JP2019026031A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】カバーピース同士の縫い目が湾曲状に走る形態となっていても、同縫い目に沿って玉縁を仕上がり良く設けられるようにすること。
【解決手段】クッションカバー20を構成する2枚のカバーピース22,23と、各カバーピース22,23の縁部22A,23A間に介設されてこれらとのひとまとめの縫合により外部に露出した状態として設けられる玉縁24とを有するシート1である。玉縁24が、各カバーピース22,23の縁部22A,23A間に介設されてこれらと縫合される脚部24Bと、各縁部22A,23Aの間から外部に露出する頭部24Aとを一体的に有する。脚部24Bが、管状に延びる脚側管部位24B1と、脚側管部位24B1の管内に摺動可能に挿通された棒状の脚側芯材24B2と、脚側管部位24B1と頭部24Aとの間を繋いで各カバーピース22,23の縁部22A,23Aと縫合される縫合部位24B3とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートパッドを被覆するシートカバーを備えた乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートにおいて、シートカバーを構成するカバーピース同士の縫い目に沿って装飾用の玉縁が取り付けられた構成が知られている(特許文献1)。具体的には、上述した玉縁は、上述した各カバーピースの間に沿って長尺状に延びる形状とされ、断面円形状の頭部と頭部から断面棒状に延び出す脚部とを有したマッチ棒状の横断面形状に形成されている。上述した玉縁は、その脚部に各カバーピースの縁部が縫合されることで、各縁部の間から頭部が外部に露出した状態として各カバーピースの縁部と一体的に設けられた状態とされている。
特開2015−43918号公報
上記従来技術では、各カバーピース同士の縫い目が湾曲状に走る形態となっている場合に、これに合わせて玉縁を湾曲させると、頭部の湾曲に伴う脚部との周長差によって脚部が波打ち状に変形してしまい、各カバーピースの縁部との縫製ラインが蛇行するなどの仕上がり悪化を招くおそれがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーを構成するカバーピース同士の縫い目が湾曲状に走る形態となっていても、同縫い目に沿って玉縁を仕上がり良く設けられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートパッドを被覆するシートカバーを備えた乗物用シートである。この乗物用シートは、シートカバーを構成する互いに縫い合わされた2枚のカバーピースと、2枚のカバーピースの互いに縫い合わされる縁部間に介設されて各縁部とのひとまとめの縫合により各縁部の間から外部に露出した状態として設けられた可撓性の玉縁と、を有する。玉縁が、各カバーピースの縁部間に介設されて各縁部と縫合される脚部と、各縁部の間から外部に露出する頭部と、を一体的に有する。脚部が、玉縁の延びる方向に管状に延びる脚側管部位と、脚側管部位の管内に摺動可能に挿通された棒状の脚側芯材と、脚側管部位と頭部との間を繋いで各カバーピースの縁部と縫合される縫合部位と、を有する。
この第1の発明によれば、玉縁がその延びる方向とは垂直な方向に曲げられた際に、頭部と脚部との間で湾曲による周長差が生じても、脚側芯材が脚側管部位に対して摺動することで上記の周長差を吸収して、脚側芯材が挿通された脚側管部位と頭部との間で縫合部位を波打ち状に変形させることなく真っ直ぐに張った状態として保持することができる。したがって、シートカバーを構成するカバーピース同士の縫い目が湾曲状に走る形態となっていても、同縫い目に沿って玉縁を仕上がり良く設けることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。脚側芯材の曲げ剛性が、頭部の曲げ剛性よりも低くなっている。
この第2の発明によれば、玉縁がその延びる方向とは垂直な方向に曲げられた際に、頭部と脚部との間に生じる周長差を脚部側において適切に吸収できるようになるため、玉縁をカバーピース同士の縫い目に沿って仕上がり良く設けることができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成とされているものである。脚側芯材の形状が、丸棒状に延びる形状となっている。
この第3の発明によれば、玉縁がどの方向に曲げられても、脚側芯材をスムーズに摺動させたり湾曲させたりすることができ、玉縁をカバーピース同士の縫い目に沿って仕上がり良く設けることができる。
第4の発明は、上述した第1から第3のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。玉縁を構成する頭部と脚部との外表面が、ひと続きの中空織物から成る表皮材により構成されている。表皮材の頭部の外表面を形成する領域が、玉縁の延びる方向に管状に延びる頭側管部位として構成されている。頭側管部位の管内に棒状の頭側芯材が摺動可能に挿通されることで、頭部が中実棒状の形となって形成されている。表皮材の脚部の外表面を形成する領域によって、脚側管部位と縫合部位とが形成されている。
この第4の発明によれば、玉縁の外観を中空織物から成る表皮材によって見栄え良く形成することができると共に、脚側芯材と頭側芯材とを表皮材によって形成される脚側管部位と頭側管部位とに沿ってスムーズに摺動させられるようにすることができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 図1のII-II線断面図である。 玉縁単体の斜視図である。 玉縁を凸曲面状に湾曲させた状態を表した拡大図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
《シート1の概略構成について》
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、「シート幅方向」と示す場合には、シート1の左右方向を指し、「シート高さ方向」と示す場合には、シート1の上下方向を指し、「シート前後方向」と示す場合には、シート1の前後方向を指すものとする。
本実施例のシート1は、図1に示すように、自動車の座席として構成されており、着座者の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭凭れ部となるヘッドレスト4と、を備えた構成とされている。上述したシートバック2は、その左右両サイドの下端部が、それぞれ、回転止め可能な回転軸装置として機能する不図示のリクライナを介して、シートクッション3の左右両サイドの後端部に背凭れ角度の調節を行える状態に連結されている。シートクッション3は、車両のフロア上に、図示しない左右一対のスライドレールを間に介してシート前後方向の位置調節を行える状態に連結されている。ヘッドレスト4は、シートバック2の上部に上側から装着されて設けられている。
《シートバック2の概略構成について》
上述したシートバック2は、その骨格を成す不図示の金属製のバックフレームと、バックフレームの前部にセットされて着座者の背凭れ荷重を弾性的に受け止める発泡ウレタン製のバックパッド10と、バックパッド10の表面全体に被せ付けられてシートバック2の意匠面を構成するファブリック製のバックカバー20と、によって概略構成されている。ここで、上述したバックパッド10が、本発明の「シートパッド」に相当する。また、バックカバー20が、本発明の「シートカバー」に相当する。
上述した不図示のバックフレームは、正面視略四角枠状の形に組まれた構成とされており、その前部にセットされたバックパッド10の外周部を後側から強く支持することのできる構造強度を備えた構成とされている。上述した不図示のバックフレームの四角枠内には、その前部にセットされたバックパッド10の中央部を後側から面状に弾性支持することのできる不図示のコンタマットが架橋されている。
バックパッド10は、上述した不図示のバックフレームに前側から覆い被された状態にセットされている。詳しくは、上述したバックパッド10は、上述した不図示のバックフレームに前側から覆い被されると共に、その上下左右の各周縁部が、それぞれ、バックフレームの外周側を通って後側へと回し込まれた状態にセットされている。上記組み付けにより、バックパッド10は、上述した不図示のバックフレームによって外周部が後側から強く支えられると共に、バックフレームの枠内に架橋された不図示のコンタマットによって中央部が後側から面状に弾性支持された状態としてセットされるようになっている。
バックカバー20は、上述したバックパッド10に前側から覆い被せられると共に、その上下左右の各周縁部が、それぞれ、バックパッド10の外周側を通って後側へと引き込まれて、上述した不図示のバックフレームに止着されて固定されている。上記組み付けにより、バックカバー20は、バックパッド10の表面全体に広く密着した状態に張設されると共に、バックパッド10をバックフレーム上に押さえ付けて位置固定した状態として保持するようになっている。
ところで、上述したシートバック2の基本形状を形作るバックパッド10は、シート幅方向の中央部分を成して着座者の腰部や背部を後側から略平坦な面形状で支える天板メイン部11と、シート幅方向の両サイド部分を成して着座者の腰部や背部を両外側から斜めに盛り上がる斜面形状で支える左右の天板サイド部12と、を有した形に形成されている。
そして、バックカバー20は、上述したバックパッド10の天板メイン部11上に被せ付けられるメインカバーピース21と、各天板サイド部12上に被せ付けられる各サイドカバーピース22と、各天板サイド部12の外側面(カマチ)に被せ付けられる各カマチカバーピース23と、を有し、これらが互いにひと繋ぎ状となる1枚の袋形状に縫い合わされて構成されている。上述したバックカバー20の各サイドカバーピース22と各カマチカバーピース23との互いに縫合される縁部22A,23A間には、これらの縫い目SLを外部に対して見栄え良く装飾するための玉縁24が、これらの縫い目SLに沿って長尺状に延びる形となって設けられている。
上述した各縫い目SLは、上述した各サイドカバーピース22と各カマチカバーピース23との互いに縫合される縁部22A,23A間と、各カマチカバーピース23とシートバック2の背面部を覆う不図示の背面側カバーピースとの互いに縫合される縁部間と、に沿って、シートバック2のシート幅方向の外側の各側面の外周縁上を逆U字状の形となって延びるように形成されている。そして、上述した各縫い目SLに沿って、各玉縁24が、各縫い目SLの延びる形に合わせて逆U字状に湾曲する形に曲げられた状態として取り付けられた状態とされている。それにより、各玉縁24は、シートバック2の左右両サイドの各肩口にかかる上端部分において、これら上端部分の外周縁形状に沿って逆U字状の形に曲げ返された曲返し領域BAを持つ構成とされている。
詳しくは、上述した各玉縁24は、図2に示すように、上述したバックカバー20の各サイドカバーピース22と各カマチカバーピース23との互いに縫合される縁部22A,23A間に挟み込まれてこれら縁部22A,23Aとひとまとめに共縫いされて取り付けられている。上記共縫いによる取り付けにより、各玉縁24は、それらの各カバーピース22,23の縁部22A,23A間から表側に断面凸曲面状に突出する頭部24Aを外部に露出させた状態として、上述したバックパッド10の各天板サイド部12における山状に突出した先の頂点部位に沿って延びる形に設けられた状態とされている。
《バックカバー20の各玉縁24の取り付けられた箇所の具体的な構成について》
以下、上述したバックカバー20の各玉縁24の取り付けられた箇所の具体的な構成について詳しく説明していく。すなわち、上述したバックカバー20は、その各サイドカバーピース22と各カマチカバーピース23との互いに縫合される縁部22A,23A同士が、上述したバックパッド10に面する側となる裏側に曲げ返された形となって、互いの間に各玉縁24が介設されて各玉縁24とひとまとめに共縫いされた構成とされている。
上述した各玉縁24は、図3に示すように、断面略8の字状の中空管形状に織り込まれたファブリック製の表皮材24Cの各中空内に、樹脂製の丸棒部材から成る頭側芯材24A2と脚側芯材24B2とがそれぞれ挿通されることにより、中実状の一様断面構造を持つフレキシブルな長尺部材として構成されている。上述した頭側芯材24A2や脚側芯材24B2は、具体的には、オレフィン系エラストマ樹脂(TPO)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂材により、バックカバー20よりは高い曲げ剛性を備えるが、バックカバー20の形に沿わせて柔軟に押し曲げることのできるフレキシブルな曲げ剛性を備えた丸棒形状に形成されている。
上述した各玉縁24は、それらの頭側芯材24A2が挿通された図示上側の円柱状部分が、図2で前述した各カバーピース22,23の縁部22A,23A間から表側に断面凸曲面状に突出する形に露出する頭部24Aとして形成されている。また、各玉縁24は、それらの頭部24Aから下側にぶら下がる形状部分が、図2で前述した各カバーピース22,23の縁部22A,23A間に介設されてこれら縁部22A,23Aと縫合される脚部24Bとして形成されている。
詳しくは、上述した各玉縁24の頭部24Aは、図3に示すように、上述した表皮材24Cによって形成された管状の頭側管部位24A1と、同頭側管部位24A1内に挿通された中実丸棒状の頭側芯材24A2と、によって構成されている。また、各玉縁24の脚部24Bは、上述した表皮材24Cによって形成された管状の脚側管部位24B1と、同脚側管部位24B1内に挿通された中実丸棒状の脚側芯材24B2と、上述した表皮材24Cにより形成されて上述した脚側管部位24B1と頭側管部位24A1とを繋ぐ縫合部位24B3と、によって構成されている。
上述した脚側管部位24B1は、頭側管部位24A1よりもひとまわり小さな管形状に形成されている。また、これに合わせて、上述した脚側管部位24B1内に挿通される脚側芯材24B2は、頭側管部位24A1内に挿通される頭側芯材24A2よりもひとまわり小さな丸棒形状に形成されている。上述した頭側芯材24A2と脚側芯材24B2とは、それぞれ、対応する頭側管部位24A1内と脚側管部位24B1内とに隙間なく挿通されているが、各管内で軸方向と周方向とにそれぞれ滑らかに摺動できる形に挿通された状態とされている。
縫合部位24B3は、上述した脚側管部位24B1と頭側管部位24A1との間をこれらよりも形状幅の狭い括れ状の形で繋ぐ構成とされている。上述した縫合部位24B3は、その左右両サイド面に図2で前述した各カバーピース22,23の縁部22A,23Aが当てられて、これら縁部22A,23Aとひとまとめに縫合される部位となっている。具体的には、上述した各カバーピース22,23の縁部22A,23Aは、各玉縁24の縫合部位24B3に対して、次のようにひとまとめに縫合されている。
すなわち、先ず、各玉縁24の両サイド面に、各カバーピース22,23の縁部22A,23Aを、頭側管部位24A1と脚側管部位24B1とに跨って両側から挟み込み状に当てた状態にセットする。次に、各玉縁24の縫合部位24B3に沿って、各カバーピース22,23の縁部22A,23Aに貫通するように縫い針(図示省略)を通して、これらカバーピース22,23の縁部22A,23Aと縫合部位24B3とをひとまとめに縫合する。その際、上記の縫い針が各玉縁24の縫合部位24B3を通るように、縫製治具により各カバーピース22,23の縁部22A,23Aと各玉縁24との位置関係を合わせて上記の縫合を行うようにする。
これにより、各カバーピース22,23の縁部22A,23Aが、上記の縫合に伴う締め付け力によって、各玉縁24の脚側管部位24B1と頭側管部位24A1との間で括れ状の側面を成す縫合部位24B3に密着する形に押し込まれた状態となって縫合される(縫い目SL)。したがって、上記の縫合により、各玉縁24は、各カバーピース22,23の縁部22A,23Aの間で表側の頭部24Aが外部に突出した状態に露出し、各カバーピース22,23の間で裏側の脚部24Bが内部のクッションパッド10に形成された凹状の受入れ溝12A内に収められた状態としてセットされるように、各カバーピース22,23の縁部22A,23A間に取り付けられた状態となる。
そして、各玉縁24は、上記の縫合により、それらの縫合部位24B3と各カバーピース22,23の縁部22A,23Aとの縫合箇所である各縫い目SLが、それぞれ、括れ形状の縫合部位24B3への縫合により、頭部24Aの裏側に隠されるように引き込まれて外部から見えない位置に形成される状態となる。したがって、各カバーピース22,23の縁部22A,23A間に各玉縁24を縫合しても、それらの縫い目SLが各縁部22A,23Aと各玉縁24との間から外部に露出しない、見栄えの良い状態に仕上げることができる。
ところで、上述した各玉縁24は、図1で前述したように、各カバーピース22,23の縁部22A,23A間の縫い目SLが逆U字状に湾曲する形となって延びるシートバック2の各肩口にかかる上端部分では、これらの縫い目SLの形に合わせて逆U字状の形に曲げ返された形となって各カバーピース22,23の縁部22A,23Aと縫合されるようになっている(曲返し領域BA)。その際、各玉縁24は、図4に示すように、それらの脚部24Bが頭部24Aを外周側とする湾曲形状に押し曲げられても、これら頭部24Aと脚部24Bとの間に生じる湾曲に伴う周長差が適切に吸収されて、脚部24Bが波打ち状に変形するなどの仕上がりを悪化させる形には変形しないようになっている。
具体的には、各玉縁24が上記のような湾曲形状に押し曲げられることにより、頭部24Aと脚部24Bとの間には、頭部24Aの湾曲した周長よりも脚部24Bの湾曲した周長の方が短くなるように、脚側管部位24B1に湾曲の周長を押し縮める方向の圧縮力が掛けられる。具体的には、頭側管部位24A1内に挿通された頭側芯材24A2が脚側管部位24B1内に挿通された脚側芯材24B2よりも大径とされて曲げ剛性が高められた構成とされていることにより、相対的に曲げ剛性の低い側となる脚側管部位24B1に湾曲の周長を押し縮める方向の圧縮力が掛けられるようになっている。
しかし、上記のように脚側管部位24B1に湾曲の周長を押し縮める方向の圧縮力が掛けられても、その管内に挿通された脚側芯材24B2が脚側管部位24B1内で軸方向に摺動できるようになっていることにより、脚側芯材24B2に軸方向の圧縮力が掛けられないようになっている。その結果、脚側芯材24B2の剛性により、脚側管部位24B1が上述した圧縮力の作用を受けても波打ち状に変形してしまうことがないように内側から支持されるようになっている。
したがって、上述した各玉縁24が上記のような湾曲形状に押し曲げられても、それらの脚部24Bの縫合部位24B3を波打ち状に変形させることなく、図2で前述した各カバーピース22,23の縁部22A,23Aに沿って適切に位置合わせして、これら縁部22A,23Aと蛇行のない良好な仕上がり形状に縫合することができる。なお、図4に示すように、上述した各玉縁24の湾曲により脚側芯材24B2が脚側管部位24B1から食み出る余長部分は、縫製後等の所定段階でカットすればよい。なお、上述した各カマチカバーピース23と図1で前述したシートバック2の背面部を覆う不図示の背面側カバーピースとの互いに縫合される縁部間の縫合も上記と同様となっているため、詳細な構成についての説明は省略することとする。
《まとめ》
以上をまとめると、本実施例のシート1は、次のような構成となっている。すなわち、シートパッド(10)を被覆するシートカバー(20)を備えた乗物用シート(1)である。この乗物用シート(1)は、シートカバー(20)を構成する互いに縫い合わされた2枚のカバーピース(22,23)と、2枚のカバーピース(22,23)の互いに縫い合わされる縁部(22A,23A)間に介設されて各縁部(22A,23A)とのひとまとめの縫合により各縁部(22A,23A)の間から外部に露出した状態として設けられた可撓性の玉縁(24)と、を有する。
玉縁(24)が、各カバーピース(22,23)の縁部(22A,23A)間に介設されて各縁部(22A,23A)と縫合される脚部(24B)と、各縁部(22A,23A)の間から外部に露出する頭部(24A)と、を一体的に有する。脚部(24B)が、玉縁(24)の延びる方向に管状に延びる脚側管部位(24B1)と、脚側管部位(24B1)の管内に摺動可能に挿通された棒状の脚側芯材(24B2)と、脚側管部位(24B1)と頭部(24A)との間を繋いで各カバーピース(22,23)の縁部(22A,23A)と縫合される縫合部位(24B3)と、を有する。
このような構成とされていることにより、玉縁(24)がその延びる方向とは垂直な方向に曲げられた際に、頭部(24A)と脚部(24B)との間で湾曲による周長差が生じても、脚側芯材(24B2)が脚側管部位(24B1)に対して摺動することで上記の周長差を吸収して、脚側芯材(24B2)が挿通された脚側管部位(24B1)と頭部(24A)との間で縫合部位(24B3)を波打ち状に変形させることなく真っ直ぐに張った状態として保持することができる。したがって、シートカバー(20)を構成するカバーピース(22,23)同士の縫い目(SL)が湾曲状に走る形態となっていても、同縫い目(SL)に沿って玉縁(24)を仕上がり良く設けることができる。
また、脚側芯材(24B2)の曲げ剛性が、頭部(24A)の曲げ剛性よりも低くなっている。このような構成とされていることにより、玉縁(24)がその延びる方向とは垂直な方向に曲げられた際に、頭部(24A)と脚部(24B)との間に生じる周長差を脚部(24B)側において適切に吸収できるようになるため、玉縁(24)をカバーピース(22,23)同士の縫い目(SL)に沿って仕上がり良く設けることができる。
また、脚側芯材(24B2)の形状が、丸棒状に延びる形状となっている。このような構成とされていることにより、玉縁(24)がどの方向に曲げられても、脚側芯材(24B2)をスムーズに摺動させたり湾曲させたりすることができ、玉縁(24)をカバーピース(22,23)同士の縫い目(SL)に沿って仕上がり良く設けることができる。
また、玉縁(24)を構成する頭部(24A)と脚部(24B)との外表面が、ひと続きの中空織物から成る表皮材(24C)により構成されている。表皮材(24C)の頭部(24A)の外表面を形成する領域が、玉縁(24)の延びる方向に管状に延びる頭側管部位(24A1)として構成されている。頭側管部位(24A1)の管内に棒状の頭側芯材(24A2)が摺動可能に挿通されることで、頭部(24A)が中実棒状の形となって形成されている。表皮材(24C)の脚部(24B)の外表面を形成する領域によって、脚側管部位(24B1)と縫合部位(24B3)とが形成されている。
このような構成とされていることにより、玉縁(24)の外観を中空織物から成る表皮材(24C)によって見栄え良く形成することができると共に、脚側芯材(24B2)と頭側芯材(24A2)とを表皮材(24C)によって形成される脚側管部位(24B1)と頭側管部位(24A1)とに沿ってスムーズに摺動させられるようにすることができる。
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の乗物用シートに係る構成は、鉄道等の自動車以外の車両の他、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。また、本発明の乗物用シートに係る構成は、シートバックの他、シートクッションやヘッドレストやオットマンやアームレスト等の他のシート構造にも適用することができるものである。
また、本発明の乗物用シートに係る構成は、上記シート構造における天板サイド面と外側面(カマチ)とに被せられるカバーピース同士の縫い合わせ部に限らず、天板メイン面や天板サイド面における途中箇所に設けられるカバーピース同士の縫い合わせ部等、他のカバーピース同士の縫い合わせ部にも適用することができるものである。上述したカバーピース同士の縫い合わせ部は、必ずしもシートパッドの山状に突出した先の頂点部位に位置付けられるものに限らず、山の斜面途中や平坦面や谷面等に位置付けられるものであってもよい。なお、上記の縫い合わせ部が谷面に位置付けられる時には、別途、縫い合わせ部をシートパッド内に形成された吊込み溝内に吊り込んで止着するための吊り込み具が必要となる。
また、上記実施例では、玉縁の頭部が、表皮材によって形成された頭側管部位の内部に棒状の頭側芯材が摺動可能に挿通された構成を例示したが、頭側管部位の内部に挿通される頭側芯材は頭側管部位に対して摺動不能に一体化された構成であってもよい。また、玉縁の頭部が樹脂材のみにより形成され、脚部が上記樹脂材から成る頭部に一部がインサートされて一体成形された表皮材により縫合部位と脚側管部位とが形成されて同脚側管部位に脚側芯材が挿通された構成となっているものであってもよい。
また、上記脚側管部位の湾曲時に内周側となる軸方向の所々の箇所に切込みや孔が形成されていてもよい。上記スリットにより、脚側管部位に掛けられる湾曲の周長を押し縮める方向の圧縮力がより適切に逃がされるようになるため、脚側管部位が波打ち状に変形する事態がより適切に抑制されるようになる。したがって、玉縁をカバーピース同士の縫い目に沿ってより仕上がり良く設けることができる。
また、脚側芯材は必ずしも丸棒形状から成るものでなくてもよく、角棒形状等の他の棒形状から成るものであってもよい。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
10 バックパッド(シートパッド)
11 天板メイン部
12 天板サイド部
12A 受入れ溝
20 バックカバー(シートカバー)
21 メインカバーピース
22 サイドカバーピース(カバーピース)
22A 縁部
23 カマチカバーピース(カバーピース)
23A 縁部
24 玉縁
24A 頭部
24A1 頭側管部位
24A2 頭側芯材
24B 脚部
24B1 脚側管部位
24B2 脚側芯材
24B3 縫合部位
24C 表皮材
SL 縫い目
BA 曲返し領域

Claims (4)

  1. シートパッドを被覆するシートカバーを備えた乗物用シートであって、
    前記シートカバーを構成する互いに縫い合わされた2枚のカバーピースと、
    当該2枚のカバーピースの互いに縫い合わされる縁部間に介設されて当該各縁部とのひとまとめの縫合により当該各縁部の間から外部に露出した状態として設けられた可撓性の玉縁と、を有し、
    前記玉縁が、前記各カバーピースの縁部間に介設されて当該各縁部と縫合される脚部と、当該各縁部の間から外部に露出する頭部と、を一体的に有し、
    前記脚部が、前記玉縁の延びる方向に管状に延びる脚側管部位と、該脚側管部位の管内に摺動可能に挿通された棒状の脚側芯材と、前記脚側管部位と前記頭部との間を繋いで前記各カバーピースの縁部と縫合される縫合部位と、を有する乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記脚側芯材の曲げ剛性が、前記頭部の曲げ剛性よりも低くなっている乗物用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
    前記脚側芯材の形状が、丸棒状に延びる形状となっている乗物用シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記玉縁を構成する前記頭部と前記脚部との外表面が、ひと続きの中空織物から成る表皮材により構成され、
    該表皮材の前記頭部の外表面を形成する領域が前記玉縁の延びる方向に管状に延びる頭側管部位として構成され、該頭側管部位の管内に棒状の頭側芯材が摺動可能に挿通されることで前記頭部が中実棒状の形となって形成され、前記表皮材の前記脚部の外表面を形成する領域によって前記脚側管部位と前記縫合部位とが形成されている乗物用シート。
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