.5時間後まではDMSが検出されず、111.5時間後には23.2ppb、112.5時間後には24.1ppb、130.5時間後には35.9ppbとなった。
なお、脱硫剤出口ガスG2からDMSが検出された時間においては、すべて、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時600リットル、または毎時400リットル)であった。
(比較例2)
原燃料ガスG1に対する水素の体積比が常に1%になるように固定した他は、実施例2と同様にして、原燃料ガスの流量を変動させて脱硫剤の脱硫性能を評価した。
比較例2での原燃料ガスG1の流量及び水素添加量(水素流量)の経時変化を実施例2とともに図5に示す。
このときも、原燃料ガスG1の流量が毎時600リットル、または毎時400リットル(原燃料ガスG1の流量が大きい場合)のときにだけ脱硫剤出口ガスG2からDMSが検出された。脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度は、原燃料ガスG1流通開始から63時間、64時間、71時間、87時間、95時間、111時間、112時間、130時間経過後でそれぞれ、31.7ppb、36.8ppb、51.7ppb、62.7ppb、86.3ppb、30.5ppb、31.4ppb、44.1ppbであった。
(実施例2、比較例2の考察)
脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度について、全体的に実施例2の値の方が比較例2の値よりも低い。このことから、本発明で見出した、原燃料ガスの流量が多いほど、原燃料ガスに添加する水素の体積比が大きくなるよう水素の添加量を変動させるという運転方法によって、脱硫剤の脱硫性能が向上することは明らかである。
また、原燃料ガスG1の流通開始から111時間後以降のDMS検出濃度について、実施例2と比較例2の値を比較すると、111時間後以降では、実施例2と比較例2とにおいて原燃料ガスG1の流量、及び添加する水素の体積比(水素濃度)が等しく、またそれまでに流通した原燃料ガスG1中の総硫黄量が同じであるのにもかかわらず、明らかに同時点でのDMS検出濃度は実施例2の方が低くなっている。これは、実施例2では、原燃料ガスG1の流量が多いときに、添加する水素の体積比を大きくすることによって、脱硫反応の反応帯を脱硫器の上流側にできるだけ維持して下流側に移動することを抑制し、脱硫剤の性能が長期にわたって高く維持されたことを表している。
上記の結果から、前述の通り、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時600リットル、または毎時400リットル)に、脱硫剤出口ガスG2のDMS濃度が検出され、脱硫器1の下流側から硫黄分が流出しているのが分かる。そして、DMS濃度が検出されている時間及び濃度を実施例2及び比較例2で比較すると、実施例2の方が比較例2よりもDMS濃度が検出され始めた時間が遅く、さらに同程度の時間で比較した場合においてDMS濃度が低いことが分かる。このことから、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時600リットル、または毎時400リットル)に脱硫器1の下流側から硫黄分が流出するものの、実施例2の方が比較例2よりも、脱硫器1の下流側から硫黄分が流出しにくいことが分かる。よって、実施例2の運転方法により、脱硫剤の脱硫性能が向上することが明らかである。
さらに、前述の通り、実施例2と比較例2において、111時間後までに流れた原燃料ガスG1の総流量が等しい(総硫黄量が同じ)。そして、111時間までは、実施例2では、原燃料ガスG1の流量が多い場合及び少ない場合それぞれに応じて水素の体積比が多く及び少なくなるように調整し、比較例2では原燃料ガスG1の流量に関係なく水素の体積比を一定とした。この状態を経て、111時間後以降の場合において、実施例2と比較例2とにおいて原燃料ガスG1の流量を等しく(総硫黄量が同じ)、及び添加する水素の体積比(水素濃度)を等しくした。その結果、111時間後以降の場合において、DMS検出濃度は比較例2よりも実施例2の方が低くなった。つまり、実施例2と比較例2において、所定時間(111時間)までに流れた総硫黄量が同じであるにも関わらず、所定時間(111時間)以降において原燃料ガスG1の流量及び水素の体積比を同一の条件とした場合に、DMS検出濃度が実施例2の方が低くなった。よって、脱硫反応の反応帯を脱硫器の上流側にできるだけ維持できたことが分かる。
(実施例1,2、比較例1,2の総合的な考察)
(1)
比較例1では、原燃料ガスG1の流量に関係なく水素の体積比が2%で一定となるように調整した。一方、実施例1では、原燃料ガスG1が多い場合(毎時660リットル)は、比較例1よりも大きくなるように水素の体積比を4%に調整し、原燃料ガスG1が少ない場合(毎時330リットル)は、比較例1よりも小さくなるように水素の体積比を1.2%に調整した。
上記のように水素の体積比を調整することで、実施例1と比較例1とにおいて、同時に実験を開始してから所定時間経過後の水素の総添加量が同じとなるように調整した。
比較例2では、原燃料ガスG1の流量に関係なく水素の体積比が1%で一定となるように調整した。一方、実施例2では、原燃料ガスG1が多い場合(毎時600リットル)は、比較例2よりも大きくなるように水素の体積比を4%に調整し、原燃料ガスG1が少ない場合(毎時300リットル)は、水素の体積比を比較例2と同じ1%に調整した。
上記のように水素の体積比を調整することで、実施例2と比較例2とにおいて、同時に実験を開始してから所定時間経過後では、実施例2の方が水素の総添加量が多くなった。
実施例1,2、比較例1,2の結果からは、原燃料ガスG1の流量が多いほど、原燃料ガスG1に添加する水素の体積比が大きくなるよう水素の添加量を変動させるという運転方法によって、脱硫剤の脱硫性能が向上していることが分かる。よって、水素の総添加量が同じ場合(実施例1及び比較例1)であっても、水素の総添加量が異なる場合(実施例2及び比較例2)であっても、原燃料ガスG1の流量に対して水素の体積比を異ならせることで、脱硫器の破過時間を遅らせることができると言える。
(2)
前述の通り、実施例1及び比較例1の結果から、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時660リットル)に脱硫器1の下流側から硫黄分が流出するものの、実施例1の方が比較例1よりも、脱硫器1の下流側から硫黄分が流出しにくいことが分かった。同様に、実施例2及び比較例2の結果から、原燃料ガスG1の流量が大きい場合(毎時600リットル、または毎時400リットル)に脱硫器1の下流側から硫黄分が流出するものの、実施例2の方が比較例2よりも、脱硫器1の下流側から硫黄分が流出しにくいことが分かった。これらの実施例1,2、比較例1,2の共通の結果からすると、原燃料ガスG1の流量が大きい場合に脱硫器1の下流側から硫黄分が流出するものの、本実施形態の運転方法を採用した実施例1及び実施例2の方が比較例1及び比較例2よりも、脱硫器1の下流側から硫黄分が流出しにくいことが分かった。
さらに、前述の通り、実施例2及び比較例2の結果からは、所定時間(111時間)までに流れた総硫黄量が同じであるにも関わらず、所定時間(111時間)以降において原燃料ガスG1の流量及び水素の体積比を同一の条件とした場合に、DMS検出濃度が実施例2の方が低くなった。よって、実施例2及び比較例2の結果からは、本実施形態の運転方法を採用することで、脱硫器1内で反応帯の位置が脱硫器の上流側に安定していることが追加的に分かった。
(3)
実施例1,2、比較例1,2においてDMSが検出されなった時間について検討する。実施例1及び比較例1では原燃料ガスG1の流量が小さく(毎時330リットル)、水素の体積比が実施例1では1.2%であり、比較例1では2%であった場合に、DMSが検出されなかった。また、実施例2及び比較例2では原燃料ガスG1の流量が小さく(毎時300リットル)、水素の体積比が実施例2及び比較例2で1%であった場合に、DMSが検出されなかった。よって、本実施形態の運転方法を採用することにより、原燃料ガスG1の流量が小さく、水素の体積比が小さい場合であっても、脱硫剤の脱硫性能が確保されていることが分かる。
このことは、試験例の結果からもわかる。試験例1の結果の通り、原燃料ガスG1に水素を添加しない場合は20ppb破過時間は約6時間であった。試験例2では、原燃料ガスG1に対する水素の体積比が0.04%であり、20ppb破過時間は約21時間であった。試験例3〜8では、原燃料ガスG1に対する水素の体積比を、それぞれ0.1%、0.5%、1.0%、2.0%、4.2%、11%とすると、20ppb破過時間はそれぞれ58時間、81時間、96時間、125時間、167時間、188時間となった。この結果からも、原燃料ガスG1に対する水素の体積比がある程度小さい場合であっても、脱硫剤の脱硫性能が確保されていることが分かる。ただし、原燃料ガスG1に対する水素の体積比が0.1%未満であり、例えば0.04%の場合には20ppb破過時間は約21時間と短いため、原燃料ガスG1の流量が小さい場合であっても、原燃料ガスG1に対する水素の体積比は0.1%以上であるのが好ましい。
[別実施形態]
(1)上記実施形態では、改質器2で水蒸気改質した改質燃料ガスG3の一部をリサイクルポンプ4を経て供給路11にリサイクルする。しかし、改質燃料ガスG3をさらにCOシフト反応器あるいはPSA(圧力スイング吸着)精製装置などに導入し、水素濃度をさらに高めたガスをリサイクルする構成としてもよい。
また、改質器2からの水素を含むリサイクルガスを供給路11に供給するのではなく、別途の水素のみを含むガスを貯蓄している水素タンクから、水素を供給路11に供給してもよい。つまり、原燃料ガスG1に、リサイクルガスの水素を添加するのではなく、純粋の水素を添加してもよい。
(2)上記実施形態では、流量計3により水素製造装置100に送入される原燃料ガスG1の流量を計測する。そして、この流量計測結果に基づいて、制御器5が、原燃料ガスG1の流量に対して添加すべき水素の比率を計算し、これに基づいてリサイクルポンプ4の出力を制御する。しかし、原燃料ガスG1の流量に対応した水素を添加できればよく、この構成に限定されない。
例えば、制御器5が外部信号に基づいて水素製造装置100に送入される原燃料ガスG1の流量を決定してもよい。そして、制御器5は、外部信号に基づいて、流量計3に代えて設置される原料ガスポンプ(図示せず)の出力を決定するとともに、リサイクルポンプ4の出力を決定してもよい。これにより、原燃料ガスG1に対して所定の比率の水素が添加される。
さらに別の態様では、返送路14を前記原料ガスポンプの入口側に接続し、リサイクルポンプ4に代えて、流量制御弁(図示せず)を設置してもよい。そして、制御器5が前記流量制御弁の開度を調節することにより、原燃料ガスG1の流量に対応する比率の水素が添加されるように構成してもよい。
(3)上記実施形態では、脱硫器1の上流側において、原燃料ガスG1に水素が添加されて混合されている。そして、原燃料ガスG1と水素とが混合された状態で脱硫器1に導入されている。しかし、原燃料ガスG1への水素の添加は、脱硫器1において行われてもよい。例えば、脱硫器1の最上流端から原燃料ガスG1が導入されるとともに、水素が添加される。
(4)上記実施形態では、原燃料ガスG1は軽質炭化水素原燃料であるが、これに限定されない。原燃料ガスG1は、例えば重質炭化水素原燃料であってもよい。
(5)上記実施形態では、脱硫剤は、主成分として銅、亜鉛およびニッケルを含む。しかし、原燃料ガスG1の処理量に応じて水素の添加量を異ならせる本願の特徴に適用可能な脱硫剤であれば、脱硫剤は前述の化合物に限定されない。例えば、脱硫剤は、X系脱硫剤がニッケル以外の銅‐亜鉛−X系脱硫剤であってもよい。さらに、脱硫剤は、銅‐亜鉛−アルミニウム−X系脱硫剤等であってもよい。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 脱硫器
2 改質器
3 流量計
4 リサイクルポンプ
5 制御器
10 脱硫装置
11 供給路
12 改質器流路
13 改質ガス流路
14 返送路
15 水蒸気供給路
G1 原燃料ガス
G2 脱硫剤出口ガス
G3 改質燃料ガス
G4 リサイクルガス
S 水蒸気
100 水素製造装置

Claims (9)

  1. 炭化水素原燃料が処理され、前記炭化水素原燃料に含まれる硫黄分を脱硫する、主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤が充填されている脱硫器と、
    前記炭化水素原燃料に水素を添加する水素添加器と、
    前記脱硫器において脱硫処理される前記炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が多いほど、前記水素添加器から前記炭化水素原燃料に添加する水素の量を多く制御する制御手段と、
    を備える脱硫装置。
  2. 前記制御手段は、単位時間当たりにおける、前記炭化水素原燃料に対する前記水素の体積比(水素/炭化水素原燃料)を、0.1%以上の変動範囲において、前記炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量に応じて変動させる、請求項1に記載の脱硫装置。
  3. 前記制御手段は、単位時間当たりにおける、前記炭化水素原燃料に対する前記水素の体積比(水素/炭化水素原燃料)を、0.1%以上11%以下の変動範囲において、前記炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量に応じて変動させる、請求項1又は2に記載の脱硫装置。
  4. 前記炭化水素原燃料は、軽質炭化水素原燃料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱硫装置。
  5. 前記炭化水素原燃料の処理量を測定する流量計をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の脱硫装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の脱硫装置と、
    前記脱硫器で脱硫された前記炭化水素原燃料を水蒸気と反応させて水蒸気改質反応により水素を生成する改質器と、
    を備える水素製造装置。
  7. 前記改質器で生成された水素の少なくとも一部を前記水素添加器に導入し、前記脱硫器の上流側において、前記炭化水素原燃料に、前記水素添加器からの水素を合流させる返送路をさらに備える、請求項6に記載の水素製造装置。
  8. 主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤が充填されている脱硫器に、炭化水素原燃料及び水素を投入し、前記炭化水素原燃料に含まれる硫黄分を脱硫するステップと、
    前記脱硫器において脱硫処理される炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が多いほど、前記炭化水素原燃料に添加する水素の量を多く制御するステップと、
    を備える脱硫方法。
  9. 主成分として銅、亜鉛及びニッケルを含む脱硫剤が充填されている脱硫器に、炭化水素原燃料及び水素を投入し、前記炭化水素原燃料に含まれる硫黄分を脱硫するステップと、
    前記脱硫器において脱硫処理される炭化水素原燃料の単位時間当たりの処理量が多いほど、前記炭化水素原燃料に添加する水素の量を多く制御するステップと、
    前記脱硫器で脱硫された前記炭化水素原燃料を水蒸気と反応させて水蒸気改質反応により水素を生成するステップと、
    を備える水素製造方法。
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