JP2019022297A - 電源システム - Google Patents
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例えば図8は、商用電力系統の系統電流(点線)、リチウムイオンバッテリからの入力電流(実線)を示すグラフの一例である。直流入力は、系統の2倍の周波数で脈動する脈流となる。
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
このような制御の場合、中間コンデンサのキャパシタンスを小さくして(例えばμFレベル)DC/DCコンバータによる交流波形の生成を邪魔しないようにするが、その反面、交流側の影響が直流側に及びやすくなり、直流の入力電流が脈流になる現象が出やすくなる。しかしながら、リチウムイオンキャパシタを接続することにより、リチウムイオンバッテリに流れる脈流はピーク値が低減され、リチウムイオンバッテリの劣化を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して説明する。まず、電源システムを構成する電力変換装置について説明する。
図1は、電力変換装置の回路構成の一例を示す回路図である。図において、電力変換装置1は、直流電源2と交流電路3との間に設けられ、直流電源2の「直流電圧」が交流電路3の「交流電圧」のピーク値(波高値)より低い状態で、直流から交流へ、又は必要によりその逆に、電力変換を行うことができる。なお、「直流電圧」は、正確には、直流電源の直流電圧に直流リアクトルによる電圧降下を考慮した電圧値である。また、「交流電圧」は、正確には、インバータの交流電圧目標値である(詳細後述)。交流電路3には、電力変換装置1が設置されている需要家の負荷4L、及び、商用電力系統4Pが接続されている。
次に、上記の電力変換装置1において実行される最小スイッチング変換方式の動作について、その概要を説明する。
図2及び図3は、最小スイッチング変換方式における、DC/DCコンバータ6及びインバータ10の動作の特徴を簡略に示す波形図である。両図は同じ内容を示しているが、図2は特に、直流入力から交流出力までの振幅の関係が見やすいように表示し、図3は特に、制御のタイミングが見やすいように表示している。図2の上段及び図3の左欄はそれぞれ、比較のために、最小スイッチング変換方式ではない伝統的なスイッチング制御を表す波形図である。また、図2の下段及び図3の右欄はそれぞれ、最小スイッチング変換方式の動作を示す波形図である。
図4は、電力変換装置1が直流から交流への電力変換を行っている場合に、制御部14によって実行される、DC/DCコンバータ6及びインバータ10の制御処理を示すフローチャートである。
〈Pin〉=〈Iin×Vg〉 ・・・(1)
ここで、Iinは、電流センサ16によって検出されるDC/DCコンバータ電流検出値である。また、Vgは、電圧センサ15によって検出される直流入力電圧検出値である。
なお、式(1)以外の以下に示す制御に関する各式においては、電流検出値Iin、及び直流入力電圧検出値Vgは、平均化されていない瞬時値が用いられる。
〈Ia*〉=η〈Ig*×Vg〉/〈Va〉 ・・・(2)
ここで、ηは電力変換装置1の変換効率を表す定数である。Vaは、電圧センサ19によって検出される、系統電圧検出値である。
Ia*=(√2)×〈Ia*〉×sinωt ・・・(3)
このようにして、制御部14は、入力電力平均値〈Pin〉及び系統電圧検出値Vaに基づいて出力電流目標値Ia*を求める。
Iinv*=Ia* + s CaVa ・・・(4)
ここで、Caは、交流側コンデンサ13の静電容量、sはラプラス演算子である(以下同様。)。式(4)中の右辺第2項は、フィルタ回路11の交流側コンデンサ13に流れる電流を考慮して加算した値である。
Vinv*=Va+ZacIinv* ・・・(5)
ここで、Zacは、交流リアクトル12のインピーダンスであり、式(5)の右辺第2項は、交流リアクトル12の両端での電圧降下を考慮して加算した値である。
上記式(5)は、時間tでの微分を用いた表現とすれば、
Vinv*=Va + RacIinv* + Lac× (d Iinv*/dt)
・・・(5a)
となる。ここで、Racは交流リアクトル12の抵抗、Lacは交流リアクトル12のインダクタンスで、(Zac=Rac+sLac)である。
直流電圧Vgfとは、VgにDC/DCコンバータ6のインピーダンスZdcによる電圧降下を考慮した電圧であり、DC/DCコンバータ電流検出値をIinとして、Vgf=Vg−ZdcIinである。従って、
Vo*=Max(Vg−ZdcIin,|Vinv*|) ・・・(6)
とすることができる。
上記式(6)は、時間tでの微分を用いた表現とすれば、
Vo*=Max(Vg−(RdcIin+Ldc(d Iin/dt),|Vinv*|)
・・・(6a)
である。ただし、Rdcは直流リアクトルの抵抗、Ldcは直流リアクトルのインダクタンスで、(Z=Rdc+sLdc)である。
Iin*={(Iinv*×Vinv*) +(s C Vo*)×Vo*}
/(Vg−ZdcIin) ・・・(7)
ここで、Cは、中間コンデンサ9の静電容量である。
Iin*=(Iinv*×Vinv*)/Vg ・・・(8)
この式(8)によって求まるIin*を、式(6b)、(7)の右辺に含まれるIinとして用いることができる。
上記ステップS8の後、制御部14は、前述の式(1)に基づいて、現状の入力電力平均値〈Pin〉を求める(ステップS9)。
次に、電力変換装置1に直流電源も加えた電源システムについて説明する。
図5は、本実施形態の電源システム100の一例を示す回路図である。なお電力変換装置1の詳細は、既に説明したので、説明は省略する。
図5において、電源システム100には、2種類の直流電源が互いに並列の関係で接続されている。2種類とはすなわち、リチウムイオンバッテリ2Bと、リチウムイオンキャパシタ2Cである。
図6は、リチウムイオンキャパシタ2Cを接続しない場合に、リチウムイオンバッテリ2Bの電流センサ24に流れる電流の波形図である。図示のように、直流ではあるが、100Hz(交流の周波数を50Hzとした場合の、2倍)で脈動する波形となっている。
図7の場合、リチウムイオンバッテリ2Bの電流の実効値は6.75A、平均値は6.71Aであった。この場合、実効値は平均値と微差しかなく、脈流は抑制されている。また、リチウムイオンキャパシタ2Cの電流の実効値は4.00A、平均値は3.61Aであった。
以上のように、本実施形態の電源システム100は、交流電流である出力電流の影響を受けて、直流の入力電流が脈流になる性質を有する電力変換装置1の直流電源として、リチウムイオンバッテリ2Bと、このリチウムイオンバッテリと並列に接続されたリチウムイオンキャパシタ2Cとを備える。
なお、図5の電力変換装置1は最小スイッチング変換方式のものとして説明したが、リチウムイオンバッテリ2Bの電圧が交流電圧の絶対値のピーク値よりも高い場合は、DC/DCコンバータを省略してインバータのみの構成とする場合もある。この場合、最小スイッチング変換方式ではないが、DC/DCコンバータが無い分、直流側に交流側の影響が出やすく、直流の入力電流が脈流になる可能性がある。従って、このような場合も、リチウムイオンバッテリに並列にリチウムイオンキャパシタを接続する構成が適用できる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 直流電源
2B リチウムイオンバッテリ
2C リチウムイオンキャパシタ
3 交流電路
4L 負荷
4P 商用電力系統
5 直流側コンデンサ
6 DC/DCコンバータ
7 直流リアクトル
8 DCバス
9 中間コンデンサ
10 インバータ
11 フィルタ回路
12 交流リアクトル
13 交流側コンデンサ
14 制御部
15 電圧センサ
16 電流センサ
17 電圧センサ
18 電流センサ
19 電圧センサ
21 バッテリ
22 内部抵抗
23 インダクタンス
24 電流センサ
25 キャパシタ
26 内部抵抗
27 インダクタンス
28 電流センサ
d1〜d6 ダイオード
Q1〜Q6 スイッチング素子
100 電源システム
Claims (2)
- 交流波形の生成に起因して直流の入力電流が脈流になる性質を有する電力変換装置と、
前記電力変換装置と接続されたリチウムイオンバッテリと、
前記リチウムイオンバッテリと並列に接続されたリチウムイオンキャパシタと、
を備えている電源システム。 - 前記電力変換装置は、DC/DCコンバータ、中間コンデンサ及びインバータを含み、前記DC/DCコンバータが高周波スイッチングを行う時期と前記インバータが高周波スイッチングを行う時期とが、交流の半サイクル内で交互に出現するよう動作する、請求項1に記載の電源システム。
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JP2012043254A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Toyota Motor Corp | マイクロプロセッサ、電子制御ユニット、電源制御方法 |
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