JP2019036637A - 気密パッケージの製造方法及び気密パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】パッケージ基体として、セラミック基体等を用いた場合でも、気密信頼性とレーザー封着強度を有効に確保し得る方法を提供する。
【解決手段】本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス蓋を用意すると共に、ガラス蓋上に第一の封着材料層を形成する工程と、パッケージ基体を用意すると共に、パッケージ基体上に第二の封着材料層を形成する工程と、第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する工程と、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、第一の封着材料層と第二の封着材料層を軟化変形させることにより、第一の封着材料層と第二の封着材料層を気密封着して、気密パッケージを得る工程と、を備え、第二の封着材料層の平均幅を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくすると共に、レーザー光の照射径を第二の封着材料層の平均幅よりも小さくすることを特徴とすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、気密パッケージの製造方法及び気密パッケージに関する。
気密パッケージは、一般的に、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体と、光透過性を有するガラス蓋と、それらで囲まれた内部空間に収容される内部素子と、を備えている。
気密パッケージの内部に実装されるMEMS(微小電気機械システム)素子等の内部素子は、周囲環境から浸入する水分により劣化する虞がある。従来まで、パッケージ基体とガラス蓋とを一体化するために、低温硬化性を有する有機樹脂系接着剤が使用されていた。しかし、有機樹脂系接着剤は、水分や気体を完全に遮蔽できないため、内部素子を経時的に劣化させる虞がある。
一方、ガラス粉末を含む複合粉末を封着材料に用いると、封着部分が周囲環境の水分で劣化し難くなり、気密パッケージの気密信頼性を確保し易くなる。しかし、ガラス粉末は、有機樹脂系接着剤よりも軟化温度が高いため、封着時に内部素子を熱劣化させる虞がある。
このような事情から、レーザー封着が注目されている。レーザー封着では、一般的に、近赤外域の波長を有するレーザー光が封着材料層に照射された後、封着材料層が軟化変形して、ガラス蓋とパッケージ基体が気密一体化される。そして、レーザー封着では、封着すべき部分のみを局所的に加熱することが可能であり、内部素子を熱劣化させることなく、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化することができる。
特開2014−224006号公報 特開2014−177356号公報
ガラス蓋とパッケージ基体をレーザー封着する場合、ガラス蓋側とパッケージ基体側の双方に封着材料層を形成すると、レーザー封着の際に、封着材料層同士が軟化変形して、気密一体化されるため、気密パッケージの気密信頼性とレーザー封着強度を高めることができる。
しかし、パッケージ基体として、セラミック基体等を用いた場合、ガラス蓋側とパッケージ基体側の双方に封着材料層を形成すると、レーザー封着の際に、封着材料層に熱歪みが生じて、所望の気密信頼性とレーザー封着強度を確保できない場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、パッケージ基体として、セラミック基体等を用いた場合でも、気密信頼性とレーザー封着強度を有効に確保し得る方法を提供することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、パッケージ基体側の封着材料層の幅をガラス蓋側の封着材料層の幅よりも大きくし、レーザー光の照射径をパッケージ基体側の封着材料層の幅よりも小さくすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス蓋を用意すると共に、ガラス蓋上に第一の封着材料層を形成する工程と、パッケージ基体を用意すると共に、パッケージ基体上に第二の封着材料層を形成する工程と、第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する工程と、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、第一の封着材料層と第二の封着材料層を軟化変形させることにより、第一の封着材料層と第二の封着材料層を気密封着して、気密パッケージを得る工程と、を備え、第二の封着材料層の平均幅を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくすると共に、レーザー光の照射径を第二の封着材料層の平均幅よりも小さくすることを特徴とすることを特徴とする。
本発明の気密パッケージの製造方法は、第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置した後、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、第一の封着材料層と第二の封着材料層を軟化変形させることにより、第一の封着材料層と第二の封着材料層を気密封着することを特徴とする。このようにすれば、レーザー封着の際に、封着材料層同士が軟化変形し、気密一体化されるため、レーザー封着強度を高めることができる。
その一方で、第二の封着材料層は、濡れ性を確保し難いパッケージ基体上に形成されるため、短時間で焼結を行った場合、その端縁部が盛り上がった形状になり易い。この傾向は、第二の封着材料層をレーザー照射で形成した場合に顕著になる。第二の封着材料層の端縁部が盛り上がった形状になると、レーザー封着の際に、その盛り上がり部分が軟化流動して、第一の封着材料層の外側に回り込み、ガラス蓋に直接接触して封着される。その結果、第一の封着材料層とガラス蓋の界面と、第二の封着材料層とガラス蓋の界面とで、熱収支が相違するため、ガラス蓋が不当な熱歪みにより破損する虞がある。
そこで、本発明の気密パッケージの製造方法は、第二の封着材料層の平均幅を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくすると共に、レーザー光の照射径を第二の封着材料層の平均幅よりも小さくすることを特徴とする。このようにすれば、レーザー封着の際に、レーザー光が第二の封着材料層の端縁部に照射されないため、第二の封着材料層の端縁部の盛り上がり部分が軟化流動せず、ガラス蓋と直接封着されない。その結果、ガラス蓋が破損し難くなる。
図1は、本発明の気密パッケージの製造方法を説明するための断面概念図である。図1から分かるように、ガラス蓋1上には、第一の封着材料層2が形成されており、パッケージ基体3上には、第二の封着材料層4が形成されており、第二の封着材料層4の端縁部5は盛り上がった形状になっている。そして、第二の封着材料層4の平均幅は、第一の封着材料層2の平均幅よりも大きくなっている。
ガラス蓋1とパッケージ基体3は、第一の封着材料層2と第二の封着材料層4が接触するように積層配置されている。その後、ガラス蓋1側からレーザー光6を照射し、第一の封着材料層2と第二の封着材料層4を軟化変形させて、第一の封着材料層2と第二の封着材料層4を気密封着し、気密パッケージを得る。ここで、レーザー光6の照射径Wは、第一の封着材料層2の平均幅よりも大きく、第二の封着材料層4の平均幅よりも小さくなっている。これにより、第二の封着材料層4の端縁部5にはレーザー光6が照射されないため、ガラス蓋1と第二の封着材料層4の端縁部5は直接封着されず、ガラス蓋の破損が防止される。
また、本発明の気密パッケージの製造方法は、第二の封着材料層の平均幅を、第一の封着材料層の平均幅よりも200μm以上大きくすることが好ましい。
また、本発明の気密パッケージの製造方法は、レーザー光の照射径を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくすることが好ましい。
また、本発明の気密パッケージの製造方法は、第一の封着材料層と第二の封着材料層の合計厚みが1.0〜10.0μmであることが好ましい。
また、本発明の気密パッケージの製造方法は、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用い、枠部の頂部に第二の封着材料層を形成することが好ましい。
また、本発明の気密パッケージの製造方法は、パッケージ基体が、ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることが好ましい。
本発明の気密パッケージは、ガラス蓋とパッケージ基体とを有する気密パッケージにおいて、ガラス蓋上に、第一の封着材料層が形成されており、パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、パッケージ基体の枠部の頂部上に、第二の封着材料層が形成されており、第二の封着材料層の平均幅が、第一の封着材料層の平均幅よりも大きく、且つ第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触配置された状態で気密一体化されていることを特徴とする。
また、本発明の気密パッケージは、第二の封着材料層の平均幅が、第一の封着材料層の平均幅よりも200μm以上大きいことが好ましい。
また、本発明の気密パッケージは、第一の封着材料層と第二の封着材料層の合計厚みが1.0〜12.0μmであることが好ましい。
また、本発明の気密パッケージは、第二の封着材料層の波長808nmにおける単色光の吸収率が1μm厚当たり5〜50%であることが好ましい。ここで、「波長808nmにおける単色光での光吸収率」は、分光光度計で反射率と透過率を測定し、その合計値を100%から減じた値を指す。
また、本発明の気密パッケージは、パッケージ基体が、ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることが好ましい。
本発明の気密パッケージの製造方法を説明するための断面概念図である。 本発明の一実施形態を説明するための断面概念図である。
本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス蓋を用意すると共に、ガラス蓋上に第一の封着材料層を形成する工程を有する。
ガラス蓋として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。
ガラス蓋の板厚は0.01〜2.0mm、0.1〜1.5mm、特に0.15〜1.2mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
ガラス蓋の内部素子側の表面に機能膜を形成してもよく、ガラス蓋の外側の表面に機能膜を形成してもよい。特に機能膜として反射防止膜が好ましい。これにより、ガラス蓋の表面で反射する光を低減することができる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、パッケージ基体を用意すると共に、パッケージ基体上に第二の封着材料層を形成する工程を有する。
パッケージ基体として、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用い、枠部の頂部に第二の封着材料層を形成することが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体の枠部で囲まれた空間に紫外LED素子等の発光素子を収容し易くなる。
パッケージ基体の枠部の頂部の幅は、好ましくは100〜3000μm、200〜2500μm、特に300〜2000μmである。枠部の頂部の幅が狭過ぎると、枠部の頂部上に第二の封着材料層を形成し難くなる。一方、枠部の頂部の幅が広過ぎると、デバイスとして機能する有効面積が小さくなる。
パッケージ基体の枠部の高さ、つまりパッケージ基体から基部の厚みを引いた高さは、好ましくは100〜3500μm、特に200〜3000μmである。このようにすれば、内部素子を適正に収容しつつ、気密パッケージの薄型化を図り易くなる。
パッケージ基体の基部の厚みは0.1〜4.5mm、特に0.2〜3.5mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
パッケージ基体は、ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料(例えば、窒化アルミニウムとガラスセラミックを一体化したもの)であることが好ましい。ガラスセラミックは、第二の封着材料層と反応層を形成し易いため、パッケージ基体と第二の封着材料層の界面で強固な封着強度を確保することができる。更にサーマルビアを容易に形成し得るため、気密パッケージが過度に温度上昇する事態を適正に防止することができる。窒化アルミニウムと酸化アルミニウムは、放熱性が良好であるため、気密パッケージが過度に温度上昇する事態を適正に防止することができる。
ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムは、黒色顔料が分散されている(黒色顔料が分散された状態で焼結されてなる)ことが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体が、第二の封着材料層を透過したレーザー光を吸収することができる。その結果、レーザー封着の際にパッケージ基体の第二の封着材料層と接触する箇所が加熱されるため、第二の封着材料層とパッケージ基体の界面で反応層の形成を促進することができる。
第二の封着材料層を焼結させるには、局所加熱が好ましく、特にレーザー照射が好ましい。このレーザー照射には、種々のレーザーを使用することができる。特に、近赤外半導体レーザーは、取扱いが容易な点で好ましい。レーザー光の照射径は、焼結状態を均一化するために、乾燥膜の幅よりも大きいことが好ましい。レーザー光を照射する際の外部雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。乾燥膜へのレーザーの走査は、一定の速度で行ってもよいし、任意の領域で速度を変更してもよい。
第二の封着材料層は、枠部との接触位置が枠部の頂部の内側端縁から離間するように形成されると共に、枠部の頂部の外側端縁から離間するように形成することが好ましく、枠部の頂部の内側端縁から50μm以上、60μm以上、70〜2000μm、特に80〜1000μm離間した位置に形成されることが更に好ましい。枠部の頂部の内側端縁と第二の封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ難くなるため、冷却過程でガラス蓋が破損し易くなる。一方、枠部の頂部の内側端縁と第二の封着材料層の離間距離が長過ぎると、気密パッケージの小型化が困難になる。また枠部の頂部の外側端縁から50μm以上、60μm以上、70〜2000μm、特に80〜1000μm離間した位置に形成されていることが好ましい。枠部の頂部の外側端縁と第二の封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ難くなるため、冷却過程でガラス蓋が破損し易くなる。一方、枠部の頂部の外側端縁と第二の封着材料層の離間距離が長過ぎると、気密パッケージの小型化が困難になる。
本発明の気密パッケージの製造方法では、第二の封着材料層の平均幅を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくする。そして、第二の封着材料層の平均幅は、第一の封着材料層の平均幅よりも200μm以上、300μm以上、400μm以上、特に500〜5000μm大きいことが好ましい。このようにすれば、レーザー封着の際に、第二の封着材料層の端縁部が軟化流動し難くなるため、ガラス蓋が破損し難くなる。
第一の封着材料層と第二の封着材料層の合計厚みは、好ましくは1.0〜12.0μm、特に2.0〜10.0μmであることが好ましい。第一の封着材料層と第二の封着材料層の合計厚みが小さい程、第一の封着材料層、第二の封着材料層及びガラス蓋の熱膨張係数が不整合である時に、レーザー封着後に封着部分に残留する応力を低減することができる。またレーザー封着精度を高めることもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、封着材料ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層(第一の封着材料層及び/第二の封着材料層)の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
第一の封着材料層と第二の封着材料層は、材料構成が同じである必要はなく、材料構成が異なっていてもよい。
封着材料層(第一の封着材料層及び/第二の封着材料層)は、封着材料とビークルを混練した封着材料ペーストを塗布することで形成される。封着材料は、一般的に、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合材料粉末であり、必要に応じて、着色顔料等のレーザー吸収材が添加される場合がある。そして、封着材料は、レーザー封着の際に、軟化流動して、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化する材料である。ビークルは、一般的に、樹脂と溶媒の混合物、つまり樹脂が溶解した粘性溶液を指し、封着材料を分散して、封着材料ペーストを均一に塗布するための材料である。また、ビークル中に、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等が添加される場合もある。
封着材料として、種々の材料が使用可能である。その中でも、レーザー封着強度を高める観点から、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末を用いることが好ましい。複合粉末として、55〜100体積%のビスマス系ガラス粉末と0〜45体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが好ましく、60〜100体積%のビスマス系ガラス粉末と0〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが更に好ましく、60〜85体積%のビスマス系ガラス粉末と15〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが特に好ましい。耐火性フィラー粉末を添加すれば、封着材料層の熱膨張係数が、ガラス蓋とパッケージ基体の熱膨張係数に整合し易くなる。その結果、レーザー封着後に封着部分に不当な応力が残留する事態を防止し易くなる。一方、耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ビスマス系ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなるため、封着材料層の表面平滑性が低下して、レーザー封着精度が低下し易くなる。
封着材料の軟化点は、好ましくは510℃以下、480℃以下、特に450℃以下である。封着材料の軟化点が高過ぎると、封着材料層の表面平滑性を高め難くなる。封着材料の軟化点の下限は特に設定されないが、ガラス粉末の熱的安定性を考慮すると、封着材料の軟化点は350℃以上が好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型DTA装置で測定した際の第四変曲点に相当する。
ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 28〜60%、B 15〜37%、ZnO 0〜30%、CuO+MnO(CuOとMnOの合量) 1〜40%を含有することが好ましい。各成分の含有範囲を上記のように限定した理由を以下に説明する。なお、ガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
Biは、軟化点を低下させるための主要成分である。Biの含有量は、好ましくは28〜60%、33〜55%、特に35〜45%である。Biの含有量が少な過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、軟化流動性が低下し易くなる。一方、Biの含有量が多過ぎると、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなり、この失透に起因して、軟化流動性が低下し易くなる。
は、ガラス形成成分として必須の成分である。Bの含有量は、好ましくは15〜37%、19〜33%、特に22〜30%である。Bの含有量が少な過ぎると、ガラスネットワークが形成され難くなるため、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなり、軟化流動性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分である。ZnOの含有量は、好ましくは0〜30%、3〜25%、5〜22%、特に5〜20%である。ZnOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
CuOとMnOは、レーザー吸収能を大幅に高める成分である。CuOとMnOの合量は、好ましくは1〜40%、3〜35%、10〜30%、特に15〜30%である。CuOとMnOの合量が少な過ぎると、レーザー吸収能が低下し易くなる。一方、CuOとMnOの合量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化流動し難くなる。またガラスが熱的に不安定になり、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。なお、CuOの含有量は、好ましくは1〜30%、特に10〜25%である。MnOの含有量は、好ましくは0〜25%、1〜25%、特に3〜15%である。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
SiOは、耐水性を高める成分である。SiOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%である。SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。またレーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。
Alは、耐水性を高める成分である。Alの含有量は0〜10%、0.1〜5%、特に0.5〜3%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満が好ましい。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。
Feは、耐失透性とレーザー吸収能を高める成分である。Feの含有量は、好ましくは0〜10%、0.1〜5%、特に0.4〜2%である。Feの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
Sbは、耐失透性を高める成分である。Sbの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。Sbの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
ガラス粉末の平均粒径D50は、好ましくは15μm未満、0.5〜10μm、特に1〜5μmである。ガラス粉末の平均粒径D50が小さい程、ガラス粉末の軟化点が低下する。ここで、「平均粒径D50」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイト、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体から選ばれる一種又は二種以上が好ましく、特にβ−ユークリプタイト又はコーディエライトが好ましい。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかもビスマス系ガラスとの適合性が良好である。
耐火性フィラー粉末の平均粒径D50は、好ましくは2μm未満、特に0.1μm以上、且つ1.5μm未満である。耐火性フィラー粉末の平均粒径D50が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。
耐火性フィラー粉末の99%粒径D99は、好ましくは5μm未満、4μm以下、特に0.3μm以上、且つ3μm以下である。耐火性フィラー粉末の99%粒径D99が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。ここで、「99%粒径D99」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
封着材料は、光吸収特性を高めるために、更にレーザー吸収材を含んでもよいが、レーザー吸収材は、ビスマス系ガラスの失透を助長する作用を有する。よって、封着材料層中のレーザー吸収材の含有量は、好ましくは10体積%以下、5体積%以下、1体積%以下、0.5体積%以下、特に実質的に含有しないことが好ましい。ビスマス系ガラスの耐失透性が良好である場合は、レーザー吸収能を高めるために、レーザー吸収材を1体積%以上、特に3体積%以上導入してもよい。なお、レーザー吸収材として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能である。
封着材料の熱膨張係数は、好ましくは55×10−7〜110×10−7/℃、60×10−7〜105×10−7/℃、特に65×10−7〜100×10−7/℃である。このようにすれば、封着材料の熱膨張係数がガラス蓋やパッケージ基体の熱膨張係数に整合して、封着部分に残留する応力が小さくなる。なお、「熱膨張係数」は、30〜300℃の温度範囲において、TMA(押棒式熱膨張係数測定)装置で測定した値である。
封着材料ペーストは、通常、三本ローラー等により、封着材料とビークルを混練することにより作製される。ビークルは、上記の通り、通常、樹脂と溶剤を含む。樹脂は、ペーストの粘性を調整する目的で添加される。但し、高分子量の樹脂は、レーザー光の照射の際に、大きな分解熱が生じるため、乾燥膜の焼結が困難になる。
封着材料ペースト中の樹脂量が多過ぎると、レーザー光の照射により乾燥膜を焼結させる場合に、樹脂の分解熱のエネルギーロスが大きくなるため、低出力のレーザー光を使用できなくなる。結果として、内部素子が熱劣化する虞がある。更にレーザー光の照射により乾燥膜を焼結させる場合に、封着材料層中に樹脂が残存し、これによりレーザー封着の際に、封着材料層中で樹脂の再分解が生じて、封着材料層の流動不良や発泡等の不具合が発生する虞がある。よって、封着材料ペーストには、樹脂を実質的に含まないビークル(樹脂量が0.1質量%未満であるビークル)を用いることが最も好ましいが、ビークルに樹脂を少量添加する場合、樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。ビークルに用いる溶剤として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、テルペン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
封着材料ペーストの塗布は、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いることが好ましい。このようにすれば、塗布膜や乾燥膜の寸法精度を高めることができる。塗布膜の乾燥は、封着材料ペースト中の溶媒が揮発する下限温度より高く、内部素子の耐熱温度より低い温度が好ましい。
本発明の気密パッケージの製造方法は、第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触するように、パッケージ基体とガラス蓋を積層配置する工程と、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、第一の封着材料層と第二の封着材料層を軟化変形させることにより、第一の封着材料層と第二の封着材料層を気密封着して、気密パッケージを得る工程と、を備える。本発明の気密パッケージの製造方法では、第一の封着材料層と第二の封着材料層の中心線同士が重なるように、パッケージ基体とガラス蓋を積層配置することが好ましい。このようにすれば、レーザー封着精度とレーザー封着強度を同時に高めることができる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、レーザー光の照射径を第二の封着材料層の平均幅よりも小さくすることを特徴とする。このようにすれば、レーザー封着の際に、レーザー光が第二の封着材料層の端縁部に照射されないため、第二の封着材料層の端縁部の盛り上がり部分が軟化流動せず、ガラス蓋と直接封着されない。その結果、ガラス蓋が破損し難くなる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、レーザー光の照射径を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくすることが好ましい。これにより、第一の封着材料層全体にレーザー光が照射されるため、気密信頼性とレーザー封着強度を高めることができる。
レーザー封着を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。
ガラス蓋を押圧した状態でレーザー封着を行うことが好ましい。これにより、レーザー封着時に封着材料層(第一の封着材料層及び/又は第二の封着材料層)の軟化流動性を高めることができる。
本発明の気密パッケージは、ガラス蓋とパッケージ基体とを有する気密パッケージにおいて、ガラス蓋上に、第一の封着材料層が形成されており、パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、パッケージ基体の枠部の頂部上に、第二の封着材料層が形成されており、第二の封着材料層の平均幅が、第一の封着材料層の平均幅よりも大きく、且つ第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触配置された状態で気密一体化されていることを特徴とする。本発明の気密パッケージの技術的特徴は、本発明の気密パッケージの製造方法の説明欄に殆ど記載済みであり、その重複部分については、詳細な説明を省略する。
第二の封着材料層の波長808nmにおける単色光の吸収率(厚み方向)は、好ましくは20〜90%、特に30〜60%である。また、第二の封着材料層の波長808nmにおける単色光の吸収率は、好ましくは1μm厚当たり5〜50%、特に7〜30%であることが好ましい。波長808nmの単色光の吸収率が低過ぎると、第二の封着材料層が軟化変形し難くなり、レーザー出力を過度に高める必要がある。結果として、内部素子が熱劣化する虞が生じる。また、波長808nmの単色光の吸収率が高過ぎると、レーザー封着の際に、パッケージ基体と第二の封着材料層の界面に十分な熱を与えらないため、第二の封着材料層の軟化流動性が不十分になる虞がある。
以下、図面を参照しながら、本発明を説明する。図2は、本発明の一実施形態を説明するための断面概念図である。気密パッケージ10は、ガラス蓋11とパッケージ基体12を備えている。パッケージ基体12は基部13を有し、更に基部13の外周端縁上に枠部14を有している。また、パッケージ基体12の枠部14内に内部素子15が収容されている。
ガラス蓋11の表面には、額縁状の第一の封着材料層16が形成されている。第一の封着材料層16は、電気炉焼成により封着材料を焼結させたものであり、その封着材料は、ガラス組成中に遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスと耐火性フィラー粉末とを含有している。そして、第一の封着材料層16の平均幅は、第二の封着材料層17の平均幅よりも200μm以上小さくなっている。
パッケージ基体12の枠部14の頂部18には、第二の封着材料層17が形成されている。その頂部18の表面は、予め研磨処理されており、その表面粗さRaが0.5μm以下になっている。そして、第二の封着材料層17の幅は、枠部14の幅よりも若干小さくなっている。更に、第二の封着材料層17は、封着材料ペーストを塗布、乾燥し、乾燥膜を作製した上で、その乾燥膜にレーザー光を照射して、焼結させたものである。その封着材料ペーストは、封着材料とビークルを三本ローラー等で混練することにより作製されている。その封着材料は、ガラス組成中に遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスと耐火性フィラー粉末とを含有している。なお、パッケージ基体12内には、内部素子15と外部を電気的に接続する電気配線(図示されていない)が形成されている。
また、ガラス蓋11が上方になり、且つ第一の封着材料層16と第二の封着材料層17の幅方向の中心線同士が接触するように、ガラス蓋11とパッケージ基体12が積層配置されている。その後、レーザー照射装置19から出射したレーザー光20が、ガラス蓋11側から第一の封着材料層16と第二の封着材料層17に沿って照射される。このレーザー光20の照射径は、第一の封着材料層16の平均幅よりも大きく、第二の封着材料層17の平均幅よりも小さい。これにより、第一の封着材料層16と第二の封着材料層17が軟化流動し、気密封着された後、ガラス蓋11とパッケージ基体12が気密一体化されて、気密パッケージ10の気密構造が形成される。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜5)と比較例(試料No.6〜8)を示している。
まず所望のガラス組成になるように、各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1200℃で2時間溶融した。次に、それぞれ得られた溶融ガラスを水冷ローラーにより薄片状に成形した。最後に、薄片状のビスマス系ガラスをボールミルにて粉砕後、空気分級してビスマス系ガラス粉末を得た。なお、ガラス蓋側の封着材料層に係るビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、モル%で、Bi 39%、B 23%、ZnO 14%、Al 3%、CuO 20%、Fe 1%を含有し、またパッケージ基体側の封着材料層に係るビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、モル%で、Bi 45%、B 27%、ZnO 19%、Al 4%、CuO 4%、Fe 1%を含有する。
次に、得られたビスマス系ガラス粉末を70.0体積%、耐火性フィラー粉末を30.0体積%の割合で混合して、封着材料(複合粉末)を作製した。ここで、ビスマス系ガラス粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.5μmとし、耐火性フィラー粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.5μmとした。なお、耐火性フィラー粉末はβ−ユークリプタイトである。
得られた封着材料につき、熱膨張係数を測定したところ、その熱膨張係数は、それぞれ71×10−7/℃であった。なお、熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定したものであり、その測定温度範囲は30〜300℃である。
次に、外形29.8mm×29.8mm、厚み0.3mmのホウケイ酸ガラス(日本電気硝子株式会社製BDA)の一方の表面に、表中の平均幅を有し、且つパッケージ基体側の封着材料層と中心線が重なるようなパターンになるように、封着材料ペーストを塗布し、大気雰囲気において100℃で10分間乾燥した後、電気炉により520℃で10分間焼成し、平均厚さが5.0μmとなる封着材料層(第一の封着材料層)を形成した。また、アルミナ製のパッケージ基体(外形30mm×30mm、基部厚み0.7mm、枠部の高さ3mm、枠部幅2mm)を用意し、その枠部の頂部の中心線に沿って、表中の平均幅を有し、焼結後の平均厚さが5.0μmとなるように封着材料層(第二の封着材料層)を形成した。
詳述すると、まず粘度が約100Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、上記の封着材料とビークルを混練した後、更に三本ロールミルで粉末が均一に分散するまで混錬して、ペースト化し、封着材料ペーストを得た。次に、パッケージ基体の枠部の頂部の中心線と封着材料層の幅方向の中心線とが一致するように、スクリーン印刷機により上記封着材料ペーストを印刷した後、大気雰囲気下において100℃で10分間乾燥することにより、パッケージ基体の枠部の頂部上に乾燥膜を形成した。更に、乾燥膜が上方になるように、治具でパッケージ基体を固定し、波長808nmの半導体レーザーを照射して、乾燥膜を軟化変形させて、焼結させることにより、パッケージ基体の枠部の頂部上に封着材料層を形成した。同様にして、ガラス蓋の周囲に封着材料ペーストを塗布した後、ガラス蓋上に乾燥膜を形成した。
最後に、ガラス蓋側の封着材料層の中心線とパッケージ基体側の封着材料層の中心線とが重なるように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置した。その後、押圧治具を用いてガラス蓋を押圧しながら、ガラス蓋側から封着材料層に向けて、波長808nmの半導体レーザーを照射して、双方の封着材料層を軟化変形させることにより、ガラス蓋とパッケージ基体とを気密一体化し、気密パッケージを得た。なお、レーザー封着後のガラス蓋側の封着材料層の上から見た平均幅は、レーザー封着前に封着材料層の上方から見た平均幅の110%になるように、レーザー照射径とレーザー出力を調整した。
得られた気密パッケージについて、気密信頼性を評価した。詳述すると、得られた気密パッケージに対して、高温高湿高圧試験(温度85℃、相対湿度85%、1000時間)を行った後、封着材料層の近傍を観察したところ、ガラス蓋にクラック、破損等が全く認められなかったものを「○」、気密リークには至っていないものの、ガラス蓋に微小クラックが僅かに認められたものを「△」、ガラス蓋にクラック、破損等が認められたものを「×」として気密信頼性を評価した。
表から分かるように、試料No.1〜4は、パッケージ基体側の封着材料層(第二の封着材料層)の平均幅がガラス蓋側の封着材料層の平均幅よりも大きいため、気密信頼性の評価が良好であった。また試料No.5は、パッケージ基体側の封着材料層の平均幅がガラス蓋側の封着材料層の平均幅よりも僅かに大きいため、高温高湿高圧試験で気密リークには至らなかった。一方、試料No.6〜8は、パッケージ基体側の封着材料層の平均幅がガラス蓋側の封着材料層の平均幅と同じであるため、パッケージ基体側の封着材料層がガラス蓋に直接接着している様子が観察されると共に、気密信頼性試験後に、その接触箇所のガラス蓋部分にクラックが発生していた。
本発明の気密パッケージは、MEMS(微小電気機械システム)素子等の内部素子が実装された気密パッケージに好適であるが、それ以外にも圧電振動素子や樹脂中に量子ドットを分散させた波長変換素子等を収容する気密パッケージ等にも好適に適用可能である。
1、11 ガラス蓋
2、16 第一の封着材料層
3、12 パッケージ基体
4、17 第二の封着材料層
5 端縁部
6、20 レーザー光
10 気密パッケージ
13 基部
14 枠部
15 内部素子
18 枠部の頂部
19 レーザー照射装置

Claims (11)

  1. ガラス蓋を用意すると共に、ガラス蓋上に第一の封着材料層を形成する工程と、
    パッケージ基体を用意すると共に、パッケージ基体上に第二の封着材料層を形成する工程と、
    第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する工程と、
    ガラス蓋側からレーザー光を照射し、第一の封着材料層と第二の封着材料層を軟化変形させることにより、第一の封着材料層と第二の封着材料層を気密封着して、気密パッケージを得る工程と、を備え、
    第二の封着材料層の平均幅を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくすると共に、レーザー光の照射径を第二の封着材料層の平均幅よりも小さくすることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  2. 第二の封着材料層の平均幅を、第一の封着材料層の平均幅よりも200μm以上大きくすることを特徴とする請求項1に記載の気密パッケージの製造方法。
  3. レーザー光の照射径を第一の封着材料層の平均幅よりも大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の気密パッケージの製造方法。
  4. 第一の封着材料層と第二の封着材料層の合計厚みが1.0〜10.0μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気密パッケージの製造方法。
  5. 基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用い、枠部の頂部に第二の封着材料層を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の気密パッケージの製造方法。
  6. パッケージ基体が、ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の気密パッケージの製造方法。
  7. ガラス蓋とパッケージ基体とを有する気密パッケージにおいて、
    ガラス蓋上に、第一の封着材料層が形成されており、
    パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、
    パッケージ基体の枠部の頂部上に、第二の封着材料層が形成されており、
    第二の封着材料層の平均幅が、第一の封着材料層の平均幅よりも大きく、
    且つ第一の封着材料層と第二の封着材料層が接触配置された状態で気密一体化されていることを特徴とする気密パッケージ。
  8. 第二の封着材料層の平均幅が、第一の封着材料層の平均幅よりも200μm以上大きいことを特徴とする請求項7に記載の気密パッケージ。
  9. 第一の封着材料層と第二の封着材料層の合計厚みが1.0〜10.0μmであることを特徴とする請求項7又は8に記載の気密パッケージ。
  10. 第二の封着材料層の波長808nmにおける単色光の吸収率が1μm厚当たり5〜50%であることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の気密パッケージ。
  11. パッケージ基体が、ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の気密パッケージ。
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