JP2019034324A - 金属部材転倒装置および金属部材転倒方法 - Google Patents

金属部材転倒装置および金属部材転倒方法 Download PDF

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Abstract

【課題】載置板に載置した状態にあるコイル等の金属部材を転倒させる際に、金属部材と載置板との間の摩擦による金属部材の傷つきを抑制することができる金属部材転倒装置、またそのような金属部材転倒方法を提供する。
【解決手段】回転軸13と、第一のフレーム部11と、第二のフレーム部12と、を備え、回転軸13を中心とした回転角を、第一の回転角と第二の回転角の間で変更可能であり、第二のフレーム部12が第二の回転角において金属部材Cを載置可能な面122を有する転倒台10と、貫通孔を有する板状の載置板20と、押し上げ部40と、を有し、第一の回転角において、押し上げ部40が、第一のフレーム部11に固定した載置板20の貫通孔を通過して、載置板20の面に載置された金属部材Cを押し上げ可能であり、金属部材Cを押し上げ部40で押し上げた状態で、転倒台10が、第二の回転角へと回転できる金属部材転倒装置1とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属部材転倒装置および金属部材転倒方法に関し、さらに詳しくは、金属線材よりなるコイル等の金属部材を転倒させ、配置角度を変更するための金属部材転倒装置、およびそのような装置を用いて金属部材を転倒させる方法に関するものである。
金属部材の加工の途中において、金属部材の配置角度を変更するのに、転倒装置が用いられることがある。そのような転倒装置の例が、特許文献1に開示されている。
その種の転倒装置が用いられる状況の例として、金属線材を螺旋状に巻き回したコイルの配置変更を挙げることができる。例えば、圧延を経た鋼材等の金属線材は、コイルへと成形されたうえで、加熱炉で熱処理を受ける。コイルの熱処理は、通常、端面を略水平に寝かせた状態で行われる。しかし、熱処理後に、フック装置等を用いてコイルを搬送する際には、コイルを転倒させ、端面を立てた状態へと配置変更する必要が生じることが多い。この配置変更に、転倒装置が用いられる。
図7に、従来一般の転倒装置9を用いてコイルCを転倒させる工程を示す。転倒装置9は、第一のフレーム部91と第二のフレーム部92を有する転倒台90を備えている。転倒台90は、第一のフレーム部91と第二のフレーム部92の相互間の角度を固定した状態で、回転軸93を中心に回転角を変化させることができる。コイルCは、載置板(ライダー)94に端面C2において載置された状態で熱処理を受け、その状態のまま、水平に配置された転倒台90の第一のフレーム部91に導入される。そして、図7(a)のように、固定部95により、載置板94が第一のフレーム部91に固定される。
その状態から、図7(b)のように、回転軸93を中心に転倒台90を回転させ、第二のフレーム部92が水平に向くようにする。すると、コイルCが側面C3において第二のフレーム部92の面に載置された状態となる。
その後、図7(c),(d)のように、フック装置85を用いて、コイルCを吊り上げて、搬送する。この際、最初に、図7(c)のように、コイルCの内部空間にフック装置85を挿入し、略鉛直に持ち上げるようにして、コイルCを載置板94から分離する。
特開平8−267137号公報
図7に示したような従来一般の転倒装置9を用いてコイルCを転倒させる際に、コイルCと載置板94の間に強い摩擦が発生しやすい。例えば、図7(b)のように、転倒動作の際に載置板94の面に対してコイルCをずらす方向に重力が働く過程や、図7(c)のように、フック装置85でコイルCを吊り上げて載置板94と分離する過程において、コイルCの端面C2と載置板94の面の間で、強い摩擦が発生する。特に、コイルCを載置板94に載置した状態で熱処理し、直後に転倒装置9を用いた転倒を行う場合には、熱処理時の熱の影響で、載置板94とコイルCの間に強い固着(凝着)が起こっている場合が多く、その固着のために、図7(b)の転倒動作や図7(c)の吊り上げ動作の際に、コイルCの端面C2が載置板94の面に強く擦られる事態が起こりやすい。そのようなコイル端面C2と載置板94の間での摩擦は、コイル端面C2における傷の発生につながる。
本発明が解決しようとする課題は、載置板に載置した状態にあるコイル等の金属部材を転倒させる際に、金属部材と載置板との間の摩擦による金属部材の傷つきを抑制することができる金属部材転倒装置、またそのような金属部材転倒方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる金属部材転倒装置は、回転軸と、第一のフレーム部と、前記回転軸を中心として前記第一のフレーム部に対して一定の角度に固定された第二のフレーム部と、を備え、前記回転軸を中心とした回転角を、第一の回転角と第二の回転角の間で変更可能であり、前記第二のフレーム部が前記第二の回転角において金属部材を載置可能な面を有する転倒台と、前記第一のフレーム部に固定可能であり、貫通孔を有する板状の載置板と、前記第一のフレーム部に前記載置板を固定する固定部と、押し上げ部と、を有し、前記第一の回転角において、前記第一のフレーム部に前記固定部によって前記載置板を固定した状態で、前記載置板の面に金属部材を載置可能であり、前記押し上げ部が、前記載置板の前記貫通孔を通過して、前記載置板の面に載置された前記金属部材を押し上げ可能であり、前記金属部材を前記押し上げ部で押し上げた状態で、前記転倒台が、前記第二の回転角へと回転できる、というものである。
ここで、前記金属部材転倒装置はさらに、位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記第一の回転角において、前記押し上げ部が前記貫通孔を通過可能な正規配置に、前記載置板を位置決めする位置決め工程を実行可能であるとよい。
この場合に、前記位置決め部は、ストッパ部材と、センタリング部材と、を有し、前記ストッパ部材は、前記金属部材を載置した前記載置板を前記第一の回転角にある前記第一のフレーム部に導入する送り方向に沿って前方に位置し、前記第一のフレーム部に導入された前記載置板の前方の側面に当接可能であり、前記センタリング部材は、前記送り方向に交差する方向に進退可能であり、該進退運動によって、前記第一のフレーム部に導入された前記載置板の側面に、相互に対向する2つの方向のそれぞれ複数箇所で当接可能であるとよい。
さらにこの場合に、前記金属部材を載置した前記載置板が、前記第一の回転角にある前記第一のフレーム部に、前記送り方向に沿って導入されると、前記ストッパ部材を前記載置板に当接させる当接工程と、前記センタリング部材を前記載置板に当接させて押圧するセンタリング工程と、を前記位置決め工程としてこの順に実行してから、前記固定部による前記第一のフレーム部への前記載置板の固定を行うように、金属部材転倒装置を構成するとよい。
さらに、前記位置決め工程において、前記センタリング工程の後、前記載置板を前記送り方向に沿って前進させて前記ストッパ部材に当接させ、前記載置板と前記ストッパ部材との間に生じている空隙を解消する再当接工程を実行するように、金属部材転倒装置を構成するとよい。
そしてさらに、前記位置決め工程において、前記再当接工程の後、前記センタリング部材を再度前記載置板に当接させる再センタリング工程を実行するように、金属部材転倒装置を構成するとよい。
また、前記押し上げ部の前記金属部材と接触する接触面は、前記金属部材よりも低い硬度を有するとともに、前記金属部材の温度によって、前記金属部材の押し上げに支障をきたす変形および変質を起こさないだけの耐熱性を有する材料よりなるとよい。
この場合に、前記押し上げ部の前記接触面は、耐熱性樹脂よりなるとよい。
本発明にかかる金属部材転倒方法は、上記のような金属部材転倒装置を用いて、前記第一の回転角にある前記転倒台の前記第一のフレーム部に、金属部材を載置した載置板を固定した状態から、前記金属部材を前記押し上げ部によって押し上げる押し上げ工程と、前記金属部材を前記押し上げ部によって押し上げた状態のまま、前記転倒台を前記第二の回転角へと回転させることで、前記金属部材を、転倒させながら、第二のフレーム部に載置された状態へ移行させる転倒工程と、をこの順に実行する、というものである。
ここで、上記のような位置決め部を有する金属部材転倒装置を用いて、前記金属部材を載置した前記載置板を、前記第一の回転角にある前記転倒台の前記第一のフレーム部に導入する導入工程と、前記位置決め工程と、前記載置板を前記第一のフレーム部に固定する固定工程と、前記押し上げ工程と、前記転倒工程と、をこの順に実行するとよい。
また、前記金属部材は、金属線材を螺旋状に巻き回してなるコイルであり、前記載置板に載置された状態で熱処理を受けたものであるとよい。
上記発明にかかる金属部材転倒装置においては、押し上げ部が設けられるとともに、載置板に押し上げ部が通過可能な貫通孔が設けられており、転倒台が第一の回転角にある状態において、第一のフレーム部に固定された載置板に載置された金属部材を、押し上げ部によって押し上げることができる。また、そのように金属部材を押し上げた状態のままで、第二の回転角へと転倒台を回転させることができる。第一の回転角において、金属部材を押し上げ部によって押し上げて、載置板から分離しておいたうえで、第二の回転角への回転を行うことで、金属部材と載置板との間に強い摩擦を伴うことなく、金属部材を転倒させながら、第二のフレーム部の面へと移動させることができる。
よって、先立つ熱処理等により、載置板と金属部材の間に固着が起こっているような場合でも、金属部材の転倒時に、載置板と金属部材の間に強い摩擦が発生するのを回避し、摩擦に起因する金属部材の傷つきを抑制することができる。さらに、転倒装置による転倒を完了した後の金属部材を、フック装置等を用いて転倒装置の外部に搬送する場合にも、既に押し上げ部によって金属部材が載置板から完全に分離された状態で、そのような搬送操作を行うことになるので、搬送操作に起因して、金属部材に大きな負荷がかかるのを抑制することができる。このように、金属部材の転倒時および搬送時に、載置板との間の摩擦をはじめとする負荷が金属部材に印加されることにより、金属部材に傷が発生する事態を抑制することができる。
ここで、金属部材転倒装置がさらに、位置決め部を有し、位置決め部が、第一の回転角において、押し上げ部が貫通孔を通過可能な正規配置に、載置板を位置決めする位置決め工程を実行可能である場合には、第一の回転角において、金属部材を押し上げ部によって確実に押し上げ、載置板から分離することができる。また、載置板に、押し上げ部の大きさに対して過剰に大きい貫通孔を設ける必要がなくなるので、載置板の強度を高く保つことができる。特に金属部材を載置板に載置した状態で熱処理を行う場合には、載置板が高強度を有することが重要である。
この場合に、位置決め部が、ストッパ部材と、センタリング部材と、を有し、ストッパ部材が、金属部材を載置した載置板を第一の回転角にある第一のフレーム部に導入する送り方向に沿って前方に位置し、第一のフレーム部に導入された載置板の前方の側面に当接可能であり、センタリング部材が、送り方向に交差する方向に進退可能であり、進退運動によって、第一のフレーム部に導入された載置板の側面に、相互に対向する2つの方向のそれぞれ複数箇所で当接可能である構成によれば、簡素な位置決め部の構成で、正規配置への載置板の位置決めを、各方向について、精度よく行うことが可能となる。
さらにこの場合に、金属部材を載置した載置板が、第一の回転角にある第一のフレーム部に、送り方向に沿って導入されると、ストッパ部材を載置板に当接させる当接工程と、センタリング部材を載置板に当接させて押圧するセンタリング工程と、を位置決め工程としてこの順に実行してから、固定部による第一のフレーム部への載置板の固定を行うように、金属部材転倒装置を構成すれば、当接工程において、送り方向に関する載置板の位置決めを行ったうえで、センタリング工程において、送り方向に交差する方向および回転方向に関する載置板の位置決めを行うことができる。
さらに、位置決め工程において、センタリング工程の後、載置板を前記送り方向に沿って前進させてストッパ部材に当接させ、載置板とストッパ部材との間に生じている空隙を解消する再当接工程を実行するように金属部材転倒装置を構成すれば、センタリング工程に起因して載置板とストッパ部材の間に空隙が生じたとしても、再当接工程によってその空隙を解消し、送り方向に沿った載置板の位置決めを、高精度に行うことができる。
そしてさらに、位置決め工程において、再当接工程の後、センタリング部材を再度載置板に当接させる再センタリング工程を実行するように、金属部材転倒装置を構成すれば、送り方向に交差する方向における載置板の位置決めの精度を、特に高めることができる。
また、押し上げ部の金属部材と接触する接触面が、金属部材よりも低い硬度を有するとともに、金属部材の温度によって、金属部材の押し上げに支障をきたす変形および変質を起こさないだけの耐熱性を有する材料よりなる場合には、接触面の低硬度の効果により、押し上げ部によって金属部材を押し上げる際に、押し上げ部との接触によって金属部材に損傷を与えにくい。また、接触面の耐熱性の効果により、熱処理等の加熱を経た金属部材を転倒させる場合にも、押し上げ工程を含む転倒の操作を、長期に亘って安定して行うことができる。
この場合に、押し上げ部の前記接触面が、耐熱性樹脂よりなる場合には、硬度の低さと耐熱性に優れ、平滑性の高い接触面とすることができる。よって、押し上げ部での押し上げ時に、金属部材に損傷を特に与えにくい。さらに、第一の回転角から第二の回転角への回転時、また第二の回転角においてフック装置等を用いて金属部材を搬送する際に、押し上げ部の接触面に対して金属部材が滑りやすいため、それらの動作を行いやすく、それらの動作に起因する金属部材の傷つきを、特に低減することができる。
上記発明にかかる金属部材転倒方法においては、押し上げ部を有する上記のような金属部材転倒装置を用いて、押し上げ工程によって、金属部材を載置板から分離した状態で、転倒工程によって、金属部材の転倒を行う。そのため、転倒工程において、載置板と金属部材の間に強い摩擦が働き、摩擦に起因して金属部材に傷つきが発生するような事態を、抑制することができる。先立つ熱処理等において載置板と金属部材の間に固着が発生しているような場合であっても、そのような効果が発揮される。さらに、転倒工程の後に、フック装置等を用いた金属部材の搬送を行う場合にも、既に押し上げ部によって金属部材を載置板から分離した状態で、搬送操作を行うことになるので、搬送操作に起因した載置板と金属部材の間の摩擦およびそれによる金属部材の傷つきを抑制することができる。
ここで、上記のような位置決め部を有する金属部材転倒装置を用いて、金属部材を載置した載置板を、第一の回転角にある転倒台の第一のフレーム部に導入する導入工程と、位置決め工程と、載置板を第一のフレーム部に固定する固定工程と、押し上げ工程と、転倒工程と、をこの順に実行する場合には、位置決め工程を行ったうえで押し上げ工程を行うので、押し上げ工程において、金属部材を押し上げ部で確実に押し上げることができる。
また、金属部材が、金属線材を螺旋状に巻き回してなるコイルであり、載置板に載置された状態で熱処理を受けたものである場合には、コイルの転倒を、コイルへの傷つきが少ない状態で行うことができる。この種のコイルにおいては、コイルを構成する金属線材の表面がコイル全体としての表面に露出しているので、コイル表面への傷の形成が、最終製品としての金属線材の品質に影響を与えやすいが、押し上げ工程を経てコイルの転倒を行うことで、そのような金属線材への傷の影響を小さく抑えることができる。特に、熱処理工程において、載置板とコイルの間に固着が発生している場合があるが、押し上げ工程において、固着を解消して、コイルを載置板から分離した状態で転倒を行うことで、傷の発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態にかかる転倒装置の構成を示す側面図であり、(a)は転倒台が第一の回転角にある状態、(b)は転倒台が第二の回転角にある状態を示している。 載置板の構成を示す上面図であり、(a)は載置板のみを示し、(b)は、正規配置における載置板とコイル、押し上げ部の位置関係を示している。 押し上げ部によるコイルの押し上げを説明する側面図である。押し上げ前の状態を破線で、押し上げ後の状態を実線で表示している。 上記転倒装置を用いたコイルの転倒を説明する図であり、(a)〜(d)の順に転倒動作が行われる。 転倒装置からのコイルの搬送を説明する図であり、(a)〜(d)の順に搬送動作が行われる。 位置決め部の構成と動作を説明する図であり、(a)〜(f)の順に位置決め動作が行われる。 従来一般の転倒装置におけるコイルの転倒と搬送を説明する図であり、(a)〜(d)の順に転倒・搬送動作が行われる。
以下に、本発明の一実施形態にかかる金属部材転倒装置および金属部材転倒方法について説明する。本実施形態にかかる金属部材転倒装置(以下単に、転倒装置と称する場合がある)は、金属部材を転倒させて配置角度を変更するものである。そして、本実施形態にかかる金属部材転倒方法(以下単に、転倒方法と称する場合がある)は、そのような金属部材転倒装置を用いて、金属部材を転倒させて、金属部材の配置角度を変更するものである。
[金属部材の例]
最初に、本実施形態にかかる金属部材転倒装置1によって転倒させる対象となる金属部材について説明する。対象となる金属部材は、金属材料よりなる部材であれば、特に限定されるものではないが、転倒動作の必要性や、本転倒装置1を用いて、載置板20との摩擦による傷つきを抑制した状態で転倒動作を行うことの意義等の観点から、軸の両端に端面を有する柱状または筒状の部材であることが好ましい。
筒状の金属部材の例として、図1等に示すような、金属線材を螺旋状に巻き回したコイルCを挙げることができる。例えば、線状に圧延された鋼材は、後段の加工や搬送の利便性のために、螺旋状に巻き取られ、コイルCの形態とされる場合がある。コイルCにおいては、必要に応じて、各ターンの線材が広がらないように、金属帯C1によって、各ターンが結束されている。圧延後の線材は、コイルCの形態のまま、歪み除去等のために、加熱炉において、熱処理を受ける。例えば、その加熱炉の後段に、本実施形態にかかる金属転倒装置1が設けられ、熱処理を受けた直後のコイルCの転倒動作を行う。
実際に、図7に示したような従来一般の金属部材転倒装置9が、そのような用途に用いられてきた。コイルCが熱処理を受ける際には、金属材よりなる載置板(ライダー)20,94の上に端面C2を接触させて載置された状態で、ローラコンベア80で加熱炉内を搬送され、そのまま加熱炉の外に搬出される。その後、フック装置85での搬送の利便性等のために、コイルCを載置板20,94から分離するとともに、軸を水平にして立ち上がった状態に配置角度を変更する必要があり、従来一般の転倒装置9、および本実施形態にかかる転倒装置1が、その目的のために用いられる。
コイルCとして成形された線材は、必要な処理や加工を全て完了した後、線状に戻した状態で、使用に供される。よって、コイルCを構成する線材の表面の各部が、最終製品としての線材の表面となる。そのため、コイルCの表面に傷が形成されてしまうと、最終製品においてその傷の影響が深刻となりやすい。また、コイルCを熱処理する場合には、熱処理工程における加熱の影響で、コイルCと載置板20,94の間に、固着(凝着)が発生しやすく、その固着を解消する必要から、コイルCの転倒および搬送の途中で、コイルCに大きな摩擦や衝撃が印加されるため、その摩擦や衝撃によって、コイルCの表面にますます傷が発生しやすくなる。このように、金属部材が、線材よりなるコイルCである場合、特に熱処理を受けた直後の状態にあるコイルCである場合に、転倒動作に伴う傷の発生がとりわけ大きな問題となる。しかし、以下で説明する本実施形態にかかる転倒装置1を用いて、転倒動作に伴って生じる摩擦を低減することで、コイルCの表面への傷の形成を抑制することができる。以下では、転倒装置1を用いて転倒させる金属部材が、熱処理後の金属線材よりなるコイルCである場合を例として、転倒装置1および転倒方法について説明する。
[金属部材転倒装置の構成]
次に、本発明の一実施形態にかかる金属部材転倒装置1の構成について説明する。図1に、本実施形態にかかる金属部材転倒装置1の構成を、転倒対象であるコイルCとともに、模式的に示す。
図1および他の各図において、x,y,z軸を、図示したように設定する。x軸は、水平面内において、ローラコンベア80によって金属部材転倒装置1にコイルCを導入する方向(送り方向)に沿って設けている。送り方向に沿って前方、つまりコイルCが進んでいく方向を+xとする。z軸は、鉛直方向に沿って設けており、上方を+zとする。そして、y軸は、x軸およびz軸に交差する方向に設けており、下記で説明する転倒台の回転方向がyz平面内に存在するようにしている。
金属部材転倒装置1は、転倒台10と、載置板20と、固定部30と、押し上げ部40と、位置決め部50(図6参照)と、を有している。金属部材転倒装置1は、他に、転倒台10の回転状態や押し上げ部40の昇降状態等を確認するための各種センサを適宜有する(不図示)。
転倒台10は、第一のフレーム部11と、第二のフレーム部12と、回転軸13と、を有している。第一のフレーム部11と第二のフレーム部12は、ともに、回転軸13が設けられた部位から外側に向かって延出する部材であり、回転軸13を中心として、約90°に、相互の間の角度を固定されている。回転軸13は、x方向に沿って設けられた軸部材であり、図示しないシリンダ等を用いて、軸回転可能である。回転軸13の軸回転により、第一のフレーム部11と第二のフレーム部12が、回転軸13を中心として、一体に回転される(運動M3)。回転軸13の回転は、少なくとも第一の回転角と第二の回転角の間で可能であり、第一の回転角および第二の回転角のそれぞれにおいて、回転角を固定することができる。
転倒台10が第一の回転角にある状態を図1(a)に示す。この状態においては、第一のフレーム部11が、水平に配置され、回転軸13から−y方向に向かって延出した状態にある。第二のフレーム部12は、鉛直に起立している。一方、転倒台10が第二の回転角にある状態を図1(b)に示す。第二の回転角は、第一の回転角から、転倒台10が、回転軸13を中心にyz平面内で+y方向に90°回転した状態である。この第二の回転角においては、第二のフレーム部12が、水平に配置され、回転軸13から+y方向に延出した状態にある。第一のフレーム部11は、鉛直に起立している。
第一のフレーム部11は、図1(a)の第一の回転角にある状態において、ローラコンベア80(図1では不図示)によって+x方向に導入された載置板20を水平に収容可能な空間を、内側に有している。また、第一のフレーム部11には、その内側の空間に収容された載置板20を第一のフレーム部11に固定することができる固定部30が取り付けられている。固定部30は、載置板20を所定の位置に固定することができ、かつ、転倒台10の回転を行っても、その固定を維持できるのであれば、どのような形態のものであってもよいが、例えば、図6に示すもののように、載置板20の面を第一のフレーム部11に対して押し付ける爪状の固定部30を、載置板20を挟んで相互に対向する位置(図では載置板20の±x側)に複数設けておき、シリンダ等を用いて、載置板20の固定、および固定の解除を可逆的に行えるようにしておけばよい。図6(f)のように、各固定部30を載置板20の上方から載置板20に当接させ、下方(−z方向)に向かって、載置板20を第一のフレーム部11に押し付けるようにすることで、載置板20を固定することができる。このように、第一の回転角において、載置板20を第一のフレーム部11に固定した状態で、その載置板20の面の上に、コイルCを載置することができる。
一方、第二のフレーム部12は、枠状部材121と、面状部材122と、を有している。面状部材122は、転倒台10が第二の回転角にある状態において、コイルCを単体で、端面C2において載置することができる。面状部材122のコイル端面C2と接触する面には、耐熱性樹脂よりなる樹脂層123が設けられている。面状部材122は、回転軸13に近い部位と遠い部位に2分割されており、それぞれ独立に、枠状部材121に対して、離間・近接する方向、つまり第二の回転角における上下方向に進退可能となっている(運動M2)。
載置板(ライダー)20は、図2に示すように、鋼材よりなる板状の部材であり、コイルCを載置可能な略長方形または略正方形の外形を有している。上記のように、コイルCが、載置板20に載置された状態で、加熱炉において熱処理を受け、その状態のままで、転倒装置1に導入される。載置板20には、複数の通過用貫通孔21が設けられている。通過用貫通孔21は、載置板20を固定された第一のフレーム部11が第一の回転角にある状態において、次に説明する押し上げ部40が通過できるように、形状と位置が設定されている。図示した形態では、4つの長穴状の貫通孔が、長軸を載置板20の対角線方向に向けて、中心対称に設けられている。
載置板20には、通過用貫通孔21に加えて、他種の貫通孔を設けてもよく、図示した形態では、通過用貫通孔21よりも小さい複数の歪み解消用貫通孔22が、各通過用貫通孔21の間の位置に、中心対称に設けられている。載置板20の中央に設けられた円形の貫通孔23は、熱処理工程において冷媒を通過させるためのものである。
押し上げ部40は、転倒台10に対して昇降運動可能な部材として設けられている。図3に示すように、第一の回転角にある第一のフレーム部11に載置板20を固定し、載置板20の面にコイルCを載置した状態において、押し上げ部40を下降させた状態にしておくと、押し上げ部40は、載置板20よりも下方に位置し、載置板20およびコイルCと干渉しない状態に保たれる(破線にて表示)。この状態から、押し上げ部40を上昇させると、押し上げ部40は、載置板20に設けられた通過用貫通孔21を通過して、コイルCの下側の端面C2に当接し、コイルCを上方に向かって押し上げることができる(実線にて表示)。
図2(b)に示すように、押し上げ部40の形状および数、配置は、コイルCの端面C2に十分な面積で当接できるように設定すればよく、ここでは、長細い形状の4つの押し上げ部40が、載置板20の対角線に相当する方向に長軸を沿わせる方向で、中心対称に設けられている。また、押し上げ部40の配置は、第一の回転角にある第一のフレーム部11の下方の領域に達して敷設されているローラコンベア80を構成するローラ81と、昇降運動時に干渉しないように、設定されている。また、押し上げ部40の長軸は、コイルCの径が変化した場合にも、コイルCを安定して押し上げられるように、想定される範囲内で最大のコイル外径r1よりも外側の位置から、想定される範囲内で最小のコイル内径r2よりも内側の位置にまでわたっている。押し上げ部40の大部分を占める基部は鋼材より形成されているが、金属部材と接触する接触面には、耐熱性樹脂よりなる樹脂層41が設けられている。
押し上げ部40は、転倒台10との位置関係を変化させることなく、転倒台10とともに回転可能となっている。これにより、第一の回転角において、押し上げ部40でコイルCを押し上げた状態のまま、第二の回転角へと回転させることができる。
位置決め部50は、第一の回転角にある第一のフレーム部11に、ローラコンベア80によって、コイルCを載置された載置板20が導入された際に、押し上げ部40が載置板20に設けられた通過用貫通孔21を正常に通過できる正規配置に、載置板20を位置決めすることができる部材である。位置決め部50の詳細な構成については、後述する。
[金属部材転倒方法]
次に、上記のような構成を有する金属部材転倒装置1を用いた、本発明の一実施形態にかかる金属部材転倒方法について説明する。
本実施形態にかかる転倒方法の各工程を、図4に順に示す。本実施形態にかかる転倒方法においては、導入工程、位置決め工程、固定工程、押し上げ工程、接触工程、転倒工程を、この順に実行することで、コイルCの転倒を行う。また、コイルCの転倒の後に、適宜、搬送工程により、転倒させたコイルCを、転倒装置1の外に搬送することができる。
コイルCの転倒を行う前の初期状態として、転倒台10は、第一の回転角に配置されており、転倒台10には、載置板20も、コイルCも導入されていない。固定部30は、解除状態にあり、4つの固定部30に囲まれた領域の内部に、自由に載置板20を導入することができる。また、押し上げ部40は、下降され、載置板20が導入される位置よりも下方に退避した状態にある。
この状態から、導入工程を実施する。つまり、ローラコンベア80によって、コイルCを載置した載置板20が、転倒装置1の外から転倒装置1に向かって、x方向に前進される。これにより、載置板20が、第一のフレーム部11の内側の空間に導入される。載置板20を搬送するローラコンベア80は、コイルCを熱処理する加熱炉の中の領域から連続するものであり、載置板20に載置されたコイルCは、熱処理を受けた直後の状態にある。熱処理時の熱の影響により、コイルCは載置板20に固着した状態にある。
コイルCを載置した載置板20が、第一のフレーム部11の内側の空間に導入されると、適宜、位置決め工程を実行する。ここでは、後に詳しく説明するように、位置決め部50を用いて、通過用貫通孔21を押し上げ部40が通過可能な正規配置に、載置板20を位置決めする。
そして、固定工程において、載置板20を固定部30によって第一のフレーム部11に固定する。固定部30が固定工程を完了した状態を、図4(a)に示す。図6に示される形態のように、載置板20を第一のフレーム部11に向かって下方に押し付ける形態の固定部30を用いる場合には、図6(f)のように、載置板20に接触していない状態にあった固定部30を、載置板20の上面に接触させ、載置板20を下方に向かって押圧する固定状態に移行させればよい。固定部30は、この後、コイルCの転倒における以降の工程、および続くコイルCの搬送の工程を通じて、載置板20を第一のフレーム部11に固定した状態のままで維持される。
次に、図4(b)に示すように、押し上げ工程を実施する。つまり、載置板20の下方に退避していた押し上げ部40を上昇させる(運動M1)。これにより、押し上げ部40が載置板20の通過用貫通孔21を通過して、コイルCの下側の端面C2に接触し、さらにコイルCに上向きの力を印加する。その結果、載置板20の上に載置されていたコイルCが、上方に向かって押し上げられる。コイルCは、載置板20から分離され、下側の端面C2において、押し上げ部40のみと接触して支持された状態となる。上記のように、転倒に先立つ熱処理工程によって、コイルCが載置板20に固着されている場合でも、押し上げ部40によってその固着力を上回る上向きの力をコイルCに加えることで、固着を解消し、コイルCを載置板20から分離することができる。押し上げ部40は、この後、コイルCの転倒における以降の工程、および続くコイルCの搬送の工程を通じて、コイルCを載置板20から分離した上昇状態のままで維持される。
さらに、この状態において、コイルCの側面C3と第二のフレーム部12の面状部材122の間に空隙が存在していれば、接触工程を実施する。つまり、図4(c)のように、第二のフレーム部12の面状部材122を枠状部材121から離間する方向(−y方向)に前進させる(運動M2)。これにより、第二のフレーム部12の面状部材122をコイルCの側面C3に接触させることができる。面状部材122の前進量は、コイルCの径が小さいほど、大きくなる。
次に、転倒工程を実施する。つまり、図4(d)に示すように、転倒台10を第一の回転角から第二の回転角へと回転させる(運動M3)。回転の前後を通じて、押し上げ部40は、コイルCを押し上げ、コイルCと載置板20を分離した上昇状態に維持される。この転倒工程により、コイルCの配置角度が、端面C2を水平に寝かせ、軸を鉛直にした状態から、軸を水平にし、端面C2を鉛直に立てた状態に移行される。また、先立つ接触工程において、既にコイルCの側面C3が第二のフレーム部12の面状部材122に接触した状態にあるが、転倒工程によって、面状部材122がコイルに側面C3の下方で接触した状態になることにより、コイルCの重量を第一のフレーム部11または押し上げ部40で支持していた状態から、第二のフレーム部12で支持する状態に遷移する。つまり、転倒されたコイルCが、側面C3にて、第二のフレーム部12に載置された状態となる。
以上の各工程により、コイルCの転倒が完了する。その後、必要に応じて、転倒させたコイルCを、転倒装置1の外に搬送することができる。コイルCが転倒され、軸が水平な状態となっていることから、フック装置85等の搬送手段をコイルCの中空部内に水平に挿入することで、コイルCの搬送を簡便に行うことができる。
搬送工程についても、図5を参照しながら簡単に説明する。搬送工程におけるコイルCの搬送には、フック装置85を用いる。フック装置85は、コイルCを吊り下げることができる略C字形の部位を先端に有しており、3次元の並進運動を自在に行うことができる。フック装置85のうち、少なくとも、吊り下げたコイルCに接触する可能性のある部位の表面には、耐熱性樹脂よりなる樹脂層86が設けられている。図の形態では、上側の腕部を除くフック装置85の内側面に、樹脂層86が設けられている。
搬送工程においては、最初に、図5(a)に示すように、第二のフレーム部12の面状部材122に、軸を水平にして側面C3で載置されたコイルCの中空部に、第二のフレーム部12に対向する方向(+y方向)から、フック装置85の下側の腕部を挿入する(運動M4)。この状態で、図5(b)のように、コイルCの側面C3に接触した面状部材122を、枠状部材121から離間する方向(+z方向)に上昇させる(運動M5)。これにより、コイルCが上方に持ち上げられる。同時に、フック装置85も、上方に向かって移動され、コイルCの内周面に、フック装置85の下側腕部の内画面が接触する(運動M5’)。そして、図5(c)のように、フック装置85を、コイルCの中空部から脱出する方向(+y方向)かつ下方(−z方向)に向かって、斜めに移動させる(運動M6)。すると、コイルCの中空部へのフック装置85の挿入が浅くなり、コイルCがフック装置85の奥側(+y方向)に倒れ込む。それに伴い、フック装置85によるコイルCの係止が深くなる。その後、図5(d)のように、フック装置85をコイルCにさらに深く挿入する方向(−y方向)に進ませるとともに、上方に移動させることで(運動M7)、フック装置85を吊り上げ、転倒台10から移動させることができる。
上記転倒装置1においては、押し上げ部40が設けられ、第一の回転角において、コイルCを押し上げて載置板20から分離した状態で、第二の回転角への転倒台10の回転を行うことで、回転動作に伴って、コイルCと載置板20との間の摩擦等、転倒装置1からコイルCに印加される負荷によって、コイルCに傷が形成されるのを、抑制することができる。
図7(b)に示すように、従来一般の転倒装置9においては、転倒動作を行い、コイルCを載置板94の面の上でずらす方向に重力が働くと、その重力により、コイルCと載置板94の間に強い摩擦が発生しやすい。特に、熱処理によって、コイルCと載置板94の間に固着が生じている場合には、転倒動作によって大きな摩擦が発生する。転倒動作時にこの固着が解消されない場合には、図7(c)のように、フック装置85を用いてコイルCを吊り上げる際に、固着を解消することになり、やはり載置板94との間に大きな摩擦が発生する。
これに対し、上記本発明の実施形態にかかる転倒装置1においては、押し上げ部40によって、コイルCを載置板20から確実に分離しておくことで、転倒工程において、載置板20とコイルCの端面C2の間に発生する摩擦を排除することができる。熱処理によってコイルCと載置板20の間に固着が生じていても、押し上げ部40によって、その固着を解消することができる。なお、固着の解消を含むコイルCの押し上げに際して、押し上げ部40からコイルCに力が印加されるが、この際に印加される鉛直方向の力は、載置板20の面に対してコイルCをずらすように働く摩擦力との比較において、コイルCに傷を形成するような負荷を実質的に印加するものではない。なお、コイルCと載置板20の間に固着が発生していない場合でも、載置板20よりも小面積でコイルCの端面C2に接触する押し上げ部40でコイルCを押し上げておくことで、転倒工程において、コイルCの端面C2において、大きな面積に傷が形成されるのを抑制する効果が得られる。
押し上げ部40によってコイルCを載置板20から分離しておくことは、転倒工程のみならず、続く搬送工程において、載置板20とコイルCの間の摩擦等によってコイルCに印加される負荷を低減することにも寄与する。図7(c)に示すように、従来一般の転倒装置9においては、フック装置85でコイルCを吊り下げる際にも、コイルCの端面C2と載置板94の間に摩擦が働き、それによって、コイルCの端面C2に傷が形成されやすい。これに対し、上記実施形態にかかる転倒装置1においては、既に載置板20に対してコイルCを分離した状態から、搬送工程を開始するので、コイルCをフック装置85で吊り下げる際においても、載置板20とコイルCの間に発生する摩擦を排除することができる。
特に、押し上げ部40の表面に、耐熱性樹脂よりなる樹脂層41を設けておくことで、押し上げ部40との接触によるコイルCの端面C2への傷の形成を、効果的に抑制することができる。一般的に、樹脂材料は、金属材料よりも低い硬度を有するうえ、平滑な表面を形成しやすいため、図4(b)の押し上げ工程において、押し上げ部40がコイルC等の金属材料に接触した際に、その表面に傷を与えにくい。また、図4(d)の転倒工程や図5(b)の搬送工程の途中において、押し上げ部40の表面に対してコイルCが滑るように移動しやすいため、それらの工程に起因するコイルCの傷つきも、効果的に抑制することができる。さらに、樹脂層41を構成する樹脂材料が耐熱性樹脂であることにより、熱処理を受けた直後の高温のコイルCと接触しても、表面の変形や変質を起こしにくい。これにより、長期に亘って、樹脂層41の表面の硬度が低く、平滑な状態を維持し、押し上げ部40によるコイルCの安定な押し上げを継続することができる。その種の耐熱性樹脂としては、MCナイロン(登録商標)に代表されるポリアミド系、ポリカーボネート系、超高分子量ポリエチレン系等の各種エンジニアリングプラスチック、各種熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
押し上げ部40の表面に設ける層としては、樹脂材料に限られず、コイルC等、転倒の対象とする金属部材よりも低い硬度を有するとともに、耐熱性を有する材料であれば、どのようなものでもよい。ここで、必要とされる耐熱性は、金属部材の温度によって、金属部材の押し上げに支障をきたすような変形や変質を実質的に起こさない、つまり、金属部材を安定して押し上げられなくなるような変形や変質を起こさない程度のものである。変形や変質の例としては、表面の平滑性の低下や軟化、溶融、化学変化等がある。耐熱性樹脂以外に適用可能な材料の例として、黄銅や砲金等の低硬度の合金、木材等を挙げることができる。なお、鋼材よりなるコイルCの熱処理温度は、最高で900℃程度であり、熱処理を終えて転倒装置1に導入された段階でのコイルCの温度は、典型的には40〜80℃程度である。
押し上げ部40の樹脂層41のみならず、第二のフレーム部12の面状部材122の樹脂層123およびフック装置の内側に設けられた樹脂層86も、同様の樹脂材料、あるいは耐熱性と低硬度を有する他の材料より構成することが好ましい。これらコイルCと接触する部位を耐熱性と低硬度を有する材料より構成することで、熱処理を受けた直後のコイルCを転倒および搬送する際に、コイルCへの傷つきを抑制することができる。また、そのような傷付き抑制の効果を、長期に亘って持続することができる。
上記のように、押し上げ部40の形状は、特に限定されるものではないが、図2(b)に示すように、載置板20の中心に対応する位置に対して放射状に配置された長細い形状とすることで、種々の径を有するコイルCに対して押し上げを行うことができる。また、中心対称に押し上げ部40を設けることで、コイルCの押し上げを安定に行うことができる。なかでも、押し上げ部40の数を4つとすれば、押し上げの安定性を特に高めることができ、また、ローラ81の間の空隙に押し上げ部40を通過させてコイルCの押し上げを行うのが容易になる。
上記のように、載置板20は、コイルCを載置することができ、押し上げ部40を通過させることができる通過用貫通孔21を有するものであれば、具体的な形状等は特に限定されない。図2に示した形態においては、通過用貫通孔21に加えて歪み解消用貫通孔22を有しており、加熱炉内でコイルCとともに加熱を受けた際に、載置板20に生じる歪みを低減することができる。ただし、歪み解消用貫通孔22を設けることで、載置板20の強度が低下しやすくなるので、歪み解消用貫通孔22は、通過用貫通孔21よりも小さくしておくことが好ましい。あるいは、載置板20の強度維持を優先する場合には、歪み解消用貫通孔22を、通過用貫通孔21と別に設けない形態とすることもできる。
上記実施形態にかかる転倒装置1においては、第一のフレーム部11と第二のフレーム部12の間の角度を90°としている。そして、第一のフレーム部11が水平になった状態を、第一の回転角として設定するとともに、そこから転倒装置1を90°回転させ、第二のフレーム部12が水平になった状態を、第二の回転角として設定している。しかし、第一のフレーム部11と第二のフレーム部12の間の角度、および転倒装置1を回転させる角度は、上記に限られず、第一のフレーム部11に対して第二のフレーム部12が一定の相互間角度に固定され、第一の回転角において第一のフレーム部11に固定した載置板20の上にコイルC等の金属部材を載置可能であるとともに、第二の回転角において、転倒した金属部材を第二のフレーム部12に載置可能でさえあればよい。
例えば、図4,5で説明した形態においては、転倒工程において、転倒台10を90°回転させ、図4(d)に示した第二の回転角において、第二のフレーム部12が水平の配置をとっているが、回転角を90°より小さくし、第二の回転角において、第二のフレーム部12が、回転軸13から離れる方向に水平よりも持ち上がった傾斜を有するようにしてもよい。そして、搬送工程において、図5(a)のようにフック装置85を挿入した後、第二のフレーム部12が水平になるように、転倒台10をさらに回転させるように構成してもよい。このようにすることで、転倒後のコイルCが回転軸13から離れる方向に倒れることがあっても、フック装置85でコイルCを受けることができる。
[位置決め部の詳細]
上記のように、転倒装置1に備えられた位置決め部50は、転倒台10が第一の回転角にある状態において第一のフレーム部11に導入された載置板20を、押し上げ部40が通過用貫通孔21を通過可能な正規配置に位置決めする位置決め工程を実行するための部材である。上記実施形態にかかる転倒装置1においては、転倒台10が第一の回転角にある状態において、載置板20を精度よく正規配置に配置したうえで、載置板20の固定を行い、押し上げ部40の上昇を行うことが重要である。載置板20の正規配置への位置決めを高精度に行うことができれば、載置板20に設ける通過用貫通孔21を、押し上げ部40の大きさに対して過剰に大きくする必要がなくなり、通過用貫通孔21の形成による載置板20の強度低下を、小さく抑えることができる。載置板20は、コイルCの熱処理時に加熱を受けることから、高強度を有することが重要となる。
載置板20の正規配置への位置決めを行うことができるものであれば、位置決め部50の構成の詳細は限定されないが、図6に示すような構成を例示することができる。図6の位置決め部50は、ストッパ部材51と、センタリング部材52(52a〜52d)と、を有している。さらに、位置決め部50は、ストッパ部材51およびセンタリング部材52と載置板20との接触を検知する接触センサ等を適宜備える(不図示)。
ストッパ部材51は、第一の回転角において載置板20が導入される送り方向に直交する方向(±y方向)に沿った棒状の部材であり、送り方向に沿って正規配置よりも前方(+x方向)に配置されている。ストッパ部材51は、シリンダ等によって、送り方向に沿って(±x方向)進退可能となっている。そして、前進(−x方向への移動;運動m2)により、第一のフレーム部11に導入された載置板20の、前方(+x方向)の側面27に当接することができる。
センタリング部材52は、第一のフレーム部11に導入された載置板20に対して、載置板20の送り方向に交差する方向(±y方向)の外側に設けられており、シリンダ等によって、±y方向に進退可能となっている。そして、前進(±y方向内側への移動;運動m3,m6)により、第一のフレーム部11に導入された載置板20の、側方(±y方向)の側面25,26に、相互に対向する2つの方向のそれぞれ複数箇所において、当接することができる。図示した形態においては、センタリング部材52は、載置板20を挟んで対向する位置に、2つずつ、相互に離間させて設けられており、それぞれ、±y方向の内側に向かって突出した棒状の部材よりなっている。各センタリング部材52を前進させることで、載置板20の対向する2つの側面25,26を、それぞれ2点ずつで挟み込むように押圧することができる。
このような位置決め部50を用いた位置決め工程として、当接工程、センタリング工程、再当接工程、再センタリング工程を、この順に実施することができる。各工程を図6(b)〜(f)に順に示す。
図6(a)に示すように、初期状態においては、転倒台10が第一の回転角に配置され、水平になった第一のフレーム部11の下方に敷設されたローラコンベア80上に、何も載置されていない。ストッパ部材51、センタリング部材52、固定部30は全て、規定配置からある程度ずれた配置に載置板20が導入されたとしても、載置板20に接触することがないように、余裕をもった位置まで退避された状態にある。
このような状態にある第一のフレーム部11に、図6(b)のように、ローラコンベア80の運転によって、+x方向に、コイルCを載置した載置板20が導入される(運動m1)。この際、載置板20は、必ずしも正規配置に導入される訳ではなく、x方向、y方向、またz方向軸を中心とした回転方向のいずれか少なくとも1つの方向において、正規配置からずれている蓋然性が高い。
載置板20が導入されると、まず、図6(b)に示すように、当接工程を実施する。つまり、導入される載置板20に向かって、ストッパ部材51を−x方向に前進させる(運動m2)。ストッパ部材51の前進は、正規配置に対応する位置、つまり正規配置における載置板20の前方(+x側)の側面27に当接する位置で停止される。この際、ストッパ部材51の前進(運動m2)およびローラコンベア80による載置板20の運動(運動m1)によって、載置板20の前方の側面27のうち、前に出ている部位に、ストッパ部材51が当接する。この当接を検知すると、ローラコンベア80の運転が停止される。ストッパ部材51は、正規配置に対応する位置に前進された状態のままで維持される。この当接工程により、載置板20が、x方向に関して、正規配置における位置に、粗く位置決めされる。
当接工程を完了した時点で、載置板20は、正規配置における状態のように、各辺をx方向およびy方向に平行にしているとは限らない。図6(b)に示すように、そのような配置からz方向の周りに回転し、各辺がx方向およびy方向に対して角度を有している場合も多い。そこで、このような回転を修正するために、センタリング工程を実施する。
センタリング工程においては、図6(c)に示すように、各センタリング部材52を、y方向内側に向かって前進させる。つまり、4つのセンタリング部材52のうち、+y方向側に位置する2つ(52c,52d)は、−y方向に前進させ、−y方向側に位置する2つ(52a,52b)は、+y方向に前進させる(運動m3)。各センタリング部材52の前進は、正規配置に対応する位置、つまり正規配置における載置板20の側方(±y側)の側面25,26に当接する位置で停止される。この際、実際の載置板20の側面25,26において、正規配置における位置よりも±y方向の外側に位置している部位が、センタリング部材52によって押圧を受けることになる。図示した形態の場合、−y側の側面25の+x側の部位、および+y側の側面26の−x側の部位が、2つのセンタリング部材52a,52dによって、それぞれ+y方向および−y方向に向かう押圧力を受ける。これらの押圧力により、載置板20が、略中心を通るz方向の軸の周りに回転される。
載置板20の回転が進むと、それまで載置板20を押圧していなかった2つのセンタリング部材52b,52cに載置板20が当接するようになる。これにより、載置板20の回転が止まる。このように、載置板20に対して、対向する2方向から、それぞれ複数箇所(本形態では2箇所)において、当接、押圧することにより、載置板20が、z方向を中心とした回転方向に関して、正規配置における位置に、位置決めされる。同時に、y方向の位置に関しても、おおむね、正規配置における位置に位置決めされる。位置決めが完了すると、各センタリング部材52は、退避される(運動m4)。
センタリング工程を完了した時点で、載置板20は、z方向を中心とした回転方向に関して、またy方向に関して、正規配置に位置決めされているが、x方向に関しては、位置決めが不十分である場合がある。そのような場合には、ストッパ部材51と載置板20の+x側の側面27との間に、空隙Gが生じている。図示した形態では、図6(b)の当接工程において、+x側の側面27の中央部ではなく、中央部よりも+y側にあたる部位がストッパ部材51に当接し、その状態で、図6(c)のセンタリング工程において、載置板20の回転を行っているので、回転後の状態において、載置板20の重心が、ストッパ部材51によって規定される正規配置における位置よりも−x側にずれた状態にある。そして、そのずれに対応した空隙Gが、載置板20とストッパ部材51の間に生じている。
そこで、空隙Gを解消するために、図6(d)のように、再当接工程を実施する。再当接工程においては、当接工程完了後に停止された状態にあったローラコンベア80を再度運転し、載置板20を+x方向に前進させる(運動m5)。すると、最初の当接工程において正規配置に対応する位置に維持されたままの状態にあるストッパ部材51に、載置板20の+x側の側面27が当接する。載置板20とストッパ部材51の間の当接が検知されると、ローラコンベア80の運転が停止される。これにより、空隙Gが解消され、載置板20が、x方向に関して、正規配置に位置決めされる。
再当接工程の後、さらに、図6(e)のように、再センタリング工程を実行することが好ましい。再センタリング工程においては、最初のセンタリング工程を完了した後に退避させていた各センタリング部材52を、y方向内側に再度前進させる(運動m6)。前進したセンタリング部材52は、正規配置に対応する位置で停止される。この際、載置板20のy方向の位置が正規配置からずれていれば、±y方向のいずれかのセンタリング部材52によって載置板20の側面25,26が押圧を受け、正規配置に位置決めされる。再センタリング工程完了後も、各センタリング部材52は、正規配置に対応する位置まで前進した状態のままに維持される。
以上の各工程を経て、載置板20が、x方向、y方向、z方向軸を中心とした回転方向の全てにおいて、正規配置に位置決めされる。その状態で、図6(f)のように、固定部30を移動させて固定工程を実行すれば(運動m7)、載置板20を正規配置に固定することができる。その結果、押し上げ部40が載置板20の通過用貫通孔21を正常に通過し、コイルCの押し上げを行えるようになる。
以上のように、位置決め部50を、x方向前方で載置板20に当接可能な当接部材と、y方向に進退運動し、対向する2方向の複数箇所で載置板20に当接し押圧できるストッパ部材51から構成することで、簡素な構成により、載置板20の正規配置への位置決めを高精度に達成することができる。このような位置決め部50を用いて、最初の当接工程およびセンタリング工程を実行すれば、z方向軸を中心とした回転方向に関して、正規配置に位置決めを達成することができ、x方向およびy方向に関しても、おおむね正規配置に位置決めすることができる。しかし、さらに再当接工程を実行することで、x方向に高精度に位置決めすることができる。また、さらに再センタリング工程を実行することで、y方向に関して、とりわけ高精度の位置決めを達成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明は、これらの実施形態に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。
1 転倒装置
10 転倒台
11 第一のフレーム部
12 第二のフレーム部
121 枠状部材
122 面状部材
123 樹脂層
13 回転軸
20 載置板
21 通過用貫通孔
30 固定部
40 押し上げ部
41 樹脂層
50 位置決め部
51 ストッパ部材
52(52a〜52d) センタリング部材
80 ローラコンベア
81 ローラ
85 フック装置
86 樹脂層
C コイル
C2 コイル端面
C3 コイル側面
G 空隙

Claims (11)

  1. 回転軸と、第一のフレーム部と、前記回転軸を中心として前記第一のフレーム部に対して一定の角度に固定された第二のフレーム部と、を備え、前記回転軸を中心とした回転角を、第一の回転角と第二の回転角の間で変更可能であり、前記第二のフレーム部が前記第二の回転角において金属部材を載置可能な面を有する転倒台と、
    前記第一のフレーム部に固定可能であり、貫通孔を有する板状の載置板と、
    前記第一のフレーム部に前記載置板を固定する固定部と、
    押し上げ部と、を有し、
    前記第一の回転角において、前記第一のフレーム部に前記固定部によって前記載置板を固定した状態で、前記載置板の面に金属部材を載置可能であり、前記押し上げ部が、前記載置板の前記貫通孔を通過して、前記載置板の面に載置された前記金属部材を押し上げ可能であり、前記金属部材を前記押し上げ部で押し上げた状態で、前記転倒台が、前記第二の回転角へと回転できることを特徴とする金属部材転倒装置。
  2. 前記金属部材転倒装置はさらに、位置決め部を有し、
    前記位置決め部は、前記第一の回転角において、前記押し上げ部が前記貫通孔を通過可能な正規配置に、前記載置板を位置決めする位置決め工程を実行可能であることを特徴とする請求項1に記載の金属部材転倒装置。
  3. 前記位置決め部は、ストッパ部材と、センタリング部材と、を有し、
    前記ストッパ部材は、前記金属部材を載置した前記載置板を前記第一の回転角にある前記第一のフレーム部に導入する送り方向に沿って前方に位置し、前記第一のフレーム部に導入された前記載置板の前方の側面に当接可能であり、
    前記センタリング部材は、前記送り方向に交差する方向に進退可能であり、該進退運動によって、前記第一のフレーム部に導入された前記載置板の側面に、相互に対向する2つの方向のそれぞれ複数箇所で当接可能であることを特徴とする請求項2に記載の金属部材転倒装置。
  4. 前記金属部材を載置した前記載置板が、前記第一の回転角にある前記第一のフレーム部に、前記送り方向に沿って導入されると、
    前記ストッパ部材を前記載置板に当接させる当接工程と、
    前記センタリング部材を前記載置板に当接させて押圧するセンタリング工程と、を前記位置決め工程としてこの順に実行してから、
    前記固定部による前記第一のフレーム部への前記載置板の固定を行うことを特徴とする請求項3に記載の金属部材転倒装置。
  5. 前記位置決め工程において、前記センタリング工程の後、
    前記載置板を前記送り方向に沿って前進させて前記ストッパ部材に当接させ、前記載置板と前記ストッパ部材との間に生じている空隙を解消する再当接工程を実行することを特徴とする請求項4に記載の金属部材転倒装置。
  6. 前記位置決め工程において、前記再当接工程の後、
    前記センタリング部材を再度前記載置板に当接させる再センタリング工程を実行することを特徴とする請求項5に記載の金属部材転倒装置。
  7. 前記押し上げ部の前記金属部材と接触する接触面は、前記金属部材よりも低い硬度を有するとともに、前記金属部材の温度によって、前記金属部材の押し上げに支障をきたす変形および変質を起こさないだけの耐熱性を有する材料よりなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の金属部材転倒装置。
  8. 前記押し上げ部の前記接触面は、耐熱性樹脂よりなることを特徴とする請求項7に記載の金属部材転倒装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の金属部材転倒装置を用いて、
    前記第一の回転角にある前記転倒台の前記第一のフレーム部に、金属部材を載置した載置板を固定した状態から、前記金属部材を前記押し上げ部によって押し上げる押し上げ工程と、
    前記金属部材を前記押し上げ部によって押し上げた状態のまま、前記転倒台を前記第二の回転角へと回転させることで、前記金属部材を、転倒させながら、第二のフレーム部に載置された状態へ移行させる転倒工程と、をこの順に実行することを特徴とする金属部材転倒方法。
  10. 請求項2から6のいずれか1項に記載の金属部材転倒装置を用いて、
    前記金属部材を載置した前記載置板を、前記第一の回転角にある前記転倒台の前記第一のフレーム部に導入する導入工程と、
    前記位置決め工程と、
    前記載置板を前記第一のフレーム部に固定する固定工程と、
    前記押し上げ工程と、
    前記転倒工程と、をこの順に実行することを特徴とする請求項9に記載の金属部材転倒方法。
  11. 前記金属部材は、金属線材を螺旋状に巻き回してなるコイルであり、前記載置板に載置された状態で熱処理を受けたものであることを特徴とする請求項9または10に記載の金属部材転倒方法。
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