JP2019033839A - 重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法 - Google Patents

重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019033839A
JP2019033839A JP2017156245A JP2017156245A JP2019033839A JP 2019033839 A JP2019033839 A JP 2019033839A JP 2017156245 A JP2017156245 A JP 2017156245A JP 2017156245 A JP2017156245 A JP 2017156245A JP 2019033839 A JP2019033839 A JP 2019033839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
center
gravity
subject
movement
virtual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017156245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6783200B2 (ja
Inventor
芳知 田中
Yoshitomo Tanaka
芳知 田中
一之助 前田
Ichinosuke Maeda
一之助 前田
武明 吉川
Takeaki Yoshikawa
武明 吉川
和 網本
Kazu Amimoto
和 網本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2017156245A priority Critical patent/JP6783200B2/ja
Priority to PCT/JP2018/029659 priority patent/WO2019031523A1/ja
Publication of JP2019033839A publication Critical patent/JP2019033839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6783200B2 publication Critical patent/JP6783200B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/103Detecting, measuring or recording devices for testing the shape, pattern, colour, size or movement of the body or parts thereof, for diagnostic purposes
    • A61B5/107Measuring physical dimensions, e.g. size of the entire body or parts thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/103Detecting, measuring or recording devices for testing the shape, pattern, colour, size or movement of the body or parts thereof, for diagnostic purposes
    • A61B5/11Measuring movement of the entire body or parts thereof, e.g. head or hand tremor, mobility of a limb
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61HPHYSICAL THERAPY APPARATUS, e.g. DEVICES FOR LOCATING OR STIMULATING REFLEX POINTS IN THE BODY; ARTIFICIAL RESPIRATION; MASSAGE; BATHING DEVICES FOR SPECIAL THERAPEUTIC OR HYGIENIC PURPOSES OR SPECIFIC PARTS OF THE BODY
    • A61H1/00Apparatus for passive exercising; Vibrating apparatus ; Chiropractic devices, e.g. body impacting devices, external devices for briefly extending or aligning unbroken bones
    • A61H1/02Stretching or bending or torsioning apparatus for exercising
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B23/00Exercising apparatus specially adapted for particular parts of the body

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Rehabilitation Therapy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Rehabilitation Tools (AREA)

Abstract

【課題】座位又は立位で体を傾けて重心を移動させる運動に際して、運動による筋力増強などの効果を効率的に得ることができる、新規な重心移動表示装置と重心移動の表示方法とを提供することにある。【解決手段】対象者Aが座位又は立位で体を傾けて重心を移動させる運動に際して、重心の移動を表示する重心移動表示装置10であって、(i)対象者Aが座位又は立位で載る支持面40と、(ii)支持面40に作用する対象者Aの体荷重を検出するセンサ12と、(iii)対象者Aが体を傾けて重心を初期位置から離れる方向へ移動させる際に、対象者Aから支持面40に及ぼされた体荷重の重心位置84よりも移動距離が小さくされた仮想重心位置86を、センサ12の検出結果に基づいて設定する仮想重心設定手段14と、(iv)仮想重心設定手段14が設定した仮想重心位置86を表示する表示手段42とを、含む。【選択図】図4

Description

本発明は、対象者の重心の移動を測定して表示する重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法とに関するものである。
従来から、対象者の身体能力の回復や向上を目的とするリハビリテーション(以下、リハビリ)やトレーニングにおいて、体を前後左右に傾けて重心を移動させる運動が有効であると考えられている。そこで、例えば特開平9−120464号公報(特許文献1)には、対象者が体の傾動によるリハビリを行う際に、測定値を画像や音で知らせるリハビリテーション支援装置が提案されている。
ところで、対象者が体の傾動によって柔軟性の向上や筋力の増強などを図る場合には、対象者に体の傾動によるリハビリやトレーニングを継続的に行わせると共に、リハビリやトレーニングに対する効果を効率的に得ることが望ましい。特許文献1に開示されたリハビリテーション支援装置は、対象者の体の傾動による重心の移動量を仮想世界の画像や効果音と連動させて、リハビリの単調さを排除することも目的としている。
しかしながら、特許文献1に記載のリハビリテーション支援装置では、対象者にリハビリの継続意識を持たせることについて考慮されている一方、リハビリやトレーニングの効果を効率的に得る手段については、未だ検討されていなかった。
特開平9−120464号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、対象者が座位又は立位で体を傾けて重心を移動させる運動を行うに際して、運動による柔軟性の向上や筋力の増強といった効果を効率的に得ることができる、新規な構造の重心移動表示装置を提供することにある。
また、本発明は、対象者が座位又は立位で体を傾けて重心を移動させる運動を行うに際して、運動による柔軟性の向上や筋力の増強などといった効果をより大きく得易くなるように視覚的に補助することができる、新規な重心移動表示装置における重心移動の表示方法を提供することも目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、対象者が座位又は立位で体を傾けて重心を移動させる運動に際して重心の移動を表示する重心移動表示装置であって、(i)前記対象者が座位又は立位で載る支持面と、(ii)該支持面に作用する該対象者の体荷重を検出するセンサと、(iii)該対象者が体を傾けて重心を初期位置から離れる方向へ移動させる際に、該対象者から該支持面に及ぼされた体荷重の重心位置よりも移動距離が小さくされた仮想重心位置を、該センサの検出結果に基づいて設定する仮想重心設定手段と、(iv)該仮想重心設定手段が設定した該仮想重心位置を表示する表示手段とを、含むことを特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた重心移動表示装置によれば、例えば、対象者が支持面に載った座位又は立位で体を傾ける運動を行う場合に、体を傾けることによる重心の移動を表示手段によって表示することで、対象者の運動能力や運動中の姿勢の変化などを視覚によって把握することができる。
さらに、対象者が体を傾ける際に、単に支持面に及ぼされた体荷重の重心位置を表示して対象者に見せるのではなく、重心の移動に伴う移動距離が重心位置よりも小さい仮想重心位置を表示して対象者に見せることにより、対象者が体性感覚に基づいて感じる姿勢の変化(体の傾き)に対して、対象者が視覚によって把握する姿勢の変化を小さくする。これにより、対象者は、体性感覚によって認知する姿勢変化の限界を超えて、より大きな姿勢変化を行うことが可能となり易く、運動による筋力の増強などがより効果的に図られる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された重心移動表示装置において、前記仮想重心位置が前記重心位置よりも予め設定された時間だけ遅れた遅延重心位置とされることにより、該仮想重心位置の移動距離が該重心位置よりも小さくされているものである。
第二の態様によれば、仮想重心位置が重心位置に対して時間遅れで追従して移動するようにすることで、対象者が体を傾けて重心を移動させる際に、仮想重心位置の移動距離を、遅延時間に応じて重心位置の移動距離よりも小さくすることができる。しかも、仮想重心位置が重心位置の移動に対して時間遅れで追従するように移動することで、対象者の姿勢の変化と仮想重心位置の移動とのずれに対する違和感を低減することができる。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された重心移動表示装置において、前記仮想重心位置が前記重心位置よりも予め設定された距離だけ小さく移動せしめられる過小変位重心位置とされることにより、該仮想重心位置の移動距離が該重心位置よりも小さくされているものである。
第三の態様によれば、仮想重心位置の移動距離が、重心位置の移動距離に対して、予め設定された距離だけ小さくなるようにすることで、重心位置の移動距離と仮想重心位置の移動距離との差をより直接的に設定することが可能となる。なお、過小変位重心位置の移動距離は、重心位置の移動距離から一定の距離を引いた差によって設定されていても良いが、例えば、重心位置の移動距離に対して所定の割合となるように距離を減じて設定することもできる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか1つの態様に記載された重心移動表示装置において、前記仮想重心位置の移動距離が前記重心位置よりも小さくされる量を変更可能とする調節手段を備えているものである。
第四の態様によれば、例えば、対象者の運動能力や体格などに応じて、仮想重心位置の移動距離が重心位置の移動距離よりも小さくされる量を調節することで、例えば、対象者に体性感覚と視覚とのずれについて大きな違和感を与えることなく、より大きな姿勢変化を対象者に促すことができて、運動による筋力増強などの効果を有利に得ることができる。なお、調節手段は、仮想重心位置の移動距離が重心位置の移動距離よりも小さくされる量を、移動距離の差の調節によって直接的に変更するものであっても良いし、例えば、重心位置に対する仮想重心位置の表示の遅延時間を調節することで間接的に変更するものであっても良い。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか1つの態様に記載された重心移動表示装置において、前記センサが前記支持面に作用する圧力を検出する圧力センサとされており、前記表示手段が前記対象者から該支持面に及ぼされる圧力の分布を該圧力センサの検出結果に基づいて表示可能とされているものである。
第五の態様によれば、対象者が体圧分布の変化を見ることによって、対象者の姿勢の変化による重心の移動を体圧分布の変化によっても確認することができる。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか1つの態様に記載された重心移動表示装置において、前記センサが、上下に対向配置された柔軟な電極間に絶縁性の弾性材料で形成された誘電層を配設してなる圧力検出部の複数が二次元的に配された構造を有しており、該誘電層の弾性変形を伴う該電極間の距離の変化によって生じる該圧力検出部の静電容量の変化量に基づいて圧力を検出する静電容量型圧力センサとされているものである。
第六の態様によれば、静電容量型圧力センサによって、体圧分布を簡単な構造で検出することができると共に、体圧を静電容量の変化に基づいて精度よく検出することができる。しかも、センサを構成する電極と誘電層が変形可能とされていることにより、例えば椅子の座面やベッドの上面のように、緩衝などの目的で変形し易い支持面の圧力を検出する場合にも、圧力がセンサによって高精度に検出される。
本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか1つの態様に記載された重心移動表示装置において、前記支持面が椅子の座面とされており、前記センサが座位の前記対象者から該椅子の該座面に及ぼされる体荷重を検出するものである。
第七の態様によれば、例えば、対象者が座位で上体を傾ける運動を行う際に、上体の傾きをより大きく生じさせることができる。特に、座位での運動であれば、身体能力が低下した老人や傷病者、障害者などが身体能力の向上や回復を図るために行う場合にも安全性が高く、且つ本発明に係る重心移動表示装置を用いることで、身体能力の向上や回復をより効率的に実現することができる。
本発明の第八の態様は、第一〜第七の何れか1つの態様に記載された重心移動表示装置において、前記重心位置を前記センサの検出結果に基づいて算出する重心演算手段を備えているものである。
第八の態様によれば、センサの検出結果に基づいて実際の重心位置を算出することにより、例えば重心位置の移動距離を表示して知らせることなども可能となって、その結果、医師や理学療法士、トレーナー等が、対象者の運動能力などを正しく把握することができる。
本発明の第九の態様は、重心移動表示装置における重心移動の表示方法であって、対象者が支持面上において座位又は立位で体を傾斜させる運動に伴う該対象者の重心の初期位置から離れる方向への移動を表示するに際して、該対象者から該支持面に及ぼされた体荷重の重心位置よりも移動距離が小さくされた仮想重心位置を表示することを、特徴とする。
このような第九の態様に従う重心移動表示装置における重心移動の表示方法によれば、対象者が体を傾ける際に、移動距離が支持面に及ぼされた体荷重の重心位置よりも小さい仮想重心位置を、対象者が見る表示手段に表示することにより、対象者に自己の姿勢変化を過小評価させて、より大きな姿勢変化(重心移動)を促すことができる。その結果、対象者は、重心移動を伴う姿勢変化運動によって、筋力増強などの効果をより大きく得ることができて、トレーニングやリハビリテーションを効率的に行うことが可能となる。
本発明によれば、例えば、対象者が支持面に載った座位又は立位で体を傾ける運動を行う場合に、体を傾けることによる重心の移動を表示手段によって表示することで、対象者の運動能力や姿勢の変化などを視覚によって把握することができる。更に、支持面に及ぼされた体荷重の重心位置よりも移動距離が小さい仮想重心位置を対象者に見せることで、対象者が体性感覚などに基づいて感じる姿勢の変化(体の傾きなど)に対して、対象者が視覚によって把握する姿勢の変化を小さくする。これにより、対象者は、体性感覚によって認知する姿勢変化の限界を超えて、より大きな姿勢変化を行うことが可能となり易く、運動による筋力の増強などがより効果的に図られる。
本発明の第一の実施形態としての重心移動表示装置を示す平面図。 図1のII−II断面図。 図1に示す重心移動表示装置を用いた座位で上体を傾ける運動について説明する正面図。 図1に示す重心移動表示装置を構成するモニタの表示例を示す図。 図1に示す重心移動表示装置を構成するデータ処理装置の処理内容を示すフローチャート。 図1に示す重心移動表示装置の試用結果を示す表。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の第一の実施形態としての重心移動表示装置10を図示する。この重心移動表示装置10は、対象者A(後述)が座位又は立位で体を傾けて重心を移動させる運動に際して、対象者Aの重心の移動を表示する装置であって、センサとしての圧力センサ12と、データ処理装置14とを、備えている。なお、使用状態の重心移動表示装置10は、後述する対象者Aの前方が図1中の下側となる。
圧力センサ12は、図1,2に示すように、誘電層16と、表側電極X01〜X16と、裏側電極Y01〜Y16と、表側配線x01〜x16と、裏側配線y01〜y16と、表側基材18と、裏側基材20と、表側配線用コネクタ22と、裏側配線用コネクタ24とを、備えており、これら表側配線用コネクタ22と裏側配線用コネクタ24が、データ処理装置14に電気的に接続されている。なお、図1においては、理解を容易とするために、誘電層16および表側基材18を透視して図示すると共に、圧力検出部28に斜線を付して示している。また、表側配線x01〜x16、裏側配線y01〜y16、表側配線用コネクタ22および裏側配線用コネクタ24は、何れも圧力センサ12内に配設されているが、図1においては、視認を容易とするために、圧力センサ12の外に概略的に示している。
誘電層16は、エラストマーとしてのウレタン発泡体製であって、四角形板状のシート状を呈し、弾性変形可能とされている。
表側基材18は、ゴム製であって、四角形板状を呈している。表側基材18は、誘電層16の上方(表側)に積層されている。裏側基材20は、ゴム製であって、四角板形状を呈している。裏側基材20は、誘電層16の下方(裏側)に積層されている。
表側基材18の外縁と裏側基材20の外縁とは接合されており、表側基材18と裏側基材20が、袋状に貼り合わされている。誘電層16は、当該袋内に収容されている。誘電層16の上面四隅は、表側基材18の下面四隅に、スポット的に接着されている。また、誘電層16の下面四隅は、裏側基材20の上面四隅に、スポット的に接着されている。このように、誘電層16は、表側基材18および裏側基材20に、使用時にシワがよらないように、位置決めされていることが望ましい。ただし、誘電層16は、四隅が接着された状態で、表側基材18および裏側基材20に対して、水平方向(前後左右方向)に弾性変形可能である。
表側電極X01〜X16は、誘電層16の上面に、合計16本配置されている。表側電極X01〜X16は、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックとを、含んで形成されている。表側電極X01〜X16は、各々、帯状を呈しており、柔軟で伸縮可能に形成されている。表側電極X01〜X16は、各々、縦方向(図1中、上下方向)に延在している。表側電極X01〜X16は、横方向(図1中、左右方向)に所定間隔を隔てて離間して、互いに略平行になるように配置されている。
表側配線x01〜x16は、誘電層16の上面に、合計16本配置されている。表側配線x01〜x16は、各々、アクリルゴムと、銀粉とを、含んで形成されている。表側配線x01〜x16は、各々、線状を呈している。表側配線用コネクタ22は、表側基材18および裏側基材20の隅部に配置されている。表側配線x01〜x16は、各々、表側電極X01〜X16の端部と表側配線用コネクタ22とを接続している。
裏側電極Y01〜Y16は、誘電層16の下面に、合計16本配置されている。裏側電極Y01〜Y16は、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックとを、含んで形成されている。裏側電極Y01〜Y16は、各々、帯状を呈しており、柔軟で伸縮可能に形成されている。裏側電極Y01〜Y16は、各々、横方向(図1中、左右方向)に延在している。裏側電極Y01〜Y16は、縦方向(図1中、上下方向)に所定間隔を隔てて離間して、互いに略平行になるように配置されている。このように、表側電極X01〜X16と裏側電極Y01〜Y16は、上方または下方から見て、互いに直交するマトリックス状に配置されている。
裏側配線y01〜y16は、誘電層16の下面に、合計16本配置されている。裏側配線y01〜y16は、各々、アクリルゴムと、銀粉とを、含んで形成されている。裏側配線y01〜y16は、各々、線状を呈している。裏側配線用コネクタ24は、表側基材18および裏側基材20の隅部に配置されている。裏側配線y01〜y16は、各々、裏側電極Y01〜Y16の端部と裏側配線用コネクタ24とを接続している。
圧力センサ12が備える複数の圧力検出部28は、図1に斜線を付した四角で示すように、表側電極X01〜X16と裏側電極Y01〜Y16が上下方向に交差対向する部分(重複する部分)に配置されて、誘電層16の略全面に亘って、縦横に二次元的に配置されている。圧力検出部28は、各々、表側電極X01〜X16の一部と裏側電極Y01〜Y16の一部との対向面間に、誘電層16の一部を配設した構造を、有している。圧力検出部28は、合計256個(=16個×16個)配置されている。なお、後述する重心移動表示装置10における重心移動の表示方法においては、各圧力検出部28が、表側電極X01〜X16をx座標値、裏側電極Y01〜Y16をy座標値として用いて、圧力検出部28(x,y)として認識される。例えば、表側電極X01と裏側電極Y01の交差部分に配置されている、図1中左下隅に位置する圧力検出部28を圧力検出部28(1,1)と認識し、表側電極X16と裏側電極Y16の交差部分に配置されている、図1中右上隅に位置する圧力検出部28を圧力検出部28(16,16)と認識する。
データ処理装置14は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)30と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)34と、電源回路36とを、備えている。ROM32には、圧力検出部28に構成されたコンデンサの静電容量と圧力(荷重)との対応を示すマップ等が記憶されている。RAM34には、後述する重心位置84の演算値や、表側配線用コネクタ22、裏側配線用コネクタ24から入力される圧力検出部28の静電容量としての出力値が一時的に格納される。また、電源回路36は、圧力検出部28に、周期的な矩形波電圧を走査的に順番に印加する。そして、CPU30がRAM34に記憶された圧力検出部28の静電容量から、ROM32に記憶されたマップに基づいて圧力検出部28に作用している圧力を検出するようになっている。
このような本実施形態に係る重心移動表示装置10は、図3に示すように、圧力センサ12が椅子38(車椅子を含む)の座面40に重ね合わされている。支持面としての座面40に敷かれた圧力センサ12上に対象者Aが座ると、圧力センサ12が座面40と対象者Aの間で挟まれることから、圧力センサ12の複数の圧力検出部28に対して、対象者Aに作用する重力に基づいた体荷重(体圧)が及ぼされる。これにより、体荷重が及ぼされた圧力検出部28において、表側電極X01〜X16と裏側電極Y01〜Y16の対向面間距離が誘電層16の弾性変形によって変化して、当該圧力検出部28の静電容量が変化する。このようにして圧力センサ12で検出される静電容量の変化に基づいて、データ処理装置14が圧力センサ12に作用する体荷重を検出し、各圧力検出部28の検出結果に基づいて座面40に作用する体荷重の分布(体圧分布)を計測する。以上より明らかなように、本実施形態の圧力センサ12は、静電容量型圧力センサとされている。
本実施形態の圧力センサ12は、表側電極X01〜X16と裏側電極Y01〜Y16と誘電層16が、それぞれ撓み変形可能とされた柔軟なものであることから、圧力センサ12が敷かれる椅子38の座面40が凹凸やクッション性を有していても、圧力センサ12が座面40に追従して変形することで、体圧分布が有効に計測される。
圧力センサ12によって計測された体圧分布は、図1に示す表示手段としてのモニタ42に表示されている。モニタ42は、データ処理装置14と有線又は無線で電気的に接続されており、例えばラップトップやタブレットのようにデータ処理装置14と一体的に設けられていても良いし、デスクトップのようにデータ処理装置14とは別で設けられてデータ処理装置14と接続されていても良い。
図4は、モニタ42の表示例であって、圧力センサ12の上面視に略対応する座標平面44を備えている。座標平面44は、格子状に区分されて、区分されたマス目が各一つの圧力検出部28を示している。即ち、図4の座標平面44において、横軸がX01で縦軸がY01とされた右上隅のマス目が、表側電極X01と裏側電極Y01の交差部分に配置されている、図1中左下隅に位置する圧力検出部28(1,1)に対応している。更に、図4の座標平面44において、横軸がX16で縦軸がY16とされた左下隅のマス目が、表側電極X16と裏側電極Y16の交差部分に配置されている、図1中右上隅に位置する圧力検出部28(16,16)に対応している。
また、本実施形態の座標平面44には、対象者Aが圧力センサ12に及ぼす体荷重の分布(体圧分布)が表示されており、座標平面44の各マス目には、対応する圧力検出部28の圧力検出値に応じた色が表示されて、各圧力検出部28の圧力検出値が、色分けによって直感的に把握可能な態様で座標平面44に表示可能とされている。本実施形態では、圧力検出部28に作用する荷重が大きいほど赤に近い色彩で表示されると共に、荷重が小さいほど青に近い色彩で表示されるようになっている。図4では、対象者Aの前方が図中の上方となるように表示されており、右臀部に作用する圧力が大きく、左臀部に作用する圧力が小さい状態が示されている。
さらに、図4に示すように、モニタ42における座標平面44の上側には、各種の設定を行う設定領域46が設けられている。図4に例示する設定領域46には、例えば、計測領域48、描画レンジ調整(20〜200mmHg)領域50、表示設定領域52、圧力情報領域54の各領域が設けられている。
計測領域48は、計測終了時に検出作動を停止させる計測終了スイッチ56を備えている。描画レンジ調整(20〜200mmHg)領域50は、色分けして表示される圧力の上限値を設定する上限スライダ58と、色分けして表示される圧力の下限値を設定する下限スライダ60と、色分けして表示される圧力の上限値と下限値を自動的に設定するオートレンジスイッチ62とを、備えている。表示設定領域52は、座標平面44において圧力の検出値を数値での表示と非表示を切り替える数値表示スイッチ64と、座標平面44において面圧中心(後述する重心位置84)の表示と非表示を切り替える面圧中心スイッチ66と、座標平面44のマス目の表示と非表示を切り替えるグリッドスイッチ68とを、備えていると共に、圧力検出値と重心位置とマス目(グリッド)の表示と非表示を一括で切り替える表示チェックボックス70を備えている。更に、表示設定領域52は、仮想重心位置86(後述)の移動の表示を滑らかに補正するスムーズスイッチ72と、座標平面44における対象者Aの前側の向きを変更する左回転スイッチ74とを、備えている。圧力情報領域54は、圧力検出部28が検出している圧力の総和を表示する総和(mmHg)欄76と、後述する接触閾値以上の圧力を検出している圧力検出部28の数を示す有効セル数欄78と、各圧力検出部28に作用する圧力の平均を表示する平均(mmHg)欄80と、遅延時間を入力するディレイ(mSec)欄82とを、備えている。なお、上記の各スイッチは、何れもモニタ42に表示されるユーザーインタフェイス上に設けられた仮想的なスイッチであり、例えばマウスなどのポインティングデバイスの操作やタッチパネルのタッチ操作などによって仮想的に押下される。
また、CPU30は、圧力センサ12の検出結果に基づいて、図4中に二点鎖線の円として図示されている重心位置84を算出する。重心位置84は、対象者Aから座面40に及ぼされた体荷重の重心、換言すれば圧力センサ12における体荷重検出領域の重心であって、例えば、予め設定された接触閾値(後述)以上の出力値を有する複数の圧力検出部28について、各圧力検出部28の出力値による重み付けをしたときの平面的な重心(面圧中心)の位置として算出される。本実施形態では、圧力センサ12において体荷重が検出された領域(体荷重検出領域)の重心位置84を算出する重心演算手段が、CPU30を備えるデータ処理装置14によって構成されている。
例えば、CPU30は、下式に基づいて、重心位置84を圧力検出部28の座標値(Cpx,Cpy)として算出し、RAM34に記憶する。なお、下式において、任意の圧力検出部28(x,y)をiとした場合、当該圧力検出部28の出力値をpi 、x座標値をxi 、y座標値をyi と表す。また、全圧力検出部28(x,y)の総数をN、接触閾値をtと表す。なお、接触閾値tとは、圧力検出部28に何かが有意に接触していると認定し得る値であって、重心位置84を算出する際に有意に用いられる圧力検出部28を識別するために任意(0を含む)に設定可能な値である。例えば、本実施形態では、下限スライダ60によって20mmHgに設定されている。
さらに、図3に示すように、椅子38の座面40に敷かれた圧力センサ12上に座った対象者Aが、座位で上体を前後および左右に傾ける運動を行うと、圧力センサ12による体圧の計測結果が上体の動きに伴って変化せしめられる。これにより、圧力センサ12による体圧分布の検出結果に基づいて算出される重心位置84が移動する。このような座位で上体を傾斜させる運動であれば、健常者のトレーニングだけでなく、傷病者のリハビリなどにも安全に適用することが可能である。対象者Aは、座位で体を傾ける際に、足を床に接触させていても良いし、足を床から離していても良い。
なお、図4は、左右両臀部に略均等に荷重が作用する通常の着座状態(図3中に実線で示す対象者Aの状態)から、図3中に二点鎖線で示すように上体を右側へ傾けて、右臀部に作用する体荷重が大きくなった状態の計測結果を示しており、重心位置84が、移動する前の通常の着座状態での重心位置(重心位置84の初期位置)であるX08付近から、X06付近まで移動している。図4は、対象者Aが体を傾けはじめてからの経過時間が後述する仮想重心位置86の遅延時間(1000ミリ秒)よりも短い状態を示しており、仮想重心位置86が重心位置84の初期位置から移動していない(重心位置84の初期位置からの移動距離が0である)ことから、図4において、重心位置84の初期位置は、仮想重心位置86と略同じ位置とされている。
対象者Aは、モニタ42の表示を見ながら、上体を前後左右に傾ける運動を行う。ここにおいて、図4に実線の円で示すように、モニタ42には、対象者Aの重心の移動を伴う移動距離が重心位置84よりも小さくされた仮想重心位置86が、表示されている。仮想重心位置86は、初期位置からの移動距離が、圧力センサ12の検出結果から算出された重心位置84の移動距離に比して、予め設定された量に基づいて小さくされている。そして、仮想重心位置86がモニタ42に表示されることで、重心移動によって表される対象者Aの姿勢変化(ここでは上体の傾動)が過小に表示されるようになっている。なお、仮想重心位置86の初期位置と、重心位置84の初期位置は、略同じ位置となる。
仮想重心位置86としては、例えば、実際の重心位置84に対して予め設定された遅延時間だけ遅れた遅延重心位置が採用される。即ち、CPU30によって算出された重心位置84が例えば5秒前までRAM34に記憶されており、予め設定された遅延時間だけ時間を遡った重心位置が遅延重心位置としてRAM34から読み出されて、モニタ42の座標平面44に仮想重心位置86として表示される。図4では、対象者Aが上体を右側へ傾けて重心位置84を右側へ移動させた状態であることから、重心位置84に対して遅れて表示される仮想重心位置86が、座標平面44において重心位置84よりも左側に表示されている。本実施形態において、予め設定された量(ここでは遅延時間)に基づいて移動距離が重心位置84よりも小さくされた仮想重心位置86を設定する仮想重心設定手段が、CPU30とRAM34を備えるデータ処理装置14によって構成されている。
なお、仮想重心位置86は、本実施形態において例示する遅延重心位置に限定されず、例えば、移動距離が重心位置84に対して予め設定された距離だけ小さくされた過小変位重心位置を、仮想重心位置86として採用することもできる。この過小変位重心位置は、例えば、CPU30が、重心位置84の移動に際して、重心位置84の移動距離から予め設定された量(移動距離の差や移動距離の割合など)に基づいた距離を減じて仮想重心位置86の座標を算出することで設定される。なお、仮想重心位置86と重心位置84の移動距離の差が一定である場合には、重心位置84の移動距離が予め設定された仮想重心位置86と重心位置84の移動距離の差よりも小さい場合に、過小変位重心位置である仮想重心位置86は移動しないようにしても良いし、重心位置84の移動距離に対して所定の割合だけ移動するようにしても良い。
また、対象者Aが運動を行いながら見るモニタ42には、重心位置84は表示されていない。即ち、図4中に重心位置84が二点鎖線の円で仮想的に示されているのは、仮想重心位置86が重心位置84に対して遅れて移動していることを分かり易くするためであって、対象者Aが見るモニタ42には重心位置84が表示されることなく仮想重心位置86が表示されている。従って、対象者Aは、仮想重心位置86が重心位置84を示すものであると誤認して、自分の姿勢、換言すれば上体の傾斜による重心の移動を、仮想重心位置86の表示に基づいて視覚的に把握する。
これにより、対象者Aは、体性感覚(自己受容覚)などに基づいて把握される自分の姿勢と、モニタ42の表示に基づいて視覚的に把握される自分の姿勢との間に、ずれがあることを認識する。対象者Aは、視覚によって明確に把握される自分の姿勢が実際の姿勢に一致していると考えることから、体性感覚などに基づいて感じる上体の傾斜角度が、実際の傾斜角度に対して過大であると考える。その結果、対象者Aは、視覚によって把握された自分の姿勢に基づいて、上体を更に傾動させることが可能であると感じて、上体を体性感覚に基づいて認知される限界よりも大きく傾斜させようとすることから、上体を前後左右に傾斜させる運動によるトレーニング効果やリハビリ効果をより有利に得ることができる。
本実施形態では、モニタ42の表示例である図4中の右上に設けられた圧力情報領域54のディレイ(mSec)欄82に数値を入力することで、仮想重心位置86の重心位置84に対する遅延時間を予め設定しておくことが可能とされている。これにより、重心位置84の移動距離に対する仮想重心位置86の移動距離の差を調節することができて、対象者Aに仮想重心位置86の重心位置84に対する表示の遅延に起因する違和感を低減しながら、仮想重心位置86の遅延表示によるリハビリやトレーニングの効果の向上を有効に図ることができる。本実施形態では、重心位置84の移動距離と仮想重心位置86の移動距離の差を変更可能とする調節手段が、重心位置84の移動距離と仮想重心位置86の移動距離の差を決定する遅延時間が入力されるディレイ(mSec)欄82と、ディレイ(mSec)欄82に入力された遅延時間の数値に基づいて仮想重心位置86を設定するデータ処理装置14とによって構成されている。
遅延時間は、対象者Aに違和感を与えないように1秒以下に設定されることが望ましい。好適には、遅延時間を200ミリ秒〜400ミリ秒に設定することにより、仮想重心位置86の表示による運動効果の向上を有効に図りつつ、重心位置84とのずれによる対象者Aの違和感を抑えることができる。また、遅延時間は、例えば、対象者Aの運動能力(例えば、重心位置84の最大移動可能距離や移動速度)などを考慮して設定され得る。なお、図4では、重心位置84と仮想重心位置86のずれを分かり易くするために、ディレイ(mSec)欄82に入力された遅延時間が1秒(1000ミリ秒)と比較的に長くされている。
もっとも、遅延時間が任意に変更設定可能とされていることは必須ではなく、例えば、対象者Aの年齢や体格などに応じた遅延時間の選択肢を幾つか設けて、それらの選択肢から適当な遅延時間を選択するようにしても良いし、予め固定的に定められた1つの遅延時間だけが変更不能に設定されていても良い。
また、本実施形態では、図4に示すように、上体の傾動による重心移動の目標ライン88が例えば一点鎖線で表示されていることにより、対象者Aは仮想重心位置86が目標ライン88を越えて移動するように上体を傾動させようとする。この目標ライン88は、例えば座位から立位への移行に必要な重心移動距離などの一般的な目標を示すものであっても良いが、対象者Aの過去の運動結果に基づいて設定されることが望ましく、例えば、対象者Aが重心移動表示装置10を用いて行った前回の運動における重心位置84の移動距離の最大値とすることで、対象者Aが前回よりも大きく重心を移動させる助けとなり得る。即ち、対象者Aが前回の運動で到達し得た重心位置84を目標とすることで、目標ライン88への到達が困難ではないという印象を対象者Aに与えることができると共に、モニタ42に表示された仮想重心位置86が目標ライン88に達するところまで対象者Aが体を傾けると、実際の重心位置84は目標ライン88を超えて移動することになる。従って、対象者Aは、重心位置84を見ながら運動する場合に比して、困難を感じることなく、前回の運動よりも大きく重心を移動させることができる。なお、例えば、前回の重心移動距離の最大値よりも予め設定された所定の距離分だけ大きな移動距離を目標ライン88として設定することにより、対象者Aにより大きな重心移動を促すこともできる。
しかも、本実施形態の仮想重心位置86は、重心位置84に対して時間的に遅れて表示される遅延重心位置とされている。これにより、対象者Aの上体の傾動による重心の移動に際して、仮想重心位置86の移動距離が重心位置84の移動距離よりも小さく表示されるようになっていると共に、仮想重心位置86が重心位置84に対して所定の時間遅れで追従して移動することで、対象者Aが仮想重心位置86の移動に違和感を感じ難くなっている。
なお、仮想重心位置86としては、重心位置84の移動距離から所定の距離を減じて算出される過小変位重心位置を採用することも可能であり、この場合には、重心位置84の移動距離と仮想重心位置86の移動距離の差を直接的に設定することが可能となる。
また、図4では、対象者Aの体圧分布が色彩によって視覚的に確認可能な態様でモニタ42に表示されており、対象者Aや理学療法士、トレーナーなどが対象者Aの運動能力や運動中の姿勢の変化などを容易に把握することができる。
もっとも、モニタ42における体圧分布の表示は必須ではなく、体圧分布の変化を対象者Aに見せないようにもできる。この場合には、例えば、通常の座位における臀部および大腿部の外形をモデル的に表示して、対象者Aの座面40に対する初期の接触位置が分かるようにしても良い(図4参照)。更に、圧力検出部28に対応する座標平面44のマス目にそれぞれの圧力検出値を数値で表示することもできる。
ところで、モニタ42に仮想重心位置86を表示する際のデータ処理装置14の処理内容について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
先ず、CPU30は、S1において、圧力センサ12の全ての圧力検出部28の出力値を取得する。
次に、CPU30は、S2において、上述した数式1によって、重心位置84を圧力検出部28の座標値(Cpx,Cpy)として算出し、RAM34に記憶する。なお、RAM34において、例えば5秒前までの重心位置84が記憶されると共に、記憶されていた5秒以上前の重心位置84が消去される。
また、CPU30は、S3において、予め設定された遅延時間に基づいて、RAM34に記憶された重心位置84から仮想重心位置86を選択する。そして、CPU30は、S4において、仮想重心位置86をモニタ42の座標平面44に表示する。この際、圧力検出部28の出力値に基づいた体圧分布を、座標平面44に色分けや数値によって表示させても良い。
次に、CPU30は、S5において、モニタ42に表示されたユーザーインターフェイス上で計測領域48の計測終了スイッチ56が押されたかどうかを判定する。計測終了スイッチ56が押されていた場合(S5=Yes)には、処理を終了する。一方、計測終了スイッチ56が押されていない場合(S5=No)には、S1以降の処理を繰り返す。なお、S1以降の処理を繰り返す前に、0.05〜0.5秒程度の所定の待機時間を設けても良い。
また、本実施形態に係る重心移動表示装置10を用いて、健常な対象者Aに座位での運動を実際に行わせたところ、図6に示すように、重心の移動距離を大きくさせる効果が確認できた。即ち、モニタ42に重心位置84を表示し仮想重心位置86を表示しない状態で、対象者Aにモニタ42を見せながら上体を前後左右に傾斜させる運動を行わせて、重心位置84の移動距離を測定した後、モニタ42に重心位置84を表示せず仮想重心位置86を表示した状態で、対象者Aにモニタ42を見せながら上体を前後左右に傾斜させる運動を行わせて、重心位置84の移動距離を測定した。そして、重心位置84を見せながら運動をさせた場合の重心位置84の移動距離の平均値と、仮想重心位置86を見せながら運動をさせた場合の重心位置84の移動距離の平均値とを、前後左右の各方向への傾動について算出した結果が、図6に示されている。図6によれば、仮想重心位置86を見せた場合の方が、重心位置84の移動距離が大きくなる傾向にあることが確認できた。これは、仮想重心位置86を見せながら運動をさせたことによって、対象者Aの体性感覚(内部感覚)が視覚とのずれを小さくするように較正(アダプテーション)されたことに起因すると考えられる。
なお、図6の結果を得た重心移動表示装置10の試用では、10人の健常な対象者Aについて、座位での上体傾斜運動時の重心位置84を、前後左右の各方向で各複数回測定して、重心位置84の移動距離の平均値を各方向についてそれぞれ算出した。この際の対象者Aは、年齢が22〜32才(平均年齢24才)であった。また、重心移動表示装置10の試用では、重心位置84に対する仮想重心位置86の遅れ(遅延時間)を250〜1000ミリ秒に設定した。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、センサは、検出結果に基づいて仮想重心位置86を設定可能なものであれば、圧力センサ12に限定されるものではなく、例えば歪ゲージ式ロードセルなどの荷重センサを採用することもできる。更に、圧力センサ12として、電気抵抗の変化に基づいて接触時の圧力を検出する電気抵抗型圧力センサなどを採用しても良い。
さらに、圧力センサ12に設けられる圧力検出部28の数は、特に限定されない。例えば、圧力検出部28を圧力センサ12の面積比でより多く設けることによって、検出精度の向上が図られる一方、圧力検出部28の数を減らすことによって、電極や配線の数が少なくなると共に、演算処理の負荷も低減され得る。要するに、表側電極と裏側電極の数は、適宜に設定されるものであり、例えば表側電極が32本で裏側電極が25本のように、表側電極と裏側電極は互いに異なる数であっても良い。更に、表側電極と裏側電極は、互いに直交する方向に延びている必要はなく、互いに傾斜する方向(ここでは直交方向および同方向を除く)に延びて交差対向していても良いし、各複数がスポット的に配されて上下に対向していても良い。
また、本発明に係る重心移動表示装置10は、立位で体を前後左右に傾ける運動にも用いることができる。この場合には、対象者Aが圧力センサ12の上に立って、対象者Aの足によって圧力センサ12に及ぼされる圧力(足圧)の分布に基づいて、重心位置84と仮想重心位置86を設定することができる。
前記実施形態では、椅子38の座面40に圧力センサ12を敷いて使用する場合を例示したが、例えば、圧力センサ12をベッド(診療台を含む)の上に重ね合わせて座位で体を傾ける運動の補助に使用したり、圧力センサ12を床に重ね合わせて立位で体を傾ける運動の補助に使用したりしても良い。なお、圧力センサ12をベッドに重ね合わせて使用する場合には、ベッドの上面が支持面となる。同様に、圧力センサ12を床に重ね合わせて使用する場合には、床の上面が支持面となる。このように、支持面は、対象者Aが座位又は立位で載って体を傾斜させる運動を行うことができれば、特に限定されるものではない。
前記実施形態では、重心位置84を算出して、重心位置84に対して遅延して表示される仮想重心位置86を設定する例を示したが、例えば、重心位置84に対する距離の差を設定する場合などには、圧力センサ12の検出結果に基づいて仮想重心位置86を直接算出することもできる。
重心位置84や体圧分布などの計測結果や評価などを、計測終了後にモニタ42に表示することもできる。具体的には、例えば、目標ライン88に対する重心位置84の到達の程度や、経時的な体圧分布の変化などを測定終了後に適宜に表示させることで、対象者Aや医師などが運動能力の変化を把握し易くなり得る。
10:重心移動表示装置、12:圧力センサ(センサ)、14:データ処理装置(重心演算手段、仮想重心設定手段、調節手段)、16:誘電層、28:圧力検出部、38:椅子、40:座面(支持面)、42:モニタ(表示手段)、82:ディレイ(mSec)欄(調節手段)、84:重心位置、86:仮想重心位置、X01〜X16:表側電極(電極)、Y01〜Y16:裏側電極(電極)

Claims (9)

  1. 対象者が座位又は立位で体を傾けて重心を移動させる運動に際して重心の移動を表示する重心移動表示装置であって、
    前記対象者が座位又は立位で載る支持面と、
    該支持面に作用する該対象者の体荷重を検出するセンサと、
    該対象者が体を傾けて重心を初期位置から離れる方向へ移動させる際に、該対象者から該支持面に及ぼされた体荷重の重心位置よりも移動距離が小さくされた仮想重心位置を、該センサの検出結果に基づいて設定する仮想重心設定手段と、
    該仮想重心設定手段が設定した該仮想重心位置を表示する表示手段と
    を、含むことを特徴とする重心移動表示装置。
  2. 前記仮想重心位置が前記重心位置よりも予め設定された時間だけ遅れた遅延重心位置とされることにより、該仮想重心位置の移動距離が該重心位置よりも小さくされている請求項1に記載の重心移動表示装置。
  3. 前記仮想重心位置が前記重心位置よりも予め設定された距離だけ小さく移動せしめられる過小変位重心位置とされることにより、該仮想重心位置の移動距離が該重心位置よりも小さくされている請求項1に記載の重心移動表示装置。
  4. 前記仮想重心位置の移動距離が前記重心位置よりも小さくされる量を変更可能とする調節手段を備えている請求項1〜3の何れか一項に記載の重心移動表示装置。
  5. 前記センサが前記支持面に作用する圧力を検出する圧力センサとされており、前記表示手段が前記対象者から該支持面に及ぼされる圧力の分布を該圧力センサの検出結果に基づいて表示可能とされている請求項1〜4の何れか一項に記載の重心移動表示装置。
  6. 前記センサが、上下に対向配置された柔軟な電極間に絶縁性の弾性材料で形成された誘電層を配設してなる圧力検出部の複数が二次元的に配された構造を有しており、該誘電層の弾性変形を伴う該電極間の距離の変化によって生じる該圧力検出部の静電容量の変化量に基づいて圧力を検出する静電容量型圧力センサとされている請求項1〜5の何れか一項に記載の重心移動表示装置。
  7. 前記支持面が椅子の座面とされており、前記センサが座位の前記対象者から該椅子の該座面に及ぼされる体荷重を検出する請求項1〜6の何れか一項に記載の重心移動表示装置。
  8. 前記重心位置を前記センサの検出結果に基づいて算出する重心演算手段を備えている請求項1〜7の何れか一項に記載の重心移動表示装置。
  9. 対象者が支持面上において座位又は立位で体を傾斜させる運動に伴う該対象者の重心の初期位置から離れる方向への移動を表示するに際して、該対象者から該支持面に及ぼされた体荷重の重心位置よりも移動距離が小さくされた仮想重心位置を表示することを特徴とする重心移動表示装置における重心移動の表示方法。
JP2017156245A 2017-08-11 2017-08-11 重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法 Active JP6783200B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017156245A JP6783200B2 (ja) 2017-08-11 2017-08-11 重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法
PCT/JP2018/029659 WO2019031523A1 (ja) 2017-08-11 2018-08-07 重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017156245A JP6783200B2 (ja) 2017-08-11 2017-08-11 重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019033839A true JP2019033839A (ja) 2019-03-07
JP6783200B2 JP6783200B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=65271233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017156245A Active JP6783200B2 (ja) 2017-08-11 2017-08-11 重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6783200B2 (ja)
WO (1) WO2019031523A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07250823A (ja) * 1994-03-11 1995-10-03 Anima Kk 重心動揺計
JPH07255705A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Anima Kk 重心動揺計
JPH07275307A (ja) * 1994-04-14 1995-10-24 Anima Kk 重心移動訓練装置
WO2010038497A1 (ja) * 2008-09-30 2010-04-08 ブラザー工業株式会社 姿勢判定装置、姿勢判定機能付座席装置
JP2016195650A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 住友理工株式会社 バランス能力測定方法およびバランス能力測定装置
JP2016209546A (ja) * 2015-04-28 2016-12-15 住友理工株式会社 バランス能力測定装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07250823A (ja) * 1994-03-11 1995-10-03 Anima Kk 重心動揺計
JPH07255705A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Anima Kk 重心動揺計
JPH07275307A (ja) * 1994-04-14 1995-10-24 Anima Kk 重心移動訓練装置
WO2010038497A1 (ja) * 2008-09-30 2010-04-08 ブラザー工業株式会社 姿勢判定装置、姿勢判定機能付座席装置
JP2016195650A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 住友理工株式会社 バランス能力測定方法およびバランス能力測定装置
JP2016209546A (ja) * 2015-04-28 2016-12-15 住友理工株式会社 バランス能力測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019031523A1 (ja) 2019-02-14
JP6783200B2 (ja) 2020-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6746334B2 (ja) バランス能力測定装置
US20110269601A1 (en) Sensor based exercise control system
JP6553921B2 (ja) バランス能力測定方法およびバランス能力測定装置
JP4581087B2 (ja) 歩行訓練支援装置
US8204710B2 (en) Dynamic postural apparatus for detecting a balanced biped posture
JP6106542B2 (ja) 離床センサおよび離床検出方法
KR101879209B1 (ko) 생체신호 인식을 통한 건강관리가 가능한 안마의자
WO2006011408A1 (ja) 運動補助装置
JP2012071098A (ja) シートおよび車椅子
US20130085039A1 (en) Motion trainings device and motion trainings system
JP2014068659A (ja) 運動補助装置
US9572537B2 (en) Apparatus and method for calculating pressure distribution
JPH1156818A (ja) 入力装置
JP6783200B2 (ja) 重心移動表示装置と重心移動表示装置における重心移動の表示方法
Barone et al. Sensory garments with vibrotactile feedback for monitoring and informing seated posture
KR20160102625A (ko) 햅틱 기능을 결합한 가상 현실을 제공하는 보행재활 장치
TWI821075B (zh) 用於操作虛擬空間中移動之傢俱型裝置
Caltenco et al. Designing interactive systems for balance rehabilitation after stroke
JP7313079B2 (ja) 力覚提示装置及び力覚提示方法
KR101945038B1 (ko) 자세 균형 판단장치
JP6050368B2 (ja) 荷重分布計測システムおよび情報処理装置
JP6097905B2 (ja) 立ち上り動作測定システム
Cho et al. Development of a shear measurement sensor for measuring forces at human–machine interfaces
KR20210033269A (ko) 사용자의 팔 길이에 따라 팔 안마모듈의 위치가 조정 가능한 동작 방법이 적용되는 안마의자
KR101945036B1 (ko) 자세 균형 판단방법

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180809

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6783200

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150