JP2019019928A - プーリユニット - Google Patents

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健 西村
寛孝 岸田
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Abstract

【課題】プーリ内部での発熱を抑制することができるプーリユニットを提供する。【解決手段】プーリユニットは、回転軸を中心に回転するハブと、軸受を介してハブに支持されるプーリと、ハブと一体となって回転する第1カム板と、プーリと一体に回転し且つ回転軸に沿う方向に移動できる第2カム板と、第1カム板及び第2カム板に接する転動体と、回転軸に沿う方向の第2カム板の移動に伴って変形する弾性部材と、回転軸に沿う方向において、弾性部材に対して第2カム板の反対側に設けられたスラスト軸受と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、主にエンジンの補機に用いられるプーリユニットに関する。
エンジンのクランクシャフトの回転は、ベルトを介してオルタネータ等の補機に伝達される。ベルトは、クランクシャフトに取り付けられたプーリの回転を、オルタネータに取り付けられたプーリに伝達する。オルタネータの容量の増加、及びエンジンの気筒数の減少に伴い、ベルト張力の変動が大きくなっている。ベルトとプーリとの間の滑りを防止するためには、ベルトの初期張力を大きくすることが必要となる。しかし、ベルトの初期張力が大きくなると、ベルトが破損しやすくなる。
これに対して、ベルト張力の変動を抑制するための技術が、例えば特許文献1、2に記載されている。特許文献1、2に記載されるプーリユニットにおいては、プーリとハブの間にトルクカムと弾性部材が設けられている。プーリが回転すると、可動カムディスクはトルクカムの作動により軸方向に移動し、弾性部材を変形させると共にトルクをハブに伝達する。これにより、ベルト張力の変動が抑制される。
また、特許文献1、2に記載されるプーリユニットでは、トルクカムに伝達されるトルクの安定化を図るために、固定カムディスクの背面にスラスト軸受が設けられる。つまり、軸方向において、弾性部材とスラスト軸受の間にトルクカムが設けられる。
特開2009−281435号公報 特開2009−281436号公報
プーリユニットでは、エンジンの回転変動に伴いプーリとハブが相対回転運動する。このため、プーリ内部の摺動部やトルク伝達部で発熱する可能性がある。特許文献1、2に記載されるプーリユニットでは、主要発熱部であるトルクカムとスラスト軸受とが近接して配置されているため、局所的な発熱が生じる可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、プーリ内部での発熱を抑制することができるプーリユニットを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係るプーリユニットは、回転軸を中心に回転するハブと、軸受を介して前記ハブに支持されるプーリと、前記ハブと一体となって回転する第1カム板と、前記プーリと一体に回転し且つ前記回転軸に沿う方向に移動できる第2カム板と、前記第1カム板及び前記第2カム板に接する転動体と、前記回転軸に沿う方向の前記第2カム板の移動に伴って変形する弾性部材と、回転軸に沿う方向において、前記弾性部材に対して前記第2カム板の反対側に設けられたスラスト軸受と、を有する。
これにより、スラスト軸受は、軸方向において、第1カム板、転動体及び第2カム板との間に弾性部材を介して配置される。つまり、プーリ内部における主要発熱部であるスラスト軸受とカム部とが離れた位置に配置される。このため、プーリ内部で発熱部位が集中することを抑制し、局所的に高温になることを抑制できる。したがって、プーリ内部での発熱を抑制することができる。さらに、プーリ内部での発熱を抑制することにより、プーリ内部でのグリースの温度が低減される。したがって、グリース焼き付き寿命を延長することができ、プーリユニットの寿命を延長することができる。
プーリユニットの望ましい態様として、前記プーリは、前記弾性部材を内部に収納する筒状の弾性部材収納部を有し、前記弾性部材は、前記プーリと一体となって前記回転軸を中心に回転することが好ましい。これにより、弾性部材とプーリとの間の相対回転運動の発生が抑制されるため、弾性部材とプーリとの間の摩擦熱の発生が低減される。したがって、プーリ内部での発熱を抑制することができる。
プーリユニットの望ましい態様として、前記スラスト軸受の放射方向の外側には、環状の支持部材が設けられていることが好ましい。これによれば、スラスト軸受の放射方向の外側には、スプライン形状等を設ける必要がなく、摺動部分とスラスト軸受とが離れた位置に配置される。このため、プーリ内部での発熱を抑制することができる。
本発明の一態様に係るプーリユニットは、回転軸を中心に回転するハブと、軸受を介して前記ハブに支持されるプーリと、前記プーリと一体となって回転する第1カム板と、前記ハブと一体に回転し且つ前記回転軸に沿う方向に移動できる第2カム板と、前記第1カム板及び前記第2カム板に接する転動体と、前記回転軸に沿う方向の前記第2カム板の移動に伴って変形する弾性部材と、前記回転軸に沿う方向において、前記弾性部材に対して前記第2カム板の反対側に設けられたスラスト軸受と、を有する。
これにより、スラスト軸受は、軸方向において、第1カム板、転動体及び第2カム板との間に弾性部材を介して配置される。つまり、プーリ内部における主要発熱部であるスラスト軸受とカム部とが離れた位置に配置される。このため、プーリ内部で局所的に高温になることが抑制される。したがって、プーリ内部での発熱を抑制することができる。また、第1カム板はプーリと一体となって回転するため、プーリが軸力を支持する。プーリの径はハブの径よりも大きい。このため、ハブで軸力を支持する構成に比べ、プーリの肉厚を小さくすることができ、プーリユニットの放射方向の大きさを小型化することができる。
本発明によれば、プーリ内部での発熱を抑制することができる。
図1は、第1実施形態に係るプーリユニットが適用されるエンジンの正面図である。 図2は、第1実施形態に係るプーリユニットの斜視図である。 図3は、第1実施形態に係るプーリユニットの側面図である。 図4は、第1実施形態に係るプーリユニットの正面図である。 図5は、図4におけるA−A断面図である。 図6は、第1実施形態に係るプーリユニットの分解斜視図である。 図7は、第1実施形態に係るプーリユニットの回転動作を説明するための断面図である。 図8は、第1実施形態に係る保持器の斜視図である。 図9は、第1実施形態に係る第2カム板の斜視図である。 図10は、第1実施形態に係るプーリユニットを、プーリを除いて示す側面図である。 図11は、図10における転動体ユニットの周辺を拡大した側面図である。 図12は、エンジンからプーリにトルクが伝達された場合の、転動体ユニット及び第2カム板の動きを示す模式図である。 図13は、ジェネレータからハブにトルクが伝達された場合の、転動体ユニット及び第2カム板の動きを示す模式図である。 図14は、図5におけるB−B断面図である。 図15は、プーリ又はハブに加わるトルクと、プーリ及びハブの相対角度との関係を示すグラフである。 図16は、第2実施形態に係るプーリユニットの断面図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るプーリユニットが適用されるエンジンの正面図である。車両には、エンジン10の補機として、例えば図1に示すようにジェネレータ103、ウォーターポンプ105、及びコンプレッサ106等が搭載される。例えば、第1実施形態におけるジェネレータ103は、エンジン10で生成される動力によって発電することに加え、エンジン10に動力を与えるための動力を生成することもできる。すなわち、ジェネレータ103は、ISG(Integrated Starter Generator)である。ウォーターポンプ105は、エンジン10の冷却水を循環させるためのポンプである。コンプレッサ106は、カーエアコンに用いられる冷媒を圧縮するための装置である。
ジェネレータ103、ウォーターポンプ105及びコンプレッサ106は、エンジン10の動力で駆動する。エンジン10の動力は、図1に示すベルト109を介してジェネレータ103、ウォーターポンプ105及びコンプレッサ106に伝達される。ベルト109は、例えばVリブドベルトである。ベルト109は、クランクシャフトプーリ11、アイドラープーリ12、プーリユニット13、テンショナープーリ14、ウォーターポンププーリ15及びコンプレッサプーリ16に取り付けられている。
クランクシャフトプーリ11は、エンジン10のクランクシャフト101に連結されている。アイドラープーリ12は、ベルト109の位置を調節するための装置である。プーリユニット13は、ジェネレータ103のシャフトに連結されている。テンショナープーリ14は、テンショナー104のシャフトに連結されている。テンショナー104は、ベルト109の張力を調節するための装置である。ウォーターポンププーリ15は、ウォーターポンプ105のシャフトに連結されている。コンプレッサプーリ16は、コンプレッサ106のシャフトに連結されている。
ジェネレータ103がISGであるため、エンジン10の動力がジェネレータ103に伝達されることもあり、逆にジェネレータ103の動力がエンジン10に伝達されることもある。すなわち、プーリユニット13は、ベルト109に伝達されたトルクをジェネレータ103のシャフトに伝達でき、且つジェネレータ103で生じたトルクをベルト109に伝達できる必要がある。
また、クランクシャフト101はエンジン10内の爆発によって回転するので、クランクシャフト101の回転速度は変動している。一方、ジェネレータ103のシャフトの慣性は比較的大きい。このため、ベルト109の張力が変動することがある。ベルト109の張力の変動が大きい場合、ベルト109の滑りを抑制するためにベルト109の初期張力が大きくなる。しかしながら、ベルト109の初期張力の増大は、摩擦の増加及びベルト109の破損に繋がる。このため、プーリユニット13は、ベルト109の張力の変動を抑制できることが望ましい。
図2は、第1実施形態に係るプーリユニットの斜視図である。図3は、第1実施形態に係るプーリユニットの側面図である。図4は、第1実施形態に係るプーリユニットの正面図である。図5は、図4におけるA−A断面図である。図6は、第1実施形態に係るプーリユニットの分解斜視図である。図7は、第1実施形態に係るプーリユニットの回転動作を説明するための断面図である。図8は、第1実施形態に係る保持器の斜視図である。図9は、第1実施形態に係る第2カム板の斜視図である。図10は、第1実施形態に係るプーリユニットを、プーリを除いて示す側面図である。図11は、図10における転動体ユニットの周辺を拡大した側面図である。
図5及び図6に示すように、プーリユニット13は、プーリ2と、ハブ3と、軸受4と、第1カム板33と、転動体ユニット5と、第2カム板6と、弾性部材73と、軸受8と、ガイド部材74と、軌道輪75と、スラスト軸受76と、を備える。
プーリ2は、図1に示すベルト109に接する部材である。プーリ2は、図5に示すようにハブ3の両端に設けられた軸受4及び軸受8を介してハブ3に支持されており、回転軸Zを中心に回転することができる。プーリ2は、図3に示すように略円筒状の部材であって、ベルト取付部21及び弾性部材収納部22を有する。弾性部材収納部22の内径はベルト取付部21の内径より大きい。
図5に示すように、ベルト取付部21は、外周面に複数の溝211を有する。ベルト109は、溝211に嵌まる。ベルト109と溝211との間で生じる摩擦により、ベルト109とプーリ2との間で動力が伝達される。また、ベルト取付部21は、内周面に複数の第1歯2aを有する。複数の第1歯2aは、回転軸Zを中心とした周方向において等間隔に配置されている。複数の第1歯2aは、例えばインボリュートスプラインである。第1歯2aは、回転軸Zに沿っている。すなわち、第1歯2aの長手方向が回転軸Zに平行である。
以下の説明において、回転軸Zに沿う方向は、軸方向と記載される。回転軸Zを中心とした放射方向は、単に放射方向と記載される。回転軸Zを中心とした周方向は、単に周方向と記載される。
ハブ3は、図1に示すジェネレータ103のシャフトに連結される部材である。ジェネレータ103のシャフトが、筒状であるハブ3の内側に挿入される。ハブ3は、回転軸Zを中心にジェネレータ103のシャフトと一体に回転する。ハブ3は、図5に示すように軸受取付部31と、基部32と、フランジ部35と、を備える。軸受取付部31は、円筒状であって軸受4に接する。回転軸Zから軸受取付部31の外周面までの距離D31(軸受取付部31の外径の半分の距離)は、図5に示すように回転軸Zから転動体52までの距離D52より小さい。基部32は、軸受取付部31の外径よりも大きい外径を有する円筒状である。フランジ部35は、円環状の部材であり、基部32の外周面から放射方向の外側に突出する。フランジ部35は、基部32に対し軸受取付部31とは反対側の端部に設けられる。
図5及び図6に示す軸受4は、ラジアル軸受であって、例えば深溝玉軸受である。軸受4は、回転軸Zを中心に回転できるようにプーリ2を支持する。軸受4は、例えば軸受取付部31及びベルト取付部21に圧入される。軸受4は、内輪4aと、外輪4bと、転動体4cとを有する。軸受4の内輪4aは軸受取付部31に圧入され、軸受取付部31の外周面に接している。また、軸受4の外輪4bはベルト取付部21に圧入され、ベルト取付部21の内周面に接している。内輪4aの軸方向の一端は、基部32の軸方向の端部と接する。内輪4aの軸方向の他端は、軸受取付部31に設けられた止め輪77と接する。これにより軸受4の軸方向の位置が固定される。
止め輪77は、軸受4を位置決めするための保持部材である。止め輪77は、略円環状であって、図5に示すように軸受取付部31の端部に設けられた溝39に嵌められる。止め輪77は、軸方向において、軸受4に対し第1カム板33の反対側に配置されて軸受4と接する。これにより軸受4の軸方向の位置が固定される。
図5及び図6に示すように、トルクカムTCは、第1カム板33と、転動体ユニット5と、第2カム板6とを備える。第1カム板33は、基部32の、軸受取付部31に近い側の端部に配置されており、略円環状である。第1カム板33は、図10に示すように軸受接触面330と、第1カム面331と、平坦面332と、第2ストッパー33sとを備える。軸受接触面330は、軸受4に接し、軸受4を位置決めする。第1カム面331及び平坦面332は、軸受接触面330とは反対側の表面である。
図11に示すように、第1カム面331は、斜面331aと、底面331bと、斜面331cとを備える。底面331bは、斜面331a及び斜面331cの間に配置されている。底面331bは、転動体52に沿う形状を有する。斜面331a及び斜面331cは、回転軸Zに対する直交平面に対して角度をなす。より具体的には、図11に示すように、斜面331aが回転軸Zに対する直交平面となす角度θ1、及び斜面331cが回転軸Zに対する直交平面となす角度θ2は、互いに等しく且つ一定である。平坦面332は、回転軸Zに対する直交平面に平行である。図示は省略するが、3つの第1カム面331が周方向で等間隔に配置されており、2つの第1カム面331の間に平坦面332が配置されている。すなわち、第1カム面331及び平坦面332が周方向で交互に並んでいる。
また、図5に示すように、第1カム板33は、内周面に複数の第3歯33aを有する。複数の第3歯33aは、回転軸Zを中心とした周方向において等間隔に配置されている。複数の第3歯33aは、例えばインボリュートスプラインである。第3歯33aは、回転軸Zに沿っている。すなわち、第3歯33aの長手方向が回転軸Zに平行である。基部32の外周面には、第1カム板33の内周面と対向する位置に、第4歯3aが設けられている。複数の第4歯3aは、周方向において等間隔に配置されている。複数の第4歯3aは、例えばインボリュートスプラインである。第4歯3aは、回転軸Zに沿っている。すなわち、第4歯3aの長手方向が回転軸Zに平行である。第4歯3aは、第1カム板33の第3歯33aに噛み合っている。これにより、第1カム板33は、ハブ3と一体に回転する。
転動体ユニット5は、図5及び図6に示すように、保持器51と、複数の転動体52とを備える。保持器51は、複数の転動体52を位置決めするための部材である。保持器51は、ハブ3とは独立して回転軸Zを中心に回転することができる。保持器51は、図8に示すように本体部55と、突起56と、突起57とを備える。本体部55は、円環状であって、複数のポケット59を備える。ポケット59は、転動体52を収納するための穴である。例えば、3つのポケット59が周方向で等間隔に配置されている。例えば、ポケット59は、軸方向から見て略矩形であって、四隅に逃げ溝591を有する。逃げ溝591は、軸方向から見て略半円状の溝である。
突起56及び突起57は、本体部55から軸方向に突出する部材である。図10に示すように、突起56は、例えば本体部55の、第1カム面331に対向する表面から突出している。より具体的には、突起56は本体部55の外縁に配置されている。突起56は、例えば略三角形の板状である。突起56の数は例えば3つである。3つの突起56が周方向で等間隔に配置されている。突起56の位置は、ポケット59の位置に対応している。具体的には、突起56は、ポケット59の周方向の端部に対して放射方向で重なる位置に少なくとも配置されている。
図10に示すように、突起57は、例えば本体部55の、第2カム板6に対向する表面から突出している。突起57の形状は、突起56の形状と同じである。図8に示すように、突起57の数は3つである。3つの突起57の周方向の位置は、突起56の周方向の位置と同じである。すなわち、3つの突起57は、突起56に対して本体部55を対称面とした面対称である位置に配置される。
転動体52は、例えばローラーである。転動体52の数は例えば3つである。それぞれの転動体52が保持器51のポケット59に嵌められている。転動体52は、保持器51のポケット59内で回転(自転)することができ、且つ保持器51と共に回転軸Zを中心に回転(公転)することができる。転動体52は、第1カム面331(図10参照)及び後述する第2カム面61に接する。
プーリ2及びハブ3の高速回転に伴い保持器51には大きな応力が生じる。保持器51の許容応力よりも大きな応力が保持器51の一部に生じた場合、保持器51はその部分から破損する可能性がある。保持器51のうち最も破損が生じやすい部分は、逃げ溝591の周辺部分である。逃げ溝591の周辺部分に生じる応力を低減するためには、例えば、本体部55の外径を大きくすること又は本体部55の軸方向の厚みを大きくすることが挙げられる。しかし、このようにした場合、プーリユニット13が大型化してしまう。
第1実施形態に係る保持器51においては、本体部55が突起56及び突起57を備えるので、本体部55の外径又は厚みを大きくしなくても、逃げ溝591の周辺部分に生じる応力が低減される。また、ポケット59に対して放射方向の外側に突起56及び突起57があるので、転動体52の周辺に潤滑材が溜まりやすい。このため、転動体ユニット5の寿命が長くなる。
図5に示すように、第2カム板6は、プーリ2と一体に回転する部材であって、転動体ユニット5の隣りに配置される。第2カム板6は、図9に示すように弾性部材接触面60と、第2カム面61と、平坦面62と、複数の第2歯6aとを備える。弾性部材接触面60は、弾性部材73(図5、6参照)に接する。
第2カム面61は、斜面61aと、底面61bと、斜面61cとを備える。底面61bは、斜面61a及び斜面61cの間に配置されている。底面61bは、転動体52に沿う形状を有する。斜面61a及び斜面61cは、回転軸Zに対する直交平面に対して角度をなす。より具体的には、図11に示すように、斜面61aが回転軸Zに対する直交平面となす角度θ3、及び斜面61cが回転軸Zに対する直交平面となす角度θ4は、互いに等しく且つ一定である。例えば、角度θ3及び角度θ4は、角度θ1及び角度θ2に等しい。平坦面62は、回転軸Zに対する直交平面に平行である。図9に示すように、3つの第2カム面61が周方向で等間隔に配置されており、2つの第2カム面61の間に平坦面62が配置されている。すなわち、第2カム面61及び平坦面62が周方向で交互に並んでいる。
第2歯6aは、第2カム板6の外周面に設けられている。複数の第2歯6aは、図9に示すように、周方向において等間隔に配置されている。複数の第2歯6aは、例えばインボリュートスプラインである。第2歯6aは、回転軸Zに沿っている。すなわち、第2歯6aの長手方向が回転軸Zに平行である。第2歯6aは、プーリ2の第1歯2a(図5参照)に噛み合っている。これにより、第2カム板6は、プーリ2と一体に回転する。また、第2カム板6は、軸方向に移動することができる。
弾性部材73は、例えば図5に示すように軸方向に重ねられた複数の皿ばねである。弾性部材73の軸方向の一端は第2カム板6に接しており、他端は軌道輪75に接している。例えば、弾性部材73の最大変形量(撓み量)は、転動体52の直径より小さい。このため、転動体52が第1カム面331及び第2カム面61(図10参照)から逸脱することを抑制できる。弾性部材73は、プーリ2の弾性部材収納部22に収納されている。すなわち、弾性部材73は、弾性部材収納部22の内周面に対向している。
軌道輪75は、円環状の部材であって弾性部材73に隣り合って配置される。軌道輪75は、軸方向においてスラスト軸受76と弾性部材73との間に配置される。軌道輪75は、レース又はワッシャとも呼ばれる。
図5に示すスラスト軸受76は、例えばスラストニードル軸受である。スラスト軸受76は、フランジ部35と軌道輪75との間に配置される。言い換えると、スラスト軸受76は、弾性部材73に対して、第2カム板6の反対側に配置される。スラスト軸受76は、回転軸Zを中心に回転できるように軌道輪75及び弾性部材73を支持する。
スラスト軸受76は、フランジ部35と接しており、これにより軸方向の位置が固定される。したがって、軌道輪75に接する弾性部材73の端部は軸方向に移動できない。第2カム板6が弾性部材73に向かって移動すると、弾性部材73の一端が軸方向に移動する一方、弾性部材73の他端は移動しない。このため、弾性部材73が変形する。この時、弾性部材73に弾性力が生じるので、第2カム板6は、弾性部材73から反力を受ける。
ガイド部材74は、軸受8を支持するための支持部材である。ガイド部材74は、円環状であって、軸方向の端部に段差部74aが設けられている。段差部74aは、ハブ3のフランジ部35に嵌まっている。これにより、ガイド部材74は、ハブ3と一体に回転する。ガイド部材74は、弾性部材73と軸方向に隣り合って配置される。また、ガイド部材74の放射方向の内側にスラスト軸受76及び軌道輪75が配置される。
軸受8は、ガイド部材74の外周面と、弾性部材収納部22の内周面との間に配置される。軸受8は、ラジアル軸受であって、例えば深溝玉軸受である。軸受8は、軸受4と共に、回転軸Zを中心に回転できるようにプーリ2を支持する。軸受8は、例えばガイド部材74及び弾性部材収納部22に圧入される。軸受8は、内輪8aと、外輪8bと、転動体8cとを有する。軸受8の内輪8aはガイド部材74に圧入され、ガイド部材74の外周面に接している。また、軸受8の外輪8bが弾性部材収納部22に圧入され、弾性部材収納部22の内周面に接している。軸受8は、スラスト軸受76及び軌道輪75に対して、放射方向の外側に配置される。また、軸受8は、弾性部材73に対して軸方向の外側に配置される。
プーリ2とハブ3との間には潤滑材が設けられている。潤滑材は例えばグリースである。潤滑材は、例えばプーリ2とハブ3との間の空間S(図5参照)のうち、転動体52の放射方向の内側端部より外側の領域を少なくとも満たす。すなわち、図5に示すように、回転軸Zを含む断面において、転動体52の放射方向の内側端部を通り、回転軸Zに平行な直線を、直線L1とする。直線L1よりも外側の領域は、潤滑材で満たされている。このため、スラスト軸受76の周囲も潤滑材で満たされているので、スラスト軸受76は、回転軸Zを中心に回転できるようにプーリ2を支持することができる。
プーリユニット13では、エンジン10の回転変動に伴いプーリ2とハブ3とが相対回転運動している。このため、プーリ2内部の摺動部やトルク伝達部において発熱する可能性がある。具体的には、主な発熱原因としてスラスト軸受76、トルクカムTC、第2カム板6とベルト取付部21との間に設けられたスプライン摺動部及びグリース撹拌抵抗等が挙げられる。その他にも、弾性部材73の皿ばね同士の接触や、弾性部材73と基部32及び弾性部材収納部22との摺動や、軸受4、8において発熱する可能性がある。
また、プーリユニット13の寿命を決める要因としてグリース焼き付き寿命が挙げられる。プーリユニット13はISGであるジェネレータ103に適用される。このため、高温環境下(例えば雰囲気温度120℃)での使用に耐える必要がある。加えて、プーリ2の内部発熱があるため、グリースは雰囲気温度よりもさらに高温にさらされる。
本実施形態では、図5に示すように、軸方向に沿って、ハブ3のフランジ部35、スラスト軸受76、軌道輪75、弾性部材73、トルクカムTC、軸受4の順に配列されている。つまり、スラスト軸受76は、弾性部材73に対して、第2カム板6の反対側に配置される。このような構成により、主要発熱部であるスラスト軸受76とトルクカムTCとが、弾性部材73を挟んで軸方向に離隔して配置される。これにより、プーリ2の内部で、発熱部位が局所的に集中することを抑制して、局所的に高温になることを抑制できる。したがって、グリース温度が局所的に高温になることが抑制され、グリース焼き付き寿命を延長することにつながる。したがって、プーリユニット13は、プーリ2の内部での発熱を抑制することができ、これにより、プーリユニット13自体の寿命延長にも寄与する。
図7は、プーリユニット13が回転動作した際に、ハブ3と同位相で回転する部材と、プーリ2と同位相で回転する部材とで異なるハッチングを付して示している。図7に示すように、軸受4の内輪4a、第1カム板33、ガイド部材74及び軸受8の内輪8aは、ハブ3と一体に、同位相で回転する。軸受4の外輪4b、第2カム板6、弾性部材73、軌道輪75及び軸受8の外輪8bは、プーリ2と一体に、同位相で回転する。
したがって、弾性部材73は、プーリ2と一体となって同位相で回転するため、プーリ2との間で相対回転運動は発生せず、軸方向のみの摩擦が生じる。したがって、弾性部材73の回転による摩擦熱の発生を抑制し、プーリ2の内部での発熱を抑制することができる。また、ガイド部材74の放射方向の内側にスラスト軸受76及び軌道輪75が配置される。ガイド部材74の放射方向の外側に軸受8が固定される。このような構成により、スラスト軸受76の放射方向の外側には、スプライン形状等を設ける必要がない。つまり、摺動部分とスラスト軸受76とが離れた位置に配置される。このため、プーリ2内部での発熱を抑制することができる。また、スラスト軸受76の近傍にスプライン形状等が設けられていない。このため、潤滑材がスプラインの凹み部に入り込みスラスト軸受76の近傍で潤滑材が枯渇することを抑制できる。
次にトルクカムTCの動作について説明する。プーリ2及びハブ3のいずれにもトルクが加わっていない場合、転動体52は、図11に示すように底面331b及び底面61bに接している。転動体52が底面331b及び底面61bに接している時、平坦面332と平坦面62との間の距離は最も小さくなる。この時、弾性部材73は変形していない。また、転動体52が底面331b及び底面61bに接している時、図11に示すように、底面331bと突起56との間の軸方向の距離D1は、平坦面332と本体部55との間の軸方向の距離D2より小さい。底面61bと突起57との間の軸方向の距離D3は、平坦面62と本体部55との間の軸方向の距離D4より小さい。例えば、距離D3は距離D1に等しく、距離D4は距離D2に等しい。
保持器51は、転動体52に対して軸方向にある程度移動することができる。上述したように距離D1が距離D2より小さく且つ距離D3が距離D4より小さいので、保持器51が転動体52に対して軸方向に移動した場合、突起56が第1カム面331に接するか突起57が第2カム面61に接する。すなわち、平坦面332及び平坦面62は、保持器51と接触しない。このため、平坦面332及び平坦面62の硬度を高くする必要がないため、高周波焼入れ等の加工が必要となる面積が小さくなる。その結果、プーリユニット13の製造コストが低減される。また、突起56及び突起57により保持器51が軸方向へ移動できる量が小さくなっているので、保持器51の傾きが抑制される。このため、保持器51において転動体52の遠心力を受ける位置が一定になりやすいので、保持器51の破損が防止される。
プーリ2又はハブ3にトルクが加わると、プーリ2及びハブ3の間の相対角度(以下、単に相対角度と記載する)が変化する。相対角度とは、平坦面332と平坦面62との間の距離が最も小さくなっている場合(図11に示す状態の場合)を基準とした、プーリ2及びハブ3の間の回転角度のずれである。すなわち、相対角度は、平坦面332と平坦面62との間の距離が最も小さくなっている場合には0°である。
図12は、エンジンからプーリにトルクが伝達された場合の、転動体ユニット及び第2カム板の動きを示す模式図である。図13は、ジェネレータからハブにトルクが伝達された場合の、転動体ユニット及び第2カム板の動きを示す模式図である。すなわち、図12は、プーリ2が駆動側(ハブ3が従動側)である場合の転動体ユニット5及び第2カム板6の動きを示す。図13は、プーリ2が従動側(ハブ3が駆動側)である場合の転動体ユニット5及び第2カム板6の動きを示す。
図12に示すように、プーリ2にトルクT1が加わると、転動体52が自転及び公転し、斜面61cを昇る。転動体52は斜面61cを昇ると、斜面61c及び斜面331aに挟まれるので、第1カム板33から軸方向の反力を受ける。これにより、転動体ユニット5及び第2カム板6は第1カム板33から離れる方向に移動し、弾性部材73(図5参照)が変形する。トルクT1の一部は弾性部材73の変形で消費される一方、トルクT1の残りの一部はハブ3を徐々に回転させる。そして、転動体52が第1カム板33から受ける反力が弾性部材73で生じる弾性力に等しくなると、転動体ユニット5及び第2カム板6が停止する。その結果、プーリ2からハブ3にトルクT1が伝達される。すなわち、ハブ3がプーリ2と一体に回転する。このように、プーリユニット13は、ベルト109に伝達されたトルクをジェネレータ103のシャフトに伝達することができる。また、上述したように、弾性部材73の最大変形量が転動体52の直径より小さい。このため、弾性部材73が最大まで変形しても、転動体52と第1カム板33との接触及び転動体52と第2カム板6との接触は保たれる。
仮にトルクT1が急激に変化した場合であっても、トルクT1の一部が弾性部材73の変形で消費されるので、ハブ3に伝達されるトルクの変化はトルクT1の変化より緩やかになる。このため、プーリ2の回転速度に対するハブ3の相対的な回転速度が変化しにくい。したがって、プーリユニット13は、ベルト109の張力の変動を抑制できる。
図13に示すように、ハブ3にトルクT2が加わると、転動体52が自転及び公転し、斜面331cを昇る。転動体52は斜面331cを昇ると、斜面331c及び斜面61aに挟まれるので、第1カム板33から軸方向の反力を受ける。これにより、転動体ユニット5及び第2カム板6は第1カム板33から離れる方向に移動し、弾性部材73(図5参照)が変形する。トルクT2の一部は弾性部材73の変形で消費される一方、トルクT2の残りの一部は第2カム板6及びプーリ2を徐々に回転させる。そして、転動体52が第1カム板33から受ける反力が弾性部材73で生じる弾性力に等しくなると、転動体ユニット5及び第2カム板6が停止する。その結果、ハブ3からプーリ2にトルクT2が伝達される。すなわち、プーリ2がハブ3と一体に回転する。このように、プーリユニット13は、ジェネレータ103で生じたトルクをベルト109に伝達することができる。
仮にトルクT2が急激に変化した場合であっても、トルクT2の一部が弾性部材73の変形で消費されるので、プーリ2に伝達されるトルクの変化はトルクT2の変化より緩やかになる。このため、ハブ3の回転速度に対するプーリ2の相対的な回転速度が変化しにくい。したがって、プーリユニット13は、ベルト109の張力の変動を抑制できる。
ところで、転動体52が第1カム板33の平坦面332及び第2カム板6の平坦面62に乗り上げると、転動体52に過大な応力が生じる。このため、転動体52が破損する可能性がある。これに対して、プーリユニット13においては、プーリ2が第1ストッパー2sを備え、ハブ3が第2ストッパー33sを備える。
図14は、図5におけるB−B断面図である。図15は、プーリ又はハブに加わるトルクと、プーリ及びハブの相対角度との関係を示すグラフである。
図14に示すように、ハブ3の第1カム板33は、外周面に突起である第2ストッパー33sを備える。例えば第2ストッパー33sの数は3つである。3つの第2ストッパー33sが周方向で等間隔に並んでいる。すなわち、図14に示す断面において、回転軸Z及び1つの第2ストッパー33sの頂点を通る直線と、回転軸Z及び他の第2ストッパー33sの頂点を通る直線とがなす角度α1は120°である。第2ストッパー33sは、例えば、平坦面332に隣接する第1カム板33の外周面に設けられている。具体的には、第2ストッパー33sの周方向の位置は、平坦面332の周方向の中間位置に等しい。また、第2ストッパー33sの放射方向の高さH1は、第1カム板33とベルト取付部21との間の隙間の高さH3の半分より大きい。隙間の高さH3は、ベルト取付部21の内径及び第1カム板33の外径の差に等しい。
プーリ2のベルト取付部21は、内周面に突起である第1ストッパー2sを備える。例えば第1ストッパー2sの数は6つである。2つの第1ストッパー2sが1つの第1ストッパーグループ2sgを構成している。1つの第1ストッパーグループ2sgの中で隣り合う第1ストッパー2s間の距離は、隣り合う第1ストッパーグループ2sg間の距離より小さい。3つの第1ストッパーグループ2sgが、周方向で等間隔に並んでいる。すなわち、図14に示す断面において、回転軸Z及び1つの第1ストッパーグループ2sgの中間点を通る直線と、回転軸Z及び他の第1ストッパーグループ2sgの中間点を通る直線とがなす角度α2は120°である。また、第1ストッパー2sの放射方向の高さH2は、第2ストッパー33sの高さH1に等しい。軸方向から見た場合、第1ストッパー2sの形状は第1歯2a(図5参照)の形状と同じである。周方向における第1ストッパー2sの位置は、周方向における第1歯2aの位置と同じである。第1ストッパー2sは、第1歯2aの製造工程において第1歯2aと共に製造される。例えば、第1歯2a及び第1ストッパー2sは、ブローチ加工により製造される。
プーリ2及びハブ3のいずれにもトルクが加わっていない場合(図11に示す状態の場合)、図14に示すように2つの第1ストッパーグループ2sgの中間に第2ストッパー33sが位置する。プーリ2又はハブ3にトルクが加わると、相対角度が変化するので、第2ストッパー33sが第1ストッパー2sに近付く。そして、図14に示す角度α3が0°になると、第2ストッパー33sが第1ストッパー2sに接する。角度α3は、回転軸Z及び第2ストッパー33sの側面上の点P1を通る直線と、回転軸Z及び第1ストッパー2sの側面上の点P2を通る直線とがなす角度である。点P1及び点P2は回転軸Zを中心とする同じ円周上に位置する。また、図14に示すように、回転軸Z及び第1カム面331の周方向の一端を通る直線と、回転軸Z及び第1カム面331の周方向の他端を通る直線とがなす角度を角度βとする。相対角度が0°である時の角度α3は角度βより小さい。角度βは60°である。
仮に相対角度が角度β以上になると、転動体52が平坦面332及び平坦面62に乗り上げることになる。しかし、第1実施形態に係るプーリユニット13においては、相対角度が0°である時の角度α3が角度βより小さいので、図15に示すように相対角度の最大値が角度βよりも小さくなる。このため、プーリ2又はハブ3に、例えばトルクT3よりも大きい過大なトルクが生じた場合であっても、相対角度が角度βを上回らないので、転動体52が平坦面332及び平坦面62に乗り上がらない。したがって、転動体52は平坦面332及び平坦面62に接触しない。このため、平坦面332及び平坦面62に求められる硬度が低くなるので、例えば高周波焼入れ等の加工が必要となる面積が小さくなる。その結果、プーリユニット13の製造コストが低減される。
また、3つの第2ストッパー33sが等間隔に配置され且つ3つの第1ストッパーグループ2sgが等間隔に配置されているので、3つの第2ストッパー33sが同時に第1ストッパー2sに接する。このため、第1ストッパー2sに接する第2ストッパー33sの数が1つである場合に比較して、1つの第1ストッパー2sに加わる力及び1つの第2ストッパー33sに加わる力が低減する。このため、第1ストッパー2s及び第2ストッパー33sが破損しにくくなる。
また、仮に第1ストッパーグループ2sgが含む第1ストッパー2sの数が1つである場合、1つの第1ストッパー2sが2方向の力を受けることになる。これに対して、第1実施形態においては、第1ストッパーグループ2sgが2つの第1ストッパー2sを含むので、1つの第1ストッパー2sに加わる力の方向は一定となる。すなわち、第1ストッパーグループ2sgに含まれる2つの第1ストッパー2sのうち一方は、ハブ3がプーリ2に対して正回転した時に第2ストッパー33sに接し、他方は、ハブ3がプーリ2に対して逆回転した時に第2ストッパー33sに接する。このため、1つの第1ストッパー2sが2方向の力を受ける場合に比較して、第1ストッパー2sが破損しにくくなる。
なお、本実施形態において、プーリユニット13は、必ずしもISGであるジェネレータ103に適用されなくてもよく、エンジンに与えるための動力を発生させない(発電のみを行う)ジェネレータに適用されてもよい。すなわち、プーリユニット13は、両方向トルクを伝達できるプーリユニット13に限定されず、片方向トルクのみ伝達できるプーリユニットであってもよい。具体的には、プーリユニット13は、ベルト109に伝達されたトルクをジェネレータ103に伝達できる装置であればよく、必ずしもジェネレータ103で生じたトルクをベルト109に伝達する装置でなくてよい。
なお、転動体52は、必ずしもローラーでなくてもよい。例えば、転動体52はボールであってもよい。弾性部材73は、必ずしも複数の皿ばねでなくてもよい。例えば、弾性部材73は、コイルスプリングであってもよい。
なお、第1カム板33は、ハブ3と別体に形成されているが、これに限定されない。例えば、第1カム板33は、軸受取付部31及び基部32と一体に形成されてもよい。
なお、図11に示す角度θ1及び角度θ2は異なっていてもよい。角度θ3及び角度θ4は異なっていてもよい。また、角度θ1、角度θ2、角度θ3及び角度θ4は、必ずしも一定でなくてもよい。例えば、角度θ1及び角度θ2は、第1カム面331の縁に向かうに従って大きくなっていてもよい。角度θ3及び角度θ4は、第2カム面61の縁に向かうに従って大きくなっていてもよい。
なお、第1ストッパーグループ2sgに含まれる第1ストッパー2sの数は、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、ハブ3は、少なくとも2つの第2ストッパー33sを含む複数の第2ストッパーグループを有していてもよい。この場合、複数の第2ストッパーグループが周方向に等間隔に配置される。また、第1ストッパーグループ2sgの数及び第2ストッパー33sの数(第2ストッパーグループの数)は、それぞれ3つでなくともよく、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。ただし、第1ストッパーグループ2sgの数及び第2ストッパー33sの数(第2ストッパーグループの数)は等しいことが好ましい。
以上で説明したように、プーリユニット13は、ハブ3と、プーリ2と、第1カム板33と、第2カム板6と、転動体52と、弾性部材73と、スラスト軸受76とを有する。ハブ3は、回転軸Zを中心に回転する。プーリ2は、軸受4を介してハブ3に支持される。第1カム板33は、ハブ3と一体となって回転する。第2カム板6は、プーリ2と一体に回転し且つ回転軸Zに沿う方向に移動できる。転動体52は、第1カム板33及び第2カム板6に接する。弾性部材73は、回転軸Zに沿う方向の第2カム板6の移動に伴って変形する。スラスト軸受76は、回転軸Zに沿う方向において、弾性部材73に対して第2カム板6の反対側に設けられる。
これにより、スラスト軸受76は、軸方向において、第1カム板33、転動体52及び第2カム板6との間に弾性部材73を介して配置される。つまり、プーリ2内部における主要発熱部であるスラスト軸受76とトルクカムTCとが離れた位置に配置される。このため、プーリ2内部で発熱部位が集中することを抑制し、局所的に高温になることを抑制できる。したがって、プーリ2内部での発熱を抑制することができる。さらに、プーリ2内部での発熱を抑制することにより、プーリ2内部でのグリースの温度が低減される。したがって、グリース焼き付き寿命を延長することができ、プーリユニット13の寿命を延長することができる。
また、プーリユニット13において、プーリ2は、弾性部材73を内部に収納する筒状の弾性部材収納部22を有し、弾性部材73は、プーリ2と一体となって回転軸Zを中心に回転する。これにより、弾性部材73とプーリ2との間の相対回転運動の発生が抑制される。このため、弾性部材73の回転による摩擦熱の発生を抑制し、プーリ2の内部での発熱を抑制することができる。したがって、プーリ2内部での発熱を抑制することができる。
また、プーリユニット13において、スラスト軸受76の放射方向の外側には、環状の支持部材であるガイド部材74が設けられている。これによれば、スラスト軸受76の放射方向の外側には、スプライン形状等を設ける必要がなく、摺動部分とスラスト軸受76とが離れた位置に配置される。このため、プーリ2内部での発熱を抑制することができる。
(第2実施形態)
図16は、第2実施形態に係るプーリユニットの断面図である。なお、上述した第1実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図16に示すように、本実施形態のプーリユニット13Aにおいて、第1カム板33Aは、プーリ2Aのベルト取付部21の内周面に設けられている。第1カム板33Aは、ベルト取付部21と一体に形成され、プーリ2Aと一体となって回転する。なお、これに限定されず、第1カム板33Aは、プーリ2Aと別体に加工されていてもよい。この場合、第1カム板33Aの外周面にスプライン形状を設け、プーリ2Aの内周面と噛み合う構成としてもよい。
第2カム板6Aは、ハブ3Aと一体に回転する部材であって、転動体ユニット5の隣りに配置される。第2カム板6Aの内周面には、複数の第2歯6bが設けられている。
複数の第2歯6bは、周方向において等間隔に配置されている。複数の第2歯6bは、例えばインボリュートスプラインである。第2歯6bは、回転軸Zに沿っている。すなわち、第2歯6bの長手方向が回転軸Zに平行である。第2歯6bは、ハブ3Aの第1歯3Aaに噛み合っている。これにより、第2カム板6Aは、ハブ3Aと一体に回転する。また、第2カム板6Aは、軸方向に移動することができる。
弾性部材73の軸方向の一端は第2カム板6に接しており、他端は軌道輪75に接している。本実施形態においても、スラスト軸受76は、軸方向において、弾性部材73に対して第2カム板6Aの反対側に配置される。つまり、主要発熱部であるスラスト軸受76とトルクカムTCとが離れた位置に配置される。このため、プーリ2内部で発熱部位が集中することを抑制し、局所的に高温になることを抑制できる。
本実施形態において、ハブ3Aには、フランジ部35(図5参照)が設けられていない。ハブ3Aの軸方向の端部には、ガイド部材74Aが設けられている。ガイド部材74Aは、スラスト軸受76を支持するための部材である。ガイド部材74Aは、円環状であってプーリ2Aの弾性部材収納部22に嵌まっている。
止め輪29は、ガイド部材74Aを位置決めするための部材である。止め輪29は、略円環状であって、弾性部材収納部22の端部に設けられた溝28に嵌められる。このため、ガイド部材74Aの軸方向の移動が規制される。したがって、ガイド部材74Aに接するスラスト軸受76、軌道輪75及び弾性部材73の端部は軸方向に移動できない。
軸受78は、ラジアル軸受であって、例えばすべり軸受である。ガイド部材74Aの内周面に凹部74Aaが設けられている。軸受78は、ガイド部材74Aの凹部74Aaに取り付けられている。これにより、軸受78は、放射方向においてガイド部材74と基部32との間に設けられる。軸受78は、基部32の外周面に接している。軸受78は、軸受4と共にプーリ2Aを支持している。
シール79は、プーリ2Aの端部の開口を塞ぐための部材である。シール79は、略円盤状の部材であって、プーリ2Aの端部に設けられた溝28に嵌まっている。シール79は、潤滑材の漏洩を防止すると共に、異物がプーリ2Aの内側に侵入することを防止する。
このような構成により、第1カム板33A及びガイド部材74Aは、プーリ2Aと一体に、同位相で回転する。また、第2カム板6A、弾性部材73及び軌道輪75は、ハブ3Aと一体に、同位相で回転する。
本実施形態においても、第2カム板6Aが弾性部材73に向かって移動すると、弾性部材73の一端が軸方向に移動する一方、弾性部材73の他端は移動しない。このため、弾性部材73が変形する。この時、弾性部材73に弾性力が生じるので、第2カム板6Aは、弾性部材73から反力を受ける。つまり、本実施形態では、軸方向の力を第1カム板33Aに固定されたプーリ2Aが受ける。
ここで、プーリ2Aの径はハブ3Aの径よりも大きい。このため、ハブ3Aで軸方向の力を受ける構成と比較して、軸方向の力を受ける断面積を等しくした場合であっても、プーリ2Aの肉厚を小さくすることができる。したがって、プーリユニット13Aの放射方向の大きさを小型化することができる。また、軸方向の力は、止め輪29と、プーリ2Aと一体の第1カム板33Aとで支持される。このため、図5に示す、軸受4に接する止め輪77及び溝39を省略することができる。
2 プーリ
3 ハブ
4、8 軸受
5 転動体ユニット
6、6A 第2カム板
10 エンジン
11 クランクシャフトプーリ
13、13A プーリユニット
21 ベルト取付部
22 弾性部材収納部
28 溝
29 止め輪
31 軸受取付部
32 基部
33、33A 第1カム板
35 フランジ部
51 保持器
52 転動体
55 本体部
56、57 突起
59 ポケット
60 弾性部材接触面
61 第2カム面
62 平坦面
73 弾性部材
74、74A ガイド部材
74a 段差部
74Aa 凹部
75 軌道輪
76 スラスト軸受
77 止め輪
101 クランクシャフト
103 ジェネレータ
109 ベルト
330 軸受接触面
331 第1カム面
332 平坦面
TC トルクカム
Z 回転軸

Claims (4)

  1. 回転軸を中心に回転するハブと、
    軸受を介して前記ハブに支持されるプーリと、
    前記ハブと一体となって回転する第1カム板と、
    前記プーリと一体に回転し且つ前記回転軸に沿う方向に移動できる第2カム板と、
    前記第1カム板及び前記第2カム板に接する転動体と、
    前記回転軸に沿う方向の前記第2カム板の移動に伴って変形する弾性部材と、
    前記回転軸に沿う方向において、前記弾性部材に対して前記第2カム板の反対側に設けられたスラスト軸受と、を有する
    プーリユニット。
  2. 前記プーリは、前記弾性部材を内部に収納する筒状の弾性部材収納部を有し、
    前記弾性部材は、前記プーリと一体となって前記回転軸を中心に回転する請求項1に記載のプーリユニット。
  3. 前記スラスト軸受の放射方向の外側には、環状の支持部材が設けられている請求項1又は請求項2に記載のプーリユニット。
  4. 回転軸を中心に回転するハブと、
    軸受を介して前記ハブに支持されるプーリと、
    前記プーリと一体となって回転する第1カム板と、
    前記ハブと一体に回転し且つ前記回転軸に沿う方向に移動できる第2カム板と、
    前記第1カム板及び前記第2カム板に接する転動体と、
    前記回転軸に沿う方向の前記第2カム板の移動に伴って変形する弾性部材と、
    前記回転軸に沿う方向において、前記弾性部材に対して前記第2カム板の反対側に設けられたスラスト軸受と、を有する
    プーリユニット。
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