JP2019027520A - 管接続構造体及び管接続構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐薬品性を高めることができる管接続構造体を提供する。【解決手段】本発明に係る管接続構造体は、多層管と、接続対象部材と、接着剤層とを備え、前記多層管は、管状の内層と、前記内層の外表面上に配置された外層とを有し、前記接着剤層は、前記多層管の外周面と前記接続対象部材の表面との間に配置されており、前記接着剤層は、前記多層管の外周面上から前記多層管の端面上に至っており、前記多層管の端面の少なくとも一部が、前記接着剤層により覆われている。【選択図】図1
Description
本発明は、多層管と接続対象部材と接着剤層とを備える管接続構造体に関する。また、本発明は、多層管と接続対象部材と接着剤層とを備える管接続構造体の製造方法に関する。
マンション、アパート、戸建住宅等の建築物や工場では、給水及び排水をするためにプラスチック管が多く使用されている。プラスチック管は、耐薬品性等に比較的優れており、劣化し難いので、工場での排薬液用途等に広く用いられている。また、プラスチック管を屋外で使用する場合や、プラスチック管において酸素の透過を防止する必要がある場合には、内層と、該内層を被覆している外層とを備える多層管が用いられている。上記外層は、機能性の高い樹脂組成物により形成されている。
上記多層管の一例として、下記の特許文献1には、パイプ本体と、上記パイプ本体の外周を被覆している外層とを備える塩化ビニル樹脂パイプが開示されている。上記パイプ本体は、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を含む組成物、又は塩素化ポリ塩化ビニル樹脂とポリ塩化ビニル樹脂とを含む組成物から構成されている。上記外層は、アクリル系共重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト重合させたアクリル−塩化ビニル系共重合体樹脂組成物から構成されている。上記外層の厚さは、20μm〜200μmである。
また、プラスチック管を設置する際、設置するために必要な長さが1つのプラスチック管の長さよりも長い場合や、設置する箇所に曲がり等がある場合には、複数のプラスチック管が直接又は継手を介して接続される。この際に、プラスチック管の端部に接着剤により接着剤層が形成され、接着剤層を介して接続が行われることがある。プラスチック管が上記の多層管である場合には、内層を被覆している外層の外表面上に形成された接着剤層を介して接続が行われる。この場合に、接続された多層管に硫酸等の薬液を流すと、多層管の端面から外層に薬液が浸透することがある。特に、多層管において内層よりも外層の耐薬品性が低い場合には、外層に薬液がより一層浸透しやすい。結果として、接続された多層管から外部に薬液が漏洩することがある。
上記の多層管の問題を解決するための一例として、下記の特許文献2には、立ち上がり管の下端部が、インバート部材の上向き接続部に嵌合して、接着剤を介して接続される合成樹脂管の接着接合構造が開示されている。上記立ち上がり管及び上記インバート部材は、合成樹脂製排水ますの構成部材である。上記合成樹脂管の接着接合構造では、上記立ち上がり管の下端部と上記インバート部材の上向き接続部との、一方が差し口、他方が受け口である。上記合成樹脂管の接着接合構造では、上記受け口側の管の外径と同じ外径の突き当たり壁は、上記差し口の奥部に設けられている。上記受け口側の管の端面は、上記突き当たり壁の側壁に当接されている。上記差し口の外周面は、奥側に向かって拡径されるテーパー面である。上記合成樹脂管の接着接合構造では、上記差し口側の管の管端部内周面と上記テーパー面との隙間に接着剤が充填されている。
上記合成樹脂管の接着接合構造では、構成部材の厚みが薄い場合に、構成部材を差し口又は受け口の形状に加工し難く、充分な接続強度を得ることができない場合がある。また、構成部材の厚みが厚い場合であっても、構成部材同士を嵌合するために、差し口又は受け口の形状を比較的高精度に加工する必要があり、生産性を高めることが困難な場合がある。また、特許文献1に記載のような従来の多層管では、耐薬品性を高めるには限界がある。
本発明の目的は、耐薬品性を高めることができる管接続構造体を提供することである。また、本発明の目的は、耐薬品性を高めることができる管接続構造体の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、多層管と、接続対象部材と、接着剤層とを備え、前記多層管は、管状の内層と、前記内層の外表面上に配置された外層とを有し、前記接着剤層は、前記多層管の外周面と前記接続対象部材の表面との間に配置されており、前記接着剤層は、前記多層管の外周面上から前記多層管の端面上に至っており、前記多層管の端面の少なくとも一部が、前記接着剤層により覆われている、管接続構造体が提供される。
本発明に係る管接続構造体のある特定の局面では、前記接着剤層の材料が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又は塩素化ポリ塩化ビニルを含む。
本発明に係る管接続構造体のある特定の局面では、前記外層の材料が、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂、又はアクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂を含む。
本発明の広い局面によれば、管状の内層と、前記内層の外表面上に配置された外層とを有する多層管を用いて、前記多層管の外周の表面上に接着剤を配置して、接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、前記接着剤層の前記多層管側とは反対の外表面上に接続対象部材を配置して、前記接着剤層によって、前記多層管と前記接続対象部材とを接続する接続工程とを備え、前記接着剤層が、前記多層管の外周面上から前記多層管の端面上に至っており、前記多層管の端面の少なくとも一部が、前記接着剤層により覆われている管接続構造体を得る、管接続構造体の製造方法が提供される。
本発明に係る管接続構造体の製造方法のある特定の局面では、前記接着剤として、20℃における粘度が、500mPa・s以上、2500mPa・s以下である接着剤を用いる。
本発明に係る管接続構造体の製造方法のある特定の局面では、前記接着剤として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又は塩素化ポリ塩化ビニルを含む接着剤を用いる。
本発明に係る管接続構造体は、多層管と、接続対象部材と、接着剤層とを備える。本発明に係る管接続構造体では、上記多層管は、管状の内層と、上記内層の外表面上に配置された外層とを有する。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層は、上記多層管の外周面と上記接続対象部材の表面との間に配置されている。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層は、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至っており、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われている。本発明に係る管接続構造体は、上記の構成を備えているので、耐薬品性を高めることができる。
本発明に係る管接続構造体の製造方法は、管状の内層と、上記内層の外表面上に配置された外層とを有する多層管を用いて、上記多層管の外周の表面上に接着剤を配置して、接着剤層を形成する接着剤層形成工程を備える。本発明に係る管接続構造体の製造方法は、上記接着剤層の上記多層管側とは反対の外表面上に接続対象部材を配置して、上記接着剤層によって、上記多層管と上記接続対象部材とを接続する接続工程をさらに備える。本発明に係る管接続構造体の製造方法では、上記接着剤層が、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至っており、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われている管接続構造体を得る。本発明に係る管接続構造体の製造方法は、上記の構成を備えているので、耐薬品性を高めることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(管接続構造体)
本発明に係る管接続構造体は、多層管と、接続対象部材と、接着剤層とを備える。本発明に係る管接続構造体では、上記多層管は、管状の内層と、上記内層の外表面上に配置された外層とを有する。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層は、上記多層管の外周面と上記接続対象部材の表面との間に配置されている。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層によって、上記多層管と上記接続対象部材とが接続されている。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層は、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至っており、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われている。また、本発明に係る管接続構造体では、上記多層管は、2層構造を有する多層管であってもよく、3層以上の構造を有する多層管であってもよい。
本発明に係る管接続構造体は、多層管と、接続対象部材と、接着剤層とを備える。本発明に係る管接続構造体では、上記多層管は、管状の内層と、上記内層の外表面上に配置された外層とを有する。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層は、上記多層管の外周面と上記接続対象部材の表面との間に配置されている。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層によって、上記多層管と上記接続対象部材とが接続されている。本発明に係る管接続構造体では、上記接着剤層は、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至っており、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われている。また、本発明に係る管接続構造体では、上記多層管は、2層構造を有する多層管であってもよく、3層以上の構造を有する多層管であってもよい。
本発明に係る管接続構造体の製造方法は、管状の内層と、上記内層の外表面上に配置された外層とを有する多層管を用いて、上記多層管の外周の表面上に接着剤を配置して、接着剤層を形成する接着剤層形成工程を備える。本発明に係る管接続構造体の製造方法は、上記接着剤層の上記多層管側とは反対の外表面上に接続対象部材を配置して、上記接着剤層によって、上記多層管と上記接続対象部材とを接続する接続工程をさらに備える。本発明に係る管接続構造体の製造方法では、上記接着剤層が、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至っており、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われている管接続構造体を得る。
本発明に係る管接続構造体及び本発明に係る管接続構造体の製造方法では、上記の構成が備えられているので、管接続構造体の耐薬品性を高めることができる。
本発明に係る管接続構造体及び本発明に係る管接続構造体の製造方法では、上記接着剤層は、上記多層管の外周面と上記接続対象部材の表面との間に配置されているだけでなく、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至っている。本発明に係る管接続構造体及び本発明に係る管接続構造体の製造方法では、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われている。このため、上記管接続構造体に硫酸等の薬液を流しても、上記多層管の端面から上記外層に薬液が浸透することを防止できる。特に、上記多層管において上記内層よりも上記外層の耐薬品性が低い場合でも、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われているので、上記多層管の端面から上記外層に薬液が浸透し、上記外層が劣化することを防止できる。結果として、管接続構造体から外部に薬液が漏洩することを防止できる。特に、上記多層管の端面から、上記内層と上記外層との境界部分に、硫酸等の薬液が浸透しやすい傾向がある。上記外層の劣化をより一層効果的に防止する観点からは、上記多層管の端面において、上記内層と上記外層との境界部分が、上記接着剤層により覆われていることが好ましい。なお、上記多層管が3層以上の構造を有する多層管である場合には、上記多層管の端面において、各層の境界部分が、上記接着剤層により覆われていることが好ましい。
また、本発明に係る管接続構造体及び本発明に係る管接続構造体の製造方法では、上記接着剤層は、接着剤により形成される。本発明に係る管接続構造体及び本発明に係る管接続構造体の製造方法では、上記接着剤の粘度が比較的高い場合には、上記多層管の端面の少なくとも一部を覆うように上記接着剤層を形成することができ、形成された上記接着剤層の形状を良好に保持することができる。このため、管接続構造体に硫酸等の薬液を流しても、上記接着剤層の形状が保持されるので、上記多層管の端面から上記外層に薬液が浸透し難く、上記外層が劣化することを防止できる。結果として、管接続構造体から外部に薬液が漏洩することを防止できる。
本発明に係る管接続構造体の製造方法は、管状の内層と、上記内層の外表面上に配置された外層とを有する多層管を用いて、上記多層管の外周の表面上に接着剤を配置して、接着剤層を形成する接着剤層形成工程を備える。上記接着剤層形成工程において、上記接着剤層を形成する方法は特に限定されない。上記接着剤層を形成する方法としては、上記多層管の外周の表面上に上記接着剤をスプレーにより塗布する方法、上記多層管の外周の表面上に上記接着剤を刷毛等により塗布する方法、上記多層管を上記接着剤に浸漬する方法等が挙げられる。耐薬品性をより一層高める観点からは、上記接着剤層形成工程において、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至るように上記接着剤層を形成することが好ましく、上記多層管の端面の少なくとも一部が上記接着剤層により覆われるように上記接着剤層を形成することが好ましい。上記接着剤層形成工程の後、かつ上記接続工程前に、上記接着剤層が、上記多層管の外周面上から上記多層管の端面上に至っており、上記多層管の端面の少なくとも一部が、上記接着剤層により覆われていることが好ましい。
本発明に係る管接続構造体の製造方法は、上記接着剤層の上記多層管側とは反対の外表面上に接続対象部材を配置して、上記接着剤層によって、上記多層管と上記接続対象部材とを接続する接続工程を備える。上記接続工程において、上記多層管と上記接続対象部材とを接続する方法は特に限定されない。上記多層管と上記接続対象部材とを接続する方法としては、上記多層管及び上記接続対象部材に固定治具を取り付け、挿入機を用いて接続する方法等が挙げられる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。なお、以下の図面において、大きさ、厚み及び形状等は、図示の便宜上、実際の大きさ、厚み及び形状等と異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る管接続構造体を示す断面図である。
図1に示す管接続構造体1は、多層管2と、接続対象部材3と、接着剤層4とを備える。管接続構造体1では、接着剤層4は、多層管2の外周面と接続対象部材3の表面(内周面)との間に配置されている。管接続構造体1では、多層管2の端部(外周面)と接続対象部材3の内周面の一部とが接着剤層4を介して接続されている。
多層管2は、管状の内層11と、内層11の外表面上に配置された外層12とを有する。内層11は、多層管2の両側の末端に至っている。内層11の端面は、多層管2の端面2aを構成している。内層11は多層管2の第1の層であり、外層12は多層管2の第2の層である。本実施形態においては、多層管2は、内層11と外層12とで形成されている。
外層12は、内層11の外表面上に配置されている。外層12は、管状であることが好ましい。本実施形態では、外層12は、内層11の外表面の全体に配置されており、多層管2の両側の末端に至っている。上記外層は、上記内層の外表面の全体に配置されていることが好ましく、上記多層管の両側の末端に至っていることが好ましい。上記外層の端面は、上記多層管の端面を構成していることが好ましい。
接着剤層4は、多層管2の外周面上に配置されており、多層管2の外周面上から多層管2の端面2a上に至っている。接着剤層4は、多層管2の外周面上において、管状に配置されていることが好ましい。本実施形態においては、多層管2の外周面上に配置された接着剤層4と多層管2の端面2a上に配置された接着剤層4とは、連なっている。管接続構造体の接続信頼性及び耐薬品性をより一層効果的に高める観点からは、上記多層管の外周面上に配置された上記接着剤層と上記多層管の端面上に配置された上記接着剤層とは、連なっていることが好ましい。上記多層管の外周面上に配置された上記接着剤層と上記多層管の端面上に配置された上記接着剤層とは、連なっていなくてもよい。
本実施形態においては、多層管2の端面2aにおいて、内層11と外層12との境界部分は、多層管2の端面2a上に配置された接着剤層4により覆われている。管接続構造体の接続信頼性及び耐薬品性をより一層効果的に高める観点からは、上記多層管の端面において、上記内層と上記外層との境界部分は、上記多層管の端面上に配置された上記接着剤層により覆われていることが好ましい。上記内層と上記外層との境界部分は、上記多層管の端面上に配置された上記接着剤層により覆われていなくてもよい。
本実施形態においては、多層管2の端面2aの少なくとも一部が、接着剤層4により覆われている。管接続構造体の耐薬品性をより一層効果的に高める観点からは、上記多層管の端面の面積100%中、上記接着剤層により覆われている面積(被覆率)は、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上である。上記被覆率の上限は特に限定されない。上記被覆率は、100%(全体)以下であってもよい。管接続構造体の耐薬品性をより一層効果的に高める観点からは、上記外層の端面の一部が上記接着剤層により覆われていることが好ましく、上記多層管の端面において、上記内層と上記外層との境界部分が上記接着剤層により覆われていることがより好ましく、上記多層管の端面の全体が上記接着剤層により覆われていることがさらに好ましい。
本実施形態においては、接着剤層4は、接続対象部材3の末端3bに至るように、多層管2の外周面と接続対象部材3の表面との間に配置されている。本実施形態においては、接着剤層4は、接続対象部材3の末端3b側から露出していない。上記接着剤層は上記接続対象部材の末端側から露出していてもよく、上記接着剤層は上記接続対象部材の末端側から露出するように、上記多層管の外周面と上記接続対象部材の表面との間に配置されていてもよい。
管接続構造体の接続信頼性及び耐薬品性をより一層効果的に高める観点からは、上記管接続構造体では、上記外層の外表面及び上記接続対象部材の内表面の少なくとも一方の表面が粗面化処理されていることが好ましい。上記粗面化処理により、上記接着剤層との接着性を効果的に高めることができる。上記粗面化処理としては、エッチング処理、サンドブラスト処理、アッシング処理及び切り込み処理等が挙げられる。
上記多層管では、上記内層と上記外層との間に、上記内層及び上記外層とは異なる層が配置されていてもよい。上記内層及び上記外層とは異なる層としては特に限定されず、熱可塑性樹脂層、繊維強化樹脂層、ガスバリア層、金属層及び接着層等が挙げられ、これらの層を目的とする機能に応じて適宜選定して組み合わせることができる。
上記熱可塑性樹脂層の材料としては、オレフィン系樹脂及び塩化ビニル樹脂等が挙げられる。上記オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
上記繊維強化樹脂層としては、熱可塑性樹脂と強化用繊維とを組み合わせた層等が挙げられる。上記強化用繊維は無機繊維であってもよく、有機繊維であってもよい。上記無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン−チタン−炭素繊維、ボロン繊維及び微細な金属繊維等が挙げられる。上記有機繊維としては、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維等が挙げられる。これらの強化用繊維は、連続繊維が長手方向に配される場合、長手方向に配された連続繊維とこの連続繊維と直交又は交差する連続繊維とが配される場合、並びに有限長さの繊維が配される場合等で用いられる。
以下、管接続構造体の他の詳細を説明する。
(多層管:内層)
多層管の変形をより一層抑制する観点からは、上記内層の材料は、上記内層の多層管の軸方向における引張強さが10MPa以上となる材料であることが好ましい。上記内層の材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。上記内層の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
多層管の変形をより一層抑制する観点からは、上記内層の材料は、上記内層の多層管の軸方向における引張強さが10MPa以上となる材料であることが好ましい。上記内層の材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。上記内層の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリ塩化ビニル(PVC)としては特に限定されず、従来公知の任意の塩化ビニル系樹脂を用いてもよい。上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーの単独重合体、塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、並びに、塩化ビニル以外の重合体及び共重合体に塩化ビニルがグラフト重合されたグラフト重合体等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては特に限定されず、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物等が挙げられる。上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
塩化ビニルをグラフト共重合する重合体及び共重合体としては特に限定されず、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、及び塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。塩化ビニルをグラフト共重合する重合体及び共重合体は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニル系樹脂の重合度は、好ましくは100以上であり、好ましくは10000以下である。上記重合度が上記下限以上であると、疲労特性等の長期性能が損なわれ難い。上記重合度が上記上限以下であると、成形時に高温にする必要がなくなり、加工性がより一層良好になる。
上記塩化ビニル系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有機材料と併用してもよい。例えば、機械的強度をより一層向上させるために、アクリル樹脂等を、上記塩化ビニル系樹脂と併用してもよい。
また、上記塩化ビニル系樹脂は、塩素化ポリ塩化ビニルであってもよい。
(多層管:外層)
実使用上の観点からは、上記外層の材料は、耐候性を有する材料であることが好ましく、耐候性を有する樹脂であることが好ましい。実使用上の観点からは、上記外層の材料は、上記内層の材料よりも耐候性の高い材料であることが好ましい。
実使用上の観点からは、上記外層の材料は、耐候性を有する材料であることが好ましく、耐候性を有する樹脂であることが好ましい。実使用上の観点からは、上記外層の材料は、上記内層の材料よりも耐候性の高い材料であることが好ましい。
上記外層の材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)、又はアクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂(ASA樹脂)を含むことが好ましい。上記外層の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記外層は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の材料と併用してもよい。例えば、耐衝撃性や機械的強度をより一層向上させるために、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリルゴム、ポリイミド樹脂等を、上記外層の材料と併用してもよい。
上記外層の材料を用いることで、上記多層管の耐候性を高めることができ、上記多層管を屋外等でも使用することができる。
(接続対象部材)
上記接続対象部材の材料は特に限定されず、上述した内層の材料を用いることができる。具体的には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。上記接続対象部材の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記接続対象部材の材料は特に限定されず、上述した内層の材料を用いることができる。具体的には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。上記接続対象部材の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記接続対象部材としては、上記多層管に接続されて用いられる部材であれば特に限定されず、例えば、管(第2の管)及び管継手等が挙げられる。上記管としては、単層管及び多層管等が挙げられる。
(接着剤及び接着剤層)
上記接着剤層は、接着剤により形成される。上記接着剤(上記接着剤層の材料)としては特に限定されず、積水化学工業社製「エスロン接着剤 No.70S」、「エスロン接着剤 No.73S」、「エスロン接着剤 No.100S」等が挙げられる。
上記接着剤層は、接着剤により形成される。上記接着剤(上記接着剤層の材料)としては特に限定されず、積水化学工業社製「エスロン接着剤 No.70S」、「エスロン接着剤 No.73S」、「エスロン接着剤 No.100S」等が挙げられる。
管接続構造体の耐薬品性をより一層効果的に高める観点からは、上記接着剤(上記接着剤層の材料)は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又は塩素化ポリ塩化ビニルを含むことが好ましい。
管接続構造体の耐薬品性をより一層効果的に高める観点からは、上記接着剤(上記接着剤層の材料)の20℃における粘度は、好ましくは50mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上、さらに好ましくは500mPa・s以上であり、好ましくは4000mPa・s以下、より好ましくは3000mPa・s以下、さらに好ましくは2500mPa・s以下である。上記接着剤の20℃における粘度が、上記下限以上であると、多層管と接続対象部材との接続強度を効果的に高めることでき、多層管と接続対象部材との間に隙間が生じたり、多層管と接続対象部材とが外れたりすることを効果的に防止できる。結果として、管接続構造体から外部に薬液が漏洩することを効果的に防止できる。また、上記接着剤の20℃における粘度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、上記多層管の端面の少なくとも一部を覆うように上記接着剤層を容易に形成することができ、形成された上記接着剤層の形状をより一層良好に保持することができる。このため、多層管の端面から上記外層に薬液が浸透し難く、上記外層が劣化することを効果的に防止できる。結果として、管接続構造体から外部に薬液が漏洩することを効果的に防止できる。
(他の詳細)
上記多層管及び管接続構造体等の成形品の原料には、必要に応じて、各種の添加剤を用いてもよい。上記添加剤としては、安定剤、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料及び可塑剤等が挙げられる。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記多層管及び管接続構造体等の成形品の原料には、必要に応じて、各種の添加剤を用いてもよい。上記添加剤としては、安定剤、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料及び可塑剤等が挙げられる。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記安定剤とは、成形品の原料に添加することで、原料の分解を抑制する物質のことである。
上記安定剤としては特に限定されず、熱安定剤及び熱安定化助剤等が挙げられる。上記熱安定剤としては特に限定されず、有機錫系安定剤、鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、及びバリウム−カドミウム系安定剤等が挙げられる。上記有機錫系安定剤としては、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、及びジブチル錫ラウレートポリマー等が挙げられる。上記熱安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱安定化助剤とは、成形品の原料に添加することで、高温環境下における原料の分解を抑制する物質のことである。
上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、及びゼオライト等が挙げられる。上記熱安定化助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記滑剤とは、成形品の原料に添加することで、成形時に金型との摩擦係数を低減し、付着物が付くことを抑制する物質のことである。
上記滑剤としては、内部滑剤、及び外部滑剤が挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、及びビスアミド等が挙げられる。上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては特に限定されず、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、及びモンタン酸ワックス等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記加工助剤とは、成形品の原料に添加することで、原料のゲル化を促進する物質のことである。
上記加工助剤としては特に限定されず、アクリル系加工助剤等が挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては、重量平均分子量が10万〜200万であるアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体等が挙げられ、具体的には、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、及び2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。上記加工助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記衝撃改質剤とは、成形品の原料に添加することで、得られる成形品の衝撃性能を向上させる物質のことである。
上記衝撃改質剤としては特に限定されず、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、及びアクリルゴム等が挙げられる。上記衝撃改質剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記耐熱向上剤とは、成形品の原料に添加することで、得られる成形品の耐熱性を向上させる物質のことである。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、α−メチルスチレン系樹脂、及びN−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。上記耐熱向上剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤とは、成形品の原料に添加することで、得られる成形品の酸化を抑制する物質のことである。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤とは、成形品の原料に添加することで、紫外線を吸収することにより、得られる成形品の光による劣化を抑制する物質のことである。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。上記紫外線吸収剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光安定剤とは、成形品の原料に添加することで、紫外線遮断、紫外線吸収、光エネルギーの熱エネルギーへの変換、及びラジカル連鎖反応の防止等により、得られる成形品の光による劣化を防止する物質のことである。
上記光安定剤としては特に限定されず、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記充填剤とは、成形品の原料に添加することで、得られる成形品の強度を維持する物質のことである。
上記充填剤としては特に限定されず、炭酸カルシウム、及びタルク等が挙げられる。上記充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料とは、成形品の原料に添加することで、得られる成形品を着色する物質のことである。
上記顔料としては特に限定されず、有機顔料及び無機顔料が挙げられる。上記有機顔料としては、アゾ系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、及び染料レーキ系有機顔料等が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化物系無機顔料、クロム酸モリブデン系無機顔料、硫化物・セレン化物系無機顔料、及びフェロシアニン化物系無機顔料等が挙げられる。上記顔料は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤とは、極性部と非極性部とを有する物質であり、成形品の原料に添加することで、原料の分子間に入り込んで、得られる成形品に柔軟性を付与する物質のことである。
上記可塑剤は、成形時の加工性を高める目的で添加されていてもよい。可塑剤の添加により成形品の耐熱性が低下することがあるため、可塑剤の添加量は少ない方が好ましい。上記可塑剤としては特に限定されず、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、及びジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。上記可塑剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
多層管の内層の材料として、以下の材料を用意した。
多層管の内層の材料として、以下の材料を用意した。
ポリ塩化ビニル(PVC)(徳山積水工業社製「TS−1000R」)
多層管の外層の材料として、以下の材料を用意した。
多層管の外層の材料として、以下の材料を用意した。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)とアクリルゴムとの混合材料(三菱レイヨン社製「IRH50」)
接続対象部材の材料として、以下の材料を用意した。
接続対象部材の材料として、以下の材料を用意した。
ポリ塩化ビニル(PVC)(徳山積水工業社製「TS−1000R」)
接着剤(接着剤層の材料)として、以下の材料を用意した。
接着剤(接着剤層の材料)として、以下の材料を用意した。
エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.100S」)(主成分:塩素化ポリ塩化ビニル、20℃における粘度:500mPa・s)
(1)多層管の作製
ポリ塩化ビニル(PVC)を用いて、厚さ1mmの内層用ロールプレス品を作製した。PMMAとアクリルゴムとの混合材料を用いて、厚さ1mmの外層用ロールプレス品を作製した。内層用ロールプレス品の外表面上にエスロン接着剤を塗布し、外層用ロールプレス品を積層し、多層管を作製した。
ポリ塩化ビニル(PVC)を用いて、厚さ1mmの内層用ロールプレス品を作製した。PMMAとアクリルゴムとの混合材料を用いて、厚さ1mmの外層用ロールプレス品を作製した。内層用ロールプレス品の外表面上にエスロン接着剤を塗布し、外層用ロールプレス品を積層し、多層管を作製した。
(2)接続対象部材の作製
ポリ塩化ビニル(PVC)を用いて、厚さ1mmの継手(TSソケット)を作製した。
ポリ塩化ビニル(PVC)を用いて、厚さ1mmの継手(TSソケット)を作製した。
(3)管接続構造体の作製
得られた多層管の外周の表面上にエスロン接着剤を塗布し、さらに、多層管の外周面上から多層管の端面上に至るようにエスロン接着剤を塗布することで接着剤層を形成した。接着剤層が形成された多層管においては、接着剤層が多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の一部である外層の端面のみが接着剤層により覆われていた。多層管の端面の一部である内層の端面は接着剤層により覆われていなかった。
得られた多層管の外周の表面上にエスロン接着剤を塗布し、さらに、多層管の外周面上から多層管の端面上に至るようにエスロン接着剤を塗布することで接着剤層を形成した。接着剤層が形成された多層管においては、接着剤層が多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の一部である外層の端面のみが接着剤層により覆われていた。多層管の端面の一部である内層の端面は接着剤層により覆われていなかった。
接着剤層が形成された多層管と継手とを接続することで、管接続構造体を作製した。
(実施例2)
接着剤(接着剤層の材料)として、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.100S」)の代わりに、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.70S」)(主成分:酢酸ビニル−ポリ塩化ビニル、20℃における粘度:2500mPa・s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
接着剤(接着剤層の材料)として、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.100S」)の代わりに、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.70S」)(主成分:酢酸ビニル−ポリ塩化ビニル、20℃における粘度:2500mPa・s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(実施例3)
多層管の外層の材料として、PMMAとアクリルゴムとの混合材料(三菱レイヨン社製「IRH50」)の代わりに、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)(日本エイアンドエル社製「UB700A」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
多層管の外層の材料として、PMMAとアクリルゴムとの混合材料(三菱レイヨン社製「IRH50」)の代わりに、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)(日本エイアンドエル社製「UB700A」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(実施例4)
多層管の外層の材料として、PMMAとアクリルゴムとの混合材料(三菱レイヨン社製「IRH50」)の代わりに、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)(日本エイアンドエル社製「UB700A」)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
多層管の外層の材料として、PMMAとアクリルゴムとの混合材料(三菱レイヨン社製「IRH50」)の代わりに、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)(日本エイアンドエル社製「UB700A」)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(実施例5)
管接続構造体の作製の際に、多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の一部である外層の端面を覆い、多層管の端面において内層と外層との境界部分を覆い、多層管の端面の一部である内層の端面の一部のみを覆うようにして、接着剤層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
管接続構造体の作製の際に、多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の一部である外層の端面を覆い、多層管の端面において内層と外層との境界部分を覆い、多層管の端面の一部である内層の端面の一部のみを覆うようにして、接着剤層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(実施例6)
管接続構造体の作製の際に、多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の全面を覆うようにして接着剤層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
管接続構造体の作製の際に、多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の全面を覆うようにして接着剤層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(比較例1)
接着剤(接着剤層の材料)として、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.100S」)の代わりに、アセトン(20℃における粘度:0.32mPa・s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
接着剤(接着剤層の材料)として、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.100S」)の代わりに、アセトン(20℃における粘度:0.32mPa・s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(比較例2)
接着剤(接着剤層の材料)として、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.100S」)の代わりに、シクロヘキサノン(20℃における粘度:0.98mPa・s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
接着剤(接着剤層の材料)として、エスロン接着剤(積水化学工業社製「No.100S」)の代わりに、シクロヘキサノン(20℃における粘度:0.98mPa・s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(比較例3)
管接続構造体の作製の際に、得られた多層管の外周の表面上にのみエスロン接着剤を塗布することで接着剤層を形成したこと以外は、実施例2と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
管接続構造体の作製の際に、得られた多層管の外周の表面上にのみエスロン接着剤を塗布することで接着剤層を形成したこと以外は、実施例2と同様にして、多層管、接続対象部材、及び管接続構造体を作製した。
(接着剤(接着剤層の材料)の20℃における粘度)
接着剤(接着剤層の材料)の20℃における粘度は、フローカップ法により測定した。
接着剤(接着剤層の材料)の20℃における粘度は、フローカップ法により測定した。
(評価)
(1)接着剤層の形状
得られた管接続構造体において、接着剤層が観察できるように管接続構造体を切り出して、接着剤層の形状を観察した。接着剤層の形状を以下の基準で判定した。
(1)接着剤層の形状
得られた管接続構造体において、接着剤層が観察できるように管接続構造体を切り出して、接着剤層の形状を観察した。接着剤層の形状を以下の基準で判定した。
[接着剤層の形状の判定基準]
○:接着剤層が多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の少なくとも一部が接着剤層により覆われている
×:接着剤層が多層管の外周面上から多層管の端面上に至っておらず、かつ、多層管の端面の少なくとも一部が接着剤層により覆われていない
○:接着剤層が多層管の外周面上から多層管の端面上に至っており、かつ、多層管の端面の少なくとも一部が接着剤層により覆われている
×:接着剤層が多層管の外周面上から多層管の端面上に至っておらず、かつ、多層管の端面の少なくとも一部が接着剤層により覆われていない
(2)耐薬品性
得られた管接続構造体を90重量%濃硫酸溶液に120分間浸漬した後、管接続構造体を取り出し、接着剤層が形成された多層管の端面から多層管の内側に向かって2mm、5mm、及び7mmの距離(多層管の端面からの距離)の管接続構造体の断面を切り出して、外層断面観察用サンプルを得た。
得られた管接続構造体を90重量%濃硫酸溶液に120分間浸漬した後、管接続構造体を取り出し、接着剤層が形成された多層管の端面から多層管の内側に向かって2mm、5mm、及び7mmの距離(多層管の端面からの距離)の管接続構造体の断面を切り出して、外層断面観察用サンプルを得た。
得られた外層断面観察用サンプルを用いて、外層の断面を目視及び光学顕微鏡で観察した。耐薬品性を以下の基準で判定した。
[耐薬品性の判定基準]
○:黒化しておらず、硫酸も浸透していない
△:黒化しているものの、硫酸は浸透していない
×:硫酸が浸透しており、膨潤している
○:黒化しておらず、硫酸も浸透していない
△:黒化しているものの、硫酸は浸透していない
×:硫酸が浸透しており、膨潤している
結果を下記の表1に示す。
1…管接続構造体
2…多層管
2a…端面
3…接続対象部材
3b…末端
4…接着剤層
11…内層
12…外層
2…多層管
2a…端面
3…接続対象部材
3b…末端
4…接着剤層
11…内層
12…外層
Claims (6)
- 多層管と、接続対象部材と、接着剤層とを備え、
前記多層管は、管状の内層と、前記内層の外表面上に配置された外層とを有し、
前記接着剤層は、前記多層管の外周面と前記接続対象部材の表面との間に配置されており、
前記接着剤層は、前記多層管の外周面上から前記多層管の端面上に至っており、前記多層管の端面の少なくとも一部が、前記接着剤層により覆われている、管接続構造体。 - 前記接着剤層の材料が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又は塩素化ポリ塩化ビニルを含む、請求項1に記載の管接続構造体。
- 前記外層の材料が、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂、又はアクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂を含む、請求項1又は2に記載の管接続構造体。
- 管状の内層と、前記内層の外表面上に配置された外層とを有する多層管を用いて、前記多層管の外周の表面上に接着剤を配置して、接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
前記接着剤層の前記多層管側とは反対の外表面上に接続対象部材を配置して、前記接着剤層によって、前記多層管と前記接続対象部材とを接続する接続工程とを備え、
前記接着剤層が、前記多層管の外周面上から前記多層管の端面上に至っており、前記多層管の端面の少なくとも一部が、前記接着剤層により覆われている管接続構造体を得る、管接続構造体の製造方法。 - 前記接着剤として、20℃における粘度が、500mPa・s以上、2500mPa・s以下である接着剤を用いる、請求項4に記載の管接続構造体の製造方法。
- 前記接着剤として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又は塩素化ポリ塩化ビニルを含む接着剤を用いる、請求項4又は5に記載の管接続構造体の製造方法。
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