JP2019027550A - 無段変速機の制御装置及び無段変速機の制御方法 - Google Patents

無段変速機の制御装置及び無段変速機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両が停車中であるか否かに関わらず、ライン圧の異常を検知可能な制御装置又は制御方法を提供する。
【解決手段】コントローラ10は、プライマリ圧の実圧Pprの値とセカンダリ圧の実圧Psrの値とが略等しく、且つ、プライマリ圧の目標圧Pptの値及びセカンダリ圧の目標圧Pstの値のうち小さい値よりも、プライマリ圧の実圧Pprの値及びセカンダリ圧の実圧Psrの値が小さい場合に、ライン圧調圧弁41が異常であると判定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、無段変速機の制御装置及び無段変速機の制御方法に関する。
特許文献1には、両調圧方式の無段変速機が記載されている。特許文献1に記載の無段変速機では、Pレンジ選択中(停車中)に、プーリ用の油圧アクチュエータの指示油圧を最大にした状態でライン圧を変動させることにより、プーリ圧検知センサを用いてライン圧の異常を検知することが開示されている。
特開2007−270937号公報
しかしながら、特許文献1に記載された無段変速機では、車両安全性を考慮して、当該異常検知を停車中にしか行うことができない。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、車両が停車中であるか否かに関わらず、ライン圧の異常を検知可能な制御装置又は制御方法を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、ライン圧を調圧するライン圧調圧弁と、プライマリプーリに供給されるプライマリ圧をライン圧から調圧するプライマリ圧調圧弁と、セカンダリプーリに供給されるセカンダリ圧をライン圧から調圧するセカンダリ圧調圧弁と、を有する無段変速機を制御する無段変速機の制御装置は、プライマリ圧の実圧の値とセカンダリ圧の実圧の値とが略等しく、且つ、プライマリ圧の目標圧の値及びセカンダリ圧の目標圧の値のうち小さい値よりも、プライマリ圧の実圧の値及びセカンダリ圧の実圧の値が小さい場合に、ライン圧調圧弁が異常であると判定する制御部を有する。
この態様によれば、プライマリ圧及びセカンダリ圧の目標圧と実圧とに基づいて、ライン圧の異常を検知する。これにより、車両が停車中であるか否かに関わらず、ライン圧の異常を検知することができる。
本発明の実施形態に係る車両の概略構成図である。 本発明の実施形態に無段変速機に係る油圧回路図である。 本発明の実施形態に係る目標ライン圧と、目標プライマリ圧と、目標セカンダリ圧との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るベルト滑り異常検知のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るライン圧異常検知のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るソレノイド弁異常検知のフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両100の概略構成図である。車両100は、エンジン1と、トルクコンバータ2と、無段変速機3と、オイルポンプ5と、駆動輪6と、制御装置としてのコントローラ10と、を備える。
エンジン1は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、走行用駆動源として機能する。エンジン1は、コントローラ10からの指令に基づいて、回転速度、トルク等が制御される。
トルクコンバータ2は、エンジン1と無段変速機3の間の動力伝達経路上に設けられる。トルクコンバータ2は、流体を介して動力を伝達する。また、トルクコンバータ2は、ロックアップクラッチ2aを締結することで、エンジン1からの駆動力の動力伝達効率を高めることができる。
無段変速機3は、締結要素31と、ベルト式無段変速機構(以下、「CVT」という。)30と、油圧コントロールバルブユニット40(以下では、単に「バルブユニット40」ともいう。)と、作動油を貯留するオイルパン32と、を備える。
締結要素31は、トルクコンバータ2とCVT30の間の動力伝達経路上に配置される。締結要素31は、コントローラ10からの指令に基づき、オイルポンプ5の吐出圧を元圧としてバルブユニット40によって調圧されたオイルによって制御される。締結要素31としては、例えば、ノーマルオープンの湿式多板クラッチが用いられる。締結要素31は、図示しない前進クラッチ及び後進ブレーキによって構成されていてもよい。
CVT30は、締結要素31と駆動輪6との間の動力伝達経路上に配置され、車速やアクセル開度等に応じて変速比を無段階に変更する。CVT30は、プライマリプーリ30aと、セカンダリプーリ30bと、両プーリ30a,30bに巻き掛けられたベルト30cと、を備える。プーリ圧によりプライマリプーリ30aの可動プーリとセカンダリプーリ30bの可動プーリとを軸方向に動かし、ベルト30cのプーリ接触半径を変化させることで、変速比を無段階に変更する。なお、プライマリプーリ30aに作用するプーリ圧(以下、「プライマリ圧」または「Pri圧」という。)及びセカンダリプーリ30bに作用するプーリ圧(以下、「セカンダリ圧」または「Pri圧」という。)は、オイルポンプ5からの吐出圧を元圧としてバルブユニット40によって調圧される。
CVT30のセカンダリプーリ30bの出力軸には、図示しない終減速ギヤ機構を介してディファレンシャル12が接続される。ディファレンシャル12には、ドライブシャフト13を介して駆動輪6が接続される。
オイルポンプ5は、エンジン1の回転がベルトを介して伝達されることによって駆動されるベーンポンプである。オイルポンプ5は、オイルパン32に貯留される作動油を吸い上げ、バルブユニット40にオイルを供給する。
コントローラ10は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ10は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。具体的には、コントローラ10は、無段変速機3を制御するATCU、シフトレンジを制御するSCU、エンジン1の制御を行うECU等によって構成することもできる。なお、後述する異常検知に関する制御を実行する制御部とは、コントローラ10の機能を仮想的なユニットとしたものであり、物理的な存在を意味するものではない。
コントローラ10には、エンジン1の回転速度を検出する第1回転速度センサ51、締結要素31の出力回転速度Nout(=プライマリプーリ30aの回転速度)を検出する第2回転速度センサ52、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ53、CVT30のセレクトレンジ(前進、後進、ニュートラル及びパーキングを切り替えるセレクトレバー又はセレクトスイッチの状態)を検出するインヒビタスイッチ54、セカンダリプーリ30bの回転速度を検出する第3回転速度センサ55と、ブレーキの踏力を検出する踏力センサ56と、車速を検出する車速センサ57と、からの信号が入力される。コントローラ10は、入力されるこれら信号に基づき、エンジン1、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ2a、無段変速機3の各種動作を制御する。
図2に示すように、バルブユニット40は、ライン圧調圧弁41と、パイロット圧弁(減圧弁)42と、プライマリ圧調圧弁43と、セカンダリ圧調圧弁44と、ライン圧ソレノイド弁45と、プライマリ圧ソレノイド弁46と、セカンダリ圧ソレノイド弁47と、プライマリ圧センサ48と、セカンダリ圧センサ49と、を備える。
オイルポンプ5から吐出された作動油は、ライン圧流路61に供給される。ライン圧調圧弁41は、ライン圧流路61から分岐した分岐流路62に設けられ、オイルポンプ5から吐出された作動油の圧力を調整してライン圧PLを生成する。ライン圧調圧弁41が調圧時にリリーフするオイルは、潤滑系に供給される。
パイロット圧弁42は、ライン圧流路61から分岐した分岐流路63に設けられる。パイロット圧弁42は、ライン圧PLを減圧して、ライン圧ソレノイド弁45、プライマリ圧ソレノイド弁46、セカンダリ圧ソレノイド弁47、及び締結要素31(クラッチ)を制御する前後進切替機構(図示せず)等に減圧した作動油を供給する。
ライン圧ソレノイド弁45は、分岐流路63におけるパイロット圧弁42の下流に設けられる。ライン圧ソレノイド弁45は、リニアソレノイドバルブであり、制御電流に応じた制御油圧を生成する。ライン圧ソレノイド弁45が生成した制御油圧は、ライン圧調圧弁41に供給される。ライン圧調圧弁41は、ライン圧ソレノイド弁45が生成した制御油圧に応じて作動することで調圧を行う。このため、ライン圧ソレノイド弁45への制御電流によってライン圧PLの指令値を設定することができる。
プライマリ圧調圧弁43は、ライン圧流路61から分岐した分岐流路64に設けられる。プライマリ圧調圧弁43は、ライン圧PLを調整してプライマリプーリ30aのPri室30Aに供給する油圧を調整する。
プライマリ圧ソレノイド弁46は、分岐流路63におけるパイロット圧弁42の下流に設けられる。プライマリ圧ソレノイド弁46は、リニアソレノイドバルブであり、制御電流に応じた制御油圧を生成する。プライマリ圧ソレノイド弁46が生成した制御油圧は、プライマリ圧調圧弁43に供給される。プライマリ圧調圧弁43は、プライマリ圧ソレノイド弁46が生成した制御油圧に応じて作動することで調圧を行う。このため、プライマリ圧ソレノイド弁46への制御電流によってPri室30Aに供給する油圧(Pri圧)を調整することができる。
セカンダリ圧調圧弁44は、ライン圧流路61から分岐した分岐流路65に設けられる。セカンダリ圧調圧弁44は、ライン圧PLを調整してセカンダリプーリ30bのSec室30Bに供給する油圧を調整する。
セカンダリ圧ソレノイド弁47は、分岐流路63におけるパイロット圧弁42の下流に設けられる。セカンダリ圧ソレノイド弁47は、リニアソレノイドバルブであり、制御電流に応じた制御油圧を生成する。セカンダリ圧ソレノイド弁47が生成した制御油圧は、プライマリ圧調圧弁43に供給される。プライマリ圧調圧弁43は、セカンダリ圧ソレノイド弁47が生成した制御油圧に応じて作動することで調圧を行う。このため、セカンダリ圧ソレノイド弁47への制御電流によってSec室30Bに供給する油圧(Sec圧)を調整することができる。
プライマリ圧センサ48は、分岐流路64におけるPri室30Aとプライマリ圧調圧弁43との間に設けられる。プライマリ圧センサ48は、Pri室30Aに供給される油圧(Pri圧)を検出し、その検出信号をコントローラ10に送信する。
セカンダリ圧センサ49は、分岐流路65におけるSec室30Bとセカンダリ圧調圧弁44との間に設けられる。セカンダリ圧センサ49は、Sec室30Bに供給される油圧(Sec圧)を検出し、その検出信号をコントローラ10に送信する。
コントローラ10は、プライマリ圧センサ48によって検出されたPri圧(以下では、Pri圧の「実圧Ppr」ともいう。)、セカンダリ圧センサ49によって検出されたSec圧(以下では、Sec圧の「実圧Psr」ともいう。)を用いて、プライマリ圧ソレノイド弁46及びセカンダリ圧ソレノイド弁47をフィードバック制御する。
図3は、横軸を変速比、縦軸を圧力としたときの各目標圧の特性(変化)を示すグラフである。図3における実線は、Pri圧の目標圧Pptの変化を示し、点線は、Sec圧の目標圧Pstの変化を示している。さらに、一点鎖線は、ライン圧PLの目標圧PLtの変化をしている。目標圧Pptは、High側に向かうにつれ高くなり、目標圧Pstは、Low側に向かうにつれ高くなる。ライン圧PLの目標圧PLtは、目標圧Ppt及び目標圧Pstのいずれかの高い方よりも若干高くなるような値をとるようにして変化する。
コントローラ10は、目標とする変速比に応じて、これらの目標圧が図3に示す特性となるようにライン圧調圧弁41、プライマリ圧ソレノイド弁46、及びセカンダリ圧ソレノイド弁47を制御する。
このように構成された車両100では、コントローラ10は、無段変速機3の異常を検出するための異常検知を行う。具体的には、コントローラ10は、以下で説明するフローチャートに基づいて、ベルト滑り異常検知、ライン圧異常検知、及びソレノイド弁異常検知に関する制御を行う。コントローラ10が行うこれらの異常検知について、図4〜図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。図4は、ベルト滑り異常検知に関するフローチャートである。図5は、ライン圧異常検知に関するフローチャートである。図6は、ソレノイド弁異常検知に関するフローチャートである。
まず、図4を参照してベルト滑り異常検知について説明する。ベルト滑り異常とは、ベルト30cに継続して滑りが発生した状態を意味する。
ステップS11では、ベルト滑りが発生したか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、設定された変速比と、第2回転速度センサ52によって検出されたプライマリプーリ30aの回転速度と、第3回転速度センサ55によって検出されたセカンダリプーリ30bの回転速度と、に基づいて、ベルト30cに滑りが発生したか否かを判定する。設定された変速比と検出されたプライマリプーリ30aの回転速度から、セカンダリプーリ30bの回転速度を演算し、このセカンダリプーリ30bの回転速度と第3回転速度センサ55によって検出されたセカンダリプーリ30bの回転速度との差が所定値以上のときに、ベルト30cに滑りが発生したと判定する。ベルト30cに滑りが発生していれば、ステップS12に進み、ベルト30cに滑りが発生していなければENDに進む。
ステップS12では、ベルト滑りが所定時間t1継続したか否かを判定する。ベルト滑りが所定時間t1継続していればステップS13に進み、ベルト滑りが所定時間t1継続していなければステップS11に戻る。
ステップS13では、入力トルクをダウンする。具体的には、コントローラ10は、CVT30への入力トルクをダウンさせるための第1指示を行い、エンジン1に出力トルクをダウンさせる。
ステップS14では、ベルト滑りが継続しているか否かを判定する。コントローラ10は、ステップS11でベルト滑りが発生していると判定されたときから、ベルト30cの滑りが継続しているか否かを判定する。ベルト30cの滑りが継続して発生していれば、ステップS15に進み、ベルト30cの滑りがなくなっていれば、ステップS17に進む。なお、このステップにおけるベルト滑りの判定方法は、ステップS11と同様である。
ステップS15では、ベルト滑りがさらに所定時間t2継続したか否かを判定する。ステップS14においてベルト30cの滑りが継続していると判定されたときから、ベルト30cの滑りがさらに所定時間t2継続していれば、ステップS16に進み、所定時間t2継続していなければ、ステップS14に戻る。
ステップS16では、フェールを確定するとともに、保護制御を実行する。具体的には、コントローラ10は、ドライバに対してベルト滑り異常の警告を発するとともに、エンジン1の出力トルクが車両100が自走可能な最低限度の小さな値となるような第2指示によってエンジン1を制御する。このように保護制御を実行することで、ベルト滑りの発生が抑制され、ベルト30cの損傷を防止できる。
ステップS14において、ベルト滑りが継続していない、つまり、ベルト滑りが収まったと判定された場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、カウントが1以上であるか否かを判定する。カウントが1以上であれば、ENDに進み、カウントが0であれば、ステップS18に進む。
ステップS18では、カウントを+1にする。その後、ステップS14に戻る。
コントローラ10は、車両100が作動している間、フェール確定、及び保護制御が実行されていなければ、このフローを繰り返す。なお、このフローを開始する際には、カウントが0にリセットされる。
このように、コントローラ10は、ベルト滑りが発生した場合には、エンジン1の出力トルク(CVT30への入力トルク)をダウンさせる。さらに、コントローラ10は、エンジン1の出力トルクをダウンしても、ベルト滑りが収まらない場合には、フェールを確定するとともに、保護制御を実行する。
次に、図5を参照しながら、ライン圧異常検知について説明する。ライン圧異常とは、ライン圧PLが許容できないほど低下した状態を意味する。
ステップS21では、Pri圧の実圧Ppr及びSec圧の実圧Psrが、Pri圧の目標圧Ppt及びSec圧の目標圧Pstの低い方より小さいか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、プライマリ圧センサ48によって検出された圧力(Pri圧の実圧Ppr)と、セカンダリ圧センサ49によって検出された圧力(Sec圧の実圧Psr)と、プライマリ圧調圧弁43(プライマリ圧ソレノイド弁46)への指示圧(Pri圧の目標圧Ppt)と、セカンダリ圧調圧弁44(セカンダリ圧ソレノイド弁47)への指示圧(Sec圧の目標圧Pst)と、に基づいて、Pri圧の目標圧Pptの値及びSec圧の目標圧Pstの値のうち小さい値よりも、Pri圧の実圧Pprの値及びSec圧の実圧Psrの値が小さいか否かを判定する。Pri圧の目標圧Pptの値及びSec圧の目標圧Pstの値のうち小さい値よりも、Pri圧の実圧Pprの値及びSec圧の実圧Psrの値が小さければ、ステップS22に進み、小さくなければ、ステップS21の判定を繰り返す。
Pri圧の目標圧Ppt及びSec圧の目標圧Pstの低い方よりも、Pri圧の実圧Ppr及びSec圧の実圧Psrが小さい場合とは、Pri圧の実圧Ppr及びSec圧の実圧Psrが図3における領域A(色のついた領域)にある状態である。Pri圧の実圧Ppr及びSec圧の実圧Psrが領域A内にあるということは、Pri圧及びSec圧のいずれも目標圧に到達できていないことを意味する。このように、Pri圧の目標圧Pptと実圧Ppr及びSec圧の目標圧Pstと実圧Psrとが乖離する要因としては、プライマリ圧センサ48の異常、セカンダリ圧センサ49の異常、プライマリ圧調圧弁43(プライマリ圧ソレノイド弁46)の異常、セカンダリ圧調圧弁44(セカンダリ圧ソレノイド弁47)の異常の複合的な異常、あるいは、ライン圧異常(ライン圧PLが低下していること)が考えられる。さらに、ライン圧異常の要因として、例えば、ライン圧調圧弁41(ライン圧ソレノイド弁45)の異常やオイルポンプ5の異常等が考えられる。
本実施形態では、これらの異常のうちライン圧異常を判別するために、さらにステップS22の判定を行う。
ステップS22では、Pri圧の実圧PprとSec圧の実圧Psrが略等しいか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、プライマリ圧センサ48によって検出された圧力とセカンダリ圧センサ49によって検出された圧力との差が所定値内にあるか否かを判定する。
プライマリ圧センサ48、セカンダリ圧センサ49、プライマリ圧調圧弁43、及びセカンダリ圧調圧弁44の異常であれば、Pri圧の実圧PprとSec圧の実圧Psrが等しくなることは考えづらい。これに対し、Pri圧の実圧PprとSec圧の実圧Psrとが略等しい値で図3における領域A内まで低下していれば、プライマリ圧調圧弁43、プライマリ圧ソレノイド弁46、セカンダリ圧調圧弁44、及びセカンダリ圧ソレノイド弁47が正常に作動しているにもかかわらず、元圧であるライン圧PLが異常に低下している可能性が高い。このため、本実施形態では、ステップS22の判定を行うことによって、ライン圧異常が発生していると判定する。ステップS22においてPri圧の実圧PprとSec圧の実圧Psrが略等しいと判定されれば、ステップS23に進み、Pri圧の実圧PprとSec圧の実圧Psrが等しくなければ、ステップS21に戻る。
ステップS23では、フェールを確定するとともに、保護制御を実行する。フェール確定及び保護制御はステップS16と同様であるので、説明を省略する。
コントローラ10は、車両100が作動している間、フェール確定、及び保護制御が実行されていなければ、このフローを繰り返す。
このように、コントローラ10は、Pri圧及びSec圧の目標圧Ppt,Pstと実圧Ppr,Psrとに基づいて、ライン圧異常を検知する。これにより、車両100が停車中であるか否かに関わらず、ライン圧の異常を検知することができる。また、ライン圧PLを検出する圧力センサを備えていなくても、ライン圧の異常を検知することができる。
次に、図6を参照しながら、ソレノイド弁異常検知について説明する。ソレノイド弁異常とは、セカンダリ圧ソレノイド弁47またはセカンダリ圧調圧弁44に異常が生じた状態を意味する。
ステップS31では、Sec圧の目標圧PstとSec圧の実圧Psrとの差が、所定値以上であるか否かを判定する。Sec圧の目標圧PstとSec圧の実圧Psrとの差が所定値以上であれば、ステップS32に進み、Sec圧の目標圧PstとSec圧の実圧Psrとの差が所定値未満であれば、ステップS31の判定を繰り返す。
ステップS32では、所定時間t3が経過したか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、Sec圧の目標圧PstとSec圧の実圧Psrとの差が所定値以上である状態が、所定時間t3が継続したか否かを判定する。所定時間t3は、通常想定されるあらゆる変速制御において、Sec圧の実圧PsrがSec圧の目標圧Pstに到達する時間よりも大きな値とする。これにより、セカンダリ圧ソレノイド弁47またはセカンダリ圧調圧弁44に異常が生じているものと判定できる。ステップS32において、所定時間t3が経過していると判定されれば、ステップS33に進み、所定時間t3が経過していないと判定されれば、ステップS31に戻る。
ステップS33では、フェールを確定するとともに、保護制御を実行する。フェール確定及び保護制御はステップS16と同様であるので、説明を省略する。
このように、Sec圧の目標圧Pstと実圧Psrとに基づいて、セカンダリ圧ソレノイド弁47(セカンダリ圧調圧弁44)の異常を検知することができる。なお、プライマリ圧ソレノイド弁46(プライマリ圧調圧弁43)に対しても、同様の異常検知を行うことができる。
本実施形態では、コントローラ10は、ライン圧異常検知、ソレノイド弁異常検知、ベルト滑り異常検知を並行して行う。また、本実施形態では、ライン圧異常検知、ソレノイド弁異常検知、ベルト滑り異常検知、の順に検知できるように、所定時間t1,t2,t3が設定される。上述のように、ベルト滑り異常の要因には、ライン圧異常、ソレノイド弁異常が含まれる。このため、ベルト滑り異常検知が先に行われ、保護制御が実行されてしまった場合には、ライン圧異常及びソレノイド弁異常を検知することができず、異常個所を特定するために時間を要する。これに対し、ライン圧異常検知とソレノイド弁異常検知とを先に行い、ベルト滑り異常検知を最後に行うことで、ベルト滑り異常の要因として、ライン圧異常及びソレノイド弁異常と、それ以外の要因と、を判別することが可能になる。これにより、異常個所を特定するために時間が短くなる。
以上の本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、ライン圧PLが減少するとベルト滑りの要因になり得るが、ライン圧異常検知を行うによりライン圧PLが減少する異常を判定することができる。また、ライン圧異常検知は走行中、停車中に関わらずの通常の制御を行っている間であっても判定が可能であるので、異常判定の機会を増加させることができる。ライン圧PLの異常を検知することができる。また、ライン圧PLを検出する圧力センサを備えていなくても、ライン圧の異常を検知することができる。
また、ベルト滑り異常検知では、コントローラ10は、ベルト滑りが発生した場合に、駆動源(エンジン1)へ無段変速機3への入力トルクを減少させる第1指示(ステップS13)を行う。これにより、ベルト滑りが抑制され、ベルト30cの損傷を防止できる。
さらに、コントローラ10は、第1指示(ステップS13)の後にベルト滑りが継続している場合に、無段変速機3への入力トルクをさらに減少させる第2指示(ステップS16)を行う。これにより、ベルト30cの損傷をさらに防止できるとともに、ベルト滑りの発生を確実に抑制できる。
また、本実施形態では、ベルト滑りが一時的に発生しただけでは異常と判定されないので、異常判定を正確に行うことができる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
本実施形態の車両では、コントローラ10は、プライマリ圧の実圧Pprの値とセカンダリ圧の実圧Psrの値とが略等しく、且つ、プライマリ圧の目標圧Pptの値及びセカンダリ圧の目標圧Pstの値のうち小さい値よりも、プライマリ圧の実圧Pprの値及びセカンダリ圧の実圧Psrの値が小さい場合に、ライン圧調圧弁41が異常であると判定する。
この構成によれば、車両100が停車中であるか否かに関わらず、ライン圧PLの異常を検知することができる。また、ライン圧PLを検出する圧力センサを備えていなくても、ライン圧の異常を検知することができる(請求項1、4に対応する効果)。
コントローラ10は、プライマリ圧の実圧Pprの値とセカンダリ圧の実圧Psrの値とが略等しく、且つ、プライマリ圧の目標圧Pptの値及びセカンダリ圧の目標圧Pstの値のうち小さい値よりも、プライマリ圧の実圧Pprの値及びセカンダリ圧の実圧Psrの値が小さい場合に、無段変速機3への入力トルクを減少させる指示を行う。
ライン圧PLが減少するとベルト滑りが生じるおそれがある。そこで、上述のような判定を行った場合は、駆動源(エンジン1)へ無段変速機3への入力トルクを減少させる指示を行う。これにより、ベルト滑りの発生を抑制することができる(請求項2に対応する効果)。
コントローラ10は、無段変速機3にベルト滑りが生じた場合に、無段変速機3への入力トルクを減少させる第1指示(ステップS13)を行い、第1指示(ステップS13)の後にベルト滑りが継続している場合は、無段変速機3への入力トルクをさらに減少させる第2指示(ステップS16)を行う。
ベルト滑りが生じた場合は、無段変速機3への入力トルクを減少させてベルト滑りの回避を行う。無段変速機3への入力トルクを減少させてもベルト滑りが継続している場合は、さらに入力トルクを減少させて無段変速機3の保護を行う。これにより、ベルト30c、プライマリプーリ30a及びセカンダリプーリ30bの保護を確実に行うことができる(請求項3に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
本実施形態では、エンジン1のみによって駆動する車両を例に説明したが、ハイブリッド車両や、電動車両であってもよい。
1 エンジン
3 無段変速機
10 コントローラ(制御部)
30 CVT
30a プライマリプーリ
30b セカンダリプーリ
40 油圧コントロールバルブユニット
41 ライン圧調圧弁
42 パイロット圧弁
43 プライマリ圧調圧弁
44 セカンダリ圧調圧弁
45 ライン圧ソレノイド弁
46 プライマリ圧ソレノイド弁
47 セカンダリ圧ソレノイド弁
48 プライマリ圧センサ
49 セカンダリ圧センサ
100 車両

Claims (4)

  1. ライン圧を調圧するライン圧調圧弁と、
    プライマリプーリに供給されるプライマリ圧を前記ライン圧から調圧するプライマリ圧調圧弁と、
    セカンダリプーリに供給されるセカンダリ圧を前記ライン圧から調圧するセカンダリ圧調圧弁と、を有する無段変速機を制御する無段変速機の制御装置であって、
    前記プライマリ圧の実圧の値と前記セカンダリ圧の実圧の値とが略等しく、且つ、前記プライマリ圧の目標圧の値及び前記セカンダリ圧の目標圧の値のうち小さい値よりも、前記プライマリ圧の実圧の値及び前記セカンダリ圧の実圧の値が小さい場合に、前記ライン圧調圧弁が異常であると判定する制御部を有することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. ライン圧を調圧するライン圧調圧弁と、
    プライマリプーリに供給されるプライマリ圧を前記ライン圧から調圧するプライマリ圧調圧弁と、
    セカンダリプーリに供給されるセカンダリ圧を前記ライン圧から調圧するセカンダリ圧調圧弁と、を有する無段変速機を制御する無段変速機の制御装置であって、
    前記プライマリ圧の実圧の値と前記セカンダリ圧の実圧の値とが略等しく、且つ、前記プライマリ圧の目標圧の値及び前記セカンダリ圧の目標圧の値のうち小さい値よりも、前記プライマリ圧の実圧の値及び前記セカンダリ圧の実圧の値が小さい場合に、前記無段変速機への入力トルクを減少させる指示を行う制御部を有することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載の無段変速機の制御装置において、
    前記制御部は、前記無段変速機にベルト滑りが生じた場合に、前記無段変速機への入力トルクを減少させる第1指示を行い、前記第1指示の後に前記ベルト滑りが継続している場合は、前記無段変速機への入力トルクをさらに減少させる第2指示を行うことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  4. ライン圧を調圧するライン圧調圧弁と、
    プライマリプーリに供給されるプライマリ圧を前記ライン圧から調圧するプライマリ圧調圧弁と、
    セカンダリプーリに供給されるセカンダリ圧を前記ライン圧から調圧するセカンダリ圧調圧弁と、を有する無段変速機を制御する無段変速機の制御方法であって、
    前記プライマリ圧の実圧の値と前記セカンダリ圧の実圧の値とが略等しく、且つ、前記プライマリ圧の目標圧の値及び前記セカンダリ圧の目標圧の値のうち小さい値よりも、前記プライマリ圧の実圧の値及び前記セカンダリ圧の実圧の値が小さい場合に、前記ライン圧調圧弁が異常であると判定することを特徴とする無段変速機の制御方法。
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