JP2018189463A - 車両位置推定装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物が複数平行に存在しない場合にも、車両の推定位置又は推定方向の信頼性が低下したときにはその推定位置又は推定方向を効率的に補正可能とする。【解決手段】画像取得部51は車両の周辺画像を取得し、位置方向部52は車両の推定位置及び推定方向を取得する。地図データ取得部53は対象物の位置情報を含む地図データを取得する。サンプル設定部55は地図データ上の前記対象物を中心としてサンプリングポイントを地図データ上に設定し、判断部57は、座標変換部56により周辺画像に応じた座標に変換されたサンプリングポイントにおいて対象物の画像の有無を判断する。補正部58は、前記有無に地図データ上の位置における偏りがある場合、前記推定位置又は推定方向の補正態様を変更する。【選択図】図2

Description

本開示は、車両の周辺画像の中から特定の対象物を検出し、その検出結果に基づいて前記車両の推定位置又は推定方向を補正する技術に関する。なお、本開示において、画像とは、カメラ等を介して取得される可視光の像のみならず、レーダ等を介して取得される可視光以外の電磁波の像や、ソナー等が発する音波を介して取得される像も含むものとする。
従来、車両に設けられたカメラ等を介して取得された周辺画像の中から特定の対象物(例えば車線区画線)を検出し、その検出結果に基づいて、GNSS等の位置推定装置を用いて推定された車両の推定位置を補正することが考えられている。また、その場合、前記推定位置の信頼性が低くなったときは、対象物の検出結果を大きく反映させて前記推定位置を速く補正することが求められる。なお、GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略である。
例えば、特許文献1に記載の構成では、多車線の道路で推定位置が1車線分ずれてしまった場合に前記推定位置を速く補正するために、次のような制御を実行している。すなわち、カメラ等を介して撮影された撮像画像内に、互いに平行する対象物に沿った平行画素群が複数存在し、前記推定位置から周辺を撮影したときに得られると考えられる仮想画像との一致度が高い平行画素群と低い平行画素群とがある場合、前記推定位置を例えば1車線分ずらしている。
特開2013−186551号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、対象物としての車線区画線等が複数平行に存在し、かつ、そのうちのいずれかに対する前記一致度が高い場合に有効である。従って、車線区画線等の対象物が路肩に1本しか存在しない場合には、特許文献1の技術は応用することができない。
本開示の一局面は、対象物が複数平行に存在しない場合にも、車両の推定位置又は推定方向の信頼性が低下したときにはその推定位置又は推定方向を効率的に補正可能な技術を提供する。
本開示の一態様は、車両位置推定装置(15,115)である。車両位置推定装置は、画像取得部(51)と、位置方向部(52)と、地図データ取得部(53)と、サンプル設定部(55)と、座標変換部(56)と、判断部(57)と、補正部(58,158)と、を備える。
画像取得部は、車両に備えられて当該車両の周辺を周辺画像として撮影する撮影装置より、前記周辺画像を取得するように構成されている。位置方向部は、前記車両の推定位置及び推定方向を取得するように構成されている。地図データ取得部は、予め定められた対象物の位置情報を含む地図データを取得するように構成されている。サンプル設定部は、前記地図データ上の前記対象物の位置を中心として、前記車両の推定位置又は推定方向の少なくともいずれか一方の補正に用いるサンプリングポイントを前記地図データ上の座標系で複数設定するように構成されている。座標変換部は、前記位置方向部により取得された前記車両の推定位置及び推定方向に基づき推定される前記撮影装置の撮影位置及び撮影方向に基づき、前記サンプル設定部により設定された前記複数のサンプリングポイントの位置情報を、前記地図データ上の座標系から前記撮影装置を基準とした前記周辺画像上の座標系へ変換するように構成されている。
判断部は、前記周辺画像において、前記座標変換後のサンプリングポイントに、前記対象物の画像が重なっているか否かを判断する処理を、前記サンプリングポイントのそれぞれに対して実行するように構成されている。
補正部は、前記重なっていると判断されたサンプリングポイント及び重なっていないと判断されたサンプリングポイントの、前記周辺画像上又は前記地図データ上におけるそれぞれの位置に基づき、前記車両の推定位置又は推定方向の少なくとも一方を補正するように構成されている。また、この補正部は、前記判断部により前記重なっているとの判断がなされた前記サンプリングポイントと、前記判断部により前記重なっていないとの判断がなされた前記サンプリングポイントとの間に、前記地図データ上の座標系における位置の偏りが存在する場合に、前記偏りが存在しない場合に比べて、前記それぞれの位置が前記補正に反映されやすくなるように、前記補正の態様を変更するよう構成されている。
このような構成によれば、地図データ上の位置を中心としてサンプリングポイントが複数設定される。その複数のサンプリングポイントの位置情報は前記地図データ上の座標系から前記撮影装置を基準とした周辺画像上の座標系へ変換され、前記周辺画像において、当該変換されたサンプリングポイントに対象物の画像が重なっているか否かが判断される。そして、重なっているとの判断がなされたサンプリングポイントと重なっていないとの判断がなされたサンプリングポイントとの間に、前記地図データ上の座標系における位置の偏りが存在する場合、次のように補正の態様が変更される。すなわち、車両の推定位置又は推定方向の少なくとも一方に対する補正に、前記重なっていると判断されたサンプリングポイント及び前記重なっていないとの判断がなされたサンプリングポイントの前記周辺画像上又は前記地図データ上のそれぞれの位置が反映されやすくなるように、補正の態様が変更される。
前記偏りが存在する場合は、位置方向部が取得した前記推定位置及び推定方向の信頼性が低いので、前記重なっていると判断されたサンプリングポイント及び前記重なっていないとの判断がなされたサンプリングポイントの前記位置を補正に反映されやすくするのである。このため、前記推定位置又は推定方向に対する補正が速くなされる。従って、対象物が複数平行に存在しない場合にも、車両の推定位置又は推定方向の信頼性が低下したときにはその推定位置又は推定方向を効率的に補正することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の車載システムの構成を表すブロック図である。 その車載システムにおける制御部の構成を表すブロック図である。 その制御部におけるサンプル設定部の動作を表す説明図である。 その制御部による位置推定処理を表すフローチャートである。 直線状の道路上で対象位置が対象物からずれた状態を表す説明図である。 その状態における対象位置に対する検出位置の偏りを表す説明図である。 曲線状の道路上で対象位置が対象物からずれた状態を表す説明図である。 その状態における対象位置に対する検出位置の偏りを表す説明図である。 第2実施形態における制御部の構成を表すブロック図である。 その制御部による位置推定処理を表すフローチャート。 その処理における方位誤差の算出例を表す説明図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す車載システム10は、車両に搭載されるシステムであって、車両の周辺における予め定められた範囲内の撮影画像の中から予め定められた対象物を検出し、その検出結果に基づいて車両の推定位置及び推定方向を補正するシステムである。以下では、車載システム10が搭載される車両を「自車両」という場合がある。また、車両の推定位置及び推定方向等の「位置」及び「方向」を、単に「位置」という場合がある。
ここでいう対象物とは、車載システム10が前記補正を行う際の検出対象とする物体をいう。対象物としては、道路区画線等の道路標示、道路境界構造物、規制標識等の道路標識、案内看板等の種々の形態のランドマークのうち、いずれか1つ又は複数を利用することができる。
車載システム10は、制御部15を備える。また、車載システム10は、地物センサ11、GNSS受信装置12、自車状態量センサ13、地図データ記憶装置14、及び制御装置16を備えてもよい。
地物センサ11は、自車両の周辺を2次元又は3次元の周辺画像として撮影する。地物センサ11は、路面を含む自車両の進行方向前方から2次元の周辺画像を取得するように、自車両の前方端部に設置されたカメラであってもよい。なお、ここでいう前方とは、自車両における中央から見てフロントガラスのある方向をいう。自車両の進行方向前方を含む予め定められた角度範囲内が地物センサ11の撮影範囲(すなわち、画像を取得する範囲)として設定されている。また、地物センサ11は、LIDAR、レーザーレーダ、ミリ波レーダ等が発する可視光以外の電磁波を介して取得される像(すなわち、可視光以外の電磁波の像)や、ソナー等が発する音波を介して取得される像を、前記周辺画像として取得するものであってもよい。これらの場合、周辺画像として3次元画像が取得されてもよい。
地物センサ11の設置位置及び撮影範囲はこれに限定されるものではない。地物センサ11は、例えば自車両の後方端部や側方端部といった任意の位置に設置されてもよい。また、撮影範囲には、例えば自車両の後方や自車両の側方等といった、自車両の周辺における任意の範囲が含まれてもよい。地物センサ11は、前記取得された周辺画像を、センサ情報として制御部15へ入力する。
GNSS受信装置12は、GNSS信号に基づいて自車両の位置を推定し、推定した位置を自車位置として地図データ記憶装置14へ入力する。なお、GNSS受信装置12は、GPS受信装置であってもよく、例えばGalileo等、GPS以外の規格に対応したGNSS受信装置であってもよい。なお、GPSは、Global Positioning Systemの略である。また、前記自車位置からは、微分によって自車両の前方がどの方位に向いているかといった自車方向の情報が取得される。
自車状態量センサ13は、図示しない車速センサとヨーレートセンサとを有する。車速センサは、自車両の車速を検出する。ヨーレートセンサは、自車両のヨーレートを検出する。自車状態量センサ13は、検出された車速及びヨーレートを、制御部15へ入力する。
地図データ記憶装置14は、HDDにより構成され、2次元又は3次元の地図データ等を記録している。以下、地図データが2次元の地図データである場合を中心に説明する。HDDはハードディスクドライブの略である。地図データは、例えば、道路の位置、道路の形状、道路における車線数、交差点の位置等といった、道路に関する情報を含む。また、地図データは、車載システム10によって検出される対象物の位置情報を含む。例えば、区画線、ガードレール、縁石等といった、道路の延びる方向に沿って配置されている対象物については、数mから数十m毎に、その位置情報が地図データに含まれている。位置情報は、緯度及び経度で表されている。地図データ記憶装置14は、GNSS受信装置12によって推定された自車位置を含む一定領域の地図データ(以下、周辺地図)を、制御部15へ入力する。
制御装置16は、制御部15からの信号に応じて、自車両のエンジン、ブレーキ、ステアリング等の制御を行う。制御装置16は、単一の制御ユニットであってもよく、車内LAN等を介して接続された複数の制御ユニットからなるものであってもよい。
制御部15は、CPU15Aと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ15B)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部15の各種機能は、CPU15Aが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ15Bが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部15を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
制御部15は、CPU15Aがプログラムを実行することで実現される機能の構成として、図2に示すように、画像取得部51と、位置方向部52と、地図データ取得部53と、対象物推定部54と、サンプル設定部55と、座標変換部56と、判断部57と、補正部58と、を備える。制御部15を構成するこれらの要素を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、1つ或いは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、前記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、或いはこれらの組合せによって実現してもよい。
画像取得部51は、地物センサ11からセンサ情報として入力される周辺画像を取得する。位置方向部52は、GNSS受信装置12から地図データ記憶装置14へ送られた自車位置を取得し、更にその自車位置を微分して自車方向を取得する。地図データ取得部53は、地図データ記憶装置14から入力された周辺地図を取得する。
対象物推定部54は、その周辺地図と、前記自車位置及び自車方向に基づき推定される地物センサ11の撮影位置及び撮影方向に基づき、周辺画像に含まれるであろう対象物及びその対象物の地図データ上の位置を取得する。なお、対象物推定部54は、前記対象物及びその対象物の地図データ上の位置を取得するに当たり、予めメモリ15Bに記憶された地物センサ11の自車両に対する取り付け位置及び取り付け角度に係る情報等を参照してもよい。
以下では、対象物として、道路の延びる方向に沿って配置されている物体を利用し、その代表例として、道路区画線としての白線を利用する場合を説明する。なお、これに限定されるものではなく、車載システム10にて検出する対象物の種類は、例えば、車両の運転者によって図示しない入力装置を用いて入力されてもよい。その場合、制御部15は、入力装置を用いて入力された情報に基づいて対象物の種類を特定する。また、対象物は、周辺地図に応じて随時適切な種類の対象物が特定されてもよい。また、地物センサ11がソナーによって構成される場合、対象物としての道路区画線は複数の鋲の包絡線によって構成されるのが望ましく、その場合でも、以下の処理は白線の場合と同様に実行可能である。
サンプル設定部55は、対象物推定部54によって取得された対象物の地図データ上の位置に少なくとも1つのサンプリングポイントとしての対象位置を設定する。サンプル設定部55は、更に、その対象位置の周辺の所定範囲内にサンプリングポイントとしての近傍位置を設定する。なお、サンプル設定部55は、これに限るものではなく、地図データ上の対象物を中心として、サンプリングポイントを地図データ上の座標系で複数設定するように構成されたものであればよい。
座標変換部56は、サンプル設定部55により設定された対象位置及び近傍位置の位置情報を、前記推定された撮影位置及び撮影方向に基づき、前記地図データ上の座標系から地物センサ11を基準とした周辺画像上の座標系へ変換する。また、座標変換部56は、前記変換後の座標系における対象位置及び近傍位置を、それぞれ候補位置として周辺画像上に特定する。すなわち、座標変換部56は、自車位置を基準とする周辺地図上の対象位置及び近傍位置の相対的な位置に基づいて、周辺画像において前記対象位置及び前記近傍位置のそれぞれに対応する複数の位置を、それぞれ候補位置として周辺画像上に特定する。
例えば、対象物を含む周辺地図が平面図状に構成され、取得された周辺画像が斜視図(すなわち、鳥瞰図)状に構成されている場合、平面図上に設定された対象位置及び近傍位置は座標変換されることにより、斜視図上の候補位置として特定される。その際、自車位置及び自車方向や、予めメモリ15Bに記憶された地物センサ11の自車両に対する取り付け位置及び取り付け角度に係る情報等が参照される。これらの情報により、周辺画像が取得される位置及び取得方向が特定され、前記座標変換が実行可能となる。
判断部57は、周辺画像における候補位置のそれぞれに対し、前記対象物の画像(すなわち、前記対象物を撮影した画像)が重なっているか否かを判断する処理を実行する。例えば、判断部57は、前記対象物の3次元形状を表すデータを取得し、そのデータと対象位置及び近傍位置の位置情報と前記推定された撮影位置及び撮影方向とから、当該対象位置又は近傍位置に前記対象物が存在した場合に候補位置に周辺画像として得られる前記対象物の画像を取得し、その画像と前記候補位置に前記周辺画像として得られた画像との一致度が所定の閾値以上であるか否かを判断してもよい。
なお、周辺地図が3次元データである場合、前記対象物の3次元形状を表すデータは、当該周辺地図から取得されてもよい。また、ガードレール等の対象物の3次元データは、一般的な3次元形状を表すデータがメモリ15Bにデータベースとして記憶されていてもよい。また、対象物の2次元形状(すなわち、撮影された平面画像)を表すデータが、3次元形状を表すデータの代わりに用いられて、撮影された画像との一致度が判断されてもよい。判断部57による判断処理は、これに限るものではなく、前記対象物の画像が候補位置に周辺画像として重なっているか否かを判断する処理であれば、種々の処理を採用し得る。
補正部58は、前記重なっていると判断部57によって判断された候補位置及び前記重なっていないと判断された候補位置の、それぞれの位置に応じて、自車位置又は自車方向の少なくとも一方を補正する。なお、補正部58は、前記重なっていると判断部57によって判断された候補位置に対応する(すなわち、前記座標変換前の)対象位置又は近傍位置、及び、前記重なっていないと判断された候補位置に対応する対象位置又は近傍位置に応じて、自車位置又は自車方向の少なくとも一方を補正してもよい。また、補正部58は、前記重なっていると判断部57によって判断された候補位置に対応する前記対象位置又は近傍位置を検出位置として、前記対象位置及び近傍位置のそれぞれに対して前記検出位置が偏りを有しているか否かに基づき、補正の態様を変更する。
例えば、補正部58は、検出位置に応じて自車位置及び自車方向を補正してもよい。具体的には、前記重なっていると判断された候補位置に対応する対象位置又は近傍位置を、当該候補位置に対して前述の座標変換とは逆の座標変換を行って地物センサ11を基準とした地図データ上の座標を求め、当該座標に検出位置を特定する。地物センサ11を基準とした自車位置及び自車方向は既知であるので、その情報と前記検出位置の座標とに基づき、自車位置及び自車方向と対象物との位置関係が分かる。そこで、補正部58は、当該位置関係と、地図データとして記憶された対象物の位置とに基づいて、観測値としての自車位置及び自車方向を取得してもよい。
また、補正部58は、位置方向部52が取得した自車位置及び自車方向を中心として、複数の自車位置候補及び自車方向候補を地図データ上に設定して、各自車位置候補及び自車方向候補の組み合わせから適切なものを観測値として選択してもよい。すなわち、各組み合わせに対して、それに応じた仮想の周辺画像を地図データから予測し、当該仮想の周辺画像における対象物の位置と、前記重なっていると判断された候補位置の周辺画像上の位置との一致度が高い組み合わせを選択してもよい。
補正部58における補正の態様の変更は、例えば次のようになされてもよい。位置方向部52が取得した予測値としての自車位置及び自車方向は、対象位置及び近傍位置に対して検出位置が前記地図データ上の座標系において位置的な偏りを有する場合に、前記偏りがない場合に比べて信頼性が低い。そこで、補正部58は、前記偏りを有する場合に、前記偏りがない場合に比べて、前記予測値としての自車位置を前記観測値としての自車位置に一層近い値に補正してもよい。また、補正部58は、前記偏りを有する場合に、前記偏りがない場合に比べて、前記予測値としての自車方向を前記観測値としての自車方向に一層近い値に補正してもよい。なお、補正部58における補正の態様及び態様の変更は、これに限るものではなく、種々の形態を採用することができる。
ここで、対象物推定部54及びサンプル設定部55及び座標変換部56の動作について、図3の例を挙げて説明する。自車位置Pは、例えば(X0、Y0)といったように、緯度及び経度を用いた座標系で表されている。図3の例では、自車両1が走行する車線である自車線101と自車線101に隣接する隣接車線102との区画線である白線202、自車線101における白線202と反対側の白線201、隣接車線102における白線202と反対側の白線203、といった複数の白線を対象物とする。
白線の位置は、数m毎に、地図データに記録されている。対象物推定部54は、地図データに記録されている白線の位置であって、自車両1に搭載された地物センサ11の撮影範囲Z内における複数の白線の位置を取得する。サンプル設定部55は、対象物推定部54が取得した白線の位置に、離散的に対象位置を設定する。図3において、対象位置Aは、点線300によって囲まれた範囲内における黒丸によって示されている。
サンプル設定部55は、更に、対象位置を中心として近傍位置を設定する。近傍位置とは、対象位置含む予め定められた範囲内に含まれる位置である。図3において、近傍位置Bは、点線300によって囲まれた範囲内における白丸によって示されている。
本実施形態では、サンプル設定部55は、図3に示すように、白線から横方向右及び左に予め定められた距離である指定横距離Dx離れた範囲内に含まれる位置を近傍位置Bとして離散的に設定する。つまり、白線は複数の対象位置Aを並べて構成されており、サンプル設定部55は、白線を構成するこれらの対象位置Aから横方向右及び左に指定横距離Dx離れた範囲内に含まれる位置に近傍位置Bを設定する。
ここでいう横方向とは、周辺地図として表された平面上において道路の延びる方向に対して垂直な方向をいう。本実施形態では、GNSS受信装置12による自車位置Pの誤差(以下、自車位置誤差)よりも小さい任意の値が指定横距離Dxとして設定されている。指定横距離Dxは、予めメモリ15Bに記録されている。
サンプル設定部55は、撮影範囲Z内における白線のそれぞれに対して、少なくとも一つの近傍位置Bを設定する。なお、サンプル設定部55は、白線に対して複数の近傍位置Bを設定する場合、隣り合う近傍位置B間の距離であって、道路の延びる方向における距離(以下、縦距離)dyを任意の値に設定してもよい。
本実施形態では、サンプル設定部55は、隣り合う近傍位置B間の縦距離dyを、自車位置誤差未満のランダムな値に設定する。但し、これに限定されるものではなく、例えば、隣り合う近傍位置B間の縦距離dyは、自車位置誤差未満の予め定められた値に設定されてもよい。
座標変換部56は、このように設定された対象位置A及び近傍位置Bのそれぞれに対する複数の位置を、前述のように座標変換する。この座標変換によって、判断部57は、対象位置A及び近傍位置Bのそれぞれを撮影した画像の前記周辺画像における位置を周辺画像上に複数の候補位置として特定することが可能となる。
[1−2.処理]
次に、制御部15が実行する位置推定処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。制御部15は、車載システム10に電源が投入されるとこの処理を開始する。
制御部15は、先ず、S1にて、車載システム10の電源が前回落とされたときの自車位置及び自車方向をメモリ15Bから読み出し、又は、GNSS受信装置12を介して自車位置及び自車方向を改めて取得することにより、自車位置及び自車方向を初期化する。
続くS2では、制御部15は、位置方向部52に対応する処理として、GNSS受信装置12が入力する自車位置を取得することによって現時点の自車位置及び自車方向を推定(すなわち、予測)する処理を実行する。続くS3では、制御部15は、地図データ記憶装置14から出力された周辺地図をメモリ15Bの所定領域に出力し、S4にて、その周辺地図のうち、前述の撮影範囲Z内に相当する範囲に観測領域を絞る。
続くS5では、制御部15は、対象物推定部54及びサンプル設定部55に対応する処理として、パーティクルの設定を行う。すなわち、対象物推定部54及びサンプル設定部55に対応する処理として、前述のように対象位置A及び近傍位置Bを、ある程度の面積を有する断片状のパーティクルとして設定する。なお、パーティクルとは、画像処理等における元々の処理対象に対して実際の処理対象範囲(すなわち、サンプリングポイント)を断片状に分散配置したものである。
続くS6では、座標変換部56に対応する処理として、制御部15は対象位置A及び近傍位置B(すなわち、パーティクル)を、画像取得部51を介して取得された周辺画像上にそれぞれ座標変換し、座標変換後の各パーティクル(すなわち、候補位置)内の観測値を取得する。S6で取得される観測値としては、種々のパラメータが適用できるが、例えば、S6では周辺画像における候補位置の輝度分布が観測値として取得されてもよい。
続くS7では、判断部57に対応する処理として、制御部15は、対象物と観測値との対応付けを行う。すなわち、座標変換後の各パーティクル(すなわち、候補位置)のそれぞれについて、対象物の画像が重なっているか否かの判断を行う。
観測値として輝度分布が取得される場合、例えば、白線、黄色線、縁石、ガードレール等といった、複数種類の対象物についての基準輝度分布がメモリ15Bに予め記録されている。基準輝度分布は、道路の延びる方向を縦の方向(以下、画像縦方向)とする周辺画像において、該画像縦方向に対して垂直な方向(以下、画像横方向)における輝度分布であって、所定の範囲(以下、検出範囲)内における画素の輝度分布として表されている。
その場合、制御部15は、S7では、候補位置のそれぞれについて、周辺画像における白線の画像が重なっているか否かを判断する。このような判断処理は、S6にて取得した候補位置における輝度分布と基準輝度分布との一致度に基づいて、一致度が予め定められた閾値以上である場合に、候補位置に白線の画像が重なっていると判断する処理である。一致度は、一致が大きい場合に、一致が小さい場合よりも大きい値となる。このような判断方法はパターンマッチングとして周知の方法であるため、詳細な説明を省略する。
続いて、制御部15は、補正部58としての処理として、S10〜S13の処理を実行して、処理を前述のS2へ戻す。S10では、ヒットした観測値、すなわち、周辺地図に設定されたパーティクルのうち当該パーティクルに対応する候補位置に対象物(すなわち、白線)の画像が重なっているとS7にて判断されたパーティクル(すなわち、検出位置)が、所定時間に亘って特定箇所に偏って存在したか否かを、制御部15は判断する。
例えば、直線状の道路において、S2にて推定された自車位置及び自車方向は図5に1で示す位置及び方向であるの対し、自車両1が実際には図5に1Aで示す位置及び方向にあるとする。すると、その自車両1Aの前後方向に対して平行した直線L上に白線201〜203が存在するという誤った前提を元に対象位置A及び近傍位置Bに対応したパーティクルが設定される。すると、図6に示すように、検出位置Hは、自車両1に近い側に偏る。これは、自車方向が図6に示す角度φだけずれていることに起因して、自車両1から離れるほど誤差が大きくなるためである。
また、曲線状の道路(すなわち、カーブ)の入り口において、S2にて推定された自車位置は図7に1で示すようにカーブにさしかかった位置であるの対し、自車両1が実際には図7に1Aで示すようにカーブの入り口よりも手前の位置にあるとする。すると、その自車両1Aを基準にして、自車両1から見た白線201,203と同様の曲線L上に、対象位置Aに対応したパーティクルが設定される。また、その近傍に、近傍位置Bに対応したパーティクルが設定される。すると、図8に示すように、検出位置Hは、自車両1に近い側に偏る。図7に示す道路において、推定された自車位置の方が実際の位置よりも後方にある場合は、検出位置Hは自車両1から離れた側に偏る場合がある。
なお、図5〜図8は、説明の便宜上、周辺地図の座標系に応じた平面図を用いて表現されているが、これらの処理は、実際には、地物センサ11を介して取得された鳥瞰図状の周辺画像における処理であってもよい。
図4に戻って、このように、検出位置が偏ること、特に、対象位置に対応したパーティクルに対して偏ることは、S2にて推定された自車位置又は自車方向が実際の自車位置又は自車方向から乖離していることを示す。また、S10では、白線のかすれなどといった対象物の状態や、センサの誤差等によって、前記偏りが一時的に検出された場合を排除するため、前記偏りが所定時間継続して検出されたか否かを判断している。なお、この所定時間は、予め設定された固定値であってもよく、自車両1が走行する道路に応じて設定されてもよく、対象物の種類に応じて設定されてもよく、0であってもよい。
なお、S10における偏りの有無は、任意の種々のアルゴリズムによって判断されてもよいが、例えば次のような数値計算によって判断されてもよい。パーティクルを構成する各点の緯度及び経度それぞれの平均値が表す点(以下、重心)に対して、そのパーティクルのうちの検出位置Hを構成する各点の重心が所定距離以上(例えば、前述の指定横距離Dx以上)離れた場合に、制御部15はS10において偏りがあると判断してもよい。また、パーティクルを構成する各点を包含する最小の円の中心に対して、そのパーティクルのうちの検出位置Hを構成する各点を包含する最小円の中心が所定距離以上(例えば、前述の指定横距離Dx以上)離れた場合に、制御部15はS10において偏りがあると判断してもよい。なお、前記各点とは、必ずしも全てのパーティクルを構成する各点でなくてもよく、判断結果に影響を与えない範囲で一部のパーティクルを構成する点を間引いて前記判断がなされてもよい。
自車位置及び自車方向が実際の自車位置及び自車方向からそれほど乖離しておらず、S10にてNoと判断されたときは、S11にてフィルタ設定値が初期化される。また、自車位置又は自車方向が実際の自車位置又は自車方向から乖離して、S10にてYesと判断されたときは、S12にて、観測値がより反映されやすくなるようにフィルタ設定値が変更される。そして、S11又はS12に続くS13では、自車位置及び自車方向がフィルタにより補正される。例えば、フィルタは、一般的に以下のような式によって表される。
[今回推定値]=[予測値]+K([観測値]−[予測値]) ・・・・(1)
この場合、観測値は、検出位置又は前記重なっていると判断された候補位置に基づいて算出された自車位置及び自車方向である。例えば、観測値は、地図データ上の検出位置と自車位置及び自車方向との位置関係に応じて算出された自車位置及び自車方向(すなわち、第2推定位置及び第2推定方向)である。予測値は、S2にて推定された自車位置及び自車方向である。S12にて、フィルタ設定値としてのゲインKが初期値(例えば、0.05)より大きい値(例えば、0.15)に設定されると、観測値が反映されやすくなる。このため、S2にて推定される自車位置及び自車方向と実際の自車位置及び自車方向との乖離を速く収束させることができる。すなわち、自車位置及び自車方向を速く補正することができる。このようなフィルタ処理は、カルマンフィルタを用いた処理であってもよい。その場合、式(1)に示された[]は、位置ベクトル(すなわち、座標)等を変換する行列式であってもよい。また、式(1)に示された[]は、それぞれの自車位置の座標等を示すベクトル値であってもよい。
このようにして、S13にて自車位置(すなわち、推定位置)及び自車方向(すなわち、推定方向)が補正されると、制御部15は処理を前述のS2へ戻す。また、図1に示すように、その補正後の自車位置及び自車方向は、当該自車位置及び自車方向に対応する道路形状(例えば、曲率、勾配など)と共に、制御部15から制御装置16へ入力される。制御装置16は、当該入力された情報に基づいて、レーンキープアシスト(すなわち、自動操舵)等の各種運転支援処理を実行する。
[1−3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1A)本実施形態では、周辺画像上に座標変換されたパーティクルの位置(すなわち、候補位置)に得られる画像が白線等の対象物の画像と一致するか否かを判断している。このため、周辺画像の全体を対象物の検出対象とする場合に比べて、画像処理等の負担を軽減することができる。
(1B)本実施形態では、検出位置Hの、対象位置A及び近傍位置Bに対応したパーティクルに対する偏りがある場合、推定された自車位置及び自車方向の信頼性が低いので、その自車位置及び自車方向は検出位置を大きく反映することによって速く補正される。このため、白線等の対象物が複数平行に存在しない場合にも、自車位置及び自車方向を効率的に補正することができる。
特に、対象物の存在位置に係るパーティクルを、本実施形態のように、地図データに基づいて当該対象物を狙って設定する場合、車両の推定位置又は推定方向が一度大きくずれてしまうと、検出位置となるパーティクルが少なくなる可能性がある。これに対して、本実施形態では、検出位置となるパーティクルが少なくても、その偏りに応じて補正の態様を変更することができるので、推定位置及び推定方向のずれを速く戻すことができる。
(1C)また、本実施形態では、前記偏りが所定時間継続して検出されたか否かに応じて、フィルタ設定値を変更している。このため、白線のかすれなどといった対象物の状態や、センサの誤差等によって、前記偏りが一時的に検出された場合を排除することができる。
(1D)また、前述の例では、道路が延びる方向に沿って配置されている物体としての白線を、対象物として処理を行っている。このため、自車両の走行中、処理を安定して継続することができる。
(1E)また、本実施形態では、前記偏りが所定時間継続して検出された場合に、フィルタ設定値を変更している。すなわち、S2にて推定された自車位置及び自車方向を、検出位置H又は前記重なっていると判断された候補位置に応じて計算される自車両1の位置及び方向である第2推定位置及び第2推定方向を用いて補正するフィルタ処理を実行している。しかも、前記偏りがあった場合に、フィルタ処理による補正に前記第2推定位置及び前記第2推定方向が反映されやすくしている。このため、推定された自車位置及び自車方向を、フィルタ処理によって円滑に補正することができる。
(1F)また、本実施形態では、周辺画像に含まれるであろう範囲にパーティクル(すなわち、検出位置及び近傍位置)を設定している。このため、例えば周辺地図全体にパーティクルを設定する場合に比べて、処理負荷を軽減することができる。
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態は、制御部15に代えて、図9に示す制御部115を設けた点において、第1実施形態と異なる。制御部115は、補正部58に代わる補正部158が、直線道路走行時に処理を行う直線用処理部161と、カーブ走行時に処理を行うカーブ用処理部162とを備えた点において、制御部15と異なる。なお、本実施形態は、対象物が、車両が走行する道路が延びる方向に沿って配置されている物体である場合に有効である。
[2−2.処理]
次に、第2実施形態の制御部115が、第1実施形態の図4に示す処理に代えて実行する位置推定処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。図10に示すように、本実施形態における位置推定処理は、直線用処理部161による処理としてS20〜S24が追加された点で、第1実施形態における位置推定処理と異なる。図10におけるS1〜S13は、第1実施形態と同様であり、そのうち、S12,S13がカーブ用処理部162としての処理である。
図10に示すように、検出位置が所定時間特定箇所に偏り、前述のS10にてYesと判断されたときは、制御部115の処理はS20へ移行する。S20では、制御部115は、S2にて推定された自車位置及び地図データ記憶装置14から送られた周辺地図に基づき、自車両が走行中の道路が直線であるか否か判断する。ここで「直線」とは、厳密な意味での直線に限るものではなく、同様の効果を奏するのであれば厳密に直線でなくてもよい。例えば、後述のS22〜S24の処理による角度φの補正が可能な程度の曲率の道路であれば、S20における判断はYesとなってもよい。自車両が走行中の道路が直線でない、すなわちカーブである場合は、S20における判断はNoとなり、制御部115の処理は前述のS12へ移行する。
一方、自車両が走行中の道路が直線である場合は、制御部115の処理はS21へ移行する。S21では、制御部115は、S12と同様にフィルタ設定値の変更を行う。なお、制御部115は、S21では、S12とは異なる値にフィルタ設定値を設定してもよい。例えば、制御部115は、前述のゲインKを、S12で設定した値(例えば、0.15)よりも大きい値(例えば、0.5)に設定してもよい。
続くS22では、制御部115は、検出位置(すなわち、ヒットした観測値)によって当該検出位置の配置を曲線近似する。この曲線近似は、例えば、最小自乗法等を用いてなされてもよい。続くS23では、制御部115は、対象物に係る情報(例えば、白線の本数や白線が直線状である旨の情報)と、S22にて算出された近似曲線とに基づき、方位誤差としての角度φを算出する。
例えば、図6の場合と同様に検出位置Hが配置された場合、図11に示すように、左側の一群の検出位置Hに対する近似曲線L1は、白線201に対応していると推定することができる。この場合、近似曲線L1は直線である。すると、推定された自車両1Aの前後方向に延びる直線Lと、近似曲線L1とがなす角度φは、そのまま、方位誤差としての角度φになる。なお、このような角度φは、鳥瞰図としての周辺画像上における角度ではなく、平面図としての周辺地図上における角度として算出されることは 言うまでもない。
続くS24では、制御部115は、S13と同様のフィルタ処理によって自車位置を補正し、前記算出された角度φに応じて自車方向を補正した後、処理をS2へ戻す。なお、S24の処理で補正された自車位置及び自車方向は、前述のように制御装置16へ入力される。
[2−3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)〜(1F)を奏し、更に、以下の効果を奏する。
(2A)本実施形態では、直線状の道路走行時には、自車位置及び自車方向のうちの少なくとも自車方向を一層早く補正することができる。特に直線状の道路走行時には、自車方向についての誤差(すなわち、方位誤差)が発生しやすい。本実施形態では、方位誤差を早期に補正できるので、効果が顕著になる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(3A)前記各実施形態では、図3を用いて説明したようにパーティクルが設定されたが、パーティクルの設定方法はこれに限定されるものではない。例えば、対象位置Aを中心とした所定半径の円内にランダムに近傍位置Bを設定することによってパーティクルが設定されてもよく、その他にも、本願出願人が特願2017−9671号にて提案したような、各種設定方法が適用可能である。特願2017−9671号のように、車両の移動に応じて候補位置を移動させる場合、地図データ上でパーティクルを移動させてから座標変換してもよく、周辺画像上で候補位置を移動させてからその候補位置の座標を地図データ上の座標に変換してもよい。
(3B)前記各実施形態の位置方向部52は、GNSSを用いて推定された自車位置を取得したが、これに限定されるものではない。例えば、位置方向部は、ビーコン等の路車間通信とジャイロとを用いて推定された車両の推定位置(すなわち、自車位置)を取得してもよい。また、位置方向部は、周辺画像以外の情報を用いて推定された車両の推定位置を取得するものに限らず、周辺画像から推定された推定位置が取得され、その推定位置が更に補正部によって補正されてもよい。
(3C)また、前記各実施形態では、自車位置及び自車方向の補正はフィルタ処理によってなされたが、これに限定されるものではない。例えば、推定値を観測値に応じて徐々に修正していく処理であればフィルタ処理以外も適用可能である。また、自車位置及び自車方向の観測値を算出せず、検出位置と対象位置とのずれに応じて自車位置又は自車方向の推定値を補正する処理も適用可能である。
(3D)前記各実施形態では、対象物推定部54及びサンプル設定部55を介して撮影範囲Z内に対象位置及び近傍位置が設定されたが、これに限定されるものではない。例えば、地図データ取得部53が取得した周辺地図全体に対象位置及び近傍位置が設定されてもよく、地図データ記憶装置14に記憶された地図全体に対象位置及び近傍位置が設定されてもよい。
(3E)前記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、前記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、前記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の前記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(3F)上述した車載システム10、制御部15又は115の他、制御部15又は115を機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、車両位置推定方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1,1A…自車両 10…車載システム 11…地物センサ
12…GNSS受信装置 13…自車状態量センサ 15,115…制御部
16…制御装置 51…画像取得部 52…位置方向部
54…対象物推定部 55…サンプル設定部 56…座標変換部
57…判断部 58,158…補正部 161…直線用処理部

Claims (7)

  1. 車両に備えられて当該車両の周辺を周辺画像として撮影する撮影装置(11)より、前記周辺画像を取得するように構成された画像取得部(51)と、
    前記車両の推定位置及び推定方向を取得するように構成された位置方向部(52)と、
    予め定められた対象物の位置情報を含む地図データを取得するように構成された地図データ取得部(53)と、
    前記地図データ上の前記対象物の位置を中心として、前記車両の推定位置又は推定方向の少なくともいずれか一方の補正に用いるサンプリングポイントを前記地図データ上の座標系で複数設定するように構成されたサンプル設定部(55)と、
    前記位置方向部により取得された前記車両の推定位置及び推定方向に基づき推定される前記撮影装置の撮影位置及び撮影方向に基づき、前記サンプル設定部により設定された前記複数のサンプリングポイントの位置情報を、前記地図データ上の座標系から前記撮影装置を基準とした前記周辺画像上の座標系へ変換するように構成された座標変換部(56)と、
    前記周辺画像において、前記座標変換後のサンプリングポイントに、前記対象物の画像が重なっているか否かを判断する処理を、前記サンプリングポイントのそれぞれに対して実行するように構成された判断部(57)と、
    前記判断部により前記重なっていると判断されたサンプリングポイント及び前記重なっていないと判断されたサンプリングポイントの、前記周辺画像上又は前記地図データ上におけるそれぞれの位置に基づき、前記車両の推定位置又は推定方向の少なくとも一方を補正するように構成された補正部(58,158)と、
    を備え、
    前記補正部は、前記判断部により前記重なっているとの判断がなされた前記サンプリングポイントと、前記判断部により前記重なっていないとの判断がなされた前記サンプリングポイントとの間に、前記地図データ上の座標系における位置の偏りが存在する場合に、前記偏りが存在しない場合に比べて、前記それぞれの位置が前記補正に反映されやすくなるように、前記補正の態様を変更するように構成された車両位置推定装置(15,115)。
  2. 請求項1に記載の車両位置推定装置であって、
    前記対象物は、前記車両が走行する道路が延びる方向に沿って配置されている物体である車両位置推定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両位置推定装置であって、
    前記補正部は、前記偏りが予め定められた所定時間継続して同一方向への偏りとして存在した場合に、前記態様を変更するように構成された車両位置推定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両位置推定装置であって、
    前記推定位置を第1推定位置として、
    前記推定方向を第1推定方向として、
    前記それぞれの位置に応じて推定される前記車両の位置を第2推定位置として、
    前記それぞれの位置に応じて推定される前記車両の方向を第2推定方向として、
    前記補正部は、前記第2推定位置を用いて前記第1推定位置を補正し、かつ、当該補正に前記第2推定位置が反映される度合いを前記偏りの有無に応じて変更する処理、又は、前記第2推定方向を用いて前記第1推定方向を補正し、かつ、当該補正に前記第2推定方向が反映される度合いを前記偏りの有無に応じて変更する処理、のうち少なくともいずれか一方の処理を実行するように構成された車両位置推定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両位置推定装置(115)であって、
    前記推定位置が直線状の道路の上である場合、前記車両に対して前記道路が延びる方向を道路方向として、前記補正部(158)は、前記重なっているとの判断がなされた前記サンプリングポイントに応じて道路方向を推定し、かつ、前記推定方向を、前記推定された道路方向に応じた方向に補正するように構成された車両位置推定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両位置推定装置であって、
    前記推定される前記撮影装置の撮影位置及び撮影方向に基づき、前記周辺画像に含まれるであろう対象物及びその対象物の前記地図データ上の位置を、前記地図データから推定するように構成された対象物推定部(54)を、
    更に備え、
    前記サンプル設定部は、前記対象物推定部により推定された前記地図データ上の前記対象物の位置を中心として、前記サンプリングポイントを前記地図データ上の座標系で複数設定するように構成された車両位置推定装置。
  7. 車両に備えられて当該車両の周辺を周辺画像として撮影する撮影装置(11)より、前記周辺画像をコンピュータ(15)に取得させ、
    前記コンピュータに、前記車両の推定位置及び推定方向を取得させ(S2)、
    前記コンピュータに、予め定められた対象物の位置情報を含む地図データを取得させ(S3)、
    前記コンピュータに、前記地図データ上の前記対象物の位置を中心として、前記車両の推定位置又は推定方向の少なくともいずれか一方の補正に用いるサンプリングポイントを前記地図データ上の座標系で複数設定させ(S5)、
    前記コンピュータに、前記取得された前記車両の推定位置及び推定方向に基づき推定される前記撮影装置の撮影位置及び撮影方向に基づき、前記設定された前記複数のサンプリングポイントの位置情報を、前記地図データ上の座標系から前記撮影装置を基準とした前記周辺画像上の座標系へ変換させ(S6)、
    前記コンピュータに、前記周辺画像において、前記座標変換後のサンプリングポイントに、前記対象物の画像が重なっているか否かを判断する処理を、前記サンプリングポイントのそれぞれに対して実行させ(S7)と、
    前記重なっていると判断されたサンプリングポイント及び前記重なっていないと判断されたサンプリングポイントの、前記前記周辺画像上又は前記地図データ上におけるそれぞれの位置に基づき、前記車両の推定位置又は推定方向の少なくとも一方を補正させ、かつ、前記重なっているとの判断がなされた前記サンプリングポイントと、前記重なっていないとの判断がなされた前記サンプリングポイントのとの間に、前記地図データ上の座標系における位置の偏りが存在する場合に、前記偏りが存在しない場合に比べて、前記それぞれの位置が前記補正に反映されやすくなるように、前記コンピュータに前記補正の態様を変更させ(S10〜S13,S10〜S24)るためのプログラム。
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