JP2019023146A - ガラス板およびガラス板の製造方法 - Google Patents

ガラス板およびガラス板の製造方法 Download PDF

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淳 伊藤
郁夫 長澤
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郁夫 長澤
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Abstract

【課題】プレ分断現象が生じにくいガラス板の製造方法。【解決手段】第1および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、接続線を介して前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程と、第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された分断用ラインを形成する工程と、を有し、前記分断用ラインは、1または2以上の製品ラインおよび1または2以上のリリースラインで構成され、前記製品ラインは、前記ガラス素材から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記分断用ラインのうち前記製品ライン以外の部分に対応し、前記分断用ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されていない、製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス板およびガラス板の製造方法に関する。
大判のガラス板から複数のガラス物品(例えばガラス製品)を分離採取するため、ガラス板にレーザを照射して、分断用の分断ラインを形成する技術が知られている(特許文献1)。この技術では、まず、レーザ照射により、ガラス板にガラス物品の最終形状に対応した分断ラインが形成される。次に、ガラス板を分断ラインに沿って分断することにより、所望の形状のガラス物品を採取することができる。
米国特許出願公開第2015/0166393号明細書 特表2013−536081号公報 米国特許出願公開第2012/0196071号明細書
本願発明者らは、前述のような分断ラインが導入されたガラス板において、しばしば、実際の分離工程よりも前の段階で、意図に反してガラス板が複数の部分に分断されてしまうことがあることに気付いた(以下「プレ分断現象」という)。
このようなプレ分断現象が生じると、以降のガラス板のハンドリングが煩雑になる上、特にガラス物品の端面に傷または割れなどが発生して、ガラス物品の品質が低下してしまうという問題が生じ得る。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、プレ分断現象が生じにくいガラス板の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明では、プレ分断現象が生じにくいガラス板を提供することを目的とする。
本発明では、ガラス板であって、
相互に対向する第1の主表面および第2の主表面と、
前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面と、
を有し、
前記第1の主表面には、複数の分断用ラインが形成されており、
前記分断用ラインは、1または2以上の製品ラインおよび1または2以上のリリースラインで構成され、前記製品ラインは、前記ガラス板から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記分断用ラインのうち前記製品ライン以外の部分に対応し、
前記分断用ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、
前記第1の主表面と前記端面の境界および前記第2の主表面と前記端面の境界を接続線と称したとき、
(I)前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されておらず、または
(II)前記第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
(i)前記第1のリリースラインは、前記製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が前記製品ラインに接続され、もしくは
(ii)前記(i)以外の形態で、前記第1のリリースラインの前記第2端部が前記製品ラインに接続されている場合、前記第1のリリースライン、1もしくは2以上の前記製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、前記第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、前記連続線分は、当該ガラス板の前記第1の主表面において、前記第1の接続線から別の接続線まで横断していない、ガラス板が提供される。
また、本発明では、ガラス板の製造方法であって、
(1)相互に対向する第1の主表面および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程と、
(2)前記ガラス素材の前記第1の主表面の側にレーザを照射することにより、前記第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された分断用ラインを形成する工程と、
を有し、
前記分断用ラインは、1または2以上の製品ラインおよび1または2以上のリリースラインで構成され、前記製品ラインは、前記ガラス素材から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記分断用ラインのうち前記製品ライン以外の部分に対応し、
前記分断用ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、
前記第1の主表面と前記端面の境界および前記第2の主表面と前記端面の境界を接続線と称したとき、
(I)前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されておらず、または
(II)前記第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
(i)前記第1のリリースラインは、前記製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が前記製品ラインに接続され、もしくは
(ii)前記(i)以外の形態で、前記第1のリリースラインの前記第2端部が前記製品ラインに接続されている場合、前記第1のリリースライン、1もしくは2以上の前記製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、前記第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、前記連続線分は、当該ガラス板の前記第1の主表面において、前記第1の接続線から別の接続線まで横断していない、製造方法が提供される。
さらに、本発明では、ガラス板の製造方法であって、
(1)相互に対向する第1の主表面および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程と、
(2)前記ガラス素材の前記第1の主表面の側にレーザを照射することにより、前記第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された製品ラインを形成する工程と、
(3)前記(2)の工程の前または前記(2)の工程の後に、前記ガラス素材の前記第1または第2の主表面にリリースラインを形成する工程と、
を有し、
前記製品ラインは、前記ガラス素材から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記製品ライン以外の部分に対応し、
前記製品ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、前記リリースラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって、または前記第2の主表面から前記第1の主表面に向かって、深さ方向に延伸し、
前記第1の主表面と前記端面の境界および前記第2の主表面と前記端面の境界を接続線と称したとき、
(I)前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されておらず、または
(II)前記第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
(i)前記第1のリリースラインは、前記製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が前記製品ラインに接続され、もしくは
(ii)前記(i)以外の形態で、前記第1のリリースラインの前記第2端部が前記製品ラインに接続されている場合、前記第1のリリースライン、1もしくは2以上の前記製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、前記第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、前記連続線分は、当該ガラス板の前記第1の主表面において、前記第1の接続線から別の接続線まで横断していない、製造方法が提供される。
本発明では、プレ分断現象が生じにくいガラス板の製造方法を提供することが可能となる。また、本発明では、プレ分断現象が生じにくいガラス板を提供することが可能となる。
従来のガラス板の概略的な斜視図である。 本発明の一実施形態によるガラス板の概略的な斜視図である。 本発明の一実施形態によるガラス板の第1の主表面に形成されたリリースラインの模式的な部分拡大図である。 本発明の一実施形態による別のガラス板の概略的な斜視図である。 リリースラインと製品ラインの関係の一例を模式的に示した図である。 リリースラインと製品ラインの関係の別の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス板における分断用ラインの一態様を示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス板における分断用ラインの一態様を示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス板における分断用ラインの一態様を示した図である。 本発明の一実施形態によるさらに別のガラス板の概略的な斜視図である。 本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法の一例を概略的に示したフロー図である。 本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法に使用されるガラス素材の一例を模式的に示した斜視図である。 ガラス素材に形成されたX方向に延伸する分断用ラインの一例を模式的に示した図である。 ガラス素材に形成された分断用ラインの形態の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス板の別の製造方法の一例を概略的に示したフロー図である。 本発明の一実施形態によるガラス板のさらに別の製造方法の一例を概略的に示したフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(従来のガラス板)
本発明の構成および特徴についてより良く理解するため、まず図1を参照して、従来のガラス板について、簡単に説明する。
図1には、従来のガラス板1の模式的な斜視図を示す。
図1に示すように、従来のガラス板1は、第1の主表面12および第2の主表面14を有する。ただし、図1では、第2の主表面14は視認できない。また、従来のガラス板1は、第1の主表面12と第2の主表面14とをつなぐ4つの端面16、17、18、19を有する。
従来のガラス板1は、第1の主表面12に、長手方向(X方向)に沿って第1の端面16から第2の端面17に至る、3本の分断用ライン20を有する。また、従来のガラス板1は、第1の主表面12に、幅方向(Y方向)に沿って第3の端面18から第4の端面19に至る、9本の分断用ライン25を有する。
これらのX方向およびY方向の分断用ライン20、25は、いずれも、レーザ照射により形成される。従って、分断用ライン20、25は、レーザ改質領域に相当する。
分断用ライン20、25は、後に従来のガラス板1からガラス物品60を分離採取するために形成される。すなわち、分断用ライン20、25が、後に分離されるガラス物品60の輪郭線を形成する。
ただし、X方向の分断用ライン20は、ガラス物品60のX方向の輪郭線に対応する部分(「X方向の製品ライン30」という)に加えて、X方向のリリースライン32を有する。同様に、Y方向の分断用ライン25は、ガラス物品60のY方向の輪郭線に対応する部分(「Y方向の製品ライン35」という)に加えて、Y方向のリリースライン37を有する。
X方向の分断用ライン20のうち左側のX方向のリリースライン32は、第1の端面16から延伸して、X方向の製品ライン30と合流する。また、X方向の分断用ライン20のうち右側のX方向のリリースライン32は、第2の端面17から延伸して、X方向の製品ライン30と合流する。その結果、X方向の製品ライン30およびX方向のリリースライン32により、第1の端面16から第2の端面17まで延伸するX方向の分断用ライン20が構成される。
同様に、Y方向の分断用ライン25のうち下側のY方向のリリースライン37は、第3の端面18から延伸して、Y方向の製品ライン35と合流する。また、Y方向の分断用ライン25のうち上側のY方向のリリースライン37は、第4の端面19から延伸して、Y方向の製品ライン35と合流する。その結果、Y方向の製品ライン35およびY方向のリリースライン37により、第3の端面18から第4の端面19まで延伸するY方向の分断用ライン25が構成される。
なお、リリースライン32、37は、従来のガラス板1からガラス物品60を分離することを容易にするために配置される。
すなわち、従来のガラス板1がリリースライン32、37を有しない場合、従来のガラス板1から各ガラス物品60を分離する工程は、いわゆる「くり抜き工程」となる。このため、特にガラス板1が厚い場合には、従来のガラス板1からガラス物品60を厚さ方向に抜こうとした際に、従来のガラス板1の周囲部分との間で引っかかり、分離が生じ難くなることがある。
これに対して、従来のガラス板1がリリースライン32、37を有する場合、従来のガラス板1から各ガラス物品60を分離する工程は、「非くり抜き工程」とすることができる。従って、周囲部分からのガラス物品60の分離が容易となる。
ここで、本願発明者らは、従来のガラス板1の構成では、しばしば、実際の分離工程よりも前の段階で、ガラス板1が複数の断片に分断されてしまい、この傾向が激しくなると、ガラス板1からガラス物品60が分離されてしまうという現象が生じることに気付いた(以下「プレ分断現象」という)。
プレ分断現象は、特に、従来のガラス板1に応力が加わった際に、生じやすい傾向にある。例えば、従来のガラス板1は、ガラス物品60の分離工程の前に、搬送工程、化学強化工程、成膜工程、および洗浄工程など各種工程を経る場合がある。そのような工程での熱負荷、自重の負荷、および振動などの影響により、プレ分断現象が生じ易くなる。
このようなプレ分断現象が生じると、以降のガラス板1のハンドリングが煩雑になる上、特にガラス物品60の端面に傷または割れなどが発生して、ガラス物品60の品質が低下してしまうという問題が生じ得る。
特に、従来のガラス板1は、元来、複数の小片状のガラス物品60では、ハンドリングが煩雑であるという課題に対処するために使用されるものである。しかしながら、プレ分断現象が生じると、このような対処が生かされなくなってしまうという問題がある。
(本発明の一実施形態の構成および特徴について)
これに対して、本発明の一実施形態では、ガラス板であって、
相互に対向する第1の主表面および第2の主表面と、
接続線を介して、前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面と、
を有し、
前記第1の主表面には、複数の分断用ラインが形成されており、
前記分断用ラインは、1または2以上の製品ラインおよび1または2以上のリリースラインで構成され、前記製品ラインは、前記ガラス板から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記分断用ラインのうち前記製品ライン以外の部分に対応し、
前記分断用ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、
(I)前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されておらず、または
(II)前記第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
(i)前記第1のリリースラインは、前記製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が前記製品ラインに接続され、もしくは
(ii)前記(i)以外の形態で、前記第1のリリースラインの前記第2端部が前記製品ラインに接続されている場合、
前記第1のリリースライン、1もしくは2以上の前記製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、前記第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、前記連続線分は、当該ガラス板の前記第1の主表面において、前記第1の接続線から別の接続線まで横断していない、ガラス板が提供される。
このような特徴を有するガラス板では、後に詳しく説明するように、意図しない段階においてガラス板が分断してしまうという、プレ分断現象の問題を有意に抑制することができる。
また、このような特徴を有するガラス板では、必要な工程(すなわち分離工程)において、ガラス板からガラス物品を分離することが可能となり、ガラス物品の端面に傷または割れなどが発生して、ガラス物品の品質が低下してしまうという問題を有意に抑制することが可能になる。
(本発明の一実施形態によるガラス板)
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態によるガラス板の具体的な構成について説明する。
図2には、本発明の一実施形態によるガラス板(以下、「第1のガラス板」という)の概略的な斜視図を示す。
図2に示すように、第1のガラス板100は、第1の主表面112および第2の主表面114を有する。ただし、図2では、第2の主表面114は視認できない。また、第1のガラス板100は、第1の主表面112と第2の主表面114とをつなぐ4つの端面116、117、118、119を有する。
第1のガラス板100は、上面視、略長方形状の形態を有する。従って、第1の端面116と第2の端面117は相互に対向しており、第3の端面118と第4の端面119も相互に対向している。
なお、本願において、第1の主表面112と各端面116〜119との隣接(境界)部分を、「接続線」と称する。具体的には、第1の主表面112と第1の端面116は、第1の接続線146で接続され、第1の主表面112と第2の端面117は、第2の接続線147で接続され、第1の主表面112と第3の端面118は、第3の接続線148で接続され、第1の主表面112と第4の端面119は、第4の接続線149で接続される。
再度図2を参照すると、第1のガラス板100は、第1の主表面112に、長手方向(X方向)に沿って延伸する3本の分断用ライン120と、幅方向(Y方向)に沿って延伸する9本の分断用ライン125とを有する。
分断用ライン120、125で囲まれたピース部分は、後の分離工程で第1のガラス板100から分離採取されるガラス物品160に対応する。図2に示した例では、分離工程において、合計16個の略矩形状のガラス物品160を分離採取することができる。
図2に示した例では、各X方向の分断用ライン120は、X方向の製品ライン130およびX方向のリリースライン132で構成される。
ここで、X方向の製品ライン130とは、第1のガラス板100からガラス物品160が分離される際に、該ガラス物品160の輪郭線の少なくとも一部を構成する、X方向の分断用ライン120の部分を意味する。一方、X方向のリリースライン132とは、X方向の分断用ライン120のうち、製品ライン130以外の部分を意味する。
この定義に従えば、図2の例では、一本のX方向の分断用ライン120は、第1の接続線146の近傍から最左端の製品ライン130まで延伸する第1のリリースライン132aと、合計8本のX方向の製品ライン130と、最右端の製品ライン130から第2の接続線147の近傍まで延伸する第2のリリースライン132bと、で構成される。
同様に、Y方向の分断用ライン125は、Y方向の製品ライン135およびY方向のリリースライン137で構成される。例えば、図2の例では、一本のY方向の分断用ライン125は、第3の接続線148の近傍から最下端の製品ライン135まで延伸する第2のリリースライン137aと、合計2本のY方向の製品ライン135と、最上端の製品ライン135から第4の接続線149の近傍まで延伸する第2のリリースライン137bと、で構成される。
ここで、第1のガラス板100は、前述の「本発明の一実施形態の構成および特徴について」の欄において示した(I)の特徴を有する。すなわち、第1のガラス板100は、X方向のリリースライン132(132a、132b)およびY方向のリリースライン137(137a、137b)が、いずれも対応する接続線146〜149には接続されていない。
その結果、X方向の分断用ライン120およびY方向の分断用ライン125は、いずれも第1の主表面112を完全に横断してはいない。
例えば、図2に示した例では、X方向の分断用ライン120の第1端(すなわちX方向の第1のリリースライン132a)は、第1の接続線146の近傍にあり、X方向の分断用ライン120の第2端(すなわちX方向の第2のリリースライン132b)は、第2の接続線147の近傍にある。また、Y方向の分断用ライン125の第1端(すなわちY方向の第1のリリースライン137a)は、第3の接続線148の近傍にあり、Y方向の分断用ライン125の第2端(すなわちY方向の第2のリリースライン137b)は、第4の接続線149の近傍にある。
ここで、「分断用ライン(またはリリースライン)が接続線の近傍にある」とは、分断用ライン(またはリリースライン)の延長線上にある接続線に最近接の分断用ライン(またはリリースライン)の先端が、接続線と5mm以内の距離(ただし0mmを除く)、好ましくは3mm以内の距離(ただし0mmを除く)にあることを意味する。
このような特徴を有する第1のガラス板100を使用した場合、意図しない段階において、第1のガラス板100、特に分断用ライン120、125に応力が加わっても、分断用ライン120、125が第1の主表面112において、一方の接続線から、他方の接続線まで完全に横断することを有意に抑制することができる。
その結果、第1のガラス板100では、意図しない段階において第1のガラス板100が分断してしまうという、プレ分断現象の問題を有意に抑制することができる。
従って、第1のガラス板100では、必要な工程(すなわち分離工程)において、第1のガラス板100からガラス物品160を分離することが可能となり、ガラス物品160の端面に傷または割れなどが発生して、ガラス物品160の品質が低下してしまうという問題を有意に抑制することが可能になる。
例えば、分断用ライン120、125を有する第1のガラス板100を化学強化処理する工程においても、プレ分断現象を抑制することができる。
(分断用ライン120、125について)
ここで、分断用ライン120、125について、より詳しく説明する。
X方向の製品ライン130およびY方向の製品ライン135は、いずれもレーザ照射により形成される。すなわち、X方向の製品ライン130およびY方向の製品ライン135は、レーザ改質領域に相当する。
後述するように、このレーザ改質領域は、微視的には、多数の表面ボイドが、等間隔であるいは非等間隔で、線状に配置されて構成される。従って、レーザ改質領域は、「面内ボイド領域」とも称される。
また、深さ方向に関しては、レーザ改質領域は、第1の主表面112から第2の主表面114に延伸する複数の「内部改質列」を有する。各内部改質列は、第1の主表面112の深さ方向(必ずしもと第1の主表面112に対して垂直な方向とは限られない)に沿って配列された、複数のボイドで構成される。
これに対して、X方向のリリースライン132およびY方向のリリースライン137は、必ずしもレーザ照射により形成される必要はない。
例えば、X方向のリリースライン132およびY方向のリリースライン137は、ガラスカッターおよび砥石等の機械加工処理により、形成されてもよい。ただし、X方向のリリースライン132およびY方向のリリースライン137を、X方向の製品ライン130およびY方向の製品ライン135と同様のレーザ照射により形成した場合、一度に一本の分断用ライン120、125を形成することができるため、無駄のないレーザ照射が可能となり、製造コストを下げることができる。
X方向の製品ライン130および/またはY方向の製品ライン135の内部改質列は、第1の主表面112から第2の主表面114まで延伸していることが好ましい。この場合、分離採取工程において、第1のガラス板100からガラス物品160を分離することが容易になる。
一方、X方向のリリースライン132および/またはY方向のリリースライン137は、必ずしも第1の主表面112から第2の主表面114まで延伸している必要はない。例えば、X方向のリリースライン132および/またはY方向のリリースライン137は、第2の主表面114の近傍で終端化されており、第1の主表面112から第2の主表面114の近傍まで延伸してもよい。このような構成とすることにより、プレ分断現象をより確実に抑制することが可能となる。
なお、以上の記載では、分断用ライン120、125が実質的に直線で構成される場合を例に、第1のガラス板100の特徴について説明した。しかしながら、これは単なる一例であって、分断用ライン120、125は、曲線状であってもよい。あるいは、分断用ライン120、125は、直線と曲線の組み合わせで構成されても良い。
また、上記記載では、ガラス物品160の輪郭線が略矩形状を有し、一つのガラス物品160が複数(4本)の製品ライン130、135で構成される場合を例に説明した。しかしながら、ガラス物品160の輪郭線は、必ずしも略矩形状である必要はない。また、一つのガラス物品160を形成する製品ラインの数も、特に限られない。例えば、製品ラインが一本の閉じたループを形成する場合も考えられる(例えば図4参照)。この場合、一つのガラス物品160を形成する製品ラインの数は、一つとなる。
(追加の特徴)
次に、第1のガラス板100の上記以外の追加の特徴について説明する。
前述の記載では、分断用ライン120、125が実質的に連続的なレーザ改質領域で構成される場合を想定して、説明した。
しかしながら、リリースライン132、137がレーザ照射により構成される場合、少なくとも一つのリリースライン132、137は、レーザ改質領域の「欠落」部分を有しても良い。
図3を参照して、この構成について説明する。
図3には、第1のガラス板100の第1の主表面112に形成されたリリースライン132(またはリリースライン137。以下同じ)の部分拡大図を模式的に示す。
前述のように、レーザ照射により形成されるリリースライン132は、レーザ改質領域に対応する。
図3に示すように、このレーザ改質領域121は、微視的には、多数の表面ボイド139が、等間隔であるいは非等間隔で、線状に配列されて構成される。ただし、隣接する表面ボイド139同士が連結され、より大きな表面ボイドが形成される場合もある。また、これが繰り返され、実質的に「線状」の表面ボイドが形成される場合もある。
なお、図3では、第1の主表面112上の表面ボイド139は、円形で示されているが、これは単なる一例であることに留意する必要がある。表面ボイド139は、レーザの照射および走査条件によって、円形、楕円形、および角丸長方形など、各種形態を取り得る。
ここで、リリースライン132、すなわちレーザ改質領域121は、表面ボイド139が本来存在すべき位置に、欠落部分139dを有し、この欠落部分139dには、表面ボイド139は存在していない。
リリースライン132に、このような欠落部分139dを意図的に存在させた場合、後の必要なタイミングにおいて、欠落部分139dにレーザを照射させることにより、表面ボイド139を形成し、リリースライン132を「完成」させることができる。
従って、このような欠落部分139dを有するリリースライン132が形成された第1のガラス板100では、ハンドリングの際のプレ分断現象をより確実に抑制することが可能になる。また、後のガラス物品160の分離採取工程において、欠落部分139dにレーザを照射させることにより、ガラス物品160を容易に分離採取することが可能になる。
(本発明の一実施形態による別のガラス板)
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態による別のガラス板の構成について説明する。
図4には、本発明の一実施形態による別のガラス板(以下、「第2のガラス板」という)の概略的な斜視図を示す。
図4に示すように、第2のガラス板200は、第1の主表面212および第2の主表面214を有する。ただし、図4では、第2の主表面214は視認できない。また、第2のガラス板200は、第1の主表面212と第2の主表面214とをつなぐ4つの端面216、217、218、219を有する。
第2のガラス板200は、上面視、略長方形状の形態を有する。従って、第1の端面216と第2の端面217は相互に対向しており、第3の端面218と第4の端面219も相互に対向している。
前述のように、第1の主表面212と第1の端面216は、第1の接続線246で接続され、第1の主表面212と第2の端面217は、第2の接続線247で接続され、第1の主表面212と第3の端面218は、第3の接続線248で接続され、第1の主表面212と第4の端面219は、第4の接続線249で接続される。
再度図4を参照すると、第2のガラス板200は、第1の主表面212に、複数の分断用ライン220を有する。分断用ライン220は、製品ライン230と、X方向に延伸するリリースライン232と、Y方向に延伸するリリースライン237とを有する。
図4では、製品ライン230は、角が丸くなった略矩形状の形状を有し、第2のガラス板200からは、縦2個×横4個の合計8個のガラス物品260を分離することができる。ただし、これは単なる一例であって、製品ライン230の形態、分離できるガラス物品260の数等は、特に限られないことに留意する必要がある。
図4に示した例において、X方向のリリースライン232は、一端が製品ライン230とは接続されていない第1のリリースライン232a(合計4本)と、各製品ライン230同士をつなぐ第2のリリースライン232b(合計6本)と、を有する。第1のリリースライン232aは、一端が製品ライン230に接続され、他端が対応する接続線246または247に接続されている。
また、Y方向のリリースライン237は、一端が製品ライン230とは接続されていない第1のリリースライン237a(合計8本)と、各製品ライン230同士をつなぐ第2のリリースライン237b(合計4本)と、を有する。第1のリリースライン237aは、一端が製品ライン230に接続され、他端が対応する接続線248または249に接続されている。
ここで、第2のガラス板200では、前述の「本発明の一実施形態の構成および特徴について」の欄において示した(II)(i)の特徴を有する。
すなわち、第2のガラス板200では、第1の主表面212において、X方向の第1のリリースライン232aは、第1端部が第1の接続線246または第2の接続線247に接続されている。また、Y方向の第1のリリースライン237aは、第1端部が第3の接続線248または第4の接続線249に接続されている。
ただし、X方向の第1のリリースライン232aは、製品ライン230によって、さらなる延伸が妨げられるように、第2端部が製品ライン230に接続されている。同様に、Y方向の第1のリリースライン237aは、製品ライン230によって、さらなる延伸が妨げられるように、第2端部が製品ライン230に接続されている。
ここで、「リリースラインのさらなる延伸が妨げられる」とは、第1のリリースラインと製品ラインとの交点において、第1のリリースラインの仮想的な外挿線を描いたとき、前記交点近傍において、外挿線が製品ラインと実質的に一致しないことを意味する。
例えば、図5に示した分断用ライン80の例では、一端が接続線70に接続されたリリースライン82に対して、製品ライン84との交点Pから仮想的な外挿線Lを引いたとき、少なくとも交点Pの近傍では、外挿線Lは、製品ライン84と実質的に一致している。このため、このような分断用ライン80の形態では、製品ライン84により、「リリースライン82のさらなる延伸が妨げられる」とは言えない。
一方、図6に示した分断用ライン80の例では、一端が接続線70に接続されたリリースライン82に対して、製品ライン84との交点Pから仮想的な外挿線Lを引いたとき、交点Pの近傍では、外挿線Lは、製品ライン84と実質的に一致していない。このため、このような分断用ライン80の形態では、製品ライン84により、「リリースライン82のさらなる延伸が妨げられる」と言える。
再度図4を参照すると、第2のガラス板200では、各X方向の第1のリリースライン232aは、間に介在する製品ライン230によって、さらなる延伸が妨げられるように配置されている。
この場合、X方向の第1のリリースライン232a、製品ライン230(のX成分)、およびX方向の第2のリリースライン232bを組み合わせても、これにより、一方の接続線(例えば246)から別の接続線(例えば247)まで貫通する「連続線分」は、形成されない。
Y方向においても同様に、各Y方向のリリースライン237は、間に介在する製品ライン230によって、さらなる延伸が妨げられるように配置されている。
この場合、Y方向の第1のリリースライン237a、製品ライン230(のY成分)、およびY方向の第2のリリースライン237bを組み合わせても、これにより、一方の接続線(例えば248)から別の接続線(例えば249)まで貫通する「連続線分」は、形成されない。
そのため、第2のガラス板200では、第2のガラス板200の分断用ラインに応力が加わっても、分断用ラインが第1の主表面212において、一方の接続線から他方の接続線まで完全に横断することを有意に抑制することができる。
その結果、第2のガラス板200では、意図しない段階において、第2のガラス板200が分断されてしまうという、プレ分断現象の問題を有意に抑制することができる。
従って、第2のガラス板200では、必要な工程(すなわち分離工程)において、第2のガラス板200からガラス物品260を分離することが可能となり、ガラス物品260の端面に傷または割れなどが発生して、ガラス物品260の品質が低下してしまうという問題を有意に抑制することが可能になる。
例えば、分断用ライン220を有する第2のガラス板200を化学強化処理する工程においても、プレ分断現象を抑制することができる。
なお、このような効果を得るための分断用ライン220の態様は、図4に示した配置に限られない。例えば、分断用ラインは、以下の図7〜図9に示すような態様を有しても良い。
例えば、図7に示した例では、分断用ライン220−1は、製品ライン230−1と、X方向に延伸するリリースライン232−1と、Y方向に延伸するリリースライン237−1とを有する。
製品ライン230−1は、隣接する製品ラインと一つの辺が相互に接触するように配置される。このため、X方向に延伸するリリースライン232−1は、一端が接続線246または247に接続され、他端が製品ライン230−1と接続される。すなわち、この例では、前述の図4に示したような第2のリリースライン232bは存在しない。
同様に、Y方向に延伸するリリースライン237−1は、いずれも一端が接続線248または249に接続され、他端が製品ライン230−1と接続される。すなわち、この例では、前述の図4に示したような第2のリリースライン237bは存在しない。
次に、図8に示した例では、図7と同様、分断用ライン220−2は、製品ライン230−2と、X方向に延伸するリリースライン232−2と、Y方向に延伸するリリースライン237−2とを有する。
ただし、図7の場合とは異なり、X方向に隣接する製品ライン230−2は、相互に高さレベルが異なっている(ジグザグ高さ配置)。そのため、X方向に延伸するリリースライン232−2は、いずれも実質的に等しい長さを有するものの、Y方向に延伸するリリースライン237−2は、隣のリリースライン237−2に比べて、長さが異なっている。
また、図9に示した例では、図7と同様、分断用ライン220−3は、製品ライン230−3と、実質的にX方向に延伸するリリースライン232−3と、実質的にY方向に延伸するリリースライン237−3とを有する。
ただし、図7の場合とは異なり、この例では、X方向のリリースライン232−3および/またはY方向のリリースライン237−3は、曲線で構成される。
このように、分断用ライン220の配置形態には、様々なものが存在する。
なお、これらの例は、単なる一例であって、示されたもの以外にも、各種構成が考えられる。
例えば、図4に示した分断用ライン220において、X方向のリリースライン232および/またはY方向のリリースライン237は、曲線で構成されてもよい。同様に、図8に示した分断用ライン220−2において、X方向のリリースライン232−2および/またはY方向のリリースライン237−2は、曲線で構成されてもよい。
また、第1のガラス板100の構成で説明したように、X方向の第1のリリースライン232a(図4)、232−1(図7)、232−2(図8)、および232−3(図9)において、一つの端部は、必ずしも対応する接続線と接続されている必要はなく、対応する接続線の近傍で終端化されても良い。
同様に、Y方向の第1のリリースライン237a(図4)、237−1(図7)、237−2(図8)、および237−3(図9)において、一つの端部は、必ずしも対応する接続線と接続されている必要はなく、対応する接続線の近傍で終端化されても良い。
さらに、図4から図9に示したリリースラインにおいて、少なくとも一つのリリースラインは、前述のような「欠落」部分を有しても良い。
さらにまた、図4のリリースライン232a、237a、図7のリリースライン232−1、237−1、図8のリリースライン232−2、237−2は、一端が製品ラインのコーナおよびその近傍ではなく、製品ラインの一つの辺に接続されている。この場合、製品ラインのコーナにリリースラインを接続した場合よりも、相対的にプレ分断現象が発生しにくくなる場合がある。
(本発明の一実施形態によるさらに別のガラス板)
次に、図10を参照して、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス板の構成について説明する。
図10には、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス板(以下、「第3のガラス板」という)の概略的な斜視図を示す。
図10に示すように、第3のガラス板300は、第1の主表面312および第2の主表面314を有する。ただし、図10では、第2の主表面314は視認できない。また、第3のガラス板300は、第1の主表面312と第2の主表面314とをつなぐ4つの端面316、317、318、319を有する。
第3のガラス板300は、上面視、略長方形状の形態を有する。従って、第1の端面316と第2の端面317は相互に対向しており、第3の端面318と第4の端面319も相互に対向している。
第1の主表面312と第1の端面316は、第1の接続線346で接続され、第1の主表面312と第2の端面317は、第2の接続線347で接続され、第1の主表面312と第3の端面318は、第3の接続線348で接続され、第1の主表面312と第4の端面319は、第4の接続線349で接続される。
第3のガラス板300は、第1の主表面312に、長手方向(X方向)に沿って延伸する3本の分断用ライン320と、幅方向(Y方向)に沿って延伸する9本の分断用ライン325とを有する。
分断用ライン320、325で囲まれたピース部分は、後の分離工程で第3のガラス板300から分離採取されるガラス物品360に対応する。図10に示した例では、分離工程において、合計16個の略矩形状のガラス物品360を分離採取することができる。
各X方向の分断用ライン320は、X方向の第1のリリースライン332a、X方向の複数の製品ライン330、およびX方向の第2のリリースライン332bで構成される。同様に、各Y方向の分断用ライン325は、Y方向の第1のリリースライン337a、Y方向の複数の製品ライン335、およびY方向の第2のリリースライン337bで構成される。
ここで、第3のガラス板300は、前述の「本発明の一実施形態の構成および特徴について」の欄において示した(II)(ii)の特徴を有する。
すなわち、第3のガラス板300では、第1の主表面312において、X方向の第1のリリースライン332aは、第1端部が第1の接続線346に接続されている。また、X方向の第1のリリースライン332aは、X方向の製品ライン330によって、さらなる延伸が妨げられるように、第2端部が製品ライン330に接続されてはいない。
換言すれば、X方向の第1のリリースライン332aは、前述の図5に示したような形態、すなわち、X方向の第1のリリースライン332aの第2端部から延伸した外挿線がX方向の製品ライン330と一致するような形態で、第1の主表面312上に配置されている。
また、X方向の分断用ライン320は、X方向の第1のリリースライン332a、複数のX方向の製品ライン330、およびX方向の第2のリリースライン332bとによって、全体として、X方向の第1のリリースライン332aの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成していると言える。
さらに、この連続成分、すなわちX方向の分断用ライン320は、第1の主表面312において、第1の接続線346から第2の接続線347まで横断してはいない。
このような構成の第3のガラス板においても、前述の第1のガラス板100および第2のガラス板200と同様の効果、すなわち、第3のガラス板300の分断用ライン320、325に応力が加わっても、該分断用ライン320、325が第1の主表面312において、一方の接続線から他方の接続線まで完全に横断することを有意に抑制することができる。
その結果、第3のガラス板300では、意図しない段階において、第3のガラス板300が分断されてしまうという、プレ分断現象の問題を有意に抑制することができる。
例えば、分断用ライン320、325を有する第3のガラス板300を化学強化処理する工程においても、プレ分断現象を抑制することができる。
このように、第3のガラス板300では、必要な工程(すなわち分離工程)において、第3のガラス板300からガラス物品360を分離することが可能となり、ガラス物品360の端面に傷または割れなどが発生して、ガラス物品360の品質が低下してしまうという問題を有意に抑制することが可能になる。
(本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法)
次に、図11〜図14を参照して、本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法について説明する。
図11には、本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)のフローを概略的に示す。
図11に示すように、第1の製造方法は、
(1)相互に対向する第1の主表面および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、接続線を介して前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程(ステップS110)
と、
(2)前記ガラス素材の前記第1の主表面の側にレーザを照射することにより、前記第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された分断用ラインを形成する工程(ステップS120)
と、
を有する。
以下、各工程について、詳しく説明する。
(ステップS110)
まず、ガラス素材が準備される。ガラス素材は、第1の主表面および第2の主表面と、両者を接続する端面とを有する。
ガラス素材のガラス組成は、特に限られない。ガラス素材は、例えば、ソーダライムガラス、およびアルカリアルミノシリケートガラス等であってもよい。
ガラス素材の厚さは、特に限られないが、例えば0.03mm〜6mmの範囲であってもよい。
ガラス素材は、板状で提供されても、ロール状で提供されてもよい。ロール状のガラス素材を使用した場合、板状のものに比べて、搬送が容易となる。なお、板状のガラス素材の場合、第1および第2の主表面は、必ずしも平坦である必要はなく、曲面状であってもよい。
ガラス素材が板状で提供される場合、ガラス素材の形状は、特に限られない。ガラス素材は、例えば略矩形状、略円形状、または略楕円形状であっても良い。以下の説明では、一例として、ガラス素材が矩形状であるものと仮定する。
図12には、そのような矩形状のガラス素材の模式的な斜視図を示す。
図12に示すように、ガラス素材910は、第1の主表面912と、第2の主表面914と、4つの端面916〜919とを有する。
各端面916〜919と第1の主表面912とは、接続線を介して接合される。より具体的には、第1の主表面912と第1の端面916とは、第1の接続線946を介して接合され、第1の主表面912と第2の端面917とは、第2の接続線947を介して接合され、第1の主表面912と第3の端面918とは、第3の接続線948を介して接合され、第1の主表面912と第4の端面919とは、第4の接続線949を介して接合される。
(ステップS120)
次に、ガラス素材910にレーザが照射される。これにより、ガラス素材910の第1の主表面912に、分断用ラインが形成される。
図13には、ガラス素材910に形成されたX方向に延伸する分断用ライン920の一例を模式的に示す。
図13に示すように、このX方向の分断用ライン920は、レーザ改質領域921により構成される。レーザ改質領域921は、多数の表面ボイド939が線状に配列されて構成される。
なお、図13に示した例では、レーザ改質領域921内の各表面ボイド939は、ピッチPの等間隔で配置されている。ピッチPは、例えば、2μm〜10μmの範囲であってもよい。しかしながら、これは単なる一例であって、各表面ボイド939は、非等間隔に配列されても良い。
また、前述のように、各表面ボイド939は、必ずしも図13に示すような円形形状を有するとは限られない。レーザの照射および走査条件等により、表面ボイド939の形状は、各種態様を取り得る。
ガラス素材910の深さ方向(Z方向)に関して、分断用ライン920は、第1の主表面912から第2の主表面914に向かって延伸する。より具体的には、第1の主表面912上のレーザ改質領域921を構成する各表面ボイド939の下側には、深さ方向に沿って延伸する複数の内部改質列950が形成される。各内部改質列950は、深さ方向に配列された複数のボイド958で構成される。
ボイド958は、表面ボイド939と同様、必ずしも図13に示すような円形形状を有するとは限られない。レーザの照射および走査条件等により、ボイド958の形状は、各種態様を取り得る。
ただし、典型的には、内部改質列950を構成するボイド958の、内部改質列950に沿った方向の寸法は、0.1μm〜1000μmの範囲であり、好ましくは、0.5μm〜100μm、より好ましくは0.5μm〜50μmの範囲である。また、内部改質列950を構成するボイド958の形状は、矩形、円形、および楕円形等である。さらに、一つの内部改質列950において、隣接するボイド958の間の隔壁の厚さは、通常、0.1μm〜10μmの範囲である。
このような分断用ライン920を形成することが可能なレーザとしては、例えば、パルス幅がフェムト秒オーダ〜ナノ秒オーダ、すなわち1.0×10−15〜9.9×10−9秒の短パルスレーザが挙げられる。そのような短パルスレーザ光は、さらにバーストパルスであることが、内部ボイドが効率よく形成される点で好ましい。また、そのような短パルスレーザの照射時間での平均出力は、例えば30W以上である。短パルスレーザのこの平均出力が10W未満の場合には、十分なボイドが形成できない場合がある。短パルスレーザ光の一例として、パルス数が3〜10のバーストレーザで1つの内部改質列が形成され、レーザ出力は定格(50W)の90%程度、バーストの周波数は60kHz程度、バーストの時間幅は20ピコ秒〜165ナノ秒が挙げられる。バーストの時間幅としては、好ましい範囲として、10ナノ秒〜100ナノ秒が挙げられる。
また、レーザの照射方法としては、カー効果(Kerr−Effect)に基づくビームの自己収束を利用する方法、ガウシアン・ベッセルビームをアキシコンレンズとともに利用する方法、収差レンズによる線焦点形成ビームを利用する方法などがある。いずれにしても、分断用ライン920が形成できる限り、レーザの照射条件は特に限られない。
例えば、Rofin社(独国)のバーストレーザ装置(特許文献1)を使用した場合、レーザの照射条件を適宜変更することにより、面内方向における表面ボイド939、および深さ方向におけるボイド958の寸法や個数を、ある程度制御させることができる。
図14には、ガラス素材910に形成された分断用ラインの形態の一例を模式的に示す。
図14に示すように、X方向における分断用ライン920の一部は、X方向における製品ライン930に対応し、X方向における分断用ライン920の残りの部分は、X方向におけるリリースライン932に対応する。
また、Y方向における分断用ライン925の一部は、Y方向における製品ライン935に対応し、Y方向における分断用ライン925の残りの部分は、Y方向におけるリリースライン937に対応する。
ここで、前述のように、ガラス素材910では、X方向の分断用ライン920のいずれも、第1の接続線946から、第2の接続線947まで延伸していない。同様に、Y方向の分断用ライン925のいずれも、第3の接続線948から、第4の接続線949まで延伸していない。
従って、このような分断用ライン920、925を有するガラス素材910では、意図しない段階において、ガラス素材910に応力が加わっても、分断用ライン920、925が第1の主表面912において、一方の接続線から、他方の接続線まで完全に横断することを有意に抑制することができる。
このような工程により、第1の製造方法では、プレ分断現象が生じにくいガラス板を提供することができる。
ここで、前述のように、前記(2)の工程において形成されるリリースライン932、937の少なくとも一つは、全長範囲内に、レーザ改質領域が存在しない欠落部分を有してもよい。
また、リリースライン932、937の少なくとも一つは、ガラス素材910の第2の主表面914まで貫通していなくてもよい。
(追加の工程)
図11に示した第1の製造方法により、例えば図2に示したような第1のガラス板100を製造することができる。あるいは、分断用ライン920、925の形態を変更することにより、例えば、図4、図7〜図9、および図10に示したガラス板を製造することができる。
ここで、第1の製造方法は、ステップS120の後に、さらに以下に示すような追加の工程を有しても良い。
(化学強化工程)
化学強化工程では、第1の製造方法により製造されたガラス板(以下、「分断用ライン含有ガラス板」という)が、化学強化処理され、これにより、分断用ライン含有ガラス板の強度を高めることができる。
通常、化学強化処理は、被処理対象となるガラスを、アルカリ金属を含む溶融塩中に浸漬させることにより行われる。溶融塩の温度は、例えば430℃〜500℃程度であり、化学強化処理中、ガラスは、高温に晒される。
ここで、分断用ライン含有ガラス板は、前述のような特徴を有する。このため、分断用ライン含有ガラス板は、化学強化処理による高温に晒されても、プレ分断現象の発生を有意に抑制することができる。
(成膜工程)
成膜工程では、分断用ライン含有ガラス板の主表面に、各種機能膜が形成される。
成膜工程には、例えば、塗布法、浸漬法、蒸着法、スパッタリング法、PVD法、またはCVD法等により、各種機能膜を形成する工程が含まれてもよい。
このような成膜工程では、被成膜ガラスが高温に保持されたり、応力が負荷されたりする場合がある。
しかしながら、分断用ライン含有ガラス板は、前述のような特徴を有する。このため、分断用ライン含有ガラス板は、成膜工程において、高温に晒されたり、応力が負荷されても、プレ分断現象の発生を有意に抑制することができる。
(表面処理工程)
表面処理工程では、分断用ライン含有ガラス板の主表面に、各種機能が付与される。
表面処理の方法としては、例えば、エッチング処理、および印刷処理等がある。前述の成膜工程も、表面処理工程の一種である。
表面処理により、例えば、低反射膜、高反射膜、IR吸収膜またはUV吸収膜等の波長選択膜、アンチグレア膜、アンチフィンガープリント膜、防曇膜、印刷、電子回路およびこれらの多層構成膜などが形成されてもよい。
さらに、工程S120の前後、すなわちレーザ改質領域の形成前後に、ガラス素材910の少なくとも一つの主表面に、溝を形成してもよい。
例えば、ガラス素材910の第1の主表面912に、レーザ改質領域が既に形成されている場合、このレーザ改質領域に沿って、溝を形成してもよい。あるいは、ガラス素材910の第1の主表面912に、レーザ改質領域がまだ形成されていない場合、将来形成されるレーザ改質領域に沿って、溝を形成してもよい。
溝の形状は、特に限られない。溝は、例えば、断面が略V字形状、略U字形状、略逆台形状、および略凹形状などであってもよい。また、これらの溝の形態において、溝の第1の主表面912または第2の主表面914の開口部分は、ラウンドしていてもよい。
このような断面形態の溝を形成した場合、後の工程において、ガラス板からガラス物品を分離、採取した際に、ガラス物品は、端面の第1および/または第2の主表面との接続部分が面取りまたはラウンド加工された状態となる。このため、ガラス物品に対する後加工の工程が省略できる。
溝の深さは、例えば、ガラス素材910の厚さの1/2未満である。溝の深さは、0.01mm以上であることが好ましい。
溝の形成手段は、例えば、砥石およびレーザ等であってもよい。特に、溝の精度および品質の点からは、レーザによる加工が好ましい。
この他にも、分断用ライン含有ガラス板は、搬送工程および洗浄工程など、各種工程を経ることができる。
(分離工程)
分離工程では、分断用ライン含有ガラス板から、ガラス物品が分離、採取される。
前述のように、分断用ライン含有ガラス板では、搬送工程、化学強化工程、成膜工程、および洗浄工程などの各種工程において、プレ分断現象は生じ難い。このため、分断用ライン含有ガラス板では、分離工程のタイミングで、適正にガラス物品を採取することができる。
(本発明の一実施形態によるガラス板の別の製造方法)
次に、図15を参照して、本発明の一実施形態によるガラス板の別の製造方法について説明する。
図15には、本発明の一実施形態によるガラス板の別の製造方法(以下、「第2の製造方法」と称する)のフローを概略的に示す。
図15に示すように、第2の製造方法は、
(1)相互に対向する第1の主表面および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、接続線を介して前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程(ステップS210)と、
(2)前記ガラス素材の前記第1の主表面の側にレーザを照射することにより、前記第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された製品ラインを形成する工程(ステップS220)と、
(3)前記ガラス素材の前記第1または第2の主表面にリリースラインを形成する工程(ステップS230)と、
を有する。
ここで、第2の製造方法におけるステップS210は、前述の第1の製造方法におけるステップS110と同様である。そこで、ここでは、ステップS220およびステップS230について説明する。
(ステップS220)
ステップS220では、ステップS210で準備されたガラス素材にレーザが照射される。これにより、ガラス素材の第1の主表面に、製品ラインが形成される。
なお、製品ラインの形態および構成については、前述の第1の製造方法における分断用ラインおよび製品ラインに関する記載が参照される。
(ステップS230)
ステップS220の後に、ガラス素材の第1の主表面に、リリースラインが形成される。リリースラインは、第1の主表面から第2主表面に延伸する。あるいは、リリースラインは、ガラス素材の第2の主表面に形成され、第2の主表面から第1の主表面に延伸してもよい。
リリースラインを形成する手段は、特に限られない。リリースラインは、例えば、ガラスカッター等の機械加工処理により形成されてもよい。
これにより、例えば、前述の図14に示したような分断用ラインが形成されたガラス素材、すなわちガラス板を得ることができる。
ここで、第2の製造方法においても、リリースラインは、以下の何れかを満たすように形成される:
(I)ガラス素材の第1の主表面において、リリースラインは、いずれも、接続線には接続されていない;または
(II)ガラス素材の第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
(i)第1のリリースラインは、製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が製品ラインに接続され、もしくは
(ii)前記(i)以外の形態で、第1のリリースラインの第2端部が製品ラインに接続されている場合、第1のリリースライン、1もしくは2以上の製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、該連続線分は、ガラス素材の第1の主表面において、第1の接続線から別の接続線まで横断していない。
従って、第2の製造方法により製造されるガラス板は、意図しない段階において、ガラス板に応力が加わっても、一方の表面において、分断用ラインが一方の接続線から、他方の接続線まで完全に横断することを有意に抑制することができる。
その結果、第2の製造方法では、プレ分断現象が生じにくいガラス板を提供することができる。
(本発明の一実施形態によるガラス板の別の製造方法)
次に、図16を参照して、本発明の一実施形態によるガラス板のさらに別の製造方法について説明する。
図16には、本発明の一実施形態によるガラス板のさらに別の製造方法(以下、「第3の製造方法」と称する)のフローを概略的に示す。
図16に示すように、第3の製造方法は、
(1)相互に対向する第1の主表面および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、接続線を介して前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程(ステップS310)と、
(2)前記ガラス素材の前記第1または第2の主表面にリリースラインを形成する工程(ステップS320)と、
(3)前記ガラス素材の前記第1の主表面の側にレーザを照射することにより、前記第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された製品ラインを形成する工程(ステップS330)と、
を有する。
ここで、第3の製造方法は、前述の第2の製造方法と比べて、リリースラインの形成工程(ステップS320)と製品ラインの形成工程(ステップS330)の順番が逆になっている。しかしながら、各ステップS310、ステップS320、およびステップS330は、それぞれ、第2の製造方法におけるステップS210、ステップS230、およびステップS220と同様である。
従って、このような第3の製造方法においても、プレ分断現象が生じにくいガラス板を提供できることは明らかであろう。
なお、プレ分断現象を抑制するためのガラス板のさらに別の製造方法において、図11のガラス素板を準備する工程(ステップS110)の後の一つのステップとして、製品ラインとリリースラインが、同時、または交互に形成されてもよい。
1 従来のガラス板
12 第1の主表面
14 第2の主表面
16 第1の端面
17 第2の端面
18 第3の端面
19 第4の端面
20 X方向の分断用ライン
25 Y方向の分断用ライン
30 X方向の製品ライン
32 X方向のリリースライン
35 Y方向の製品ライン
37 Y方向のリリースライン
60 ガラス物品
70 接続線
80 分断用ライン
82 リリースライン
84 製品ライン
100 第1のガラス板
112 第1の主表面
114 第2の主表面
116 第1の端面
117 第2の端面
118 第3の端面
119 第4の端面
120 X方向の分断用ライン
121 レーザ改質領域
125 Y方向の分断用ライン
130 X方向の製品ライン
132 X方向のリリースライン
132a X方向の第1のリリースライン
132b X方向の第1のリリースライン
135 Y方向の製品ライン
137 Y方向のリリースライン
137a Y方向の第1のリリースライン
137b Y方向の第1のリリースライン
139 表面ボイド
139d 欠落部分
146 第1の接続線
147 第2の接続線
148 第3の接続線
149 第4の接続線
160 ガラス物品
200 第2のガラス板
212 第1の主表面
214 第2の主表面
216 第1の端面
217 第2の端面
218 第3の端面
219 第4の端面
220 分断用ライン
220−1〜220−3 分断用ライン
230 製品ライン
230−1〜230−3 製品ライン
232 X方向のリリースライン
232a X方向の第1のリリースライン
232b X方向の第2のリリースライン
232−1〜232−3 X方向のリリースライン
237 Y方向のリリースライン
237a Y方向の第1のリリースライン
237b Y方向の第2のリリースライン
237−1〜237−3 Y方向のリリースライン
246 第1の接続線
247 第2の接続線
248 第3の接続線
249 第4の接続線
260 ガラス物品
300 第3のガラス板
312 第1の主表面
314 第2の主表面
316 第1の端面
317 第2の端面
318 第3の端面
319 第4の端面
320 X方向の分断用ライン
325 Y方向の分断用ライン
330 X方向の製品ライン
332a X方向の第1のリリースライン
332b X方向の第2のリリースライン
335 Y方向の製品ライン
337a Y方向の第1のリリースライン
337b Y方向の第2のリリースライン
346 第1の接続線
347 第2の接続線
348 第3の接続線
349 第4の接続線
360 ガラス物品
910 ガラス素材
912 第1の主表面
914 第2の主表面
916 第1の端面
917 第2の端面
918 第3の端面
919 第4の端面
920 X方向における分断用ライン
921 レーザ改質領域
925 Y方向における分断用ライン
930 X方向における製品ライン
932 X方向におけるリリースライン
935 Y方向における製品ライン
937 Y方向におけるリリースライン
939 表面ボイド
946 第1の接続線
947 第2の接続線
948 第3の接続線
949 第4の接続線
950 内部改質列
958 ボイド

Claims (19)

  1. ガラス板であって、
    相互に対向する第1の主表面および第2の主表面と、
    前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面と、
    を有し、
    前記第1の主表面には、複数の分断用ラインが形成されており、
    前記分断用ラインは、1または2以上の製品ラインおよび1または2以上のリリースラインで構成され、前記製品ラインは、前記ガラス板から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記分断用ラインのうち前記製品ライン以外の部分に対応し、
    前記分断用ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、
    前記第1の主表面と前記端面の境界および前記第2の主表面と前記端面の境界を接続線と称したとき、
    (I)前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されておらず、または
    (II)前記第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
    (i)前記第1のリリースラインは、前記製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が前記製品ラインに接続され、もしくは
    (ii)前記(i)以外の形態で、前記第1のリリースラインの前記第2端部が前記製品ラインに接続されている場合、前記第1のリリースライン、1もしくは2以上の前記製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、前記第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、前記連続線分は、当該ガラス板の前記第1の主表面において、前記第1の接続線から別の接続線まで横断していない、ガラス板。
  2. 前記リリースラインは、曲線部分を有し、または実質的に直線で構成される、請求項1に記載のガラス板。
  3. 前記製品ラインは、レーザ改質領域で構成されている、請求項1または2に記載のガラス板。
  4. 前記レーザ改質領域は、前記第1の主表面に表面ボイドを有し、
    さらに、前記レーザ改質領域は、前記第1の主表面から深さ方向に沿って、ボイドを有する、請求項3に記載のガラス板。
  5. 前記リリースラインの少なくとも一つは、レーザ改質領域で構成されている、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のガラス板。
  6. 前記レーザ改質領域で構成されたリリースラインは、前記第1の主表面において、全長範囲内に、表面ボイドが存在しない欠落部分を有する、請求項5に記載のガラス板。
  7. 前記リリースラインは、レーザ改質領域で構成されている、請求項1乃至6のいずれか一つに記載のガラス板。
  8. 前記リリースラインの少なくとも一つは、前記第2の主表面まで貫通していない、請求項1乃至7のいずれか一つに記載のガラス板。
  9. 隣接する2つのガラス物品の輪郭線は、相互に重なっておらず、
    隣接する2つのガラス物品の輪郭線の間には、少なくとも一つのリリースラインが存在する、請求項1乃至8のいずれか一つに記載のガラス板。
  10. 隣接する2つのガラス物品の輪郭線の一部は、相互に重なっている、請求項1乃至8のいずれか一つに記載のガラス板。
  11. ガラス板の製造方法であって、
    (1)相互に対向する第1の主表面および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程と、
    (2)前記ガラス素材の前記第1の主表面の側にレーザを照射することにより、前記第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された分断用ラインを形成する工程と、
    を有し、
    前記分断用ラインは、1または2以上の製品ラインおよび1または2以上のリリースラインで構成され、前記製品ラインは、前記ガラス素材から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記分断用ラインのうち前記製品ライン以外の部分に対応し、
    前記分断用ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、
    前記第1の主表面と前記端面の境界および前記第2の主表面と前記端面の境界を接続線と称したとき、
    (I)前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されておらず、または
    (II)前記第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
    (i)前記第1のリリースラインは、前記製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が前記製品ラインに接続され、もしくは
    (ii)前記(i)以外の形態で、前記第1のリリースラインの前記第2端部が前記製品ラインに接続されている場合、前記第1のリリースライン、1もしくは2以上の前記製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、前記第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、前記連続線分は、当該ガラス板の前記第1の主表面において、前記第1の接続線から別の接続線まで横断していない、製造方法。
  12. 前記レーザ改質領域は、前記第1の主表面に表面ボイドを有し、
    前記(2)の工程では、前記リリースラインの少なくとも一つは、前記第1の主表面において、全長範囲内に、前記表面ボイドが存在しない欠落部分を有するように形成される、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記(2)の工程では、前記リリースラインの少なくとも一つは、前記第2の主表面まで貫通しないように形成される、請求項11または12に記載の製造方法。
  14. さらに、前記(2)の工程の後に、
    前記ガラス素材から、1または2以上のガラス物品を分離採取する工程
    を有する、請求項11乃至13のいずれか一つに記載の製造方法。
  15. ガラス板の製造方法であって、
    (1)相互に対向する第1の主表面および第2の主表面を有するガラス素材を準備する工程であって、前記ガラス素材は、前記第1の主表面と前記第2の主表面をつなぐ端面を有する工程と、
    (2)前記ガラス素材の前記第1の主表面の側にレーザを照射することにより、前記第1の主表面に、レーザ改質領域で構成された製品ラインを形成する工程と、
    (3)前記(2)の工程の前または前記(2)の工程の後に、前記ガラス素材の前記第1または第2の主表面にリリースラインを形成する工程と、
    を有し、
    前記製品ラインは、前記ガラス素材から分離採取されるガラス物品の輪郭線に対応し、前記リリースラインは、前記製品ライン以外の部分に対応し、
    前記製品ラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって深さ方向に延伸し、前記リリースラインは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって、または前記第2の主表面から前記第1の主表面に向かって、深さ方向に延伸し、
    前記第1の主表面と前記端面の境界および前記第2の主表面と前記端面の境界を接続線と称したとき、
    (I)前記第1の主表面において、前記リリースラインは、いずれも、前記接続線には接続されておらず、または
    (II)前記第1の主表面において、第1のリリースラインの第1端部が第1の接続線に接続されている場合、
    (i)前記第1のリリースラインは、前記製品ラインによってさらなる延伸が妨げられるように、第2端部が前記製品ラインに接続され、もしくは
    (ii)前記(i)以外の形態で、前記第1のリリースラインの前記第2端部が前記製品ラインに接続されている場合、前記第1のリリースライン、1もしくは2以上の前記製品ライン、および1もしくは2以上の別のリリースラインは、全体として、前記第1のリリースラインの延伸可能な方向に沿った連続線分を構成し、前記連続線分は、当該ガラス板の前記第1の主表面において、前記第1の接続線から別の接続線まで横断していない、製造方法。
  16. さらに、前記(3)の工程の後に、
    前記ガラス素材から、1または2以上のガラス物品を分離採取する工程
    を有する、請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記リリースラインは、曲線部分を有し、または実質的に直線で構成される、請求項11乃至16のいずれか一つに記載の製造方法。
  18. 隣接する2つのガラス物品の輪郭線は、相互に重なっておらず、
    隣接する2つのガラス物品の輪郭線の間には、少なくとも一つのリリースラインが存在する、請求項11乃至17のいずれか一つに記載の製造方法。
  19. 隣接する2つのガラス物品の輪郭線の一部は、相互に重なっている、請求項11乃至18のいずれか一つに記載の製造方法。
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