JP2019027543A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Motoki Iwasa
大城 岩佐
昌幸 宮園
Masayuki Miyazono
昌幸 宮園
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弘道 明保能
旭明 王
Xuming Wang
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雅央 西澤
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真介 田尻
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Abstract

【課題】自動変速モードでの走行中、変速モードを切り替えてマニュアルダウンシフトを実行するときに複雑なペダル操作を不要とする。
【解決手段】ベルト式無段変速機CVTとCVTコントロールユニットとを備える自動変速機の変速制御装置において、ベルト式無段変速機CVTは、変速モードとして、車両運転状態に応じて変速比を自動的に変更する「Dレンジ変速モード」と、運転者による所定のアクセルペダル操作が検知されると固定変速比による複数のマニュアル変速段を変更する「Mダウンモード」とを有する。CVTコントロールユニットは、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」への切り替え条件を、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作とする。「Mダウンモード」でのマニュアルダウンシフトの開始条件を、ブレーキペダルへの踏み込み操作を経験した後、アクセルペダルへの踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときとする。
【選択図】図7

Description

本発明は、運転者の変速意図に基づく所定のアクセルペダル操作によりアクセルシフトと呼ばれるマニュアル変速を実行する自動変速機の変速制御装置に関する。
従来、ブレーキペダルが踏み込まれている状態でのスロットルの開き操作後の閉じ操作(自動四輪車においてはアクセルペダルの踏み込み後の戻し操作)に基づき、変速機をダウンシフトさせている自動二輪車の自動変速機制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−156444号公報
上記従来装置にあっては、二輪車において、ブレーキペダルは足操作で、スロットルは手操作であるため、同時操作は容易に行うことができるが、自動車において、ブレーキペダルとアクセルペダルは共に足操作を行う必要がある。両者を同時に足操作するには、右足によるヒール&トゥ操作や、右足アクセル操作且つ左足ブレーキ操作など、操作が複雑であり、マニュアルダウンモードに切り替えることができないおそれがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、自動変速モードでの走行中、変速モードをマニュアルダウンモードへと切り替えてマニュアルダウンシフトを実行するときに複雑なペダル操作を不要とすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、走行用駆動源と駆動輪との間に配される自動変速機と、自動変速機の変速制御を実行する変速コントローラと、を備える。
この自動変速機の変速制御装置において、運転者によるアクセルペダルへのペダル操作を検知するアクセルペダル操作検知手段を設ける。
自動変速機は、変速モードとして、車両運転状態に応じて変速比を自動的に変更する自動変速モードと、運転者による所定のアクセルペダル操作が検知されると固定変速比による複数のマニュアル変速段を変更するマニュアルダウンモードとを有する。
変速コントローラは、自動変速モードからマニュアルダウンモードへの切り替え条件を、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作とする。
マニュアルダウンモードでのマニュアルダウンシフトの開始条件を、ブレーキペダルへの踏み込み操作を経験した後、アクセルペダルへの踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときとする。
運転者によるブレーキペダル操作とアクセルペダル操作の同時操作を要求すると、2つのペダル操作が共に足操作になるため、ペダル操作が複雑になるし、運転者に負担をかけることになる。
この点に着目し、マニュアルダウンモードでのマニュアルダウンシフトの開始条件を、運転者によるブレーキペダルへの踏み込み操作を経験した後、アクセルペダルへの踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときとする。このため、ブレーキペダルとアクセルペダルを同時に足操作しなくとも、マニュアルダウンシフトが実行される。
この結果、自動変速モードでの走行中、変速モードをマニュアルダウンモードへと切り替えてマニュアルダウンシフトを実行するときに複雑なペダル操作を不要とすることができる。
実施例1の自動変速機の変速制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す全体システム図である。 自動変速モードでの無段変速制御をバリエータにより実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールの一例を示す変速スケジュール図である。 マニュアル変速モードでの有段変速制御をバリエータにより実行する際に用いられるマニュアル有段変速スケジュールの一例を示す変速スケジュール図である。 実施例1のCVTコントロールユニットにてDレンジ位置の選択中に実行される変速制御処理の流れを示すフローチャート1である。 実施例1のCVTコントロールユニットにてDレンジ位置の選択中に実行される変速制御処理の流れを示すフローチャート2である。 実施例1のCVTコントロールユニットにて実行されるブレーキOn経験フラグのセット/リセット処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へ切り替えるときのブレーキ液圧信号・ブレーキSW信号・アクセル開度信号・ダウンシフト判定・目標ギア段の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の自動変速機の変速制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における変速制御装置は、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機(自動変速機の一例)を搭載したエンジン車に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「変速モード構成」、「変速制御処理構成」、「ブレーキOn経験フラグのセット/リセット処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の自動変速機の変速制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す。以下、図1に基づいて、全体システム構成を説明する。
エンジン車の駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪6,6と、を備えている。
ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
エンジン1は、ドライバによるアクセル操作による出力トルクの制御以外に、外部からのエンジン制御信号により出力トルクが制御可能である。このエンジン1には、スロットルバルブ開閉動作や燃料カット動作等により出力トルク制御を行う出力トルク制御アクチュエータ10を有する。
トルクコンバータ2は、トルク増大機能やトルク変動吸収機能を有する流体継手による発進要素である。トルク増大機能やトルク変動吸収機能を必要としないとき、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。このトルクコンバータ2は、エンジン出力軸11にコンバータハウジング22を介して連結されたポンプインペラ23と、トルクコンバータ出力軸21に連結されたタービンランナ24と、ケースにワンウェイクラッチ25を介して設けられたステータ26と、を構成要素とする。
前後進切替機構3は、バリエータ4への入力回転方向を前進走行時の正転方向と後退走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切替機構3は、ダブルピニオン式遊星歯車30と、複数枚のクラッチプレートによる前進クラッチ31と、複数枚のブレーキプレートによる後退ブレーキ32と、を有する。前進クラッチ31は、Dレンジ等の前進走行レンジ選択時に前進クラッチ圧Pfcにより油圧締結される。後退ブレーキ32は、Rレンジ等の後退走行レンジ選択時に後退ブレーキ圧Prbにより油圧締結される。なお、前進クラッチ31と後退ブレーキ32は、Nレンジ(ニュートラルレンジ)の選択時、前進クラッチ圧Pfcと後退ブレーキ圧Prbをドレーンすることで、いずれも解放される。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プーリベルト44と、を有し、ベルト接触径の変化により変速比(バリエータ入力回転速度とバリエータ出力回転速度の比)を無段階に変化させる無段変速機能を備える。プライマリプーリ42は、バリエータ入力軸40の同軸上に配された固定プーリ42aとスライドプーリ42bにより構成され、スライドプーリ42bは、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriによりスライド動作する。セカンダリプーリ43は、バリエータ出力軸41の同軸上に配された固定プーリ43aとスライドプーリ43bにより構成され、スライドプーリ43bは、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecによりスライド動作する。プーリベルト44は、プライマリプーリ42のV字形状をなすシーブ面と、セカンダリプーリ43のV字形状をなすシーブ面に掛け渡されている。このプーリベルト44は、環状リングを内から外へ多数重ね合わせた2組の積層リングと、打ち抜き板材により形成され、2組の積層リングに沿って挟み込みにより環状に積層して取り付けられた多数のエレメントにより構成されている。なお、プーリベルト44としては、プーリ進行方向に多数配列したチェーンエレメントを、プーリ軸方向に貫通するピンにより結合したチェーンタイプのベルトであっても良い。
終減速機構5は、バリエータ出力軸41からのバリエータ出力回転速度を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪6,6に伝達する機構である。この終減速機構5は、減速ギア機構として、バリエータ出力軸41に設けられたアウトプットギア52と、アイドラ軸50に設けられたアイドラギア53及びリダクションギア54と、デフケースの外周位置に設けられたファイナルギア55と、を有する。そして、差動ギア機構として、左右のドライブ軸51,51に介装されたディファレンシャルギア56を有する。
エンジン車の制御系は、図1に示すように、油圧制御系を代表する油圧制御ユニット7と、電子制御系を代表するCVTコントロールユニット8と、を備えている。
油圧制御ユニット7は、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriと、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecと、前進クラッチ31への前進クラッチ圧Pfcと、後退ブレーキ32への後退ブレーキ圧Prbと、を調圧するユニットである。この油圧制御ユニット7は、走行用駆動源であるエンジン1により回転駆動されるオイルポンプ70と、オイルポンプ70からの吐出圧に基づいて各種の制御圧を調圧する油圧制御回路71と、を備える。油圧制御回路71には、ライン圧ソレノイドバルブ72と、プライマリ圧ソレノイドバルブ73と、セカンダリ圧ソレノイドバルブ74と、前進クラッチ圧/後退ブレーキ圧ソレノイドバルブ75と、ロックアップ圧ソレノイドバルブ76と、を有する。なお、各ソレノイドバルブ72,73,74,75,76は、CVTコントロールユニット8から出力される制御指令値によって各指令圧に調圧する。
ライン圧ソレノイドバルブ72は、CVTコントロールユニット8から出力されるライン圧指令値に応じ、オイルポンプ70からの吐出圧を、指令されたライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、各種の制御圧を調圧する際の元圧であり、駆動系を伝達するトルクに対してベルト滑りやクラッチ滑りを抑える油圧とされる。
プライマリ圧ソレノイドバルブ73は、CVTコントロールユニット8から出力されるプライマリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたプライマリ圧Ppriに減圧調整する。セカンダリ圧ソレノイドバルブ74は、CVTコントロールユニット8から出力されるセカンダリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたセカンダリ圧Psecに減圧調整する。
前進クラッチ圧/後退ブレーキ圧ソレノイドバルブ75は、CVTコントロールユニット8から出力される前進クラッチ圧指令値又は後退ブレーキ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令された前進クラッチ圧Pfc又は後退ブレーキ圧Prbに減圧調整する。ロックアップ圧ソレノイドバルブ76は、CVTコントロールユニット8から出力されるロックアップ圧指令値に応じ、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを調整する。
CVTコントロールユニット8は、ライン圧制御や変速制御や前後進切替制御やロックアップ制御、等を行う。ライン圧制御では、スロットル開度等に応じた目標ライン圧を得る指令値をライン圧ソレノイドバルブ72に出力する。変速制御では、目標変速比(目標プライマリ回転速度Npri*)を決めると、決めた目標変速比(目標プライマリ回転速度Npri*)を得る指令値をプライマリ圧ソレノイドバルブ73及びセカンダリ圧ソレノイドバルブ74に出力する。前後進切替制御では、選択されているレンジ位置に応じて前進クラッチ31と後退ブレーキ32の締結/解放を制御する指令値を前進クラッチ圧/後退ブレーキ圧ソレノイドバルブ75に出力する。ロックアップ制御では、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを制御する指令値をロックアップ圧ソレノイドバルブ76に出力する。
CVTコントロールユニット8には、プライマリ回転速度センサ80、車速センサ81、セカンダリ圧センサ82、油温センサ83、インヒビタースイッチ84、ブレーキスイッチ85、アクセル開度センサ86、プライマリ圧センサ87、ブレーキ液圧センサ89、等からのセンサ情報やスイッチ情報が入力される。また、エンジンコントロールユニット88には、エンジン回転速度センサ12からのセンサ情報が入力される。CVTコントロールユニット8は、例えば、エンジンコントロールユニット88からエンジントルク情報を入力し、エンジンコントロールユニット88へエンジントルクリクエストを出力する。
プライマリ回転速度センサ80は、プライマリプーリ42のプライマリ回転速度をパルス波信号のカウント回数であるパルスカウント数により検出するセンサである。車速センサ81も同様に、変速機出力回転速度をパルス波信号のカウント回数であるパルスカウント数により検出するセンサである。
インヒビタースイッチ84は、セレクトレバー94により選択されているレンジ位置(Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ,Lレンジ)を検出し、レンジ位置に応じたレンジ位置信号を出力する。
ブレーキスイッチ85は、ブレーキ操作の有無を検出するスイッチであり、ブレーキペダル95に対して運転者が解放操作状態としているときはOFF信号を出力する。そして、ブレーキペダル95に対して運転者が踏み込み操作を行うとON信号を出力する。
ブレーキ液圧センサ89は、運転者によるブレーキペダル95に対するペダル踏み込み操作に基づいて発生するブレーキ液圧(制動液圧)の大きさを検知し、ブレーキ液圧センサ値を出力する。
アクセル開度センサ86は、運転者によるアクセル操作量(=アクセル開度APO)を検出するセンサであり、アクセルペダル96に対して運転者が解放操作状態としているときはアクセル開度APOがAPO=0のアクセル開度信号を出力する。そして、アクセルペダル96に対して運転者が踏み込み操作を行うと、踏み込み操作量に応じてアクセル開度APOが上昇するアクセル開度信号を出力する。一方、アクセルペダル96に対して運転者が戻し操作を行うと、戻し操作量に応じてアクセル開度APOが低下するアクセル開度信号を出力する。
[変速モード構成]
図2は、自動変速モードでの無段変速制御をバリエータ4により実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールの一例を示す。図3は、マニュアル変速モードでの有段変速制御をバリエータ4により実行する際に用いられるマニュアル有段変速スケジュールの一例を示す。以下、図2及び図3に基づいて、変速モード構成を説明する。
CVTコントロールユニット8で実行される変速制御は、変速モードとして、「Dレンジ変速モード」、「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」とを備える。ここで、「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」には、マニュアルアップモード(以下、「Mアップモード」という。)と、マニュアルダウンモード(以下、「Mダウンモード」という。)と、を有する。
「Dレンジ変速モード」は、車両運転状態に応じて変速比を自動的に無段階に変更する自動変速モードである。セレクトレバー94をDレンジ位置に選択し、かつ、「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」が選択されていないときに実行される。「Dレンジ変速モード」での変速制御は、車速VSP(車速センサ81)とアクセル開度APO(アクセル開度センサ86)により特定される図2のDレンジ無段変速スケジュール上での運転点(VSP,APO)により、目標プライマリ回転速度Npri*を決めることで行われる。
「Dレンジ変速モード」で用いられるDレンジ無段変速スケジュールは、図2に示すように、運転点(VSP,APO)に応じて最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で変速比を無段階に変更するように設定されている。例えば、車速VSPが一定のときは、アクセル踏み込み操作を行うと目標プライマリ回転速度Npri*が上昇してダウンシフト方向に変速し、アクセル戻し操作を行うと目標プライマリ回転速度Npri*が低下してアップシフト方向に変速する。アクセル開度APOが一定のときは、車速VSPが上昇するとアップシフト方向に変速し、車速VSPが低下するとダウンシフト方向に変速する。
「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」は、運転者の変速意図によるアクセルペダル96へのアクセルペダル操作に基づいて、固定変速比による複数のマニュアル変速段(M1速段〜M5速段)を変更するマニュアル変速モードである。この「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」は、セレクトレバー94をDレンジ位置に選択したままのとき、運転者による変速意図に基づいて所定のペダル操作を行うと、検知されるペダル操作信号をトリガとしてアクセルシフトが実行される。つまり、「レバー操作に基づくマニュアル変速モード」のように、運転者による手動操作を要することなく、Dレンジ位置の選択による「Dレンジ変速モード」の選択中、所定のペダル操作を行うだけで介入させることができる。「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」での変速制御は、図3のマニュアル有段変速スケジュールを用いて行われる。
マニュアル有段変速スケジュールは、図3に示すように、最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で、固定変速比線を複数本引くことによりマニュアル変速段が設定される。例えば、マニュアル変速段をM1速段〜M5速段とすると、最Low変速比線がM1速段に設定され、最High変速比線がM5速段に設定される。そして、M2速段〜M4速段の固定変速比線は、最Low変速比線と最High変速比線との間に、ほぼ等角度により互いに離れた位置に固定変速比線を引くことで設定される。このため、M2速段の固定変速比線上のA点に運転点があるときにアップシフトされると、M3速段の固定変速比線上のB点へと運転点が移り、目標プライマリ回転速度Npri*(エンジン回転速度)が一気に低下してマニュアルアップシフト感が得られる。一方、M4速段の固定変速比線上のC点に運転点があるときにダウンシフトされると、M3速段の固定変速比線上のD点へと運転点が移り、目標プライマリ回転速度Npri*(エンジン回転速度)が一気に上昇してマニュアルダウンシフト感が得られる。
[変速制御処理構成]
図4及び図5は、実施例1のCVTコントロールユニット8にてDレンジ位置の選択中に実行される変速制御処理の流れを示す。以下、変速制御処理構成をあらわす図4及び図5の各ステップについて説明する。このフローチャートは、Dレンジ位置を選択することで開始され、Dレンジ位置以外のレンジ位置を選択することで終了する。
ステップS1では、「Dレンジ変速モード」の選択によりDレンジ変速線(図2)で変速(無段変速)を実行し、ステップS2へ進む。
ステップS2では、ステップS1でのDレンジ変速線での変速の実行に続き、ブレーキOn経験フラグ=0であるか否かを判断する。YES(ブレーキOn経験フラグ=0)の場合はステップS3へ進み、NO(ブレーキOn経験フラグ=1)の場合はステップS23へ進む。
ここで、「ブレーキOn経験フラグ」は、図6に示すフローチャートにしたがって決められる。なお、ブレーキOn経験フラグ=0(フラグリセット)は、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」への切り替え条件の一つとされる。ブレーキOn経験フラグ=1(フラグセット)は、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」への切り替え条件の一つとされる。
ステップS3では、ステップS2でのブレーキOn経験フラグ=0であるとの判断に続き、アクセル開度APOが所定開度a以上であるか否かを判断する。YES(アクセル開度APO≧所定開度a)の場合はステップS4へ進み、NO(アクセル開度APO<所定開度a)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、アクセル開度APOの情報は、アクセル開度センサ86からのセンサ信号により取得する。「所定開度a」は、アクセル戻し操作が可能な開度、例えば、アクセル開度APO=2/8開度程度の値に設定される。
ステップS4では、ステップS3でのアクセル開度APO≧所定開度aであるとの判断に続き、アクセル戻し操作によるアクセル開速度が、アクセル開速度<−X1deg/secであるか否かを判断する。YES(アクセル開速度<−X1)の場合はステップS5へ進み、NO(アクセル開速度≧−X1)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、アクセル開速度の情報は、アクセル開度センサ86から一定の時間間隔にて読み込まれるアクセル開度値の差分(微分演算)により取得される。「−X1」は、運転者によるアップシフトの意図を反映するアクセル戻し速度の値とされ、運転者によるアップシフトの意図が無いときの緩やかなアクセル戻し操作を除く値に設定される。
ステップS5では、ステップS4でのアクセル開速度<−X1であるとの判断に続き、アクセル開度差が、アクセル開度差>−ΔYであるか否かを判断する。YES(アクセル開度差>−ΔY)の場合はステップS6へ進み、NO(アクセル開度差≦−ΔY)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、「アクセル開度差」とは、アクセル戻し操作開始時のアクセル開度からアクセル踏み込み操作移行時のアクセル開度を差し引いた値をいう。「−ΔY」は、運転者によるアップシフトの意図を反映するアクセル戻し量の値に設定され、運転者にアップシフトの意図が無いときの僅かな戻し操作量によるアクセル戻し操作を除く値に設定される。
ステップS6では、ステップ5でのアクセル開度差>−ΔYであるとの判断に続き、制御モードを、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」へと切り替え、ステップS7へ進む。
ここで、制御モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」へと切り替えられると、アップシフトを実行するアクセル操作(アクセル戻し操作)のみを受け付け、ダウンシフトを実行するアクセル操作(アクセル踏み込み操作)は受け付けない。
ステップS7では、ステップS6でのD→Mアップモードへの切り替えに続き、「Mアップモード」での次のマニュアル変速段を演算し、ステップS8へ進む。
ここで、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」への切り替え直後は、「Dレンジ変速モード」での運転点に最も近い変速段を現在のマニュアル変速段とし、これよりも1速段上のマニュアル変速段を次のマニュアル変速段として演算する。なお、既にM5速段(最High変速比)が選択されているときは、次のマニュアル変速段もM5速段が演算され、次のステップS8では、M5速段を維持する。
ステップS8では、ステップS7での「Mアップモード」での次のマニュアル変速段の演算に続き、現在のマニュアル変速段から次のマニュアル変速段へと移行するアップシフトの実行を開始し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、ステップS8でのアップシフト実行開始に続き、アクセル踏み込み操作によるアクセル開速度が、アクセル開速度>X2deg/secであるか否かを判断する。YES(アクセル開速度>X2)の場合はステップS10へ進み、NO(アクセル開速度≦X2)の場合はステップS11へ進む。
ここで、アクセル開速度の情報は、アクセル開度センサ86から一定の時間間隔にて読み込まれるアクセル開度値の差分(微分演算)により取得される。「X2」は、運転者によるアップシフトの意図を反映するアクセル踏み込み速度の値とされ、例えば、|X1|の値をステップS4と同じ値とする。
ステップS10では、ステップS9でのアクセル開速度>X2であるとの判断に続き、アクセル操作UP判定タイマーが所定時間ΔT未満であるか否かを判断する。YES(アクセル操作UP判定タイマー<ΔT)の場合はステップS13へ進み、NO(アクセル操作UP判定タイマー≧ΔT)の場合はステップS11へ進む。
ここで、「アクセル操作UP判定タイマー」は、アクセル戻し操作開始からアクセル踏み込み操作終了までのアクセル戻し踏み操作時間を測定する。「所定時間ΔT」は、運転者がアップシフトの意図を持って素早くアクセル戻し踏み操作をしたときの時間(例えば、0.5sec程度)に設定される。
ステップS11では、ステップS9でのアクセル開速度≦X2であるとの判断、或いは、ステップS10でのアクセル操作UP判定タイマー≧ΔTであるとの判断に続き、ステップS8にて実行が開始されたアップシフトをキャンセルし、ステップS12へ進む。
ステップS12では、ステップS11でのアップシフトのキャンセルに続き、表示モードを、「Dレンジ変速モード」のまま維持し、ステップS1へ戻る。
ステップS13では、ステップS10でのアクセル操作UP判定タイマー<ΔTであるとの判断に続き、表示モードを、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」へと切り替え、ステップS14へ進む。
ステップS14では、ステップS13での表示モードの「Mアップモード」への切り替え、或いは、ステップS17でのアップシフト未終了であるとの判断に続き、アップシフトを継続し、ステップS15へ進む。
ステップS15では、ステップS14でのアップシフトの継続に続き、ロックアップOFF状態であるか否かを判断する。YES(ロックアップOFF)の場合はステップS16へ進み、NO(ロックアップON)の場合はステップS17へ進む。
ここで、「ロックアップOFF」とは、ロックアップクラッチ20が解放状態であることをいい、「ロックアップON」とは、ロックアップクラッチ20が締結状態であることをいう。
ステップS16では、ステップS15でのロックアップOFFであるとの判断に続き、ロックアップOFF→ON、つまり、ロックアップクラッチ20を解放状態から締結状態にするクラッチ締結制御を実行し、ステップS17へ進む。
ステップS17では、ステップS15でのロックアップONであるとの判断、或いは、ステップS16でのロックアップOFF→ON実行に続き、アップシフトが終了したか否かを判断する。YES(アップシフト終了)の場合はステップS18へ進み、NO(アップシフト未終了)の場合はステップS14へ戻る。
ここで、「アップシフト終了」の判断は、実プライマリ回転速度が、次のマニュアル変速段での目標プライマリ回転速度Npri*の領域まで到達したか否かで判断する。なお、ロックアップONであるため、プライマリ回転速度=エンジン回転速度になる。
ステップS18では、ステップS17でのアップシフト終了であるとの判断、或いは、ステップS21での「Mアップモード」の解除条件不成立であるとの判断に続き、アクセル操作アップシフト判定ONであるか否かを判断する。YES(アクセル操作アップシフト判定ON)の場合はステップS19へ進み、NO(アクセル操作アップシフト判定OFF)の場合はステップS21へ進む。
ここで、「アクセル操作アップシフト判定ON」は、アクセル戻し操作時におけるステップS4でのアクセル開速度条件と、ステップS5でのアクセル開度差条件と、が共に成立したときに判断される。
ステップS19では、ステップS18でのアクセル操作アップシフト判定ONであるとの判断に続き、現在のマニュアル変速段から次のマニュアル変速段へと移行するアップシフトの実行を開始し、ステップS20へ進む。また、ステップS20でのアップシフト未終了であるとの判断に続き、アップシフトを継続し、ステップS20へ進む。
ステップS20では、ステップS19でのアップシフトの実行開始又はアップシフト継続に続き、アップシフトが終了したか否かを判断する。YES(アップシフト終了)の場合はステップS21へ進み、NO(アップシフト未終了)の場合はステップS19へ戻る。
ここで、「アップシフト終了」の判断は、ステップS17と同様である。
ステップS21では、ステップ18でのアクセル操作アップシフト判定OFFであるとの判断、或いは、ステップS20でのアップシフト終了であるとの判断に続き、アクセル開度APO=0degでの継続時間が設定値ΔT2を超えたか否かを判断する。YES(APO=0degでの継続時間>ΔT2)の場合はステップS22へ進み、NO(APO=0degでの継続時間≦ΔT2)の場合はステップS18へ戻る。
ここで、ステップS21は、「Mアップモード」の解除条件判断ステップであり、「設定値ΔT2」は、運転者が「Mアップモード」を解除する意図を表すのに必要な時間、例えば、0.5sec程度に設定される。
ステップS22では、ステップS21でのAPO=0degでの継続時間>ΔT2であるとの判断に続き、「Mアップモード」を解除し、制御モード及び表示モードを「Mアップモード」から「Dレンジ変速モード」に切り替え、ステップS1へ戻る。
ステップS23では、ステップS2でのブレーキOn経験フラグ=1であるとの判断に続き、アクセル操作ダウンシフト判定ONであるか否かを判断する。YES(アクセル操作ダウンシフト判定ON)の場合はステップS24及びステップS25へ進み、NO(アクセル操作ダウンシフト判定OFF)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、「アクセル操作ダウンシフト判定ON」は、運転者のダウンシフト意図に基づいて、踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときに判断される。このときのアクセル開速度条件とアクセル開度差条件やアクセル操作DOWN判定タイマー条件は、運転者のアップシフト意図に基づく条件と同様とする。
ステップS24では、ステップS23でのアクセル操作ダウンシフト判定ONであるとの判断に続き、制御モードを、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替え、ステップS26へ進む。
ここで、制御モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替えられると、ダウンシフトを実行するアクセル操作(アクセル踏み戻し操作)のみを受け付け、アップシフトを実行するアクセル操作(アクセル戻し操作)は受け付けない。
ステップS25では、ステップS23でのアクセル操作ダウンシフト判定ONであるとの判断に続き、表示モードを、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替え、ステップS26へ進む。
ステップS26では、ステップS24、S25でのD→Mダウンモードへの切り替えに続き、「Mダウンモード」での次のマニュアル変速段を演算し、ステップS27へ進む。
ここで、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」への切り替え直後は、「Dレンジ変速モード」での運転点に最も近い変速段を現在のマニュアル変速段とし、これよりも1速段下のマニュアル変速段を次のマニュアル変速段として演算する。なお、既にM1速段(最Low変速比)が選択されているときは、次のマニュアル変速段もM1速段が演算され、ステップS29では、M1速段を維持する。
ステップS27では、ステップS26での「Mダウンモード」での次のマニュアル変速段の演算に続き、ロックアップOFF状態であるか否かを判断する。YES(ロックアップOFF)の場合はステップS28へ進み、NO(ロックアップON)の場合はステップS29へ進む。
ステップS28では、ステップS27でのロックアップOFFであるとの判断に続き、ロックアップOFF→ON、つまり、ロックアップクラッチ20を解放状態から締結状態にするクラッチ締結制御を実行し、ステップS29へ進む。
ステップS29では、ステップS27でのロックアップONであるとの判断、或いは、ステップS28でのロックアップOFF→ON実行に続き、現在のマニュアル変速段から次のマニュアル変速段へと移行するダウンシフトの実行を開始し、ステップS30へ進む。また、ステップS30でのダウンシフト未終了であるとの判断に続き、ダウンシフトを継続し、ステップS30へ進む。
ステップS30では、ステップS29でのダウンシフトの実行開始又はダウンシフト継続に続き、ダウンシフトが終了したか否かを判断する。YES(ダウンシフト終了)の場合はステップS31へ進み、NO(ダウンシフト未終了)の場合はステップS29へ戻る。
ここで、「ダウンシフト終了」の判断は、実プライマリ回転速度が、次のマニュアル変速段での目標プライマリ回転速度Npri*の領域まで到達したか否かで判断する。なお、ロックアップONであるため、プライマリ回転速度=エンジン回転速度になる。
ステップS31では、ステップS30でのダウンシフト終了であるとの判断、或いは、ステップS34での「Mダウンモード」の解除条件不成立であるとの判断に続き、アクセル操作ダウンシフト判定ONであるか否かを判断する。YES(アクセル操作ダウンシフト判定ON)の場合はステップS32へ進み、NO(アクセル操作ダウンシフト判定OFF)の場合はステップS34へ進む。
なお、「アクセル操作ダウンシフト判定ON」の判断は、ステップS23と同様である。
ステップS32では、ステップS31でのアクセル操作ダウンシフト判定ONであるとの判断に続き、現在のマニュアル変速段から次のマニュアル変速段へと移行するダウンシフトの実行を開始し、ステップS33へ進む。また、ステップS33でのダウンシフト未終了であるとの判断に続き、ダウンシフトを継続し、ステップS33へ進む。
ステップS33では、ステップS32でのダウンシフトの実行開始又はダウンシフト継続に続き、ダウンシフトが終了したか否かを判断する。YES(ダウンシフト終了)の場合はステップS34へ進み、NO(ダウンシフト未終了)の場合はステップS32へ戻る。
ここで、「ダウンシフト終了」の判断は、ステップS30と同様である。
ステップS34では、ステップ31でのアクセル操作ダウンシフト判定OFFであるとの判断、或いは、ステップS33でのダウンシフト終了であるとの判断に続き、「Mダウンモード」の解除条件が成立しているか否かを判断する。YES(「Mダウンモード」の解除条件成立)の場合はステップS35へ進み、NO(「Mダウンモード」の解除条件不成立)の場合はステップS31へ戻る。
ここで、「Mダウンモード」の解除条件としては、例えば、車速が停車判断閾値以下になったとき(停車条件)、或いは、アクセル開度APOが所定開度以上まで高くなった状態のままで所定時間以上継続したときとする(アクセル踏み込み条件)。
ステップS35では、ステップS34での「Mダウンモード」の解除条件成立であるとの判断に続き、「Mダウンモード」を解除し、制御モード及び表示モードを「Mダウンモード」から「Dレンジ変速モード」に切り替え、ステップS1へ戻る。
[ブレーキOn経験フラグのセット/リセット処理構成]
図6は、実施例1のCVTコントロールユニット8にて実行されるブレーキOn経験フラグのセット/リセット処理の流れを示す。以下、ブレーキOn経験フラグのセット/リセット処理構成をあらわす図6の各ステップについて説明する。このフローチャートは、図4及び図5と同様に、Dレンジ位置を選択することで開始され、Dレンジ位置以外のレンジ位置を選択することで終了する。
ステップS41では、スタート、或いは、ステップS42,S43,S44の何れかのステップでNOであるとの判断に続き、ブレーキOn経験フラグ=0であるか否かを判断する。YES(ブレーキOn経験フラグ=0)の場合はステップS42へ進み、NO(ブレーキOn経験フラグ=1)の場合はステップS46へ進む。
ステップS42では、ステップS41でのブレーキOn経験フラグ=0であるとの判断に続き、ブレーキスイッチ85からのスイッチ信号がオン信号であるか否かを判断する。YES(ブレーキSW=ON)の場合はステップS43へ進み、NO(ブレーキSW=OFF)の場合はステップS41へ戻る。
ステップS43では、ステップS42でのブレーキSW=ONであるとの判断に続き、ブレーキ液圧センサ89からのブレーキ液圧センサ値が、所定値以上であるか否かを判断する。YES(ブレーキ液圧センサ値≧所定値)の場合はステップS44へ進み、NO(ブレーキ液圧センサ値<所定値)の場合はステップS41へ戻る。
ここで、「所定値」は、実際にブレーキ制動が作動するブレーキ液圧に設定される。
ステップS44では、ステップS43でのブレーキ液圧センサ値≧所定値であるとの判断に続き、アクセル開度APOが、アクセル解放操作をあらわすアクセル開度APO=0であるか否かを判断する。YES(アクセル開度APO=0)の場合はステップS45へ進み、NO(アクセル開度APO>0)の場合はステップS41へ戻る。
ステップS45では、ステップS44でのアクセル開度APO=0であるとの判断に続き、ブレーキOn経験フラグを、ブレーキOn経験フラグ=0からブレーキOn経験フラグ=1へ書き替え、ステップS41へ戻る。
ステップS46では、ステップS41でのブレーキOn経験フラグ=1であるとの判断に続き、「Mダウンモード」の解除条件が成立しているか否かを判断する。YES(「Mダウンモード」の解除条件成立)の場合はステップS47へ進み、NO(「Mダウンモード」の解除条件不成立)の場合はステップS41へ戻る。
ここで、「Mダウンモード」の解除条件としては、ステップS34と同様に、停車条件又はアクセル踏み込み条件が成立したときとする。
ステップS47では、ステップS46での「Mダウンモード」の解除条件成立との判断に続き、ブレーキOn経験フラグを、ブレーキOn経験フラグ=1からブレーキOn経験フラグ=0へ書き替え、ステップS41へ戻る。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「Dレンジ選択時の変速制御処理作用」、「ブレーキOn経験フラグのセット/リセット作用」、「マニュアルダウンシフト制御作用」、「変速制御の特徴作用」に分けて説明する。
[Dレンジ選択時の変速制御処理作用]
以下、図4及び図5に示すフローチャートに基づいて、変速制御処理作用を説明する。
まず、Dレンジを選択し、ブレーキ足離し操作からアクセル踏み込み操作へ移行して発進するとき、アクセル開度APOが所定開度a未満の間は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む流れが繰り返される。そして、アクセル開度APOが所定開度aを超えても、アクセル戻し操作が行われるまでは、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れが繰り返される。よって、発進後、アクセル戻し操作が行われるまでは、「Dレンジ変速モード」の選択によりDレンジ変速線(図2)での無段変速が実行される。
その後、素早いアクセル戻し操作が行われ、アクセル開速度条件及びアクセル開度差条件が成立すると、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む。ステップS6では、制御モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」へと切り替えられる。次のステップS7では、「Mアップモード」での次のマニュアル変速段が演算される。次のステップS8では、現在のマニュアル変速段から次のマニュアル変速段へと移行するアップシフトの実行が開始される。
このように、発進後のアクセル踏み込み状態のとき、運転者がアップシフトを意図して素早いアクセル戻し操作を行うと、アップシフトの開始条件が成立し、制御モードが「Mアップモード」へと切り替えられ、アップシフトの実行が開始される。
アクセル戻し操作後、アクセル開速度条件又はアクセル操作UP判定タイマー条件の何れかが不成立であると、ステップS9又はステップS10からステップS11→ステップS11→ステップS1へと戻る。即ち、ステップS11では、実行が開始されたアップシフトがキャンセルされ、次のステップS12では、表示モードが、「Dレンジ変速モード」のまま維持され、「Dレンジ変速モード」の選択によりDレンジ変速線(図2)での無段変速に戻る。
しかし、アクセル戻し操作後、アクセル開速度条件及びアクセル操作UP判定タイマー条件が共に成立であると、ステップS10からステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS16→ステップS17へと進む。ステップS13では、表示モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」へと切り替えられる。次のステップS14では、アップシフトが継続され、次のステップS15では、ロックアップOFF状態であるか否かが判断される。ロックアップOFFの場合はステップS16へ進み、ステップS16では、ロックアップクラッチ20を解放状態から締結状態にするクラッチ締結制御が実行される。そして、ステップS17にてアップシフト未終了と判断されている間は、ステップS14→ステップS15→ステップS17へと進む流れが繰り返され、アップシフトが継続して実行される。
このように、運転者がアップシフトを意図し、素早いアクセル戻し操作に続いて素早いアクセル踏み込み操作を行うと、アップシフトの開始条件及び継続条件が成立する。よって、表示モードが「Mアップモード」へと切り替えられ、ロックアップ締結状態でアップシフト(アクセルシフト)が実行される。
そして、ステップS17にてアップシフト終了と判断され、アクセル操作アップシフト判定OFFであり、かつ、「Mアップモード」の解除条件が成立していない間は、ステップS17からステップS18→ステップS21へと進む流れが繰り返される。そして、「Mアップモード」の解除条件が成立していない間に、運転者が次のアップシフトを意図して素早いアクセル戻し操作を行い、アクセル操作アップシフト判定ONになると、ステップS18からステップS19→ステップS20へと進む流れが繰り返される。つまり、運転者が次のアップシフトを意図し、素早いアクセル戻し操作に続いて素早いアクセル踏み込み操作を行うと、アップシフトの開始条件及び継続条件が成立し、ロックアップ締結状態で次のアップシフト(アクセルシフト)が実行される。
このように、「Mアップモード」の解除条件が成立していない間に、運転者がアップシフトを意図して素早いアクセル戻し操作を行うと、アップシフトの開始条件が成立し、アクセル操作アップシフト判定ONになる。そして、アクセル操作アップシフト判定ONになり、かつ、アップシフトの継続条件が成立する毎に、マニュアル変速線(図3)を用いたロックアップ締結状態でのアップシフトが複数回繰り返される。
その後、運転者が「Mアップモード」の解除を意図し、アクセル足離し状態で設定値ΔT2を超える時間を経過すると、ステップS21にて「Mアップモード」の解除条件が成立する。「Mアップモード」の解除条件が成立すると、ステップS21からステップS22→ステップS1へと戻る。つまり、ステップS22では、「Mアップモード」が解除され、制御モード及び表示モードが「Mアップモード」から「Dレンジ変速モード」に切り替えられる。次のステップS1からは、「Dレンジ変速モード」の選択によりDレンジ変速線(図2)での無段変速に復帰する。
「Dレンジ変速モード」による無段変速に復帰した後、運転者が減速を意図してブレーキON操作をしたことでブレーキOn経験フラグ=1になった後、運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うとする。このとき、ステップS1→ステップS2→ステップS23→ステップS24(ステップS25)へと進む。ステップS24では、制御モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替えられ、ステップS25では、表示モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替えられる。
そして、ステップS24(ステップS25)からは、ステップS26→ステップS27ステップS28→ステップS29→ステップS30へと進み、ダウンシフト未終了と判断されている間は、ステップS29→ステップS30へと進む流れが繰り返される。ステップS26では、「Mダウンモード」での次のマニュアル変速段が演算される。次のステップS27では、ロックアップOFF状態であるか否かが判断される。ロックアップOFFの場合はステップS28へ進み、ステップS28では、ロックアップクラッチ20を解放状態から締結状態にするクラッチ締結制御が実行される。ステップS29では、現在のマニュアル変速段から次のマニュアル変速段へと移行するダウンシフトの実行が開始され、ステップS30にてダウンシフト終了と判断されるまでは、ダウンシフトが継続される。
そして、ステップS30にてダウンシフト終了と判断され、アクセル操作ダウンシフト判定OFFであり、かつ、「Mダウンモード」の解除条件が成立していない間は、ステップS30からステップS31→ステップS34へと進む流れが繰り返される。そして、「Mダウンモード」の解除条件が成立していない間に、運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行い、アクセル操作ダウンシフト判定ONになると、ステップS31からステップS32→ステップS33へと進む流れが繰り返される。つまり、ロックアップ締結状態で次のダウンシフト(アクセルシフト)が実行される。
このように、「Mダウンモード」の解除条件が成立していない間に、運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うと、アクセル操作ダウンシフト判定ONになる。そして、アクセル操作ダウンシフト判定ONになり、ダウンシフトの開始条件及び継続条件が成立する毎にマニュアル変速線(図3)を用いたロックアップ締結状態でのダウンシフトが複数回繰り返される。
その後、運転者が「Mダウンモード」の解除を意図し、例えば、ブレーキON操作をして停車すると、ステップS34にて「Mダウンモード」の解除条件が成立する。「Mダウンモード」の解除条件が成立すると、ステップS34からステップS35→ステップS1へと戻る。つまり、ステップS35では、「Mダウンモード」が解除され、制御モード及び表示モードが「Mダウンモード」から「Dレンジ変速モード」に切り替えられる。次のステップS1からは、「Dレンジ変速モード」の選択によりDレンジ変速線(図2)での無段変速状態に復帰する。
[ブレーキOn経験フラグのセット/リセット処理作用]
以下、図6に示すフローチャートに基づいて、ブレーキOn経験フラグのセット/リセット処理作用を説明する。
ブレーキOn経験フラグ=0であるとき、ブレーキスイッチ85からのスイッチ信号がオフ信号であると、ステップS41→ステップS42へと進む流れが繰り返され、ブレーキOn経験フラグ=0が維持される。
ブレーキOn経験フラグ=0であるとき、ブレーキスイッチ85からのスイッチ信号はオン信号であるが、ブレーキ液圧センサ値<所定値であると、ステップS41→ステップS42→ステップS43へと進む流れが繰り返される。このときもブレーキOn経験フラグ=0が維持される。
ブレーキOn経験フラグ=0であるとき、ブレーキスイッチ信号がオン信号、ブレーキ液圧センサ値≧所定値であるが、APO>0であると、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44へと進む流れが繰り返される。このときもブレーキOn経験フラグ=0が維持される。
しかし、ブレーキOn経験フラグ=0であるとき、ブレーキスイッチ信号がオン信号、ブレーキ液圧センサ値≧所定値、APO=0になると、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44→ステップS45へと進む。そして、ステップS45では、ブレーキOn経験フラグが、ブレーキOn経験フラグ=0からブレーキOn経験フラグ=1へと書き替えられる。
一方、ブレーキOn経験フラグ=1であるとき、「Mダウンモード」の解除条件が不成立である間は、ステップS41→ステップS46へと進む流れが繰り返され、ブレーキOn経験フラグ=1が維持される。そして、ブレーキOn経験フラグ=1であるとき、「Mダウンモード」の解除条件が成立すると、ステップS41→ステップS46→ステップS47へと進む。そして、ステップS47では、ブレーキOn経験フラグが、ブレーキOn経験フラグ=1からブレーキOn経験フラグ=0へと書き替えられる。
このように、ブレーキOn経験フラグが、ブレーキOn経験フラグ=0からブレーキOn経験フラグ=1へと書き替えられると、「Mダウンモード」の解除条件が不成立である間は、ブレーキOn経験フラグ=1が維持される。したがって、ブレーキOn経験フラグ=1になった後、運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うと、同時にブレーキ踏み込み操作を行うことを要さず、マニュアルダウンシフトが実行される。
[マニュアルダウンシフト制御作用]
以下、図7に示すタイムチャートに基づいて、「Dレンジ変速モード」による走行中に「Mダウンモード」へと切り替えて実行されるマニュアルダウンシフト制御作用を説明する。なお、図7に記載の「目標ギア段」は、ベルト式無段変速機CVTの目標マニュアル変速段である。
「Dレンジ変速モード」による無段変速中の時刻t1において、運転者が減速を意図してブレーキON操作をすると、ブレーキスイッチ条件(S42)とアクセル開度条件(S44)は成立するものの、ブレーキ液圧条件(S43)が不成立である。よって、ブレーキOn経験フラグ=0のままとされる。
しかし、時刻t2になってブレーキ液圧条件(S42)が成立すると、ブレーキスイッチ条件(S42)とアクセル開度条件(S44)と共に全ての条件が成立し、ブレーキOn経験フラグが、ブレーキOn経験フラグ=1へと書き替えられる。このブレーキOn経験フラグ=1に書き替えられると、時刻t3にてブレーキ解除操作をしても「Mダウンモード」の解除条件が成立するまで、ブレーキOn経験フラグ=1が維持される。なお、図7の破線によるブレーキSW信号の特性は、ブレーキON操作とアクセル操作が同時であっても、ブレーキOn経験フラグ=1であれば「Mダウンモード」への切り替えが行われることをあらわしている。
よって、ブレーキOn経験フラグ=1のとき、時刻t4のタイミングにて運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うと、アクセル戻し操作終了判定時刻t5においてダウンシフト操作条件が成立し、ダウンシフト判定される。このダウンシフト判定と同時に、制御モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替えられ、M4速段からM3速段へと移行するマニュアルダウンシフトの実行が開始される。
ここで、矢印Eが示す点線で囲まれるアクセル開度信号特性は、時刻t4から時刻t5において、素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作により、アクセル操作ダウンシフト判定条件が成立(アクセル操作ダウンシフト判定ON)していることを示している。
時刻t5の後、アクセル解放状態を維持し、時刻t6のタイミングにて運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うと、アクセル戻し操作終了判定時刻t7においてダウンシフト操作条件が成立し、ダウンシフト判定される。このダウンシフト判定と同時に、M3速段からM2速段へと移行するマニュアルダウンシフトの実行が開始される。
このように、アクセルシフトによるマニュアルダウンシフトは、ブレーキOn経験フラグ=1を「Mダウンモード」への切り替え条件とし、素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作をマニュアルダウンシフトの開始条件として行われる。
[変速制御の特徴作用]
実施例1では、CVTコントロールユニット8において、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」への切り替え条件を、運転者によるブレーキペダル95の踏み込み操作とする。「Mダウンモード」でのマニュアルダウンシフトの開始条件を、ブレーキペダル95への踏み込み操作を経験した後、アクセルペダル96への踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときとする。
例えば、マニュアルダウンシフトを実行するとき、運転者によるブレーキペダル操作とアクセルペダル操作の同時操作を要求すると、2つのペダル操作が共に1人の運転者による足操作になるため、ペダル操作が複雑になるし、運転者に負担をかけることになる。
本発明者等はこの点に着目し、「Mダウンモード」でのマニュアルダウンシフトの開始条件を、運転者によるブレーキペダル95への踏み込み操作を経験した後、アクセルペダル96への踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときとする。このため、ブレーキペダル95とアクセルペダル96を同時に足操作しなくとも、「Mダウンモード」でのマニュアルダウンシフトが実行される。
この結果、「Dレンジ変速モード」での走行中、変速モードを「Mダウンモード」へと切り替えてマニュアルダウンシフトを実行するときに複雑なペダル操作を不要とされる。ここで、“アクセルペダル96への踏み込み操作から戻し操作への変化”において、アクセルペダル96の踏み込み操作からの戻し操作は、比較的早く踏み込み操作からの戻し操作されたことに基づきダウンシフトを行う。つまり、ゆっくり踏み込み操作されたり戻し操作されたりした場合はダウンシフト開始しない。また、マニュアルダウンシフトを開始するアクセルペダル操作は、その前にブレーキペダル95への踏み込み操作を経験していれば、ブレーキペダル95が解放状態でも踏み込み状態でもいずれであっても良い。
実施例1では、アクセルペダル96が解放操作状態でブレーキペダル95の踏み込み操作が検知されたとき、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」への切り替え条件成立と判断する。
即ち、運転者が減速を意図するとき、先ず、アクセルペダル96の解放操作をし、エンジンブレーキ等によって減速し、この減速が要求減速に達しないとブレーキペダル95の踏み込み操作し、意図する減速度にコントロールする。従って、アクセルペダル96が解放操作状態であることを切り替え条件に加えることで、運転者が減速を意図していることに基づき、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へ切り替えられる。
実施例1では、ブレーキペダル95の踏み込み操作を、ブレーキスイッチ85がオンであることにより検知する。
即ち、ブレーキ操作/非操作を検知するブレーキスイッチ85は、ブレーキランプ用スイッチ等として既設の車載スイッチである。従って、容易な構成でブレーキペダル95の踏み込み操作が検知される。
ここで、“ブレーキスイッチ85がオンであることにより検知する”とは、ブレーキスイッチ85からのオン信号のみを検知していれば良く、ブレーキ液圧が発生しているか否かは問わない。
実施例1では、ブレーキペダル95の踏み込み操作を、ブレーキ液圧センサ89からのブレーキ液圧センサ値が所定値以上であることにより検知する。
即ち、「Mダウンモード」への切り替えを運転者が意図しておらず、意図せずに運転者の足がブレーキペダル95の上に乗ってしまった場合、ブレーキスイッチ85はオンになるものの、ブレーキ液圧は発生しない。従って、意図せずにブレーキスイッチ85がオンになることでの「Mダウンモード」への切り替えが防止され、運転者が確実に減速を意図して「Mダウンモード」に切り替えることが検知される。
実施例1では、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」への切り替え条件が成立するとブレーキOn経験フラグをセットし、「Mダウンモード」の解除条件が成立するとブレーキOn経験フラグをリセットする。ブレーキOn経験フラグがセットされている間は、マニュアルダウンシフトを開始するアクセルペダル操作条件が成立する毎にマニュアルダウンシフトを繰り返す。
即ち、ブレーキOn経験フラグがセットされると、ブレーキOn経験フラグがセットされている間は、アクセルペダル操作条件が成立する毎に、アクセルペダル操作信号をトリガとするアクセルシフトによるマニュアルダウンシフトが繰り返えされる。従って、ブレーキOn経験フラグがセットされると、アクセルシフトによるマニュアルダウンシフトが許可されることで、運転者のダウンシフト意図に応じて車両を操っているという爽快感が運転者に与えられる。
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機の変速制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 走行用駆動源(エンジン1)と駆動輪6,6との間に配される自動変速機(ベルト式無段変速機CVT)と、自動変速機(ベルト式無段変速機CVT)の変速制御を実行する変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)と、を備える。
この自動変速機の変速制御装置において、運転者によるアクセルペダルへのペダル操作を検知するアクセルペダル操作検知手段(アクセル開度センサ86)を設ける。
自動変速機(ベルト式無段変速機CVT)は、変速モードとして、車両運転状態に応じて変速比を自動的に変更する自動変速モード(「Dレンジ変速モード」)と、運転者による所定のアクセルペダル操作が検知されると固定変速比による複数のマニュアル変速段を変更するマニュアルダウンモード(「Mダウンモード」)とを有する。
変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、自動変速モード(「Dレンジ変速モード」)からマニュアルダウンモード(「Mダウンモード」)への切り替え条件を、運転者によるブレーキペダル95の踏み込み操作とする。
マニュアルダウンモード(「Mダウンモード」)でのマニュアルダウンシフトの開始条件を、ブレーキペダル95への踏み込み操作を経験した後、アクセルペダル96への踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときとする。
このため、自動変速モード(「Dレンジ変速モード」)での走行中、変速モードをマニュアルダウンモード(「Mダウンモード」)へと切り替えてマニュアルダウンシフトを実行するときに複雑なペダル操作を不要とすることができる。
(2) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、アクセルペダル96が解放状態でブレーキペダル95の踏み込み操作が検知されたとき、自動変速モード(「Dレンジ変速モード」)からマニュアルダウンモード(「Mダウンモード」)への切り替え条件成立と判断する。
このため、(1)の効果に加え、アクセルペダル96が解放操作状態という運転者の減速意図の確認に基づき、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替えることができる。
(3) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、ブレーキペダル95の踏み込み操作を、ブレーキスイッチ85がオンであることにより検知する。
このため、(2)の効果に加え、容易な構成でブレーキペダル95の踏み込み操作を検知することができる。
(4) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、ブレーキペダル95の踏み込み操作を、ブレーキ液圧センサ89からのブレーキ液圧センサ値が所定値以上であることにより検知する。
このため、(2)の効果に加え、運転者が確実に減速を意図して「Mダウンモード」に切り替えることを検知することができる。
(5) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、自動変速モード(「Dレンジ変速モード」)からマニュアルダウンモード(「Mダウンモード」)への切り替え条件が成立するとブレーキOn経験フラグをセットし、マニュアルダウンモード(「Mダウンモード」)の解除条件が成立するとブレーキOn経験フラグをリセットする。
ブレーキOn経験フラグがセットされている間は、マニュアルダウンシフトを開始するアクセルペダル操作条件が成立する毎にマニュアルダウンシフトを繰り返す。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、ブレーキOn経験フラグがセットされると、アクセルシフトによるマニュアルダウンシフトが許可されることで、運転者のダウンシフト意図に応じて車両を操っているという爽快感を運転者に与えることができる。
以上、本発明の自動変速機の変速制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ブレーキスイッチ条件(S42)とブレーキ液圧条件(S43)とアクセル開度条件(S44)の全てが成立すると、ブレーキOn経験フラグを、ブレーキOn経験フラグ=1に書き替える例を示した。しかし、下記の(a)〜(d)の何れかの条件が成立すると、ブレーキOn経験フラグを、ブレーキOn経験フラグ=1に書き替える例としても良い。
(a) ブレーキスイッチ条件(S42)のみの成立。
(b) ブレーキ液圧条件(S43)のみの成立。
(c) ブレーキスイッチ条件(S42)とアクセル開度条件(S44)の成立。
(d) ブレーキ液圧条件(S43)とアクセル開度条件(S44)の成立。
実施例1では、変速モードとして、「Dレンジ変速モード」と「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」とを備える例を示した。しかし、変速モードとしては、「Dレンジ変速モード」と「ペダル操作に基づくマニュアル変速モード」以外に、運転者によるレバー操作等に基づいて複数のマニュアル変速段を切替可能な「手動操作に基づくマニュアル変速モード」を加えても良い。この場合、運転者による「マニュアル変速モード」の選択肢が拡大する。
実施例1では、マニュアル有段変速スケジュールとして、M1速段〜M5速段の例を示した。しかし、マニュアル有段変速スケジュールとしては、M6速段以上(M6速段、M7速段、M8速段等)の有段変速段による例としても、M4速段以下(M4速段、M3速段)の有段変速段による例としても良い。
実施例1では、本発明の変速制御装置を、自動変速機としてベルト式無段変速機CVTを搭載したエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の変速制御装置は、自動変速機として、ステップATと呼ばれる有段変速機を搭載した車両や副変速機付き無段変速機を搭載した車両等に適用しても良い。また、適用される車両としても、エンジン車に限らず、走行用駆動源にエンジンとモータを搭載したハイブリッド車、走行用駆動源にモータを搭載した電気自動車等に対しても適用できる。
1 エンジン(走行用駆動源)
CVT ベルト式無段変速機(自動変速機)
2 トルクコンバータ
3 前後進切替機構
4 バリエータ
5 終減速機構
6 駆動輪
7 油圧制御ユニット
8 CVTコントロールユニット(変速コントローラ)
80 プライマリ回転速度センサ
81 車速センサ
82 セカンダリ圧センサ
83 油温センサ
84 インヒビタースイッチ
85 ブレーキスイッチ
86 アクセル開度センサ(アクセルペダル操作検知手段)
87 プライマリ圧センサ
89 ブレーキ液圧センサ
94 セレクトレバー
95 ブレーキペダル
96 アクセルペダル

Claims (5)

  1. 走行用駆動源と駆動輪との間に配される自動変速機と、前記自動変速機の変速制御を実行する変速コントローラと、を備える自動変速機の変速制御装置において、
    運転者によるアクセルペダルへのペダル操作を検知するアクセルペダル操作検知手段を設け、
    前記自動変速機は、変速モードとして、車両運転状態に応じて変速比を自動的に変更する自動変速モードと、運転者による所定のアクセルペダル操作が検知されると固定変速比による複数のマニュアル変速段を変更するマニュアルダウンモードとを有し、
    前記変速コントローラは、前記自動変速モードから前記マニュアルダウンモードへの切り替え条件を、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作とし、
    前記マニュアルダウンモードでのマニュアルダウンシフトの開始条件を、前記ブレーキペダルへの踏み込み操作を経験した後、前記アクセルペダルへの踏み込み操作から戻し操作への変化が検知されたときとする
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載された自動変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、前記アクセルペダルが解放操作状態で前記ブレーキペダルの踏み込み操作が検知されたとき、前記自動変速モードから前記マニュアルダウンモードへの切り替え条件成立と判断する
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項2に記載された自動変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、前記ブレーキペダルの踏み込み操作を、ブレーキスイッチがオンであることにより検知する
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項2に記載された自動変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、前記ブレーキペダルの踏み込み操作を、ブレーキ液圧センサからのブレーキ液圧センサ値が所定値以上であることにより検知する
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載された自動変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、前記自動変速モードから前記マニュアルダウンモードへの切り替え条件が成立するとブレーキOn経験フラグをセットし、前記マニュアルダウンモードの解除条件が成立すると前記ブレーキOn経験フラグをリセットし、
    前記ブレーキOn経験フラグがセットされている間は、前記マニュアルダウンシフトを開始するアクセルペダル操作条件が成立する毎にマニュアルダウンシフトを繰り返す
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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