JP6770460B2 - 直流送電システムおよび制御装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、直流送電システムおよび制御装置に関する。
直流送電では、交流送電と比較して安定度を考慮する必要がないという利点を有する。直流送電では、送電線の熱容量まで電力を送電できるという利点もある。このため、長距離で大容量の送電の場合等に、直流送電が用いられている。
直流送電線は、外部環境の影響により断線することがある。たとえば、送電線は、倒壊した樹木の接触によって断線することがある。送電線が海底ケーブルの場合には、船舶の碇や漁具との接触、サメに噛まれる、海底地震等によって断線することが考えられる。
直流送電線の断線事故を生じた場合には、断線事故の検出が遅れると、充電された送電線により、2次被害として短絡事故や人的または物的事故につながるおそれがある。
特公昭63−061853号公報
実施形態は、直流送電線の断線を検出して断線検出信号を生成する直流送電システムおよび制御装置を提供する。
実施形態に係る直流送電システムは、第1電力指令値が所定のしきい値よりも低い場合に、時間的に変化する監視信号を前記第1電力指令値に加算して第2電力指令値として用いて制御信号を生成し自励式電力変換器を制御する制御装置と、前記第1電力指令値が前記所定のしきい値よりも低い場合に、直流送電線の両端の電圧のうち少なくとも一方の電圧値または前記直流送電線に流れる電流値にもとづいて、前記直流送電線が断線したことを示す断線検出信号を生成する断線検出器と、を備える。
第1の実施形態に係る直流送電システムを例示するブロック図である。 自励式電力変換器を例示する回路図である。 第1の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 第1の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 第1の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 図6(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図6(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートの例である。 第2の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 第2の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 図9(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図9(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートの例である。 第3の実施形態に係る直流送電システムを例示するブロック図である。 第3の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 図12(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図12(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートである。 第4の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 第4の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 第4の実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。 図16(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図16(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートの例である。 第5の実施形態に係る直流送電システムを例示するブロック図である。 直流送電システムを構成する電力変換器を例示するブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る直流送電システムを例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態が適用される電力系統は、交流系統AS1、交流系統AS2、および直流系統DS1である。交流系統AS1,AS2は、交流電力を供給する電力系統である。交流系統AS1および交流系統AS2は、いずれも送電側、受電側となることができる。交流系統AS1,AS2を構成する要素としては、電源、負荷および交流送電線等がある。
たとえば、交流系統AS1,AS2を、三相または単相の50Hz若しくは60Hzの電源、負荷および交流送電線を含む構成とすることができる。交流送電線は、距離の長短や材質等に応じたインピーダンスを有する。また、たとえば、交流系統AS1,AS2を、上述したような電源のみにより構成することもできる。
直流系統DS1は、直流電力を供給する電力系統であり、直流送電線3等を含む。直流送電線3は、距離の長短や材質等に応じた線路抵抗を有する。本実施形態の直流送電システム100は、この直流系統DS1に設けられている。
直流送電システム100は、交流系統AS1,AS2と直流系統DS1との連系を行う複数の装置を含む。直流送電システム100は、制御装置20a,20bと、断線検出器40と、を備える。直流送電システム100は、制御装置20a,20bによってそれぞれ制御される電力変換器10a,10bを含む。直流送電システム100は、直流断路器4a,4bと、電圧検出器61a,61bと、をさらに含む。
制御装置20a,20bは、それぞれ電力変換器10a,10bに接続されている。制御装置20a,20bは、たとえば、通信ネットワーク5を介して融通電力指令値Pdp*、直流電圧指令値Vdc*および制御端子切替信号Dtを供給され、これらにしたがって動作する。
断線検出器40は、電圧検出器61a,61bによって検出された電力変換器10a,10bの直流端子電圧Vdc1,Vdc2を入力して、直流送電線3の断線の有無を判定する。断線検出器40は、直流送電線3が断線していると判定した場合には、アクティブな断線検出信号Ddを出力する。電圧検出器61a,61bは、直流送電線3の両端、つまり、電力変換器10a,10bのそれぞれの直流端子に接続されている。
たとえば、断線検出信号Ddは、通信ネットワーク5を介して、制御装置20a,20bの上位に設けられた、図示しない主幹制御装置に送信され、主幹制御装置は、直流送電線3が断線した場合の手順を実行する。直流送電線3の断線の手順の1つは、たとえば直流送電線3に直列に接続された直流断路器4a,4bによって回路を開く等する。
電力変換器10a,10bは、交流電力と直流電力とを相互に変換することにより、系統を連系する。本実施形態では、電力変換器10a,10bは、電圧型の自励式変換器である。電圧型の電力変換器は、直流側に挿入されたコンデンサを電圧源として、供給する電圧を制御する。自励式の電力変換器は、自己消弧型素子のオン、オフのタイミングを調整することにより、所定の有効電力の出力を制御する。また、自励式の電力変換器は、自己消弧型素子のオン、オフのタイミングを調整することにより、無効電力を制御することもできる。自励式の電力変換器では、有効電力の制御とは独立に無効電力を制御することが可能である。
電力変換器10aは、交流系統AS1と直流系統DS1との間に接続されている。電力変換器10bは、直流系統DS1と交流系統AS2との間に接続されている。電力変換器10a,10bは、順変換器としても逆変換器としても機能する。つまり、直流送電システム100は、交流系統AS1と交流系統AS2との間を、直流系統DS1を介して双方向に電力を融通する。
順変換器は、交流電力を直流電力に変換する。逆変換器は、直流電力を交流電力に変換する。たとえば、交流系統AS1を送電側にして電力変換器10aを順変換器として機能させる場合には、電力変換器10aは、交流系統AS1からの交流電力を直流電力に変換して直流系統DS1に供給する。また、交流系統AS2を受電側にして、電力変換器10bを逆変換器として機能させる場合には、電力変換器10bは、直流系統DS1からの直流電力を交流電力に変換して、交流系統AS2に供給する。
このような電力変換器10a,10bの一例として、三相2レベル変換器である電力変換器10が用いられることがある。
図2は、自励式電力変換器を例示する回路図である。
図2に示すように、電力変換器10は、三相ブリッジ回路11と、コンデンサ12と、を含む。三相ブリッジ回路11は、三相に対応して並列に接続された3つのレグ13を含む。各レグ13は、正側と負側に直列に接続された単位アーム14を含む。電力変換器10は、直流を三相交流に変換し、または三相交流を直流に変換する。電力変換器10は、入力された直流電圧のレベルを2分割して出力する。
単位アーム14は、スイッチング素子14aと、ダイオード14bと、を含む。スイッチング素子14aは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、IEGT(Injection Enhanced Gate Transistor)、GTO(Gate Turn-Off thyristor)、等の自己消弧型素子である。ダイオード14bは、スイッチング素子14aに逆並列に接続されている。ダイオード14bは、印加電圧とは逆方向の電流を流してスイッチング素子14aの破壊を防止する還流ダイオードである。なお、図示しないが、各スイッチング素子14aには、自己消弧型素子をオン、オフさせる駆動回路および駆動回路のための電源が接続されている。
並列に接続された各レグ13の正側と負側の直流端子15p,15nは、直流系統DS1に接続される。各レグ13における正側と負側の単位アーム14の中点からは、各相の交流端子16u,16v,16wが引き出されている。
コンデンサ12は、直流端子15p,15n間に接続され、各レグ13と並列に接続されている。コンデンサ12は、蓄積されたエネルギーを電圧として供給する電圧源である。つまり、三相ブリッジ回路11は、コンデンサ12の電圧を、自己消弧型素子のオン、オフにより擬似交流電圧にして出力することができる。
図3〜図5は、本実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。
図3には、電力変換器10(10a,10b)を制御する制御装置20(20a,20b)のブロック図の例が示されている。制御装置20は、融通電力指令値Pdp*、直流電圧指令値Vdc*、および制御端子切替信号Dtを入力し、電力変換器10(10a,10b)のスイッチング素子14aを駆動するゲート信号Vgを出力する。
制御端子切替信号Dtは、電力変換器10が電力一定となるよう動作(Auto Power Regulator、以下、APRともいう。)するか、電圧一定となるよう動作(DC Auto Voltage Regulator、以下、DC-AVRともいう。)するかを決定する。たとえば、2端子の直流送電システムの場合、順変換器となる電力変換器では、電圧一定(DC−AVR)となるように制御端子切替信号Dtが与えられることが多い。そして、逆変換器となる電力変換器では、電力一定(APR)となるように、制御端子切替信号Dtが与えられることが多い。これにより、直流系統DS1の電圧が順変換器により決定され、電力が逆変換器により決定される。電圧一定の変換器をDC−AVR端、電力一定の変換器をAPR端と呼ぶことがある。制御端子切替信号Dtとしては、たとえば電圧マージンを利用する方法などがある。
図3に示すように、制御装置20は、監視用制御部21と、変換器制御部31と、を含む。監視用制御部21は、融通電力指令値Pdp*を入力して、融通電力指令値Pdp*が所定の条件を満たした場合には、融通電力指令値Pdp*とは異なる新たな融通電力指令値Pdp1*を生成する。
監視用制御部21は、この例では、比較器22と、監視信号生成器24と、加算器25と、を含む。
比較器22は、外部から供給される融通電力指令値Pdp*と、あらかじめ設定されたしきい値電力Pt1とを比較する。比較器22は、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも小さい場合には、インバータ回路23を介してHレベルの比較信号CMPを出力する。比較器22は、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1以上の場合には、インバータ回路23を介してLレベルの比較信号CMPを出力する。
監視信号生成器24は、監視信号Pm1を出力する。比較信号CMPの論理レベルによって、監視信号生成器24は、0でない監視信号Pm1を出力し、または値が0である監視信号Pm1を出力する。この例では、監視信号生成器24は、比較信号CMPがHレベルの場合に0でない監視信号Pm1を出力する。監視信号生成器24は、比較信号CMPがLレベルの場合に値が0の監視信号Pm1を出力する。
変換器制御部31は、電力変換器10の交流電圧や交流電流等を検出して、新たな融通電力指令値Pdp1*、直流電圧指令値Vdc*および制御端子切替信号Dtにしたがって、PI制御等によりゲート信号Vgを生成する。
図4には、監視信号生成器24のブロック図の例が示されている。図4に示すように、この例では、監視信号生成器24は、スイッチ24sと信号発生部24mとを含む。スイッチ24sは、0レベルと信号発生部24mの出力との間で切り替わる。スイッチ24sは、比較信号CMPによって制御される。
本実施形態では、比較信号CMPがHレベルの場合、スイッチ24sは“1”側に接続されるので、監視信号生成器24は、信号発生部24mから出力される0でない監視信号Pm1を出力する。比較信号CMPがLレベルの場合には、スイッチ24sは“0”側に接続されるので、監視信号生成器24は、値が0である監視信号Pm1を出力する。
この例では、信号発生部24mが出力する監視信号Pm1は、間欠的に振幅Pmを有する方形波である。振幅Pmは、しきい値電力Pt1と区別できるように、しきい値電力Pt1よりも大きな値を有する。0でない監視信号Pm1は、たとえば、一定の周波数、一定のデューティサイクルおよび振幅Pmを有する方形波である。方形波の周波数、デューティサイクルおよび振幅Pmはあらかじめ設定されている。方形波の周波数およびデューティサイクルは、交流系統に悪影響を与えない範囲で設定される。
監視用制御部21に入力された融通電力指令値Pdp*は、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも小さい場合には、加算器25によって監視信号生成器24から出力される監視信号Pm1が加算される。加算された新たな融通電力指令値Pdp*1は、変換器制御部31に供給される。
図5には、断線検出器40のブロック図の例が示されている。図5に示すように、断線検出器40は、比較器41,45と、AND回路42と、加減算器43と、絶対値回路44と、を含む。断線検出器40は、融通電力指令値Pdp*および直流端子電圧Vdc1,Vdc2を入力して、断線検出信号Ddを出力する。
比較器41は、融通電力指令値Pdp*と、しきい値電力Pt1とを比較する。この例では、比較器41は、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも小さい場合には、Lレベルの信号を出力する。比較器41は、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1以上の場合には、Hレベルの信号を出力する。比較器41から出力される信号は、反転されてAND回路42に入力される。
加減算器43は、直流送電線3の直流端子電圧Vdc1,Vdc2を入力して、これらの差電圧ΔVdcを出力する。差電圧ΔVdcは、絶対値回路44によって絶対値|ΔVdc|が計算されて比較器45に入力される。
比較器45は、差電圧の絶対値|ΔVdc|としきい値電圧ΔVt(>0)とを比較する。この例では、比較器45は、差電圧の絶対値|ΔVdc|がしきい値電圧ΔVt以上の場合には、Hレベルの信号を出力する。比較器45は、差電圧の絶対値|ΔVdc|がしきい値電圧ΔVtよりも低い場合には、Lレベルの信号を出力する。
AND回路42は、一方の比較器41から出力される信号がLレベルであり、かつ、他方の比較器45から出力される信号がHレベルの場合に、Hレベルの断線検出信号Ddを出力する。つまり、断線検出器40は、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも小さく、かつ、差電圧の絶対値|ΔVdc|がしきい値電圧ΔVt以上の場合に、Hレベルの断線検出信号Ddを出力する。これ以外の条件の場合には、断線検出器40が出力する断線検出信号Ddは、Lレベルとなる。断線検出信号DdがHレベルの場合に、断線検出がアクティブであり、断線検出されているものとする。
図6(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図6(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートの例である。
図6(a)には、電力変換器10a,10bと、制御装置20a,20bと、断線検出器40と、を備えた直流送電システム100が示されている。制御装置20a,20bには、融通電力指令値Pdp*および直流電圧指令値Vdc*が入力される。この例では、交流系統AS1と直流系統DS1との間に接続されている電力変換器10aがDC−AVR端として動作し、直流系統DS1と交流系統AS2との間に接続されている電力変換器10bがAPR端として動作するものとする。したがって、融通される電力は、交流系統AS1側から交流系統AS2側に送電される。なお、これらの動作は、制御端子切替信号によって設定される。
図6(b)の上段の図は、電力変換器10a,10bのそれぞれの直流端子電圧Vdc1,Vdc2の時間変化を示している。Vdc1は破線で示され、Vdc2は実線で示されている。
図6(b)の下段の図は、監視用制御部21が出力する新たな融通電力指令値Pdp1*の時間変化を示している。
融通電力指令値が比較的大きい定格運転時であって、断線事故等の異常がない場合には、直流端子の電力および電圧は、融通電力指令値および直流電圧指令値と一致している。DC−AVR端の直流端子電圧Vdc1は、制御装置20aに入力した直流電圧指令値Vdc*と一致している。APR端の直流端子電圧Vdc2は、制御装置20bに入力した融通電力指令値Pdp*によって決まる電流による電圧降下等を考慮した値となる。
図6(b)の例では、時刻t0〜t2の期間に、しきい値電力Pt1以上の融通電力指令値Pdp*が設定され、時刻t2以降の期間で、しきい値電力Pt1を下回る融通電力指令値Pdp*となる。DC−AVR端では、直流電圧指令値Vdc*は一定であるものとする。
つまり、時刻t0〜t2の期間では、監視用制御部21は、新たな融通電力指令値Pdp1*として、融通電力指令値Pdp*をそのまま変換器制御部31に供給する。時刻t2以降では、監視用制御部21は、0でない監視信号Pm1が加算された新たな融通電力指令値Pdp1*を出力する。
時間の経過に沿って具体的に説明すると、時刻t0〜t1の期間では、融通電力指令値は、たとえば定格値のPdp(1)である。DC−AVR端からAPR端にPdp(1)が送電され、このときの直流電流Idc等に応じてAPR端の直流端子電圧Vdc2が決定される。APR端の直流端子電圧Vdc2は、DC−AVR端の直流端子電圧Vdc1よりも低い。
時刻t1〜t2の期間では、融通電力指令値Pdp*は次第に低下する。融通電力指令値Pdp*は、時刻t2においてしきい値電力Pt1よりも低くなる。APR端の直流端子電圧Vdc2は、融通電力指令値Pdp*の低下に応じて上昇する。
時刻t2以降の期間では、監視用制御部21は、パルス幅τ、振幅Pmの方形波を有する監視信号Pm1が加算された新たな融通電力指令値Pdp1*を出力する。なお、この例では、時刻t2以降において融通電力指令値Pdp*は0としている。
時刻t2〜t6の期間では、APR端の直流端子電圧Vdc2は、監視信号Pm1に応じて、変動する。つまり、融通電力指令値Pdp1*(監視信号Pm1)が出力される時刻t2〜t3および時刻t4〜t5の期間では、直流送電線3に流れる電流に応じて、APR端の直流端子電圧Vdc2が低下する。
時刻t6において、直流送電線3に断線が発生したとする。時刻t7において、融通電力指令値Pdp1*が出力されるので、APR端の電力変換器10bおよび制御装置20bは、融通電力指令値Pdp1*となるように、直流端子電圧Vdc2を引き下げようと動作する。しかし、直流送電線3は断線しているので、電流を流すことができず、直流端子電圧Vdc2は低下し続ける。
時刻t8において、直流端子電圧Vdc1,Vdc2の差電圧の絶対値|ΔVdc|は、しきい値電圧ΔVt以上となる。そのため、断線検出器40は、直流送電線3に断線が発生していると判断することができる。断線検出器40は、時刻t8において、アクティブな断線検出信号Ddを出力する。
本実施形態の直流送電システムの効果について説明する。
本実施形態の直流送電システム100では、制御装置20および断線検出器40において、融通電力指令値Pdp*を監視する。そして、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも低い場合には、制御装置20は、融通電力指令値Pdp*とは無関係に生成された監視信号Pm1を融通電力指令値Pdp*に加算して新たな融通電力指令値Pdp1*にもとづいて動作する。そのため、新たな融通電力指令値Pdp1*に応じて直流送電システム100が正常に動作するか否かを検出することによって、直流送電線3の断線の有無を判断することができる。
直流送電システムでは、サイリスタを使用した他励式の電力変換器が用いられる場合がある。直流送電システムに用いられてきた他励式電力変換器は、電流型変換器である場合が多い。電流型変換器は、大きなインダクタンスを有する平滑リアクトルが直流端子側に接続されている。そのため、このような電流型変換器が運転を継続するためには、電流を流し続ける必要がある。
このような断線を検出する技術として、他励式変換器の電圧、電流特性を利用して、電圧変化率を検出する技術が知られている。しかし、上述したように、他励式変換器において断線検出するときには、電流を遮断する必要があり、他励式変換器の運転を停止せざるを得ないので、送電線の復旧作業が必要となる。このため、再運転するには多大な時間がかかる。
これに対して、本実施形態の直流送電システム100では、電圧型の電力変換器を制御する制御装置を備えているので、直流送電線の断線時においても電力変換器の動作を継続することができる。
また、自励式の電力変換器では、サイリスタの点弧角によらず電力制御することができるので、高速かつきめ細かい制御を行うことができる。
交流系統には、系統電圧を調整して系統を安定化させるために、無効電力の供給が必要となる。しかしながら、他励式変換器は、サイリスタの点弧角のみで制御するため、無効電力の制御をすることができず、供給する無効電力は、有効電力に応じて自動的に決定される。そして、他励式変換器の場合には、直流送電線の断線事故が生じると、直流送電線には電流が流れなくなり、他励式変換器は、有効電力だけでなく、無効電力の出力もゼロとなる。
これに対して、本実施形態の直流送電システム100では、自励式の電力変換器を制御する制御装置を備えているので、直流送電線の断線事故であっても、平滑コンデンサに蓄えられたエネルギーを維持することができる。そのため、電力変換器は、運転を継続することができるので、無効電力の出力を継続し、交流系統の安定化に寄与することができる。
上述では、断線検出器40は、制御装置20等と別体の装置であるとして説明した。これに限らず、各端子の制御装置は、断線検出器を構成要素として備えるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図7および図8は、本実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。
図7には、本実施形態の場合の監視信号生成器124のブロック図の例が示されている。また、図8には、本実施形態の場合の断線検出器140のブロック図の例が示されている。この実施形態では、監視信号生成器124および断線検出器140の構成が上述の実施形態の場合と相違し、他の構成要素については上述の実施形態の場合と同じである。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図7に示すように、本実施形態の監視信号生成器124は、正弦波状の交流成分を含む監視信号Pm2を出力する信号発生部124mを含む。監視信号Pm2は、ゼロを中心に正負の正弦波であってもよいし、直流成分が加算された正弦波であってもよい。監視信号Pm1の交流成分は、正弦波に限らず、正負に振れる方形波や三角波等であってもよい。
監視信号生成器124は、上述した他の実施形態の場合と同様に、Hレベルの比較信号CMPが入力された場合に、監視信号Pm2を出力する。
図8に示すように、断線検出器140は、APR端の直流端子電圧Vdc2と、あらかじめ設定されたしきい値電圧Vatとを比較する。断線検出器140は、APR端の直流端子電圧Vdc2がしきい値電圧Vat以上の場合に、アクティブな断線検出信号Ddを出力する。
断線検出器140に入力されるAPR端の直流端子電圧Vdc2は、交流成分が含まれることがあり、このときの交流成分の振幅がしきい値電圧Vatと比較される。この例では、断線検出器140は、交流成分の振幅を比較するために、ピーク検出器143を含む。入力された直流端子電圧Vdc2は、ピーク検出器143によって、電圧のピーク値が検出され、検出されたピーク値は、比較器45によってしきい値電圧Vatと比較される。
直流端子電圧Vdc2としきい値電圧Vatとを比較する場合には、直流端子電圧Vdc2の交流成分の振幅を抽出することができればよく、ピーク−ピークの検出に限らず、交流成分の実効値を計算等してもよい。
図9(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図9(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートの例である。
この例では、監視信号Pm2は、直流成分を含まず、ゼロを中心に正負に振れる正弦波信号であるものとする。
図9(a)には、電力変換器10a,10bと、制御装置120a,120bと、断線検出器140と、を備えた直流送電システム200が示されている。直流送電線3に流れる直流電流Idcが合わせて示されている。制御装置120a,120bは、監視信号生成器124をそれぞれ含んでいる。
図9(b)の上段の図は、電力変換器10a,10bのそれぞれの直流端子電圧Vdc1,Vdc2の時間変化を示している。Vdc1は破線で示されており、Vdc2は実線で示されている。
図9(b)の下段の図は、新たな融通電力指令値Pdp2*の時間変化が示されている。
図9(b)の例では、時刻t0〜t2の期間に、しきい値電力Pt1以上の融通電力指令値Pdp*が設定され、時刻t2以降の期間で、しきい値電力Pt1を下回る融通電力指令値Pdp*となる。DC−AVR端では、直流電圧指令値Vdc*は一定であるものとする。
時刻t0〜t2の期間では、監視用制御部121は、融通電力指令値Pdp*を、融通電力指令値Pdp2*として、そのまま変換器制御部31に供給する。時刻t2以降では、監視用制御部121は、0でない監視信号Pm2を加算した新たな融通電力指令値Pdp2*を出力する。
時刻t2において、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1を下回ると、電力変換器10bおよび制御装置120bは、新たな融通電力指令値Pdp2*にしたがって動作する。融通電力指令値Pdp2*および直流電流Idcは、監視信号Pm2と同位相の交流となる。APR端の直流端子電圧Vdc2は、融通電力指令値Pdp2*および直流電流Idcとは、逆位相の交流成分を有する。
時刻t13において、直流送電線3に断線事故が発生する。このため、直流電流Idcは0となる。時刻t13以降では、融通電力指令値Pdp2*は、監視信号Pm2を出力するため、APR端の直流端子電圧Vdc2は、監視信号Pm2に応じて変化する。
時刻t13以降のAPR端の直流端子電圧Vdc2は、DC−AVR端の直流端子電圧Vdc1をほぼ上限として脈動する。
この例では、断線検出器140は、APR端の直流端子電圧Vdc2の上限および下限のピーク値がしきい値電圧Vatよりも高いと判定した場合に、アクティブな断線検出信号Ddを出力する(時刻t14)。
本実施形態の直流送電システム200の効果について説明する。
本実施形態の直流送電システム200は、監視信号Pm2として、ゼロを中心に正負に振れる信号を用いている。そのため、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも低い場合で、直流送電線3が断線していないときには、DC−AVR端とAPR端との間で電力の送受がされる。したがって、監視信号Pm2による交流成分は送電されず、融通電力指令値Pdp*で設定した直流電力を安定して送電することができる。
(第3の実施形態)
図10は、本実施形態に係る直流送電システムを例示するブロック図である。
上述した他の実施形態の場合には、DC−AVR端およびAPR端の直流端子電圧Vdc1,Vdc2を検出することによって、直流送電線3の断線を検出したが、本実施形態では、直流送電線3に流れる電流を検出することによって断線検出を行う。
図10に示すように、本実施形態の直流送電システム300は、上述の他の実施形態の場合とは異なる断線検出器240を備える。断線検出器240には、電流検出器62によって検出された直流送電線3に流れる検出電流が入力される。他の構成要素については、上述した実施形態の場合と同じである。なお、制御装置120a,120bは、正弦波状の監視信号を生成する監視信号生成器124を含んでいる(第2の実施形態)が、方形波状の監視信号を生成する制御装置20a,20bを用いるようにしてもよい(第1の実施形態)。
図11は、本実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。
図11には、断線検出器240のブロック図の例が示されている。図11に示すように、断線検出器240は、電流検出器62によって検出された直流送電線3を流れる直流電流検出値Idc1を入力し、しきい値電流Iatと比較することによって直流送電線3の断線の有無を検出する。
断線検出器240は、比較器245を含む。直流電流検出値Idc1は、交流成分を含み、交流成分の振幅がしきい値電流Iatと比較される。そのため、この例では、入力された直流電流検出値Idc1は、ピーク検出器243に入力される。直流電流検出値Idc1は、ピーク−ピークの振幅値に変換されて比較器245に入力される。比較器245は、直流電流検出値Idc1のピーク値振幅としきい値電流Iatとを比較して、直流電流検出値Idc1のピーク値振幅がしきい値電流Iat以上の場合に、断線検出器240は、アクティブな断線検出信号Ddを出力する。なお、比較器245の出力論理に応じて、この例のように、比較器245の出力信号は反転されてAND回路42に入力される。
図12(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図12(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートの例である。
図12(b)の下段の図は、直流電流検出値Idc1の時間変化を示している。電流値Idc(1)は、融通電力の定格値Pdp(1)に対応する電流値である。It1は、融通電力のしきい値電力Pt1に対応する電流しきい値である。
図12(a)および図12(b)に示すように、時刻t2〜t23において、APR端では、新たな融通電力指令値Pdp2*に応じて、正弦波状の直流電流が流れる。直流電流の位相は、融通電力指令値Pdp2*と同位相である。直流端子電圧Vdc2の位相は、融通電力指令値Pdp2*とは逆位相となる。
時刻t23において、断線事故が発生するので、直流電流検出値Idc1はほぼ0になる。したがって、直流電流検出値Idc1がしきい値電流Iatを下回ることになるので、断線検出器240は、アクティブな断線検出信号Ddを出力する。なお、断線検出器240の比較器245は、脈動する電流値のピーク−ピークの振幅を測定するので、最初にしきい値電流Iatを下回る電流値を検出した後、下回った状態が脈動の1周期分以上継続するか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、時刻t24において、断線検出信号Ddが出力される。
上述したように、直流送電線の両端の電圧値を検出して、断線検出することもできるし、直流送電線に流れる電流を検出して断線検出することもできる。
制御装置20の監視信号生成器では、上述したように時間変化する信号を融通電力が小さい場合に出力することができればよく、用いる監視信号は、方形波や正弦波等、交流系統に悪影響を及ぼさない任意の信号波形を用いることができる。
(第4の実施形態)
図13〜図15は、本実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。
図13には、直流送電システムの制御装置320の構成例が示されている。図14には、監視信号生成器324の構成例が示されている。本実施形態では、融通電力指令値の値が小さい場合に、監視信号を直流電圧指令値に加算して、新たな直流電圧指令値とする。
図13に示すように、本実施形態の直流送電システムは、制御装置320を備える。制御装置320は、監視用制御部321を含む。監視用制御部321は、比較器22と、監視信号生成器324と、加算器325と、を含む。
図14に示すように、監視信号生成器324は、スイッチ24sと、信号発生部324mと、を含む。監視信号生成器324は、監視信号Vm4を出力する。比較信号CMPの論理によって、監視信号生成器24は、0でない監視信号Vm4を出力し、または0である監視信号Vm4を出力する。この例では、監視信号生成器324は、比較信号CMPがHレベルの場合に0でない監視信号Vm4を出力する。監視信号生成器324は、比較信号CMPがLレベルの場合に、0である監視信号Vm4を出力する。
加算器325は、直流電圧指令値Vdc*と監視信号Vm4とを入力して、これらを加算して新たな直流電圧指令値Vdc4*として出力する。
図15には、断線検出器340の構成例が示されている。図15に示すように、断線検出器340は、AND回路342およびピーク検出器343の構成が上述した他の実施形態の断線検出器140の場合と相違する。本実施形態では、比較器45から出力された信号は、反転されてAND回路342に入力される。つまり、AND回路342は、融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも小さく、かつ、APR端の直流端子電圧Vdc2の交流振幅がしきい値電圧Vatよりも低い場合に、アクティブな断線検出信号Ddを出力する。
図16(a)は、直流送電システムの動作を説明するための構成例を示すブロック図である。図16(b)は、直流送電システムの動作を説明するためのタイミングチャートの例である。
図16(a)に示すように、直流送電システム400は、制御装置320a,320bと、断線検出器340と、を備える。制御装置320a,320bは、上述の制御装置320と同一の構成を有する。
図16(b)に示すように、時刻t2以降では、融通電力指令値Pdp*(またはPdp2*)がしきい値電力Pt1を下回るので、制御装置320a,320bは、0でない正弦波状の監視信号Vm4によって、新たな直流電圧指令値Vdc4*を生成する。そのため、制御装置320aは、破線で示すように、監視信号Vm4にしたがう正弦波状の直流端子電圧Vdc1を出力する。
時刻t2〜t33では、APR端である制御装置320bは、ほぼ0の融通電力指令値Pdp*のため、直流電流Idcもほぼ0であり、直流端子電圧Vdc2は、DC−AVR端の直流端子電圧Vdc1に応じて変化する。
時刻t33において、直流送電線3に断線事故が発生すると、APR端である制御装置320bは、ほぼ0の融通電力指令値Pdp*で動作し、DC−AVR端の直流端子電圧Vdc1の影響を受けない。そのため、APR端の直流端子電圧Vdc2の脈動はほぼ0となる。
断線検出器340は、APR端の直流端子電圧Vdc2がしきい値電圧Vatよりも低いことを検出するので、アクティブな断線検出信号Ddを出力する(時刻t34)。
このように、低い融通電力指令値の場合に、制御装置320において、時間変化する0でない監視信号を直流電圧指令値Vdc*に加算して新たな直流電圧指令値Vdc4*とすることによっても、確実に断線検出をすることができる。
本実施形態の例では、正弦波状の監視信号を生成して、APR端の出力端子電圧Vdc2の値をしきい値Vatと比較したが、上述の他の実施形態の場合に用いた手段によってもよい。たとえば、方形波状の監視信号を生成して、DC−AVR端およびAPR端のそれぞれの出力端子電圧Vdc1,Vdc2の差電圧ΔVdcをしきい値と比較して断線の判定をするようにしてもよい。
(第5の実施形態)
図17は、本実施形態に係る直流送電システムを例示するブロック図である。
上述した直流送電システムは、2端子の場合に限らず、3端子以上の多端子システムにも適応することができる。
図17に示すように、本実施形態の直流送電システム500は、3つ以上の電力変換器10a,10b,10c,…と、制御装置20a,20b,20c,…と、断線検出器540と、を備える。直流送電システム500には、交流系統AS1,AS2,AS3と、直流系統DS1,DS2,DS3と、を含む。直流系統DS1,DS2,DS3は、直流送電線3a,3b,3cを含む。
この例では、直流系統DS1,DS2,DS3は、それぞれの一端において、ノードNで接続されている。直流送電システム500は、電力変換器10a,10b,10cの直流端子電圧を検出する電圧検出器61a,61b,61cのほか、ノードNの電圧を検出する電圧検出器61dを含んでいる。
断線検出器540は、各端子の直流端子電圧Vdc1,Vdc2,Vdc3とノードNの電圧VdcNとの間の電圧差を検出して、しきい値電圧ΔVtと比較する。
制御装置20a,20b,20cは、上述した他の実施形態の場合と同様に動作する。融通電力指令値Pdp*がしきい値電力Pt1よりも低く、かつ、電圧差の絶対値がしきい値電圧ΔVt以上の場合には、断線検出器540は、アクティブな断線検出信号Ddを出力する。
(第6の実施形態)
図18(a)および図18(b)は、本実施形態の直流送電システムの一部を例示するブロック図である。
上述した直流送電システムの電力変換装置には、三相2レベル変換器に限らず、他の回路形式のものを用いることができる。本実施形態の電力変換装置には、電力変換器としてモジュラーマルチレベルコンバータ(以下、MMCとする)を適用することもできる。
図18(a)に示すように、MMC620は、三相に対応して並列に接続されたレグ661を有する。各レグ661は、正側と負側に直列に接続された単位アーム662a,662bを有する。
単位アーム662a,662bは、単位変換器663を多段直列接続することにより構成されている。単位変換器663は、チョッパセルあるいはセルとも呼ばれる。
図18(b)に示すように、単位変換器663は、スイッチング素子663aと、ダイオード663bと、コンデンサ663cと、を含む。スイッチング素子663aは、自己消弧型の半導体素子である。スイッチング素子663aは、直列に2個接続されている。各スイッチング素子663aには、自己消弧型素子をオン、オフさせる駆動回路および電源が接続されている。
ダイオード663bは、還流ダイオードである。2個のダイオード663bは、各スイッチング素子663aにそれぞれ逆並列に接続されている。
コンデンサ663cは、直列に接続された2個のスイッチング素子663aに並列に接続されている。
単位変換器663は、2つの端子T1,T2によって、他の単位変換器663等と接続される。複数の単位変換器663を直列に接続するためには、一方の単位変換器663の端子T1を他方の単位変換器663の端子T2に接続する。
並列に接続された各レグ661の正側と負側の端子は、直流系統DS1に接続される直流端子615p,615nである。各レグ661における正側と負側の単位アーム662a,662bは、バッファリアクトル664を介して接続されている。正側と負側のバッファリアクトル664の中点からは、変圧器665を介して、各相の交流端子616u〜616wが引き出されている。
MMC620は、単位変換器663の動作タイミングをずらすことで、階段状のマルチレベル波形の出力として、正弦波に近づけることができる。このため、本実施形態における直流送電線の断線時においても、良好な動作波形による無効電力の供給を継続できる。また、三相2レベル変換器で必要であった交流フィルタ容量を低減若しくは不要とすることができる。さらに、三相2レベル変換器のような高耐圧のコンデンサが不要となる。
なお、単位アーム662a、662bは、n個の単位変換器663を直列に接続すればよい。上述では、n=2としたが、n≧1であればよい。また、変圧器665のリアクタンス成分を利用して、バッファリアクトル664を削減する回路構成としてもよい。
以上説明した実施形態によれば、直流送電線の断線を検出して断線検出信号を生成する直流送電システムおよび制御装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
3,3a,3b,3c 直流送電線、4a,4b 直流断路器、10,10a,10b 電力変換器、20,20a,20b,20c,120a,120b,320a,320b 制御装置、21 監視用制御部、22 比較器、23 インバータ回路、24,124,324 監視信号生成器、31 変換器制御部、40,140,240,340 断線検出器、41,45 比較器、42 AND回路、43 加減算器、44 絶対値演算器、61a,61b,61c 電圧検出器、62 電流検出器、100,200,300,400,500 直流送電システム、620 モジュラーマルチレベルコンバータ(MMC)

Claims (10)

  1. 第1電力指令値が所定のしきい値よりも低い場合に、時間的に変化する監視信号を前記第1電力指令値に加算して第2電力指令値として用いて制御信号を生成し自励式電力変換器を制御する制御装置と、
    前記第1電力指令値が前記所定のしきい値よりも低い場合に、直流送電線の両端の電圧のうち少なくとも一方の電圧値または前記直流送電線に流れる電流値にもとづいて、前記直流送電線が断線したことを示す断線検出信号を生成する断線検出器と、
    を備えた直流送電システム。
  2. 前記監視信号は、正の値、負の値、および正負の値のうちのいずれかを有する請求項1記載の直流送電システム。
  3. 前記断線検出器は、前記直流送電線の両端の電圧差にもとづいて前記断線検出信号を生成する請求項1または2に記載の直流送電システム。
  4. 前記断線検出器は、前記制御装置が前記第2電力指令値にしたがって制御する前記自励式電力変換器の直流端子の電圧の値にもとづいて前記断線検出信号を生成する請求項1または2に記載の直流送電システム。
  5. 前記断線検出器は、前記直流送電線に流れる電流にもとづいて前記断線検出信号を生成する請求項1記載の直流送電システム。
  6. 電力指令値が所定のしきい値よりも低い場合に、時間的に変化する監視信号を電圧指令値に加算して新たな電圧指令値として用いて自励式電力変換器を制御する制御装置と、
    前記電力指令値が前記所定のしきい値よりも低い場合に、直流送電線の両端の電圧のうち少なくとも一方の電圧値にもとづいて、前記直流送電線が断線したことを示す断線検出信号を生成する断線検出器と、
    を備えた直流送電システム。
  7. 前記断線検出器は、2以上の直流送電線について、電圧値または電流値を監視する請求項1〜6のいずれか1つに記載の直流送電システム。
  8. 前記断線検出器は、前記断線検出信号によって、前記直流送電線に直列に接続された直流断路器を開放し、
    前記制御装置は、前記自励式電力変換器によって継続して無効電力を供給する請求項1〜7のいずれか1つに記載の直流送電システム。
  9. 前記制御装置は、前記電力変換器としてモジュラーマルチレベルコンバータを制御する請求項1〜8のいずれか1つに記載の直流送電システム。
  10. 直流送電のための電力変換器の制御装置であって、
    電力指令値が所定のしきい値よりも低い場合に、時間的に変化する監視信号を前記電力指令値に加算して新たな電力指令値を生成する監視用制御部と、
    前記電力指令値が前記所定のしきい値よりも低い場合に、直流送電線の両端の電圧のうち少なくとも一方の電圧値または前記直流送電線に流れる電流値にもとづいて、前記直流送電線が断線したことを示す断線検出信号を生成する断線検出部と、
    を備えた制御装置。
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