JP2019020283A - コンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の予測方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この収縮ひび割れの主因としてコンクリートの乾燥収縮ひずみが挙げられる。該ひずみは、図8に示すように、コンクリートの外部拘束により生じるひずみと内部拘束により生じるひずみがある。したがって、コンクリートの収縮ひび割れを制御するには、主因となる乾燥収縮ひずみを事前に把握する必要がある。
例えば、特許文献1には、コンクリートの乾燥収縮ひずみと粗骨材の動弾性係数の関係式として、下記(1)式が示されている(請求項3)。
y=ax−b ……(1)
(式中、yは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、xは粗骨材の動弾性係数(kN/mm2)を表す。また、aは、粗骨材が火成岩の場合は11.536、堆積岩の場合は21.195であり、bは、粗骨材が火成岩の場合は1201.6、堆積岩の場合は1812.2である。)
εc=A×Eg+B ……(2)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm2)を表す。また、Aは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は14.0、堆積岩以外の場合は5.3であり、Bは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は−1700、堆積岩以外の場合は−1035である。)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、εgは粗骨材の乾燥収縮ひずみ(×10−6)を表す。また、Cは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は0.9、堆積岩以外の場合は0.8であり、Dは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は−520、堆積岩以外の場合は−563である。)
なお、乾燥収縮ひずみの終局値を得るには、このように長い期間待つ必要があるが、これでは実用的でないため、前記特許文献1および2では、乾燥収縮ひずみの終局値の8〜9割程度の乾燥収縮ひずみが得られる乾燥期間である26週を採用している。
このように、関係式を求める作業は長い期間を要するという課題があった。
すなわち、本発明は、下記の構成を有するコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の予測方法である。
該関係式に粗骨材(B)の特性値を代入して、粗骨材(B)を用いたコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値を予測する工程を、
少なくとも含む、コンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の予測方法。
<乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)>
1個以上のレーザー変位計、乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を載置するための台座、および、該供試体の位置決め治具、を少なくとも含む、乾燥収縮ひずみ測定装置
<乾燥収縮ひずみ測定装置(E2)>
2個以上のレーザー変位計、乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を支持するための3点以上の支持部材、および、該支持部材の一部を埋設してなる台座、を少なくとも含む、乾燥収縮ひずみ測定装置
ここで、粗骨材(A)と粗骨材(B)は、予測精度を高めるため、好ましくは、岩種が同じ粗骨材である。ただし、粗骨材が複数の岩種の混合物である場合、粗骨材(A)と粗骨材(B)は、好ましくは、同種または類似の岩種の粗骨材であって、同一または類似の混合比率を有する粗骨材の混合物である。
[2]前記粗骨材の特性値が、粗骨材の動弾性係数、粗骨材のヤング率、および粗骨材の乾燥収縮ひずみから選ばれる1種である、前記[1]に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の予測方法。
乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)は、図1〜3に例示するとおり、1個以上のレーザー変位計4、乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を載置するための台座2、および、該供試体1の位置決め治具3を少なくとも含む装置である。
前記レーザー変位計は、特に制限されず、反射型や透過型等の市販のレーザー変位計が挙げられる。本発明では、レーザー変位計の数を増やせばデータ数が増え、その分、測定精度は向上するが、装置はコスト高になるため、レーザー変位計の数は、好ましくは1〜4個、より好ましくは2〜4個である。前記レーザー変位計は、台座上に載置した円板状または四角板状の供試体の中心に向けてレーザーを照射できるように設置する。レーザー変位計の設置位置は、例えば、図1や図2に示す位置が挙げられる。
さらに、当該台座は、熱や衝撃による変形を防止するため、好ましくはインバー鋼材を用いて製造する。また、台座は、供試体を支持するための支持部材5を設置してもよい。支持部材を設置すると、供試体と台座の間の熱の移動を低減できるため、乾燥収縮ひずみの測定精度が向上する。
支持部材の形状は、特に制限されず、図3に示すような球状(図3では、支持部材の下部の一部が、台座に埋め込まれている。)や、柱状等が挙げられる。なお、支持部材を柱状にする場合は、供試体と点で接触するように、好ましくは、供試体に接する支持部材の面を半球状にする。
支持部材の数は、供試体を安定して載置できるため3点以上が好ましい。なお、支持部材を多くすると装置の製造に手間がかかるため、支持部材の数は3〜4がより好ましい。また、前記支持部材は、供試体を安定して載置するためには、正三角形または正方形を形成するように設置するのが好ましい。図3は、支持部材が正方形を形成するように設置した例である。さらに、支持部材は、熱や衝撃による変形を防止するため、好ましくはインバー鋼材を用いて製造する。
また、乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)は、レーザー変位計、台座、および位置決め治具を、基盤を用いて一体化して構成することが好ましい。レーザー変位計、台座、位置決め治具、および、これらを設置するために用いる基盤は、熱や衝撃による変形を防止するため、好ましくはインバー鋼材を用いて製造する。
該測定方法は、乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)の台座上に、円板状または四角板状の供試体を、該供試体の周囲の側面が位置決め治具と接触するように載置した後、レーザー変位計を用いて供試体の周囲の側面にレーザーを照射して、レーザー変位計と供試体の周囲の側面の間の距離を測定することにより、供試体の乾燥収縮ひずみを測る方法である。
供試体が円板状の場合、供試体の直径は、10〜30cmであれば、供試体の製造は容易で、また供試体の乾燥が速くなり好ましい。なお、供試体の直径は、より好ましくは10〜20cmである。また、供試体の厚さは、5〜20mmであれば供試体は割れ難く、また供試体の乾燥がさらに速くなるため好ましい。なお、供試体の厚さは、より好ましくは6〜18mm、さらに好ましくは7〜15mm、特に好ましくは8〜12mmである。
また、供試体が四角板状の場合、四角板の1辺の長さは、好ましくは10〜30cm、より好ましくは10〜20cmであり、さらに好ましくは、1辺の長さが10〜30cmの正方形、特に好ましくは、1辺の長さが10〜20cmの正方形である。1辺の長さが10〜30cmの正方形であれば、供試体の製造は容易で、また供試体の乾燥が速くなる。また、四角板状の供試体の厚さは、好ましくは5〜20mm、より好ましくは6〜18mm、さらに好ましくは7〜15mm、特に好ましくは8〜12mmである。供試体の厚さが5〜20mmであれば、供試体は割れ難く、また供試体の乾燥はさらに速くなる。
なお、乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)の台座に支持部材が設置されている場合、該支持部材上に、円板状または四角板状の供試体の周囲の側面が位置決め治具と接触するように、該供試体を載置する。
本発明の測定方法では、乾燥収縮ひずみの測定間隔は任意であるが、乾燥収縮ひずみの終局値を早期に得るためや、測定の手間を低減するために、乾燥収縮ひずみの測定間隔は好ましくは乾燥期間1〜10日毎、より好ましくは乾燥期間1〜7日毎である。
また、前記測定した距離が画面上に表示される測定装置を用いる場合、本発明の測定方法は、乾燥前の供試体と同じ形状および寸法を有する金属板(基長板)を台座上に載置して、レーザー変位計と該金属板の側面の間の距離を測定し、該距離(の表示)をゼロに設定した後、該金属板に代えて前記供試体を台座上に載置して、レーザー変位計と供試体の側面の間の距離を測定し、乾燥収縮ひずみを求める方法である。
前記金属板(基長板)は、温度の変化による長さの変化が同じになるよう、好ましくは台座と同じ材質の金属であり、熱や衝撃による変形を防止するため、より好ましくは、インバー鋼材である。
乾燥収縮ひずみ測定装置(E2)は、図4〜7に例示するように、2個以上のレーザー変位計4、乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を支持するための3点以上の支持部材5、および、該支持部材の一部を埋設してなる台座2を少なくとも含む装置である。
前記レーザー変位計は、前記乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)のレーザー変位計と同じである。また、乾燥収縮ひずみの測定精度が向上するため、レーザー変位計を2個以上設置する。レーザー変位計が1個では、乾燥収縮ひずみの測定精度が低下するおそれがある。また、レーザー変位計を増やせばデータ数が増え、その分、さらに測定精度が向上するが、装置はコスト高になる。したがって、レーザー変位計は、好ましくは2〜6個、より好ましくは2〜4個設置する。
レーザー変位計は、乾燥収縮ひずみの測定精度が向上し、また、供試体の載置が容易なため、好ましくは、支持部材が形成する正三角形または正方形の中心から等間隔の位置に、レーザー照射面を該中心に向けて設置する。また、乾燥収縮ひずみの終局値の測定精度がさらに向上するため、より好ましくは、2〜6個の前記レーザー変位計を、該レーザー変位計から照射されたレーザーが60〜300°の角度で交差するように配置する。
レーザー変位計を設置する態様は、レーザー変位計を2個設置する場合、例えば、図4に示すように、レーザー変位計を対向して設置するか、図5に示すように、レーザーが90°の角度で交差するように設置し、また、レーザー変位計を4個設置する場合、図6に示すように、2組のレーザー変位計を対向して設置する。
なお、支持部材の形状、数、配置する形(位置の形状)、および材質は、乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)と同じである。
なお、供試体載置補助治具は、図7に示すように台座の外側に設置するほか、台座上に設置してもよい。また、供試体載置補助治具は、熱や衝撃による変形を防ぐため、好ましくはインバー鋼材を用いて製造する。
該測定方法は、乾燥収縮ひずみ測定装置(E2)の支持部材上に、円板状または四角柱状の供試体の中心が、前記支持部材が形成する正三角形または正方形の中心と一致するように載置した後、レーザー変位計を用いて供試体の周囲の側面にレーザーを照射して、レーザー変位計と供試体の周囲の側面の間の距離を測定することにより、供試体の乾燥収縮ひずみを求める方法である。
例えば、図7に示すように、乾燥収縮ひずみ測定装置(E2)の支持部材(台座上の球状の4点)上に、円板状の供試体を、該供試体の中心と支持部材が形成する正方形の中心が一致するように載置した後(図7(B))、レーザー変位計を用いて供試体の周囲の側面にレーザーを照射して、レーザー変位計と供試体の周囲の側面の間の距離を測定することにより、供試体の乾燥収縮ひずみを求める。
なお、前記供試体の形状、大きさ、および厚さは、乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)を用いた乾燥収縮ひずみの測定方法の場合と同じである。
なお、乾燥収縮ひずみの測定間隔は、乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)を用いた乾燥収縮ひずみの測定方法の場合と同じである。
以上述べたように、乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)または(E2)を用いれば、乾燥収縮ひずみの終局値を短期間で精度よく求めることができる。
該測定方法は、下記の(A)工程および(B)工程を少なくとも含む方法である。
(A)最長径が15mm以上の粗骨材の最長径の一端に、超音波伝播時間測定器の発信子を接触させるとともに、該粗骨材の最長径の他端に、該測定器の受信子を接触させた状態で、該粗骨材における超音波の伝播時間を測定する工程
(B)前記(A)工程で得られた超音波伝播時間の値を用いて、下記(1)式に基づき該粗骨材の動弾性係数を算出する工程
Ed=(L/T)2・ρ ……(1)
(式中、Edは動弾性係数を表し、Lは粗骨材の最長径を表し、Tは超音波伝播時間を表し、ρはJIS A 1110に準拠して求めた粗骨材の絶乾密度を表す。)
この測定方法によれば、超音波伝播時間の測定誤差(変動)を小さくすることができ、粗骨材の動弾性係数を精度よく求めることができる。
前記(A)工程において測定に供する粗骨材の最長径は、通常、15mm以上であり、20mm以上が好ましく、25mm超がより好ましい。粗骨材の最長径が15mm未満では、超音波の伝播距離が短いため、超音波伝播時間の測定値の誤差が大きくなる傾向がある。
ここで最長径とは、粗骨材1個がちょうど納まる直方体を考え、この直方体を形成する3種の直行する線(縦線、横線および高さの線)のうち、最長の線およびその線の長さをいう。
該測定では、図9に示すように、粗骨材の最長径の一端に、超音波伝播時間測定器8の発信子6を接触させるとともに、該粗骨材の最長径の他端に、該測定器の受信子7を接触させた状態で、該粗骨材における超音波の伝播時間を測定する。この測定方法では、粗骨材の最長径の両端を平面化する作業が不要となり、該測定の作業時間が、従来の方法に比べて大幅に短縮できる。
超音波伝播時間の測定に供する粗骨材の個数は、10個以上が好ましい。粗骨材の測定個数が10個以上であれば、該測定値の平均は、粗骨材の母集団の測定値の平均に収束する傾向がある。
超音波伝播時間の測定時の温度は、コンクリートが通常置かれる環境温度、例えば、60℃程度以下なら、該測定値の変動は少なく、特に、制限されることはないが、一般には、10〜40℃の範囲が好ましい。
(1)粗骨材
粗骨材の絶乾密度は、1.5g/cm3以上が好ましく、2.0g/cm3以上がより好ましく、2.5g/cm3以上がさらに好ましい。該値が1.5g/cm3未満では、予測精度は低下する傾向にある。
該測定方法は、粗骨材の原石から、直径32mm、長さ64mmのコアを抜き取った後、該粗骨材のコアに圧縮載荷し、ひずみゲージ(例えば、検長30mm。東京測器研究所製 PFL−30)を用いて該粗骨材の縦ひずみを測定して、応力―縦ひずみ曲線を求める。次に、前記応力―縦ひずみ曲線から、最大荷重の1/3に相当する応力と、縦ひずみが50×10−6の時の応力とを結ぶ線分の勾配(ヤング率)を求める(図10参照)。
粗骨材の乾燥収縮ひずみの測定方法は、下記(a)〜(d)のとおりである。
(a)粗骨材(15〜20mm程度の骨材粒)の一面を、研磨機(例えば、グラインダーやサンドペーパー)で研磨して滑面(平面)にした後、該滑面にひずみゲージ(例えば、検長2mm。東京測器研究所製 FLA−2)を貼り付ける。
(b)該貼り付け部の防水処理を行なった後、該防水処理を行った粗骨材を20±2℃の水中に7日間浸漬する。
(c)7日経過した後に粗骨材を取り出して、該粗骨材を温度20±3℃、相対湿度60±5%の室内に、12日間静置して乾燥させる。
(d)前記12日間における粗骨材のひずみの変化量を、粗骨材の乾燥収縮ひずみとする(図11参照)。
前記各種測定に用いる粗骨材の種類は、特に制限されないが、玄武岩、安山岩、流紋岩、花崗岩、角閃岩、斑レイ岩等の火成岩や、石灰石、硬質砂岩、粘板岩、砂岩、凝灰岩等の堆積岩や、砂利などから選ばれる、少なくとも1種以上が挙げられる。かかる粗骨材は、天然骨材でも再生骨材でもよい。これらの粗骨材のうち、石灰石、硬質砂岩、粘板岩および凝灰岩は、堆積岩に包含される。
前記コンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値と粗骨材の特性値から、前記(1)〜(3)式を用いて回帰係数を回帰分析(フィッティング)により算出して関係式を導出する。このようにして求めた関係式は、セメントや骨材の種類、および配合等が異なるコンクリートに対しても広範囲に適用でき汎用性が高い。そして、導出した関係式に、粗骨材の特性値を代入して、乾燥収縮ひずみの終局値を求める。
1.乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)を用いたコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の測定
(1−1)使用材料
(i)セメント(略号:C、すべて太平洋セメント社製)
普通ポルトランドセメント(略号:NC)
高炉セメントB種(略号:BB)
中庸熱ポルトランドセメント(略号:MC)
低熱ポルトランドセメント(略号:LC)
(ii)細骨材(略号:S):山砂(表乾密度2.56g/cm3)
(iii)粗骨材(略号:G):表乾密度2.61g/cm3
(iv)水(略号:W):水道水
(v)AE減水剤:リグニンスルホン酸系AE減水剤、商品名 ポゾリスNo.70[登録商標]、BASF社製、
(vi)AE剤:商品名 マスターエア404[登録商標]、BASF社製
表1に示す配合に従い、前記の各材料を容量50リッターのパン型ミキサに一括して投入し、2分間混練した後、混練物を内径10cm、高さ20cmの型枠に打設して成形し、コンクリートを得た。次に、該コンクリートを20℃で1日間湿空養生した後に脱型し、さらに20℃で7日間水中養生した。水中養生した後、コンクリートの高さ方向の中央部付近を切断して、直径10cm、厚さ1cmの乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を3個作製した。
前記乾燥収縮ひずみ測定用の供試体1を、室温20±2℃、相対湿度60±5%の条件で乾燥した。そして、乾燥期間7日毎に、乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を、該供試体の周囲の側面が、図1に示す乾燥収縮ひずみ測定装置の位置決め治具3と接触するように台座2に載置した後、レーザー変位計4を用いて、レーザー変位計と供試体の周囲の側面の間の距離を測定した。なお、本実施例では、1個の供試体に対して3箇所(図1の点a、点b、および点c)でレーザー変位計と供試体の周囲の側面の間の距離を測定して、この平均値を当該供試体の乾燥収縮ひずみの終局値として算出し、さらに、この3個の供試体の乾燥収縮ひずみ(平均値)を平均して、全体の乾燥収縮ひずみの終局値を算出した。その結果を図12と表2に示す(ただし、図12では、乾燥期間56日以降のデータの一部の記載を省略した)。
また、比較のため、JIS A 1129-2「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法 第2部:コンタクトゲージ方法」(JIS法)に準拠して、前記コンクリートA〜Dの乾燥収縮ひずみを測定した。その結果を図12と表2に併記した。
(2−1)使用材料
(i)セメント(略号:C):普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(ii)細骨材(略号:S):山砂(表乾密度2.56g/cm3)
(iii)粗骨材A(略号:G):表乾密度2.71g/cm3
(iv)粗骨材B(略号:G):表乾密度2.61g/cm3
(v)水(略号:W):水道水
(vi)減水剤(略号:SP):ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、商品名 マスターグレニウムSP8SV[登録商標]、BASF社製、
(vii)空気量調整剤:商品名 マスターエア404(BASF社製)
乾燥収縮ひずみ測定用の供試体の作製方法は、表3に示す配合を用いた以外は、段落0039に記載の乾燥収縮ひずみ測定用の供試体の作製方法と同じである。
乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を、図7に示す乾燥収縮ひずみ測定装置(E2)の台座に固定した支持部材に、該供試体の中心と支持部材が形成する正方形の中心が一致するように載置したまま、室温20±2℃、相対湿度60±5%の条件で乾燥した。そして、乾燥期間1日毎に、対向する2組のレーザー変位計を用いて、供試体の4点の位置の乾燥収縮ひずみを測定し、3個の供試体の乾燥収縮ひずみの終局値の平均値を算出した。
また、比較のため、JIS A 1129-2「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法 第2部:コンタクトゲージ方法」(JIS法)に準拠して、配合1と配合2のコンンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値を測定した。配合1と配合2のコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の測定結果を、それぞれ図13と14に示す。
また、配合2を用いた本発明における乾燥収縮ひずみの終局値は1260μであり、JIS法における乾燥日数が460日の乾燥収縮ひずみは1250μであった。そして、本発明で測定した乾燥収縮ひずみの終局値(1260μ)×0.9は1134μであり、JIS法に準じて測定した乾燥期間6か月の乾燥収縮ひずみの実測値(1185μ)とは4.3%(=100×(1185−1134)/1185)の僅差で一致している。
2 台座
3 位置決め治具
4 レーザー変位計(ただし、黒色の矢印はレーザーを示す。)
5 支持部材
6 発信子
7 受信子
8 超音波伝播時間測定器
Claims (2)
- 下記の乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)または乾燥収縮ひずみ測定装置(E2)を用いて測定したコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値と、当該コンクリートに用いた粗骨材(A)の特性値の関係式を求める工程と、
該関係式に粗骨材(B)の特性値を代入して、粗骨材(B)を用いたコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値を予測する工程を、
少なくとも含む、コンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の予測方法。
<乾燥収縮ひずみ測定装置(E1)>
1個以上のレーザー変位計、乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を載置するための台座、および、該供試体の位置決め治具、を少なくとも含む、乾燥収縮ひずみ測定装置
<乾燥収縮ひずみ測定装置(E2)>
2個以上のレーザー変位計、乾燥収縮ひずみ測定用の供試体を支持するための3点以上の支持部材、および、該支持部材の一部を埋設してなる台座、を少なくとも含む、乾燥収縮ひずみ測定装置 - 前記粗骨材の特性値が、粗骨材の動弾性係数、粗骨材のヤング率、および粗骨材の乾燥収縮ひずみから選ばれる1種である、請求項1に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの終局値の予測方法。
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