JP2019036499A - 端子付電線及び端子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガルバニック腐食の発生を効果的に抑制することのできる端子付電線及び該端子付電線を構成できる端子を提供する。
【解決手段】端子付電線1は、電線60の導体露出部63を圧着する1対の圧着片32,32と、電線60の被覆61を加締める1対の加締め片21,22とを備える。加締め片21,22のそれぞれの少なくとも先端部は重なり合っている。1対の加締め片21,22のうち上側加締め片21は、圧着片32に隣接する位置まで延伸された延伸部21Bを有する。1対の圧着片32,32と下側加締め片22との間の空間の一部は延伸部21Bに覆われており、これにより、端子付電線1の+Y方向側に偏在する樹脂注入口Tが形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、端子付電線及び端子に係り、特に端子と電線の導体とが異なる金属で形成された端子付電線に関するものである。
従来から、端子と電線の導体とが互いに異なる材料で形成された端子付電線が知られている。概して、このような端子付電線の導体はアルミニウム(電気化学的に卑な金属)で形成され、端子は銅(電気化学的に貴な金属)で形成される。このような端子付電線の導体と端子との接続部分が被水すると、水などの電解液を介して導体と端子との間に電池回路が形成され、電気化学的に卑な金属(アルミニウム)が電解液中に溶出して腐食される現象(ガルバニック腐食)が生じる。
このようなガルバニック腐食を防止するために、露出された電線の導体を樹脂で覆った端子付電線が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような従来の端子付電線によれば、端子付電線の内部空間の両側から樹脂が浸透していくため、該内部空間の底部に空気が滞留してしまい、その結果、該内部空間に樹脂が充填されない領域が形成されてしまう。この場合、端子の内面と被覆との間の終端部が樹脂で完全に閉塞されないため、端子の内面と被覆との間から水が浸入すると、電線の露出導体が被水してガルバニック腐食が発生してしまう。
特開2011−238500号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、ガルバニック腐食の発生を効果的に抑制することのできる端子付電線及び該端子付電線を構成できる端子を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、ガルバニック腐食の発生を効果的に抑制することのできる端子付電線が提供される。この端子付電線は、電線と、上記電線の露出された導体に圧着された導体圧着部と、上記電線の被覆に加締められた1対の加締め片とを備えている。また、上記導体圧着部と上記1対の加締め片との間には、内部に樹脂を注入するための樹脂注入口が形成されている。そして、上記1対の加締め片は、それぞれの少なくとも先端部が重なり合っている。上記1対の加締め片のうち上記被覆から相対的に遠い側で重なる上側加締め片は、上記導体圧着部に隣接する位置まで延伸された延伸部を有している。また、上記樹脂注入口は、その一部が上記延伸部によって覆われることによりその開口域が狭くなっている。
このような構成によれば、1対の加締め片が重なり合うとともに、上側加締め片が導体圧着部に隣接する位置まで延びる延伸部を有しているため、導体の頂部の上方の空間が狭くなった樹脂注入口が形成される。これにより、この樹脂注入口から注入された樹脂は、樹脂充填空間の一方側のみから樹脂充填空間に浸透していくため、樹脂充填空間の底部に空気が滞留してしまうことが抑制される。
また、1対の加締め片が重なり合っているため、樹脂充填空間の上側領域の厚さが下側加締め片の厚さ分だけ厚くなる。したがって、この上側領域に十分な空気の逃げ道が確保され、上側領域に空気が滞留してしまうことが抑制される。
このように、本発明に係る端子付電線によれば、樹脂充填空間に樹脂を注入した際に空気が樹脂充填空間に滞留してしまうことが抑制されるため、樹脂が樹脂充填空間に効果的に浸透し、その結果、ガルバニック腐食の発生が効果的に抑制される端子付電線が構成される。
上記1対の加締め片が上記導体の頂部の少なくとも直上で重なり合っていることが好ましい。これにより、樹脂充填空間の底部に空気が滞留してしまうことがより効果的に抑制される。
上記上側加締め片のうち上記導体圧着部に隣接する部分に、上記導体圧着部に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部が形成されてもよい。このような構成により、空気が樹脂充填空間からより効果的に排出される。
ここで、上記端子付電線は、上記1対の加締め片のうち上記被覆から相対的に近い側で重なる下側加締め片と上記導体圧着部とを連結する連結部をさらに備えてもよい。この場合において、上記連結部は、少なくとも上記導体の頂部と同じ高さの位置まで延びていることが好ましい。このような構成により、樹脂充填空間の全周に樹脂が浸透しやすくなる。
また、上記下側加締め片は、上記導体の頂部を超えて上記導体の頂部と同じ高さの位置まで上記被覆の周方向に延びていることが好ましい。このような構成により、厚みある上側領域が長い距離にわたって形成されるため、空気がさらに排出されやすくなる。
本発明の第2の態様によれば、ガルバニック腐食の発生を効果的に抑制できる端子付電線を構成できる端子が提供される。この端子は、電線の露出された導体を圧着する導体圧着部と、上記電線の被覆を加締める1対の加締め片とを備える。また、上記導体圧着部と上記1対の加締め片との間に開口が形成される。そして、上記1対の加締め片のうち一方の加締め片は、上記導体圧着部に隣接する位置まで延伸された延伸部を有している。この端子は、上記電線の被覆を上記1対の加締め片が加締めた際に、上記開口の一部が上記延伸部に覆われることにより上記開口の開口域が狭くなるように構成されている。
本発明によれば、樹脂充填空間に樹脂を注入した際に空気が樹脂充填空間に滞留してしまうことが効果的に抑制されるため、樹脂が樹脂充填空間に浸透しやすい。そのため、ガルバニック腐食の発生が効果的に抑制される端子付電線が提供される。
図1は、本発明の一実施形態における端子付電線を模式的に示す平面図である。 図2は、図1の端子付電線を模式的に示す右側面図である。 図3は、図1の端子付電線を模式的に示す左側面図である。 図4は、図1の端子付電線を模式的に示す図1のA−A線断面図である。 図5は、図1の端子付電線を模式的に示す図1のB−B線断面図である。 図6は、図1の端子付電線の製造方法の一例を示す図である。 図7Aは、図1の端子付電線の製造方法において樹脂が浸透する状態を模式的に示す図であり、図5に対応する断面図である。 図7Bは、図1の端子付電線の製造方法において樹脂が浸透する状態(下側充填状態)を模式的に示す図であり、図5に対応する断面図である。 図7Cは、図1の端子付電線の製造方法において樹脂が浸透する状態(上側浸透状態)を模式的に示す図であり、図5に対応する断面図である。 図8は、図1の端子付電線の製造方法において空気が端子付電線の内部から排気される状態を示す図であり、図4に対応する断面図である。 図9Aは、従来の端子付電線において樹脂浸透空間に樹脂が浸透している様子を模式的に示す断面図である。 図9Bは、従来の端子付電線において樹脂浸透空間に樹脂が浸透している様子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る端子付電線の実施形態について図1から図9Bを参照して詳細に説明する。なお、図1から図9Bにおいて、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図9Bにおいては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
図1は本発明の一実施形態における端子付電線1を模式的に示す平面図であり、図2は端子付電線1を模式的に示す右側面図であり、図3は左側面図であり、図4は図1のA−A線断面図であり、図5は図1のB−B線断面図である。
図1から図4に示すように、端子付電線1は、端子10と、この端子10に電気的に接続された電線60とを備えている。このような端子付電線1は、全体として電線60の軸方向に対応するX方向に延びている。電線60の先端(+X方向側の端部)には、被覆61が剥離されることにより導体62が露出した導体露出部63が形成されている。図4に示すように、この導体露出部63は端子10の導体載置部30に載置されており、被覆61は端子10の被覆載置部31に載置されている。
なお、本実施形態において、電線60の導体62は電気化学的に卑な金属(例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金)から形成されており、端子10は電気化学的に貴な金属(例えば、銅又は銅合金)から形成されている。
端子10の被覆載置部31からは、Y方向において対向する1対の加締め片21,22が被覆61の周方向に延びており、被覆61を加締めている。また、端子10の導体載置部30からは、Y方向において対向する1対の圧着片32,32(導体圧着部)が導体62の周方向に延びており、導体62の導体露出部63を圧着している。このような構成により、端子10と電線60とが電気的に接続される。
本実施形態によれば、圧着片32の+X方向側にボックス部50が設けられており、このボックス部50の内部空間に相手方端子(図示せず)が嵌入されることにより、該相手方端子と端子付電線1とが電気的に接続される。また、電線60の導体露出部63は樹脂70によって覆われており、この樹脂70により導体露出部63の防水が図られる。
図1に示すように、加締め片21の先端と加締め片22の先端とは重なり合っている。より具体的には、図4に示すように、加締め片21,22は、加締め片22が被覆61に相対的に近い側(すなわち、下側(−Z方向側))になるように、換言すれば、加締め片21が被覆61から相対的に遠い側(すなわち、上側(+Z方向側))になるように、重なり合っている。以下、このような加締め片21を上側加締め片21と言うことがあり、加締め片22を下側加締め片22と言うことがある。
図1及び図4に示すように、下側加締め片22は、端子10の基端(−X方向側の端部)から導体露出部63の被覆際63Aの手前側(−X方向側)まで延びている。この下側加締め片22と圧着片32との間には、下側加締め片22と圧着片32との双方に接続される連結部24が設けられている。
図5に示すように、この連結部24は、導体62の頂部を通りY方向に延びる直線L1上まで延びている。すなわち、連結部24は、導体62の頂部62Aの高さと同じ高さの位置まで延びている。なお、本明細書において、「高さ」とは、端子10の底部11からある部分までのZ方向における長さ(距離)を言うものとする。
図1及び図4に示すように、上側加締め片21は、端子10の基端から圧着片32に隣接する位置まで延びている。すなわち、上側加締め片21は、下側加締め片22と重なり合うオーバーラップ部21Aと、このオーバーラップ部21Aから圧着片32に隣接する位置まで延伸された延伸部21Bとを含んでいる。
図1に示すように、被覆61の周方向におけるオーバーラップ部21Aの端部と、該周方向における延伸部21Bの端部とは、X方向に沿って一直線に延びている。すなわち、被覆61の周方向における上側加締め片21の端部(延出端21D)は、端子10の基端から圧着片32に隣接する位置までX方向に延びている。そして、これにより、上側加締め片21は、図1の平面視においてX方向に長い略長方形の外形となっている。このような上側加締め片21(延伸部21B)が、下側加締め片22と圧着片32との間の空間の大部分を覆っている。
なお、図3に示すように、上側加締め片21の延出端21Dの先端には、圧着片32に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部21Cが形成されている。
図1に示すように、上側加締め片21の延出端21Dは、端子付電線1のY方向における中央部よりも+Y方向側に位置している。より具体的には、延出端21Dは、導体62の頂部62A(図5参照)よりも+Y方向側に位置している。
一方、被覆61の周方向における下側加締め片22の端部(延出端22C)は、端子付電線1のY方向における中央部よりも−Y方向側に位置している。より具体的には、この延出端22Cは、導体62の頂部62Aを通りY方向に延びる線L1(図5参照)上に位置している。換言すれば、下側加締め片22は、図5の断面視において、導体62の頂部62Aを超えて、導体62の頂部62Aと同じ高さの位置まで被覆61の周方向に延びている。
このような構成により、図1に示すように、上側加締め片21と下側加締め片22とが導体62の頂部62Aの直上で重なり合うとともに、下側加締め片22と連結部24と圧着片32と上側加締め片21の延伸部21Bとの間に開口Tが形成される。
図1及び図5に示すように、この開口Tは、端子付電線1の+Y方向側に(より具体的には、導体62の頂部62Aを通りZ方向に延びる線L2よりも+Y方向側に)形成されており、導体露出部63と端子10の内面との間の隙間Sに連通している。
このように、本実施形態によれば、上側加締め片21が下側加締め片22に重なるとともに、上側加締め片21の延伸部21Bが圧着片32に隣接する位置まで延びていることにより、端子付電線1の+Y方向側に偏在する開口Tが形成される。本実施形態によれば、この開口T(以下、「樹脂注入口T」という。)から注入された樹脂70によって、上述の隙間S(以下、「樹脂充填空間S」という。)が充填される(図4及び図5参照)。
以下、このような樹脂70のうち、樹脂充填空間Sを充填する樹脂を第1の樹脂70Aと言うことがあり、導体露出部63を覆う樹脂を第2の樹脂70Bと言うことがある。なお、第1の樹脂70Aと第2の樹脂70Bとは同じであってもよいし、異なる材料から形成されてもよい。
ところで、上述の延伸部21Bが存在しない場合、下側加締め片22と圧着片32との間が上側加締め片21で覆われないことになるため、導体露出部63の被覆際63A及びその周辺において電線60の上方が大きく開放された状態となる。この場合、図9Aに示すように、導体620の頂部の直上から樹脂700が注入されやすい。そして、この場合には、図9A及び図9Bに示すように、樹脂充填空間Gの両側GL,GRから樹脂700が浸透していき、樹脂充填空間Gの底部に空気が滞留して樹脂700の浸透が妨げられてしまう。
しかしながら、本実施形態によれば、下側加締め片22と圧着片32との間の空間の大部分が延伸部21Bによって覆われており、これにより、端子付電線1の+Y方向側に偏在する樹脂注入口Tが形成されているため(図5参照)、第1の樹脂70Aが導体62の頂部62Aの直上から注入されることが防止される。その結果、樹脂充填空間Sの底部に空気が滞留してしまうことが効果的に抑制される。また、上側加締め片21と下側加締め片22とが重なり合っているため、第1の樹脂70Aが樹脂充填空間Sの全域に効果的に浸透する。したがって、本実施形態によれば、図4及び図5に示すように、被覆61と端子10の内面との間の終端部Uの全周が第1の樹脂70Aによって効果的に閉塞される。
以上のように、本実施形態における端子付電線1によれば、導体露出部63が第2の樹脂70Bによって覆われているため、端子付電線1に水がかかっても、導体露出部63が被水してしまうことが抑制される。また、上記終端部Uの全周が第1の樹脂70Aによって閉塞されていることにより、被覆61と端子10の内面との間の隙間から水が侵入しても、この水が終端部Uで堰き止められるため、導体露出部63の被水が抑制される。このように、本実施形態における端子付電線1によれば、導体露出部63が効果的に防水されるため、ガルバニック腐食の発生が効果的に抑制される。
次に、端子付電線に樹脂を形成する工程について図6、図7A〜図7C、及び図8を参照しつつ説明する。なお、図6は図1に対応する平面図であり、図7A〜図7Cは図5に対応する断面図であり、図8は図4に対応する断面図である。
図6及び図7Aに示すように、作業者は、樹脂注入口Tから第1の樹脂70Aを樹脂充填空間Sに注入することができる。これにより、図7Aに示すように、第1の樹脂70Aは自重により鉛直下方に落下(浸透)していく。この際、樹脂注入口Tは導体62の頂部62Aよりも+Y方向側に形成されているため、第1の樹脂70Aは、導体62の頂部62Aに落下することなく、樹脂充填空間Sの+Y方向側領域SLに落下(浸透)していく。そして、領域SLを浸透する第1の樹脂70Aの先端70aは、やがて樹脂充填空間Sの下側領域SBに達する。
この状態から作業者が第1の樹脂70Aを注入し続けると、第1の樹脂70Aの先端70aは、後続する樹脂に押されて下側領域SBを−Y方向に移動していく。やがて、図7Bに示すように、第1の樹脂70Aの先端70aは、樹脂充填空間Sの−Y方向側領域SRに到達し、下側領域SBが第1の樹脂70Aによって充填される。
ここで、図7Bの状態(下側充填状態)にある第1の樹脂70Aが、その先にある−Y方向側領域SRや上側領域SUに浸透していくためには、先端70aの上側に存在する空気を押し上げていく必要がある。しかしながら、樹脂充填空間Sからの空気の逃げ道が十分に確保されていないと、その空気が−Y方向側領域SRや上側領域SUに滞留してしまい、第1の樹脂70Aはこれらの領域に浸透することができない。
しかしながら、本実施形態によれば、図7B及び図8に示すように、上側加締め片21が下側加締め片22上に重なっているため、上側領域SUのZ方向の全長(厚さ)が下側加締め片22の厚さの分だけ厚くなっている。すなわち、空気が樹脂充填空間Sの外側に排気されるのに十分な厚さの上側領域SUが形成されている。したがって、図7Bの下側充填状態から第1の樹脂70Aをさらに充填した場合、図6及び図8に示すように、空気は領域SR,SUに滞留することなく樹脂充填空間Sの外側に排気される。
特に本実施形態によれば、図8に示すように、上側加締め片21の延出端21Dの先端に、圧着片32に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部21Cが形成されており、このような傾斜部がない場合に比べて、広い排気流路が確保されている。したがって、空気をより効率的に排気することができる。
このような構成により、第1の樹脂70Aは−Y方向側領域SR及び上側領域SUに効果的に浸透できるため、図7Cに示すように、導体62の全周が第1の樹脂70Aによって覆われる(上側浸透状態)。
そして、さらに第1の樹脂70Aを注入していくと、最終的には、樹脂充填空間Sが実質的に完全に第1の樹脂70Aによって充填される(図5参照)。その結果、図4に示すように、被覆61と端子10の内面との間の終端部Uが全周にわたって第1の樹脂70Aによって閉塞される。なお、この終端部Uを全周にわたって閉塞できるのであれば、必ずしも樹脂充填空間Sを第1の樹脂70Aで完全に充填する必要はない。
そして、最後に、導体露出部63を完全に覆うように第2の樹脂70Bを形成する。その結果、端子付電線1が完成する(図4参照)。
このように、本製造方法によれば、端子付電線1の+Y方向側に偏在する樹脂注入口Tから第1の樹脂70Aを注入できるため、空気が下側領域SBに滞留して樹脂の浸透が妨げられることが効果的に抑制される。したがって、効果的に図7Bに示す下側充填状態にすることができる。
また、本実施形態によれば、上側加締め片21と下側加締め片22とが重なり合っているため、下側加締め片22の厚さ分だけ上側領域SUの厚さが厚くなって空気の逃げ道が十分に確保される。そのため、空気が−Y方向側領域SRや上側領域SUに滞留してしまうことが効果的に抑制される。したがって、効果的に図7Cに示す上側浸透状態にすることができる。
このように、本実施形態によれば、樹脂充填空間に空気が滞留してしまうことが効果的に抑制されるため(すなわち、樹脂充填空間に樹脂を容易に浸透させることができるため)、被覆と端子の内面との間の終端部の全周を樹脂で閉塞することが容易になる。
さらに、本実施形態によれば、上述のように上側領域SUに十分な空気の逃げ道が確保されていることに加えて、連結部24が直線L1上まで延びているため、樹脂が樹脂充填空間Sの全周により浸透しやすくなる。なお、このような観点から連結部24を直線L1の上方に延ばしてもよいが、連結部24を延ばし過ぎると樹脂注入口Tが狭くなりすぎ、樹脂を注入し難くなる場合がある。
また、加締め片21,22が重なり合うのであれば、上側加締め片21の延出端21Dや下側加締め片22の延出端22Cの位置を適宜変更してもよい。しかしながら、空気の逃げ道を十分に確保するためには、厚みある上側領域SUを電線60の周方向に沿って一定の距離だけ形成する必要がある。したがって、この観点から、下側加締め片22の延出端22Cが少なくとも導体62の頂部62Aよりも−Y方向側に位置していることが好ましく、直線L1上に位置していることがさらに好ましい(図7B等参照)。このような構成により、上側加締め片21と下側加締め片22とが重なり合う長さが長くなり、厚みある上側領域SUが長い距離にわたって形成される。
また、図5に示すように、樹脂注入口Tの位置を導体62の頂部62Aから+Y方向側にずらすために、上側加締め片21の延出端21Dは直線L2よりも+Y方向側に位置していることが好ましい。しかしながら、延出端21Dをあまり+Y方向側に位置させると、樹脂注入口Tが狭くなり樹脂を注入しにくくなる場合がある。したがって、延出端21Dは、導体62の+Y方向側の端部を通りZ方向に延びる直線L3よりも−Y方向側に位置していることが好ましい。
また、本実施形態では、上側加締め片21の先端に、約20〜約30度の傾斜角を有する傾斜部21Cが形成されているが、この傾斜部21Cの傾斜角は任意に変更することができる。ただし、この傾斜角は45度以下であることが好ましい。また、空気が効果的に排気されるのであれば、必ずしもこのような傾斜部を設ける必要はない。
ところで、上述の実施形態では、樹脂注入口Tが+Y方向側に形成された例を説明したが、樹脂注入口Tを−Y方向側に形成してもよいことは言うまでもない。
また、上述の実施形態では、上側加締め片21と下側加締め片22とが導体62の頂部62Aの直上で重なり合っている例を説明したが、上側加締め片が延伸部を有しているのであれば、上側加締め片21と下側加締め片22とが必ずしも導体62の頂部62Aの直上で重なり合っている必要はない。なぜならば、1対の加締め片の重なり領域(オーバラップ領域)が導体の頂部の直上に位置していない場合でも、上側加締め片の延伸部が下側加締め片と圧着片との間の空間を覆うことで、樹脂注入口が狭くなり、その結果、導体の頂部の上方の開放域が狭くなるため、導体の頂部の直上から樹脂が注入されてしまうことがある程度抑制されるからである。ただし、上側加締め片と下側加締め片とを導体の頂部の直上で重なり合わせることで、図5に示すように、導体の頂部の直上が延伸部で覆われ、その結果、端子付電線のY方向における中央部に対して+Y方向側又は−Y方向側に樹脂注入口を偏在させることができるため、導体の頂部の直上から樹脂が注入されてしまうことが極めて効果的に抑制される。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
なお、本明細書において使用した用語「下」、「上」、「底」、「頂」、「左」、「右」、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。
1 端子付電線
10 端子
11 (端子の)底部
21 上側加締め片
21A オーバーラップ部
21B 延伸部
21C 傾斜部
21D 延出端
22 下側加締め片
22C 延出端
24 連結部
30 導体載置部
31 被覆載置部
32 圧着片(導体圧着部)
50 ボックス部
60 電線
61 被覆
62 導体
62A (導体の)頂部
63 導体露出部
63A 被覆際
70A 第1の樹脂
70B 第2の樹脂
70a (樹脂の)先端
S 樹脂充填空間
T 樹脂注入口
U 終端部

Claims (6)

  1. 電線と、前記電線の露出された導体に圧着された導体圧着部と、前記電線の被覆に加締められた1対の加締め片とを備え、前記導体圧着部と前記1対の加締め片との間に内部に樹脂を注入するための樹脂注入口が形成された端子付電線において、
    前記1対の加締め片は、それぞれの少なくとも先端部が互いに重なり合っており、
    前記1対の加締め片のうち前記被覆から相対的に遠い側で重なる上側加締め片は、前記導体圧着部に隣接する位置まで延伸された延伸部を有しており、
    前記樹脂注入口は、その一部が前記延伸部によって覆われることによりその開口域が狭くなっている、
    ことを特徴とする端子付電線。
  2. 前記1対の加締め片が前記導体の頂部の少なくとも直上で重なり合っていることを特徴とする請求項1に記載の端子付電線。
  3. 前記上側加締め片のうち前記導体圧着部に隣接する部分に、前記導体圧着部に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子付電線。
  4. 前記1対の加締め片のうち前記被覆から相対的に近い側で重なる下側加締め片と前記導体圧着部とを連結する連結部をさらに備え、
    前記連結部は、少なくとも前記導体の頂部と同じ高さの位置まで延びている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の端子付電線。
  5. 前記下側加締め片は、前記導体の頂部を超えて前記導体の頂部と同じ高さの位置まで前記被覆の周方向に延びていることを特徴とする請求項4に記載の端子付電線。
  6. 電線の露出された導体を圧着する導体圧着部と、前記電線の被覆を加締める1対の加締め片とを備え、前記導体圧着部と前記1対の加締め片との間に開口が形成される端子において、
    前記1対の加締め片のうち一方の加締め片は、前記導体圧着部に隣接する位置まで延伸された延伸部を有し、
    前記電線の被覆を前記1対の加締め片が加締めた際に、前記開口の一部が前記延伸部に覆われることにより前記開口の開口域が狭くなるように構成されている、
    ことを特徴とする端子。
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