JP2019026635A - セフトリアキソンを使用する認知症治療薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】レビー小体型認知症を治療する薬物を製造するのに用いられるセフトリアキソンの使用を提供することにある。【解決手段】治療対象に投与する、前記治療対象のレビー小体型認知症の認知機能低下及び神経障害を治療するための薬物の製造するのに用いられることを特徴とするセフトリアキソンの使用に関するものである。【選択図】図3

Description

本発明は、セフトリアキソンの使用であって、特にレビー小体型認知症を治療するための薬物を製造するのに用いられるセフトリアキソンの使用に関するものである。
レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies、略称DLB)はよく見られる神経
生成疾患(neurodegenerative disease)であり、その患者は、認知機能障害(neurodegenerative disease)、運動障害(motor symptom)、幻視(visual hallucination)が生じるため、患者の生活の質、社交及び仕事に多大な影響を及ぼすことがある。
中華民国公開第201345529号
現在、臨床上でレビー小体型認知症に対して効果的に治療できる薬物がなく、臨床症状を軽減することしかできないため、その課題を解決するために、レビー小体型認知症を治療するのに用いられるセフトリアキソンの使用を提供する必要がある。
本発明は、上記の課題を解決するため、レビー小体型認知症を治療するのに用いられる薬物を製造するためのセフトリアキソンの使用を提供する。
本発明のセフトリアキソンの使用は、レビー小体型認知症を治療するための薬物を製造するのに用いられ、レビー小体型認知症による認知障害及び神経細胞の損害を治療するように、セフトリアキソンを治療対象に投与する。よって、セフトリアキソンにより、レビー小体型認知症を患った個体の海馬の歯状回及び黒質網様部(substantia nigra pars reticulata)の神経細胞を再生させることができ、ひいてはレビー小体型認知症を患った個体の認知機能低下(例えば、学習能力についてのダメージ、或いは物体認識能力についてのダメージを回復させる)、または神経障害などの症状を治療する効果を有する。
本発明のセフトリアキソンの使用は、セフトリアキソンを1日当たり1.5〜35mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与し、例えば、セフトリアキソンを1日当たり1.62〜32.4mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与し、好ましくは、セフトリアキソンを1日当たり1.62〜16.2mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与し、特に、セフトリアキソンを1日当たり1.62〜8.1mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与してもよいため、前記治療対象のレビー小体型認知症による症状を治療する効果を奏することができる。
本発明のセフトリアキソンの使用は、前記治療対象に対して、非経口的或いは経口的に投与されることができ、例えば、セフトリアキソンを前記治療対象に対して静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、経皮投与、舌下投与又は吸入性投与によって与えることにより、前記治療対象がレビー小体型認知症による症状を治療する効果を達することができる。
セフトリアキソンの化学構造図。 本発明の試験(B)の開放空間のケージを表す図(一)。 本発明の試験(B)の開放空間のケージを表す図(二)。 本発明の試験(B)の各組のラットの探索行動の時間の百分比。 本発明の試験(C)のシャトルケージを表す図(一)。 本発明の試験(C)のシャトルケージを表す図(二)。 本発明の試験(C)のシャトルケージを表す図(三)。 本発明の試験(D)の各組のラットの能動回避反応率。 本発明の試験(C)の各組のラットの海馬CA1部位の錐体細胞の分布密度。 本発明の試験(D)の各組のラットの歯状回の錐体細胞の分布面積。 本発明の試験(D)の各組のラットの歯状回のα-syn蛋白の陽性細胞の分布密度。 本発明の試験(D)の各組のラットの歯状回のBrdUの陽性細胞の数。 本発明の試験(D)の各組のラットの線条体の神経線維末梢の光学濃度。 本発明の試験(D)の各組のラットの黒質緻密部のドーパミン神経細胞の密度。 本発明の試験(D)の各組のラットの黒質網様部のBrdUの陽性細胞の数。
本発明の実施の一形態について、以下、図面を参照して説明する。本発明において「セフトリアキソン(ceftriaxone)」とは、図1に示すような化学構造を有し、第三世代セ
ファロスポリン(third-generation chphalosporin)に属する抗生物質であり、且つグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して優れた抗菌効果を有する。
本発明において「セフトリアキソン(ceftriaxone)」とは、レビー小体型認知症を患
った個体の認知機能低下(cognitive decline)、または神経障害(neurological deficit)などの症状を治療するように、治療対象に対して投与されることができるため、レビ
ー小体型認知症を治療するための薬物を製造するのに用いることができる。セフトリアキソンは少なくとも一つの医薬的に許容可能なキャリアとさらに組み合わせて、医薬組成物として形成することができ、よって、セフトリアキソンは例えば錠剤、カプセル剤、粉薬、粒剤または液剤など、いかなる投与に便利な形式として製造することもできる。
また、セフトリアキソンは様々な適当の投与経路により前記治療対象に投与することがてき、例を挙げると非経口的(parenterally)或いは経口的(orally)に投与することができ、例えば、静脈内注射(intravenous injection、略称IV injection)、筋肉内注射
(intramuscular injection、略称IM injection)、腹腔内注射(intraperitoneal injection、略称IP injection)、経皮投与、舌下投与又は吸入性投与により前記治療対象に投与することができる。
本実施例において、セフトリアキソンを1日当たり1.5〜35mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与し、例えば、セフトリアキソンを1日当たり1.62〜32.4mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与し、好ましくは、セフトリアキソンを1日当たり1.62〜16.2mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与し、特に、セフトリアキソンを1日当たり1.62〜8.1mg/kg体重の投与量で前記治療対象に投与してもよいが、前記の投与量は前記治療対象及び投与経路に応じて異なる場合があるので、ここでは限定されない。
本発明のセフトリアキソンを投与することによって、レビー小体型認知症を患った個体の認知機能低下、または神経障害などの症状を治療することができることを証明するため、下記に示すような試験を行った。
(A)ラットのレビー小体型認知症の誘導
本試験では雄性のWistarラット(12週齢、体重約420±30グラム、台湾楽斯特生物科学
株式会社より購入)を採用し、飼育環境は室温が21〜25℃である飼育室に飼育し(照射時間と暗黒時間それぞれ12時間である)、且つ食物及び水を自由に取れるようにした。
試験の0日目に、前記のラットを麻酔してアミロイドβ蛋白を前記のラットの前頭前皮質(prefrontal cortex)に注射し、さらにα−シヌクレインを前記のラットの脳室に注
射するとレビー小体型認知症を患ったラットを獲得した。
表1を参照すると、試験の1日目に、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットに直ちに生理食塩水を投与し(1日当たり1ml/kg体重、腹腔内注射)、A3組のレビー小体型認知症を患ったラットにセフトリアキソンを投与し(1日当たり100mg/kg体重、腹腔内注射)、A1組の正常なラットに生理食塩水を投与し、且つ、27日間連続して投与した(試験の1〜27日目)。
Figure 2019026635
(B)物体認識試験(Object Recognition Test)
先ず、物体認識試験で各組のラットの物体認識能力についてのダメージを測定した(Ho
et al., Behav Brain Res 268: 177-184, 2014)。詳しく述べると、試験の25、26
日目に測定しようとするラットMを図2aに示すような開放空間のケージ(open box)に
5分置き、前記開放空間のケージにおいて三つの角にそれぞれ大きさ、色、形及び材質が同様で、且つ特殊な匂いがない物体(object、以下旧物体O1、O2、O3と称する)を設置した。
試験の27日目に、測定しようとするラットMを同様に図2aに示すような開放空間の
ケージに置き、各組の測定しようとするラットMが旧物体O1に対して探索する時間(TO1
)及び旧物体O1、O2、O3に対して探索する時間の合計(TO1+O2+O3)をそれぞれに記録し、測定しようとするラットMが旧物体O1に対して探索する時間の百分比((TO1/TO1+O2+O3)×100%)を計算した。続いて5分後、前記旧物体O1を前記旧物体O1、O2、O3と異なる大きさ、色、形及び材質を有する新しい物体O4に置換し(図2bに示すように)、再び測定しようとするラットMを開放空間のケージに置く際、各組の測定しようとするラッ
トMが旧物体O4に対して探索する時間(TO4)及び旧物体O2、O3と新しい物体O4に対して
探索する時間の合計(TO2+O3+O4)を記録し、測定しようとするラットMが旧物体O4に対
して探索する時間の百分比(TO4/TO2+O3+O4)×100%)を計算した。
図3を参照すると、A1組の正常なラットは新しい物体O4に対する探索行動の時間が旧物体O1に対する探索行動の時間より明らかに長く(P<0.05)、正常なラットは環
境において新しい物体O4を認識することができることが示された。且つ、生理食塩水が投与されたA2組の試験結果によって、レビー小体型認知症を患ったラットの認識能力はダ
メージが生じたため、前記新しい物体O4を認識することができず、それに対して、セフトリアキソンが投与されたA3組が前記新しい物体O4を認識することができる(P<0.05)ことが示された。よって、セフトリアキソンを投与することにより、レビー小体型認知症を患ったラットの認識能力についてのダメージを顕著に改善することができることが示された。
(C)能動回避試験(Active Avoidance Test)
試験の26日目に、互いに連通する二つの収容室C1、C2を有するシャトルケージ(shuttle box)により能動回避試験を行って、各組のラットの学習能力についてのダメー
ジを測定した。
図4aに示すように、測定しようとするラットMをケージの収容室C1に置き、前記収
容室C1に置いた測定しようとするラットMに対して、3秒で条件刺激(conditioned stimulus、略称CS、光と音が含まれる)を与えた。図4bに示すように、測定しようとするラットMが収容室C2に移動していなかった場合、前記測定しようとするラットMが条件刺激を受けたときに後の非条件刺激を回避するために図4cに示すような収容室C2に移動すること(即ち、能動回避反応)を覚えさせるように、前記収容室C1に置いた測定しようとするラットMに対して、10秒で非条件刺激(unconditioned stimulus、略称UCS、即ち電気ショック)を与えた。その能動回避試験を25回で行って測定しようとするラットMの能動回避反応率を測定した。
図5を参照すると、生理食塩水が投与されたA2組のレビー小体型認知症を患ったラットの能動回避反応率は、A1組の正常のラットより明らかに低かった(P<0.01)。そして、セフトリアキソンが投与されたA3組のレビー小体型認知症を患ったラットの能動回避反応率には、A1組の正常のラットの能動回避反応率と比較して差異は見られなかった。よって、セフトリアキソンを投与することにより、レビー小体型認知症を患ったラットの学習能力についてのダメージを顕著に改善することができることが示された。
(D)組織病理学の分析
試験の27日目に腹腔内注射により、ブロモデオキシウリジン(略称BrdU)で新たな増殖細胞をラベルした。そして、試験の28日目に各組のラットを解剖した後、大脳の冠状切断(coronal section)を行い、海馬CA1部位(hippocampal CA1 area)を有する組織切片を選択しニッスル染色(Nissl staining)を行い、所定面積において錐体細胞(pyramidal neuron)の分布密度を概算した。その結果を図6に示す。
図6を参照すると、A1組の正常なラットと比較して、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットの錐体細胞の分布密度は比較的に低く(P<0.001)、そして、生理食塩水が投与されたA2組のレビー小体型認知症を患ったラットと比較して、セフトリアキソンが投与されたA3組は錐体細胞の分布密度が回復可能であるとの結果が得られた(P<0.001)。
続いて、歯状回(dentate gyrus)を有する組織切片を選択しニッスル染色(Nissl staining)、α-syn蛋白の染色、及びブロモデオキシウリジン(BrdU)の染色を行い、所定面積において錐体細胞(pyramidal neuron)の分布面積、α-syn蛋白の分布密度及びBrdUの陽性細胞の数を概算した。その結果を図7a〜7cに示す。
図7aを参照すると、A1組の正常なラットと比較して、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットの錐体細胞の分布面積は明らかに減少した(P<0.001)。そして、
生理食塩水が投与されたA2組のレビー小体型認知症を患ったラットと比較して、セフトリアキソンが投与されたA3組の錐体細胞の分布面積を回復させることができるという結果が得られた(P<0.01)。
続いて図7bを参照すると、A1組の正常なラットと比較して、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットのα-syn蛋白の陽性細胞の分布密度は明らかに上がった(P<0.05)。一方、A1組の正常なラットと比較して、セフトリアキソンが投与されたA3組のレビー小体型認知症を患ったラットのα-syn蛋白の陽性細胞の分布密度には顕著な差異がなかった。
また、図7cを参照すると、A1組の正常なラットと比較して、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットのBrdUの陽性細胞の数は明らかに減少し(P<0.05)、神経細胞の新生が抑えられることが示された。一方、A1組の正常なラットと比較して、セフトリアキソンが投与されたA3組のレビー小体型認知症を患ったラットのBrdUの陽性細胞の数には顕著な差異がなかった。
また、線条体(striatum)を有する組織切片を選択し、チロシン水酸化酵素(tyrosine hydroxylase)の染色を行い、所定面積において神経線維末梢の光学濃度を概算した。その結果を図8に示す。
図8を参照すると、A1組の正常なラットと比較して、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットの神経線維末梢の光学濃度は明らかに減少した(P<0.001)。そして、生理食塩水が投与されたA2組のレビー小体型認知症を患ったラットと比較して、セフトリアキソンが投与されたA3組の神経線維末梢の光学濃度を回復可能であるとの結果が得られた(P<0.01)。
また、黒質緻密部(substantia nigra pars compacta)を有する組織切片を選択し、チロシン水酸化酵素(tyrosine hydroxylase)の染色を行い、所定面積においてドーパミン神経細胞の密度を概算した。その結果を図9に示す。
図9を参照すると、A1組の正常なラットと比較して、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットのドーパミン神経細胞の密度は明らかに減少した(P<0.01)。そして、生理食塩水が投与されたA2組のレビー小体型認知症を患ったラットと比較して、セフトリアキソンが投与されたA3組のドーパミン神経細胞の密度を回復可能であるとの結果が得られた(P<0.05)。
黒質網様部(substantia nigra pars reticulata)を有する組織切片を選択し、BrdUの染色を行い、所定面積においてBrdUの陽性細胞の数を概算した。その結果を図10に示す。
図10を参照すると、A1組の正常なラットと比較して、A2組のレビー小体型認知症を患ったラットのBrdUの陽性細胞の数は明らかに減少し(P<0.05)、神経細胞の新生が抑えられることが示された。一方、A1組の正常なラットと比較して、セフトリアキソンが投与されたA3組のレビー小体型認知症を患ったラットのBrdUの陽性細胞の数には顕著な差異がなかった。
なお、体表面積(body surface area、略称BSA)の投与量転換(dose translation)の式(Shannon R.S. et al. (2007), FASEB J., 22: 659-661)によってさらに前記の投与量
を算出し、セフトリアキソンの投与量は1日当たり0.81〜35mg/kg体重であることでヒトの個体のレビー小体型認知症の病状を治療することができることが分かった。
以上を総合すると、セフトリアキソンにより、レビー小体型認知症を患った個体の海馬の歯状回及び黒質網様部(substantia nigra pars reticulata)の神経細胞を再生させることができ、ひいてはレビー小体型認知症を患った個体の認知機能低下(例えば、学習能力についてのダメージ、或いは物体認識能力についてのダメージを回復させる)、または神経障害などの症状を治療する効果を有するので、本発明のセフトリアキソンの使用は、レビー小体型認知症を治療する薬物を製造するのに用いることができる。
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他の手法で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
C1、C2 収容室
CS 条件刺激
M 測定しようとするラット
O1、O2、O3 旧物体
O4 新しい物体
UCS 非条件刺激

Claims (11)

  1. セフトリアキソンを有効成分として含有する、レビー小体型認知症の治療薬。
  2. レビー小体型認知症患者の認知機能低下又は神経障害を改善する、請求項1に記載の治療薬。
  3. 1日当たり1.5〜35mg/kg体重の投与量で投与される、請求項1または2に記載の治療薬。
  4. 1日当たり1.62〜32.4mg/kg体重の投与量で投与される、請求項1または2に記載の治療薬。
  5. 1日当たり1.62〜16.2mg/kg体重の投与量で投与される、請求項1または2に記載の治療薬。
  6. 1日当たり1.62〜8.1mg/kg体重の投与量で投与される、請求項1または2に記載の治療薬。
  7. 非経口的又は経口的に投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の治療薬。
  8. 静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、経皮、舌下又は吸入によって投与される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の治療薬。
  9. レビー小体型認知症を患った個体における神経細胞の再生剤であって、
    セフトリアキソンを有効成分として含有する再生剤。
  10. 前記神経細胞が、海馬の歯状回又は黒質網様部における神経細胞である、請求項9に記載の再生剤。
  11. 前記神経細胞が、錐体細胞又はドーパミン細胞である、請求項9または10に記載の再生剤。
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ACS CHEM. NEUROSCI., vol. 5, JPN6019015233, 2013, pages 30 - 38, ISSN: 0004025706 *

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