JP2019158024A - 車両の運転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行中、煩雑な条件の管理や変更を伴うことなく、複数実装した制御の干渉を防止すること。【解決手段】CVTコントロールユニット8と、エンジンコントロールユニット9と、運転支援コントロールユニット14と、を備える。この車両の運転制御装置において、運転者のアクセルペダル操作に対する応答が異なるマニュアル有段変速制御と定速走行制御を実装する。CVTコントロールユニット8は、マニュアル有段変速制御が実行される「マニュアル有段変速制御運転モード」と、定速走行制御が実行される「定速走行制御運転モード」を、互いに重なり合って制御が実行されることのない異なる運転モードにする運転モード選択部8bを有する。【選択図】図7
Description
本発明は、車両の運転制御装置に関する。
従来、短時間でのスロットルの開き操作後の閉じ操作(自動四輪車においてはアクセルペダルの踏み込み後の戻し操作)に基づき、変速機のアップシフトを開始する自動変速機制御装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
従来装置にあっては、アクセルペダル操作に対する応答の異なる制御を複数実装する場合、それらを同時に実行すると制御が干渉する。制御が干渉しないよう制御の実行条件を設定するにしても、条件の管理や変更が煩雑になる、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、走行中、煩雑な条件の管理や変更を伴うことなく、複数実装した制御の干渉を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両の運転制御装置は、運転者のアクセルペダル操作に対する応答が異なる制御を複数実装する。
複数実装されている各制御が実行される運転モードを、互いに重なり合って制御が実行されることのない異なる運転モードにする運転モード選択部を有する。
複数実装されている各制御が実行される運転モードを、互いに重なり合って制御が実行されることのない異なる運転モードにする運転モード選択部を有する。
このように、運転モードによって複数実装した制御を切り分けることで、走行中、煩雑な条件の管理や変更を伴うことなく、複数実装した制御の干渉を防止することができる。
以下、本発明の車両の運転制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1における運転制御装置は、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載したエンジン車(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「運転制御システムの構成」、「アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御概要」、「アクセルペダル操作による定速走行制御概要」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の車両の運転制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す。以下、図1に基づいて全体システム構成を説明する。
図1は、実施例1の車両の運転制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す。以下、図1に基づいて全体システム構成を説明する。
エンジン車の駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪6,6と、を備えている。
ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
エンジン1は、運転者によるアクセル操作による出力トルクの制御(通常制御)以外に、外部からのエンジン制御信号により出力トルクを制御可能である。このエンジン1には、点火時期リタード制御やスロットルバルブ開閉動作等によりトルクダウン制御を行う出力トルク制御アクチュエータ10を有する。
トルクコンバータ2は、トルク増大機能やトルク変動吸収機能を有する流体継手による発進要素である。トルク増大機能やトルク変動吸収機能を必要としないとき、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。このトルクコンバータ2は、ポンプインペラ23と、タービンランナ24と、ケースにワンウェイクラッチ25を介して設けられたステータ26と、を構成要素とする。
前後進切替機構3は、バリエータ4への入力回転方向を前進走行時の正転方向と後退走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切替機構3は、ダブルピニオン式遊星歯車30と、複数枚のクラッチプレートによる前進クラッチ31と、複数枚のブレーキプレートによる後退ブレーキ32と、を有する。前進クラッチ31は、Dレンジ等の前進走行レンジ選択時に前進クラッチ圧Pfcにより油圧締結される。後退ブレーキ32は、Rレンジ等の後退走行レンジ選択時に後退ブレーキ圧Prbにより油圧締結される。なお、前進クラッチ31と後退ブレーキ32は、Nレンジ(ニュートラルレンジ)の選択時、前進クラッチ圧Pfcと後退ブレーキ圧Prbをドレーンすることで、いずれも解放される。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プーリベルト44と、を有し、ベルト接触径の変化により変速比(バリエータ入力回転とバリエータ出力回転の比)を無段階に変化させる無段変速機構である。
プライマリプーリ42は、バリエータ入力軸40の同軸上に配された固定プーリ42aとスライドプーリ42bにより構成され、スライドプーリ42bは、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriによりスライド動作する。
セカンダリプーリ43は、バリエータ出力軸41の同軸上に配された固定プーリ43aとスライドプーリ43bにより構成され、スライドプーリ43bは、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecによりスライド動作する。
プーリベルト44は、プライマリプーリ42のV字形状をなすシーブ面と、セカンダリプーリ43のV字形状をなすシーブ面に掛け渡されている。このプーリベルト44は、環状リングを内から外へ多数重ね合わせた2組の積層リングと、打ち抜き板材により形成され、2組の積層リングに沿って挟み込みにより環状に積層して取り付けられた多数のエレメントにより構成されている。なお、プーリベルト44としては、プーリ進行方向に多数配列したチェーンエレメントを、プーリ軸方向に貫通するピンにより結合したチェーンタイプのベルトであっても良い。
終減速機構5は、バリエータ出力軸41からのバリエータ出力回転を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪6,6に伝達する機構である。この終減速機構5は、減速ギア機構として、バリエータ出力軸41に設けられたアウトプットギア52と、アイドラ軸50に設けられたアイドラギア53及びリダクションギア54と、デフケースの外周位置に設けられたファイナルギア55と、を有する。そして、差動ギア機構として、左右のドライブ軸51,51に介装されたディファレンシャルギア56を有する。
エンジン車の制御系は、図1に示すように、油圧制御系である油圧制御ユニット7と、電子制御系であるCVTコントロールユニット8と、エンジンコントロールユニット9と、運転支援コントロールユニット14と、を備えている。
油圧制御ユニット7は、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppri、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psec、前進クラッチ31への前進クラッチ圧Pfc、後退ブレーキ32への後退ブレーキ圧Prb、等を調圧するユニットである。この油圧制御ユニット7は、走行用駆動源のエンジン1により回転駆動されるオイルポンプ70と、オイルポンプ70からの吐出圧に基づいて各種の制御圧を調圧する油圧制御回路71と、を備える。
油圧制御回路71には、ライン圧ソレノイド弁72と、プライマリ圧ソレノイド弁73と、セカンダリ圧ソレノイド弁74と、セレクトソレノイド弁75と、ロックアップ圧ソレノイド弁76と、を有する。なお、各ソレノイド弁72,73,74,75,76は、CVTコントロールユニット8から出力される制御指令値によって各指令圧に調圧する。
ライン圧ソレノイド弁72は、CVTコントロールユニット8から出力されるライン圧指令値に応じ、オイルポンプ70からの吐出圧を、指令されたライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、各種の制御圧を調圧する際の元圧であり、駆動系を伝達するトルクに対してベルト滑りやクラッチ滑りを抑える油圧とされる。
プライマリ圧ソレノイド弁73は、CVTコントロールユニット8から出力されるプライマリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたプライマリ圧Ppriに減圧調整する。セカンダリ圧ソレノイド弁74は、CVTコントロールユニット8から出力されるセカンダリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたセカンダリ圧Psecに減圧調整する。
セレクトソレノイド弁75は、CVTコントロールユニット8から出力される前進クラッチ圧指令値又は後退ブレーキ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令された前進クラッチ圧Pfc又は後退ブレーキ圧Prbに減圧調整する。
ロックアップ圧ソレノイド弁76は、CVTコントロールユニット8から出力されるロックアップ圧指令値に応じ、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを調整する。
CVTコントロールユニット8は、ライン圧制御や変速制御や前後進切替制御やロックアップ制御等を行う。ライン圧制御では、スロットル開度等に応じた目標ライン圧を得る指令値をライン圧ソレノイド弁72に出力する。変速制御では、目標変速比(目標プライマリ回転Npri*)を決めると、決めた目標変速比(目標プライマリ回転Npri*)を得る指令値をプライマリ圧ソレノイド弁73及びセカンダリ圧ソレノイド弁74に出力する。前後進切替制御では、選択されているレンジ位置に応じて前進クラッチ31と後退ブレーキ32の締結/解放を制御する指令値をセレクトソレノイド弁75に出力する。ロックアップ制御では、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを制御する指令値をロックアップ圧ソレノイド弁76に出力する。
CVTコントロールユニット8には、プライマリ回転センサ80、車速センサ81、セカンダリ回転センサ82、油温センサ83、インヒビタスイッチ84、ブレーキスイッチ85、タービン回転センサ86等からの情報が入力される。エンジンコントロールユニット9には、エンジン回転センサ12からの情報が入力される。さらに、アクセル開度センサ87、スポーツモード選択スイッチ88、エコモード選択スイッチ89等からの情報が入力される。
CVTコントロールユニット8とエンジンコントロールユニット9と運転支援コントロールユニット14は、CAN通信線13により情報交換可能に接続されている。
図2は、Dレンジ選択時に自動変速モードでの無段変速制御をバリエータ4により実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールの一例を示す。
「Dレンジ変速モード」は、車両運転状態に応じて変速比を自動的に無段階に変更する自動変速モードであり、通常運転モードが選択されているときに実行される。「Dレンジ変速モード」での変速制御は、車速VSP(車速センサ81)とアクセル開度APO(アクセル開度センサ87)により特定される図2のDレンジ無段変速スケジュール上での運転点(VSP,APO)により、目標プライマリ回転数Npri*を決める。そして、プライマリ回転センサ80からのプライマリ回転数Npriを、目標プライマリ回転数Npri*に一致させるプーリ油圧制御により行われる。
即ち、「Dレンジ変速モード」で用いられるDレンジ無段変速スケジュールは、図2に示すように、運転点(VSP,APO)に応じて最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で変速比を無段階に変更するように設定されている。例えば、車速VSPが一定のときは、アクセル踏み込み操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が上昇してダウンシフト方向に変速し、アクセル踏み戻し操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が低下してアップシフト方向に変速する。アクセル開度APOが一定のときは、車速VSPが上昇するとアップシフト方向に変速し、車速VSPが低下するとダウンシフト方向に変速する。
[運転制御システムの構成]
以下、図3に基づいて運転制御システムの構成を説明する。
運転制御システムのハード構成は、図3に示すように、エンジン1(走行用駆動源)と、ベルト式無段変速機CVT(無段変速機:トルクコンバータ2、切替機構3、バリエータ4、終減速機構5)と、駆動輪6と、を備えている。
以下、図3に基づいて運転制御システムの構成を説明する。
運転制御システムのハード構成は、図3に示すように、エンジン1(走行用駆動源)と、ベルト式無段変速機CVT(無段変速機:トルクコンバータ2、切替機構3、バリエータ4、終減速機構5)と、駆動輪6と、を備えている。
ベルト式無段変速機CVTのトルクコンバータ2は、締結によりエンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結するロックアップクラッチ20を有する。前後進切替機構3は、前進走行レンジ(Dレンジ、Lレンジ等)の選択により締結される前進クラッチ31と、後退走行レンジ(Rレンジ)の選択により締結される後退ブレーキ32と、を並列に有する。バリエータ4(無段変速機構)は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、両プーリ42,43に掛け渡されるプーリベルト44と、を有する。
運転制御システムのソフト構成は、図3に示すように、CAN通信線13により接続されるCVTコントロールユニット8と、エンジンコントロールユニット9と、運転支援コントロールユニット14と、を備えている。
CVTコントロールユニット8は、運転支援コントロールユニット14からCAN通信線13を介して変速要求を入力すると、通常の変速制御(Dレンジ無段変速スケジュールを用いた無段変速制御)に優先して運転支援対応の変速制御が実行される。運転支援対応の変速制御では、バリエータ4の変速比を、変速要求による目標変速比とするアップシフト又はダウンシフトが行われる。
CVTコントロールユニット8には、「マニュアル有段変速制御運転モード」が選択されると、バリエータ4により疑似有段変速であるマニュアル有段変速制御(疑似有段変速制御)を実行するマニュアル有段変速制御部8aを有する。マニュアル有段変速制御は、レバー操作やスイッチ操作に代え、アクセルペダル90へのワンペダル操作により変速段のアップシフトやダウンシフトを行う第1制御に相当する。
エンジンコントロールユニット9は、エンジン1から駆動輪6へ伝達される駆動力を制御する駆動力制御手段である。運転支援コントロールユニット14からCAN通信線13を介してトルクダウン要求を入力すると、通常のエンジン制御(アクセル開度に応じたエンジン出力制御)に優先して運転支援対応のトルクダウン制御が実行される。運転支援対応のトルクダウン制御では、エンジン1の出力トルクを、トルクダウン要求による目標トルクに制限する制御が行われる。
運転支援コントロールユニット14は、自動ブレーキ制御や自動駐車制御等のように、運転者による運転操作(アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作等)の負担を軽減する各種の運転支援制御を行う。
運転支援コントロールユニット14には、「定速走行制御運転モード」が選択されると、実車速を目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する定速走行制御を実行する定速走行制御部14aが設けられる。定速走行制御は、スイッチ操作に代え、アクセルペダル90へのワンペダル操作により目標車速を設定する第2制御に相当する。
CVTコントロールユニット8には、マニュアル有段変速制御部8a以外に、運転モード選択部8bを有する。運転モード選択部8bは、駆動性能重視のスポーツモード選択スイッチ88(第1スイッチ)と、燃費性能重視のエコモード選択スイッチ89(第2スイッチ)を用い、スイッチ信号の組み合わせにより運転モードを切り分けて選択する。
ここで、スポーツモード選択スイッチ88は、Dレンジ無段変速スケジュールとして、車速上昇に対してハイ変速比への移行を抑える変速制御になるスポーツモード変速スケジュールを選択するスイッチである。エコモード選択スイッチ89は、Dレンジ無段変速スケジュールとして、車速上昇に対してハイ変速比への移行を促す変速制御になるエコモード変速スケジュールを選択するスイッチである。
つまり、「マニュアル有段変速制御運転モード(第1運転モード)」は、運転者のアクセルペダル操作に対して変速要求応答をするマニュアル有段変速制御(第1制御)が実行される運転モードである。「定速走行制御運転モード(第2運転モード)」は、運転者のアクセルペダル操作に対して目標車速設定応答をする定速走行制御(第2制御)が実行される運転モードである。よって、運転者のアクセルペダル操作に対する応答が異なる2つの制御による「マニュアル有段変速制御運転モード」と「定速走行制御運転モード」を、互いに重なり合って制御が実行されることのない異なる運転モードに設定している。
[アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御概要]
アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御は、運転者の変速意図によるアクセルペダル90へのアクセルペダル操作に基づいて、固定変速比による複数のマニュアル変速段(M1速段〜M5速段)を変更する。このアクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御は、「マニュアル有段変速制御運転モード」を選択しているとき、運転者による変速意図に基づいて所定のペダル操作を行う。そうすると、検知されるペダル操作信号をトリガとしてアップシフトやダウンシフトが実行される。つまり、手動操作を要することなくアクセルペダル操作により複数のマニュアル変速段(M1速段〜M5速段)を変更することで、“アクセルシフト”と呼ばれる。アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御は、図4のマニュアル有段変速スケジュールを用いて行われる。
アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御は、運転者の変速意図によるアクセルペダル90へのアクセルペダル操作に基づいて、固定変速比による複数のマニュアル変速段(M1速段〜M5速段)を変更する。このアクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御は、「マニュアル有段変速制御運転モード」を選択しているとき、運転者による変速意図に基づいて所定のペダル操作を行う。そうすると、検知されるペダル操作信号をトリガとしてアップシフトやダウンシフトが実行される。つまり、手動操作を要することなくアクセルペダル操作により複数のマニュアル変速段(M1速段〜M5速段)を変更することで、“アクセルシフト”と呼ばれる。アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御は、図4のマニュアル有段変速スケジュールを用いて行われる。
マニュアル有段変速スケジュールは、図4に示すように、最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で、固定変速比線を複数本引くことによりマニュアル変速段が設定される。例えば、マニュアル変速段をM1速段〜M5速段とすると、最Low変速比線がM1速段に設定され、最High変速比線がM5速段に設定される。そして、M2速段〜M4速段の固定変速比線は、最Low変速比線と最High変速比線との間に、ほぼ等角度により互いに離れた位置に複数の固定変速比線を引くことで設定される。
このため、運転点(VSP,APO)がM2速段の固定変速比線上のD点であるとき、特定のアクセルペダル操作によりアップシフト要求があると、運転点(VSP,APO)がM3速段の固定変速比線上のE点へと移る。このため、目標プライマリ回転数Npri*(エンジン回転数)が一気に低下してマニュアルアップシフト感が得られる。
一方、運転点(VSP,APO)がM4速段の固定変速比線上のF点にあるとき、アップシフト要求とは異なる特定のアクセルペダル操作によりダウンシフト要求があると、運転点(VSP,APO)がM3速段の固定変速比線上のG点へと移る。このため、目標プライマリ回転数Npri*(エンジン回転数)が一気に上昇してマニュアルダウンシフト感が得られる。
[アクセルペダル操作による定速走行制御概要]
アクセルペダル操作による定速走行制御は、運転者の変速意図によるアクセルペダル90へのアクセルペダル操作に基づいて、目標車速の設定と目標車速の書き替えをし、定速走行制御を実行する。つまり、手動操作を要することなくアクセルペダル操作により定速走行制御を実行することで、“ワンペダルASCD”と呼ばれる。このアクセルペダル操作による定速走行制御は、「定速走行制御運転モード」を選択しているとき、図5の領域区分マップを用いて行われる。
アクセルペダル操作による定速走行制御は、運転者の変速意図によるアクセルペダル90へのアクセルペダル操作に基づいて、目標車速の設定と目標車速の書き替えをし、定速走行制御を実行する。つまり、手動操作を要することなくアクセルペダル操作により定速走行制御を実行することで、“ワンペダルASCD”と呼ばれる。このアクセルペダル操作による定速走行制御は、「定速走行制御運転モード」を選択しているとき、図5の領域区分マップを用いて行われる。
領域区分マップは、図5に示すように、車速軸とアクセル開度軸による二軸座標面に対してアクセル開度APOの下側閾値αと上側閾値βの特性線を、車速上昇によるR/L駆動力の上昇勾配に一致させて設定している。そして、全アクセル開度領域を、下側閾値αから上側閾値βまでの車速VSPの上昇により拡大するアクセル開度幅による定速領域Cと、上側閾値βより高開度の加速領域Aと、下側閾値αより低開度の減速領域Bと、に分けている。なお、車速VSPについては、定速走行制御を許可する車速域を、第1車速VSP1から第2車速VSP2までとしている。
「定速走行制御運転モード」を選択しているとき、検知されるアクセル開度APOが中間開度域に設定された定速領域Cに入ると、入った瞬間の実車速を目標車速に設定する。そして、定速領域Cのアクセル開度範囲内でアクセル開度APOが変化している間は、アクセル開度APOに車速VSPが応答せずに、目標車速を維持する駆動力制御(車速F/B、加速度F/B)の実行により定速走行とされる。
定速走行中に目標車速を、より高車速にしたときは、定速領域Cから加速領域Aへ外れるようにアクセル踏み増し操作を行って加速する。そして、加速により上昇した車速を新たな目標車速としたいときは、アクセル踏み戻し操作を行って再び加速領域Aから定速領域Cに入ると、入った瞬間の実車速が新たな目標車速として書き替えられる。
定速走行中に目標車速を、より低車速にしたときは、定速領域Cから減速領域Bへ外れるようにアクセル踏み戻し操作を行って減速する。そして、減速により低下した車速を新たな目標車速としたいときは、アクセル踏み増し操作を行って再び減速領域Bから定速領域Cに入ると、入った瞬間の実車速が新たな目標車速として書き替えられる。
次に、実施例1の作用を、「運転モードの選択作用」、「アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御作用」、「アクセルペダル操作による定速走行制御作用」に分けて説明する。
[運転モードの選択作用]
「マニュアル有段変速制御運転モード」と「定速走行制御運転モード」の選択は、既存のスイッチとして設けられているスポーツモード選択スイッチ88からのスイッチ信号と、エコモード選択スイッチ89からのスイッチ信号の組み合わせにより行われる。
「マニュアル有段変速制御運転モード」と「定速走行制御運転モード」の選択は、既存のスイッチとして設けられているスポーツモード選択スイッチ88からのスイッチ信号と、エコモード選択スイッチ89からのスイッチ信号の組み合わせにより行われる。
「マニュアル有段変速制御運転モード」は、図6に示すように、スポーツモード選択スイッチ88がオンでエコモード選択スイッチ89がオフの組み合わせにより許可される。そして、「マニュアル有段変速制御運転モード」は、図6に示すように、スポーツモード選択スイッチ88がオフであるときに禁止される。
「定速走行制御運転モード」は、図6に示すように、スポーツモード選択スイッチ88がオフでエコモード選択スイッチ89がオンの組み合わせにより許可される。そして、「定速走行制御運転モード」は、図6に示すように、それ以外のパターンであるときに禁止される。
即ち、図7の時刻t1に到達するまでは、スポーツモード選択スイッチ88からのスイッチ信号がOFFで、エコモード選択スイッチ89からのスイッチ信号がOFFである。このときは、「通常制御運転モード」が選択される。なお、「通常制御運転モード」とは、「マニュアル有段変速制御運転モード」と「定速走行制御運転モード」が何れも選択されない運転モードをいう。
図7の時刻t1に到達すると、スポーツモード選択スイッチ88からのスイッチ信号がOFFからONに切り替わり、エコモード選択スイッチ89からのスイッチ信号がOFFのままである。よって、時刻t1〜時刻t2までの間は、「マニュアル有段変速制御運転モード(足M UP/DOWN)」が選択される。時刻t2に到達し、エコモード選択スイッチ89からのスイッチ信号がOFFからONに切り替わると、「定速走行制御運転モード(足ASCD)」を禁止する2つのスイッチ信号が共にONのパターンである。このため、時刻t2〜時刻t3までの間は、「マニュアル有段変速制御運転モード(足M UP/DOWN)」の選択が維持される。
図7の時刻t3に到達すると、スポーツモード選択スイッチ88からのスイッチ信号がONからOFFに切り替わり、エコモード選択スイッチ89からのスイッチ信号がONのままである。よって、時刻t3に到達すると、「マニュアル有段変速制御運転モード(足M UP/DOWN)」から「定速走行制御運転モード(足ASCD)」へ切り替えられ、時刻t3以降は、「定速走行制御運転モード(足ASCD)」が選択される。
[アクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御作用]
図8は、「マニュアル有段変速制御運転モード」を実行する走行シーンの一例における各特性を示す。以下、図8に示すタイムチャートに基づいてアクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御作用を説明する。なお、図8の「目標ギア比」はベルト式無段変速機CVTの目標変速比であり、「ギア比」は変速比である。
図8は、「マニュアル有段変速制御運転モード」を実行する走行シーンの一例における各特性を示す。以下、図8に示すタイムチャートに基づいてアクセルペダル操作によるマニュアル有段変速制御作用を説明する。なお、図8の「目標ギア比」はベルト式無段変速機CVTの目標変速比であり、「ギア比」は変速比である。
時刻t1においてアクセルOFFの車両停止状態にてブレーキON操作をする。時刻t2において発進の準備操作として、アクセルOFFのままでブレーキON→OFF操作をする。時刻t3において発進操作として、アクセルOFF→ON操作をすると、アクセル開度信号がゼロ開度から上昇を開始し、エンジン回転数がアイドル回転数から上昇を開始し、車速VSPがゼロ車速から上昇を開始する。そして、アクセルON操作開始時刻t3からアクセル戻し操作終了時刻t4までは、制御モードとして、「Dレンジ変速モード」が選択され、ベルト式無段変速機CVTではDレンジ変速線(図2)での無段変速が実行される。ロックアップクラッチ20についても時刻t3〜時刻t4までは解放状態が維持される。
時刻t4の直前から素早いアクセル戻し操作が行われると、アクセル戻し操作終了時刻t4においてアクセル開速度条件及びアクセル開度差条件が成立し、アップシフト判定される。このアップシフト判定と同時に、制御モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」へと切り替えられ、M1速段からM2速段へと移行するアップシフトの実行が開始される。そして、時刻t4においてアップシフト判定と同時に、ロックアップクラッチ20が解放状態(ロックアップOFF)から締結状態(ロックアップON)へと移行するロックアップ締結制御が行われる。アクセル戻し操作終了時刻t4から素早いアクセル踏み込み操作が行われると、アクセル踏み込み操作終了時刻t5において、アクセル開速度条件及びアクセル操作UP判定タイマー条件が共に成立し、表示モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mアップモード」へと切り替えられる。
時刻t5から高いアクセル開度APOを維持し、時刻t6の直前になって素早いアクセル戻し操作が行われると、アクセル戻し操作終了時刻t6においてアクセル開速度条件及びアクセル開度差条件が成立し、アップシフト判定される。このアップシフト判定と同時に、M2速段からM3速段へと移行するアップシフトの実行が開始される。
時刻t6の直後から高いアクセル開度APOを維持し、時刻t7の直前になってアクセル開度APO=0に向かう素早いアクセル戻し操作が行われると、アクセル解放操作終了時刻t7においてアクセル開速度条件及びアクセル開度差条件が成立し、アップシフト判定される。このアップシフト判定と同時に、M3速段からM4速段へと移行するアップシフトの実行が開始される。
時刻t7の直後から高いアクセル開度APOを維持し、時刻t8の直前になって素早いアクセル戻し操作が行われると、アクセル解放操作終了時刻t8においてアクセル開速度条件及びアクセル開度差条件が成立し、アップシフト判定される。このアップシフト判定と同時に、M4速段からM5速段へと移行するアップシフトの実行が開始される。
そして、時刻t9において緩やかなアクセル戻し操作を開始すると、M5速段を維持したままで時刻t9からエンジン回転数が低下し、時刻t10においてアクセル開度APOがゼロのアクセル解放状態になる。アクセル解放状態で時刻t10から設定値ΔT2の時間が経過する時刻t11になると、「Mアップモード」の解除条件が成立する。「Mアップモード」の解除条件が成立すると、「Mアップモード」が解除され、制御モード及び表示モードが「Mアップモード」から「Dレンジ変速モード」に切り替えられる。そして、解除条件成立時刻t11からは、「Dレンジ変速モード」の選択によりDレンジ変速線(図2)での無段変速に復帰する。
時刻t11において「Dレンジ変速モード」による無段変速に復帰した後、運転者が減速を意図して時刻t12においてブレーキON操作をすると、ロックアップクラッチ20が締結状態(ロックアップON)から解放状態(ロックアップOFF)へと移行するロックアップ解放制御が行われる。
そして、ブレーキON操作中の時刻t13の直前のタイミングにて運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うと、アクセル戻し操作終了時刻t13においてダウンシフト操作条件が成立し、ダウンシフト判定される。このダウンシフト判定と同時に、制御モードと表示モードが、「Dレンジ変速モード」から「Mダウンモード」へと切り替えられ、M5速段からM4速段へと移行するダウンシフトの実行が開始される。そして、ダウンシフト判定と同時に、ロックアップクラッチ20が解放状態(ロックアップOFF)から締結状態(ロックアップON)へと移行するロックアップ締結制御が行われる。
時刻13の後、アクセル解放状態を維持し、時刻t14においてブレーキOFF操作がなされる。そして、アクセル解放状態を維持したままで時刻t15の直前のタイミングにて運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うと、アクセル戻し操作終了時刻t15においてダウンシフト操作条件が成立し、ダウンシフト判定される。このダウンシフト判定と同時に、M4速段からM3速段へと移行するダウンシフトの実行が開始される。
時刻t15からアクセル解放状態を維持したままで時刻t16の直前のタイミングにて運転者がダウンシフトを意図して素早いアクセル踏み込み操作からの戻し操作を行うと、アクセル戻し操作終了時刻t16においてダウンシフト操作条件が成立し、ダウンシフト判定される。このダウンシフト判定と同時に、M3速段からM2速段へと移行するダウンシフトの実行が開始される。
時刻16の後、アクセル解放状態を維持し、時刻t17においてブレーキON操作がなされる。そして、ブレーキON状態を維持したままで車速VSPが低下する時刻t18になると、低車速であることにより、ロックアップクラッチ20が締結状態(ロックアップON)から解放状態(ロックアップOFF)へと移行するロックアップ解放制御が行われる。
そして、時刻t19にて停車すると、「Mダウンモード」の解除条件が成立する。「Mダウンモード」の解除条件が成立すると、「Mダウンモード」が解除され、制御モード及び表示モードが「Mダウンモード」から「Dレンジ変速モード」に切り替えられる。そして、解除条件成立時刻t19からは、「Dレンジ変速モード」の選択によりDレンジ変速線(図2)での無段変速状態に復帰する。
[アクセルペダル操作による定速走行制御作用]
図9は、「定速走行制御運転モード」を実行する走行シーンの一例における各特性を示す。以下、図9に基づいてアクセルペダル操作による定速走行制御作用を説明する。
図9は、「定速走行制御運転モード」を実行する走行シーンの一例における各特性を示す。以下、図9に基づいてアクセルペダル操作による定速走行制御作用を説明する。
図9の時刻t1までに、アクセル踏み込み操作によりアクセル開度APOが定速領域Cに入り、定速領域Cに入った瞬間の車速VSPが目標車速1に設定され、設定された目標車速1を維持する“定速走行モード”が開始されているとする。
時刻t1にてアクセル踏み込み操作によりアクセル開度APOが定速領域Cから加速領域Aに入ると、車速F/Bが時刻t1までのONからOFFへとスムーズに移行し、加速度F/Bが時刻t1までのG=0からG>0へと移行する。この加速度F/Bによって、車速VSPが時刻t1での車速(≒目標車速1)から運転者の加速要求にしたがって上昇する。
時刻t2にてアクセル踏み戻し操作によりアクセル開度APOが加速領域Aから定速領域Cに入ると、まず、目標車速が、目標車速1から定速領域Cに入った瞬間の目標車速2(>目標車速1)に書き替えられる。同時に、車速F/Bが時刻t2までのOFFからONへとスムーズに移行し、加速度F/Bが時刻t2までのG>0からG=0へと移行する。この車速F/Bによって、車速VSPが時刻t2での車速(=目標車速2)をそのまま維持するように制御される。
時刻t3にてアクセル踏み込み操作によりアクセル開度APOが定速領域Cから加速領域Aに入ると、車速F/Bが時刻t3までのONからOFFへとスムーズに移行し、加速度F/Bが時刻t3までのG=0からG>0へと移行する。この加速度F/Bによって、車速VSPが時刻t3での車速(≒目標車速2)から運転者の加速要求にしたがって上昇する。
時刻t4にてアクセル踏み戻し操作によりアクセル開度APOが加速領域Aから定速領域Cに入ると、まず、目標車速が、目標車速2から定速領域Cに入った瞬間の目標車速3(>目標車速2)に書き替えられる。同時に、車速F/Bが時刻t4までのOFFからONへとスムーズに移行し、加速度F/Bが時刻t4までのG>0からG=0へと移行する。この車速F/Bによって、車速VSPが時刻t4での車速(=目標車速3)をそのまま維持するように制御される。
時刻t5にてアクセル踏み戻し操作によりアクセル開度APOが定速領域Cから減速領域Bに入ると、車速F/Bが時刻t5までのONからOFFへとスムーズに移行し、加速度F/Bが時刻t5までのG=0からG<0へと移行する。この加速度F/Bによって、車速VSPが時刻t5での車速(≒目標車速3)から運転者の減速要求にしたがって低下する。
時刻t6にてアクセル踏み込み操作によりアクセル開度APOが減速領域Bから定速領域Cに入ると、まず、目標車速が、目標車速3から定速領域Cに入った瞬間の目標車速4(<目標車速3)に書き替えられる。同時に、車速F/Bが時刻t6までのOFFからONへとスムーズに移行し、加速度F/Bが時刻t6までのG<0からG=0へと移行する。この車速F/Bによって、車速VSPが時刻t6での車速(=目標車速4)をそのまま維持するように制御される。
このように、アクセル開度APOの定速領域Cに入るアクセル踏み込み操作によって目標車速を設定し、定速走行モードを開始する。目標車速を上げる書き替えは、アクセル踏み込み操作中に運転者の希望する車速になったタイミングでアクセル戻し操作をすることにより行われる。さらに、目標車速を下げる書き替えは、アクセル踏み戻し操作中に運転者の希望する車速になったタイミングでのアクセル踏み操作をすることにより行われる。つまり、アクセルペダルに対するワンペダル操作により、定速走行モードを開始する目標車速を設定できるばかりでなく、目標車速の適宜変更を行うことができる。
以上説明してきたように、実施例1の車両の運転制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 運転者のアクセルペダル操作に対する応答が異なる制御(マニュアル有段変速制御、定速走行制御)を複数実装する。
複数実装されている各制御が実行される運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード、定速走行制御運転モード)を、互いに重なり合って制御が実行されることのない異なる運転モードにする運転モード選択部8bを有する。
このように、運転モードによって複数実装した制御を切り分けることで、走行中、煩雑な条件の管理や変更を伴うことなく、複数実装した制御の干渉を防止することができる。
複数実装されている各制御が実行される運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード、定速走行制御運転モード)を、互いに重なり合って制御が実行されることのない異なる運転モードにする運転モード選択部8bを有する。
このように、運転モードによって複数実装した制御を切り分けることで、走行中、煩雑な条件の管理や変更を伴うことなく、複数実装した制御の干渉を防止することができる。
(2) 車両は、駆動系に無段変速機構(バリエータ4)を備える。
運転者のアクセルペダル操作により無段変速機構の疑似有段変速制御を実行する第1制御(マニュアル有段変速制御)と、運転者のアクセルペダル操作により車速を所定車速に維持する定速走行制御を実行する第2制御(定速走行制御)とを実装する。
運転モード選択部8bは、第1制御が実行される第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)と、第2制御が実行される第2運転モード(定速走行制御運転モード)とを切り分けて選択する。
このように、第1制御(マニュアル有段変速制御)と第2制御(定速走行制御)とを切り分けて選択することで、運転者のアクセルペダル操作という共通の操作に基づいて実行される2つの制御が干渉するのを防止することができる。
運転者のアクセルペダル操作により無段変速機構の疑似有段変速制御を実行する第1制御(マニュアル有段変速制御)と、運転者のアクセルペダル操作により車速を所定車速に維持する定速走行制御を実行する第2制御(定速走行制御)とを実装する。
運転モード選択部8bは、第1制御が実行される第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)と、第2制御が実行される第2運転モード(定速走行制御運転モード)とを切り分けて選択する。
このように、第1制御(マニュアル有段変速制御)と第2制御(定速走行制御)とを切り分けて選択することで、運転者のアクセルペダル操作という共通の操作に基づいて実行される2つの制御が干渉するのを防止することができる。
(3) 運転モード選択部8bは、無段変速機構(バリエータ4)による異なる無段変速パターンを選択する既存の第1スイッチ(スポーツモード選択スイッチ88)と第2スイッチ(エコモード選択スイッチ89)とからスイッチ信号を入力する。
第1スイッチと第2スイッチからのスイッチ信号の組み合わせにより、第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)と第2運転モード(定速走行制御運転モード)とを切り分けて選択する。
このように、既存の2つのスイッチを流用して運転モードの選択を行うことで、新たにスイッチを追加することなく、第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)と第2運転モード(定速走行制御運転モード)とを切り分けて選択することができる。
第1スイッチと第2スイッチからのスイッチ信号の組み合わせにより、第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)と第2運転モード(定速走行制御運転モード)とを切り分けて選択する。
このように、既存の2つのスイッチを流用して運転モードの選択を行うことで、新たにスイッチを追加することなく、第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)と第2運転モード(定速走行制御運転モード)とを切り分けて選択することができる。
(4) 第1スイッチは、駆動性能重視のスポーツモード選択スイッチ88である。
第2スイッチは、エネルギー消費性能重視のエコモード選択スイッチ89である。
運転モード選択部8bは、スポーツモード選択スイッチ88がオンでエコモード選択スイッチ89がオフの組み合わせにより第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)を許可し、スポーツモード選択スイッチ88がオフで第1運転モードを禁止する。
スポーツモード選択スイッチ88がオフでエコモード選択スイッチ89がオンの組み合わせにより第2運転モード(定速走行制御運転モード)を許可し、それ以外のパターンで第2運転モードを禁止する。
このように、選択スイッチにより連想する運転走行と共通性を持つ運転モードを組み合わせることで、運転者にとって運転モードの選択操作を容易に行うことができる。
即ち、「マニュアル有段変速制御運転モード」は、スポーツモード選択スイッチ88により連想する運転走行(マニュアル有段変速走行)と共通性を持つ。「定速走行制御運転モード」は、エコモード選択スイッチ89により連想する運転走行(定速走行)と共通性を持つ。
第2スイッチは、エネルギー消費性能重視のエコモード選択スイッチ89である。
運転モード選択部8bは、スポーツモード選択スイッチ88がオンでエコモード選択スイッチ89がオフの組み合わせにより第1運転モード(マニュアル有段変速制御運転モード)を許可し、スポーツモード選択スイッチ88がオフで第1運転モードを禁止する。
スポーツモード選択スイッチ88がオフでエコモード選択スイッチ89がオンの組み合わせにより第2運転モード(定速走行制御運転モード)を許可し、それ以外のパターンで第2運転モードを禁止する。
このように、選択スイッチにより連想する運転走行と共通性を持つ運転モードを組み合わせることで、運転者にとって運転モードの選択操作を容易に行うことができる。
即ち、「マニュアル有段変速制御運転モード」は、スポーツモード選択スイッチ88により連想する運転走行(マニュアル有段変速走行)と共通性を持つ。「定速走行制御運転モード」は、エコモード選択スイッチ89により連想する運転走行(定速走行)と共通性を持つ。
以上、本発明の車両の運転制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、運転モード選択部8bとして、マニュアル有段変速制御運転モードと定速走行制御運転モードを有し、2つの運転モードを切り分けて選択する例を示した。しかし、運転モード選択部としては、運転者のアクセルペダル操作に対する応答が異なる制御であれば、実施例1で示す以外の運転モード(例えば、所定のアクセル開度以上で実行される疑似有段アップシフト運転モード等)を有するような例としても良い。また、3つ以上の運転モードを切り分けて選択する例としても良い。
実施例1では、運転モード選択部8bとして、スポーツモード選択スイッチ88とエコモード選択スイッチ89からのスイッチ信号を入力し、2つの運転モードを選択する例を示した。しかし、運転モード選択部としては、新たに設定した運転モード選択スイッチにより2以上の運転モードを選択する例としても良い。
実施例1では、本発明の運転制御装置を、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載したエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の運転制御装置は、バリエータのみによるベルト式無段変速機に限らず、バリエータと副変速機が直列に連結される副変速機付きベルト式無段変速機を搭載した車両や有段変速機構を搭載した車両に適用しても良い。また、適用される車両としても、エンジン車に限らず、走行用駆動源にエンジンとモータを搭載したハイブリッド車、走行用駆動源にモータを搭載した電気自動車等に対しても適用できる。
1 エンジン
CVT ベルト式無段変速機
2 トルクコンバータ
3 前後進切替機構
4 バリエータ(無段変速機構)
5 終減速機構
6 駆動輪
8 CVTコントロールユニット
8a マニュアル有段変速制御部
8b 運転モード選択部
9 エンジンコントロールユニット
14 運転支援コントロールユニット
14a 定速走行制御部
81 車速センサ
87 アクセル開度センサ
88 スポーツモード選択スイッチ(第1スイッチ)
89 エコモード選択スイッチ(第2スイッチ)
90 アクセルペダル
CVT ベルト式無段変速機
2 トルクコンバータ
3 前後進切替機構
4 バリエータ(無段変速機構)
5 終減速機構
6 駆動輪
8 CVTコントロールユニット
8a マニュアル有段変速制御部
8b 運転モード選択部
9 エンジンコントロールユニット
14 運転支援コントロールユニット
14a 定速走行制御部
81 車速センサ
87 アクセル開度センサ
88 スポーツモード選択スイッチ(第1スイッチ)
89 エコモード選択スイッチ(第2スイッチ)
90 アクセルペダル
Claims (4)
- 運転者のアクセルペダル操作に対する応答が異なる制御を複数実装し、
前記複数実装されている各制御が実行される運転モードを、互いに重なり合って制御が実行されることのない異なる運転モードにする運転モード選択部を有する
ことを特徴とする車両の運転制御装置。 - 請求項1に記載された車両の運転制御装置において、
前記車両は、駆動系に無段変速機構を備え、
運転者のアクセルペダル操作により前記無段変速機構の疑似有段変速制御を実行する第1制御と、運転者のアクセルペダル操作により車速を所定車速に維持する定速走行制御を実行する第2制御とを実装し、
前記運転モード選択部は、前記第1制御が実行される第1運転モードと、前記第2制御が実行される第2運転モードとを切り分けて選択する
ことを特徴とする車両の運転制御装置。 - 請求項2に記載された車両の運転制御装置において、
前記運転モード選択部は、前記無段変速機構による異なる無段変速パターンを選択する既存の第1スイッチと第2スイッチとからスイッチ信号を入力し、
前記第1スイッチと前記第2スイッチからのスイッチ信号の組み合わせにより、前記第1運転モードと前記第2運転モードとを切り分けて選択する
ことを特徴とする車両の運転制御装置。 - 請求項3に記載された車両の運転制御装置において、
前記第1スイッチは、駆動性能重視のスポーツモード選択スイッチであり、
前記第2スイッチは、エネルギー消費性能重視のエコモード選択スイッチであり、
前記運転モード選択部は、前記スポーツモード選択スイッチがオンで前記エコモード選択スイッチがオフの組み合わせにより前記第1運転モードを許可し、前記スポーツモード選択スイッチがオフで前記第1運転モードを禁止し、
前記スポーツモード選択スイッチがオフで前記エコモード選択スイッチがオンの組み合わせにより前記第2運転モードを許可し、それ以外のパターンで前記第2運転モードを禁止する
ことを特徴とする車両の運転制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018046455A JP2019158024A (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 車両の運転制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018046455A JP2019158024A (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 車両の運転制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019158024A true JP2019158024A (ja) | 2019-09-19 |
Family
ID=67993304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018046455A Pending JP2019158024A (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 車両の運転制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019158024A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021106784A1 (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | ジヤトコ株式会社 | 車両の制御装置及び制御方法 |
-
2018
- 2018-03-14 JP JP2018046455A patent/JP2019158024A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021106784A1 (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | ジヤトコ株式会社 | 車両の制御装置及び制御方法 |
JPWO2021106784A1 (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | ||
CN114302836A (zh) * | 2019-11-29 | 2022-04-08 | 加特可株式会社 | 车辆的控制装置及控制方法 |
JP7165274B2 (ja) | 2019-11-29 | 2022-11-02 | ジヤトコ株式会社 | 車両の制御装置及び制御方法、並びに、プログラム |
CN114302836B (zh) * | 2019-11-29 | 2023-04-11 | 加特可株式会社 | 车辆的控制装置、控制方法及存储介质 |
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