JP2019020131A - 原料山計測方法および原料山計測システム - Google Patents

原料山計測方法および原料山計測システム Download PDF

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Abstract

【課題】GPSなどによる測位を行うことなく原料の体積や重量を求めることができる原料山計測方法およびシステムを提供する。【解決手段】原料ヤードに積み付けられた原料山10を計測する原料山計測方法であって、レーザー送受信部を備える3次元測距センサを用いて、測距データの一部が重複するように3次元測距センサを移動させながら原料山の測距データを取得し、測距データを順次つなぎ合わせることによって原料山の3次元形状を取得し、原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測方法。【選択図】図1

Description

本発明は、原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測方法に関し、とくに、GPSなどによる測位を行うことなく原料の体積や重量を求めることができる原料山計測方法に関する。また、本発明は、原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測システムに関する。
製鉄プロセスで必要となる主原料の鉄鉱石、石炭などはバラ積み船で輸入され、原料岸壁からアンローダーで荷揚げし、種類別、銘柄別に原料ヤードへ輸送される。原料ヤードへ輸送された原料は、スタッカーにより原料山として積み付けられる。スタッカーは、原料ヤードに敷設されたレール上で走行が可能であり、起伏と旋回が可能なブーム上の機内ベルトコンベアから原料をヤードに落して原料山として積み付ける。
一方、原料ヤードからの払い出しはリクレーマで行われる。リクレーマはバケットホイールを回転して山から原料を切出し、ブーム上の機内ベルトコンベアで払い出しコンベアに原料を払い出す。
製鉄所では、安定的な生産のために各原料につき数十の銘柄を管理し、充分な在庫を持っておく必要がある。そして、次工程における操業の要求に応じて、各原料を適切に払い出していく必要がある。そのため原料ヤードでは、積み付けと払い出しが常に実施され、原料山の数や各原料山の量が変化している。したがって、原料の在庫状況を正しく管理、監視するためには、原料山を計測する技術が重要となる。
原料山を計測する方法としては、例えば、特許文献1、2に記載されているような技術が提案されている。
特許文献1で提案されている原料ヤード管理システムにおいては、スタッカーやリクレーマのブームに、原料山までの距離を測定するための複数のステレオカメラが取り付けられている。また、前記システムは、ブームの位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)アンテナと、ブームの傾斜角度を測定し、ステレオカメラの測定傾きを知るための傾斜計を備えている。前記システムにおいては、GPSによって得た位置情報と傾斜計によって得た傾き情報とを用いて、各ステレオカメラで測定した情報を実空間における3次元情報に変換し、原料山の3次元形状が計測される。
特許文献2では、スタッカーやリクレーマのブームに取り付けられたレーザー距離計によって、原料山にレーザーを照射し、受光した反射光によって原料山までの距離を測定する原料山計測システムが提案されている。前記システムでは、GPSによりレーザー距離計の位置を特定し、IMU(慣性計測装置)によってブーム、すなわちレーザー距離計の姿勢を計測している。そして、GPSとIMUの計測結果を用いて原料山表面位置を変換することにより、原料山の形状が計測される。
特許第5847409号公報 特許第5574726号公報
しかし、特許文献1および特許文献2で提案されている技術には、GPS、IMU、傾斜計などを用いて測位を行う必要があり、原料山の計測に要する時間や計測精度が前記測位に依存するという問題があった。
例えば、GPSによる測位方法はいくつかあり、精度も様々であるが、一般に、リアルタイム測定による位置精度は±1m程度、測定時間1分で位置精度±数cmである。GPSによる測位において誤差1cm以下の位置精度を実現しようとすると、測定時間は30分程度必要となる。したがって、GPSによる測位には、位置精度を重視すれば計測時間が長くなり、測定時間を重視すれば十分な位置精度が得られないという問題がある。
位置精度が不十分であれば、ステレオカメラなどで測定した原料山までの距離を現地座標系に換算した際に、複数の領域で得られたデータが上手くつながらない可能性がある。また、十分な精度を得るために測定時間を長くすると、広域である原料ヤードの一回の測定に膨大な時間を要することになり、操業に影響がある。また、そのように長時間を要する計測方法では、時々刻々と変化する原料山の在庫状況を適切に管理することができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、GPSなどによる測位を行うことなく原料の体積や重量を求めることができる原料山計測方法およびシステムを提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測方法であって、
レーザー送受信部を備える3次元測距センサを用いて、測距データの一部が重複するように前記3次元測距センサを移動させながら前記原料山の測距データを取得し、
前記測距データを順次つなぎ合わせることによって前記原料山の3次元形状を取得し、
前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測方法。
2.前記3次元測距センサで測定されたレーザーの反射強度に基づいて、各測距点が原料であるか否かを判別する、上記1に記載の原料山計測方法。
3.原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測方法であって、
デジタルカメラを用いて、撮影した画像の一部が重複するように前記デジタルカメラを移動させながら前記原料山の複数の画像を撮影し、
複数の画像にある同一の点を探索し、三角測量の原理により前記点の3次元座標を算出することによって前記原料山の3次元形状を取得し、
前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測方法。
4.前記デジタルカメラで測定された色情報に基づいて、各点が原料であるか否かを判別する、上記3に記載の原料山計測方法。
5.原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測システムであって、
レーザー送受信部を備える3次元測距センサと、
前記3次元測距センサを移動させる移動手段と、
制御演算手段とを備え、
前記制御演算手段が、
前記3次元測距センサを前記移動手段によって移動させながら、前記3次元測距センサを用いて測距データの一部が重複するように前記原料山の測距データを取得し、
前記測距データを順次つなぎ合わせることによって前記原料山の3次元形状を取得し、
前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測システム。
6.前記制御演算手段が、
前記3次元測距センサで測定されたレーザーの反射強度に基づいて、各測距点が原料であるか否かを判別する、上記5に記載の原料山計測システム。
7.原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測システムであって、
デジタルカメラと、
前記デジタルカメラを移動させる移動手段と、
制御演算手段とを備え、
前記制御演算手段が、
前記デジタルカメラを前記移動手段によって移動させながら、前記デジタルカメラを用いて撮影した画像の一部が重複するように前記原料山の複数の画像を撮影し、
前記複数の画像にある同一の点を探索し、三角測量の原理により前記点の3次元座標を算出することによって前記原料山の3次元形状を取得し、
前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測システム。
8.前記制御演算手段が、
前記デジタルカメラで測定された色情報に基づいて、各点が原料であるか否かを判別する、上記7に記載の原料山計測システム。
本発明によれば、従来用いられていたGPS、IMU、傾斜計などを使用することなく、高い精度で迅速に原料の体積や重量を求めることができる。したがって、本発明を利用することにより、日々変化する原料山の在庫状況を適切に管理することが可能となる。
原料山と移動機の配置の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態における原料山計測方法の手順の一例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態における体積/重量算出処理の手順を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態における原料山計測方法の手順の一例を示すフロー図である。
次に、本発明を実施する方法について具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な実施態様を示すものであり、本発明は以下の説明によって何ら限定されるものではない。
本発明の実施形態は、レーザー送受信部を備える3次元測距センサを用いる第1の実施形態と、デジタルカメラを用いる第2の実施形態とに大別することができる。以下、前記第1の実施形態および第2の実施形態について、順次説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における原料山計測方法では、レーザー送受信部を備える3次元測距センサを用いて、測距データの一部が重複するように前記3次元測距センサを移動させながら前記原料山の測距データを取得し、前記測距データを順次つなぎ合わせることによって前記原料山の3次元形状を取得する。したがって、本実施形態における原料山計測システムは、レーザー送受信部を備える3次元測距センサと、前記3次元測距センサを移動させる移動手段と、制御演算手段とを備える。
[3次元測距センサ]
前記3次元測距センサとしては、レーザー送受信部を備える3次元測距センサであれば任意のものを用いることができる。前記3次元測距センサは、パルスレーザーを対象物に照射し、該対象物で散乱(反射)された光を検出することができるレーザー送受信部を備えたセンサであり、パルスレーザー発振後、反射光を受光するまでに要した時間から対象物(対象点)までの距離を求めることができる。前記レーザーの照射を様々方向(角度)へ向けて行うことにより、該3次元測距センサの位置から周囲の多数の点までの距離の集合である3次元測距データ(点群データ)を得ることができる。前記3次元測距センサは、LiDAR(Light Detection and Ranging)またはLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)とも称される。
前記3次元測距センサとしては、測定精度、測定距離、測定視野などの仕様が異なる様々なタイプのものがあるが、特に限定されることなく、計測対象となる原料山のサイズや要求精度に応じて任意のものを用いることができる。例えば、測定精度に関しては、距離25mにおける標準偏差(σ)が10cm以下であることが好ましく、5cm以下であることがより好ましく、3cm以下であることがさらに好ましい。また、測定距離は、100mまたはそれ以上であることが好ましい。
測定視野に関しては、原料山を確実に視野内に収めるという観点からは、水平視野が広いことが望ましく、具体的には、水平視野が120°以上であることが好ましく、200°以上であることがより好ましく、360°(全周)であることがさらに好ましい。一方、垂直視野に関しては、視野角が広いほど測定範囲は広くなるものの、垂直視野を広げるためには複数のレーザー送受信部を縦方向に並べて設置する必要があるため、3次元測距センサが大型化することに加え、装置価格が上昇してしまう。そのため、垂直視野は180°以下とすることが好ましく、100°以下とすることがより好ましく、50°以下とすることがさらに好ましい。しかし、垂直視野が過度に狭いと1回の測定でカバーされる範囲が狭くなりすぎ、後述する点群データのつなぎ合わせが困難となる場合がある。そのため、垂直視野は10°以上であることが好ましく、20°以上であることがより好ましく、30°以上であることがさらに好ましい。
[移動手段]
上記3次元測距センサによる点群データの取得(測定)は、該3次元測距センサを移動手段によって移動させながら行われる。前記移動手段としては、3次元測距センサを移動させることができるものであれば任意のものを用いることができる。
前記移動手段としては、例えば、自動車等の車両、移動ロボットなどを用いることができる。移動手段として車両を用いる場合には、例えば、車両の車体に3次元測距センサを取り付け、走行しながら測定を行うことができる。その際、原料山の形状を測定するという観点からは、3次元測距センサはある程度の高さに取り付けることが望ましい。したがって、3次元測距センサは、車両のルーフに載置することが好ましい。
また、原料ヤードでは、原料の積みつけのためのスタッカーや、原料の切り出しのためのリクレーマなどの重機(「移動機」と総称される)が用いられている。図1は、原料山と移動機の配置の一例を示す模式図であり、原料山10の長手方向に略平行にレール20が敷設されている。移動機30は、前記レール20上を矢印Aで示す方向に移動しながら積みつけや切り出しを行うように構成されている。そこで、上記3次元測距センサを移動機30のブーム31などに取り付ければ、移動機30を移動させながら測定を行うことができ、別途移動手段を設ける必要もなくなる。
[制御演算手段]
本発明の一実施形態における原料山計測システムは、該原料山計測システムを制御し、3次元測距センサによって測定されたデータを処理して原料山の体積や重量を求めるための制御演算手段を備えている。前記制御演算手段としては、必要な処理を行うことができるものであれば任意のものを用いることができる。前記制御演算手段は、例えば、汎用コンピュータやプログラマブル・ロジック・コントローラなど、各種の制御装置や演算装置を1また2以上組み合わせて構成することができる。
次に、上記原料山計測システムを用いて原料山の計測を行う方法について、具体的に説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態における原料山計測方法の手順の一例を示すフロー図である。まず、初めに、計測を開始した時点(時刻t=0)における点群データ[点群(0)]を取得する(S100)。前記点群データの取得は、3次元測距センサを用いて、該センサを移動手段で移動させながら行われる。
次に、所定時間Δtが経過した時刻tにおいて(S110)、再度点群データ[点群(t)]を取得する(S120)。このとき、3次元測距センサの位置は、移動手段の移動に伴って変化している。このとき、点群(t)は、前記点群(0)と測定領域の一部が重複するタイミングで測定を行う。
次いで、前記点群(t)と点群(0)のつなぎ合わせを行う(S130)。点群データのつなぎ合わせは、特に限定されることなく任意の方法で行うことができる。例えば、測定した隣接測距点間で滑らかさを判定し、エッジや平面を認識し、その結果に基づいてつなぎ合わせを行う方法がある。その際、重なりの尤度は任意の方法で評価することができる。また、ICP(Iterative Closest Point)などのアルゴリズムを用いて、2つの点群データの間の対応点間の距離が最小となるように剛体変換を施すことで点群同士をつなぎ合わせることもできる。また、NDT(Normal Distribution Transform)アルゴリズムを用いることもできる。NDTでは、点群データ(地図空間)をボクセルと呼ばれる立方体に分割し、各ボクセル内の点群分布を3次元正規分布で置き換えて、その分散値が最小となる方向を法線とする平面を抽出する。
次いで、所望の範囲の計測が完了したかどうかを判定する(S140)。計測が完了していない場合には、S110に戻り、さらに時刻Δtが経過した後の点群データを取得して、点群(t−Δt)と点群(t)とのつなぎ合わせを行う。以上の動作を繰り返し行うことにより、原料山全体の点群データを取得することができる。所望の範囲の計測が完了すると、次の体積/重量算出処理に移る。
図3は、本発明の一実施形態における体積/重量算出処理の手順を示すフロー図である。まず、最終的にすべてのデータをつなぎ合わせて得た点群データ(環境地図)から、地表面の位置を特定する(S151)。地表面を特定する方法は特に限定されることなく、任意の方法を用いることができる。例えば、3次元測距センサの測定位置が既知である場合には、その情報に基づいて地表面の位置を特定することができる。また、得られた点群データを画像としてモニター等に表示し、可視化された前記画像に基づいて作業者が地表面の位置を指定(入力)することもできる。
次いで、原料山の包絡面を抽出する(S152)。包絡面を抽出する方法についても特に限定されることなく、任意の方法を用いることができる。例えば、上記地表面の特定と同様に、得られた点群データを画像としてモニター等に表示し、可視化された前記画像に基づいて作業者が原料山の包絡面を指定(入力)することもできる。また、3次元測距センサで測定されたレーザーの反射強度の情報に基づいて、各測距点が原料であるか否かを判別することもできる。例えば、原料が石炭である場合、石炭で反射されたレーザーの強度は周囲の設備や地面に比べて低くなるので、反射強度に基づいてそれぞれの点が原料に対応するかどうかを判定することができる。前記判定方法は、対象となる原料や周囲の環境に応じて適宜選択すればよいが、例えば、レーザーの反射強度が所定の条件を満たす場合に原料であると判定することができる。レーザー反射強度の最小値を0、最大値を1とした場合、例えば、反射強度が0.1〜0.15の範囲内であれば石炭とみなすことができる。
次に、得られた地表面と原料山包絡面の情報に基づいて原料山の体積を算出する(S153)。例えば、対象点群をポリゴン化して面を作成し、地表面と包絡面に囲まれた領域の体積を計算する。
また、原料の重量を求める必要がある場合には、さらに重量の算出を行うことができる(S154)。例えば、原料山における原料のかさ密度が既知であれば、得られた原料山の体積を重量に換算することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明において特に言及しない事項については、上記第1の実施形態と同様またはそれに準じた方法で実施することができる。
本発明の第2の実施形態における原料山計測方法では、デジタルカメラを用いて、撮影した画像の一部が重複するように前記デジタルカメラを移動させながら前記原料山の複数の画像を撮影し、複数の画像にある同一の点を探索し、三角測量の原理により前記点の3次元座標を算出することによって前記原料山の3次元形状を取得する。したがって、本実施形態における原料山計測システムは、デジタルカメラと、前記デジタルカメラを移動させる移動手段と、制御演算手段とを備える。
[デジタルカメラ]
前記デジタルカメラとしては、特に限定されることなく任意のものを用いることができるが、得られる情報量の多さの面で、カラー画像を取得できるデジタルカメラを用いることが好ましい。
[移動手段]
前記移動手段としては、上記第1の実施形態における移動手段と同様のものを用いることができるが、より高い位置からの撮影が望ましく、前記デジタルカメラの高さ(撮影位置)は、地上から1.5m以上であることが好ましく、5m以上であることがより好ましく、10m以上であることがさらに好ましい。
[制御演算手段]
本発明の一実施形態における原料山計測システムは、該原料山計測システムを制御し、前記デジタルカメラによって撮影された画像を処理して、最終的に原料山の体積や重量を求めるための制御演算手段を備えている。前記制御演算手段が実際に行う制御および演算の内容は第1の実施形態と異なるが、制御演算手段を構成する具体的な装置としては、上記第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
次に、上記原料山計測システムを用いて原料山の計測を行う方法について、具体的に説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態における原料山計測方法の手順の一例を示すフロー図である。まず初めに、計測を開始した時点(時刻t=0)における画像(0)を取得する(S200)。前記画像の取得は、デジタルカメラを用いて、該デジタルカメラを移動手段で移動させながら行われる。
次に、所定時間Δtが経過した時刻tにおいて(S210)、画像(t)を取得する(S220)。このとき、デジタルカメラの位置は、移動手段の移動に伴って変化している。このとき、画像(t)は、前記画像(0)と撮影範囲の一部が重複するタイミングで撮影する。撮影範囲の重複率は、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
次いで、前記画像(t)と画像(0)とに含まれる同一の点p1、p2を探索する(S230)。同一の点p1、p2の探索は、特に限定されることなく、特徴ベースマッチングによる方法など任意の方法で行うことができる。例えば、KAZEなどの特徴点抽出アルゴリズムを用いることができる。
このとき、前記同一の点の位置に加え、各画像を撮影したカメラの位置と、向きが未知数であっても、十分な数の同一点を用いて連立方程式を解くことによってすべての未知数を求めることができる。具体的には、画像中の同一点の数をm、画像の枚数をnとすると、下記(1)式の条件を満たす数の同一点を用いる必要がある。したがって、上記同一点の探索においては、下記(1)式の条件を満たす数の同一点を探索する。
2mn≧6n+3m−7 …(1)
次いで、前記画像(t)と画像(0)を解析して、各画像を撮影した時点におけるカメラの位置と向き(姿勢)を算出する(S240)。
次いで、所望の範囲の撮影が完了したかどうかを判定する(S250)。撮影が完了していない場合には、S210に戻り、さらに時刻Δtが経過した後の画像を取得して、画像(t−Δt)と画像(t)との間で式(1)を満たす個数の同一点を探索し、カメラの位置および向きを算出する。以上の動作を繰り返し行う。
所望の範囲の計測が完了した後、撮影された複数の画像と、その撮影位置および向きの情報を用いて、視差情報から三角測量の原理により各点の3次元座標を算出する(S260)。これにより、原料山全体の3次元形状を得ることができる。なお、各点の3次元座標の算出は、最後にまとめて行ってもよいが、各画像撮影後に順次行うこともできる。
このように複数の地点で撮影された2次元画像から3次元座標を求める手法は、フォトグラメトリ(photogrammetry)とも呼ばれる。また、3次元座標とカメラの位置および向きを同時に求める手法は、SfM(structure from motion)とも呼ばれる。このような手法を用いることにより、GPSなどによる位置情報や、移動手段の移動速度などの情報を用いることなく、撮影された画像に含まれる各点の3次元座標を求めることができる。
次の体積/重量算出処理は、第1の実施形態と同様の手順(図3)で行うことができる。なお、原料山包絡面の抽出(S152)においては、前記デジタルカメラで測定された色情報に基づいて、各測距点が原料であるか否かを判別することもできる。例えば、予め把握しておいた原料のRGBで示される色情報を基準として所定のRGBの範囲を指定し、測定された色情報が前記範囲に入っている場合に原料と見なすことができる。例えば、RGBの3原色を各0〜255の256段階で表した場合、R=220±20、G=145±20、B=115±20の範囲であれば原料である石炭と判別することができる。
[データの伝送]
なお、3次元測距センサで測定された点群データやデジタルカメラで撮影された画像は、任意の方法で制御演算手段へ伝送することができる。前記伝送は、有線および無線のいずれの方法でも行うことができるが、移動しながら測定を行うことを考慮すると、無線で伝送することが好ましい。その場合、原料ヤードの広さに応じて無線中継器を用いることもできる。前記伝送は、3次元測距センサやデジタルカメラで取得したデータをそのまま伝送しても良いし、環境地図を作成したり、原料山の体積や重量を算出したりした後にその結果のみを伝送してもよい。
また、原料ヤード内を無人とする場合には、制御演算手段を構成する演算装置や表示装置を原料ヤード外(例えば、事務所などの建物内)に設置することが好ましい。
10 原料山
20 レール
30 移動機
31 ブーム

Claims (8)

  1. 原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測方法であって、
    レーザー送受信部を備える3次元測距センサを用いて、測距データの一部が重複するように前記3次元測距センサを移動させながら前記原料山の測距データを取得し、
    前記測距データを順次つなぎ合わせることによって前記原料山の3次元形状を取得し、
    前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測方法。
  2. 前記3次元測距センサで測定されたレーザーの反射強度に基づいて、各測距点が原料であるか否かを判別する、請求項1に記載の原料山計測方法。
  3. 原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測方法であって、
    デジタルカメラを用いて、撮影した画像の一部が重複するように前記デジタルカメラを移動させながら前記原料山の複数の画像を撮影し、
    複数の画像にある同一の点を探索し、三角測量の原理により前記点の3次元座標を算出することによって前記原料山の3次元形状を取得し、
    前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測方法。
  4. 前記デジタルカメラで測定された色情報に基づいて、各点が原料であるか否かを判別する、請求項3に記載の原料山計測方法。
  5. 原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測システムであって、
    レーザー送受信部を備える3次元測距センサと、
    前記3次元測距センサを移動させる移動手段と、
    制御演算手段とを備え、
    前記制御演算手段が、
    前記3次元測距センサを前記移動手段によって移動させながら、前記3次元測距センサを用いて測距データの一部が重複するように前記原料山の測距データを取得し、
    前記測距データを順次つなぎ合わせることによって前記原料山の3次元形状を取得し、
    前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測システム。
  6. 前記制御演算手段が、
    前記3次元測距センサで測定されたレーザーの反射強度に基づいて、各測距点が原料であるか否かを判別する、請求項5に記載の原料山計測システム。
  7. 原料ヤードに積み付けられた原料山を計測する原料山計測システムであって、
    デジタルカメラと、
    前記デジタルカメラを移動させる移動手段と、
    制御演算手段とを備え、
    前記制御演算手段が、
    前記デジタルカメラを前記移動手段によって移動させながら、前記デジタルカメラを用いて撮影した画像の一部が重複するように前記原料山の複数の画像を撮影し、
    前記複数の画像にある同一の点を探索し、三角測量の原理により前記点の3次元座標を算出することによって前記原料山の3次元形状を取得し、
    前記原料山の3次元形状における地表面と原料山の包絡面とで囲まれた領域の体積および重量の少なくとも一方を求める、原料山計測システム。
  8. 前記制御演算手段が、
    前記デジタルカメラで測定された色情報に基づいて、各点が原料であるか否かを判別する、請求項7に記載の原料山計測システム。
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