JP2019022313A - 電力変換装置 - Google Patents

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匠太 田代
Shota Tashiro
匠太 田代
卓郎 新井
Takuro Arai
卓郎 新井
慧 関口
Kei Sekiguchi
慧 関口
正将 安藤
Masayuki Ando
正将 安藤
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Abstract

【課題】交流側に地絡を生じて動作を停止した場合であっても、事故解消後早急に運転を再開することができる電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置10は、直流電圧と交流電圧との間で双方向に電力を変換可能な電力変換装置である。電力変換装置は、スイッチング素子によって充放電を切り替え可能とされたコンデンサを含むセル22が直列に接続されたアーム26a〜26fを含む電力変換部20と、前記スイッチング素子を駆動して前記セルの電圧を制御する制御部40と、を備える。前記制御部は、前記交流電圧の値があらかじめ設定された第1しきい値よりも低い場合に、前記スイッチング素子を遮断する停止信号を生成する事故判別部46を含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
交流電力を直流電力に変換し、または直流電力を交流電力に変換する双方向の電力変換装置がある。このような電力変換装置の大容量化が望まれている。
自己消弧形の半導体スイッチング素子を用いることによって小型化をはかりつつ、大容量化を実現することができる電力変換方式として、モジュラーマルチレベルコンバータ(Modular Multilevel Converter、以下、MMCという。)の実用化が進められている。
このような大容量の電力変換装置は、基幹となる電力系統等で用いられる場合があるので、交流側や直流側に地絡等の事故を生じ、動作を停止した場合であっても、事故解消時に速やかに運転を再開することが求められる。
特開平11−55852号公報
柴野 勇士、太田 ジョン 豊、赤木 泰文 著、「モジュラー・マルチレベル・カスケード変換器(MMCC−SSBC)を用いた位相シフトPWM STATCOM −瞬時電圧低下時の運転継続性能の実験的検討−」、電気学会研究会資料. SPC, 半導体電力変換研究会 2013(1), 71−76, 2013−01−25
実施形態は、交流側に地絡を生じて動作を停止した場合であっても、事故解消後早急に運転を再開することができる電力変換装置を提供する。
実施形態に係る電力変換装置は、直流電圧と交流電圧との間で双方向に電力を変換可能である。前記電力変換装置は、スイッチング素子によって充放電を切り替え可能とされたコンデンサを含むセルが直列に接続されたアームを含む電力変換部と、前記スイッチング素子を駆動して前記コンデンサの電圧を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記交流電圧の値があらかじめ設定された第1しきい値よりも低い場合に、前記スイッチング素子を遮断する停止信号を生成する事故判別部を含む。
第1の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。 図2(a)および図2(b)は、第1の実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。 第1の実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。 第1の実施形態の電力変換装置の一部の動作波形の例を示す波形図である。 直流送電システムを例示するブロック図である。 第2の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。 第2の実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。 図8(a)〜図8(c)は、第2の実施形態の電力変換装置の動作を説明するための波形図の例である。 第3の実施形態に係る電力変換装置の一部を例示するブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図2(a)、図2(b)および図3は、本実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の電力変換装置10は、電力変換部20と、制御部40と、を備える。電力変換装置10は、直流端子21a,21bを介して、直流電源または直流負荷(いずれも図示せず)に接続される。電力変換装置10は、交流端子21c〜21eを介して電力系統2に接続される。この例のように、電力変換装置10と電力系統2との間に変圧器4を接続してもよい。電力変換装置10は、電力系統2から供給される交流電力を、直流電力に変換して出力する。また、電力変換装置10は、直流電力を交流電力に変換して、電力系統2に供給する。
電力変換部20は、直流端子21a,21bと、交流端子21c〜21eと、を含む。直流端子21aは、直流電源または直流負荷のp(Positive)側に接続され、直流端子21bは、直流電源または直流負荷のn(Negative)側に接続される。交流端子21c〜21eは、三相交流の各相(U相、V相およびW相)に接続される。交流端子21c〜21eは、電力の入力端子ともなり、出力端子ともなる。直流端子21a,21bは、交流端子21c〜21eが電力の入力端子のときには、出力端子となり、交流端子21c〜21eが電力の出力端子のときには、入力端子となる。
電力変換部20は、チョッパセル22と、バッファリアクトル24a〜24fと、を含む。電力変換部20は、チョッパセル22を複数個含んでいる。電力変換部20は、アーム26a〜26fを含む。各アーム26a〜26fは、それぞれ同数かつ複数個のチョッパセル22を含んでおり、チョッパセル22は直列に接続されている。アームは直列に接続されている。直列に接続されたアーム26a,26bは、p側の直流端子21aとn側の直流端子21bとの間に接続されている。アーム26aは、アーム26bよりも高電位側に接続されている。
アーム26c,26dおよびアーム26e,26fもアーム26a,26bと同様に、直流端子21a,21b間に直列に接続されている。
バッファリアクトル24a〜24fは、各アームと各交流端子との間で各アームに直列に接続されている。具体的には、バッファリアクトル24aは、アーム26aと交流端子21cとの間でアーム26aに直列に接続され、バッファリアクトル24bは、交流端子21cとアーム26bとの間でアーム26bに直列に接続されている。また、バッファリアクトル24cは、アーム26cと交流端子21dとの間でアーム26cに直列に接続され、バッファリアクトル24dは、交流端子21dとアーム26dとの間でアーム26dに直列に接続されている。さらにバッファリアクトル24eは、アーム26eと交流端子21eとの間でアーム26eに直列に接続され、バッファリアクトル24fは、交流端子21eとアーム26fとの間でアーム26fに直列に接続されている。バッファリアクトル24a〜24fは、上下のアームに直流の短絡電流が流れることを防止する。
U相に直列接続された上下のアーム26a,26bをレグ28aと呼ぶ。つまり、レグ28aは、直列に接続されたアーム26a,26bを含む。同様に、V相に接続された上下のアーム26c,26d、W相に接続された上下のアーム26d,26fをそれぞれレグ28b,28cと呼ぶ。電力変換部20は、直流端子21a,21b間に、三相交流の各相に接続されたレグ28a,28b,28cを含んでいる。
図2(a)に示すように、チョッパセル22は、スイッチング素子31,32と、ダイオード33,34と、コンデンサ35と、を含む。スイッチング素子31,32は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やIEGT(Injection Enhanced Gate Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等の自己消弧形の半導体スイッチング素子である。ダイオード33,34は、たとえばファストリカバリダイオードである。スイッチング素子31とダイオード33は逆並列に接続されている。つまり、スイッチング素子31のエミッタとダイオード33のアノードが接続され、スイッチング素子31のコレクタとダイオード33のカソードが接続されている。同様に、スイッチング素子32とダイオード34は逆並列に接続されている。
スイッチング素子31,32は、直列接続されている。すなわち、スイッチング素子31のエミッタとスイッチング素子32のコレクタが接続されている。
直列接続されたスイッチング素子31,32は、コンデンサ35に並列に接続されている。すなわち、スイッチング素子31のコレクタがコンデンサ35の一方の端子に接続され、スイッチング素子32のエミッタがコンデンサ35の他方の端子に接続されている。
チョッパセル22は、スイッチング素子31,32を交互に適切に駆動することによって、端子23a,23bを介して、コンデンサ35を充放電する。スイッチング素子31,32は、適切に駆動されスイッチングすることによって、コンデンサ35の両端の電圧を所望の値に制御する。コンデンサ35は、端子23aが端子23bよりも高電位になるように充電される。
チョッパセル22は、端子23a,23bを介して、他のチョッパセル22と直列に接続され、他の外部回路に接続される。チョッパセル22が他のチョッパセル22と直列に接続されるときには、チョッパセル22の端子23bに、他のチョッパセル22の端子23aを接続する。
各チョッパセル22のコンデンサ35の両端には、電圧検出器36が接続されており、電圧検出器36によって各コンデンサ35両端の電圧値が検出される。以下では、コンデンサ35の両端の電圧をセル電圧Vcellと呼ぶ。検出されたセル電圧Vcellは、アナログディジタル変換されて、ディジタルデータとして扱われる。
チョッパセルの構成は、上述に限らず他の構成としてもよい。図2(b)に示すように、チョッパセル122は、4つのスイッチング素子131〜134を含む。4つのスイッチング素子131〜133はフルブリッジ回路をなしている。すなわち、ハイサイドのスイッチング素子131にローサイドのスイッチング素子132が直列に接続され、ハイサイドのスイッチング素子133にローサイドのスイッチング素子134が直列に接続されている。そして、これら直列接続回路同士は並列に接続されている。コンデンサ139は、直列接続回路に並列に接続されている。
各スイッチング素子131〜134には、それぞれ逆並列にダイオード135〜138が接続されている。
コンデンサ139の充電および放電は、端子123a,123bを介して行われる。チョッパセル122は、他のチョッパセル122と端子123a,123bを介して接続される。
電力変換部20のチョッパセル22は、上述のチョッパセル122にすべて置き換えてもよい。フルブリッジ形のチョッパセル122では、コンデンサ139の両端の電圧の制御幅を広くとることができる。
図1に戻って説明を続ける。電力変換部20は、交流電圧検出器29u,29v,29wを含む。交流電圧検出器29u,29v,29wは、それぞれ交流端子21c,21d,21eに接続されている。交流電圧検出器29uは、電力系統2のU相の電圧を検出する。交流電圧検出器29vは、電力系統2のV相の電圧を検出する。交流電圧検出器29wは、電力系統2のW相の電圧を検出する。検出された各相の検出電圧Vsu,Vsv,Vswは、制御部40に送出される。
電力変換部20は、直流電圧検出器30を含む。直流電圧検出器30は、直流端子21a,21b間に接続されている。直流電圧検出器30は、電力変換部20に入力され、または電力変換部20から出力される直流電圧Vdcを検出して、制御部40に送出する。
制御部40は、電力制御回路42と、PWM回路44と、事故判別回路46と、を含む。制御部40は、直流端子21a,21b間の直流電圧Vdc、各セル電圧Vcell、電力系統2の各相の検出電圧Vsu,Vsv,Vsw、および直流電流指令値Idcを入力して、電力変換部20の各チョッパセル22のスイッチング素子に駆動信号Vgateを供給する。
電力制御回路42は、直流端子21a,21b間の直流電圧Vdc、電力系統2の各相の検出電圧Vsu,Vsv,Vsw、および直流電流指令値Idcにもとづいて、各相の電圧に対応する電圧指令値を生成する。各相の電圧指令値は、各相の検出電圧Vsu,Vsv,Vswをそれぞれ対応するレグのセル電圧Vcellの平均値で除することによって求められる。
PWM回路44は、電力制御回路42に接続されている。図3に示すように、PWM回路44は、比較器51−1〜51−6Nと、キャリア信号生成部52−1〜52−6Nと、AND回路53−1〜53−6Nと、を含む。キャリア信号生成部52−1〜52−6Nは、比較器51−1〜52−6Nごとに設けられている。AND回路53−1〜53−6Nは、比較器51−1〜51−6Nごとに設けられている。つまり、比較器、キャリア信号生成部およびAND回路は、チョッパセル22の個数に応じて、6×N組設けられている。Nは、各アーム26a〜26fに含まれるチョッパセル22の数である。
電力制御回路42は、電力系統2の三相交流の各相に対応する電圧指令値を出力する。比較器51−1の一方には、電力制御回路42から出力される電圧指令値のうちの1つが入力される。比較器51−1の他方には、キャリア信号生成部52−1の出力が供給される。
キャリア信号生成部52−1〜52−6Nは、同一の周波数および振幅で、異なる位相を有するたとえば三角波をそれぞれ出力する。
比較器51−1〜51−6Nは、キャリア信号である三角波と電圧指令値とを比較し、それぞれ対応するチョッパセル22のスイッチング素子31,32のオン時間およびオフ時間を設定する。このように、本実施形態の電力変換装置10は、位相シフト方式により制御される。
比較器51−1〜51−6Nの出力は、AND回路53−1〜53−6Nの一方の入力にそれぞれ接続されている。AND回路53−1〜53−6Nの他方の入力には、事故判別回路46の出力がそれぞれ接続されている。比較器51−1〜51−6Nの出力は、事故判別回路46の出力がハイレベルの場合には、三角波と電圧指令値との比較によって設定される信号が出力される。事故判別回路46の出力がローレベルの場合には、比較器51−1〜51−6Nの比較結果にかかわらず、AND回路53−1〜53−6Nの出力のすべてがローレベルを出力する。
事故判別回路46は、比較器61u,61v,61wと、しきい値電圧生成部62u,62v,62wと、OR回路63と、NOT回路64と、を含む。
比較器61u,61v,61wのそれぞれの一方の入力には、電力系統の各相の電圧Vsu,Vsv,Vswが入力される。比較器61u,61v,61wのそれぞれの他方の入力には、しきい値電圧生成部62u,62v,62wの出力が接続されている。
図4は、本実施形態の電力変換装置の一部の動作波形の例を示す波形図である。
図4には、U相の正常な電圧Vu(t)=Vu×cos(ωt)の時間変化が破線で示されており、合わせてしきい値電圧生成部62uで生成されるしきい値電圧Vthuが実線で示されている。たとえば、しきい値電圧Vthuは、以下のように設定される。
Vthu=(1−b)×Vu(t),0<b<1 (1)
bは、あらかじめ設定されるバンド幅に応じた係数である。つまり、しきい値電圧Vthuは、U相の電圧Vu(t)の正常値から、バンド幅b×Vu(t)だけ低い電圧である。比較器61uは、入力されるU相の電圧Vu(t)が(1−b)×Vu(t)よりも低くなった場合に、ハイレベルの信号を出力する。比較器61uの出力はOR回路63およびNOT回路64を介して、ローレベルに反転されて出力される。
他の相の電圧Vv(t)=Vv×cos(ωt+2/3π),Vw(t)=Vw×cos(ωt−2/3π)に対しても同様に、しきい値電圧Vthv,Vthwが設定される。
Vthv=(1−b)×Vv(t),0<b<1 (2)
Vthw=(1−b)×Vw(t),0<b<1 (3)
電力系統2の各相の電圧Vu(t),Vv(t),Vw(t)のうち少なくともいずれか1つの電圧の瞬時値が、式(1)〜(3)で設定されたしきい値電圧よりも低くなった場合に、事故判別回路46は、ローレベルの事故判別信号(停止信号)FRを出力する。
事故判別回路46は、各相の電圧Vu(t),Vv(t),Vw(t)の瞬時値のすべてがしきい値電圧Vthu,Vthv,Vthw以上の場合には、ハイレベルの事故判別信号FRを出力する。
上述したように、事故判別信号FRがローレベルの場合には、PWM回路44は、ローレベルの駆動信号Vgateを出力する。したがって、すべてのスイッチング素子がオフし、直流系統が接続されている直流端子21a,21bの側からのチョッパセル22内のコンデンサ35への充電が停止され、コンデンサ35の電圧上昇が停止する。
事故判別回路46がハイレベルの事故判別信号FRを出力する場合には、PWM回路44は通常の動作を行い、スイッチング素子31,32は、駆動信号Vgateに応じたオンオフのタイミングでコンデンサ35を充放電する。
なお、以下では、事故判別回路が駆動信号Vgateをローレベルに固定してチョッパセル22のスイッチング動作を停止することをゲートブロックと呼ぶことがある。また、事故判別回路の論理回路の論理は、上述に限らず適切に設定することができる。たとえば、事故判別信号がローレベルのときに、PWM回路がPWM出力をし、事故判別信号がハイレベルのときに、ゲートブロックするようにしてもよい。
以下では、事故判別信号FRがローレベルの場合に、事故判別回路46がPWM回路44の出力をゲートブロックの状態とし、事故判別信号FRがハイレベルの場合に、PWM回路44がPWM動作を継続するものとする。
各相の電圧に対するしきい値電圧は、上述に限らず適切に設定することができる。たとえば、バンド幅を一定の値に設定してもよい。この場合には、各相の電圧の瞬時値に代えて実効値を計算し、計算された実効値と一定のバンド幅とを比較するようにしてもよい。
本実施形態の電力変換装置10の作用および効果について説明する。
本実施形態の電力変換装置10では、直流電力を交流電力に変換する場合に、電力変換装置10が供給される直流電流または直流電力が設定されていることがある。このような場合に、出力側の電力系統2に地絡等の事故を生じると、出力することができる交流電力が低下するため、チョッパセル22のコンデンサ35の充放電がアンバランスになり、セル電圧Vcellが設定よりも高くなることがある。
コンデンサ35やスイッチング素子31,32には許容される最大の電圧が設定されている。そのため、電力変換装置には、これらの最大電圧を超えないようにチョッパセル22ごとに過電圧を検出し、所定の条件を満たした場合に動作する過電圧保護機能が実装されている。
たとえば、過電圧保護機能は、6×N個のうちのいずれか1つのコンデンサ35のセル電圧Vcellが規定の最大電圧の1.5倍等となったときに、チョッパセル22をバイパスする。チョッパセル22のバイパスとは、上側のスイッチング素子31をオフさせ、下側のスイッチング素子32をオンさせることをいう。その後、あらかじめ設定された数のチョッパセル22のコンデンサで過電圧を検出した場合には、過電圧を検出したチョッパセル22をバイパスするとともに、すべてのチョッパセル22の充放電動作を停止する。
コンデンサ35の両端には、効率低下を回避する観点から放電抵抗等を接続することができないので、過電圧保護機能によって一旦停止した電力変換部20は、セル電圧Vcellが規定値以下に自然放電して低下するまで、動作を再開することができない。自然放電には、数分から数十分を要することがあり、その期間には、電力変換動作は停止される。
本実施形態の電力変換装置10では、制御部40は、出力側の各相の電圧Vsu,Vsv,Vswを常時監視している。制御部40は、これらの相の電圧のうち少なくとも1つがそのしきい値電圧を下回った場合に、電力系統において地絡等の事故を生じたと判別することができる。
事故判別回路46は、いずれかの相が地絡等の事故を生じたと判別した場合には、セル電圧Vcellが過電圧保護機能の動作電圧まで上昇する前に、すべてのチョッパセル22をゲートブロックにより動作停止させる。したがって、コンデンサ35への充電が停止され、セル電圧Vcellの上昇が停止する。その後、地絡等の事故状態が解消された場合には、過剰に充電されたコンデンサ35の放電を待つことなく、速やかに電力変換部20を再起動させることができる。
図5は、直流送電システムを例示するブロック図である。
図5に示すように、直流送電システム100は、電力系統2a,2bと、直流送電線6と、電力変換装置10a,10bと、を有する。電力系統2aは、変圧器4aを介して電力変換装置10aに接続され、電力変換装置10aによって直流送電線6の一端に接続されている。直流送電線6の他端には、変圧器4bを介して電力変換装置10bに接続され、電力変換装置10bによって電力系統2bに接続されている。電力系統2aの交流電力は、電力変換装置10aによって直流電力に変換され、直流送電線6を介して電力変換装置10bに送電される。電力変換装置10bは、直流送電線6によって送電されてきた直流電力を交流電力に変換して電力系統2bに連系する。送電は、電力系統2bから電力系統2aに送電する場合にも同様にも同様に行うことができる。
電力変換装置10a,10bは、上述の実施形態において説明した電力変換装置10と同じ構成を備えている。
たとえば、電力系統2aから電力系統2bに送電する場合には、必要な送電電力に応じて電力変換装置10bの直流電流または直流電力が設定される。このような場合に電力系統2bに地絡等の事故が生じた場合には、送電電力の余剰分が電力変換装置10bのチョッパセル22のコンデンサ35を過剰に充電し、過大な電圧を印加し得る。
かかる直流送電システム100は、基幹電力系統において用いられる場合があり、そのような場合に、短時間の地絡事故を生じた場合であっても、チョッパセル22の過電圧保護機能が動作したときには、長時間の運転停止を余儀なくされるおそれがある。本実施形態の電力変換装置10(10a,10b)では、上述したように、電力系統2(2a,2b)の各相の電圧を常時監視しており、これらの電圧のうちのいずれかがしきい値電圧よりも低下した場合には、電力変換部20の動作を即座に停止させることができる。そのため、コンデンサ35を過大に充電して自然放電を要するような過電圧状態となることがないので、電力変換装置10は、事故復帰後速やかに再起動して、送電動作を再開することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図7は、本実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。
本実施形態の電力変換装置では、上述した他の実施形態の場合と、事故判別回路の構成が相違する。他の構成要素は同一であり、同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図6に示すように、本実施形態の電力変換装置210は、電力変換部20と、制御部240と、を備える。制御部240は、電力制御回路42と、PWM回路44と、事故判別回路246と、を含む。
図7に示すように、事故判別回路246は、dq演算器261と、比較器262,264と、ディレイ回路266と、OR回路268と、を含む。
dq演算器(第1演算器)261には、電力系統2の各相の検出電圧Vsu,Vsv,Vswが入力される。dq演算器261は、各相の検出電圧Vsu,Vsv,Vswに直交座標変換および回転座標変換を施して、d軸出力電圧Vd、q軸出力電圧Vq、および零相電圧V0を出力する。たとえば、dq演算器261は、以下の式(4)の行列式にしたがってdq変換を行う。
Figure 2019022313
d軸出力電圧Vdおよびq軸出力電圧Vqは、互いに直交する電圧ベクトルである。また、式(4)からわかるように、各相の電圧の振幅a,b,cが等しい場合には、零相成分V0は0になる。
本実施形態の電力変換装置210では、dq演算器261のd軸出力電圧Vdまたはq軸出力電圧Vqのうちの一方を用いる。この例では、d軸出力電圧Vdを用いて、電力系統2の各相の電圧の地絡等の事故発生の有無を判別する。
dq演算器261のd軸出力は、比較器262の一方の入力に接続されている。比較器262の他方の入力には、しきい値電圧出力部263が接続されている。しきい値電圧出力部263は、しきい値電圧Vth1を出力する。比較器262は、d軸出力電圧Vdとしきい値電圧Vth1とを比較する。比較器262は、d軸出力電圧Vdがしきい値電圧Vth1よりも低い場合に、ハイレベルの信号を出力する。比較器262は、d軸出力電圧Vdがしきい値電圧Vth1以上の場合には、ローレベルの信号を出力する。
dq演算器261のd軸出力は、比較器264の一方の入力に接続されている。比較器264の他方の入力には、しきい値電圧出力部265が接続されている。しきい値電圧出力部265は、しきい値電圧Vth2を出力する。しきい値電圧Vth2は、しきい値電圧Vth1よりも高い値に設定されている。比較器264は、d軸出力電圧Vdとしきい値電圧Vth2とを比較する。比較器264は、d軸出力電圧Vdがしきい値電圧Vth2よりも低い場合に、ハイレベルの信号を出力する。比較器264は、d軸出力電圧Vdがしきい値電圧Vth2以上の場合には、ローレベルの信号を出力する。
比較器264の出力は、ディレイ回路266に接続されている。ディレイ回路266は、ディレイ時間設定部266aとAND回路266bとを含む。ディレイ時間設定部266aの出力はAND回路266bの一方の入力接続されている。AND回路266bの他方の入力には、比較器264の出力が直接入力されている。
AND回路266bは、比較器264から直接入力される信号およびディレイ時間設定部266aによって遅延された信号の論理積を出力する。AND回路266bは、比較器264の出力およびディレイ時間設定部266aの出力のいずれもハイレベルである期間にハイレベルの信号を出力する。より具体的には、AND回路266bは、比較器264の出力がハイレベルの場合には、ハイレベルの期間がディレイ時間td以上であり、ディレイ時間tdを超えて継続した期間にハイレベルの信号を出力する。AND回路266bは、比較器264の出力がハイレベルの場合であっても、ハイレベルの期間がディレイ時間tdよりも短いときには、ローレベルの信号を出力する。AND回路266bは、比較器264の出力がローレベルの場合には、ローレベルの信号を出力する。つまり、ディレイ回路266は、入力された信号がハイレベルの場合に、ディレイ時間設定部266aにおいて設定された遅延時間tdだけ遅延させて出力する。
OR回路268の2つの入力のうち一方の入力には、比較器262の出力が接続されている。OR回路268の他方の入力には、ディレイ回路266の出力が接続されている。したがって、OR回路268は、比較器262から出力される信号およびディレイ回路266から出力される信号のうち少なくとも1つがハイレベルの場合に、ハイレベルの信号を出力する。OR回路268は、比較器262から出力される信号およびディレイ回路266から出力される信号のいずれもがローレベルの場合に、ローレベルの信号を出力する。
OR回路268の出力は、AND回路269を介して、NOT回路270に接続されている。AND回路269の他の入力がハイレベルの場合には、AND回路269およびNOT回路270によって、OR回路268の出力が反転されて事故判別信号FRとして出力される。
事故判別回路246は、比較器262,264およびディレイ回路266によって、電力系統2の各相の電圧レベルを検出することができるので、事故の程度に応じた事故判別信号FRを生成して出力することができる。
事故判別回路246は、事故判別信号FRを、上述の条件に他の条件を加味して生成することもできる。この例では、直流電流指令値Idcの設定値が高い場合に、事故判別信号FRはローレベルとなることができる。また、事故判別回路246は、セル電圧Vcellの測定値にもとづいて、ローレベルの事故判別信号FRを出力することができる。
比較器271の一方の入力には、直流電流指令値Idcが入力される。直流電流指令値Idcは、送電されるべき直流電力にしたがって設定されている。送電されるべき直流電力は、電力変換装置10が直流送電システムに用いられる場合には、たとえば送電計画にもとづいてあらかじめ設定されている。指令値として、直流電流に代えて直流電力が設定されている場合もあり、比較器271には、あらかじめ設定されている直流電力指令値を電力変換装置10に入力される直流電圧Vdcで除して、直流電流値として入力してもよい。
比較器271の他方の入力には、しきい値設定部272が接続されている。しきい値設定部272は、直流電流指令値Idcに関するしきい値Ithを有する。比較器271は、直流電流指令値Idcとしきい値Ithとを比較する。比較器271は、直流電流指令値Idcがしきい値Ith以上の場合には、ハイレベルの信号を出力する。比較器271は、直流電流指令値Idcがしきい値Ithよりも小さい場合にはローレベルの信号を出力する。
しきい値Ithは、たとえば電力変換装置210の定格電力にもとづいて設定される。電力変換装置210の定格出力時の直流電流指令値Idc1(=1pu)とした場合に、しきい値Ithは、たとえば、0.8×Idc1(=0.8pu)のように設定される。つまり、直流電流指令値Idcの設定値が、定格出力の80%以上の場合に、事故判別回路246は、ローレベルの事故判別信号FRを出力することができる。直流電流指令値Idcの設定値が、定格出力の80%を下回っている場合には、事故判別回路246は、ローレベルの事故判別信号FRを出力することができない。
比較器273の一方の入力には、平均セル電圧演算器248の出力が接続されている。平均セル電圧演算器248は、すべてのチョッパセル22のセル電圧Vcellを入力して、その平均値を計算して出力する。つまり、比較器273には、平均セル電圧演算器248によって計算された平均値Vcell_aveが入力される。比較器273の他方の入力には、しきい値電圧出力部274が接続されている。しきい値電圧出力部274は、しきい値電圧Vth3を有する。比較器273は、セル電圧Vcellの平均値Vcell_aveとしきい値電圧Vth3とを比較する。比較器273は、平均値Vcell_aveがしきい値電圧Vth3以上の場合に、ハイレベルの信号を出力する。比較器273は、平均値Vcell_aveがしきい値電圧Vth3よりも低い場合に、ローレベルの信号を出力する。
しきい値Vth3は、電力変換装置10の過電圧検出機能におけるしきい値よりも低い値に設定されている。しきい値電圧Vth3は、たとえば、平均値Vcell_aveの定格値の1.3倍等にあらかじめ設定されている。比較器273は、コンデンサ35の両端電圧の実測値にもとづいて、事故判別信号FRをローレベルにすることができる。
上述では、すべてのチョッパセル22のコンデンサ35の両端電圧の平均値をしきい値電圧と比較したが、コンデンサ35の両端電圧は、アームごとに平均値を求めてしきい値と比較してもよいし、レグ(相)ごとに平均値を求めてしきい値と比較してもよい。
OR回路268の出力、比較器271の出力および比較器273の出力は、AND回路269に接続されている。事故判別回路246は、入力された信号のすべてがハイレベルの場合に、事故判別信号FRはローレベルになる。事故判別回路246では、入力された信号のうち少なくとも1つがローレベルの場合には、事故判別信号FRはハイレベルになる。
本実施形態の電力変換装置10の動作について説明する。
図8(a)〜図8(c)は、本実施形態の電力変換装置の動作を説明するための波形図の例である。
図8(a)〜図8(c)には、それぞれの上段の図には、電力系統2の各相の検出電圧の瞬時値Vsu(t),Vsv(t),Vsw(t)の時間変化が示されており、下段の図には、d軸出力電圧Vdの時間変化がしきい値電圧Vth1,Vth2とともに示されている。この例では、各相の電圧の振幅は等しいものとする。
図8(a)には、電力系統2の3線すべてが地絡した場合の動作例が示されている。図8(a)に示すように、時刻T0〜T1では、電力系統2は正常な電圧を供給している。
時刻T0〜T1では、d軸出力電圧Vdは、式(4)より直流成分のみとなり、しきい値Vth1,Vth2よりも高い電圧値を示す。そのため、この期間では、事故判別信号FRは、ハイレベルである。
時刻T1において、すべての相の電圧が地絡により0Vとなると、d軸出力電圧Vdは0Vとなり、しきい値Vth1よりも低くなる。そのため、事故判別信号FRは、ローレベルとなる。したがって、ゲートブロックによって、電力変換部20は、動作を停止する。なお、d軸出力電圧Vdは、しきい値Vth2よりも低く、時刻T2を経過しても、VdがVth2よりも低い期間が継続する。時刻T1と時刻T2との間の期間は、ディレイ回路266のディレイ時間td以上の長さを有している。
図8(b)には、電力系統2の3線のうち2線が地絡した場合の動作例が示されている。この例では、aおよびbが0Vになった場合が示されているが、他の2線が0Vとなっても以下と同様に説明される。
図8(b)に示すように、時刻T11において、aおよびbの相が地絡により0Vとなる。そのため、d軸出力電圧Vdは、式(4)より、以下の(5)式で表される。
Figure 2019022313
この場合のVdは、時刻T11以降にわたって、しきい値電圧Vth1よりも高い。Vdは、時刻T11以降の時刻に2ωの周波数で振動し、しきい値Vth2よりも低くなる期間がある。
時刻T12〜T13の期間では、Vdは、しきい値Vth2よりも低くなり、時刻T13〜T14の期間では、Vdは、しきい値Vth2以上になる。したがって、AND回路266bは、時刻T11以降の期間にわたってローレベルを出力する。なお、ディレイ回路266のディレイ時間tdが(T12〜T13)の期間よりも長く設定されている場合には、比較器264の出力がハイレベルになる期間と、ディレイ時間設定部266aの出力がハイレベルになる期間が重なることがない。AND回路266bは、時刻T11以降にわたってローレベルを出力する。
この例では、電力系統2の3線のうち2線が0Vとなっても、事故判別回路246は、事故判別信号FRはローレベルとならない。そのため、電力変換装置210は、動作を継続することができる。
図8(c)には、電力系統2の3線のうち1線が地絡して0Vとなった場合の例が示されている。この例では、aが0Vになった場合について示されているが、他の1線が0Vとなっても同様に説明される。
図8(c)に示すように、時刻T21において、aが0Vになるので、d軸出力電圧Vdは、式(4)より、以下の(6)式で表される。
Figure 2019022313
この場合のVdはしきい値電圧Vth1よりも高い。また、Vdは、時刻T21以降しきい値電圧Vth2よりも高い。したがって、事故判別回路246では、事故判別信号FRはローレベルとならない。そのため、電力変換装置210は動作を継続することができる。
なお、上述の2線地絡や1線地絡の場合には、電力変換装置は動作を継続することができるが、地絡により送電することができる電力は実質的に小さくなる。そのため、このような状態を検出した場合には、送電電力を減らすために直流電流指令値を一時的に下げるようにしてもよい。
また、上述の例では、しきい値電圧Vth1,Vth2の値を適切に設定することによって、地絡する相数や、地絡時の電圧等に応じて、電力変換装置の動作の継続条件および停止条件を任意に設定することができる。
本実施形態の電力変換装置の効果について説明する。
本実施形態の電力変換装置210では、事故判別回路246を有する制御部240を備えている。そして、事故判別回路246は、電力系統2の各相の電圧を入力して回転座標変換するdq演算器261からd軸出力電圧Vdを出力する。d軸出力電圧Vdは、あらかじめ設定されたしきい値Vth1,Vth2と比較され、Vdがこれらよりも低い電圧値のときに、事故判別回路246は、事故判別信号FRをローレベルにする。そのため、ゲートブロックによって電力変換部は動作を停止し、セル電圧Vcellを過大な電圧値まで充電されることが防止される。したがって、事故状態が解消した後に、コンデンサ35の放電過程を経ることなく、速やかに電力変換装置は再起動することができる。
事故判別回路246は、比較器271を有することもできる。比較器271は、直流電流指令値Idcをしきい値Ithと比較して、事故判別信号FRをローレベルにすることができる。
事故前に設定され入力されている直流電力が大きいほど、セル電圧Vcellの増加分は、大きくなる傾向にある。たとえば、電力変換装置210が直流送電システムに用いられ、直流電力の送電を受けている場合に、大きな電力を融通しているときに、電力系統2の地絡を生ずると、セル電圧Vcellの上昇により、過電圧保護機能が動作しやすい。そのため、事故前に融通している電力を表す直流電流指令値Idcがしきい値Ithよりも大きくなる場合には、過電圧保護機能が動作する前に、電力変換装置の運転を停止する。
たとえば、しきい値Ithを0.8puとなるように設定すると、事故前の電力融通量が0.8puを超えたときに、交流電圧の低下を検出して、事故判別信号FRをローレベルにすることができる。
さらに、事故判別回路246は、比較器273を有することもできる。比較器273は、実際のセル電圧Vcellの平均値Vcell_aveとしきい値電圧Vth3とを比較して、平均値Vcell_aveがしきい値電圧Vth3よりも高い場合に、事故判別信号FRをローレベルにすることができる。
上述したいずれのしきい値電圧Vth1,Vth2やしきい値Ithは、電力系統2の各相の電圧の低下や、融通する直流電力によって、事故後のセル電圧Vcellの増加分を見込んであらかじめ設定される。しかしながら、さまざまな状況に応じてセル電圧Vcellの増加分はさまざまに変化し、必ずしも見込んだとおりの電圧となるとは限らない。そこで、比較器273を用いて、実際のセル電圧Vcellにもとづいて、事故判別信号FRを生成し、過電圧保護機能が動作することを回避することができる。
本実施形態では、事故判別回路246が比較器271,273のいずれか一方、または両方を有する。そのため、不要なゲートブロックによって、電力変換装置が停止することを回避できる。そのため、電力変換装置が基幹電力系統等に用いられた場合に、電力変換装置は、事故復帰後速やかに再起動することが可能になるとともに、不要に停止することを防止し、より安定して電力融通を継続することを可能にする。
(第3の実施形態)
図9は、本実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。
本実施形態の電力変換装置では、制御部のうち事故判別回路346が上述の他の実施形態の場合と相違する。同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図9に示すように、事故判別回路346は、d軸出力電圧Vdおよびq軸出力電圧Vqの合成ベクトルの大きさを演算する合成ベクトル演算器375を含む。
合成ベクトル演算器375は、dq演算器261と比較器262,264との間に接続されている。合成ベクトル演算器375には、dq演算器261からd軸出力電圧Vdおよびq軸出力電圧Vqが供給される。合成ベクトル演算器375は、d軸出力電圧Vdおよびq軸出力電圧Vqの合成ベクトルの大きさVdqを計算する。
Figure 2019022313
比較器262,264は、合成ベクトルの大きさVdqとしきい値電圧Vth1,Vth2とをそれぞれ比較し、比較結果にもとづいて事故判別信号FRを生成する。
合成ベクトルの大きさVdqがしきい値電圧Vth1よりも低い場合には、事故判別回路346では、事故判別信号FRはローレベルになる。
合成ベクトルの大きさVdqがしきい値電圧Vth2よりも低い期間が、あらかじめ設定されたディレイ時間td以上継続する場合には、事故判別回路346では、事故判別信号FRはローレベルになる。
電力変換装置は、事故判別信号FRがローレベルとなるので、ゲートブロックされ、動作を停止する。
なお、第2の実施形態の場合のように、直流電流指令値Idcに応じて事故判別信号FRをローレベルにしたり、セル電圧Vcellの測定値にもとづいて事故判別信号FRをローレベルにしたりしてもよい。
本実施形態の電力変換装置の効果について説明する。
本実施形態の電力変換装置は、dq変換された電圧の合成ベクトルの大きさをしきい値電圧Vth1,Vth2と比較することによって、事故判別信号FRを生成する。電力系統2の潮流には、運用状況によって、有効電力とともに無効電力も含まれる。本実施形態の電力変換装置では、dq変換された電圧の合成ベクトルの大きさを取得して、しきい値と比較することによって、電力系統2の状況をより詳細に把握して事故判別を行うことができる。
上述した各実施形態については、複数の形態を組み合わせることができる。たとえば、第1の実施形態の事故判別回路46に第2の実施形態の事故判別回路246を組み合わせてもよいし、第2の実施形態の事故判別回路246に第3の実施形態の事故判別回路346を組み合わせてもよい。
以上説明した実施形態によれば、交流側に地絡を生じて動作を停止した場合であっても、事故解消時早急に運転を再開することができる電力変換装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
2,2a,2b 電力系統、4,4a,4b 変圧器、6 直流送電線、10,210 電力変換装置、20 電力変換部、22 チョッパセル、31,32 スイッチング素子、33,34 ダイオード、35 コンデンサ、36 電圧検出器、40,240 制御部、42 電力制御回路、44 PWM回路、46,246,346 事故判別回路、51−1〜51−6N キャリア信号生成部、52−1〜52−6N 比較器、53−1〜53−6N AND回路、61u,61v,61w 比較器、62u,62v,62w しきい値電圧生成部、63 OR回路、64 NOT回路、100 直流送電システム、261 dq演算器、262,264,271,273 比較器、266 ディレイ回路、375 合成ベクトル演算器

Claims (9)

  1. 直流電圧と交流電圧との間で双方向に電力を変換可能な電力変換装置であって、
    スイッチング素子によって充放電を切り替え可能とされたコンデンサを含むセルが直列に接続されたアームを含む電力変換部と、
    前記スイッチング素子を駆動して前記コンデンサの電圧を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記交流電圧の値があらかじめ設定された第1しきい値よりも低い場合に、前記スイッチング素子を遮断する停止信号を生成する事故判別部を含む電力変換装置。
  2. 前記第1しきい値は、前記交流電圧の各相の電圧の瞬時値に応じて設定された交流信号である請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記事故判定部は、
    前記交流信号を生成するしきい値電圧生成部と、
    前記しきい値電圧生成部に接続され、前記交流電圧の瞬時値と前記交流信号とを比較する比較器と、
    を含む請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記事故判定部は、
    前記交流電圧を回転座標変換する第1演算器を含み、
    前記第1演算器から出力される互いに直交する2つの出力電圧ベクトルのうち少なくとも1つにもとづいて、前記停止信号を生成する請求項1記載の電力変換装置。
  5. 前記事故判定部は、
    あらかじめ設定された第2しきい値電圧を出力する第2しきい値電圧生成部と、
    前記第2しきい値電圧生成部に接続され、前記第2しきい値電圧と前記2つの出力電圧ベクトルのうちの1つの電圧値とを比較する第2比較器と、
    を含む請求項4記載の電力変換装置。
  6. 前記事故判定部は、
    あらかじめ設定された第3しきい値電圧を出力する第3しきい値電圧生成部と、
    前記第3しきい値電圧生成部に接続され、前記第3しきい値電圧と前記1つの電圧値とを比較して第1状態または第1状態とは異なる第2状態を出力する第3比較器と、
    前記第1状態または前記第2状態のうちいずれか一方があらかじめ設定された遅延時間以上継続したときに前記停止信号を生成するディレイ回路と、
    を含む請求項5記載の電力変換装置。
  7. 前記事故判定部は、変換すべき前記電力が、前記電力に関するしきい値以上の場合に前記停止信号を生成する請求項4〜6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
  8. 前記事故判定部は、前記コンデンサの両端の電圧が、前記コンデンサの両端の電圧に関する第4しきい値電圧以上の場合に前記停止信号を生成する請求項4〜7のいずれか1つに記載の電力変換装置。
  9. 前記事故判定部は、前記2つの出力電圧ベクトルの合成ベクトルの大きさにもとづいて前記停止信号を生成する請求項4記載の電力変換装置。
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