JP2019031634A - 湿潤美容シート用基材 - Google Patents

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【課題】薄手でありながら、高い吸液性を保持しており、更には乾燥しにくく、湿潤状態でも高い形態安定性を維持できるCMCからなる湿潤美容シート用基材の提供。【解決手段】セルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸基の置換度が0.1以上0.8以下であるカルボキシメチルセルロースから構成される湿潤美容シート用基材であって、該カルボキシメチルセルロースのカルボキシメチル置換基は、全置換基の内1%以上50%以下がプロトン化されていることを特徴とする前記湿潤美容シート用基材。【選択図】なし

Description

本発明は、天然又は再生セルロース繊維由来の部分的にプロトン化されたカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する。)から構成される湿潤美容シート用基材に関する。より詳しくは、本発明は、薄手でありながら、高い吸液性を保持しており、更には使用中に乾燥しにくく、湿潤状態でも高い形態安定性を維持できる前記湿潤美容シート用基材に関する。
従来の化粧パックを初めとする湿潤美容シートにはその基材としてセルロース繊維系の不織布が多く用いられているが、セルロース繊維自身が高い吸液倍率を有しているにもかかわらず、基材である不織布から皮膚へ水分や水溶液が移行しにくいため、液垂れが生じやすく、また皮膚とのフィット性が悪く、長時間使用すると乾燥し、剥がれやすい等の問題がある。
他方、以下の特許文献1には、CMCの置換度が0.05〜0.6未満である化粧用パック前駆体である湿潤用基材が記載されており、水や各種水溶液を付与して膨潤させ、これを皮膚に被覆して湿潤状態に保ち、優れた保湿または美容効果を与えることができるとの記載があるが、使用しているCMCがカルボキシメチル基にナトリウムが結合したカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMC−Naと略記する。)であり、吸液性が非常に高いものの、強度が弱いという問題があり、薬液を保持した状態で長時間使用することができないという問題がある。
特開2001−170104号公報
前記した技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、薄手でありながら、高い吸液性を保持しており、更には乾燥しにくく、湿潤状態でも高い形態安定性を維持できるCMCからなる湿潤美容シート用基材を提供することである。
本発明者らは、天然又は再生セルロース繊維由来のカルボキシメチル構造体を、所定の濃度に調整した酢酸、塩酸等の酸に浸漬することで、プロトン化度を制御したCMCを作製できることを見出し、更にはCMCの置換度とプロトン化度を所定の範囲に制御することで吸液性を保持した状態で強度を高めることができることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]セルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸基の置換度が0.1以上0.8以下であるカルボキシメチルセルロースから構成される湿潤美容シート用基材であって、該カルボキシメチルセルロースのカルボキシメチル置換基は、全置換基の内1%以上50%以下がプロトン化されていることを特徴とする前記湿潤美容シート用基材。
[2]生理食塩水に含浸させた際の吸液量が10g/g以上60g/g以下である、前記[1]に記載の湿潤美容シート用基材。
[3]生理食塩水を吸液させてから60分後の液保持率が80%以上である、前記[1]又は[2]に記載の湿潤美容シート用基材。
[4]乾燥状態での厚みが0.03〜2.00mmである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の湿潤美容シート用基材。
[5]目付が10g/m〜200g/mである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の湿潤美容シート用基材。
[6]綿状、織物状又は不織布状の形態にある、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の湿潤美容シート用基材。
[7]前記カルボキシメチルセルロースの連続長繊維により構成される、前記[6]に記載の湿潤美容シート用基材。
[8]前記カルボキシメチルセルロースは天然又は再生セルロース繊維に由来する、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の湿潤美容シート用基材。
本発明に係る湿潤美容シート用基材を用いれば、薄く取扱いがしやすく、CMCの効果により多くの薬液を保持することができるため使用中に乾燥することもなく、密着性も高い。また、使用中に形態を保持することができ、さらには、創部への残存も少ない湿潤美容シートを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本明細書中、湿潤美容シート用基材とは、薬液を含ませた状態で、皮膚に張り付けることで保湿又は美容効果を与えることができる構造体を指す。その用途としては、例えば、顔全体を覆う構造や顔の一部に使用することが挙げられるが、これらの用途に限定されるものではない。
カルボキシメチルセルロース(CMC)構造体が由来するところの天然又は再生セルロース繊維としては、特に制限はなく、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、コットン、パルプ、ポリノジックなどの公知のセルロース繊維、好ましくは銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、より好ましくは銅アンモニアレーヨンが挙げられる。これらの繊維は、連続長繊維又は短繊維のいずれであってもよい。長繊維としては連続長繊維が好ましい。本明細書中、長繊維とは、繊維長が10mm以上のものをいい、繊維長は、好ましくは20mm以上であり、より好ましくは50mm以上であり、さらに好ましくは連続長繊維である。
本実施形態のCMC構造体の形態としては、綿状、織物状又は不織布状の形態であることが好ましい。より好ましい構造体の形態は、CMC化再生セルロース繊維の織物又不織布であり、さらに好ましい形態はCMC化再生セルロース繊維の不織布、よりさらに好ましい形態はCMC化キュプラの不織布である。不織布状の形態であれば、湿潤時にゲル化した状態でも繊維が交絡しているため、湿潤時の強度を維持した状態で適度な柔軟性を得ることができ、肌に貼り付けた際に肌の動きに追従しやすい。また、肌の凹部に沿って湿潤美容シートを貼り付けることが容易である。更には表面積が大きいため、薬液を保持しやすく液だれしにくい。このような不織布を構成する繊維がキュプラであれば、結晶化度が低いためカルボキシメチル化の際の反応性が高く、かつ、形態安定性にも優れる。また、不織布の場合、バインダーを付与した不織布では溶液の浸透速度が遅く、また、肌への使用の際にバインダー成分の溶出が懸念されるためノーバインダーの不織布が好ましい。
また、本実施形態のCMC構造体には、所望の作用効果を害さない範囲で天然又は再生セルロース繊維由来以外の繊維、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維等の合成繊維が含まれていてもよい。このような合成繊維は長繊維でも短繊維でもよい。
本実施形態のCMC構造体の目付(g/m)、例えば、(不織布重量(g)/不織布面積(m))は、10g/m以上200g/m以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m以上100g/m以下、さらに好ましくは10g/m以上80g/m以下であり、よりさらに好ましくは10g/m以上60g/m以下。目付が低すぎる場合、部分的にプロトン化しても十分な強度を得ることが難しくなる場合があり、他方、目付が高すぎる場合、柔軟性が無くなり、肌の凹凸部等への配置が難しくなる。
本実施形態のCMC構造体の乾燥状態での厚みは、織物状又は不織布状である場合、0.03mm以上2.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.03mm以上1.5mm以下であり、さらに好ましくは0.03mm以上1.0mm以下である。厚みが薄すぎる場合、部分的にプロトン化しても十分な強度を得ることができない場合があり、他方、厚みが厚すぎると、柔軟性が無くなり、肌への配置が難しくなる。本明細書中、例えば、不織布の“厚み”とは、JIS−L1096に準拠する厚み試験にて、荷重を1.96kPaとして測定して得られた値をいう。
本実施形態のCMC構造体は、カルボキシメチル化した際のセルロースを構成するグルコース単位中の水酸基の平均置換度(DS)が0.1以上0.8以下であることが必要であり、好ましくは0.3以上0.8以下であり、より好ましくは0.3以上0.6以下である。DSが0.1以上であれば、部分的にプロトン化した際に十分な吸液量を確保することができ、他方、置換度が0.8を超えるとプロトン化しても十分な湿潤強度を得ることができないため使用中に壊れてしまう恐れがある。
また、本実施形態のCMC構造体は、カルボキシメチル化した時点では、カルボキシメチル基の末端がナトリウム塩となっているが、その後、酸で処理して一部のカルボキシメチル基をプロトン型にすることにより得ることができる。その際のカルボキシメチル置換基の全置換基に対するプロトン化度は、高い吸液性を保持した状態で十分な強度を得るために、1%以上50%以下であることが必要であり、好ましくは1%以上40%以下、より好ましくは1%以上30%以下である。
本実施形態のCMC構造体は生理食塩水に含浸させた際の吸液量が10g/g以上60g/g以下であることが好ましく、より好ましくは10g/g以上40g/g以下、さらに好ましくは15g/g以上40g/g以下である。吸液量が10g/g未満であると、効率よく化粧液を保持することができず、使用中に乾燥してしまうおそれがある。他方、吸液量が60g/gより大きいと、化粧液を吸液した状態で肌へ張り付けた際に自重でずれ落ちてしまうおそれがある。
また、本実施形態のCMC構造体は、使用している間、化粧液を効率よく保持し肌に移行するために、化粧液及び/又は生理食塩水を吸液させてから60分後の液保持率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
CMC構造体の原料である、例えば、連続長繊維キュプラ不織布は、例えば、以下の方法で製造することができる。
異物を除去し、重合度を調整したコットンリンターを銅アンモニウム溶液に溶解させた原液を、細孔(原液吐出孔)を有した紡糸口金(紡口)から押し出し、水と共に漏斗内を落下させ、脱アンモニアさせることにより原液を凝固させつつ、延伸を行い、ネット上へ振り落としウェブ形成させる。この際、ネットを進行させながら進行方向と垂直方向へ振動させることにより、ネットへ振り落とされる繊維はサインカーブを描くことになる。紡糸時の延伸は100〜500倍が可能であり、紡糸漏斗の形状と、その中を流下させる紡糸水量を変えることにより、延伸倍率の調整が任意に可能である。延伸倍率を変えることにより、単繊度や不織布の強度を変えることができる。また、紡糸水量や温度を変化させることに原液内に微量残留する低分子量セルロース、いわゆるヘミセルロースをコントロールすることもできる。また、ネットの進行速度、振動幅を制御することにより、繊維配列方向を制御し、不織布としての強度や伸度等をコントロールすることもできる。
CMC構造体は、例えば、以下の方法で製造することができる。
まず、天然又は再生セルロース繊維の構造体をアルコール含有水酸化ナトリウム水溶液中でアルカリ状態を維持しながら、35℃で30分攪拌する。その後、反応容器中の試薬を排液した後、アルコールを含むモノクロロ酢酸ナトリウムを添加し、30℃〜60℃で1〜12時間撹拌する。その際、置換度は、反応液と構造体の浴比、温度、及び時間等により制御することができる。その他の反応条件は、生産コスト等も考慮しながら適宜変更することができる。得られた構造体を酢酸含有エタノール水溶液でpH6.0〜8.0に調整した後、更に所定の濃度に調整した酸含有エタノール溶液に浸漬し、1時間撹拌させる。その後70wt%、90wt%、100wt%エタノールでアルコール置換を行ない、乾燥させ、プロトン化したシート状構造体を得る。
酸への浸漬工程は、中和工程と同時に行ってもよい。すなわち、通常、中和工程後、酸浸漬工程を実施するため2工程必要であるが、中和工程と酸浸漬工程を同時に行い1工程で行ってもよい。
本実施形態のCMC構造体を部分的にプロトン化する方法には、特に制限はないが、アルコールを含有する溶媒を用いて所定の濃度に調整した酢酸、塩酸、硝酸に浸漬することよりプロトン化されることが好ましく、より好ましくは所定の濃度に調整した酢酸である。酢酸を用いてのプロトン化には、SUS製の反応器を使用することができる。
本実施形態のCMC構造体は、部分的にプロトン化した後に、乾燥し、そのまま使用してもよいが、50℃以上の温度で1h以上熱処理されることが好ましく、より好ましくは80〜120℃の温度で3h以上の熱処理であり、更に好ましくは100〜120℃の温度で3h以上の熱処理である。熱処理を行うことで、分子の配向が最適化され、分子内水素結合が増えることで強度を更に増すことができる。熱処理方法としては、熱風処理、乾熱処理、湿熱処理、真空加熱処理などが挙げられる。効率よく処理を行うためには熱風処理が好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
本実施形態のCMC構造体は、湿潤時に高い強度を保った状態でもゲル化することを特徴とする。湿潤時にゲル化することで高い吸液性を持つだけでなく、肌への密着性が高くなり、肌の動きに追従しやすくなる。また、ゲル化することで風合いが柔らかくなり、肌への影響が少なくなる。
以下、CMC構造体の物性値の測定方法を説明する。
1.平均置換度の測定
(i)酸度、アルカリ度
試料(無水物)約1gを300mL三角フラスコに精密にはかりとり、水を約200mL加えて溶かす。これに0.05モル/L硫酸5mLをピペットで加え、10分間煮沸した後冷却して、フェノールフタレイン指示薬を加え、0.1モル/L水酸化カリウムで滴定する(SmL)。同時に空試験を行い(BmL)、下記式(1):
アルカリ度={(B−S)×f}/試料無水物重量(g) ... 式(1)
{式中、f:0.1モル/L水酸化カリウム力価。}によってアルカリ度を算出する。
ここで、(B−S)×f値が(−)の時にはアルカリ度を酸度と読み替える。
(ii)平均置換度
試料(無水物)0.5〜0.7gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化する。冷却した後、これを500mLビーカーに移し、水を約250mL、さらにピペットで0.05モル/L硫酸35mLを加えて30分間煮沸する。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1モル/L水酸化カリウムで逆滴定して、下記式(2)、(3):
A=(a×f−b×f1)/試料無水物重量(g)−アルカリ度(又は+酸度) ... 式(2)
置換度=(162×A)/(10000−80×A) ... 式(3)
{式中、A:試料1g中の結合アルカリに消費された0.05モル/L硫酸の量(mL)、a:0.05モル/L硫酸の使用量(mL)、f:0.05モル/L硫酸の力価、b:0.1モル/L水酸化カリウムの滴定量(mL)、f1:0.1モル/L水酸化カリウムの力価}によって置換度を算出し、その平均値(N=3以上)を平均置換度とする。
2.プロトン化度
CMC構造体を1cm以上の面積に切断する。その後FT-IR(ATR)装置にセットし表面分析を行う。その後ATR補正、ベースライン補正、規格化を行い、1590cm−1の波長でのピーク高さを測定し、プロトン化前後でのピーク高さの比から下記式(4):
プロトン化度(%)=(A−B)/A×100 ... 式(4)
{式中、A:(プロトン化前のサンプルの1590cm−1のピーク高さ)、B:(プロトン化後のサンプルの1590cm−1のピーク高さ)。}により、プロトン化度を算出する。プロトン化前のサンプルは、同等のサンプルを別途用意するか、サンプルを水酸化ナトリウム水溶液で処理することにより準備することができる。
3.吸液性(g/g)
CMC構造体の吸液性を、EN13726−1の手順で、疑似浸出液の代わりに生理食塩水を使用し、自由に膨張させた時の吸収能力について測定した。具体的にはCMC構造体を5cm×5cmに切断し、シャーレに配置する。その後、サンプル重量の40倍量の生理食塩水を37℃に加温した後、添加し、37℃の恒温機内で30分間静置する。その後インキュベート前後の重量から下記式(5):
吸液量(g/g)=(B−A)/ A
{式中、A:浸漬前の乾燥状態での重量(g)、B:30分間インキュベート後の重量(g)}により、吸液量を算出する。
4.ずれ落ち性
CMC構造体を30mm×50mmに切断し、生理食塩水に1分間含浸させる。その後顔に貼り付け、30分間待機し、終了後の状態を、以下の評価基準で採点する。5回評価し、平均点を算出する。
1:顔から剥がれ落ちている
2:ずれが3cmより大きく、かろうじて顔についている状態
3:ずれが3cm以内
4:ずれが2cm以内
5:ずれが1cm以内。
5.形態保持性
CMC構造体を30mm×50mmに切断し、生理食塩水に1分間含浸させる。その後顔に貼り付け、30分間待機し、シートを剥がし、シャーレに置く。その状態を観察し以下の評価基準で採点する。5回評価し、平均点を算出する。
1:形態を維持できない(溶解している)
2:2個以上の破片に分断している
3:2個に分断している
4:ひびは入っているが分断していない
5:貼り付ける前の状態を維持している。
6.液保持性
CMC構造体を30mm×50mmに切断し重量を測定し、生理食塩水に1分間含浸させる。余分な液をきり重量を測定する。その後疑似肌に貼り付け、60分間待機し、シートを剥がし、重量を測定する。貼り付け前後の重量から液保持率を下記式:
液保持率(%)=(E−C)/(D−C)× 100
{式中、C:乾燥状態での重量(g)、D:貼り付け前の重量(g)、E:60分間貼り付け後の重量(g)。}により液保持性を算出する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[参考例1]
再生セルロース連続長繊維不織布(キュプラ不織布)(目付38g/m)100gを反応容器に入れ、その後、水酸化ナトリウム含有エタノール水溶液(水:875g、エタノール875g、NaOH:162.5g)を加えた後、35℃で30分撹拌した。次に、反応容器中の試薬を排液した後、モノクロロ酢酸ナトリウム含有エタノール水溶液(水300g、エタノール960g、モノクロロ酢酸ナトリウム122.5g又は150.0g)を添加し、50℃で20分〜12時間攪拌した。その後、乾燥させ、カルボキシメチル化したシート状構造体を得た。上述で得たシート状構造体を酢酸含有エタノール水溶液(酢酸:37.5g、蒸留水:375g、エタノール:875g)でpH6.0〜8.0に調整した。その後酢酸含有エタノール溶液1250g(1〜100wt%)又は塩酸含有エタノール水溶液(2〜5wt%)に浸漬し、1時間撹拌した後、70wt%エタノール水溶液1375gで1回、90wt%エタノール水溶液1250gで1回洗浄し、100wt%エタノール1250gで2回アルコール置換を行ない、乾燥させ、更に105℃、6hの条件下で熱風乾燥機に入れ、プロトン化したシート状構造体を得た。平均置換度(DS)、プロトン化度のデータをプロトン化条件と共に以下の表1に示す。
[実施例1]
参考例1で作製したプロトン化度の違うサンプル1〜6の吸液性、ずれ落ち性、形態保持性、及び液保持性を評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
参考例1で作製したプロトン化度の違うサンプル13〜15の吸液性、ずれ落ち性、形態保持性、及び液保持性を評価した。評価結果を表1に示す。
プロトン化度が1%未満であると形態が崩れやすい(サンプル13)。また、プロトン化度が50%超であると吸液性が低くなり化粧液を効率よく保持することができない(サンプル14、15)。
[参考例2]
参考例1において、カルボキシメチル化する前のサンプル16の吸液性、ずれ落ち性、形態保持性、及び液保持性を評価した。評価結果を以下の表1に示す。
カルボキシメチル化する前のサンプル(サンプル16)では、吸液性が低く、液保持性が低いため化粧液を効率よく肌に移行できないことが分かる。
[実施例2]
参考例1で作製した置換度の違うサンプル7〜9の吸液性、ずれ落ち性、形態保持性、及び液保持性を評価した。評価結果を以下の表1に示す。
[比較例2]
参考例1で作製した置換度の違うサンプル10、11の吸液性、ずれ落ち性、形態保持性、及び液保持性を評価した。評価結果を以下の表1に示す。
置換度が0.8以上(サンプル10、11)では、形態が崩れやすく使用している際に、サンプルが壊れてしまうことが分かる。
[実施例3]
再生セルロース連続長繊維シート状構造体(キュプラシート状構造体)(目付53g/m)に代えて、レーヨン短繊維不織布(目付53g/m)を用いた他、参考例1と同様に作製したレーヨン短繊維で構成されたサンプル12の吸液性、ずれ落ち性、形態保持性、及び液保持性を評価した。評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2019031634
本発明における部分的にプロトン化されたカルボキシメチルセルロースから構成される湿潤美容シート用基材を用いて作製した湿潤美容シートは、使用中に乾燥しにくく、湿潤状態でも高い形態安定性を維持でき、また、ハンドリング性も非常に良好であり、更には薄手でありながら、高い吸液性を保持していることから、肌へのフィット性も良く、不織布から肌への化粧液成分の効率的な移行が可能である。

Claims (8)

  1. セルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸基の置換度が0.1以上0.8以下であるカルボキシメチルセルロースから構成される湿潤美容シート用基材であって、該カルボキシメチルセルロースのカルボキシメチル置換基は、全置換基の内1%以上50%以下がプロトン化されていることを特徴とする前記湿潤美容シート用基材。
  2. 生理食塩水に含浸させた際の吸液量が10g/g以上60g/g以下である、請求項1に記載の湿潤美容シート用基材。
  3. 生理食塩水を吸液させてから60分後の液保持率が80%以上である、請求項1又は2に記載の湿潤美容シート用基材。
  4. 乾燥状態での厚みが0.03〜2.00mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の湿潤美容シート用基材。
  5. 目付が10g/m〜200g/mである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の湿潤美容シート用基材。
  6. 綿状、織物状又は不織布状の形態にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の湿潤美容シート用基材。
  7. 前記カルボキシメチルセルロースの連続長繊維により構成される、請求項6に記載の湿潤美容シート用基材。
  8. 前記カルボキシメチルセルロースは天然又は再生セルロース繊維に由来する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の湿潤美容シート用基材。
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