JP2019034522A - 樹脂成形体およびこれを用いた半導体センサ並びに樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体およびこれを用いた半導体センサ並びに樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Norifumi Yoshida
典史 吉田
龍介 泉
Ryusuke Izumi
龍介 泉
素美 石川
Motomi Ishikawa
素美 石川
山川 裕之
Hiroyuki Yamakawa
裕之 山川
穂高 森
Hodaka Mori
穂高 森
今井 博和
Hirokazu Imai
今井  博和
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Abstract

【課題】インサート物と熱可塑性樹脂とが接合された樹脂成形体において、これらの接合界面近傍での真空ボイドの集中が抑制される構造およびその製造方法を実現する。【解決手段】インサート物としての第1部材10と、該第1部材10の一部を覆う第2部材としての熱可塑性樹脂20とを有してなる樹脂成形体において、第1部材10のうち熱可塑性樹脂20と接合している接合部10cを覆うボイド抑制部11を第1部材10に設けた構造とする。これにより、熱可塑性樹脂20のうち接合部10c近傍における肉厚が薄くなり、熱可塑性樹脂20の冷却固化および収縮による負圧が当該近傍に集中することが抑制され、第1部材10と熱可塑性樹脂20との接合界面における真空ボイドの集中が抑制される構造となる。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂による1次成形物や金属部品などのインサート物を熱可塑性樹脂でインサート成形した樹脂成形体、および、これを用いた半導体センサ並びにそのような樹脂成形体の製造方法に関する。
従来、特許文献1に、金属部品に熱可塑性樹脂を射出成形し、金属と熱可塑性樹脂とを異種材料接合する樹脂成形体が提案されている。この樹脂成形体では、レーザ照射等により金属部品に対して微小な凹凸によるアンカーを形成し、熱可塑性樹脂がアンカーに入り込むようにすることで、異種材料接合が強固に行われるようにしている。
特許第5798535号公報
本発明者は、特許文献1のように金属部品に対して微小な凹凸によるアンカーを形成する構造など、インサート物と熱可塑性樹脂とを直接接合する場合、熱可塑性樹脂の肉厚が厚いと、接合部の近傍において集中して真空ボイドが発生することを見出した。また、本発明者らの実験によると、インサート物と熱可塑性樹脂とが異種材料接合される接合部において、熱可塑性樹脂の肉厚が薄い場合には真空ボイドは殆ど発生しないが、肉厚が厚い場合に真空ボイドが集中して発生していることが確認された。
一般的に、樹脂成形体において、成形を行う樹脂の厚みが厚い場合、固化が遅れる内部において真空ボイドが生じる。インサート物と樹脂との界面が接合していない一般的なインサート成形品では、溶融樹脂の充填後の冷却固化の過程でインサート物と樹脂との間に隙間が空くことでインサート物近傍には真空ボイドが生じず、樹脂内部に真空ボイドが生じる。
ところが、金属部品と熱可塑性樹脂とが異種材料接合されるようにする場合、接合部において隙間が形成されないために、冷却固化の過程で接合部の界面付近に収縮応力が発生し、先に固化した接合部の一層上に真空ボイドが集中して発生したと考えられる。
このように真空ボイドが集中して発生すると、接合部を覆うように連続的に繋がった状態になり、リークパスを発生させるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、インサート物と熱可塑性樹脂との接合部の近傍にリークパスとなり得る連続的な真空ボイドが形成されることを抑制できる構造の樹脂成形体、および、その製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の樹脂成形体は、第1部材(10)と、第1部材の一部を覆う第2部材としての熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、第1部材の表面(10a)のうち熱可塑性樹脂部材に覆われた封止面(10b)の一部は、熱可塑性樹脂部材と接合された接合部(10c)とされており、表面に対する法線方向において、接合部と熱可塑性樹脂部材の外壁面(20a)との間には、熱可塑性樹脂部材のうち接合部と接合された部分におけるボイドの発生を抑制するボイド抑制部(11)が配置されている。
本実施形態によれば、第1部材と該第1部材の一部を覆う第2部材としての熱可塑性樹脂部材とを有してなる樹脂成形体において、第1部材のうち熱可塑性樹脂部材と接合する接合部と熱可塑性樹脂部材の外壁面とがボイド抑制部によって隔てられる。そのため、熱可塑性樹脂部材のうち第1部材と接合する部分の肉厚が薄くされ、熱可塑性樹脂部材のうち第1部材と接合する部分における真空ボイドの発生が抑制された構造の樹脂成形体となる。
請求項11に記載の樹脂成形体の製造方法は、第1部材(10)と該第1部材の一部を覆う第2部材である熱可塑性樹脂部材(20)とを備える樹脂成形体の製造方法であって、熱可塑性樹脂部材と接合する領域である接合部(10c)を表面(10a)に有し、該接合部から離れてこれを覆うボイド抑制部(11)を備える第1部材を用意することと、第1部材をインサート物として、熱可塑性樹脂部材をインサート成形により形成することと、を含む。
これにより、ボイド抑制部により第1部材の接合部が覆われるため、熱可塑性樹脂部材のうち接合部付近の肉厚が薄くなる。そのため、熱可塑性樹脂部材の材料が硬化する途中に硬化が遅れる内部が負圧になることに起因する真空ボイドが生じることを抑制することができる。よって、第1部材と該第1部材の一部を覆う第2部材である熱可塑性樹脂部材とを備える樹脂成形体であって、熱可塑性樹脂部材のうち第1部材と接合する部分における真空ボイドの少ない樹脂成形体を製造できる。
請求項12に記載の樹脂成形体の製造方法は、第1部材(10)と該第1部材の一部を覆う第2部材である熱可塑性樹脂部材(20)とを備える樹脂成形体の製造方法であって、熱可塑性樹脂部材と接合する領域である接合部(10c)を表面(10a)に有する第1部材を用意することと、第1部材をインサート物として、熱可塑性樹脂部材をインサート成形により形成することと、を含む。そして、熱可塑性樹脂部材を形成することにおいては、インサート成形用の金型の一部を接合部から離れて接合部を覆うように配置した状態で、熱可塑性樹脂部材をインサート成形により成形した後に、金型を熱可塑性樹脂部材から引き抜くことにより行い、金型を配置することにおいては、接合部と金型の一部との隙間が1mm以下となるように配置する。
これにより、熱可塑性樹脂部材のうち接合部付近をインサート成形用の金型の一部が覆うことで、熱可塑性樹脂部材のうち接合部付近の肉厚が薄くなる。そのため、請求項11に記載の樹脂成形体の製造方法と同様に、第1部材と該第1部材の一部を覆う第2部材である熱可塑性樹脂部材とを備える樹脂成形体であって、熱可塑性樹脂部材のうち第1部材と接合する部分における真空ボイドの少ない樹脂成形体を製造できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の樹脂成形体を示す断面図である。 第1実施形態の樹脂成形体のうち接合部を含むターミナルの一部およびこれに接続されたボイド抑制部を示す斜視図である。 図1中に示す二点鎖線の領域を示す拡大断面図である。 従来のインサート成形における樹脂部材の形成および真空ボイドの発生について示す図である。 従来のインサート成形においてインサート物とこれを覆う樹脂部材とが接合した状態における真空ボイドの発生について示す図である。 インサート物と、当該インサート物の一部と接合されつつ、これを覆う樹脂部材とによりなる樹脂成形体の断面を示す図である。 第1実施形態の樹脂成形体のうち接合部を含むターミナルの一部およびこれに接続されたボイド抑制部の断面を示す拡大断面図である。 第2実施形態の樹脂成形体を示す断面図である。 第3実施形態の樹脂成形体におけるターミナルの一部およびボイド抑制部について示す断面図である。 第4実施形態の樹脂成形体におけるターミナルの一部およびボイド抑制部について示す断面図である。 第5実施形態の樹脂成形体におけるターミナルの一部およびボイド抑制部について示す断面図である。 第6実施形態の樹脂成形体におけるターミナルの一部およびボイド抑制部について示す断面図である。 第7実施形態の樹脂成形体のうちターミナルの一部およびボイド抑制部を含むコネクタケースの一部について示す断面図である。 第7実施形態の樹脂成形体を形成する工程の一部を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の樹脂成形体について、図1〜図7を参照して述べる。本実施形態の樹脂成形体は、例えば自動車などの車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための半導体装置の一部として適用されると好適である。本実施形態では、樹脂成形体を用いた圧力センサの例について説明する。
図2では、後述するターミナル10の表面10aのうち接合部10cを含む一部およびこれに接続されるボイド抑制部11を示しており、ターミナル10の延設方向のうちの接合部10c側から見た様子を示している。なお、図2では、接合部10cを見やすくするため、接合部10cにハッチングを施している。図4(b)、(c)、図5では、後述する溶融樹脂111のうち硬化部112と未硬化部113との境界を分かり易くするため、これらの便宜的な境界を破線で示している。
この圧力センサは、図1に示すように、半導体チップ30とこれに電気的に接続されたターミナル10とを備えるコネクタケース20と、コネクタケース20が嵌合されるハウジング40とを有してなる。
ターミナル10は、図1に示すように、後述するボイド抑制部11およびコネクタケース20を貫通しており、例えば黄銅、純銅、アルミ、鉄やステンレス(SUS)などの金属材料により構成される。ターミナル10の一端側は、コネクタケース20の一端側に設けられた開口部21においてコネクタケース20から露出している。ターミナル10の他端側は、図1に示すように、コネクタケース20の他端側から露出しており、コネクタケース20の他端側の一面20b側に設けられた第1凹部22に配置された半導体チップ30とワイヤ32を介して電気的に接続されている。ターミナル10は、本実施形態では、四角柱棒状とされ、部分的に曲げられた形状とされているが、円柱棒状にされてもよく、適宜他の形状とされてもよい。
ターミナル10の表面10aのうち、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂により構成されるコネクタケース20に覆われている部分を封止面10bとして、封止面10bの一部は、コネクタケース20と接合されている。封止面10bのうちコネクタケース20と接合された部分(以下「接合部10c」という)は、本実施形態では、図1に示すように、コネクタケース20の開口部21側に位置している。
接合部10cは、本実施形態では、ターミナル10の封止面10bの一部に設けられ、ターミナル10が延びる方向を延設方向とし、延設方向を軸とするターミナル10の径方向の全周を囲むように形成されている。接合部10cは、本実施形態では、例えばレーザ加工、ブラスト加工、研磨、プラズマ照射、化学的薬液処理などの任意の加工方法でナノメートル〜マイクロメートルオーダーの凹凸が形成された領域とされている。接合部10cは、本実施形態では、ナノメートル〜マイクロメートルオーダーの凹凸にコネクタケース20を構成する熱可塑性樹脂の一部が入り込み、アンカー効果を発揮することによりコネクタケース20と接合されている。
なお、ここでいう「ナノメートル〜マイクロメートルオーダーの凹凸」とは、例えば、日本工業規格(JIS規格)において規定する算術平均粗さである表面粗さRaがナノメートル〜マイクロメートルオーダー(例えば数nm〜数百μm)とされた凹凸をいう。
接合部10cは、本実施形態では、ターミナル10に接続されたボイド抑制部11によってその周囲を囲まれている。具体的には、図1もしくは図2に示すように、接合部10cとコネクタケース20の外壁面20aとの間にボイド抑制部11の一部が配置され、これらの間がボイド抑制部11の一部により区切られている。
ボイド抑制部11は、コネクタケース20のうち接合部10c近傍に後述する真空ボイドが生じることを抑制するために設けられる。ボイド抑制部11は、例えばターミナル10と同様の金属材料もしくはコネクタケース20を構成する樹脂材料と同一、もしくはより耐熱温度が高い樹脂材料であって、後ほど説明するコネクタケース20を成形する際に融着、あるいは接着しない材料で構成される。なお、ボイド抑制部11による真空ボイドの抑制については、後ほど詳しく説明する。
ボイド抑制部11は、本実施形態では、ターミナル10と別の部材であり、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を型成形することにより形成され、図2に示すように、ターミナル10のうち接合部10cと異なる位置に接続されている。ボイド抑制部11は、本実施形態では、図2に示すように、例えば略四角柱状とされると共に、ターミナル10の延設方向のうち接合部10c側の一面に開口部12が形成されている。ボイド抑制部11は、ターミナル10の接合部10cが開口部12内に収まるように配置されている。
言い換えると、ボイド抑制部11は、ターミナル10の表面10aのうち接合部10cと異なる部分に接続されると共に、開口部12に位置する隔壁が接合部10cとコネクタケース20の外壁面20aとを隔てる位置に配置されるように設けられている。このように、ボイド抑制部11がターミナル10の接合部10c付近に配置されることで、コネクタケース20のうち接合部10c近傍の部分の肉厚が薄くなる構成となる。
なお、ボイド抑制部11は、ターミナル10のうち接合部10cと異なる領域に接続され、コネクタケース20のうち接合部10c近傍の肉厚を薄くできる形状とされればよい。そのため、ボイド抑制部11は、上記の形状に限られず、ターミナル10の形状や接合部10cの形成位置に応じて適宜その形状やその形成位置が変更されてもよい。
コネクタケース20は、例えば、PPS、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ナイロン、PC(ポリカーボネート)等の熱可塑性樹脂を型成形することにより形成される。図3に示すように、本実施形態では、コネクタケース20のうちハウジング40側と反対側の一端部には開口部21が形成され、他端部の一面20bには第1凹部22および第2凹部23が形成されている。
第1凹部22は、図1もしくは図3に示すように、コネクタケース20の一面20bに対する法線方向から見て第2凹部23よりも外側に設けられ、ターミナル10の他端側が突出している。第1凹部22のうちターミナル10の他端部が突出している部分には、図3に示すように、例えば、シリコーン系樹脂などによりなるシール材24が配置され、第1凹部22とターミナル10の他端部との隙間が封止されている。
第2凹部23は、コネクタケース20の一面20bに対する法線方向から見て第1凹部22よりも内側に設けられ、半導体チップ30が配置されている。
半導体チップ30は、磁気センサや光センサ、あるいは、圧力センサ等に用いられるシリコン半導体等よりなるセンサチップであり、本実施形態では、ダイヤフラム31を備える圧力センサとされている。ダイヤフラム31は、図示しないブリッジ回路を構成するように形成されたゲージ抵抗を備える。このような半導体チップ30は、通常の半導体プロセスにより形成されるものである。
半導体チップ30は、ダイヤフラム31に圧力が印加されるとゲージ抵抗の抵抗値が変化してブリッジ回路の電圧が変化し、この電圧の変化に応じてセンサ出力信号を出力する半導体ダイヤフラム式のものである。
なお、半導体チップ30は、ワイヤ32を介してターミナル10の他端部に電気的に接続されると共に、ターミナル10を介して図示しない外部の回路等と電気的に接続され、圧力に応じた信号を当該外部の回路等に出力する。
また、コネクタケース20は、図1に示すように、ハウジング40が組み付けられている。具体的には、ハウジング40は、収容空間41が形成されており、この収容空間41内にコネクタケース20のうち一面20b側が挿入されている。そして、ハウジング40は、ハウジング40の端部42がコネクタケース20にかしめられることでコネクタケース20と組み付けられている。このハウジング40は、例えば、SUS等の金属材料よりなり、測定媒体を導入するための測定媒体導入孔43が形成されている。
ハウジング40は、図3に示すように、コネクタケース20の一面20bと対向している一面40aに、例えば、SUS等からなる円形のメタルダイヤフラム33とメタルダイヤフラム33の外縁部分に配置されている環状のリングウェルド34とを備える。
ハウジング40は、レーザ溶接等によりメタルダイヤフラム33の外縁部分およびリングウェルド34が一面40aに対して溶接されることで、ハウジング40、メタルダイヤフラム33およびリングウェルド34が溶け合った溶接部35が形成されている。
なお、メタルダイヤフラム33のうち外縁部分は、リングウェルド34と共にハウジング40に対して固定される部分である。また、メタルダイヤフラム33のうち第2凹部23を閉塞する部分は、測定媒体の圧力に応じて変位するダイヤフラム部として機能する部分である。
このように組み付けられたコネクタケース20とハウジング40において、第2凹部23、メタルダイヤフラム33、およびリングウェルド34で圧力検出室36が構成されている。この圧力検出室36内には、図3に示すように、メタルダイヤフラム33に印加された圧力を半導体チップ30に伝達する圧力伝達媒体37が充填されている。
なお、圧力伝達媒体37は、圧力伝達媒体37の熱膨張率を低くし、圧力検出の精度低下を抑制する観点から、例えば、フッ素オイルやシリコーンオイルなどのオイルが好ましい。
また、コネクタケース20のうち一面20bには、第1凹部22および第2凹部23を囲むように環状の溝25が形成されており、この環状の溝25は、例えば、シリコーンゴムなどからなるOリング26が備えられている。このOリング26は、コネクタケース20とハウジング40のかしめによるかしめ圧で押しつぶされることで圧力検出室36を封止する役割を果たす。
以上が、圧力センサの基本的な構造である。次に、このような圧力センサの製造方法について説明する。
まず、ターミナル10を用意し、例えば、レーザ加工によりターミナル10の表面10aの一部にナノメートル〜マイクロメートルオーダーの凹凸を形成する。このナノメートル〜マイクロメートルオーダーの凹凸が、後にコネクタケース20と接合する接合部10cに相当する。
次いで、ターミナル10をインサート物として、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をインサート成形することで、接合部10cと異なる領域に接続されると共に、接合部10cを囲む部分を備えるボイド抑制部11を形成する。
続いて、ボイド抑制部11が形成されたターミナル10をインサート物として、例えば、PPSなどの熱可塑性樹脂をインサート成形することで、ターミナル10およびボイド抑制部11の一部を覆う図1に示した形状のコネクタケース20を形成する。そして、ダイヤフラム31が形成された半導体チップ30を用意し、ダイヤフラム31の反対側をシリコーン系樹脂などによる接着材を介して第2凹部23の底面に接着する。
その後、例えば、半導体チップ30とターミナル10の他端部とをワイヤ32を介して電気的に接続し、オイルをディスペンサ等により第2凹部23内へ注入した後、第2凹部23内の余分な空気を除去する。その後、一面20bにメタルダイヤフラム33およびリングウェルド34が溶接されているハウジング40を用意し、コネクタケース20と嵌合させて圧力検出室36を構成する。そして、ハウジング40の端部42をコネクタケース20にかしめることにより、ハウジング40とコネクタケース20とを一体化する。このような製造方法により上記の圧力センサを製造することができる。
次に、ボイド抑制部11による接合部10c近傍の真空ボイドの抑制について、図4〜図6を参照して説明する。図4〜図6では、インサート物100を金型120内にセットし、これの一部を覆う樹脂部材110の材料である溶融樹脂111を流し込んで樹脂成形体を形成する様子を示し、分かり易くするために金型120内の空間の一部を拡大し、大きくデフォルメしている。
まず、従来のインサート成形における真空ボイドの発生について、図4、図5を参照して説明する。なお、図4(a)は、金型120内にインサート物100をセットし、溶融樹脂111を流し込んで金型120内を充填した直後の状態を示す図である。図4(b)は、金型120内に流し込んだ溶融樹脂111の一部が冷却固化した状態を示す図である。図4(c)は、図4(b)の後、さらに溶融樹脂111の冷却固化が進み、真空ボイド130が発生した状態を示す図である。
図4(a)に示すように、インサート物100を金型120にセットして、インサート物100を被覆する樹脂部材110の材料を溶かした溶融樹脂111を金型内に流し込んで充填する。そして、溶融樹脂111の温度が下がると、溶融樹脂111は、図4(b)に示すように、その表面、すなわちインサート物100および金型120に接する面から硬化を開始し、冷却固化および収縮が進行する。さらに溶融樹脂111の温度が下がり、かつ溶融樹脂111の未硬化部分である内部の圧力がゼロになった時、図4(c)に示すように、溶融樹脂111のうち固化済みの表面、すなわち硬化部112が耐圧隔壁となる。一方、溶融樹脂111の表面である硬化部112が耐圧隔壁となるため、溶融樹脂111のうち内部である未硬化部113が負圧となり、真空ボイド130が発生する。このとき、インサート物100と樹脂部材との界面が接合されていない場合、図4(c)に示すように、溶融樹脂111の未硬化部113が負圧になると当該界面に隙間ができる。その結果、樹脂部材110は、真空ボイド130が内部に包含された状態となる一方で、真空ボイド130がインサート物100との界面近傍付近に発生した状態にはなりにくい。
しかし、このような樹脂成形体は、インサート物100と樹脂部材110とが接合しておらず、隙間がある状態となるため、接合強度や気密性の観点から、その信頼性が十分とは言い難い。
そこで、本発明者らは、接合の信頼性向上の観点から、インサート物と樹脂部材とが接合された樹脂成形体について鋭意検討を進めた。その結果、単にインサート物と樹脂部材とが接合されただけの従来の樹脂成形体(以下、単に「従来の樹脂成形体」という)では、真空ボイドの発生状況が変化してしまい、別の問題が生じることが判明した。
具体的には、図4(a)に示したのと同様に、金型120に例えば樹脂部材と接合させるための図示しない粗化処理が施された粗化領域を備えるインサート物100をセットし、溶融樹脂111を流し込んで金型120内を充填する。そして、溶融樹脂111の温度が下がると、溶融樹脂111の表面のうちインサート物100と接する面が、インサート物100と接合された状態のまま硬化された硬化部112となる。その後、硬化部112のうちインサート物100と接する部分は、インサート物100と接合されているため、図4(c)に示すようなインサート物100との隙間が形成されない状態で、溶融樹脂111の内部の冷却固化および収縮が進む。
すると、溶融樹脂111のうちインサート物100側の硬化部112がインサート物100と接合して固定されるため、未硬化部113のうち当該硬化部112近傍が他の未硬化部113より相対的に負圧となる。その一方で、未硬化部113の厚みが厚いと、未硬化部113が硬化するまでに時間を要するため、未硬化部113のうち当該硬化部112近傍に収縮応力が集中する状態が長く続くこととなる。その結果、図5に示すように、真空ボイド130がインサート物100側の硬化部112近傍に集中して発生し、かつ、真空ボイド130が当該硬化部112近傍で連結した状態となる(以下、この現象を「真空ボイド連結」という)。真空ボイド連結が生じた樹脂成形体は、インサート物100と樹脂部材110との接合強度が低下し、これらの部材間の気密性が低下した状態となる。
本発明者らが、この真空ボイド連結について鋭意検討を行ったところ、真空ボイド連結は、図6に示すように、特に樹脂部材のうちインサート物と接合する部分における肉厚が厚い場合に顕著に発生し、当該部分の肉厚が薄い場合には生じないことが判明した。
図6では、エポキシ樹脂によりなるインサート物100と、その一部を被覆する熱可塑性樹脂によりなる樹脂部材110とによりなる樹脂成形体の断面を示している。インサート物100は、図6に示すように、その表面の一部が粗化領域とされた処理部101とされ、表面の残部が処理されていない未処理部102とされている。樹脂部材110のうち処理部101を覆う部分は、その一部が肉厚の薄い薄肉部110aとされ、残部が肉厚の厚い厚肉部110bとされている。そして、樹脂部材110のうち未処理部102を覆う部分は、すべて肉厚が厚い構成とされている。
上記構成の樹脂成形体では、図6に示すように、樹脂部材110のうち未処理部102を覆う部分、すなわち未接合の部分での真空ボイド130は、樹脂部材110の内部に点在しており、樹脂部材110と未処理部102との界面にはほとんど発生していない。
一方、樹脂部材110のうち処理部101を覆う部分、すなわち接合部分での真空ボイド130は、図6に示すように、厚肉部110bにおいては、樹脂部材110の内部に点在するのに加え、樹脂部材110と未処理部102との界面に集中的に発生している。しかし、樹脂部材110のうち処理部101を覆う部分であっても、薄肉部110aにおいては、真空ボイド130や真空ボイド連結がほとんど発生していない。
なお、図4で示した領域については、図6中に一点鎖線で示した領域R1に相当し、図5で示した領域については、図6中に二点鎖線で示した領域R2に相当する。
この結果により、本発明者らは、樹脂部材110のうちインサート物100と接合された部分、かつ厚肉の領域であっても、薄肉部110aに相当する領域を形成することで、従来の樹脂成形体に比べて、接合の信頼性が高い樹脂成形体が得られると考えた。
そこで、本実施形態の樹脂成形体では、コネクタケース20のうちターミナル10の接合部10c近傍における真空ボイド連結を抑制し、接合の信頼性を高めるために、図7に示すようにボイド抑制部11を設けた構造を採用している。
このボイド抑制部11を設けることによって、接合部10c近傍での真空ボイド連結が抑制される理由について図7を参照して説明する。
図7に示すように、ボイド抑制部11は、ターミナル10のうち接合部10cと異なる部分に接続され、かつコネクタケース20のうち接合部10c近傍部分(以下「接合近傍部201」という)の肉厚が薄くなるように他の部分から区画する区画部13を有する。区画部13は、図7に示すように、ターミナル10のうち接合部10cとコネクタケース20の外壁面20aとの間に配置されている。言い換えると、区画部13は、接合部10cに覆い被さる構造とされている。ボイド抑制部11は、このような区画部13を備える構造とされることで、接合近傍部201の肉厚を薄くする役割を果たす。
なお、ここでいう「接合近傍部201」とは、コネクタケース20のうちターミナル10とボイド抑制部11との間の領域に存在する部分をいう。
本実施形態の樹脂成形体は、ボイド抑制部11が接続されたターミナル10をインサート物としてコネクタケース20を構成する熱可塑性樹脂をインサート成形することで得られる。溶融した熱可塑性樹脂が冷却固化および収縮をしてコネクタケース20を形成すると、図7に示すように、コネクタケース20は、その内部が負圧になる影響で接合部10cを除き、ターミナル10およびボイド抑制部11との間に隙間が存在する状態となる。
また、コネクタケース20のうち接合近傍部201は、接合部10cと接合している一方、接合部10cの反対側である区画部13と接合していない。また、接合近傍部201は、区画部13により接合部10c近傍の肉厚が薄くなっているため、図7に示すように、接合部10c側に引き寄せられた状態となる。このように接合近傍部201が接合部10c側に向かって変形することで、熱可塑性樹脂の冷却固化および収縮に伴い、内部の未硬化部分が負圧になる際の収縮応力が接合部10c近傍に集中することが抑制される。その結果、真空ボイドが接合部10c近傍に集中して発生しなくなり、真空ボイド連結が抑制される。
本発明者らの鋭意検討により導き出された結果によると、接合近傍部201の肉厚は例えば1mm以下とされると、より効果的に真空ボイド連結が抑制されるため好ましい。言い換えると、区画部13と接合部10cとの表面法線方向における隙間が、1mm以下とされることが好ましい。
また、本発明者らの検討結果によると、コネクタケース20を構成する樹脂材料により異なるものの、接合部10cとコネクタケース20の外壁面20aとの距離が概ね2mm以上である場合に真空ボイド連結が起きることが多かった。このことから、本実施形態の樹脂成形体を限定するものではないが、接合部10cにおける肉厚が2mm以上となる箇所にボイド抑制部11が設けられた構成とされると、接合の信頼性の高い樹脂成形体となる。
さらに、ボイド抑制部11は、接合近傍部201における収縮応力の低減の観点から、コネクタケース20と接合しないことが好ましい。なお、ボイド抑制部11は、コネクタケース20と接合しないようにするため、離型剤を表面に塗布したり、研磨やめっきなどにより表面を平坦にしたりするなどの表面処理が施されていてもよい。また、同様の観点で、コネクタケース20は、ボイド抑制部11と接合しないように、熱可塑性樹脂に離型剤が添加された構成とされてもよい。
なお、ここでいうコネクタケース20の「肉厚」とは、ターミナル10の表面10aに対する法線方向(以下「表面法線方向」という)における厚みをいう。接合近傍部201における肉厚とは、ターミナル10の接合部10c側の面から区画部13のうち当該接合部10c側の壁面までの表面法線方向における厚みをいう。
また、表面法線方向は、ターミナル10の形状と接合部10cの形成部分により定まる。例えば、表面法線方向は、ターミナル10が四角柱状の場合には接合部10cが形成された面に対する法線方向となり、ターミナル10が円柱形状の場合には、ターミナル10を軸とする径方向、かつ接合部10cが形成された部分に対する法線方向となる。
本実施形態によれば、ボイド抑制部11が設けられたターミナル10を備える圧力センサは、コネクタケース20がターミナル10と接合しつつも、ターミナル10の接合部10c近傍における真空ボイド連結が抑制され、接合の信頼性が高い構造となる。
また、接合部10cに覆い被さる区画部13を備えるボイド抑制部11が、ターミナル10のうち接合部10cと異なる部分に接続されたターミナル10をインサート物としてコネクタケース20をインサート成形することで、真空ボイド連結が抑制される。このような真空ボイド連結が抑制されたコネクタケース20を用いることで、接合の信頼性の高い圧力センサを製造することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の樹脂成形体について、図8を参照して述べる。上記第1実施形態では圧力センサとされた例について説明したが、本実施形態では、磁気抵抗(MRE)センサとされた例について説明する。また、本実施形態では、ボイド抑制部11をターミナル10と一体化した構成とされている。この構造は、上記第1実施形態の圧力センサにも採用され得る。
このMREセンサは、例えば自動車などの車両に搭載され、車輪の回転速度を検出するセンサなどに適用される。このMREセンサは、図8に示すように、ターミナル10と、コネクタケース20と、磁気センサとされた半導体チップ30を含むモールドIC50と、モールドIC50を部分的に囲むコイル部60と、コイル部60を囲むキャップ70とを有してなる。
MREセンサは、例えばキャップ70の一面70a側にモールドIC50から生じる磁束が生じており、刃と溝とが交互に形成された図示しない金属製のロータに一面70aを向けた配置とされている。そして、ロータの回転に伴い、一面70aからの磁束密度が変化し、当該磁束密度の変化に応じてコイル部60に交流電圧が生じる。この交流電圧の周波数がロータの回転速度に比例するため、MREセンサは、ターミナル10を介して回転速度に応じた信号を図示しない外部の回路に出力する。
このMREセンサは、ターミナル10にボイド抑制部11を設けた構成とされた点以外については、公知のMREセンサと同じ構成であるため、以降では、ボイド抑制部11について主に説明する。
ターミナル10は、その一部が上記第1実施形態と同様にコネクタケース20と接合された接合部10cとされ、当該接合部10cと異なる部分にボイド抑制部11が接続されている。
ボイド抑制部11は、図8に示すように、ターミナル10のうちコネクタケース20の開口部21側の一端とその反対の他端との間に配置され、接合部10cを覆うように配置されている。なお、本実施形態では、ボイド抑制部11は、図8に示すように、ターミナル10に2つ設けられているが、上記第1実施形態と同様に1つだけ設けられてもよい。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、コネクタケース20のうち接合近傍部201における真空ボイド連結が抑制され、接合部10cにおけるターミナル10とコネクタケース20との接合の信頼性が従来の樹脂成形体よりも高くなる。
(第3実施形態)
第3実施形態の樹脂成形体について、図9を参照して述べる。図9では、断面を示していないが、接合部10cを分かり易くするためにハッチングを施すと共に、ターミナル10の一部およびボイド抑制部11以外の構成部分については省略している。また、本実施形態に示すボイド抑制部11は、上記各実施形態にも採用され得る。
本実施形態の樹脂成形体は、ボイド抑制部11の形状が変更されている点で、上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
ボイド抑制部11は、図9に示すように、ターミナル10の延設方向に対して垂直な方向に伸びつつ、その途中で折り曲げられた形状とされ、接合部10cとの間に隙間を設けつつ、当該接合部10cに覆い被さっている。すなわち、ボイド抑制部11は、ターミナル10の延設方向から見て、断面が略U字状とされている。この場合、ボイド抑制部11は、ターミナル10と同じ金属材料により構成される。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる構造となる。また、一次成形体としてボイド抑制部11を別途形成する必要がなくなるため、より簡便に製造することができる構造となる。
なお、本実施形態では、ボイド抑制部11が四角柱状のターミナル10の一面に設けられた接合部10cを覆う形状、すなわちターミナル10の延設方向から見て略U字形状とされた例について説明した。しかし、ボイド抑制部11は、本実施形態では、ターミナル10の一部として構成され、かつ、接合部10cを覆う形状とされていればよいため、接合部10cの形成領域に応じて適宜変更されてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態の樹脂成形体について、図10を参照して述べる。本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ボイド抑制部11がターミナル10に接続された構成とされている。図10では、断面を示していないが、接合部10cを分かり易くするためにハッチングを施すと共に、ボイド抑制部11と重なって見えない部分を破線で示し、かつ、ターミナル10の一部およびボイド抑制部11以外の構成部分については省略している。また、本実施形態に示すボイド抑制部11は、上記の第1実施形態および第2実施形態にも採用され得る。
本実施形態の樹脂成形体は、複数のターミナル10の1つに、複数のターミナル10それぞれの接合部10cを覆うボイド抑制部11が接続された構成とされている点で、上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
ターミナル10は、図10に示すように、本実施形態では、複数本設けられつつ、延設方向を揃えて同一平面上に配置されると共に、それぞれに接合部10cが形成されている。複数本のターミナル10の接合部10cそれぞれは、ターミナル10の延設方向に対して垂直な方向に沿って一列に並ぶように配置されている。
ボイド抑制部11は、図10に示すように、少なくとも複数のターミナル10のうち1つに接続され、それぞれの接合部10cを覆っている。本実施形態では、ボイド抑制部11は、複数のターミナル10が配置された平面に対する法線方向から見て、複数のターミナル10のうち中心付近に位置する1つのターミナル10に接続され、略T字形状とされている。
ボイド抑制部11は、ターミナル10と別部材とされ、溶接やかしめなどにより接続されている。ボイド抑制部11は、例えば、ターミナル10と同じ金属材料もしくは異なる金属材料または樹脂材料などにより構成される。
なお、本実施形態では、ボイド抑制部11は、1つのターミナル10に1つ接続された例について述べたが、1つのターミナル10に複数接続されてもよいし、複数のターミナル10に1つずつ接続されてもよい。このようにボイド抑制部11の形成場所や数量などは、適宜変更されてもよい。
本実施形態においても、上記各実施形態と同様の効果が得られる構造となる。
(第5実施形態)
第5実施形態の樹脂成形体について、図11を参照して述べる。本実施形態では、ボイド抑制部11をターミナル10と一体化した構成とされている。図11では、断面を示していないが、接合部10cを分かり易くするためにハッチングを施すと共に、ボイド抑制部11と重なって見えない部分を破線で示し、かつ、ターミナル10の一部およびボイド抑制部11以外の構成部分については省略している。また、本実施形態に示すボイド抑制部11は、上記の第1実施形態および第2実施形態にも採用され得る。
本実施形態の樹脂成形体は、ターミナル10が複数設けられ、かつ、当該ターミナル10それぞれに、当該ターミナル10に隣接する1つのターミナル10の接合部10cを覆うボイド抑制部11が形成された構成とされている点で、上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
本実施形態の樹脂成形体では、ターミナル10がその延設方向を揃えて複数配置されると共に、複数のターミナル10それぞれの一部がボイド抑制部11とされている。そして、隣接する2つのターミナル10のそれぞれに設けられたボイド抑制部11は、図11に示すように、該ボイド抑制部11が設けられたターミナル10の延設方向に対して交差する方向、例えば垂直方向であって、他方のターミナル10側に向かって延びている。また、隣接する2つのターミナル10のボイド抑制部11は、他方のターミナル10側に延びる途中で他方のターミナル10の接合部10cの上側へ折り曲げられ、当該接合部10cを互い違いに覆う配置とされている。
本実施形態においても、上記各実施形態と同様の効果が得られる構造となる。
(第6実施形態)
第6実施形態の樹脂成形体について、図12を参照して述べる。本実施形態も、上記第2実施形態と同様に、ボイド抑制部11をターミナル10と一体化した構成とされている。本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ボイド抑制部11がターミナル10に接続された構成とされている。図12(c)は、複数のターミナル10に1つのボイド抑制部11が取り付けられた状態であって、ターミナル10側から見た下面レイアウト図である。また、図12(c)では、接合部10cを分かり易くするためにハッチングを施している。また、図12(c)では、ターミナル10と重なって見えない接合部10cを破線で示している。図12(a)は、ターミナル10に取り付ける前のボイド抑制部11となる部材を示したものである。図12(b)は、ボイド抑制部11を止めるための穴10dが設けられた複数のターミナル10を示したものである。また、本実施形態に示すボイド抑制部11は、上記の第1実施形態および第2実施形態にも採用され得る。
本実施形態の樹脂成形体は、ターミナル10がその延設方向を揃えて複数配置され、かつ、複数のターミナル10とは別の独立した部材であって、複数のターミナル10それぞれの接合部10cを覆うボイド抑制部11が取り付けられた構成とされている。本実施形態では、上記の点で上記第1実施形態と相違し、この相違点について主に説明する。
複数のターミナル10それぞれは、図12(a)に示されるように、後述するボイド抑制部11となる部材を取り付けるための穴10dが形成されている。本実施形態では、穴10dは、接合部10cの付近であって、延設方向に対して垂直方向に沿って一列に並ぶ位置に設けられている。
ボイド抑制部11は、本実施形態では、ターミナル10と独立した別の絶縁性材料で構成された部材であり、例えば熱可塑性樹脂により構成される。ボイド抑制部11は、図12(b)に示すように、肉厚の薄い区画部13と、区画部13よりも肉厚が厚く、ターミナル10を嵌め込む溝14aとターミナル10に固定するためのピン14bとを備える固定部14とによりなる。また、ボイド抑制部11は、区画部13の一面と固定部14のうち溝14aの反対側の一面とが同一平面上に配置され、これらの面が1つの平面をなす形状とされている。
ボイド抑制部11は、図12(c)に示すように、溝14aにターミナル10を嵌め込みつつ、ピン14bをターミナル10の穴10dに通した後に後かしめなどにより固定される。そして、ボイド抑制部11は、区画部13が複数のターミナル10それぞれの接合部10cから離れてこれらを覆う位置に配置されるように、ターミナル10に固定されている。
なお、本実施形態では、設けられるターミナル10の数と同じ数の溝14aおよびピン14bが設けられたボイド抑制部11について説明したが、ターミナル10に固定されつつ、複数のターミナル10それぞれの接合部10cを覆う形状とされればよい。そのため、ボイド抑制部11は、上記の例に限られず、溝14aやピン14bの数や形状などが適宜変更されてもよい。
本実施形態においても、上記各実施形態と同様の効果が得られる構造となる。
(第7実施形態)
第7実施形態の樹脂成形体について、図13、図14を参照して述べる。図13では、ターミナル10およびコネクタケース20の一部を示しており、構成を分かり易くするため、これら以外の構成要素については省略している。図14では、本実施形態の樹脂成形体の製造工程のうちコネクタケース20を形成する工程であって、図13に示すターミナル10およびコネクタケース20の領域に対応するものであり、分かり易くするために他の構成部分については省略している。
本実施形態の樹脂成形体は、上記各実施形態と異なり、実体物としてのボイド抑制部11を有していない。具体的には、コネクタケース20は、図14で示すように、これを形成する際に使用するインサート成形用の金型200の一部をボイド抑制部11として用いたことで溝27が形成されている。この溝27がボイド抑制部11の代わりにコネクタケース20に形成される点で、上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
コネクタケース20は、図13に示すように、開口部21側のターミナル10の一端側から見て底面21aに溝27が形成されている。この溝27は、ターミナル10の接合部10cとコネクタケース20の外壁面20aとの間に配置されると共に、コネクタケース20のうち接合近傍部201の肉厚が薄く(例えば1mm以下)なるように形成されている。
なお、本実施形態でいう「接合近傍部201」とは、コネクタケース20のうち溝27とターミナル10との間に存在する部分をいう。
溝27は、例えば図14に示す製造工程により形成される。まず、図14に示すように、接合部10cが形成されたターミナル10を上型202、下型203およびスライド型204によりなる金型200にセットし、熱可塑性樹脂を溶融した溶融樹脂111を金型200内に充填する。
スライド型204は、ターミナル10のうち接合部10cに覆い被さる位置に配置され、ボイド抑制部11としての役割を果たす突起部204aを備えている。突起部204aは、ターミナル10の接合部10cとの表面法線方向における距離が例えば1mm以下となる位置に配置される。そして、図14に示す状態のまま、溶融樹脂111が冷却固化される際に、突起部204aが存在することでコネクタケース20のうち接合近傍部201が薄肉化されるため、突起部204aがボイド抑制部11としての機能を果たす。そして、ターミナル10およびコネクタケース20によりなるワークを金型200から離型する。
これにより、図13に示すように、ターミナル10と一部接合されると共に、溝27が形成されたコネクタケース20が形成される。このような製造方法によっても、接合近傍部201における真空ボイド連結が抑制されるため、従来の樹脂成形体に比べて、接合の信頼性の高い樹脂成形体を製造できる。
本実施形態においても、上記の第1実施形態および第3実施形態と同様の効果が得られる構造となる。また、ボイド抑制部11として機能するのが金型200の一部であるため、樹脂成形体自体にボイド抑制部11として実体の部材が不要となり、上記各実施形態よりも低コスト化することが期待される。
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態に示した樹脂金属接合体は、本発明の一例を示したものであり、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)例えば、上記各実施形態では、金属材料によりなるターミナル10を第1部材とし、当該第1部材の一部を覆う熱可塑性樹脂によりなるコネクタケース20を第2部材とする樹脂成形体について説明した。しかし、第1部材は、金属材料によりなる金属部材に限られず、熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂によりなる樹脂部材とされていてもよい。
(2)上記各実施形態では、第1部材であるターミナル10に接合部10cとなる粗化領域を形成する場合について説明したが、第1部材と第2部材とが接合された部位が形成された構成とされればよい。そのため、粗化領域を形成しない方法にて接合部10cが形成されてもよい。例えば、上記他の実施形態(1)で述べたように第1部材や第2部材に添加剤を添加してもよいし、他の公知の方法により行ってもよい。
(3)上記の第1実施形態および第2実施形態では、それぞれ圧力センサやMREセンサとされた例について説明したが、これらの実施形態で説明したセンサ構造は、あくまで一例である。そのため、ボイド抑制部11のターミナル10やコネクタケース20に対する配置以外の点については、他の任意の構造とされてもよい。
また、半導体チップ30として、光センサや温度センサなどの他の物理量に応じた信号を出力するものを用いることにより、上記第1実施形態および上記第2実施形態に限られず、他の半導体センサとされてもよい。この場合、ボイド抑制部11を採用しつつ、公知の半導体センサの構造を採用して、適宜その半導体センサの構成が変更されうる。
(4)上記各実施形態の樹脂成形体は、例えば第1実施形態に第3実施形態と第5実施形態のボイド抑制部11の構造をそれぞれ採用するなど、自由に組み合わせられてもよい。
(5)上記各実施形態では、1つのターミナル10に対して部分的に接合部10cを1箇所備える例について説明したが、1つのターミナル10の別々の箇所に複数の接合部10cを備える構造とされてもよい。この場合、複数の接合部10cそれぞれを覆うボイド抑制部11が設けられていればよい。
また、上記第3実施形態ないし第7実施形態では、接合部10cが少なくともボイド抑制部11と対向する面に設けられた場合について説明したが、接合部10cは、ターミナル10の全周に設けられ、閉環形状とされてもよい。この場合、接合部10cが形成された面のうちボイド抑制部11が形成されていないと、その部分を覆うコネクタケース20の厚みが2mm以上となる部分を覆うボイド抑制部11が設けられていればよい。
(6)上記各実施形態で述べた樹脂成形体は、第1部材と第2部材とが少なくとも一部の界面で接合され、第1部材に当該接合された部分を覆うボイド抑制部11が接続されるか、その一部として構成されていれば、真空ボイド連結が抑制される構造となる。そのため、本発明の樹脂成形体は、上記第1実施形態や第2実施形態で説明した半導体センサに限られず、例えばスマートフォンなどの電気製品における樹脂金属接合体として採用されてよいし、他の様々な接合体に採用され得る。
10 (第1部材としての)ターミナル
10a 表面
10b 封止面
10c 接合部
11 ボイド抑制部
13 区画部
20 (第2部材としての)コネクタケース
20a 外壁面
201 接合近傍部

Claims (13)

  1. 第1部材(10)と、
    前記第1部材の一部を覆う第2部材としての熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、
    前記第1部材の表面(10a)のうち前記熱可塑性樹脂部材に覆われた封止面(10b)の一部は、前記熱可塑性樹脂部材と接合された接合部(10c)とされており、
    前記表面に対する法線方向において、前記接合部と前記熱可塑性樹脂部材の外壁面(20a)との間には、前記熱可塑性樹脂部材のうち前記接合部と接合された部分におけるボイドの発生を抑制するボイド抑制部(11)が配置されている樹脂成形体。
  2. 前記ボイド抑制部は、前記第1部材に接続されているか、もしくは該第1部材の一部である請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記第1部材は、複数設けられており、
    前記ボイド抑制部は、複数の前記第1部材のうち少なくとも1つに接続されているか、もしくは前記第1部材のうち少なくとも1つの一部であると共に、該ボイド抑制部を備える前記第1部材と異なる前記第1部材の前記接合部を覆っている請求項1または2に記載の樹脂成形体。
  4. 前記第1部材は、複数設けられており、
    前記ボイド抑制部は、複数の前記第1部材のうち少なくとも隣接する2つの前記第1部材のそれぞれに設けられると共に、該ボイド抑制部が設けられた前記第1部材に隣接する他方の前記第1部材の前記接合部を互いに覆っている請求項1または2に記載の樹脂成形体。
  5. 前記第1部材は、複数設けられており、
    前記ボイド抑制部は、前記第1部材とは別の部材であると共に、複数の前記第1部材それぞれに接続されると共に、複数の前記第1部材それぞれの前記接合部を覆っている請求項1に記載の樹脂成形体。
  6. 前記ボイド抑制部と前記熱可塑性樹脂部材との間には、隙間が存在する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の樹脂成形体。
  7. 前記ボイド抑制部は、前記接合部と前記外壁面とを隔てるように形成された溝である請求項1に記載の樹脂成形体。
  8. 前記熱可塑性樹脂部材のうち前記接合部と前記ボイド抑制部との間に挟まれた部分の厚みが1mm以下とされている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の樹脂成形体。
  9. 前記表面に対する法線方向における前記接合部から前記外壁面までの距離が2mm以上である請求項1ないし8のいずれか1つに記載の樹脂成形体。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の樹脂成形体と、測定媒体の物理量に対応した電気出力を発生するセンサチップ(30)とを備える半導体センサであって、
    前記センサチップと電気的に接続されたターミナル(10)と、
    前記ターミナルの一部を覆うと共に、前記ターミナルの表面の一部と接合されたコネクタケース(20)と、を備え、
    前記ターミナルが前記第1部材であり、
    前記コネクタケースが前記熱可塑性樹脂部材であり、
    前記ターミナルのうち前記コネクタケースと接合された部分が前記接合部である半導体センサ。
  11. 第1部材(10)と該第1部材の一部を覆う第2部材である熱可塑性樹脂部材(20)とを備える樹脂成形体の製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂部材と接合する領域である接合部(10c)を表面(10a)に有し、該接合部から離れてこれを覆うボイド抑制部(11)を備える前記第1部材を用意することと、
    前記第1部材をインサート物として、前記熱可塑性樹脂部材をインサート成形により形成することと、を含む樹脂成形体の製造方法。
  12. 第1部材(10)と該第1部材の一部を覆う第2部材である熱可塑性樹脂部材(20)とを備える樹脂成形体の製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂部材と接合する領域である接合部(10c)を表面(10a)に有する前記第1部材を用意することと、
    前記第1部材をインサート物として、前記熱可塑性樹脂部材をインサート成形により形成することと、を含み、
    前記熱可塑性樹脂部材を形成することにおいては、インサート成形用の金型の一部を前記接合部から離れて前記接合部を覆うように配置した状態で、前記熱可塑性樹脂部材をインサート成形により成形した後に、前記金型を前記熱可塑性樹脂部材から引き抜くことにより行い、
    前記金型を配置することにおいては、前記接合部と前記金型の一部との隙間が1mm以下となるように配置する樹脂成形体の製造方法。
  13. 前記第1部材を用意することにおいては、前記表面の一部にナノメートル〜マイクロメートルオーダーの凹凸を形成する粗化処理を施して前記接合部を形成する請求項11または12に記載の樹脂成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006015618A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Hitachi Ltd 複数部材からなる部品の構造及びその製造方法
JP2013071312A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Hitachi Automotive Systems Ltd 金属部材と成形樹脂部材との複合成形体および金属部材の表面加工方法

Patent Citations (2)

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