JP2019079243A - 入力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】指角度による影響を抑制して安定的な引込み力が得られる入力装置を提供する。【解決手段】検出部112と、制御部130と、駆動部120とが設けられ、指Fが操作面111に接触しているときに、駆動部120に対して制御部130が、検出部112による操作状態から推定される指Fの移動先52aの方向に往復する振動を操作面に発生させると共に、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように制御する振動制御を実行する入力装置において、制御部130は、検出部112による操作状態から、操作面111と指Fの長手方向の仮想線とが成す指角度θを推定すると共に、振動制御を実行する際に、指角度θに応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更する。【選択図】図2
Description
本発明は、タッチパッドやタッチパネルのように、操作者の指による入力操作を可能とする入力装置に関するものである。
従来の入力装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の入力装置(電子機器)は、操作者の指が接触する接触面と、接触面を支持する筐体と、筐体に対して接触面を移動させる駆動装置とを備えている。そして、指の位置情報をもとに、駆動装置によって接触面が移動されるようになっている。
これにより、指の移動方向に対して逆方向に接触面を移動させることで、指に対して抗力を与え、また指の移動方向と同一方向に接触面を移動させることで、引き込み力(誘導力)を与えるようになっている。
特許文献1の入力装置では、指の移動量が大きい場合では、これに応じて接触面の移動量も大きくする必要が生ずる。よって、その分、筐体において接触面の可動範囲を大きくとる必要が生じ、筐体の大型化を招き、現実性に欠けるものとなってしまう。
そこで、本発明者らは、先の出願(特願2017−44196)において、指の移動先の方向に往復する振動を操作面に発生させると共に、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように制御する入力装置を提案した。
この入力装置においては、振動の速度あるいは加速度が大きい方向においては、操作面と指との間に滑りが発生して、慣性の法則によって、指は、操作面の動きに追従しにくく、その位置に取り残される形となる。逆に、振動の速度あるいは加速度が小さい方向においては、操作面と指との間の摩擦力が作用して、慣性の法則によって、指には、操作面の動きと共に移動される力が働きやすくなる。
これにより、小さな可動領域で、振動の速度あるいは加速度が小さい側に効果的な引込み力を得ることができるようにし、従来技術のように、指の移動量が大きい場合に、これに応じて接触面の移動量も大きくしなければならないといった問題を解消するようにした。
しかしながら、操作面と、指の長手方向の仮想線とが成す指の角度によっては、指の構造により、引込みの感触が異なり、安定的な引込み力が得られない場合があることが分かった。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、指角度による影響を抑制して、安定的な引込み力が得られる入力装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
本発明では、操作側となる操作面(111)に対する操作者の指(F)の操作状態を検出する検出部(112)と、
検出部によって検出される操作状態に応じて、所定の機器(50)に対する入力を行う制御部(130)と、
操作面の拡がる方向に操作面を振動させる駆動部(120)と、が設けられ、
指が操作面に接触しているときに、駆動部に対して制御部が、検出部による操作状態から推定される指の移動先(52a)の方向に往復する振動を操作面に発生させると共に、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように制御する振動制御を実行する入力装置において、
制御部は、検出部による操作状態から、操作面と指の長手方向の仮想線とが成す指角度(θ)を推定すると共に、振動制御を実行する際に、指角度に応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更することを特徴としている。
検出部によって検出される操作状態に応じて、所定の機器(50)に対する入力を行う制御部(130)と、
操作面の拡がる方向に操作面を振動させる駆動部(120)と、が設けられ、
指が操作面に接触しているときに、駆動部に対して制御部が、検出部による操作状態から推定される指の移動先(52a)の方向に往復する振動を操作面に発生させると共に、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように制御する振動制御を実行する入力装置において、
制御部は、検出部による操作状態から、操作面と指の長手方向の仮想線とが成す指角度(θ)を推定すると共に、振動制御を実行する際に、指角度に応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更することを特徴としている。
この発明によれば、制御部(130)によって、振動制御が実行されると、操作面(111)において、指(F)の移動先(52a)の方向に往路側と復路側とで、速度あるいは加速度が異なる振動が発生される。振動の速度あるいは加速度が大きい方向においては、操作面(111)と指(F)との間に滑りが発生して、慣性の法則によって、指(F)は、操作面(111)の動きに追従しにくく、その位置に取り残される(置いていかれる)形となる。逆に、振動の速度あるいは加速度が小さい方向においては、操作面(111)と指(F)との間の摩擦力が作用して、慣性の法則によって、指(F)には、操作面(111)の動きと共に移動される力が働きやすくなり、総じて指(F)は、振動の速度あるいは加速度が小さい方向に引込まれる形となる。
よって、上記のように振動制御を実行することで、小さな可動領域で、振動の速度あるいは加速度が小さい側に効果的な引込み力を得ることができる。したがって、従来技術のように、指(F)の移動量が大きい場合に、これに応じて接触面の移動量も大きくしなければならないといった問題を無くすことができる。
ここで、操作面(111)に対する指(F)の角度が異なると、指(F)の構造(骨格、皮膚、筋肉等)により、引込みの感触が変化してしまう。
本発明では、制御部(130)は、検出部(112)による操作状態から、指角度(θ)を推定すると共に、振動制御を実行する際に、指角度(θ)に応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更するようにしている。よって、指角度(θ)に伴う引込みの感触の変化を抑制することが可能となり、安定的な引込み力を得ることができる(詳細後述)。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態の入力装置100を図1〜図8に示す。本実施形態の入力装置100は、例えば、ナビゲーション装置50を操作するための遠隔操作デバイスに適用したものである。入力装置100は、ナビゲーション装置50と共に、車両10に搭載されている。ナビゲーション装置50は、本発明の所定の機器に対応する。
第1実施形態の入力装置100を図1〜図8に示す。本実施形態の入力装置100は、例えば、ナビゲーション装置50を操作するための遠隔操作デバイスに適用したものである。入力装置100は、ナビゲーション装置50と共に、車両10に搭載されている。ナビゲーション装置50は、本発明の所定の機器に対応する。
ナビゲーション装置50は、地図上における自車の現在位置情報、進行方向情報、あるいは操作者の希望する目的地への案内情報等を表示する航路誘導システムである。図1に示すように、ナビゲーション装置50は、表示部としての液晶ディスプレイ51を有している。液晶ディスプレイ51は、車両10のインストルメントパネル11の車両幅方向の中央部に配置されて、表示画面52が操作者によって視認されるようになっている。
ナビゲーション装置50は、入力装置100に対して別体で形成されており、入力装置100から離れた位置に設定されている。ナビゲーション装置50と入力装置100とは、例えば、Controller Area Networkバス(CANバス(登録商標))によって接続されている。
液晶ディスプレイ51の表示画面52には、地図上における自車位置が表示されると共に、地図の拡大表示、縮小表示、および目的地案内等の設定のための各種操作ボタン52aが表示されるようになっている(図4、図5)。操作ボタン52aは、いわゆる操作アイコンと呼ばれるものである。また、表示画面52には、後述する操作部110(操作面111)における操作者の指Fの位置に対応するように、例えば、矢印状にデザインされたポインタ52bが表示されるようになっている(図4、図5)。
入力装置100は、図1、図2に示すように、車両10のセンターコンソール12にて、アームレスト13と隣接する位置に設けられ、操作者の手の届き易い範囲に配置されている。入力装置100は、操作部110、駆動部120、および制御部130等を備えている。
操作部110は、いわゆるタッチパッドを形成するものであり、操作者の指Fによって、ナビゲーション装置50に対する入力操作を行う部位となっている。操作部110は、操作面111、およびタッチセンサ112等を有している。
操作面111は、アームレスト13と隣接する位置で操作者側に露出して、操作者が指操作を行う平面部となっており、例えば、表面全体にわたって指の滑りを良くする素材等が設けられることで形成されている。操作面111上における操作者の指操作により、表示画面52に表示される各種操作ボタン52aに対する操作(選択、押込み決定等)のための入力ができるように設定されている。表示画面52における操作ボタン52aは、本発明の操作面における「操作状態から推定される指の移動先」に対応する。
タッチセンサ112は、操作面111の裏面側に設けられた、例えば、静電容量式の検出部である。タッチセンサ112は、矩形の平板状に形成されており、タッチセンサ112表面に対する操作者の指Fによる操作状態を検出するようになっている。
タッチセンサ112は、操作面111上のx軸方向(図3、図4)に沿って延びる電極と、y軸方向(図3、図4)に沿って延びる電極とが格子状に配列されることにより形成されている。これら各電極は、後述する制御部130と接続されている。
各電極は、タッチセンサ112に近接する操作者の指Fの位置で(操作位置座標で)、指Fと操作面111(タッチセンサ112)との距離に応じて静電容量を発生させるようになっており、発生される静電容量の信号(感度値)が制御部130に出力されるようになっている。静電容量の信号は、主に、指Fが操作面111に接触している領域で相対的に大きく発生されるが、指Fが操作面111から離れている領域(ホバー領域)でも、指Fと操作面111との距離に応じて静電容量の信号が発生される。尚、タッチセンサ112表面は、絶縁材よりなる絶縁シートによって覆われている。
上記操作面111およびタッチセンサ112は、筐体によって支持されている。筐体は、例えば、センターコンソール12の内部に配置されている。
駆動部120は、操作面111の拡がる方向に操作面111を、x、y軸の2軸方向に振動させるものであり、操作面111の周囲4辺の少なくとも1辺に設けられている。駆動部120は、後述する制御部130と接続されており、制御部130によって振動発生の制御がなされるようになっている。
駆動部120は、2軸方向のうち、1軸方向のみの振動を有効にすることで、操作面111には1軸方向(x軸方向、あるいはy軸方向)の振動を発生させ、また、2軸方向の振動を同時に有効にすることにより、操作面111には両振動を合成した斜め方向の振動を発生させることができるようになっている。
また、駆動部120は、往復する振動の往路側と復路側とにおいて、振動の速度あるいは加速度が異なるように作動することができるようになっている。
駆動部120としては、例えば、ソレノイド、ボイスコイルモータ等の電磁アクチュエータ、あるいはピエゾ等の振動体、更には、上記振動体とバネとが組み合わされたもの等を用いることができる。例えば、1つの振動体が2軸方向の振動を発生させるものであれば、操作面111の周囲4辺のうち少なくとも1つの辺部に1つの振動体を設けることで、駆動部120を形成することができる。あるいは、振動体が1軸方向のみの振動を発生させるものであれば、操作面111の周囲の隣合う2つの辺部にそれぞれ1つの振動体(合計2つ)を設けることで、駆動部120を形成することができる。あるいは、1軸方向の振動体とバネとの組合せを、対向する辺部に設けて、振動方向が直交するように2組設けることで駆動部120を形成することができる。
制御部130は、CPU、RAM、および記憶媒体等を有している。制御部130は、タッチセンサ112から得られる信号から、操作者の指Fの操作状態として、操作面111上における指Fの接触位置(表示画面52上のポインタ52bの位置)、感度分布(静電容量の感度分布)、接触形状(静電容量変化の得られる領域)等を取得する。更に、制御部130は、各種操作ボタン52aのうち操作者の指F(ポインタ52b)から一番近い操作ボタン52aへの方向、および操作者の指F(ポインタ52b)から一番近い操作ボタン52aまでの距離等を取得する。
加えて、制御部130は、操作状態として、操作面111上において、操作ボタン52aに相当する位置での押込み操作の有無等を取得する。そして、制御部130は、これらの操作状態に応じて駆動部120による振動の発生状態を制御するようになっている(詳細後述)。
本実施形態の入力装置100の構成は以上のようになっており、以下、作動および作用効果について、図3〜図8を加えて説明する。図3は、制御部130が実行する制御内容を示すフローチャートである。
まず、制御部130は、図3に示すステップS100で、タッチセンサ112から得られる信号によって、操作者の指Fが操作面111にタッチ(接触)しているか否かを判定する。制御部130は、否と判定すれば、ステップS110で、駆動部120による操作面111への振動発生を停止して、ステップS100を繰り返し、肯定判定すれば、ステップS120に移行する。尚、図4、図5に示すように、操作者の指Fが操作面111にタッチされると、表示画面52におけるポインタ52bの表示が有効となって、操作面111上における操作者の指Fの接触位置に対応するように、ポインタ52bが表示画面52に表示される。
ステップS120では、制御部130は、タッチセンサ112から得られる静電容量の信号から、操作面111と、指Fの長手方向の仮想線(図6、図7)と、が成す角度を指角度θとして推定する。制御部130は、指角度θを、操作面111に対する指Fの接触状態を示す感度分布、ここでは、タッチセンサ112によって得られる静電容量の分布から推定するようにしている。以下、指Fの長手方向を上下方向、長手方向に交差する方向を左右方向(幅方向)と呼ぶことがある。
例えば、図8の上段に示すように、静電容量の分布においては、指Fの幅Wに対する長手方向の寸法が、指角度θに応じて変化する。指角度θが小さい側から大きくなるにつれて、静電容量の分布における長手方向の寸法は、小さくなっていく(パターン1→3)。特に、指角度θが小さい場合であると、指Fが直接的に操作面111に接触していなくても、近接する領域で静電容量の分布が得られ、長手方向の寸法は大きく得られる。
制御部130は、静電容量の分布の長手方向の寸法に応じて、指角度θを推定する。そして、ここでは、推定される指角度θの範囲を、図8の中段に示すように、例えば、0≦θ≦30度、30<θ≦60度、60<θ≦90度のような3つの範囲に分けて、パターン1〜3と定義している。
次に、ステップS130で、制御部130は、操作者の指Fが各種操作ボタンのうち、いずれかの操作ボタン52aを選択中か否かを判定する。制御部130は、操作者の指Fの位置がいずれかの操作ボタン52aに重なる位置にあると選択中(Yes)であると判定し、操作者の指Fの位置がいずれの操作ボタン52aにも重ならない位置であると選択中ではない(No)と判定する。
尚、操作者の指Fがいずれの操作ボタン52aも選択中ではないという状態は、いずれの操作ボタン52aに対しても操作者の指Fは離れた位置にあり、いずれかの操作ボタン52aに向けて移動されている状態を示す。制御部130は、ステップS130で、否と判定すると、ステップS140に移行する。
ステップS140では、制御部130は、操作者の指Fの操作状態から、指Fの移動先となる操作ボタン52aを推定する。ここでは、現在の指Fの位置から一番近い操作ボタン52aを移動先の操作ボタン52aとして推定する。
そして、制御部130は、表示画面52におけるポインタ52bの位置(操作面111上の操作者の指Fの位置)から、操作者の指Fが移動しようとする操作ボタン52aの位置へのベクトルを算出する。ベクトル算出にあたって、制御部130は、ポインタ52bの位置と操作ボタン52aの位置との距離(ベクトルの長さ)と、ポインタ52bの位置から操作ボタン52aの位置に向かう方向(ベクトルの向き)とを算出する。
次に、ステップS150で、制御部130は、算出したベクトルの方向に引込み力を発生させるための標準振動パターンを設定すると共に、ステップS120で推定した指角度θに応じて、標準振動パターンを一部変更する。
即ち、制御部130は、まず、標準振動パターンとして、算出したベクトルの向き(指の移動先の方向)に往復する振動を設定する。例えば、制御部130は、上記ベクトルがxyの2軸方向のうち、いずれか一方の軸方向(例えばy軸方向)であると、図4に示すように、その軸方向に沿う振動を設定する。また、制御部130は、上記ベクトルが2軸に対して傾いている場合であると、図5に示すように、2軸方向の合成によって得られる斜め方向の振動を設定する。
そして、制御部130は、往復する振動の往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるように設定する。ここでは、往路側は、操作者の指Fが移動しようとする方向としており、制御部130は、図8中の波形例における実線で示すように、復路側よりも往路側の速度あるいは加速度が小さくなるように標準振動パターンを設定する。尚、図8では、振動の速度あるいは加速度のうち、一例として、加速度を振動の制御対象として示している。
ここで、引込みの感触について、事前に以下の確認をしている。即ち、図6に示すように、指Fが操作面111に対して寝ている場合、つまり、指角度θが相対的に小さい場合であると、引込み力による指の引込みは、指Fの長手方向に交差する方向(図6中の左右方向)に誘導されやすく、指Fの長手方向(図6中の上下方向)に誘導されにくい傾向がある。また、図7に示すように、指Fが操作面111に対して立っている場合、つまり、指角度θが相対的に大きい場合であると、引込み力による指の引込みは、指Fの長手方向(図7中の上下方向)に誘導されやすく、指Fの長手方向に交差する方向(図7中の左右方向)に誘導されにくい傾向がある。これは、指Fの構造(骨格、皮膚、筋肉等)によるものと考えられる。
よって、制御部130は、推定した指角度θに応じて、標準振動パターンにおける速度あるいは加速度の大きさを変更した変更振動パターンを設定する。変更振動パターンは、図8中の波形例において破線で示したものである。具体的な変更振動パターンの設定要領は、図8の下段に示すようになっている。
1.パターン1(指角度θが相対的に小さいとき)
制御部130は、指Fが長手方向(上下方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を小さく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を大きく設定する。これにより、上下方向の引込み感がより大きく得られるようにする。また、制御部130は、指Fが長手方向に交差する方向(左右方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を大きく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を小さく設定する。これにより、左右方向の引込み感が抑えられるようにする。
制御部130は、指Fが長手方向(上下方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を小さく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を大きく設定する。これにより、上下方向の引込み感がより大きく得られるようにする。また、制御部130は、指Fが長手方向に交差する方向(左右方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を大きく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を小さく設定する。これにより、左右方向の引込み感が抑えられるようにする。
2.パターン2(指角度θが相対的に中間的なとき)
この場合は、制御部130は、変更振動パターンの設定は行わずに、標準振動パターンを使用する。
この場合は、制御部130は、変更振動パターンの設定は行わずに、標準振動パターンを使用する。
3.パターン3(指角度θが相対的に大きいとき)
制御部130は、指Fが長手方向(上下方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を大きく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を小さく設定する。これにより、上下方向の引込み感が抑えられるようにする。また、制御部130は、指Fが長手方向に交差する方向(左右方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を小さく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を大きく設定する。これにより、左右方向の引込み感がより大きく得られるようにする。
制御部130は、指Fが長手方向(上下方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を大きく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を小さく設定する。これにより、上下方向の引込み感が抑えられるようにする。また、制御部130は、指Fが長手方向に交差する方向(左右方向)に移動される場合であると、標準振動パターンに比べて、往路側の速度あるいは加速度を小さく設定し、また復路側の速度あるいは加速度を大きく設定する。これにより、左右方向の引込み感がより大きく得られるようにする。
尚、往路側あるいは復路側の振動の速度あるいは加速度の大きさを設定、更には変更するにあたっては、振動の振幅を変更する、振動の周波数を変更する、あるいは往路側と復路側の波形におけるデューティ比(復路側振動時間/(往路側振動時間+復路側振動時間))を変更する等で対応可能である。
例えば、振動の振幅を大きくすることで、振動の速度あるいは加速度を大きくし、振動の振幅を小さくすることで振動の速度あるいは加速度を小さくすることができる。また、振動の周波数を大きくすることで、振動の速度あるいは加速度を大きくし、振動の周波数を小さくすることで振動の速度あるいは加速度を小さくすることができる。更には、デューティ比を小さくすることで、復路側の速度あるいは加速度を大きくし、往路側の速度あるいは加速度を小さくすることができる。逆に、デューティ比を大きくすることで、復路側の速度あるいは加速度を小さくし、往路側の速度あるいは加速度を大きくすることができる。
そして、ステップS160にて、制御部130は、上記のようにベクトルの方向、および指角度θに応じて設定した振動パターン(標準振動パターン、あるいは変更振動パターン)となるように、駆動部120を駆動させて、操作面111を振動させる。尚、標準振動パターンに基づく操作面111への振動付加は、本発明の振動制御に対応する。 ステップS160の後、操作者の指Fによって、操作者が希望する操作ボタン52aが選択されるまで(ステップS130でYes場合)、制御部130は、ステップS100、S120〜S160を繰り返す。
上記ステップS100、S120〜S160を繰り返す中で、ステップS130で、肯定判定すると、制御部130は、ステップS170で、操作ボタン52aに対する押込み操作があったか否かを判定する。押込み操作は、操作者の操作ボタン52aに対する選択決定を示す操作であり、操作者が操作面111上で、操作ボタン52aに対応する位置で指を押込むことで行われる。ステップS170で肯定判定すると、制御部130は、ステップS180で押込み決定処理を行う。つまり、操作ボタン52aに対応する指示をナビゲーション装置50に対して行う。尚、ステップS170で否定判定すると、ステップS100に戻る。
そして、ステップS190で、制御部130は、操作者の指Fに対してクリック感を与えるための振動(クリック感振動)を発生させる。ここでは、駆動部120を流用して、上記ステップS150、S160における引込み用の振動とは異なり、駆動部120を単発的に振動させることで、操作者が押込み操作をしたことが認識できるようにする。
以上のように本実施形態では、制御部130によって、振動制御が実行されると、操作面111において、指Fの移動先(操作ボタン52a)の方向に往路側と復路側とで、速度あるいは加速度が異なる振動が発生される。振動の速度あるいは加速度が大きい方向においては、操作面111と指Fとの間に滑りが発生して、慣性の法則によって、指Fは、操作面111の動きに追従しにくく、その位置に取り残される(置いていかれる)形となる。逆に、振動の速度あるいは加速度が小さい方向においては、操作面111と指Fとの間の摩擦力が作用して、慣性の法則によって、指Fには、操作面111の動きと共に移動される力が働きやすくなり、総じて指Fは、振動の速度あるいは加速度が小さい方向に引込まれる形となる。
よって、上記のように振動制御を実行することで、小さな可動領域で、振動の速度あるいは加速度が小さい側に効果的な引込み力を得ることができる。したがって、従来技術のように、指の移動量が大きい場合に、これに応じて接触面の移動量も大きくしなければならないといった問題を無くすことができる。
尚、本実施形態では、振動の往路側を移動先の方向としており、制御部130は、駆動部120に対して、復路側よりも往路側の速度あるいは加速度を小さくするようにしている。これにより、操作ボタン52aに近づいて行こうとしている操作者の指Fに対して、この操作ボタン52aに引込ませるような引込み力を発生させることができる。
ここで、操作面111に対する指Fの角度(指角度θ)が異なると、指Fの構造(骨格、皮膚、筋肉等)により、引込みの感触が変化してしまう。
本実施形態では、制御部130は、タッチセンサ112による操作状態から、指角度θを推定すると共に、振動制御を実行する際に、指角度θに応じて、往路側あるいは復路側における振動の速度あるいは加速度の大きさを変更するようにしている。よって、指角度θに伴う引込みの感触の変化を抑制することが可能となり、安定的な引込み力を得ることができる。
また、本実施形態では、制御部130は、タッチセンサ112によって検出され、操作面111に対する指Fの接触状態を示す感度分布から、指角度θを推定するようにしている。更に、制御部130は、感度分布を、タッチセンサ112によって得られる静電容量の分布から捉えるようにしている。これにより、容易に(専用の機器の設定を不要として)、且つ正確に指角度θを推定することができる。
静電容量の分布から指角度θを推定することで、特に、指角度θが小さい場合、指Fが直接的に操作面111に接触していなくても、近接する領域(ホバー領域)での静電容量の分布も得られるため、指角度θの推定がしやすくなる。
また、制御部130は、タッチセンサ112より操作状態として、操作面111に対する押込み操作を取得すると(ステップS170)、駆動部120に対して、引込みのための振動とは異なり、操作者の指Fに対してクリック感を与えるクリック感振動を発生させるようにしている(ステップS190)。これにより、駆動部120を流用して、操作者に選択決定操作を認識させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図9、図10に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、指角度θの推定方法を変更したものである。
第2実施形態を図9、図10に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、指角度θの推定方法を変更したものである。
本実施形態では、制御部130は、操作面111に対する指Fの接触領域を示す接触形状から指角度θを推定するようにしている。例えば、図9の上段、および図10に示すように、タッチセンサ112によって、検知された指Fの接触形状から、指Fの長手方向(上下方向)の寸法と、長手方向に交差する交差方向(左右方向、幅方向)の寸法との比(比r=上下長/左右長)を把握して、指角度θを推定する。
即ち、指角度θが小さい側から大きくなるにつれて、接触形状における長手方向(上下方向)の寸法は小さくなっていき、比rも小さくなっていく(パターン1→3)。よって、制御部130は、比rに応じて、指角度θを推定する。そして、ここでは、推定される指角度θの範囲を、図9の中段に示すように、比rに応じて(1.4≦r、1.0<r≦1.4、r<1.0)、例えば、0≦θ≦30度、30<θ≦60度、60<θ≦90度のような3つの範囲に分けて、パターン1〜3と定義している。
尚、指角度θに対する振動パターン(標準振動パターン、および変更振動パターン)の設定は、上記第1実施形態と同じである。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の入力装置100Aを図11に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、指Fを撮影する撮影部としてのカメラ140を追加して、制御部130は、タッチセンサ112によって検出された操作状態に代えて、カメラ140によって撮影された指Fの画像から、指角度θを推定するようにしている。
第3実施形態の入力装置100Aを図11に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、指Fを撮影する撮影部としてのカメラ140を追加して、制御部130は、タッチセンサ112によって検出された操作状態に代えて、カメラ140によって撮影された指Fの画像から、指角度θを推定するようにしている。
カメラ140は、例えば、複数の方向から同時に撮影して奥行方向の情報も記録できるステレオカメラ、あるいは、ToF(Time of Flight)方式を用いて対象物を立体的に撮影するToFカメラ等が使用される。カメラ140は、例えば、車両天井や、操作部110に隣接する位置等に取付けされており、操作面111を操作する操作者の指F(指の形等)を検出するようになっている。
制御部130は、指Fの画像から指角度θを推定し、指角度θに応じて、上記第1、第2実施形態と同様に、振動パターン(標準振動パターン、および変更振動パターン)の設定を行う。尚、指Fの位置、指Fから一番近い操作ボタン52aまでの方向、距離等については、上記各実施形態と同様に、タッチセンサ112によって検出されるようにしている。
本実施形態では、上記各実施形態に対して、指角度θを指Fの画像から推定するので、より正確な指角度θの推定が可能となり、より安定的な引込みの力を得ることができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、指角度θを推定するために、タッチセンサ112(指Fの感度分布、接触形状)、あるいはカメラ140(指Fの画像)等を用いたが、これに代えて、例えば、指Fや手に装着されるウェアラブル機器を用いて、指角度θを推定するものとしてもよい。
上記各実施形態では、指角度θを推定するために、タッチセンサ112(指Fの感度分布、接触形状)、あるいはカメラ140(指Fの画像)等を用いたが、これに代えて、例えば、指Fや手に装着されるウェアラブル機器を用いて、指角度θを推定するものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、タッチセンサ112としては、静電容量式のものに限らず、他の感圧式等、各種タイプのものを使用することができる。
また、上記各実施形態では、推定した指角度θの範囲をパターン1〜3に分けたが、これに限定されるものではなく、2パターン、あるいは4パターン以上として、振動パターンにおける往路側、および復路側の振動の速度あるいは加速度を変化させる量を変えたものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、制御部130は、操作者の指Fの操作状態から、指Fの移動先となる操作ボタン52aを推定するにあたって、現在の指Fの位置から一番近い操作ボタン52aを移動先の操作ボタン52aとして推定するようにした。しかしながら、これに限定されることなく、例えば、過去の所定期間における操作者の使用頻度の高い操作ボタン52aを移動先となる操作ボタン52aとして推定してもよい。あるいは、現時点での操作者の指Fの移動しようとするその先にある操作ボタン52aを移動先となる操作ボタン52aとして推定してもよい。
また、上記各実施形態では、操作ボタン52aに近づいていく操作者の指Fに対して操作ボタン52a側に引込み力を発生させるものとしたが、これに加えて、操作者の指Fが操作ボタン52aの近傍から離れようとするときに、操作ボタン52a側に向かう引込み力を発生させるものとしてもよい。この場合は、操作者の指Fが操作ボタン52aに対して離れていく方向に振動を発生させ、離れていく方向を往路側、その反対方向を復路側とし、復路側の振動の速度あるいは加速度を往路側よりも小さくするようにしてやればよい。
また、上記各実施形態では、操作部110として、いわゆるタッチパッド式のもとしたが、これに限らず、液晶ディスプレイ51の表示画面52が透過されて操作面111に視認されるいわゆるタッチパネル式のものにも適用可能である。
また、上記各実施形態では、図3で説明したステップS170〜ステップS190で、押込み操作があると、クリック感を与えるクリック感振動を発生させるものとした。しかしながら、本発明は、基本的には、往路側と復路側とで振動の速度あるいは加速度が異なるようにすることで、引込み力を発生させると共に、推定した指角度θに応じて、速度あるいは加速度を変更することで引込み力の安定化を図るものとしており、ステップS170〜ステップS190を廃止したものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、入力装置100、100Aによる入力制御の対象(所定の機器)として、ナビゲーション装置50としたが、これに限定されることなく、車両用の空調装置、あるいは車両用オーディオ装置等の他の機器にも適用することができる。
50 ナビゲーション装置(所定の機器)
52a 操作ボタン(移動先)
100、100A 入力装置
111 操作面
112 タッチセンサ(検出部)
120 駆動部
130 制御部
140 カメラ(撮影部)
F 操作者の指
θ 指角度
52a 操作ボタン(移動先)
100、100A 入力装置
111 操作面
112 タッチセンサ(検出部)
120 駆動部
130 制御部
140 カメラ(撮影部)
F 操作者の指
θ 指角度
Claims (5)
- 操作側となる操作面(111)に対する操作者の指(F)の操作状態を検出する検出部(112)と、
前記検出部によって検出される前記操作状態に応じて、所定の機器(50)に対する入力を行う制御部(130)と、
前記操作面の拡がる方向に前記操作面を振動させる駆動部(120)と、が設けられ、
前記指が前記操作面に接触しているときに、前記駆動部に対して前記制御部が、前記検出部による前記操作状態から推定される前記指の移動先(52a)の方向に往復する振動を前記操作面に発生させると共に、前記往復する振動の往路側と復路側とで前記振動の速度あるいは加速度が異なるように制御する振動制御を実行する入力装置において、
前記制御部は、前記検出部による前記操作状態から、前記操作面と前記指の長手方向の仮想線とが成す指角度(θ)を推定すると共に、前記振動制御を実行する際に、前記指角度に応じて、前記往路側あるいは前記復路側における前記振動の速度あるいは加速度の大きさを変更する入力装置。 - 前記制御部は、前記検出部によって検出され、前記操作面に対する前記指の接触状態を示す感度分布から、前記指角度を推定することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
- 前記検出部は、静電容量式のタッチセンサであり、
前記制御部は、前記感度分布を、前記タッチセンサによって得られる静電容量の分布から捉える請求項2に記載の入力装置。 - 前記制御部は、前記検出部によって検出され、前記操作面に対する前記指の接触領域を示す接触形状から前記指角度を推定することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
- 前記指を撮影する撮影部(140)を備え、
前記制御部は、前記検出部によって検出された前記操作状態に代えて、前記撮影部によって撮影された前記指の画像から、前記指角度を推定する請求項1に記載の入力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017205329A JP2019079243A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 入力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=66627735
Family Applications (1)
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JP2017205329A Pending JP2019079243A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 入力装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019079243A (ja) |
-
2017
- 2017-10-24 JP JP2017205329A patent/JP2019079243A/ja active Pending
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