JP2019021007A - 入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作面上における指先方向に対する引込み方向が異なる場合であっても、安定的な引込み力が得られる入力装置を提供する。【解決手段】操作面111に対する指Fの操作状態を検出する操作検出部112と、操作状態に応じて所定の機器50に対する入力を行う制御部130と、操作面を振動させる駆動部120とが設けられ、指が操作面に接触しているときに、駆動部に対して制御部が、操作状態から推定される指の移動先52aの方向に往復する振動を操作面に発生させると共に、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように振動制御することで操作体に対して引込み力を発生させる入力装置において、制御部は、振動制御を実行する際に、操作面上における指の指先方向に対する引込み方向に応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更する。【選択図】図2

Description

本発明は、タッチパッドやタッチパネルのように、操作者の指による入力操作を可能とする入力装置に関するものである。
従来の入力装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の入力装置(電子機器)は、操作者の指が接触する接触面と、接触面を支持する筐体と、筐体に対して接触面を移動させる駆動装置とを備えている。そして、指の位置情報をもとに、駆動装置によって接触面が移動されるようになっている。
これにより、指の移動方向に対して逆方向に接触面を移動させることで、指に対して抗力を与え、また指の移動方向と同一方向に接触面を移動させることで、引き込み力(誘導力)を与えるようになっている。
特開2016−184428号公報
特許文献1の入力装置では、指の移動量が大きい場合では、これに応じて接触面の移動量も大きくする必要が生ずる。よって、その分、筐体において接触面の可動範囲を大きくとる必要が生じ、筐体の大型化を招き、現実性に欠けるものとなってしまう。
そこで、本発明者らは、先の出願(特願2017−44196)において、指の移動先の方向に往復する振動を操作面に発生させると共に、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように制御する入力装置を提案した。
この入力装置においては、振動の速度あるいは加速度が大きい方向においては、操作面と指との間に滑りが発生して、慣性の法則によって、指は、操作面の動きに追従しにくく、その位置に取り残される形となる。逆に、振動の速度あるいは加速度が小さい方向においては、操作面と指との間の摩擦力が作用して、慣性の法則によって、指には、操作面の動きと共に移動される力が働きやすくなる。
これにより、小さな可動領域で、振動の速度あるいは加速度が小さい側に効果的な引込み力を得ることができるようにし、従来技術のように、操作体の移動量が大きい場合に、これに応じて接触面の移動量も大きくしなければならないといった問題を解消するようにした。
しかしながら、操作面に指が触れる際に、操作面上における指先方向、および指の引込まれる方向に応じて、指に伝達される荷重が変化する。また、それぞれの場合での指の関節における可動範囲も変化する。よって、操作面に付加される振動パターンが一定であると、指に与えられる引込み量(引込みの触覚)が異なる場合があった。
例えば、図16に示すように、指が左右方向に引込まれる場合に比べて、指が奥行き方向(指先方向)へ引込まれる場合であると引込み量は少なくなり、また、指が手前方向へ引込まれる場合であると引込み量が多くなり、引込み量にバラツキが発生する。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、操作面上における指先方向に対する引込み方向が異なる場合であっても、安定的な引込み力が得られる入力装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
本発明では、操作側となる操作面(111)に対する操作者の指(F)の操作状態を検出する検出部(112)と、
検出部によって検出される操作状態に応じて、所定の機器(50)に対する入力を行う制御部(130)と、
操作面の拡がる方向に操作面を振動させる駆動部(120)と、が設けられ、
指が操作面に接触しているときに、駆動部に対して制御部が、検出部による操作状態から推定される指の移動先(52a)の方向に往復する振動を操作面に発生させると共に、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように振動制御することで、操作体に対して引込み力を発生させる入力装置において、
制御部は、振動制御を実行する際に、操作面上における指の指先方向に対する引込み力による引込み方向に応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更することを特徴としている。
この発明によれば、制御部(130)によって、振動制御が実行されると、操作面(111)において、指(F)の移動先(52a)の方向に往路側と復路側とで、速度あるいは加速度が異なる振動が発生される。振動の速度あるいは加速度が大きい方向においては、操作面(111)と操作体(F)との間に滑りが発生して、慣性の法則によって、指(F)は、操作面(111)の動きに追従しにくく、その位置に取り残される(置いていかれる)形となる。逆に、振動の速度あるいは加速度が小さい方向においては、操作面(111)と指(F)との間の摩擦力が作用して、慣性の法則によって、指(F)には、操作面(111)の動きと共に移動される力が働きやすくなり、総じて指(F)は、振動の速度あるいは加速度が小さい方向に引込み力が発生されて引込まれる形となる。
よって、上記のように振動制御を実行することで、小さな可動領域で、振動の速度あるいは加速度が小さい側に効果的な引込み力を得ることができる。したがって、従来技術のように、指(F)の移動量が大きい場合に、これに応じて接触面の移動量も大きくしなければならないといった問題を無くすことができる。
ここで、操作面(111)に指が触れる際に、操作面(111)上における指先方向に対する引込み方向に応じて、指に与えられる引込み量(引込みの触覚)が異なる場合があった。
本発明では、制御部(130)は、振動制御を実行する際に、操作面(111)上における指先方向に対する引込み方向に応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更する。これにより、指先方向に対する引込み方向が異なる場合であっても、引込み力を同等にすることができ、安定的な引込み力を得ることが可能となる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
車両における入力装置の搭載状態を示す説明図である。 第1実施形態における入力装置を示すブロック図である。 制御部が行う制御内容を示すフローチャートである。 1軸方向への指操作が行われる様子を示す説明図である。 斜め方向(2軸方向)への指操作が行われる様子を示す説明図である。 第1実施形態における指に対する各引込み方向を示す説明図である。 各引込み方向に応じて標準振動パターンを変更する際の要領を示す説明図である。 振動加速度を変更する際の要領を示す説明図である。 第2実施形態における指への各引込み方向と、適用する振動パターンとの関係を示す説明図である。 静電容量変化に基づいて指先方向を設定する要領を示す説明図である。 指紋に基づいて指先方向を設定する要領を示す説明図である。 タッチセンサとしてフォトセンサを用いた操作面を示す説明図である。 フォトセンサによって指先方向を設定する要領を示す説明図である。 カメラを用いた操作面を示す説明図である。 カメラ画像に基づいて指先方向を設定する要領を示す説明図である。 指先方向に対する引込み方向に応じて、引込み量が変化することを示す説明図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態の入力装置100を図1〜図8に示す。本実施形態の入力装置100は、例えば、ナビゲーション装置50を操作するための遠隔操作デバイスに適用したものである。入力装置100は、ナビゲーション装置50と共に、車両10に搭載されている。ナビゲーション装置50は、本発明の所定の機器に対応する。
ナビゲーション装置50は、地図上における自車の現在位置情報、進行方向情報、あるいは操作者の希望する目的地への案内情報等を表示する航路誘導システムである。図1に示すように、ナビゲーション装置50は、表示部としての液晶ディスプレイ51を有している。液晶ディスプレイ51は、車両10のインストルメントパネル13の車両幅方向の中央部に配置されて、表示画面52が操作者によって視認されるようになっている。
ナビゲーション装置50は、入力装置100に対して別体で形成されており、入力装置100から離れた位置に設定されている。ナビゲーション装置50と入力装置100とは、例えば、Controller Area Networkバス(CANバス(登録商標))によって接続されている。
液晶ディスプレイ51の表示画面52には、地図上における自車位置が表示されると共に、地図の拡大表示、縮小表示、および目的地案内設定等のための各種操作ボタン52aが表示されるようになっている(図4、図5)。操作ボタン52aは、いわゆる操作アイコンと呼ばれるものである。また、表示画面52には、後述する操作部110(操作面111)における操作者の指Fの位置に対応するように、例えば、矢印状にデザインされたポインタ52bが表示されるようになっている。
入力装置100は、図1、図2に示すように、車両10のセンターコンソール11にて、アームレスト12と隣接する位置に設けられ、操作者の手の届き易い範囲に配置されている。入力装置100は、操作部110、駆動部120、および制御部130等を備えている。
操作部110は、いわゆるタッチパッドを形成するものであり、操作者の指Fによって、ナビゲーション装置50に対する入力操作を行う部位となっている。操作部110は、操作面111、およびタッチセンサ112等を有している。
操作面111は、アームレスト12と隣接する位置で操作者側に露出して、操作者が指操作を行う平面部となっており、例えば、表面全体にわたって指の滑りを良くする素材等が設けられることで形成されている。操作面111上における操作者の指操作により、表示画面52に表示される各種操作ボタン52aに対する操作(選択、押込み決定等)のための入力ができるように設定されている。表示画面52における操作ボタン52aは、本発明の操作面における「操作状態から推定される操作体の移動先」に対応する。
操作面111は、例えば、四角形(矩形状)を成しており、水平な面を形成している。よって、図4〜図6は、平面視の図面(上から下に向けて見た図面)となっている。四角形の対向する一組の2辺は車両10の幅方向を向き、対向する他の2辺は車両10の前後方向を向いている。四角形の4辺のうち、操作者に近い側の辺を以下、基準辺111a、また、基準辺111aと対向する辺を対向辺111bと呼ぶことにする(図6)。基準辺111aは、本発明における操作面の操作者側となる辺に対応する。
タッチセンサ112は、操作面111の裏面側に設けられた、例えば、静電容量式の検出部である。タッチセンサ112は、矩形の平板状に形成されており、センサ表面に対する操作者の指Fによる操作状態を検出するようになっている。
タッチセンサ112は、操作面111上のx軸方向(図4、図5)に沿って延びる電極と、y軸方向(図4、図5)に沿って延びる電極とが格子状に配列されることにより形成されている。これら各電極は、後述する制御部130と接続されている。
各電極は、センサ表面に近接する操作者の指Fの位置で(操作位置座標で)、静電容量(所定の静電容量値)を発生させるようになっており、発生される静電容量の信号(感度値)が制御部130に出力されるようになっている。センサ表面は、絶縁材よりなる絶縁シートによって覆われている。尚、タッチセンサ112としては、上記静電容量式のものに限らず、他の感圧式等、各種タイプのものを使用することができる。
上記操作面111およびタッチセンサ112は、筐体によって支持されている。筐体は、例えば、センターコンソール11の内部に配置されている。
駆動部120は、操作面111の拡がる方向に操作面111を、x、y軸の2軸方向に振動させるものであり、操作面111の周囲4辺の少なくとも1辺に設けられている。駆動部120は、後述する制御部130と接続されており、制御部130によって振動発生の制御がなされるようになっている。
駆動部120は、2軸方向のうち、1軸方向のみの振動を有効にすることで、操作面111には1軸方向(x軸方向、あるいはy軸方向)の振動を発生させ、また、2軸方向の振動を同時に有効にすることにより、操作面111には両振動を合成した斜め方向の振動を発生させることができるようになっている。
また、駆動部120は、往復する振動の往路側と復路側とにおいて、振動の速度あるいは加速度が異なるように作動することができるようになっている。
駆動部120としては、例えば、ソレノイド、ボイスコイルモータ等の電磁アクチュエータ、あるいはピエゾ等の振動体、更には、上記振動体とバネとが組み合わされたもの等を用いることができる。例えば、1つの振動体が2軸方向の振動を発生させるものであれば、操作面111の周囲4辺のうち少なくとも1つの辺部に1つの振動体を設けることで、駆動部120を形成することができる。あるいは、振動体が1軸方向のみの振動を発生させるものであれば、操作面111の周囲の隣合う2つの辺部にそれぞれ1つの振動体(合計2つ)を設けることで、駆動部120を形成することができる。あるいは、1軸方向の振動体とバネとの組合せを、対向する辺部に設けて、振動方向が直交するように2組設けることで駆動部120を形成することができる。
制御部130は、CPU、RAM、および記憶媒体等を有している。制御部130は、タッチセンサ112から得られる信号から、操作者の指Fの操作状態として、操作面111上における指Fの接触位置(表示画面52上のポインタ52bの位置)、各種操作ボタン52aのうち操作者の指F(ポインタ52b)から一番近い操作ボタン52aへの方向、および操作者の指F(ポインタ52b)から一番近い操作ボタン52aまでの距離等を取得する。
加えて、制御部130は、操作状態として、操作面111上において、操作ボタン52aに相当する位置での押込み操作の有無等を取得する。そして、制御部130は、これらの操作状態に応じて駆動部120による振動の発生状態を制御するようになっている(詳細後述)。
本実施形態の入力装置100の構成は以上のようになっており、以下、作動および作用効果について、図3〜図8を加えて説明する。
まず、制御部130は、図3に示すステップS100で、タッチセンサ112から得られる信号によって、操作者の指Fが操作面111にタッチ(接触)しているか否かを判定する。制御部130は、否と判定すれば、ステップS100を繰り返し、肯定判定すれば、ステップS110に移行する。尚、図4、図5に示すように、操作者の指Fが操作面111にタッチされると、表示画面52におけるポインタ52bの表示が有効となって、操作面111上における操作者の指Fの位置に対応するように、ポインタ52bが表示画面52に表示される。
次に、ステップS110で、制御部130は、操作者の指Fが各種操作ボタンのうち、いずれかの操作ボタン52aを選択中か否かを判定する。制御部130は、操作者の指Fの位置がいずれかの操作ボタン52aに重なる位置にあると選択中(Yes)であると判定し、操作者の指Fの位置がいずれかの操作ボタン52aに重ならない位置であると選択中ではない(No)と判定する。
尚、操作者の指Fがいずれかの操作ボタン52aを選択中ではないという状態は、いずれかの操作ボタン52aに対して操作者の指Fは離れた位置にあり、いずれかの操作ボタン52aに向けて移動されている状態を示す。制御部130は、ステップS110で、否と判定すると、ステップS120に移行する。
ステップS120では、制御部130は、操作者の指Fの操作状態から、指Fの移動先となる操作ボタン52aを推定する。ここでは、現在の指Fの位置から一番近い操作ボタン52aを移動先の操作ボタン52aとして推定する。
そして、制御部130は、表示画面52におけるポインタ52bの位置(操作面111上の操作者の指Fの位置)から、操作者の指Fが移動しようとする操作ボタン52aの位置へのベクトルを算出する。ベクトル算出にあたって、制御部130は、ポインタ52bの位置と操作ボタン52aの位置との距離(ベクトルの長さ)と、ポインタ52bの位置から操作ボタン52aの位置に向かう方向(ベクトルの向き)とを算出する。
次に、ステップS130で、制御部130は、算出したベクトルの方向に引込み力を発生させるための標準振動パターンを設定する(本発明における振動制御)と共に、指Fの指先方向(指先−腕方向軸)と引込み方向(ベクトル方向)とを比較して、引込み方向に応じて、標準振動パターンを変更(振動の速度あるいは加速度の大きさを変更)する。
即ち、制御部130は、まず、標準振動パターンとして、算出したベクトルの向き(指Fの移動先の方向)に往復する振動を設定する。例えば、制御部130は、上記ベクトルがxyの2軸方向のうち、いずれか一方の軸方向(例えばy軸方向)であると、図4に示すように、その軸方向に沿う振動を設定する。また、制御部130は、上記ベクトルが2軸に対して傾いている場合であると、図5に示すように、2軸方向の合成によって得られる斜め方向の振動を設定する。
そして、制御部130は、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように設定する。ここでは、往路側は、操作者の指Fが移動しようとする方向としており、制御部130は、図7中の波形例における実線で示すように、復路側よりも往路側の速度あるいは加速度が小さくなるように標準振動パターンを設定する。尚、図7、図8では、振動の速度あるいは加速度のうち、一例として、加速度を振動の制御対象として示している。
上記の振動制御により、操作面111において、指Fの移動先となる操作ボタン52aの方向に往路側と復路側とで、速度あるいは加速度が異なる振動が発生される。振動の速度あるいは加速度が大きい方向においては、操作面111と指Fとの間に滑りが発生して、慣性の法則によって、指Fは、操作面111の動きに追従しにくく、その位置に取り残される(置いていかれる)形となる。逆に、振動の速度あるいは加速度が小さい方向においては、操作面111と指Fとの間の摩擦力が作用して、慣性の法則によって、指Fには、操作面111の動きと共に移動される力が働きやすくなり、総じて指Fは、振動の速度あるいは加速度が小さい方向(ここでは往路側)に引込み力が発生されて引込まれる形となる。
よって、上記のように振動制御を実行することで、小さな可動領域で、振動の速度あるいは加速度が小さい側に効果的な引込み力を得ることができる。したがって、従来技術のように、操作体の移動量が大きい場合に、これに応じて接触面の移動量も大きくしなければならないといった問題を無くすことができる。
更に、制御部130は、指先方向に対する引込み力による引込み方向に応じて、標準振動パターンにおける速度あるいは加速度の大きさを変更した変更振動パターンを設定する。変更振動パターンは、図7中の波形例において破線で示したものである。
変更振動パターンの設定要領は、以下の通りである。まず、制御部130は、操作面111に対する指Fの指先方向(指Fの先端側が向く方向)としては、図6に示すように、操作面111の基準辺111aに直交する方向のうち、操作者から離れていく側の方向(対向辺111b側)と予め定めている。つまり、指操作される際の指先方向は、概ね車両10の進行方向を向くものと想定しているのである。
そして、図6に示すように、制御部130は、指Fに作用する引込み力による引込み方向として、例えば、以下の8方向を予め定義している。8方向は、奥方向(指先方向)、右斜め奥方向、右方向、右斜め手前方向、手前方向(腕側方向)、左斜め手前方向、左方向、および左斜め奥方向である。各方向は、所定の角度範囲(例えば、45度程度の範囲)をもって、周方向に並ぶように定義されている。制御部130は、図7に示すように、各引込み方向に応じて変更振動パターン(破線表示)を設定する。
即ち、引込み方向が奥方向であると、引込み量が低下するため、制御部130は、標準振動パターンにおける往路側の速度あるいは加速度を第1所定量だけ小さくし、復路側の速度あるいは加速度を第1所定量だけ大きく設定する(図7(a))。これにより、復路側の滑りが大きくなり、また、往路側への移動される力が働きやすくなり、引込み力が増大される。
また、引込み方向が左右の斜め奥方向であると、多少、引込み量が低下するため、制御部130は、標準振動パターンにおける往路側の速度あるいは加速度を第2所定量だけ小さくし、復路側の速度あるいは加速度を第2所定量だけ大きく設定する(図7(b))。第2所定量は、第1所定量よりも小さく設定された値である。これにより、復路側の滑りが多少大きくなり、また、往路側への移動される力が多少働きやすくなり、引込み力がある程度、増大される。
また、引込み方向が左右方向であると、引込み量にかかる影響が小さいことから、制御部130は、標準振動パターンを変更することなく、そのまま使用する(図7(c))。
また、引込み方向が左右の斜め手前方向であると、多少、引込み量が増大するため、制御部130は、標準振動パターンにおける往路側の速度あるいは加速度を第2所定量だけ大きくし、復路側の速度あるいは加速度を第2所定量だけ小さく設定する(図7(d))。これにより、復路側の滑りが多少小さくなり、また、往路側への移動される力が多少働きにくくなり、引込み力がある程度、減少される。
また、引込み方向が手前方向であると、引込み量が増大するため、制御部130は、標準振動パターンにおける往路側の速度あるいは加速度を第1所定量だけ大きくし、復路側の速度あるいは加速度を第1所定量だけ小さく設定する(図7(e))。これにより、復路側の滑りが小さくなり、また、往路側への移動される力が働きにくくなり、引込み力が減少される。
尚、図8に示すように、往路側あるいは復路側の振動の速度あるいは加速度の大きさを設定、更には変更するにあたっては、振動の振幅を変更する、振動の周波数を変更する、あるいは往路側と復路側の波形におけるデューティ比(A/(A+B))を変更することで対応可能である。
具体的には、振動の振幅を大きくすることで、振動の速度あるいは加速度を大きくし、振動の振幅を小さくすることで振動の速度あるいは加速度を小さくすることができる。また、振動の周波数を大きくすることで、振動の速度あるいは加速度を大きくし、振動の周波数を小さくすることで振動の速度あるいは加速度を小さくすることができる。更には、デューティ比を小さくすることで、復路側の速度あるいは加速度を大きくし、往路側の速度あるいは加速度を小さくすることができる。逆に、デューティ比を大きくすることで、復路側の速度あるいは加速度を小さくし、往路側の速度あるいは加速度を大きくすることができる。
そして、ステップS140にて、制御部130は、上記のように指先方向に対する引込み方向に応じて設定した振動パターン(標準振動パターン、あるいは変更振動パターン)となるように、駆動部120を駆動させて、操作面111を振動させる。
ステップS140の後、操作者の指Fによって、操作者が希望する操作ボタン52aが選択されるまで(ステップS110でYes場合)、制御部130は、ステップS100からステップS140を繰り返す。
上記ステップS100からステップS140を繰り返す中で、ステップS110で、肯定判定すると、制御部130は、ステップS150で、操作ボタン52aに対する押込み操作があったか否かを判定する。押込み操作は、操作者の操作ボタン52aに対する選択決定を示す操作であり、操作者が操作面111上で、操作ボタン52aに対応する位置で指Fを押込むことで行われる。ステップS150で肯定判定すると、制御部130は、ステップS160で押込み決定処理を行う。つまり、操作ボタン52aに対応する指示をナビゲーション装置50に対して行う。尚、ステップS150で否定判定すると、ステップS100に戻る。
そして、ステップS170で、制御部130は、操作者の指Fに対してクリック感を与えるための振動(クリック感振動)を発生させる。ここでは、駆動部120を流用して、上記ステップS140における引込み用の振動とは異なり、駆動部120を単発的に振動させることで、操作者が押込み操作をしたことが認識できるようにする。
以上のように本実施形態では、制御部130は、振動制御を実行する際に、操作面111上における指Fの指先方向に対する引込み方向に応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更する(変更振動パターン設定)。これにより、指先方向に対する引込み方向が異なる場合であっても、引込み力を同等にすることができ、安定的な引込み力を得ることが可能となる。
制御部130は、引込み方向が、指先方向側であると、往路側の振動の速度あるいは加速度をより小さく成るように設定し、引込み方向が、指先方向とは逆側であると、往路側の振動の速度あるいは加速度をより大きく成るようにすることで、引込み力を同等にすることができる(詳細は、図7で説明した内容である)。
また、制御部130は、指先方向を、操作面111の操作者側となる基準辺111aに直交して、操作者から離れていく方向として設定している。つまり、指操作される際の指先方向は、概ね車両10の進行方向を向くものと想定することで、実際の指先方向の検出を省略することができ、制御負荷を軽くすることができる。
また、制御部130は、タッチセンサ112より操作状態として、操作面111に対する押込み操作を取得すると(ステップS150)、駆動部120に対して、引込みのための振動とは異なり、操作者の指Fに対してクリック感を与えるクリック感振動を発生させるようにしている(ステップS170)。これにより、駆動部120を流用して、操作者に選択決定操作を認識させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図9、図10に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、操作状態の一つとして、操作面111上における実際の指Fの姿勢を検出し、指Fの姿勢に基づいて、指先方向を設定するようにしたものである。
具体的には、図10に示すように、制御部130は、指Fの姿勢をタッチセンサ112(静電容量センサ)によって得られる静電容量の変化領域として検出し、変化領域の長手方向において、操作面111の基準辺111aに対して、操作者から遠い側を指先方向として設定する。
つまり、タッチセンサ112による静電容量の変化領域は、延ばされた指先に対して、細長の領域として検出されるので、制御部130は、この細長の領域の基準辺111aから遠い側(対向辺111b側)となる方向を指先方向として設定するのである。
そして、制御部130は、実際の指先方向に対して、図9(a)〜図9(h)に示すように、操作ボタン52aに引込まれる際の引込み方向に対して、上記第1実施形態と同様に、例えば、8方向の引込み方向を定義する。
図9(a)は、実際の指先方向に対して引込み方向が、右斜め奥方向の場合を示している。以下、図9(b)は右方向、図9(c)は右斜め手前方向、図9(d)は手前方向、図9(e)は左斜め手前方向、図9(f)は左方向、図9(g)は左斜め奥方向、図9(h)は手前方向の引込み方向を示している。つまり、図9は、図6で説明した簡易設定の引込み方向に対して、操作面111上で実際の指先方向がずれた分だけ、回転移動されたものとなる。
制御部130は、上記第1実施形態で説明した図3のステップS130、およびステップS140において、図9、図10で設定した指先方向、および引込み方向によって、振動パターンを制御する。
以上のように、本実施形態では、制御部130は、実際の指Fの姿勢に基づいて指先方向を設定すると共に、設定した指先方向に対する引込み方向に応じて、振動パターンを変更するので、より精度の高い引込み量の制御(同等化)が可能となる。
また、実際の指先方向を静電容量の変化領域を用いて設定するので、構成部品を増加させることなく容易に制御が可能となる。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態の実際の指先方向の設定要領としては、以下の変形例が挙げられる。
(変形例1)
図11に示すように、制御部130は、指Fの姿勢をタッチセンサ112(静電容量センサ)によって得られる静電容量の変化に基づく指の指紋として検出し、指紋の長径方向において、操作面111の基準辺111aに対して、操作者から遠い側(対向辺111b側)となる方向を指先方向として設定する。
(変形例2)
図12に示すように、操作面111における検出部として、タッチセンサ112に代えて、フォトセンサ112aとしてもよい。そして、図13に示すように、制御部130は、指Fの姿勢をフォトセンサ112aによって得られる指の領域として検出し、指の領域の長手方向において、操作面111の基準辺111aに対して、操作者から遠い側(対向辺111b側)となる方向を指先方向として設定する。
(変形例3)
図14に示すように、操作面111における検出部として、タッチセンサ112に代えて、撮像手段としてのカメラ113としてもよい。そして、図15に示すように、制御部130は、指Fの姿勢をカメラ113によって得られる指Fの画像として検出し、指Fの画像の爪のある側を指先方向として設定する。
変形例1〜3においても、上記第2実施形態同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、制御部130は、操作者の指Fの操作状態から、指Fの移動先となる操作ボタン52aを推定するにあたって、現在の指Fの位置から一番近い操作ボタン52aを移動先の操作ボタン52aとして推定するようにした。しかしながら、これに限定されることなく、例えば、過去の所定期間における操作者の使用頻度の高い操作ボタン52aを移動先となる操作ボタン52aとして推定してもよい。あるいは、現時点での操作者の指Fの移動しようとするその先にある操作ボタン52aを移動先となる操作ボタン52aとして推定してもよい。
また、上記各実施形態では、操作ボタン52aに近づいていく操作者の指Fに対して操作ボタン52a側に引込み力を発生させるものとしたが、これに加えて、操作者の指Fが操作ボタン52aの近傍から離れようとするときに、操作ボタン52a側に向かう引込み力を発生させるものとしてもよい。この場合は、操作者の指Fが操作ボタン52aに対して離れていく方向に振動を発生させ、離れていく方向を往路側、その反対方向を復路側とし、復路側の振動の速度あるいは加速度を往路側よりも小さくするようにしてやればよい。
また、上記各実施形態では、操作部110として、いわゆるタッチパッド式のもとしたが、これに限らず、液晶ディスプレイ51の表示画面52が透過されて操作面111に視認されるいわゆるタッチパネル式のものにも適用可能である。
また、上記各実施形態では、図3で説明したステップS150〜ステップS170で、押込み操作があると、クリック感を与えるクリック感振動を発生させるものとした。しかしながら、本発明は、基本的には、指先方向に対する引込み方向に応じて振動パターンを変更することで、引込み量が同等になるようにするものとしており、ステップS150〜ステップS170を廃止したものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、入力装置100による入力制御の対象(所定の機器)として、ナビゲーション装置50としたが、これに限定されることなく、車両用の空調装置、あるいは車両用オーディオ装置等の他の機器にも適用することができる。
50 ナビゲーション装置(所定の機器)
52a 操作ボタン(移動先)
100 入力装置
111 操作面
111a 基準辺
112 タッチセンサ(検出部)
112a フォトセンサ(検出部)
113 カメラ(検出部)
120 駆動部
130 制御部
F 操作者の指(操作体)

Claims (10)

  1. 操作側となる操作面(111)に対する操作者の指(F)の操作状態を検出する検出部(112)と、
    前記検出部によって検出される前記操作状態に応じて、所定の機器(50)に対する入力を行う制御部(130)と、
    前記操作面の拡がる方向に前記操作面を振動させる駆動部(120)と、が設けられ、
    前記指が前記操作面に接触しているときに、前記駆動部に対して前記制御部が、前記検出部による前記操作状態から推定される前記指の移動先(52a)の方向に往復する振動を前記操作面に発生させると共に、前記往復する振動の往路側と復路側とで前記振動の速度あるいは加速度が異なるように振動制御することで、前記指に対して引込み力を発生させる入力装置において、
    前記制御部は、前記振動制御を実行する際に、前記操作面上における前記指の指先方向に対する前記引込み力による引込み方向に応じて、前記往路側あるいは前記復路側における前記振動の速度あるいは加速度の大きさを変更する入力装置。
  2. 前記制御部は、前記引込み方向が、前記指先方向側であると、前記往路側の前記振動の速度あるいは加速度をより小さく成るように設定し、前記引込み方向が、前記指先方向とは逆側であると、前記往路側の前記振動の速度あるいは加速度をより大きく成るように設定する請求項1に記載の入力装置。
  3. 前記制御部は、前記駆動部に対して、前記往路側、あるいは前記復路側における前記振動の速度あるいは加速度を、振動振幅、振動周波数、あるいは前記往路側と前記復路側の前記振動のデューティ比を基に変更する請求項1または請求項2に記載の入力装置。
  4. 前記操作面は、矩形状を成しており、
    前記制御部は、前記指先方向を、前記操作面の前記操作者側となる辺(111a)に直交して、前記操作者から離れていく方向として設定する請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の入力装置。
  5. 前記制御部は、前記操作状態の一つとして、前記操作面上における前記指の姿勢を検出し、前記指の姿勢に基づいて前記指先方向を設定する請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の入力装置。
  6. 前記検出部は、静電容量式のセンサであり、
    前記制御部は、前記指の姿勢を前記静電容量式のセンサによって得られる静電容量の変化領域として検出し、前記変化領域の長手方向において、前記操作面の前記操作者から遠い側を前記指先方向として設定する請求項5に記載の入力装置。
  7. 前記検出部は、静電容量式のセンサであり、
    前記制御部は、前記指の姿勢を前記静電容量式のセンサによって得られる静電容量の変化に基づく前記指の指紋として検出し、前記指紋の長径方向において、前記操作面の前記操作者から遠い側を前記指先方向として設定する請求項5に記載の入力装置。
  8. 前記検出部は、フォトセンサであり、
    前記制御部は、前記指の姿勢を前記フォトセンサによって得られる前記指の領域として検出し、前記指の領域の長手方向において、前記操作面の前記操作者から遠い側を前記指先方向として設定する請求項5に記載の入力装置。
  9. 前記検出部は、カメラであり、
    前記制御部は、前記指の姿勢を前記カメラによって得られる前記指の画像として検出し、前記指の画像内の爪のある側を前記指先方向として設定する請求項5に記載の入力装置。
  10. 前記制御部は、前記検出部より前記操作状態として、前記操作面に対する押込み操作を取得すると、前記駆動部に対して、前記振動とは異なり、前記指に対してクリック感を与えるクリック感振動を発生させる請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の入力装置。
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