JP2019037101A - 回転電機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電磁ノイズ及びスイッチング損失を低減できる回転電機の制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、パルス幅調整部32と、操作部33、34とを備えている。パルス幅調整部は、回転電機の1電気角周期における上アームスイッチ及び下アームスイッチそれぞれのオン操作期間であるパルス幅Wを調整する。操作部は、各相に対応する上アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第1条件、及び各相に対応する下アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第2条件を課して、1電気角周期における上アームスイッチ及び下アームスイッチそれぞれのオン操作期間を上記パルス幅とすべく、1電気角周期において上アームスイッチ及び下アームスイッチをそれぞれ1回ずつオン操作する。
【選択図】図3
【解決手段】制御装置は、パルス幅調整部32と、操作部33、34とを備えている。パルス幅調整部は、回転電機の1電気角周期における上アームスイッチ及び下アームスイッチそれぞれのオン操作期間であるパルス幅Wを調整する。操作部は、各相に対応する上アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第1条件、及び各相に対応する下アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第2条件を課して、1電気角周期における上アームスイッチ及び下アームスイッチそれぞれのオン操作期間を上記パルス幅とすべく、1電気角周期において上アームスイッチ及び下アームスイッチをそれぞれ1回ずつオン操作する。
【選択図】図3
Description
本発明は、回転電機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、特許文献1に見られるように、180度通電制御により、電力変換回路の上,下アームスイッチを交互にオン操作するものが知られている。制御装置は、電力変換回路に接続された回転電機の巻線に印加する電圧を、上アームスイッチのオン操作期間において、回転電機の電気角半周期よりも十分短い周期で上,下アームスイッチを交互にオン操作することで調整する。
しかしながた、電気角半周期よりも十分短い周期で上,下アームスイッチが交互にオン操作されると、電磁ノイズ及びスイッチング損失が増加するおそれがある。
本発明は、電磁ノイズ及びスイッチング損失を低減できる回転電機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
第1の発明は、多相の巻線群を有する回転電機と、上アームスイッチ及び下アームスイッチの直列接続体を有し、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチが交互にオン操作されることにより、前記巻線群に電圧を印加する電力変換回路と、を備えるシステムに適用される。第1の発明は、前記回転電機の1電気角周期における前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチそれぞれのオン操作期間であるパルス幅を調整する調整部と、各相に対応する前記上アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第1条件、及び各相に対応する前記下アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第2条件を課して、1電気角周期における前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチそれぞれのオン操作期間を前記調整部により調整された前記パルス幅とすべく、1電気角周期において前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチをそれぞれ1回ずつオン操作する操作部と、を備える。
第1の発明によれば、巻線の印加電圧を、パルス幅を調整することにより調整できる。このため、電磁ノイズ及びスイッチング損失を低減することができる。
第2の発明では、前記回転電機は、前記巻線群を複数有し、前記電力変換回路は、複数の前記巻線群それぞれに電圧を印加し、複数の前記巻線群のそれぞれが互いになす電気角がずらされており、前記操作部は、複数の前記巻線群それぞれにおいて、前記第1条件及び前記第2条件を課して、1電気角周期における前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチそれぞれのオン操作期間を前記調整部により調整された前記パルス幅とすべく、1電気角周期において前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチをそれぞれ1回ずつオン操作する。
第2の発明の制御装置について説明する前に、比較例の制御装置について説明する。比較例の制御装置は、多相の巻線群を1つ有する回転電機を備えるシステムに適用される。比較例の制御装置は、第1条件及び第2条件を課して、1電気角周期において上アームスイッチ及び下アームスイッチをそれぞれ1回ずつオン操作する構成を備えている。この構成において、1電気角周期における上アームスイッチ及び下アームスイッチそれぞれのオン操作期間であるパルス幅を調整することにより、巻線の印加電圧を調整しようとすると、回転電機のトルクリップルが増加する。詳しくは、第1,第2条件が課されているため、オン操作期間を短くすると、巻線への無通電期間が出現する。その結果、回転電機のトルクリップルが増加する。
そこで、第2の発明は、多相の巻線群を複数有する回転電機を備えるシステムに適用される。そして、複数の巻線群のそれぞれが互いになす電気角がずらされている。このため、複数の巻線群それぞれに対応するトルクリップルが大きかったとしても、複数の巻線群それぞれに対応するトルクが合成されることにより、トルクリップルを低減することができる。
以下、本発明に係る制御装置を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車載主機としてエンジンを備える車両に制御装置が搭載されている。
図1に示すように、制御システムは、回転電機10を備えている。回転電機10は、多相多重巻線を有し、具体的には、3相2重巻線を有する同期機である。本実施形態において、回転電機10は、電動機及び発電機の機能を統合したISG(Integrated Starter Generator)である。回転電機10のロータ11は、エンジン20のクランク軸20aと動力伝達可能とされている。本実施形態において、ロータ11は、例えばベルトを介してクランク軸20aに機械的に接続されている。
ロータ11には、磁極部12が設けられている。本実施形態では、回転電機10が巻線界磁型であるため、磁極部12は界磁巻線である。回転電機10のステータ13には、第1巻線群14,第2巻線群15が巻回されている。第1,第2巻線群14,15に対して、ロータ11が共通化されている。第1巻線群14及び第2巻線群15のそれぞれは、異なる中性点を有する3相巻線からなる。第1巻線群14は、電気角で互いに120°ずれたU,V,W相巻線14U,14V,14Wを有し、第2巻線群15は、電気角で互いに120°ずれたU,V,W相巻線15U,15V,15Wを有している。本実施形態では、図2に示すように、第1巻線群14と第2巻線群15とのなす電気角である空間位相差Δθが30°である。すなわち、第1巻線群14のU相巻線14Uと第2巻線群15のU相巻線15Uとのなす電気角が30°とされている。本実施形態では、説明の便宜上、第2巻線群15が、第1巻線群14に対して進角側に空間位相差Δθだけずれているものとする。なお、本実施形態では、第1巻線群14と第2巻線群15とが同じ構成とされている。具体的には、第1巻線群14を構成する各相巻線14U〜14Wそれぞれの巻数と、第2巻線群15を構成する各相巻線15U〜15Wそれぞれの巻数とが等しく設定されている。
制御システムは、第1インバータINV1、第2インバータINV2及び直流電源21を備えている。第1インバータINV1には第1巻線群14が接続され、第2インバータINV2には第2巻線群15が接続されている。第1インバータINV1及び第2インバータINV2のそれぞれには、共通の直流電源21が接続されている。直流電源21は、例えば2次電池である。
第1インバータINV1は、第1U,V,W相上アームスイッチSUp1,SVp1,SWp1と、第1U,V,W相下アームスイッチSUn1,SVn1,SWn1との直列接続体を3組備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点は、U,V,W相巻線14U,14V,14Wの第1端に接続されている。U,V,W相巻線14U,14V,14Wの第2端は、中性点で互いに接続されている。本実施形態では、各スイッチSUp1〜SWn1として、NチャネルMOSFETを用いている。そして、各スイッチSUp1,SVp1,SWp1,SUn1,SVn1,SWn1には、各ダイオードDUp1,DVp1,DWp1,DUn1,DVn1,DWn1が逆並列に接続されている。なお、各ダイオードDUp1〜DWn1は、各スイッチSUp1〜SWn1のボディーダイオードであってもよい。また、各スイッチSUp1〜SWn1としては、NチャネルMOSFETに限らず、例えばIGBTであってもよい。
第2インバータINV2は、第1インバータINV1と同様に、第2U,V,W相上アームスイッチSUp2,SVp2,SWp2と、第2U,V,W相下アームスイッチSUn2,SVn2,SWn2との直列接続体を3組備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点は、U,V,W相巻線15U,15V,15Wの第1端に接続されている。U,V,W相巻線15U,15V,15Wの第2端は、中性点で互いに接続されている。本実施形態では、各スイッチSUp2〜SWn2として、NチャネルMOSFETを用いている。そして、各スイッチSUp2,SVp2,SWp2,SUn2,SVn2,SWn2には、各ダイオードDUp2,DVp2,DWp2,DUn2,DVn2,DWn2が逆並列に接続されている。なお、各ダイオードDUp2〜DWn2は、各スイッチSUp2〜SWn2のボディーダイオードであってもよい。また、各スイッチSUp2〜SWn2しては、NチャネルMOSFETに限らず、例えばIGBTであってもよい。
第1,第2インバータINV1,INV2の各上アームスイッチの高電位側端子であるドレインには、直流電源21の正極端子が接続されている。各下アームスイッチの低電位側端子であるソースには、直流電源21の負極端子が接続されている。
第1,第2インバータINV1,INV2は、回転電機10を電動機として駆動させる力行駆動時において、直流電源21から出力された直流電圧を交流電圧に変換して第1,第2巻線群14,15に印加する機能を有する。これにより、例えば、エンジン20を始動させたり、車両走行時に電動機の発生トルクを駆動輪に伝えるトルクアシストを実施したりすることができる。また、第1,第2インバータINV1,INV2は、回転電機10を発電機として駆動させる回生駆動時において、第1,第2巻線群14,15から出力された交流電圧を直流電圧に変換して直流電源21に印加する機能を有する。これにより、例えば、直流電源21を充電することができる。
制御システムは、制御装置30を備えている。制御装置30は、CPU及びメモリを備え、メモリに格納されたプログラムをCPUにて実行する。制御装置30は、回転電機10の制御量をその指令値に制御すべく、第1インバータINV1及び第2インバータINV2を構成する各スイッチを操作する。本実施形態において、制御量はトルクであり、指令値は指令トルクTrq*である。なお、制御装置30が提供する機能は、例えば、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって提供することができる。
制御装置30は、回転電機10の回転角を直接検出する角度検出器の検出値を用いない位置センサレス制御を行う。位置センサレス制御を行うために、制御システムは、巻線に発生する誘起電圧の基本波成分を検出するための構成を備えている。詳しくは、制御システムは、第1抵抗体22a及び第2抵抗体22bの直列接続体を備えている。各抵抗体22a,22bの直列接続体は、直流電源21に並列接続されている。本実施形態において、各抵抗体22a,22bの抵抗値は同じ値である。各抵抗体22a,22bにより分圧された直流電源21の出力電圧VDCは、制御装置30に入力される。また、U相巻線14Uの第1端側の電圧も、制御装置30に入力される。制御装置30は、各抵抗体22a,22bによる分圧値「VDC/2」を基準として、U相巻線14Uの第1端側の電圧に基づいて、第1巻線群14におけるU相電圧VU1を取得する。なお、取得される相電圧は、第1巻線群14のU相巻線14Uの相電圧に限らない。
図3に、制御装置30が行うトルク制御処理のブロック図を示す。
設定部31は、指令トルクTrq*に基づいて、電圧ベクトルVnの大きさである電圧振幅Vampと、電圧ベクトルVnの位相である電圧位相δとを設定する。電圧ベクトルVnは、図4に示すように、dq座標系において、d軸電圧とq軸電圧とからなるベクトルのことである。なお、図4には、q軸の正方向を基準とし、この基準から反時計回りの方向が電圧位相δの正方向(進角側)とされていることを示す。各巻線群14,15に対応するdq座標系のd軸の進み角は、各巻線群14,15のU相巻線14U,15Uを基準に定義されている。なお、設定部31は、指令トルクTrq*と電圧振幅Vamp及び電圧位相δとが関係付けられたマップ情報に基づいて、電圧振幅Vamp及び電圧位相δを設定すればよい。
パルス幅調整部32は、電圧振幅Vampに基づいて、通電期間の長さを示すパルス幅Wを調整する。パルス幅Wは、電圧振幅Vampが大きいほど大きくされる。本実施形態において、パルス幅Wは、120度以下とされる。また、本実施形態において、回転電機10が電動機として駆動される場合、パルス幅Wは、60度よりも大きくてかつ120度以下とされる。
第1操作部33は、パルス幅Wと、電圧位相δと、後述する位相補償部38から出力された回転位置情報に相当する推定電気角θestとに基づいて、図5に示すように、第1インバータINV1の各スイッチSUp〜SWn1の操作信号を生成して出力する。図5(a)〜図5(c)において、1は、上アームスイッチがオン操作されて、かつ、下アームスイッチがオフ操作されることを示す。0は、上,下アームスイッチの双方がオフ操作されるデッドタイムを示す。−1は、上アームスイッチがオフ操作されて、かつ、下アームスイッチがオン操作されることを示す。例えば、図5(a)の1は、第1U相上アームスイッチSUp1がオン操作されて、かつ、第1U相下アームスイッチSUn1がオフ操作されることを示す。
図5は、パルス幅Wが120度に設定される場合を示し、図6は、パルス幅Wが60度よりも大きくてかつ120度よりも小さい値に設定される場合を示す。図6(a)〜図6(c)は、図5(a)〜図5(c)に対応している。
図5及び図6に示すように、U,V,W相それぞれの上アームスイッチのオン操作への切り替えタイミングが120度ずれている。また、U,V,W相それぞれの下アームスイッチのオン操作への切り替えタイミングも120度ずれている。このようなタイミングのずれと、パルス幅Wが60度よりも大きくてかつ120度以下にされることとにより、U,V,W相それぞれの上アームスイッチのオン操作期間が重複していないとの条件である第1条件が課される。また、U,V,W相それぞれの下アームスイッチのオン操作期間が重複していないとの条件である第2条件が課される。
なお、図5に示すように、パルス幅Wが120度に設定される場合、第1巻線群14において各相巻線14U〜14Wの無通電期間が互いに重複しない。各相の無通電期間は、電気角で60度に渡る。
本実施形態では、回転電機10が電動機として駆動される場合、パルス幅Wが60度よりも大きい値に設定される。この設定は、直流電源21から各インバータINV1,INV2に電力を供給できない事態の発生を防止するためである。図7に、パルス幅Wが60度に設定される場合を示す。図7(a)〜図7(c)は、図5(a)〜図5(c)に対応している。図7に示すように、パルス幅Wが60度とされる場合、互いに異なる相の上アームスイッチと下アームスイッチとが同時にオン操作されない。このため、直流電源21から第1インバータINV1に電力を供給できない。
図3の説明に戻り、第2操作部34は、パルス幅Wと、電圧位相δと、後述する加算部35の出力値「θest+Δθ」とに基づいて、第2インバータINV2の各スイッチSUp2〜SWn2の操作信号を生成して出力する。第2インバータINV2の各スイッチSUp2〜SWn2の操作態様は、図5,図6に示した操作態様を空間位相差Δθだけ進ませたものとなる。
続いて、推定電気角θestの算出方法について説明する。
フィルタ部36は、取得した相電圧VU1にローパスフィルタ処理を施すことにより、U相巻線14Uの誘起電圧の基本波成分を抽出する。以下、抽出した基本波成分をフィルタ後電圧VFと称す。図8(a)には、U相巻線14Uの実際の誘起電圧の基本波成分EU1を破線で示し、取得される相電圧VU1を実線にて示す。図8(a)において、時刻t2〜t3の期間は、第1U相上アームスイッチSUp1がオン操作されて、かつ、第1U相下アームスイッチSUn1がオフ操作される期間である。この期間における相電圧VU1は、直流電源21の正極側の電圧に対応した値にクランプされる。
時刻t4〜t5の期間は、第1U相上アームスイッチSUp1がオフ操作されて、かつ、第1U相下アームスイッチSUn1がオン操作される期間である。この期間における相電圧VU1は、直流電源21の負極側の電圧に対応した値にクランプされる。
時刻t1〜t2,t3〜t4の期間は、デッドタイムである。なお、デッドタイムにおいて、相電圧VU1に2つのノイズが重畳している。これらノイズは、第1巻線群14においてU相以外の相に対応するスイッチングノイズと、第2巻線群15におけるいずれかの相に対応するスイッチングノイズとである。空間位相差Δθが30°であるため、例えば、これらノイズの発生間隔は電気角で30°である。これらノイズは、フィルタ部36のローパスフィルタ処理により除去できる。
図3の説明に戻り、推定部37は、フィルタ部36から出力されたフィルタ後電圧VFに基づいて、補償前電気角θpを算出する。詳しくは、推定部37は、まず、図8(b)に示すように、フィルタ後電圧VFと閾値とを比較し、フィルタ後電圧VFが閾値をクロスするタイミングを算出する。本実施形態では、閾値が0に設定されている。このため、フィルタ後電圧VFが閾値とクロスするタイミングは、ゼロクロスタイミングとなる。そして、推定部37は、算出したゼロクロスタイミングに基づいて、図9(a)に示すように、補償前電気角θpを算出する。ゼロクロスタイミングに基づいて電気角を推定できるのは、例えば、実際の誘起電圧の基本波成分EU1のゼロクロスタイミングを、電気角を推定するための基準となるタイミングとして用いることができるためである。なお、図9は、回転電機10の電気角速度が一定の場合の補償前電気角θpの推移を示す。
推定部37は、さらに、算出したゼロクロスタイミングの時間間隔に基づいて、回転電機10の電気角速度ωestを算出する。
位相補償部38は、位相の進む側に補償前電気角θpを補正することにより、推定電気角θestを算出する。位相の進む側に補正するのは、ローパスフィルタ処理が施されることにより、図8(b)に示すように、実際の誘起電圧の基本波成分EU1に対してフィルタ後電圧VFの位相が遅れるためである。位相補償することにより、電気角の推定精度を高めることができる。
位相補償部38は、電気角速度ωestに基づいて、図10に示す位相補償値β(<0)を算出し、算出した位相補償値βを補償前電気角θpに加算することにより、推定電気角θestを算出する。なお、位相補償部38は、電気角速度ωest及び位相補償値βが関係付けられたマップ情報に基づいて、位相補償値βを算出すればよい。これにより、補償前電気角θpの位相遅れを簡易な構成で補償できる。
加算部35は、位相補償部38から出力された推定電気角θestに空間位相差Δθを加算して出力する。
続いて、図11〜図14を用いて、本実施形態の効果について説明する。
まず、図11を用いて、電気角の推定精度の向上効果について説明する。図11(a)は、本実施形態のU相電圧VU1及びフィルタ後電圧VFの推移を示し、図11(b)は、比較例のU相電圧VU1及びフィルタ後電圧VFの推移を示す。図11(b)の比較例は、上記特許文献1に記載されているように、上アームスイッチのオン操作期間において、上,下アームスイッチが交互にオンされる構成である。
本実施形態では、0Vに対して相電圧VU1の対称性がある程度確保されているため、フィルタ後電圧VFは、0Vからオフセットしない。このため、電気角の推定精度を向上できる。これに対し、比較例では、0Vに対して相電圧VU1の対称性が確保されていないため、フィルタ後電圧VFは、0Vから所定量ΔVオフセットする。その結果、電気角を推定するための基準となるタイミングを適正に把握できず、電気角の推定精度が低下する。なお、比較例において、電気角の推定精度の低下を防止すべく、相電圧VU1を取得する場合の基準電圧を、直流電源21の出力電圧の分圧値「VDC/2」に代えて、仮想中性点の電圧とすることも考えられる。ただし、この場合、構成部品数が増加し、制御システムのコストが増加してしまう。
続いて、図12を用いて、トルクリップルの低減効果について説明する。図11(a)は、第1巻線群14に対応する回転電機10のトルクTrq1の推移を示し、図11(b)は、第2巻線群15に対応する回転電機10のトルクTrq2の推移を示す。図11(c)は、各トルクTrq1,Trq2の合計値である合成トルクTtotalの推移を示す。
パルス幅Wが120よりも小さくなると、第1,第2巻線群14,15それぞれにおいて巻線に対する無通電期間が出現する。この場合、各トルクTrq1,Trq2に6次のトルクリップルが発生する。しかし、第1,第2巻線群14,15それぞれに対応するトルクリップルが大きかったとしても、各トルクTrq1,Trq2を合成することにより、図12(c)に示すように、トルクリップルを低減することができる。特に本実施形態では、空間位相差Δθが30度に設定されていることがトルクリップルの低減効果をより向上させている。
なお、空間位相差Δθは、30度に限らず、30度に近い値に設定される場合であっても、トルクリップルの低減効果を得ることはできる。
続いて、図13を用いて、直流電流のリップルの低減効果について説明する。図13(a)は、直流電源21と第1インバータINV1との間に流れる第1直流電流IDC1の推移を示し、図13(b)は、直流電源21と第2インバータINV2との間に流れる第2直流電流IDC2の推移を示す。図13(c)は、各直流電流IDC1,IDC2の合計値である合成電流Itotalの推移を示す。
本実施形態によれば、トルクリップルと同様に、直流電流のリップルを低減することができる。このため、各インバータINV1,INV2と直流電源21との間に設けられてかつ直流電源21に並列接続される平滑コンデンサの容量を低下させることができ、平滑コンデンサの体格を低減できる。特に本実施形態では、直流電流のリップルを低減させることにより、平滑コンデンサが制御システムに備えられない構成とされている。
続いて、図14を用いて、電磁ノイズの低減効果について説明する。なお、図14に示す比較例は、図11(b)の比較例と同じである。
本実施形態では、回転電機10のトルクを調整するために、パルス幅Wが調整される。このため、電磁ノイズを比較例よりも低減することができる。また、各インバータINV1,INV2で発生するスイッチング損失を比較例よりも低減することもできる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・相電圧を取得するための基準電圧としては、各抵抗体22a,22bの分圧値「VDC/2」に限らず、例えば、直流電源21の負極側の電圧であるグランド電圧(0V)であってもよい。
・推定部37で用いられる閾値は、0に限らず、0以外の値であってもよい。
・電気角の推定方法としては、ローパスフィルタが用いられるものに限らない。例えば、巻線の無通電期間における相電圧と閾値との比較に基づいて、電気角を推定する方法であってもよい。また、電気角としては、位置センサレス制御により推定されるものに限らない。例えば、レゾルバ等の角度検出器により検出された電気角がトルク制御に用いられてもよい。
・回転電機としては、巻線群を2つ備えるものに限らず、巻線群を3つ以上備えるものであってもよい。この場合、巻線群の数をNとすると、各巻線群の空間位相差Δθは、「Δθ=60度/N」とされればよい。例えば、巻線群の数が3つの場合、第1〜第3巻線群の互いの空間位相差Δθは20度とされる。
・回転電機の制御量としては、トルクに限らず、例えば回転速度であってもよい。
・回転電機としては、3相以外の複数相のものであってもよい。また、回転電機としては、巻線界磁型のものに限らず、例えば、永久磁石界磁型のものであってもよい。この場合、磁極部は、永久磁石である。
10…回転電機、14,15…第1,第2巻線群、30…制御装置、INV1,INV2…第1,第2インバータ。
Claims (7)
- 多相の巻線群(14,15)を有する回転電機(10)と、
上アームスイッチ(SUp1〜SWp2)及び下アームスイッチ(SUn1〜SWn2)の直列接続体を有し、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチが交互にオン操作されることにより、前記巻線群に電圧を印加する電力変換回路(INV1,INV2)と、を備えるシステムに適用される回転電機の制御装置(30)において、
前記回転電機の1電気角周期における前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチそれぞれのオン操作期間であるパルス幅を調整する調整部(32)と、
各相に対応する前記上アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第1条件、及び各相に対応する前記下アームスイッチのオン操作期間を重複させないとの第2条件を課して、1電気角周期における前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチそれぞれのオン操作期間を前記調整部により調整された前記パルス幅とすべく、1電気角周期において前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチをそれぞれ1回ずつオン操作する操作部(33,34)と、を備える回転電機の制御装置。 - 前記回転電機は、前記巻線群を複数有し、
前記電力変換回路は、複数の前記巻線群それぞれに電圧を印加し、
複数の前記巻線群のそれぞれが互いになす電気角がずらされており、
前記操作部は、複数の前記巻線群それぞれにおいて、前記第1条件及び前記第2条件を課して、1電気角周期における前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチそれぞれのオン操作期間を前記調整部により調整された前記パルス幅とすべく、1電気角周期において前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチをそれぞれ1回ずつオン操作する請求項1に記載の回転電機の制御装置。 - 前記巻線群は、3相のものであり、
前記調整部は、前記パルス幅を電気角で120度以下に調整する請求項2に記載の回転電機の制御装置。 - 前記調整部は、前記回転電機が電動機として駆動される場合、前記パルス幅を電気角で60度よりも大きくてかつ120度以下に調整する請求項3に記載の回転電機の制御装置。
- 前記巻線群を構成する巻線(14U)に発生する相電圧と閾値との比較に基づいて、前記回転電機のロータの回転位置情報を推定する推定部(37)を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
- 前記巻線に発生する相電圧にフィルタ処理を施すことにより、前記巻線に発生する誘起電圧の基本波成分を抽出するフィルタ部(36)を備え、
前記推定部は、前記フィルタ部により抽出された基本波成分と前記閾値との比較に基づいて、前記回転位置情報を推定する請求項5に記載の回転電機の制御装置。 - 前記巻線に実際に発生する誘起電圧の基本波成分に対する前記フィルタ部により抽出された基本波成分の位相遅れを補償する補償部(38)を備え、
前記推定部は、前記補償部により補償された基本波成分と前記閾値との比較に基づいて、前記回転位置情報を推定する請求項6に記載の回転電機の制御装置。
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