以下、図面を用いて、本実施の形態に係るフィーダ21について説明する。図1に示すように、フィーダ21は、部品実装機100に設けられた部品供給部20の複数のスロット20aに着脱可能に装着される。
本実施の形態においては、フィーダ21は、2つのキャリアテープ900(図2及び図3参照)をつなぎ合わせることなく部品供給位置21aに連続して送ることが可能になっている。そのために、部品供給部20には、キャリアテープ900が巻回された第1リール810及び第2リール820を交換可能に保持するリール保持部50が設けられている。そして、第1リール810に保持されたキャリアテープ900に収納された電子部品等の部品がなくなると、第2リール820に保持されたキャリアテープ900が部品供給位置21aに自動的に送られるようになっている。
キャリアテープ900は、多数の部品を一列に収容するものである。キャリアテープ900は、図2及び図3に示すように、ベーステープ901、ボトムテープ903を備えている。ベーステープ901は、紙材や樹脂等の柔軟な材料で構成されている。ベーステープ901の幅方向の中央部には、長さ方向に一定間隔をおいて部品を収納する部品収納部901aが貫通形成されている。ベーステープ901の幅方向の一端側には、長さ方向に一定の間隔を有してスプロケット穴901bが貫通形成されている。
ボトムテープ903は、ベーステープ901の下面に接着されている。ボトムテープ903によって、部品収納部901aに収納された部品の脱落が防止される。ボトムテープ903は、紙材や高分子フィルム等で構成されていて、透明又は半透明となっている。
キャリアテープ900(ベーステープ901)の上面には、部品収納部901aを覆うカバーテープ902が、スプロケット穴901bを避けて接着されている。カバーテープ902は、透明な高分子フィルムからなり、部品収納部901aの両側で接着部(接着剤)902a、902bによってキャリアテープ900上に接着されている。
次に、フィーダ21の具体例について、図4〜図6を用いて説明する。なお、以下の説明において「搬送方向」とは、キャリアテープ900の搬送方向を指す。また、図4〜図6において、紙面右側を前方(搬送方向下流側)とし、紙面左側を後方(搬送方向上流側)とする。また、図4〜図6において、紙面上方を上方とし、紙面下方を下方とする。
フィーダ21は、主に、フィーダ本体21b、第1サーボモータ22、第2サーボモータ23、第1ギヤ24、第2ギヤ25、第3ギヤ26、第4ギヤ27、浮上防止部材28、トーションスプリング29、ストッパー部材31、上流側押さえ部材32、下流側押さえ部材33、第1スプロケット61、第2スプロケット62、第3スプロケット63、第4スプロケット64、レール38、制御部39、テープ剥離装置70とから構成されている。
フィーダ21は、その前方側から図略のスロットに差し込まれて装着されるようになっている。フィーダ21の本体(以下、フィーダ本体という)21bは、扁平な箱形である。なお、図4〜図6は、フィーダ本体21bの側壁を除去して、フィーダ21の内部構造が視認できるようにした図である。
レール38は、フィーダ本体21bの後部のテープ挿入部21dから前部の部品供給位置21aに設けられている。レール38は、その上面がキャリアテープ900の搬送路を構成している。レール38の前部38aは、水平に形成されている。本実施の形態では、レール38は、その後部から前部38aの手前まで徐々に高くなるように傾斜している。なお、図示はしていないが、レール38の両側には、キャリアテープ900の幅寸法よりも僅かに大きい寸法で離間したガイド部材が設けられている。
レール38の前部38aの下方のフィーダ本体21bには、つまり、フィーダ本体21bの部品供給位置21aに隣接する位置には、前方から後方(搬送方向下流側から上流側)に向かってそれぞれ、第1スプロケット61及び第2スプロケット62が回転可能に設けられている。レール38の後部の下方のフィーダ本体21bには、前方から後方に向かってそれぞれ、第3スプロケット63及び第4スプロケット64が回転可能に設けられている。第1スプロケット61、第2スプロケット62、及び第3スプロケット63のそれぞれの外周には、一定角度をおいて、第1係合突起61a、第2係合突起62a、第3係合突起63aが形成されている。第4スプロケット64の外周の一部には、一定角度をおいて第4係合突起64aが設けられている。それぞれの係合突起61a〜64aは、キャリアテープ900のスプロケット穴901bと係合する。
第1スプロケット61〜第4スプロケット64の外周部よりも内側には、それぞれ、第1スプロケットギヤ61b、第2スプロケットギヤ62b、第3スプロケットギヤ63b、第4スプロケットギヤ64bが形成されている。なお、レール38の各スプロケット61〜64の上方には、窓穴38b(図5参照)が設けられている。この窓穴38bから、各係合突起61a〜64aがレール38上から突出する。
第1サーボモータ22は、第1スプロケット61及び第2スプロケット62を回転させるサーボモータである。第1サーボモータ22の回転軸22aには、第1ドライブギヤ22bが設けられている。第1ギヤ24は、第1スプロケット61及び第2スプロケット62の下方のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第1ギヤ24に外周には、第1ドライブギヤ22bと噛合する第1外側ギヤ24aが形成されている。第1ギヤ24の外周よりも内側には、第1内側ギヤ24bが形成されている。
第2ギヤ25は、第1スプロケット61及び第2スプロケット62と第1ギヤ24の間のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第2ギヤ25は、第1スプロケットギヤ61b、第2スプロケットギヤ62b、及び第1内側ギヤ24bと噛合している。このような構成によって、第1サーボモータ22の回転が減速されて第1スプロケット61及び第2スプロケット62に伝達されて、第1スプロケット61及び第2スプロケット62が同期して回転する。
第2サーボモータ23は、第3スプロケット63及び第4スプロケット64を回転させるサーボモータである。第2サーボモータ23の回転軸23aには、第2ドライブギヤ23bが設けられている。第3ギヤ26は、第3スプロケット63及び第4スプロケット64の下方のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第3ギヤ26に外周には、第2ドライブギヤ23bと噛合する第3外側ギヤ26aが形成されている。第3ギヤ26の外周よりも内側には、第3内側ギヤ26bが形成されている。
第4ギヤ27は、第3スプロケット63及び第4スプロケット64と第3ギヤ26の間のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第4ギヤ27は、第3スプロケットギヤ63b、第4スプロケットギヤ64b、及び第3内側ギヤ26bと噛合している。このような構成によって、第2サーボモータ23の回転が減速されて第3スプロケット63及び第4スプロケット64に伝達されて、第3スプロケット63及び第4スプロケット64及が同期して回転する。
下流側押さえ部材33は、ブロック状であり、レール38後部の上方に、フィーダ本体21bのテープ挿入部21dに設けられている。下流側押さえ部材33は、フィーダ本体21bに取り付けられた第1支持部材30−1及び第2支持部材30−2に、シャフト34−1を介して、上下方向移動可能に取り付けられている。シャフト34−1には、下流側押さえ部材33を下方に付勢するコイルスプリング35−1が取り付けられている。下流側押さえ部材33の前方には、第3スプロケット63上においてレール38と当接する押さえ部33dが形成されている。このような構成によって、押さえ部33dは、レール38から離接する。図5に示すように、押さえ部33dの後端下部には、侵入部33bが切欠形成されている。
上流側押さえ部材32は、ブロック状であり、レール38の後部上面に沿って設けられている。上流側押さえ部材32は、下流側押さえ部材33の後部から下方に、シャフト34−2を介して、上下方向移動可能に取り付けられている。上流側押さえ部材32は、押さえ部33dの後方に隣接している。シャフト34−2には、上流側押さえ部材32を下方に付勢するコイルスプリング35−2が取り付けられている。このような構成によって、上流側押さえ部材32は、レール38から離接する。上流側押さえ部材32の後端の下部には、挿入凹部32aが切欠形成されている。
図5に示すように、ストッパー部材31は、ブロック状であり、上流側押さえ部材32の下流側に隣接して設けられている。ストッパー部材31は、その中間部分に形成された軸支部31bが下流側押さえ部材33に軸支されて、揺動可能となっている。ストッパー部材31の軸支部31bよりも前方の下部は、下方に突出形成された当接部31aが形成されている。ストッパー部材31の下部の後端は、停止部31cとなっている。
下流側押さえ部材33には、ストッパー部材31を、当接部31aがレール38に近接する方向に付勢するスプリング36が取り付けられている。図5に示すように、搬送方向に関し、下流側押さえ部材33の前端とストッパー部材31の後端との間に、第4スプロケット64の頂部が位置している。
図4に示すように、浮上防止部材28は、板状であり、第3スプロケット63と第2スプロケット62の間のレール38上に沿って設けられている。浮上防止部材28の前端には、軸支部28aが形成され、この軸支部28aが、フィーダ本体21bに設けられた軸部21cに軸支されて、浮上防止部材28が揺動可能にフィーダ本体21bに取り付けられている。浮上防止部材28の後端には、上方に曲げられた案内部28bが形成されている。トーションスプリング29は、浮上防止部材28の上方のフィーダ本体21bに取り付けられ、浮上防止部材28を下方に付勢している。このトーションスプリング29によって、浮上防止部材28の下面は、レール38の上面に密接されている。
なお、第2スプロケット62と第3スプロケット63の間のレール38上には、空間38cが形成されている。
制御部39は、フィーダ21を制御するものであり、第1サーボモータ22及び第2サーボモータ23の回転を制御する。制御部39は、マイクロプロセッサや、サーボモータ22、23に駆動電流を供給するドライバを有している。
第3スプロケット63の下流側のフィーダ本体21bには、キャリアテープ900の有無を検知し、その検知信号を制御部39に出力する第1センサ65が設けられている。第1センサ65は、後述する2つのキャリアテープ(搬送テープと待機テープ)900の境界部分を検知するセンサである。第2スプロケット62の上流側のフィーダ本体21bには、キャリアテープ900の有無を検知し、その検知信号を制御部39に出力する第2センサ66が設けられている。この第2センサ66の役割については、後述する。
上記した第1サーボモータ22によって回転される第1及び第2スプロケット61、62、ならびに第2サーボモータ23によって回転される第3及び第4スプロケット63、64により、キャリアテープ900を送る送り装置を構成している。
次に、テープ剥離装置70の構成を、図7及び図8を用いて説明する。図7に示すように、フィーダ21の先端上部には、部品供給位置21aに送られたキャリアテープ900のカバーテープ902の一端側を剥離して折り返すテープ剥離装置70が取付けられている。
テープ剥離装置70は、フィーダ本体21bに着脱可能に取付けられた本体部71に設けられている。本体部71は、図8に示すように、下向きに開放された断面コ字形からなり、本体部71の両側壁71a、71bの前後がビス等の締結手段によってフィーダ本体21bの両側面に固定される。そして、本体部71の両側壁71a、71b間でキャリアテープ900が案内される。本体部71の上壁71cには、部品供給位置21aを含む所定位置に、切欠き部71c1が形成され、キャリアテープ900の部品収納部901aより部品を取り出せるようになっている。
本体部71の上壁71cには、後述する剥離部材75によってカバーテープ902を剥離するのに先行して、カバーテープ902を切断するカッタ部材72が取付けられている。カッタ部材72は、ボルト等によって上壁71cに着脱可能に固定された保持ブラケット73に、刃先72aを下向きにして一体的に保持されている。カッタ部材72の刃先72aは、本体部71の上壁71cを貫通して、キャリアテープ900の搬送路に突入されている。
カッタ部材72は、図2及び図3に示すように、カバーテープ902の一端側を接着する接着部902aと部品収納部901aとの間を、テープの長手方向に切断するように配置されている。すなわち、カバーテープ902は、部品収納部901aの開口部よりスプロケット穴901bとは反対側に所定量S1オフセットした位置で、接着部902aの内側を切断される。図2及び図3の902cは、切断されたカバーテープ902の切断面(切れ込み部)を示す。
本体部71の上壁71cには、カッタ部材72によって切断されたカバーテープ902の端部をキャリアテープ900より剥離する先端が鋭利な舌部75aを有する板状の剥離部材75が、切欠き部71c1を覆うように、キャリアテープ900の上方位置に固定されている。舌部75aは、図2に示すように、カッタ部材72の刃先72aに対し、キャリアテープ900の送り方向(図2の矢印方向)に所定量S2離間した位置に配置されている。
剥離部材75の舌部75aは、カッタ部材72によって切断されたカバーテープ902の部品収納部901a側の端部とベーステープ901との間に介挿され、舌部75aによってカバーテープ902の端部を剥離する(捲る)ようになっている。
また、剥離部材75には、図7に示すように、剥離されたカバーテープ902の端部をスプロケット穴901b側に折り返す折り返し部材76が一体的に取付けられ、この折り返し部材76とキャリアテープ900の上面との間には僅かな隙間が形成されている。折り返し部材76には、カバーテープ902の幅方向に傾斜した傾斜面76aが、キャリアテープ900の送り方向に沿って所定長さに亘って形成されている。折り返し部材76の傾斜面76aは、剥離部材75の舌部75aに対してカバーテープ902の幅方向に突出されている。
折り返し部材76は、剥離部材75の舌部75aによって剥離されたカバーテープ902の端部を、傾斜面76aによって徐々に立ち上げながらスプロケット穴901b側に折り返し、部品供給位置21aに供給された部品を収納した部品収納部901aの上面を開放(露出)させる。折り返し部材76の傾斜面76aによって折り返されたカバーテープ902は、図8に示すように、折り返し部材76とキャリアテープ900(ベーステープ901)の上面との間の隙間に強制的に押し込まれ、部品収納部901aの上面の開放状態を維持する。
このとき、接着部902bによって接着されたカバーテープ902の他端側は、図8に示すように、キャリアテープ900上に残存している。
上記した構成のテープ剥離装置70を備えたフィーダ21は、部品供給部20(図1参照)にセットされ、通信コネクタ80(図7参照)を介して部品実装機100の本体側からフィーダ21側に電力が供給されるとともに、フィーダID等の必要な情報がフィーダ21側から部品実装機100の本体側に伝達される。
そして、キャリアテープ900がスプロケット61、62によって送られると、まず、テープ剥離装置70のカッタ部材72の刃先72aによって、カバーテープ902が部品収納部901aと一方の接着部902aとの間で切断される。次いで、剥離部材75の舌部75aが、切断したベーステープ901の端部とカバーテープ902の上面との間に介挿され、カバーテープ902の端部を剥離する(捲る)とともに、スプロケット穴901b側に折り返す。
この際、舌部75aによって捲られるカバーテープ902の位置は、接着部902a(902b)ではないため、従来のような剥離抵抗が生ずることがなく、ほとんど抵抗なくカバーテープ902を捲ることができる。また、接着部902a(902b)を剥離することによって引き起こされるベーステープ901上面が毛羽立つこともないので、部品収納部901aより取り出される部品が毛羽に引っ掛かることもない。
しかも、カバーテープ902に切断面(切れ込み部)902cを形成する位置は、部品収納部901a上ではなく、部品収納部901a上よりキャリアテープ900の端部方向にオフセットした位置であるので、カッタ部材72によって部品収納部901a内の部品を傷付ける恐れもない。
また、カバーテープ902をスプロケット穴901b側に折り返すことにより、折り返したカバーテープ902の端部が、図9に示すように、スプロケット穴901bを形成したキャリアテープ900の端部領域内に収まり、キャリアテープ900の端部よりはみ出すことがない。これにより、キャリアテープ900を装着するフィーダ21の幅を、キャリアテープ900の幅相当に収めることができ、フィーダ21の幅寸法の増大を抑制できる。
従って、従来のように、カバーテープ902をキャリアテープ900の送り方向と反対方向に折り返して排出する別個の排出機構が不要となり、カバーテープ902はキャリアテープ900のベーステープ901と一体的に排出できるようになる。まお、図7中74は、カバーテープ902とともにキャリアテープ900を排出するためのガイドであり、フィーダ本体21bの先端部に固定されている。
次に、フィーダ21の動作について説明する。作業者は、キャリアテープ900を、図4に示す挿入凹部32aとレール38の後端との間に差し込む。すると、差し込まれたキャリアテープ900の先端部に形成されたスプロケット穴901bに第4係合突起64aが係合して、当該キャリアテープ900が第4スプロケット64によって第3スプロケット63に搬送される。第4係合突起64aは、第4スプロケット64の外周の一部にしか形成されていないので、差し込まれたキャリアテープ900の先端部に形成されたスプロケット穴901bに第4係合突起64aが係合すると、当該キャリアテープ900は間欠的に第3スプロケット63側に移動する。このため、キャリアテープ900が急激に、第3スプロケット63側に引き込まれないので、安全である。
第4スプロケット64によって下流側に送給されるキャリアテープ900の先端は、侵入部33bから、押さえ部33dの下方に侵入する。そして、キャリアテープ900の先頭部に形成されたスプロケット穴901bが第3係合突起63aと係合すると、第3スプロケット63によってキャリアテープ900が第2スプロケット62に搬送される。第3スプロケット63の外周には、全周にわたって第3係合突起63aが形成されているので、短時間でキャリアテープ900が第2スプロケット62側に搬送される。キャリアテープ900は、押さえ部33dによって上方から押し付けられて、スプロケット穴901bと第3係合突起63aとの係合が外れないようになっている。
キャリアテープ900の先端は、案内部28bとレール38の間から、浮上防止部材28の下方に侵入する。キャリアテープ900の先端は、浮上防止部材28によってレール38からの浮き上がりが抑制されて、第2スプロケット62に搬送される。
第2センサ66が、第3スプロケット63によって搬送されたキャリアテープ900の先頭を検出すると、第1サーボモータ22及び第2サーボモータ23は、スプロケット61〜64を部品ピッチ分間欠的に回転させる。キャリアテープ900の先頭部に形成されたスプロケット穴901bが第2係合突起62aに係合すると、第2スプロケット62によってキャリアテープ900がテープ剥離装置70に送られ、テープ剥離装置70によってキャリアテープ900からカバーテープ902が剥離される。そして、キャリアテープ900の先頭に形成されたスプロケット穴901bが第1係合突起61aに係合すると、第1スプロケット61によってキャリアテープ900に収納された部品が順次部品供給位置21aに位置決めされて供給される。
なお、以下においては、搬送中のキャリアテープ900を搬送テープ910と称し、待機させるキャリアテープ900を待機テープ920と称して、2つのキャリアテープ900を区別する。
搬送テープ910がフィーダ21によって搬送されている場合には、図5に示すように、搬送テープ910が当接部31aを押圧して、ストッパー部材31がスプリング36の付勢力に抗して停止部31cがレール38に近接する方向に揺動し、ストッパー部材31の後下端が搬送テープ910の上面と接触する。
作業者は、待機テープ920を、挿入凹部32aと搬送テープ910の間に差し込む。すると、ストッパー部材31の後下端が搬送テープ910の上面と接触しているので、待機テープ920の先端がストッパー部材31の停止部31cに当接し、待機テープ920の下流への搬送が阻止されて、待機テープ920が搬送テープ910上において待機される。
待機テープ920は、上流側押さえ部材32によって、搬送テープ910に押し付けられている。このため、待機テープ920の先端の搬送テープ910から浮き上がりが防止され、待機テープ920の先端の上流側押さえ部材32の前端とストッパー部材31の後端との間への侵入が防止される。
なお、搬送テープ910が、前方側のリール810に巻回されている。また、待機テープ920は、後方側のリール820に巻回されている。
図6に示すように、搬送テープ910の後端が待機テープ920の先端よりも下流側に搬送されると、待機テープ920がレール38上に載置された状態となり、待機テープ920の先頭部に形成されたスプロケット穴901bが第4係合突起64aと係合する。そして、第4スプロケット64によって送給されるキャリアテープ900の先端は、侵入部33bから、押さえ部33dの下方に侵入する。そして、キャリアテープ900の先頭部に形成されたスプロケット穴901bが第3係合突起63aと係合すると、第3スプロケット63によってキャリアテープ900が第2スプロケット62に搬送され、上述したように部品供給位置21aまで搬送される。
待機テープ920であったキャリアテープ900の先端が当接部31aを押圧すると、ストッパー部材31がスプリング36の付勢力に抗して、停止部31cがレール38の上面に近接する方向に揺動し、ストッパー部材31の後下端が新たな搬送テープ910(旧待機テープ920)に当接する。
作業者は、搬送テープ910が全て送給された使用済みのリール810を、リール保持部50から除去するとともに、新たな待機テープ920が巻回されたリール820を、リール保持部50に保持させる。そして、作業者は、新たな待機テープ920の先端を、挿入凹部32aと搬送テープ910の間に差し込んで、新たな待機テープ920をセットする。上述したように、ストッパー部材31の後下端が新たな搬送テープ910に当接しているので、新たな待機テープ920の先端がストッパー部材31の停止部31cに当接し、待機テープ920の下流への搬送が阻止されて、待機テープ920が搬送テープ910上において待機される。
上記した実施の形態によれば、テープ剥離装置70が、キャリアテープ900の送りによって、一方の接着部902aと部品収納部901aとの間でカバーテープに切れ込みを入れるカッタ部材72と、カッタ部材72によって切り込まれたカバーテープ902の端部を剥離して折り返し、部品収納部901aを開放する剥離部材75とを備えているので、カッタ部材72によって、部品収納部901aに収納された部品を傷付けることがなく、カバーテープ902を的確に剥離することができる。
しかも、カバーテープ902の接着部を剥離するものでないので、接着部を剥離することによって引き起こされるキャリアテープ900(ボトムテープ903)上面の毛羽立ちによる不具合も発生することもない。
上記した実施の形態によれば、カバーテープ902を、キャリアテープ900に設けたスプロケット穴901b側に折り返すようにしたので、折り返したカバーテープ902の端部が、スプロケット穴901bを形成したキャリアテープ900の端部領域内に収まり、キャリアテープ900の端部よりはみ出すことがない。これにより、キャリアテープ900を装着するフィーダ21の幅を、キャリアテープ900の幅相当に収めることができ、フィーダ21の幅寸法の増大を抑制できる。
上記した実施の形態によれば、カッタ部材72は、フィーダ本体21bの上壁71cに着脱可能に取付けられているので、カッタ部材72の切れ味が低下した際に、カッタ部材72を容易に交換することができる。
上記した実施の形態においては、カッタ部材72によってカバーテープ902を切断する例について述べたが、カッタ部材72によってカバーテープ902を完全に切断しなくても、カバーテープ902に所定深さの切れ込みを入れるようにしてもよい。この場合においても、剥離部材75の舌部75aによってカバーテープ902をあまり抵抗なく剥離することが可能となる。
上記した実施の形態においては、剥離部材75と折り返し部材76を別部材によって構成した例について述べたが、剥離部材75と折り返し部材76を一体的に形成することもできる。
上記した実施の形態においては、キャリアテープ900に係合して当該キャリアテープ900に収納された部品を部品供給位置21aに送るスプロケット61(62)と、待機するキャリアテープ900に係合して当該キャリアテープ900をスプロケット61に係合する位置に送るスプロケット63(64)とを備えたフィーダ21により、2つのキャリアテープ900をつなぎ合わせることなく部品供給位置21aに連続して送るようにした例について述べた。これによれば、部品切れによるスプライシング作業が不要になり、スプライシングによって部品実装機を停止させることがない。
しかしながら、本発明は、2つのキャリアテープ900をつなぎ合わせることなく部品供給位置21aに連続して送るものに限定されるものではなく、キャリアテープ900を部品供給位置21aに自動的に搬送できる送り装置を備えたものであれば適用することができる。
斯様に、本発明は上記した実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。