JP2019025738A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸引機構の動作による振動や騒音を低減した記録装置を提供する。【解決手段】プリンター1は、記録ヘッド10に対向して配置され、複数の吸引孔16を有するとともに、用紙Pを支持する支持面15を備える媒体支持部14と、前記複数の吸引孔16に吸引力を発生させる吸引機構部20と、少なくとも吸引機構部20の動作と用紙Pの搬送に係わる動作とを制御する制御部18と、を備え、制御部18は、用紙Pへの記録後に、用紙Pの搬送速度を、記録面の乾燥時間をとる速度にする第1速度制御を実行可能であり、制御部18は、前記第1速度制御を実行する場合に、用紙Pが支持面15によって支持されていない非支持状態での前記吸引力を、用紙Pの少なくとも一部が支持面15によって支持されている支持状態での前記吸引力より弱くする。ことを特徴とする【選択図】図1

Description

本発明は、搬送される媒体に記録を行う記録装置に関する。
記録ヘッドから液体としてのインクを媒体に噴射して記録を行う記録装置としてのインクジェットプリンター(以下、単にプリンターと言う場合がある)において、前記記録ヘッドによる記録領域における媒体のカールや浮き上がりを抑制するため、前記記録ヘッドと対向する位置に設けられる媒体支持部に、前記媒体を負圧により吸引して前記媒体支持部の支持面に吸着する吸引機構が設けられるものがある(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特開2009−23175号公報 特開2010−70335号公報
ところで、前記プリンターにおいて、媒体の第1面とその反対面である第2面の双方に記録を行う両面記録を実行する場合、媒体の前記第1面に対して記録を行い、記録後の用紙をすぐに反転させると、記録面が乾燥しておらず、搬送ローラーによって記録面が擦れて記録画像がにじむ等により画像品質が低下したり、前記搬送ローラーにインクが付着して、後続の媒体を汚す等の問題がある。
このため、前記プリンターにおいて、例えば両面記録を行う場合に、記録が実行された第1面(記録面)の液体が乾燥するまで待機させる待機時間(乾燥時間)が設定されるようになっており、待機時間が経過して前記第1面が十分乾燥した後に、第2面を記録ヘッド側に向けて搬送されるように構成される場合がある。
ここで、前記吸引機構を動作させると、負圧を発生させるためのモーター等の動作による振動や音が発生する。例えば、前記搬送ローラー等の搬送手段によって媒体を搬送したり、前記記録ヘッドによる記録を実行している間は、前記搬送手段の動作や前記記録ヘッドの動作による振動や音も発生しているため、前記吸引機構由来の振動や音は気にならない。しかし、前記媒体の記録面の乾燥のための待機時間中は、前記搬送手段や前記記録ヘッドの動作が停止しているため、前記吸引機構の動作による振動や音をユーザーが不快に感じる場合がある。
また、前記吸引機構は、動作させることにより消費電力が増加してしまう。
本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、前記吸引機構の動作による振動や騒音を低減した記録装置を提供することにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る記録装置は、搬送される媒体に液体を噴射する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して配置され、複数の吸引孔を有するとともに、前記媒体を支持する支持面を備える媒体支持部と、前記複数の吸引孔に吸引力を発生させる吸引機構部と、少なくとも前記吸引機構部の動作と前記媒体の搬送に係わる動作とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記媒体への記録後に、前記媒体の搬送速度を、記録面の乾燥時間をとる速度にする第1速度制御を実行可能であり、前記制御部は、前記第1速度制御を実行する場合に、前記媒体が前記支持面によって支持されていない非支持状態での前記吸引力を、前記媒体の少なくとも一部が前記支持面によって支持されている支持状態での前記吸引力より弱くする、ことを特徴とする。
前記媒体の搬送速度を「記録面の乾燥時間をとる速度」にするとは、次の動作(例えば、記録装置の排出部からの排出や、前記記録面の反対面への記録)を行うまでの時間を長くとって乾燥させるため、通常の搬送速度(例えば記録時と等速)よりも遅い速度(低速)にすることであり、搬送速度をゼロにする、すなわち、媒体の移動を停止させる場合を含むものとする。
また、「前記吸引機構部による吸引力が弱い」とは、吸引力がゼロ、すなわち、前記吸引機構部が停止している場合を含むものとする。
本態様によれば、前記制御部は、前記媒体への記録後に、前記媒体の搬送速度を、記録面の乾燥時間をとる速度にする第1速度制御を実行可能であり、前記制御部は、前記第1速度制御を実行する場合に、前記媒体が前記支持面によって支持されていない非支持状態での前記吸引力を、前記媒体の少なくとも一部が前記支持面によって支持されている支持状態での前記吸引力より弱くするので、前記媒体の記録面の乾燥のための待機中における、前記吸引機構部の動作由来の振動や騒音を抑制することができる。加えて、前記吸引機構部を動作させることによる消費電力を低減することができる。
記録後の前記媒体は、記録面を外側、非記録面を内側にして湾曲する場合があるが、前記第1速度制御を実行する場合に、前記媒体の少なくとも一部が前記媒体支持部の前記支持面によって支持されている支持状態である場合には、より強い吸引力により媒体を吸引し、前記媒体が前記支持面から浮き上がることを抑制することができる。以って、前記媒体が前記支持面から浮き上がることにより生じるヘッド擦れや、紙ジャムの発生の虞を低減できる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、正転及び逆転の双方に回転可能に構成され、前記記録ヘッドに対して前記正転時の媒体搬送方向上流側に配置される搬送ローラー対と、逆転する前記搬送ローラー対により前記媒体搬送方向とは逆方向に搬送される前記媒体を受け入れて、前記媒体を反転させる反転部と、を備え、前記制御部は、前記媒体の第1面への記録後に前記第1面に対し反対側の第2面に記録を行う両面記録を行う場合に、前記第1速度制御を実行する、ことを特徴とする。
本態様によれば、両面記録を行う場合に、第1の態様と同様の作用効果が得られる。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記搬送ローラー対の回転軸の軸線方向から見て、前記搬送ローラー対のニップ点における接線は、前記媒体支持部の前記支持面と交差する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記搬送ローラー対の回転軸の軸線方向から見て、前記搬送ローラー対のニップ点における接線は、前記媒体支持部の前記支持面と交差するので、前記搬送ローラー対が、前記媒体を前記媒体支持部の前記支持面に押し付けつつ搬送する構成とすることができる。以って、前記支持面上を搬送される前記媒体の浮き上がりを抑制することができる。
特に、前記媒体の第1面への記録後、当該媒体は、前記第1面が外側、第2面側が内側となるようにカールする場合がある。前記搬送ローラー対が、前記媒体を前記媒体支持部の前記支持面に押し付けつつ搬送する構成であることにより、前記搬送ローラー対によって搬送される間、前記媒体の前記カールを矯正するような癖付け(デカール)を行うことができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記記録ヘッドに対して、前記搬送ローラー対の正転時の媒体搬送方向下流側に配置される排出ローラー対を備え、前記排出ローラー対の回転軸の軸線方向から見て、前記排出ローラー対のニップ点における接線は、前記媒体支持部の前記支持面と交差する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記排出ローラー対の回転軸の軸線方向から見て、前記排出ローラー対のニップ点における接線は、前記媒体支持部の前記支持面と交差するので、前記排出ローラー対が、前記媒体を前記媒体支持部の前記支持面に押し付けつつ搬送する構成とすることができる。以って、前記支持面上を搬送される前記媒体の浮き上がりを抑制することができる。
また、前記排出ローラー対によって搬送される間、前記第1面が外側、第2面側が内側となるようにカールした媒体を矯正するような癖付け(デカール)を行うことができる。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記支持状態は、前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対のいずれか一方によって挟持されている第1支持状態と、前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対の双方によって挟持されている第2支持状態と、を含み、前記制御部は、前記第1支持状態での前記吸引力を、前記第2支持状態での前記吸引力より強くする、ことを特徴とする。
前記媒体が前記搬送ローラー対または前記排出ローラー対のいずれか一方によって挟持されている第1支持状態である場合、前記媒体の一方側の端部が前記支持面上において自由端となり、浮き上がり易い。
本態様によれば、前記制御部は、前記第1支持状態での前記吸引力を、前記第2支持状態での前記吸引力より強くするので、前記媒体の前記支持面上における浮き上りをより確実に抑制できる。
本発明の第6の態様は、第4の態様において、前記支持状態は、前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対のいずれか一方によって挟持されている第1支持状態と、前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対の双方によって挟持されている第2支持状態と、を含み、前記制御部は、前記第2支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くする、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部は、前記第2支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くするので、前記媒体の記録面の乾燥のための待機中における、前記吸引機構部の動作由来の振動や騒音を抑制することができる。また、前記吸引機構部を動作させることによる消費電力を低減することができる。
本発明の第7の態様は、第1の態様から第6の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記媒体に対する前記記録ヘッドからの前記液体の噴射量が所定の閾値未満である場合に、前記支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くする、ことを特徴とする。
前記媒体に対する前記記録ヘッドからの前記液体の噴射量が所定の閾値未満である場合、前記媒体に液体が吸収されることにより生じる前記媒体のカールは少なくなる。
本態様によれば、前記媒体に対する前記記録ヘッドからの前記液体の噴射量が所定の閾値未満であり、記録後の媒体のカールが少ない場合に、前記支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くするので、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引機構部の動作由来の振動や騒音を抑制することができる。また、前記吸引機構部を動作させることによる消費電力を低減することができる。
本発明の第8の態様は、第1の態様から第7の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第1速度制御を実行する場合に、前記媒体が前記非支持状態である場合に前記吸引機構部による吸引を停止する、ことを特徴とする。
本態様によれば、より効果的に振動や騒音を抑制し、消費電力の低減を図ることができる。
本発明の第7の態様に係る記録装置は、搬送される媒体に液体を噴射する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して配置され、複数の吸引孔を有するとともに、前記媒体を支持する支持面を備える媒体支持部と、前記複数の吸引孔に吸引力を発生させる吸引機構部と、少なくとも前記吸引機構部の動作と前記媒体の搬送に係わる動作とを制御する制御部と、正転及び逆転の双方に回転可能に構成され、前記記録ヘッドに対して前記正転時の媒体搬送方向上流側に配置される搬送ローラー対と、逆転する前記搬送ローラー対により前記媒体搬送方向とは逆方向に搬送される前記媒体を受け入れて、前記媒体を反転させる反転部と、を備え、前記制御部は、前記記録ヘッドによる記録領域側から前記媒体を前記反転部に送るバックフィード動作を実行可能であり、前記媒体の第1面への記録後に前記第1面に対し反対側の第2面に記録を行う両面記録のために前記バックフィード動作を実行する場合に、前記媒体の前記第1面に対する前記記録ヘッドからの前記液体の噴射量が所定の閾値以上である場合、前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力以上にして前記搬送ローラー対を逆転し、前記媒体が前記搬送ローラー対による挟持から外れたら、前記吸引力を前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くする、ことを特徴とする。
本態様によれば、両面記録のために前記バックフィード動作を実行する場合に、前記媒体の前記第1面に対する前記記録ヘッドからの前記液体の噴射量が所定の閾値以上である場合、前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力以上にして前記搬送ローラー対を逆転させるので、前記吸引機構部による強い吸引力より効果的に媒体のカールを抑制しつつ媒体のバックフィードを行うことができる。
また、前記媒体が前記搬送ローラー対による挟持から外れたら、前記吸引力を前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くするので、前記媒体が前記搬送ローラー対による挟持から外れた後、前記吸引機構部の動作由来の振動や騒音を抑制することができる。また、前記吸引機構部を動作させることによる消費電力を低減することができる。
本発明に係るプリンターの概略構成図。 図1の要部拡大図。 媒体支持部の平面図。 制御部が行う制御内容を示すフローチャート。 用紙への記録を行う際の用紙搬送状態を示す図。 バックフィード動作を行う際の用紙搬送状態を示す図。 第1速度制御を実行する場合の吸引機構部の吸引力制御の内容を示すフローチャート。
[第1実施形態]
まず、本発明の一実施形態に係る記録装置の概略について説明する。記録装置の一例として、インクジェットプリンター1(以下、単にプリンター1という)を例に挙げる。
図1は、本発明に係るプリンターの概略構成図である。図2は、図1の要部拡大図である。図3は、媒体支持部の平面図である。図4は、制御部が行う制御内容を示すフローチャートである。図5は、用紙への記録を行う際の用紙搬送状態を示す図である。図6は、バックフィード動作を行う際の用紙搬送状態を示す図である。図7は、第1速度制御を実行する場合の吸引機構部の吸引力制御の内容を示すフローチャートである。
尚、各図において示すX−Y−Z座標系は、X方向が記録ヘッドの走査方向であり、記録が行われる媒体の幅方向である。Y方向が装置奥行き方向であり、媒体の長さ方向である。Z方向は重力方向であり、装置高さ方向である。また、+Y方向側を装置前面側とし、−Y方向側を装置背面側とする。また、装置前面側から見て左側を+X方向、右側を−X方向とする。装置前面を左側に向けて装置側面側から見た図である図1においては、紙面を正面視して奥側が+X方向、手前側が−X方向である。また、+Z方向を装置上方(上部、上面等を含む)とし、−Z方向側を装置下方(下部、下面等を含む)とする。
また本明細書において、プリンター1において用紙が搬送されていく搬送方向を「下流」といい、これと反対の方向を「上流」という。
■■■プリンターの概要とプリンターにおける用紙搬送経路■■■
プリンター1(図1)は、装置外観を構成する筐体2を備えて構成され、筐体2の内部に「媒体」としての用紙に記録を行う記録ヘッド10を含む各種構成部を備えている。
プリンター1において記録が行われる用紙としては、一例として普通紙や厚紙、写真用紙等が挙げられる。
プリンター1は、記録機能だけでなく、例えば、原稿の読み取り機能、すなわち、スキャナー部(図示省略)を備える複合機として構成することもできる。前記スキャナー部は、一例として、筐体2の上部に設けることができる。
続いて、図1を参照して、プリンター1における用紙搬送経路について説明する。尚、図1において、破線Sが後述する用紙トレイ3をからの用紙搬送経路を示している。
プリンター1は、底部に複数の用紙Pを収容する用紙トレイ3を備え、用紙トレイ3から用紙Pが1枚ずつ給送される。
用紙Pは、用紙トレイ3から給送ローラー4(ピックアップローラーとも言う)により一旦装置背面側(−Y方向)に送られる。給送ローラー4によって複数枚の用紙がピックアップされた場合には分離ローラー対5によって一枚に分離され、第1中間ローラー6に向けて搬送される。用紙は第1中間ローラー6によって湾曲されて装置前面側(+Y方向)に送られ、更に第2中間ローラー7によって搬送ローラー対11に向けて送られる。
尚、図1において符号8a、8bは、第1中間ローラー6の回転に従動回転する従動ローラーである。符号9a、9bは、第2中間ローラー7の回転に従動回転する従動ローラーである。
第2中間ローラー7の下流側には搬送ローラー対11が設けられている。搬送ローラー対11は、駆動源19によって駆動されている。駆動源19の動作は後述する制御部18によって制御されている。
また、搬送ローラー対11は、正転及び逆転の双方に回転可能に構成されている。尚、以下において、搬送ローラー対11が用紙を+Y方向に搬送するときの回転方向(図1の紙面を正面視して反時計回り)を正転といい、用紙を−Y方向に搬送するときの回転方向(図1の紙面を正面視して時計回り)を逆転という。
言い換えると、搬送ローラー対11は、記録ヘッド10に対して前記正転時の媒体搬送方向上流側に配置されている。
用紙Pは正転する搬送ローラー対11によって記録ヘッド10の下へと送られる。
記録ヘッド10は、媒体搬送方向(Y軸方向)と交差する幅方向(X軸方向)に移動可能に構成されるキャリッジ13に保持されており、記録ヘッド10による記録領域Kに送られる用紙に対して「液体」としてのインクを噴射することにより記録が行われるように構成されている。記録ヘッド10へのインクの供給は、例えばキャリッジ13に搭載されるインクカートリッジ(図示省略)から行う場合の他、筐体2の内部または外部に設けられるインクタンク(図示省略)からチューブを介して行うことができる。
記録ヘッド10の下方、すなわち記録ヘッド10に対向する位置には、用紙を支持する支持面15を備える媒体支持部14が設けられている。媒体支持部14は、支持面15に複数の吸引孔16を有している。吸引孔16は、吸引機構部20に連通しており、吸引機構部20を動作させることにより複数の吸引孔16に吸引力を発生させるように構成されている。複数の吸引孔16から吸引されることにより、用紙Pは媒体支持部14の支持面15に吸着され、支持面15上において安定した姿勢をとることができる。
尚、媒体支持部14と吸引機構部20のより具体的な構成と動作については、後で説明する。
記録ヘッド10の下流側(+Y方向)には、排出ローラー対12が設けられている。本実施形態においては、排出ローラー対12は、搬送ローラー対11と共通の駆動源19によって駆動されている。
尚、駆動源19は、給送ローラー4、分離ローラー対5、第1中間ローラー6、及び第2中間ローラー7のいずれか、或いは全部を駆動するように構成することができる。勿論、これらを駆動する他の駆動源を設けることも可能である。
記録ヘッド10による記録後の用紙Pは、排出ローラー対12に挟持(ニップ)されて、装置前面側に設けられる排紙トレイ17に排出される。
排出ローラー対12も搬送ローラー対11と同様に、正転及び逆転の双方に回転可能に構成されている。以下、排出ローラー対12が用紙を+Y方向に搬送するときの回転方向(図1の紙面を正面視して反時計回り)を正転といい、用紙を−Y方向に搬送するときの回転方向(図1の紙面を正面視して時計回り)を逆転という。
本実施形態において、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12は、用紙Pを媒体支持部14の支持面15に押し付けつつ搬送する構成である。
より具体的には、図2に示すように、搬送ローラー対11の回転軸23a、23bの軸線方向、すなわち、X軸方向から見て、搬送ローラー対11のニップ点N1における接線E1は、媒体支持部14の支持面15と交差する。また、排出ローラー対12の回転軸24a、24bの軸線方向、すなわち、X軸方向から見て、排出ローラー対12のニップ点N2における接線E2は、媒体支持部14の支持面15と交差する。
また、別の観点で言うと、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12は、図2に示すように、搬送ローラー対11を構成する搬送駆動ローラー11aと搬送従動ローラー11bの双方の回転軸(回転軸23aと回転軸23b)を結んだ軸線D1と、排出ローラー対12を構成する排出駆動ローラー12aと排出従動ローラー12bの双方の回転軸(回転軸24aと回転軸24b)を結んだ軸線D2が、それぞれ媒体支持部14側に傾くように設けられている。
この構成により、搬送ローラー対11のニップ点N1と排出ローラー対12のニップ点N2との間で、用紙Pが媒体支持部14の支持面15に押し付けられる(図2)。以って、支持面15上で用紙Pが浮き上がることを抑制し、用紙Pが記録ヘッドに接触する虞を低減できる。
特に、記録後の用紙Pは、記録面が外側、非記録面側が内側となるようにカールする場合がある。搬送ローラー対11及び排出ローラー対12が、用紙Pを媒体支持部14の支持面15に押し付けつつ搬送する構成であることにより、用紙Pに前記カールを矯正するような癖付け(デカール)を行うことができる。
また、プリンター1は、用紙Pの第1面への記録後に前記第1面に対し反対側の第2面に記録を行う両面記録が可能に構成されている。プリンター1は、逆転する搬送ローラー対11により媒体搬送方向とは逆方向に搬送される用紙Pを受け入れて、用紙Pを反転させる「反転部」の一部を構成する、スイッチバック経路R(図1において一点鎖線で示す)を備えている。スイッチバック経路Rは、第2中間ローラー7と第1中間ローラー6の下方を通って、従動ローラー8aの手前で用紙搬送経路Sに合流している
第1面(おもて面)への記録が終了した用紙は、後述する制御部18が、記録ヘッド10による記録領域K側から用紙Pをスイッチバック経路Rに送るバックフィード動作を行うことにより−Y軸方向に送られて、スイッチバック経路Rを通り、再度第1中間ローラー6によって反転されつつ、用紙搬送経路Sを搬送されるように構成されている。前記バックフィード動作が行われる際、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12が逆回転される。つまり、本実施形態においては、スイッチバック経路Rから用紙搬送経路Sに入り、第1中間ローラー6による搬送が行われて用紙が反転される経路が「反転部」である。
用紙Pが反転されると、用紙Pは第2面(裏面)が上に向いた状態で記録ヘッド10の下方に送られて、前記第2面への記録が行われる。
プリンター1において、記録に係わる動作は制御部18によって制御されている。制御部18は、例えば、用紙の搬送に係わる動作、すなわち搬送ローラー対11等の各種ローラーの駆動や、吸引機構部20の吸引動作、記録ヘッド10によるインクの噴射、キャリッジ13の移動等を制御する。
制御部18による用紙の搬送に係わる動作の制御と、吸引機構部20の動作の制御については、以下において媒体支持部14と吸引機構部20の構成について説明した後に説明する。
■■■媒体支持部及び吸引機構部について■■■
以下、図2及び図3を参照して媒体支持部14と吸引機構部20について説明する。
前述したように媒体支持部14には、支持面15に複数の吸引孔16が設けられている。図3に示すように、複数の吸引孔16は、媒体搬送方向(Y方向)と媒体幅方向(X方向)に間隔を空けて支持面15に設けられている。吸引孔16は、媒体支持部14の下方に設けられる吸引機構部20(図2)に連通している。
尚、図3において複数の吸引孔16は、媒体搬送方向(Y方向)と媒体幅方向(X方向)のそれぞれにおいて等間隔に設けられているが、例えば、媒体幅方向(X方向)における位置を、用紙の規格(A4サイズ、B5サイズ等)に対応するように配してもよい。
吸引機構部20は、本実施形態においては回転羽根21を有する吸引ファンであり、回転羽根21を回転させることにより、図2における矢印A方向に向けて風が発生する。
そして、吸引機構部20を動作させると、複数の吸引孔16に用紙Pを支持面15に吸着させる吸引力が発生する。用紙Pは、媒体支持部14の支持面15に吸着されることにより、支持面15上において浮き上がることが抑制され、安定した姿勢をとることができる。
吸引機構部20はモーター等の駆動源22(図1)により駆動され、駆動源22を制御部18が制御することにより、吸引機構部20による吸引力を調整可能に構成されている。
吸引機構部20による吸引力の強弱は、本実施形態のように吸引機構部20が吸引ファンである場合には、回転羽根21の回転数を上げることにより吸引力を強め、回転羽根21の回転数を下げることにより吸引力を弱めることができる。
吸引機構部20としては吸引ファンの他、例えば、吸引ポンプを用いることができる。吸引機構部20が吸引ポンプである場合には、吸引ポンプの出力を上げることにより吸引力を強め、吸引ポンプの出力を下げることにより吸引力を弱めることができる。
また、媒体支持部14には、一部の吸引孔16を閉じる開閉機構(不図示)を設けることができる。複数の吸引孔16は、プリンター1において記録可能な最大サイズの用紙(図3において用紙P1)の媒体幅方向(X方向)の端部を吸引できるように、支持面15のほぼ全域に亘って設けられている。しかし、記録可能な最大サイズの用紙P1よりも小さいサイズの用紙P2を搬送する際には、図3に示すように、前記媒体幅方向の端部側の吸引孔16a上には用紙P2がなく、開放状態になる。
開放状態の吸引孔16aがあると、空気を吸い込む音が騒音となる場合や、用紙P2の下に位置して用紙P2を吸引する吸引孔16bにおける吸引力が下がる場合がある。
このような場合に、前記開閉機構により不要な吸引孔16aを閉じることにより、吸引孔16aからの吸引に由来する騒音や吸引孔16bの吸引力の低下を抑制できる。
前記開閉機構は、すべての吸引孔16を閉じることが可能に構成することもできる。
■■■制御部による制御について■■■
<<<第1速度制御について>>>
用紙Pに対する記録動作の完了後、次の動作を行うにあたり、記録面のインクが乾いていないと、以下のような不具合が生じる場合がある。
例えば、複数枚の用紙に対して連続して記録を行う場合に、記録面のインクが乾いていない状態のまま排紙トレイ17への排出を行うと、先に排出された用紙の記録面が、後から排出されて重ねられる後続の用紙によって擦られ、記録画像が乱れたり、前記後続の用紙にインクが付着して汚れたりする場合がある。
また、両面記録を行う場合に、第1面のインクが乾いていない状態で反転させ、第2面への記録を行うと、前記第1面のインクが各種ローラーや媒体支持部14等の構成部に付着し、前記第1面への記録画像が乱れることに加え、前記構成部に付着したインクで後続の用紙が汚れる虞がある。
これを抑制するため、制御部18は、用紙Pへの記録後に、用紙Pの搬送速度を、記録面の乾燥時間をとる速度にする第1速度制御を実行可能に構成されている。
用紙Pの搬送速度を「記録面の乾燥時間をとる速度にする」とは、具体的には、記録後に次の動作に移るまでの時間を長くとって前記記録面を乾燥させるため、通常の搬送速度(例えば記録時と等速)よりも低速にすることである(速度ゼロにする、すなわち停止させる場合も含む)。
本実施形態においては、記録のためのインクの噴射量が多く、記録面が乾きにくい状態である場合に、第1速度制御を実行する。
具体的な例を挙げて説明すると、図4のフローチャートに示すように、制御部18は、記録面へのインクの噴射量が閾値T1を超えるか否かを判断し(ステップS1)、閾値T1を超えた場合(ステップS1においてYESの場合)に、第1速度制御を実行する(ステップS2)。
閾値T1を設定する前記インクの噴射量は、例えば、一枚の用紙に対する単位面積当たりのインク噴射量、一枚の用紙全体に対するインク噴射量、一枚の用紙のうちの所定領域におけるインク噴射量等を用いることができる。
また、制御部18がステップS1をスタートするタイミングは、記録が終了するタイミングの他、画像データから算出されるインク噴射量に基づいて、記録前でもよい。
ステップS1においてNOと判断される場合は、記録面へのインク噴射量が少なく、そのまま搬送して次の動作に移っても、その搬送中に記録面が乾くので、第1速度制御を行わず、つまり記録面の乾燥時間をとらずに前記次の動作を行うための所定位置に用紙を搬送する。
例えば、両面記録を行う場合の第1面への記録後であれば、第2面の記録位置へ搬送し、両面記録の第2面への記録後、或いは片面記録後の場合は、排紙トレイへ搬送する。
ここで、前記第1速度制御を実行する場合、搬送速度は低速(停止も含む)であるため搬送ローラー対11等の各種ローラーの駆動音が小さくなる。また記録を行っていないのでキャリッジ13は停止しており、キャリッジ13の移動音もない。そのため、吸引機構部20の駆動音や振動、吸引孔16から空気が吸引される音などが大きく目立ち、ユーザーに騒音や振動として不快感を与える場合がある。
そこで、第1速度制御を実行する場合に、吸引機構部20による吸引力を、媒体支持部14の支持面15に用紙Pが支持されているか否かに応じて制御する点が本発明の特徴である。以下において、制御部18による、第1速度制御を実行する場合における吸引機構部20の具体的な制御について説明する。
<<<第1速度制御を実行する場合の吸引力制御>>>
図5及び図6を参照して、第1速度制御を実行する場合の吸引機構部20の制御について説明する。はじめに、図5及び図6の各図に示す用紙Pの搬送状態について説明する。
図5の上図から下図までは、用紙Pへの記録を行う際の用紙搬送状態を示しており、用紙Pは+Y方向に搬送されている。図5の各図において、矢印Bは用紙搬送方向を示している。
記録を行っている間、用紙Pは少なくとも一部が媒体支持部14の支持面15に支持されている。用紙Pの少なくとも一部が支持面15に支持される図5の上図から下図までの状態を、以下において、用紙Pの「支持状態」と言う。これに対し、用紙Pが媒体支持部14の支持面15に支持されていない状態(例えば、図6の下図)を、以下において用紙Pの「非支持状態」という。
また、図5の上図から下図までの前記支持状態のうち、図5の上図では、用紙Pが搬送ローラー対11にのみ挟持されている。また、図5の下図では、用紙Pが排出ローラー対12にのみ挟持されている。
このように、用紙Pが搬送ローラー対11か排出ローラー対12のいずれか一方によって挟持されている状態を、以下において「第1支持状態」という。
一方、図5の中図のように、用紙Pが搬送ローラー対11と排出ローラー対12の双方に挟持されている状態を、以下において「第2支持状態」という。
図6は、用紙Pの第1面への記録(図5)を行った後、両面記録のために用紙Pをバックフィードして反転させる様子を示している。図6において用紙Pは−Y方向に搬送されており、矢印Cは用紙の搬送方向を示している。
図6の上図は、図5の下図の状態(第1支持状態)から前記バックフィード動作が実行され、用紙Pが搬送ローラー対11と排出ローラー対12の双方に挟持されている状態(第2支持状態)である。図6の中図は、図6の上図の状態から更に−Y方向にバックフィードされて、用紙Pが搬送ローラー対11にのみ挟持されている状態(第1支持状態)である。図6の下図において、用紙P(実線で示す)は、図6の中図の状態から更に−Y方向にバックフィードされて、前記非支持状態になっている。尚、図6の下図において破線で示す用紙Pは、前記非支持状態にある用紙Pの搬送位置の他の例を示している。
ここで、両面記録を行う場合に、図5に示す用紙Pの流れで用紙Pの第1面への記録を行った後、制御部18が、図4のフローチャートに従って前記第1速度制御を実行すると判断した場合、用紙Pが反転されて第2面を上にして記録ヘッド10の記録領域K(図1)に送られるまでの間に、前記第1速度制御が実行される。
つまり、図5の下図の状態から逆転搬送され、図6の上図から下図までの搬送状態を経て、第2面を上にして媒体支持部14の支持面15に支持される状態(例えば図5の上図)までの間、用紙Pの搬送速度が記録時よりも低速(停止される場合も含む)になる。
このとき、制御部18は、用紙Pが支持面15によって支持されていない非支持状態での吸引機構部20の前記吸引力を、用紙Pの少なくとも一部が支持面15によって支持されている支持状態での前記吸引力より弱くする。
すなわち、用紙Pの第1面への記録後、用紙Pが図6の下図の状態にある場合の前記吸引力を、用紙Pが図5の下図の状態、図6の上図の状態、及び図6の中図の状態にある場合の吸引機構部20の前記吸引力よりも弱くする。
尚、用紙Pが前記支持状態である場合の吸引機構部20の吸引力は、一例として記録時における前記吸引力と同程度にすることができる。また、記録時における前記吸引力以上にすることも可能である。
言い換えると、制御部18は、両面記録のために前記バックフィード動作を実行する場合に、用紙Pの第1面に対する記録ヘッド10からのインクの噴射量が所定の閾値T1以上である場合、前記吸引力を、用紙Pへの記録時における前記吸引力以上にして搬送ローラー対11を逆転し(図6の上図、図6の中図)、用紙Pが前記搬送ローラー対11による挟持から外れたら(図6の下図)、前記吸引力を用紙Pへの記録時における前記吸引力よりも弱くする。
このように吸引機構部20の吸引力を制御することにより、以下の作用効果が得られる。すなわち、制御部18は、前記第1速度制御を実行する場合に、用紙Pの前記非支持状態(図6の下図)での前記吸引力を、用紙Pの前記支持状態(図5の下図、図6の上図、図6の中図)での前記吸引力より弱くするので、用紙Pの記録面の乾燥のための待機中における、吸引機構部20の動作に由来する振動や騒音を抑制することができる。加えて、吸引機構部20を動作させることによる消費電力を低減することができる。
また、記録後の用紙Pは、記録面側がインクを吸収して膨張するため、記録面を外側、非記録面を内側にして湾曲する場合があるが、前記第1速度制御を実行する場合に、用紙Pが前記支持状態である場合には、前記非支持状態の場合よりも強い吸引力により用紙Pを吸引し、用紙Pが支持面15から浮き上がることを抑制することができる。以って、用紙Pが支持面15から浮き上がって記録ヘッド10に接触したり、用紙浮きによって紙ジャムが発生したりする虞を低減できる。
また、用紙Pが前記非支持状態である場合の前記吸引力は、用紙Pが前記支持状態である場合の前記吸引力よりも弱ければよく、吸引力ゼロ、すなわち吸引機構部20による吸引を停止することもできる。前記第1速度制御を実行する場合に、用紙Pが前記非支持状態である場合、制御部18が吸引機構部20による吸引を停止することにより、一層振動や騒音を抑制するとともに、消費電力の低減を図ることができる。
図7に、制御部18が第1速度制御を実行する場合における、吸引機構部20の吸引力の制御の流れを示す。
第1速度制御(図4)をスタートさせると、制御部18は、ステップS11において、用紙Pの搬送位置が支持状態であるか否か(非支持状態であるか)を判断する。ステップS11においてYESの場合、用紙Pは支持状態であるので、制御部18は駆動源22を制御して吸引機構部20の吸引力を所定の吸引力(例えば記録時と同程度)に維持する。
また、ステップS11においてNOの場合、用紙Pは非支持状態であるので、制御部18は駆動源22を制御して吸引機構部20の吸引力をステップS12において制御する前記吸引力よりも弱める(ステップS13)。
吸引機構部20の吸引力の制御後、記録時よりも低速(停止も含む)で用紙を搬送する(ステップS14)。低速の搬送或いは搬送の停止により、用紙の乾燥に十分な時間が経過したら(ステップS15においてYES)、第1速度制御を終了する。
用紙の乾燥に十分な時間が経過しない(ステップS15においてNO)間は、ステップS11に戻り、用紙Pが前記支持状態か前記非支持状態かに応じた前記吸引力の制御を行いつつ、第1速度制御を継続する。
尚、上記においては、両面記録を行う場合であって、第1面の記録後に用紙Pを反転する間に前記第1速度制御を実行する場合について説明したが、例えば、片面記録や両面記録の第2面の記録後においては、記録が終わった図5の下図の状態から排紙トレイ17に排出されるまでの間に前記第1速度制御を行うことができる。
両面記録を行う際に、第1面の記録後に前記第1速度制御を実行する場合、用紙Pがスイッチバック経路R(図1)から用紙搬送経路Sに入り、第1中間ローラー6により反転されて第2面を上にして記録領域K(図1)に到達するまで、媒体支持部14上に用紙Pが無い非支持状態となる。この非支持状態となる搬送距離、搬送時間は比較的長い。したがって、用紙Pが前記非支持状態となる間に前記吸引力を弱くすることにより、吸引機構部20の動作由来の振動や騒音の抑制を効果的に実現できる。
尚、記録後の用紙Pをそのまま排紙トレイ17に排出可能な片面記録や両面記録の第2面の記録後に、用紙Pを反転させつつ前記第1速度制御を行って記録面を乾燥させた後、記録ヘッド10の下方を記録動作を行わずに通過させ、排紙トレイ17に排出してもよい。
また、図7に示すフローチャートを用いて説明した第1速度制御では、用紙Pが前記支持状態であるときの前記吸引力を、記録時と同程度に維持する(図7においてステップS12)としたが、以下のような場合には、前記支持状態での前記吸引力(ステップS12において制御する吸引力)について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、用紙Pへの記録時における前記吸引力よりも弱くすることができる。
すなわち、用紙Pに対する記録ヘッド10からのインクの噴射量が所定の閾値T2未満(閾値T2は、第1速度制御を実行するか否かを決める閾値T1よりも大きい値である)である場合に、制御部18は、ステップS12(図7)において制御する前記吸引力を、用紙Pへの記録時における前記吸引力よりも弱くする。
用紙Pに対する記録ヘッド10からのインクの噴射量が所定の閾値T2未満である場合、用紙Pにインクが吸収されて膨張することにより生じる、記録面が外側になるような用紙Pのカールは少なくなる。カールが少なければ用紙Pの浮き上がりも少ないので、弱い吸引力で支持面15に用紙Pを吸着することができる。
したがって、用紙Pへのインクの噴射量が所定の閾値T2未満であり、記録後の用紙Pのカールが少なくなる場合に、図7のステップS12における前記吸引力を、用紙Pへの記録時における前記吸引力よりも弱くすることにより、前記第1速度制御を実行する場合における吸引機構部20の動作由来の振動や騒音を一層抑制することができる。また、吸引機構部20を動作させることによる消費電力も更に低減することができる。
[第2実施形態]
本実施形態では、制御部18が、第1速度制御を実行する場合の吸引機構部20の吸引力制御の他の例について説明する。
第1実施形態において説明した様に、前記支持状態には、用紙Pが搬送ローラー対11及び排出ローラー対12のいずれか一方によって挟持されている第1支持状態(図5の上図、図5下図)と、用紙Pが搬送ローラー対11及び排出ローラー対12の双方によって挟持されている第2支持状態(図5の中図、図6の上図)と、がある。
制御部18は、用紙Pの前記支持状態のうち、前記第1支持状態であるか前記第2支持状態であるかに応じて吸引機構部20の吸引力を変える制御を行うことができる。
<<<第1支持状態の場合>>>
より具体的には、制御部18は、前記第1支持状態での前記吸引力を、前記第2支持状態での前記吸引力より強くする。
用紙Pが前記第1支持状態である場合、用紙Pの一方側の端部が支持面15上において自由端となるため、用紙Pが浮き上がり易い。
制御部18が、前記第1支持状態での前記吸引力を、前記第2支持状態での前記吸引力より強くすることにより、用紙Pの支持面15上における浮き上がりを、より確実に抑制できる。
尚、本構成(第1支持状態での吸引力>第2支持状態での吸引力)は、第1速度制御を実行する場合に限られず、記録時にも適用できる。
<<<第2支持状態の場合>>>
更に、制御部18は、前記第2支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、用紙Pへの記録時における前記吸引力よりも弱くする制御を行うことができる。
前記第2支持状態は、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12の双方によって挟持されている。本実施形態においては、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12のそれぞれが、挟持した用紙Pを媒体支持部14の支持面15に押し付けるように構成されているので、前記第2支持状態は、用紙Pが支持面15上で浮き上り難い構成である。
このため、前記第2支持状態での前記吸引力をある程度弱くしても、用紙浮きが生じる虞は少ない。
制御部18が、前記第2支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、用紙Pへの記録時における前記吸引力よりも弱くする制御を行うことにより、吸引機構部20の動作由来の振動や騒音を抑制するとともに、消費電力を低減することができる。
1…インクジェットプリンター(記録装置)、2…筐体、3…用紙トレイ、
4…給送ローラー、5…分離ローラー対、6…第1中間ローラー、
7…第2中間ローラー、8a、8b…従動ローラー、9a、9b…従動ローラー、
10…記録ヘッド、11…搬送ローラー対、12…排出ローラー対、
13…キャリッジ、14…媒体支持部、15…支持面、16…吸引孔、
17…排紙トレイ、18…制御部、19…駆動源、20…吸引機構部、
21…回転羽根、22…駆動源、23a、23b…回転軸、
24a、24b…回転軸、P、P1、P2…用紙

Claims (9)

  1. 搬送される媒体に液体を噴射する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに対向して配置され、複数の吸引孔を有するとともに、前記媒体を支持する支持面を備える媒体支持部と、
    前記複数の吸引孔に吸引力を発生させる吸引機構部と、
    少なくとも前記吸引機構部の動作と前記媒体の搬送に係わる動作とを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記媒体への記録後に、前記媒体の搬送速度を、記録面の乾燥時間をとる速度にする第1速度制御を実行可能であり、
    前記制御部は、前記第1速度制御を実行する場合に、前記媒体が前記支持面によって支持されていない非支持状態での前記吸引力を、前記媒体の少なくとも一部が前記支持面によって支持されている支持状態での前記吸引力より弱くする、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、
    正転及び逆転の双方に回転可能に構成され、前記記録ヘッドに対して前記正転時の媒体搬送方向上流側に配置される搬送ローラー対と、
    逆転する前記搬送ローラー対により前記媒体搬送方向とは逆方向に搬送される前記媒体を受け入れて、前記媒体を反転させる反転部と、を備え、
    前記制御部は、前記媒体の第1面への記録後に前記第1面に対し反対側の第2面に記録を行う両面記録を行う場合に、前記第1速度制御を実行する、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、
    前記搬送ローラー対の回転軸の軸線方向から見て、前記搬送ローラー対のニップ点における接線は、前記媒体支持部の前記支持面と交差する、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項3に記載の記録装置において、
    前記記録ヘッドに対して、前記搬送ローラー対の正転時の媒体搬送方向下流側に配置される排出ローラー対を備え、
    前記排出ローラー対の回転軸の軸線方向から見て、前記排出ローラー対のニップ点における接線は、前記媒体支持部の前記支持面と交差する、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項4に記載の記録装置において、前記支持状態は、前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対のいずれか一方によって挟持されている第1支持状態と、
    前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対の双方によって挟持されている第2支持状態と、を含み、
    前記制御部は、前記第1支持状態での前記吸引力を、前記第2支持状態での前記吸引力より強くする、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項4に記載の記録装置において、前記支持状態は、前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対のいずれか一方によって挟持されている第1支持状態と、
    前記媒体が前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対の双方によって挟持されている第2支持状態と、を含み、
    前記制御部は、前記第2支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くする、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記制御部は、前記媒体に対する前記記録ヘッドからの前記液体の噴射量が所定の閾値未満である場合に、
    前記支持状態での前記吸引力について、前記第1速度制御を実行する場合における前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くする、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記制御部は、前記第1速度制御を実行する場合に、前記媒体が前記非支持状態である場合に前記吸引機構部による吸引を停止する、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 搬送される媒体に液体を噴射する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに対向して配置され、複数の吸引孔を有するとともに、前記媒体を支持する支持面を備える媒体支持部と、
    前記複数の吸引孔に吸引力を発生させる吸引機構部と、
    少なくとも前記吸引機構部の動作と前記媒体の搬送に係わる動作とを制御する制御部と、
    正転及び逆転の双方に回転可能に構成され、前記記録ヘッドに対して前記正転時の媒体搬送方向上流側に配置される搬送ローラー対と、
    逆転する前記搬送ローラー対により前記媒体搬送方向とは逆方向に搬送される前記媒体を受け入れて、前記媒体を反転させる反転部と、を備え、
    前記制御部は、前記記録ヘッドによる記録領域側から前記媒体を前記反転部に送るバックフィード動作を実行可能であり、
    前記媒体の第1面への記録後に前記第1面に対し反対側の第2面に記録を行う両面記録のために前記バックフィード動作を実行する場合に、前記媒体の前記第1面に対する前記記録ヘッドからの前記液体の噴射量が所定の閾値以上である場合、前記吸引力を、前記媒体への記録時における前記吸引力以上にして前記搬送ローラー対を逆転し、前記媒体が前記搬送ローラー対による挟持から外れたら、前記吸引力を前記媒体への記録時における前記吸引力よりも弱くする、
    ことを特徴とする記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109986891A (zh) * 2019-03-08 2019-07-09 武汉绎方信息工程有限公司 一种双面喷墨印刷系统

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