JP2019026477A - エレベータシステム、無線電力伝送システム、送電装置、送電電極ユニット、および電力伝送方法 - Google Patents

エレベータシステム、無線電力伝送システム、送電装置、送電電極ユニット、および電力伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エレベータの乗りかごへの電力伝送方法を改善する。【解決手段】無線電力伝送システムは、エレベータシステムにおいて用いられ、少なくとも2つの送電電極を含む送電電極ユニットと、乗りかごに配置され、前記少なくとも2つの送電電極から送出された電力を受け取る少なくとも2つの受電電極を含む受電電極ユニットとを備える。前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが所定の給電階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置される。前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送される。【選択図】図1A

Description

本開示は、エレベータシステム、無線電力伝送システム、送電装置、送電電極ユニット、および電力伝送方法に関する。
従来のエレベータシステムでは、テールコードと呼ばれる電力線がエレベータの乗りかごに取り付けられる。テールコードを介して、乗りかご内の機器に電力が供給される。しかし、ビルの高層化に伴いテールコードが長くなると、以下のような問題が生じ得る。例えば、テールコードの伸び、切断、または亀裂などの不具合が生じ易くなる。このような不具合を防止するための検査を頻繁に行う必要性が生じる。また、テールコードが長いと、電圧降下の影響が無視できなくなる。
そこで、無線電力伝送(WPT)システムを導入することで、テールコードを必要とせずに、乗りかごに電力を供給するエレベータシステムが検討されている。例えば、特許文献1は、給電階に設置された給電装置から、乗りかご内のバッテリーに、非接触で給電を行うエレベータシステムを開示している。
特開2013−71796号公報
上記の従来技術では、乗りかごの停止中にしか高効率な充電ができなかった。
本開示は、かごの停止中だけでなく、移動中にも充電が可能なエレベータシステムを提供する。
本開示の一態様に係る無線電力伝送システムは、
軌道に沿って昇降する乗りかごと、前記乗りかごに設けられた蓄電装置と、無線電力伝送システムと、を備えるエレベータシステムにおいて用いられる無線電力伝送システムであって、
前記軌道に沿って配置され、交流電力を送出する少なくとも2つの送電電極を含む送電電極ユニットと、
前記乗りかごに配置され、前記少なくとも2つの送電電極にそれぞれ対向し、送出された前記交流電力を受け取る少なくとも2つの受電電極を含む受電電極ユニットと、
を備え、
各送電電極は、各受電電極よりも長く、
前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが所定の給電階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置され、
前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送され、
前記蓄電装置は、前記受電電極ユニットが受け取った電力によって充電される。
本開示の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、乗りかごの停止中だけでなく移動中においても非接触充電が可能になる。
図1Aは、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムの構成を説明するための構成図である。 図1Bは、本開示の例示的な実施形態における送電電極ユニットおよび受電電極ユニットを示す図である。 図1Cは、本開示の例示的な実施形態における無線電力伝送システムの構成を示す図である。 図2Aは、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムの送電電極ユニットの配置の一例を示す図である。 図2Bは、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムの送電電極ユニットの配置の他の例を示す図である。 図2Cは、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムの送電電極ユニットの配置のさらに他の例を示す図である。 図3は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムの概念図である。 図4は、本開示の別の実施形態のエレベータシステムの構成図である。 図5は、本開示の別の実施形態のエレベータシステムの構成図である。 図6は、本開示の別の実施形態のエレベータシステムの構成図である。 図7は、本開示の別の実施形態のエレベータシステムの構成図である。 図8は、本開示の別の実施形態のエレベータシステムの構成図である。 図9は、本開示の別の実施形態のエレベータシステムの構成図である。 図10は、本開示の別の実施形態のエレベータシステムの構成図である。 図11は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムにおいて導入されるWPTシステムの一例を示すブロック図である。 図12は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムにおいて導入されるWPTシステムの別の例を示すブロック図である。 図13は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムにおいて導入されるWPTシステムの別の例を示すブロック図である。 図14は本開示の例示的な実施形態におけるWPTシステムの、乗りかご周辺の構造図である。 図15は本開示の例示的な実施形態における無線電力伝送システムの、乗りかご周辺の構造図である。 図16は本開示の例示的な実施形態における送電電極ユニットの構造の例を示す図である。 図17は本開示の例示的な実施形態における送電電極ユニットの構造の他の例を示す図である。 図18は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステム内の無線電力伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 図19は、周波数変換回路203の構成例を模式的に示す図である。 図20は、周波数変換回路207の構成例を模式的に示す図である。 図21は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステム内に導入されるWPTシステムにおける電力ユニットの一例を示す平面図である。 図22は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステム内に導入されるWPTシステムにおける電力ユニットの他の例を示す平面図である。 図23は、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステム内に導入されるWPTシステムにおける電力ユニットのさらに他の例を示す平面図である。 図24は、従来のエレベータシステムの構成例(比較例)を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した従来のエレベータシステムに関し、以下の課題が生じることを見出した。
上記の従来技術では、例えば送電コイルと受電コイルとの間の電磁誘導を利用した無線電力伝送が行われる。送電コイルを有する送電装置と、受電コイルを有する受電装置とが対向した状態で、バッテリーの充電が行われる。高効率の充電を行うためには、送電装置と受電装置との位置合わせに高い精度が要求される。このため、エレベータの停止中にしか高効率な充電ができない。そのようなシステムでは、バッテリーの充電を短時間で行わざるを得ない。その結果、高い充電レートでの充電が常態化し、バッテリーの劣化が早くなる。
特許文献1のシステムでは、乗りかごが待機状態であることを検出したとき、制御装置が乗りかごを給電階に移動させ、充電を開始させる。当該システムは、待機時間を充電時間に充てることにより、充電時間を比較的長く稼ぐことを特徴としている。しかし、繁忙運行が要望される時間帯では、給電階に長く停止することができず、短時間で大容量の充電を行うことが必要になる。そのような高い充電レートでの充電が常態化すると、バッテリーの劣化が早くなり、システムの運用コストが増加する。
上記の課題を解決するために、複数の階に送電装置を設置する方法も考えられる。しかし、そのような方法では、導入する部材のコストと、各送電装置の敷設コストが増加する。特に超高層の建築物においては、多くの階に送電装置を設置することが必要になり、総コストを抑制することが困難である。
図24は、特許文献1に開示されたエレベータシステムと同様のシステムの構成例を示す図である。このシステムは、電力を伝送する送電装置22と、伝送された電力を受け取る受電装置23と、伝送された電力を受け取るバッテリー24とを備える。送電装置22は送電コイルを備える。受電装置23は受電コイルを備える。受電装置23とバッテリー24とは電気的に接続されている。送電装置22は、給電階(Nc階)に設置されている。受電装置23およびバッテリー24は、乗りかご11に設置されている。受電装置23は、乗りかご11が給電階に停止したときに送電装置22に対向する位置に設置されている。より具体的には、送電装置22内の送電コイルと、受電装置23内の受電コイルとが対向している状態で、電力が伝送される。バッテリー24に蓄えられた電力は、乗りかご11内の機器(例えば、照明機器、空調機器、表示器、監視カメラ、およびドア開閉のためのモータなど)を動作させるために使用される。
エレベータシステムは、さらに、巻上機12、ロープ13、伝送ケーブル17、制御装置19、給電装置20、および電力線21も備える。ロープ13の一端に乗りかご11が接続されている。ロープ13の他端には、図示されていないカウンターウエイトが接続されている。
昇降路内に設置された乗りかご11は、巻上機12によってロープ13を介して昇降する。乗りかご11は、伝送ケーブル17を介して制御装置19に接続されている。制御装置19は、エレベータ全体の運転制御を行う。制御装置19は、機械室または昇降路内に設置される。給電装置20は、制御装置19および巻上機12に、電力線21を介して電力を供給する。このシステムでは、給電階に設置された送電装置22が、乗りかご11に設置された受電装置23に、非接触で給電を行う。
乗りかご11が給電階に停止すると、送電装置22と受電装置23との位置合わせが成立する。このとき、送電装置22における送電コイルと受電装置23における受電コイルとが対向し、送電装置22から受電装置23へ電力の伝送が可能となる。特許文献1のシステムでは、バッテリー24の残量が一定量以下に低下した場合に、乗りかご11を給電階に移動させて充電を行う。より具体的には、乗りかご11が待機状態であることを検出すると、制御装置19は、乗りかご11を給電階に移動させ、充電を実行する。このような動作により、充電時間を比較的長く確保することを特徴としている。
しかし、特許文献1の制御方法では、繁忙時間帯にバッテリー24の残量が低下した場合、バッテリー24の充電待ちのために乗りかご11の運行が制限を受けることとなる。この場合、利用者の利便性が損なわれてしまう。また、利用者の運行を妨げないように短時間での充電を行った場合、バッテリー24を充電する際の充電レートが上昇してしまう。このため、長期的に運用した場合にバッテリー24の早期の劣化が避けられない。バッテリー24が劣化しやすくなるほどバッテリー24の交換回数が増加する。結果として、バッテリー24に必要なコストの増大を招く。バッテリー24の劣化を回避するためにバッテリー24の容量を増大させると、バッテリー24自体のコストの増大を招く。また、乗りかご11の高重量化を招く。さらに、大電力の無線電力伝送システムが必要となれば、導入コストの増大を招きかねない。このように、特許文献1のシステムにおいては、長期の運用期間内に必要となるコスト総額の増大を招くことになる。
一方で、トロリー方式と呼ばれる無線電力伝送方式が存在する。この方式では、エレベータが運行する経路の全域に沿ってトロリー線を敷設する必要がある。このため、特に高層ビルへの導入の際に敷設コストの増加を招くこととなる。また、トロリー線の周辺に分布する高周波磁界と結合するために受電側に磁性体が配置され、トロリー線との間に広いギャップを設定することができない。このため、地震などで振動が発生した場合の信頼性に課題がある。このように、トロリー方式は、現実的にエレベータに導入するには課題が多い。
図24に示す構成における上記のバッテリー劣化の問題は、送電装置22と受電装置23との間で高効率な電力伝送が可能な状態が、乗りかご11が給電階に停止している短時間に限定されることに起因している。特に繁忙時間帯においては、停止時間はごく短時間に限定されてしまう。
乗りかご11が給電階に停止し、扉を開け、利用者の乗降の後、扉を閉めて再び出発するまでにかかる時間は、概ね15秒以下であることが多い。給電階から乗りかご11に乗り込む利用者は、この時間よりも長く乗りかご11が停止を続けると、利便性が損なわれていると意識し始める。よって、特許文献1のエレベータシステムにおいて、充電時間を延長して上記の課題を解決することは困難である。
本願発明者は、給電階で乗りかご11が停止している間だけでなく、停止する前後の加速時および/または減速時にも充電を行うことが可能なエレベータシステムを提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。そのようなシステムによれば、エレベータの利用者の利便性を損なうことなく充電時間を拡大することが可能である。また、従来のシステムと比較して、送電装置が設置される階の数を低減できるため、敷設コストの増大を回避することも可能である。
以下、図1を参照しながら、本開示のより具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する構成要素については、同じ参照符号を付している。
(エレベータシステムの実施形態の基本構成例)
図1Aは、本開示の例示的な実施形態におけるエレベータシステムの構成を説明するための構成図である。本実施形態のエレベータシステムは、電界結合方式による無線電力伝送システム10を備える。無線電力伝送システム10は、送電装置100と、受電装置200とを備える。送電装置100は、複数の送電電極を含む送電電極ユニット120と、送電回路110と、制御回路150とを備える。受電装置200は、複数の受電電極を含む受電電極ユニット220と、受電回路210とを備える。送電回路110は、送電電極ユニット120と外部の電源310との間に接続されている。制御回路150は、制御装置19と送電回路110との間に接続されている。送電回路110は、制御回路150からの指示に従い、交流電力を送電電極ユニット120に供給する。受電回路210は、受電電極ユニット220が受け取った交流電力を他の形態の電力に変換してバッテリー24に供給する。
エレベータシステムは、図24のシステムと同様、乗りかご11、バッテリー24、巻上機12、制御装置19、および給電装置20も備える。以下、図24のシステムと同様の構成要素については、説明を省略することがある。
「電界結合方式」とは、少なくとも2つの送電電極を含む送電電極群と少なくとも2つの受電電極を含む受電電極群との間の電界結合(容量結合とも称する)により、送電電極群から受電電極群に無線で電力が伝送される伝送方式をいう。簡単のため、送電電極群および受電電極群の各々が、2つの電極の対によって構成される場合の例を主に説明する。後述するように、送電電極群および受電電極群の各々は、3つ以上の電極を含んでいてもよい。
「送電電極ユニット」とは、電界結合方式による無線電力伝送(WPT)において用いられる2つ以上の送電電極の集合体または当該集合体を含む装置を意味する。「受電電極ユニット」とは、電界結合方式による無線電力伝送において用いられる2つ以上の受電電極の集合体または当該集合体を含む装置を意味する。送電電極ユニットおよび受電電極ユニットの各々は、エレベータシステムまたは無線電力伝送システムの構成要素として、単独で製造および販売され得る。
受電電極ユニット220は、乗りかご11に搭載される。送電電極ユニット120は、昇降路に沿って配置され、電力伝送時に受電電極ユニット220に対向する位置に配置される。送電電極ユニット120は、受電電極ユニット220の高さ方向(図1における上下方向)の範囲よりも広い高さ範囲を、乗りかご11の移動経路に沿ってカバーしている。受電電極ユニット220が移動する区間のうち、送電電極ユニット120に少なくとも部分的に対向し、バッテリー24の充電が可能な区間を送電区間91と定義する。
図1Bは、送電電極ユニット120および受電電極ユニット220の例を模式的に示す図である。この例における送電電極ユニット120は、2つの送電電極120a、120bを有する。受電電極ユニット220は、2つの受電電極220a、220bを有する。各電極は、一方向に延びた平板形状を有する。各電極が延びる方向は、乗りかご11が移動する方向、すなわち鉛直方向に一致する。送電電極120a、120bは、エレベータシステムの昇降路に沿って互いにほぼ平行に配置される。受電電極220a、220bは、乗りかご11の側面に、互いにほぼ平行に配置される。送電電極120a、120bの各々は、受電電極220a、220bよりも長い。送電電極120a、120bの各々の長さは、例えば受電電極220a、220bの長さの1.5倍から100倍程度に設定され得る。本実施形態では、乗りかご11が所定の給電階であるNp階に停止したとき、受電電極220a、220bが、送電電極120a、120bにそれぞれ対向する。
図1Cは、無線電力伝送システム10の構成例を示すブロック図である。無線電力伝送システム10は、送電装置100と、受電装置200とを備える。図1Cには、無線電力伝送システムの外部の要素である電源310およびバッテリー24も示されている。送電装置100は、送電電極ユニット120と、送電回路110と、制御回路150とを備える。送電回路110は、電源310と送電電極ユニット120との間に接続されている。送電回路110は、例えばインバータ回路などの変換回路を含み得る。送電回路110は、電源310から供給された電力を、電力伝送のための交流電力に変換して送電電極120a、120bに供給する。送電回路110と送電電極ユニット120との間に、インピーダンスの整合度を向上させる整合回路が設けられていてもよい。送電回路110の動作は、制御回路150によって制御される。
制御回路150は、例えばプロセッサおよびメモリを備えるマイクロコントローラユニット(MCU)などの集積回路によって実現され得る。制御回路150は、乗りかご11の昇降動作に連動して、送電回路110を制御する。制御回路150は、図1Aに示す制御装置19から、乗りかご11の移動に関する信号を取得し、その信号に基づいて送電回路110に送電の開始および終了の指示を出す。例えば、制御装置19は、受電電極ユニット220が送電電極ユニット120から受電可能な位置にまで近づいたとき、送電回路110に送電を開始させる。逆に、受電電極ユニット220が送電電極ユニット120から受電可能な位置にないとき、制御回路150は、送電回路110に送電を停止させる。このような制御は、制御回路150におけるプロセッサが、メモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することによって実現され得る。なお、制御回路150は、制御装置19に組み込まれていてもよい。
受電装置200は、受電電極ユニット220と、受電回路210とを備える。受電回路210は、受電電極ユニット220と、バッテリー24との間に接続されている。受電回路210は、例えば整流回路などの変換回路を含み得る。受電回路210は、受電電極220a、220bが受け取った交流電力を整流してバッテリー24に供給する。これにより、バッテリー24が充電される。なお、バッテリー24に代えて、蓄電用のキャパシタなどの、他の種類の蓄電装置を利用してもよい。蓄電装置として、例えばリチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、電気二重層キャパシタ、またはリチウムイオンキャパシタなどを用いることができる。受電電極ユニット220と受電回路210との間に、インピーダンスの整合度を向上させる整合回路が挿入されてもよい。
図2Aから図2Cは、送電電極ユニット120の配置のいくつかの例を示している。送電電極ユニット120は、乗りかご11が所定の給電階であるNp階に停止しているときに受電電極ユニット220の少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置される。言い換えれば、送電電極ユニット120は、乗りかご11がNp階に停止した状態で、受電電極ユニット220に少なくとも部分的に対向する部分と、当該部分から上下方向の少なくとも一方に延伸された部分とを含む。例えば図2Aに示す例では、送電電極ユニット120は、乗りかご11がNp階に停止しているときに受電電極ユニット220に対向する領域から、上方向および下方向の両方に延伸した領域に配置されている。他方、図2Bに示す例では、送電電極ユニット120は、Np階に乗りかご11が停止した状態で、受電電極ユニット220に部分的に対向する部分と、当該部分から上方向に延伸された部分とを含む。図2Cに示す例では、送電電極ユニット120は、Np階に乗りかご11が停止した状態で、受電電極ユニット220に部分的に対向する部分と、当該部分から下方向に延伸された部分とを含む。ここで、Np階に停止した状態において、受電電極ユニット220と送電電極ユニット120とが、各電極に垂直な方向から視たときに、より広い面積で重なるほど、両者の結合が強くなる。しかし、図2Bおよび図2Cに示すように、受電電極ユニット220の一部の領域で重なる箇所が欠けていてもよい。つまり、給電特性に大きな影響がない限りにおいて、受電電極ユニット220と送電電極ユニット120とが完全に重なっていなくてもよい。
上記の説明において、乗りかご11が停止中に充電可能な階の一つであるNp階を給電階とした。しかし、一つの階に限らず、複数の階を給電階に設定してもよい。例えば、上下の隣接する2つ以上の階で乗りかご11が停止している間に充電を行えるようにしてもよい。その場合、Np階だけでなく、Np階に隣接する(Np−1)階または(Np+1)階も給電階に設定される。更には、Np階から任意の階数だけ離れた階を給電階に設定してよい。言い換えれば、複数の送電電極ユニット120が、複数の階にそれぞれ配置されていてもよい。その場合、送電区間は離散的に設けられる。
本実施形態のエレベータシステムでは、乗りかご11が給電階で停止している間だけでなく、停止する前の減速時、および/または、給電階から移動を開始する際の加速時にも、バッテリー24を充電することが可能である。よって、乗りかご11の停止時間よりも長い充電時間を確保することができる。
一度の充電機会においてバッテリー24に供給すべき電力量は、乗りかご11の運行状況から決定される。従来のシステムにおいては、乗りかご11が給電階で停止している時間しか充電することが出来ない。このため、必要な電力は、供給すべき電力量を停止時間で割った値に決定される。この値を第1の電力とする。一方、本実施形態では、停止時間だけでなく、加速時間および減速時間の少なくとも一方においても充電が可能である。このため、必要な電力量を充電時間で割ることにより決定される電力は、第1の電力よりも必ず低い値になる。したがって、バッテリー24への充電レートの低減が可能となり、バッテリー24の劣化が抑制される。また、乗りかご11が加速状態または減速状態になる機会は、繁忙時においても、乗りかご11が給電階に到来するたびに発生する。このため、本実施形態のエレベータシステムでは、利用者の利便性を損なうこともなく、前述の効果を達成することが出来る。
以上のように、本実施形態におけるエレベータシステムは、軌道に沿って昇降する乗りかご11と、乗りかご11に設けられたバッテリー24と、無線電力伝送システム10とを備える。無線電力伝送システム10は、軌道に沿って配置され、交流電力を送出する少なくとも2つの送電電極を含む送電電極ユニット120と、乗りかご11に配置され、少なくとも2つの送電電極にそれぞれ対向し、送出された交流電力を受け取る少なくとも2つの受電電極を含む受電電極ユニット220とを備える。各送電電極は、各受電電極よりも長い。送電電極ユニット120は、乗りかご11が所定の給電階に停止しているときに受電電極ユニット220の少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置される。乗りかご11が給電階に停止しているとき、および、乗りかご11が給電階から加速および/または給電階に向かって減速しているとき、制御回路150は、送電回路110に交流電力を出力させる。これにより、送電電極ユニット120から受電電極ユニット220に電力が伝送される。受電電極ユニット220が受け取った交流電力は、受電回路210によって整流され、バッテリー24に供給される。これにより、バッテリー24が充電される。
送電電極ユニット120は、乗りかご11が給電階に隣接する他の階に停止しているときに受電電極ユニット220の少なくとも一部に対向する領域にまで延びていてもよい。その場合、乗りかご11が当該他の階に停止しているときにおいても、送電電極ユニット120から受電電極ユニット220に電力が伝送される。このような複数回に跨る送電電極ユニット120を配置した場合、充電時間を大きく増加させることができる。このため、蓄電装置の劣化をさらに抑制することができる。
(充電時間の拡大効果の具体例1)
以下、本実施形態によるエレベータシステムの効果をより詳細に説明する。以下の説明では、高速エレベータの動作例として、停止状態からの加速度を1m/(sec)と仮定する。受電電極ユニット220の高さ方向の長さを「受電電極ユニット長」と称する。送電電極ユニットの高さ方向の長さを「送電電極ユニット長」と称する。受電電極ユニット長と比べた送電電極ユニット長の追加分の長さを5mとする。この場合、乗りかご11が停止した状態から加速を開始し、受電電極ユニット220の端部が送電電極ユニット120を通過し終わるまでの時間は、3.16秒である。この間、バッテリー24を充電することが出来る。停止後に乗りかご11が移動する方向が、停止前に到来した方向と同一の場合は、更に停止直前の減速時間も充電することが出来る。停止時間を前述の15秒と仮定すると、加減速時の充電機能を実現することで合計充電時間は21.3秒に達する。すなわち、上記条件におけるエレベータシステムにおいては、利用者の利便性を損なわずに、42%の充電時間の延長を実現することができる。表1に、本実施形態のエレベータシステムにおける、送電電極ユニット長、合計充電時間、および停止時間のみ充電するシステムと比較した場合の充電時間拡充比率の例を示す。
Figure 2019026477
典型的なバッテリー特性の一例として、ある充電レート(例えば1C)で充電した場合と比較して、2倍の充電レート(2C)で充電した場合、容量が40%低下するまでのサイクル回数が大幅に低下することが知られている。例えば、サイクル回数は上記条件で半減しうる。電池寿命は、複合的な要因によって決まるため、実際には複雑な計算式に基づいた推定が必要である。しかし、上記の例において、42%の充電時間の拡大は、繁忙時間帯の急速充電によるバッテリー寿命への悪影響を大きく緩和する。
(充電時間の拡大効果の具体例2)
テールコードを利用する従来のエレベータシステムにおいては、高いビルほどテールコードが長くなる。このことから、超高層ビルにおけるエレベータシステムほど、テールコードの削減が望まれている。また、超高層ビルにおけるエレベータシステムほど、乗りかご11の最大移動速度の向上の要望がある。このため、エレベータが移動する経路の全域に送電電極ユニット120を設けたとしても、高額な敷設コストが必要となるものの得られる効果は小さい。これは、乗りかご11が高速で移動するほど、送電区間の単位長さあたりの、充電時間の拡大に寄与する効果が低下するからである。
例えば、40mもの長さの送電電極ユニット120を昇降路内に敷設して移動中の給電を実施した場合の効果を検討する。超高層ビル用システムでの乗りかご11の移動速度として20m/秒を想定した場合、バッテリー24の充電時間はわずか2秒しか確保できない。汎用的な高層ビルでの乗りかご11の移動速度として5m/秒を想定した場合でも、2秒の充電時間を確保するためには10mもの送電区間長が必要となる。一方で、乗りかご11が停止状態から加速度1m/(sec)で加速を開始する際に、充電時間を2秒拡大するために必要な送電区間の延伸長は2mに過ぎない。減速時の効果も加算して考慮するなら、送電区間長の延伸長は0.5mまで短縮できる。表2に、比較例および本実施形態のエレベータシステムにおける充電時間確保に必要な送電区間の延伸長の計算値を例示する。
Figure 2019026477
表2における比較対象(比較例)は、20m/秒の移動中充電を実施するエレベータシステムである。本実施形態のエレベータシステムは、同様の充電時間拡大効果を得るために必要な送電区間の延伸長を、比較例との比で95〜97%削減し、敷設が容易となることが明らかとなった。
表3にも、充電時間の確保に必要な送電区間長の計算値を示す。表3における比較対象は、5m/秒の移動中充電機能を有するエレベータシステムである。本実施形態のエレベータシステムは、同様の充電時間拡大効果を得るために必要な送電区間の延伸長を、比較例との比で80〜90%削減し、敷設が容易となることが明らかとなった。
Figure 2019026477
本実施形態のエレベータシステムにおいては、上述した理由から、乗りかご11の移動経路の全域を送電区間91に設定する必要がない。送電電極ユニット120は、給電階であるNp階に乗りかご11が停止したときに受電電極ユニット220の少なくとも一部に対向する領域から上下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置される。前述したように、送電区間91は、複数の階で停止中充電が可能となるように設定されてよい。
(停止する確率が高い階への送電電極ユニットの敷設)
本開示の実施形態のエレベータシステムにおいては、乗りかご11が給電階に停止している間は、可能な限り充電時間として利用することが好ましい。図3は、本開示のエレベータシステムの他の実施形態の概念図を示している。なお、図3および以降の同様の図においては、わかり易くするために、図1に示す送電回路110、制御回路150、電源310、および受電回路210の図示を省略する。図3には、各階における乗りかご11の滞在時間確率が示されている。図3に示す例において、給電階であるNp階は、乗りかご11が滞在する時間確率が最も高い階に設定される。すなわち、各階に滞在する時間確率をP(Np−1)、P(Np)、P(Np+1)・・P(Nmax−1)、P(Nmax)、とした場合、給電階での滞在時間確率P(Np)は他の階での滞在時間確率よりも高い。言い換えれば、図3の例において、以下の式が成り立つ。
P(Np) > max(P(Np-1), P(Np+1), ・・・, P(Nmax-1), P(Nmax))
ここで、最も滞在時間確率(以下、単に滞在確率とも称する)が高い階を決定するにあたり、各階での滞在時間分布が導出される。滞在時間分布は、特定の時間帯、例えば繁忙時間帯での運行状況に基づいて導出され得る。これは、繁忙時間帯こそが、各階での停止時間を長く確保することが困難な時間帯であり、バッテリー寿命に最も悪影響を与える急速充電状態が発生する時間帯であるからである。
図4は、本開示の別の実施形態の構成を示す図である。図4に示すように、少なくとも1つの階を隔てて複数の送電電極ユニットが配置されていてもよい。この場合、複数の給電階において、停止中の充電が実施される。図4の例では、2つの給電階、すなわち第1の給電階(Np階)および第2の給電階(Np2階)が設定されている。この場合、第1の給電階に第1の送電電極ユニット120Aが、第2の給電階に第2の送電電極ユニット120Bが敷設される。第1の給電階および第2の給電階は、例えば繁忙時間帯などの特定の時間帯における乗りかご11の滞在時間確率が最も高い2つの階に設定され得る。その場合、第1の給電階における滞在時間確率P(Np)および第2の給電階における滞在時間確率P(Np2)は、他の階における滞在時間確率よりも高い。
図5は、本開示のさらに別の実施形態の構成を示す図である。図5に示すように、隣接する2つの階が給電階に設定されても構わない。この場合、送電電極ユニット120は、隣接する2つの階に跨って設置され得る。
隣接する2つの階が共に滞在確率が高い階である場合、隣接階間の移動速度は特に低い値になりうる。このため、図5の実施形態によれば、より多くの充電時間を獲得することが可能となる。3つ以上の階に跨って連続した送電電極ユニット120で送電区間を構成することも可能である。例えば、地上1Fに設定されることが多いエントランス階と、地下数階に設定されることが多い駐車場階などは、共に滞在確率が高い。このため、これらの複数の階に跨って連続した区間を送電区間の設定範囲に含めることで、加減速中の充電時間を長く確保することができる。
本開示の実施形態によるエレベータシステムにおいては、乗りかご11が給電階で停止する前の減速時間および停止した後の加速時間の少なくとも一方が、充電時間の拡大に寄与する。給電階から一方の方向に送電電極ユニット120を延伸させる形態においては、例えば給電階に到来する確率が高い方向に、送電区間が延伸され得る。図6は、そのような実施形態の構成を示す図である。図6に示すように、給電階(Np階)に停止する前に、乗りかご11が上方向から到来する確率をP(Npu)、下方向から到来する確率をP(Npd)とする。確率が大きい方向に送電区間91は延伸される。図6の例では、P(Npu)>P(Npd)である。よって、送電電極ユニット120は、Np階が占める高さ方向の範囲よりも上側の階に延伸されて設置されている。
本開示のエレベータシステムの他の実施形態として、乗りかご11が給電階から移動する確率が高い方向に、送電区間が延伸されてもよい。図7は、そのような実施形態の構成を示す図である。給電階(Np階)での停止後に、乗りかご11が上方向に移動する確率をP(Npu)、下方向に移動する確率をP(Npd)とする。この場合も、確率が大きい方向に送電区間91は延伸される。図7の例では、P(Npu)>P(Npd)である。よって、送電電極ユニット120は、Np階が占める高さ方向の範囲よりも上側の階に延伸されて設置されている。
(頻繁に停止する階への給電階の設定)
前述のように、乗りかご11が給電階(Np階)に停止する時間は、可能な限り充電時間として活用されることが好ましい。このため、給電階は、頻繁に停止する階に設定されることが好ましい。
図8に示すように、建築物の利用者が外部との出入口として利用するエントランスホールの階が給電階に設定されてもよい。エントランス階は、地上1Fである場合もあれば、他の階である場合もある。例えば、鉄道駅または地下街とスムーズに連結する目的から、地下階または1F以外の地上階にエントランス階が設定される場合がある。また、図9に示すように、建築物までのアクセス方法として利用者が車を用いる場合を想定し、駐車場階が設けられていることがある。そのような場合、駐車場階が給電階に設定されてもよい。駐車場階は、地下階に設定される場合もあり、ショッピングセンターなどでは1F以外の地上階に設定される場合もある。また、本開示のエレベータシステムの別の形態として、共用階、ショッピングフロア階、またはレストランフロア階などに給電階を設定することも可能である。
図10に示すように、建築物の最上階に給電階を設定することも可能である。同様に、建築物の最下層階に給電階を設定することも可能である。建築物の最上階または最下層階まで乗りかご11が到来した場合に、バッテリー24の残量が最も低下している可能性がある。このため、最上階または最下層階を給電階に設定することは合理的である。最上階の付近または最下層階の付近の階も同様の理由で給電階に設定され得る。
本開示のエレベータシステムの実施形態において、例えば滞在確率が最も高い第1の給電階が建築物の下層側に相当する場合、送電区間を追加する第2の給電階として、建築物の上層側において滞在確率が高い階を選択してもよい。勿論、第1の給電階が建築物の上層側の場合は、第2の給電階は下層側に設けられてよい。
エレベータシステムには、乗りかご11が一定時間以上使用されていないときに乗りかご11が待機する待機階が設定され得る。例えば制御装置19は、乗りかご11が無人の状態で一定時間以上使用されておらず、使用者からの呼び出しがないことを検出すると、乗りかご11を待機階に移動させ、待機させる。このような待機階を給電階に設定してもよい。待機階は、高層階および低層階の少なくとも一方に設けられ得る。図8から図10に示すエントランス階、駐車場階、最上階、および最下層階のいずれの階を給電階に設定する場合においても、各給電階は待機階に設定されうる。給電階は、特定の時間帯において最も頻繁に停止する階に設定され得る。ここで、特定の時間帯は、例えば乗りかご11が各階に停止し続ける時間が最も短くなる繁忙時間帯であり得る。
(敷設コストを考慮した効率的な送電区間の設定)
本開示のエレベータシステムの実施形態において、給電階は、例えば頻繁に乗りかご11が停止する階に設定され得る。給電階から、乗りかご11が加速する際に最高速度に到達するまでの区間の長さ未満の長さに送電区間長が設定され得る。その場合、送電電極ユニット120の長さは、乗りかご11が給電階に停止した後、加速を開始し、エレベータシステムの仕様で定められた最高速度に達するまでの区間の長さよりも短い。また、減速時も同様で、頻繁に乗りかご11が停止する給電階に乗りかご11が向かう場合に、最高速度から減速を開始する地点から給電階までの区間の長さよりも短い長さに送電区間長が設定され得る。その場合、送電電極ユニット120の長さは、乗りかご11が仕様で定められた最高速度から減速を開始してから給電階に停止するまでの区間の長さよりも短い。最高速度で移動中の乗りかご11に充電することは可能ではあるが、充電時間を長く稼ぐことは困難である。よって、乗りかご11が減速せず高速移動する確率が高い経路に送電電極ユニット120を優先的に設定することは、ユニットの製造コストおよび敷設コストのいずれの観点からも、費用対効果が優れているとは言えない。なお、敷設コストが問題にならない場合には、乗りかごが最高速度で移動する区間を含めて送電電極ユニット120を敷設してもよい。例えば、問題がなければ建造物の全ての階に跨る送電電極ユニット120を敷設してもよい。
(無線電力伝送システムの他の実施形態)
本開示のエレベータシステムの実施形態において導入される無線電力伝送システム(以下、「WPTシステム」とも称する)のブロック図の一例を図11に示す。WPTシステムは、送電電極ユニット120と、受電電極ユニット220とを備える。図11に示すWPTシステムにおける送電回路110は、整合回路201と、周波数変換回路203とを備える。WPTシステムにおける受電回路210は、整合回路205と、周波数変換回路207とを備える。WPTシステムはさらに、負荷209を備える。
送電電極ユニット120は受電電極ユニット220へ、高周波のエネルギー成分を介して電力を非接触で伝送する。送電電極ユニット120への高周波電力の供給は、整合回路201を介して、周波数変換回路203からなされる。周波数変換回路203は、入力電力が直流電力の場合はインバータの役目を果たし、入力電力が交流電力の場合は伝送周波数への一括変換を行うコンバータの役目を果たす。受電電極ユニット220で受電された高周波電力は整合回路205を介した後、周波数変換回路207により適切な形態の電力へ変換され、乗りかご11内の負荷209に供給される。負荷209の一例が前述のバッテリー24である。周波数変換回路207は、出力電力が直流電力の場合は整流器の役目を果たし、交流電力の場合はコンバータおよびインバータの両方の役目を果たす。整合回路201、205は省略されても良い。
以下の説明では、周波数変換回路203には主に直流電力が入力されるものとし、周波数変換回路203をインバータ203と称することがある。
本開示のWPTシステムの別の実施形態のブロック図を図12に示す。図12に示す例では、複数の送電電極ユニット120A、120Bおよび複数の整合回路201a、201bが設けられている。送電側のインバータ203の出力端に接続された複数の整合回路201a、201bの出力端が、複数の送電電極ユニット120A、120Bにそれぞれ接続されている。送電電極ユニット120A、120Bは、乗りかご11の移動経路に沿って異なる領域に配置される。この場合、送電電極ユニット120A、120Bが配置された箇所は等しく前述の送電電極ユニットとしての機能を果たすことが出来る。以下、送電電極ユニットが形成された箇所のことを「送電電極領域」と定義する。図12の構成は、インバータ203のコストを削減した構成のため低コスト化の効果が得られる。低いコストで充電時間の拡大効果を得ることが容易に可能となる。
図13に別の構成例を示すように、インバータ203を複数台用意し、それぞれ複数の整合回路201に個別に接続して、送電回路110を構成しても構わない。筐体を構成するコストも全体コストに影響を与えるため、これらのインバータ203および整合回路201を含む送電回路110を一筐体に収納することでも低コスト化の効果は得られる。
図14は、本開示のエレベータシステムの他の実施形態の概念図である。図14に示すように、乗りかご11の複数の側面に複数の受電電極ユニット220A、220Bを配置しても良い。この場合、複数の送電電極ユニットが、受電電極ユニット220A、220Bにそれぞれ対向することが可能な位置に配置される。第1の送電電極ユニットから第1の受電電極ユニット220Aへの電力伝送と、第2の送電電極ユニットから第2の受電電極ユニット220Bへの電力伝送経路は、同時に行われ、受電電極ユニット220A、220Bによって受電された電力を合成することが出来る。また、効率特性または出力電圧特性などを判断し、使用する電極ユニットを切替えてもよい。そのような切替を実施することで、良好な電力伝送特性が得られる電力伝送経路のみを選択するダイバーシティ動作を実現してもよい。
(方式について)
本開示の実施形態におけるエレベータシステムおよびWPTシステムでは、非接触で電力を伝送する部位のエネルギーは電界成分で構成される。すなわち、電界結合方式のWPT技術が用いられる。表4は、停止時に加えて加速時および/または減速時にも充電を行う場合における充電時間の拡大率と、必要な送電区間の延伸量を示している。加速度は1m/(sec)、停止時間は15秒である。表4に示すように、15秒の停止時間にのみ充電する場合と比較して、充電時間を10%拡大するには、送電区間を0.285mだけ延伸すればよい。また、20%の拡大は、1.133mの送電区間の延伸で実現できる。30%の拡大も、2.543mの送電区間の延伸で実現できる。
Figure 2019026477
現在、停止中の電気自動車向けに規格化が進む磁界結合方式の電力伝送において、送電コイルの長さまたは直径は数十cmに留まっている。また、エレベータシステムの乗りかごの高さを考慮すると、数m以上の長さの受電電極ユニットは実現しにくい。そこで、本開示のエレベータシステムおよびWPTシステムの実施形態においては、送電電極ユニット長が受電電極ユニット長よりも長く設定された電界結合方式が採用される。受電電極ユニットに比べて長い送電電極ユニットを、乗りかごの軌道に沿って配置することにより、移動中の充電が実現され、総充電時間の拡大がもたらされる。
乗りかごが移動したときに、送電電極ユニットと受電電極ユニットとの距離の変動が電力伝送特性に深刻な影響を与えないように、送電電極ユニットと受電電極ユニットは平行または実質的に平行に配置され得る。エレベータシステムにおいて、乗りかご11の移動はレールに沿って行われるため、レールと乗りかご11との距離の変動は少ない。よって、受電電極ユニット220は、レールとの接続面側に配置され得る。
(送電電極ユニット長と周波数との関係)
前述のとおり、本開示の実施形態における送電電極領域は、乗りかごが頻繁に停止する階に設置され得る。特に上下に隣接する2つ以上の階において頻繁な停止が見込める場合、上下2階分以上をカバーする送電電極ユニットを1電源で対応することも可能である。そのような構成にすることで、さらに低コストで効率的に充電時間の確保が実現出来る。一方で、送電電極ユニットと、送電電極ユニットから整合回路まで延びる配線長との総和を長距離化してしまうと、受電電極へ伝送する高周波に定在波の影響が出てしまう。このため、伝送周波数の選択が重要になる。定在波の節の影響を緩和するため、高さ方向に連続した送電電極ユニットの長さの上限は、伝送周波数において適切な位相長未満に設定することが好ましい。また、より低い周波数で電力伝送を行うことで、高効率な電力伝送が可能となる。
テールコードレス化の効果が大きい超高層ビルにおいて、1階あたりの高さは約4m程度と想定される。上下に隣接する2つの階で停止中充電を実施できるように送電区間を設定する場合、送電電極ユニット長は、例えば
4m+0.4m=4.4m
以上の長さに設定され得る。ここで、受電電極ユニット長を0.4mと想定した。この場合、送電電極ユニット長は、受電電極ユニット長の11倍以上である。定在波の影響を回避するために、電極ユニット長は、例えば伝送周波数に対応する波長の20分の1以下の値に設定され得る。送電電極ユニット長さが上記の4.4mである場合、3.4MHz以下の周波数範囲において、送電電極ユニット長が波長の20分の1以下になる。また、仮に図12のWPTシステムの構成を採用した場合には、6.8MHz以下の周波数範囲がWPT部の伝送周波数として好ましい範囲となる。なお、日本国内では425kHzから524kHzの帯域でIT機器向けを想定した電界結合方式の電力伝送が制度化済みである。したがって、この周波数帯域の少なくとも一部を用いた電界結合方式によって、既存法規を満足するWPT部を実現することができる。また、世界各国で6.78MHz帯の周波数範囲がISM帯域として設定されているため、この周波数帯域を用いた電界結合方式によってWPT部を実現しても構わない。
(特性安定のための送電側シールドの導入)
エレベータシステムにおいて、昇降路の周辺には鉄骨等の金属部材が分布して配置されることが多い。電界結合方式のWPTシステムにおいては、電力伝送特性を決定する送受電極ユニット間の結合度は、送受電極間の結合容量と、送受の各電極ユニット内での寄生容量から定義される。ここで寄生容量は、結合度を低下させることになるため、送電電極ユニット周辺に分布する金属部材と、電極との間に寄生容量が発生する状況は好ましくない。一方で、設計時に想定された寄生容量の値と異なる値の寄生容量が発生することで、所望の特性が得られなくなる状況も好ましくない。よって、図15に示すように、送電側の電極群93の裏面(受電電極ユニット220と対向しない側の面)側に、電極群93から一定の間隙を介した上で、導体などで構成されたシールド部材95をあらかじめ配置してもよい。図15は、ある実施形態における無線電力伝送システムの、乗りかご周辺の構造を示している。シールド部材95と電極群93は一体となって形成されて電極ユニット120を構成しても構わない。あるいは、電極ユニット120が整合回路201からの出力を得る電極群のみで構成され、シールド部材95は別途構成されても構わない。シールド部材95は、電極群93の全面に対向して配置されてもよいし、一部のみに対向するように配置されてもよい。
乗りかごが通過する時の風圧を避けるため、図16に示す実施形態のように、上下面部などの限られた部位において、固定部材99を介して電極群93とシールド部材95が固定されても構わない。同様に、乗りかごが通過する時の風圧を避けるため、図17に示す実施形態のように、側面部などの限られた部位において、固定部材99を介して電極群93とシールド部材95が固定されても構わない。
なお、送電側の電極ユニットにシールド構造を追加的に配置する構成について説明したが、受電側の電極ユニットにおいて送電側の電極ユニットと対向しない面側に、シールド部材を配置してもよい。また、送電側および受電側の両方の電極ユニットに、それぞれシールド部材を配置しても良い。シールド部材の材料としては、例えば銅またはアルミニウムなどの各種金属が採用できる。
(運行状況に応じた充電モードの可変制御)
本開示のエレベータシステムの実施形態においては、時刻情報または乗りかごの運行状況その他の情報に基づいて、現在が繁忙時間帯であるかどうかを判断した上で、その判断結果に基づいてWPTシステムから蓄電装置に供給される電力を調整してもよい。例えば、繁忙時間帯以外の時間帯にはWPTシステムから供給する電力を低くなるように制御することにより、バッテリーの充電レートを低く設定することが可能である。繁忙時間帯であるか否かの判断基準として、同季節、前日、同一曜日などの過去の運行状況に関する情報を利用することが可能である。また、出入口または駐車場から建築物へ出入りする人数をカウントすることで、エレベータ利用者数を予見し、繁忙時間帯であるか否かを判断してもよい。繁忙時間帯以外の時間帯において、利用者の利便性を維持しながら充電レートを低く設定することにより、バッテリーの劣化を抑制することが可能となる。このような制御は、制御回路150によって実行され得る。制御回路150は、繁忙時間帯以外の時間帯において、繁忙時間帯よりも、送電回路110から出力される交流電力を小さくすることにより、蓄電装置の充電レートを低下させることができる。
(無線電力伝送部の出力制御の方式)
一般的にWPTシステムにおいては、周波数の変更、入力電圧の変更、動作時間率の変更(dutyの変更)、送電回路の位相制御、出力側でのDC−DCコンバータの動作制御、などの少なくとも一つの制御を用いることで、出力電力または出力電圧を制御することができる。一方で、磁界方式または電界方式などの方式に関わらず、最大の電力伝送効率が実現する負荷条件は特定範囲に限定されることも知られている。
本開示のエレベータシステムの実施形態においては、バッテリーの充電レートを低下させる制御方法の例として、周波数変換回路203への入力電圧を低下させる制御が採用できる。
同様に、高効率な電力伝送効率が実現する負荷条件を維持しながら、送電回路の動作時間率を低下させる周波数変換回路203のduty制御も同様に採用できる。
これらの2つの方法では、DC/DCコンバータの入力端での負荷値を、高効率な無線電力伝送を保つ条件範囲に維持したまま、充電レートを低減させることが可能となる。このことから、他の出力制御の方法と比べて充電レート低減時の制御方法として優れており、低発熱な電力伝送を実施しながら前述した有利な効果を得ることが可能となる。
図18は、エレベータシステム内のWPTシステムの概略構成の一例を示すブロック図である。WPTシステムは、送電装置100と、受電装置200とを備える。送電装置100は、送電電極120a、120bと、送電回路110とを備える。受電装置200は、受電電極220a、220bと、受電回路210とを備える。受電装置200および負荷330は、エレベータシステムにおける乗りかごに搭載される。送電回路110は、外部電源310から供給される電力を交流電力に変換する周波数変換回路203と、周波数変換回路203に接続される送電側の整合回路180とを備える。受電回路210は、受電側の整合回路280と、周波数変換回路207とを備える。
整合回路180の構成例を詳細に説明する。整合回路180は、直列共振回路130sと、直列共振回路130sに誘導結合する並列共振回路140pとを含む。並列共振回路140pの出力端は、送電電極120a、120bに接続されている。
受電電極220a、220bは、送電電極120a、120bに容量結合し、送電された交流電力を非接触で受電する。整合回路280は、受電電極220に接続される並列共振回路230pと、並列共振回路230pに誘導結合する直列共振回路240sとを含む。周波数変換回路207は、直列共振回路240sに接続され、受電した交流電力を直流電力に変換して出力する。
なお、整合回路180、280の構成は、直列共振回路と並列共振回路の組み合わせによる本実施形態の構成に限定されない。また、不要であれば整合回路180、280を省略してもよい。
図19は、周波数変換回路203の構成例を模式的に示す図である。この例では、周波数変換回路203は、4つのスイッチング素子(例えばIGBTまたはMOSFET等のトランジスタ)を含むフルブリッジ型のインバータ回路を有する。制御回路150は、各スイッチング素子のオン(導通)およびオフ(非導通)の状態を制御する制御信号を出力するゲートドライバと、ゲートドライバに制御信号を出力させるマイクロコントローラ(マイコン)等のプロセッサとを有する。図示されるフルブリッジ型のインバータ回路の代わりに、ハーフブリッジ型のインバータ回路、または、E級などの他の発振回路を用いてもよい。周波数変換回路203は、通信用の変復調回路や電圧・電流などを測定する各種センサを有していてもよい。
図20は、周波数変換回路207の構成例を模式的に示す図である。この例では、周波数変換回路207は、ダイオードブリッジと平滑コンデンサとを含む全波整流回路である。周波数変換回路207は、他の整流器の構成を有していてもよい。周波数変換回路207は、整流回路の他にも、定電圧・定電流制御回路、通信用の変復調回路などの各種の回路を含んでいてもよい。周波数変換回路207は、受け取った交流エネルギーを負荷330が利用可能な直流エネルギーに変換するのが一般的であるが、交流エネルギーに変換しても良い。直列共振回路240sから出力される電圧・電流などを測定する各種センサを周波数変換回路207に含めてもよい。
直列共振回路130s、並列共振回路140p、並列共振回路230p、直列共振回路240sにおける各コイルは、例えば、回路基板上に形成された平面コイルもしくは積層コイル、または、銅線、リッツ線、もしくはツイスト線などを用いた巻き線コイルであり得る。直列共振回路130s、並列共振回路140p、並列共振回路230p、直列共振回路240sにおける各キャパシタには、例えばチップ形状またはリード形状を有するあらゆるタイプのキャパシタを利用できる。空気を介した2配線間の容量を各キャパシタとして機能させることも可能である。各コイルが有する自己共振特性をこれらのキャパシタの代わりに用いてもよい。
直列共振回路130s、並列共振回路140p、並列共振回路230p、直列共振回路240sの共振周波数f0は、電力伝送時の伝送周波数fに実質的に一致するように設定され得る。なお、各共振回路の共振周波数f0は、伝送周波数f1に厳密に一致していなくてもよい。各々の共振周波数f0は、例えば、伝送周波数f1の50〜150%程度の範囲内の値に設定されていてもよい。電力伝送の周波数f1は、例えば50Hz〜300GHz、ある例では20kHz〜10GHz、他の例では79kHz〜20MHz、さらに他の例では79kHz〜14MHzに設定され得る。
本実施形態では、送電電極120a、120bと受電電極220a、220bとの間は空隙であり、その距離は比較的長い(例えば、10mmから20mm程度)。そのため、電極間のキャパシタンスCm1、Cm2は非常に小さく、送電電極120a、120b、受電電極220a、220bのインピーダンスは非常に高い(例えば、数kΩ程度)。これに対し、送電回路110および受電回路210のインピーダンスは、例えば数Ω程度と低い。このため、本実施形態では、送電電極120a、120b、受電電極220a、2220bに近い側に並列共振回路140pおよび並列共振回路230pが配置され、送電回路110および受電回路210に近い側に直列共振回路130sおよび直列共振回路240sがそれぞれ配置される。このような構成により、インピーダンスの整合を容易に行うことができる。
(漏洩電界の抑圧方法1:側面GNDの導入)
本開示の実施形態のエレベータシステム内に導入されるWPTシステムにおいて、送電電極ユニットおよび受電電極ユニットの具体的な電極構成の例について説明する。図21は、送電電極ユニットの構成例を模式的に示す平面図である。この例における送電電極ユニットは、図21に示すように、一対の電極120a、120bを有する。ここで、電極120a、120bには周波数変換回路203が出力する伝送周波数の正負逆符号の高周波電圧が印加される。図21には送電電極の例が示されているが、受電電極も同様に、電力の受電時には正負の符号の高周波電圧がそれぞれ発生するよう、送電電極と交差するように正負の電極対を構成する。
図22は、送電電極ユニットの他の例を示す図である。図22の電極構成においては、高周波電圧が印加される電極120a、120bの側面側に、送電回路110のGND端子に接続された側面電極520a、520b(側面GNDとも称する)がそれぞれ配置されている。側面電極520a、520bは、電極120a、120bに印加された高周波電圧に起因して周辺に漏洩する図中のX軸方向における高周波電界の漏洩を効果的に抑圧する。周辺への電界漏洩強度の抑圧により、周辺で動作するセンサなどの電子機器、または機器間を接続する配線群への干渉が低減可能となる。
動作原理から明らかなように、側面電極520a、520bは、電極ユニットにおいて高周波電圧が印加される電極よりも外側に配置される。なお、側面電極520a、520bの一方が、電極120a、120bの片側にだけ配置されていてもよい。また、側面電極520a、520bは、受電電極側に設けられても構わない。高周波電圧が印加される送電電極120a、120bと広い面積で対向するために、受電電極側にも同様の線路幅の受電電極対が配置され得る。しかし、側面電極については送受電極ユニット間の電力伝送自体には寄与しないため、送電電極ユニットと受電電極ユニットで同様の構成をとる必要はない。いずれか一方の電極ユニットへ側面電極を導入することで、漏洩電界抑圧の有利な効果を得ることが出来る。
図23は、本開示のエレベータシステムに導入されるWPTシステムの他の実施形態における送電電極ユニットの電極構成の一例を示す。図23の電極構成においては、電極120a、120bの各々が、X軸方向において複数本に並列に分割され、電極120a、120bが交互に繰り返し配置されている。図23の例では、左から1番目、3番目、5番目の電極120aには同じ位相の第1の電圧が印加され、左から2番目、4番目、6番目の電極120bには第1の電圧とは位相がおよそ180度異なる第2の電圧が印加される。なお、第1および第2の電圧の位相差は180度に限らず、90度超270度未満であり得る。このような分割構成により、電極120a、120bから図中の±Z軸方向に漏洩する高周波電界強度を効果的に低減することができる。周辺への電界漏洩強度の抑圧により、周辺で動作する電子機器への干渉が低減可能となる。
図23の構成において、電極の分割数が多いほど、周辺への電界強度抑圧の効果は大きくなる。一方で、図23の構成では、送受電極ユニットの両方において、共通した電極構成をとることが好ましい。電力伝送に寄与する送受電極間の容量を高く保つために、分割後の電極幅を、図中のX軸方向における送受電極間の最大位置ずれ量よりも大きく保つように各電極が配置され得る。エレベータシステムは乗りかごが経路に沿って高さ方向(Y方向)に移動するシステムのため、乗りかごの横方向(X方向)の位置ずれ量は適切な範囲に限られる。よって、エレベータシステムに導入するWPTシステムの電極ユニット構成として、電極の並列分割の効果は、WPTシステムの電力伝送特性を損なうことなく、容易に得ることが可能である。
以上のように、本開示は、以下の項目に記載の無線電力伝送システム、エレベータシステム、送電装置、送電電極ユニット、受電装置、受電電極ユニット、および電力伝送方法を含む。
[項目1]
軌道に沿って昇降する乗りかごと、前記乗りかごに設けられた蓄電装置と、無線電力伝送システムと、を備えるエレベータシステムにおいて用いられる無線電力伝送システムであって、
前記軌道に沿って配置され、交流電力を送出する少なくとも2つの送電電極を含む送電電極ユニットと、
前記乗りかごに配置され、前記少なくとも2つの送電電極にそれぞれ対向し、送出された前記交流電力を受け取る少なくとも2つの受電電極を含む受電電極ユニットと、
を備え、
各送電電極は、各受電電極よりも長く、
前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが所定の給電階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置され、
前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送され、
前記蓄電装置は、前記受電電極ユニットが受け取った電力によって充電される、
無線電力伝送システム。
[項目2]
前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、前記受電電極ユニットに対向する領域から、上方向および下方向の両方に延伸した領域に配置される、項目1に記載の無線電力伝送システム。
[項目3]
前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが前記給電階に隣接する他の階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域にまで延びており、
前記乗りかごが前記他の階に停止しているときにおいても、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送される、
項目1または2に記載の無線電力伝送システム。
[項目4]
前記エレベータシステムには、前記乗りかごが一定時間以上使用されていないときに前記乗りかごが待機する待機階が設定され、
前記給電階は、前記待機階である、
項目1から3のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目5]
前記給電階は、前記エレベータシステムが設置された建築物の階のうち、特定の時間帯において前記乗りかごが滞在する時間確率が最も高い階である、項目1から4のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目6]
前記給電階は、前記エレベータシステムが設置された建築物の外部との出入り口が設けられた階、または駐車場が設けられた階である、項目1から5のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目7]
前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが前記給電階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の一方に延伸した領域に配置され、
前記乗りかごが前記上方向および下方向の前記一方から前記給電階に到来する確率は、前記上方向および下方向の他方から前記給電階に到来する確率よりも高い、および/または、
前記乗りかごが停止後に前記上方向および下方向の前記一方に移動する確率は、前記乗りかごが停止後に前記上方向および下方向の他方に移動する確率よりも高い、
項目1から6のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目8]
前記送電電極ユニットの長さは、前記乗りかごが前記給電階に停止した後、加速を開始し、前記エレベータシステムの仕様で定められた最高速度に達するまでの区間の長さ、および/または、前記乗りかごが前記エレベータシステムの仕様で定められた最高速度から減速を開始してから前記給電階に停止するまでの区間の長さよりも短い、項目1から7のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目9]
前記少なくとも2つの送電電極に交流電力を出力する送電回路と、
前記送電回路を制御する制御回路と、
前記少なくとも2つの受電電極が受け取った前記交流電力を他の形態の電力に変換して前記蓄電装置に供給する受電回路と、
をさらに備え、
前記制御回路は、前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電回路に前記交流電力を出力させる、
項目1から8のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目10]
前記制御回路は、繁忙時間帯以外の時間帯において、前記繁忙時間帯よりも、前記送電回路から出力される前記交流電力を小さくすることにより、前記蓄電装置の充電レートを低下させる、項目1から9のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目11]
前記軌道に沿って配置される少なくとも2つの送電電極を含む第2の送電電極ユニットをさらに備え、
前記第2の送電電極ユニットにおける各送電電極は、各受電電極よりも長く、
前記第2の送電電極ユニットは、前記乗りかごが前記給電階とは異なる第2の給電階に停止しているときに前記第2の受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置され、
前記乗りかごが前記第2の給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記第2の給電階から加速および/または前記第2の給電階に向かって減速しているとき、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送される、
項目1から10のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目12]
項目1から11のいずれかに記載の無線電力伝送システムと、
前記乗りかごと、
前記蓄電装置と、
を備えるエレベータシステム。
[項目13]
項目1から11のいずれかに記載の無線電力伝送システムにおいて用いられる前記送電電極ユニット。
[項目14]
項目13に記載の送電電極ユニットと、
前記少なくとも2つの送電電極に交流電力を出力する送電回路と、
前記送電回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電回路に前記交流電力を出力させる、
送電装置。
[項目15]
項目1から11のいずれかに記載の無線電力伝送システムにおいて用いられる前記受電電極ユニット。
[項目16]
項目15に記載の受電電極ユニットと、
前記少なくとも2つの受電電極が受け取った前記交流電力を他の形態の電力に変換して前記蓄電装置に供給する受電回路と、
を備える受電装置。
[項目17]
軌道に沿って昇降する乗りかごと、前記乗りかごに設けられた蓄電装置と、無線電力伝送システムと、を備えるエレベータシステムにおける電力伝送方法であって、
前記無線電力伝送システムは、
前記軌道に沿って配置され、交流電力を送出する少なくとも2つの送電電極を含む送電電極ユニットと、
前記乗りかごに配置され、前記少なくとも2つの送電電極から送出された前記交流電力を受け取る少なくとも2つの受電電極を含む受電電極ユニットと、
を備え、
各送電電極は、各受電電極よりも長く、
前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが所定の給電階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置され、
前記無線電力伝送方法は、
前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力を伝送させ、
前記受電電極ユニットが受け取った電力によって前記蓄電装置を充電する、
電力伝送方法。
本開示の技術は、例えば高層建築物におけるエレベータシステムに利用可能である。本開示の実施形態によれば、建築物側から乗りかごへ非接触で電力を供給する際にバッテリーの劣化を回避し、電力供給システムの敷設コストを削減することが可能となる。このため、乗りかごに必須であった電力供給のためのテールコードを削減することができる。
10 無線電力伝送システム
11 乗りかご
12 巻上機
13 ロープ
17 伝送ケーブル 19 制御装置
20 給電装置
21 電力線
22 送電装置
23 受電装置
24 バッテリー
91 送電区間
93 電極群
95 シールド部材
99 固定部材
100 送電装置
110 送電回路
120、120A、120B 送電電極ユニット
120a、120b 送電電極
130s 直列共振回路
140p 並列共振回路
150 制御回路
200 受電装置
201、201a、201b、205 整合回路
203、203a、203b、207 周波数変換回路
209 負荷 210 受電回路
220、220A、220B 受電電極ユニット
220a 220b 受電電極
230p 並列共振回路
240s 直列共振回路
310 外部電源 130s 直列共振回路
140p 並列共振回路 520a、520b 側面電極

Claims (15)

  1. 軌道に沿って昇降する乗りかごと、前記乗りかごに設けられた蓄電装置と、無線電力伝送システムと、を備えるエレベータシステムにおいて用いられる無線電力伝送システムであって、
    前記軌道に沿って配置され、交流電力を送出する少なくとも2つの送電電極を含む送電電極ユニットと、
    前記乗りかごに配置され、前記少なくとも2つの送電電極にそれぞれ対向し、送出された前記交流電力を受け取る少なくとも2つの受電電極を含む受電電極ユニットと、
    を備え、
    各送電電極は、各受電電極よりも長く、
    前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが所定の給電階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置され、
    前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送され、
    前記蓄電装置は、前記受電電極ユニットが受け取った電力によって充電される、
    無線電力伝送システム。
  2. 前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが前記給電階に隣接する他の階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域にまで延びており、
    前記乗りかごが前記他の階に停止しているときにおいても、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送される、
    請求項1に記載の無線電力伝送システム。
  3. 前記エレベータシステムには、前記乗りかごが一定時間以上使用されていないときに前記乗りかごが待機する待機階が設定され、
    前記給電階は、前記待機階である、
    請求項1または2に記載の無線電力伝送システム。
  4. 前記給電階は、前記エレベータシステムが設置された建築物の階のうち、特定の時間帯において前記乗りかごが滞在する時間確率が最も高い階である、請求項1から3のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  5. 前記給電階は、前記エレベータシステムが設置された建築物の外部との出入り口が設けられた階、または駐車場が設けられた階である、請求項1から4のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  6. 前記送電電極ユニットは、前記乗りかごが前記給電階に停止しているときに前記受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の一方に延伸した領域に配置され、
    前記乗りかごが前記上方向および下方向の前記一方から前記給電階に到来する確率は、前記上方向および下方向の他方から前記給電階に到来する確率よりも高い、および/または、
    前記乗りかごが停止後に前記上方向および下方向の前記一方に移動する確率は、前記乗りかごが停止後に前記上方向および下方向の他方に移動する確率よりも高い、
    請求項1から5のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  7. 前記送電電極ユニットの長さは、前記乗りかごが前記給電階に停止した後、加速を開始し、前記エレベータシステムの仕様で定められた最高速度に達するまでの区間の長さ、および/または、前記乗りかごが前記エレベータシステムの仕様で定められた最高速度から減速を開始してから前記給電階に停止するまでの区間の長さよりも短い、請求項1から6のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  8. 前記少なくとも2つの送電電極に交流電力を出力する送電回路と、
    前記送電回路を制御する制御回路と、
    前記少なくとも2つの受電電極が受け取った前記交流電力を他の形態の電力に変換して前記蓄電装置に供給する受電回路と、
    をさらに備え、
    前記制御回路は、前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電回路に前記交流電力を出力させる、
    請求項1から7のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  9. 前記制御回路は、繁忙時間帯以外の時間帯において、前記繁忙時間帯よりも、前記送電回路から出力される前記交流電力を小さくすることにより、前記蓄電装置の充電レートを低下させる、請求項1から8のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  10. 前記軌道に沿って配置される少なくとも2つの送電電極を含む第2の送電電極ユニットをさらに備え、
    前記第2の送電電極ユニットにおける各送電電極は、各受電電極よりも長く、
    前記第2の送電電極ユニットは、前記乗りかごが前記給電階とは異なる第2の給電階に停止しているときに前記第2の受電電極ユニットの少なくとも一部に対向する領域から、上方向および下方向の少なくとも一方に延伸した領域に配置され、
    前記乗りかごが前記第2の給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記第2の給電階から加速および/または前記第2の給電階に向かって減速しているとき、前記送電電極ユニットから前記受電電極ユニットに電力が伝送される、
    請求項1から9のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の無線電力伝送システムと、
    前記乗りかごと、
    前記蓄電装置と、
    を備えるエレベータシステム。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載の無線電力伝送システムにおいて用いられる前記送電電極ユニット。
  13. 請求項12に記載の送電電極ユニットと、
    前記少なくとも2つの送電電極に交流電力を出力する送電回路と、
    前記送電回路を制御する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、前記乗りかごが前記給電階に停止しているとき、および、前記乗りかごが前記給電階から加速および/または前記給電階に向かって減速しているとき、前記送電回路に前記交流電力を出力させる、
    送電装置。
  14. 請求項1から10のいずれかに記載の無線電力伝送システムにおいて用いられる前記受電電極ユニット。
  15. 請求項14に記載の受電電極ユニットと、
    前記少なくとも2つの受電電極が受け取った前記交流電力を他の形態の電力に変換して前記蓄電装置に供給する受電回路と、
    を備える受電装置。
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