以下に、本願に係る表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.表示制御処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る表示制御処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る表示制御処理の一例を示す図である。図1では、本願に係る表示制御装置100によって、デジタルサイネージに所定のコンテンツが配信され、デジタルサイネージにおける表示制御処理が行われる例を示す。なお、実施形態では、所定のコンテンツとは、例えば静止画や動画によって構成される広告コンテンツである。
図1に示す表示制御装置100は、ネットワークを介して所定のコンテンツをデジタルサイネージに配信したり、配信したコンテンツの表示制御処理を実行したりするサーバ装置である。
図1に示すデジタルサイネージ50は、ネットワークを介して配信されるデジタルコンテンツを表示する情報表示装置であり、道路や駅などに設置される。なお、デジタルサイネージ50は、自身でコンテンツを保持し、表示制御装置100から送信される表示制御信号に基づいて、保持するコンテンツの表示処理を行ってもよい。図1に示す例では、デジタルサイネージ50は、駅の通路に設置されるものとする。また、図1ではデジタルサイネージ50を一つだけ図示しているが、駅の通路には、複数のデジタルサイネージ50が設置されてもよい。
図1に示すユーザ端末101は、ユーザに利用されるスマートフォン等の情報処理端末である。また、図1に示すユーザU01は、駅に所在するユーザの一例であり、ユーザ端末101を所持するユーザである。また、図1に示すユーザU02、ユーザU03、ユーザU04、及びユーザU05も、駅に所在するユーザの一例である。図1での図示は省略しているが、ユーザU02等も、それぞれがユーザ端末を所持する。例えば、ユーザU02は、ユーザ端末102を所持する。実施形態では、ユーザ端末101やユーザ端末102を区別する必要のない場合、「ユーザ端末10」と総称する。また、実施形態に係るユーザ端末101は1台に限らず、複数台存在していてもよい。すなわち、ユーザU01は、複数台の端末を所持していてもよい。なお、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替える場合がある。例えば、「ユーザU01が表示制御装置100に情報を送信する」という記載は、実際には、「ユーザU01が利用するユーザ端末101が表示制御装置100に情報を送信する」という状況を示す場合がある。
図1に示す例において、表示制御装置100は、ユーザ端末101から送信されるユーザU01の行動履歴に基づいて、ユーザU01の状況を予測する。例えば、表示制御装置100は、ユーザU01の状況として、ユーザU01の未来の行動(次の行動)を予測する。具体的には、表示制御装置100は、駅に所在するユーザU01が、次に移動すると推定される移動先を予測する。そして、表示制御装置100は、予測した移動先に基づいて、デジタルサイネージ50に表示するコンテンツを選択する。具体的には、表示制御装置100は、ユーザU01の移動先に関連するコンテンツを選択する。そして、表示制御装置100は、選択したコンテンツをデジタルサイネージ50に配信し、デジタルサイネージ50におけるコンテンツの表示制御処理を行う。これにより、表示制御装置100は、駅からユーザU01が向かおうとしている移動先に関連するコンテンツをデジタルサイネージ50に表示させることができるため、ユーザU01の興味関心を惹くコンテンツを表示させることができる。以下、図1を用いて、表示制御装置100による実施形態に係る表示制御処理の流れについて説明する。
まず、表示制御装置100は、ユーザ端末101からユーザU01の行動履歴及び位置情報を取得する(ステップS11)。例えば、表示制御装置100は、ネットワークを介して、継続的にユーザU01の行動履歴及び位置情報を取得する。具体的には、表示制御装置100は、ユーザ端末101にインストールされたアプリケーションによる制御に従い、ユーザ端末101との継続的な通信を確立し、行動履歴及び位置情報を定期的(例えば10秒や1分ごと)に取得する。
そして、表示制御装置100は、取得した位置情報に基づいて、ユーザU01が所在範囲A01に位置することを判定する。所在範囲A01は、例えばデジタルサイネージ50に表示させるコンテンツを選択するために任意に設定される範囲である。具体的には、デジタルサイネージ50に表示されるコンテンツは、所在範囲A01に所在する各ユーザから取得される情報に基づいて選択される。所在範囲A01は、例えば、デジタルサイネージ50を中心として所定距離までの範囲であり、表示制御装置100の管理者やデジタルサイネージ50の管理者等によって設定される。例えば、表示制御装置100は、ユーザU01から取得した位置情報が示す位置が所在範囲A01に含まれる場合に、ユーザU01が所在範囲A01に位置すると判定する。
続いて、表示制御装置100は、取得したユーザU01の行動履歴に基づいて、ユーザU01の移動先を予測する(ステップS12)。例えば、表示制御装置100は、ユーザが所在範囲A01に所在するまでの位置情報の推移や、ユーザのネットワーク上の行動等に基づいて学習される行動予測モデルであって、ユーザが移動すると予測される移動先の確度を示す行動予測モデルを用いて、ユーザU01の移動先を予測してもよい。また、表示制御装置100は、いわゆるNPP(Next Place Prediction)に関する既知のアルゴリズム(例えば、SubsynE等)を用いて、ユーザU01の移動先を予測してもよい。
表示制御装置100は、ユーザU01において予測される移動先を位置情報(例えば経度緯度等の数値)として出力してもよいし、既存の地図情報を参照して、出力した位置情報に対応する地図上の対象を出力してもよい。地図上の対象とは、例えば、移動先として予測される位置情報に対応するランドマーク等である。図1では、表示制御装置100は、ユーザU01において予測される移動先として、駅の近傍に位置するランドマークの一例である「BBBドーム」を出力したものとする。
そして、表示制御装置100は、予測した移動先に関連するコンテンツを選択する(ステップS13)。表示制御装置100は、表60に示すような、「予測移動先」と「関連するコンテンツ」とを対応付けたデータベースを有する。図1の例では、表示制御装置100は、データベースを参照し、関連するコンテンツとして、ユーザU01の移動先として予測された「BBBドーム」に対応付けられるコンテンツC01を選択する。なお、ユーザU01の移動先として予測された対象が仮に「CCCタワー」であった場合には、表示制御装置100は、関連するコンテンツとして、ユーザU01の移動先として予測された「CCCタワー」に対応付けられるコンテンツC02を選択する。
そして、表示制御装置100は、選択したコンテンツC01をデジタルサイネージ50に配信する(ステップS14)。デジタルサイネージ50は、表示制御装置100の制御に従い、配信されたコンテンツC01を表示する。これにより、表示制御装置100は、ユーザU01の移動先であるBBBドームで行われているイベントの内容を告知したり、BBBドームに到着した後の案内を告知したりする内容のコンテンツC01をデジタルサイネージ50に表示させることができる。かかる内容は、他のコンテンツが表示された場合に比べて、ユーザU01の興味関心を惹くことができると想定される。すなわち、表示制御装置100は、実施形態に係る処理により、ユーザU01の興味関心を惹くコンテンツC01をデジタルサイネージ50に表示させることで、コンテンツC01の訴求効果を向上させることができる。
なお、上記の例では、説明を簡単にするために、ユーザU01において予測される移動先を用いてコンテンツを選択する例を示したが、表示制御装置100は、所在範囲A01に含まれる全てのユーザの移動先を予測して、上記の処理を行ってもよい。
すなわち、表示制御装置100は、ユーザU02やユーザU03等から位置情報及び行動履歴を取得する。表示制御装置100は、取得した位置情報に基づいて、ユーザU02やユーザU03等、所在範囲A01に所在する全てのユーザを特定する。そして、表示制御装置100は、所在範囲A01に所在する全てのユーザの移動先を予測する。その後、表示制御装置100は、所在範囲A01に所在する全てのユーザの移動先に基づいて、コンテンツを選択する。
この場合、表示制御装置100は、所在範囲A01に所在する複数のユーザにおいて、予測される移動先が複数存在する場合には、移動先ごとのユーザの数もしくは割合に基づいて、デジタルサイネージ50に表示させるコンテンツを選択してもよい。具体的には、表示制御装置100は、所在範囲A01に所在する複数のユーザのうち、「BBBドーム」に向かうと予測されるユーザが最も多い場合には、「BBBドーム」に関連するコンテンツC01を選択する。あるいは、表示制御装置100は、所在範囲A01に所在する複数のユーザのうち、「CCCタワー」に向かうと予測されるユーザが最も多い場合には、「CCCタワー」に関連するコンテンツC02を選択する。
また、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50における表示時間を調整して、複数のコンテンツを選択してもよい。例えば、所在範囲A01に所在する複数のユーザにおいて、「BBBドーム」に向かうと予測されるユーザが6割であり、「CCCタワー」に向かうと予測されるユーザが4割である場合、表示制御装置100は、「BBBドーム」に関連するコンテンツC01と、「CCCタワー」に関連するコンテンツC02の双方を選択し、デジタルサイネージ50に配信する。そして、表示制御装置100は、所定時間(例えば1時間)のうち、6割の時間はコンテンツC01を表示させ、4割の時間はコンテンツC02を表示させるようにデジタルサイネージ50を制御してもよい。
以上、図1を用いて説明してきたように、表示制御装置100は、ユーザが利用するユーザ端末10の位置情報と、ユーザの行動履歴とを取得する。そして、表示制御装置100は、取得した位置情報と行動履歴とに基づき予測されるユーザの状況(図1の例では、当該ユーザにおいて予測される移動先)に関連するコンテンツを選択する。さらに、表示制御装置100は、選択したコンテンツを、取得した位置情報に対応するデジタルサイネージ50に表示させる処理を制御する。
このように、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50が設置された場所(図1では駅)を訪れたユーザの次の移動先を予測し、予測した移動先に基づいて、デジタルサイネージ50の表示するコンテンツを選択する。すなわち、表示制御装置100は、現時点のユーザの情報のみならず、ユーザの未来の行動に基づいて、デジタルサイネージ50が表示するコンテンツを出し分けることができる。これにより、表示制御装置100は、ユーザが興味関心のあると想定される対象に関連するコンテンツを優先的にデジタルサイネージ50に表示させることができるので、コンテンツの訴求効果を向上させることができる。以下、上記処理を行う表示制御装置100、及び、表示制御装置100を含む表示制御システム1の構成等について、詳細に説明する。
〔2.表示制御システムの構成〕
図2を用いて、実施形態に係る表示制御装置100が含まれる表示制御システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る表示制御システム1の構成例を示す図である。図2に例示するように、実施形態に係る表示制御システム1には、ユーザ端末10と、デジタルサイネージ50と、表示制御装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示した表示制御システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台のデジタルサイネージ50が含まれてもよい。
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。さらに、ユーザ端末10には、情報処理機能を有する種々のスマート機器が含まれてもよい。例えば、ユーザ端末10には、TV(Television)や設置型スピーカなどのスマート家電や、自動車などのスマートビークル(Smart vehicle)や、ドローン(drone)、家庭用ロボットなどが含まれてもよい。
デジタルサイネージ50は、ネットワークを介して配信されるデジタルコンテンツを表示する情報表示装置であり、道路や駅などに設置される。デジタルサイネージ50は、表示制御装置100や各種装置と情報を送受信する機能を有する。また、デジタルサイネージ50は、近傍の情報を検知する機能を有していてもよい。例えば、デジタルサイネージ50は、カメラやマイクロフォン、有人検知機器、無線通信送受信機器等を備え、種々の情報処理を行ってもよい。一例として、デジタルサイネージ50は、カメラを介して、デジタルサイネージ50の周辺に所在するユーザの情報(例えば、ユーザの外見、性別、年齢等)を取得したり、どのくらいの人数のユーザがデジタルサイネージ50を見ているかといった情報を取得したりしてもよい。この場合、デジタルサイネージ50は、既知の顔認識技術や、ユーザの目の動きを判別するアイトラッキング技術を活用してもよい。
表示制御装置100は、ユーザが利用するユーザ端末10の位置情報と、ユーザの行動履歴とを取得し、取得した位置情報と行動履歴とに基づき予測されるユーザの移動先に関連するコンテンツを選択し、選択したコンテンツを、取得した位置情報に対応するデジタルサイネージに表示させる処理を制御するサーバ装置である。
〔3.表示制御装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る表示制御装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る表示制御装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、表示制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、表示制御装置100は、表示制御装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、デジタルサイネージ50との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、コンテンツ記憶部122と、デジタルサイネージ記憶部123とを有する。
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、ユーザに関する情報を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係るユーザ情報記憶部121の一例を示す。図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部121の一例を示す図である。図4に示した例では、ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「行動履歴情報」、「現在位置情報」、「所在範囲」、「予測移動先」といった項目を有する。
「ユーザID」は、ユーザ又はユーザが利用するユーザ端末10を識別する識別情報である。なお、本明細書中では、図4に示したような識別情報を参照符号として用いる場合がある。例えば、ユーザID「U01」によって識別されるユーザを「ユーザU01」と表記する場合がある。
「行動履歴情報」は、ユーザの行動履歴を示す。図4では、行動履歴情報を「L01」のように概念的に表記しているが、実際には、行動履歴情報の項目には、ユーザの位置情報の推移が具体的に記憶される。なお、行動履歴情報には、ユーザの位置情報のみならず、ユーザの位置を推定することのできる情報が含まれてもよい。例えば、行動履歴情報には、ユーザ端末10と所定のアクセスポイントとの通信履歴や、ユーザ端末10を用いて駅の改札を通過した移動履歴や、ユーザ端末10を用いて決済処理を行った際の店舗の位置情報等が含まれてもよい。
「現在位置情報」は、ユーザの現在の位置情報を示す。図4では、現在位置情報を「G01」のように概念的に表記しているが、実際には、現在位置情報の項目には、ユーザの位置情報の具体的な数値(例えば、緯度や経度等)が記憶される。また、現在位置情報は、行動履歴情報に保持される位置情報と同じく、経度や緯度等の数値のみならず、ユーザの位置を推定することのできる情報であれば、いずれの情報であってもよい。
「所在範囲」は、ユーザが所在する範囲を示す。なお、所在範囲は、上記のように、デジタルサイネージ50の設置場所等に基づいて、表示制御装置100の管理者等から予め設定される。ユーザがどの所在範囲に属するかは、例えば、現在位置情報に基づいて判定される。「予測移動先」は、現在位置からユーザが次に移動すると予測される移動先を示す。
すなわち、図4に示したデータの一例は、ユーザID「U01」で識別されるユーザU01の行動履歴情報が「L01」であり、現在位置情報が「G01」であり、所在範囲が「A01」であり、行動履歴情報L01及び現在位置情報G01から予測されるユーザU01の予測移動先が「BBBドーム」であることを示している。
(コンテンツ記憶部122について)
続いて、図5に、実施形態に係るコンテンツ記憶部122の一例を示す。図5は、実施形態に係るコンテンツ記憶部122の一例を示す図である。コンテンツ記憶部122は、コンテンツに関する情報を記憶する。図5に示した例では、コンテンツ記憶部122は、「コンテンツID」、「広告主ID」、「関連する移動先」、「課金額」といった項目を有する。
「コンテンツID」は、コンテンツを識別する識別情報を示す。「広告主ID」は、コンテンツを入稿した広告主を識別する識別情報を示す。
「関連する移動先」は、コンテンツに関連付けられた移動先に関する情報であり、表示制御装置100がコンテンツを選択する際に利用される情報を示す。関連する移動先は、コンテンツの提供主である広告主等によって設定されてもよいし、表示制御装置100の管理者等によって設定されてもよい。また、関連する移動先は、コンテンツの内容に基づいて、自動的に設定されてもよい。例えば、表示制御装置100は、コンテンツに含まれるテキストデータや画像データを解析し、当該コンテンツが関連する移動先(例えばランドマーク等)を推定してもよい。また、コンテンツは、関連する移動先を複数有していてもよい。
「課金額」は、デジタルサイネージ50によるコンテンツ表示の対価として広告主が課金した額を示す。詳細は後述するが、表示制御装置100は、課金額に基づいてデジタルサイネージ50に表示するコンテンツを選択してもよい。なお、課金額は、デジタルサイネージ50に1回表示された場合に広告主に課金される額(すなわち、広告主が表示制御装置100側に支払う額)であってもよいし、所定時間だけデジタルサイネージ50に表示された場合に課金される額であってもよい。
すなわち、図5に示したデータの一例では、コンテンツID「C01」で識別されるコンテンツC01は、広告主ID「B01」で識別される広告主B01から入稿されたコンテンツであり、関連する移動先は「BBBドーム」であり、課金額は「1000」円であることを示している。
(デジタルサイネージ記憶部123について)
続いて、図6に、実施形態に係るデジタルサイネージ記憶部123の一例を示す。図6は、実施形態に係るデジタルサイネージ記憶部123の一例を示す図である。デジタルサイネージ記憶部123は、デジタルサイネージ50に関する情報を記憶する。図6に示した例では、デジタルサイネージ記憶部123は、「デジタルサイネージID」、「設置位置情報」、「所在範囲」といった項目を有する。
「デジタルサイネージID」は、デジタルサイネージ50を識別する識別情報を示す。「設置位置情報」は、デジタルサイネージ50が設置されている位置を示した情報である。設置位置情報は、図4に示した現在位置情報と同様に、具体的な経度や緯度を示す数値であってもよいし、デジタルサイネージ50の位置を特定することが可能な種々の情報であってもよい。
「所在範囲」は、図4で示した同一の項目に対応する。上記のように、所在範囲は、デジタルサイネージ50が設置されている位置を含む範囲であり、例えば、デジタルサイネージ50が表示するコンテンツが選択される要因となるユーザを特定する範囲である。すなわち、デジタルサイネージ50は、対応する所在範囲に位置したユーザの予測移動先に基づいて、表示するコンテンツが選択される。所在範囲は、例えば、位置情報の数値の羅列によって規定されてもよいし、デジタルサイネージ50を中心とした所定距離の範囲(円状や楕円状)によって規定されてもよい。
すなわち、図6に示したデータの一例は、デジタルサイネージID「DS01」によって識別されるデジタルサイネージ50は、設置位置情報は「GS01」であり、所在範囲は「A01」であることを示している。
(制御部130について)
図3に戻って説明を続ける。制御部130は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、表示制御装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(表示制御プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、予測部132と、選択部133と、表示制御部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザが利用するユーザ端末10から、ユーザ端末10の位置情報と、ユーザの行動履歴とを取得する。
取得部131は、ユーザ端末10に情報取得要求を送信し、要求に応答したユーザ端末10から情報を取得してもよい。また、取得部131は、インストールされたアプリケーションにより制御されたユーザ端末10から、定期的に情報を取得してもよい。また、取得部131は、ユーザ端末10をクロール(crawl)することによって情報を取得してもよい。取得部131は、取得した情報をユーザ情報記憶部121に格納する。
なお、取得部131は、ユーザ端末10内部に保持されている行動履歴を取得してもよいし、ユーザ端末10以外に保持されている行動履歴を取得してもよい。例えば、ユーザ端末10は、所定のアプリケーション等の機能により、行動履歴を定期的にウェブサーバ等にアップロードしている場合がある。このような場合、取得部131は、ユーザIDに基づいて、当該ユーザを識別する。続けて、取得部131は、ユーザが日常的に利用しているウェブサービス(例えば、クラウド上のサービス)等を提供するウェブサーバに対して、ユーザIDをキーとして、当該ユーザの行動履歴の取得要求を送信する。そして、取得部131は、取得要求に応答したウェブサーバを介して、ユーザの行動履歴を取得する。これにより、取得部131は、ユーザ端末10内部に行動履歴が保持されていなくとも、ユーザの行動履歴を取得することができる。
また、取得部131は、広告主等のコンテンツの提供主からコンテンツを取得する。具体的には、取得部131は、広告主からコンテンツの入稿を受け付け、コンテンツに関する情報や、コンテンツのデータ(例えば、静止画像や動画像、テキストデータ等)を取得する。取得部131は、取得したコンテンツに関する情報をコンテンツ記憶部122に格納する。
また、取得部131は、制御を行うデジタルサイネージ50に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、デジタルサイネージ50を管理する事業者等から、デジタルサイネージ50の識別情報や、デジタルサイネージ50の設置場所等を取得する。取得部131は、取得したデジタルサイネージ50に関する情報をデジタルサイネージ記憶部123に格納する。
(予測部132について)
予測部132は、取得部131によって取得された情報に基づいて、ユーザの移動先を予測する。具体的には、予測部132は、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動履歴に含まれる位置情報の推移に基づいて、ユーザの移動先を予測する。
予測部132は、種々の既知の技術を利用して、ユーザの移動先を予測してもよい。例えば、予測部132は、上述した既知のアルゴリズム(Subsyn E等)を用いて移動先を予測してもよい。また、予測部132は、ユーザの位置情報の推移に基づいて、ユーザの移動先を予測するための学習モデルを生成し、生成したモデルを用いて移動先を予測してもよい。
なお、予測部132は、ユーザが所定の場所に所在したことを契機として、ユーザの移動先を予測するようにしてもよい。図1の例では、予測部132は、ユーザU01が所在範囲A01に位置したことを契機として、ユーザU01が所在範囲A01から次に移動する移動先を予測してもよい。すなわち、予測部132は、ユーザU01の現在位置情報と、その現在位置情報に至るまでの行動履歴とに基づいて、ユーザU01の移動先を予測する。
また、予測部132は、デジタルサイネージ50ごとに設定された所在範囲に所在するユーザの全てについて、それぞれのユーザの移動先を予測してもよい。そして、予測部132は、予測した移動先に関する情報を選択部133に送る。
(選択部133について)
選択部133は、取得部131によって取得された位置情報と行動履歴とに基づき予測されるユーザの移動先に関連するコンテンツを選択する。具体的には、選択部133は、予測部132によって予測されたユーザの移動先を参照し、参照した移動先に関連付けられたコンテンツを選択する。
なお、選択部133は、所定範囲内に所在する複数のユーザにおいて、予測される移動先が複数存在する場合には、移動先ごとのユーザの数もしくは割合に基づいて、デジタルサイネージ50に表示させるコンテンツを選択してもよい。例えば、選択部133は、デジタルサイネージ50に対応する所在範囲に所在するユーザのうち、最も多くのユーザが移動すると予測される対象に関連するコンテンツが存在する場合には、かかるコンテンツを選択する。なお、選択部133は、最も多くのユーザが移動すると予測される対象に関連するコンテンツが存在しない場合、次点となる移動先(すなわち、2番目に多くのユーザが移動すると予測される対象)に関連するコンテンツを選択するようにしてもよい。
また、選択部133は、所定範囲内に所在する複数のユーザにおいて、予測される移動先が複数存在する場合には、移動先に関連するコンテンツの提供主(例えば広告主)が課金した課金額に基づいて、デジタルサイネージ50に表示させるコンテンツを選択してもよい。すなわち、選択部133は、移動先とともに、提供主が課金した金額を加味して、デジタルサイネージ50に表示するコンテンツを選択する。
例えば、所定範囲内に所在する複数のユーザにおいて、6割のユーザの移動先が「BBBドーム」であり、4割のユーザの移動先が「CCCタワー」であると仮定する。この場合、選択部133は、さらに、双方に関連するコンテンツの課金額を参照する。そして、選択部133は、例えば、ユーザ数の割合と課金額とを乗算して、コンテンツのスコアを算出する。具体的には、選択部133は、「BBBドーム」に関連するコンテンツC01の課金額が「1000」円である場合、(0.6*1000)=600をコンテンツC01のスコアとする。また、選択部133は、「CCCタワー」に関連するコンテンツC02の課金額が「2000」円である場合、(0.4*2000)=800をコンテンツC02のスコアとする。この場合、ユーザの移動先として予測される割合は「BBBドーム」の方が多いものの、スコアはコンテンツC02が上回っているため、選択部133は、コンテンツC02を選択してもよい。
なお、選択部133は、所定の時間帯においてデジタルサイネージ50に表示させる複数のコンテンツを選択してもよい。例えば、デジタルサイネージ50は、所定の時間帯(例えば、朝9時から朝10時までの1時間)において、一つのコンテンツを表示するのではなく、表示を切り替えることで、複数のコンテンツを表示することができる。このため、選択部133は、表示制御を時間帯ごとに行う場合、デジタルサイネージ50に表示させる複数のコンテンツを選択し、選択したコンテンツをデジタルサイネージ50で表示させるようにしてもよい。
また、選択部133は、所定のデジタルサイネージ50から所定範囲内に所在するユーザの数が閾値を超えたと判定される場合に、所定範囲内に所在する各ユーザにおいて予測される移動先に関連するコンテンツを選択するようにしてもよい。具体的には、デジタルサイネージ50は、近傍に位置するユーザが少数(所定の閾値を超えない数)の場合、固定された表示を行い、近傍に位置するユーザが多数(所定の閾値を超える数)となった場合に、表示するコンテンツを変化させることができる。これにより、例えばコンテンツの表示に課金が行われる場合、無駄なインプレッションが発生することを防止できるため、広告主は、より費用対効果の高い表示制御を行わせることができる。かかる処理を実現するため、選択部133は、所定範囲内に所在するユーザの数が閾値を超えたと判定される場合に限り、コンテンツを選択するようにしてもよい。
選択部133は、コンテンツを選択した場合、選択したコンテンツのデータや、コンテンツに関する情報を表示制御部134に送る。
(表示制御部134について)
表示制御部134は、選択部133によって選択されたコンテンツを、取得部131によって取得された位置情報に対応するデジタルサイネージ50に表示させる処理を制御する。
例えば、表示制御部134は、選択部133によって選択されたコンテンツを、取得部131によって取得された位置情報に対応するデジタルサイネージ50(より具体的には、当該位置情報に含まれる所在範囲に対応付けられて設置されたデジタルサイネージ50)に配信する。そして、表示制御部134は、配信したコンテンツをデジタルサイネージ50に表示する処理を制御する。なお、デジタルサイネージ50が自装置で表示制御処理を行う場合には、表示制御部134は、選択部133によって選択されたコンテンツを配信するだけでもよい。
表示制御部134は、選択部133によって複数のコンテンツが選択された場合、選択部133がコンテンツを選択するために用いた指標に基づいて、所定の時間帯における複数のコンテンツの各々の表示時間を決定してもよい。指標とは、例えば、上記したユーザの数や割合、あるいはコンテンツのスコア等である。
例えば、表示制御部134は、所定範囲内に所在する複数のユーザのうち、移動先ごとのユーザの数もしくは割合に基づいて、所定の時間帯における複数のコンテンツの各々の表示時間を決定する。具体的には、表示制御部134は、所定範囲内に所在する複数のユーザのうち、「BBBドーム」に移動すると予測されるユーザが6割存在し、「CCCタワー」に移動すると予測されるユーザが4割存在していた場合には、所定の時間帯のうち、「BBBドーム」に関連するコンテンツを6割の時間表示させ、「CCCタワー」に関連するコンテンツを4割の時間表示させるよう制御する。
あるいは、課金額も含めたスコアに基づいて選択部133が複数のコンテンツを選択した場合、表示制御部134は、スコアに基づいて所定の時間帯における複数のコンテンツの各々の表示時間を決定してもよい。
また、表示制御部134は、所定のデジタルサイネージ50から所定範囲内に所在するユーザの数が閾値を超えたと判定されたことを契機として選択部133によってコンテンツが選択された場合に、コンテンツを所定のデジタルサイネージ50に表示させるよう制御する。すなわち、表示制御部134は、所定のデジタルサイネージ50の近傍に所在するユーザが所定の数を超えることを契機として、選択されたコンテンツを表示させるよう制御してもよい。これにより、表示制御部134は、無駄なインプレッションを抑え、デジタルサイネージ50がより多くのユーザに視認されると想定される適切なタイミングでコンテンツの表示を行うことができる。
〔4.ユーザ端末の構成〕
次に、図7を用いて、実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。図7は、実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示す図である。図7に示すように、ユーザ端末10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、検知部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。なお、ユーザ端末10が有する各処理部の接続関係は、図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、デジタルサイネージ50や表示制御装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC等によって実現される。
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、ユーザ端末10に備えられた操作キー等によって実現される。また、入力部12には、画像を撮影するための撮像装置(カメラ等)や、音声を集音する集音機器(マイク等)が含まれてもよい。
表示部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、表示部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、ユーザ端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12の一部と表示部13とは一体化される。
検知部14は、各種情報を検知する。例えば、検知部14は、ユーザ端末10の位置情報や、ユーザ端末10に対する各種操作や、ユーザ端末10の周囲の環境情報等を検知する。検知部14は、例えば、各種情報を検知するセンサやアンテナにより実現される。具体的には、検知部14は、ユーザ端末10と接続されている機器に関する通信状況や、ユーザ端末10の周囲の照度や騒音、ユーザ端末10の物理的な動き等を検知する。
例えば、検知部14は、ユーザ端末10の現在位置を検知する。具体的には、検知部14は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてユーザ端末10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。
なお、検知部14は、GPS以外の種々の手法により位置情報を取得してもよい。例えば、ユーザ端末10が駅改札や商店等で使用される非接触型ICカードと同等の機能を備えている場合(もしくは、ユーザ端末10が非接触型ICカードの履歴を読み取る機能を備えている場合)、ユーザ端末10によって駅での乗車料金の決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。検知部14は、かかる情報を検知し、位置情報として取得する。また、検知部14は、ユーザ端末10が特定のアクセスポイントと通信を行う際には、アクセスポイントから取得可能な位置情報を検知してもよい。また、位置情報は、ユーザ端末10が備える光学式センサや、赤外線センサや、磁気センサ等によって取得されてもよい。
また、検知部14は、入力部12に入力された情報に基づいて、ユーザの操作を検知する。すなわち、検知部14は、入力部12に画面をタッチする操作の入力があったことや、音声の入力があったこと等を検知する。また、検知部14は、ユーザによって所定のアプリが起動されたことを検知してもよい。かかるアプリがユーザ端末10内の撮像機能(例えば、カメラ)を動作させるアプリである場合、検知部14は、ユーザによって撮像機能が利用されていることを検知する。また、検知部14は、ユーザ端末10内に備えられた加速度センサやジャイロセンサ等で検知されたデータに基づき、ユーザ端末10自体が動かされているといった操作を検知してもよい。
また、検知部14は、ユーザ端末10に接続される外部装置を検知する。例えば、検知部14は、外部装置との相互の通信パケットのやり取りや、外部装置が発する信号等に基づいて、外部装置を検知する。具体的には、検知部14は、外部装置が利用しているWifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の電波を検知する。また、検知部14は、外部装置と通信が確立する場合に、外部装置との接続の種類を検知してもよい。例えば、検知部14は、外部装置と有線で接続されているか、無線通信で接続されているかを検知する。また、検知部14は、無線通信で用いられている通信方式等を検知してもよい。また、検知部14は、外部装置が発する電波を検知する電波センサや、電磁波を検知する電磁波センサ等によって取得される情報に基づいて、外部装置を検知してもよい。外部装置の一例は、ユーザ端末10を利用するユーザが利用する他のデバイス(他のユーザ端末10)であり、例えば、ウェアラブルデバイスや、設置型のIoT(Internet of Things)機器等である。また、ユーザ端末10は、外部装置として、デジタルサイネージ50との通信を行ってもよい。
また、検知部14は、ユーザ端末10における環境を検知する。検知部14は、ユーザ端末10に備えられた各種センサや機能を利用し、環境に関する情報を検知する。例えば、検知部14は、ユーザ端末10の周囲の音を収集するマイクロフォンや、ユーザ端末10の周囲の照度を検知する照度センサや、ユーザ端末10の物理的な動きを検知する加速度センサ(又は、ジャイロセンサなど)や、ユーザ端末10の周囲の湿度を検知する湿度センサや、ユーザ端末10の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等を利用する。そして、検知部14は、各種センサを用いて、種々の情報を検知する。例えば、検知部14は、ユーザ端末10の周囲における騒音レベルや、ユーザ端末10の周囲がユーザの虹彩を撮像に適する照度であるか等を検知する。さらに、検知部14は、カメラで撮影された写真や映像に基づいて周囲の環境情報を検知してもよい。
また、ユーザ端末10は、検知部14によって検知された情報に基づいて、ユーザ端末10のコンテキストを示すコンテキスト情報を取得するようにしてもよい。上述のように、ユーザ端末10は、内蔵された各種センサ(検知部14)により、位置、加速度、温度、重力、回転(角速度)、照度、地磁気、圧力、近接、湿度、回転ベクトルといった、種々の物理量をコンテキスト情報として取得する。また、ユーザ端末10は、内蔵する通信機能を利用して、各種装置との接続状況(例えば、通信の確立に関する情報や、利用している通信規格)などを、コンテキスト情報として取得してもよい。
記憶部15は、各種情報を記憶する。記憶部15は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部15は、行動履歴記憶部151を有する。行動履歴記憶部151は、例えば、ユーザが移動してきた位置情報の推移を含む、行動履歴を記憶する。なお、行動履歴記憶部151は、行動履歴として、例えばユーザが利用したサービスに関する情報を記憶してもよい。例えば、行動履歴記憶部151は、ユーザがSNS(Social Networking Service)に投稿したログや、ユーザがクラウド上のカレンダーに予定を登録した情報や、メールや通話情報等を行動履歴として記憶してもよい。
制御部16は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、ユーザ端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
制御部16は、ユーザ端末10において行われる各種処理を制御する。図7に示すように、制御部16は、受信部161と、取得部162と、送信部163とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
受信部161は、各種情報を受信する。例えば、受信部161は、デジタルサイネージ50や表示制御装置100から送信される情報を受信する。また、受信部161は、検知部14が検知する各種情報を受信する。
取得部162は、各種情報やデータを取得する。例えば、取得部162は、検知部14によって検知された位置情報を取得する。
送信部163は、各種情報を送信する。例えば、送信部163は、表示制御装置100の情報取得要求に応じて、ユーザ端末10の現在位置情報や行動履歴等を表示制御装置100に送信する。例えば、送信部163は、表示制御装置100の要求や、自装置にインストールされたアプリケーションの機能に従い、定期的(例えば10秒や1分ごと)にユーザ端末10の位置情報や行動履歴を表示制御装置100に送信する。なお、送信部163は、デジタルサイネージ50の近傍にユーザ端末10が所在したことが検知部14やデジタルサイネージ50によって検知されたことを契機として、ユーザ端末10の位置情報や行動履歴を表示制御装置100に送信してもよい。
〔5.処理手順〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る表示制御装置100による処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、表示制御装置100は、ユーザ端末10から位置情報と行動履歴とを取得したか否かを判定する(ステップS101)。ユーザ端末10から位置情報と行動履歴とを取得していない場合(ステップS101;No)、表示制御装置100は、取得するまで待機する。
一方、位置情報と行動履歴とを取得した場合(ステップS101;Yes)、表示制御装置100は、ユーザが所在する範囲を特定する(ステップS102)。より具体的には、表示制御装置100は、かかるユーザの情報が、どのデジタルサイネージ50の表示処理に用いられるかを判定するため、ユーザが所在する範囲と、当該範囲に対応付けられたデジタルサイネージ50を特定する。
その後、表示制御装置100は、ユーザの移動先を予測する(ステップS103)。そして、表示制御装置100は、予測した移動先に関連するコンテンツを選択する(ステップS104)。
続けて、表示制御装置100は、選択したコンテンツをデジタルサイネージ50に配信する(ステップS105)。さらに、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50における表示処理を制御する(ステップS106)。
〔6.変形例〕
上述した表示制御装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、表示制御装置100の他の実施形態について説明する。
〔6−1.ユーザの移動方向に応じた表示制御処理〕
上記実施形態では、表示制御装置100が、予測されるユーザの移動先に基づいてデジタルサイネージ50で表示するコンテンツを選択する例を示した。ここで、表示制御装置100は、さらに種々の情報を加味して、コンテンツを選択したり、コンテンツの表示制御処理を行ったりしてもよい。
変形例に係る表示制御処理について、図9を用いて説明する。図9は、変形例に係る表示制御処理の一例を示す図である。図9において、デジタルサイネージ50は、ユーザ端末10との間で無線通信が可能であるものとする。例えば、デジタルサイネージ50は、近接しようとするユーザ端末101から、指向性のある通信を受信する(ステップS21)。なお、デジタルサイネージ50とユーザ端末101との通信は、必ずしも指向性のある通信に限られず、無指向性の通信であっても、かかる通信を介して、ユーザの位置や方向を特定することのできる通信であればよい。
例えば、駅の通路では、駅の動線によって人の流れが生じるため、デジタルサイネージ50を挟んで、一方の方向から近接するユーザ(図9では、ユーザU01やユーザU02やユーザU03)と、逆方向から近接するユーザ(図9では、ユーザU04やユーザU05)が混在する場合がある。そして、このような場合、ユーザU01やユーザU02やユーザU03の移動先が共通し、ユーザU04やユーザU05の移動先が共通する傾向にあると想定される。
そこで、デジタルサイネージ50は、ユーザ端末101やユーザ端末102(図9での図示は省略)等が近づいてくる方向を、ユーザ端末101等との指向性を有する通信に基づいて判定する。さらに、デジタルサイネージ50は、判定した結果に基づいて、各ユーザの移動方向に関する情報を表示制御装置100に送信する(ステップS22)。
表示制御装置100は、デジタルサイネージ50から送信された情報に基づいて、ユーザの移動方向別に移動先を予測する(ステップS23)。そして、表示制御装置100は、移動先に関連するコンテンツを移動方向別に選択する(ステップS24)。図9の例では、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50を挟んで同一方向に向かうユーザU01やユーザU02やユーザU03の移動先を予測し、予測した移動先に関連するコンテンツを選択する。また、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50を挟んで、ユーザU01等とは逆方向に向かうユーザU04やユーザU05の移動先を予測し、予測した移動先に関連するコンテンツを選択する。
そして、表示制御装置100は、選択した2つのコンテンツをデジタルサイネージ50に配信する(ステップS25)。さらに、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50のディスプレイを分割してコンテンツを表示するよう制御する(ステップS26)。具体的には、表示制御装置100は、分割した表示領域のうち、ユーザU01に近い側に、ユーザU01等の移動先に関連する第1のコンテンツ(図9では、「AD1」と示す)を表示させるよう制御する。また、表示制御装置100は、分割した表示領域のうち、ユーザU04に近い側に、ユーザU04等の移動先に関連する第2のコンテンツ(図9では、「AD2」と示す)を表示させるよう制御する。
このように、表示制御装置100は、ユーザ端末10とデジタルサイネージ50との通信に基づいて、ユーザ端末10を利用するユーザとデジタルサイネージ50との位置関係を推定する。そして、表示制御装置100は、推定した位置関係に基づいて、デジタルサイネージ50の表示領域を分割し、分割した表示領域にそれぞれ異なるコンテンツを表示させるよう制御する。なお、ユーザとデジタルサイネージ50との位置関係とは、上記したようなユーザの移動方向や、ユーザとデジタルサイネージ50との距離や、デジタルサイネージ50からユーザを見た場合の角度等を含む。
これにより、表示制御装置100は、より各ユーザに合わせたコンテンツの表示制御を行うことができるため、コンテンツの訴求効果を向上させることができる。なお、表示制御装置100は、一台のデジタルサイネージ50の表示領域を分割して上記処理を行ってもよいし、向かい合う(相対する)二台のデジタルサイネージ50の各々に異なるコンテンツを表示させて上記処理を行ってもよい。例えば、表示制御装置100は、駅の通路等において向かい合う二台のデジタルサイネージ50が設置されている場合には、ユーザの流れに合わせて、異なるコンテンツを表示させるようにしてもよい。なお、上記の通信の一例としては、ユーザ端末10とデジタルサイネージ50とのBluetoothによる無線通信が挙げられる。
〔6−2.移動先までの移動時間に応じた表示制御処理〕
上記実施形態では、表示制御装置100が、ユーザの行動履歴に基づいてユーザの移動先を予測する例を示した。ここで、表示制御装置100は、ユーザの移動先のみならず、ユーザが移動先までの移動を完了する時間を予測してもよい。また、表示制御装置100は、ユーザが移動先までの移動を完了する時間に基づいて、表示制御処理を行ってもよい。
例えば、表示制御装置100は、既存の行動予測技術に基づいて、ユーザが移動先までの移動を完了すると予測される時間情報を取得する。例えば、図1で示したように、ユーザの移動先を予測する対象となる場所が駅であり、ユーザの移動先が「BBBドーム」であると予測されたものとする。この場合、表示制御装置100は、さらに、当該ユーザが「BBBドーム」まで移動を完了すると予測される時間情報を取得可能な場合がある。例えば、表示制御装置100は、行動予測を行う場合に、移動先におけるイベント情報に基づいて、ユーザが移動先までの移動を完了する時間を予測する。
具体的には、表示制御装置100は、「BBBドーム」において野球の試合が18時から行われるというイベント情報を参照するものとする。この場合、表示制御装置100は、例えば過去のユーザの行動履歴における統計的手法を用いて、駅から「BBBドーム」に向かうユーザは、18時の所定時間前(例えば17時)までに移動を完了する傾向が高いことを予測する。
この場合、表示制御装置100は、例えば16時から17時までの間に、駅に設置されたデジタルサイネージ50に「BBBドーム」に関連するコンテンツを表示するよう制御してもよい。あるいは、表示制御装置100は、例えば18時以降には、駅に設置されたデジタルサイネージ50に「BBBドーム」に関連するコンテンツを表示しないよう制御してもよい。なお、表示制御装置100は、予め広告主等から、コンテンツを積極的に表示させる時間の設定等を受け付けておいてもよい。
例えば、表示制御装置100は、駅に所在するユーザの移動先が「BBBドーム」と「CCCタワー」である場合には、「BBBドーム」に関連するコンテンツについては、例えば16時から17時までの間に比較的多い割合で表示する。また、「CCCタワー」が一日を通じてユーザが訪れる時間が平準化しているランドマークである場合、表示制御装置100は、一日を通じて平均的に「CCCタワー」に関連するコンテンツを表示するようにしてもよい。すなわち、表示制御装置100は、複数の移動先に関して、ユーザが移動先までの移動を完了する時間の分散に基づいて、コンテンツを表示する時間や回数を決定するようにしてもよい。
このように、表示制御装置100は、ユーザが移動先までの移動を完了すると予測される時間情報に基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択してもよい。
これにより、表示制御装置100は、ユーザが情報を欲しているタイミングに合わせて、より精度よくコンテンツを表示させることができるので、コンテンツの訴求効果を向上させることができる。
〔6−3.ユーザの属性情報に応じた表示制御処理〕
表示制御装置100は、ユーザの性別や年齢等の属性情報に基づいてコンテンツを選択してもよい。例えば、デジタルサイネージ50は、デジタルサイネージ50の近傍に位置するユーザの属性情報を取得可能な機能を有するものとする。具体的には、デジタルサイネージ50は、カメラ等の撮像装置を有し、デジタルサイネージ50の近傍に位置するユーザを撮像する。そして、デジタルサイネージ50は、既存の顔認識技術等に基づいて、ユーザの性別や年齢等を推定する。そして、デジタルサイネージ50は、デジタルサイネージ50の近傍にどのような属性を有するユーザが所在しているかといった情報を表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100は、デジタルサイネージ50から送信された情報に基づいて、コンテンツを選択する。具体的には、表示制御装置100は、予めコンテンツに設定されたターゲティング情報(例えばコンテンツのターゲットとなるユーザの年齢や性別等)と、デジタルサイネージ50の近傍に所在するユーザの属性情報等とのマッチングを行う。そして、表示制御装置100は、マッチングの結果を含めて、当該デジタルサイネージ50で表示するコンテンツを選択する。
このように、表示制御装置100は、ユーザの属性情報を取得し、予測されるユーザの移動先と、ユーザの属性情報とに基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択するようにしてもよい。
これにより、表示制御装置100は、コンテンツに設定されたターゲティング情報に合ったユーザにコンテンツを視認させることができるため、コンテンツの訴求効果を向上させることができる。なお、かかる処理では、表示制御装置100は、例えばウェブ広告等の既存の広告配信技術における種々のターゲティング配信手法を利用してもよい。例えば、表示制御装置100は、ユーザIDに基づいて、ユーザのウェブ上の行動履歴を取得し、行動履歴に基づいてコンテンツを選択してもよい。例えば、表示制御装置100は、行動履歴として、ユーザが頻繁に閲覧するサイトや、ユーザが頻繁に購入する商品に関する情報を取得する。そして、表示制御装置100は、取得した情報に基づいて、当該ユーザに対応するコンテンツを選択するようにしてもよい。
〔6−4.ユーザの移動元に応じた表示制御処理〕
表示制御装置100は、予測されるユーザの移動先のみならず、ユーザの移動元に応じたコンテンツ表示を行ってもよい。
例えば、表示制御装置100は、ユーザの行動履歴に基づいて、デジタルサイネージ50の近傍に所在する迄に、どのような場所から移動してきたかといった情報を取得可能である。このため、表示制御装置100は、例えば、数分後に所定のデジタルサイネージ50の近傍に所在すると予測されるユーザが、どのような場所から移動してきたユーザであるかを判定することができる。
例えば、表示制御装置100は、数分後に所定のデジタルサイネージ50の近傍に所在すると予測されるユーザの大半が、ある特定の地域から駅を訪れた団体であると判定する。この場合、表示制御装置100は、当該特定の地域に対応するコンテンツを表示するよう制御してもよい。具体的には、表示制御装置100は、「XXXより、はるばる当駅へようこそ(XXXは、特定の地域名等がリアルタイムに挿入される)」といったテキストデータを有するコンテンツをデジタルサイネージ50に表示する。これにより、表示制御装置100は、任意の場所からデジタルサイネージ50の近傍まで移動してくる団体客から事前情報等を受け付けていなくても、当該団体客を歓迎するようなコンテンツを即座に表示することができる。
あるいは、表示制御装置100は、所定のタイミングにおいて所定のデジタルサイネージ50の近傍に所在するユーザが地元の人間が大半である場合、広告等を表示させず、地元のニュース等の動画コンテンツを表示させるなど、リアルタイムに表示するコンテンツを調整することができる。
このように、表示制御装置100は、移動先にユーザが移動するまでの当該ユーザの行動履歴に基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択してもよい。なお、上記処理においては、「予測されるユーザの移動先」とは、「所定のデジタルサイネージ50の近傍」と読み替えてもよい。すなわち、表示制御装置100は、所定のデジタルサイネージ50の近傍(例えば、デジタルサイネージ50が設置されている駅)まで移動してきたユーザに対しては、当該ユーザの行動履歴(例えば、いずれの国や地域から、デジタルサイネージ50が設置されている駅を訪れたかを示す移動の履歴)に基づいて、コンテンツを選択してもよい。これにより、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50の近傍に所在するユーザに適合するコンテンツを精度高く選択することができる。
また、表示制御装置100は、ユーザの行動履歴に基づいて、ユーザの居住地域に関する情報を取得してもよい。そして、表示制御装置100は、予測されるユーザの移動先と、ユーザの居住地域に対応する言語と、に基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択してもよい。
例えば、デジタルサイネージ50が設置された駅に、外国人の団体客が訪れる状況を仮定する。この場合、表示制御装置100は、外国人の団体客が有するユーザ端末10から取得した情報に基づいて、外国人の団体客の居住地を推定する。さらに、表示制御装置100は、推定した居住地に対応する言語の情報を取得する。
そして、表示制御装置100は、当該外国人の団体客がデジタルサイネージ50の近傍に所在した場合には、当該外国人の団体客の居住地の言語に対応させたコンテンツを表示させる。例えば、表示制御装置100は、一つのコンテンツについて複数の言語に対応した動画等を保持している場合には、当該外国人の団体客の居住地の言語に対応させた動画を表示させる。あるいは、表示制御装置100は、歓迎メッセージを記載したテキストデータをコンテンツとして保持している場合、当該外国人の団体客の言語が推定された場合には、当該言語にテキストデータを翻訳する。そして、表示制御装置100は、翻訳されたテキストデータをデジタルサイネージ50に表示させるようにしてもよい。
このように、表示制御装置100は、ユーザの行動履歴に基づいてデジタルサイネージ50に表示させるコンテンツを選択したり、表示制御処理を行ったりすることで、ユーザに適合したコンテンツを適切なタイミングや内容で提示することができる。
〔6−5.行動予測に用いる情報〕
表示制御装置100は、位置情報以外の情報を用いて、ユーザの移動先の予測を行ってもよい。例えば、表示制御装置100は、行動履歴として、ユーザが記録するカレンダー情報を取得してもよい。表示制御装置100は、例えば、カレンダーに記録された移動先の情報や、日付に関する情報に基づいて、ユーザの移動先を予測してもよい。
あるいは、表示制御装置100は、ユーザの通話情報やメール情報を解析して、ユーザの移動先を予測してもよい。また、表示制御装置100は、ユーザがSNS等に投稿したメッセージ等を解析して、ユーザの移動先を予測してもよい。例えば、表示制御装置100は、ユーザによる「今からYYYのコンサートに行ってきます!」(YYYは、任意の固有名詞)という投稿を取得した場合には、「今から」というテキストに基づいて日付を推定し、「YYYのコンサート」というテキストと、保持しているイベント情報に基づいて、ユーザの移動先を予測することができる。なお、このような行動予測技術について、表示制御装置100は、種々の既知の技術を利用してもよい。
〔6−6.ユーザ端末〕
上記実施形態では、図7を用いてユーザ端末10の構成例を示したが、ユーザ端末10は、図7で示した構成を必ずしも全て有していなくてもよい。ユーザ端末10には、上述のように、スマートフォンやタブレット端末のようなスマートデバイスのみならず、通信機能を有する眼鏡型端末や、あるいは、ユーザの心拍を記憶する心拍測定器など、種々のウェアラブルデバイスが含まれる。この場合、ユーザ端末10は、必ずしも、液晶ディスプレイ等の表示部13や、ユーザからの入力を受け付ける物理的な入力部12等を有さなくてもよい。すなわち、ユーザ端末10は、所定の通信機能を有するデバイスであれば、必ずしも図7で示した構成を有していなくてもよい。
〔6−7.ユーザの状況〕
上記実施形態では、表示制御装置100は、ユーザの状況として、取得した位置情報と行動履歴とに基づき、ユーザの次の行動、具体的にはユーザの移動先を予測する例を示した。しかし、表示制御装置100は、必ずしも移動先を予測するのではなく、広くユーザの状況を予測することにより、予測結果に対応するコンテンツをデジタルサイネージ50に表示させてもよい。
例えば、駅を訪れるユーザの位置情報の推移を日常的に記憶する表示制御装置100は、ある日時における所定のユーザの位置情報の推移に基づいて、駅に到着する電車が通常の数倍の時間をかけて移動してきたこと等を判定することができる。この場合、表示制御装置100は、例えば、当該ユーザの次の行動(ユーザの状況)として、まずトイレに行ったり、休憩所に行ったりといった行動をとると予測する。そして、表示制御装置100は、予測したユーザの状況にあわせて、デジタルサイネージ50に、トイレや休憩所への道案内を示すコンテンツを表示させる。
また、表示制御装置100は、駅に到着する電車が通常の数倍の時間をかけて移動してきた場合、当該電車に乗っていたと推定されるユーザは通常よりも不満を抱いている状況である、と予測してもよい。この場合、表示制御装置100は、例えば、人気アイドル等が出演するコンテンツで、「長時間のご乗車お疲れ様でした」といった内容のコンテンツをデジタルサイネージ50に表示させるなどの処理を行ってもよい。
すなわち、表示制御装置100は、予測されるユーザの移動先のみならず、ユーザの次の行動やユーザが置かれている状況に基づいて、コンテンツを選択することができる。これにより、表示制御装置100は、コンテンツの訴求効果を向上させることができる。なお、表示制御装置100は、上記のような予測処理やコンテンツの選択処理等について、既存の処理を用いてもよいし、どのような位置情報の推移においてどのようにユーザの状況を予測するかを示した定義ファイルを参照してもよいし、管理者等による情報の入力を受け付けてもよい。
〔6−8.デジタルサイネージの設置例〕
続いて、デジタルサイネージ50の設置方法の一例を示す。図10は、デジタルサイネージ50の設置例を説明する図である。具体的には、図10(a)〜(d)は、デジタルサイネージ50の設置方法の一例を示す。
図10(a)は、例えば、駅構内、地下街および複合施設等の屋根のある通路の天井に、デジタルサイネージ50を設置した例である。デジタルサイネージ50を天井に設置することで、歩行者が多くいても、遠くから案内を見ることができる。図10(b)は、例えば、駅構内、地下街および複合施設等の柱にデジタルサイネージ50を設置した例である。デジタルサイネージ50を柱に設置することで、天井が低い通路であっても適用できる。また、デジタルサイネージ50は、表示部と入力部とが一体化したタッチパネルを用いることで、ユーザが操作できる案内を表示することができる。
図10(c)は、例えば、道路等の屋外にデジタルサイネージ50を設置した例である。デジタルサイネージ50を屋外に設置することで、道路で接続される目的地に対する案内を表示することができる。図10(d)は、例えば、可搬型のデジタルサイネージ50とした例である。デジタルサイネージ50を可搬型とすることで、イベント会場等の臨時で案内を出したい場合に対応することができる。
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る表示制御装置100やユーザ端末10等は、例えば図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、表示制御装置100を例に挙げて説明する。図11は、表示制御装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る表示制御装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図3に示した予測部132と、選択部133とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
また、上記実施形態では、表示制御装置100が、例えば、位置情報と行動履歴とを取得する取得処理と、コンテンツを選択する選択処理と、コンテンツ表示を制御する表示制御処理とを行う例を示した。しかし、上述した表示制御装置100は、取得処理を行う取得装置と、選択処理を行う選択装置と、表示制御処理を行う表示制御装置とに分離されてもよい。この場合、取得装置は、少なくとも取得部131を有する。選択装置は、少なくとも選択部133を有する。表示制御装置は、少なくとも表示制御部134を有する。そして、上記の表示制御装置100による処理は、取得装置と、選択装置と、表示制御装置との各装置を有する表示制御システム1によって実現される。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る表示制御装置100は、取得部131と、選択部133と、表示制御部134とを有する。取得部131は、ユーザが利用するユーザ端末10の位置情報とユーザの行動履歴とを取得する。選択部133は、取得部131によって取得された位置情報と行動履歴とに基づき予測されるユーザの状況に関連するコンテンツを選択する。表示制御部134は、選択部133によって選択されたコンテンツを、取得部131によって取得された位置情報に対応するデジタルサイネージ50に表示させる処理を制御する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、デジタルサイネージ50が設置された場所を訪れるユーザの状況を予測し、予測した状況に基づいて、デジタルサイネージ50の表示するコンテンツを選択する。すなわち、表示制御装置100は、ユーザの状況に応じて、デジタルサイネージ50が表示するコンテンツを適切に出し分けることができる。これにより、表示制御装置100は、デジタルサイネージ50に表示させるコンテンツの訴求効果を向上させることができる。
また、選択部133は、取得部131によって取得された位置情報と行動履歴とに基づき予測されるユーザの移動先に関連するコンテンツを選択する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、ある位置に所在するユーザにおいて、当該行動履歴に基づくユーザの状況として、ユーザの移動先を予測する。そして、表示制御装置100は、ユーザの移動先、言い換えれば、ユーザの未来の行動に基づいて、デジタルサイネージ50が表示するコンテンツを出し分ける。これにより、表示制御装置100は、ユーザが興味関心のあると想定される対象に関連するコンテンツを優先的にデジタルサイネージ50に表示させることができるので、コンテンツの訴求効果を向上させることができる。
また、選択部133は、所定範囲内に所在する複数のユーザにおいて、予測される移動先が複数存在する場合には、移動先ごとのユーザの数もしくは割合に基づいて、デジタルサイネージ50に表示させるコンテンツを選択する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、移動先ごとのユーザの数もしくは割合に基づいてコンテンツを選択することにより、デジタルサイネージ50の近傍に所在する複数ユーザに対して、最も効果の高いコンテンツを提示することができる。
また、選択部133は、所定範囲内に所在する複数のユーザにおいて、予測される移動先が複数存在する場合には、移動先に関連するコンテンツの提供主が課金した課金額に基づいて、デジタルサイネージ50に表示させるコンテンツを選択する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、予測される移動先のみならず、課金額に基づいてコンテンツを選択してもよい。これにより、表示制御装置100は、コンテンツを提供する提供主の意向に沿ったコンテンツ選択を行うことができる。
また、選択部133は、ユーザが移動先までの移動を完了すると予測される時間情報に基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、ユーザの移動先のみならず、ユーザが移動する時間を加味してコンテンツを選択してもよい。これにより、表示制御装置100は、ユーザが移動先に移動を行う直前にコンテンツを集中的に表示させたり、移動先への移動が収まった時間帯では当該移動先に関連するコンテンツを表示候補から除外したりするなど、柔軟な処理を行うことができる。
また、選択部133は、所定の時間帯においてデジタルサイネージ50に表示させる複数のコンテンツを選択する。表示制御部134は、選択部133がコンテンツを選択するために用いた指標に基づいて、所定の時間帯における複数のコンテンツの各々の表示時間を決定する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、ユーザの数や割合、課金額、移動先までの移動を完了すると予測される時間情報等、種々の指標に基づいて、コンテンツを表示する時間を制御してもよい。これにより、表示制御装置100は、ユーザに対して効果を発揮すると推定される指標に応じてコンテンツを出し分けるなど、柔軟な表示を行うことができる。
また、選択部133は、移動先にユーザが移動するまでのユーザの行動履歴に基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、デジタルサイネージ50の近傍までユーザが移動してきた推移等に基づいてコンテンツを選択してもよい。すなわち、表示制御装置100は、「どこからユーザが来たのか」といった情報に基づいて、歓迎メッセージを表示したり、ユーザに合わせたコンテンツを表示したりといった、多様な表示制御処理を行うことができる。
また、取得部131は、ユーザの属性情報を取得する。選択部133は、予測されるユーザの移動先とユーザの属性情報とに基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、ユーザの属性情報に合わせたコンテンツ表示を行ってもよい。これにより、表示制御装置100は、ユーザに適合したコンテンツを選択しやすくなるため、コンテンツの訴求効果をより向上させることができる。
また、取得部131は、ユーザの居住地域に関する情報を取得する。選択部133は、予測されるユーザの移動先と、ユーザの居住地域に対応する言語と、に基づいて、移動先に関連するコンテンツを選択する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、ユーザの言語に合わせたコンテンツを選択することで、デジタルサイネージ50に対するユーザの注目度を向上させることができる。これにより、表示制御装置100は、コンテンツの訴求効果を高めるとともに、様々なユーザに配慮したコンテンツの表示処理を行うことができる。
また、表示制御部134は、ユーザ端末10とデジタルサイネージ50との通信に基づいて、ユーザ端末10を利用するユーザとデジタルサイネージ50との位置関係を推定し、推定した位置関係に基づいて、デジタルサイネージ50の表示領域を分割し、分割した表示領域にそれぞれ異なるコンテンツを表示させるよう制御する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、ユーザの移動方向を加味して表示を制御してもよい。これにより、表示制御装置100は、多様な移動先を有する駅等、ユーザが密集した場所でも、適切にコンテンツを出し分けることができる。
また、選択部133は、所定のデジタルサイネージ50から所定範囲内に所在するユーザの数が閾値を超えたと判定される場合に、所定範囲内に所在する各ユーザにおいて予測される移動先に関連するコンテンツを選択する。表示制御部134は、所定のデジタルサイネージ50から所定範囲内に所在するユーザの数が閾値を超えたと判定されたことを契機として選択部133によってコンテンツが選択された場合に、コンテンツを所定のデジタルサイネージ50に表示させるよう制御する。
このように、実施形態に係る表示制御装置100は、所定の閾値を超えるユーザが所在する場合に、デジタルサイネージ50が表示するコンテンツを変化させるような処理を行ってもよい。これにより、表示制御装置100は、無駄なインプレッションを抑えることができる。また、表示制御装置100は、所在するユーザ数に応じた処理を行うことで、例えば、静止画であった表示をユーザが集まった瞬間に動画に変えるなど、印象的な表示制御処理を行うことができる。
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。