JP2019022297A - 電源システム - Google Patents

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【課題】電力変換装置と接続されるリチウムイオンバッテリに流れる脈流を低減する。【解決手段】この電源システム100は、交流波形の生成に起因して直流の入力電流が脈流になる性質を有する電力変換装置1と、電力変換装置1と接続されたリチウムイオンバッテリ2Bと、リチウムイオンバッテリ2Bと並列に接続されたリチウムイオンキャパシタ2Cと、を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は電源システムに関する。
直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置には一般に、DC/DCコンバータ及びインバータが搭載されており、半導体のスイッチングにより、直流電力を交流電力に、又は、必要によりその逆方向にも、変換することができる。伝統的な電力変換装置は、DC/DCコンバータ及びインバータの双方が常時、高周波スイッチングを行っている。
これに対して、常時スイッチングを行うことによる電力損失を低減して変換効率を向上させるべく、例えば直流から交流への変換時に、交流側の電圧の瞬時値と直流側の電圧とを互いに比較して、交流半サイクル内で、昇圧が必要な時はDC/DCコンバータのみが高周波スイッチングを行い、降圧が必要な時はインバータのみが高周波スイッチングを行うことにより、交互に高周波スイッチングを休止する期間を設ける。このような制御方式を最小スイッチング変換方式と称している。これにより、全体的なスイッチング回数を減少させた電力変換装置を提供することができる(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開2014−241714号公報 特開2015−149882号公報
上記のような最小スイッチング変換方式では、直流電源をリチウムイオンバッテリとすると、リチウムイオンバッテリとDC/DCコンバータとの間に流れる電流が、直流の脈流になることがわかっている。
例えば図8は、商用電力系統の系統電流(点線)、リチウムイオンバッテリからの入力電流(実線)を示すグラフの一例である。直流入力は、系統の2倍の周波数で脈動する脈流となる。
例えば、電力変換装置への入力電流をIin、入力電圧をVin、出力電流をIout、出力電圧をVout、変換効率をηとすると、以下のように表現できる。
・・・(01)
式(01)の右辺の分子は、交流であるから、正弦波の2乗すなわち脈流を意味する。また、実効値は、以下のように表される。ここで、Iinpeakは、入力電流のピーク値、Igpeakは、リチウムイオンバッテリの出力電流のピーク値、Iinrmsは脈動成分が無い場合の入力電流の実効値である。
・・・(02)
式(02)の結果より、脈流の場合の実効値は脈動成分が無い場合の(3/2)1/2倍となる。導通損失は電流の2乗に比例するので、リチウムイオンバッテリでは、(3/2)すなわち1.5倍の損失が発生する。また、電流のピーク値は図8に示すように約2倍となり、リチウムイオンバッテリ内の素子の定格条件も厳しくなる。また、リチウムイオンバッテリの内部損失の増大は、バッテリ劣化を招く一因となる。
かかる課題に鑑み、本発明は、リチウムイオンバッテリに流れる脈流を低減することを目的とする。
本発明の一表現に係る電源システムは、交流波形の生成に起因して直流の入力電流が脈流になる性質を有する電力変換装置と、前記電力変換装置と接続されたリチウムイオンバッテリと、前記リチウムイオンバッテリと並列に接続されたリチウムイオンキャパシタと、を備えている。
本発明の電源システムによれば、リチウムイオンバッテリに流れる脈流を低減することができる。
電力変換装置の回路構成の一例を示す回路図である。 最小スイッチング変換方式における、DC/DCコンバータ及びインバータの動作の特徴を簡略に示す波形図であり、特に、直流入力から交流出力までの振幅の関係が見やすいように表示した図である。 図2と同じ内容を表しているが、特に、制御のタイミングが見やすいように表示している。 電力変換装置が直流から交流への電力変換を行っている場合に、制御部によって実行される、DC/DCコンバータ及びインバータの制御処理を示すフローチャートである。 本実施形態の電源システムの一例を示す回路図である。 シミュレーション結果を示す波形図であり、横軸は時間[s]、縦軸は電流[A]である。 シミュレーション結果を示す波形図であり、横軸は時間[s]、縦軸は電流[A]である。 商用電力系統の系統電流(点線)、入力電流(実線)を示す、従来例としてのグラフの一例である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)この電源システムは、交流波形の生成に起因して直流の入力電流が脈流になる性質を有する電力変換装置と、前記電力変換装置と接続されたリチウムイオンバッテリと、前記リチウムイオンバッテリと並列に接続されたリチウムイオンキャパシタと、を備えている。
このように構成された電源システムでは、もしリチウムイオンキャパシタが接続されていなかったら、リチウムイオンバッテリに、脈動の振れ幅の比較的大きい脈流が流れる。しかし、リチウムイオンキャパシタをリチウムイオンバッテリと並列に接続すると、脈流成分はリチウムイオンキャパシタの方に多く流れる。その結果、リチウムイオンバッテリに流れる脈流はピーク値が低減され、リチウムイオンバッテリの劣化を抑制することができる。リチウムイオンキャパシタは脈流成分に強く、脈流成分を引き受けても寿命への影響は出にくい。
(2)また、(1)の電源システムにおいて、前記電力変換装置は、例えば、DC/DCコンバータ、中間コンデンサ及びインバータを含み、前記DC/DCコンバータが高周波スイッチングを行う時期と前記インバータが高周波スイッチングを行う時期とが、交流の半サイクル内で交互に出現するよう動作する。
このような制御の場合、中間コンデンサのキャパシタンスを小さくして(例えばμFレベル)DC/DCコンバータによる交流波形の生成を邪魔しないようにするが、その反面、交流側の影響が直流側に及びやすくなり、直流の入力電流が脈流になる現象が出やすくなる。しかしながら、リチウムイオンキャパシタを接続することにより、リチウムイオンバッテリに流れる脈流はピーク値が低減され、リチウムイオンバッテリの劣化を抑制することができる。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して説明する。まず、電源システムを構成する電力変換装置について説明する。
《電力変換装置の回路構成例》
図1は、電力変換装置の回路構成の一例を示す回路図である。図において、電力変換装置1は、直流電源2と交流電路3との間に設けられ、直流電源2の「直流電圧」が交流電路3の「交流電圧」のピーク値(波高値)より低い状態で、直流から交流へ、又は必要によりその逆に、電力変換を行うことができる。なお、「直流電圧」は、正確には、直流電源の直流電圧に直流リアクトルによる電圧降下を考慮した電圧値である。また、「交流電圧」は、正確には、インバータの交流電圧目標値である(詳細後述)。交流電路3には、電力変換装置1が設置されている需要家の負荷4L、及び、商用電力系統4Pが接続されている。
電力変換装置1は、主回路構成要素として、直流側コンデンサ5、DC/DCコンバータ6、中間コンデンサ9、インバータ10、及び、フィルタ回路11を備えている。DC/DCコンバータ6は、直流リアクトル7と、ハイサイドのスイッチング素子Q1と、ローサイドのスイッチング素子Q2とを備え、直流チョッパ回路を構成している。スイッチング素子Q1,Q2としては例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を使用することができる。MOSFETのスイッチング素子Q1,Q2はそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d1,d2を有している。各スイッチング素子Q1,Q2は、制御部14により制御される。
DC/DCコンバータ6の高圧側は、DCバス8に接続されている。DCバス8の2線間に接続されている中間コンデンサ9は、小容量(100μF以下、例えば数十μF)であり、高周波(例えば20kHz)でスイッチングされた電圧に対しては平滑作用を発揮するが、商用周波数の2倍程度の周波数(100Hz又は120Hz)で変化する電圧に対しては平滑作用を発揮しない。
DCバス8に接続されたインバータ10は、フルブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q3〜Q6を備えている。これらスイッチング素子Q3〜Q6は、例えば、MOSFETである。MOSFETの場合は、スイッチング素子Q3〜Q6がそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d3〜d6を有している。各スイッチング素子Q3〜Q6は、制御部14により制御される。
インバータ10と交流電路3との間には、フィルタ回路11が設けられている。フィルタ回路11は、交流リアクトル12と、交流リアクトル12より負荷4L側(図の右側)に設けられた交流側コンデンサ13とを備えている。フィルタ回路11は、インバータ10で発生する高周波ノイズが交流電路3側へ漏れ出ないように、通過を阻止している。
計測用の回路要素としては、DC/DCコンバータ6の低圧側(図の左側)に、電圧センサ15及び電流センサ16が設けられている。電圧センサ15は直流電源2と並列接続され、直流電源2の両端電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。電流センサ16は、DC/DCコンバータ6に流れる電流を検出する。検出された電流の情報は、制御部14に提供される。中間コンデンサ9には電圧センサ17が並列接続されている。電圧センサ17は、中間コンデンサ9の両端電圧すなわち、DCバス8の電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。
一方、交流側には、交流リアクトル12に流れる電流を検出する電流センサ18が設けられている。電流センサ18によって検出された電流の情報は、制御部14に提供される。また、交流側コンデンサ13と並列に、電圧センサ19が設けられている。電圧センサ19によって検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。
制御部14は例えば、コンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部14の記憶装置(図示せず。)に格納される。
《電圧波形で見た最小スイッチング変換方式の概要》
次に、上記の電力変換装置1において実行される最小スイッチング変換方式の動作について、その概要を説明する。
図2及び図3は、最小スイッチング変換方式における、DC/DCコンバータ6及びインバータ10の動作の特徴を簡略に示す波形図である。両図は同じ内容を示しているが、図2は特に、直流入力から交流出力までの振幅の関係が見やすいように表示し、図3は特に、制御のタイミングが見やすいように表示している。図2の上段及び図3の左欄はそれぞれ、比較のために、最小スイッチング変換方式ではない伝統的なスイッチング制御を表す波形図である。また、図2の下段及び図3の右欄はそれぞれ、最小スイッチング変換方式の動作を示す波形図である。
まず、図2の上段(又は図3の左欄)において、伝統的なスイッチング制御では、入力される直流電圧に対する、DC/DCコンバータの一対のスイッチング素子及び直流リアクトルの相互接続点での出力は、直流電圧よりも高い値の等間隔のパルス列状である。この出力は中間コンデンサによって平滑化され、DCバスの電圧として現れる。これに対してインバータは、PWM制御されたスイッチングを半周期で極性反転しながら行う。この結果、最終的な平滑化を経て、正弦波の交流電圧が得られる。
次に、図2の下段(又は図3の右欄)の最小スイッチング変換方式では、交流電圧の瞬時値の絶対値(以下、単に交流電圧の絶対値という。)と、入力である直流電圧との比較結果に応じて、DC/DCコンバータ6とインバータ10とが動作する。具体的には、交流電圧の絶対値が直流電圧より小さいとき(又は以下のとき)は、DC/DCコンバータ6は停止し(図中の「ST」)、交流電圧の絶対値が直流電圧以上のとき(又は、より大きいとき)は、DC/DCコンバータ6が昇圧動作を行う(図中の「OP」)。DC/DCコンバータ6の出力は中間コンデンサ9により平滑化され、DCバス8に、図示の電圧として現れる。ここで、前述のように、中間コンデンサ9が小容量であることにより、交流電圧の絶対値のピーク及びその前後となる一部の波形が平滑化されずにそのまま残る。
これに対してインバータ10は、交流電圧の絶対値と、直流電圧との比較結果に応じて、交流電圧の絶対値が直流電圧より小さいとき(又は以下のとき)は、高周波スイッチング(例えば20kHz)を行い(図中の「OP」)、交流電圧の絶対値が直流電圧以上のとき(又は、より大きいとき)は、高周波スイッチングを停止する(図中の「ST」)。高周波スイッチングを停止しているときのインバータ10は、スイッチング素子Q3,Q6がオン、Q4,Q5がオフの状態(非反転)と、スイッチング素子Q3,Q6がオフ、Q4,Q5がオンの状態(反転)のいずれかを選択することにより、必要な極性反転のみを行う。インバータ10の出力は交流リアクトル12及び交流側コンデンサ13により平滑化され、所望の交流出力が得られる。
ここで、図3の右欄に示すように、DC/DCコンバータ6とインバータ10とは、交互に高周波スイッチングの動作をしており、DC/DCコンバータ6が昇圧の動作をしているときは、インバータ10は高周波スイッチングを停止し、DCバス8の電圧に対して必要な極性反転のみを行っている。逆に、インバータ10が高周波スイッチングするときは、DC/DCコンバータ6は停止して、直流側コンデンサ5の両端電圧が、直流リアクトル7及びダイオードd1を介してDCバス8に現れる。
以上のようにして、DC/DCコンバータ6とインバータ10とによる最小スイッチング変換方式の動作が行われる。このような電力変換装置1は、スイッチング素子Q1〜Q6の高周波スイッチングに休止期間が生じることによって、全体的な高周波スイッチング回数を減らすことができる。これにより、電力変換の効率を、大幅に改善することができる。
《最小スイッチング変換方式の詳細》
図4は、電力変換装置1が直流から交流への電力変換を行っている場合に、制御部14によって実行される、DC/DCコンバータ6及びインバータ10の制御処理を示すフローチャートである。
まず、エンドレスな処理ループのステップS9から見ると、制御部14は、現状の入力電力平均値〈Pin〉を演算する。なお、この記号〈 〉は平均値を意味するものとして用いる(以下同様。)。入力電力平均値〈Pin〉は、下記式(1)に基づいて求められる。
〈Pin〉=〈Iin×Vg〉 ・・・(1)
ここで、Iinは、電流センサ16によって検出されるDC/DCコンバータ電流検出値である。また、Vgは、電圧センサ15によって検出される直流入力電圧検出値である。
次に、制御部14は、前回演算時の入力電力平均値〈Pin〉と比較して、直流入力電流目標値Ig*を設定する(ステップS1)。
なお、式(1)以外の以下に示す制御に関する各式においては、電流検出値Iin、及び直流入力電圧検出値Vgは、平均化されていない瞬時値が用いられる。
続いて制御部14は、下記式(2)に基づいて、電力変換装置1としての出力電流目標値の平均値〈Ia*〉を演算する。
〈Ia*〉=η〈Ig*×Vg〉/〈Va〉 ・・・(2)
ここで、ηは電力変換装置1の変換効率を表す定数である。Vaは、電圧センサ19によって検出される、系統電圧検出値である。
さらに、制御部14は、下記式(3)に基づいて、出力電流目標値Ia*を、系統電圧検出値Vaと同位相の正弦波として求める(ステップS2)。すなわち制御部14は、電力変換装置1が出力する交流電力の電流Ia(出力電流)が系統電圧(系統電圧検出値Va)と同位相となるようにインバータ10を制御する。
Ia*=(√2)×〈Ia*〉×sinωt ・・・(3)
このようにして、制御部14は、入力電力平均値〈Pin〉及び系統電圧検出値Vaに基づいて出力電流目標値Ia*を求める。
次に、制御部14は、下記式(4)により、インバータ10を制御するための電流目標値であるインバータ電流目標値Iinv*(インバータ10の交流側での電流目標値)を演算する(ステップS3)。
Iinv*=Ia* + s CaVa ・・・(4)
ここで、Caは、交流側コンデンサ13の静電容量、sはラプラス演算子である(以下同様。)。式(4)中の右辺第2項は、フィルタ回路11の交流側コンデンサ13に流れる電流を考慮して加算した値である。
制御部14は、インバータ電流目標値Iinv*と、電流センサ18によって検出される実際のインバータ電流検出値Iinvとに基づいて、インバータ10をフィードバック制御する(ステップS4)。
一方、制御部14は、下記式(5)に基づいて、インバータ出力電圧目標値Vinv*(インバータ10の交流側での電圧目標値)を演算する(ステップS5)。
Vinv*=Va+ZacIinv* ・・・(5)
ここで、Zacは、交流リアクトル12のインピーダンスであり、式(5)の右辺第2項は、交流リアクトル12の両端での電圧降下を考慮して加算した値である。
上記式(5)は、時間tでの微分を用いた表現とすれば、
Vinv*=Va + RacIinv* + Lac× (d Iinv*/dt)
・・・(5a)
となる。ここで、Racは交流リアクトル12の抵抗、Lacは交流リアクトル12のインダクタンスで、(Zac=Rac+sLac)である。
次に、制御部14は、下記式(6)に示すように、直流電源側の電圧としての電圧Vg又は好ましくは下記の直流電圧Vgfと、インバータ出力電圧目標値Vinv*の絶対値とを比較して、大きい方をDC/DCコンバータ電圧目標値Vo*に決定する(図4のステップS6)。
直流電圧Vgfとは、VgにDC/DCコンバータ6のインピーダンスZdcによる電圧降下を考慮した電圧であり、DC/DCコンバータ電流検出値をIinとして、Vgf=Vg−ZdcIinである。従って、
Vo*=Max(Vg−ZdcIin,|Vinv*|) ・・・(6)
とすることができる。
上記式(6)は、時間tでの微分を用いた表現とすれば、
Vo*=Max(Vg−(RdcIin+Ldc(d Iin/dt),|Vinv*|)
・・・(6a)
である。ただし、Rdcは直流リアクトルの抵抗、Ldcは直流リアクトルのインダクタンスで、(Z=Rdc+sLdc)である。
さらに、制御部14は、下記式(7)に基づいて、DC/DCコンバータ電流目標値Iin*を演算する(ステップS7)。
Iin*={(Iinv*×Vinv*) +(s C Vo*)×Vo*}
/(Vg−ZdcIin) ・・・(7)
ここで、Cは、中間コンデンサ9の静電容量である。
式(7)中、インバータ電流目標値Iinv*と、インバータ出力電圧目標値Vinv*との積に加算されている第2項は、中間コンデンサ9を通過する無効電力を考慮した値である。すなわち、インバータ10の電力目標値に加えて、無効電力を考慮することにより、より正確にIin*の値を求めることができる。なお、さらに、予め電力変換装置1の電力損失を測定しておけば、式(7)の上記第2項プラス第3項として、電力損失も考慮することができる。
なお、中間コンデンサ9の静電容量C及び電力損失が、(Iinv*×Vinv*)に比べて十分小さい場合、下記式(8)が成立する。
Iin*=(Iinv*×Vinv*)/Vg ・・・(8)
この式(8)によって求まるIin*を、式(6b)、(7)の右辺に含まれるIinとして用いることができる。
以上のようにして、DC/DCコンバータ6は、DC/DCコンバータ電流目標値Iin*と、DC/DCコンバータ電流検出値Iinとによって、フィードバック制御される(ステップS8)。
上記ステップS8の後、制御部14は、前述の式(1)に基づいて、現状の入力電力平均値〈Pin〉を求める(ステップS9)。
《電源システム》
次に、電力変換装置1に直流電源も加えた電源システムについて説明する。
図5は、本実施形態の電源システム100の一例を示す回路図である。なお電力変換装置1の詳細は、既に説明したので、説明は省略する。
図5において、電源システム100には、2種類の直流電源が互いに並列の関係で接続されている。2種類とはすなわち、リチウムイオンバッテリ2Bと、リチウムイオンキャパシタ2Cである。
リチウムイオンバッテリ2Bは、バッテリ21、内部抵抗22、インダクタンス23を含み、シミュレーションのための電流センサ24も備えている。バッテリ21は、リチウムイオンバッテリの多数のセルの集合体であり、全体としては例えば100.5V(3.35V×30)である。内部抵抗22も多数のセルの集合体としての合計の内部抵抗であり、例えば225.5mΩ(7.5mΩ×30)である。インダクタンス23も多数のセルの集合体としての合計のインダクタンスであり、例えば9.0μH(300nH×30)である。セル単位では、例えば、電圧3.35V(3.0V〜3.7V)、内部抵抗7.5mΩ、インダクタンス300nH、容量1.8Ah、6.03Whである。
リチウムイオンキャパシタ2Cは、キャパシタ25、内部抵抗26、インダクタンス27を含み、シミュレーションのための電流センサ28も備えている。キャパシタ25は、リチウムイオンキャパシタの多数の単位キャパシタの集合体であり、全体としては例えば100.5V(3.35V×30)である。内部抵抗26も多数のセルの集合体としての合計の内部抵抗であり、例えば36mΩ(1.2mΩ×30)である。インダクタンス27も多数の単位キャパシタの集合体としての合計のインダクタンスであり、例えば23.4μH(780nH×30)である。単位キャパシタとしては、例えば、電圧3.35V(3.0V〜3.7V)、内部抵抗1.2mΩ、インダクタンス780nH、容量1.0Ah、3.35Whである。
上記数値例において、リチウムイオンキャパシタ2Cと、リチウムイオンバッテリ2Bとでは、インダクタンスは桁がμ単位で影響が少なく、これに対して、抵抗は1000倍のm(ミリ)単位であり、リチウムイオンキャパシタ2Cの方がリチウムイオンバッテリ2Bよりも1桁小さい。そのため、インピーダンスとしては、リチウムイオンバッテリ2Bよりも、リチウムイオンキャパシタ2Cの方が低い。従って、脈流成分がリチウムイオンキャパシタ2Cの方に多く流れることが期待される。
そこで、電力変換装置1に、直流から交流への変換動作を行わせた状態で、リチウムイオンバッテリ2Bは常時接続し、リチウムイオンキャパシタ2Cを並列に接続しない状態と、並列に接続した状態とで、どのように電流が変化するかを、電流センサ24に流れる電流及び、電流センサ28に流れる電流に基づいて、シミュレーションで調べた。
図6及び図7は、シミュレーション結果を示す波形図であり、横軸は時間[s]、縦軸は電流[A]である。
図6は、リチウムイオンキャパシタ2Cを接続しない場合に、リチウムイオンバッテリ2Bの電流センサ24に流れる電流の波形図である。図示のように、直流ではあるが、100Hz(交流の周波数を50Hzとした場合の、2倍)で脈動する波形となっている。
図7は、リチウムイオンキャパシタ2Cをリチウムイオンバッテリ2Bに並列に接続した場合に、リチウムイオンバッテリ2Bの電流センサ24に流れる電流(実線)及び、リチウムイオンキャパシタ2Cの電流センサ28に流れる電流(一点鎖線)の波形図である。リチウムイオンキャパシタ2Cに流れる電流は、方向が交互に変わる周波数100Hzの交流の波形となっている。一方、リチウムイオンバッテリ2Bに流れる電流は、少し脈動はあるものの、図6と比べれば明らかに、脈動の振れ幅が低減されていることがわかる。
数値的には、図6(リチウムイオンバッテリのみ)の場合、電流の実効値は7.94A、平均値は6.48Aであった。この場合、実効値は平均値の1.23倍(7.94/6.48)である。
図7の場合、リチウムイオンバッテリ2Bの電流の実効値は6.75A、平均値は6.71Aであった。この場合、実効値は平均値と微差しかなく、脈流は抑制されている。また、リチウムイオンキャパシタ2Cの電流の実効値は4.00A、平均値は3.61Aであった。
《まとめ》
以上のように、本実施形態の電源システム100は、交流電流である出力電流の影響を受けて、直流の入力電流が脈流になる性質を有する電力変換装置1の直流電源として、リチウムイオンバッテリ2Bと、このリチウムイオンバッテリと並列に接続されたリチウムイオンキャパシタ2Cとを備える。
このように構成された電源システム100では、もしリチウムイオンキャパシタ2Cが接続されていなかったら、リチウムイオンバッテリ2Bに脈動の振れ幅の比較的大きい脈流が流れる。しかし、リチウムイオンキャパシタ2Cをリチウムイオンバッテリ2Bと並列に接続することによって、脈流成分はリチウムイオンキャパシタ2Cの方に多く流れる。その結果、リチウムイオンバッテリ2Bに流れる脈流はピーク値が低減され、リチウムイオンバッテリ2Bの劣化を抑制することができる。リチウムイオンキャパシタ2Cは脈流成分に強く、脈流成分を引き受けても寿命への影響は出にくい。
このようにリチウムイオンバッテリ2Bにリチウムイオンキャパシタ2Cを並列接続する構成は、いわゆる最小スイッチング変換方式の電力変換装置1には特に好適である。最小スイッチング変換方式では、中間コンデンサ9のキャパシタンスを小さくして(例えばμFレベル)DC/DCコンバータ6による交流波形の生成を邪魔しないようにするが、その反面、交流側の影響が直流側に及びやすくなり、直流の入力電流が脈流になる現象が出やすくなる。しかしながら、リチウムイオンキャパシタ2Cをリチウムイオンバッテリ2Bと並列に接続することにより、リチウムイオンバッテリ2Bに流れる脈流はピーク値が低減され、リチウムイオンバッテリ2Bの劣化を抑制することができる。
《その他》
なお、図5の電力変換装置1は最小スイッチング変換方式のものとして説明したが、リチウムイオンバッテリ2Bの電圧が交流電圧の絶対値のピーク値よりも高い場合は、DC/DCコンバータを省略してインバータのみの構成とする場合もある。この場合、最小スイッチング変換方式ではないが、DC/DCコンバータが無い分、直流側に交流側の影響が出やすく、直流の入力電流が脈流になる可能性がある。従って、このような場合も、リチウムイオンバッテリに並列にリチウムイオンキャパシタを接続する構成が適用できる。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置
2 直流電源
2B リチウムイオンバッテリ
2C リチウムイオンキャパシタ
3 交流電路
4L 負荷
4P 商用電力系統
5 直流側コンデンサ
6 DC/DCコンバータ
7 直流リアクトル
8 DCバス
9 中間コンデンサ
10 インバータ
11 フィルタ回路
12 交流リアクトル
13 交流側コンデンサ
14 制御部
15 電圧センサ
16 電流センサ
17 電圧センサ
18 電流センサ
19 電圧センサ
21 バッテリ
22 内部抵抗
23 インダクタンス
24 電流センサ
25 キャパシタ
26 内部抵抗
27 インダクタンス
28 電流センサ
d1〜d6 ダイオード
Q1〜Q6 スイッチング素子
100 電源システム

Claims (2)

  1. 交流波形の生成に起因して直流の入力電流が脈流になる性質を有する電力変換装置と、
    前記電力変換装置と接続されたリチウムイオンバッテリと、
    前記リチウムイオンバッテリと並列に接続されたリチウムイオンキャパシタと、
    を備えている電源システム。
  2. 前記電力変換装置は、DC/DCコンバータ、中間コンデンサ及びインバータを含み、前記DC/DCコンバータが高周波スイッチングを行う時期と前記インバータが高周波スイッチングを行う時期とが、交流の半サイクル内で交互に出現するよう動作する、請求項1に記載の電源システム。
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