JP2019034923A - Fe/cu媒介ケトン合成 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハリコンドリン調製における中間体であるケトン含有有機分子の調製において有用なケトン化合物の合成方法の提供。【解決手段】鉄化合物、銅化合物、リチウム塩、および還元性金属である亜鉛又はマンガンからなる新規の鉄/銅媒介(「Fe/Cu媒介」)カップリング反応に基づく、化合物(A)と化合物(B)との反応によるケトン化合物(C)の合成方法。(X1は、ハロゲンまたは脱離基;X2は、ハロゲン、脱離基、または−SRS(RSは、置換/無置換のアルキル、置換/無置換のヘテロアリール等);RAは、置換/無置換のアルキル;RBは、置換/無置換のアルキル置換/無置換のアリール等)【選択図】なし

Description

カルボン酸または誘導体への有機金属試薬の添加は、ケトン合成のための簡単な解決法を提供する。この方法に付随する一欠点は、所望されるケトンが、しばしば、有機金属試薬とさらに反応するという事実である。ワインレブ(Weinreb)ケトン合成は、この欠点を克服するための解決法を提供する。例えば、Nahm, S.; Weinreb, S. M. Tetrahedron Lett. 1981, 22, 3815を参照。近年において、カルボン酸の活性化形態と有機金属とのNiまたはPdにより媒介されるカップリングが、代替的な解決法を提供することが示されている。有機金属によるケトン合成に対する一般的な概説については、例えば、Dieter, R. K. Tetrahedron 1999, 55, 4177を参照。金属触媒ケトン合成についての選択された参考文献については、RMgX/Ni:Fiandanese, V.; Marchese, G.; Ronzini, L. Tetrahedron Lett. 1983, 24, 3677;RMgX/NiおよびRMgX/Fe:Cardellicchio, C.; Fiandanese, V.; Marchese, G.; Ronzini, L. Tetrahedron Lett. 1985, 26, 3595およびそれらにおいて引用される参考文献;RZnX/Pd:Negishi, E.-i.; Bagheri, V.; Chatterjee, S.; Luo, F.-T.; Miller, J. A.; Stoll, A. T. Tetrahedron Lett. 1983, 24, 5181;RSnX3/Pd:Wittenberg, R.; Srogl, J.; Egi, M.; Liebeskind, L. S. Org. Lett. 2003, 5, 3033;RB(OH)2/Pd:Liebeskind, L. S.; Srogl, J. J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 11260;RSnX3/Cu:Li, H.; He, A.; Falck, J. R.; Liebeskind, L. S. Org. Lett. 2011, 13, 3682;R2Zn/Ni:Zhang, Y.; Rovis, T. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 15964を参照。
ケトンの合成のための新たな方法、特にハリコンドリンおよびそのアナログなどの錯体分子の調製における使用のためのものが必要とされている。
ハリコンドリンは、元々、海洋腐食生物Halichondria okadaiから、Uemura、Hirataおよび同僚により単離された、ポリエーテル天然の生成物である。例えば、Uemura, D.; Takahashi, K.; Yamamoto, T.; Katayama, C.; Tanaka, J.; Okumura, Y.; Hirata, Y. J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 4796;Hirata, Y.; Uemura, D. Pure Appl. Chem. 1986, 58, 701を参照。ハリスタチン(halistatin)を含むいくつかのさらなるメンバーは、多様な海洋腐食生物から単離された。このクラスの天然の生成物は、C8〜C14多環の炭素の酸化状態、および炭素骨格の長さなどの、興味深い構造多様性を示す。したがって、このクラスの天然の生成物は、ノルハリコンドリンシリーズ(例えばノルハリコンドリンA、BおよびC)、ハリコンドリンシリーズ(例えばハリコンドリンA、B、C)、およびホモハリコンドリンシリーズ(例えばホモハリコンドリンA、B、C)の下位群に分けられる。ハリコンドリンAを除いて、全てのメンバーは、天然のソースから単離されている。それらの好奇心をそそる構造的構成および並外れた抗腫瘍活性に起因して、ハリコンドリンは、科学界から多くの注目を受けて来た。ハリコンドリンシリーズ中の化合物(例えばハリコンドリンA、B、C)の一般的構造を以下に示す。以下の構造において、ハリコンドリンAは、RおよびRが、いずれも−OHである場合であり;ハリコンドリンBは、RおよびRがいずれも水素である場合であり;および、ハリコンドリンCは、Rが−OHであり、かつRが水素である場合である:
本明細書において提供されるのは、ケトン含有有機分子を調製するための方法である。方法は、新規の鉄/銅媒介(「Fe/Cu媒介」)カップリング反応に基づく。Fe/Cu媒介カップリング反応は、ハリコンドリンおよびそのアナログなどの錯体分子の調製において用いることができる。特に、本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化(ketolization)反応は、ハリコンドリンへの途中の中間体の調製において有用である。したがって、本発明はまた、ハリコンドリンの合成において有用な中間体の調製のための方法を提供する。
加えて、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供されるカップリング方法において有用な化合物、中間体、試薬、リガンド、触媒およびキット、ならびに、ハリコンドリンおよびそのアナログの調製において有用な化合物(すなわち中間体)である。
一側面において、本発明は、スキーム1Aにおいて概略されるような、Fe/Cu媒介カップリング反応を用いてケトンを調製するための方法を提供する。基R、X、X、およびRは、本明細書において定義される。
スキーム1A
本明細書において提供されるカップリング反応は、ケトン含有化合物、例えばハリコンドリン(例えばハリコンドリンA、B、C;ホモハリコンドリンA、B、C;ノルハリコンドリンA、B、C)およびそのアナログへの途中の中間体の合成において用いることができる。スキーム2は、ハリコンドリン(例えばハリコンドリンA、B、C)、およびそのアナログの合成において有用な中間体である式(I−13)の化合物を得るためのFe/Cu媒介カップリング反応を示す。基RP1、RP2、RP3、RP5、R、X、X、R、RP4,およびXは、本明細書において定義される。
スキーム2
別の例として、スキーム3は、ハリコンドリンおよびそのアナログの合成において有用な中間体である式(I−11)の化合物を得るためのFe/Cu媒介カップリング反応を示す。基RP6、RP5、R、X、X、R、RP4、Xは、本明細書において定義される。
スキーム3
さらに別の例として、スキーム4は、ハリコンドリンおよびそのアナログ(すなわちハリコンドリンのC20−C26フラグメント)の合成において有用な中間体である式(II−3)の化合物を得るためのFe/Cu媒介カップリング反応を示す。基X、X、X、R、およびRは、本明細書において定義されるとおりである。
スキーム4
ハリコンドリンシリーズにおける化合物のC20−C26炭素を、以下に示す。
ある態様において、既存のケト化方法に対する、本明細書において記載されるFe/Cu媒介カップリングの利点は、新規のFe/Cu媒介性反応が、ビニルハライド(例えばヨウ化ビニル)の存在下において、アルキルハライド(例えば、アルキルヨウ化物)の選択的カップリングを可能にするという点である。他のケトン形成性カップリング反応、ならびにハリコンドリンの合成のための方法は、例えば、2016年11月3日に公開された国際PCT公開WO 2016/176560、および2016年1月7日に公開されたWO 2016/003975において見出すことができ、これらの各々の全内容は、本明細書において参考として援用される。
ワンポット(one-pot)ケトン合成は、アルキルハライドから単電子移動(SET)プロセスを介して調製されるアルキル亜鉛ハライドに関連することが報告されており、2つの理由により、この概念をCu媒介ワンポットケトン合成の開発へと展開することにおいて興味深い。例えば、Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc., 2016, 138, 7178を参照。第一に、Cu媒介ワンポットケトン合成は、Niおよび/またはPdにより媒介されるワンポットケトン合成とは異なる反応性プロフィールを示し得る。第二に、有機金属試薬の過剰添加は、カプレートベースのケトン合成に関しては問題ではないことが、よく認識されている。概説については、例えば、Knochel, P.; Betzemeier, B. Modern Organocopper Chemistry, Wiley-VCH, 2002; Normant, J. F. Synthesis 1972, 63; Lipschutz, B. H. Synthesis 1987, 325を参照。
本発明のある態様の詳細は、以下に記載されるとおり、ある態様の詳細な説明において記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、定義、例、図面および請求の範囲から明らかであろう。
定義
特定の官能基および化学用語の定義は、以下により詳細に記載される。化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、中表紙に従って同定され、特定の官能基は、それにおいて記載されるように、一般的に定義される。加えて、有機化学の一般的原則、ならびに特定の官能部分および反応性は、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年;SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989年;ならびにCarruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年において記載される。
本明細書において記載される化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでもよく、したがって、多様な立体異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの形態において存在することができる。例えば、本明細書において記載される化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であってもよく、またはラセミ混合物および1つ以上の立体異性体が濃縮された混合物を含む立体異性体の混合物の形態であってもよい。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む当業者に公知の方法により、混合物から単離することができる;または、好ましい異性体を、不斉合成により調製することができる。例えば、Jacquesら、Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley Interscience, New York, 1981年);Wilenら、Tetrahedron 33:2725(1977年);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill, NY, 1962年);およびWilen, S.H., Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268(E.L. Eliel編、Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972年)を参照。本発明はさらに、実質的に他の異性体を含まない個々の異性体としての化合物、および代替的に多様な異性体の混合物を包含する。
別段に記されない限り、本明細書において示される構造はまた、1つ以上の同位体が濃縮された原子の存在下においてのみ異なる化合物を含むことを意図される。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置き換え、18Fによる19Fの置き換え、または13Cもしくは14Cによる12Cの置き換えを除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。かかる化合物は、たとえば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。
値の範囲が列記される場合、それは、当該範囲内の各々の値および部分範囲を包含することが意図される。例えば、「C1〜6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5およびC5〜6アルキルを包含することを意図される。
用語「脂肪族」とは、アルキル、アルケニル、アルキニル、および炭素環式基を指す。同様に、用語「ヘテロ脂肪族」とは、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、およびヘテロ環式基を指す。
用語「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝状飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜9個の炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例として、メチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)(例えばn−プロピル、イソプロピル)、ブチル(C)(例えばn−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル)、ペンチル(C)(例えばn−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、三級アミル)、およびヘキシル(C)(例えばn−ヘキシル)が挙げられる。アルキル基のさらなる例として、n−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)などが挙げられる。別段に特定されない限り、アルキル基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換アルキル」)、または1つ以上の置換基(例えばFなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。ある態様において、アルキル基は、未置換C1〜10アルキル(例えば、未置換C1〜6アルキル、例えば、−CH(Me)、未置換のエチル(Et)、未置換のプロピル(Pr、例えば、未置換のn−プロピル(n−Pr)、未置換のイソプロピル(i−Pr))、未置換のブチル(Bu、例えば、未置換のn−ブチル(n−Bu)、未置換のtert−ブチル(tert−Buまたはt−Bu)、未置換のsec−ブチル(sec−Bu)、未置換のイソブチル(i−Bu))である。ある態様において、アルキル基は、置換C1〜10アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル、例えば−CF、Bn)である。
用語「ハロアルキル」とは、水素原子のうちの1つ以上が、独立して、ハロゲン、例えば、フロロ、ブロモ、クロロまたはヨードにより置き換えられている、置換されたアルキル基である。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜8ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜6ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜4ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜3ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜2ハロアルキル」)。ハロアルキル基の例として、−CHF、−CHF、−CF、−CHCF、−CFCF、−CFCFCF、−CCl、−CFCl、−CFClなどが挙げられる。
用語「ヘテロアルキル」とは、親鎖中(すなわち、その隣接する炭素原子の間に挿入された)および/またはその1つ以上の末端の位置に配置された、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)をさらに含む、アルキル基を指す。ある態様において、ヘテロアルキル基とは、親鎖中に1〜10個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基を指す。(「ヘテロC1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜9個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜8個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜7個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜6個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜5個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜4個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜3個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に1〜2個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロCアルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖中に2〜6個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC2〜6アルキル」)。別段に特定されない限り、ヘテロアルキル基の各々の場合は、独立して、未置換である(「未置換のヘテロアルキル」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。ある態様において、ヘテロアルキル基は、未置換のヘテロC1〜10アルキルである。ある態様において、ヘテロアルキル基は、置換ヘテロC1〜10アルキルである。
用語「アルケニル」とは、2〜10個の炭素原子および1つ以上の炭素−炭素二重結合(例えば1個、2個、3個または4個の二重結合)を有する直鎖状または分枝状炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1つ以上の炭素−炭素二重結合は、内部のものであっても(2−ブテニル中のものなど)または末端のものであってもよい(1−ブテニル中のものなど)。C2〜4アルケニル基の例として、エテニル(C)、1−プロぺニル(C)、2−プロぺニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが挙げられる。C2〜6アルケニル基の例として、上述のC2〜4アルケニル基、ならびにペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが挙げられる。アルケニルのさらなる例として、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などが挙げられる。別段に特定されない限り、アルケニル基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換アルケニル」)または1つ以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は、未置換C2〜10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は、置換C2〜10アルケニルである。アルケニル基において、それについての立体化学が特定されていないC=C二重結合(例えば−CH=CHCH、または
)は、(E)−または(Z)−二重結合であってよい。
用語「ヘテロアルケニル」とは、親鎖中(すなわち、その隣接する炭素原子の間に挿入された)および/またはその1つ以上の末端の位置に配置された、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)をさらに含む、アルケニル基を指す。ある態様において、ヘテロアルケニル基とは、親鎖中に、2〜10個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する基を指す(「ヘテロC2〜10アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜9個の炭素原子少なくとも1つの二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜8個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜7個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜5個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜4個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜3個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖中に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルケニル」)。別段に特定されない限り、ヘテロアルケニル基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換のヘテロアルケニル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルケニル」)。ある態様において、ヘテロアルケニル基は、未置換のヘテロC2〜10アルケニルである。ある態様において、ヘテロアルケニル基は、置換ヘテロC2〜10アルケニルである。
用語「アルキニル」とは、2〜10個の炭素原子および1つ以上の炭素−炭素三重結合(例えば1個、2個、3個または4個の三重結合)を有する、直鎖状または分枝状炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つ以上の炭素−炭素三重結合は、内部のものであっても(2−ブチニル中のものなど)または末端のものであってもよい(1−ブチニル中のものなど)。C2〜4アルキニル基の例として、限定することなく、エチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)などが挙げられる。C2〜6アルケニル基の例として、上述のC2〜4アルキニル基、ならびにペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが挙げられる。アルキニルのさらなる例として、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが挙げられる。別段に特定されない限り、アルキニル基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換アルキニル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は、未置換C2〜10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は、置換C2〜10アルキニルである。
用語「ヘテロアルキニル」とは、親鎖中(すなわち、その隣接する炭素原子の間に挿入された)および/またはその1つ以上の末端の位置に配置された、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)をさらに含む、アルキニル基を指す。ある態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜10個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する基を指す(「ヘテロC2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜9個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜8個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜7個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜5個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜4個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜3個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖中に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルキニル」)。別段に特定されない限り、ヘテロアルキニル基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換のヘテロアルキニル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキニル」)。ある態様において、ヘテロアルキニル基は、未置換のヘテロC2〜10アルキニルである。ある態様において、ヘテロアルキニル基は、置換ヘテロC2〜10アルキニルである。
「炭化水素鎖」とは、置換されたまたは未置換の二価のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。炭化水素鎖として、以下を含む:(1)炭化水素鎖の2つのラジカルのすぐ間の、炭素原子の1つ以上の鎖;(2)任意に、炭素原子の鎖上の1つ以上の水素原子;および(3)任意に、炭素原子の鎖上の1つ以上の置換基(「非鎖置換基」、これは水素ではない)。炭素原子の鎖は、連続的に連結された炭素原子からなり(「鎖原子」)、水素原子またはヘテロ原子を含まない。しかし、炭化水素鎖の非鎖置換基は、水素原子、炭素原子、およびヘテロ原子を含む任意の原子を含んでもよい。例えば、炭化水素鎖−CH(C)−は、1個の鎖原子C、C上の1個の水素原子、および非鎖置換基−(C)を含む。用語「C炭化水素鎖」(ここで、xは正の整数である)は、炭化水素鎖の2つのラジカルの間にx個の鎖原子を含む炭化水素鎖を指す。1つより多い可能なxの値が存在する場合、最も小さい可能なxの値が、炭化水素鎖の定義のために用いられる。例えば、−CH(C)−は、C炭化水素鎖であり、
は、C炭化水素鎖である。値の範囲が用いられるばあ、範囲の意味は、本明細書において記載されるとおりである。例えば、C3〜10炭化水素鎖とは、炭化水素鎖の2つのラジカルのすぐ間の、最短の炭素原子の鎖の鎖原子の数が、3、4、5、6、7、8、9または10である、炭化水素鎖を指す。炭化水素鎖は、飽和していてもよい(例えば−(CH−)。炭化水素鎖はまた、不飽和であってもよく、炭化水素鎖中のいずれかの場所に、1つ以上のC=Cおよび/またはC≡結合を含む。例えば、−CH=CH−(CH−、−CH−C≡C−CH−、および−C≡C−CH=CH−は全て、未置換かつ不飽和の炭化水素鎖の例である。ある態様において、炭化水素鎖は、未置換の(例えば−C≡C−または−(CH−)である。ある態様において、炭化水素鎖は、置換されている(例えば−CH(C)−および−CF−)。炭化水素鎖上の任意の2個の置換基は、連結されて、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロアリール環を形成してもよい。例えば、
は、全て、炭化水素鎖の例である。対照的に、ある態様において、
は、本明細書において記載される炭化水素鎖の範囲内である。C炭化水素鎖の鎖原子が、ヘテロ原子で置き換えられている場合、生じた基は、Cx−1炭化水素鎖とは対照的に、鎖原子がヘテロ原子で置き換えられているC炭化水素鎖として言及される。例えば、
は、1個の鎖原子が酸素原子で置き換えられているC炭化水素鎖である。
用語「カルボシクリル」または「炭素環式」とは、非芳香族環系中に3〜14個の環炭素原子(「C3〜14カルボシクリル」)およびゼロ個のヘテロ原子を有する、非芳香族環状炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜10個の環炭素原子を有する(「C3〜10カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C3〜8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜7個の環炭素原子を有する(「C3〜7カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、4〜6個の環炭素原子を有する(「C4〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5〜6個の環炭素原子を有する(「C5〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C5〜10カルボシクリル」)。例示的なC3〜6カルボシクリル基として、限定することなく、シクロプロピル(C)、シクロプロぺニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが挙げられる。例示的なC3〜8カルボシクリル基として、限定することなく、上述のC3〜6カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などが挙げられる。例示的なC3〜10カルボシクリル基として、限定することなく、上述のC3〜8カルボシクリル基、ならびにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられる。前述の例が説明するとおり、ある態様において、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(例えば、縮合、架橋もしくはスピロ環系を含む、例えば二環系(「二環式カルボシクリル」)もしくは三環系(「三環式カルボシクリル」))のいずれかであり、飽和していても、1つ以上の炭素−炭素二重または三重結合を含んでいてもよい。「カルボシクリル」もまた、上で定義されるようなカルボシクリル環が、1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合している環系であって、結合の点がカルボシクリル環上にあるものを含み、かかる場合において、炭素の数は、炭素環式環系中の炭素の数を示し続ける。別段に特定されない限り、カルボシクリル基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換カルボシクリル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は、未置換C3〜14カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は、置換C3〜14カルボシクリルである。
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は、3〜14個の環炭素原子を有する単環式の飽和カルボシクリル基である(「C3〜14シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜10個の環炭素原子を有する(「C3〜10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、4〜6個の環炭素原子を有する(「C4〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜6個の環炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例として、シクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)が挙げられる。C3〜6シクロアルキル基の例として、上述のC5〜6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)が挙げられる。C3〜8シクロアルキル基の例として、上述のC3〜6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)が挙げられる。別段に特定されない限り、シクロアルキル基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換のシクロアルキル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は、未置換C3〜14シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は、置換C3〜14シクロアルキルである。
用語「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」とは、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する3〜14員の非芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「3〜14員のヘテロシクリル」)。1つ以上の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合の点は、原子価が許容する限り、炭素または窒素原子であってよい。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または多環式(例えば、縮合、架橋もしくはスピロ環系、例えば二環系(「二環式ヘテロシクリル」)もしくは三環系(「三環式ヘテロシクリル」))のいずれかであってよく、していても、1つ以上の炭素−炭素二重または三重結合を含んでもよい。ヘテロシクリル多環式環系は、一方または両方の環において1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。「ヘテロシクリル」はまた、上で定義されるようなヘテロシクリル環が、1つ以上のカルボシクリル基と縮合している環系であって、結合の点がカルボシクリルまたはヘテロシクリル環のいずれかの上にあるもの、あるいは、上で定義されるようなヘテロシクリル環が、1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合している環系であって、結合の点がヘテロシクリル環上にあるものを含み、かかる場合において、環員の数は、ヘテロシクリル環系中の環員の数を示し続ける。別段に特定されない限り、ヘテロシクリルの各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換のヘテロシクリル」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある態様において、ヘテロシクリル基は、未置換の3〜14員のヘテロシクリルである。ある態様において、ヘテロシクリル基は、置換された3〜14員のヘテロシクリルである。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員の非芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の非芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の非芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員のヘテロシクリル基として、限定することなく、アジリジニル、オキシラニルおよびチイラニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員のヘテロシクリル基として、限定することなく、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基として、限定することなく、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基として、限定することなく、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基として、限定することなく、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基として、限定することなく、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基として、限定することなく、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルおよびジオキサニルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基として、限定することなく、トリアジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロシクリル基として、限定することなく、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員のヘテロシクリル基として、限定することなく、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが挙げられる。例示的な二環式ヘテロシクリル基として、限定することなく、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニル、フタリミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−b]ピロリル、5,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,2−b]ピロリル、6,7−ジヒドロ−5H−フロ[3,2−b]ピラニル、5,7−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピラニル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−フロ[3,2−c]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−b]ピリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジニルなどが挙げられる。
用語「アリール」とは、単環式または多環式(例えば二環式または三環式)の、4n+2芳香族環系(例えば、環アレイ中に共有される6、10または14個のπ電子を有する)のラジカルであって、芳香族環系中に提供される6〜14個の環炭素原子およびゼロ個のヘテロ原子を有するものを指す(「C6〜14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えばフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えばアントラシル)。「アリール」はまた、上で定義されるようなアリール環が1つ以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合している環系であって、ラジカルまたは結合の点がアリール環上にあるものを含み、かかる場合において、炭素原子の数は、アリール環系中の炭素原子の数を示し続ける。別段に特定されない限り、アリール基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換アリール」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は、未置換C6〜14アリールである。ある態様において、アリール基は、置換C6〜14アリールである。
用語「ヘテロアリール」とは、5〜14員の単環式または多環式(例えば二環式、三環式)の、4n+2芳香族環系(例えば、環アレイ中に共有される6、10または14個のπ電子を有する)のラジカルであって、芳香族環系に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有するものを指し、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜14員のヘテロアリール」)。1つ以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合の点は、原子価が許容する限り、炭素または窒素原子であってよい。ヘテロアリール多環式環系は、一方または両方の環において、1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。「ヘテロアリール」は、上で定義されるようなヘテロアリール環が1つ以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合している環系であって、結合の点がヘテロアリール環上にあるものを含み、かかる場合において、環員の数は、ヘテロアリール環系中の環員の数を示し続ける。「ヘテロアリール」はまた、上で定義されるようなヘテロアリール環が1つ以上のアリール基と縮合している環系であって、結合の点が、アリールまたはヘテロアリール環のいずれかの上にあるものを含み、かかる場合において、環員の数は、縮合多環式(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を示し続ける。一つの環がヘテロ原子を含まない(例えばインドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)多環式ヘテロアリール基において、結合の点は、いずれの環上にあっても、すなわち、ヘテロ原子を含む環(例えば2−インドリル)またはヘテロ原子を含まない環(例えば5−インドリル)のいずれの上にあってもよい。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、その芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員の芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、その芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、その芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。別段に特定されない限り、ヘテロアリール基の各々の場合は、独立して、未置換であるか(「未置換のヘテロアリール」)、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は、未置換の5〜14員のヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は、置換された5〜14員のヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基として、限定することなく、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基として、限定することなく、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基として、限定することなく、チアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基として、限定することなく、テトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基として、限定することなく、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基として、限定することなく、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられる。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基として、限定することなく、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロアリール基として、限定することなく、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが挙げられる。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基として、限定することなく、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルが挙げられる。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基として、限定することなく、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが挙げられる。例示的な三環式ヘテロアリール基として、限定することなく、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびフェナジニルが挙げられる。
用語「不飽和結合」とは、二重または三重結合を指す。
用語「不飽和」または「部分的に不飽和」とは、少なくとも1つの二重または三重結合を含む部分を指す。
用語「飽和している」とは、二重または三重結合を含まない部分、すなわち、当該部分が単結合のみを含むことを指す。
接尾辞「−エン」を、基に付すことにより、当該基が二価部分であること、例えば、アルキレンはアルキルの二価部分であり、アルケニレンはアルケニルの二価部分であり、アルキニレンはアルキニルの二価部分であり、ヘテロアルキレンはヘテロアルキルの二価部分であり、ヘテロアルケニレンはヘテロアルケニルの二価部分であり、ヘテロアルキニレンはヘテロアルキニルの二価部分であり、カルボシクリレンはカルボシクリルの二価部分であり、ヘテロシクリレンはヘテロシクリルの二価部分であり、アリーレンはアリールの二価部分であり、およびヘテロアリーレンはヘテロアリールの二価部分であることが示される。
基は、別段に明示的に提供されない限り、任意に置換されていてもよい。用語「任意に置換されていてもよい」とは、置換されているかまたは未置換であることを指す。ある態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、任意に置換されていてもよい。「任意に置換されていてもよい」とは、置換されていても未置換であってもよい基(例えば、「置換」または「未置換」アルキル、「置換」または「未置換」アルケニル、「置換」または「未置換」アルキニル、「置換」または「未置換」ヘテロアルキル、「置換」または「未置換」ヘテロアルケニル、「置換」または「未置換」ヘテロアルキニル、「置換」または「未置換」カルボシクリル、「置換」または「未置換」ヘテロシクリル、「置換」または「未置換」アリール、あるいは「置換」または「未置換」ヘテロアリール基)を指す。一般的に、用語「置換された」は、ある基上に存在する少なくとも1個の水素が、許容し得る置換基、例えば置換により安定な化合物(例えば自発的には再配列、環化、除去または他の反応などによる変形を受けない化合物)をもたらす置換基で置き換えられることを意味する。別段に示されない限り、「置換された」基は、1つ以上の置換可能な基の位置において置換基を有し、任意の所与の構造における1つより多い位置が置換される場合、置換基は、各々の位置において同じであるかまたは異なっている。用語「置換された」は、全ての許容可能な置換基による有機化合物の置換を含むことを企図され、本明細書において記載される置換基のうちの任意のものであって、安定な化合物もたらすものを含む。本発明は、安定な化合物に到達するために、任意のおよび全てのかかる組みあわせを企図する。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/または本明細書において記載されるような任意の好適な置換基であって、当該ヘテロ原子の原子価を満たし、安定な部分の形成をもたらすものを有していてよい。本発明は、いかなる様式においても、本明細書において記載される例示的な置換基により限定されることを意図されない。
例示的な炭素原子置換基として、限定されないが、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb X−、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa、−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)(N(Rbb、−OP(=O)(N(Rbb、−NRbbP(=O)(Raa、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(N(Rbb、−P(Rcc、−P(ORcc、−P(Rcc X−、−P(ORcc X−、−P(Rcc、−P(ORcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc X−、−OP(ORcc、−OP(ORcc X−、−OP(Rcc、−OP(ORcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1〜10アルキル、C1〜10パーハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールが挙げられ、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;ここで、Xは、対イオンであり;
あるいは、炭素原子上の2個のジェミナルな水素は、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbb、または=NORccで置き換えられ;
aaの各々の場合は、独立して、C1〜10アルキル、C1〜10パーハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRaa基は、連結されて、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換され;
bbの各々の場合は、独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)(N(Rcc、C1〜10アルキル、C1〜10パーハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRbb基は、連結されて、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換され;ここで、Xは、対イオンであり;
ccのの各々の場合は、独立して、水素、C1〜10アルキル、C1〜10パーハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRcc基は、連結されて、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換され;
ddの各々の場合は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff X−、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1〜6アルキル、C1〜6パーハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換されているか、または2個のジェミナルなRdd置換基は、連結されて=Oまたは=Sを形成してもよく;ここで、Xは、対イオンであり;
eeの各々の場合は、独立して、C1〜6アルキル、C1〜6パーハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、および3〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換され;
ffの各々の場合は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6パーハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリールおよび5〜10員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRff基は、連結されて、3〜10員のヘテロシクリルまたは5〜10員のヘテロアリール環を形成し、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換され;ならびに
ggの各々の場合は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル) X−、−NH(C1〜6アルキル) X−、−NH(C1〜6アルキル)X−、−NH X−、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH、−NHC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO(C1〜6アルキル)、−SOO(C1〜6アルキル)、−OSO(C1〜6アルキル)、−SO(C1〜6アルキル)、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)、−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6パーハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;または2個のジェミナルなRgg置換基は、連結されて=Oまたは=Sを形成してもよく;ここで、Xは、対イオンである。
ある態様において、炭素原子置換基として、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル) X−、−NH(C1〜6アルキル) X−、−NH(C1〜6アルキル)X−、−NH X−、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH、−NHC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO(C1〜6アルキル)、−SOO(C1〜6アルキル)、−OSO(C1〜6アルキル)、−SO(C1〜6アルキル)、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)、−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6パーハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールが挙げられ;または2個のジェミナルなRgg置換基は、連結されて=Oまたは=Sを形成してもよく;ここで、Xは、対イオンである。
ある態様において、置換基として、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル) X−、−NH(C1〜6アルキル) X−、−NH(C1〜6アルキル)X−、−NH X−、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH、−NHC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO(C1〜6アルキル)、−SOO(C1〜6アルキル)、−OSO(C1〜6アルキル)、−SO(C1〜6アルキル)、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)、−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6パーハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールが挙げられ;または2個のジェミナルなRgg置換基は、連結されて=Oまたは=Sを形成してもよく;ここで、Xは、対イオンである。
用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、フッ素(フロロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」とは、基−OHを指す。用語「置換ヒドロキシル」または「置換ヒドロキシル」、拡大解釈により、ヒドロキシル基であって、親分子に直接結合している酸素原子が水素以外の基で置換されており、−ORaa、−ON(Rbb、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OSi(Raa、−OP(Rcc、−OP(Rcc X−、−OP(ORcc、−OP(ORcc X−、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、および−OP(=O)(N(Rbb、から選択される基を含むものを指し、ここで、X−、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「アミノ」とは、基−NHを指す。用語「置換アミノ」とは、拡大解釈により、一置換アミノ、二置換アミノ、三置換アミノを指す。ある態様において、「置換アミノ」は、一置換アミノまたは二置換アミノ基である、
用語「一置換アミノ」とは、アミノ基を指し、ここで、親分子に直接結合している窒素原子は、1個の水素および1個の水素以外の基で置換されており、−NH(Rbb)、−NHC(=O)Raa、−NHCOaa、−NHC(=O)N(Rbb、−NHC(=NRbb)N(Rbb、−NHSOaa、−NHP(=O)(ORcc、および−NHP(=O)(N(Rbbから選択される基を含み、ここで、Raa、RbbおよびRccは、本明細書において定義されるとおりであり、およびここで、基−NH(Rbb)のRbbは、水素ではない。
用語「二置換アミノ」とは、アミノ基を指し、ここで、親分子に直接結合している窒素原子は、2個の水素以外の基で置換されており、−N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbSOaa、−NRbbP(=O)(ORcc、および−NRbbP(=O)(N(Rbbから選択される基を含み、ここで、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書において定義されるとおりであり、ただし、親分子に直接結合している窒素原子は、水素では置換されていない。
用語「三置換アミノ」とは、アミノ基を指し、ここで、親分子に直接結合している窒素原子は、3個の基で置換されており、−N(Rbbおよび−N(Rbb X−から選択される基を含み、ここで、RbbおよびXは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「スルホニル」とは、−SON(Rbb、−SOaaおよび−SOORaaから選択される基を指し、ここで、RaaおよびRbbは、本明細書において定義されるとおりである.
用語「スルフィニル」とは、基−S(=O)Raaを指し、ここで、Raaは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「アシル」とは、一般式−C(=O)RX1、−C(=O)ORX1、−C(=O)−O−C(=O)RX1、−C(=O)SRX1、−C(=O)N(RX1、−C(=S)RX1、−C(=S)N(RX1、−C(=S)O(RX1)、−C(=S)S(RX1)、−C(=NRX1)RX1、−C(=NRX1)ORX1、−C(=NRX1)SRX1、および−C(=NRX1)N(RX1を有する基を指し、ここで、RX1は、水素;ハロゲン;置換されたまたは未置換のヒドロキシル;置換されたまたは未置換のチオール;置換されたまたは未置換のアミノ;置換されたまたは未置換のアシル、環状または非環状の、置換されたまたは未置換の、分枝状または非分枝状の脂肪族;環状または非環状の、置換されたまたは未置換の、分枝状または非分枝状のヘテロ脂肪族;環状または非環状の、置換されたまたは未置換の、分枝状または非分枝状のアルキル;環状または非環状の、置換されたまたは未置換の、分枝状または非分枝状のアルケニル;置換されたまたは未置換のアルキニル;置換されたまたは未置換のアリール、置換されたまたは未置換のヘテロアリール、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノ−またはジ−脂肪族アミノ、モノ−またはジ−ヘテロ脂肪族アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、モノ−またはジ−ヘテロアルキルアミノ、モノ−またはジ−アリールアミノ、または、モノ−またはジ−ヘテロアリールアミノであり;あるいは2個のRX1基は、一緒になって、5〜6員のヘテロ環式環を形成する。例示的なアシル基として、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−COH)、ケトン、アシルハライド、エステル、アミド、イミン、カルボネート、カルバメート、および尿素が挙げられる。アシル置換基として、限定されないが、本明細書において記載される置換基のうちのいずれかであって、安定な部分(例えば脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど;これらの各々は、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)の形成をもたらすものが挙げられる。
用語「カルボニル」とは、親分子に直接結合している炭素がspハイブリダイズされている基であって、酸素、窒素、または硫黄原子で置換されているもの、例えば、ケトン(例えば−C(=O)Raa)、カルボン酸(例えば−COH)、アルデヒド(−CHO)、エステル(例えば−COaa、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa)、アミド(例えば−C(=O)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−C(=S)N(Rbb)、およびイミン(例えば−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa)、−C(=NRbb)N(Rbb)から選択されるものを指し、ここで、RaaおよびRbbは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「シリル」とは、基−Si(Raaを指し、ここで、Raaは、本明細書において定義されるとおりである。
用語「オキソ」とは、基=Oを指し、用語「チオキソ」とは、基=Sを指す。
窒素原子は、原子価が許容する限り、置換されていても未置換であってもよく、一級、二級、三級および四級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基として、限定されないが、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(ORcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(N(Rcc、C1〜10アルキル、C1〜10パーハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールが挙げられ、あるいはN原子に結合している2個のRcc基は、連結されて、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており、およびここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上で定義されるとおりである。
ある態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基である(本明細書においてまた、「アミノ保護基」とも称される)。窒素保護基として、限定されないが、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例えばアラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリール基が挙げられ、ここで、各々のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており、およびここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、本明細書において定義されるとおりである。窒素保護基は、当該分野において周知であり、本明細書において参考として援用されるProtecting Groups in Organic Synthesis、T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、第3版(John Wiley & Sons、1999年)において詳細に記載されるものを含む。
例えば、アミド基(例えば−C(=O)Raa)などの窒素保護基として、限定されないが、ホルムアミド、アセタミド、クロロアセタミド、トリクロロアセタミド、トリフルオロアセタミド、フェニルアセタミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセタミド、o−ニトロフェノキシアセタミド、アセトアセタミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセタミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミドおよびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが挙げられる。
カルバメート基(例えば−C(=O)ORaa)などの窒素保護基として、限定されないが、以下が挙げられる:メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フロロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOCまたはBoc)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート,アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトロベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(diヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、di(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート。
スルホンアミド基(例えば−S(=O)2Raa)などの窒素保護基として、限定されないが、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドが挙げられる。
他の窒素保護基として、限定されないが、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロミウムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が挙げられる。ある態様において、窒素保護基は、ベンジル(Bn)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、p−メトキシベンジル(PMB)、3,4−ジメトキシベンジル(DMPM)、p−メトキシフェニル(PMP)、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、トリフェニルメチル(Tr)、トシル(Ts)、ブロシル(Bs)、ノシル(Ns)、メシル(Ms)、トリフリル(Tf)、またはダンシル(Ds)である。
ある態様において、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基である(本明細書においてまた「ヒドロキシル保護基」としても言及される)。酸素保護基として、限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc X−、−P(ORcc、−P(ORcc X−、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、および−P(=O)(N(Rbbが挙げられ、ここで、X−、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書において定義されるとおりである。酸素保護基は、当該分野において周知であり、本明細書において参考として援用されるProtecting Groups in Organic Synthesis、T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、第3版(John Wiley & Sons、1999年)において詳細に記載されるものを含む。
例示的な酸素保護基として、これらに限定されないが、以下が挙げられる:メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ギ酸、ギ酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノエート(レブリン酸)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロ酸、アダマント酸、クロトン酸、4−メトキシクロトン酸、安息香酸、p−フェニル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸(メシト酸)、メチルカルボネート、9−フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、エチルカルボネート、2,2,2−トリクロロエチルカルボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボネート(Peoc)、イソブチルカルボネート、ビニルカルボネート、アリルカルボネート、t−ブチルカルボネート(BOCまたはBoc)、p−ニトロフェニルカルボネート、ベンジルカルボネート、p−メトキシベンジルカルボネート、3,4−ジメトキシベンジルカルボネート、o−ニトロベンジルカルボネート、p−ニトロベンジルカルボネート、S−ベンジルチオカルボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカルボネート、メチルジチオカルボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタン酸、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシアシル)ベンゾエート、α−ナフトエート、硝酸、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、硫酸、メタンスルホナート(メシレート)、ベンジルスルホナート、およびトシレート(Ts)。ある態様において、酸素保護基は、シリルである。ある態様において、酸素保護基は、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、トリエチルシリル(TES)、トリメチルシリル(TMS)、トリイソプロピルシロキシメチル(TOM)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、アリルカルボネート、2,2,2−トリクロロエチルカルボネート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルボネート、メトキシメチル(MOM)、1−エトキシエチル(EE)、2−メトキシ−2−プロピル(MOP)、2,2,2−トリクロロエトキシエチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、p−メトキシフェニル(PMP)、トリフェニルメチル(Tr)、メトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、アリル、p−メトキシベンジル(PMB)、t−ブチル、ベンジル(Bn)、アリル、またはピバロイル(Piv)である。
ある態様において、硫黄原子上に存在する置換基は、硫黄保護基である(また「チオール保護基」とも称される)。硫黄保護基として、限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc X−、−P(ORcc、−P(ORcc X−、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、および−P(=O)(N(Rbbが挙げられ、ここで、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書において定義されるとおりである。硫黄保護基は、当該分野において周知であり、本明細書において参考として援用されるProtecting Groups in Organic Synthesis、T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、第3版(John Wiley & Sons、1999年)において詳細に記載されるものを含む。ある態様において、硫黄保護基は、アセタミドメチル、t−ブチル、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電気的中性を維持するために、正に荷電した基と結合している、負に荷電した基である。アニオン性対イオンは、一価(すなわち、1の形式上の負の電荷を含む)であってもよい。アニオン性対イオンはまた、二価または三価などの多価(すなわち、1より多い形式上の負の電荷を含む)であってもよい。例示的な対イオンとして、ハライドイオン(例えばF−、Cl−、Br−、I−)、NO−、ClO−、OH−、HPO−、HCO−、HSO−、スルホン酸イオン(例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸など)、カルボン酸イオン(例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸、グルコン酸など)、BF−、PF−、PF−、AsF−、SbF−、B[3,5−(CF]−、B(C−、BPh−、Al(OC(CF−、およびカルボランアニオン(例えばCB1112−または(HCB11MeBr)−)が挙げられる。多価であってもよい例示的な対イオンとして、CO −、HPO −、PO −、B −、SO −、S −、カルボン酸アニオン(例えば酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸(pimelate)、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、サリチル酸、フタル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸など)、およびカルボランが挙げられる。
用語「脱離基」は、合成有機化学の分野におけるその通常の意味を与えられ、求核剤により置き換えられることができる原子または基を指す。例えば、Smith、March Advanced Organic Chemistry、第6版(501-502)を参照。好適な脱離基の例として、限定されないが、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI(ヨウ素)など)、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例えばアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシルおよびハロギ酸が挙げられる。いくつかの場合において、脱離基は、スルホン酸エステル、例えばトルエンスルホナート(トシレート、−OTs)、メタンスルホナート(メシレート、−OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシレート、−OBs)、−OS(=O)(CFCF(ノナフレート、−ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフレート、−OTf)である。いくつかの場合において、脱離基は、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシレートである。いくつかの場合において、脱離基は、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノシレートである。脱離基はまた、ホスフィンオキシド(例えば光延反応の間に形成されるもの)またはエポキシドもしくは環状スルフェナートなどの内部脱離基であってもよい。脱離基の他の非限定的例は、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、亜鉛ハライド、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分である。さらに例示的な脱離基として、限定されないが、ハロ(例えばクロロ、ブロモ、ヨード)および活性化された置換ヒドロキシル基(例えば−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(=O)aa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−OP(=O)N(Rbb、および−OP(=O)(NRbbが挙げられ、ここで、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書において定義されるとおりである)。
本明細書において用いられる場合、句「少なくとも1つの場合」の使用は、1、2、3、4、またはより多くの場合を指すが、また例えば、例えば、1〜4、1〜3、1〜2、2〜4、2〜3、または3〜4の場合の範囲(境界を含む)を包含する。
「非水素基」とは、水素ではない特定の変数について定義された任意の基を指す。
以下の定義は、本願を通して用いられる、より一般的な用語である。
本明細書において用いられる場合、用語「塩」とは、任意のおよび全ての塩を指し、薬学的に受入可能な塩を包含する。用語「薬学的に受入可能な塩」とは、健全な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わず、ヒトおよびより下級の動物の組織と接触させての使用のために好適である塩であって、妥当な利益/リスク比と釣り合うものを指す。薬学的に受入可能な塩は、当該分野において周知である。例えば、Bergeらは、本明細書において参考として援用されるJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19において、薬学的に受入可能な塩を詳細に記載する。本発明の化合物の薬学的に受入可能な塩は、好適な無機および有機の酸および塩基から誘導されるものを含む。薬学的に受入可能な、非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸により、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸により、あるいは、イオン交換などの当該分野において公知の他の方法を用いることにより形成される、アミノ酸の塩である。他の薬学的に受入可能な塩として、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される塩として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1〜4アルキル)の塩が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩として、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に受入可能な塩として、適切である場合には、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、ならびにハロゲンイオン、水酸化物イオン、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸などの対イオンを用いて形成されるアミンカチオンが挙げられる。
また、同じ分子式を有するが、性質またはそれらの原子の結合の配列またはそれらの原子の空間における配置が異なる化合物は、「異性体」と称されることも理解されるべきである。それらの原子の空間における配置が異なる異性体を、「立体異性体」と称する。
互いの鏡像とならない立体異性体は、「ジアステレオマー」と称され、互いの重ね合わせることができない鏡像であるものを、「エナンチオマー」と称する。化合物が不斉中心を有する、例えばそれが、4つの異なる基に結合している場合、一対のエナンチオマーが存在し得る。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対的な立体配置により特徴づけることができ、CahnおよびPrelogのRおよびSの配列法則により、または分子が偏光の平面を回転する様式により記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、それぞれ(+)または(−)−異性体として)指定される。キラル化合物は、いずれかの個々のエナンチオマーとして、またはそれらの混合物として存在することができる。等比率のエナンチオマーを含有する混合物を、「ラセミ混合物」と称する。
用語「小分子」とは、天然に存在する、または人工的に作製された(例えば化学合成を介して)分子であって、相対的に低い分子量を有するものを指す。典型的には、小分子は、有機化合物である(すなわち、それが炭素を含む)。小分子は、複数の炭素−炭素結合、立体中心、および他の官能基(例えばアミン、ヒドロキシル、カルボニルおよびヘテロ環式環など)を含んでもよい。ある態様において、小分子の分子量は、約1,000g/mol以下、約900g/mol以下、約800g/mol以下、約700g/mol以下、約600g/mol以下、約500g/mol以下、約400g/mol以下、約300g/mol以下、約200g/mol以下、または約100g/mol以下である。ある態様において、小分子の分子量は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、または少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上の範囲の組み合わせ(例えば少なくとも約200g/molであって、約500g/mol以下である)もまた可能である。ある態様において、小分子は、薬物(例えば、連邦規則集(C.F.R.)において提供されるように米国食品医薬品局により承認された分子)などの、治療的に活性な剤である。
用語「触媒」、「触媒する」、または「触媒的な」とは、「触媒」と称される物質の関与に起因する化学反応の速度の増大を指す。ある態様において、触媒の量及び性質は、反応の間に本質的に変化しないままである。ある態様において、触媒は、再生されるか、または反応の後で触媒の性質が本質的に復元される。触媒は、複数の化学的転移に関与してもよい。触媒の効果は、阻害剤もしくは毒(これらは触媒活性を低下させる)、または促進剤(これらは活性を増大させる)として知られる他の物質の存在により変化してもよい。触媒された反応は、対応する触媒されない反応よりも低い活性化エネルギー(律速的な活性化自由エネルギー)を有し、同じ温度でより高い反応速度をもたらす。触媒は、反応環境に対して有利に影響を及ぼすか、試薬に結合して結合に極性を与えるか、触媒されない反応によっては典型的には生成されない特異的な中間体を形成するか、または試薬の反応性の形態への分離を引き起こしてもよい。
用語「溶媒」とは、1つ以上の溶質を溶解して、溶液をもたらす物質を指す。溶媒は、本明細書において記載される任意の反応または変形のための媒体として役立ち得る。溶媒は、1つ以上の反応物質または試薬を反応混合物中で溶解することができる。溶媒は、1つ以上の試薬または反応物質の反応混合物中での混合を促進することができる。溶媒はまた、異なる溶媒中での反応と比較して、反応の速度を増大または低下させるために役立ち得る。溶媒は、極性または非極性、プロトン性または非プロトン性であってよい。本明細書において記載される方法において有用である一般的な有機溶媒として、限定されないが、以下が挙げられる:アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、ベンゾニトリル、1−ブタノール、2−ブタノン、ブチルアセテート、tert−ブチルメチルエーテル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロベンゼン、1−クロロブタン、クロロホルム、シクロヘキサン、シクロペンタン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン(DCM)、N,N−ジメチルアセタミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジノン(DMPU)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、酢酸エチル、エチルアルコール、エチレングリコール、ジメチルエーテル、ヘプタン、n−ヘキサン、ヘキサン、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、2−メトキシエタノール、2−メトキシ酢酸エチル、メチルアルコール、2−メチルブタン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ニトロメタン、1−オクタノール、ペンタン、3−ペンタノン、1−プロパノール、2−プロパノール、ピリジン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、トルエン、トリクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、2,2,4−トリメチルペンタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、水、o−キシレン、およびp−キシレン。
本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を説明し、説明と一緒に、本発明の原理を説明するために役立つ。
図1Aは、ケトンを形成するための例示的なカップリング反応を概略する。図1Bは、本明細書において記載されるFe/Cu媒介カップリング反応において有用な、例示的な鉄触媒を示す。図1Cは、例示的なFe媒介カップリング反応を示す。
図2は、広範な基質のアレイを用いてケトンを形成するための例示的なFe/Cu媒介カップリング反応を示す。
図3は、ハリコンドリンおよびそのアナログの合成において有用な中間体(化合物11および13)を形成する、例示的なFe/Cu媒介カップリング反応を示す。
図4は、一般的なラジカルプローブによるFe/Cu媒介カップリング反応を概略する。
図5は、リチウムハライドスクリーニングの結果を概略する。LiCl、LiBrおよびLiIは、本明細書において記載されるカップリング反応において有用であることが見出された。
ある態様の詳細な説明
本明細書において提供されるのは、ケトン含有有機分子を調製するための方法である。方法は、新規の鉄/銅媒介(「Fe/Cu媒介」)カップリング反応に基づく。ある態様において、既存のケト化方法に対する本明細書において記載されるFe/Cu媒介カップリングの利点は、Fe/Cu媒介方法が、ビニルハライドの存在下におけるアルキルハライドの選択的カップリングを可能にするという点である。Fe/Cu媒介カップリング反応は、ハリコンドリンおよびそのアナログの調製において、特にハリコンドリンおよびそのアナログへの途中の中間体の調製において、用いることができる。本発明はまた、ハリコンドリンの合成において有用な中間体の調製のための方法を提供する。別の側面において、本発明は、本明細書において提供されるカップリング方法において有用な化合物、試薬、リガンド、触媒、およびキット、ならびにハリコンドリンおよびそのアナログの調製において有用な化合物(すなわち、中間体)を提供する。
Fe/Cu媒介ケト化反応
本明細書において提供されるのは、スキーム1Aにおいて概略されるとおり、Fe/Cu媒介カップリング反応を用いてケトンを調製するための方法である。本明細書において記載されるとおり、ケト化反応は、鉄および銅の存在下において、例えば鉄錯体および銅塩の存在下において、行われる。ケト化反応は、分子間または分子内におけるものであってよい(すなわち、スキーム1Aにおいて、RおよびRは、任意にリンカーにより連結される)。
スキーム1A
ある態様において、スキーム1Bにおいて示されるとおり、式(A)の化合物は、一級または二級アルキルハライド(X=ハロゲン)であり、式(B)の化合物は、アルキルチオエステルまたは酸ハライドである(Rは、任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに、Xは、ハロゲンまたは−SRである)。スキーム1B
スキーム1Aにおいて示されるとおり、本明細書において提供されるのは、式(C):
の化合物、またはその塩を調製するための方法であって、該方法は、式(A):
の化合物、またはその塩を、式(B):
の化合物またはその塩と、鉄および銅の存在下において反応させることを含み;式中:
は、ハロゲンまたは脱離基であり;
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
任意に、ここで、RおよびRは、リンカーを介して一緒に連結され、ここで、リンカーは、任意に置換されていてもよいアルキレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルキレン、任意に置換されていてもよいアルケニレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルケニレン、任意に置換されていてもよいアルキニレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルキニレン、任意に置換されていてもよいアリーレン、任意に置換されていてもよいヘテロアリーレン、任意に置換されていてもよいカルボシクリレン、任意に置換されていてもよいヘテロシクリレン、任意に置換されていてもよいアシレン(acylene)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
ある態様において、Rは、錯体分子の部分、例えば、天然の生成物、医薬剤、それらのフラグメント、またはそれらへの中間体である。ある態様において、Rは、錯体分子の部分、例えば、天然の生成物、医薬剤、それらのフラグメント、またはそれらへの中間体である。
本明細書において一般的に定義されるとおり、ある態様において、「リンカー」は、任意に置換されていてもよいアルキレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルキレン、任意に置換されていてもよいアルケニレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルケニレン、任意に置換されていてもよいアルキニレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルキニレン、任意に置換されていてもよいアリーレン、任意に置換されていてもよいヘテロアリーレン、任意に置換されていてもよいカルボシクリレン、任意に置換されていてもよいヘテロシクリレン、任意に置換されていてもよいアシレン、または任意のそれらの組み合わせを含む基である。ある態様において、「リンカー」は、任意に置換されていてもよい炭化水素鎖である。
ある態様において、式(A)の化合物は、式(A−1):
のもの、またはその塩であり;
式(B)の化合物は、式(B−1):
のもの、またはその塩であり;および、
式(C)の化合物は、式(C−1):
のもの、またはその塩であり、
式中:
は、ハロゲンまたは脱離基であり;
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールであり;ならびに、
A1、RA2、RB1、およびRB2の各々の場合は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルであり;任意にここで、RA1とRB1とは、リンカーを介して一緒に連結される。
本明細書において定義されるとおり、RA1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。ある態様において、RA1は、水素である。ある態様において、RA1は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RA1は、任意に置換されていてもよいアルケニルである。ある態様において、RA1は、任意に置換されていてもよいアルキニルである。ある態様において、RA1は、任意に置換されていてもよいアリールである。ある態様において、RA1は、任意に置換されていてもよいカルボシクリルである。ある態様において、RA1は、任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。ある態様において、RA1は、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。
本明細書において定義されるとおり、RA2は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。ある態様において、RA2は、水素である。ある態様において、RA2は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RA2は、任意に置換されていてもよいアルケニルである。ある態様において、RA2は、任意に置換されていてもよいアルキニルである。ある態様において、RA2は、任意に置換されていてもよいアリールである。ある態様において、RA2は、任意に置換されていてもよいカルボシクリルである。ある態様において、RA2は、任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。ある態様において、RA2は、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。
本明細書において定義されるとおり、RB1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。ある態様において、RB1は、水素である。ある態様において、RB1は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RB1は、任意に置換されていてもよいアルケニルである。ある態様において、RB1は、任意に置換されていてもよいアルキニルである。ある態様において、RB1は、任意に置換されていてもよいアリールである。ある態様において、RB1は、任意に置換されていてもよいカルボシクリルである。ある態様において、RB1は、任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。ある態様において、RB1は、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。
本明細書において定義されるとおり、RB2は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。ある態様において、RB2は、水素である。ある態様において、RB2は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RB2は、任意に置換されていてもよいアルケニルである。ある態様において、RB2は、任意に置換されていてもよいアルキニルである。ある態様において、RB2は、任意に置換されていてもよいアリールである。ある態様において、RB2は、任意に置換されていてもよいカルボシクリルである。ある態様において、RB2は、任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。ある態様において、RB2は、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。
ある態様において、RA1および/またはRA2は、錯体分子の部分、例えば、天然の生成物、医薬剤、それらのフラグメント、またはそれらへの中間体である。ある態様において、RB1、RB2および/またはRB3は、錯体分子の部分、例えば、天然の生成物、医薬剤、それらのフラグメント、またはそれらへの中間体である。
本明細書において提供されるFe/Cu媒介ケト化反応は、スキーム1Cにおいて示されるとおり、環状ケトンを生じるために、分子内の様式において行ってもよい。
スキーム1C
スキーム1Cにおいて示されるとおり、本明細書において提供されるのは、式(C−2):
の化合物、またはその塩を調製するための方法であって、該方法は、式(A−B):
の化合物、またはその塩を、鉄および銅の存在下において反応させることを含み;
式中:
は、ハロゲンまたは脱離基であり;
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールであり;
A2およびRB2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルであり;ならびに
は、リンカーを表す。
ある態様において、Xは、ハロゲン(例えば−I、−Br、−Cl、−F)である。ある態様において、Xは、アルキル基に結合したハロゲン(すなわち「アルキルハライド」)。ある態様において、Fe/Cu媒介ケト化反応は、ビニルハライドよりもアルキルハライドについて選択的である。例えば、反応混合物または化合物が、アルキルハライドおよびビニルハライドの両方を含む場合、アルキルハライドは、ビニルハライドよりも早い速度で反応する。ある態様において、本明細書において記載されるFe/Cu媒介性反応は、ビニルハライド(例えばヨウ化ビニル)よりもアルキルヨウ化物について選択的である。ある態様において、選択性は、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、または100:1よりも高い。
ある態様において、Xは、ハロゲン(例えば−I、−Br、−Cl、−F)である。ある態様において、Xは、−Clである。他の態様において、Xは、−SRであり、ここで、Rは、本明細書において定義されるとおりである。ある態様において、Xは、−S−ヘテロアリールである。ある態様において、Xは、−S−ピリジルである。ある態様において、Xは、−S−2−ピリジル:
である。
本明細書において提供されるFe/Cu媒介ケト化反応は、鉄の存在下において行われる。鉄源は、鉄錯体、鉄塩、鉄触媒、またはプレ触媒であってよい。ある態様において、鉄源は、鉄(II)である。ある態様において、鉄源は、鉄(III)である。
ある態様において、鉄錯体は、式Fe(リガンド)のものである。ある態様において、「リガンド」は、TMHD、DBMまたはacacである。ある態様において、鉄錯体は、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、Fe(TMHD)であり、これは、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、Fe(DBM)3であり、これは、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、Fe(acac)3であり、これは、式:
のものである。
ある態様において、鉄錯体は、2つのホスフィンリガンドを含む。ある態様において、鉄錯体は、ビスホスフィンリガンドを含む。ある態様において、鉄錯体は、式Fe(X)(リガンド)のものであり、ここで、Xの各々の場合は、独立して、ハロゲン(例えばCl、Br、IまたはF)であり、「リガンド」は、ビスホスフィンリガンドである。ある態様において、ビスホスフィンリガンドは、dppbまたはSciOPPである。ある態様において、鉄錯体は、式:
のものであり、ここで、Arの各々の場合は、独立して、任意に置換されていてもよいアリールであり、Xの各々の場合は、独立して、ハロゲン(例えばCl、Br、IまたはF)である。ある態様において、鉄錯体は、Fe(X)(dppb)(Arの各々の場合は、フェニル(Ph)である)。ある態様において、鉄錯体は、Fe(Br)(dppb)であり、これは、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、Fe(Cl)(dppb)であり、これは、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、Fe(X)(SciOPP)(Arの各々の場合は、式:
のものである)である。ある態様において、鉄錯体は、Fe(Br)(SciOPP)であり、これは、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、Fe(Cl)(SciOPP)であり、これは、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、式:
のものであり、ここで、Arの各々の場合は、独立して、任意に置換されていてもよいアリールであり;およびXの各々の場合は、独立して、ハロゲン(例えばCl、Br、IまたはF)である。ある態様において、鉄錯体は、式FeX(dppe)のものであり、ここで、Xの各々の場合は、独立して、ハロゲン(例えばCl、Br、IまたはF)である。ある態様において、鉄錯体は、FeBr(dppe)であり、これは、式:
のものである。ある態様において、鉄錯体は、FeCl(dppe)である。
ある態様において、鉄錯体は、式:
のものであり、ここで、Arの各々の場合は、独立して、任意に置換されていてもよいアリールであり、Xの各々の場合は、独立して、ハロゲン(例えばCl、Br、IまたはF)である。ある態様において、鉄錯体は、式:FeX(PPhのものであり、Xの各々の場合は、独立して、ハロゲン(例えばCl、Br、IまたはF)である。ある態様において、鉄錯体は、式:FeBr(PPhまたはFeCl(PPhのものである。
ある態様において、鉄は、触媒的な量において存在する。ある態様において、鉄は、反応混合物中で、式(A)または(B)の化合物に対して、約1〜5mol%、5〜10mol%、1〜10mol%、5〜20mol%、10〜20mol%、20〜30mol%、20〜40mol%、30〜40mol%、40〜50mol%、50〜60mol%、60〜70mol%、70〜80mol%、または80〜90mol%において存在する。ある態様において、鉄は、1〜50mol%において存在する。ある態様において、鉄は、1〜10mol%において存在する。ある態様において、鉄は、1〜20mol%において存在する。ある態様において、鉄は、約5mol%において存在する。ある態様において、鉄は、約10mol%において存在する。ある態様において、鉄は、約15mol%において存在する。ある態様において、鉄は、反応混合物中で、式(A)または(B)の化合物に対して、化学量論的量または過剰量において存在する。
Fe/Cu媒介ケト化反応本明細書において提供されるのは、銅の存在下において行われる。銅源は、銅錯体、銅塩、銅触媒またはプレ触媒であってよい。ある態様において、銅源は、銅(I)である。ある態様において、銅源は、銅(II)である。ある態様において、銅源は、銅塩である。ある態様において、銅塩は、CuCl、CuBr、CuI、CuCN、CuTc、CuBr、およびCuClから選択される。ある態様において、銅塩は、CuClである。ある態様において、銅塩は、CuIである。
ある態様において、銅が反応混合物中で、式(A)または(B)の化合物に対して、化学量論的量または過剰量において存在する。ある態様において、約1当量の銅が存在する(すなわち、化学量論的)。他の態様においては、1当量より多い銅が存在する(すなわち、過剰)。ある態様において、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0または10.0当量の銅が存在する。ある態様において、銅が触媒的な量において存在する。ある態様において、銅は、反応混合物中で、式(A)または(B)の化合物に対して、約1〜5mol%、5〜10mol%、1〜10mol%、5〜20mol%、10〜20mol%、20〜30mol%、20〜40mol%、30〜40mol%、40〜50mol%、50〜60mol%、60〜70mol%、70〜80mol%、または80〜90mol%において存在する。
Fe/Cu媒介ケト化反応は、1つ以上のさらなる試薬または触媒の存在下において行ってもよい。ある態様において、反応は、ジルコニウムの存在下において行われる。ある態様において、反応は、ジルコニウム錯体の存在下において行われる。ある態様において、ジルコニウム錯体は、式:(リガンド)ZrXのものであり;ここで、nは、リガンド(例えば0、1、2、3、4)の数であり、およびXは、ハロゲン(例えばCl、Br、IまたはF)である。ある態様において、nは、2であり、リガンドは、シクロペンタジエニルである。ある態様において、ジルコニウム源は、CpZrXである。ある態様において、ジルコニウム源は、CpZrClである。
ある態様において、ジルコニウムが触媒的な量において存在する。ある態様において、ジルコニウムは、反応混合物中で、式(A)または(B)の化合物に対して、1〜5mol%、5〜10mol%、1〜10mol%、5〜20mol%、10〜20mol%、20〜30mol%、30〜40mol%、40〜50mol%、50〜60mol%、60〜70mol%、70〜80mol%、または80〜90mol%において存在する。ある態様において、ジルコニウムが反応混合物中で、式(A)または(B)の化合物に対して、化学量論的量または過剰量において存在する。他の態様において、1当量より多いジルコニウムが存在する(すなわち過剰)。ある態様において、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9または10当量のジルコニウムが存在する。ある態様において、約1当量のジルコニウムが存在する(すなわち、化学量論的)。ある態様において、ジルコニウム錯体は、チオエステルがカップリングパートナーとして用いられる反応(例えばXが−SRである場合)において使用される。
ある態様において、反応は、リチウム塩の存在下において行われる。ある態様において、リチウム塩は、LiCl、LiBr、またはLiIである。ある態様において、リチウム塩は、LiClである。ある態様において、リチウム塩は、触媒的な量において存在する。ある態様において、リチウム塩が反応混合物中で、式(A)または(B)の化合物に対して、化学量論的量または過剰量において存在する。ある態様において、約1当量のリチウム塩が存在する(すなわち化学量論的)。他の態様において、1当量より多いリチウム塩が存在する(すなわち過剰)。ある態様において、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9または10当量のリチウム塩が存在する。ある態様において、約3当量のリチウム塩が存在する。
ある態様において、反応は、還元性金属の存在下において行われる。ある態様において、還元性金属は、亜鉛またはマンガン(例えば亜鉛(0)またはマンガン(0))である。
ある態様において、亜鉛源は、亜鉛粉末、亜鉛箔、亜鉛ビーズ、または任意の他の形態の亜鉛金属である。亜鉛は、触媒的、化学量論的、または過剰量で存在してもよい。ある態様において、亜鉛は、式(A)または式(B)の化合物と比較して過剰(すなわち1当量より多い)に存在する。ある態様において、1〜10当量の亜鉛が用いられる。ある態様において、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9または10当量の亜鉛が存在する。ある態様において、約2当量の亜鉛が用いられる。
ある態様において、マンガン源は、マンガン粉末、マンガン箔、マンガンビーズ、またはマンガン金属の任意の他の形態である。マンガンは、触媒的、化学量論的、または過剰量で存在してもよい。ある態様において、マンガンは、式(A)または式(B)の化合物と比較して過剰(すなわち1当量より多い)に存在する。ある態様において、1〜10当量のマンガンが用いられる。ある態様において、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9または10当量のマンガンが存在する。ある態様において、約2当量のマンガンが用いられる。
ある態様において、本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化は、溶媒中で行われる。任意の溶媒を用いてよく、方法の範囲は、任意の特定の溶媒または溶媒の混合物に限定されない。溶媒は、極性であっても非極性であっても、プロトン性であっても非プロトン性であっても、または溶媒の組み合わせ(例えば共溶媒)であってもよい。有用な有機溶媒の例は、本明細書において提供される。ある態様において、ケト化は、エーテル性溶媒などの極性溶媒中で行われる。ある態様において、ケト化反応は、ジメトキシエタン(DME)中で行われる。
本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化反応は、溶媒中で任意の濃度において行うことができる。濃度とは、溶媒中のカップリングパートナー(例えば式(A)または(B)の化合物)のモル濃度(mol/L)を指す。ある態様において、濃度は、約0.5Mである。ある態様において、濃度は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8または0.9Mである。ある態様において、濃度は、1Mよりも高い。ある態様において、濃度は、0.1M未満である。
本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化反応は、任意の温度において行うことができる。ある態様において、反応は、室温付近(すなわち18〜24℃)において行う。ある態様において、反応は、室温未満(例えば0℃〜室温)において行う。ある態様において、反応は、室温より高い温度(例えば室温〜100℃)において行う。ある態様において、反応は、約0℃において行う。
本明細書において記載される反応は、任意の時間量にわたり行ってよい。ある態様において、反応は、数秒間、数分間、数時間または数日間にわたり行わせる。
ある態様において、Fe/Cu媒介ケト化は、鉄錯体、銅塩、リチウム塩、および還元性金属の存在下において行う。ある態様において、ケト化は、Fe(TMHD)、CuCl、LiCl、およびMnの存在下において行う。ある態様において、ケト化は、FeBr(dppb)、CuCl、LiCl、およびMn金属の存在下において行う。ある態様において、反応は、極性溶媒中で行う。ある態様において、極性溶媒は、DMEなどのエーテル性溶媒である。ある態様において、反応は、室温においてまたは室温未満で行う。ある態様において、反応は、0℃付近の温度で行う。
例えば、ある態様において、カップリングは、以下の条件下において行ってもよい:Fe(TMHD)(10mol%)、CuCl(1.0当量)、Mn(2当量)、LiCl(3当量)、DME、0℃、10〜20時間。別の例として、ある態様において、カップリングは、以下の条件下において行ってもよい:FeBr(dppb)(5mol%)、CuCl(1.0当量)、LiCl(3当量)、Mn(2当量)、DME、0℃、10〜20時間。
ある態様において、Fe/Cu媒介ケト化は、鉄錯体、銅塩、ジルコニウム錯体、リチウム塩、および還元性金属の存在下において行う。ある態様において、ケト化は、FeBr(dppb)、CuI、ZrCpCl、LiCl、およびMn金属の存在下において行う。ある態様において、反応は、極性溶媒中で行う。ある態様において、極性溶媒は、DMEなどのエーテル性溶媒である。ある態様において、反応は、室温においてまたは室温未満で行う。ある態様において、反応は、0℃付近の温度で行う。
例えば、ある態様において、カップリングは、以下の条件下において行ってもよい:FeBr(dppb)(5mol%)、CuI(1.0当量)、ZrCpCl(1.0当量)LiCl(3当量)、Mn(2当量)、DME、0℃、10〜20時間。
ハリコンドリンおよび中間体の合成
本明細書において提供されるFe/Cu媒介ケト化反応は、ハリコンドリンおよびそのアナログへの途上の中間体などの錯体分子の合成に適用することができる。例えば、スキーム2は、式(I−13)の化合物は、式(I−12)の化合物の式(I−10)の化合物とのFe/Cu媒介カップリングを介して調製することができることを示す。スキーム2において、式(I−13)の化合物は、ハリコンドリン(例えばハリコンドリンA、B、C)およびそのアナログの合成において有用な中間体である。
スキーム2
スキーム2において示されるとおり、本明細書において提供されるのは、式(I−13):
の化合物またはその塩を調製する方法であって、該方法は、式(I−12):
の化合物またはその塩を、式(I−10):
の化合物またはその塩とカップリングすることを含み、式中:
およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
P1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。
ある態様において、式(I−12)の化合物は、式(I−12−S):
の化合物またはその塩であり、式中:
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。
ある態様において、式(I−12)の化合物またはその塩を、式(I−10)の化合物またはその塩とカップリングするステップは、本明細書において記載されるようなFe/Cu媒介ケト化反応を含む(例えば鉄および銅の存在下において行われる)。本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化について記載される任意の試薬または条件を、カップリングステップにおいて用いることができる。
本明細書において記載されるとおり、Fe/Cu媒介ケト化は、ビニルハライドの存在下において、アルキルハライドについて選択的である。したがって、ある態様において、XおよびXが、いずれもハロゲンである場合、反応は、XよりもむしろXにおいて選択的に起こり、主要生成物として式(I−13)の化合物を生じる。ある態様において、Xが−Iであり、かつXがハロゲンである場合、反応は、XよりもむしろXにおいて選択的に起こり、主要生成物として式(I−13)の化合物を生じる。ある態様において、選択性は、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、または100:1よりも高い。
ある態様において、RP1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々、任意に置換されていてもよいシリル保護基である。ある態様において、RP1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々、トリアルキルシリル保護基である。ある態様において、RP1およびRP4は、TBS保護基であり、RP2、RP3、およびRP5は、TES保護基である。
ある態様において、式(I−13)の化合物またはその塩を形成するためのカップリングは、鉄錯体、銅塩、リチウム塩、ジルコニウム錯体、および還元性金属の存在下において行う。ある態様において、カップリングは、FeBr(SciOPP)、CuI、ZrCpCl、LiClおよびMn金属の存在下において行われる。ある態様において、反応は、極性溶媒中で行う。ある態様において、極性溶媒は、DMEなどのエーテル性溶媒である。ある態様において、反応は、室温においてまたは室温未満で行う。ある態様において、反応は、0℃付近の温度で行う。
例えば、ある態様において、カップリングは、以下の条件下において行ってもよい:FeBr(SciOPP)(5mol%)、CuI(1.0当量)、ZrCpCl(1.0当量)、LiCl(3当量)、およびMn(2.0当量)、DME、0℃、10〜20時間。
本明細書において提供されるケト化反応は、ハリコンドリンおよびそのアナログの合成において有用な他の中間体の調製に適用することができる。例えば、スキーム3において示されるとおり、式(I−11)の化合物は、式(I−9)の化合物と式(I−10)の化合物とのFe/Cu媒介カップリングを介して調製することができる。式(I−11)の化合物は、ハリコンドリンおよびそのアナログの合成において有用な中間体である。
スキーム3
スキーム3において示されるとおり、本明細書において提供されるのは、式(I−11):
の化合物またはその塩を調製する方法であって、該方法は、式(I−9):
の化合物、またはその塩を、式(I−10):
の化合物、またはその塩とカップリングすることを含み、式中:
およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
P4、RP5、およびRP6は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。
ある態様において、式(I−9)の化合物は、式(I−9−S):
のもの、またはその塩であり、式中:
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。
ある態様において、式(I−9)の化合物またはその塩を、式(I−10)の化合物またはその塩とカップリングするステップは、本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化である(例えば鉄および銅の存在下において行われる)。本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化について記載される任意の試薬または条件を、カップリングステップにおいて用いることができる。
本明細書において記載されるとおり、Fe/Cu媒介ケト化は、ビニルハライドよりもアルキルハライドについて選択的である。したがって、ある態様において、XおよびXが、いずれもハロゲンである場合、反応は、XよりもむしろXにおいて選択的に起こり、主要生成物として式(I−11)の化合物を生じる。ある態様において、Xが−Iであり、かつXがハロゲンである場合、反応は、XよりもむしろXにおいて選択的に起こり、主要生成物として式(I−11)の化合物を生じる。ある態様において、選択性は、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、または100:1よりも高い。
ある態様において、RP4、RP5、およびRP6は、各々、シリル保護基である。ある態様において、RP4およびRP5は、トリアルキルシリル保護基であり、2個のRP6基は、一緒に連結されて:
を形成する。ある態様において、RP4は、TBS保護基であり、RP5は、TES保護基であり、2個のRP6基は、一緒に連結されて:
を形成する。
ある態様において、式(I−11)の化合物を得るためのカップリングは、鉄錯体、銅塩、リチウム塩、ジルコニウム錯体、および還元性金属の存在下において行う。ある態様において、カップリングは、FeBr(SciOPP)、CuI、ZrCpCl、LiCl、およびMn金属の存在下において行われる。ある態様において、反応は、極性溶媒中で行う。ある態様において、極性溶媒は、DMEなどのエーテル性溶媒である。ある態様において、反応は、室温においてまたは室温未満で行う。ある態様において、反応は、0℃付近の温度で行う。
例えば、ある態様において、カップリングは、以下の条件下において行ってもよい:FeBr(SciOPP)(5mol%)、CuI(1.0当量)、ZrCpCl(1.0当量)、LiCl(3当量)、およびMn(2.0当量)、DME、0℃、10〜20時間。
本明細書において記載される方法は、任意の化学収率において化合物を調製するために用いることができる。ある態様において、化合物は、1〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、または90〜100%の収率において生成される。ある態様において、所望される生成物は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%よりも高い収率において得られる。ある態様において、それは、50%よりも高い収率である。ある態様において、それは、70%よりも高い収率である。ある態様において、収率は、1つの合成ステップの後のパーセント収率である。ある態様において、収率は、1より多い合成ステップ(例えば2、3、4または5つの合成ステップ)の後のパーセント収率である。
本明細書において記載されるとおり、Fe/Cu媒介ケト化は、ビニルハライドよりもアルキルハライドについて選択的である。したがって、ある態様において、XおよびXが、いずれもハロゲンである場合、反応は、XよりもむしろXにおいて、選択的に起こる。ある態様において、選択性は、約2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、または100:1より高い。ある態様において、選択性は、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、または100:1よりも高い。
本明細書において記載される方法は、1つ以上の精製ステップをさらに含んでもよい。例えば、ある態様において、本明細書において記載される方法により生成される化合物は、クロマトグラフィー、抽出、濾過、沈殿、結晶化、または当該分野において公知の任意の他の方法により精製することができる。ある態様において、化合物または混合物は、無精製(すなわち粗生成物)で、次の合成ステップに持ち越される。
スキーム4は、式(II−3)の化合物が、式(II−1)の化合物の、式(II−2)の化合物との、Fe/Cu媒介カップリングを介して調製することができることを示す。スキーム4において、式(II−3)の化合物は、ハリコンドリンシリーズ中の化合物(例えばハリコンドリンA、B、C)、およびそのアナログの合成において有用な中間体である。特に、式(II−3)の化合物は、ハリコンドリンのC20−C26フラグメント(すなわち構成要素)として有用である。
スキーム4
スキーム4において示されるとおり、本明細書において提供されるのは、式(II−3):
の化合物またはその塩を調製する方法であって、該方法は、式(II−1):
の化合物、またはその塩を、式(II−2):
の化合物またはその塩とカップリングすることを含み、式中:
およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
は、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
は、アルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。
ある態様において、式(II−1)の化合物は、式(II−1−Cl):
の化合物、またはその塩である。
ある態様において、式(II−1)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある態様において、式(II−1)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある態様において、式(II−2)の化合物は、式(II−1−I):
の化合物、またはその塩である。
ある態様において、式(II−2)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある態様において、式(II−3)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある態様において、式(II−3)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある態様において、式(II−1)の化合物またはその塩を、式(II−2)の化合物またはその塩とカップリングするステップは、本明細書において記載されるようなFe/Cu媒介ケト化反応を含む(例えば鉄および銅の存在下において行われる)。本明細書において記載されるFe/Cu媒介ケト化について記載される任意の試薬または条件を、カップリングステップにおいて用いることができる。
本明細書において記載されるとおり、Fe/Cu媒介ケト化は、ビニルハライドの存在下において、アルキルハライドについて選択的である。したがって、ある態様において、XおよびXが、いずれもハロゲンである場合、反応は、XよりもむしろXにおいて選択的に起こり、主要生成物として式(II−3)の化合物を生じる。ある態様において、Xが−Iであり、かつXがハロゲンである場合、反応は、XよりもむしろXにおいて選択的に起こり、主要生成物として式(II−3)の化合物を生じる。ある態様において、選択性は、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、または100:1よりも高い。ある態様において、Xは、−Iであり;Xは、−Iであり;およびXは、−Clである。
ある態様において、Rは、エチルであり;およびRは、メチルである。ある態様において、Rは、メチルであり;およびRは、メチルである。
ある態様において、Fe/Cu媒介ケト化は、鉄錯体、銅塩、リチウム塩、および還元性金属の存在下において行う。ある態様において、ケト化は、Fe(TMHD)、CuCl、LiClおよびMnの存在下において行われる。ある態様において、ケト化は、FeBr(dppb)、CuCl、LiCl、およびMn金属の存在下において行われる。ある態様において、反応は、極性溶媒中で行われる。ある態様において、極性溶媒は、DMEなどのエーテル性溶媒である。ある態様において、反応は、室温においてまたは室温未満で行われる。ある態様において、反応は、0℃付近の温度で行われる。
例えば、ある態様において、カップリングは、以下の条件下において行ってもよい:FeBr(dppb)(5mol%)、CuCl(20mol%)、LiCl(3当量)、Mn(2当量)、DME、約0℃(例えば約0〜5℃)、10〜30時間。
ある態様において、方法は、式(II−3):
の化合物またはその塩を、式RP9OHの試薬の存在下において反応させて、式(III−1):
化合物またはその塩を生じるステップをさらに含み;ここで:
は、ハロゲンであり;
は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;ならびに
各々のRP9は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基;任意にここで、2個のRP9基は、介在原子により一緒に連結される。
ある態様において、反応は、酸の存在下において行う。ある態様において、酸は、スルホン酸である。ある態様において、酸は、p−トルエンスルホン酸である。ある態様において、反応は、オルトギ酸エステルの存在下において行う。ある態様において、反応は、トリメチルオルトギ酸エステルの存在下において行う。
ある態様において、式RP9OHの試薬は、ジオールであり;2個のRP9は、介在原子により一緒に連結される。これらの態様において、式(III−1)の化合物において、2個のRP9は、介在原子により一緒になって、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。ある態様において、試薬は、1,3−ジオールである。ある態様において、試薬RP9OHは、式:
のものである。ある態様において、試薬は、構造:
の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールである。
ある態様において、式(II−3)の化合物は、式:
のもの、またはその塩である。
ある態様において、式(III−1)の化合物は、式:
のもの、またはその塩である。
ある態様において、式(III−1)の化合物を生じる反応は、ジオールおよび酸の存在下において行われる。ある態様において、反応は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールおよび酸の存在下において行われる。ある態様において、反応は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールおよびp−トルエンスルホン酸の存在下において行われる。ある態様において、式(III−1)の化合物を生じる反応は、ジオール、酸およびオルトギ酸エステルの存在下において行われる。ある態様において、反応は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、p−トルエンスルホン酸、およびトリメチルオルトギ酸エステルの存在下において行われる。ある態様において、反応は、アセトニトリルなどの極性溶媒中で行われる。例えば、ある態様において、反応は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(5当量)、p−トルエンスルホン酸水和物(2mol%)、およびトリメチルオルトギ酸エステル(1.5当量)の存在下において、MeCN中で、室温で(例えば約20時間にわたり)行われる。
化合物
また本明細書において提供されるのは、ハリコンドリン(例えばハリコンドリンA、B、C)、およびそのアナログの合成において有用な中間体である化合物である。例えば、本明細書において提供されるのは、式(I−13):
の化合物、およびその塩であり、式中:
は、ハロゲンまたは脱離基であり;
およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
P1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。
また本明細書において提供されるのは、式(I−12):
の化合物、およびその塩であり、式中:
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
P1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。
ある態様において、式(I−12)の化合物は、式(I−12−S):
のもの、またはその塩であり、式中:
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。
また本明細書において提供されるのは、式(I−10):
の化合物、およびその塩であり、式中:
およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
は、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
P4は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。
本明細書において提供されるのは、式(I−11):
の化合物、およびその塩であり、式中:
は、ハロゲンまたは脱離基であり;
およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
P4、RP5、およびRP6は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。
また本明細書において提供されるのは、式(I−9):
の化合物、およびその塩であり、式中:
は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
P5およびRP6は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。
ある態様において、式(I−9)の化合物は、式(I−9−S):
のもの、またはその塩であり、式中:
は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。
別の側面において、本明細書において提供されるのは、式:
の化合物、またはその塩である。
さらに別の側面において、本明細書において提供されるのは、式:
の化合物、またはその塩である。
基X、X、X
本明細書において定義されるとおり、Xは、ハロゲンまたは脱離基である。ある態様において、Xは、ハロゲンである。ある態様において、Xは、−Cl(すなわち塩素)である。ある態様において、Xは、−Br(すなわち臭素)である。ある態様において、Xは、−I(すなわちヨウ化物)である。ある態様において、Xは、−F(すなわちフッ素)である。ある態様において、Xは、脱離基である。
本明細書において定義されるとおり、Xは、ハロゲン、脱離基、または−SRである。ある態様において、Xは、ハロゲンである。ある態様において、Xは、−Clである。ある態様において、Xは、−Brである。ある態様において、Xは、−Iである。ある態様において、Xは、−Fである。ある態様において、Xは、脱離基である。ある態様において、Xは、−SRである。
本明細書において定義されるとおり、Rは、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいカルボシクリルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアリールである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよい6員のヘテロアリールである。ある態様において、Rは、1、2または3個の窒素原子を含む任意に置換されていてもよい6員のヘテロアリールである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいピリジルである。ある態様において、Rは、未置換のピリジル(Py)である。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよい2−ピリジルである。ある態様において、Rは、未置換の2−ピリジル(2−Py)である。ある態様において、Rは、以下:
からなる群より選択される。
ある態様において、Rは、
(2−Py)である。
本明細書において定義されるとおり、Xは、ハロゲンまたは脱離基である。ある態様において、Xは、ハロゲンである。ある態様において、Xは、−Clである。ある態様において、Xは、−Brである。ある態様において、Xは、−Iである。ある態様において、Xは、−Fである。ある態様において、Xは、脱離基である。
基R、Ar、R、R、R、およびR
本明細書において定義されるとおり、Rは、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、Rは、メチルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアリールである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいフェニルである。ある態様において、Rは、フェニル(−Ph)である。
本明細書において定義されるとおり、Arは、任意に置換されていてもよいアリールまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールである。ある態様において、Arは、任意に置換されていてもよいアリールである。ある態様において、Arは、任意に置換されていてもよいフェニルである。ある態様において、Arは、未置換のフェニル(−Ph)である。
本明細書において定義されるとおり、Rは、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、ハロゲンである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、Rは、メチルである。
本明細書において定義されるとおり、Rは、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、ハロゲンである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、Rは、メチルである。
本明細書において定義されるとおり、Rは、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、Rは、メチルである。ある態様において、Rは、エチルである。ある態様において、Rは、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。
本明細書において定義されるとおり、Rは、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、ハロゲンである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、Rは、メチルである。
基RP1、RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6
本明細書において定義されるとおり、RP1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP1は、水素である。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、RP1は、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、RP1は、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、RP1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP1は、酸素保護基である。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいアリルである。ある態様において、RP1は、アリルである。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいシリルである。ある態様において、RP1は、トリアルキルシリルである。ある態様において、RP1は、トリエチルシリル(−SiEt;「TES」)である。ある態様において、RP1は、トリメチルシリル(−SiMe;「TMS」)である。ある態様において、RP1は、tert−ブチルジメチルシリル(−Sit−BuMe;「TBS」)である。ある態様において、RP1は、tert−ブチルジフェニルシリル(−Sit−BuPh;「TBDPS」)である。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいベンジル保護基である。ある態様において、RP1は、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。ある態様において、RP1は、メトキシベンジル保護基である。ある態様において、RP1は、パラ−メトキシベンジル:
(「MPM」または「PMB」)である。
ある態様において、RP1およびRP2は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。
本明細書において定義されるとおり、RP2は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP2は、水素である。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、RP2は、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、RP2は、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、RP2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP2は、酸素保護基である。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいアリルである。ある態様において、RP2は、アリルである。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいシリルである。ある態様において、RP2は、トリアルキルシリルである。ある態様において、RP2は、トリエチルシリル(−SiEt;「TES」)である。ある態様において、RP2は、トリメチルシリル(−SiMe;「TMS」)である。ある態様において、RP2は、tert−ブチルジメチルシリル(−Sit−BuMe;「TBS」)である。ある態様において、RP2は、tert−ブチルジフェニルシリル(−Sit−BuPh;「TBDPS」)である。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいベンジル保護基である。ある態様において、RP2は、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。ある態様において、RP2は、メトキシベンジル保護基である。ある態様において、RP2は、パラ−メトキシベンジル:
(「MPM」または「PMB」)である。
ある態様において、RP3およびRP3は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。
本明細書において定義されるとおり、RP3は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP3は、水素である。ある態様において、RP3は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP3は、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、RP3は、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RP3は、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、RP3は、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、RP3は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、RP3は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP3は、酸素保護基である。ある態様において、RP3は、任意に置換されていてもよいアリルである。ある態様において、RP3は、アリルである。ある態様において、RP3は、任意に置換されていてもよいシリルである。ある態様において、RP3は、トリアルキルシリルである。ある態様において、RP3は、トリエチルシリル(−SiEt;「TES」)である。ある態様において、RP3は、トリメチルシリル(−SiMe;「TMS」)である。ある態様において、RP3は、tert−ブチルジメチルシリル(−Sit−BuMe;「TBS」)である。ある態様において、RP3は、tert−ブチルジフェニルシリル(−Sit−BuPh;「TBDPS」)である。ある態様において、RP3は、任意に置換されていてもよいベンジル保護基である。ある態様において、RP3は、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。ある態様において、RP3は、メトキシベンジル保護基である。ある態様において、RP3は、パラ−メトキシベンジル:
(「MPM」または「PMB」)である。
本明細書において定義されるとおり、RP4は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP4は、水素である。ある態様において、RP4は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP4は、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、RP4は、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RP4は、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、RP4は、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、RP4は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、RP4は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP4は、酸素保護基である。ある態様において、RP4は、任意に置換されていてもよいアリルである。ある態様において、RP4は、アリルである。ある態様において、RP4は、任意に置換されていてもよいシリルである。ある態様において、RP4は、トリアルキルシリルである。ある態様において、RP4は、トリエチルシリル(−SiEt;「TES」)である。ある態様において、RP4は、トリメチルシリル(−SiMe;「TMS」)である。ある態様において、RP4は、tert−ブチルジメチルシリル(−Sit−BuMe;「TBS」)である。ある態様において、RP4は、tert−ブチルジフェニルシリル(−Sit−BuPh;「TBDPS」)である。ある態様において、RP4は、任意に置換されていてもよいベンジル保護基である。ある態様において、RP4は、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。ある態様において、RP4は、メトキシベンジル保護基である。ある態様において、RP4は、パラ−メトキシベンジル:
(「MPM」または「PMB」)である。
本明細書において定義されるとおり、RP5は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP5は、水素である。ある態様において、RP5は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP5は、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、RP5は、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RP5は、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、RP5は、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、RP5は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、RP5は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP5は、酸素保護基である。ある態様において、RP5は、任意に置換されていてもよいアリルである。ある態様において、RP5は、アリルである。ある態様において、RP5は、任意に置換されていてもよいシリルである。ある態様において、RP5は、トリアルキルシリルである。ある態様において、RP5は、トリエチルシリル(−SiEt;「TES」)である。ある態様において、RP5は、トリメチルシリル(−SiMe;「TMS」)である。ある態様において、RP5は、tert−ブチルジメチルシリル(−Sit−BuMe;「TBS」)である。ある態様において、RP5は、tert−ブチルジフェニルシリル(−Sit−BuPh;「TBDPS」)である。ある態様において、RP5は、任意に置換されていてもよいベンジル保護基である。ある態様において、RP5は、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。ある態様において、RP5は、メトキシベンジル保護基である。ある態様において、RP5は、パラ−メトキシベンジル:
(「MPM」または「PMB」)である。
本明細書において定義されるとおり、RP6は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。ある態様において、RP6は、水素である。ある態様において、RP6は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP6は、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、RP6は、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RP6は、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、RP6は、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、RP6は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、RP6は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP6は、酸素保護基である。ある態様において、RP6は、任意に置換されていてもよいアリルである。ある態様において、RP6は、アリルである。ある態様において、RP6は、任意に置換されていてもよいシリルである。ある態様において、RP6は、トリアルキルシリルである。ある態様において、RP6は、トリエチルシリル(−SiEt;「TES」)である。ある態様において、RP6は、トリメチルシリル(−SiMe;「TMS」)である。ある態様において、RP6は、tert−ブチルジメチルシリル(−Sit−BuMe;「TBS」)である。ある態様において、RP6は、tert−ブチルジフェニルシリル(−Sit−BuPh;「TBDPS」)である。ある態様において、RP6は、任意に置換されていてもよいベンジル保護基である。ある態様において、RP6は、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。ある態様において、RP6は、メトキシベンジル保護基である。ある態様において、RP6は、パラ−メトキシベンジル:
(「MPM」または「PMB」)である。ある態様において、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。ある態様において、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよい6員のヘテロシクリルを形成する。ある態様において、2個のRP6は、介在原子により連結されて、式:
の環を形成する。ある態様において、2個のRP6は、介在原子により連結されて、式:
の環を形成する。
本明細書において定義されるとおり、RP9は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP9は、水素である。ある態様において、RP9は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP9は、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、RP9は、未置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RP9は、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、RP9は、未置換C1〜3アルキルである。ある態様において、RP9は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。ある態様において、RP9は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP9は、酸素保護基である。ある態様において、RP9は、任意に置換されていてもよいアリルである。ある態様において、RP9は、アリルである。ある態様において、RP9は、任意に置換されていてもよいシリルである。ある態様において、RP9は、トリアルキルシリルである。ある態様において、RP9は、トリエチルシリル(−SiEt;「TES」)である。ある態様において、RP9は、トリメチルシリル(−SiMe;「TMS」)である。ある態様において、RP9は、tert−ブチルジメチルシリル(−Sit−BuMe;「TBS」)である。ある態様において、RP9は、tert−ブチルジフェニルシリル(−Sit−BuPh;「TBDPS」)である。ある態様において、RP9は、任意に置換されていてもよいベンジル保護基である。ある態様において、RP9は、ベンジル(−CHPh;「Bn」)である。ある態様において、RP9は、メトキシベンジル保護基である。ある態様において、RP9は、パラ−メトキシベンジル:
(「MPM」または「PMB」)である。ある態様において、2個のRP9は、介在原子により一緒に連結される。ある態様において、2個のRP9は、介在原子により一緒に連結されて
を形成する:
ある態様において、2個のRP9は、介在原子により一緒に連結されて、
を形成する:
ある態様において、2個のRP9は、介在原子により一緒に連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。ある態様において、2個のRP9は、一緒に連結されて、
を形成する。ある態様において、2個のRP9は、一緒に連結されて、
を形成する。基Rは、本明細書において定義されるとおりである。

Fe/Cu媒介ケト化反応
還元性カップリングの実現可能性の研究のために、図1Aにおいて示される基質を第一に選択した。任意に選択された条件[2a(5当量)、1a(1当量)、MnPc(10mol%)、CuCN(1当量)、LiCl(3当量)、THF(C=0.2M)、rt、6時間]下における第一の試みにより、35%単離収率において3種を得た。以下を含むカップリング条件を最適化した:(1)ラジカル開始剤およびローディング(試験されたラジカル開始剤の相対的反応性は、ざっと以下の順序であった:Fe(TMHD)3>Fe(DBM)3>CoPc>Fe(acac)3〜ZnPc>MnPc〜FePc)、(2)銅源(いくつかのCu(I)塩を試験した:CuCl、CuBr、CuI、CuCNおよびCuTcは、それぞれ、62%、20%、58%、12%および10%の収率をもたらした;また、Cu(II)塩によるCu(I)塩の置き換えを試験した:CuClおよびCuBrは、2aを、それぞれ76%および32%で生じた)、(3)LiCl効果(LiCl、LiBr、およびLiIを試験した)、(4)1a:2aのモル比(1a:2a=1.0:1.5、1.0:2.0、1.0:3.0のモル比を試験した)、(5)還元性金属(MnおよびZn粉末を試験した)、(6)溶媒および濃度(C=0.2M、0.3Mおよび0.4Mを用いて濃度効果を試験したが、有意差は見出されなかった。したがって、C=0.4を研究のために選択した)、ならびに(7)添加物。この研究を通して、例として、[1a(1.0当量)、2a(3.0当量)、Fe(TMHD)(10mol%;図1Bにおける4)、CuCl(1.0当量)、Mn(2当量)、LiCl(3当量)、DME(C0.4M)、0℃、15時間]の条件が、(1a+2a)−カップリングのために有効であることが見出された(76%単離収率)。図2における方法Aを参照。
このFe/Cu媒介方法は、一つの魅力的な反応性プロフィールを示した;すなわち、他の最先端の方法とは異なり、このFe/Cu媒介方法は、ビニルまたはアリールヨウ化物、例えば化合物1j−mよりも、アルキルヨウ化物を選択的に活性化することを可能にした。この選択性は、錯体分子の合成にとって多大な重要性を持つ。特に、このことは、ハリコンドリンのC20−C26の構成要素である8aを、6と7とのカップリングを介して合成する可能性を開いた。先には、このカップリングは、複数のステップ、すなわち、Co/Cr媒介カップリングとその後の酸化において行われた:Kim, D.-S.; Dong, C.-G.; Kim, J. T.; Guo, H.; Huang, J.; Tiseni, P. S.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 15636; Dong, C.-G.; Henderson, J. A.; Kaburagi, Y.; Sasaki, T.; Kim, D.-S.; Kim, J. T.; Urabe, D.; Guo, H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 15642。
方法A(図2)の条件下において、ワンポットケトンカップリングは、所望される生成物8aをもたらした。カップリングは、さらに最適化された。7中でのアルキルヨウ化物の活性化速度は、モデル1jにおけるものよりは遅かった。Fe(TMHD)のより高いローディングにより、予測されるとおり、カップリング速度が加速した。13〜15mol%の触媒を用いて、(6+7)カップリングは、15gスケールの実験において、微量の8b(<1%収率)と共に、所望されるケトン8a(75%単離収率)をもたらした。同様に、7に対応する臭化ビニルを用いたFe/Cu媒介カップリングは、所望される生成物を、匹敵する収率においてもたらした。
6+7→8aの変換において説明されるように、Fe(TMHD)により開始されるFe/Cu媒介ワンポットケトン合成は、他の最先端のケトン合成によっては達成することが困難であり得る反応性のプロフィールを示した。
さらなる最適化の間に、Fe(TMHD)がラジカル開始剤として機能するためには、Mn金属によりFe(III)がFe(II)に還元されるべきであることが認識された。還元は、1個のβ−ジケトンの分子を放出し、これが、6のうちの幾つかを非生産的な様式において消費した。この副反応は、Fe(II)開始剤の使用により回避することができた。この理由のために、多様なラジカル開始剤を、Cu媒介ケトンカップリングについてスクリーニングした。それらのうちで、FeBr(dppb)は、(1a+2a)カップリングを良好に促進することが見出された。ホスフィン錯体であるFeBr(dppb)、FeCl(dppb)、FeBr(dppe)、FeCl(dppe)、およびFeBr(PPhは、カップリング条件方法B−1下において、生成物3aを、それぞれ90%、79%、54%、46%および48%においてもたらした(図2)。最適化を通して、例えば以下の条件下において、カップリングが効果的に達成されたことが見出された:FeBr(dppb)(5mol%)、酸塩化物(1.0当量)、ヨウ化物(1.2当量)、CuCl(1.0当量)、LiCl(3当量)、Mn(2当量)、DME(C=0.4M)、0℃、15時間。例えば、Britovsek, G. J. P.; England, J.; Spitzmesser, S. K.; White, A. J. P.; Williams, D. J. Dalton Trans. 2005, 945、およびこれらにおいて引用される参考文献を参照。最適化された条件下において、カップリングを、1a/2aのモル比を1.2/1.0および1.0/1.2として試験し、それぞれ90%および87%の単離収率において、3aを得た。求核剤と求電子剤との比を1.2/1.0および1.0/1.2とすることにより、図2における方法B−1およびB−2において列記される基質について、カップリング効率を研究した。
FeBr(dppb)条件を、(6+7)−カップリングのために適用させ、8aを72%の単離収率において得た。FeBr(dppb)を、最近Nakamuraらにより報告されたSciOPPリガンドから調製されるFeBr錯体に置き換えることにより、カップリングの収率を、さらに80%の収率まで改善した。例えば、Hatakeyama, T.; Fujiwara, Y.; Okada, Y.; Itoh, T.; Hashimoto, T.; Kawamura, S.; Ogata, K. Takaya, H.; Nakamura, M. Chem. Lett. 2011, 40, 1030を参照。
ホスフィンベースのFeBr触媒は、1:1に近い求核剤と求電子剤とのモル比を用いてすら、効率的なワンポットケトン合成を可能にする。このアプローチを、ハリコンドリンシリーズの左半分の「構成要素」であるヨウ化ビニル13、ならびに関連するヨウ化ビニル11の合成に適用した。9−シリーズにおいて、本発明者らは、酸塩化物を調製することが可能であり、カップリングが、所望される生成物11を、カルボン酸から20〜25%の全体的収率においてもたらすことを示した。FeBr(dppb)およびFeBr(SciOPP)を用いて、それぞれ20%および25%の収率において11を得た。これらの環境下において、2−チオピリジンエステルが、Zr/Ni媒介ワンポットケトン合成における効果的な求電子剤であることが証明されたので、これを代替的な求電子剤として用いた。例えば、Araki, M.; Sakata, S.; Takei, H.; Mukaiyama, T. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1974, 47, 1777; Onaka, M.; Matsuoka, Y.; Mukaiyama, T. Chem. Lett. 1981, 531を参照。
この背景により、方法B−1の条件下における(1a+2b→3a)カップリングを行い、約15%の収率において所望される生成物を得た。2−チオピリジンエステルは、CuIの存在下において安定であることが見出され、このことは、CuClの代わりにCuIの存在下におけるカップリングを示唆した(方法C)。この条件下におけるカップリング効率を、図2において列記される各々の基質について研究した。
方法Cの条件下におけるFe/Cu媒介ワンポットケトン合成は、ハリコンドリンシリーズの「左半分」の構成要素であるヨウ化ビニル13、ならびに緊密に関連するヨウ化ビニル11を、1.0:1.2の求電子剤と求核剤とのモル比により、供給した(図3)。新たな経路は、(1)より高い程度の収束、および(2)、ケトンカップリングに先立つ、末端アセチレンのトランスヨウ化ビニルへの標準的な変換を介するC39ビニル基の導入を含む、いくつかの魅力的な側面を有した。以前の合成において、C39におけるトランスヨウ化ビニルは、Takaiトランスヨードオレフィン化を介して導入された;Takai, K.; Nitta, K.; Utimoto, K. J. Am. Chem. Soc. 1986, 108, 7408. (b) Takai, K.; Ichiguchi, T.; Hikasa, S. Synlett 1999, 1268を参照。
最後に、一般的なラジカルプローブの挙動を、3つのカップリング条件下において試験した(図4)。予測されたとおり、観察された結果は、3つ全てのカップリング方法においてラジカル中間体が関与していることを示した。
本明細書において例示されるFe/Cu媒介ワンポットケトン合成は、いくつかの例において、ワンポットケトン合成のために、ヨウ化ビニルよりもアルキルヨウ化物を選択的に活性化することを可能にした。新たに開発された方法を、ハリコンドリンのC20−C26構成要素であるヨウ化ビニル/ケトン8a、ならびにハリコンドリンの「左半分」であるヨウ化ビニル/ケトン13の合成に適用した。
一般的手順
NMRスペクトルは、Varian Inova 600MHz、500MHzまたは400MHz分光器において記録した。化学シフトは、百万分率(ppm)において報告する。H NMRスペクトル(CDClおよびC)について、残留溶媒ピークを内部参照として(CDClにおいては7.26ppm;Cにおいては7.16ppm)、一方、中心溶媒ピークを13C NMRスペクトルのための参照として(CDClにおいては77.0ppm;Cにおいては128.0ppm)用いた。報告されるスペクトルデータにおいて、以下の略語を用いた:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重線、td=三重二重線(triplet doublet)、qd=四十二重線(quartet doublet)。Agilent 6210 Time-of-Flight LC/MCマシンにおいて、高分解能質量スペクトル(HRMS)を得、m/zの単位において報告した。旋光度は、20℃で、Perkin-Elmer 241偏光計を用いて測定した。IRスペクトルは、Bruker Alpha FT-IR分光器において記録した。分析的および半調製的薄層クロマトグラフィー(TLC)は、層厚がそれぞれ0.25および1.00mmの、E. MerckプレコートTLCプレート、シリカゲル60 F254、を用いて行った。TLCプレートは、p−アニスアルデヒドまたはホスホモリブデン酸染料による染色により可視化した。E. Merck Kieselgel 60(230〜400メッシュ)シリカゲル上で、フラッシュクロマトグラフィー分離を行った。全ての湿度感受性反応は、不活性な大気下において行った。
実験材料
ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン(98%、Strem Chemimcals)、1,2−ビス[ビス[3,5−ジ(t−ブチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン(97%+、Wako Pure Chemicals)、臭化鉄(II)(FeBr、〜10メッシュ、99.999%、Sigma-Aldrich)、エチル4−クロロ−4−オキソブチレート(97%、Alfa Aesar)、塩化リチウム(≧99%、Sigma-Aldrich)、マンガン(≧99.9%、Sigma-Aldrich)、塩化銅(II)(CuCl、99%、Sigma-Aldrich)、ヨウ化銅(I)(CuI、≧99.5%、Sigma-Aldrich)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)二塩化物(CpZrCl、≧98%、Sigma-Aldrich)、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート(95%、Oakwood Chemical)、1,2−1,2−ジメトキシエタン(DME、99.5%、阻害剤フリー、Sigma-Aldrich)は、示されるとおりに購入し、さらなる精製なしで用いた。他のものは、商業用等級であり、供給されたままで用いた。
鉄錯体の合成
鉄(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)(Fe(TMHD)) 4の合成
テフロンコートされた卵型の磁性スタラーバー(2.5cm)および還流濃縮器を備えた、オーヴン乾燥した500mLの二口フラスコに、エタノール(100mL)中の塩化鉄(III)六水和物(10g、36.9mmol)の溶液を加え、その後、水(100mL)、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート(20.04g、110.1mmol)および酢酸ナトリウム(15.0g、110.1mmol)を加えた。反応フラスコを、60℃まで3時間かけて加熱し、この時点において、橙色の沈殿が形成された。反応混合物を室温まで冷却し、100mLの水を、反応混合物に導入した。橙色の固体を濾過し、200mLのエタノールで洗浄した。生じた橙色の固体(19.3g)を、12時間かけて高圧化において乾燥させた。再結晶化:上で得られた橙色の固体(19.3g)を、60℃まで加熱しながら300mLの酢酸エチル中で溶解した。酢酸エチル溶液を、濾紙を通して濾過し、生じた濾過物(酢酸エチル)を、減圧下において濃縮し、純粋な結晶性の橙色の固体4(18.3g)を82%の収率において生じた。
FeBr(dppb) 5aの合成
磁性スタラーバーおよび還流濃縮器を備えた、オーヴン乾燥した200mLの二口フラスコに、エタノール(70mL)中の無水臭化鉄(II)(1.5g、6.95mmol)および1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン(3.41g、7.65mmol)の溶液を加えた。反応フラスコを、80℃まで18時間かけて加熱し、この時点において、淡褐色の沈殿が形成された。反応混合物を、室温まで冷却した。褐色固体を濾過し、100mLのエタノールで乾燥させた。生じた黄色がかった褐色固体5a(3.54g、77%)を、高圧化において12時間かけて乾燥させた。
FeBr(SciOPP) 5bの合成
例えば、Takaya, H.; Nakajima, S.; Nakagawa, N.; Isozaki, K.; Iwamoto, T.; Imayoshi, R.; Gower, N. J.; Adak, L.; Hatakeyama, T.; Honma, T.; Takagaki, M.; Sunada, Y.; Nagashima, H.; Hashizume, D.; Takahashi, O.; Nakamura, M. Bull. Chem. Soc. Jpn. 2015, 88, 410 - 418を参照。磁性スタラーバーおよび還流濃縮器を備えた、オーヴン乾燥した200mLの二口フラスコに、エタノール(70mL)中の無水臭化鉄(II)(1.5g、6.95mmol)および1,2−ビス(ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ)ベンゼン(6.84g、7.65mmol)の溶液を加えた。反応フラスコを、80℃まで18時間かけて加熱し、この時点において、淡褐色の沈殿が形成された。反応混合物を、室温まで冷却した。褐色固体を濾過し、50mLの熱いエタノールで乾燥させた。生じた淡褐色固体5b(5.01g、65%)を、高圧化において、12時間かけて乾燥させた。
基質の合成
化合物1d、1mは、文献の手順に従って調製した。例えば、Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 7178 - 7186; Thornton, A. R.; Martin, V. I.; Blakey, A. B. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 2434 - 2435を参照。
一般的手順A
0℃のCHCl(10mL)中のアルコール(1.0当量)の撹拌溶液に、塩化シリル(1.1当量)およびイミダゾール(1.5当量)を添加した。反応混合物を室温にし、出発材料が消費されるまで撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO(10mL)の添加によりクエンチした。CHCl(3×10mL)で水層を抽出し、有機抽出物を、HO(2×10mL)および鹹水で洗浄した。洗浄した有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を得た。
一般的手順B
0℃のCHCl(10mL)中のアルコール(1.0当量)の撹拌溶液に、PPh(1.1当量)、イミダゾール(1.2当量)およびヨウ素(1.1当量)を添加した。反応混合物を、TLCプレート上の出発材料がなくなるまで、室温で撹拌した。水性ハイポ(hypo)溶液(10mL)の添加により反応をクエンチし、30分間撹拌した。有機層を分離し、水相をCHCl(2×10mL)で抽出した。組み合わせた有機物を乾燥させ、濃縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋なアルキルヨウ化物を得た。
基質の合成:アルキルハライド
化合物1a
1aは、3−ヨード−プロパン−1−オールから、一般的手順Aに従って調製した。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.73 - 7.65 (m, 4H), 7.23 - 7.18 (m, 6H), 3.48 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.94 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.68 - 1.58 (m, 2H), 1.10 (s, 9H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 135.6, 133.6, 129.7, 127.7, 63.0, 35.9, 26.7, 26.7, 19.1, 2.7; IR (neat) v 2929, 2856, 1426, 1104, 822, 686, 488; C19H25INaOSiについて計算されたHRMS (ESI) [M + Na]+ : 460.0612, 実測値447.0600.
化合物1b
1aは、一般的手順Aに従って、3−ヨード−2−メチルプロパン−1−オール(例えば、Fleming, F. F.; Gudipati, S.; Vu, V.A.; Mycka, R. J.; Knochel, P. Org. Lett. 2007, 9, 4507 - 4509を参照)から調製した。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6): δ 7.76 - 7.68 (m, 4H), 7.24 - 7.18 (m, 6H), 3.43 (dd, J = 10.1, 5.1 Hz, 1H), 3.36 (dd, J = 10.1, 6.7 Hz, 1H), 3.06 - 3.00 (m, 2H), 1.42 - 1.35 (m, 1H), 1.11 (s, 9H), 0.68 (d, J = 6.7 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 135.7, 135.6, 133.6, 133.5, 129.7, 129.7, 127.7, 67.2, 37.3, 26.7, 19.1, 16.8, 12.8; IR (neat) v 2958, 2929, 2856, 1426, 1104, 848, 698, 484; C20H28IOSi [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 439.0949, 実測値439.0932.
化合物1c
1cは、一般的手順Aと、その後の一般的手順Bに従って、2,2−ジメチル−ブタン−1,3−ジオールから調製した。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.79 - 7.71 (m, 4H), 7.27 - 7.17 (m, 6H), 3.35 (s, 2H), 3.06 (s, 2H), 1.13 (s, 9H), 0.80 (s, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 135.8, 133.4, 129.7, 127.7, 70.3, 35.8, 26.8, 23.6, 20.0, 19.2; IR (neat) v 2958, 2929, 2856, 1427, 1105, 823, 699, 503, 487; C21H30IOSi [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 453.1105, 実測値453.1127.
化合物1e
1eは、一般的手順Aに従って、3−ヨード−3−メチルブタン−1−オールから調製した(例えば、Turhanen, P. A.; Vepsalainen, J. J. RSC Adv. 2015, 5, 26218 - 26222を参照)。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.79 - 7.72 (m, 4H), 7.24 - 7.19 (m, 6H), 3.90 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.81 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.64 (s, 6H), 1.14 (s, 9H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 135.6, 133.6, 129.7, 127.8, 64.3, 51.9, 47.6, 38.3, 26.7, 19.0; IR (neat) v 2954, 2930, 2854, 1428, 1107, 824, 701, 502, 485; C21H30IOSi [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 453.1105, 実測値453.1122.
化合物1f
1fは、一般的手順Aに従って、3−ヨード−2−メチルプロパン−1−オールから調製した。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 3.29 (dd, J = 9.9, 5.0 Hz, 1H), 3.21 (dd, J = 9.9, 6.7 Hz, 1H), 3.02 - 2.94 (m, 2H), 1.36 - 1.27 (m, 1H), 0.91 (s, 9H), 0.71 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.01 (s, 3H), -0.00 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 66.4, 37.1, 25.7, 18.1, 16.8, 13.0, -5.6; IR (neat) v 2954, 2928, 2856, 1470, 1250, 1097, 833, 773; C10H23INaOSi [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 337.0455, 実測値337.0450.
化合物1g
塩化ベンゾイル(1.2当量)を、CHCl(10mL)中の3−ヨード−2−メチルプロパン−1−オール(1.0当量)およびEtN(2.0当量)の撹拌溶液に0℃で添加した。0℃で1時間および室温で6時間にわたり撹拌した後、反応混合物を水中に注いだ。水層をCHCl(2×10mL)で抽出し、組み合わせた有機層をNaSO上で乾燥および蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる粗生成物の精製により、表題の化合物1gを、95%の収率において得た。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 8.08 - 8.03 (m, 2H), 7.12 - 7.06 (m, 1H), 7.05 - 6.98 (m, 2H), 3.98 (dd, J = 11.0, 5.7 Hz, 1H), 3.90 (dd, J = 11.1, 6.9 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 9.9, 5.0 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 10.0, 6.1 Hz, 1H), 1.50 - 1.41 (m, 1H), 0.65 (d, J = 6.7 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 165.5, 132.6, 130.4, 129.5, 128.2, 67.8, 34.2, 17.0, 11.1; IR (neat) v 2964, 2887, 1715, 1450, 1266, 1108, 706; C11H13INaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 326.9852, 実測値326.9851.
化合物1h
無水CHCl(10mL)中の3−ヨード−2−メチルプロパン−1−オール(1.0当量)の溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(2.0当量)およびPTSA(10mol%)を0℃で加え、次いで室温で2時間撹拌した。反応混合物を、次いで、NaHCO水溶液(10mL)および水(3×30mL)で洗浄した。組み合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、THP生成物1hを、ジアステレオマーの1:1の混合物として得た。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.49 - 4.42 (m, 1H), 3.78 - 3.65 (m, 1H), 3.55 (dd, J = 9.7, 5.4 Hz, 0.5H), 3.50 (dd, J = 9.7, 7.1 Hz, 0.5H), 3.41 - 3.30 (m, 1H), 3.07 - 2.95 (m, 3H), 1.69 - 1.57 (m, 1H), 1.52 - 1.44 (m, 3H), 1.40 - 1.26 (m, 1H), 1.25 - 1.16 (m, 2H), 0.77 (d, J = 6.7 Hz, 1.5H), 0.75 (d, J = 6.7 Hz, 1.5H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ (98.6, 98.0) (THP), (71.0, 70.6) (-CH2-O), (61.4, 61.2) (THP), (35.2, 35.1) (-CH-) (-CH-CH3), (30.5, 30.5) (THP), (25.5, 25.5) (THP), (19.3, 19.1) (THP), (17.4, 17.2) (-CH-CH3), (13.4, 13.1) (-CH2-I); IR (neat) v 2939, 2868, 1453, 1199, 1031, 884, 869; C9H17INaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 307.0165, 実測値307.0164.
化合物1i
ピリジニウムp−トルエンスルホナート(10mol%)を、CHCl(10mL)中の3−ヨード−2−メチルプロパン−1−オール(1.0当量)および4−メトキシベンゾイルトリクロロアセトイミデート(1.2当量)の溶液に添加した。混合物を一晩撹拌し、その後、反応を飽和NaHCO水溶液でクエンチした。水相をCHCl(2×10mL)で抽出し、組み合わせた有機抽出物を、NaSO上で乾燥および蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物1iを無色のオイルとして得た。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.17 - 7.13 (m, 2H), 6.80 - 6.76 (m, 2H), 4.22 (s, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.09 - 3.02 (m, 2H), 3.02 - 2.96 (m, 2H), 1.49 - 1.40 (m, 1H), 0.73 (d, J = 6.7 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 159.4, 130.6, 129.1, 113.7, 73.4, 72.6, 54.5, 35.1, 17.3, 13.5; IR (neat) v 2958, 2855, 1611, 1510, 1243, 1086, 1033, 816, 579; C12H17INaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 343.0165, 実測値343.0168.
化合物1j
1jは、一般的手順Bを用いて、5−ヨードへキス−5−エン−1−オールから調製した(例えば、Johannes, J. W.; Wenglowsky, S.; Kishi, Y. Org. Lett. 2005, 7, 3997 - 4000を参照)。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 5.52 - 5.49 (m, 1H), 5.45 (s, 1H), 2.56 - 2.50 (m, 2H), 1.87 (td, J = 7.0, 1.3 Hz, 2H), 1.28 - 1.13 (m, 4H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) 125.4, 111.4, 43.7, 31.6, 29.5, 5.3; IR (neat) v 2934, 2832, 1614, 1425, 1165, 1154, 890, 723, 492; C6H11I2 [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 336.8944, 実測値336.8938.
化合物1k
1kは、一般的手順Bを用いて、5−ブロモへキス−5−エン−1−オールから調製した(例えば、Ruscoe, R. E.; Fazakerley, N. J.; Huang, H.; Flitsch, S.; Procter, D. J. Chem. Eur. J. 2016, 22, 116-119を参照)。1H NMR (600 MHz, ベンゼン-d6) δ 5.15 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.05 - 5.03 (m, 1H), 2.52 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.89 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.29 - 1.15 (m, 4H); 13C NMR (150 MHz, ベンゼン-d6) δ 136.5, 119.1, 42.5, 34.5, 31.0, 7.9; IR (neat) v 2938, 2859, 1627, 1426, 1212, 1167, 885, 737, 518; C6H10IBrNa [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 310.8903, 実測値310.8895.
化合物1l
1lは、一般的手順Bを用いて、3−(4−ヨードフェニル)プロパン−1−オールから調製した(例えば、Miyajima, D.; Araoka, F.; Takezoe, H.; Kim, J.; Kato, K.; Takata, M.; Aida, T. Angew. Chem., Int. Ed. 2011, 50, 7865 - 7869を参照)。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.37 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.41 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 2.56 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.12 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.56 - 1.47 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 139.7, 137.4, 130.4, 91.3, 35.3, 34.3, 5.5; IR (neat) v 2934, 1483, 1398, 1209, 1005, 830, 507, 495; C9H11I2 [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 372.8945, 実測値372.8938.
化合物1q
1lは、一般的手順Aを用いて、6−(トリエチルシリル)へキス−5−イン−1−オールから調製した。1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 2.60 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.85 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.51 (p, J = 7.1 Hz, 2H), 1.20 (p, J = 7.1 Hz, 2H), 1.08 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.62 (q, J = 7.9 Hz, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 107.6, 82.0, 32.3, 29.1, 18.6, 7.5, 5.2, 4.6; IR (neat) v 2952, 2910, 2872, 2171, 1457, 1210, 1017, 687; C12H24ISi [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 323.0687, 実測値323.0680.
ケトン合成についての一般的手順
方法A
1,2−ジメトキシエタン(C 0.4M)中のアルキルヨウ化物1a〜q(1.0当量)、酸塩化物2a(3.0当量)に、マンガン(2.0当量)、塩化銅(II)(1.0当量)、塩化リチウム(3.0当量)および鉄(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート) 4(10mol%)を添加した。反応混合物を、0℃まで冷却し、15時間にわたり同じ温度で激しく撹拌した。反応の完了後、フロロシル(florosil)を添加し、30分間にわたり0℃で撹拌し、Celiteのパッドを通して濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、濾過物を無水NaSO上で乾燥させ、ロータリー・エバポレーター下において濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを通しての精製により、所望されるケトン3a〜qを生じた。
方法B−1
1,2−ジメトキシエタン(C 0.4M)中のアルキルヨウ化物1a〜q(1.2当量)、酸塩化物2a(1.0当量)に、マンガン(2.0当量)、塩化銅(II)(1.0当量)、塩化リチウム(3.0当量)およびFeBr(dppb)5a(5mol%)を添加した。反応混合物を、0℃まで冷却し、15時間にわたり同じ温度で激しく撹拌した。反応の完了後、フロロシルを添加し、30分間にわたり0℃で撹拌し、Celiteのパッドを通して濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、濾過物を無水NaSO上で乾燥させ、ロータリー・エバポレーター下において濃縮した。濃縮後、塩基性アルミナカラムクロマトグラフィーを通しての精製により、所望されるケトン3a〜qを生じた。
方法B−2
1,2−ジメトキシエタン(C 0.4M)中のアルキルヨウ化物1a〜q(1.0当量)、酸塩化物2a(1.2当量)に、マンガン(2.0当量)、塩化銅(II)(1.0当量)、塩化リチウム(3.0当量)およびFeBr(dppb)5a(5mol%)を添加した。反応混合物を、0℃まで冷却し、15時間にわたり同じ温度で激しく撹拌した。反応の完了後、フロロシルを添加し、30分間にわたり0℃で撹拌し、Celiteのパッドを通して濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、濾過物を無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、ロータリー・エバポレーター下において濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを通しての精製により、所望されるケトン3a〜qを生じた。
方法C
1,2−ジメトキシエタン(C 0.4M)中のアルキルヨウ化物1a〜q(1.0当量)、チオエステル2b(1.2当量)に、マンガン(2.0当量)、ヨウ化銅(I)(1.0当量)、塩化リチウム(3.0当量)、CpZrCl(1.0当量)およびFeBr(dppb)5a(5mol%)を添加した。反応混合物を、0℃まで冷却し、15時間にわたり同じ温度で激しく撹拌した。反応の完了後、フロロシルを添加し、30分間にわたり0℃で撹拌し、Celiteのパッドを通して濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、濾過物を無水NaSO上で乾燥させ、ロータリー・エバポレーター下において濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを通しての精製により、所望されるケトン3a〜qを生じた。
化合物3a
収率:76%(方法A)、90%(方法B−1)、87%(方法B−2)、80%(方法C);1H NMR (600 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.73 - 7.68 (m, 4H), 7.22 - 7.17 (m, 6H), 6.94 - 6.90 (m, 2H), 6.74 - 6.70 (m, 2H), 3.54 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.74 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.24 (td, J = 7.6, 1.2 Hz, 2H), 2.08 - 2.03 (m, 2H), 1.78 - 1.72 (m, 2H), 1.12 (s, 9H); IR (neat) v 2953, 2930, 1712, 1511, 1244, 1105, 1035, 822, 700, 503; C29H37O3Si [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 461.2506, 実測値461.2508. See, 例えば、Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 7178 - 7186.
化合物3b
収率:74%(方法A)、86%(方法B−1)、83%(方法B−2)、78%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.76 - 7.72 (m, 4H), 7.24 - 7.19 (m, 6H), 6.95 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.75 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 3.48 - 3.39 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 2.81 - 2.75 (m, 2H), 2.36 - 2.23 (m, 4H), 1.88 - 1.79 (m, 1H), 1.14 (s, 9H), 0.83 (d, J = 6.7 Hz, 3H); IR (neat) v 2956, 2930, 1711, 1512, 1245, 1110, 1036, 823, 701, 504; C30H39O3Si [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 475.2663, 実測値475.2675. Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 7178 - 7186.
化合物3c
収率:72%(方法A)、80%(方法B−1)、80%(方法B−2)、72%(方法C);1H NMR (600 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.76 - 7.70 (m, 4H), 7.24 - 7.16 (m, 6H), 6.97 - 6.90 (m, 2H), 6.75 - 6.71 (m, 2H), 3.47 (s, 2H), 3.28 (s, 3H), 2.77 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.34 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.15 (s, 2H), 1.13 (s, 9H), 0.94 (s, 6H); IR (neat) v 2955, 2930, 2587, 1712, 1512, 1246, 1111, 1037, 824, 701; C31H41O3Si [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 489.2819, 実測値489.2842. Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 7178 - 7186.
化合物3d
収率:74%(方法A)、80%(方法B−1)、80%(方法B−2)、74%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.72 - 7.67 (m, 4H), 7.22 - 7.16 (m, 6H), 6.97 - 6.93 (m, 2H), 6.75 - 6.70 (m, 2H), 3.59 - 3.50 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 2.81 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.48 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 2.45 - 2.41 (m, 2H), 1.95-1.86 (m, 1H), 1.38 - 1.31 (m, 1H), 1.11 (s, 9H), 0.80 (d, J = 7.0 Hz, 3H); IR (neat) v 2956, 2930, 1709, 1512, 1245, 1109, 822, 701, 503; C30H39O3Si [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 475.2663, 実測値475.2680. Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 7178 - 7186.
化合物3f
収率:78%(方法A)、90%(方法B−1)、86%(方法B−2)、81%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.97 - 6.93 (m, 2H), 6.76 - 6.73 (m, 2H), 3.33 (dd, J = 9.7, 5.4, 1H), 3.31 (s, 3H), 3.25 (dd, J = 9.7, 6.0, 1H), 2.79 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.40 - 2.24 (m, 3H), 2.24 - 2.16 (m, 1H), 1.88 - 1.85 (dd, J = 15.8, 7.0 Hz, 1H), 0.93 (d, J = 0.8 Hz, 9H), 0.82 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.00 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 207.4, 158.2, 133.3, 129.2, 113.8, 67.4, 54.4, 46.2, 44.7, 31.7, 28.9, 25.8, 18.1, 16.6, -5.7; C20H34NaO3Si [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 373.2169, 実測値373.2169.
化合物3g
収率:81%(方法A)、90%(方法B−1)、90%(方法B−2)、90%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 8.14 - 8.09 (m, 2H), 7.11 - 7.01 (m, 3H), 6.93 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.77 - 6.71 (m, 2H), 4.03 (dd, J = 10.8, 6.0 Hz, 1H), 3.96 (dd, J = 10.8, 6.4 Hz, 1H), 3.29 (s, 3H), 2.82 - 2.68 (m, 2H), 2.44 - 2.33 (m, 1H), 2.28 - 2.15 (m, 2H), 2.02 (dd, J = 16.9, 5.8 Hz, 1H), 1.74 (dd, J = 16.9, 7.6 Hz, 1H), 0.76 (d, J = 6.8 Hz, 3H); IR (neat) v 2958, 2935, 1711, 1511, 1270, 1109, 828, 710, 544, 519; C21H24NaO4 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 363.1567, 実測値363.1575. Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 7178 - 7186.
化合物3h
収率:75%(方法A)、85%(方法B−1)、84%(方法B−2)、80%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.99 - 6.94 (m, 2H), 6.78 - 6.72 (m, 2H), 4.50 - 4.45 (m, 1H), 3.77 - 3.69 (m, 1H), 3.60 (dd, J = 9.4, 5.9 Hz, 0.5H), 3.51 (dd, J = 9.4, 6.9 Hz, 0.5H), 3.39 - 3.32 (m, 1H), 3.30 (s, 3H), 3.12 (dd, J = 9.4, 5.3 Hz, 0.5H), 3.04 (dd, J = 9.3, 6.5 Hz, 0.5H), 2.84 - 2.77 (m, 2H), 2.41 - 2.29 (m, 4.5H), 2.25 (dd, J = 16.3, 6.1 Hz, 0.5H), 1.90 (dd, J = 7.3, 3.0 Hz, 0.5H), 1.87 (dd, J = 7.3, 3.3 Hz, 0.5H), 1.73 - 1.62 (m, 1H), 1.57 - 1.50 (m, 2H), 1.37 - 1.28 (m, 1H), 1.28 - 1.17 (m, 1H), 0.86 (d, J = 6.8 Hz, 1.5H), 0.84 (d, J = 6.6 Hz, 1.5H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ (207.35, 207.27) (-C=O), 158.23 (MPM-CH-), 133.37 (MPM-CH-), 129.26 (MPM-CH-), 113.84 (MPM-CH-), (98.55, 98.27), (71.88, 71.67), (61.44, 61.41), 54.40, 46.88, (44.69, 44.64), 30.60, (29.76, 29.64), 28.89, 25.54, (19.41, 19.37), (17.09, 17.02); IR (neat) v 2937, 2872, 1710, 1512, 1244, 1177, 1032, 904, 545, 521; C19H28NaO4 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 343.1880, 実測値343.1892.
化合物3i
収率:71%(方法A)、78%(方法B−1)、74%(方法B−2)、70%(方法C);1H NMR (600 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.16 (dd, J = 7.5, 1.3 Hz, 2H), 6.94 - 6.90 (m, 2H), 6.79 - 6.75 (m, 2H), 6.74 - 6.70 (m, 2H), 4.22 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 3.12 (dd, J = 9.0, 5.3 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 9.0, 6.7 Hz, 1H), 2.76 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.39 - 2.32 (m, 2H), 2.32 - 2.25 (m, 2H), 1.86 (dd, J = 16.3, 7.2 Hz, 1H), 0.82 (d, J = 6.7 Hz, 3H); IR (neat) v 2954, 2932, 1710, 1512, 1245, 11177, 1034, 819; C22H27O3 [M + H-H2O]+について計算されたHRMS (ESI): 339.1955, 実測値339.1969. Lee, J. H.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 7178-7186.
化合物3j
収率:76%(方法A)、86%(方法B−1)、83%(方法B−2)、79%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.96 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.62 - 5.60 (m, 1H), 5.50 (s, 1H), 3.31 (s, 3H), 2.76 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.21 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.03 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 1.78 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.34 - 1.26 (m, 2H), 1.25 - 1.17 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 207.3, 158.3, 133.2, 129.3, 125.2, 113.9, 112.1, 54.4, 44.9, 44.1, 42.0, 29.0, 28.5, 22.0; IR (neat) v 2932, 2859, 2833, 1710, 1611, 1510, 1242, 1176, 1033, 824, 542; C16H21INaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 395.0478, 実測値395.0468.
化合物3k
収率:74%(方法A)、85%(方法B−1)、83%(方法B−2)、80%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.98 - 6.94 (m, 2H), 6.78 - 6.74 (m, 2H), 5.23 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.18 - 5.16 (m, 1H), 3.31 (s, 3H), 2.76 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.22 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.07 (td, J = 7.1, 1.1 Hz, 2H), 1.79 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.36 - 1.23 (m, 4H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 207.3, 158.3, 134.3, 133.2, 129.3, 116.3, 113.9, 54.4, 44.1, 41.9, 41.0, 28.9, 27.3, 22.2; IR (neat) v 2937, 2834, 1712, 1512, 1245, 1178, 1035, 826; C16H21BrNaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 347.0617, 実測値347.0615.
化合物3l
収率:75%(方法A)、86%(方法B−1)、86%(方法B−2)、81%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.42 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.75 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.48 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 3.31 (s, 3H), 2.75 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.19 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.14 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.79 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.64 - 1.55 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 207.3, 158.3, 141.2, 137.3, 133.2, 130.4, 129.3, 113.9, 90.9, 54.4, 44.1, 41.3, 34.2, 28.9, 24.7; IR (neat) v 2940, 2865, 1701, 1510, 1240, 1178, 1028, 1006, 816, 794, 508; C19H22IO2 [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 409.0659, 実測値409.0662.
化合物3m
収率:74%(方法A)、87%(方法B−1)、84%(方法B−2)、80%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 7.24 - 7.20 (m, 2H), 6.97 - 6.93 (m, 2H), 6.77 - 6.73 (m, 2H), 6.61 - 6.57 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 2.75 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.19 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.17 - 2.13 (m, 2H), 1.79 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.63 - 1.56 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 207.3, 158.3, 140.6, 133.2, 131.3, 130.1, 129.3, 119.6, 113.9, 54.4, 44.1, 41.3, 34.1, 28.9, 24.7; IR (neat) v 2933, 2834, 1709, 1511, 1242, 1176, 1033, 818, 513; C19H21BrNaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 383.0617, 実測値383.0609.
化合物3n
収率:72%(方法A)、76%(方法B−1)、74%(方法B−2)、70%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.92 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.75 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 3.30 (s, 3H), 3.07 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.70 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.15 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.69 - 1.61 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 206.7, 158.3, 133.0, 129.2, 113.9, 54.4, 44.1, 44.0, 38.9, 28.8, 26.2; IR (neat) v 2955, 2835, 1712, 1512, 1245, 1178, 1034, 827; C13H17ClNaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 263.0809, 実測値263.0813.
化合物3o
収率:15%(方法A)、30%(方法B−1)、25%(方法B−2)、21%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.94 - 6.90 (m, 2H), 6.78 - 6.73 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 2.92 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.70 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.14 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.89 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.76 - 1.68 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 206.5, 158.3, 133.0, 129.2, 113.9, 54.4, 44.0, 40.2, 33.1, 28.8, 26.3; IR (neat) v 2954, 2934, 1711, 1511, 1243, 1177, 1034, 827, 552, 521; C13H18BrO2 [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 285.0485, 実測値285.0478.
化合物3p
収率:25%(方法A)、36%(方法B−1)、35%(方法B−2)、36%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.97 - 6.91 (m, 2H), 6.78 - 6.72 (m, 2H), 3.33 (dd, J = 10.0, 4.2 Hz, 2H), 3.31 (s, 3H), 2.74 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.26 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.03 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.84 (bs, 1H), 1.65 - 1.57 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 208.9, 158.2, 133.2, 129.3, 113.9, 61.6, 54.4, 44.2, 39.1, 28.9, 26.6; IR (neat) v 3409, 2933, 2835, 1707, 1511, 1242, 1177, 1056, 826, 542, 520; C13H17O2 [M + H-H2O]+について計算されたHRMS (ESI): 205.1233, 実測値205.1219.
化合物3q
収率:75%(方法A)、86%(方法B−1)、82%(方法B−2)、78%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.95 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 3.31 (s, 3H), 2.75 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.21 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.99 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.82 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.56 - 1.49 (m, 2H), 1.29 - 1.22 (m, 2H), 1.09 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.64 (q, J = 7.9 Hz, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 207.2, 158.3, 133.3, 129.2, 113.9, 108.3, 81.7, 54.4, 44.0, 41.7, 28.9, 28.1, 22.6, 19.6, 7.5, 4.7; IR (neat) v 2951, 2910, 2170, 1713, 1512, 1244, 1035, 825, 723; C22H34NaO2Si [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 381.2220, 実測値381.2208.
化合物15
収率:72%(方法A)、75%(方法B−1)、70%(方法C);1H NMR (400 MHz, ベンゼン- d6) δ 6.99 - 6.89 (m, 2H), 6.78 - 6.69 (m, 2H), 5.63 (ddt, J = 16.9, 10.3, 6.6 Hz, 1H), 4.94 - 4.84 (m, 2H), 3.27 (s, 3H), 2.73 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.16 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 1.90 (t, J = 7.4 Hz, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン- d6) δ 206.7, 158.3, 137.3, 133.2, 129.2, 114.7, 113.9, 54.4, 44.1, 41.5, 28.8, 27.6; C14H19O2 [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 219.1380, 実測値219.1387.
化合物17
収率:75%(方法A)、84%(方法B−1)、79%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.96 - 6.92 (m, 2H), 6.74 - 6.70 (m, 2H), 5.68 - 5.59 (m, 1H), 4.97 - 4.90 (m, 2H), 3.93 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.28 (s, 3H), 2.80 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.40 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.81 (dd, J = 14.3, 7.3 Hz, 2H), 1.39 - 1.30 (m, 2H), 1.22 - 1.12 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 171.9, 158.3, 138.2, 132.6, 129.2, 114.5, 113.8, 63.8, 54.4, 36.0, 33.2, 30.2, 28.1, 25.1; IR (neat) v 2934, 2859, 1730, 1612, 1512, 1244, 1175, 1035, 823, 544, 520; C16H22NaO3 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 285.1461, 実測値285.1460.
化合物19/20
収率:78%(方法A)、70%(方法B−1)、78%(方法C);1H NMR (500 MHz, ベンゼン- d6) δ 7.00 - 6.93 (m, 2H), 6.79 - 6.72 (m, 2H), 5.69 (ddt, J = 16.9, 10.1, 6.7 Hz, 1H), 5.02 - 4.90 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 2.77 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.24 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.87 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.42 (dt, J = 15.3, 7.3 Hz, 2H), 1.21 - 1.10 (m, 4H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン- d6) δ 207.5, 158.3, 138.4, 133.3, 129.3, 114.4, 113.8, 54.4, 44.1, 42.3, 33.5, 28.9, 28.3, 23.0; IR (neat) v 2933, 2859, 2835, 1710, 1511, 1243, 1176, 1034, 824, 545, 521; C16H22NaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI) : 269.1512, 実測値269.1500.
(R)−2,4−ジヨード−3−メチルブト−1−エン(7)
化合物7は、文献の手順に従って合成した(例えば、Kim, D.-S.; Dong, C.-G.; Kim, J. T.; Guo, H.; Huang, J.; Tiseni, P. S.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 15636 - 15641.を参照)。MP: 20℃; [α]D 23-19.2 (c 0.5, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 5.65 - 5.59 (m, 1H), 5.51 (dd, J = 1.8, 0.6 Hz, 1H), 2.73 (dd, J = 10.0, 7.3 Hz, 1H), 2.65 (dd, J = 10.0, 6.0 Hz, 1H), 1.71 - 1.62 (m, 1H), 0.71 (d, J = 6.6 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 126.0, 117.7, 48.2, 20.6, 12.1; IR (neat) v 2966, 2926, 1607, 1370, 1200, 1166, 896, 783, 614, 541; C5H8I2 [M]+について計算されたHRMS (ESI) : 321.8721, 実測値321.8715.
(S)−2−ブロモ−4−ヨード−3−メチルブト−1−エン(S−1)
化合物S−1は、改変された文献の手順に従って合成した(Kim, D.-S.; Dong, C.-G.; Kim, J. T.; Guo, H.; Huang, J.; Tiseni, P. S.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 15636 - 15641). [α]D 23-17.8 (c 1.3, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 5.21 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 5.15 - 5.13 (m, 1H), 2.83 (dd, J = 10.0, 7.1 Hz, 1H), 2.74 (dd, J = 10.0, 6.0 Hz, 1H), 2.12 - 2.04 (m, 1H), 0.78 (d, J = 6.6 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 137.28, 117.25, 45.98, 19.36, 10.45; IR (neat) v 2971, 2926, 1622, 1372, 1205, 1172, 892, 788, 564; C5H8IBr [M]+について計算されたHRMS (ESI): 273.8849, 実測値273.7850.
(R)−エチル7−ヨード−6−メチル−4−オキソオクト−7−エノエート(8a)
触媒としてのFe(TMHD):テフロンコートされた卵型の磁性スタラーバーを備えた、オーヴン乾燥した500mLの一口フラスコに、鉄(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)4(4.23g、6.99mmol)、マンガン(5.11g、93.2mmol)、塩化銅(II)(6.26g、46.6mmol)、塩化リチウム(5.91g、139.8mmol)および1,2−ジメトキシエタン(50mL)を室温で加えた。1,2−ジメトキシエタン(66mL)中の(R)−2,4−ジヨード−3−メチルブト−1−エン(7)(15.0g、46.6mmol)の溶液を、上の一口フラスコ中に加え、エチル4−クロロ−4−オキソブタノエート(6)(22.93g、139.8mmol)を反応混合物中に添加した。反応混合物を、0℃まで冷却し、反応混合物を、窒素雰囲気下において15分間にわたり撹拌した。反応が完了した後、フロリジル(30g)を反応混合物に添加し、30分間にわたり0℃で撹拌した。反応混合物を、Celiteを通して濾過し、酢酸エチル(100mL)で濾過ケーキを洗浄し、減圧下において濃縮して粗生成物を得、これを次いで、塩基性アルミナ上でのEtOAc/ヘキサンを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、11.32gの(R)−エチル7−ヨード−6−メチル−4−オキソオクト−7−エノエート(8a)を、75%の収率において無色の液体として得た。[α]D 23 -14.8 (c 1.0, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 5.81 - 5.74 (m, 1H), 5.49 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 3.89 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.47 - 2.36 (m, 1H), 2.36 - 2.29 (m, 1H), 2.29 - 2.21 (m, 2H), 2.20 - 2.09 (m, 2H), 1.92 (dd, J = 16.8, 7.2 Hz, 1H), 0.91 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 6.6 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 204.7, 171.9, 124.6, 120.6, 60.0, 48.8, 41.7, 37.3, 27.6, 20.7, 13.8; IR (neat) v 2977, 2931, 1730, 1716, 1408, 1197, 1174, 899; C11H18IO3 [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 325.0295, 実測値325.0299.
触媒としてのFeBr(dppb):グローヴボックス中で、磁性スタラーバーを備えた、オーヴン乾燥した250mLの一口フラスコに、FeBr(dppb)(1.03g、1.55mmol)、マンガン(3.41g、62.2mmol)、塩化銅(II)(4.18g、31.1mmol)、塩化リチウム(3.95g、93.3mmol)および1,2−ジメトキシエタン(50mL)を室温で加えた。1,2−ジメトキシエタン(28mL)中の(R)−2,4−ジヨード−3−メチルブト−1−エン(7)(10.0g、31.1mmol)の溶液を、上の一口フラスコ中に加え、エチル4−クロロ−4−オキソブタノエート(6)(7.65g、46.7mmol)を反応混合物中に添加した。反応混合物をグローヴボックスから取り出し、0℃まで冷却した。反応混合物を、窒素雰囲気下において15分間にわたり撹拌した。反応が完了した後、フロリジル(15g)を反応混合物に添加し、30分間にわたり撹拌した。反応混合物を、Celiteを通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(50mL)で洗浄し、減圧下において濃縮して粗生成物を得、これを次いでシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、7.24gの(R)−エチル7−ヨード−6−メチル−4−オキソオクト−7−エノエート(8a)を、72%の収率において無色の液体としてを得た。
触媒としてのFeBr(SciOPP):グローヴボックス中で、テフロンコートされた磁性スタラーバーを備えた、オーヴン乾燥した100mLの一口フラスコに、FeBr(SciOPP)(860mg、0.78mmol)、マンガン(1.7g、31.06mmol)、塩化銅(II)(2.08g、15.8mmol)、塩化リチウム(1.97g、46.5mmol)および1,2−ジメトキシエタン(25mL)を室温で加えた。1,2−ジメトキシエタン(15mL)中の(R)−2,4−ジヨード−3−メチルブト−1−エン(7)(5.0g、15.5mmol)の溶液を、上の一口フラスコ中に加え、エチル4−クロロ−4−オキソブタノエート(6)(3.8g、23.2mmol)を反応混合物中に添加した。反応混合物をグローヴボックスから取り出し、0℃まで冷却した。反応混合物を、窒素雰囲気下において15分間にわたり撹拌した。反応が完了した後、フロリジル(5g)を反応混合物に添加し、30分間にわたり撹拌した。反応混合物を、Celiteを通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(50mL)で洗浄し、減圧下において濃縮して粗生成物を得、これを次いでシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、4.02gの(R)−エチル7−ヨード−6−メチル−4−オキソオクト−7−エノエート(8a)を、80%の収率において無色の液体として得た。
(R)−エチル7−ブロモ−6−メチル−4−オキソオクト−7−エノエート(S−2)
化合物S−2は、8aについての手順に従って、(S)−2−ブロモ−4−ヨード−3−メチルブト−1−エン(S−1)を出発材料として用いて、76%の収率において合成した。[α]D 23 −6.4 (c 0.52, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 5.28 - 5.25 (m, 1H), 5.19 - 5.16 (m, 1H), 3.88 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.93 - 2.85 (m, 1H), 2.41 - 2.33 (m, 2H), 2.29 - 2.21 (m, 1H), 2.20 - 2.06 (m, 2H), 1.98 (dd, J = 16.9, 7.5 Hz, 1H), 0.94 - 0.88 (m, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 204.95, 171.89, 139.95, 115.87, 60.03, 47.49, 39.31, 37.18, 27.60, 19.34, 13.83; IR (neat) v 2974, 2929, 1729, 1714, 1408, 1189, 1172, 898; C11H17BrNaO3 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 299.0253, 実測値299.0261.
C20−C26フラグメントへのさらなる経路
ジクロロメタン(258mL)中の、J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 15636-15641のSupporting Informationにおいて記述された合成方法により得られた出発材料の溶液(25.8g、0.121mol)に、10℃未満で、N雰囲気下において、EtN(50.8mL、0.364mol)を添加し、その後、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(46.6g、0.182mol)を添加した。室温で8時間にわたり撹拌した後、混合物を、10〜15℃において5%のNaCl水溶液(130mL)でクエンチし、二相の混合物を得た。分離した有機層を、5%のNaCl水溶液/5NのHCl=2.5/1(w/w)の混合物、5%のNaHCO水溶液および5%のNaCl水溶液で連続的に洗浄した。有機層を、減圧下において濃縮して、粗材料を得た。この粗材料を、26℃で1−プロパノール(209mL)中に溶解し、15℃まで冷却し、その後、種晶(52mg、0.12mmol)を添加した。この混合物に、1−プロパノール/水=1/3(v/v)(419mL)を10〜14℃で滴加し、0℃まで冷却し、生じた混合物を、4時間にわたり撹拌した。生じた懸濁液を濾過し、1−プロパノール/水=1/2(v/v)でリンスした。回収した固体を、室温で減圧下において乾燥させて、所望される化合物(51.3g、0.119mol、98%)を得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) δ ppm 1.01 (d, J=6.7 Hz, 3H), 2.35 (tq, J=6.7 Hz, 1H), 3.91 (d, J=6.7 Hz, 2H), 5.82 (d, J=1.8 Hz, 1H), 6.21 (s, 1H), 7.65-7.75 (m, 2H), 7.75-7.83 (m, 2H).
アセトン(150mL)中の出発材料(50.0g、0.116mol)の溶液に、NaI(52.2g、0.348mol)を室温でN雰囲気下において添加し、生じた混合物を45℃まで加熱した。25時間にわたり撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、その後n−ヘキサン(500mL)および水(250mL)を添加して、二相の混合物を得た。分離した有機層を、5%のNaHCO水溶液、10%のNa水溶液および水で、連続的に洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させ、Celite(登録商標)パッド通して濾過した。濾過溶液を、減圧下において10〜15℃で濃縮し、粗ヨウ化物を得、これを減圧下において蒸留により精製して(槽温度:86〜94℃、沸点:0.75mmHgで63〜64℃)、純粋なヨウ化物(22.9g、0.071mol、61%)を橙色のオイルとして得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) δ ppm 1.17 (d, J=6.7 Hz, 3H), 2.24 (tq, J=6.6 Hz, 1H), 3.14-3.20 (m, 2H), 5.86 (d, J=1.8 Hz, 1H), 6.20 (s, 1H).
雰囲気下において、グローヴボックス中で、LiCl(1.98g、46.6mmol)、CuCl(0.418g、3.11mmol)、Mn(1.71g、31.1mmol)およびFeBr(dppb)(0.514g、0.777mmol)を、スクリューキャップを有するバイアル中に加えた。バイアルをグローヴボックスから取り出した後で、混合物を、速やかにNを満たした別のフラスコに移した。フラスコをNで洗浄した後で、4℃まで冷却し、無水DME(15mL)を添加し、その後、無水DME(20mL)中のヨウ化物(5.00g、15.5mmol)の溶液を、12℃未満で、撹拌せずに添加した。この混合物に、酸塩化物(3.44mL、28.0mmol)を撹拌することなく11℃未満で滴加した。22時間にわたり4℃で撹拌した後、混合物に、10℃未満でMTBE(75mL)を添加し、その後20%のクエン酸水溶液(50mL)を添加した。30分間にわたり室温で撹拌した後、混合物を、Celite(登録商標)パッドに通し、残渣をMTBEでリンスした。生じた二相の混合物を分離し、水層をMTBEで2回抽出した。組み合わせた有機層を、5%のNaHCO水溶液で乾燥させ、有機層を、減圧下において濃縮して粗い黄色のオイルを得、これをさらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。
MeCN(47mL)中の、前のステップからの粗生成物(粗生成物のいくつかのバッチを組みあわせて、37.3mmolとして計算した)の撹拌溶液に、トリメチルオルトギ酸エステル(6.12mL、56.0mmol)および2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(19.4g、187mmol)と、その後p−TsOH水和物(0.142g、0.746mmol)を、室温で添加した。室温で20時間にわたり撹拌した後、混合物を5℃未満まで冷却し、n−ヘプタン(175mL)で希釈し、その後、5%のNaHCO水溶液(58mL)を添加して、二相の混合物を得た。有機層を分離し、水層をn−ヘプタンで2回抽出した。組み合わせた有機層を、水および5%のNaCl水溶液で連続的に洗浄した。有機層を中性のシリカゲルパッドに通した(70g、溶離液:n−ヘプタン中、0%、1.3%、2%、次いで5%のEtOAc)。回収した画分を、減圧下において濃縮して、淡黄色のオイルを得た。この混合物を、室温でMeOH/水=10/1(v/v)(66mL)中に溶解し、10〜12℃まで冷却した。この混合物に、種晶を添加し、さらに4℃まで冷却し、その後、MeOH/水=3/5(v/v)(57mL)を滴加した。4℃で19時間にわたり撹拌した後、懸濁液を濾過し、冷たいMeOH/水=2/1(v/v)(61mL)でリンスした。回収した固体を、室温で減圧下において乾燥させ、所望される化合物(12.1g、30.5mmol、82%(2ステップにおいて65%))を、白色固体として得た。
1H-NMR (500MHz, C6D6) δ ppm 0.66 (s, 3H), 0.71 (s, 3H), 1.05 (d, J=6.7 Hz, 3H), 1.60 (dd, J=15.0, 5.8 Hz, 1H), 1.97 (dd, J=14.7, 5.5 Hz, 1H), 2.27-2.07 (m, 3H), 2.54 (ddd, J=9.2, 6.7, 2.4 Hz, 2H), 3.32-3.20 (m, 4H), 3.37 (s, 3H), 5.54 (d, J=1.8 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H).
二ヨウ化物10の合成
化合物S−4
3−(トリエチルシリル)プロピオルアルデヒド(例えば、McGee, P.; Bellavance, G.; Korobkov, I.; Tarasewicz, A.; Barriault, L. Chem. Eur. J. 2015, 21, 9662-9665を参照)の1,4−ジオキサン溶液(30mL、1M)に、S−3(5.0g、29.7mmol)、(R)−2−[ビス(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)ヒドロキシメチル]ピロリジンL1(例えば、Hayashi, Y.; Kojima, M.; Yasui, Y.; Kanda, Y.; Mukaiyama, T.; Shomura, H.; Nakamura, D.; Ritmaleni, Sato, I. Chem Cat Chem 2013, 5, 2887 -2892を参照)(1.56g、2.97mmol)、HO(1.6mL、89.1mmol)およびプロパナール(4.3mL、59.5mmol)を室温でを添加した。反応混合物を8時間にわたり室温で撹拌した後、NaBH(2.47g、65.3mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間にわたり撹拌した後、緩衝液(pH=7.0)の添加により反応をクエンチした。有機材料を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、抽出物を水および鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、真空下において濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物のH NMRにより、syn/anti比が8.9:1であることが明らかとなった。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、純粋なアンチ異性体S−4を粘性の液体として得た(5.05g、74%)。[α]D 23 + 5.0 (c 2.5, CHCl3); 1H NMR (600 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.25 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 10.8, 4.1 Hz, 1H), 3.38 (dd, J = 10.7, 6.9 Hz, 1H), 2.71 (bs, 1H), 2.05 (bs, 1H), 1.85 - 1.76 (m, 1H), 1.02 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.91 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.58 (q, J = 7.9 Hz, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 107.9, 86.7, 66.6, 65.7, 41.4, 12.8, 7.4, 4.4; IR (neat) v 3316, 2955, 2875, 2170, 1457, 1279, 1004, 977, 697; C12H24NaO2Si [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 251.1438, 実測値251.1432.
化合物S−5
MeOH/THF(1:1、70mL)中の(2S,3S)−2−メチル−5−(トリエチルシリル)ペンタ−4−イエン−1,3−ジオールS−4(5.0g、21.91mmol)の溶液に、KCO(6.05g、43.82mmol)を添加し、反応を室温で15時間にわたり撹拌した。完了後、反応混合物をヘキサン(100mL)で希釈し、Celiteのパッドを通して濾過した。固体を酢酸エチル(100mL)で洗浄した。濾過物を真空下において濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ジオールS−5を粘性の液体として得た(2.34g、93%)。[α]D 23 - 0.7 (c 0.2, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.13 (ddd, J = 6.9, 5.2, 2.1 Hz, 1H), 3.49 - 3.44 (m, 1H), 3.30 - 3.21 (m, 1H), 2.21 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.03 - 1.98 (m, 1H), 1.77 - 1.65 (m, 1H), 1.39 - 1.34 (m, 1H), 0.83 (dd, J = 7.0, 1.2 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 83.95, 73.23, 65.96, 65.48, 41.06, 12.52; IR (neat) v 3289, 2966, 2934, 1457, 1381, 1025, 64; C6H10NaO2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 137.0573, 実測値137.0565.
化合物S−6
CHCl(66mL)中の1,3−ジオールS−5(2.3g、20.03mmol)撹拌溶液に、TBS−Cl(9.01g、60.09mmol)、イミダゾール(5.45g、80.12mmol)およびDMAP(244mg、2.01mmol)を0℃で添加した。生じた溶液を、室温で10時間にわたり撹拌した。次いで、反応を水(100mL)で希釈し、二層を分離し、水層をCHCl(2×50mL)で洗浄した。組み合わせた有機層を鹹水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空下において濃縮した。粗残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、6.85gのジ−TBS生成物S−6を95%の収率において得た。[α]D 23 - 13.9 (c 2.04, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.64 (ddd, J = 6.0, 2.2, 1.0 Hz, 1H), 3.59 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.05 - 1.96 (m, 2H), 1.07 (dd, J = 6.9, 0.8 Hz, 3H), 0.98 (d, J = 0.9 Hz, 9H), 0.94 (d, J = 0.9 Hz, 9H), 0.21 (s, 3H), 0.13 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.03 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 83.7, 73.3, 64.3, 42.9, 25.7, 25.7, 18.1, 18.1, 11.7, -4.7, -5.4, -5.6, -5.7; IR (neat) v 2929, 2857, 1463, 1251, 1077, 833, 773; C18H38NaO2Si2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 365.2305, 実測値365.2999.
化合物S−7
THF(30mL)中のZrCpCl(8.71mg、29.81mmol)の溶液に、DIBAL−Hの溶液(ヘキサン中1.0M、25.86mL、25.83mmol)を0℃でアルゴン下においてゆっくりと添加した。生じた懸濁液を室温で2時間にわたり撹拌した。反応混合物を、0℃まで冷却し、THF(10mL)中のアセチレンS−6(6.8g、19.87mmol)の溶液。混合物を室温まで加温し、均一な溶液がもたらされるまで撹拌し(ca.2時間)、次いで、−78℃まで冷却し、その後、THF(20mL)中のI(7.55g、29.81mmol)を添加した。30分後、−78℃において、反応混合物の温度をRTまで上昇させ、2時間にわたり撹拌した。反応混合物を1NのHClでクエンチし、エーテルで抽出し、飽和Na、NaHCOおよび鹹水で連続的に洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、表題の化合物ヨウ化ビニルS−7を透明なオイルとして得た(6.53g、70%)。[α]D 23 - 10.2 (c 1.89, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.53 (dd, J = 14.5, 7.0 Hz, 1H), 6.09 (dd, J = 14.5, 1.1 Hz, 1H), 4.07 - 4.04 (m, 1H), 3.47 (dd, J = 10.0, 5.4 Hz, 1H), 3.41 (dd, J = 10.0, 6.4 Hz, 1H), 1.74 - 1.64 (m, 1H), 0.94 (s, 9H), 0.91 (s, 9H), 0.76 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), -0.01 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 147.3, 76.5, 76.3, 64.2, 42.1, 25.8, 25.6, 18.1, 18.0, 11.9, -4.6, -5.3, -5.6, -5.7; IR (neat) v 2954, 2928, 2856, 1471, 1251, 1098, 831, 772, 668; C18H39INaO2Si2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 493.1425, 実測値493.1416.
化合物S−8
4−トルエンスルホン酸(238mg、10mol%)を、MeOH(45mL)中のS−6(6.5g、13.82mmol)の溶液に、0℃で添加した。反応混合物を、この温度で1時間にわたり撹拌し、次いで、EtN(2mL)でクエンチし、30分間にわたり撹拌した。次いで、反応混合物を真空下において濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋なアルコールS−8(4.18g)を、透明な液体として、85%の収率において得た。[α]D 23 -34.2 (c 4.53, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.43 - 6.37 (m, 1H), 6.01 - 5.97 (m, 1H), 3.81 (dd, J = 85.9, 5.9 Hz, 1H), 3.41 - 3.35 (m, 1H), 3.28 - 3.23 (m, 1H), 1.52 - 1.43 (m, 1H), 1.20 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 0.87 (s, 9H), 0.67 (d, J = 7.0 Hz, 3H), -0.05 (s, 3H), -0.07 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 147.5, 78.1, 76.8, 64.3, 41.1, 25.6, 17.9, 12.5, -4.7, -5.3; IR (neat) v 2954, 2928, 2856, 1462, 1252, 1067, 1027, 833, 774, 674; C12H25INaO2Si [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 379.0561, 実測値379.0543.
化合物10
CHCl(40mL)中の一級アルコールS−8(4.1g、11.51mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(3.62g、13.81mmol)およびイミダゾール(1.17g、17.26mmol)を連続的に添加した。完全に溶解した後で、混合物を0℃まで冷却し、ヨウ素(3.79g、14.96mmol)を添加した。0℃で30分後、混合物を室温まで加温し、8時間にわたり撹拌した。溶媒を真空下で除去し、粗生成物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、二ヨウ化物10(4.82g、90%)を無色のオイルとして得た[α]20 D = -1.1 (c 1.77, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.21 (dd, J = 14.5, 7.7 Hz, 1H), 5.89 (dd, J = 14.5, 0.8 Hz, 1H), 3.63 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.00 (dd, J = 9.7, 5.6 Hz, 1H), 2.79 (dd, J = 9.7, 4.7 Hz, 1H), 1.12 - 1.04 (m, 1H), 0.87 (s, 9H), 0.61 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.00 (s, 3H), -0.05 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 146.4, 78.4, 78.1, 40.1, 25.6, 17.9, 16.1, 12.8, -4.5, -5.0; IR (neat) v 2954, 2927, 2855, 1470, 1250, 1080, 1064, 833, 774; C12H25I2OSi [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 466.9759, 実測値466.9750.
9aおよび9bの合成
化合物S−8
DIBAL−H(ヘキサン中1.0M、3.8mL、3.79mmol)を、CHCl(14mL)中のラクトンS−7の溶液に、−78℃で、アルゴン雰囲気下において滴加した。反応混合物を、−78℃で1時間にわたり撹拌し、メタノール(0.2mL)でクエンチし、その後、酒石酸ナトリウムカリウム溶液(10mL)を添加し、生じた溶液を、室温で1時間にわたり撹拌した。有機層を分離し、水層をCHCl(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水および鹹水で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、ラクタル(lactal)を、無色の液体として、定量的な収率において得た。粗生成物を、さらなる精製なしで次の反応に直接用いた。
THF(10mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(4.17g、11.68mmol)の溶液に、0℃でKt−OBu(982mg、8.76mmol)を添加し、生じた橙色の懸濁液を、室温で1時間にわたり撹拌した。THF(4mL)中の上で調製したラクタルの溶液を、シリンジを介して、10分間の期間をかけて0℃で滴加し、懸濁液を、1時間にわたりRTで撹拌した。NHClの飽和水溶液(10mL)を添加し、その後、二相の混合物をEtOAc(20mL)で希釈した。水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下において濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、オレフィンS−8(948mg、2ステップにわたり95%)を無色の液体として生じた。[α]D23 -40.5 (c 1.26, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.21 - 6.12 (m, 1H), 5.15 (dt, J = 17.3, 1.7 Hz, 1H), 5.11 (ddd, J = 10.4, 1.9, 1.2 Hz, 1H), 4.10 (dd, J = 12.3, 1.3 Hz, 1H), 3.91 - 3.89 (m, 1H), 3.80 (dd, J = 12.3, 2.9 Hz, 1H), 3.70 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.58 - 3.53 (m, 1H), 3.02 - 2.93 (m, 1H), 2.71 (dd, J = 9.5, 1.3 Hz, 1H), 2.61 - 2.59 (m, 1H), 2.15 (dt, J = 14.6, 3.0 Hz, 1H), 1.16 (s, 9H), 1.12 (m, 1H), 1.05 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.02 (s, 9H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 142.3, 113.2, 85.1, 76.1, 69.3, 68.3, 63.9, 38.2, 36.6, 27.6, 27.2, 23.0, 20.2, 14.6; IR (neat) v 3504, 2966, 2933, 1473, 1133, 1092, 949, 825, 736; C18H35O4Si [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 343.2299, 実測値343.2285.
化合物S−9
CHCl(14mL)中のアルコールS−8(948mg、2.76mmol)の溶液に、室温でイミダゾール(470mg、6.9mmol)を添加し、その後TES−Cl(0.7mL、4.15mmol)を添加した。反応混合物を、室温で12時間にわたり撹拌した。反応の完了後、メタノール(1mL)を添加し、透明かつ無色の溶液を、10分間にわたり撹拌した。全ての揮発性物質を取り除き、生じた粗残渣を高圧化において乾燥させ、さらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。
9−BBN(THF中0.5M、8.27mL、4.14mmol)を、THF(14mL)中の上で調製した粗残渣の溶液に0℃で滴加した。透明かつ無色の溶液を、室温で2時間にわたり撹拌した。この時点において、TLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。溶液を0℃まで冷却し、水(8.3mL)を添加し(気体発生!)、その後、過ほう酸ナトリウム4水和物(2.47g、24.84mmol)を添加した。白色の懸濁液を室温まで加温させ、2時間にわたり撹拌した。白色の懸濁液を濾過し、EtOAc(20mL)で洗浄した。有機層を水(20mL)で希釈した。層を分離し、水相を、20mLの酢酸エチルのポーションで3回抽出した。組み合わせた有機相を、水、鹹水で洗浄し、濾過して濃縮し、シリカゲルカラムにより精製して、一級アルコールS−9(1.21g、2ステップにわたり92%)を、粘性の液体として得た。[α]D 23 + 4.1 (c 1.16, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6): δ 4.18 (dd, J = 12.4, 1.5 Hz, 1H), 3.94 (dd, J = 12.4, 2.5 Hz, 1H), 3.89 - 3.86 (m, 1H), 3.72 - 3.60 (m, 2H), 3.57 - 3.52 (m, 1H), 2.64 - 2.59 (m, 2H), 2.25 - 2.13 (m, 1H), 2.03 (dt, J = 14.9, 2.5 Hz, 1H), 1.93 - 1.83 (m, 1H), 1.70 (br. s, 1H), 1.54 - 1.45 (m, 1H), 1.28 (s, 9H), 1.19 (dt, J = 14.8, 3.9 Hz, 1H), 1.11 (s, 9H), 1.05 (t, J = 8.0 Hz, 9H), 0.81 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.76 - 0.61 (m, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 86.0, 76.9, 67.8, 67.6, 63.7, 61.4, 38.4, 37.5, 31.2, 27.7, 27.3, 23.2, 20.6, 16.7, 7.0, 5.2; IR (neat) v 2953, 2933, 2875, 1473, 1156, 1106, 1034, 926, 827, 800, 736, 441; C24H50NaO5Si2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 497.3089, 実測値497.3070.
化合物S−10
NaHCO(1.07g、12.7mmol)およびDMP(1.62g、3.82mmol)を、CHCl(13mL)中のアルコールS−9(1.21g、2.54mmol)の溶液に、室温で添加した。反応混合物を2時間にわたり撹拌し、その後、ハイポ水溶液(20mL)を添加した。層を分離し、水相をCHCl(3×10mL)で抽出した。組み合わせた有機相を水、鹹水で洗浄し、濾過して濃縮し、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗アルデヒド(1.15g)を得、さらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。
O(2.0mL)中のNaClO(549mg、6.08mmol)およびNaHPO(1.0g、7.29mmol)の溶液を、t−BuOH(10mL)および2−メチル−2−ブテン(1.7mL)中のアルデヒドの溶液に、0℃で添加した。1時間にわたり撹拌した後、pH7緩衝液(8mL)の添加により、反応をクエンチした。混合物をCHCl(3×15mL)で抽出し、組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、酸S−10(1.12g)を90%の収率において生じた。[α]D 23 - 1.8 (c 1.17, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6): δ 4.19 (dd, J = 12.3, 1.5 Hz, 1H), 3.95 (dd, J = 12.3, 2.6 Hz, 1H), 3.91 - 3.86 (m, 1H), 3.54 - 3.49 (m, 1H), 2.72 (dd, J = 9.2, 1.8 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 15.3, 5.2 Hz, 1H), 2.66 - 2.64 (m, 1H), 2.63 - 2.56 (m, 1H), 2.33 (dd, J = 15.3, 7.2 Hz, 1H), 2.01 (dt, J = 14.9, 2.4 Hz, 1H), 1.28 (s, 9H), 1.19 (dt, J = 14.9, 4.0 Hz, 1H), 1.11 (s, 9H), 1.04 (t, J = 8.0 Hz, 9H), 0.90 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.75 - 0.59 (m, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 179.9, 84.6, 76.9, 67.7, 67.5, 63.6, 38.4, 38.1, 30.8, 27.7, 27.3, 23.2, 20.6, 16.0, 6.9, 5.2; IR (neat) v 2954, 2934, 2875, 1705, 1473, 1155, 1106, 1034, 927, 826, 736, 441; C24H48NaO6Si2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 511.2882, 実測値511.2875.
化合物9a
CHCl(0.5mL)中の酸S−10(60mg、0.12mmol)、DTBMP(40mg、0.18)の溶液を、塩化オキサリル(30mg、0.24mmol)に0℃で添加し、同じ温度で2時間にわたり撹拌した。次いで、全ての揮発物を、真空下において取り除いた。残渣をベンゼン(2mL)で希釈し、小さいCeliteのパッドに通した。固体をベンゼン(5mL)で洗浄し、真空下において濃縮し、高真空下において1時間にわたり乾燥させて、酸塩化物9aを淡黄色液体として得た。生じた生成物を、さらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。1H NMR (400 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.13 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.89 (dd, J = 12.4, 2.5 Hz, 1H), 3.84 - 3.79 (m, 1H), 3.39 - 3.33 (m, 1H), 2.98 (dd, J = 16.6, 4.2 Hz, 1H), 2.67 - 2.54 (m, 2H), 2.54 - 2.44 (m, 2H), 2.00 - 1.90 (m, 3H), 1.25 (s, 8H), 1.09 (s, 9H), 1.00 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.74 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.69 - 0.53 (m, 7H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 172.83, 83.56, 76.96, 67.59, 67.32, 63.52, 50.42, 38.16, 31.61, 27.69, 27.29, 27.21, 23.17, 20.58, 15.50, 6.88, 5.06; IR (neat) v 2954, 2934, 2875, 1707, 1419, 1155, 1105, 1034, 927, 828, 771, 419; ESI-MS (M-Cl+OMe) 525.3026.
化合物9b
CHCl(12mL)中に溶解した酸S−10(1.12g、2.29mmol)、トリフェニルホスフィン(900mg、3.43mmol)および2,2’−ジピリジルジスルフィド(605mg、2.75mmol)の溶液を、N下においてRTで15時間にわたり撹拌した。反応混合物を黄色のオイルになるまで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題の化合物9bを白色固体として得た(1.09mg、82%)。[α]D 23 - 26.5 (c 1.97, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 8.33 - 8.28 (m, 1H), 7.63 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.98 (td, J = 7.7, 2.0 Hz, 1H), 6.45 (ddd, J = 7.5, 4.8, 1.1 Hz, 1H), 4.35 - 4.25 (m, 1H), 3.95 (dd, J = 12.3, 2.6 Hz, 1H), 3.91 - 3.86 (m, 1H), 3.52 - 3.45 (m, 1H), 2.89 (dd, J = 14.2, 3.5 Hz, 1H), 2.76 - 2.61 (m, 4H), 2.04 - 1.97 (m, 1H), 1.30 (s, 9H), 1.17 (dt, J = 14.7, 4.0 Hz, 1H), 1.12 (s, 9H), 1.05 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.91 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.77 - 0.58 (m, 6H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 194.9, 153.0, 149.9, 136.0, 129.6, 122.5, 84.2, 76.9, 67.7, 67.6, 63.5, 47.5, 38.3, 31.8, 27.7, 27.3, 23.2, 20.6, 15.8, 7.0, 5.1; IR (neat) v 2954, 2934, 2875, 1707, 1419, 1155, 1105, 1034, 927, 828, 771, 419; C29H51NNaO5SSi2 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 604.2919, 実測値604.2905.
化合物11
酸塩化物9aを用いる:オーヴン乾燥した2mLのバイアルに、1,2−ジメトキシエタン(0.3mL)中のFeBr(SciOPP)(5.6mg、0.005mmol)、マンガン(11.2mg、0.204mmol)、塩化銅(II)(13.80mg、0.102mmol)、塩化リチウム(13mg、0.306mmol)、二ヨウ化物10(57mg、0.122)および酸塩化物9a(52mg、0.102mmol)を加えた。反応混合物をグローヴボックスから取り出し、0℃まで冷却した。反応混合物を、窒素雰囲気下において15分間にわたり撹拌した。反応が完了した後、フロリジル(10mg)を反応混合物に添加し、30分間にわたり0℃で撹拌した。反応混合物を、Celiteを通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(10mL)で洗浄し、減圧下において濃縮して粗生成物を得、これを次いで調製TLCにより精製して、20.8mg(25%)のケトン11を粘性の無色の液体として得た。上の手順に従って、ラジカル開始剤としてFeBr(dppb)の存在下においてケトンカップリングを行い、20%の生成物を得た。
チオエステル9bを用いる:オーヴン乾燥した100mLの一口フラスコに、FeBr(SciOPP)(71mg、0.064mmol)、マンガン(140mg、2.56mmol)、ヨウ化銅(I)(243mg、1.28mmol)、塩化リチウム(162mg、3.84mmol)および1,2−ジメトキシエタン(4.0mL)を室温で加えた。1,2−ジメトキシエタン(2.5mL)中のチオエステル9b(600mg、1.03mmol)および二ヨウ化物10(578mg、1.24mmol)の溶液を、上の一口フラスコに加えた。反応混合物をグローヴボックスから取り出し、0℃まで冷却した。反応混合物を、窒素雰囲気下において15分間にわたり撹拌した。反応が完了した後、フロリジル(3g)を反応混合物に添加し、30分間にわたり0℃で撹拌した。反応混合物を、Celiteを通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(20mL)で洗浄し、減圧下において濃縮して粗生成物を得、これを次いでシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、593mg(71%)のケトン11を粘性の無色の液体として得た。[α]D 23 - 29.3 (c 4.8, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.39 (dd, J = 14.4, 6.2 Hz, 1H), 6.08 (dd, J = 14.4, 1.1 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 12.4, 1.6 Hz, 1H), 3.96 (dd, J = 12.3, 2.5 Hz, 1H), 3.92 - 3.87 (m, 1H), 3.81 - 3.78 (m, 1H), 3.56 - 3.52 (m, 1H), 2.81 - 2.73 (m, 2H), 2.63 - 2.65 (m, 1H), 2.59 - 2.50 (m, 1H), 2.36 (dd, J = 16.7, 4.3 Hz, 1H), 2.26 - 2.18 (m, 2H), 2.12 (dd, J = 16.7, 8.6 Hz, 1H), 2.01 (dt, J = 14.9, 2.4 Hz, 1H), 1.27 (s, 9H), 1.22 (dt, J = 14.7, 3.9 Hz, 1H), 1.10 (s, 9H), 1.04 (t, J = 8.0 Hz, 9H), 0.93 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.89 (s, 9H), 0.85 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.74 - 0.59 (m, 6H) -0.01 (s, 3H), -0.04 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, ベンゼン-d6) δ 208.2, 147.2, 84.5, 78.4, 76.9, 76.6, 67.8, 67.6, 63.9, 46.7, 44.6, 38.4, 34.7, 30.4, 27.7, 27.3, 25.7, 25.7, 23.2, 20.7, 18.0, 16.5, 15.5, 7.0, 5.1, -4.7, -5.2; IR (neat) v 2954, 2932, 2875, 1709, 1472, 1161, 1105, 1007, 927, 827, 772, 737, 441; C36H71INaO6Si3 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 833.3495, 実測値833.3465.
チオエステル12の合成
化合物S−14
CHCl(2mL)中のジオールS−13(400mg、0.69mmol)の撹拌溶液に、TES−Cl(311mg、2.07mmol)、イミダゾール(234mg、3.45mmol)を0℃で添加した。生じた溶液を、室温で15時間にわたり撹拌した。次いで、反応を水で希釈し(10mL)、2つの層を分離し、水層をCHCl(3×10mL)で洗浄した。組み合わせた有機層を鹹水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空下において濃縮した。粗残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、508mgの表題の生成物S−14を、91%の収率において得た。[α]D 23 +0.6 (c 0.2, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.29 - 4.21 (m, 3H), 4.06 - 4.00 (m, 1H), 3.96 - 3.92 (m, 1H), 3.82 (dd, J = 10.3, 3.0 Hz, 1H), 3.77 - 3.67 (m, 2H), 2.95 (dd, J = 9.1, 3.7 Hz, 1H), 2.35 - 2.26 (m, 1H), 2.20 - 2.11 (m, 1H), 2.01 - 1.94 (m, 1H), 1.94 - 1.87 (m, 1H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.60 - 1.50 (m, 2H), 1.22 (s, 9H), 1.12 (t, J = 8.0 Hz, 9H), 1.07 (s, 9H), 1.02 (s, 9H), 0.96 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.84 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.83 - 0.76 (m, 6H), 0.55 (qd, J = 7.9, 2.0 Hz, 6H), 0.27 (s, 3H), 0.27 (s, 3H), 0.14 (s, 3H), 0.14 (s, 3H); 13C NMR(125 MHz, ベンゼン-d6) δ 177.3, 87.8, 80.9, 72.1, 71.7, 71.0, 67.9, 62.6, 38.5, 38.4, 38.4, 32.5, 29.3, 27.0, 25.9, 18.3, 18.1, 15.9, 7.0, 6.8, 6.7, 6.4, 5.4, 4.9, -4.3, -4.6, -5.4, -5.5; IR (neat) v 2955, 2936, 1730, 1461, 1239, 1075, 1004, 850, 776. 740; C41H88NaO7Si4 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 827.599, 実測値827.5517.
化合物S−15
DIBAL−H(ヘキサン中1.0M、1.55mL、1.55mmol)を、CHCl(4mL)中のラクトンS−14の溶液に、−78℃でアルゴン雰囲気において滴加した。反応混合物を、−78℃で1時間にわたり撹拌し、メタノール(0.2mL)でクエンチし、その後、酒石酸ナトリウムカリウム溶液(10mL)を添加した。生じた溶液を、室温で1時間にわたり撹拌した。有機層を分離し、水層をCHCl(2×20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水および鹹水で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過して濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより、一級アルコールS−15(420mg、94%)を透明なオイルとして得た。[α]D 23 +4.3 (c 1.22, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.27 - 4.20 (m, 1H), 4.06 (ddd, J = 7.9, 6.6, 3.7 Hz, 1H), 3.96 (ddd, J = 5.9, 3.6, 1.9 Hz, 1H), 3.86 - 3.79 (m, 2H), 3.72 - 3.68 (m, 2H), 3.64 (ddt, J = 10.6, 7.6, 5.6 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 9.0, 3.6 Hz, 1H), 2.18 (dtd, J = 9.1, 7.0, 4.8 Hz, 1H), 2.06 - 1.96 (m, 2H), 1.92 (ddd, J = 14.1, 8.3, 6.2 Hz, 1H), 1.74 (ddd, J = 14.0, 8.0, 4.7 Hz, 1H), 1.70 (dd, J = 6.1, 5.1 Hz, 1H), 1.64 (ddd, J = 13.5, 6.8, 2.0 Hz, 1H), 1.59 - 1.51 (m, 1H), 1.11 (t, J = 8.0 Hz, 9H), 1.07 (s, 9H), 1.01 (s, 9H), 0.97 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.87 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.79 (qd, J = 7.9, 1.7 Hz, 6H), 0.56 (qd, J = 7.9, 2.4 Hz, 6H), 0.28 (s, 3H), 0.26 (s, 3H), 0.14 (s, 3H), 0.13 (s, 3H); 13C NMR(125 MHz, ベンゼン-d6) δ 88.0, 80.6, 71.8, 71.7, 70.9, 67.9, 60.8, 38.4, 38.0, 37.6, 30.0, 25.9, 18.3, 18.9, 16.9, 7.0, 6.8, 5.3, 4.9, -4.3, -4.6, -5.5, -5.6; IR (neat) v 2953, 2928, 2877, 1471, 1462, 1250, 1076, 1004, 843, 775, 737. 726; C36H80KO6Si4 [M + K]+について計算されたHRMS (ESI): 759.4664, 実測値759.4690.
化合物S−16
NaHCO(243mg、2.9mmol)およびDess-Martinペルヨージナン(370mg、0.87mmol)を、CHCl(4mL)中のアルコールS−15(420mg、0.58mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を1時間にわたり撹拌し、その後、ハイポ水溶液(20mL)を添加した。層を分離し、水相をCHCl(3×10mL)で抽出した。組み合わせた有機相を水、鹹水で洗浄し、濾過して濃縮し、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗アルデヒド(400mg)を得、それを、さらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。
NaClO(132mg、1.45mmol)、2−メチル−2−ブテン(0.4mL、5.8mmol)およびNaHPO(240mg、1.74mmol)の溶液を、t−BuOH(4mL)およびHO(1mL)中のアルデヒドの溶液に0℃で添加した。1時間にわたり撹拌した後、pH7緩衝液(4mL)の添加により、反応をクエンチした。混合物をCHCl(3×10mL)で抽出し、組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、酸S−16(360mg)を84%の収率において生じた。[α]D 23 +14.3 (c 1.7, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 4.25 - 4.19 (m, 1H), 4.03 (ddd, J = 8.2, 6.6, 3.8 Hz, 1H), 3.95 (ddd, J = 6.6, 4.2, 2.7 Hz, 1H), 3.79 (dd, J = 10.3, 3.4 Hz, 1H), 3.76 - 3.68 (m, 2H), 3.08 (dd, J = 8.0, 4.1 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 15.9, 3.2 Hz, 1H), 2.63 - 2.54 (m, 1H), 2.30 (dd, J = 15.9, 9.9 Hz, 1H), 1.99 (ddd, J = 13.8, 8.1, 3.8 Hz, 1H), 1.91 (ddd, J = 13.9, 7.9, 6.3 Hz, 1H), 1.73 (ddd, J = 13.5, 8.2, 4.7 Hz, 1H), 1.60 (ddd, J = 13.4, 7.4, 2.8 Hz, 1H), 1.10 (t, J = 8.0 Hz, 9H), 1.06 (s, 9H), 1.02 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.01 (s, 9H), 0.95 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.78 (qd, J = 7.9, 2.8 Hz, 6H), 0.58 - 0.49 (m, 6H), 0.25 (s, 3H), 0.25 (s, 3H), 0.13 (s, 3H), 0.13 (s, 3H); 13C NMR(125 MHz, ベンゼン-d6) δ 170.0, 86.3, 80.8, 72.0, 71.9, 70.8, 67.8, 38.6, 38.5, 38.1, 29.6, 25.9, 18.3, 18.1, 16.7, 7.0, 6.7, 5.3, 4.8, -4.4, -4.7, -5.5, -5.6; IR (neat) v 2953, 2929, 2877, 1708, 1462, 1250, 1076, 1004, 833, 774, 737; C36H79O7Si4 [M + H]+について計算されたHRMS (ESI): 735.4897, 実測値735.4897.
化合物12
CHCl(2mL)中に溶解した酸S−16(300mg、0.41mmol)、トリフェニルホスフィン(161mg、0.61mmol)および2,2’−ジピリジルジスルフィド(99mg、0.45mmol)の溶液をN下において24時間にわたり撹拌した。反応混合物を黄色のオイルになるまで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題の化合物12を淡黄色固体として得た(270mg、80%)。[α]D 23 +16.3 (c 3.1, CHCl3); 1H NMR (600 MHz, ベンゼン-d6) δ 8.26 (ddd, J = 4.8, 2.0, 0.9 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.89 (td, J = 7.7, 1.9 Hz, 1H), 6.40 (ddd, J = 7.6, 4.8, 1.1 Hz, 1H), 4.25 - 4.18 (m, 1H), 4.05 - 3.99 (m, 1H), 3.96 - 3.91 (m, 1H), 3.79 (dd, J = 10.3, 3.3 Hz, 1H), 3.76 - 3.66 (m, 2H), 3.40 (dd, J = 15.0, 2.5 Hz, 1H), 3.06 (dd, J = 7.5, 4.1 Hz, 1H), 2.75 - 2.68 (m, 1H), 2.65 (dd, J = 14.9, 10.3 Hz, 1H), 1.97 (ddd, J = 13.9, 8.2, 3.6 Hz, 1H), 1.89 (ddd, J = 12.8, 7.9, 6.3 Hz, 1H), 1.72 (ddd, J = 13.4, 8.4, 4.7 Hz, 1H), 1.56 (ddd, J = 13.4, 7.4, 2.8 Hz, 1H), 1.12 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 1.06 - 1.03 (s, 12H), 0.99 (s, 9H), 0.94 (t, J = 8.0 Hz, 9H), 0.84 - 0.75 (m, 6H), 0.55 - 0.49 (m, 6H), 0.25 (s, 3H), 0.24 (s, 3H), 0.12 (s, 3H), 0.11 (s, 3H); IR (neat) v 2953, 2929, 2877, 1707, 1471, 1420, 1250, 1080, 1004, 834, 774, 737; C41H81NNaO6SSi4 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 850.4754, 実測値850.4773.
化合物13
オーヴン乾燥した50mLの一口フラスコに、FeBr(SciOPP)(8mg、5mol%)、マンガン(16.4mg、0.3mmol)、ヨウ化銅(I)(28.4mg、0.15mmol)、塩化リチウム(19mg、0.44mmol)および1,2−ジメトキシエタン(0.5mL)を室温で加えた。1,2−ジメトキシエタン(0.5mL)中のチオエステル12(100mg、0.12mmol)および二ヨウ化物10(67mg、0.14mmol)の溶液を、上の一口フラスコに加えた。反応混合物をグローヴボックスから取り出し、0℃まで冷却した。反応混合物を、窒素雰囲気下において15分間にわたり撹拌した。反応が完了した後、フロリジル(100mg)を反応混合物に添加し、30分間にわたり0℃で撹拌した。反応混合物を、Celiteを通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(10mL)で洗浄し、減圧下において濃縮して粗生成物を得、これを次いでシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、82mg(64%)のケトン13を、粘性の無色の液体として得た。[α]D 23 -11.6 (c 1.3, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ 6.39 (dd, J = 14.4, 6.2 Hz, 1H), 6.14 - 6.08 (m, 1H), 4.26-4.19 (m, 1H), 4.06 - 4.00 (m, 1H), 4.00 - 3.95 (m, 1H), 3.80 (dd, J = 10.3, 3.3 Hz, 1H), 3.77 - 3.66 (m, 3H), 3.09 (dd, J = 8.1, 3.9 Hz, 1H), 3.00 (dd, J = 16.8, 2.6 Hz, 1H), 2.72 - 2.62 (m, 1H), 2.44 (dd, J = 16.6, 3.9 Hz, 1H), 2.36 - 2.15 (m, 3H), 2.03 - 1.87 (m, 2H), 1.74 (ddd, J = 13.4, 8.5, 4.4 Hz, 1H), 1.57 (ddd, J = 13.5, 7.1, 2.5 Hz, 1H), 1.13 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 1.06 (d, J = 0.8 Hz, 9H), 1.03 - 1.00 (m, 12H), 0.97 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.91 (s, 9H), 0.88 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.83 - 0.77 (m, 6H), 0.55 (q, J = 8.1 Hz, 6H), 0.26 (s, 3H), 0.25 (s, 3H), 0.1 (s, 6H), -0.02 (s, 3H), -0.04 (s, 3H); 13C NMR(125 MHz, ベンゼン-d6) δ 207.7, 147.3, 86.9, 80.9, 78.4, 76.6, 72.2, 71.9, 70.9, 67.8, 47.3, 44.8, 38.7, 38.6, 34.5, 28.6, 25.9, 25.7, 18.3, 18.1, 18.0, 17.1, 15.8, 7.1, 6.8, 5.5, 4.9, -4.3, -4.6, -4.7, -5.2, -5.4, -5.5; IR (neat) v 2954, 2928, 2856, 1713, 1471, 1462, 1361, 1252, 1078, 1005, 835, 775, 740; C48H101INaO7Si5 [M + Na]+について計算されたHRMS (ESI): 1079.5336, 実測値1079.5275.
均等物および範囲
請求の範囲において、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、逆であることが示されるか、文脈から別段に明らかでない限りにおいて、1つまたは1つより多いことを意味し得る。群の1つ以上のメンバーの間に「or」を含む請求項または記載は、逆であることが示されるか、文脈から別段に明らかでない限りにおいて、当該群のメンバーのうちの1つ、1つより多く、または全てが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、それにおいて使用されるか、またはこれらに別段に関連する場合に、満たされると考えられる。本発明は、当該群のうちの正確に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、それにおいて使用されるか、またはこれらに別段に関連する態様を含む。本発明は、当該群のメンバーのうちの1つより多くまたは全てが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、それにおいて使用されるか、またはこれらに別段に関連する態様を含む。
さらに、本発明は、列記される請求項のうちの1つ以上からの1つ以上の限定、要素、条項、および説明的用語が、別の請求項に導入される、全てのバリエーション、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同じ基礎請求項に従属する任意の他の請求項において見出すことができる1つ以上の限定を含むように、改変することができる。要素がリストとして、例えばマーカッシュ群形式において提示される場合、要素の各々のサブグループもまた開示され、任意の要素を、当該群から取り除くことができる。一般的に、本発明または本発明の側面が、特定の要素および/または特徴を含むものとして言及される場合、本発明または本発明の側面のある態様は、かかる要素および/または特徴からなるか、またはこれらから本質的になることが、理解されるべきである。簡略化を目的として、これらの態様は、本明細書においては、文言通りには特に記載されていない。
また、用語「含む(comprising)」および「含む(containing)」は、オープンであり、さらなる要素またはステップの包含を許容することを意図されることに注意する。範囲が示される場合、エンドポイントが含まれる。さらに、別段に示されるか、文脈または当業者の理解から別段に明らかでない限り、範囲として表される値は、本発明の異なる態様において記述された範囲の内の任意の特定の値または部分範囲を、文脈が明らかに別段に指定しない限り、当該範囲の下限の10分の1の単位まで仮定することができる。
本願は、多様な発行された特許、公開された特許出願、学術文献の記事、および他の刊行物を参照し、これらの全ては、本明細書において参考として援用される。援用された参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾が存在する場合、本明細書が制御すべきである。加えて、本発明の任意の特定の態様であって先行技術に該当するものは、請求項のうちの任意の1つ以上から明示的に取り除くことができる。かかる態様は、当業者に公知であると考えられるため、それらは、除外が本明細書において明示的に記載されていない場合であってすら、取り除くことができる。本発明の任意の特定の態様は、任意の請求項から、任意の理由により、先行技術の存在に関連するか否かに関わらず、取り除くことができる。
当業者は、本明細書において記載される特定の態様に対する多くの均等物を認識するか、慣用的な実験のみを用いてこれを確認することができるであろう。本明細書において記載される本発明の態様の範囲は、上の説明に限定されることを意図されず、むしろ、添付の請求の範囲において記載されるとおりである。当業者は、以下の請求の範囲において定義されるような本発明の精神または範囲から逸脱することなく、この説明に対して多様な変更および改変を行うことができることを理解するであろう。

Claims (152)

  1. 式(C):
    の化合物またはその塩を調製する方法であって、式(A):
    の化合物またはその塩を、式(B):
    の化合物またはその塩と、鉄および銅の存在下においてカップリングすることを含み;
    式中:
    は、ハロゲンまたは脱離基であり;
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールであり;
    は、任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
    任意にここで、RおよびRは、リンカーを介して一緒に連結され、ここで、リンカーは、任意に置換されていてもよいアルキレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルキレン、任意に置換されていてもよいアルケニレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルケニレン、任意に置換されていてもよいアルキニレン、任意に置換されていてもよいヘテロアルキニレン、任意に置換されていてもよいアリーレン、任意に置換されていてもよいヘテロアリーレン、任意に置換されていてもよいカルボシクリレン、任意に置換されていてもよいヘテロシクリレン、任意に置換されていてもよいアシレン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、
    前記方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、式(A)の化合物が、式(A−1):
    のもの、またはその塩であり;
    式(B)の化合物が、式(B−1):
    のもの、またはその塩であり;および
    式(C)の化合物が、式(C−1):
    のもの、またはその塩であり、
    式中:
    は、ハロゲンまたは脱離基であり;
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールであり;ならびに、
    A1、RA2、RB1、およびRB2の各々の場合は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルであり;任意にここで、RA1およびRB1は、リンカーを介して一緒に連結される、
    前記方法。
  3. 式(C−2):
    の化合物またはその塩を調製する方法であって、式(A−B):
    の化合物またはその塩を、鉄および銅の存在下において反応させることを含み;
    式中:
    は、ハロゲンまたは脱離基であり;
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールであり;
    A2およびRB2は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルケニル、任意に置換されていてもよいアルキニル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルであり;ならびに
    は、リンカーを表す、
    前記方法。
  4. 式(I−13):
    の化合物またはその塩を調製する方法であって、式(I−12):
    の化合物またはその塩を、式(I−10):
    の化合物またはその塩とカップリングすることを含み、
    式中:
    およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    P1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である、
    前記方法。
  5. 式(I−11):
    の化合物またはその塩を調製する方法であって、式(I−9):
    の化合物またはその塩を、式(I−10):
    の化合物またはその塩とカップリングすることを含み、
    式中:
    およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    P4、RP5、およびRP6は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、
    前記方法。
  6. 式(II−3):
    の化合物またはその塩を調製する方法であって、式(II−1):
    の化合物またはその塩を、式(II−2):
    の化合物またはその塩とカップリングすることを含み、
    式中:
    およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    は、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    は、アルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である、
    前記方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、式(II−3)の化合物が、
    またはその塩であり;
    式(II−1)の化合物が、
    またはその塩であり;および
    式(II−2)の化合物が、
    またはその塩である、
    前記方法。
  8. カップリングのステップが、銅および鉄の存在下において行われる、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 鉄源が、鉄(II)または鉄(III)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 鉄源が、鉄錯体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 鉄錯体が、式Fe(リガンド)のものである、請求項10に記載の方法。
  12. 鉄錯体が、式:
    のものであり、式中、Rは、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロシクリルである、請求項11に記載の方法。
  13. 鉄錯体が、Fe(TMHD)、Fe(DBM)またはFe(acac)である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 鉄錯体が、式Fe(X)(リガンド)のものであり、式中、Xの各々の場合は、独立して、ハロゲンであり;および「リガンド」は、2つのホスフィンリガンドまたはビスホスフィンリガンドである、請求項10に記載の方法。
  15. 鉄錯体が、Fe(Br)(dppb)、Fe(Cl)(dppb)、Fe(Br)(SciOPP)、Fe(Cl)(SciOPP)、FeBr(dppe)、およびFeCl(dppe)からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 鉄錯体が、FeBr(PPhまたはFeCl(PPhである、請求項10に記載の方法。
  17. 鉄が、触媒的な量において存在する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 鉄が、1〜20mol%において存在する、請求項17に記載の方法。
  19. 鉄が、約5mol%において存在する、請求項18に記載の方法。
  20. 鉄が、約10mol%において存在する、請求項18に記載の方法。
  21. 鉄が、約15mol%において存在する、請求項18に記載の方法。
  22. 銅源が、銅(I)または銅(II)である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 銅源が、銅塩である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 銅塩が、CuCl、CuBr、CuI、CuCN、CuTc、CuBr、およびCuClからなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 銅が、触媒的量、化学量論的量、または過剰量において存在する、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 銅が、約1当量において存在する、請求項25に記載の方法。
  27. カップリングが、ジルコニウム錯体の存在下において行われる、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. ジルコニウム錯体が、CpZrClである、請求項27に記載の方法。
  29. ジルコニウムが、化学量論的量または過剰量において存在する、請求項27または28に記載の方法。
  30. ジルコニウムが、約1当量において存在する、請求項29に記載の方法。
  31. カップリングのステップは、リチウム塩の存在下において行われる、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. リチウム塩が、LiCl、LiBr、またはLiIである、請求項31に記載の方法。
  33. リチウム塩が、化学量論的量または過剰量において存在する、請求項31または32に記載の方法。
  34. 約3当量のリチウム塩が存在する、請求項33に記載の方法
  35. カップリングのステップが、還元性金属の存在下において行われる、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 還元性金属が、亜鉛またはマンガンである、請求項35に記載の方法。
  37. 還元性金属が、亜鉛(0)である、請求項36に記載の方法。
  38. 還元性金属が、マンガン(0)である、請求項36に記載の方法。
  39. 還元性金属が、化学量論的量または過剰量において存在する、請求項35〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 約2当量の還元性金属が用いられる、請求項39に記載の方法。
  41. カップリングのステップが、鉄錯体、銅塩、リチウム塩、および還元性金属の存在下において行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  42. カップリングのステップが、Fe(TMHD)、CuCl、LiCl、およびMn金属の存在下において行われる、請求項41に記載の方法
  43. カップリングのステップが、FeBr(dppb)、CuCl、LiCl、およびMn金属の存在下において行われる、請求項41に記載の方法。
  44. カップリングのステップが、鉄錯体、銅塩、リチウム塩、ジルコニウム錯体、および還元性金属の存在下において行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  45. カップリングのステップが、FeBr(SciOPP)、CuI、ZrCpCl、LiCl、およびMn金属の存在下において行われる、請求項44に記載の方法。
  46. カップリングのステップが、溶媒中で行われる、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 溶媒が、極性溶媒である、請求項46に記載の方法。
  48. 溶媒が、エーテル性溶媒である、請求項46に記載の方法。
  49. 溶媒が、ジメトキシエタン(DME)である、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  50. カップリングのステップが、室温においてまたは室温未満で行われる、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. カップリングのステップが、室温未満で行われる、請求項50に記載の方法。
  52. 反応が、約0℃で行われる、請求項51に記載の方法。
  53. が、ハロゲンである、請求項1〜52のいずれか一項に記載の方法。
  54. が、−Iである、請求項53に記載の方法。
  55. が、ハロゲンである、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. が、−Clである、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
  57. が、−SRである、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
  58. が、任意に置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項57に記載の方法。
  59. が、任意に置換されていてもよいピリジルである、請求項58に記載の方法。
  60. が、任意に置換されていてもよい2−ピリジルである、請求項59に記載の方法。
  61. が、式:
    のものである、請求項57〜60のいずれか一項に記載の方法。
  62. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項4〜61のいずれか一項に記載の方法。
  63. が、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである、請求項62に記載の方法。
  64. が、メチルである、請求項63に記載の方法。
  65. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項4〜64のいずれか一項に記載の方法。
  66. が、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである、請求項65に記載の方法。
  67. が、メチルである、請求項66に記載の方法。
  68. P1が、酸素保護基である、請求項4〜67のいずれか一項に記載の方法。
  69. P1が、TBS保護基である、請求項68に記載の方法。
  70. P2が、酸素保護基である、請求項4〜69のいずれか一項に記載の方法。
  71. P2が、TES保護基である、請求項70に記載の方法。
  72. P3が、酸素保護基である、請求項4〜71のいずれか一項に記載の方法。
  73. P3が、TES保護基である、請求項72に記載の方法。
  74. P4が、酸素保護基である、請求項4〜73のいずれか一項に記載の方法。
  75. P4が、TBS保護基である、請求項74に記載の方法。
  76. P5が、酸素保護基である、請求項4〜75のいずれか一項に記載の方法。
  77. P5が、TES保護基である、請求項76に記載の方法。
  78. P6の各々の場合が、酸素保護基である、請求項5〜77のいずれか一項に記載の方法。
  79. P6の各々の場合が、介在原子により一緒に連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、請求項5〜78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 2個のRP6は、一緒に連結されて:
    を形成する、請求項79に記載の方法。
  81. が、ハロゲンである、請求項4〜79のいずれか一項に記載の方法。
  82. が、−Iである、請求項81に記載の方法。
  83. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項6〜82のいずれか一項に記載の方法。
  84. が、未置換C1〜3アルキルである、請求項6〜83のいずれか一項に記載の方法、
  85. が、メチルである、請求項6〜83のいずれか一項に記載の方法。
  86. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項6〜85のいずれか一項に記載の方法。
  87. が、未置換C1〜3アルキルである、請求項6〜85のいずれか一項に記載の方法。
  88. が、メチルまたはエチルである、請求項6〜85のいずれか一項に記載の方法。
  89. が、メチルである、請求項6〜85のいずれか一項に記載の方法。
  90. 式(I−13):
    式中:
    は、ハロゲンまたは脱離基であり;
    およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    P1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である、
    の化合物またはその塩。
  91. 式(I−12):
    式中:
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    P1、RP2、RP3、RP4、およびRP5は、各々独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である、
    の化合物またはその塩。
  92. 式(I−12−S):
    式中:
    は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールである、
    のものである、請求項91に記載の化合物またはその塩。
  93. 式(I−10):
    式中:
    およびXは、各々独立して、ハロゲンまたは脱離基であり;
    は、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    P4は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である、
    の化合物またはその塩。
  94. 式(I−11):
    式中:
    は、ハロゲンまたは脱離基であり;
    およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    P4、RP5、およびRP6は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、
    の化合物またはその塩。
  95. 式(I−9):
    式中:
    は、ハロゲン、脱離基、または−SRであり;
    およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、または任意に置換されていてもよいアルキルであり;ならびに
    P5およびRP6は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP6は、介在原子により連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、
    の化合物またはその塩。
  96. 式(I−9−S):
    のもの、またはその塩である、請求項95に記載の化合物であって、式中:
    は、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、または任意に置換されていてもよいヘテロアリールである、
    前記化合物。
  97. が、ハロゲンである、請求項93に記載の化合物。
  98. が、−Iである、請求項97に記載の化合物。
  99. が、ハロゲンである、請求項91または95に記載の化合物。
  100. が、−Clである、請求項99に記載の化合物。
  101. が、−SRである、請求項91または95に記載の化合物。
  102. が、任意に置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項92、96または101に記載の化合物。
  103. が、任意に置換されていてもよいピリジルである、請求項102に記載の化合物。
  104. が、任意に置換されていてもよい2−ピリジルである、請求項102に記載の化合物。
  105. が、式:
    のものである、請求項102に記載の化合物。
  106. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項90〜92および94〜96のいずれか一項に記載の化合物。
  107. が、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである、請求項106に記載の化合物。
  108. が、メチルである、請求項107に記載の化合物。
  109. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項90、93および94のいずれか一項に記載の化合物。
  110. が、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである、請求項109に記載の化合物。
  111. が、メチルである、請求項110に記載の化合物。
  112. P1が、酸素保護基である、請求項90〜92のいずれか一項に記載の化合物。
  113. P1が、TBS保護基である、請求項112に記載の化合物。
  114. P2が、酸素保護基である、請求項90〜92のいずれか一項に記載の化合物。
  115. P2が、TES保護基である、請求項114に記載の化合物。
  116. P3が、酸素保護基である、請求項90〜92のいずれか一項に記載の化合物。
  117. P3が、TES保護基である、請求項116に記載の化合物。
  118. P4が、酸素保護基である、請求項90または93に記載の化合物。
  119. P4が、TBS保護基である、請求項118に記載の化合物。
  120. P5が、酸素保護基である、請求項90〜92および95のいずれか一項に記載の化合物。
  121. P5が、TES保護基である、請求項120に記載の化合物。
  122. P6の各々の場合が、酸素保護基である、請求項94〜96のいずれか一項に記載の化合物。
  123. P6の各々の場合が、介在原子により一緒に連結されて、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、請求項94〜96のいずれか一項に記載の化合物。
  124. 2個のRP6が、一緒に連結されて、
    を形成する、請求項123に記載の化合物。
  125. が、ハロゲンである、請求項90、93または94に記載の化合物。
  126. が、−Iである、請求項125に記載の化合物。
  127. 式:
    を有する化合物またはその塩。
  128. 式:
    を有する化合物またはその塩。
  129. 請求項6に記載の方法であって、式(II−3):
    の化合物またはその塩を、式RP9OHの試薬の存在下において反応させて、式(III−1):
    化合物またはその塩を得ることをさらに含み;
    式中:
    は、ハロゲンであり;
    は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;ならびに
    各々のRP9は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;任意にここで、2個のRP9基は、介在原子により一緒に連結される、
    前記方法。
  130. 式(II−3)の化合物が、
    またはその塩であり;
    式RP9OHの試薬が、
    またはその塩であり;および
    式(III−1)の化合物が、
    またはその塩である、請求項129に記載の方法。
  131. 反応が、酸の存在下において行われる、請求項129または130に記載の方法。
  132. 酸が、スルホン酸である、請求項131に記載の方法。
  133. 酸が、p−トルエンスルホン酸である、請求項132に記載の方法。
  134. 酸が、触媒的な量において存在する、請求項132〜134のいずれか一項に記載の方法。
  135. 反応が、オルトギ酸エステルの存在下において行われる、請求項129〜134のいずれか一項に記載の方法。
  136. 反応が、トリメチルオルトギ酸エステルの存在下において行われる、請求項135に記載の方法。
  137. オルトギ酸エステルが、1当量より多い量で存在する、請求項135または136に記載の方法。
  138. 式RP9OHの試薬が、
    である、請求項129〜137のいずれか一項に記載の方法。
  139. 反応が、溶媒中で行われる、請求項129〜137のいずれか一項に記載の方法。
  140. 溶媒が、MeCNである、請求項139に記載の方法。
  141. 反応が、0℃付近で行われる、請求項129〜140のいずれか一項に記載の方法。
  142. が、ハロゲンである、請求項129〜141のいずれか一項に記載の方法。
  143. が、−Iである、請求項142に記載の方法。
  144. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項129〜143のいずれか一項に記載の方法。
  145. が、未置換C1〜3アルキルである、請求項129〜143のいずれか一項に記載の方法。
  146. が、メチルである、請求項129〜143のいずれか一項に記載の方法。
  147. が、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項129〜146のいずれか一項に記載の方法。
  148. が、未置換C1〜3アルキルである、請求項129〜146のいずれか一項に記載の方法。
  149. が、メチルまたはエチルである、請求項129〜146のいずれか一項に記載の方法。
  150. が、メチルである、請求項129〜146のいずれか一項に記載の方法。
  151. 2個のRP9が、介在原子により一緒になって、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、請求項129〜150のいずれか一項に記載の方法。
  152. 2個のRP9が、介在原子により一緒になって、
    を形成する、請求項129〜150のいずれか一項に記載の方法。
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