特定の用語
別途記載のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、請求される主題の属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同様の意味を持つ。全ての特許、特許出願、及び刊行物、GENBANK配列、ウェブサイト、並びにその他の出版物は、別途記載のない限り、本明細書においてその全体の記載を通して参照され、参照によりその全体が援用される。本明細書に記載の用語について複数の定義が存在する場合、本節に記載のものが優先される。URL又はその他のこのような識別子若しくはアドレスに対し参照がなされた場合、このような識別子は変更され得るものであること、並びにインターネット上の個々の情報は掲載後に非掲載になり得るものの、インターネット及び/又は適切なデーターベースを検索すれば等価な情報を発見できることは理解されたい。それらに対する参照は、このような情報の可用性及び公共への普及度の証拠となる。一般的に、細胞培養手順、細胞感染症、抗体産生及び分子生物学的方法は、当業界で一般的に使用される方法である。このような標準法は、例えば、例えば、Sambrook et al.(2000)及びAusubel et al.(1994)などの参照マニュアルにおいて見ることができる。
本明細書で使用するとき、単数形「a」「an」及び「the」は、内容が明らかに他の事を指し示していない限り、複数の指示対象を含む。別途記載のない限り、本出願では、単数形の使用には、複数形が包含される。本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、「又は」の使用は、「及び/又は」を意味する。更に、用語「含む(including)」並びにその他の形態(例えば、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含まれる(included)」)は制限するものではない。
本明細書で使用するとき、範囲及び量は、具体的な値又は範囲に「約」が付されているものとして表現できる。「約」には正確な量も包含される。したがって、「約40mg」は「約40mg」及び同様に「40mg」を意味する。一般的に、用語「約」は、実験誤差の範囲内であるものと予想され得る量を包含する。
本明細書で使用するとき、用語「不可逆的阻害剤」は、標的タンパク質(例えば、キナーゼ)との接触時に、標的タンパク質と又は標的タンパク質内に新しい共有結合を形成して、以降、不可逆的阻害剤の存在又は非存在とは無関係に標的タンパク質の1種又はそれ以上の生物活性(例えば、ホスホトランスフェラーゼ活性)を減弱又は消滅させる化合物を指す。
本明細書で使用するとき、「ACK」及び「露出性システインキナーゼ(Accessible Cysteine Kinase)」は同意語である。これらは、露出性システイン残基を有するキナーゼを意味する。ACKとしては、限定するものではないが、BTK、ITK、Bmx/ETK、TEC、EFGR、HER4、HER4、LCK、BLK、C−src、FGR、Fyn、HCK、Lyn、YES、ABL、Brk、CSK、FER、JAK3、SYKが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤」は、共有結合型TECキナーゼファミリーのキナーゼタンパク質の1つ以上の活性を低下させる又は阻害する任意の不可逆的阻害剤を指す。共有結合型TECキナーゼファミリーの代表的なメンバーとしては、ITK(IL−2誘導性T細胞キナーゼ)、BTK(ブルトン型チロシンキナーゼ)、TEC、RLK/TXK(休止期リンパ球キナーゼ)、及びBMX(骨髄ナーゼ)が挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECキナーゼファミリーの2種以上のメンバーを阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤はITK及びBTKを阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのシステイン442に共有結合することによりITKを阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、BTKのシステイン481に共有結合することによりBTKを阻害する。
本明細書で使用するとき、キナーゼ活性の阻害は、キナーゼ活性が、阻害剤の存在下では、阻害剤の非存在下でのキナーゼ活性と比較してある程度減少することを指す。
用語「癌」及び「癌性」は、典型的には哺乳類における、無秩序な細胞増殖を特徴とする生理的条件を指し、又は表わす。癌の例としては、限定するものではないが、B細胞リンパ増殖異常症(BCLD)(例えば、リンパ腫、及び白血病など)、及び固形腫瘍が挙げられる。
癌に関する文脈において、「難治性」は、特定の癌が、特定の療法剤による治療に耐性であるか、又は非応答性であることを意図する。癌は、特定の療法剤による治療開始時にその特定の療法剤による治療に難治性であるか(すなわち、療法剤に対する初回暴露に対し非応答性である)、あるいは療法剤による最初の治療過程の間に又は療法剤による継続治療中に療法剤に対して耐性を示し、結果として特定の療法剤による治療に難治性であるかのいずれかである。
本明細書で使用するとき、IC50は、最大応答を測定するアッセイにおいて、最大応答の50%阻害(例えば、TECキナーゼの阻害など)が達成される、特定の試験化合物の量、濃度、又は投与量を指す。
本明細書で使用するとき、EC50は、特定の試験化合物により誘導、誘発、又は増強される特定の応答の最大応答の50%にて、用量依存性の応答が誘起される特定の試験化合物の量、濃度、又は投与量を指す。
本明細書で使用するとき、用語「治療(treat、treating又はtreatment)」、及びその他の文法上の相当表現には、疾患又は状態の1種又はそれ以上の症状の緩和、1種又はそれ以上の追加の症状、疾患又は状態の出現、重症度、又は頻度の軽減、又は緩和、寛解、予防、又は縮小、疾患又は状態の1種又はそれ以上の症状に潜在する代謝由来の原因の寛解又は予防、疾患又は状態の阻害(例えば、疾患又は状態の進行を停止するなど)、疾患又は状態の軽減、疾患又は状態の退縮、疾患又は状態により引き起こされる状態の緩和、あるいは疾患又は状態の症状の、予防的及び/又は治療的な阻害が包含される。
本明細書で使用するとき、予防又は発症予防は、疾患又は状態の発症のリスクを減少させることを指す。
本明細書で使用するとき、用語「有効量」、「治療有効量」、又は「医薬的有効量」は、障害の治療に十分であるBTK阻害剤化合物の量を指す。いくつかの実施形態では、結果は、障害、徴候、症状、又は発症の低減及び/又は緩和であり、又は生物学的システムの任意のその他の所望される変更である。例えば、治療的使用の「有効量」は、障害を臨床的に有効な程度に減少させるのに必要とされる、本開示のBTK阻害剤化合物を含む組成物量を意味する。任意の個々の場合において適切な「有効」量は、任意の適切な手法(例えば、用量増加試験)を使用して決定される。
本明細書で使用するとき、用語「医薬的に許容され得る」は、本明細書に記載の生物活性物質又はBTK阻害剤化合物の特性を抑制せず、かつ相対的に非毒性である物質(例えば、担体又は希釈剤)を指す(すなわち、物質は、望ましくない生物効果を引き起こさずに、又は組成物に含有される任意の成分と有害な様式で相互作用せずに、各個体に投与される)。
本明細書で使用するとき、「微小残存病変(MRD)」は、治療中又は治療後、患者が寛解期(すなわち、疾患の症状又は徴候が存在しない)にあるときに、当該患者において少数の癌細胞数が残存することを指す。
本明細書で使用するとき、「生存」は、患者が生存していることを指し、無病生存期間(DFS)及び全生存期間(OS)を包含する。生存は、カプラン・マイヤー法により評価され、生存におけるある程度の差異は、層別ログランク検定を用い算出される。
本明細書で使用するとき、「無病生存期間(DFS)」は、患者が、治療開始から又は初期診断から約1年、約2年間、約3年間、約4年間、約5年間、約10年間、又はそれ以上の所定の期間にわたって、癌を再発させずに生存していることを指す。一実施形態では、DFSは、intent−to−treatの原則に従い分析され、すなわち、患者は指定された療法に基づき評価される。DFSの分析に使用されるイベントとしては、それまでのイベント(例えば、癌再発又は二次原発癌)とは関係なく患者において生じ得る、癌の局所(local)、局所(regional)、及び遠隔再発、二次癌の発生、及び死亡が挙げられる。
本明細書で使用するとき、「全生存」は、患者が、治療開始から又は初期診断から約1年、約2年間、約3年間、約4年間、約5年間、約10年間、又はそれ以上の所定の期間にわたって、生存していることを指す。
本明細書で使用するとき、「生存期間の延長」、又は「生存可能性の増加」は、DFS及び/又はOSの増加、あるいは未治療患者と比較(すなわち、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤により治療されていない患者と比較)して、あるいは、特定の癌の標準療法において使用されるものなどの化学療法剤又は生物由来物質のみによる治療などの対照療法プロトコールと比較して、治療を受けた患者が所定の時点まで生存及び/又は無疾患のままである可能性の増加を指す。生存は、治療の開始又は初期診断後、少なくとも約2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、又は少なくとも約1年、又は少なくとも約2年間、又は少なくとも約3年間、又は少なくとも約4年間、又は少なくとも約5年間、又は少なくとも約10年間などにわたって追跡されることを意図する。
本明細書で使用するとき、用語「同時」は、実施期間が、少なくとも部分的に重複している、2種以上の療法剤の実施を指す。適宜に、同時実施には、1種又はそれ以上のその他の剤では満足の行く結果が得られなかった場合に、その後に連続して1種又はそれ以上の剤が投与される投与レジメンが包含される。
本明細書で使用するとき、「単独療法」は、治療過程において、癌又は腫瘍の治療用に単一の療法剤のみを含む治療レジメンを指す。共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を使用する単独療法は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤が、治療過程において追加の抗癌療法の非存在下で投与されることを意味する。
本明細書で使用するとき、「アジュバント療法剤」は、最初の治療の効果を増強又は修正する目的で、一次療法と組み合わせて、又は一次療法後に投与される療法剤を指す。いくつかの実施形態では、癌治療のアジュバントは、局所性又は転移性のいずれかの癌の疾患再発のリスクを低減させるため、抗癌療法後に投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン療法(抗癌ワクチン又は抗ウイルス剤ワクチン療法など)のためのアジュバントは、ワクチンの有効性を増強させるため、ワクチンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス療法のためのアジュバントは、抗ウイルス剤の有効性の増強において、又は増強させるため、1種又はそれ以上の抗ウイルス剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、各個体に投与されるアジュバント療法は、各個体においてTh1又は細胞毒性免疫応答を増強させる。
本明細書で使用するとき、「標準ケア」療法は、特定の疾患又は障害の治療に日常的に使用される治療法を指す。本明細書で使用するとき、「標準ケア」化学療法は、特定の癌の治療に日常的に使用される化学療法剤を指す。本明細書で使用するとき、「標準ケア」抗ウイルス療法は、特定のウイルス感染症の治療に日常的に使用される抗ウイルス剤を指す。本明細書で使用するとき、「標準ケア」抗菌療法は、特定の細菌感染症の治療に日常的に使用される抗菌剤を指す。
本明細書で使用するとき、「根治手術」は、医学界隈の用語として使用され、典型的には、治癒を得られる可能性のある手術を指す。例えば、根治手術としては、外科的手法、あるいはさもなければ腫瘍の摘出又は切除による手法が挙げられ、これらの手法には、肉眼で観察され得る全ての腫瘍の摘出又は切除を得られるものを包含する。例えば、根治手術としては、完全又は根治切除、あるいは肉眼的治癒切除が挙げられる。根治手術としては、1つ又はそれ以上の段階で生じる手法が挙げられ、例えば、腫瘍の切除前に1種又はそれ以上の外科的又はその他の手法が実施される多段階の外科的手法が包含される。根治手術としては、臓器、臓器及び組織の一部、並びに臓器周辺(リンパ節など)、臓器の一部、又は組織に関係する腫瘍を摘出又は切除するための手法が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「癌」及び「癌性」は、典型的には、無秩序な細胞増殖を特徴とする、哺乳類における生理的状態を指し、又はこれを記載する。この定義には、良性及び悪性癌、並びに休眠腫瘍、又は微小転移が包含される。用語「癌」は、固形腫瘍及び血液癌を包含する。癌の例としては、限定するものではないが、細胞腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が挙げられる。このような癌のより具体的な例としては、扁平上皮癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺のアデノ細胞腫、及び肺の扁平上皮癌など)、腹膜癌、肝細胞癌、胃癌(胃腸癌を含む)、膵癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝細胞種、乳癌、大腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝癌、前立腺癌、外陰部癌、卵巣癌、甲状腺癌、近位又は遠位胆管細胞腫、肝癌及び各種頭頸部癌、T細胞リンパ腫、並びにB細胞リンパ腫、例えば、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、少リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大腫瘤病変NHL、マントル細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、及びヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、有毛細胞白血病、慢性骨髄芽球性白血病、及び移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、並びに母斑症に関連する異常性血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、及びメイグス症候群が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「2型ヘルパーT細胞(Th2)介在性疾患」は、Th2サイトカインの過剰産生を特徴とする疾患を意味し、過剰産生、又はT細胞がTh2サブタイプへと偏って分化することにより生じるものが包含される。例えば、このような疾患としては、癌(例えば、造血器腫瘍、及び固形腫瘍)、感染性疾患による感染の増悪(例えば、森林型熱帯リーシュマニア(リーシュマニア(Leishmania)major)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、らい菌(Mycobacterium leprae)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondi)、C型肝炎ウイルス(HCV)、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV))、及びアレルギー性疾患(例えば、アナフィラキシー型過敏症、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、春季カタル、湿疹、蕁麻疹及び食品アレルギーなど)、自己免疫疾患、炎症性疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、全身性進行性強皮症、リウマチ様関節炎、間質性膀胱炎、橋本病、バセドウ病、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、グッドパスチャー症候群、萎縮性胃炎、悪性貧血、アジソン病、天疱瘡、類天疱瘡、水晶体ぶどう膜炎(lenticular uveitis)、交感性眼炎、原発性胆汁性肝硬変、活動性慢性肝炎、シェーグレン症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、結節性多発動脈炎、リウマチ熱、糸球体腎炎(ループス腎炎、及びIgA腎症など)、アレルギー性脳炎、アトピー性及びアレルギー性疾患(例えば、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、蕁麻疹、及び食品アレルギーなど)、オーメン症候群、春季カタル、及び好酸球増加症候群が挙げられる。
本明細書で使用するとき、「転移」は、原発部位から、体内の他の場所への癌の拡散を指す。特定の実施形態では、癌細胞は、原発腫瘍から脱離し、リンパ管及び血管を透過し、血流中を循環し、身体中の他の箇所にある正常な組織において、遠隔病巣として増殖する(転移)。特定の実施形態では、転移は局所性又は遠位性のいずれかである。転移は、腫瘍細胞が原発腫瘍から脱離し、血流中を移動し、及び遠隔部位で停止することに付随する一連のプロセスであるものと考えられる。新しい部位で、細胞は血液供給を確立して、致死性的な集塊へと成長する。この挙動を制御する腫瘍細胞内の刺激分子及び阻害分子経路、並びに遠隔部位における腫瘍細胞とホストT細胞との相互作用も有意である。
本明細書で使用するとき、「癌再発」、「癌再燃」、「再発性又は難治性疾患」は、互換的に使用され、治療後に癌が再発することを指し、原発臓器における癌の再発及び遠隔部位での再発(原発臓器以外での癌の再発)を包含する。
本明細書で使用するとき、「癌の再発又は再燃に関し高リスクである」対象は、癌が再発する可能性の大きい対象である。対象のリスクレベルは、熟練した医師により決定され得る。
「癌の再発又は再燃のリスクの低下」は、未治療の患者と比較(すなわち、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤により治療されていない患者と比較)して、あるいは対照治療プロトコール(例えば、特定の癌の標準療法において使用されるものなどの化学療法剤のみを用いる治療)と比較して、癌が再発する可能性が減少することを意味する。癌の再発は、治療の開始後、又は初期診断後少なくとも約2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、又は少なくとも約1年、又は少なくとも約2年間、又は少なくとも約3年間、又は少なくとも約4年間、又は少なくとも約5年間、又は少なくとも約10年間などにわたってモニターされる。
本明細書で使用するとき、「抗癌療法」は、癌の治療に有用である治療を指す。抗癌療法の例としては、限定するものではないが、例えば、手術、化学療法剤、生物由来物質、増殖阻害剤、細胞傷害性薬物、ナノ粒子製剤、放射線療法に使用される製剤、光線力学療法に使用される製剤、温熱療法に使用される製剤(例えば、ラジオ波焼灼療法)、抗血管新生剤、アポトーシス剤、抗チューブリン剤、siRNA剤、酵素/プロドラッグ剤、核酸製剤、オリオペプチド製剤(oliopeptide agent)、及び癌を治療するためのその他の製剤(例えば、抗HER−2抗体、抗CD20抗体、上皮増殖因子受容体(EGFR)拮抗薬(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)、HER1/EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ(Tarceva.RTM.)、血小板由来増殖因子阻害剤(例えば、Gleevec(登録商標)(イマチニブMesylate))、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン、次の標的、ErbB2、ErbB3、ErbB4、PDGFR−β、BlyS、APRIL、BCMA又はVEGF受容体、TRAIL/Apo2、並びにその他の生理活性及び有機化合物製剤のうちの1種又はそれ以上に結合する拮抗薬(例えば、中和抗体)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「細胞傷害性薬物」は、細胞機能を阻害又は予防する及び/又は細胞を破壊する物質を指す。この用語は、放射性同位元素、化学療法剤、及び毒素(例えば、小分子毒素、又は細菌、真菌、植物、又は動物由来の酵素活性毒素(それらの断片及び/又は変異体を包含する))を包含することを意図する。
本明細書で使用するとき、「化学療法剤」は、癌の治療に有用である化合物である。化学療法剤の例としては、癌の治療に有用である化合物が挙げられる。化学療法剤の例としては、アルキル化剤(例えば、リツキシマブ、カーフィルゾミブ、フルダラビン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニザロン(prednisalone).クロラムブシル、イホスファミド、ドキソルビシン、メサラジン、サリドマイド、レブラミド、レナリドミド、テムシロリムス、エベロリムス、フォスタマニチブ(fostamatinib)、パクリタキセル、ドセタキセル、オファツムマブ、デキサメタゾン、プレドニゾン、CAL−101、イブリツモマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、ペントスタチン、エンドスタチン、リトナビル、ケトコナゾール、チオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミドなど)、スルホン酸アルキル(ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなど)、アジリジン(例えば、ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa))エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamines)(例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)など)、アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン)、カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む)、ブリオスタチン、カリスタチン、CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼルシン及びビゼレシン合成類似体など)、クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8)、ドラスタチン、ズオカルマイシン(合成類似体、KW−2189及びCB1−TM1など)、エリュテロビン、パンクラチスタチン、サルコジクチン(sarcodictyin)、スポンギスタチン、ナイトロジェンマスタード(例えば、ベンダムスチン、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロホスファミド、ウラシルマスタード)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチンなど)、抗生物質(エンジイン抗生物質(例えば、カリチアマイシン、特に、カリチアマイシンγ1I及びカリチアマイシンω1(例えば、gnew,Chem Intl.Ed.Engl.,33:183〜186(1994を参照されたい)など)、ダイネミシン(ダイネミシンAなど)、ビスホスホネート(クロドロネートなど)、エスペラミシン、並びにネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連する色素タンパク質エンジイン抗菌性発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウトラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンなど)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシニ(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなど)、代謝拮抗剤(例えば、メソトレキセート及び5−フルオロウラシル(5−FU)など)、葉酸類似体(デノプテリン、メソトレキセート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサート)、プリン類似体(フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニンなど)、ピリミジン類似体(アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなど)、男性ホルモン剤(カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン(Dromostanolone propionate)、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど)、抗副腎性製剤(アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなど)、葉酸補給剤(例えば、フォリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドフォスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトレキサート、デフォファミン(defofamine)、デメコルチン、ジアジクオン、エルフォルニチン(elfornithine)、酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate)、エポチロン、エトグルシド、ガリウム硝酸塩、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダミン(lonidainine)、メイタンシノイド(例えば、メイタンシン及びアンサミトシン)、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール(mopidanmol)、ニトラミン(nitraerine)、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2−エチルヒドラジン、プロカルバジン、PSK.RTM.多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.)、ゲフィチニブ、エルロチニブ、プロカルバジン、プレドニゾン、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム(spirogermanium)、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン、トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラキュリン(verracurin)A、ロリジンA及びアングイジン)、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン(gacytosine)、アラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(登録商標)クレモフォアフリー、アルブミンを調整したパクリタキセルのナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Ill.)、及びTAXOTERE(登録商標)ドセタキセル(doxetaxel)(Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France)、クロラムブシル(chloranbucil)、GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン、6−チオグアニン、メルカプトプリン、メソトレキセート、白金類似体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチンなど)、ビンブラスチン、白金、エトポシド(VP−16)、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ナベルビン(登録商標)ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキサート、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(カンプト,CPT−11)(5−FU及びロイコボリンを有するイリノテカンの治療レジメンを含む)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイド(例えばレチノイン酸)、カペシタビン、コンブレタスタチン、ロイコボリン(LV)、オキサリプラチン(オキサリプラチン治療レジメン(FOLFOX)を含む)、CD22阻害剤、Bcl−2阻害剤、IRAK 1/4阻害剤、微小管阻害剤、Topo II阻害剤、抗TWEAK、抗IL17二重特異性抗体、CK2阻害剤、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)及びc−Met阻害剤、脱メチル化酵素阻害剤(脱メチル化酵素、HDM、LSDI及びKDMなど)、脂肪酸合成酵素阻害剤(スピロピペリジン誘導体など)、糖質コルチコイド受容体活性化剤、融合抗CD 19細胞傷害性薬物コンジュゲート、代謝拮抗剤、p70S6K阻害剤、免疫モジュレーター、AKT/PKB阻害剤、プロカスパーゼ3アクチベーターPAC−1、BRAF阻害剤、乳酸脱水素酵素A(LDH−A)阻害剤、CCR2阻害剤、CXCR4阻害剤、ケモカイン受容体拮抗剤、DNA二本鎖切断修復阻害剤、NOR202、GA−101、TLR2阻害剤、PKC−α阻害剤、Raf阻害剤、H−Ras阻害剤、HDAC阻害剤、Cyp3A4阻害剤、IRAK阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、AKT阻害剤、Erk阻害剤、JAK阻害剤(例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、CYT387、レスタウリチニブ(lestauritinib)、パクリチニブ、TG101348、SAR302503、トファシチニブ(ゼルヤンツ)、エタネルセプト(エンブレル)、BLPG0634、R256)、EGFR(例えば、エルロチニブ(Tarceva(登録商標)))及び細胞増殖を減少させるVEGF−A、及び前述のいずれかの医薬的に許容され得る塩、酸、又は誘導体、GA−1101、プロテアソーム阻害剤(例えば、ジスルフィラム、没食子酸エピガロカテキン、サリノスポラミドA、ONX0912、CEP−18770、又はMLN9708)、R−406、レナリノミド(lenalinomide)、スピロピペリジン誘導体、キナゾリンカルボキサミドアゼチジン化合物、ACK阻害剤(例えば、AVL−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation))、AVL−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(also、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、又はHM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)が挙げられる。
同様に、この定義には、腫瘍に対するホルモンの作用を調節又は阻害するよう作用する抗ホルモン剤(例えば、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体超節薬(SERM)、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンなど)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン(onapristone)、及びFARESTON(登録商標)トレミフェンが挙げられる)、副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤(例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)酢酸メゲストロール、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、ホルメスタン(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及びARIMIDEX(登録商標)アナストロゾールなど)、及び抗男性ホルモン剤(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリンなど)、並びにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、T細胞の異常増殖に関与するシグナル伝達経路中の遺伝子(例えば、PKC−α、Ralf及びH−Ras)発現を阻害するもの)、リボザイム(例えば、VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標)リボザイム)及びHER2発現阻害剤、ワクチン(例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチンなどの遺伝子治療ワクチン)、PROLEUKIN(登録商標)rIL−2、LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤、ABARELIX(登録商標)rmRH、及び前述のいずれかの医薬的に許容され得る塩、酸、又は誘導体が包含される。
本明細書で使用するとき、用語「生物由来物質」は、タンパク質、炭水化物、脂質、又は核酸に由来する何らかの生物分子を指す総称であり、疾患の治療に有用である。生物由来物質の非限定的なリストは、TNF遮断薬(例えば、エタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムバブ、セルトリズマブペゴル、及びゴリムマブ)、インターロイキン1(IL−1)遮断薬(例えば、アナキンラなど)、モノクローナル抗体(例えば、トラスツズマブ(ハーセプチン)、ベバシズマブ(アバスチン)、セツキシマブ(アービタックス)、パニツムマブ(ベクティビックス)、イピリムマブ(エルボイ)、リツキシマブ(リツキサン及びマブセラ)、アレムツズマブ(キャンパス)、オファツムマブ(アーゼラ)、ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ)、ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)、90Y−イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン)及び131I−トシツモマブ(ベキサール))、T細胞同時刺激阻害剤(例えば、アバタセプトなど)、インターロイキン6(IL−6)遮断薬(例えば、トシリズマブ)、並びに酸化リン脂質及び/又は酸化リポタンパク質に対する抗体、及び/又はそれらの断片若しくは誘導体を包含する。
本明細書で使用するとき、用語「バイオマーカー」及び「マーカー」は互換的に使用され、血液、その他の体液、又は組織のいずれかにおいてみられる何らかの生物分子を指す総称である。バイオマーカー及びマーカーの非限定的なリストは、ZAP70、t(14,18)、13−2ミクログロブリン、p53の突然変異状態、ATMの突然変異状態、del(17)p、del(11)q、del(6)q、CD3、CD4、CD5、CD11c、CD19、CD20、CD22、CD25、CD26、CD28、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD62、CD81、CD94、CD103、CD119、CD152、CD138、CD183、CD184、CD191(CCR1)、CD195、CD197(CCR7)、CD212、CD278、CCR3、CCR4、CCR8、TBX21、NKG7、XCL1(リンホタクチン)、TXK、GZMB(グランザイムB)、S100P、LIR9、KIR3DL2、VAV3、DLG5、MMP−9、MS4A4A、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、Tim−1、Tim−3、TRANCE、GATA−3、c−maf、CRTH2、ST2L/T1、分泌型、表面型、又は細胞質型免疫グロブリンの発現、VHの突然変異状態、ケモカイン[例えば、GCP−2(顆粒球走化性タンパク質2)、Gro−a(増殖関連癌遺伝子a)、Gro−β(増殖関連癌遺伝子β)、Gro−γ(増殖関連癌遺伝子γ)、NAP−2(好中球活性化タンパク質)、ENA−78(上皮細胞由来好中球活性化タンパク質)、IP−10(インターフェロン誘導性タンパク質−10)、Mig(インターフェロンγにより誘導されるモノカイン)、l−TAC(インターフェロン誘導性T細胞α走化性物質)、SDF−1(ストロマ細胞由来因子−1)、PBSF(プレB細胞増殖刺激因子)、BCA−1(B−リンパ球走化性物質1)、MIP−1(マクロファージ炎症性タンパク質1)、RANTES(regulated upon activation、normal T−cell expressed and secreted)、MIP−5(マクロファージ炎症性タンパク質5)、MCP−1(単球走化性タンパク質1)、MCP−2(単球走化性タンパク質2)、MCP−3(単球走化性タンパク質3)、MCP−4(単球走化性タンパク質4)、エオタキシン、TARC(胸腺−及び活性化調節ケモカイン)、MIP−1 a(マクロファージ炎症性タンパク質1a)、MIP−1 β(マクロファージ炎症性タンパク質1 β)、Exodus−1、ELC(Ebl1リガンドケモカイン)]など、サイトカイン[例えば、リンホカイン、モノカイン、従来のポリペプチドホルモン、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモンなど)、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、レラキシン、プロレラキシン、糖タンパク質ホルモン(例えば、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)及び黄体ホルモン(LH))]、上皮増殖因子、肝臓増殖因子、線維芽細胞増殖因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、腫瘍壊死因子−α及び−β、ミュラー管抑制因子、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮増殖因子、インテグリン、トロンボポエチン(TPO)、NGF−αなどの神経成長因子、血小板産生因子、トランスフォーミング増殖因子(TGF)[例えば、TGF−α及びTGF−β]、インスリン様増殖因子−I及び−II、エリスロポエチン(EPO)、骨誘導因子、インターフェロン[例えば、インターフェロン−α、−β、及び−γ]、コロニー刺激因子(CSFs)[例えば、マクロファージ−CSF(M−CSF)、顆粒球マクロファージ−CSF(GM−CSF)、及び顆粒球−CSF(G−CSF)]、インターロイキン(IL)(例えば、IL−1、IL−lα、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−32、IL−33、IL−35、及びIL−36)、腫瘍壊死因子(例えば、TNF−α、及びTNF−β)、並びにLIF及びkitリガンド(KL)などのその他のポリペプチド性因子を包含する。本明細書で使用するとき、用語「バイオマーカー」及び「マーカー」は、天然資源又は組換え細胞培養物由来のタンパク質、並びに天然のバイオマーカー/マーカー配列に相当する生物活性物質を包含する。
本明細書で使用するとき、用語「放射線療法」としては、限定するものではないが、ビームなどの外的に適用される供給源、又は小型放射活性資源の埋め込みのいずれかに由来するx線又はγ線が挙げられる。放射性核種は、放射性核種、量、及び用途に応じ、診断及び/又は治療のために使用できる。放射性核種としては、限定するものではないが、例えば、32リン、60コバルト、90イットリウム、”テクネチウム、103パラジウム、106ルテニウム、11’インジウム、II7ルテニウム、I25ヨード、I3Iヨード、137セシウム、153サマリウム、186レニウム、I88レニウム、192イリジウム、198金、21’アスタチン、212ビスマス、又は213ビスマスを含有する化合物又は分子が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「光感作薬」としては、限定するものではないが、インドシアニングリーン、トルイジンブルー、アミノレブリン酸、テキサフィリン、ベンゾポルフィリン、フェノチアジン、フタロシアニン、ポルフィリン(例えば、ポルフィマーナトリウム)、クロリン(例えば、テトラ(m−ヒドロキシフェニル)クロリン又はスズ(IV)クロリン6など)、プルプリン(エチルエチオプルプリンすずなど)、プルプリンイミド、バクテリオクロリン、フェオホルビド、ピロフェオホルビド、又はカチオン性染料が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「病原性感染症」は、ウイルス又はバクテリアに起因する感染症の総称である。感染性ウイルスの例としては、レトロウイルス科[例えば、HIV−1などのヒト免疫不全ウイルス(同様に、HTLV−III、LAV若しくはHTLV−III/LAV、又はHIV−III)]、並びにその他の単離株(例えば、HIV−LP)、ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス)、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス)、カリシウイルス(例えば、胃腸炎を生じる株)、トガウイルス科(例えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス)、フラビウイルス(例えば、デングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス)、コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス)、ラブドウイルス科(例えば、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス)、フィロウイルス科(例えば、エボラウイルス)、パラミクソウイルス科(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器多核体ウイルス)、オルトミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルス)、ブニヤウイルス科(例えば、ハンタンウイルス、ブニヤウイルス、フレボウイルス及びナイロウイルス)、アレナウイルス科(出血熱ウイルス)、レオウイルス科(例えば、レオウイルス、オルビウイルス(orbiviurses)及びロタウイルス)、ビルナウイルス科、ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス)、パルボウイルス科(パルボウイルス)、パポバウイルス(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(最も一般的なアデノウイルス(most adenoviruse))、ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1及び2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス)、ポックスウイルス(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス)、及びイリドウイルス科(例えば、アフリカ豚コレラウイルス)、並びに未分類ウイルス[例えば、海綿状脳症の病原因子、D型肝炎(B型肝炎ウイルスの干渉性サテライトであると考えられる)、非A型、非B型肝炎に関する製剤(1型=経口感染、2型=非経口感染(すなわち、C型肝炎);ノーウォークウイルス及び関連ウイルス、及びアストロウイルス)]が挙げられる。
感染性の細菌の例としては、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyloris)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borelia burgdorferi)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリア菌種(Mycobacteria spp.)(例えば、結核菌(M. tuberculosis)、M.アビウム(M. avium)、M.イントラセルラーレ(M. intracellulare)、M.カンサシ(M. kansasii)、M.ゴルドナエ(M. gordonae))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌[ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoeae)]、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、[A群ストレプトコッカス(Streptococcus)],ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)[B群ストレプトコッカス(Streptococcus)]、ストレプトコッカス(Streptococcus)(ビリダンス群)、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、ストレプトコッカス(Streptococcus)(嫌気性菌種)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロバクター菌種(Campylobacter sp.)、エンテロコッカス菌種(Enterococcus sp.)、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)、バチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム菌種(Corynebacterium sp.)、エリジペロスリックス・ルジオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringen)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pasturella multocida)、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ストレプトバシラス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、フランベジアトレポネーマ(Treponema pertenue)、レプトスピラ(Leptospira)、及びアクチノマイセス・イスラエリー(Actinomyces israelli)が挙げられる。
感染性真菌の例としては、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)が挙げられる。その他の感染性生物(すなわち、原生生物)としては、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、及びトキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「抗体」は広範な意味で使用され、完全に会合している抗体、抗原に結合する抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、単鎖抗体、二重特異性抗体、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体、及び同様物)、並びに前述のものを含む組換え型ペプチドを網羅する。
本明細書で使用するとき、用語「モノクローナル抗体」及び「mAb」、実質的に均一な抗体集団から得られた抗体を指し、すなわち、集団を構成する各抗体は、微量に存在する天然に生じ得る突然変異を除き同一である。
「天然の抗体」及び「天然の免疫グロブリン」は、通常、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、2つの同一軽(L)鎖及び2つの同一重(H)鎖から構成される。各軽鎖は、1本の共有ジスルフィド結合により重鎖に連結されるのに対し、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で異なる。同様に、各重鎖及び軽鎖は、鎖間ジスルフィド架橋により規則的に離間している。各重鎖は、複数の定常ドメインに続いて、一端に可変ドメイン(VH)を有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)を、他端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の最初の定常ドメインと整列され、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列される。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの間に境界面を形成するものと考えられる。
本明細書で使用するとき、用語「可変」は、可変ドメインの特定の部分が、各抗体の配列間で顕著に異なっていることを指す。可変領域は、抗原結合特異性を付与する。しかしながら、可変領域は、抗体の可変ドメインに均一に分布しない。可変領域は、いずれも軽鎖及び重鎖可変ドメイン中にある、相補性決定領域(CDR)又は超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中する。可変ドメインのより高度に保存されている部分を、フレームワーク(FR)領域と呼ぶ。天然の重鎖及び軽鎖可変ドメインのそれぞれは、4つのFR領域を含み、このFR領域はループ接続を形成する3つのCDRにより接続され、場合によっては、βプリーツシート構造の一部を形成する大きなβプリーツシート構造をとる。各鎖中のCDRは、FR領域により他の鎖のCDRとごく近接して保持され、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.(1991)NIH PubL.No.91〜3242,Vol.I,pages 647〜669を参照されたい)。定常ドメインは、抗原に対する抗体の結合には直接関与しないものの、Fc受容体(FcR)結合、抗体依存性細胞傷害への抗体の関与、補体依存性細胞傷害の開始、及び肥満細胞の脱顆粒において、様々なエフェクター機能を示す。
本明細書で使用するとき、用語「超可変領域」は、抗体の抗原結合に関与するアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」又は「CDR」由来のアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中残基24〜34(L1)、5056(L2)、及び89〜97(L3)、並びに重鎖可変ドメイン中31〜35(H1)、50〜65(H2)95〜102(H3);Kabat et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institute of Health,Bethesda,Md.)、及び/又は「超可変ループ」由来の残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、及び91〜96(L3)、及び重鎖可変ドメイン中(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(13);Clothia and Lesk,(1987)J.Mol.Biol.,196:901〜917)を含む。「フレームワーク」、又は「FR」残基は、本明細書で超可変領域としてみなされるもの以外の可変ドメイン残基である。
「抗体断片」は、無処置の抗体含む。いくつかの実施形態では、無処置の抗体の一部分は、無処置の抗体の抗原結合領域又は可変領域である。抗体断片の例としては、Fab、ab、F(ab’)2、及びFv 断片、二重特異性抗体、線状抗体(Zapata et al.(1995)Protein Eng.10:1057〜1062);短鎖抗体分子、並びに抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。抗体のパパイン消化により、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片が生成され、「Fab」断片のそれぞれは単一の抗原結合部位を有し、かつ残部の「Fc」断片(容易に結晶化し得ることを反映して命名)を有する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、更には抗原を架橋し得るF(ab’)2断片が生じる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含有する最小抗体断片である。この領域は、非共有結合により緊密に会合している1本の重鎖可変ドメインと1本の軽鎖可変ドメインとの二量体から構成される。この構成において、各可変ドメインのCDRが相互作用し、VH−VL二量体表面上の抗原結合部位を規定する。総じて6つのCDRが、抗体に抗原結合特異性を付与する。更には単一の可変ドメイン(又は抗原特異的なCDRを3つだけ含むFv片鎖)でも抗原を認識及び結合し得るものの、親和性は完全な結合部位に劣る。
同様に、Fab断片は、軽鎖定常ドメイン及び重鎖の第1定常ドメイン(CH1)を含有する。Fab断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つ又はそれ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端にいくつかの残基が付加していることにより、Fab’断片とは異なる。本明細書において、Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基が、結合可能なチオール基を保有している、Fab’を意味する。Fab’断片は、F(ab’)2断片の重鎖ジスルフィド架橋を還元することにより生成される。同様に、抗体断片のその他の化学的カップリング方法が公知である。
任意の脊椎動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、定常ドメインのアミノ酸配列をもとに、κ(x)及びλ(X)と呼ばれる2つの明確に異なるタイプのいずれかに割り当てられる。
重鎖定常ドメインのアミノ酸配列をもとに、免疫グロブリンは異なるクラスに割り当てられる。ヒト免疫グロブリンには5つの主要なクラス、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのうちの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgGl、IgG2、IgG3、IgG4、IgAl、及びIgA2に分割される。異なるクラスの免疫グロブリンに相当する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元構造は公知である。異なるアイソタイプは異なるエフェクター機能を有する。例えば、ヒトIgG1及びIgG3アイソタイプはADCC(抗体依存性細胞性細胞障害)活性を有する。
本明細書で使用するとき、用語「ウイルス負荷」は、体液(例えば、血液又は血漿)中のウイルス粒子又はそれらの毒性断片の量を指す。「ウイルス負荷」は、全てのウイルス粒子、感染性ウイルス、複製ウイルス、及び非感染性ウイルス、並びにそれらの断片を包含する。したがって、ウイルス負荷は、体液中を循環するウイルス粒子及び/又はそれらの断片の総数を表す。したがって、ウイルス負荷は、例えば、単位血液若しくは血漿当たりのウイルス複製数、又は単位血液若しくは血漿当たりのウイルスタンパク質又はそれらの断片のユニット数などの、任意の様々なウイルス存在指標の測定値であり得る。ウイルス負荷は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)試験及びプラーク形成単位試験などの当業者に公知の手法により求めることができる。例えば、ウイルス負荷の値は、治療の開始時、及び治療前、治療中、又は治療後の各ウイルス測定時点でウイルスの核酸量を測定することにより求めることができる。治療過程におけるウイルス負荷の減少は、異なるウイルス測定時点で得られたウイルス負荷の値を比較することにより求めることができる。患者のウイルス負荷が減少する割合は、ウイルス負荷の減少を時間に対してプロットすることで求めることができる。
本明細書で使用するとき、用語「対象」、「各個体」、及び「患者」は、互換的に使用される。いずれの用語についても、医療専門家(例えば、医師、看護師、医師助手、病棟の用務係、ホスピス職員)の監督を必要するものとして解釈されない。本明細書で使用するとき、対象は、哺乳類(例えば、ヒト又は非ヒト動物)並びに非哺乳類を包含する任意の動物であり得る。本明細書において提供される方法及び組成物の一実施形態において、哺乳類はヒトである。
イブルチニブと免疫応答の調節
慢性リンパ性白血病(CLL)では、腫瘍関連性の異常なTh2偏向が白血病細胞の免疫回避を招き、支持的な微小環境(ニッチ)の形成を促進し、自然免疫及び適応免疫の機能を不十分なものにすることが数多く示されている。この結果、CLLにおける死亡率の主因である高頻度感染症が生じる。これと同様の、Th2への偏向は、その他の数多くの種類の癌により誘導される。Th2 CD4 T細胞が、活性化に関しIL−2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)に著しく依存するのに対し、Th1 CD4及びCD8 T細胞は、ITKの非存在下であってもT細胞受容体の活性化を実施する相補的な静止期リンパ球キナーゼ(RLK)を有する。いくつかの実施形態では、臨床的に実施可能なITK阻害剤は、CLL及びその他の種類の癌に関連する免疫抑制を標的とするのに好適であり得る。
下流のB細胞受容体の活性化を不可逆的に阻害するイブルチニブ(ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の承認阻害剤)は、CLLの長期寛解をもたらす臨床活性を有することが、第I/II相臨床試験において実証されている。同様に、イブルチニブとの併用療法が第III相臨床試験に移行している。最近では、試験により、イブルチニブ治療CLL患者において、従来では不明であったTh1サイトカインの切り替えがBリンパ球によるものではなかったことが明らかとなっている。本明細書で使用するとき、このイブルチニブ誘導型Th1T細胞のスキューイング(skewing)は、白血病モデルマウスEμTCL1を用い確認されている。サイトカインパターンにおけるこのような変更は、ITKを遺伝子破壊されたTh2免疫についてのマウス試験と同様であり、この変更によりTh−1系獲得免疫が増強されている。コンピューター上でのドッキング試験と、生体外でのイブルチニブによるキナーゼ阻害プロファイルとを組み合わせると、BTK及びITK間のこの顕著な相同性により、イブルチニブは臨床的に有効な不可逆的ITK阻害剤であることが示唆される。
本明細書に記載される細胞プローブアッセイでは、医薬的に相関する投与量にて、ITKの活性部位がイブルチニブにより共有結合的に阻害されることが確認されている。これは、T細胞シグナル伝達経路の網羅的な分子解析により、Jurkat細胞株で確認された。初代並びに生体外で、Th1及びTh2 CD4偏向T細胞において、分子的及び機能的結果の両方が更に確認されている。更に、ITK−Cys442のイブルチニブと共有結合する残基の突然変異により、分子阻害が緩和されることも判明している。これにより、RLKの発現が制限されたTh1及びCD8T細胞によりT細胞活性化のための相補的なプラットフォームが提供されることが実証され、細胞毒性であるTh1偏向免疫の選択的な発達についての分子的な解釈が提供される。この効果は、CLL患者に直接由来するT細胞を用い更に確認された。
イブルチニブ誘導性のITK阻害が、CLLの背景に臨床的に直接相関を有していたことを実証するため、新規リステリア症/白血病マウスモデルを利用した。このモデルでは、機能性免疫の完全回復が実証され、イブルチニブで治療した全てのマウスは、致死性のリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)に感染後にも生存した。特定の実施形態では、イブルチニブの不可逆的ITK阻害効果は、癌治療のアジュバントとしての使用に、並びにその他の数多くの自己免疫疾患、炎症疾患、及びウイルス性疾患、例えば、C型肝炎ウイルス感染症、A型インフルエンザ感染症、及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症などの治療に適用可能である。
抗癌療法アジュバント
本明細書に記載の特定の実施形態は、癌のためのアジュバント療法であり、癌を有する対象に、有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、TECファミリーキナーゼの1種又はそれ以上のメンバー(例えば、ITK、BTK、TEC、RLK、及びBMX)のキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのシステイン442に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、BTKのシステイン481に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ(PCI−32765)、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101、AVL−263、AVL−291、AVL−292、ONO−WG−37、BMS−488516、BMS−509744、CGI−1746、CTA−056、GDC−0834、HY−11066(同様に、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059、ONO−WG37、PLS−123、RN486、HM71224、又はそれらの組み合わせの中から選択される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。本明細書で提供される任意の方法に使用するための追加の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第7,547,689号、同第7,960,396号、及び米国特許出願第2009−0197853(A1)号、並びに同第2012−0065201(A1)号にみられ、これらの全ては参照によりその全体が援用される。
いくつかの実施形態では、癌のためのアジュバント療法の方法は、癌を有する対象に、有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して、免疫応答を調節することにより癌を治療することを含む。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、癌に対するTh1免疫応答を増加させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、癌に対するTh2免疫応答を減少させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、癌に対するTh1−Th2免疫応答比を変更させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、癌に対するTh1−Th2免疫応答比を増加させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、Th1細胞集団を約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上増加させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、Th2細胞集団を約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、1種又はそれ以上のTh1関連マーカーの発現を上昇させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、1種又はそれ以上のTh1関連マーカーの発現を約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上上昇させる。いくつかの実施形態では、1種又はそれ以上のTh1関連マーカーとしては、CCR1、CD4、CD26、CD94、CD119、CD183、CD195、CD212、GM−CSF、Granzyme B、IFN−α、IFN−γ、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、Lymphotoxin、perforin、t−bet、Tim−3、TNF−α、TRANCE、sCD40L、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、1種又はそれ以上のTh1関連マーカーとしては、IFN−γ、IL−2、IL−12、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、Th2関連マーカーの発現を減少させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、Th2関連マーカーの発現を約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、1種又はそれ以上のTh2関連マーカーとしては、CR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD30、CD81、CD184、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、IL−15、ST2L/T1、Tim−1、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、1種又はそれ以上のTh1関連マーカーとしては、IL−4、IL−10、IL−13、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
特定の実施形態では、Th1及びTh2関連マーカーは、対象由来の固体又は液体サンプルをもとに解析される。いくつかの実施形態では、固体サンプルは、末梢血単核細胞(PBMC)を含む。いくつかの実施形態では、液体サンプルは、血液、尿、又は髄液を含む。
本明細書に記載の特定の実施形態は、癌のためのアジュバント療法であり、癌を有する対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して、再発性又は難治性疾患を予防し、そのリスクを低減させ、又はそれらを遅延させることを含む。いくつかの実施形態では、疾患の再発性又は難治性リスクは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%以上低下する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、対象における無病生存期間(DFS)が延長されるよう投与される。いくつかの実施形態では、DFSは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与開始から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25年間又はそれ以上経過後に評価される。いくつかの実施形態では、DFSは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して約5年間、10年間、15年間、20年間、25年間又はそれ以上向上する。いくつかの実施形態では、対象は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の最後の投与から約6ヶ月、1年、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間、15年間、20年間、25年間、又はそれ以上にわたって無病である。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、対象における全生存期間(OS)が延長されるよう投与される。いくつかの実施形態では、OSは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与開始から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25年間又はそれ以上経過後に評価される。いくつかの実施形態では、OSは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して約5年間、10年間、15年間、20年間、25年間又はそれ以上向上する。いくつかの実施形態では、対象は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の最後の投与から約6ヶ月、1年、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間、15年間、20年間、25年間、又はそれ以上にわたって無病である。
いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、第1の抗癌療法による癌の治療後、無病生存期間であるとみなされた又は微小残存病変(MRD)を有する対象に、有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して、再発性又は難治性疾患を予防し、そのリスクを低減させ、又はそれらを遅延させることを含み、第1の抗癌療法は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤ではない。いくつかの実施形態では、疾患の再発性又は難治性リスクは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療を行わない場合と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%以上低下する。いくつかの実施形態では、抗癌療法は、化学療法剤、生物由来物質、放射線療法、骨髄移植又は手術の中から選択される。いくつかの実施形態では、対象は、第1の抗癌療法による癌の治療後、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与の前に、検出され得る腫瘍を有さない。いくつかの実施形態では、対象は、第1の抗癌療法による癌の治療後、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与の前に、原発性又は転移性腫瘍を有さない。いくつかの実施形態では、対象は、第1の抗癌療法による癌の治療後、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与の前に、液体サンプル中に循環性腫瘍細胞を有さない。いくつかの実施形態では、液体サンプルは、血液、骨髄液又は尿試料である。
いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、腫瘍を有する対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して腫瘍の増悪を予防する、又は遅延させることを含み、対象は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与前に第1の抗癌療法を受け、第1の抗癌療法は共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を含まない。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、腫瘍を有する対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して腫瘍の更なる退縮を促進することを含み、対象は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与前に第1の抗癌療法を受け、第1の抗癌療法は共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を含まない。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、腫瘍を有する対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して腫瘍を排除することを含み、対象は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与前に第1の抗癌療法を実施され、第1の抗癌療法は共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を含まない。いくつかの実施形態では、第1の抗癌療法は、化学療法剤、生物由来物質、放射線療法、骨髄移植又は手術の中から選択される。いくつかの実施形態では、対象は、抗癌療法による治療後、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与を開始する前に、検出され得る循環腫瘍細胞を有さない。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与を開始する前の対象は、抗癌療法による治療前と比較して、抗癌療法による治療後に検出され得る循環性腫瘍細胞の量が減少している。いくつかの実施形態では、対象は、第1の抗癌療法による癌の治療後、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与の前に、検出され得る腫瘍を有さない。いくつかの実施形態では、対象は、第1の抗癌療法による癌の治療後、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与の前に、原発性又は転移性腫瘍を有さない。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、腫瘍を摘出する手術後に投与される。いくつかの実施形態では、腫瘍を摘出するための手術は根治手術である。いくつかの実施形態では、対象は手術後に検出され得る腫瘍を有さない。いくつかの実施形態では、腫瘍を排除するための手術は腫瘍を部分的に摘出するものである。いくつかの実施形態では、対象は、それまでに癌治療のための化学療法剤を投与されていない。いくつかの実施形態では、対象は、それまでに癌治療のための化学療法剤又は生物由来物質を投与されている。いくつかの実施形態では、腫瘍は、肉腫、細胞腫、リンパ腫、又は黒色腫である。いくつかの実施形態では、リンパ腫は、リンパ節腫脹又は節外性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、対象は、手術後、及び共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与前に、検出され得る腫瘍を有さない。いくつかの実施形態では、対象は、手術後、及び共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与前に、原発性又は転移性腫瘍を有さない。いくつかの実施形態では、対象は手術後に検出され得る循環性腫瘍細胞を有さない。いくつかの実施形態では、対象は、手術後の液体サンプル中に、検出され得る循環性腫瘍細胞を有する。いくつかの実施形態では、液体サンプルは、血液、骨髄液又は尿試料である。
いくつかの実施形態では、個体に対する共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の非存在下と比較して、原発性腫瘍の転移リスクが減少する。いくつかの実施形態では、個体に対する共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の非存在下と比較して、二次性腫瘍のリスクが減少する。
いくつかの実施形態では、対象は、膀胱癌、脳癌、乳癌、膀胱癌、骨癌、子宮頸癌、大腸癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、膵癌、近位又は遠位胆管癌、前立腺癌、皮膚癌、胃癌、甲状腺癌、又は子宮癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、転移性癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、急性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺癌、腺腫、副腎癌、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨肉腫/悪性線維性組織球腫、脳幹グリオーマ、脳癌、細胞腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路又は視床下部神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、細胞腫、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜癌、上衣腫.類表皮癌、食道癌、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝臓外胆管癌、眼癌/眼内黒色腫、眼癌/網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胆石性腫瘍(gallstone tumor)、胃癌、消化管カルチノイド、消化管間質腫瘍、巨細胞腫、多形膠芽細胞腫、神経膠腫、毛様細胞性腫瘍、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞癌/肝癌、ホジキンリンパ腫、過形成、過形成性角膜神経腫、上皮内癌、下咽頭癌、腸神経節神経腫、膵島腫瘍,、カポジ肉腫、腎癌/腎細胞癌、喉頭癌、平滑筋腫、口唇及び口腔癌、脂肪肉腫,肝癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、リンパ腫、マクログロブリン血症、悪性カルチノイド症候群、骨の悪性線維性組織球腫、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症、悪性黒色腫、マルファン症候群様体質腫瘍(marfanoid habitus tumor)、髄様癌、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性皮膚癌、転移性扁平上皮頸部癌、口腔がん、粘膜神経腫、多発性骨髄腫、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄腫、骨髄増殖性疾患、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経組織癌、神経芽細胞腫、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮性腫瘍、卵巣胚細胞性腫瘍、膵癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体星状細胞腫、松果体胚腫、松果体芽腫、下垂体腺腫、胸膜肺芽細胞腫、真性多血症、原発性脳腫瘍、前立腺癌、直腸癌、腎細胞腫瘍、細網肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、セミノーマ、セザリー症候群、皮膚癌、小腸癌、軟部肉腫、扁平上皮細胞癌、扁平上皮頸部癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、甲状腺癌、局所皮膚病変、絨毛性腫瘍、尿道癌、子宮/子宮内膜癌、子宮肉腫、腟癌、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症又はウィルムス腫瘍である癌を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、固形腫瘍を有する。いくつかの実施形態では、対象は、肉腫、細胞腫、神経線維腫、又はリンパ腫を有する。いくつかの実施形態では、対象は、大腸癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、肺癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、卵巣癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、膵癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、前立腺癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、近位又は遠位胆管細胞腫を有する。いくつかの実施形態では、対象は、乳癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、HER2陽性乳癌を有する。いくつかの実施形態では、対象は、HER2陰性乳癌を有する。
いくつかの実施形態では、癌は血液癌である。いくつかの実施形態では、癌は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫である。いくつかの実施形態では、癌は非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌はホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌はB細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)、濾胞中心由来びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)、縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBL)、バーキットリンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞性リンパ腫、縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、又はリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、癌はT細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、T細胞悪性腫瘍は、非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL−NOS)、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、芽球性NK細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、脾臓(hematosplenic)γ−δT細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、鼻NK/T細胞リンパ腫、又は治療関連T細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、対象は、多発性骨髄腫を有する。いくつかの実施形態では、癌の退縮が停止する。
いくつかの実施形態では、対象は、再発性又は難治性癌を有する。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、膀胱癌である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、大腸癌である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、肺癌である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、卵巣癌である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、膵癌である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、前立腺癌である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、近位又は遠位胆管細胞腫である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌は、乳癌である。
いくつかの実施形態では、対象は、再発性又は難治性血液癌を有する。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性血液癌は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性血液癌は、非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性血液癌は、ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性血液癌は、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)、濾胞中心由来びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)、縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBL)、バーキットリンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞性リンパ腫、縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、又はリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性血液癌は、T細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、T細胞悪性腫瘍は、非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL−NOS)、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、芽球性NK細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、脾臓(hematosplenic)γ−δT細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、鼻NK/T細胞リンパ腫、又は治療関連T細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、対象は、再発性又は難治性多発性骨髄腫を有する。いくつかの実施形態では、再発性又は難治性癌の退縮が停止する。
いくつかの実施形態では、対象は、血液癌の1種以上の症状を示す。いくつかの実施形態では、対象は、B細胞悪性腫瘍の1種以上の症状を示す。いくつかの実施形態では、対象は、T細胞悪性腫瘍の1種以上の症状を示す。いくつかの実施形態では、対象は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫の1種以上の症状を示す。いくつかの実施形態では、対象は、限定するものではないが、異常なB細胞機能、異常なB細胞の大きさ又は形状、異常なB細胞数、疲労、発熱、寝汗、頻繁な感染症、リンパ節腫脹、蒼白、貧血症、易出血性又は打撲傷、食欲減退、体重減少、骨痛又は関節痛、頭痛、及び溢血点などの症状を1種又はそれ以上示す。
いくつかの実施形態では、対象は、癌の再発について高リスクを有する。いくつかの実施形態では、対象は、限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、イヌ、ネコ、又はウシなどの哺乳類である。いくつかの実施形態では、哺乳類はヒトである。いくつかの実施形態では、癌再発の高リスク性は、バイオマーカーの発現又は有無をもとに判定される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーとしては、PMSB1 P11A G/Cヘテロ接合体、CD68、サイトカインシグナル抑制因子1(SOCS1)、LIM domain only 2(LMO2)、CD137、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、高リスク癌としては、膀胱癌、大腸癌、肺癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、近位又は遠位胆管癌、及び乳癌が挙げられる。いくつかの実施形態では、膀胱癌、大腸癌、肺癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、及び近位又は遠位胆管癌再発の高リスク性は、バイオマーカーの発現又は有無をもとに判定される。いくつかの実施形態では、膀胱癌のバイオマーカーとしては、BTA Stat、BTA Track、NMP 22、Bladder Chek、immunocyt、UroVysion、サイトケラチン8、18、及び19、テロメアーゼTRAP、hTert、及びhTR、BLCA−4、サバイビン、ヒアルロン酸/ヒアルロニダーゼ、DD23モノクローナル抗体、フィブロネクチン、及びHCGが挙げられる。いくつかの実施形態では、大腸癌のバイオマーカーとしては、CEA、CA 19−9、CYFRA 21−1、フェリチン、オステオポンチン、p53、セプラーゼ、及びEGFRが挙げられる。いくつかの実施形態では、肺癌のためのバイオマーカーとしては、ERCC−1、NSE、ProGRP、SCC、β−チューブリンRRM1、EGFR、VEGF、CYFRA−21−1、CEA、CRP、LDH、CA125、CgA、NCAM、及びTPAが挙げられる。いくつかの実施形態では、卵巣癌のバイオマーカーとしては、CA125、Her−2/neu、Akt−2、インヒビン、HLA−G、TATI、CASA、TPA、CEA、LPA、PAI−1、IL−6、カリクレイン5、6、7、8、9,10、11、13、14、15、hCGβcf、プロスタシン、オステオポンチン、HE4、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ、IGFBP−2、RSF−1、及びNAC−1が挙げられる。いくつかの実施形態では、膵臓癌のバイオマーカーとしては、CA19−9、CEA、TIMP−1、CA50、CA242、MUC1、MUC5AC、クローディン18、及びアネキシンA8が挙げられる。いくつかの実施形態では、前立腺癌のバイオマーカーとしては、PSA、ヒトカリクレイン2、IGF−1、IGFBP−3、PCA3、AMACR、GSTPi、CDKN1B、Ki−67、PTEN、及びPSCAが挙げられる。いくつかの実施形態では、近位又は遠位胆管細胞腫のバイオマーカーとしては、CA125、CA19−9、CEA、CgA、MUC1、MUC5AC、PML、p53、DPC4、Ki67、マトリックスメタロプロテアーゼ,α−フェトプロテイン、N−カドヘリン、VEGF−C、クローディン、トロンボスポンジン−1、サイトケラチン、及びCYFRA 21−1が挙げられる。いくつかの実施形態では、乳癌のバイオマーカーとしては、HER−1、−2、−3、−4;EGFR、及びHER−2/neuが挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、TECファミリーキナーゼの1種又はそれ以上のメンバー(例えば、ITK、BTK、TEC、RLK、及びBMX)のキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのシステイン442に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、BTKのシステイン481に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ(PCI−32765)、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101、AVL−263、AVL−291、AVL−292、ONO−WG−37、BMS−488516、BMS−509744、CGI−1746、CTA−056、GDC−0834、HY−11066(同様に、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059、ONO−WG37、PLS−123、RN486、HM71224、又はそれらの組み合わせの中から選択される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。本明細書で提供される任意の方法に使用するための追加の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第7,547,689号、同第7,960,396号、及び米国特許出願第2009−0197853(A1)号、並びに同第2012−0065201(A1)号にみられ、これらの全ては参照によりその全体が援用される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、膀胱癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、膀胱癌を治療するための1種又はそれ以上の治療剤と組み合わせて投与される。膀胱癌を治療するための例示的な治療法としては、限定するものではないが、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシンPFS/RDF)、シスプラチン、マイトマイシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メソトレキセート、ビンブラスチン、カルボプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、チオテパ(Thioplex、Tepadina)、免疫療法剤(例えば、カルメット・ゲラン桿菌(Bacille Calmette-Guerin)、インターフェロンα−2b)、及び放射線療法剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシンPFS/RDF)、シスプラチン、マイトマイシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メソトレキセート、ビンブラスチン、カルボプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、チオテパ(Thioplex、Tepadina)、免疫療法剤(例えば、カルメット・ゲラン桿菌(Bacille Calmette-Guerin)、インターフェロンα−2b)、及び放射線療法剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシンPFS/RDF)、シスプラチン、マイトマイシン、ルオロウラシル、ゲムシタビン、メソトレキセート、ビンブラスチン、カルボプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、チオテパ(Thioplex、Tepadina)、免疫療法剤(例えば、カルメット・ゲラン桿菌(Bacille Calmette-Guerin)、インターフェロンα−2b)、及び膀胱癌治療のための放射線療法剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、膀胱癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、大腸癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、大腸癌を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。大腸癌を治療するための療法例としては、限定するものではないが、フルオロウラシル(アドルシル)、ベバシズマブ(アバスチン)、イリノテカン塩酸塩(カンプト)、カペシタビン、セツキシマブ、エフデックス、オキサリプラチン(エロキサチン)、Erbutix、フルオロプレックス、ロイコボリンカルシウム(ウェルコボリン)、パニツママブ(panitumamab)(ベクティビックス)、レゴラフェニブ(スチバーガ)、ziv−アフリベルセプト、CAPOX、FOLFIRI、FOLFOX、及びXELOXが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、フルオロウラシル(アドルシル)、ベバシズマブ(アバスチン)、イリノテカン塩酸塩(カンプト)、カペシタビン、セツキシマブ、エフデックス、オキサリプラチン(エロキサチン)、Erbutix、フルオロプレックス、ロイコボリンカルシウム(ウェルコボリン)、パニツママブ(panitumamab)(ベクティビックス)、レゴラフェニブ(スチバーガ)、ziv−アフリベルセプト、CAPOX、FOLFIRI、FOLFOX、及びXELOXと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、大腸癌の治療のため、フルオロウラシル(アドルシル)、ベバシズマブ(アバスチン)、イリノテカン塩酸塩(カンプト)、カペシタビン、セツキシマブ、エフデックス、オキサリプラチン(エロキサチン)、Erbutix、フルオロプレックス、ロイコボリンカルシウム(ウェルコボリン)、パニツママブ(panitumamab)(ベクティビックス)、レゴラフェニブ(スチバーガ)、ziv−アフリベルセプト、CAPOX、FOLFIRI、FOLFOX、及びXELOXと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、大腸癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、肺癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、肺癌を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。肺癌を治療するための療法剤例としては、限定するものではないが、アドリアマイシンIV、リウマトレックス、マスタージェン、メソトレキセート(アビトレキサート(Abitrexate))、アブラキサン、アファチニブマレイン酸塩(ジオトリフ)、ペメトレキセド二ナトリウム(アリムタ)、bevacixumab、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、エルロチニブ塩酸塩、エトポホス(リン酸エトポシド)、Folex、Folex PFS、ゲフィチニブ(イレッサ)、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、トポテカン塩酸塩(ハイカムチン)、メソトレキセートLPF、Mexate、Mexate−AQ、パクリタキセル、Paraplat、パラプラチン、プラチノール、プラチノール−AQ、タルセバ、タキソール、ザーコリ、Toposar、ベペシド及びMPDL3280Aが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、アドリアマイシンIV、リウマトレックス、マスタージェン、メソトレキセート(Abitrexate)、アブラキサン、アファチニブマレイン酸塩(ジオトリフ)、ペメトレキセド二ナトリウム(アリムタ)、bevacixumab、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、エルロチニブ塩酸塩、エトポホス(リン酸エトポシド)、Folex、Folex PFS、ゲフィチニブ(イレッサ)、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、トポテカン塩酸塩(ハイカムチン)、メソトレキセートLPF、Mexate、Mexate−AQ、パクリタキセル、Paraplat、パラプラチン、プラチノール、プラチノール−AQ、タルセバ、タキソール、ザーコリ、Toposar、VePesid、及びMPDL3280Aと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、肺癌の治療のため、アドリアマイシンIV、リウマトレックス、マスタージェン、メソトレキセート(Abitrexate)、アブラキサン、アファチニブマレイン酸塩(ジオトリフ)、ペメトレキセド二ナトリウム(アリムタ)、bevacixumab、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、エルロチニブ塩酸塩、エトポホス(リン酸エトポシド)、Folex、Folex PFS、ゲフィチニブ(イレッサ)、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、トポテカン塩酸塩(ハイカムチン)、メソトレキセートLPF、Mexate、Mexate−AQ、パクリタキセル、Paraplat、パラプラチン、プラチノール、プラチノール−AQ,タルセバ、タキソール、ザーコリ、Toposar、VePesid、及びMPDL3280Aと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、肺癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、卵巣癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、卵巣癌を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。卵巣癌を治療するための療法例としては、限定するものではないが、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシンPFS/RDF)、カルボプラチン、シクロホスファミド(Clafen)、シスプラチン、サイトキサン、Dox−SL、DOXIL、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム(Evacet)、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、トポテカン塩酸塩(ハイカムチン)、Neosar、パクリタキセル、Paraplat、パラプラチン、プラチノール、プラチノール−AQ、タキソール、及びBEPが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシンPFS/RDF)、カルボプラチン、シクロホスファミド(Clafen)、シスプラチン、サイトキサン、Dox−SL、DOXIL、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム(Evacet)、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、トポテカン塩酸塩(ハイカムチン)、Neosar、パクリタキセル、Paraplat、パラプラチン、プラチノール、プラチノール−AQ、タキソール、及びBEPと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、卵巣癌の治療のため、ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシンPFS/RDF)、カルボプラチン、シクロホスファミド(Clafen)、シスプラチン、サイトキサン、Dox−SL、DOXIL、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム(Evacet)、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、トポテカン塩酸塩(ハイカムチン)、Neosar、パクリタキセル、Paraplat、パラプラチン、プラチノール、プラチノール−AQ、タキソール、及びBEPと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、卵巣癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、膵癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、膵癌を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。膵癌を治療するための療法剤の例としては、限定するものではないが、アドリアマイシンPFS IV、アドルシル、エフデックス、エルロチニブ塩酸塩、フルオロプレックス、フルオロウラシル、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、マイトマイシンC,タルセバ、オキサリプラチンタンパク質結合パクリタキセルIV、ancカペシタビンが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、アドリアマイシンPFS IV、アドルシル、エフデックス、エルロチニブ塩酸塩、フルオロプレックス、フルオロウラシル、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、マイトマイシンC、タルセバ、オキサリプラチンタンパク質結合パクリタキセルIV、ancカペシタビンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、膵癌の治療のため、アドリアマイシンPFS IV、アドルシル、エフデックス、エルロチニブ塩酸塩、フルオロプレックス、フルオロウラシル、ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)、マイトマイシンC、タルセバ、オキサリプラチンタンパク質結合パクリタキセルIV、ancカペシタビンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、膵癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、前立腺癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、前立腺癌を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。前立腺癌を治療するための療法剤例としては、限定するものではないが、酢酸アビラテロン、カバジタキセル、デガレリクス、ドセタキセル、エンザルタミド、酢酸ロイプロリド、プレドニゾン、デノスマブ、シプロイセルT、及びラジウム223ジクロリドが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、酢酸アビラテロン、カバジタキセル、デガレリクス、ドセタキセル、エンザルタミド、酢酸ロイプロリド、プレドニゾン、デノスマブ、シプロイセルT、又はラジウム223ジクロリドと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、前立腺癌の治療のため、酢酸アビラテロン、カバジタキセル、デガレリクス、ドセタキセル、エンザルタミド、酢酸ロイプロリド、プレドニゾン、デノスマブ、シプロイセルT、又はラジウム223と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、前立腺癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、近位又は遠位胆管癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、近位又は遠位胆管癌を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。近位又は遠位胆管癌を治療するための療法剤例としては、限定するものではないが、シスプラチン、ゲムシタビン、フルオロウラシル、及びドキソルビシンが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、シスプラチン、ゲムシタビン、フルオロウラシル、又はドキソルビシンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、近位又は遠位胆管癌の治療のため、シスプラチン、ゲムシタビン、フルオロウラシル、又はドキソルビシンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、近位又は遠位胆管癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、乳癌のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、乳癌を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。乳癌を治療するための療法剤の例としては、限定するものではないが、ado−トラスツズマブエムタンシン、アナストロゾール、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、エピルビシン塩酸塩、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン塩酸塩、イクサベピロン、トシル酸ラパチニブ、レトロゾール、酢酸メゲストロール、メソトレキセート、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、パミドロン酸二ナトリウム、クエン酸タモキシフェン、トレミフェン、及びトラスツズマブが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ado−トラスツズマブエムタンシン、アナストロゾール、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、エピルビシン塩酸塩、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン塩酸塩、イクサベピロン、トシル酸ラパチニブ、レトロゾール、酢酸メゲストロール、メソトレキセート、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、パミドロン酸二ナトリウム、クエン酸タモキシフェン、トレミフェン、又はトラスツズマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、乳癌の治療のため、ado−トラスツズマブエムタンシン、アナストロゾール、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、エピルビシン塩酸塩、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン塩酸塩、イクサベピロン、トシル酸ラパチニブ、レトロゾール、酢酸メゲストロール、メソトレキセート、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、パミドロン酸二ナトリウム、クエン酸タモキシフェン、トレミフェン、又はトラスツズマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、乳癌を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、侵襲性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、緩徐進行性T細胞、又はNK細胞悪性腫瘍のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍は皮膚悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、皮膚悪性腫瘍は菌状息肉症(MF)、形質転換MF、セザリー症候群、皮膚原発CD30+T細胞障害、又は皮膚原発性γ/δT細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍は、節外性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、節外性悪性腫瘍は、鼻NK/T細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍は、結節性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、結節性悪性腫瘍は、非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL−NOS)、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍は、白血病細胞又はNK細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、白血病悪性腫瘍は、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、侵襲性NK細胞白血病、T細胞性前リンパ球性白血病、又はT細胞大型顆粒リンパ球白血病である。いくつかの実施形態では、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍は、治療関連T細胞リンパ腫である。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。T細胞又はNK細胞悪性腫瘍を治療するための療法剤の例としては、限定するものではないが、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン)、Hyper−CVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ヒドロキシドキソルビシン、デキサメタゾン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、DHAP(高用量シタラビン[ara−C]、デキサメタゾン、シスプラチン)、ESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン[ara−C]、シスプラチン)、アントラサイクリン系化学療法剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤(例えば、アベキシノスタット、レスミノスタット、ボリノスタット、ベリノスタット、及びパノビノスタットなど)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、モノクローナル抗体(例えば、アレムツズマブ及びブレンツキシマブベドチン)、並びにヌクレオシド類似体(例えば、ゲムシタビン、ネララビン)が挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍のため、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン)、Hyper−CVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ヒドロキシドキソルビシン、デキサメタゾン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、DHAP(高用量シタラビン[ara−C]、デキサメタゾン、シスプラチン)、及びESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン[ara−C]、シスプラチン)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍の治療のため、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン)、Hyper−CVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ヒドロキシドキソルビシン、デキサメタゾン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、DHAP(高用量シタラビン[ara−C]、デキサメタゾン、シスプラチン)、又はESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン[ara−C]、シスプラチン)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍のため、ボルテゾミブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍の治療のため、HDAC阻害剤、例えば、アベキシノスタット、レスミノスタット、ボリノスタット、ベリノスタット、及びパノビノスタットなどと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、再発性又は難治性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍の治療のため、1種又はそれ以上の療法剤と組み合わせて投与される。再発性又は難治性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍を治療するための療法剤としては、限定するものではないが、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン)、Hyper−CVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ヒドロキシドキソルビシン、デキサメタゾン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、DHAP(高用量シタラビン[ara−C]、デキサメタゾン、シスプラチン)、ESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン[ara−C]、シスプラチン)、アントラサイクリン系化学療法剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤(例えば、アベキシノスタット、レスミノスタット、ボリノスタット、ベリノスタット、及びパノビノスタットなど)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、モノクローナル抗体(例えば、アレムツズマブ及びブレンツキシマブベドチン)、並びにヌクレオシド類似体(例えば、ゲムシタビン、ネララビンなど)が挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、再発性又は難治性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍の治療のため、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン)、Hyper−CVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ヒドロキシドキソルビシン、デキサメタゾン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、DHAP(高用量シタラビン[ara−C]、デキサメタゾン、シスプラチン)、及びESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン[ara−C]、シスプラチン)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、再発性又は難治性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍の治療のため、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ヒドロキシドキソルビシン)、Hyper−CVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ヒドロキシドキソルビシン、デキサメタゾン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、DHAP(高用量シタラビン[ara−C]、デキサメタゾン、シスプラチン)、又はESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン[ara−C]、シスプラチン)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍のため、ボルテゾミブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、T細胞又はNK細胞悪性腫瘍の治療のため、HDAC阻害剤、例えば、アベキシノスタット、レスミノスタット、ボリノスタット、ベリノスタット、及びパノビノスタットなどと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、再発性又は難治性T細胞又はNK細胞悪性腫瘍を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
本明細書に記載の特定の実施形態は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤によるアジュバント療法のために癌を有する患者を選択する方法であり、1種以上のTh1及び/又はTh2サイトカインの発現を測定することと、正常対象と比較して、1種又はそれ以上のTh1サイトカインのレベルが低下し、及び/又は1種又はそれ以上のTh2サイトカインのレベルが上昇している場合に共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療の候補として患者をみなすことと、を含む。いくつかの実施形態では、Th1応答不全を有する患者が、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療のための候補として選択される。いくつかの実施形態では、過敏性Th2応答を有する患者が、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療のための候補として選択される。いくつかの実施形態では、低Th1:Th2比を有する患者が、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療のための候補として選択される。
癌関連免疫異常を治療するためのアジュバント
本明細書に記載の特定の実施形態は、免疫異常を治療するためのアジュバント療法の方法であり、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、免疫異常は癌関連免疫異常である。本明細書に記載の特定の実施形態は、障害性Th1免疫応答又は過敏性Th2応答を特徴とする免疫異常を治療するためのアジュバント療法の方法である。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、障害性Th1免疫応答又は過敏性Th2応答とみなされる免疫異常を有する対象に、有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して、対象においてTh1免疫応答を増加させること又はTh2応答を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、疾患又は状態はTh2活性の上昇と関連付けられ、例えば、アレルギー性障害又は喘息性障害である。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は自己免疫性関節炎である。いくつかの実施形態では、免疫異常は、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、分類不能T細胞リンパ腫(U−PTCL)、リウマチ様関節炎、気管支ぜんそく、アレルギー性気管支炎疾患又は再生不良性貧血である。
いくつかの実施形態では、免疫異常は、血液癌に関連する。いくつかの実施形態では、免疫異常は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫に関連する。いくつかの実施形態では、免疫異常は、非ホジキンリンパ腫に関連する。いくつかの実施形態では、免疫異常は、ホジキンリンパ腫に関連する。いくつかの実施形態では、免疫異常は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、又は節外性辺縁帯B細胞リンパ腫に関連する。いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫疾患を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、イヌ、ネコ、又はウシなどの哺乳類である。いくつかの実施形態では、哺乳類はヒトである。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、TECファミリーキナーゼの1種又はそれ以上のメンバー(例えば、ITK、BTK、TEC、RLK、及びBMX)のキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのシステイン442に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、BTKのシステイン481に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ(PCI−32765)、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101、AVL−263、AVL−291、AVL−292、ONO−WG−37、BMS−488516、BMS−509744、CGI−1746、CTA−056、GDC−0834、HY−11066(同様に、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059、ONO−WG37、PLS−123、RN486、HM71224、又はそれらの組み合わせの中から選択される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。本明細書で提供される任意の方法に使用するための追加の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第7,547,689号、同第7,960,396号、及び米国特許出願第2009−0197853(A1)号、並びに同第2012−0065201(A1)号にみられ、これらの全ては参照によりその全体が援用される。
バイオマーカープロファイルを利用する治療評価
本明細書において、特定の実施形態は、腫瘍の大きさを減少させ又は腫瘍を排除する必要のある個体において、第1の抗癌療法により腫瘍を治療し、腫瘍の大きさを減少させ又は腫瘍を排除した後に、個体において癌治療を評価するための方法が開示される。いくつかの実施形態では、方法は、バイオマーカープロファイルを作成することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、Th2偏向しているT細胞のバイオマーカープロファイルである。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、Th1偏向しているT細胞のバイオマーカープロファイルである。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療後に、Th2偏向しているT細胞集団が減少していることを示す。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療後に、Th1偏向しているT細胞集団が増加していることを示す。
いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、バイオマーカーの発現、バイオマーカーの発現レベル、バイオマーカーにおける突然変異、又はバイオマーカーの有無を意味する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、任意の細胞遺伝学な細胞小面分子又はタンパク質又はRNA発現マーカーである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CCR1、CCR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD26、CD28、CD30、CD81、CD94、CD119、CD183、CD184、CD195、CD212、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12β1、IL−13、IL−15、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、ST2L/T1、Tim−1、Tim−3、GM−CSF、グランザイムB、IFN−α、IFN−γ、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、TNF−α、TRANCE、sCD40L、又はそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、細胞の一集団のバイオマーカープロファイルが低下する。いくつかの実施形態では、細胞集団は、Th2偏向しているT細胞である。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th2偏向しているT細胞集団のバイオマーカープロファイルが低下する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、Th2偏向しているT細胞集団のバイオマーカープロファイルが低下する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、第2の細胞集団のバイオマーカープロファイルが上昇する。いくつかの実施形態では、第2の細胞集団はTh1偏向しているT細胞である。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th1偏向している細胞集団のバイオマーカープロファイルが増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、Th1偏向している細胞集団のバイオマーカープロファイルが増加する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th2偏向しているT細胞に対するTh1偏向しているT細胞の比が、対象において増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、Th2偏向しているT細胞に対するTh1偏向しているT細胞の比が約5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、又はそれ以上増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において細胞毒性CD8+T細胞数を増加させる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現が減少する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、対象におけるTh2関連マーカーである。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、CCR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD30、CD81、CD184、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、IL−15、ST2L/T1、及びTim−1の中から選択される1種又はそれ以上のTh2関連マーカーを減少させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−13、又はIL−15発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−4の発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−5の発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−6の発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−10の発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−13の発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−15の発現が減少する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現を減少させる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、対象におけるTh2関連マーカーである。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、CCR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD30、CD81、CD184、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、IL−15、ST2L/T1及びTim−1中から選択される1種又はそれ以上のTh2関連マーカーを減少させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−13、又はIL−15の発現を減少させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IL−4の発現を減少させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IL−5の発現を減少させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IL−6の発現を減少させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IL−10の発現を減少させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IL−13の発現を減少させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IL−15の発現を減少させる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、対象におけるTh1関連マーカーである。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、CCR1、CD4、CD26、CD94、CD119、CD183、CD195、CD212、GM−CSF、グランザイムB、IFN−α、IFN−γ、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、Tim−3、TNF−α、TRANCE、及びsCD40Lの中から選択される1種又はそれ以上のTh1関連マーカーの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、IFN−γ、GM−CSF、IL−2、IL−12(p70)の発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、IFN−γの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、GM−CSFの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−2の発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−12(p70)の発現が上昇する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与により、対象において、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、対象におけるTh1関連マーカーである。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与により、CCR1、CD4、CD26、CD94、CD119、CD183、CD195、CD212、GM−CSF、グランザイムB、IFN−α、IFN−γ、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、Tim−3、TNF−α、TRANCE、及びsCD40Lの中から選択される1種又はそれ以上のTh1関連マーカーの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象において、IFN−γ、GM−CSF、IL−2、IL−12(p70)の発現を上昇させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象においてIFN−γ発現を上昇させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象においてGM−CSF発現を上昇させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象においてIL−2の発現を上昇させる。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与は、対象においてIL−12(p70)の発現を上昇させる。
いくつかの実施形態では、方法は、第1の癌療法の継続を提供すること、又は第1の抗癌療法の中断後、バイオマーカープロファイルをもとにした第2の癌療法の開始を提供することを更に含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルをもとに、投与しないことを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、バイオマーカープロファイルをもとに、治療レジメンの有効性を評価することを更に含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーとしては、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−13、IL−15、IFN−γ、GM−CSF、TNF−α、IL−2、又はIL−12が挙げられる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIFN−γである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL−4である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL−10である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL−13である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL−2である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL−12である。
バイオマーカーの発現又は有無を判定する方法は、当業界で公知である。候補となる対象から得た血液試料中のバイオマーカーの循環レベルは、例えば、ELISA、ラジオイムノアッセイ(RIA)、電気化学発光(ECL)、ウェスタンブロット、マルチプレックス化技術、又はその他の類似の手法により測定できる。バイオマーカーの細胞表面発現は、例えば、フローサイトメトリー、免疫組織化学、ウェスタンブロット、免疫沈降、磁気ビーズ選別、並びにこれらの細胞表面マーカーのいずれかを発現している細胞の定量により測定される。バイオマーカーのRNA発現レベルは、RT−PCR、Qt−PCR、マイクロアレイ、ノーザンブロット、又はその他の類似の手法により測定され得る。
前述の通り、対象とするバイオマーカーの発現又は有無をタンパク質又はヌクレオチドレベルで判定することは、当業者に公知の任意の検出方法を使用して実施される。「発現を検出する」、又は「レベルを検出する」は、生体試料中のバイオマーカータンパク質又は遺伝子の発現レベル又は有無を判定することを意図する。したがって、「発現を検出する」は、バイオマーカーが、発現していないこと、検出可能レベルでは発現していないこと、低レベルで発現していること、正常レベルで発現していること、又は過剰発現していること、を判定する過程を包含する。
本明細書で提供される方法の特定の態様では、1種又はそれ以上のリンパ球の亜集団が、単離、検出又は測定される。特定の実施形態では、1種又はそれ以上のリンパ球の亜集団は、免疫表現型による手法を用い、単離、検出又は測定される。他の実施形態では、1種又はそれ以上のリンパ球の亜集団は、蛍光標識細胞分取(FACS)による手法を用い、単離、検出又は測定される。
本明細書で提供される方法の特定の実施形態では、1種又はそれ以上のバイオマーカーは、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−13、IL−15、IFN−γ、GM−CSF、TNF−α、IL−2、又はIL−12を含む。
特定の態様では、本明細書に記載の方法では、判定する工程は、バイオマーカーの組み合わせの発現又は有無を判定することを必要とする。特定の実施形態では、バイオマーカーの組み合わせはCD3及びCD28である。
特定の態様では、生体試料中のこれらの多様なバイオマーカー及び任意の臨床的に有用な予後マーカーの発現又は有無を、例えば、免疫組織化学的手法又は核酸に基づく手法(例えば、インサイツハイブリダイゼーション及びRT−PCR)を使用して、タンパク質又は核酸レベルで検出する。一実施形態では、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は有無は、核酸増幅手段、核酸配列決定手段、核酸のマイクロアレイを利用する手段(DNA及びRNA)、又は特異的に標識したプローブを用いるインサイツハイブリダイゼーションのための手段により実施される。
他の実施形態では、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は有無を判定することは、ゲル電気泳動により実施される。一実施形態では、判定は、膜への転写、及び特異的プローブとのハイブリダイゼーションにより実施される。
他の実施形態では、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は有無を判定することは、画像診断法により実施される。
更に他の実施形態では、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は有無を判定することは、検出可能な固体基材により実施される。一実施形態では、検出可能な固体基材は、抗体により官能化された磁性ナノ粒子である。
本明細書において、別の態様では、治療過程後に、治療の継続若しくは停止、又は別の治療レジメンへの変更を案内するために、残留リンパ腫を検出若しくは測定する方法が提供され、方法は、対象において、1種又はそれ以上のリンパ球の亜集団から1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は有無を判定することを含み、当該治療過程は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療のものである。
本明細書に記載のバイオマーカーの試験及び対象生体試料内の発現を検出するための方法は、これらのマーカーの量又は有無を核酸レベル又はタンパク質レベルのいずれかで判定する任意の方法を含む。このような方法は当該技術分野で公知であり、限定するものではないが、ウェスタンブロット法、ノーザンブロット法、ELISA法、疫沈降法、免疫蛍光法、フローサイトメトリー法、免疫組織化学法、核酸ハイブリダイゼーション法、核酸逆転写法、及び核酸増幅法などが挙げられる。特定の実施形態では、バイオマーカーの発現は、例えば、特定のバイオマーカータンパク質に対する抗体を使用して、タンパク質レベルで検出される。これらの抗体は、ウェスタンブロット法、ELISA法、マルチプレックス法、免疫沈降法、又は免疫組織化学法などの多様な方法で使用される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの検出はELISA法により達成される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの検出は電気化学発光(ECL)により達成される。
候補対象の生体試料中のバイオマーカー(例えば、バイオマーカー、細胞の生存又は増殖についてのバイオマーカー、アポトーシスについてのバイオマーカー、Btk介在性シグナル伝達経路についてのバイオマーカー)を特異的に同定及び定量するための任意の手段が想到される。したがって、いくつかの実施形態では、生体試料中の、対象とするバイオマーカータンパク質の発現レベルは、バイオマーカータンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体と特異的に相互作用し得るタンパク質を結合させる手段により検出される。いくつかの実施形態では、標識化抗体、それらの結合断片、又はその他の結合パートナーが使用される。本明細書で使用するとき、語句「標識」は、抗体に対し直接的に又は間接的にコンジュゲートされ、「標識化」抗体を生成する、検出可能な化合物又は組成物を指す。いくつかの実施形態では、標識はそれ自体が検出可能なものであり(例えば、放射性同位体標識、又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合には、検出可能な基質化合物又は組成物の化学的な変化が触媒される。
バイオマーカータンパク質を検出するための抗体は、モノクローナル若しくはポリクローナル由来のいずれかであり、又は合成的若しくは組み換えにより生産される。複合タンパク質の量、例えば、結合タンパク質(例えば、バイオマーカータンパク質に特異的に結合する抗体)と会合しているバイオマーカータンパク質の量は、当業者に公知の標準的なタンパク質検出法を使用して判定される。免疫学的なアッセイの設計、理論、及びプロトコールについての詳細な総括は、当該技術分野において多数の書籍にみられる(例えば、Ausubel et al.,eds.(1995)Current Protocols in Molecular Biology)(Greene Publishing and Wiley−Interscience,NY));Coligan et al.,eds.(1994)Current Protocols in Immunology(John Wiley & Sons,Inc.,New York,N.Y.)を参照されたい)。
抗体を標識するのに使用するマーカーの選択は、用法をもとに変化し得る。しかしながら、マーカーは当業者により容易に決定可能である。これらの標識化抗体を、免疫アッセイ並びに組織学的用途で使用し、対象とする任意のバイオマーカー又はタンパク質の有無を検出する。標識化抗体は、ポリクローナル又はモノクローナルのいずれかである。更に、対象とするタンパク質の検出に使用される抗体は、本明細書内に記載される通りの放射性原子、酵素、発色団若しくは蛍光部分、又は比色分析タグにより標識化される。また、タグ化標識の選択は、所望される検出限界に依存する。典型的には、酵素アッセイ(ELISA)では、酵素−タグ複合体と、酵素基質との相互作用により生成された着色生成物を検出することが可能である。検出され得る標識として提供する放射性核種としては、例えば、1−131、1−123、1−125、Y−90、Re−188、Re−186、At−211、Cu−67、Bi−212、及びPd−109が挙げられる。検出可能な標識として提供する酵素例としては、限定するものではないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、及びグルコース−6−リン酸脱水素酵素が挙げられる。発色団部分としては、限定するものではないが、フルオレセイン及びローダミンが挙げられる。抗体には、公知の方法によりこれらの標識をコンジュゲートさせる。例えば、酵素及び発色団分子は、ジアルデヒド、カルボジイミド、ジマレイミド、及び同様物などのカップリング剤により、抗体にコンジュゲートされる。あるいは、コンジュゲーションは、リガンド−受容体対により生じる。好適なリガンド−受容体対の例は、ビオチン−アビジン、又はビオチン−ストレプトアビジン、及び抗体−抗原である。
特定の実施形態では、生体サンプル、例えば、体液サンプル内の、対象とする1種又はそれ以上のバイオマーカー、又はその他のタンパク質の発現又は有無は、ラジオイムノアッセイ又は酵素結合免疫測定法(ELISA)、競合的に結合する酵素連結イムノアッセイ、ドットブロット(例えば、Promega Protocols and Applications Guide,Promega Corporation(1991)を参照されたい)、ウェスタンブロット(例えば、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning、Laboratory Manual,Vol.3,Chapter 18(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,N.Y.)を参照されたい)クロマトグラフィー(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)など)、又はその他の公知のアッセイ法により判定される。したがって、検出アッセイは、限定するものではないが、免疫ブロット法、免疫拡散法、免疫電気泳動、又は免疫沈降法などの工程を包含する。
他の特定の実施形態では、本発明の方法は、一次癌治療に対し難治性である(すなわち、耐性である、又は耐性を有するようになっている)前述のものなどの癌の同定及び治療に有用である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は有無は、核酸レベルでも判定される。発現を評価するための、核酸に基づく手法は当該施術分野で公知であり、例えば、生体試料中のバイオマーカーmRNAのレベルを判定することが挙げられる。数多くの発現検出法で単離RNAが使用される。RNAの精製には、mRNAの単離では選択されない任意のRNA単離法が利用される(例えば、usubel et al.,ed.(1987〜1999)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,New Yorkを参照されたい)。更に、多数の組織サンプルが、当業者に公知の手法、例えば、米国特許第4,843,155号に記載の一段階RNA単離プロセスを用い、容易に加工されれる。
したがって、いくつかの実施形態では、対象とするバイオマーカー又はその他のタンパク質の検出は、核酸プローブを使用して核酸レベルでアッセイされる。用語「核酸プローブ」は、特異的に意図される標的核酸分子、例えば、ヌクレオチド転写物に選択的に結合し得る任意の分子を指す。プローブは当業者により合成され、又は適切な生物学的製剤に由来する。プローブは、例えば、放射性標識、蛍光標識、酵素、化学発光タグ、比色タグ、又は前述の若しくは当該技術分野で公知のその他の標識若しくはタグにより標識化されるよう、特異的に設計される。プローブとして利用される分子の例としては、限定するものではないが、RNA及びDNAが挙げられる。
例えば、単離mRNAが、限定するものではないが、サザン又はノザン解析、ポリメラーゼ連鎖反応解析、並びにプローブ解析などの、ハイブリダイゼーション又は増幅アッセイで使用される。mRNAレベルの検出のための1つの方法は、核検出される遺伝子によりコードされるmRNAにハイブリダイズする核酸分子(プローブ)と単離mRNAとを接触させることを包含する。核酸プローブは、例えば、完全長cDNA又はそれらの断片(例えば、少なくともヌクレオチド7、15、30、50、100、250又は500個分の長さのオリゴヌクレオチドなど)を含み、かつストリンジェントな条件下で、本明細書において前述したバイオマーカーをコードするmRNA又はゲノムDNAに特異的にハイブリッド形成するのに十分なものである。mRNAとプローブのハイブリダイゼーションは、対象とするバイオマーカー又はその他の標的タンパク質が発現していることを意味する。
一実施形態では、mRNAは、固体表面に固定化され、例えば、このmRNAをアガロースゲルに泳動し、このmRNAをゲルからメンブレン(ニトロセルロースなど)に転写することにより、プローブと接触される。代替的な実施形態では、プローブは固体表面上に固定され、mRNAは、例えば、遺伝子チップアレイにおいてプローブと接触される。当事者であれば、対象とするバイオマーカー又はその他のタンパク質をコードするmRNAレベルの検出に使用するため、公知のmRNA検出法を容易に適合させる。
サンプル中の対象とするmRNAレベルを判定するための代替法は、核酸増幅プロセス、例えば、RT−PCR(例えば、米国特許第4,683,202を参照されたい)、リガーゼ連鎖反応(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189 193)、自家持続配列複製法(Guatelli et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874〜1878)、転写増幅システム(Kwoh et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173〜1177)、Qβレプリカーゼ(Lizardi et al.(1988)Bio/Technology 6:1197)、ローリングサークル型複製(米国特許第5,854,033)、又は任意のその他の核酸増幅法による核酸増幅プロセス後に、増幅した分子を当業者に公知の手法により検出することを包含する。これらの検出スキームは、核酸分子が非常に少数存在する場合に、このような分子を検出するのに本質的に有用である。本発明の特定の態様では、バイオマーカーの発現は、定量的蛍光性RT−PCR(すなわち、TaqMan0システム)により評価される。
対象とするRNAの発現レベルは、メンブレンブロット(ノザン、ドット、及び同様物などのハイブリダイゼーション解析において使用されるものなど)、又はマイクロウェル、サンプルチューブ、ゲル、ビーズ又はファイバー(又は結合させた核酸を含む任意の固体支持体)を使用してモニターされる。
米国特許第5,770,722号、第5,874,219号、同第5,744,305号、同第5,677,195号、及び同第5,445,934号を参照されたい。これらの特許文献は、参照により本明細書に援用される。発現の検出には、溶液中で核酸プローブを使用することも含まれる。
本発明の一実施形態では、1種又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は有無を判定するためにマイクロアレイが使用される。マイクロアレイは、異なる実験間で再現性があることから、特に本目的に良好に適する。DNAマイクロアレイは、多数の遺伝子の発現レベルを同時測定するための方法の1つを提供する。各アレイは、固体支持体に付着させた補足プローブの再現可能なパターンから構成される。標識化RNA又はDNAを、アレイ上で相補的なプローブにハイブリダイズさせた後、レーザースキャニングによりアレイ上の各プローブのハイブリダイゼーション強度を検出し、相対的な遺伝子発現レベルを表わす定量的な値に変換する。米国特許第6,040,138号、第5,800,992号、及び同第6,020,135号、同第6,033,860号、及び同第6,344,316号を参照されたい(これらの特許文献は参照により本明細書に援用される)。高密度オリゴヌクレオチドアレイは、サンプル中の多数のRNAについて遺伝子発現プロファイルを決定するのに特に有用である。
機械的合成法を用いこれらのアレイを合成する手法は、例えば、米国特許第5,384,261号に記載されている(参照によりその全体が本明細書に援用される)。いくつかの実施形態では、アレイは、実質的に任意の形状の表面上、又は更には複数の表面上に作製される。いくつかの実施形態では、アレイは、平面状アレイ表面である。いくつかの実施形態では、アレイには、ビーズ、ゲル、ポリマー表面、繊維(例えば、光ファイバー)、ガラス、又は任意のその他の適切な基材(米国特許第5,770,358号、同第5,789,162号、同第5,708,153号、同第6,040,193号、及び同第5,800,992号を参照されたい;これらの特許文献は、全ての目的に監視その全体が参照により本明細書に援用される)上のペプチド又は核酸を包含する。いくつかの実施形態では、アレイはこのような方法でパッケージ化され、包括的な装置による診断又はその他の操作を可能とする。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第5,856,174号及び同第5,922,591号を参照されたい。
用量、投与経路、及び治療レジメン
本明細書において記載される任意の一般的な手法による共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与方法としては、経口投与、頬側投与、直腸内投与、非経口投与、腹腔内投与、皮内投与、静脈内投与、皮下投与、筋内投与、腫瘍内投与、経皮投与、気管内投与、脳脊髄内投与(intracerobrospinal)、関節内投与、滑液嚢内投与、全身投与、粘膜投与、局所投与、吸入投与などが挙げられる。いくつかの実施形態では、2つの異なる投与経路が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、第1の抗癌療法は、筋肉内、皮下、又は静脈内などの経路により投与され、かつ共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は経口投与される。
共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の皮下投与は、標準法及び装置、例えば、針及び注射器、皮下注射ポート送達システム、及び同様物を用い達成される。例えば、米国特許第3,547,119号、同第4,755,173号、同第4,531,937号、同第4,311,137号、及び同第6,017,328号を参照されたい。いくつかの実施形態では、皮下投与は、装置を組み合わせて送達され、例えば、針及び注射器によるボーラス送達後、持続型送達システムを用いる送達により達成される。用語「持続型送達システム」は、持続型(例えば、調節型)送達装置(例えば、ポンプ)と、カテーテル、注射装置、及び当業者により公知である多様な同様物との組み合わせを包含する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、連続的な送達システムにより送達される。
機械的又は電気機械的輸液ポンプも本発明に使用するのに好適である。このような装置の例としては、例えば、米国特許第4,692,147号、同第4,360,019号、同第4,487,603号、同第4,360,019号、同第4,725,85号2、同第5,820,589号、同第5,643,207号、同第6,198,966号、及び同様物に記載のものが挙げられる。一般に、本発明の薬物送達方法は、詰め替え可能な任意の多様なポンプシステムを用い達成される。ポンプは、経時的に、一貫して調節された放出をもたらす。典型的には、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、薬剤不透過性リザーバ内の液体製剤であり、かつ持続的な様式で個体に送達される。
薬物送達システムは、少なくとも部分的に埋め込み式装置である。埋め込み式装置は、当業界で公知である方法及び装置を使用して、任意の好適な埋め込み部位に埋め込まれる。埋め込み部位は、対象身体内の部位であり、この部位に薬物送達装置が導入され、配置される。埋め込み部位としては、必ずしも限定されるものではないが、真皮下、皮下、筋肉内、又は対象身体内のその他の好適な部位が挙げられる。
本発明に使用するのに好適な薬物送達装置は、多様な術式のいずれかに基づくものである。例えば、薬物送達装置は、拡散システム、対流システム、又は浸食性(erosion)システム(例えば、浸食系システム)に基づくものである。例えば、薬物放出装置は、電気化学ポンプ、浸透圧ポンプ、電気浸透ポンプ、蒸気圧ポンプ、又は浸透圧破裂マトリクス(osmotic bursting matrix)[例えば、薬物がポリマーに組み込まれており、かつ薬物を含浸させたポリマー材料(例えば、生分解性、薬物含浸ポリマー材料)の分解と同時にポリマーが薬物製剤の放出をもたらす]である。他の実施形態では、薬物送達装置は、電気拡散システム、電解ポンプ、発泡ポンプ、圧電ポンプ、加水分解システムなどに基づく。
いくつかの実施形態では、医薬的投与形態において、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、医薬的に許容され得る塩の形態で投与される。以降の方法及び賦形剤は単に例示するものであり、制限するものではない。
経口剤としてのいくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、単独で、又は錠剤、散剤、顆粒剤、若しくはカプセルを作製するのに適切な添加剤(例えば、乳糖、マンニトール、トウモロコシデンプン、又はジャガイモデンプンなどの従来の添加剤)、結合剤(例えば、結晶質セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプン、又はゼラチン)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム)、潤滑剤(例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウム)、並びに所望される場合、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存料、及び矯味矯臭剤と組み合わせて使用される。
共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、必要に応じて、可溶化剤、等張化剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤及び保存料などの従来の添加剤とともに、植物油又はその他の同様の油、合成脂肪酸グリセリド、高脂肪酸エステル、又はプロピレングリコールなどの水性又は非水性溶媒に溶解、懸濁、又は乳化することにより注射用の製剤に配合される。
更に、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を、乳化基材又は水溶性基材などの多様な基剤と混合することにより、坐剤が作製される。座薬には、体温で溶解するものの室温では固化するカカオバター、カルボワックス及びポリエチレングリコールなどの賦形剤が含まれる。
本明細書において開示される、第1の抗癌療法の実施後に共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤により治療する方法。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法の投与後に、腫瘍の大きさが減少してから開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法の実施後に、腫瘍が排除されてから開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法の実施後に、腫瘍の大きさが減少してから開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法の実施後に、腫瘍が排除されてから開始される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法を中断した後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、第1の抗癌療法を中断してから1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法を継続した後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、第1の抗癌療法を、1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上の期間にわたって継続した後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法の継続後かつ第2の抗癌療法の開始後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、第1の抗癌療法を1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上の期間にわたって継続した後、かつ第2の抗癌療法の開始後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法の継続後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、第1の抗癌療法を1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上の期間にわたって継続した後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法の中断後かつ第2の抗癌療法の開始後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、第1の抗癌療法の中断後かつ第2の抗癌療法の開始後、1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、第1の抗癌療法の中断後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、第1の抗癌療法を中断してから1時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法を中断した後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、第1の抗癌療法を中断してから1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法の継続後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、第1の抗癌療法を継続してから1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法の継続後かつ第2の抗癌療法の開始後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、第1の抗癌療法の継続後かつ第2の抗癌療法の開始後1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法の継続後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、第1の抗癌療法を1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上の期間にわたって継続した後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法の中断後かつ第2の抗癌療法の開始後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、第1の抗癌療法の中断後かつ第2の抗癌療法の開始後1時間未満、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始される。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、第1の抗癌療法の中断後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、第1の抗癌療法を中断してから1時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間又はそれ以上経過後に開始され、但し、第2の抗癌療法の開始と同時に開始され又は第2の抗癌療法の開始に伴い断続的に行われる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、継続した第1の抗癌療法による治療の全過程にわたって投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、継続した第1の抗癌療法及び第2の抗癌療法による治療の全過程にわたって投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、継続している第1の抗癌療法による治療と、第2の抗癌療法による治療に重複させて、一定期間にわたって投与され、例えば、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、継続している第1の抗癌療法による治療と、第2の抗癌療法による治療とが終了する前に終了され;共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、継続している第1の抗癌療法による治療と、第2の抗癌療法による治療とが終了した後に終了する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、継続した第1の抗癌療法による治療の全過程にわたって投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、継続している第1の抗癌療法による治療と、第2の抗癌療法による治療との全過程にわたって投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、継続している第1の抗癌療法による治療と、第2の抗癌療法による治療に重複させて、一定期間にわたって投与され、例えば、イブルチニブによる治療は、継続している第1の抗癌療法による治療と、第2の抗癌療法による治療とが終了する前に終了され;イブルチニブによる治療は、継続している第1の抗癌療法による治療と、第2の抗癌療法による治療とが終了した後に終了する。
いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与後に治療レジメンを評価又は分析するために使用される。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、治療の全過程の間、毎日、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、2週間に1回、1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、又はそれ以上の回数で測定される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CCR1、CCR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD26、CD28、CD30、CD81、CD94、CD119、CD183、CD184、CD195、CD212、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、IL−15、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、ST2L/T1、Tim−1、Tim−3、GM−CSF、グランザイムB、IFN−α、IFN−γ、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、TNF−α、TRANCE、sCD40L、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはTh1関連マーカーである。いくつかの実施形態では、Th1関連マーカーとしては、CCR1、CD4、CD26、CD94、CD119、CD183、CD195、CD212、GM−CSF、グランザイムB、IFN−α、IFN−γ、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、Tim−3、TNF−α、TRANCE、及びsCD40Lが挙げられる。いくつかの実施形態では、Th1バイオマーカーはIFN−γである。いくつかの実施形態では、Th1バイオマーカーはIL−2である。いくつかの実施形態では、Th1バイオマーカーはIL−12である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはTh2関連マーカーである。いくつかの実施形態では、Th2関連マーカーとしては、CCR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD30、CD81、CD184、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、IL−15、ST2L/T1、及びTim−1が挙げられる。いくつかの実施形態では、Th2バイオマーカーはIl−4である。いくつかの実施形態では、Th2バイオマーカーはIL−10である。いくつかの実施形態では、Th2バイオマーカーはIL−13である。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、バイオマーカープロファイルをもとに修正される。いくつかの実施形態では、患者に投与される共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の量は、バイオマーカープロファイルに基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、患者に対する共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与頻度は、バイオマーカープロファイルに基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、サイトカインバイオマーカープロファイルを使用して、患者におけるTh1:Th2比を算出する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤による治療は、Th1:Th2比をもとに修正される。いくつかの実施形態では、患者に投与される共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の量は、Th1:Th2に基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、患者に対する共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与頻度は、Th1:Th2に基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、患者サンプルにおいて、Th2バイオマーカーを発現している細胞数が測定される。いくつかの実施形態では、Th2バイオマーカーを発現する細胞数は、患者サンプル中で測定される。いくつかの実施形態では、Th1:Th2比は、患者サンプル中の、Th1バイオマーカーを発現している細胞数と、Th2バイオマーカーを発現している細胞数とに基づき算出される。いくつかの実施形態では、Th1:Th2比は、患者サンプルにおけるTh1バイオマーカーの総発現と、Th2バイオマーカーの総発現とに基づき算出される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、イブルチニブの投与後に治療過程を評価又は分析するため測定される。いくつかの実施形態では、バイオマーカープロファイルは、治療の全過程の間、毎日、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、2週間に1回、1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、又はそれ以上の回数で測定される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CCR1、CCR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD26、CD28、CD30、CD81、CD94、CD119、CD183、CD184、CD195、CD212、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、IL−15、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、ST2L/T1、Tim−1、Tim−3、GM−CSF、グランザイムB、IFN−α、IFN−γ、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、TNF−α、TRANCE、sCD40L、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはTh1関連マーカーである。いくつかの実施形態では、Th1関連マーカーとしては、CCR1、CD4、CD26、CD94、CD119、CD183、CD195、CD212、GM−CSF、グランザイムB、IFN−α、IFN−γ、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18R、IL−23、IL−27、IL−27R、リンホトキシン、パーフォリン、t−bet、Tim−3、TNF−α、TRANCE、及びsCD40Lが挙げられる。いくつかの実施形態では、Th1バイオマーカーはIFN−γである。いくつかの実施形態では、Th1バイオマーカーはIL−2である。いくつかの実施形態では、Th1バイオマーカーはIL−12である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはTh2関連マーカーである。いくつかの実施形態では、Th2関連マーカーとしては、CCR3、CCR4、CCR7、CCR8、CD4、CD30、CD81、CD184、CD278、c−maf、CRTH2、Gata−3、GM−CSF、IFN γR、IgD、IL−1R、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、IL−15、ST2L/T1、及びTim−1が挙げられる。いくつかの実施形態では、Th2バイオマーカーはIl−4である。いくつかの実施形態では、Th2バイオマーカーはIL−10である。いくつかの実施形態では、Th2バイオマーカーはIL−13である。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、バイオマーカープロファイルに基づき修正される。いくつかの実施形態では、患者に投与されるイブルチニブの量は、バイオマーカープロファイルに基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、患者に対するイブルチニブの投与の頻度は、バイオマーカープロファイルに基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、サイトカインバイオマーカープロファイルを使用して、患者におけるTh1:Th2比を算出する。いくつかの実施形態では、イブルチニブによる治療は、Th1:Th2比に基づき修正される。いくつかの実施形態では、患者に投与されるイブルチニブの量は、Th1:Th2比に基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、患者に対するイブルチニブの投与の頻度は、Th1:Th2比に基づき増減され、又は変更されない。いくつかの実施形態では、患者サンプルにおいて、Th1バイオマーカーを発現している細胞数が測定される。いくつかの実施形態では、患者サンプルにおいて、Th2バイオマーカーを発現している細胞数が測定される。いくつかの実施形態では、Th1:Th2比は、患者サンプル中の、Th1バイオマーカーを発現している細胞数と、Th2バイオマーカーを発現している細胞数とに基づき算出される。いくつかの実施形態では、Th1:Th2比は、患者サンプルにおけるTh1バイオマーカーの総発現と、Th2バイオマーカーの総発現とに基づき算出される。
いくつかの実施形態では、アジュバント療法は、単独投与を含む。いくつかの実施形態では、アジュバント療法は、投与サイクルを複数含む。いくつかの実施形態では、投与のサイクルは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、投与サイクルは、サイクルにわたって、単回治療投与量(single therapeutic dosage)の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与サイクルは、サイクルにわたって2通り以上の異なる投与量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与量は、継続的なサイクルにわたって変化する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与量は、継続的なサイクルにわたって増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与量は、継続的なサイクルにわたって同一である。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、約1週間から5年間にわたって投与される。
いくつかの実施形態では、アジュバント療法は、1日投与量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与される1日投与量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、約10mg/日〜約2000mg/日、例えば、約40mg/日〜約1500mg/日、例えば、約40mg/日〜約1000mg/日、例えば、約100mg/日〜約1000mg/日、例えば、約250mg/日〜約850mg/日、例えば、約300mg/日〜約600mg/日である。特定の実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の1日投与量は、約420mg/日である。特定の実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤はイブルチニブであり、1日投与量は約420mg/日である。特定の実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の1日投与量は、約140mg/日である。特定の実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤はイブルチニブであり、1日投与量は約140mgイブルチニブ/日である。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、約1日〜約1週間、約2週間〜約4週間、約1ヶ月〜約2ヶ月、約2ヶ月〜約4ヶ月、約4ヶ月〜約6ヶ月、約6ヶ月〜約8ヶ月、約8ヶ月〜約1年、約1年〜約2年間、又は約2年間〜約4年間若しくはそれ以上の期間にわたって継続的に、1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、隔週、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、1日おき、毎日、1日2回、1日3回又はそれ以上投与される。特定の実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤はイブルチニブであり、約1日〜約1週間、約2週間〜約4週間、約1ヶ月〜約2ヶ月、約2ヶ月〜約4ヶ月、約4ヶ月〜約6ヶ月、約6ヶ月〜約8ヶ月、約8ヶ月〜約1年、約1年〜約2年間、又は約2年間〜約4年間若しくはそれ以上の期間にわたって継続的に、1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、隔週、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、1日おき、毎日、1日2回、1日3回又はそれ以上投与される。特定の実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤、すなわちイブルチニブは、1日1回投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、任意の好適な投与経路により投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、経口投与される。
いくつかの実施形態では、DFS又はOSは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与後に評価される。いくつかの実施形態では、DFS又はOSは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の開始から約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年間、又はそれ以上経過後に評価される。
いくつかの実施形態では、投与サイクルは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を、追加の療法と組み合わせて投与することを含む。一部の実施例では、追加の療法剤は、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と同時に、連続的に、又は断続的に投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤及び追加の療法剤は、単一の組成物として投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤及び追加の療法剤は、別個の組成物として投与される。
一部の実施例では、追加の療法剤又は生物由来物質は抗癌剤である。一部の実施例では、追加の療法剤は、固形腫瘍を治療するための抗癌剤である。一部の実施例では、追加の療法剤は、血液がんを治療するための抗癌剤である。いくつかの実施形態では、追加の療法剤は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫を治療するための抗癌剤である。いくつかの実施形態では、追加の療法剤は、膀胱癌、乳癌、大腸癌、膵癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、及び近位又は遠位胆管癌を治療するための抗癌剤である。共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて実施するための抗癌療法の例が本明細書内に提供されており、限定するものではないが、化学療法剤、生物由来物質、放射線療法、温熱療法、又は手術が挙げられる。特定の実施形態では、抗癌剤は抗CD 20抗体(例えば、リツキサン)である。特定の実施形態では、抗癌剤ベンダムスチン。いくつかの実施形態では、追加の抗癌剤は可逆的TECファミリーキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の抗癌剤は可逆的ITK阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の抗癌剤はITKを結合する際にシステイン442に依存しない可逆的BTK阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の抗癌剤は可逆的BTK阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の抗癌剤は、BTKを結合する際にシステイン481に依存しない可逆的BTK阻害剤である。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、単独で投与される(例えば、単独療法)。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、追加の化学療法剤又は生物由来物質と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、追加の化学療法剤又は生物由来物質は、抗体、B細胞受容体経路阻害剤、T細胞受容体阻害剤、PI3K阻害剤、IAP阻害剤、mTOR阻害剤、放射免疫療法剤、DNA傷害剤、プロテアソーム阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDCA)阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、IRAK阻害剤、ヘッジホッグ阻害剤、Hsp90阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、Jak1/2阻害剤(例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、CYT387、レスタウリチニブ(lestauritinib)、パクリチニブ、TG101348、SAR302503、トファシチニブ(ゼルヤンツ)、エタネルセプト(エンブレル)、BLPG0634、R256)、プロテアーゼ阻害剤、PKC阻害剤、PARP阻害剤、プロテオソーム阻害剤、CYP3A4阻害剤、AKT阻害剤、Erk阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物性アルカロイド、テルペノイド、細胞毒、トポイソメラーゼ阻害剤、又はそれらの組み合わせの中から選択される。いくつかの実施形態では、B細胞受容体経路阻害剤は、CD79A阻害剤、CD79B阻害剤、CD19阻害剤、Lyn阻害剤、Syk阻害剤、PI3K阻害剤、Blnk阻害剤、PLCγ阻害剤、PKCβ阻害剤、CD22阻害剤、Bcl−2阻害剤、IRAK 1/4阻害剤、微小管阻害剤、Topo II阻害剤、抗TWEAK、抗IL17二重特異性抗体、CK2阻害剤、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)及びc−Met阻害剤、T細胞受容体阻害剤は、ムロモナブ−CD3、脱メチル化酵素阻害剤(脱メチル化酵素、HDM、LSDI及びKDMなど)、脂肪酸合成酵素阻害剤(スピロピペリジン誘導体など)、糖質コルチコイド受容体活性化剤、融合抗CD19細胞傷害性薬物コンジュゲート、代謝拮抗剤、p70S6K阻害剤、免疫モジュレーター、AKT/PKB阻害剤、プロカスパーゼ3アクチベーターPAC−1、BRAF阻害剤、乳酸脱水素酵素A(LDH−A)阻害剤、CCR2阻害剤、CXCR4阻害剤、ケモカイン受容体拮抗剤、DNA二本鎖切断修復阻害剤、NOR202、GA−101、TLR2阻害剤、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、化学療法剤又は生物由来物質は、リツキシマブ、カーフィルゾミブ、フルダラビン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニザロン(prednisalone).クロラムブシル、イホスファミド、ドキソルビシン、メサラジン、サリドマイド、レナリドミド、テムシロリムス、エベロリムス、フォスタマニチブ(fostamatinib)、パクリタキセル、ドセタキセル、オファツムマブ、デキサメタゾン、プレドニゾン、CAL−101、イブリツモマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、ペントスタチン、エンドスタチン、リトナビル、ケトコナゾール、抗VEGF抗体、ハーセプチン、セツキシマブ、シスプラチン、カルボプラチン、ドセタキセル、エルロチニブ、エトピシド(etopiside)、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、イホスファミド、イマチニブメシル酸塩(グリベック)、ゲフィチニブ、プロカルバジン、プレドニゾン、イリノテカン、ロイコボリン、メクロレタミン、メソトレキセート、オキサリプラチン、パクリタキセル、ソラフェニブ、スニチニブ、トポテカン、ビンブラスチン、ジスルフィラム、没食子酸エピガロカテキン、サリノスポラミドA、ONX0912、CEP−18770、MLN9708、R−406、レナリノミド(lenalinomide)、スピロピペリジン誘導体、キナゾリンカルボキサミドアゼチジン化合物、チオテパ、DWA2114R、NK121、IS 3 295、254−S、スルホン酸アルキル(ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなど)、アジリジン(ベンゾデパ(benzodepa)、カルボコン、メツレデパ(meturedepa)、及びウレデパ(uredepa)など)、エチレンイミン、メチルメラミン(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチルメラミンなど)、クロルナファジン、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、オキシド塩酸塩、ノボビオシン、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ニトロソウレア(カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなど)、抗生物質(アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(カクチノマイシン(cactinomycin))、カリチアマイシン、カルビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなど)、代謝拮抗剤(メソトレキセート及び5−フルオロウラシル(5−FU)など)、葉酸類似体(デノプテリン、メソトレキセート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサート)、プリン類似体(フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニンなど)、ピリミジン類似体(アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなど)、男性ホルモン剤(カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン(Dromostanolone propionate)、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど)、抗副腎性製剤(アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなど)、葉酸補給剤(フォリン酸など)、アセグラトン、アルドフォスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトレキサート、デホスファミド、デメコルチン、ジアジクオン、エフロルニチン、酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate)、エトグルシド、ガリウム硝酸塩、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダミン、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール、ニトラクリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ポドフィリン酸、2−エチルヒドラジン、プロカルバジン、クレスチン、ラゾキサン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム(spirogermanium)、テヌアゾン酸、トリアジコン、2、2’,2”−トリクロロトリエチルアミン、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン(gacytosine)、シトシンアラビノシド、タキソイド、例えば、パクリタキセル及びドセタキセル、6−チオグアニン、メルカプトプリン、メソトレキセート、白金類似体、白金、エトポシド(VP−16)、イホスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ナベルビン、ノバントロン、テニポシド、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、CPT1 1、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイン酸、エスペラマイシン(esperamycin)、カペシタビン、及びそれらの医薬的に許容され得る塩、酸、又は誘導体、抗ホルモン剤(抗エストロゲンなど、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼを阻害する4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン(onapristone)及びトレミフェンフェアストンなど)、抗男性ホルモン剤(フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリンなど)、又はこれらの組み合わせの中から選択される。いくつかの実施形態では、化学療法剤又は生物由来物質は、AVL−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(同様に、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)又はこれらの組み合わせの中から選択される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫を治療するための追加の化学療法剤又は生物由来物質と組み合わせて投与される。白血病、リンパ腫、又は骨髄腫を治療するための化学療法剤の例としては、限定するものではないが、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、ベキサール、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ブレノキサン、ボルテゾミブ、ダカルバジン、デルタゾン、シスプラチン、シクロホスファミド、サイトキサン、DTICダカルバジン、ダサチニブ、ドキソルビシン、エトポシド、フルダラビン、グラニセトロン、カイトリル、レナリドミド、マツラン(matulane)、メクロレタミン、マスタージェン、ムスチン、ナツラン、リツキサン(リツキシマブ、抗CD20抗体)、VCR、Neosar、ナイトロジェンマスタード、オンコビン、オンダンセトロン、オラソン、プレドニゾン、プロカルバジン、サリドマイド、VP−16、ベルバン、ベルベ(velbe)、ヴェルサー(velsar)、VePesid、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ゼヴァリン(登録商標)、ゾフラン、幹細胞移植、放射線療法又はこれらの組み合わせ(例えば、ABVD(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン及びダカルバジン)、ChlvPP(クロラムブシル、ビンブラスチン、プロカルバジン及びプレドニゾロン)、スタンフォードV(ムスチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、エトポシド及びステロイド)、BEACOPP(ブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン及びプレドニゾロン)、BEAM(カルムスチン(BiCNU)エトポシド、シタラビン(Ara−C、シトシンアラビノシド)、及びメルファラン)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、R−CHOP(リツキシマブ、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、及びプレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、ICE(イホスファミド−カルボプラチン−エトポシド)、R−ACVBP(リツキシマブ、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンデシン、ブレオマイシン、及びプレドニゾン)、DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビン、(Ara C)、シスプラチン)、R−DHAP(リツキシマブ、デキサメタゾン、高用量シタラビン、(Ara C)、シスプラチン)、ESHAP(エトポシド(VP−16)、メチル−プレドニゾロン、及び高用量シタラビン(Ara−C)、シスプラチン)、CDE(シクロホスファミド、ドキソルビシン及びエトポシド)、ベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ)+ドキシル(登録商標)(リポソームドキソルビシン)、レブラミド(登録商標)(レナリドミド)+デキサメタゾン、及びボルテゾミブ+デキサメタゾンなど)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗癌剤はフルダラビンである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はベンダムスチンである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はリツキサンである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はダサチニブである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はHDAC阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤はCYP3A4阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤はカーフィルゾミブである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はボルテゾミブ(Veload)である。いくつかの実施形態では、抗癌剤はIRAK阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤はレブラミドである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はレナリドミドである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はデキサメタゾンである。いくつかの実施形態では、抗癌剤はプロテアーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤はJAK阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤はAKT阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤はErk阻害剤である。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、単独で投与される(例えば、単独療法)。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、追加の療法と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、免疫療法と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、T細胞免疫療法は、養子T細胞移入、ワクチン、サイトカイン、インターロイキン、ケモカイン、サイトカイン誘導因子、インターロイキン誘導因子、ケモカイン誘導因子、又は免疫調節抗体の中から選択される。いくつかの実施形態では、ワクチンは、例えば、シプロイセルTなどの抗癌ワクチンである。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗癌剤、抗ウイルス剤、又は抗菌剤と組み合わせて投与される。
病原性感染症を治療するためのアジュバント
本明細書に記載の特定の実施形態は、免疫異常を治療するためのアジュバント療法の方法である。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、免疫異常を有する対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼを投与して免疫異常を治療することを含む。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、免疫異常を有する対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼを投与して免疫異常と関連する病原性感染症を治療することを含む。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、病原性感染症を有する対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼを投与して病原性感染症を治療することを含む。
本明細書に記載の特定の実施形態は、障害性Th1免疫応答又は過敏性Th2応答を特徴とする免疫異常を治療するためのアジュバント療法の方法である。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、障害性Th1免疫応答又は過敏性Th2応答を特徴とする免疫異常を有する対象に、有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して、対象においてTh1免疫応答を増加させること又はTh2応答を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、対象は病原性感染症を有する。いくつかの実施形態では、疾患又は状態はTh2活性の上昇と関連付けられ、例えば、アレルギー性障害又は喘息性障害である。いくつかの実施形態では、病原性感染症は、ウイルス、細菌、真菌、又は寄生生物感染症を有する。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は自己免疫性関節炎である。いくつかの実施形態では、免疫異常は、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、分類不能T細胞リンパ腫(U−PTCL)、リウマチ様関節炎、気管支ぜんそく、アレルギー性気管支炎疾患又は再生不良性貧血である。
いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、個体における病原性感染症を治療するためのものである。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、個体において病原性感染症を治療するためのものであり、病原性感染症は、障害性Th1免疫応答又は過敏性Th2応答を特徴とする。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、対象に有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与して、病原性感染症を治療することを含む。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、対象に、有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を、1種又はそれ以上の療法剤と組み合わせて投与して、病原性感染症を治療することを含む。
いくつかの実施形態では、アジュバント療法の方法は、ウイルス感染症を治療するためのものである。いくつかの実施形態では、対象は、慢性ウイルス感染症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、急性ウイルス感染症を有する。
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、DNAウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、アデノウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、肝炎ウイルスである。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、RNAウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、レオウイルス、ピコルナウイルス、カリシウイルス、トガウイルス、アレナウイルス、フラビウイルス、オルソミクソウイルス、パラミクソウイルス、ブニヤウイルス、ラブドウイルス、フィロウイルス、コロナウイルス、アストロウイルス、ボルナウイルス、アルテリウイルス、又はヘペウイルスである。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、レトロウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、B型肝炎感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、細胞質ウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、細胞核ウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、肝炎ウイルス(例えば、HCV)、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス感染症、麻疹ウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ヒトヘルペスウイルス(HHV−6A、−6B、7)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス、呼吸器多核体ウイルス、又は慢性肉芽腫症疾患である。
特定の実施形態では、急性ウイルス感染症から慢性ウイルス感染症へのウイルス感染症の進行は、Th2免疫プロファイルの上昇及びTh1免疫プロファイルの減少により特徴付けられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、急性ウイルス感染症から慢性ウイルス感染症へのウイルス感染症の進行を阻害又は遅延させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、慢性ウイルス感染症を有する対象においてTh1免疫応答が上昇する。
いくつかの実施形態では、対象は、肝炎感染症を有する。いくつかの実施形態では、肝炎感染症は、A型肝炎感染症である。いくつかの実施形態では、肝炎感染症は、B型肝炎感染症である。いくつかの実施形態では、肝炎感染症は、C型肝炎感染症である。いくつかの実施形態では、肝炎感染症は、D型肝炎感染症である。いくつかの実施形態では、肝炎感染症は、E型肝炎感染症である。いくつかの実施形態では、肝炎感染症は、HCV感染症である。いくつかの実施形態では、HCV感染症を有する対象は、複数の遺伝子型のHCVにより感染されている。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子型のHCVには、1型、2型、3型、4型、5型、又は6型、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。1型は更に1a又は1bとして定義される。2型は更に2a、2b、2c、又は2dとして定義される。3型は更に3a、3b、3c、3d、3e、又は3fとして定義される。4型は更に4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、又は4jとして定義される。5型は更に5aとして定義される。6型は、更に6aとして定義される。いくつかの実施形態では、複数のHCV遺伝子型には、1型及び2型、又はこれらの任意の組み合わせが包含される。いくつかの実施形態では、複数のHCV遺伝子型には、1型及び3型、又はこれらの任意の組み合わせが包含される。いくつかの実施形態では、複数のHCV遺伝子型には、1型、2型、及び3型、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、対象は、慢性HCV感染症を有する。いくつかの実施形態では、慢性HCV感染症は、6ヶ月以上にわたって血中に抗HCV及びHCV RNAが存在することを特徴とする。いくつかの実施形態では、対象は、急性HCV感染症を有する。いくつかの実施形態では、急性HCV感染症は、HCVの初回暴露から6ヶ月以内の間、血中に抗HCV及びHCV RNAが存在することを特徴とする。いくつかの実施形態では、対象は、潜伏性HCV感染症を有する。いくつかの実施形態では、潜伏性HCV感染症は、肝細胞中にHCV−RNAが存在し、抗HCV及び血中ウイルスRNAは未検出であることを特徴とする。
特定の実施形態では、急性ウイルス性感染症から慢性ウイルス感染症へのHCV感染症の進行は、Th2免疫プロファイルの上昇及びTh1免疫プロファイルの減少を特徴とする。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、急性HCV感染症から慢性HCV感染症へのHCV感染症の進行を阻害又は遅延させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、慢性HCV感染症を有する対象においてTh1免疫応答が上昇する。
いくつかの実施形態では、対象は、インフルエンザ感染症を有する。いくつかの実施形態では、インフルエンザ感染症を有する対照は、A型インフルエンザウイルスに感染している。いくつかの実施形態では、インフルエンザAウイルスには、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、及びH7N9の全ての亜型が包含される。
いくつかの実施形態では、対象はAIDSを有する。いくつかの実施形態では、AIDSを有する対象は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している。いくつかの実施形態では、HIVは、HIV−1及びHIV−2を包含する。
いくつかの実施形態では、対象は、細菌感染症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、慢性細菌感染症を有する。いくつかの実施形態では、バクテリアは、細胞内バクテリアである。いくつかの実施形態では、対象は、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)感染症を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、細菌感染症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、慢性細菌感染症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、寄生生物感染症を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、イヌ、ネコ、又はウシなどの哺乳類である。いくつかの実施形態では、哺乳類はヒトである。いくつかの実施形態では、ヒトは、HCV感染症を有する患者である。いくつかの実施形態では、患者は、慢性HCV感染症を有する。いくつかの実施形態では、慢性HCV感染症を有する患者は、慢性HCVを有する任意の患者を意味し、かつ初回治療の患者、再燃患者、及び非応答者を包含する。いくつかの実施形態では、患者は、複数種のウイルスにより生じた感染症を有する。いくつかの実施形態では、患者は、一次感染症と、それに続く二次感染症を有する。いくつかの実施形態では、患者は、HCV及びHIVにより生じた感染症を有する。いくつかの実施形態では、一次感染症はHIV感染症であり、二次感染症はウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、又は寄生生物感染症である。いくつかの実施形態では、一次感染症はHIV感染症であり、二次感染症はHCV感染症である。
アジュバント治療レジメン
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、T細胞免疫療法と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、T細胞免疫療法は、養子T細胞移入、ワクチン、サイトカイン、インターロイキン、ケモカイン、サイトカイン誘導因子、インターロイキン誘導因子、ケモカイン誘導因子、又は免疫調節抗体の中から選択される。いくつかの実施形態では、ワクチンは、例えば、シプロイセルTなどの抗癌ワクチンである。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ウイルス感染症を治療するため単独(例えば、単独療法)で投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗ウイルス剤と組み合わせて投与される。アジュバント療法のため共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗ウイルス剤の例としては、限定するものではないが、免疫賦活剤、例えば、インターフェロン(例えば、αインターフェロン、βインターフェロン、γインターフェロン、ペグ化αインターフェロン、ペグ化βインターフェロン、ペグ化γインターフェロン及びこれらの内の任意の2つ以上の混合物)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エキナシン、イソプリノシン、免疫賦活剤、生分解性マイクロスフェア(例えば、ポリ乳酸ガラクトシド(polylactic galactide))及びリポソーム(化合物が組み込まれているもの)、及び胸腺因子、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メソトレキセート、シクロホスファミド、FK 506、コルチゾール、βメタゾン、コルチゾン、デサメタゾン(desametasone)、フルニソリド、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、アルクロメタゾン、アムシノニドデソニド(amcinonide desonide)、デソキシメタゾン、プレドニゾン、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、及びタクロリムス、ヌクレオシド、及びヌクレオチド抗ウイルス剤、例えば、アバカビル、アシクロビル(ACV)、アデホビル、ジドブジン(ZDV)、リバビリン、ラミブジン、アデホビル及びエンテカビル、テノホビル、エムトリシタビン、テルブビジン(telbuvidine)、クレブジン、バルトルシタビン、シドホビル、及びそれらの誘導体;プロテアーゼ阻害剤、例えば、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、アタザナビル、ボセプレビル、及びHCV NS3プロテアーゼ阻害剤;イノシン5’−一リン酸脱水素酵素(IMPDH)阻害剤、例えば、メリメポジブ(merimepodib)(VX−497);ウイルス侵入阻害剤;ウイルス成熟阻害剤;ウイルス脱殻阻害剤、例えば、アマンタジン、リマンタジン、プレコナリル、及びそれらの誘導体;インテグラーゼ阻害剤;ウイルス酵素阻害剤;アンチセンス抗ウイルス剤分子;リボザイム抗ウイルス剤、例えば、RNase Pリボザイム、ナノビリシド(nanoviricide)、アンチセンス抗ウイルス剤分子、限定するものではないが、ウイルス遺伝子及び抗体を認識及び不活性化するよう設計されたオリゴヌクレオチド、などが挙げられる。
本明細書において提供される共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗体としては、限定するものではないが、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、合成抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、細胞内抗体、短鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、及び抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本明細書に提供される抗体に対する抗Id抗体)、並びに上記の任意のエピトープ結合断片が挙げられる。本明細書において提供される、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗体は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgGi、IgG2、IgG3、IgG4、IgAi、及びIgA2)、又は亜種の免疫グロブリン分子であってよい。
本明細書において提供される共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗体は、鳥類及び哺乳類(例えば、ヒト、マウス、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、サメ、ラマ、又はニワトリ)などの任意の動物由来のものであってよい。典型的には、本明細書において提供される共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗体は、ヒト又はヒト化抗体である。本明細書において提供される共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗体は、多重特異性、二重特異性、三重特異性、又はそれ以上の多重特異性のものであってよい。
本明細書において提供される共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗体としては、例えば、抗体に任意の種類の分子を付着させることにより改変した誘導抗体、又は例えば共有結合などによるそれらの抗原結合断片が包含され得る。抗体、又はそれらの抗原結合断片誘導体の例としては、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解、細胞リガンド若しくはその他のタンパク質への連結により改変された抗体が挙げられ、これらの抗体又は誘導体は、FcRN受容体に対し高親和性を有する異種Fcドメインを含有する(例えば、米国特許第7,083,784号を参照されたい)。限定するものではないが、特異的な化学的分解、アセチル化,ホルミル化、又はツニカマイシンの存在下での合成などの公知の方法により、任意の数多くの化学的改変を実施することができる。加えて、誘導体には、1種又はそれ以上の非古典的なアミノ酸を含有させることができる。
いくつかの実施形態では、抗体としては、アクトクスマブ(actoxumab)、ベズロトクスマブ(bezlotoxumab)、アフェリモマブ、バビツキシマブ、CR6261、エドバコマブ、エフンフマブ(efungumab)、フェルビズマブ(felvizumab)、イバリズマブ(ibalizumab)、リビビルマブ(libivirumab)、モタビズマブ、ネバクマブ、パギバキシマブ、パリビズマブ、パノバクマブ(panobacumab)、ピリジズマブ(pidilizumab)、PRO 140、ラフィビルマブ(rafivirumab)、レガビルマブ、セビルマブ(sevirumab)、スビズマブ(suvizumab)、及びテフィダズマブ(tefibazumab)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、細胞性粘膜免疫などの細胞性免疫を刺激し得る1種又はそれ以上の剤と組み合わせて投与される。細胞性免疫を刺激し得る任意の剤を使用できる。免疫刺激剤の例としては、サイトカイン、例えば、限定するものではないが、インターフェロン(例えば、IFN−a、β、γ、ω)、リンホカイン、並びに造血増殖因子、例えば、GM−CSF、(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−14(IL−14)、及び腫瘍壊死因子(TNF)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は抗ウイルス剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染症患者において、ウイルスに対するTh1応答(例えば、ウイルス感染している細胞に対するTh1応答)を促進することにより抗ウイルス剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗ウイルス剤と組み合わせて投与したときに、対象のウイルスクリアランスを向上させる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症を有する対象は、過敏性Th2応答を有する。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症を有する対象は、ウイルスに対する防御的Th1応答を有する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、細菌感染症を治療するため単独(例えば、単独療法)で投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗菌剤と組み合わせて投与される。アジュバント療法のため共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用する抗菌剤の例としては、限定するものではないが、アミノグリコシド、例えば、アミカシン、アルベカシン、ベカナマイシン、ジベカシン、フラマイセチン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、ロドストレプトマイシン、スペクチノマイシン、ハイグロマイシンB、パロモマイシン硫酸塩、シソマイシン、イセパマイシン、ベルダマイシン(verdamicin)、アストロマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、及びアプラマイシン;アンサマイシン、例えば、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、リファキシミン又はストレプトマイシン;カルバペネム(β−ラクタム)例えば、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ドリペネム、パニペネム/βミプロン(mipron)、ビアペネム、ラズペネム(razupenem)、テビペネム、レナペネム又はトモペネム(tomopenem);セファロスポリン、例えば、セファセトリル(セファセトリル)、セファドロキシル(ドゥリチェフ(Duricef))、セファレキシン(ケフレックス)、セファログリシン、セファロニウム、セファロリジン(セファロラジン(cephaloradine))、セファロチン(ケフリン)、セファピリン(セファドリル(Cefadryl))、セファトリジン、セファザフル、セファゼドン、セファゾリン(アンセフ、ケフゾール(Kefzol))、セフラジン(ベロセフ(Velosef))、セフロキサジン、セフテゾールセファクロル(セクロール、ジスタクロール(Distaclor)、ケフラール、ラニクロール(Raniclor))、セフォニシド(モシド(Monocid))、セフプロジル(セフプロキシル(cefproxil);セフジル(Cefzil))、セフロキシム(ゼフ(Zefu)、ジンナット、ジナセフ、セフチン、ビオフロキシム(Biofuroksym)、エクスオリマックス(Xorimax))、セフォペラゾン(Cefobid)、セフタジジム(ミーザット(Meezat)、フォータム(Fortum)、フォルタズ)、セフトビプロール、セフタロリン;糖ペプチド抗生物質(バンコマイシン、テイコプラニン、テラバンシン、ブレオマイシン、ラモプラニン、及びデカプラニン;リンコサミド、例えば、クリンダマイシン又はリンコマイシンなど;リポペプチド、例えば、ダプトマイシン;マクロライド、例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、ジョサマイシン、キタサマイシン、ミデカマイシン、オレアンドマイシン、ソリスロマイシン、スピラマイシン、トロレアンドマイシン、又はタイロシン;ケトライド、例えば、テリスロマイシン、セスロマイシン、ソリスロマイシン、スピラマイシン、アンサマイシン、オレアンドマイシン、又はカルボマイシン;モノバクタム、例えば、アズトレオナム;ニトロフラン、例えば、フラゾリドン、フリルフラマイド、ニトロフラントイン、ニトロフラゾン、ニフラテル、ニフルキナゾール、ニフルトイノール、ニフロキサジド又はランベゾリド;オキサゾリジノン、例えば、リネゾリド、ポシゾリド、トレゾリド、ラデゾリド、サイクロセリン、リバロキサバン又はオキサゾリジノン及びその誘導体;ペニシリン類、例えば、全ての天然のペニシリン類(例えば、P.クリソゲナム(P. chrysogenum)より天然に産生されるペニシリン類、例えば、ペニシリンG)、生合成ペニシリン(例えば、酸側鎖が培地に添加された場合にP.クリソゲナムスルー(P. chrysogenumthrough)の直接生合成により産生されるペニシリン類−例えば、ペニシリンV))、半合成ペニシリン(天然又は生合成ペニシリンから化学的な手法により作製されたペニシリン−例えば、アンピシリン)、合成ペニシリン(例えば、完全に合成により作製されたペニシリン)、アジピル−6−APA、アモキシシリン、アンピシリン、ブチリル−6−APA、デカノイル−6−APA、ヘプタノイル−6−APA、ヘキサノイル−6−APA、ノナノイル−6−APA、オクタノイル−6−APA、ペニシリンF、ペニシリンG、ペニシリンV、ペニシリンmX、ペニシリンX、2−チオフェニルアセチル−6−APA、又はバレリル−6−APA、アズロシリン、フルクロキサシリン、アモキシシリン/クラブラン酸、アンピシリン/スルバクタム、ピペラシリン/タゾバクタム、チカルシリン/クラブラン酸;ポリペプチド、例えば、バシトラシン、コリスチン又はポリミキシンB;キノロン、例えば、シノキサシン、ナリジクス酸、オキソリン酸、ピロミド酸、ピペミド酸、ロソキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、イオメフロキサシン(iomefloxacin)、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、ルフロキサシン、バロフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、パズフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン、トロバフロキサシン、プルリフロキサシン、デラフロキサシ、JNJ−Q2又はネモノキサシン(nemonoxacin);スルホンアミド、例えば、マフェニド、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、TMP−SMX、又はスルホンアミドクリソイジン(sulfonamidochrysoidine);テトラサイクリン、例えば、天然に生じるテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、デオキシサイクリン、リメサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、又はロリテトラサイクリン;抗マイコバクテリア剤、例えば、クロファジミン、ダプソン、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピン(リファンピシン)、リファブチン、リファペンチン、又はストレプトマイシンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は抗菌剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染している対象において、細菌に対するTh1応答(例えば、細胞内細菌に感染した細胞に対するTh1応答)を促進させることにより、抗菌剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染している対象において、細菌に対するTh17応答を促進させることにより、抗菌剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、細菌は、細胞内細菌である(例えば、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、シゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)、エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis))。いくつかの実施形態では、細菌は、細胞外細菌である(例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoea)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneimoniae)、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenza)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、サルモネラ(Salmonella)、クロストリジウム(Clostridium))。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗菌剤と組み合わせて投与したときに、対象の細菌クリアランスを向上させる。いくつかの実施形態では、細菌感染症を有する対象は、過敏性Th2応答を有する。いくつかの実施形態では、細菌感染症を有する対象は、細菌に対する防御的Th1又はTh17応答を有する。
いくつかの実施形態では、患者はリステリア症(すなわち、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)感染症)を有する。いくつかの実施形態では、リステリア症を有する患者は、リステリア症のアジュバント療法のため、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与される。いくつかの実施形態では、リステリア症を有する患者は、リステリア症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて、共有結合型ファミリーキナーゼ阻害剤を投与される。リステリア症を治療するための療法の例としては、限定するものではないが、アンピシリン及びゲンタマイシン、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、エリスロマイシン、バンコマイシン、及びフルオロキノロンなどの抗生物質が挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、リステリア症の治療のため、アンピシリン及びゲンタマイシンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、リステリア症の治療のため、アンピシリン及びゲンタマイシンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、リステリア症を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、細菌感染症を治療するため単独(例えば、単独療法)で投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗真菌剤と組み合わせて投与される。アジュバント療法のための共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用する抗真菌剤の例としては、限定するものではないが、ポリエン系抗真菌剤(例えば、アンホテリシンB、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン又はリモシジンなど)、イミダゾール(例えば、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール又はチオコナゾールなど)、トリアゾール(例えば、アルバコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール又はボリコナゾールなど)、チアゾール(例えば、アバフンギン(abafungin)など)、アリルアミン(例えば、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン又はテルビナフィンなど)、エキノキャンディン(アニデュラファンギン、カスポファンギン又はミカファンギンを含む)、抗真菌マクロライド(例えば、アンホテリシンB、ナイスタチン安息香酸などのポリエン抗真菌剤)、シクロピロックス、フルシトシン、グリセオフルビン、ハロプロジン、ポリゴジアール、トルナフテート、ウンデシレン酸、又はクリスタルバイオレット、並びに天然の代替物(例えば、オレガノ、アリシン、シトロネラ油、ココナツ油、ヨード、レモンマートル、ニームシード油、オライフ葉(olife leaf)、オレンジ油、パルマローザオイル、パチョリ、セレン、ティーツリー油、亜鉛、ホロピト(horopito)、カブ、チャイブ、ダイコン及びニンニク)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は抗真菌剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染している対象において、真菌に対するTh17応答を促進させることにより、抗真菌剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染している対象において、真菌に対するTh1応答(例えば、細胞内真菌に感染した細胞に対するTh1応答)を促進させることにより、抗菌剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、真菌は、細胞内真菌である(例えば、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans))。いくつかの実施形態では、細菌は、細胞外真菌である(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、コクシジオイデス(Coccidiodes)、アスペルギルス(aspergillus))。いくつかの実施形態では、細菌感染症を有する対象は、過敏性Th2応答を有する。いくつかの実施形態では、細菌感染症を有する対象は、真菌に対する防御的Th17応答を有する。いくつかの実施形態では、細菌感染症を有する対象は、真菌に対する防御的Th1応答を有する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、寄生生物感染症を治療するため単独(例えば、単独療法)で投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗寄生生物剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。アジュバント療法のため共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗寄生生物剤の例としては、限定するものではないが、抗線虫剤(例えば、メベンダゾール、ピランテルパモ酸塩、チアベンダゾール、ジエチルカルバマジン、又はイベルメクチン)、抗条虫剤(例えば、ニクロサミド、プラジカンテル、又はアルベンダゾール)、抗吸虫剤(例えば、プラジカンテル)、抗アメーバ剤(例えば、ラファンピン(rafampin)又はアンホテリシンB)、抗原生動物剤(例えば、メラルソプロール、エフロルニチン、メトロニダゾール、チニダゾール、又はミルテホシンなど)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は抗寄生生物剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染している対象において、寄生生物に対するTh1応答を促進させることにより、抗寄生生物剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染している対象において、寄生生物に対するTh17応答を促進させることにより、抗寄生生物剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、感染している対象において、寄生生物に対するTh1応答(例えば、細胞内寄生生物に感染した細胞に対するTh1応答)を促進させることにより、抗寄生生物剤の有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、寄生生物は、細胞内寄生生物である(例えば、リーシュマニア(Leishmania))。いくつかの実施形態では、寄生生物は、細胞外寄生生物である。いくつかの実施形態では、寄生生物感染症を有する対象は、過敏性Th2応答を有する。いくつかの実施形態では、寄生生物感染症を有する対象は、寄生生物に対する防御的Th17応答を有する。いくつかの実施形態では、寄生生物感染症を有する対象は、寄生生物に対する防御的Th1応答を有する。
いくつかの実施形態では、患者はリーシュマニア症を有する。いくつかの実施形態では、リーシュマニア症を有する患者は、リーシュマニア症(例えば、リーシュマニア(Leishmania)寄生生物による感染)のアジュバント療法のため、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与される。いくつかの実施形態では、リーシュマニア症を有する患者は、リーシュマニア症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤を投与される。リーシュマニア症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、アンチモン含有化合物(例えば、メグルミンアンチモン酸塩及びスチボグルコン酸ナトリウムなど)、アンホテリシンB、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミルテホシン、パロモマイシン、及びペンタミジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、リーシュマニア症の治療のため、アンチモン含有化合物(例えば、メグルミンアンチモン酸塩及びスチボグルコン酸ナトリウムなど)、アンホテリシンB、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミルテホシン、パロモマイシン、ペンタミジン、又はこれらの任意の組み合わせと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型ファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、リーシュマニア症の治療のため、アンチモン含有化合物(例えば、メグルミンアンチモン酸塩及びスチボグルコン酸ナトリウムなど)アンホテリシンB、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミルテホシン、パロモマイシン、ペンタミジン、又はこれらの任意の組み合わせと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、リーシュマニア症を治療するための1種又はそれ以上の療法剤と、連続的に、同時に又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、原生動物感染症の治療のため、単独(例えば、単独療法)で投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗原生動物剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。アジュバント療法のため、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用するための抗原虫剤の例としては、限定するものではないが、アセタルソール、アザニダゾール、クロロキン、メトロニダゾール、ニフラテル、ニモラゾール、オミダゾール(Omidazole)、プロペニダゾール、セクニダゾール、シネフルンギン(Sineflngin)、テノニトロゾール、テミダゾール(Temidazole)、チニダゾール、及びこれらの医薬的に許容され得る塩若しくはエステルが挙げられる。
特定の例では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、抗ウイルス剤又は抗菌剤を、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の非存在下で抗ウイルス剤又は抗菌剤を投与する際の標準投与量と比較して低投与量で投与して、同様の治療効果を達成することを可能にする。いくつかの実施形態では、HCVの治療のため、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤がリバビリン又はペグインターフェロンα−2aと組み合わせて投与され、標準療法と比較して低投与量でのリバビリン又はペグインターフェロンα−2aの投与が可能になる。特定の例では、個体における慢性HCVを治療するための標準療法は、1日当り100〜200μgのペグインターフェロンα−2a及び1日当り500〜2000mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、ペグインターフェロンα−2aの投与量は、1日当り約135μgのペグインターフェロンα−2aである。いくつかの実施形態では、ペグインターフェロンα−2aの投与量は、1日当り約180μgのペグインターフェロンα−2aである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約500mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約600mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約700mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約800mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約900mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1000mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1100mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1200mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1300mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1400mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1500mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1600mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1700mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1800mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約1900mgのリバビリンである。いくつかの実施形態では、リバビリンの投与量は、1日当り約2000mgのリバビリンである。
いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、ウイルスのライフサイクルの1つ又はそれ以上の工程を阻害する。例えば、いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、ホストT細胞への付着、ホスト細胞へのウイルス核酸又は酵素の放出、ホスト細胞を機械的に使用してのウイルス成分の複製、ウイルス成分の完全なウイルスへの組み立て、又はホスト細胞からのウイルス粒子の放出を阻害する。いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤としては、限定するものではないが、受容体、リガンド、抗体、プロテアーゼ阻害剤、サイトカイン、リボザイム、逆転写酵素阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、HDAC阻害剤、CYP3A4阻害剤、IRAK阻害剤、JAK阻害剤、アンチセンス核酸、又はプリンヌクレオシド類似体が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤としては、限定するものではないが、アシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、バルガンシクロビル、イドクスウリジン、トリフルリジン、ブリブジン、シドホビル、ドコサノール、ホミビルセン、ホスカルネット、トロマンタジン、イミキモド、ポドフィロトキシン、エンテカビル、ラミブジン、テルビブジン、クレブジン、アデホビル、テノホビル、抗ウイルス性のNS5Bポリメラーゼのヌクレオシド阻害剤(例えば、4−アミノ−7−(2−C−メチル−−D−リボフラノシル)−ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン、PSI−7977、PSI−938、メリシタビン、IDX−184、INX−189)、NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤(例えば、テゴブビル、フィリブビル、VX−222、IDX−375、ABT−072、ABT−333、VX−135、セトロブビル、BI207127、JTK−853、GS−9669)、NS3/4プロテアーゼ阻害剤(例えば、ボセプレビル、テラプレビル、Bl−201335、TMC−435、ダノプレビル、バニプレビル、GS−9451、GS−9256、BMS−650032、ACH−1625、ACH−2684、MK−5172、ABT−450、IDX−320、SCH−900518)、NS5A阻害剤(例えば、ダクラタスビル、GS−5885、ABT−267、PPI−461、ACH−2928、GSK2336805)、カーフィルゾミブ、ボルテゾミブ、レブラミド、レナリドミド、デキサメタゾン、ベンダムスチン、プレコナリル、アルビドール、アマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、イノシン、インターフェロン、又はインターフェロン誘導体(例えば、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、ペグインターフェロンα−2a、ペグインターフェロンα−2b)、コンセンサス・インターフェロン(例えば、インターフェロンαcon−1)、組換え型インターフェロンα 2A、リンパ芽球様インターフェロンτ、ペグ化インターフェロンλ、イノシン−5’−一リン酸脱水素酵素(IMPDH)阻害剤、リバビリン/タリバビリン、D−リバビリン、L−リバビリン、アバカビル、エムトリシタビン、ラミブジン、ジダノシン、アスナプレビル、ダクラタスビル、ソフォスブビル、ジドブジン、アプリシタビン、スタンピジン(stampidine)、エルブシタビン(elvucitabine)、ラシビル(racivir)、アムドキソビル、スタブジン、ザルシタビン、テノホビル、エファビレンツ、ネビラピン、エトラビリン、リルピビリン、ロビリド(loviride)、デラビルジン、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビル、ダルナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、チプラナビル、アンプレナビル、インジナビル、エンフビルチド、マラビロク、ビクリビロック、PRO 140、イバリズマブ(ibalizumab)、ラルテグラビル、エルビテグラビル、ベビリマット(bevirimat)、ビベコン(vivecon)が挙げられ、これらの互変異性体、類似体、異性体、多形、溶媒和物、誘導体、又は塩類も包含される。特定の実施形態では、抗ウイルス剤はリバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシイミド)である。
いくつかの実施形態では、抗菌剤としては、限定するものではないが、細菌の細胞壁を標的とする抗菌剤(例えば、ペニシリン及びセファロスポリン)、又は細菌の細胞膜を標的とする抗菌剤(例えば、ポリミキシン)、細菌の必須酵素に干渉する抗菌剤(例えば、リファマイシン、リピアマイシン(lipiarmycins)、キノロン、及びスルホンアミド)、並びに細菌のタンパク質合成を標的とする抗菌剤(例えば、アミノグリコシド、マクロライド、及びテトラサイクリン)が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗菌剤としては、限定するものではないが、ペニシリン、セファロスポリン、ポリミキシン,カルバペネム、スルホンアミド、リファマイシン、キノロン、オキサオリジノン(oxaolidinones)(例えば、リネゾリド)、環状リポペプチド(例えば、ダプトマイシン)、グリシルサイクリン(例えば、チゲサイクリン)、及びリピアマイシン(lipiarmycins)(例えば、フィダキソマイシン)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCV感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。HCV感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、インターフェロン若しくはインターフェロン誘導体[例えば、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、ペグインターフェロンα−2a、ペグインターフェロンα−2b、組換え型インターフェロンα−2a、スミフェロン(天然型αインターフェロンの精製ブレンド)、ALFERON(登録商標)(天然型αインターフェロンの混合物)、コンセンサスαインターフェロン、ペグ化インターフェロンλなど]、ヌクレオシド類似体(例えば、リバビリン又はその誘導体、D−リバビリン、L−リバビリン、又はタリバビリンなど)、ヌクレオシド及びヌクレオチドNS5Bポリメラーゼ阻害剤(例えば、ソフォスブビルなど)、NS5A阻害剤(例えば、ダクラタスビル、レディパスビル、ABT−267、ACH−3102、GS−5816、GS−5885、IDX719、MK−8742、又はPPI−668など)、非ヌクレオシド系NS5Bポリメラーゼ阻害剤(例えば、デレオブビル(deleobuvir)、ABT−072、ABT−333、BMS−791325、VX−222、又はテゴブビルなど)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ボセプレビル、ダノプレビル、ファルダプレビル、インシベック、テラプレビル、シメプレビル、ビクトレリス、ACH−1625、ACH−2684、ABT−450/r、又はVX−950など)、ポリメラーゼ阻害剤(例えば、デレオブビル(deleobuvir)、ソフォスブビル又はVX−135など)、NS3/4プロテアーゼ阻害剤(例えば、アスナプレビル、ダノプレビル、MK−5172、又はVX−950など)、ALN−VSP、PV−10、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタット、レスミノスタット、ボリノスタット、ベリノスタット、及びパノビノスタットなど)、チアゾリド(thiazolide)[例えば、アリニア(ニタゾキサニド)など]、A3AR作動薬(例えば、CF102など)、GI−5005[ターモジェン(Tarmogen)]、MBL−HCV1、マイクロRNA[例えば、ミラビルセン(miravirsen)]、経口インターフェロン、シクロフィリン阻害剤(例えば、SCY−635)、TG4040、ドキソルビシン、リヴァタグ(livatag)、免疫調節剤(例えば、Cc−、β−及びγ−インターフェロン又はチモシン、ペグ化誘導インターフェロンα化合物、及びチモシンなど)、その他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン、アマンタジン、及びテルビブジンなど)、C型肝炎プロテアーゼのその他の阻害剤(NS2−NS3阻害剤及びNS3−NS4A阻害剤)、HCVのライフサイクルにおけるその他の標的の阻害剤(ヘリカーゼ、ポリメラーゼ、及びメタロプロテアーゼ阻害剤など)、リボソーム内部進入阻害剤、広域スペクトルのウイルス阻害剤[例えば、IMPDH阻害剤(例えば、米国特許第5,807,876号、同第6,498,178号、同第6,344,465号、及び同第6,054,472号、及び国際特許出願第97/40028号、国際特許第98/40381号、及び国際特許第00/56331号に記載の化合物、並びにミコフェノール酸及びそれらの誘導体、例えば、限定するものではないが、VX−497、VX−148、及びVX−944など)]、シトクロムP450阻害剤[例えば、リトナビル(国際特許第94/14436号)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944、及びVX−497]、キナーゼ阻害剤[例えば、メチル2−シアノ−3,12−ジオキソオレアン−l,9−ジエン−28−オアート(CHUKの阻害用)]、セツキシマブ(EGFRの阻害用)、AEE 788、パニツムマブ、BMS−599626、ARRY−334543、XL647、カネルチニブ、ゲフィチニブ、HKI−272、PD 153035、ラパチニブ、バンデタニブ、及びエルロチニブ(EGFRの阻害用)、BMS−387032、及びフィアボピリドール(fiavopiridol)(CDK2、CDK3、CDK4、及びCDK8の阻害用)、XL647(EPHB4の阻害用)、ダサチニブ、及びAZM−475271(SRCの阻害用)、イマチニブ(BCRの阻害用)、ダサチニブ(EPHA2の阻害用)、並びにAZD−1152(AURKBの阻害用)が挙げられる。公知のキナーゼ阻害剤のその他の例としては、限定するものではないが、ソラフェニブ(BRAFの阻害用)、BMS−599626(ERBB4の阻害用)、PD−0332991、及びフラボピリドール(CDK4の阻害用)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、インターフェロン若しくはインターフェロン誘導体[例えば、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、ペグインターフェロンα−2a、ペグインターフェロンα−2b、組換え型インターフェロンα−2a、スミフェロン(天然型αインターフェロンの精製ブレンド)、ALFERON(登録商標)(天然型αインターフェロンの混合物)、コンセンサスαインターフェロン、ペグ化インターフェロンλなど]、ヌクレオシド類似体(例えば、リバビリン又はその誘導体、D−リバビリン、L−リバビリン、又はタリバビリンなど)、ヌクレオシド及びヌクレオチドNS5Bポリメラーゼ阻害剤(例えば、ソフォスブビルなど)、NS5A阻害剤(例えば、ダクラタスビル、レディパスビル、ABT−267、ACH−3102、GS−5816、GS−5885、IDX719、MK−8742、又はPPI−668など)、非ヌクレオシド系NS5Bポリメラーゼ阻害剤(例えば、デレオブビル(deleobuvir)、ABT−072、ABT−333、BMS−791325、VX−222、又はテゴブビルなど)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ボセプレビル、ダノプレビル、ファルダプレビル、インシベック、テラプレビル、シメプレビル、ビクトレリス、ACH−1625、ACH−2684、ABT−450/r、又はVX−950など)、ポリメラーゼ阻害剤(例えば、デレオブビル(deleobuvir)、ソフォスブビル又はVX−135など)、NS3/4プロテアーゼ阻害剤(例えば、アスナプレビル、ダノプレビル、MK−5172、又はVX−950など)、ALN−VSP、PV−10、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタット、レスミノスタット、ボリノスタット、ベリノスタット、及びパノビノスタットなど)、チアゾリド(thiazolide)[例えば、アリニア(ニタゾキサニド)など]、A3AR作動薬(例えば、CF102など)、GI−5005[ターモジェン(Tarmogen)]、MBL−HCV1、マイクロRNA[例えば、ミラビルセン(miravirsen)]、経口インターフェロン、シクロフィリン阻害剤(例えば、SCY−635)、TG4040、ドキソルビシン、リヴァタグ(livatag)、免疫調節剤(例えば、Cc−、β−及びγ−インターフェロン又はチモシン、ペグ化誘導インターフェロンα化合物、及びチモシンなど)、その他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン、アマンタジン、及びテルビブジンなど)、C型肝炎プロテアーゼのその他の阻害剤(NS2−NS3阻害剤及びNS3−NS4A阻害剤)、HCVのライフサイクルにおけるその他の標的の阻害剤(ヘリカーゼ、ポリメラーゼ、及びメタロプロテアーゼ阻害剤など)、リボソーム内部進入阻害剤、広域スペクトルのウイルス阻害剤[例えば、IMPDH阻害剤(例えば、米国特許第5,807,876号、同第6,498,178号、同第6,344,465号、及び同第6,054,472号、及び国際特許出願第97/40028号、国際特許第98/40381号、及び国際特許第00/56331号に記載の化合物、並びにミコフェノール酸及びそれらの誘導体、例えば、限定するものではないが、VX−497、VX−148、及びVX−944など)]、シトクロムP450阻害剤[例えば、リトナビル(国際特許第94/14436号)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944、及びVX−497]、キナーゼ阻害剤[例えば、メチル2−シアノ−3,12−ジオキソオレアン−l,9−ジエン−28−オアート(CHUKの阻害用)]、セツキシマブ(EGFRの阻害用)、AEE 788、パニツムマブ、BMS−599626、ARRY−334543、XL647、カネルチニブ、ゲフィチニブ、HKI−272、PD 153035、ラパチニブ、バンデタニブ、及びエルロチニブ(EGFRの阻害用)、BMS−387032、及びフィアボピリドール(fiavopiridol)(CDK2、CDK3、CDK4、及びCDK8の阻害用)、XL647(EPHB4の阻害用)、ダサチニブ、及びAZM−475271(SRCの阻害用)、イマチニブ(BCRの阻害用)、ダサチニブ(EPHA2の阻害用)、並びにAZD−1152(AURKBの阻害用)と組み合わせて投与される。公知のキナーゼ阻害剤のその他の例としては、限定するものではないが、ソラフェニブ(BRAFの阻害用)、BMS−599626(ERBB4の阻害用)、PD−0332991、及びフラボピリドール(CDK4の阻害用)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCV感染症を治療するためのリバビリンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCV感染症を治療するためのIFN−αと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCV感染症を治療するためのリバビリン及びIFN−αと組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、インターフェロン若しくはインターフェロン誘導体[例えば、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、ペグインターフェロンα−2a、ペグインターフェロンα−2b、組換え型インターフェロンα−2a、スミフェロン(天然型αインターフェロンの精製ブレンド)、ALFERON(登録商標)(天然型αインターフェロンの混合物)、コンセンサスαインターフェロン、ペグ化インターフェロンλなど]、ヌクレオシド類似体(例えば、リバビリン又はその誘導体、D−リバビリン、L−リバビリン、又はタリバビリンなど)、ヌクレオシド及びヌクレオチドNS5Bポリメラーゼ阻害剤(例えば、ソフォスブビルなど)、NS5A阻害剤(例えば、ダクラタスビル、レディパスビル、ABT−267、ACH−3102、GS−5816、GS−5885、IDX719、MK−8742、又はPPI−668など)、非ヌクレオシド系NS5Bポリメラーゼ阻害剤(例えば、デレオブビル(deleobuvir)、ABT−072、ABT−333、BMS−791325、VX−222、又はテゴブビルなど)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ボセプレビル、ダノプレビル、ファルダプレビル、インシベック、テラプレビル、シメプレビル、ビクトレリス、ACH−1625、ACH−2684、ABT−450/r、又はVX−950など)、ポリメラーゼ阻害剤(例えば、デレオブビル(deleobuvir)、ソフォスブビル又はVX−135など)、NS3/4プロテアーゼ阻害剤(例えば、アスナプレビル、ダノプレビル、MK−5172、又はVX−950など)、ALN−VSP、PV−10、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタット、レスミノスタット、ボリノスタット、ベリノスタット、及びパノビノスタットなど)、チアゾリド(thiazolide)[例えば、アリニア(ニタゾキサニド)など]、A3AR作動薬(例えば、CF102など)、GI−5005[ターモジェン(Tarmogen)]、MBL−HCV1、マイクロRNA[例えば、ミラビルセン(miravirsen)]、経口インターフェロン、シクロフィリン阻害剤(例えば、SCY−635)、TG4040、ドキソルビシン、リヴァタグ(livatag)、免疫調節剤(例えば、Cc−、β−及びγ−インターフェロン又はチモシン、ペグ化誘導インターフェロンα化合物、及びチモシンなど)、その他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン、アマンタジン、及びテルビブジンなど)、C型肝炎プロテアーゼのその他の阻害剤(NS2−NS3阻害剤及びNS3−NS4A阻害剤)、HCVのライフサイクルにおけるその他の標的の阻害剤(ヘリカーゼ、ポリメラーゼ、及びメタロプロテアーゼ阻害剤など)、リボソーム内部進入阻害剤、広域スペクトルのウイルス阻害剤[例えば、IMPDH阻害剤(例えば、米国特許第5,807,876号、同第6,498,178号、同第6,344,465号、及び同第6,054,472号、及び国際特許出願第97/40028号、国際特許第98/40381号、及び国際特許第00/56331号に記載の化合物、並びにミコフェノール酸及びそれらの誘導体、例えば、限定するものではないが、VX−497、VX−148、及びVX−944など)]、シトクロムP450阻害剤[例えば、リトナビル(国際特許第94/14436号)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944、及びVX−497]、キナーゼ阻害剤[例えば、メチル2−シアノ−3,12−ジオキソオレアン−l,9−ジエン−28−オアート(CHUKの阻害用)]、セツキシマブ(EGFRの阻害用)、AEE 788、パニツムマブ、BMS−599626、ARRY−334543、XL647、カネルチニブ、ゲフィチニブ、HKI−272、PD 153035、ラパチニブ、バンデタニブ、及びエルロチニブ(EGFRの阻害用)、BMS−387032、及びフィアボピリドール(fiavopiridol)(CDK2、CDK3、CDK4、及びCDK8の阻害用)、XL647(EPHB4の阻害用)、ダサチニブ、及びAZM−475271(SRCの阻害用)、イマチニブ(BCRの阻害用)、ダサチニブ(EPHA2の阻害用)、並びにAZD−1152(AURKBの阻害用)と組み合わせて投与される。公知のキナーゼ阻害剤のその他の例としては、限定するものではないが、HCV感染症を治療するためのソラフェニブ(BRAFの阻害用)、BMS−599626(ERBB4の阻害用)、PD−0332991、及びフラボピリドール(CDK4の阻害用)が挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、イブルチニブは、HCV感染症を治療するためのリバビリンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、HCV感染症を治療するためのIFN−αと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、HCV感染症を治療するためのリバビリン及びIFN−αと組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HBV感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HBV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。HBV感染症の処置のための療法例としては、限定するものではないが、インターフェロン又はインターフェロン誘導体(例えば、インターフェロンα−2b及びペグインターフェロンα−2a)、ヌクレオシド類似体(例えば、ラミブジン(エピビル−HBV)、アデホビルピボキシル(adfovir dipivoxil)(ヘプセラ)、エンテカビル(バラクルード)、テルビブジン(タイゼカ/セビボ)、テノホビル(ビリアード)、L−FMAU(クレブジン)、LB80380(ベシフォビア(Besifovir))及びAGX−1009)、非ヌクレオシド系抗ウイルス剤(例えば、BAM 205(NOV−205)、ミルクルデックス(Myrcludex)B、HAP化合物Bay 41−4109、REP 9AC、ニタゾキサニド(アリニア(Alinia))、dd−RNAi化合物、ARC−520、NVR−1221及びIHVR−25)、非インターフェロン免疫活性増強剤(例えば、チモシンα−1(ザダキシン)、インターロイキン−7(CYT107)、DV−601、HBVコア抗原ワクチン、GS−9620及びGI13000)、暴露後及び/又は肝移植後治療(hyperHEP S/D、Nabi−HB及びHepa Gam B)、並びに代替的な天然の剤(オオアザミ)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、インターフェロン又はインターフェロン誘導体(例えば、インターフェロンα−2b及びペグインターフェロンα−2a)、ヌクレオシド類似体(例えば、ラミブジン(エピビル−HBV)、アデホビルピボキシル(adfovir dipivoxil)(ヘプセラ)、エンテカビル(バラクルード)、テルビブジン(タイゼカ/セビボ)、テノホビル(ビリアード)、L−FMAU(クレブジン)、LB80380(ベシフォビア(Besifovir))及びAGX−1009)、非ヌクレオシド系抗ウイルス剤(例えば、BAM 205(NOV−205)、ミルクルデックス(Myrcludex)B、HAP化合物Bay 41−4109、REP 9AC、ニタゾキサニド(アリニア(Alinia))、dd−RNAi化合物、ARC−520、NVR−1221及びIHVR−25)、非インターフェロン免疫活性増強剤(例えば、チモシンα−1(ザダキシン)、インターロイキン−7(CYT107)、DV−601、HBVコア抗原ワクチン、GS−9620及びGI13000)、暴露後及び/又は肝移植後治療(hyperHEP S/D、Nabi−HB及びHepa Gam B)、並びに代替的な天然の剤(オオアザミ)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、インターフェロン又はインターフェロン誘導体(例えば、インターフェロンα−2b及びペグインターフェロンα−2a)、ヌクレオシド類似体(例えば、ラミブジン(エピビル−HBV)、アデホビルピボキシル(adfovir dipivoxil)(ヘプセラ)、エンテカビル(バラクルード)、テルビブジン(タイゼカ/セビボ)、テノホビル(ビリアード)、L−FMAU(クレブジン)、LB80380(ベシフォビア(Besifovir))及びAGX−1009)、非ヌクレオシド系抗ウイルス剤(例えば、BAM 205(NOV−205)、ミルクルデックス(Myrcludex)B、HAP化合物Bay 41−4109、REP 9AC、ニタゾキサニド(アリニア(Alinia))、dd−RNAi化合物、ARC−520、NVR−1221及びIHVR−25)、非インターフェロン免疫活性増強剤(例えば、チモシンα−1(ザダキシン)、インターロイキン−7(CYT107)、DV−601、HBVコア抗原ワクチン、GS−9620及びGI13000)、暴露後及び/又は肝移植後治療(hyperHEP S/D、Nabi−HB及びHepa Gam B)、並びにHBV感染の治療のための代替的な天然の剤(オオアザミ)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HBV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HIV感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HIV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。HIV感染症を処置するための療法例としては、限定するものではないが、複数クラスの合剤、例えば、アトリプラ[エファビレンツ+テノホビル+エムトリシタビン]、コムプレラ[エビプレラ(eviplera)、リルピビリン+テノホビル+エムトリシタビン]、スタリビルド[エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビル+エムトリシタビン]、「572−Trii」[ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン又はDTG+ABC+3TC]、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI){コンビビル[ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC]、エムトリバ[エムトリシタビン、FTC]、エピビル(ラミブジン、3TC)など}、エプジコム(リベキシア(Livexa)、アバカビル+ラミブジン、ABC+3TC)]、レトロビル[ジドブジン、AZT、ZDV]、トリジビル[アバカビル+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC]、ツルバダ[テノホビルDF+エムトリシタビン、TDF+FTC]、ヴァイデックス及びヴァイデックスEC[ジダノシン、ddl]、ビリアード[テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、TDF]、ゼリット[スタブジン、d4T]、ザイアジェン[アバカビル、ABC]、アマドキソビル(amadoxovir)[AMDX、DAPD]、テノホビルアラフェンアミドフマル酸(tenofovir alafenamide fumarate)(TAF)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)[エジュラント(リルピビリン、RPV、TMC−278)を含む]、インテレンス[エトラビリン、ETR、TMC−125]、レスクリプター[デラビルジン、DLV]、サスティバ[ストックリン、エファビレンツ、EFV]、ビラミューン及びビラミューンXR[ネビラピン、NVP]、レルシビリン(UK−453061)、免疫系療法[アラレン(リン酸クロロキン)、dermaVir、インターロイキン−7、レクスゲンリューセル(lexgenleucel)−T(VRX−496)、プラキエニル(plaquenil)(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン[アルデスロイキン、IL−2)、SB−782−T及びVacc−4x]、プロテアーゼ阻害剤[アプティバス(チプラナビル、TPV)、クリキシバン(インジナビル、IDV)、インビラーゼ(サキナビル、SQV)、カレトラ(アルビア、ロピナビル/リトナビル、LPV/r)、レクシヴァ(テルジル(Telzir)、ホスアンプレナビル、FPV)、ノービア(リトナビル、RTV)、プレジスタ(ダルナビル、DRV)、レイアタッツ(アタザナビル、ATV)及びビラセプト(ネルフィナビル、NFV)]、移入阻害剤(融合阻害剤を含む)[例えば、フゼオン(エンフビルチド、ENF、T−20)、シーエルセントリ(セルセントリ(Celsentri)、マラビロク、UK−427、857)、セニクリビロック(TBR−652、TAK−652)、イバリズマブ(ibalizumab)(TNX−355)及びPRO140など]、インテグラーゼ阻害剤[例えば、アイセントレス(ラルテグラビル、MK−0518)、テビケイ(ドルテグラビル、S/GSK−572)及びエルビテグラビル(GS−9137)]、薬物動態エンハンサー[例えば、ノービア(リトナビル、RTV)、コビシスタット(GS−9350)及びSPI−452]、HIVワクチン[例えば、ペプチドワクチン、組換え型サブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、ウイルス様粒子ワクチン(pseudovirion vaccine)、混合ワクチン、rgp120(AIDSVAX)(VAX003及びVAX004)、ALVAC HIV(vCP1521)/ AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、アデノウイルス type 5(Ad5)/gag/pol/nef(HVTN 502/Merck 023)、Ad5 gag/pol/nef(HVTB 503)及びDNA−Ad5 gag/pol/nef/nev(HVTN505)]、免疫応答を誘発させる併用療法[例えば、ペグ化インターフェロンα、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(MPA)及びそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF)]、リバビリン、IL−2、IL−12、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、又はそれらの組み合わせ、HIV関連日和見感染症治療剤[例えば、コトリモキサゾールなど]、並びに代替的な生活習慣併用療法[例えば、鍼療法及び運動など]。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、複数クラスの合剤、例えば、アトリプラ[エファビレンツ+テノホビル+エムトリシタビン]、コムプレラ[エビプレラ(eviplera)、リルピビリン+テノホビル+エムトリシタビン]、スタリビルド[エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビル+エムトリシタビン]、「572−Trii」[ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン又はDTG+ABC+3TC]、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTIs)コンビビル[ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC]、エムトリバ[エムトリシタビン、FTC]、エピビル(ラミブジン、3TC]、エプジコム(リベキシア(Livexa)、アバカビル+ラミブジン、ABC+3TC]、レトロビル[ジドブジン、AZT、ZDV]、トリジビル[アバカビル+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC]、ツルバダ[テノホビルDF+エムトリシタビン、TDF+FTC]、ヴァイデックス及びヴァイデックスEC[ジダノシン、ddl]、ビリアード[テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、TDF]、ゼリット[スタブジン、d4T]、ザイアジェン[アバカビル、ABC]、アマドキソビル(amadoxovir)[AMDX、DAPD]、テノホビルアラフェンアミドフマル酸(tenofovir alafenamide fumarate)(TAF)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)[エジュラント(リルピビリン、RPV、TMC−278)を含む]、インテレンス[エトラビリン、ETR、TMC−125]、レスクリプター[デラビルジン、DLV]、サスティバ[ストックリン、エファビレンツ、EFV]、ビラミューン及びビラミューンXR[ネビラピン、NVP]、レルシビリン(UK−453061)、免疫系療法[アラレン(リン酸クロロキン)、dermaVir、インターロイキン−7、レクスゲンリューセル(lexgenleucel)−T(VRX−496)、プラキエニル(plaquenil)(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン[アルデスロイキン、IL−2)、SB−782−T及びVacc−4x]、プロテアーゼ阻害剤[アプティバス(チプラナビル、TPV)、クリキシバン(インジナビル、IDV)、インビラーゼ(サキナビル、SQV)、カレトラ(アルビア、ロピナビル/リトナビル、LPV/r)、レクシヴァ(テルジル(Telzir)、ホスアンプレナビル、FPV)、ノービア(リトナビル、RTV)、プレジスタ(ダルナビル、DRV)、レイアタッツ(アタザナビル、ATV)及びビラセプト(ネルフィナビル、NFV)]、移入阻害剤(融合阻害剤を含む)[例えば、フゼオン(エンフビルチド、ENF、T−20)、シーエルセントリ(セルセントリ(Celsentri)、マラビロク、UK−427、857)、セニクリビロック(TBR−652、TAK−652)、イバリズマブ(ibalizumab)(TNX−355)及びPRO140など]、インテグラーゼ阻害剤[例えば、アイセントレス(ラルテグラビル、MK−0518)、テビケイ(ドルテグラビル、S/GSK−572)及びエルビテグラビル(GS−9137)]、薬物動態エンハンサー[例えば、ノービア(リトナビル、RTV)、コビシスタット(GS−9350)及びSPI−452]、HIVワクチン[例えば、ペプチドワクチン、組換え型サブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、ウイルス様粒子ワクチン(pseudovirion vaccine)、混合ワクチン、rgp120(AIDSVAX)(VAX003及びVAX004)、ALVAC HIV(vCP1521)/ AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、アデノウイルスtype 5(Ad5)/gag/pol/nef(HVTN 502/Merck 023)、Ad5 gag/pol/nef(HVTB 503)及びDNA−Ad5 gag/pol/nef/nev(HVTN505)]、免疫応答を誘発させる併用療法[例えば、ペグ化インターフェロンα、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(MPA)及びそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF)]、リバビリン、IL−2、IL−12、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、又はそれらの組み合わせ、HIV関連日和見感染症治療剤[例えば、コトリモキサゾールなど]、あるいは代替的な生活習慣併用療法[例えば、鍼療法及び運動など]と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、複数クラスの合剤、例えば、アトリプラ[エファビレンツ+テノホビル+エムトリシタビン]、コムプレラ[エビプレラ(eviplera)、リルピビリン+テノホビル+エムトリシタビン]、スタリビルド[エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビル+エムトリシタビン]、「572−Trii」[ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン又はDTG+ABC+3TC]、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTIs)コンビビル[ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC]、エムトリバ[エムトリシタビン、FTC]、エピビル(ラミブジン、3TC]、エプジコム(リベキシア(Livexa)、アバカビル+ラミブジン、ABC+3TC]、レトロビル[ジドブジン、AZT、ZDV]、トリジビル[アバカビル+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC]、ツルバダ[テノホビルDF+エムトリシタビン、TDF+FTC]、ヴァイデックス及びヴァイデックスEC[ジダノシン、ddl]、ビリアード[テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、TDF]、ゼリット[スタブジン、d4T]、ザイアジェン[アバカビル、ABC]、アマドキソビル(amadoxovir)[AMDX、DAPD]、テノホビルアラフェンアミドフマル酸(tenofovir alafenamide fumarate)(TAF)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)[エジュラント(リルピビリン、RPV、TMC−278)を含む]、インテレンス[エトラビリン、ETR、TMC−125]、レスクリプター[デラビルジン、DLV]、サスティバ[ストックリン、エファビレンツ、EFV]、ビラミューン及びビラミューンXR[ネビラピン、NVP]、レルシビリン(UK−453061)、免疫系療法[アラレン(リン酸クロロキン)、dermaVir、インターロイキン−7、レクスゲンリューセル(lexgenleucel)−T(VRX−496)、プラキエニル(plaquenil)(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン[アルデスロイキン、IL−2)、SB−782−T及びVacc−4x]、プロテアーゼ阻害剤[アプティバス(チプラナビル、TPV)、クリキシバン(インジナビル、IDV)、インビラーゼ(サキナビル、SQV)、カレトラ(アルビア、ロピナビル/リトナビル、LPV/r)、レクシヴァ(テルジル(Telzir)、ホスアンプレナビル、FPV)、ノービア(リトナビル、RTV)、プレジスタ(ダルナビル、DRV)、レイアタッツ(アタザナビル、ATV)及びビラセプト(ネルフィナビル、NFV)]、移入阻害剤(融合阻害剤を含む)[例えば、フゼオン(エンフビルチド、ENF、T−20)、シーエルセントリ(セルセントリ(Celsentri)、マラビロク、UK−427、857)、セニクリビロック(TBR−652、TAK−652)、イバリズマブ(ibalizumab)(TNX−355)及びPRO140など]、インテグラーゼ阻害剤[例えば、アイセントレス(ラルテグラビル、MK−0518)、テビケイ(ドルテグラビル、S/GSK−572)及びエルビテグラビル(GS−9137)]、薬物動態エンハンサー[例えば、ノービア(リトナビル、RTV)、コビシスタット(GS−9350)及びSPI−452]、HIVワクチン[例えば、ペプチドワクチン、組換え型サブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、ウイルス様粒子ワクチン(pseudovirion vaccine)、混合ワクチン、rgp120(AIDSVAX)(VAX003及びVAX004)、ALVAC HIV(vCP1521)/AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、アデノウイルスtype 5(Ad5)/gag/pol/nef(HVTN 502/Merck 023)、Ad5 gag/pol/nef(HVTB 503)及びDNA−Ad5 gag/pol/nef/nev(HVTN505)]、免疫応答を誘発させる併用療法[例えば、ペグ化インターフェロンα、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(MPA)及びそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF)]、リバビリン、IL−2、IL−12、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、又はそれらの組み合わせ、HIV関連日和見感染症治療剤[例えば、コトリモキサゾールなど]、あるいはHIV感染の処置のための代替的な生活習慣併用療法[例えば、鍼療法及び運動など]と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HIV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、インフルエンザウイルス感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、インフルエンザウイルス感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。インフルエンザウイルス感染症を処置するための療法例としては、限定するものではないが、抗ウイルス剤[例えば、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビル、ペラミビル及びザナミビル)及びアドマンタン(admantanes)(例えば、アマンタジン及びリマンタジン)]、季節性インフルエンザワクチン(3種(三価)又は4(四価)種のインフルエンザウイルス株を表わす抗原)[例えば、四価フルミスト(MedImmune(Gaithersburg,Maryland))、四価フルアリックス(Glaxo Smith Kline(Research Triangle Park,North Carolina))、四価フルゾン(Fluzone)(Sanofi Pasteur(Swiftwater,Pennsylvania))、四価フルラバル(ID Biomedical Corportation of Quebec/GlaxoSmith Kline(Research Triangle Park,North Carolina))、ルセルバックス(Flucelvax)(Novartis Vaccines and Diagnostics(Cambridge,Massachusetts))、及びFluBlok(Protein Sciences,Meriden,Connecticut)]、並びにインフルエンザを処置するための合剤(免疫抑制剤又は増強剤及び抗炎症剤などの1種又はそれ以上の免疫調節剤を含む)が挙げられる。
特定の実施形態では、抗炎症剤は、非ステロイド系、ステロイド系、又はそれらの組み合わせとすることができる。非ステロイド性抗炎症剤の代表例としては、限定するものではないが、オキシカム[例えば、ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカム]、サリチル酸塩[例えば、アスピリン、ジサルシド、ベノリラート、トリライセート(trilisate)、サファプリン(safapryn)、ソルプリン、ジフルニサル及びフェンドサルなど]、酢酸誘導体[例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパック、フロフェナク、チオピナック、ジドメタシン、アセマタシン(acematacin)、フェンチアザク、ゾメピラック、クリンダナク(clindanac)、オキセピナク、フェルビナク、及びケトロラクなど]、フェナム酸[例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、及びトルフェナム酸]、プロピオン酸誘導体[例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、及びチアプロフェン酸」、ピラゾール[例えば、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン、及びトリメタゾン(trimethazone)など]が挙げられる。ステロイド系抗炎症剤の例としては、限定するものではないが、副腎皮質ステロイド、例えば、ヒドロコルチゾンなど、ヒドロキシル−トリアムシノロン、α−メチルデキサメタゾン、デキサメタゾン−リン酸、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デソキシメタゾン(desoxymethasone)、デスオキシコルチコステロン酢酸エステル、デキサメタゾン、ジクロリソン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン(fluadrenolone)、フルクロロロンアセトニド、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド(fluosinolone acetonide)、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル(flucortine butylesters)、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニリデン、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド(flucetonide)、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフロラゾンエステル(difluorosone diacetate)、フルランドレノロン(fluradrenolone)、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフロラゾン(diflurosone diacetate)、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル(amcinafel)、アムシナフィド(amcinafide)、ベタメタゾン及びそのエステルのバランス(balance of its esters)クロロプレドニゾン、酢酸クロルプレドニゾン(chlorprednisone acetate)、クロコルテロン(clocortelone)、クレシノロン(clescinolone)、ジクロリソン、ジフルプレドナート、フルクロロニド(flucloronide)、フルニソリド、フルオロメタロン(fluoromethalone)、フルペロロン、フルプレドニゾロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシクロペンチルプロピオン酸(cyclopentylpropionate)、ヒドロコルタメート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、限定するものではないが、抗ウイルス剤[例えば、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビル、ペラミビル及びザナミビル)及びアドマンタン(admantanes)(例えば、アマンタジン及びリマンタジン)]、季節性インフルエンザワクチン(3種(三価)又は4(四価)種のインフルエンザウイルス株を表わす抗原)[例えば、四価フルミスト(MedImmune(Gaithersburg,Maryland))、四価フルアリックス(Glaxo Smith Kline(Research Triangle Park,North Carolina))、四価フルゾン(Fluzone)(Sanofi Pasteur(Swiftwater,Pennsylvania))、四価フルラバル(ID Biomedical Corportation of Quebec/GlaxoSmith Kline(Research Triangle Park,North Carolina))、ルセルバックス(Flucelvax)(Novartis Vaccines and Diagnostics(Cambridge,Massachusetts))、及びFluBlok(Protein Sciences,Meriden,Connecticut)]、又はインフルエンザを処置するための合剤(免疫抑制剤又は増強剤及び抗炎症剤などの1種又はそれ以上の免疫調節剤を含む)と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、抗ウイルス剤[例えば、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビル、ペラミビル及びザナミビル)及びアドマンタン(admantanes)(例えば、アマンタジン及びリマンタジン)]、季節性インフルエンザワクチン(3種(三価)又は4(四価)種のインフルエンザウイルス株を表わす抗原)[例えば、四価フルミスト(MedImmune(Gaithersburg,Maryland))、四価フルアリックス(Glaxo Smith Kline(Research Triangle Park,North Carolina))、四価フルゾン(Fluzone)(Sanofi Pasteur(Swiftwater,Pennsylvania))、四価フルラバル(ID Biomedical Corportation of Quebec/GlaxoSmith Kline(Research Triangle Park,North Carolina))、ルセルバックス(Flucelvax)(Novartis Vaccines and Diagnostics(Cambridge,Massachusetts))、及びFluBlok(Protein Sciences,Meriden,Connecticut)]、又はインフルエンザを処置するための合剤(インフルエンザ感染を処置するための免疫抑制剤又は増強剤及び抗炎症剤などの1種又はそれ以上の免疫調節剤を含む)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、インフルエンザ感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、麻疹ウイルス感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、麻疹ウイルス感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。麻疹ウイルス感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、麻疹ワクチン接種、及び免疫血清グロブリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、麻疹ウイルス感染症を治療するための麻疹ワクチン接種及び免疫血清グロブリンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、麻疹ウイルス感染症を治療するための麻疹ワクチン接種、及び免疫血清グロブリンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、麻疹ウイルス感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HPV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。HPV感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、ポドフィロックス、又はイミキモドが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HPV感染症を治療するためのポドフィロックス、又はイミキモドと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、HPV感染症を治療するためのポドフィロックス、又はイミキモドと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HPV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ヒトヘルペスウイルス6A(HHV−6A)、ヒトヘルペスウイルス6B(HHV−6B)、又はヒトヘルペスウイルス7(HHV−7)感染症のアジュバント療法のため投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HHV−6A、HHV−6B、又はHHV−7感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。HHV−6A、HHV−6B、又はHHV−7感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、バルガンシクロビル、ガンシクロビル、シドホビル、及びホスカルネットが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HHV−6A、HHV−6B、又はHHV−7感染症の治療のためバルガンシクロビル、ガンシクロビル、シドホビル、又はホスカルネットと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、HHV−6A、HHV−6B、又はHHV−7感染症の治療のためバルガンシクロビル、ガンシクロビル、シドホビル、又はホスカルネットと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HHV−6A、HHV−6B、又はHHV−7感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HSV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。HSV感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、アシクロビル、ファムシクロビル、及びバラシクロビルが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HSV感染症を治療するためのアシクロビル、ファムシクロビル、及びバラシクロビルと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、HSV感染症を治療するためのアシクロビル、ファムシクロビル、又はバラシクロビルと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HSV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、EBV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。EBV感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、アシクロビル、ガンシクロビル、及びホスカルネットが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、EBV感染症を治療するためのアシクロビル、ガンシクロビル、又はホスカルネットと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、EBV感染症を治療するためのアシクロビル、ガンシクロビル、及びホスカルネットと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、EBV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCMV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。HCMV感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、シドホビル、マリバビル、及びレフルノミドが挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCMV感染症を治療するためのガンシクロビルと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、HCMV感染症を治療するためのガンシクロビル、ホスカルネット、シドホビル、マリバビル、又はレフルノミドと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、HCMVを治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ラウス肉腫ウイルス(RSV)感染症のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、RSV感染症を治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。RSV感染症を治療するための療法例としては、限定するものではないが、ヌクレオシド類似体(例えば、リバビリン)、免疫グロブリンの静脈内注射、酸素及び液体補給又は呼吸補助、抗RSV抗体(例えば、パリビズマブ)、アンチセンス核酸、1種又はそれ以上の肺発育及び肺サーファクタントタンパク質の発現調節剤、例えば、限定するものではないが、グルココルチコイド、PPARyリガンド、及び血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が挙げられる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、RSV感染症を治療するためのリバビリン又は抗−RSV抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、RSVを治療するためのリバビリン又は抗RSV抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、RSVを治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、慢性肉芽腫症(CGD)のアジュバント療法のために投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、CGDを治療するための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与され、例えば、CGDに関連する病原性感染症の発症予防又は治療のための1種又はそれ以上の療法と組み合わせて投与される。CGDを治療するための療法例としては、限定するものではないが、CGDに関連する病原性感染症の発症予防又は治療のための抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、又は抗寄生生物剤の投与が挙げられる。抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、又は抗寄生生物剤の例は、本明細書中に提供されており、かつCGDに関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのTECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用できる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、CGDに関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのγ−インターフェロンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、CGDに関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのγ−インターフェロンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、CGDを治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、患者は、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態を有する。いくつかの実施形態では、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態を有する患者に、疾患又は障害のアジュバント療法のためのTECファミリーキナーゼ阻害剤が投与される。いくつかの実施形態では、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態を有する患者に、疾患又は障害を治療するための1種又はそれ以上の療法、例えば、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のための1種又はそれ以上の療法と組み合わせてTECファミリーキナーゼ阻害剤が投与される。Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態を治療するための療法例としては、限定するものではないが、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のための、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、又は抗寄生生物剤の投与が挙げられる。抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、又は抗寄生生物剤の例は、本明細書において提供されているものであり、かつTh1応答不全を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのTECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用できる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのγ−インターフェロンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのγ−インターフェロンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。いくつかの実施形態では、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態を有する患者は、Th1サイトカイン産生不全、又はTh1サイトカイン受容体不全、例えば、IFN−γ、IL−12、又はIL−12受容体不全を有する。いくつかの実施形態では、Th1応答不全を特徴とする疾患又は状態は、患者(例えば、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫)の癌の二次的なものである。
いくつかの実施形態では、患者は、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態を有する。いくつかの実施形態では、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態を有する患者に、疾患又は障害のアジュバント療法のためのTECファミリーキナーゼ阻害剤が投与される。いくつかの実施形態では、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態を有する患者に、疾患又は障害を治療するための1種又はそれ以上の療法、例えば過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のための1種又はそれ以上の療法と組み合わせてTECファミリーキナーゼ阻害剤が投与される。過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態を治療するための療法例としては、限定するものではないが、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のための、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、又は抗寄生生物剤の投与が挙げられる。抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、又は抗寄生生物剤の例は、本明細書において提供されているものであり、かつ過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのTECファミリーキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用できる。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのγ−インターフェロンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態と関連する病原性感染症の発症予防又は治療のためのγ−インターフェロンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態を治療するための1種又はそれ以上の療法と連続的に、同時に、又は断続的に投与される。いくつかの実施形態では、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態は、患者における癌(例えば、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫)の二次的なものである。いくつかの実施形態では、過敏性Th2応答を特徴とする疾患又は状態は、炎症性疾患又は自己免疫疾患である。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、TECファミリーキナーゼの1種又はそれ以上のメンバー(例えば、ITK、BTK、TEC、RLK、及びBMX)のキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、IL2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)のキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのシステイン442に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ(PCI−32765)、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101、AVL−263、AVL−291、AVL−292、ONO−WG−37、BMS−488516、BMS−509744、CGI−1746、CTA−056、GDC−0834、HY−11066(同様に、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059、ONO−WG37、PLS−123、RN486、HM71224、又はそれらの組み合わせの中から選択される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。本明細書で提供される任意の方法に使用するための追加の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第7,547,689号、同第7,960,396号、及び米国特許出願第2009−0197853(A1)号、並びに同第2012−0065201(A1)号にみられ、これらの全ては参照によりその全体が援用される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th2偏向しているT細胞数が対象において減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th1偏向しているT細胞数が対象において増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th2偏向しているT細胞に対するTh1偏向しているT細胞の比が、対象において増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において細胞毒性CD8+T細胞数が増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、1種又はそれ以上のTh2サイトカインの発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、又はIL−13発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、1種又はそれ以上のTh1サイトカインの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−2、GM−CSF、IFN−γ、IL−12(p70)、IL−18、及びTNF−α発現が上昇する。
ワクチン接種のためのアジュバント
本明細書に記載の特定の実施形態は、有効量の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤をワクチンと組み合わせて対象に投与することによりワクチンの有効性を向上させる、アジュバント療法の方法である。
いくつかの実施形態では、アジュバント療法の効率の増強には、前述のワクチンを投与することにより又は前述のアジュバント療法の過程のみを行うことにより達成されるウイルス減少率と比較して、アジュバント療法の実施過程で測定される患者のウイルス負荷減少率を上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の過程を実施することによる患者のウイルス負荷の減少率は、前述のワクチンを投与することにより又は前述のアジュバント療法の過程のみを実施することにより達成されるウイルス減少率と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%上昇している。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の過程を実施することによる患者のウイルス負荷の減少率は、レクチン親和性血液透析のみを行うことにより達成されるウイルス減少率を、前述のアジュバント療法の過程により達成されるウイルス負荷減少率と組み合わせたものよりも、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%高くなる。いくつかの実施形態では、アジュバント療法の過程を実施することによる患者のウイルス負荷の減少率は、1時間、8時間、12時間、又は1日当り、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%である。
いくつかの実施形態では、前述のアジュバント療法の有効性の増強は、アジュバント療法の過程を実施しているときに、患者において臨床的に関連するウイルス負荷を得るのに必要とされる時間を、ワクチン治療を行った場合又は前述のアジュバント療法のみを実施した場合と比較して減少させることにより達成される。いくつかの実施形態では、臨床的に関連するウイルス負荷は、約100000、90000、80000、70000、60000、50000、40000、30000、20000、10000、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1コピー/mL未満である。いくつかの実施形態では、ワクチンを投与した場合又はアジュバント療法の過程のみを行った場合と比較して、臨床的に関連するウイルス負荷を達成するのに必要とされる時間が、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%減少する。いくつかの実施形態では、臨床的に関連するウイルス負荷を達成するのに必要とされる時間は、約36、35、34、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、若しくは12ヶ月、又は56、55、50、45、40、35、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、若しくは4週間、又は28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、若しくは1日未満である。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、連続的に、同時に、又は断続的にワクチンとともに投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ワクチンの投与より前に、又は投与後に投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤、及びワクチンは、単一の組成物として投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤及びワクチンは、別個の組成物として投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤及びワクチンは、同一の投与経路により投与される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤及びワクチンは、異なる投与経路により投与される。いくつかの実施形態では、ワクチンは、任意の好適な方法、例えば、限定するものではないが、筋肉内、皮下、鼻腔内、経口、皮内、又は経皮的(transcutaneous又はtransdermal)投与などにより投与される。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤及びワクチンは、同時に、連続的に、又は断続的に投与される。
いくつかの実施形態では、ワクチンは抗癌ワクチンである。いくつかの実施形態では、癌ワクチンは、免疫のための1種又はそれ以上の癌又は腫瘍抗原を含む。いくつかの実施形態では、癌抗原は、限定するものではないが、急性リンパ芽球性白血病(etv6、amll、シクロフィリンb)、B細胞リンパ腫(Ig−イディオタイプ)、神経膠腫(E−カドヘリン、a−カテニン、P−カテニン、y−カテニン、pl20ctn)、膀胱癌(p21ras)、胆道癌(p21ras)、乳癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、子宮頸癌(p53、p21ras)、大腸癌(p21ras、HER2/neu、c−erbB−2、MUCファミリー)、結腸直腸癌(結腸直腸関連性抗原(Colorectal associated antigen)(CRC)−C017−lA/GA733、APC)、絨毛癌(CEA)、上皮細胞癌(シクロフィリンb)、胃癌(HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、肝細胞癌(a−胎児タンパク質)、ホジキンリンパ腫(lmp−1、EBNA−1)、肺癌(CEA、MAGE−3、NY−ESO−1)、リンパ細胞由来白血病(シクロフィリンb)、黒色腫(p15タンパク質、gp75、癌胎児性抗原、GM2及びGD2ガングリオシド、Melan−A/MART−1、cdc27、MAGE−3、p21ras、gplOO”)、骨髄腫(MUCファミリー、p21ras)、非小細胞肺癌HER2/neu、c−erbB−2)、鼻咽頭癌(lmp−l、EBNA−1)、卵巣癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、前立腺癌(前立腺特異的抗原(PSA)及びその抗原エピトープPSA−1、PSA−2、及びPSA−3、PSMA、HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、腎癌(HER2/neu、c−erbB−2)、頸部及び食道扁平上皮癌(ヒトパピローマウイルスタンパク質などのウイルス産物)、精巣癌(NY−ESO−1)、及びT細胞白血病(HTLV−1エピトープ)である。
いくつかの実施形態では、ワクチンは抗ウイルスワクチンである。いくつかの実施形態では、癌ワクチンは、免疫のための1種又はそれ以上のウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、弱毒ウイルス又は不活化ウイルスを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、アデノウイルス、麻疹、ムンプス、狂犬病、ロタウイルス、黄熱病ウイルス、水痘ウイルス、風疹、ポリオ、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス、エプスタイン・バール・ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ラウス肉腫ウイルス、天然痘ウイルス、又はインフルエンザウイルスワクチンである。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、抗菌剤ワクチンである。いくつかの実施形態では、癌ワクチンは、免疫のための1種又はそれ以上の細菌性抗原を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、弱毒バクテリア又はバクテリア死菌を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、バクテリアにより産生される毒素を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、ジフテリア、炭疽、百日咳、髄膜炎菌、腸チフス、肺炎球菌又は破傷風ワクチンを含む。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th2偏向しているT細胞数が対象において減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th1偏向しているT細胞数が対象において増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、Th2偏向しているT細胞に対するTh1偏向しているT細胞の比が、対象において増加する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、1種又はそれ以上のTh2サイトカインの発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、IL−10、IL−2、又はIL−13の発現が減少する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において、1種又はそれ以上のTh1サイトカインの発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象においてIL−2、GM−CSF、IFN−γ、IL−12(p70)、及びTNF−α発現が上昇する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与により、対象において細胞毒性CD8+T細胞数が増加する。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与後、Th1及びTh2偏向しているT細胞のプロファイルが分析される。いくつかの実施形態では、Th1及びTh2偏向しているT細胞のプロファイルは、Th17偏向しているT細胞であるヘルパーT細胞の第3のサブセットとともに分析される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与後に、Th1及びTh2関連マーカーが評価される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の投与後に、Th1、Th2、及びTh17関連マーカーが評価される。いくつかの実施形態では、Th1関連マーカーとしては、IL−2、GM−CSF、IFN−γ、IL−12(p70)、及びTNF−αが挙げられる。いくつかの実施形態では、Th2関連マーカーとしては、IL−10、IL−4、又はIL−13が挙げられる。いくつかの実施形態では、Th17関連マーカーとしては、IL17が挙げられる。
いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、TECファミリーキナーゼの1種又はそれ以上のメンバー(例えば、ITK、BTK、TEC、RLK、及びBMX)のキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、IL2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)のキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITKのシステイン442に共有結合する。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ(PCI−32765)、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101、AVL−291、AVL−292、又はONO−WG−37の中から選択される。いくつかの実施形態では、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。本明細書で提供される任意の方法に使用するための追加の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第7,547,689号、同第7,960,396号、及び米国特許出願第2009−0197853(A1)号、並びに同第2012−0065201(A1)号にみられ、これらの全ては参照によりその全体が援用される。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤及び1種又はそれ以上の追加の免疫賦活剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、1種又はそれ以上の追加の免疫賦活剤は、追加の免疫賦活剤を含まない場合と比較して、ワクチンの有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、1種又はそれ以上の追加の免疫賦活剤は、Th1偏向している応答を誘導し、Th2偏向している応答を減少させ、エフェクター細胞による抗原提示を向上させ、CD8+細胞毒性T細胞を誘導し、免疫エフェクター細胞への抗原送達を改良し、及び/又は短期又は長期徐放性製剤の送達を提供する。いくつかの実施形態では、1種又はそれ以上の追加の免疫賦活剤は、限定するものではないが、アルミニウム塩(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム又はミョウバン)、油中水型エマルション[例えば、連続油相(例えば、鉱物油、スクアレン又はスクアレン)中で界面活性剤(例えば、マンニドモノオレアート、フロイント不完全アジュバント(IFA)、及びMF59]により安定化された水の微小液滴、水中油型エマルション、免疫刺激複合剤(conlexes)[例えば、ISCOMアジュバント−イスコテック(Iscotec)AB]、リポソーム、ナノ又は微小粒子、カルシウム塩、プロテアーゼ、ウイロゾーム、ステアリルチロシン、γ−イヌリン、アルガムリン(algammulin)、ムラミルジペプチド(MDP)[例えば、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン)及びそれらの誘導体(例えば、スレオニルMDP、ムラブチド、N−アセチルグルコサミン−MDP、GMDP、メラメチド(merametide)、及びnor−MDP]、非イオン性ブロックコポリマー[例えば、疎水性ポリオキシプロピレン(POP)]、サポニン[例えば、QuilA、Spikoside、QS21(スティムロン(Stimulon))及びISCOPREP703)]、リピドA(MPL)、サイトカイン(例えば、IL−1、IFN−γ、IL−2及びIL−12)、炭水化物ポリマー(例えば、マンノースポリマー(例えば、マンナン)、グルカン、アセマンナン及びレンチナン)、誘導体化多糖類(例えば、デクトリン(dectrins)、ジエチルアミノエチルデキストラン)、パターン認識受容体(PRR)リガンド、Toll様受容体リガンド(TLR)[例えば、二本鎖RNA、ポリ(I:C)、リポ多糖、モノホスホリルリピドA、細菌性フラゲリン、イマダゾキノリン(imadazoquinolines)、イミキモド、ガーディキモド、R848、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(oligodepxynucleotides)[例えば、ODN1826及びODB2006など]、Nod様受容体(NLR)リガンド(例えば、MDP)、RIG−I−様受容体(RLR)リガンド)、及びC型レクチン受容体(CLR)リガンドが挙げられる。
いくつかの実施形態では、免疫の対象は、限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、イヌ、ネコ、又はウシなどの哺乳類である。いくつかの実施形態では、哺乳類はヒトである。
キット及び製品
本明細書に記載の診断及び治療用途で使用するための、キット及び製品も本明細書において記載する。このようなキットは、担体、包装、又は1種若しくはそれ以上の容器を収容するよう区画化された容器(例えば、バイアル瓶、チューブ、及び同様物)を含み、1種以上の別個の構成要素を1つ含むそれぞれの容器が本明細書に記載の方法に使用される。好適な容器としては、例えば、瓶、バイアル瓶、注射器、及び試験管が挙げられる。容器は、任意の許容され得る材料(例えば、ガラス又は樹脂など)から形成される。
いくつかの実施形態では、容器は、1種又はそれ以上の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤の組成物、又は1種又はそれ以上の共有結合型TECファミリーキナーゼ阻害剤と本明細書に開示される別の治療薬との組み合わせを含む。容器は、場合により、投与のための注射器、針、計量カップ、又はバイアル瓶などの用具を有する。このようなキットは、場合により、化合物と、本明細書に記載の方法への化合物の使用に関する、特定する記載又はラベル又は使用説明書を含む。
これらの実施例は例示目的でのみ提供されるものであり、本明細書において、提供される特許請求の範囲を制限するものではない。
(実施例1)
Tリンパ球は、適応性免疫応答の必須構成要素であるが、特定の自己免疫疾患、感染性疾患、寄生生物性疾患、及び腫瘍性疾患は、ヘルパーT細胞の偏向を誤った方向に特異的に偏らせて適応免疫を破壊する。免疫破壊は、直接的にB細胞抗体の産生を亢進し、かつ直接的にエフェクター細胞の細胞毒性に干渉する、Th2優位の応答の異常な補充を共通機構とする。これに対し、Th1優位の応答は、エフェクター細胞による免疫サーベイランスに関与するIFNγ及びIL2の産生により細胞毒性効果を惹起する。特定の細胞内細菌性病原体(例えば、リステリアなど)及び寄生生物(例えば、リーシュマニア(Leishmania)など)並びに腫瘍免疫サーベイランスのクリアランスは、ロバストなTh1及びCD8T細胞応答を誘発する能力で決まる。
インターロイキン−2誘導性キナーゼ(ITK)は、共有結合型TEC−キナーゼファミリーのうちのT細胞に優占的なメンバーであり、近接するT細胞受容体(TCR)シグナル伝達を駆動する。Th1及びCD8T細胞におけるTCRライゲーションにより、ITK及び余剰の静止期リンパ球キナーゼ(RLK又はTXK)がPLCγを活性化し、NFAT、NFκB、及びMAPK経路を含むシグナル伝達カスケードが開始され、結果として細胞活性化、サイトカインの放出、及び急速な増殖がもたらされる。重要なことに、ITKは、Th1偏向及びCD8エフェクター細胞におけるRLKに対し、支持的ではあるものの必須ではない役割を果たす。しかしながら、Th2細胞は、エピジェネティックな進化により、ITKに関し単独で主要な役割を保存しており、これがTh2 T細胞の弱点となっている。医薬業界では、臨床的に適用され得るITK−特異的阻害剤は、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、癌の免疫抑制、及び更にはHIV/AIDSなどの数多くのTh2優位な自己免疫性、炎症性、及び感染性疾患を特異的に阻害し得るものであると考えられている。これまでに数多くの化学的類似体が報告されているものの、首尾よく臨床試験に移行したものはない。イブルチニブは、下流B細胞受容体(BCR)活性化を阻害するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の不可逆的阻害剤である。数多くの生体外および生体内試験による、BTKに制限される標的に対するイブルチニブの特異的な活性が確認されている。イブルチニブは、様々なB細胞悪性腫瘍(マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、及び慢性リンパ性白血病(CLL)を含む)に対する長期寛解について、第I/II相臨床試験で実証された臨床活性を有する。興味深いことに、ITKは、BTKとの顕著な配列相同性及び機能相同性を保有しており、これらのいずれもが、活性部位のC及びNローブを連結するヒンジ領域内に、SH3自己リン酸化チロシン(Tyr)と、共有結合するシステイン(Cys)残基とから構成されるイブルチニブ阻害モチーフを含有している。これまで、ITKは、生体外においてキナーゼ阻害プロファイルの抑制をもたらす、イブルチニブに関連する標的としてはみなされておらず、生体外での十分なエビデンスが不足していた。BTK及びITK間の際立った相同性と、コンピューター上での興味深いドッキング試験及び見込みのある生体外キナーゼ阻害プロファイルとを組み合わせることにより、イブルチニブは第1の臨床的に実施可能な不可逆的ITK阻害剤であるという仮説が導かれた。健常なヒトT細胞と、調節異常を生じTh2偏向された免疫抑制のモデルシステムとしてヒト及びマウスCLLとを用い、この仮説を調査した。CLLでは、免疫シナプスに次第に障害が生じることで、悪性B細胞がT細胞アネルギー並びに不適切なTh2偏向を誘導できるようになり、免疫検出が回避される。環境病原菌に応答不能となることに加え、これらの不適切に偏向しているT細胞が、悪性B細胞に対するサイトカイン及び直接シグナル伝達による支持の両方に関与する。この免疫抑制により、結果として、多くの場合患者を死亡させる重度の感染症の発生率が高くなる。
ここに、詳細な分子解析により、イブルチニブはITKのCys442に不可逆的に結合し、TCR刺激後のTh2細胞の下流の活性化を阻害することが確認されている。RLKはイブルチニブにより未阻害のままであることから、この阻害はTh2偏向しているCD4 T細胞に特異的であり、ひいてはTh1及びCD8 T細胞の活性化及び増殖に関し補償的なプラットフォームを提供する。これらのデータにより、CLL患者から単離されたCD4 T細胞集団が、イブルチニブへの短時間の曝露後に、分子レベル及び表現形レベルで、Th1プロファイルに指向するようスキューされることが実証される。白血病、皮膚リーシュマニア症及びリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)感染症のマウスモデルを用い所見を検証した。第I相臨床試験において、イブルチニブにより処置したCLL患者の不可逆的ITK結合、サイトカイン及びT細胞シグナル伝達解析を用い、ヒトにおけるITK阻害を確認した。併せて、これらの結果により、イブルチニブが、臨床的に実施可能でありかつ数多くの新規の治療応用のため薬剤の用途を変更し得る、ITKの第1の強力でかつ選択的不可逆的阻害剤であることが実証される。
方法:
対象集団
ヘルシンキ宣言に準拠し、健常な提供者、又はCLL患者から、血清及び末梢血単核細胞(PBMC)を得た。すべての対象者から、対象者の血液製剤が、施設内審査委員会(IRB)の改定プロトコールの下、研究目的で使用されることについて、書面によりインフォームド・コンセントを得た。オハイオ州立大学Wexner医療センター(The Ohio State University Wexner Medical Center(Columbus、OH))にて血液を採取した。採取したてのPBMCを使用し、又は使用までの間1mLのアリコートとして−140℃にて保存し、及び血清を−80℃にて保存した。
細胞培養、薬剤処理、及びT細胞偏向
製造元のプロトコールに従い、RosetteSep untouched CD3 or CD4 selection,EasySep Naive CD4+T cell enrichment kits(STEMCELL Technologies,Vancouver,BC,Canada)又は磁気分離(MACSヒトCD8+マイクロビーズ、Miltenyi,Auburn,CA)を使用して、初代T細胞を単離した。RPMI1640/10%ウシ胎児血清を使用し、インビトロにて、37℃かつ5% CO2下で細胞を培養した。細胞をイブルチニブで30分間前処理し、2回洗浄し、次にプレートに固相化させた抗CD3及び可溶性抗CD28(eBiosciences(San Diego,CA))で刺激した。45分後、細胞核及び細胞質可溶化液(NEN−PERキット,Thermo,Rockford,IL)を回収し、2時間後には全細胞溶解液を回収した。本発明者らがこれまでに報告している方法論に従い、Th1及びTh2偏向している初代CD4 T細胞を生成した。手短に、T細胞は、磁気精製したナイーブヒトCD4 T細胞から得た。Th1又はIL−4(5ng/ml)及び抗IL−12(1:100)に関してはIL−12(10ng/ml)及び抗IL−4(1:100)の存在下で、プレートに固相化させた抗CD3、可溶性抗CD28、及びIL−2(20U/ml)により、細胞を毎週刺激した。
逆転写PCR(RT−PCR)
ペレット化させた細胞(RNeasyミニカラム及びRNAse free DNAse(Qiagen,Valencia,CA))から全RNAを調製した。転写特異的プライマー(mITK:5’GGTCATCAAGGTGTCCGACT,3’TCGTATGGGATTTTGCCTTC)(mBTK:5’AAAGGTTCCCGTACCCATTC,3’CCCATAGCATTCTTGGCTGT)(mGAPDH:5’CTCATGACCACAGTCCATGC,3’CACATTGGGGGTAGGAACAC)(hGAPDH:5’AGAAGGCTGGGGCTCATTTG,3’AGGGGCCATCCACAGTCTTC)(hRLK:GTACGGAGGCTGCCATAAAA,3’CAGCTGTGGCTGGTAAACAA)と、200ngの全RNAとを使用し、Qiagen一段階RT−PCRキット(Qiagen)又はiScript SYBRグリーンRT−PCRキット(BioRad,Hercules,CA)を用い、RT−PCR及びqRT−PCR反応を実施した。RT−PCRによる増幅反応物を2%アガロースゲルで分離し、増幅した転写物のサイズを標準的なDNA分子量マーカー(GelPilot 1 Kb Plus Ladder,Qiagen)と比較して確認した。qRT−PCR実験をMyiQソフトウェアパッケージにより解析した。GAPDHの融解曲線のシングルピークのCT値を確認した後、Pfaffl法42を使用し、対象とする転写物のCT値と比較した。
カルシウム流入解析
Fluo4−AM(Invitrogen)によりJurkaT細胞を染色し、2回洗浄し、並びにフェノールレッドを不含有のRPMIに再懸濁した。535nmでプレートリーダーを使用し、Fluo4蛍光を測定した。
イブルチニブプローブアッセイ
タンパク質可溶化液をイブルチニブのビオチン化誘導体により標識し、ストレプトアビジンコートプレートに入れて3回洗浄し、マウス抗ITKとともにインキュベートした。SULFO−TAGコンジュゲート抗マウス抗体(MSD、カタログ番号R32AC−5)により洗浄後、洗浄し、Sl2400で読み取りした。
フローサイトメトリー及びサイトカインビーズアッセイ(CBA)
蛍光色素標識したモノクローナル抗体(mAbs;抗CD3、−CD4、−CD5、−CD8、−CD19、−CD62L、−CD45RA、−IL−4、−IFNγ、アネキシンV、PI、Becton Dickinson、San Jose、CA)を用い、フローサイトメトリー解析を実施した。製造元の適切なプロトコル(Becton Dickinson)に従い、細胞内染色を実施した。IL−4及びIFNγの細胞内染色のため、PMA及びイオノマイシン刺激を利用した。phoflow解析のため、PLCγ1細胞を表面染色後4%パラホルムアルデヒド/PBSで固定し、90%冷メタノールで透過処理した。抗pPLCγ1−Tyr783(Cell Signaling Technologies、カタログ番号2821S)、続いて抗ウサギAlexa488(Invitrogen、カタログ番号A11008)を使用して細胞内染色をした。3連の実験又はマウス血漿由来の細胞上清を利用し、製造元により公開されているプロトコールに従い、CBA(Becton Dickinson)を実施した。前述のとおり(Dubovsky,J.A.,et al.Leukemia research 35,1193〜1199(2011)及びDubovsky,J.A.,et al.Leukemia research 35,394〜404(2011))、CFSE及びPKH26系細胞増殖アッセイを実施した。最低で30,000のcollected eventsに対し、FlowJo又はKaluzaソフトウェア(Tree Star,Ashland,OR)又はwhatソフトウェア(Beckman Coulter,Indianapolis,IN)によりフローサイトメトリーデータを解析した。抗CD4、CD8、CD19(Becton Dickinson)及び2μg/mL Alexa647−H−2K(b)SIINFEKLテトラマー(NIHテトラマーFacility)を添加したPBS(+5% FBS、+0.02% NaN3)に50μlの全血を加え、氷中で1時間、フローサイトメトリーベースのテトラマー染色を実施した。その後、製造元のプロトコールに従いRBCを溶解し(eBiosciences)、解析前にサンプルを1回洗浄した。リステリア感染症の7日前に得て、FMO対照を利用して確認したベースラインサンプルを用い、テトラマー陽性CD8 T細胞のためのゲートを検証した。
免疫ブロット解析
これまでにLapalombella,R.,et al.Cancer Cell 21,694〜708(2012)に記載の従来の方法論を利用し、実験を実施した。pSTAT1 #9177S、STAT1 #9176、NFAT1 #4389S、pITK #3531S、ITK #2380S、JUNB #3746S、pIKBα #9246L、pSTAT6 #9361S、及びSTAT6 #9362S(Cell Signaling Technologies、Danvers、MA)、T−bet #14−5825−82(eBiosciences)、IkBα #sc−371、BRG1 #sc−17796、TCL1 #sc−32331、及びβ−アクチン#sc−1616(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)特異的抗体を使用し、ブロッティングを実施した。
固定した細胞の共焦点免疫蛍光顕微鏡法
(Dubovsky,J.A.,et al.Leukemia research 35,394〜404(2011))に前述のとおり、Cytospin3(Thermo)遠心分離器を使用し、遠心分離により顕微鏡のスライドガラス上に細胞を濃縮した。次に、細胞をPBS/2%パラホルムアルデヒドで固定した。スライドガラスをブロッキング溶液(4%ウシ血清アルブミン含有PBS)中でインキュベートした後、一次抗体と共に4℃で一晩インキュベートし、次に蛍光ニ次抗体Alexa fluor 488(Invitrogen、Carlsbad、CA)と共にインキュベートして、NFAT1(Cell Signaling、Boston、MA)について染色した。細胞核をDAPI(Vector Laboratories、Burlingame、CA)により青く染色した。オハイオ州立大学キャンパス内の顕微鏡及びイメージング施設(Ohio State University Campus Microscopy and Imaging Facility)にて、Olympus Fluoview 1000レーザースキャニング共焦点顕微鏡を用い、60倍の対物レンズと、4倍のデジタルズームを利用して、画像を撮影した。
マウスモデル
C57BL/6マウス及びC57BL/6系統のEμTCL1トランスジェニック(Tg)マウスを、温度及び湿度制御下のマイクロアイソレーターケージに収容した。実験動物に関するすべての手順は、連邦及び動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)による指針を順守して行った。Th1/Th2スキューイングの縦断的解析に際し、4週齢EμTCL1トランスジェニック動物には、滅菌対照ビヒクル(1% HP−β−CD)を含有させた飲料水、又は0.16mg/mLイブルチニブ(1% HP−β−CD中)を含有させた飲料水を与えた。水の消費量及びマウスの体重を記録した。平均して、マウスは16日間の合計で0、2.5、又は25mg/kg/dのイブルチニブを摂取した。白血病/リステリア(listeriosis)症試験に際し、EμTCL1動物から新たに単離した脾細胞1×107を養子移植した。このモデルにおいて、マウスは、通常8〜10週間で腫瘍により死亡した。
注射の一週間後、マウスには、滅菌対照ビヒクル(1% HP−β−CD)を含有させた飲料水、又は0.16mg/mLイブルチニブ(1% HP−β−CD中)を含有させた飲料水を与えた。平均して、マウスは16日間の合計で、25mg/kg/dのイブルチニブを摂取した。14日後、生着マウスには致死量未満(5000CFU)の組換え型リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)(rLM−OVA、kind gift from Dr.Michael J.Bevan、University of Washington(Seattle、WA))を静注した。処置中、疾患の進行について追跡するため、血液は定期的に採取した。第2、8及び13日目にそれぞれのマウスを屠殺し、肝臓区画におけるリステリアの増殖について評価した。感染の2日前に、6〜8週齢BALB/cマウス(Jackson labs、Bar Harbor、ME)を、無作為にビヒクル群又はイブルチニブ処置群に割りつけた。リステリア・モノサイトゲネス(L. monocytogenes)実験について前述したとおり、飲用水により、イブルチニブを投与した。第0日目に、左下肢足蹠に2E6定常期森林型熱帯リーシュマニア(Leishmania major)前鞭毛体を注射し、皮膚リーシュマニア症の発生について、病変を毎週モニターした。第6週及び第9週目に、T細胞サイトカインの中間解析のため膝窩リンパ節を回収した。足蹠病変をマッシュし、標準的な方法論を利用し(Fowell,D.J.,et al.Immunity 11,399〜409(1999))、寄生生物量の計算値を求めた。
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)
顎下から血液を採取し、遠心分離により血漿を分離した。製造元の使用説明書に従い、clonotypingシステム(B6/C57J−AP−5300−04B、Southern Biotech(Birmingham、AL))を用い、EIA/RIA高結合96ウェルプレート(Costar 3590(Corning、NY))で、各IgGサブアイソタイプについてELISAアッセイを実施した。血漿は、IgG1については1:10,000、IgG2cについては1:10,000で1×BBSにより希釈した。個々のプレート(B6/C57Jマウス免疫グロブリンパネル−5300−01B(Southern Biotech))において、各アイソタイプについての検量線を利用し、並びに分光光度計(Labsystem Multiskan MCC/340(Fisher Scientific))を用い、405nmにて、3連サンプルの平均を読み取った。可溶性森林型熱帯リーシュマニア(L. major)を感染させたマウスに由来する膝窩リンパ節細胞の、IL4、IL10、IL13、及びIFNγ解析を、前述のとおり実施した(Cummings,H.E.,et al.PNAS USA 109、1251〜1256(2012))。簡潔に、細胞は可溶性森林型熱帯リーシュマニア(L. major)抗原で72時間刺激した。ELISA系解析のため、培養上清を回収した。
キナーゼスクリーニング
Honigberg et al.in PNAS USA 107,13075〜13080(2010)に前述されるとおりに、生体外キナーゼ阻害アッセイを実施した。
統計
別途記載のない限り、等分散性の通常のデータには、スチューデントのt検定(両側検定)を使用した。p<0.05を有意であるとみなした。同一の患者由来の観察同士を従属させるため、混合作用モデルを利用して、CD4 T細胞におけるIL4及びIFNγ発現を比較した。このモデルから、各5種類の投与レベルにて、95% CI、調整済み有意水準(α=0.01)で、発現における差異を評価した。同様に、リステリア/白血病モデルマウスについては、混合作用モデルに対数変換データを代入し、条件と時間との間の相互作用を評価した。このモデルにより、イブルチニブ及びビヒクル群と、健常なリステリア及び対照群の、ベースライン(第−7日)からピーク(第+8日)までのテトラマー陽性のパーセンテージにおける変化を、95% CIで評価した。すべての解析は、SAS/STATソフトウェア、v9.2(SAS Institute Inc.,Cary,NC)を利用し実施した。
イブルチニブは、ITKの不可逆的阻害剤であり、ITKを発現しているBTK−null T細胞白血病に対し細胞毒性を示す可能性がある。
イブルチニブの生体外キナーゼスクリーニングにより、未検証の少数の標的がT細胞優位なITKを含有していることが明らかとなった(図1a)。BTKにおけるCys481と相同であるシステイン残基の有無により、潜在的な不可逆的標的を特定した。ITKは、活性部位のヒンジ領域内に位置するCys442共有結合部位、及びSH3ドメイン中の自己リン酸化Tyr180など、BTKに対し構造及び機能相同性を顕著に保有している(図1b)。コンピューター上でのドッキング試験により、ITKのCys442での共有結合の可能性、及び活性部位の占有率を示した(図1c)。生体外でのプローブ結合アッセイにより、JurkatT細胞白血病細胞株において、イブルチニブが、生理学的に相関する濃度にてかなりの割合の内因性ITKに不可逆的に結合し得ることが確認された(図1d)。T細胞ではEμプロモーターの発現が漏出性であることに起因し、EμTCL1モデルマウスでは滅多に発症しない、新規CD8+T細胞白血病のqRT−PCR解析により、ITKの転写レベルが健常なC57BL/6マウスの脾臓リンパ球と比較して上昇していることが明らかとなった(図1e、7〜9)。本発明者らによる生体外でのこれまでの研究により、BTK関連白血病におけるイブルチニブのLD50(50%の細胞にとって致死性の投与量)は、72時間の連続曝露について1〜10μMを対象とする。これらと同一の条件を用い、BTK−null EμTCL1T細胞白血病細胞において、同様にして細胞毒性レベルを特定した(図1f)。
生体内において、イブルチニブがITKに不可逆的に結合することを確認するため、本発明者らは、イブルチニブの第I相臨床試験下でCLL患者から得たPBMCサンプルに対し、ITKプローブアッセイを実施した。イブルチニブ投与の直前、及び連日経口投与の8日後にサンプルを試験した。このデータにより、かなりの割合のITK(40〜80%)にイブルチニブが不可逆的に結合していたことが明らかとなった(図1g)。
JurkatT細胞株は、Th2様CD4 T細胞の形質転換腫瘍モデルであり、広く認識されている。イブルチニブ前処理、CD3/CD28刺激JurkaT細胞に対し実施した免疫ブロットにより、ITKの自己リン酸化部位Tyr180が機能的に阻害されていることが確認された(図1h)。下流のT細胞活性化は、ロバストなNFκB、MAPK、及びNFATシグナル伝達をもとに予想される。したがって、各経路の構成成分を評価して、イブルチニブのT細胞特異的な作用を評価した。見込まれた通り、イブルチニブ処理により、IkBα、JunB及びNFATシグナル伝達の用量依存性の阻害が生じ、イブルチニブが、ITKひいては近位のTCRシグナロソームを阻害するよう機能することが裏付けられた(図1i及びj)。特に、JunB及びpSTAT6シグナル伝達の両方の阻害が観察されたことから、イブルチニブに短時間曝露しただけでTh2優位なIL4/STAT6自己分泌軸(autocrine axis)が撹乱されたことが示唆された。一方、JAK3阻害により、本発明者らの生体外データをある程度説明することができ、本発明者らの最初の標的検証試験では、イブルチニブはこのキナーゼに直接影響しないことが細胞系アッセイにおいて実証されている(図10)。
イブルチニブは、Th2シグナル伝達経路を偏って阻害するものの、混合型集団T細胞培養の増殖能は阻害しない。
これらの観察をヒト初代CD4 T細胞に対し置き換え、イブルチニブ処理に伴うITK及び下流TCR阻害を評価した。T細胞におけるこれまでの研究と一致する、TCR誘導性ITKリン酸化の強力な不可逆的阻害が特定された(図2a)。更に、初代CD4 T細胞において、NFAT、JunB、及びIkBα下流シグナル伝達が確認された(図2a及びb)。これに加え、JunB−IL4/pSTAT6 Th2シグナル伝達軸が撹乱されたものの、免疫ブロットにより明らかであるように、約10倍超の濃度のイブルチニブではIFNγ/pSTAT1 Th1分子軸は撹乱を受けず、未変化のままであった(図2a及び11)。CD4 T細胞(図2c及びd)の割合において、NFATの核局在が阻害され、更にCD4 T細胞活性化の阻害が確認された。しかしながら、イブルチニブによる前処理が1μMを超過した場合でさえ、活性化CD4 T細胞のレムナント集団が存在していた。
TCR誘導による活性化イベントが進行させるITK自己リン酸化が変更を受けていないことを確認するため、初代CD4及びJurkat T細胞の両方を使用して、近位経路の構成要素を評価した。免疫ブロットデータにより、LCK、ZAP70及びLATの上流のリン酸化は未変更のままであったことが明らかとなった。更に、PKC活性化剤、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)及びカルシウムイオンフォア、イオノマイシンを利用し、Jurkat細胞では、NFAT活性及びikBaリン酸化を含むTCR活性化の遠位構成要素が、イブルチニブ処理とは無関係に関与することを確認した。
活性型ITKがPLCγ1のTyr783を直接リン酸化することを考慮して、投与前及び第8日目の凍結保存したPBMC由来のCD3/CD28刺激CD4 T細胞に対し、pPLCγ1−Tyr783 phosflow解析を実施した。この解析は、イブルチニブを経口投与されたCLL患者における、機能的なITK阻害を確認するために行った。その結果、TCRにより誘導されるpPLCγ1活性化が著しく低下していることが明らかであることから、これらの患者におけるCD4T細胞ITKシグナル伝達の阻害が確認された(図2e及び12)。
これまでのマウスにおける研究により、ITKの減少は、TCRシグナル伝達に対する応答における細胞内のカルシウム流を減弱させるものの、排除はしないことが実証されている。JurkaT細胞のイブルチニブ処理により同様の結果が得られた。これにより、イブルチニブによるITK阻害は、TCR刺激に対する応答における細胞内のカルシウム流を著しく減少させることが実証される。
急速な増殖は、TCRにより誘導される刺激の特質である。繰り返しCD3/CD28誘導される増幅に対するイブルチニブ前処理による影響を試験するため、CFSE染色CD4 T細胞の7日間の培養を解析した。イブルチニブ処置後最初の7日間では、全体的なCD4 T細胞増殖能に対し観察された阻害は非常に僅かであった(図2f)。同様にリコール応答による増殖も影響を受けないことを確認するめ、培養物をCD3/CD28により再刺激し、細胞を増殖追跡色素PKH26により再染色した。イブルチニブ処理したCD4 T細胞培養物は、10μM超の薬理量を除き、リコール刺激に応じて未処理の培養物よりも増殖した。更に、ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリー、及びターミナルメモリーサブセットは、イブルチニブによる影響を受けなかった(図13)。総じて、これらのデータは、Th1偏向したT細胞のレムナント集団がイブルチニブ阻害に耐性であり、TCR刺激による機能的活性化能を保有しており、そうでなければ阻害されるCD4 T細胞のポリクローナル集団において増殖優位性を達成することを意味する。
イブルチニブにより誘導されるITK−C442の不可逆的阻害により、RLKを発現しているTh1及びCD8 T細胞に対し選択優位性がもたらされる。
CD4 T細胞においてイブルチニブの主要な不可逆的分子標的がITKであることを確認するため、イブルチニブ、又はITKを標的としない2種の代替的なBTK阻害剤(IC50>22.5nM)のうちの1種により前処理した初代CD4 T細胞において、TCR誘導によるNFAT、pSTAT1、pSTAT6、pIkBα、及びJunBの活性化を評価した(図3a、b及び14〜18)。ITKを標的としない、これらの2種類の代替的なBTK阻害剤と比較したときに、イブルチニブ(ITK IC50=2.2nM)のみが生体外でTCR下流分子の活性化を阻害することができた。
分子的に確認される通り、ITKは、イブルチニブの不可逆的共有結合部位を欠損しているITK、すなわちITK−C442Aにより生成され、安定的に形質導入されるJurkat株であるCD4 T細胞において主要な不可逆的標的であった(図3c)。ITK−C442A Jurkat株が、8μMを超過する薬剤濃度に対しNFAT活性を維持したのに対し、野生型及び親株は2〜4μMで阻害された(図3d)。
イブルチニブは、生体外でTh1/Th2応答を偏向させ、Th2の特定の重要なシグナル伝達経路(例えば、JunB及びSTAT6)を減弱させた一方で、0.1〜1μMの生理学的に関連する投与量下では、Th1に関連するシグナル伝達経路(STAT1など)は保存した。この分子阻害パターンは、阻害を受けていないCD4 T細胞の増殖と同時に生じる。Th1との関連で、Th2偏向しているT細胞の差次的阻害を解明するため、これまでに記載されている方略を利用し、生体外においてナイーブCD4 T細胞を偏向させて、IFNγ産生Th1細胞及びIL4産生Th2細胞の富化培養物を得た(図3e)。Th2培養物のみが、IL4産生の低下により実証される通り、生理学的に相関するイブルチニブ濃度に感受性を示した。更に、イブルチニブは、Th2 T細胞においてNFAT及びIkBαの活性化を阻害したのに対し、Th1偏向しているCD4 T細胞並びにCD8 T細胞は、いずれも、10μM未満の前処理濃度のイブルチニブに対して耐性であった(図3f)。
Th1 CD4及び通常のCD8 T細胞において、RLKはITKと重複する役割を果たすものの、Th2偏向しているCD4 T細胞と、Th2様JurkaT細胞株は、いずれもRLK31を発現しない。RLK発現がTh1 T細胞をイブルチニブによる阻害から保護するという仮説を検証するため、RLKを発現するよう安定的に形質導入したJurkaT細胞を試験した(図3g)。8μM超でのイブルチニブ投与ではJurkat−RLK細胞株においてTCR下流のNFAT活性化が保護されたのに対し、親ベクター及び空ベクターによる安定な形質移入体では、いずれもが、生体外で2〜4μMの濃度のイブルチニブに影響を受けた(図3h)。細胞内のカルシウム放出の確認実験により、RLKを安定的に発現しているJurkaT細胞におけるカルシウム流の顕著な回復が実証される。この結果により、RLKがイブルチニブにより阻害されたITKを補償することで、T細胞の特異的なRLK発現サブセットの代替的な活性化プラットフォームが提供されることが実証される。
イブルチニブは、Th2活性化を制限することにより、健常ドナー及び慢性リンパ性白血病患者由来のCD4 T細胞の混合集団におけるTh1増殖を選択的に促進する。
CD4T細胞集団のTh1/Th2偏向に対するイブルチニブの効果を経時的に評価するため、健常なドナーから単離されたCD4 T細胞を、イブルチニブにより前処理した後3日間培養した。細胞内染色解析により、IFNγ陽性T細胞の増殖が確認された(図4a)。この増殖はJunBタンパク質レベルの低下と相関し、T−betの発現下では激増する(図4b)。これらのデータにより、イブルチニブで処理したCD4 T細胞培養物において、Th1細胞が、急速に発展する優位なサブ集団を形成することが示される。
CLLの設定下でのこれらの結果の機能的な相関を確認するため、イブルチニブによる処置を受けていないCLL患者から精製した、イブルチニブ前処理、CD3/CD28刺激CD4Tバルク細胞培養物において、IFNγ及びIL4の細胞内染色を実施した。このデータにより、IL4+Th2 CD4 T細胞が減少すること、またのその一方でIFNγ+Th1 CD4 T細胞は影響を受けないことが明らかとなった(図4c)。イブルチニブにより誘導されるTh2抑制が、より大きな患者コホートにおいて相関することを確認するため、健常なドナー及びCLL患者から単離されたCD4 T細胞をイブルチニブにより前処理した。刺激後、CD4 T細胞のIL4生産Th2集団において著しい減少が確認されたのに対し、IFNγ産生Th1細胞は、1μM未満の投与量でのイブルチニブによる前処理ではほとんど影響を受けなかった(図4d及びe)。0.1〜1μMでのイブルチニブの投与下では2集団に顕著な相違が観察された。この濃度は、マウス及びヒト試験の両方におけるこの試験剤の投与についての生体内薬物動態から、患者において達成され得る濃度と一致する。
イブルチニブは、Th2優位の皮膚リーシュマニア症の生体内モデルにおいて、Th1介在性の森林型熱帯リーシュマニア(L. major)免疫を駆動する。
ITKノックアウトマウスにおいて実施した試験により、Th1偏向している免疫では、皮膚森林型熱帯リーシュマニア(L. major)寄生生物感染症8に対し有効な応答を特異的に開始し得ることが明らかとなった。本発明者らは、この原型となるTh1/Th2免疫モデルを利用し、ITK阻害剤としてイブルチニブを使用して、同等の結果を実証しようと試みた(図5a)。T細胞サイトカイン解析により、Th1サイトカインIFNγと比較して、Th2サイトカインIL10、IL4及びIL13が著しく減少していることが実証された(図5b及びc)。Th1免疫の増強は、皮膚病変が小さく、寄生生物負荷が少ないことから明らかであるように、イブルチニブにより処置したマウスにおける寄生生物クリアランスの向上に相関した(図5d、e及びf)。
EμTCL1白血病モデルによるイブルチニブの第I相臨床試験により、Th1/Th2スキューイングと、感染症の発症における直接相関とが確認されている。
ヒト患者におけるこれらの生化学的所見を検証するため、第I相試験の一環としてイブルチニブを投与した再発性又は難治性CLL患者において、血中サイトカインレベルを調査した。データにより、治療前からイブルチニブ治療の第28日目までにかけて、IL10、IL4、及びIL13などの血中Th2型サイトカインが減少することが実証された(図6a)。これは、Th1型サイトカインIFNγでは同時に上昇したこととは顕著に異なっていた。血漿IFNγ、IL4、及びIL13は、そのほとんどが、活性化されたエフェクターT細胞に由来することから、これらのサイトカインレベルの増加は、単にB細胞又はBTKの阻害が標的を駆動することに起因するものではない。観察されるTh1サイトカインスキューイングに対するB細胞の何らかの潜在的な関与を更に排除するため、本発明者らは、同一の時点で末梢CD19+B細胞及びCLL mRNAレベルを解析し、B細胞のサイトカイン発現においてこのような偏向が存在していないことを発見した(図19)。
この、イブルチニブにより誘導されるTh1サイトカインスキューイングの長期間の機能的関連性を評価するため、8ヶ月齢C57BL/6 EμTCL1マウスコホートにおいて、IgGサブアイソタイプ解析を実施した。これらのマウスを連続して7ヶ月にわたってイブルチニブ又はビヒクルにより処置した。この解析により、IgG1(Th2)及びIgG2c(Th1)の相対量により測定される通り、Th1/Th2比の有意(p=0.002)な逆転が明らかとなり、生体内における、イブルチニブに関連するTh1スキューイングが確認された(図6b)。
CLL患者では、免疫抑制に関連する感染症が主な死因である。したがって、同時発生的白血病/リステリア症マウスモデルにおいて、イブルチニブ免疫修飾の治療相関性を調査した。このモデルでは、EμTCL1白血病移植マウスをイブルチニブ又はビヒクルにより処置した。治療の7日後、マウス(非白血病対照コホートと併せて)には、免疫優性トリ卵白アルブミン(OVA)タンパク質を発現しているL.モノサイトゲネス(L. monocytogenes)(リステリア)を致死量未満(5000CFU)で静脈内投与した(図6c)。リステリアは細胞内病原体であることから、殺菌免疫を達成するにはロバストなTh1及びCD8T細胞応答が必要とされる。血漿IFNγ及びTNFαの上昇と、ロバストな単球IL6産生により、リステリア応答性Th1−偏向免疫が示された。感染後第2日目の血漿サイトカイン解析により、イブルチニブ処置したマウスでは、ビヒクルで処置した白血病動物と比較してIFNγ、TNFα及びIL6が有意(p=0.0198)に上昇していたことが明らかとなった(図6d〜f)。テトラマー解析により、ビヒクルで処置した白血病群においてOVA特異的CD8T細胞応答が減少していることが明らかとなった;しかしながら、この免疫抑制はイブルチニブ治療では逆転した(図6g及び20)。縦断的解析により、リステリア応答の全体的な規模は、白血病マウスにおいて有意に減弱していることが確認された(第6日目でp=0.025)。しかしながら、イブルチニブは、健常な非白血病マウスと近似する程度の応答正確性を有意に(p=0.028)回復した(図6h)。中間解析により、健常マウス及びイブルチニブ処置した白血病マウスの全てで、第8日目には感染症が一掃されたにも関わらず、ビヒクル処置したマウスの半数は、第8日目に解析した時点で、肝臓内に、制御を受けておらず恐らくは致死性となっているリステリア感染症を示すことが明らかとなった(図6i)。
実施例2:イブルチニブPCYC−04753第I相臨床試験は、IFNγレベルの上昇に起因するTh1/Th2スキューイングを実証する。
第I相試験の一環としてイブルチニブを投与されたCLL患者において、血中サイトカイン及びケモカインレベルを調査した。データにより、治療前からイブルチニブ治療の第28日目までにかけて、IL10、IL4、及びIL13などの血中Th2型サイトカインが減少することが実証された(図21a)。MIP1α、MIP1β及びMDCを阻害するTh2型ケモカインもまた、処置前から第28日目までに減少を示した。これらのTh2型サイトカイン/ケモカインレベルは、Th1型サイトカインIFNγは同時に上昇するのに対して顕著に対照的である。Th1型サイトカインである可溶性CD40L(sCD40L)は、第I相試験の一環としてイブルチニブを投与された患者において、減少を示した。第I相試験の一環としてイブルチニブを投与されたCLL患者において、Th1/Th2比も調査した(図21b)。データにより、血中サイトカインIL4、IL13及びsCD40Lは減少しており、IFNγは増加していることが示された。
実施例3:イブルチニブは、高リスクRR CLL患者において、サイトカイン/ケモカイン応答に影響を与える。
コホート4試験の一環としてイブルチニブを投与された、高リスクRR CLL患者において、血中サイトカイン及びケモカインレベルを調査した。データは、処置前からイブルチニブ治療の第28日目までに、血中Th2型サイトカイン(IL10、IL8、MCP−1、MDC、MIP1α、及びMIP1βを含む)レベルが減少していることを実証した(図22)。Th2型サイトカインIL6のレベルは、イブルチニブ治療の過程の間一定に維持された。イブルチニブ治療の過程の間、Th1型サイトカインTNF−αのレベルも減少した。
実施例4:イブルチニブ臨床試験はマントル細胞リンパ腫患者におけるTh1/Th2スキューイングを実証する。
臨床試験の一環としてイブルチニブを投与されたMCL患者において、血中サイトカイン及びケモカインレベルを調査した。第0日目、第1日目の4時間目、第1日目の24時間、第15日目及び第29日目に、サイトカイン及びケモカイン(IL10、IL13、IL4、sCD40L、IFNγ及びMIP1βを含む)のレベルを測定した(図23)。イブルチニブ処置後に、IL10、IL13及びIL4のレベルの減少が観察された。これは、IFNγレベルが増加したのに対し顕著に対照的であった。
本明細書に記載の実施例及び実施形態は例示目的のみのためのものであり、当業者に対し提案される各種修正又は変更は、本出願及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び権利範囲内に包含される。