最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムは、電力情報を取得する子装置と、電力線を介して前記子装置と通信可能な複数の親装置とを備え、前記子装置は、第1の前記親装置と通信接続を確立し、前記電力情報を前記第1の親装置へ送信し、前記子装置は、前記第1の親装置において通信障害が発生した場合、第2の前記親装置と通信接続を確立し、前記第1の親装置へ未送信の前記電力情報を前記第2の親装置へ送信する。
このような構成により、第1の親装置が正常な場合には、電力情報を第1の親装置経由で上位装置へ送信することができ、また、第1の親装置において通信障害が発生した場合には、第1の親装置へ未送信の電力情報を第2の親装置経由で上位装置へ送信することができるので、電力情報を収集する通信ネットワークにおいて、電力情報の欠損を抑制することができる。これにより、上位装置は欠損した電力情報を要求しなくてもよいので、通信負荷の増大による他の処理への影響、および上位装置における余分な処理の発生を防ぐことができる。
(2)好ましくは、前記子装置は、自己が通信接続を確立すべき前記第1の親装置において通信障害が発生した場合に通信接続を確立すべき前記親装置として、前記第2の親装置を特定可能な接続先情報を保持する。
このように、バックアップ用の第2の親装置を特定可能な接続先情報を保持する構成により、第1の親装置において通信障害が発生した場合に、たとえば親装置を探索することなく、通信接続先を第2の親装置へ迅速に切り替えることができる。
(3)好ましくは、前記第2の親装置は、前記第1の親装置における前記通信障害が解消した場合、前記子装置との通信接続を切断し、かつ前記子装置に対して前記第1の親装置と通信接続を確立させるための処理を行う。
このような構成により、子装置の通信接続先を、バックアップ用の第2の親装置から、当該子装置が本来通信接続すべき第1の親装置へ変更させることができるので、子装置における電力情報の送信先を元に戻すことができる。
(4)好ましくは、前記第1の親装置は、自己における前記通信障害が解消したことを前記第2の親装置へ通知する。
このような構成により、バックアップ用の第2の親装置は、第1の親装置における通信障害が解消されたことを認識することができるので、バックアップとしての処理を終了するための処理を行うことができる。
(5)好ましくは、前記電力情報収集システムは、複数の前記子装置を備え、前記親装置は、自己と通信接続を確立すべき前記子装置の識別子、および他の前記親装置と通信接続を確立すべき前記子装置の識別子を含む子装置情報を保持する。
このような構成により、親装置は、子装置情報に基づいて、自己が管理すべき子装置およびバックアップすべき子装置を認識することができるので、たとえば、バックアップすべき子装置からの接続要求を迅速に受け入れたり、他の親装置における通信障害が解消された場合に、バックアップ中の子装置を、離脱させるべき子装置として抽出したりすることができる。
(6)本発明の実施の形態に係る電力情報収集方法は、電力情報を取得する子装置と、電力線を介して前記子装置と通信可能な複数の親装置とを備える電力情報収集システムにおける電力情報収集方法であって、前記子装置が、第1の前記親装置と通信接続を確立し、前記電力情報を前記第1の親装置へ送信するステップと、前記子装置が、前記第1の親装置において通信障害が発生した場合、第2の前記親装置と通信接続を確立し、前記第1の親装置へ未送信の前記電力情報を前記第2の親装置へ送信するステップとを含む。
このような構成により、第1の親装置が正常な場合には、電力情報を第1の親装置経由で上位装置へ送信することができ、また、第1の親装置において通信障害が発生した場合には、第1の親装置へ未送信の電力情報を第2の親装置経由で上位装置へ送信することができるので、電力情報を収集する通信ネットワークにおいて、電力情報の欠損を抑制することができる。これにより、上位装置は欠損した電力情報を要求しなくてもよいので、通信負荷の増大による他の処理への影響、および上位装置における余分な処理の発生を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムの構成を示す図である。
図1を参照して、電力情報収集システム301は、複数のスマートメータ101と、複数のコンセントレータ102と、サーバ103とを備える。サーバ103は、たとえばヘッドエンドである。スマートメータは、電力情報取得装置の一例である。コンセントレータ102は、親装置の一例である。サーバ103は、上位装置の一例である。
なお、電力情報収集システム301は、1つのサーバ103を備える構成に限らず、複数のサーバ103を備える構成であってもよい。
電力情報収集システム301は、たとえば集合住宅151において用いられる。各スマートメータ101は、電力線161を介してコンセントレータ102に接続されている。具体的には、電力線161は、たとえば、集合住宅151において上下階の縦方向に複数系統が配設されており、階ごとにスマートメータ101が接続されている。
スマートメータ101およびコンセントレータ102は、たとえば、電力線161を用いた電力線通信により、各種情報をやり取りする。
スマートメータ101は、電力線通信における子機であり、コンセントレータ102は、当該電力線通信における親機である。以下、スマートメータ101およびコンセントレータ102を、それぞれ子装置101および親装置102とも称する。
子装置101は、通信機能付きの電力計量器である。子装置101は、計測対象とする家庭または事業所において消費される電力を示す電力情報を定期的たとえば30分ごとに取得し、取得した電力情報を親装置102へ送信する。
また、子装置101は、他の子装置101を介して親装置102と通信することが可能である。すなわち、子装置101は、他の子装置101と親装置102との通信を中継する機能を有する。
具体的には、子装置101は、取得した電力情報を他の子装置101を介さずに親装置102へ直接送信する場合もあるし、また、取得した電力情報を1または複数の他の子装置101を介して親装置102へ送信する場合もある。
親装置102およびサーバ103は、有線通信または無線通信により、インターネット10経由で各種情報をやり取りする。
また、親装置102は、たとえば有線通信により他の親装置102と各種情報をやり取りする。
親装置102は、各子装置101から電力情報を受信し、受信した電力情報を集約してサーバ103へ送信する。なお、親装置102は、受信した電力情報を個別にサーバ103へ送信してもよい。
親装置102および子装置101間の通信、ならびに各子装置101間の通信は、たとえば非特許文献1(G3−PLC Alliance、”Narrowband OFDM PLC specifications for G3−PLC networks”、G3−PLC Alliance、2014年10月)に記載のG3−PLC規格に従って行われる。
また、たとえば、子装置101、親装置102およびサーバ103間で送受信される情報は、所定の方式に従い暗号化および復号化される。
図2は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける各機器および配線状態の一例を示す図である。図2では、集合住宅151における2系統の電力線161A,161Bを代表的に示す。
図2を参照して、電力系統171からたとえば6.6kVの三相交流電力が集合住宅151に供給される。電力系統171からの交流電力は、たとえばトランス104A,104Bにより200Vの単相三線式の交流電力に変換されて各階に供給される。
電力線161Aには、トランス104A、通信カプラ105A、および親装置102である親装置102Aが接続されている。また、電力線161Aには、たとえば、子装置101である50台の子装置101Aが接続されている。
電力線161Bには、トランス104B、通信カプラ105B、および親装置102である親装置102Bが接続されている。また、電力線161Bには、たとえば、子装置101である50台の子装置101Bが接続されている。
なお、電力線161Aには、49台以下または51台以上の子装置101Aが接続されてもよい。また、電力線161Bには、49台以下または51台以上の子装置101Bが接続されてもよい。また、電力情報収集システム301は、親装置102A,102Bを備える構成に限らず、3つ以上の親装置102を備える構成であってもよい。
通信カプラ105A,105Bは、信号線を介して接続されている。通信カプラ105Aは、たとえば、電力線161AにおけるPLC信号を取り出して信号線へ伝送し、かつ信号線からのPLC信号を電力線161Aへ伝送する。
同様に、通信カプラ105Bは、たとえば、電力線161BにおけるPLC信号を取り出して信号線へ伝送し、かつ信号線からのPLC信号を電力線161Bへ伝送する。
これにより、電力線161Aに接続されている子装置101Aは、通信カプラ105A,105Bを介して、電力線161Bに接続されている親装置102Bと通信可能である。
同様に、電力線161Bに接続されている子装置101Bは、通信カプラ105B,105Aを介して、電力線161Aに接続されている親装置102Aと通信可能である。
以下、トランス104A,104Bの各々を、トランス104とも称する。電力線161A,161Bの各々を電力線161とも称する。通信カプラ105A,105Bの各々を通信カプラ105とも称する。
子装置101は、装置固有の識別子の一例としてMAC(Media Access Control)アドレスを有する。MACアドレスは、たとえば装置の製造時に設定される。
具体的には、50台の子装置101Aは、それぞれMAC−A001〜MAC−A050のMACアドレスを有する。50台の子装置101Bは、それぞれMAC−B001〜MAC−B050のMACアドレスを有する。
[ネットワークトポロジ]
図3は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおけるネットワークトポロジの一例を示す図である。
図3を参照して、親装置102および子装置101は、たとえばPAN_ID(Personal Area Network Identification)およびショートアドレスを有する。PAN_IDは、親装置102を特定可能な情報の一例である。
各親装置102は、異なるPAN_IDを有する。また、各親装置102のショートアドレスは、たとえばゼロに設定されている。この例では、PAN_IDおよびゼロのショートアドレスによって親装置102が識別される。
親装置102は、1または複数の子装置101を管理し、管理対象の子装置101と認証情報および電力情報等のやり取りを行う。
子装置101は、電力情報の送信先となる親装置102と通信接続を確立する。具体的には、MAC−A001のMACアドレスを有する子装置101A(以下、子装置101A−1とも称する。)は、親装置102の管理下にない場合、たとえば親装置102Aと通信接続を確立する。
この場合、子装置101A−1は、たとえば認証情報および電力情報等のやり取りを親装置102Aと直接行う。
また、MAC−A002,MAC−A003のMACアドレスを有する子装置101A(以下、それぞれ子装置101A−2,101A−3とも称する。)は、親装置102の管理下にない場合、子装置101A−1を介して親装置102Aと通信接続を確立する。
この場合、子装置101A−2,101A−3は、子装置101A−1を介して親装置102Aと認証情報および電力情報等のやり取りを行う。
すなわち、子装置101A−1は、親装置102Aおよび子装置101A−2,101A−3間においてやり取りされる情報を中継するためのホップ先となる。なお、子装置101A−2,101A−3は、子装置101A−1を介さずに親装置102Aと通信接続を確立してもよい。
親装置102A、および親装置102Aの管理下にある子装置101A−1,101A−2,101A−3のPAN_IDは、たとえば「0001」である。
同様に、図示しないMAC−A004〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101AのPAN_IDは、「0001」である。
また、同じPAN_IDを有する各装置において、異なる識別子であるショートアドレスが付与される。具体的には、子装置101A−1,101A−2,101A−3のショートアドレスは、ゼロ以外の値であって互いに重複しない値、たとえばそれぞれ「1」,「2」,「3」である。
図示しないMAC−A004〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aは、子装置101A−1〜101A−3と同様に、親装置102Aと通信接続を確立する。
また、MAC−A004〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aのショートアドレスは、たとえばそれぞれ「4」〜「50」である。
MAC−A001〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aのショートアドレスは、たとえば親装置102Aにより付与される。
親装置102A、およびMAC−A001〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aは、PA(Personal Area)ネットワークNWAを形成する。
同様に、親装置102Bは、MAC−B001〜MAC−B050のMACアドレスを有する子装置101Bを管理する。親装置102B、および親装置102Bの管理下にある各子装置101BのPAN_IDは、たとえば「0002」である。
MAC−B001〜MAC−B050のMACアドレスを有する子装置101Bのショートアドレスは、ゼロ以外の値であって互いに重複しない値、たとえばそれぞれ「1」〜「50」である。これらのショートアドレスは、たとえば親装置102Bにより付与される。
親装置102B、およびMAC−B001〜MAC−B050のMACアドレスを有する子装置101Bは、PAネットワークNWBを形成する。
すなわち、親装置102および子装置101がどのPAネットワークに通信接続されているかは、PAN_IDに基づいて判別することが可能である。
[動作の流れ]
電力情報収集システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図4は、電力情報が伝送される際のシーケンスの比較例を示す図である。
図4を参照して、親装置102Aが既にPAネットワークを構築し、50台の子装置101Aを管理している状況を想定する。
まず、子装置101A−1は、たとえば、30分ごとの電力測定として、計測対象において消費される電力を計測する(ステップS102)。
ここで、上記ステップS102の動作は、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aにおいても行われる。
次に、親装置102Aは、電力情報を要求するための電力情報要求を子装置101A−1へ送信する(ステップS104)。
次に、子装置101A−1は、親装置102Aから電力情報要求を受信すると、受信した電力情報要求に従って、計測結果を示す電力情報を親装置102Aへ送信する(ステップS106)。電力情報には、たとえば、MACアドレス等の子装置101のIDおよび計測タイミングが含まれる。
ここで、上記ステップS104,S106の動作は、子装置101A−1および親装置102A間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aおよび親装置102A間においても行われる。
次に、親装置102Aは、50台の子装置101Aから電力情報をそれぞれ受信すると、受信した各電力情報を集約した集約電力情報を作成し、作成した集約電力情報をインターネット10経由でサーバ103へ送信する(ステップS108)。
次に、サーバ103は、親装置102Aから集約電力情報を受信すると、受信した集約電力情報の内容を保存する保存処理を行う(ステップS110)。
より詳細には、サーバ103は、たとえば、集約電力情報に基づいて、計測結果を計測日時ごとかつ子装置101のIDごとに整理して保存する。
ここで、上記ステップS102〜S110の動作は、たとえば30分ごとに繰り返される。
次に、親装置102Aにおいて、たとえば、電源オフ、サーバ103との通信のためのモデムの故障、および親装置102A自体の故障等に基づく通信障害が発生する(ステップS112)。
次に、子装置101A−1は、30分ごとの電力測定として、計測対象において消費される電力を計測する(ステップS114)。
ここで、上記ステップS114の動作は、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aにおいても行われる。
また、親装置102Aにおいて通信障害が発生しているため、この計測結果はサーバ103へ伝送されず、サーバ103では30分ごとの計測結果の欠損が発生する。
次に、親装置102Aは、通信障害から復帰する(ステップS116)。
次に、親装置102Aは、通信障害から復帰したことを示す復旧通知をサーバ103へ送信する(ステップS118)。
次に、サーバ103は、復旧通知を親装置102Aから受信すると、受信した復旧通知に基づいて、親装置102Aが通信障害から復帰したことを認識し、欠損した計測結果を要求するための欠損電力情報要求を親装置102Aへ送信する(ステップS120)。この欠損電力情報要求には、たとえば、計測結果が欠損している時間帯が含まれる。
次に、親装置102Aは、サーバ103から欠損電力情報要求を受信すると、受信した欠損電力情報要求に基づいて、計測結果が欠損している時間帯を含む電力情報要求を子装置101A−1へ送信する(ステップS122)。
次に、子装置101A−1は、親装置102Aから電力情報要求を受信すると、受信した電力情報要求に従って、電力情報要求に含まれる時間帯において計測された計測結果を示す電力情報を親装置102Aへ送信する(ステップS124)。
ここで、上記ステップS122,S124の動作は、子装置101A−1および親装置102A間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aおよび親装置102A間においても行われる。
次に、親装置102Aは、50台の子装置101Aから電力情報をそれぞれ受信すると、受信した各電力情報を集約した集約電力情報を作成し、作成した集約電力情報をインターネット10経由でサーバ103へ送信する(ステップS126)。
次に、サーバ103は、親装置102Aから集約電力情報を受信すると、受信した集約電力情報に基づいて、欠損していた計測結果を補完する(ステップS128)。
[課題]
親装置102Aおよび子装置101A間では、電力情報、および装置間の時刻同期のための時刻同期情報等を伝送するための30分ごとのスケジュールが定められることがある。
上述の動作の流れでは、上記ステップS120において、サーバ103は、欠損電力情報要求を親装置102Aへ送信する。この欠損電力情報要求をトリガとして、親装置102Aおよび子装置101A間において、スケジュール外の電力情報の伝送が行われる。
このような電力情報の伝送の割り込みが発生すると、スケジュールに定められた情報の伝送が逼迫されることがある。
また、サーバ103では、欠損した計測結果の要求処理(ステップS120)、および欠損した計測結果の補完処理(ステップS128)等の余分な処理が発生する。
親装置102において通信障害が発生した場合においても、電力情報をスケジュール通りに収集するための技術が求められる。
そこで、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
[親装置102の構成]
図5は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける親装置の構成を示す図である。
図5を参照して、親装置102は、電力線通信部21と、上位回線通信部22と、記憶部24と、処理部25とを備える。
親装置102における電力線通信部21は、非特許文献1に記載のG3−PLC規格に従って、電力線161を介して子装置101と通信可能である。
より詳細には、親装置102Bでは、電力線通信部21は、電力線161Bを介して子装置101Bと通信可能であり、かつ電力線161B,通信カプラ105B,通信カプラ105A,電力線161Aを介して子装置101Aと通信可能である(図2参照)。
上位回線通信部22は、たとえば、IPプロトコルに従って、サーバ103および他の親装置102と通信する。
記憶部24は、たとえば、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであり、自己の親装置102と通信接続を確立すべき子装置101の識別子、および他の親装置102と通信接続を確立すべき子装置101の識別子を含む子装置情報を保持する。
より詳細には、記憶部24は、自己の親装置102と通信接続を確立すべき子装置101のMACアドレスを含む正常時子装置情報、および他の親装置102と通信接続を確立すべき子装置101のMACアドレスを含む異常時子装置情報を保持する。
[親装置102Aが保持するリスト]
図6は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける親装置が保持する正常時子装置リストの一例を示す図である。
図6を参照して、親装置102Aにおける記憶部24は、正常時子装置情報として、たとえば、自己の親装置102Aと通信カプラ105を介さずに接続される各子装置101AのMACアドレスを含む正常時子装置リストLst1を保持する。
図7は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける親装置が保持するバックアップ子装置リストの一例を示す図である。
図7を参照して、親装置102Aにおける記憶部24は、異常時子装置情報として、たとえば、自己の親装置102Aと通信カプラ105を介して接続される各子装置101B、言い換えると、他の親装置102すなわち親装置102Bにおいて通信障害が発生した場合に、自己の親装置102Aと通信接続を確立すべき各子装置101BのMACアドレスを含むバックアップ子装置リストLst2を保持する。
再び図5を参照して、記憶部24は、自己の親装置102において通信障害が発生した場合に、自己の親装置102に接続されるべき子装置101すなわち正常時子装置リストLst1に含まれるMACアドレスを有する子装置101を、自己の親装置102に代わって管理する親装置102の識別子を含む異常時親装置情報を保持する。
具体的には、親装置102Aにおける記憶部24は、たとえば、親装置102BのIPアドレスを含むアドレス情報AAを保持する。
[親装置102Bが保持するリスト]
図8は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける親装置が保持する正常時子装置リストの一例を示す図である。
図8を参照して、親装置102Bにおける記憶部24は、正常時子装置情報として、たとえば、自己の親装置102Bと通信カプラ105を介さずに接続される各子装置101BのMACアドレスを含む正常時子装置リストLst3を保持する。
図9は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける親装置が保持するバックアップ子装置リストの一例を示す図である。
図9を参照して、親装置102Bにおける記憶部24は、異常時子装置情報として、たとえば、自己の親装置102Bと通信カプラ105を介して接続される各子装置101A、言い換えると、他の親装置102すなわち親装置102Aにおいて通信障害が発生した場合に、自己の親装置102Bと通信接続を確立すべき各子装置101AのMACアドレスを含むバックアップ子装置リストLst4を保持する。
再び図5を参照して、親装置102Bにおける記憶部24は、親装置102Aにおける記憶部24と同様に、自己の親装置102Bにおいて通信障害が発生した場合に、子装置101Bを自己の親装置102Bに代わって管理する親装置102AのIPアドレスを含むアドレス情報ABを保持する。
正常時子装置リスト、バックアップ子装置リストおよびアドレス情報は、たとえば、電力情報収集システム301を集合住宅151に設置する設置者によって作成されて記憶部24に登録される。
正常時子装置リスト、バックアップ子装置リストおよびアドレス情報は、たとえば、親装置102の電源がオフされても記憶部24から消去されない。
[子装置101の構成]
図10は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける子装置の構成を示す図である。
図10を参照して、子装置101は、電力線通信部41と、記憶部44と、処理部45と、消費電力計測部46とを備える。
電力線通信部41は、非特許文献1に記載のG3−PLC規格に従って、親装置102および他の子装置101と電力線161を介して通信可能である。
[子装置101Aが保持するリスト]
図11は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける子装置が保持する正常時親装置リストの一例を示す図である。
図11を参照して、記憶部44は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであり、自己の子装置101が接続されるべき親装置102を特定可能な正常時親装置情報を保持する。
具体的には、子装置101Aにおける記憶部44は、正常時親装置情報として、たとえば、自己の子装置101Aが通信カプラ105を介さずに接続される親装置102AのPAN_IDを含む正常時親装置リストLst5を保持する。
同様に、子装置101Bにおける記憶部44は、正常時親装置情報として、たとえば、自己の子装置101Bが通信カプラ105を介さずに接続される親装置102BのPAN_IDすなわち「0002」を含む、図示しない正常時親装置リストを保持する。
図12は、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムにおける子装置が保持するバックアップ親装置リストの一例を示す図である。
図12を参照して、記憶部44は、たとえば、自己の子装置101が通信カプラ105を介して接続される親装置102を特定可能な接続先情報の一例である異常時親装置情報を保持する。
具体的には、子装置101Aにおける記憶部44は、自己の子装置101Aが通信接続を確立すべき親装置102Aにおいて通信障害が発生した場合に通信接続を確立すべき親装置102として、親装置102Bを特定可能な異常時親装置情報を保持する。
より具体的には、子装置101Aにおける記憶部44は、異常時親装置情報として、たとえば、自己の子装置101Aが通信カプラ105を介して接続される親装置102BのPAN_IDを含むバックアップ親装置リストLst6を保持する。
同様に、子装置101Bにおける記憶部44は、異常時親装置情報として、たとえば、自己の子装置101Bが通信カプラ105を介して接続される親装置102AのPAN_IDすなわち「0001」を含む、図示しないバックアップ親装置リストを保持する。
再び図10を参照して、処理部45は、たとえば、自己の子装置101の動作モードとして、正常モードおよびバックアップモードのいずれか一方に切り替えることが可能である。
より詳細には、処理部45は、たとえば、初期状態では自己の子装置101の動作モードを正常モードに設定する。
また、処理部45は、たとえば、自己の子装置101の通信接続先の親装置102において通信障害が発生した場合、自己の子装置101の動作モードをバックアップモードに切り替える。
消費電力計測部46は、たとえば、30分ごとの計測タイミングにおいて自己の子装置101が計測対象とする家庭または事業所において消費される電力を計測し、計測結果および計測タイミングを処理部45へ出力する。
処理部45は、消費電力計測部46から計測結果および計測タイミングを受けると、受けた計測結果および計測タイミングを示す電力情報を作成する。
図13は、本発明の実施の形態に係る親装置において通信障害が発生した際のシーケンスの一例を示す図である。
図13を参照して、親装置102A,102Bが既にPAネットワークを構築し、かつ子装置101A−1は、親装置102Aと通信接続を確立している状況を想定する。また、子装置101A−1の動作モードは、正常モードである。また、各子装置101では、30分ごとに電力測定が行われる。
子装置101A−1は、電力情報を親装置102Aへ送信する。そして、子装置101A−1は、親装置102Aにおいて通信障害が発生した場合、親装置102Bと通信接続を確立し、親装置102Aへ未送信の電力情報を親装置102Bへ送信する。
まず、子装置101A−1は、親装置102Aにおける通信の正常性を確認するための正常性確認要求を親装置102Aへ送信する(ステップS202)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45(図10参照)は、たとえば、30分ごとの確認タイミングにおいて正常性確認要求を作成する。また、処理部45は、自己の子装置101が正常モードで動作しているので、記憶部44における正常時親装置リストLst5(図11参照)からPAN_ID、ここでは「0001」を取得する。
そして、処理部45は、取得したPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを宛先として、作成した正常性確認要求を電力線通信部41経由で親装置102Aへ送信する。この正常性確認要求には、たとえば、子装置101A−1のIDとして子装置101A−1のMACアドレス、ここでは「MAC−A001」が含まれる。
次に、親装置102Aは、子装置101A−1から正常性確認要求を受信すると、受信した正常性確認要求に従って、自己の通信の正常性を確認する正常性確認処理を行う(ステップS204)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25(図5参照)は、電力線通信部21経由で子装置101A−1から正常性確認要求を受信すると、自己の親装置102Aおよびサーバ103間の通信が正常であるか否かを確認する。
ここでは、処理部25は、自己の親装置102Aおよびサーバ103間の通信が正常であることを確認する。
また、処理部25は、受信した正常性確認要求からMACアドレスを取得する。処理部25は、取得したMACアドレスが記憶部24における正常時子装置リストLst1(図6参照)に含まれることを確認し、子装置101A−1が正常モードで動作していることを認識する。
次に、親装置102Aは、正常性確認要求の応答であるACKを子装置101A−1へ送信する(ステップS206)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25は、ACKを作成し、作成したACKを電力線通信部21経由で子装置101A−1へ送信する。
ここで、上記ステップS202〜S206の動作は、子装置101A−1および親装置102A間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aおよび親装置102A間においても行われる。
次に、親装置102Aは、電力情報要求を子装置101A−1へ送信する(ステップS208)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25は、たとえば、30分ごとの要求タイミングにおいて、記憶部24における正常時子装置リストLst1(図6参照)からMACアドレス、ここでは「MAC−A001」を取得し、取得したMACアドレスを有する子装置101A−1へ電力情報要求を電力線通信部21経由で送信する。
次に、子装置101A−1は、親装置102Aから電力情報要求を受信すると、受信した電力情報要求に従って、電力情報を親装置102Aへ送信する(ステップS210)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45は、電力線通信部41経由で親装置102Aから電力情報要求を受信すると、自己の子装置101が正常モードで動作しているので、記憶部44における正常時親装置リストLst5(図11参照)からPAN_IDを取得する。
そして、処理部45は、取得したPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを宛先として、直近の計測結果を示す電力情報を電力線通信部41経由で親装置102Aへ送信する。
ここで、上記ステップS208,S210の動作は、子装置101A−1および親装置102A間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aおよび親装置102A間においても行われる。
次に、親装置102Aは、MAC−A001〜MAC−A050のMACアドレスを有する各子装置101Aから受信した電力情報を集約した集約電力情報をサーバ103へ送信する(ステップS212)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25は、子装置101Aから電力線通信部21経由で電力情報を受信すると、受信した電力情報を保持する。
処理部25は、MAC−A001〜MAC−A050のMACアドレスを有する各子装置101Aからの各電力情報の受信が完了すると、各電力情報を集約して集約電力情報を作成し、作成した集約電力情報を上位回線通信部22経由でサーバ103へ送信する。
次に、サーバ103は、親装置102Aから集約電力情報を受信すると、受信した集約電力情報の内容を保存する保存処理を行う(ステップS214)。
次に、サーバ103および親装置102A間において、たとえば通信障害が発生する(ステップS216)。
次に、子装置101A−1は、親装置102Aにおける通信の正常性を確認するための正常性確認要求を親装置102Aへ送信する(ステップS218)。
次に、親装置102Aは、子装置101A−1から正常性確認要求を受信すると、受信した正常性確認要求に従って正常性確認処理を行う(ステップS220)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25は、電力線通信部21経由で子装置101A−1から正常性確認要求を受信すると、自己の親装置102Aおよびサーバ103間の通信が正常であるか否かを確認する。
ここでは、処理部25は、自己の親装置102Aおよびサーバ103間の通信が異常であることを確認する。
次に、親装置102Aは、正常性確認要求の応答として、自己の親装置102Aおよびサーバ103間の通信が異常であることを示す異常応答を子装置101A−1へ送信する(ステップS222)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25は、異常応答を作成し、作成した異常応答を電力線通信部21経由で子装置101A−1へ送信する。
次に、子装置101A−1は、親装置102Aから異常応答を受信すると、電力情報の送信先を変更する変更処理を行う(ステップS224)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45は、電力線通信部41経由で親装置102Aから異常応答を受信すると、受信した異常応答に基づいて親装置102Aにおいて通信障害が発生したと認識する。
そして、処理部45は、自己の子装置101の動作モードをバックアップモードに切り替えるとともに、電力情報の送信先を、記憶部44におけるバックアップ親装置リストLst6(図12参照)に含まれるPAN_IDを有する親装置102Bへ変更する。
次に、子装置101A−1は、変更後の親装置102との通信接続を確立するための接続要求を親装置102Bへ送信する(ステップS226)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45は、記憶部44におけるバックアップ親装置リストLst6からPAN_ID、ここでは「0002」を取得し、取得したPAN_ID、および自己のMACアドレスを含む接続要求を作成する。処理部45は、取得したPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを宛先として、作成した接続要求を電力線通信部41経由で親装置102Bへ送信する。
次に、親装置102Bは、子装置101A−1から接続要求を受信すると、子装置101A−1との通信接続を確立するための接続処理を行う(ステップS228)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、電力線通信部21経由で子装置101A−1から接続要求を受信すると、受信した接続要求からPAN_IDおよびMACアドレスを取得する。
処理部25は、取得したPAN_IDと自己のPAN_IDとが一致することを確認する。
また、処理部25は、取得したMACアドレスが記憶部24におけるバックアップ子装置リストLst4(図9参照)に含まれることを確認し、バックアップモードで動作している子装置101A−1から接続要求を受信したことを認識する。
そして、処理部25は、接続要求を送信した子装置101A−1を管理すると決定し、バックアップ中の子装置101として子装置101A−1のMACアドレスを、図示しない接続中子装置リストに登録する。
次に、親装置102Bは、子装置101A−1との通信接続を確立するための処理が完了したことを示す接続応答を子装置101A−1へ送信する(ステップS230)。
ここで、上記ステップS226〜S230の動作は、子装置101A−1および親装置102B間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aおよび親装置102B間においても行われる。
次に、子装置101A−1は、親装置102Bにおける通信の正常性を確認するための正常性確認要求を親装置102Bへ送信する(ステップS232)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45は、30分ごとの確認タイミングにおいて正常性確認要求を作成し、記憶部44におけるバックアップ親装置リストLst6(図12参照)からPAN_ID、ここでは「0002」を取得する。
そして、処理部45は、取得したPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを宛先として、作成した正常性確認要求を電力線通信部41経由で親装置102Bへ送信する。
次に、親装置102Bは、子装置101A−1から正常性確認要求を受信すると、受信した正常性確認要求に従って、正常性確認処理を行う(ステップS234)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、電力線通信部21経由で子装置101A−1から正常性確認要求を受信すると、自己の親装置102Bおよびサーバ103間の通信が正常であるか否かを確認する。
ここでは、処理部25は、自己の親装置102Bおよびサーバ103間の通信が正常であることを確認する。
また、処理部25は、受信した正常性確認要求からMACアドレスを取得する。処理部25は、取得したMACアドレスが記憶部24におけるバックアップ子装置リストLst4(図9参照)に含まれることを確認し、子装置101A−1がバックアップモードで動作していることを認識する。
次に、親装置102Bは、正常性確認要求の応答であるACKを子装置101A−1へ送信する(ステップS236)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、ACKを作成し、作成したACKを電力線通信部21経由で子装置101A−1へ送信する。
ここで、上記ステップS232〜S236の動作は、子装置101A−1および親装置102B間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aおよび親装置102B間においても行われる。
次に、親装置102Bは、電力情報要求を子装置101A−1へ送信する(ステップS238)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、30分ごとの要求タイミングにおいて、記憶部24におけるバックアップ子装置リストLst4(図9参照)からMACアドレス、ここでは「MAC−A001」を取得し、取得したMACアドレスを有する子装置101A−1へ電力情報要求を電力線通信部21経由で送信する。
次に、子装置101A−1は、親装置102Bから電力情報要求を受信すると、受信した電力情報要求に従って、電力情報を親装置102Bへ送信する(ステップS240)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45は、電力線通信部41経由で親装置102Bから電力情報要求を受信すると、自己の子装置101がバックアップモードで動作しているので、記憶部44におけるバックアップ親装置リストLst6(図12参照)からPAN_IDを取得する。
そして、処理部45は、取得したPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを宛先として、直近の計測結果を示す電力情報を電力線通信部41経由で親装置102Bへ送信する。
ここで、上記ステップS238,S240の動作は、子装置101A−1および親装置102B間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101Aおよび親装置102B間においても行われる。
次に、親装置102Bは、MAC−A001〜MAC−A050のMACアドレスを有する各子装置101Aから受信した電力情報を集約した集約電力情報をサーバ103へ送信する(ステップS242)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、子装置101Aから電力線通信部21経由で電力情報を受信すると、受信した電力情報を保持する。
処理部25は、MAC−A001〜MAC−A050のMACアドレスを有する各子装置101Aからの各電力情報の受信が完了すると、各電力情報を集約して集約電力情報を作成し、作成した集約電力情報を上位回線通信部22経由でサーバ103へ送信する。
次に、サーバ103は、親装置102Aから集約電力情報を受信すると、受信した集約電力情報の内容を保存する保存処理を行う(ステップS244)。
なお、サーバ103および親装置102A間において通信障害が発生したが(ステップS216)、これに限定するものではない。
通信障害は、たとえば、親装置102Aにおいて発生したり、子装置101A−1および親装置102A間において発生したりすることがある。
このような場合、子装置101A−1は、以下のような処理を行うことにより、これらの通信障害の発生を検出する構成であってもよい。
すなわち、子装置101A−1は、正常性確認要求を親装置102Aへ送信する(ステップS218)。
子装置101A−1は、当該正常性確認要求の応答であるACKを所定のタイムアウト時間内に親装置102Aから受信できないことにより、親装置102Aにおいて通信障害が発生したと認識する。そして、子装置101A−1は、自己の子装置101の動作モードをバックアップモードに切り替えるとともに、電力情報の送信先を、記憶部44におけるバックアップ親装置リストLst6(図12参照)に含まれるPAN_IDを有する親装置102Bへ変更する(ステップS224)。
また、親装置102Bは、上記ステップS238〜S242において、子装置101Aから電力情報を取得してサーバ103へ送信することに加えて、以下の処理を行う。
すなわち、親装置102Bは、記憶部24における正常時子装置リストLst3(図8参照)に基づいて、MAC−B001〜MAC−B050のMACアドレスを有する子装置101Bへ電力情報要求を送信し、これらの子装置101Bから電力情報を受信する。そして、親装置102Bは、MAC−B001〜MAC−B050のMACアドレスを有する子装置101Bから受信した電力情報を集約した集約電力情報をサーバ103へ送信する。
図14は、本発明の実施の形態に係る親装置が通信障害から復帰した際のシーケンスの一例を示す図である。
図14を参照して、サーバ103および親装置102A間において通信障害が発生している状況を想定する。また、親装置102Bが既にPAネットワークを構築し、かつ子装置101A−1は、親装置102Bと通信接続を確立している。子装置101A−1の動作モードは、バックアップモードである。また、各子装置101では、30分ごとに電力測定が行われる。
親装置102Bは、たとえば、親装置102Aにおける通信障害が解消した場合、子装置101A−1との通信接続を切断し、かつ子装置101A−1に対して親装置102Aと通信接続を確立させるための処理を行う。
親装置102Aは、たとえば、自己における通信障害が解消したことを親装置102Bへ通知する。
まず、サーバ103および親装置102A間における通信障害が解消する(ステップS302)。
次に、親装置102Aは、自己が通信障害から復帰したことを示す復帰通知を親装置102Bへ送信する(ステップS304)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25(図5参照)は、自己の親装置102Aおよびサーバ103間における通信障害が解消したことを確認すると、記憶部24が保持するアドレス情報AAから親装置102BのIPアドレスを取得する。
そして、処理部25は、復帰通知を作成し、取得したIPアドレスを宛先として、作成した復帰通知を上位回線通信部22経由で親装置102Bへ送信する。
次に、親装置102Bは、親装置102Aから復帰通知を受信すると、バックアップとして接続している子装置101Aとの通信接続を切断することを決定する(ステップS306)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、上位回線通信部22経由で親装置102Aから復帰通知を受信すると、親装置102Aにおける通信障害が解消したことを認識する。
そして、処理部25は、バックアップ中の子装置101として接続中子装置リストに登録されているMACアドレス、ここではMAC−A001〜MAC−A050を有する子装置101Aとの通信接続を切断することを決定する。
次に、親装置102Bは、自己との通信接続を切断させ、かつ正常時の親装置102に再接続させるための再接続要求を子装置101A−1へ送信する(ステップS308)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、接続中子装置リストに登録されているMACアドレス、ここではMAC−A001を取得し、取得したMACアドレスを有する子装置101A−1へ再接続要求を電力線通信部21経由で送信する。
次に、子装置101A−1は、親装置102Bから再接続要求を受信すると、受信した再接続要求に従って、バックアップ時の親装置102Bとの通信接続を切断するための切断要求を親装置102Bへ送信する(ステップS310)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45(図10参照)は、電力線通信部41経由で親装置102Bから再接続要求を受信すると、記憶部44におけるバックアップ親装置リストLst6(図12参照)からPAN_ID、ここでは「0002」を取得する。
処理部45は、取得したPAN_ID、および自己のMACアドレスを含む切断要求を作成し、取得したPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを宛先として、作成した切断要求を電力線通信部41経由で親装置102Bへ送信する。
次に、親装置102Bは、子装置101A−1から切断要求を受信すると、子装置101A−1との通信接続を切断する(ステップS312)。
より詳細には、親装置102Bにおける処理部25は、電力線通信部21経由で子装置101A−1から切断要求を受信すると、受信した切断要求からPAN_IDおよびMACアドレスを取得する。
処理部25は、取得したPAN_IDと自己のPAN_IDとが一致することを確認する。
また、処理部25は、取得したMACアドレスを用いて、接続中子装置リストから「MAC−A001」を抹消する。
次に、親装置102Bは、子装置101A−1との通信接続の切断が完了したことを示す切断応答を子装置101A−1へ送信する(ステップS314)。
次に、子装置101A−1は、親装置102Bから切断応答を受信すると、電力情報の送信先を変更する変更処理を行う(ステップS316)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45は、電力線通信部41経由で親装置102Bから切断応答を受信すると、親装置102Bとの通信接続が切断されたことを認識する。
そして、処理部45は、自己の子装置101の動作モードを正常モードに切り替えるとともに、電力情報の送信先を、記憶部44における正常時親装置リストLst5(図11参照)に含まれるPAN_IDを有する親装置102Aへ変更する。
次に、子装置101A−1は、変更後の親装置102との通信接続を確立するための接続要求を親装置102Aへ送信する(ステップS318)。
より詳細には、子装置101A−1における処理部45は、記憶部44における正常時親装置リストLst5からPAN_ID、ここでは「0001」を取得し、取得したPAN_ID、および自己のMACアドレスを含む接続要求を作成する。処理部45は、取得したPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを宛先として、作成した接続要求を電力線通信部41経由で親装置102Aへ送信する。
次に、親装置102Aは、子装置101A−1から接続要求を受信すると、子装置101A−1との通信接続を確立するための接続処理を行う(ステップS320)。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25は、電力線通信部21経由で子装置101A−1から接続要求を受信すると、受信した接続要求からPAN_IDおよびMACアドレスを取得する。
処理部25は、取得したPAN_IDと自己のPAN_IDとが一致することを確認する。
また、処理部25は、取得したMACアドレスが記憶部24における正常時子装置リストLst1(図6参照)に含まれることを確認し、自己の親装置102Aが管理すべき子装置101A−1から接続要求を受信したことを認識する。
そして、処理部25は、接続要求を送信した子装置101A−1を管理すると決定する。
次に、親装置102Aは、子装置101A−1との通信接続を確立するための処理が完了したことを示す接続応答を子装置101A−1へ送信する(ステップS322)。
ここで、上記ステップS308〜S322の動作は、子装置101A−1、親装置102Aおよび親装置102B間と同様に、MAC−A002〜MAC−A050のMACアドレスを有する子装置101A、親装置102Aおよび親装置102B間においても行われる。
ステップS324〜S336の動作は、図13に示すステップS202〜S214の動作と同様である。
なお、親装置102Bは、親装置102Aから復帰通知を受信することにより(ステップS304)、親装置102Aにおける通信障害が解消したことを確認する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
親装置102Bは、たとえば、バックアップモードで動作している子装置101Aから電力情報を取得している期間において、通信障害の解消を確認するためのアライブ確認要求を親装置102Aへ定期的に送信する構成であってもよい。
この場合、親装置102Bは、アライブ確認要求に対する応答を親装置102Aから受信することにより、親装置102Aにおける通信障害が解消したことを確認する。
また、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムは、複数の子装置101を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力情報収集システム301は、1つの子装置101を備える構成であってもよい。たとえば、電力情報収集システム301が1つの子装置101Aを備える場合、親装置102Aが正常時子装置リストLst1を保持し、かつ親装置102Bがバックアップ子装置リストLst4を保持する構成により、電力情報を収集する通信ネットワークにおいて、電力情報の欠損を抑制するという本発明の目的を達成することが可能である。
また、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムは、サーバ103を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力情報収集システム301は、サーバ103を備えない構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る子装置は、接続先情報としてバックアップ親装置リスト(図12参照)を保持する構成であるとしたが、これに限定するものではない。子装置101は、接続先情報を保持しない構成であってもよい。この場合、子装置101は、たとえば、親装置102を探索するためのビーコンリクエストをブロードキャストする。親装置102は、ビーコンリクエストを受信すると、自己のPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを含むビーコンを子装置101へ送信する。子装置101は、親装置102からビーコンを受信すると、受信したビーコンに含まれるPAN_IDおよびゼロのショートアドレスを用いて、親装置102との通信接続を確立する。
また、本発明の実施の形態に係る親装置102Bは、親装置102Aにおける通信障害が解消した場合、子装置101A−1との通信接続を切断し、かつ子装置101A−1に対して親装置102Aと通信接続を確立させるための処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。親装置102Bは、上記処理を行わない構成であってもよい。また、装置102Bは、親装置102Aにおける通信障害が解消した場合、子装置101A−1との通信接続を切断する処理のみを行う構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る親装置では、正常時子装置リストおよびバックアップ子装置リストには、子装置101の識別子としてMACアドレスが含まれる構成であるとしたが、これに限定するものではない。子正常時子装置リストおよびバックアップ子装置リストには、子装置101の識別子として、たとえばMACアドレスに基づくロングアドレスが含まれる構成であってもよい。
ところで、特許文献1に記載の通信ネットワークにおいて、親機は、たとえば、自己の管理する子機から電力情報を定期的に取得し、取得した電力情報を上位装置へ送信する。親機自体、または親機および上位装置間において通信障害が発生した場合、上位装置において電力情報の欠損が発生する。このような場合、欠損した電力情報を上位装置が要求することによって、通信ネットワークにおいて欠損した電力情報の伝送が行われることがある。
しかしながら、上位装置の要求による電力情報の伝送が行われると、通信負荷の増大により他の処理に影響を及ぼすことがある。また、上位装置では、欠損していた電力情報を補完するための余分な処理が発生する。
これに対して、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムは、電力情報を取得する子装置101Aと、電力線161を介して子装置101Aと通信可能な複数の親装置102たとえば親装置102A,102Bとを備える。子装置101Aは、親装置102Aと通信接続を確立し、電力情報を親装置102Aへ送信する。そして、子装置101Aは、親装置102Aにおいて通信障害が発生した場合、親装置102Bと通信接続を確立し、親装置102Aへ未送信の電力情報を親装置102Bへ送信する。
このような構成により、親装置102Aが正常な場合には、電力情報を親装置102A経由で上位装置へ送信することができ、また、親装置102Aにおいて通信障害が発生した場合には、親装置102Aへ未送信の電力情報を親装置102B経由で上位装置へ送信することができるので、電力情報を収集する通信ネットワークにおいて、電力情報の欠損を抑制することができる。これにより、上位装置は欠損した電力情報を要求しなくてもよいので、通信負荷の増大による他の処理への影響、および上位装置における余分な処理の発生を防ぐことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムでは、子装置101Aは、自己が通信接続を確立すべき親装置102Aにおいて通信障害が発生した場合に通信接続を確立すべき親装置102として、親装置102Bを特定可能な接続先情報を保持する。
このように、バックアップ用の親装置102Bを特定可能な接続先情報を保持する構成により、親装置102Aにおいて通信障害が発生した場合に、たとえば親装置102を探索することなく、通信接続先を親装置102Bへ迅速に切り替えることができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムでは、親装置102Bは、親装置102Aにおける通信障害が解消した場合、子装置101Aとの通信接続を切断し、かつ子装置101Aに対して親装置102Aと通信接続を確立させるための処理を行う。
このような構成により、子装置101の通信接続先を、バックアップ用の親装置102Bから、当該子装置101が本来通信接続すべき親装置102Aへ変更させることができるので、子装置101における電力情報の送信先を元に戻すことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムでは、親装置102Aは、自己における通信障害が解消したことを親装置102Bへ通知する。
このような構成により、バックアップ用の親装置102Bは、子装置101Aにおける通信障害が解消されたことを認識することができるので、バックアップとしての処理を終了するための処理を行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力情報収集システムは、複数の子装置101を備える。そして、親装置102は、自己と通信接続を確立すべき子装置101の識別子、および他の親装置102と通信接続を確立すべき子装置101の識別子を含む子装置情報を保持する。
このような構成により、親装置102は、子装置情報に基づいて、自己が管理すべき子装置101およびバックアップすべき子装置101を認識することができるので、たとえば、バックアップすべき子装置101からの接続要求を迅速に受け入れたり、他の親装置102における通信障害が解消された場合に、バックアップ中の子装置101を、離脱させるべき子装置101として抽出したりすることができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電力情報を取得する子装置と、
電力線を介して前記子装置と通信可能な複数の親装置とを備え、
前記子装置は、第1の前記親装置と通信接続を確立し、前記電力情報を前記第1の親装置へ送信し、
前記子装置は、前記第1の親装置において通信障害が発生した場合、第2の前記親装置と通信接続を確立し、前記第1の親装置へ未送信の前記電力情報を前記第2の親装置へ送信し、
前記子装置は、スマートメータであり、
前記親装置は、コンセントレータであり、
前記第1の親装置は、前記子装置から受信した電力情報を上位装置へ送信し、
前記子装置は、前記第1の親装置における通信障害、自己および前記第1の親装置間における通信障害、または前記上位装置および前記第1の親装置間における通信障害が発生した場合、前記第2の親装置と通信接続を確立し、前記第1の親装置へ未送信の前記電力情報を前記第2の親装置へ送信する、電力情報収集システム。